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JP2005036111A - 表示装置用蛍光体とその製造方法、およびそれを用いた電界放射型表示装置 - Google Patents

表示装置用蛍光体とその製造方法、およびそれを用いた電界放射型表示装置 Download PDF

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JP2005036111A JP2003275024A JP2003275024A JP2005036111A JP 2005036111 A JP2005036111 A JP 2005036111A JP 2003275024 A JP2003275024 A JP 2003275024A JP 2003275024 A JP2003275024 A JP 2003275024A JP 2005036111 A JP2005036111 A JP 2005036111A
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Nobuyuki Yokozawa
信幸 横沢
Kenichi Yamaguchi
研一 山口
Takeo Ito
武夫 伊藤
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】FEDなどの表示装置に用いられる硫化亜鉛蛍光体において、高電流密度の電子線による発光輝度の劣化を改善する。
【解決手段】本発明の表示装置用蛍光体は、ZnS蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、Inの層により覆われている。また、このような蛍光体の製造方法は、In塩の水溶液中にZnS蛍光体を加えてIn塩から蛍光体粒子の表面にIn(OH)の層を形成する工程と、この蛍光体を加熱処理(ベーキング)することにより、In(OH)層をIn層に変える工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置用蛍光体とその製造方法、およびそれを用いた電界放射型表示装置に関する。
マルチメディア時代の到来に伴って、デジタルネットワークのコア機器となるディスプレイ装置には、大画面化や高精細化、コンピュータ等の多様なソースへの対応性などが求められている。
ディスプレイ装置の中で、電界放出型冷陰極素子などの電子放出素子を用いた電界放出型表示装置(フィールドエミッションディスプレイ;FED)は、様々な情報を緻密で高精細に表示することのできる大画面で薄型のデジタルデバイスとして、近年盛んに研究・開発が進められている。
FEDは、基本的な表示原理が陰極線管(CRT)と同じであり、電子線により蛍光体を励起して発光させている。しかしFEDでは、電子線の加速電圧(励起電圧)が3〜15kVとCRTに比べて低く、かつ電子線による電流密度が高くなっている。そして、このような低電圧・高電流密度励起下における蛍光体の発光特性について、十分な知見が得られていないのが現状であった。
FEDにおいては、蛍光膜を構成する蛍光体に、高電流密度の電子線に対する耐性が求められている。そして、このような点に関して、硫化亜鉛蛍光体の結晶構造を立方晶から六方晶とすることによって、電子線衝撃による輝度劣化などを抑制し得ることが知られている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、六方晶系の硫化亜鉛蛍光体は、高電流密度の電子線による輝度劣化などの抑制に有効であるものの、結晶構造を六方晶とすることで、発光色が短波長側にずれるという問題を有していた。したがって、FED用として高輝度の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体を実現することが強く求められている。
特に、白色輝度を向上させるには、緑色発光蛍光体の輝度を向上させることが最も重要であるが、彩度の高い白色を得るには、青色の色純度(色度)を高めつつ輝度向上を図ることが要望されていた。
従来からFED用の青色蛍光体としては、銀(Ag)とアルミニウム(Al)を付活剤とする硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)が、最も輝度の高い蛍光として使用されている。しかし、硫化亜鉛を母体とする蛍光体は、高電流密度の電子線により劣化が生じやすく、発光輝度が低下しやすいという問題があった。
一方、FEDなどの加速電圧が低い電子線で蛍光膜を励起する表示装置用の蛍光体(低電圧用蛍光体)に関しては、蛍光体母体(ZnS)の表面に金属塩や金属酸化物をコーティングした後に熱処理することによって、蛍光体母体の表面に付活剤をドーピングする技術が知られている(特許文献2参照)。ここでは、蛍光体母体の表面近くにのみ、Mn、Cu、Au、Agなどの付活剤をドープしている。
しかし、特許文献2に記載された付活剤のドーピング技術は、あくまでも浸入深さが浅い低電圧の電子線による発光効率を高めるものであり、硫化亜鉛蛍光体の高電流密度の電子線による輝度劣化を十分に抑制することができなかった。
特開2002−226847号公報(第2−3頁) 特許2914631号(特開平10−338870号)公報
本発明が解決しようとする問題点は、電界放出型表示装置(FED)などの表示装置に用いられる硫化亜鉛蛍光体の発光輝度が、高電流密度の電子線の励起により経時的に劣化する点である。
本発明者等は、FEDのような表示装置に使用される硫化亜鉛蛍光体粒子の表面に、インジウムをはじめとして、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等の金属の酸化物層を形成し、低電圧・高電流密度の電子線で長時間励起して発光輝度の変化を調べた結果、酸化インジウム(In)層を形成した場合にのみ、輝度の劣化が大幅に改善されることを見出した。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
本発明の表示装置用蛍光体は、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、酸化インジウム(In)の層により覆われていることを特徴としている。
また、本発明の表示装置用蛍光体の製造方法は、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、酸化インジウム(In)の層により覆われた表示装置用蛍光体の製造方法であり、インジウム塩の水溶液中に前記硫化亜鉛蛍光体を加えた溶液をアルカリ性にすることにより、前記蛍光体粒子の表面に水酸化インジウムの層を形成する工程と、前記水酸化インジウム層が形成された前記硫化亜鉛蛍光体を加熱処理し、該水酸化インジウムを酸化インジウムにする工程を備えることを特徴としている。
さらに、本発明の電界放出型表示装置は、青色発光蛍光体層と緑色発光蛍光体層と赤色発光蛍光体層とを含む蛍光膜と、前記蛍光膜に加速電圧が15kV以下の電子線を照射して発光させる電子源と、前記電子源と前記蛍光膜を真空封止する外囲器とを具備する電界放出型表示装置であり、前記蛍光膜は、上述した本発明の表示装置用蛍光体を、前記青色発光蛍光体および前記緑色発光蛍光体の少なくとも一方として含むことを特徴としている。
本発明の表示装置用蛍光体によれば、低電圧・高電流密度の電子線励起による経時的な輝度劣化を改善することができるうえに、FED用の発光成分に求められる発光色(発光色度)を満足させることができる。したがって、このような蛍光体を用いることによって、蛍光膜を励起する電子線の高電流密度化への対応を図ったうえで、色再現性などの表示特性や信頼性を向上させたFEDを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の実施形態は、低電圧・高電流密度の電子線により励起する表示装置用蛍光体であり、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、酸化インジウム(In)の層で被覆されている。
硫化亜鉛蛍光体には、加速電圧が15kV以下(例えば3〜15kV)の電子線を照射した際に青色や緑色に発光する、硫化亜鉛を母体とする蛍光体が用いられる。このような硫化亜鉛蛍光体においては、蛍光体母体としての硫化亜鉛中に含有させる付活剤の種類や量に基づいて、所望の発光色が得られる。例えば、付活剤としてAgとAlあるいはClを含有させることにより、青色の発光色を得ることができ、また付活剤としてCuやAuとAlを含有させることにより、緑色の発光色を得ることができる。
青色発光の硫化亜鉛蛍光体の具体例としては、一般式:ZnS:Aga,Alb
(式中、aおよびbは、蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対して、1×10-5≦a≦2×10-3g、1×10-5≦b≦5×10-3gの範囲の量をそれぞれ示す)で実質的に表される組成を有する蛍光体が挙げられる。
ここで、Agは発光中心を形成する第1の付活剤(主付活剤)であり、蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対して、1×10-5〜2×10-3gの範囲で含有させることが好ましい。第1の付活剤の含有量が硫化亜鉛1gに対して1×10-5g未満であっても、また2×10-3gを超えても発光輝度や発光色度が低下する。第1の付活剤の含有量は、硫化亜鉛1gに対して3×10-5〜1.5×10-3gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは5×10-5〜1×10-3gの範囲とする。
また、Alは電子線により直接的に励起される第2の付活剤(共付活剤)であり、このような第2の付活剤の励起エネルギーで第1の付活剤を発光させることによって、硫化亜鉛蛍光体(例えばZnS:Ag)の発光輝度を高めることができる。第2の付活剤の含有量は、蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対して1×10-5〜5×10-3gの範囲とすることが好ましい。第2の付活剤の含有量が硫化亜鉛1gに対して1×10-5g未満であっても、また5×10-3gを超えても発光輝度が低下し、また発光色度も劣化する。第2の付活剤の含有量は、硫化亜鉛1gに対して5×10-5〜2×10-3gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-3gの範囲とする。
緑色発光の硫化亜鉛蛍光体の具体例としては、一般式:ZnS:Cuc,Aud,Ale(式中、c、dおよびeは蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対して、1×10-5≦c≦1×10-3g、0≦d≦2×10-3g、1×10-5≦c+d≦2×10-3g、1×10-5≦e≦5×10-3gの範囲の量をそれぞれ示す)で実質的に表される組成を有する蛍光体が挙げられる。
CuやAuは発光中心を形成する第1の付活剤(主付活剤)であり、蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対してCuは1×10-5〜1×10-3gの範囲、Auは0〜2×10-3gの範囲で含有させることが好ましい。これら第1の付活剤の含有量が上記した範囲を外れると、発光輝度や発光色度が低下する。なお、第1の付活剤はCuまたはCuとAuの組合せのいずれかとし、CuとAuの組合せを適用する場合には、これらの合計量が1×10-5〜2×10-3gの範囲となるように調整する。
第1の付活剤としてのCuの含有量は、硫化亜鉛1gに対して3×10-5〜5×10-4gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは5×10-5〜3×10-4gの範囲とする。また、第1の付活剤としてのAuの含有量は、硫化亜鉛1gに対して5×10-5〜1.5×10-3gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-5gの範囲である。さらに、これらCuとAuの合計量は硫化亜鉛1gに対して5×10-5〜1.5×10-3gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-3gの範囲である。
また、Alは電子線により直接的に励起される第2の付活剤(共付活剤)であり、このような第2の付活剤の励起エネルギーで第1の付活剤を発光させることによって、硫化亜鉛蛍光体(例えばZnS:CuやZnS:Cu,Au)の発光輝度を高めることができる。第2の付活剤の含有量は、蛍光体母体である硫化亜鉛1gに対して1×10-5〜5×10-3gの範囲とすることが好ましい。第2の付活剤の含有量が硫化亜鉛1gに対して1×10-5g未満であっても、また5×10-3gを超えても発光輝度が低下し、また発光色度も劣化する。第2の付活剤の含有量は硫化亜鉛1gに対して5×10-5〜2×10-3gの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-3gの範囲とする。
実施形態の硫化亜鉛蛍光体において、蛍光体母体である硫化亜鉛の粒子中には、例えばAgやAlなどの付活剤が均一に分散されている。ここで、付活剤が蛍光体母体の粒子中に均一に分散された状態とは、蛍光体母体粒子の内部における付活剤の濃度(表面から深さ方向の濃度分布)を測定した場合に、おおよそ一定の濃度分布を示すものである。このような蛍光体は、例えば、蛍光体母体としての硫化亜鉛を形成する材料と付活剤を形成する材料とを均一に混合して焼成するなどの方法により得ることができる。
そして、このような硫化亜鉛蛍光体粒子の表面にInの層が形成されている。In層は、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部を覆うことで、輝度劣化防止の効果を上げることができるが、隙間なく表面全体を覆うように形成する方がより好ましい。
In層の厚さは特に限定されないが、In原子に換算した被覆量が、蛍光体母体である硫化亜鉛の亜鉛原子に対して、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析法による測定値で0.1〜1.0%の範囲であり、XPS分析法(X線光電子分析法)による測定値では6.0〜60.0%の範囲とすることが望ましい。In原子の被覆量がICP発光分析法により0.1%未満では、蛍光体の輝度劣化を改善する効果がない。反対に、In原子の被覆量が1.0%を超えると、In層が電子線の侵入を妨害する作用が大きくなり、かえって輝度低下を生じ好ましくない。なお、In原子の被覆量は、後述するIn層の形成において、添加するIn塩の量を変えることにより形成されるIn層の厚さを変えることで、調整することができる。
上述した実施形態の表示装置用蛍光体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、蛍光体母体である硫化亜鉛原料に対して、所定量の付活剤原料を添加し、さらに塩化カリウムや塩化マグネシウムなどのフラックスを必要に応じて添加し、これらを湿式混合する。具体的には、イオン交換水に蛍光体原料を分散させてスラリー状とし、これに付活剤原料およびフラックスを添加し、常法の撹拌機で混合する。混合時間は付活剤が均一に分散するように設定する。次いで、蛍光体原料と付活剤などを含むスラリーをパットなどの乾燥容器に移し、常法の乾燥機で乾燥させて蛍光体原料とする。
このような蛍光体原料を適当量の硫黄および活性炭素とともに、石英るつぼなどの耐熱容器に充填する。このとき、乾燥された蛍光体原料と硫黄とをブレンダなどを使用して例えば30〜180分程度混合し、この混合材料を耐熱容器に充填した後、その表面を硫黄で覆うようにすることが好ましい。これを硫化水素雰囲気、硫黄蒸気雰囲気などの硫化性雰囲気中、あるいは還元性雰囲気(例えば3〜5%水素−残部窒素の雰囲気)中で焼成する。
焼成条件は、蛍光体母体(ZnS)の結晶構造を制御する上で重要であり、目的とする結晶構造を得るために、焼成温度は800〜1200℃の範囲とすることが好ましい。焼成温度が800℃未満であると、硫化亜鉛の結晶粒を十分に成長させることができない。一方焼成温度が1200℃を超えると、硫黄の脱離が目立ち輝度低下を生じる。焼成時間は設定した焼成温度にもよるが、30〜180分とすることが好ましい。
次に、得られた焼成物をイオン交換水などで水洗し、乾燥した後、さらに必要に応じて粗大粒子を除去するための篩別などを実施することによって、付活剤が均一に分散された硫化亜鉛蛍光体(例えばZnS:Ag,Al蛍光体やZnS:Cu,Al蛍光体など)粉末が得られる。
次いで、この硫化亜鉛蛍光体の粉末を、硝酸インジウム、塩化インジウム等のインジウム塩の水溶液中に加えて撹拌し、さらに塩基性物質(例えば、NHOHやNaOH)を添加して、水溶液のpHを9.0以上になるように調整することで、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面に水酸化インジウム(In(OH)))層が形成される。
次いで、蛍光体をろ過・乾燥した後、この乾燥物を加熱処理(ベーキング)する。加熱は、大気雰囲気で400〜550℃(例えば約450℃)の温度で1〜3時間行う。加熱により、水酸化インジウムが脱水されて酸化インジウム(In)となる。こうして、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面がIn層により被覆された蛍光体を、再現性よく得ることができる。
なお、前記方法において、生成した水酸化物が加熱処理により脱水して酸化物となる温度が、水酸化インジウムでは、イットリウム、アルミニウム、マグネシウム等の水酸化物に比べて低くなっている。つまり、硫化亜鉛蛍光体が輝度劣化を起こすことがないような十分に低い温度(450℃程度)で、水酸化物から酸化物となり得るのは、水酸化インジウムのみである。
このように製造されるIn層を有する硫化亜鉛蛍光体において、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面をIn層で被覆することにより、発光輝度の劣化が改善される理由は必ずしも明らかではないが、Inが化学的に安定であり、それ自体が電子線により劣化しにくいため、電子線による硫化亜鉛蛍光体表面の原子の乱れ(結晶構造の変化)を抑える効果があることによると考えられる。また、In層が硫化亜鉛蛍光体表面の帯電が抑えることで、発光効率の低下が防止されることも考えられるが、むしろ上述の理由の方が大きな要因であると考えられる。
実施形態の硫化亜鉛蛍光体を使用し、公知のスラリー法あるいは印刷法により、青色発光蛍光体層あるいは緑色発光蛍光体層を形成することができる。
そして、実施形態の表示装置用蛍光体によれば、加速電圧が5〜15kVと低電圧で高電流密度の電子線で励起する電界放出型表示装置(FED)に用いた場合において、青色発光蛍光体あるいは緑色発光蛍光体の経時的な輝度劣化などを抑制したうえで、FED用の青色発光成分あるいは緑色発光成分に求められる発光色(発光色度)を満足させることができる。言い換えると、FED用の青色発光成分あるいは緑色発光成分に求められる発光色度でかつ高輝度の青色発光あるいは緑色発光を安定して得ることが可能となる。
次に、本発明の表示装置用蛍光体を用いて、青色蛍光体層あるいは緑色発光蛍光体層を構成した電界放出型表示装置(FED)について説明する。
図1は、FEDの実施形態の要部構成を示す断面図である。
図1において、符号1はフェイスプレートであり、ガラス基板2などの透明基板上に形成された蛍光体層3を有している。この蛍光体層3は、画素に対応させて形成した青色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層および赤色発光蛍光体層を有し、これらの間を黒色導電材から成る光吸収層4により分離した構造となっている。蛍光体層3を構成する各色の蛍光体層のうちで、青色発光蛍光体層あるいは緑色発光蛍光体層が、前記した実施形態の青色発光蛍光体あるいは緑色発光蛍光体により構成されている。これら以外の蛍光体層は、それぞれ公知の各種の蛍光体により構成することができる。
上述した青色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、赤色発光蛍光体層、およびそれらの間を分離する光吸収層4は、それぞれ水平方向に順次繰り返し形成されており、これらの蛍光体層3および光吸収層4が存在する部分が画像表示領域となる。この蛍光体層3と光吸収層4との配置パターンには、ドット状またはストライプ状など、種々のパターンが適用可能である。
そして、蛍光体層3上にはメタルバック層5が形成されている。メタルバック層5は、Al膜などの金属膜からなり、蛍光体層3で発生した光のうち、後述するリアプレート方向に進む光を反射して輝度を向上させるものである。
また、メタルバック層5は、フェイスプレート1の画像表示領域に導電性を与えて電荷が蓄積されるのを防ぐ機能を有し、リアプレートの電子源に対してアノード電極の役割を果たす。また、メタルバック層5は、フェイスプレート1や真空容器(外囲器)内に残留したガスが電子線で電離して生成するイオンにより蛍光体層3が損傷することを防ぐ機能を有し、さらに、使用時に蛍光体層3から発生したガスが真空容器(外囲器)内に放出されることを防ぎ、真空度の低下を防止するなどの効果も有している。
メタルバック層5上には、Baなどからなる蒸発形ゲッタ材により形成されたゲッタ膜6が形成されている。このゲッタ膜6によって、使用時に発生したガスが効率的に吸着される。
そして、このようなフェイスプレート1とリアプレート7とが対向配置され、これらの間の空間が支持枠8を介して気密に封止されている。支持枠8は、フェイスプレート1およびリアプレート7に対して、フリットガラス、あるいはInやその合金などからなる接合材9により接合され、これらフェイスプレート1、リアプレート7および支持枠8によって、外囲器としての真空容器が構成されている。
リアプレート7は、ガラス基板やセラミックス基板などの絶縁性基板、あるいはSi基板などからなる基板10と、この基板10上に形成された多数の電子放出素子11とを有している。これら電子放出素子11は、例えば電界放出型冷陰極や表面伝導型電子放出素子などを備え、リアプレート7の電子放出素子11の形成面には、図示を省略した配線が施されている。すなわち、多数の電子放出素子11は、各画素の蛍光体に応じてマトリックス状に形成されており、このマトリックス状の電子放出素子11を一行ずつ駆動する、互いに交差する配線(X−Y配線)を有している。なお、支持枠8には、図示を省略した信号入力端子および行選択用端子が設けられている。これらの端子は前記したリアプレート7の交差配線(X−Y配線)に対応する。また、平板型のFEDを大型化させる場合、薄い平板状であるためにたわみなどが生じるおそれがある。このようなたわみを防止し、また大気圧に対して強度を付与するために、フェイスプレート1とリアプレート7との間に、補強部材(大気圧支持部材、スペーサ)12を適宜配置してもよい。
このようなカラーFEDにおいて、電子線励起により発光する青色発光蛍光体層あるいは緑色発光蛍光体層として、本発明の表示装置用蛍光体が用いられているので、発光輝度の劣化が改善され、使用寿命の大幅な向上が可能となる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例1
硫化亜鉛(ZnS)に、硝酸銀(AgNO3)と硝酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)を適当量の水とともに所定量添加し、十分に混合した後に乾燥した。得られた蛍光体原料に、硫黄および活性炭素を適当量添加して石英るつぼに充填し、これを還元性雰囲気中で焼成した。その後、焼成物を水洗および乾燥し、さらに篩別することによって、硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)粉末を得た。
この硫化亜鉛蛍光体粉末を、硝酸インジウムを含む水溶液中に加えて撹拌し、さらに塩基性物質であるNaOHを添加して水溶液のpHを9.0以上に調整した。こうして、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面に水酸化インジウムの層を形成した。
次いで、蛍光体をろ過・乾燥した後、この乾燥物を大気雰囲気中で約450℃の温度で1.5時間加熱処理(ベーキング)した。こうして、硫化亜鉛蛍光体粒子の表面に酸化インジウム(In)層を被覆・形成した。なお、酸化インジウムの被覆量は、In原子に換算して、蛍光体母体である硫化亜鉛の亜鉛原子に対してIPC発光分析法により0.3%となっていた。
次いで、得られた青色発光蛍光体を用い、スラリー法により蛍光体膜を形成した。また、比較例として、立方晶系の硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)を用いて蛍光体膜を形成した。蛍光体膜の形成は、実施例1および比較例で得られた蛍光体をそれぞれポリビニルアルコール等を含む水溶液中に分散させてスラリーとし、これらのスラリーを、回転塗布機(スピンコーター)でガラス基板上に塗布することによって行った。回転塗布機の回転数とスラリーの粘度を調整することによって、各蛍光体膜の膜厚を3×10-3mg/mm3とした。
次に、こうして得られた蛍光体膜の発光輝度と発光色度をそれぞれ調べた。発光輝度は、各蛍光体膜に、加速電圧10kV、電流密度1.2A/cm2の電子線を照射して測定した。そして、比較例による蛍光体膜の輝度を100としたときの相対値として、発光輝度を求めた。
発光色度は、色度測定機器としてトプコン社製SR−3を使用して測定した。発光色度の測定は、発光時の色度が外部から影響を受けない暗室内で行った。発光輝度および発光色度の測定結果を表1に示す。
Figure 2005036111
表1から明らかなように、実施例1で得られた青色発光蛍光体は、低加速電圧(15kV以下)で高電流密度の電子線を照射した際の発光色が比較例のものと同等に良好であり、かつ同等の発光輝度を有している。
また、実施例1および比較例で得られた蛍光体膜について、以下に示すようにして輝度劣化特性を調べた。すなわち、各蛍光体膜に加速電圧10kV、電流密度1.2A/cm2の電子線を連続的に照射し、電子線照射により投入された電荷の総量と発光輝度との関係を調べた。この関係を示すグラフを図2に示す。そして、このグラフから、発光輝度が初期の50%となるまでの投入電荷量を調べた。その結果、実施例1の蛍光体膜が1050C/cm2であるのに対して、比較例の蛍光体膜では350C/cm2となり、実施例1の蛍光体膜の輝度寿命が比較例に比べて約3倍に改善されていることが確かめられた。
実施例2
実施例1で得られた青色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体(立方晶系のZnS:Cu,Al蛍光体)、および赤色発光蛍光体(Y22S:Eu蛍光体)をそれぞれ用い、ガラス基板上に蛍光体層を形成してフェイスプレートとした。このフェイスプレートと多数の電子放出素子を有するリアプレートとを支持枠を介して組立てると共に、これらの間隙を真空排気しつつ気密封止した。このようにして得たFEDは色再現性に優れ、さらに常温、定格動作で1000時間駆動させた後においても良好な表示特性を示すことが確認された。
本発明の表示装置用蛍光体によれば、加速電圧が5〜15kVと低電圧で高電流密度の電子線で励起する電界放出型表示装置(FED)に用いた場合に、青色発光蛍光体あるいは緑色発光蛍光体の経時的な輝度劣化などを抑制したうえで、FED用の青色発光成分あるいは緑色発光成分に求められる発光色(発光色度)を満足させることができる。言い換えると、FED用の青色発光成分あるいは緑色発光成分に求められる発光色度でかつ高輝度の青色発光あるいは緑色発光を安定して得ることが可能となる。
本発明の一実施形態としての電界放出型表示装置(FED)の構成例を示す断面図である。 本発明の実施例1において、電子線照射により投入された電荷総量と発光輝度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…フェイスプレート、2…ガラス基板、3…蛍光体層、4…光吸収層、5…メタルバック層、6…ゲッタ膜、7…リアプレート、8…支持枠、11…電子放出素子。

Claims (6)

  1. 硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、酸化インジウム(In)の層により覆われていることを特徴とする表示装置用蛍光体。
  2. 前記硫化亜鉛蛍光体が、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)を付活剤として含有する硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)であることを特徴とする請求項1記載の表示装置用蛍光体。
  3. 前記酸化インジウムの被覆量が、インジウム(In)原子に換算して、前記蛍光体の母体である硫化亜鉛の亜鉛原子に対して、ICP発光分析法により0.1〜1.0%であり、XPS分析法により6.0〜60.0%であることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置用蛍光体。
  4. 硫化亜鉛蛍光体粒子の表面の少なくとも一部が、酸化インジウム(In)の層により覆われた表示装置用蛍光体の製造方法であり、
    インジウム塩の水溶液中に前記硫化亜鉛蛍光体を加えた溶液をアルカリ性にすることにより、前記蛍光体粒子の表面に水酸化インジウムの層を形成する工程と、前記水酸化インジウム層が形成された前記硫化亜鉛蛍光体を加熱処理し、該水酸化インジウムを酸化インジウムにする工程を備えることを特徴とする表示装置用蛍光体の製造方法。
  5. 前記加熱処理を400〜550℃の温度で行うことを特徴とする請求項4記載の表示装置用蛍光体の製造方法。
  6. 青色発光蛍光体層と緑色発光蛍光体層と赤色発光蛍光体層とを含む蛍光膜と、前記蛍光膜に加速電圧が15kV以下の電子線を照射して発光させる電子源と、前記電子源と前記蛍光膜を真空封止する外囲器とを具備する電界放出型表示装置であり、
    前記蛍光膜は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置用蛍光体を、前記青色発光蛍光体および前記緑色発光蛍光体の少なくとも一方として含むことを特徴とする電界放出型表示装置。
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