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JP2005030511A - 無段変速機を備えた車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両の制御装置 Download PDF

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JP2005030511A JP2003271493A JP2003271493A JP2005030511A JP 2005030511 A JP2005030511 A JP 2005030511A JP 2003271493 A JP2003271493 A JP 2003271493A JP 2003271493 A JP2003271493 A JP 2003271493A JP 2005030511 A JP2005030511 A JP 2005030511A
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Takahiro Oshiumi
恭弘 鴛海
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Shinya Iizuka
信也 飯塚
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】 車両の走行状態に基づく車両の運転領域毎に路面状態を判定することによって、各運転領域に見合った路面状態を判定することのできる制御装置を提供する。
【解決手段】 車両に搭載された無段変速機の伝達トルク容量を、前記無段変速機のトルク伝達部材を挟み付ける挟圧力に応じて変化させるとともに、車両の走行状態に基づいて定められる運転領域毎に前記挟圧力を設定する無段変速機を備えた車両の制御装置であって、前記車両の走行状態に基づいて車両の運転領域を判断する運転領域判断手段(ステップS103)と、前記運転領域判断手段で判断された運転領域毎に判定基準を設定する判定基準値設定手段(ステップS104,S107)と、前記運転領域毎に設定された判定基準と前記無段変速機の動作状態から求められる物理量とに基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段(ステップS104,S107)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、挟圧力に応じてトルク容量の変化する無段変速機を含む車両の制御装置に関するものである。
無段変速機においてトルク伝達部材を挟み付ける挟圧力は、伝達するべきトルク容量に基づいて決まる圧力以上であればよい。しかしながら、挟圧力が必要以上に高いと、無段変速機での動力の伝達効率が低下するうえに、無段変速機の耐久性が低下する。さらには、挟圧力を油圧によって設定するように構成している場合は油圧ポンプでの動力損失が増大し、その結果、無段変速機を搭載している車両の燃費が悪化する。したがって、無段変速機における挟圧力は、回転部材とトルク伝達部材との間で過剰な滑りが生じない範囲で可及的に低い圧力に設定されることが好ましい。
ところで、車両が走行する路面の状態は、凹凸があったり、降雨や積雪のため滑り易くなっているなど、一定ではないから、駆動輪がグリップ力を瞬間的に失って空転(スリップ)し、その直後に接地してグリップ力を回復する事態が生じることがある。このような場合、エンジンなどの動力源から駆動輪に到る駆動系統に大きな慣性力が作用する。また、車両の走行中には、アクセルペダルを急激かつ大きく踏み込む急加速操作や、ブレーキペダルを急激かつ大きく踏み込む急制動操作などがおこなわれることがあり、このような場合にも、駆動系統に大きなトルクが作用する。そのため、無段変速機における上述した挟圧力あるいはトルク容量を一定に維持していたのでは、無段変速機に作用するトルクに相対的に過大になって、無段変速機における回転部材とトルク伝達部材との間で過剰な滑りが生じることがある。
これに対して、従来では、無段変速機の滑りに対応した制御をおこなうことのできる制御装置が知られており、その制御装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている車両は、エンジンのトルクが、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ、前後進切換装置、ベルト式無段変速機、減速ギヤ装置、差動歯車装置を経て駆動輪に伝達されるように構成されている。前記ベルト式無段変速機は、入力軸および出力軸と、入力軸および出力軸にそれぞれ設けられた可変プーリと、これらの可変プーリに巻き掛けられたベルトとを備えている。
さらに、油圧アクチュエータにより、可変プーリの動作が制御されて、ベルトの巻き掛かり径が調整されて、ベルト式無段変速機の変速比が制御されるとともに、ベルトに対する挟圧力が調整される。具体的には、駆動輪の回転加速度の変化幅が、予め定められた判断基準を超えた場合は、ベルト挟圧力が一時的に増加させられる。このような制御により、駆動輪のスリップおよびグリップが繰り返されて、駆動輪からベルトに比較的大きなトルクが伝達される悪路走行に際して、ベルトの滑りが抑制される。
特開平4−285361号公報(段落番号0031、段落番号0041、図10)
上述した特許文献1の発明によれば、悪路走行に対応して挟圧力を増大させ、ベルト滑りを防止もしくは回避できる。しかしながら、悪路を含む路面の状態は多様であって、路面状態に起因してベルト滑りを生じさせるトルク変化の状態が一律ではないから、挟圧力のベルト滑りに対する余裕幅を予め一定に設定すると、挟圧力が相対的に過剰になったり、また反対に不足してベルト滑りが生じやすくなる場合がある。
例えば、平坦な自動車専用道路などのいわゆる良路を走行している場合、車速の変化やエンジン負荷の変化が少なく、また路面からのトルクの入力変化が殆どないので、ベルト滑りに対する挟圧力のいわゆる余裕幅を小さくすることが好ましい。これに対して加減速が比較的頻繁に行われる道路では、無段変速機に作用するトルクの変化が比較的大きいので、ベルト滑りに対する挟圧力のいわゆる余裕幅を大きくすることが好ましい。
このように車両の走行状態に基づく車両の運転領域によって挟圧力のいわゆる余裕幅が異なることがある。この挟圧力のいわゆる余裕幅は、言い換えれば、ベルト滑りの生じ易さであるから、挟圧力の増大制御のための悪路の判定を一律におこなったのでは、悪路の判定に遅れが生じたり、あるいは挟圧力に余裕があるにもかかわらず、悪路判定が成立して挟圧力を更に増大させてしまうなどの可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両の走行状態に基づく車両の運転領域毎に路面状態を判定することによって、各運転領域に見合った路面状態を判定することのできる無段変速機を備えた車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、車両の走行状態に基づく車両の運転領域毎に路面状態を判定することによって、各運転領域に見合った路面状態を判定して、その路面状態や車両の走行状態に応じた適切な対応制御をおこなうように構成したことを特徴とするものである。すなわち、請求項1の発明は、車両に搭載された無段変速機の伝達トルク容量を、前記無段変速機のトルク伝達部材を挟み付ける挟圧力に応じて変化させるとともに、車両の走行状態に基づいて定められる運転領域毎に前記挟圧力を設定する無段変速機を備えた車両の制御装置であって、前記車両の走行状態に基づいて車両の運転領域を判断する運転領域判断手段と、前記運転領域判断手段で判断された運転領域毎に判定基準を設定する判定基準値設定手段と、前記運転領域毎に設定された判定基準と前記無段変速機の動作状態から求められる物理量とに基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記判定基準設定手段は、前記挟圧力を低下させる挟圧力低下運転領域で設定される判定基準を、前記挟圧力低下運転領域ではない挟圧力非低下運転領域で設定される判定基準より悪路の判定が成立し易い基準に設定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記判定基準設定手段により設定される前記判定基準は、前記運転領域毎に予め定められた判定基準値として設定されていることを特徴とする制御装置である。
またさらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記路面状態判定手段による路面状態の判定結果に基づいて、対応制御をおこなう対応制御実行手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
そして、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記対応制御実行手段は、前記挟圧力の制御をおこなう挟圧力制御実行手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そしてさらに、請求項6の発明は、無段変速機のトルク容量を設定する挟圧力を、その無段変速機が搭載された車両の走行状態に基づいて定まる運転領域毎に設定し、かつ走行中に検出された物理量に基づいて前記設定されている挟圧力を昇圧する無段変速機を備えた車両の制御装置において、挟圧力を昇圧すべき前記物理量についての判定基準を、前記走行中に設定されている挟圧力に応じて定める判定基準設定手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
この発明の効果として、請求項1の発明によれば、無段変速機の挟圧力が、車両の走行状態を反映して設定された運転領域毎に設定され、無段変速機の動作状態、例えば出力軸の回転速度などが検出されることにより、その動作状態に基づいた物理量が算出される。そして、その物理量と、運転領域毎に設定された判定基準とを比較した結果に基づいて、車両が走行している路面状態を判定することができる。その結果、各運転領域に見合った路面状態を判定することができる。
また、請求項2の発明によれば、挟圧力低下運転領域で設定される判定基準が、挟圧力非低下運転領域で設定される判定基準より悪路の判定がし易い基準に設定される。そのため、各運転領域において設定される挟圧力に見合った路面状態を判定することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、判定基準設定手段により設定される判定基準が、運転領域毎に予め定められた判定基準値として設定されるため、各運転領域に応じた適切な判定基準により路面状態を判定することができる。その結果、各運転領域に見合った路面状態を判定することができる。
またさらに、請求項4の発明によれば、無段変速機の動作状態から求められた物理量と運転領域毎に設定された判定基準とに基づいて路面状態が判定されると、その判定結果に基づいて、例えば、車両の駆動系統内のライン圧あるいはトルクヒューズとして設けられたクラッチ係合圧の設定などの対応制御を実行することができる。その結果、各運転領域に見合った路面状態に基づいて適切な対応制御を実行することができる。
そして、請求項5の発明によれば、無段変速機の動作状態から求められた物理量と運転領域毎に設定された判定基準とに基づいて路面状態が判定されると、その判定結果に基づいて、挟圧力の増減をおこなう挟圧力制御を実行することができる。その結果、各運転領域に見合った路面状態に基づいて適切な挟圧力制御を実行することができ、車両の燃費や無段変速機の耐久性を向上させることができる。
そしてさらに、請求項6の発明によれば、無段変速機の挟圧力が、車両の走行状態を反映して設定された運転領域毎に設定され、その車両の走行中に検出される、例えば出力軸の回転速度などに基づく物理量についての判定基準が、走行中に設定されている挟圧力に応じて設定される。そのため、検出された物理量を、その判定基準によって判定した結果に基づいて挟圧力が昇圧されることによって、運転領域毎に、車両の走行状態や路面状態応じて適切に、挟圧力低下制御の続行や、低下された挟圧力の復帰制御、もしくは挟圧力の昇圧制御の実行の判断をすることができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする動力源および無段変速機を含む駆動系統の一例を説明すると、図2は、ベルト式無段変速機1を含む駆動系統の一例を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2およびロックアップクラッチ3付きの流体伝動機構4を介して動力源5に連結されている。
その動力源5は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成されている。なお、以下の説明では、動力源5をエンジン5と記す。また、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータと同様の構成であって、エンジン5によって回転させられるポンプインペラとこれに対向させて配置したタービンランナーと、これらの間に配置したステータとを有し、ポンプインペラで発生させたフルードの螺旋流をタービンランナーに供給することよりタービンランナーを回転させ、トルクを伝達するように構成されている。
このような流体を介したトルクの伝達では、ポンプインペラとタービンランナーとの間に不可避的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となるので、ポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナーなどの出力側の部材とを直接連結するロックアップクラッチ3が設けられている。このロックアップクラッチ3は、油圧によって制御するように構成され、完全係合状態および完全解放状態、ならびにこれらの中間の状態であるスリップ状態に制御され、さらにそのスリップ回転数を適宜に制御できるようになっている。
前後進切換機構2は、エンジン5の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図2に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ6と同心円上にリングギヤ7が配置され、これらのサンギヤ6とリングギヤ7との間に、サンギヤ6に噛合したピニオンギヤ8とそのピニオンギヤ8およびリングギヤ7に噛合した他のピニオンギヤ9とが配置され、これらのピニオンギヤ8,9がキャリヤ10によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ6とキャリヤ10と)を一体的に連結する前進用クラッチ11が設けられ、またリングギヤ7を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ12が設けられている。
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ13と従動プーリ14とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ15,16によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ13,14の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ13,14に巻掛けたベルト17の巻掛け半径(プーリ13,14の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ13が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ10に連結されている。
なお、従動プーリ14における油圧アクチュエータ16には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ14における各シーブがベルト17を挟み付けることにより、ベルト17に張力が付与され、各プーリ13,14とベルト17との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ13における油圧アクチュエータ15には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
上記の従動プーリ14が、ギヤ対18を介してディファレンシャル19に連結され、このディファレンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するようになっている。したがって上記の駆動機構では、エンジン5と駆動輪20との間に、ロックアップクラッチ3と無段変速機1とが直列に配列されている。
上記の無段変速機1およびエンジン5を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、無段変速機1に対する入力回転数(前記タービンランナーの回転数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー21、駆動プーリ13の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー22、従動プーリ14の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー23、ベルト挟圧力を設定するための従動プーリ14側の油圧アクチュエータ16の圧力を検出する油圧センサー24が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
上記の前進用クラッチ11および後進用ブレーキ12の係合・解放の制御、および前記ベルト17の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御、さらにはロックアップクラッチ3の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)25が設けられている。この電子制御装置25は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定、ロックアップクラッチ3の係合・解放ならびにスリップ回転数などの制御を実行するように構成されている。
ここで、変速機用電子制御装置25に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数(入力回転速度)Ninの信号、無段変速機1の出力回転数(出力回転速度)No の信号が、それぞれに対応するセンサから入力されている。また、エンジン5を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。
無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に(言い換えれば、連続的に)制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
そのような燃費向上の利点を損なわないために、無段変速機1における動力の伝達効率が良好な状態に制御される。具体的には、無段変速機1のトルク容量すなわちベルト挟圧力が、エンジントルクに基づいて決まる目標トルクを伝達でき、かつベルト17の滑りが生じない範囲で可及的に低いベルト挟圧力になるよう制御される。例えば、加減速が比較的頻繁におこなわれたり、路面の凹凸もしくは起伏がある悪路を走行している場合などのいわゆる非定常走行状態では、ベルト挟圧力が、無段変速機1を制御する油圧系統における全体の元圧となるライン圧もしくはその補正圧程度の相対的に高い圧力に設定する。
これに対して平坦路をある程度以上の車速で定速走行しているなどの定常走行状態もしくはこれに準ずる準定常走行状態では、滑りを生じずに入力トルクを伝達できる最低の圧力すなわち限界挟圧力を検出するために、ベルト挟圧力が徐々に低下される。そしてそのベルト挟圧力が、検出された限界挟圧力に所定の安全率もしくは滑りに対する余裕伝達トルクを設定する圧力を加えたベルト挟圧力に設定される。
車両が走行している際に、エンジン5が出力するトルクや駆動輪20から入力されるトルクあるいは変速比などは、走行路の勾配や凹凸、加減速操作などに基づいて多様に変化する。そのような変化に対応してベルト挟圧力を設定すれば、入力トルクの急激な増大や路面外乱などによる無段変速機1での過剰な滑りを防ぐために、ベルト挟圧力を不必要に高くする事態を回避することができる。そこでこの発明に係る制御装置は、車両が走行している路面状態を、走行状態を反映した運転領域毎に判定し、その路面状態や走行状態に応じてベルト挟圧力の増減などの対応制御をおこなうように構成されている。その制御の具体例を以下に説明する。
図1はその一例を示すフローチャートである。図1において、先ず、無段変速機1の動作状態の変化を示す物理量の一つである、出力軸回転速度Nout(i)が計測され、その計測値にカットオフ周波数の異なる複数のローパスフィルタ処理が施されることによって、フィルタ処理値F1(i) ,F2(i) が算出される(ステップS101)。無段変速機1の出力軸回転速度Nout(i)の実際の計測値は、ノイズによる振動成分や変動による傾き成分などを含んでいるため、このように複数のフィルタを通すことによって、それらの振動成分や傾き成分などを除去し、後述する路面状態判定のための閾値との比較を容易にすることができる。
ステップS101でフィルタ処理値F1(i) ,F2(i) が算出されると、それらの変化量であるΔF1(i) ,ΔF2(i) が算出され、それらの変化量の差である差分Dが算出される(ステップS102)。すなわち、現在の出力軸回転速度Nout(i)から算出されたフィルタ処理値F1(i) ,F2(i) と前回の出力軸回転速度Nout(i-1)から算出されたフィルタ処理値F1(i-1) ,F2(i-1) とから、変化量ΔF1(i) ,ΔF2(i) および差分Dはそれぞれ、
ΔF1(i) =F1(i) −F1(i-1)
ΔF2(i) =F2(i) −F2(i-1)
D =ΔF1(i) −ΔF2(i)
として算出することができる。
次に、車両の走行状態に応じて設定される運転領域が、挟圧力低下領域か否かが判断される(ステップS103)。挟圧力低下領域とは、例えば、スロットル開度の変化幅が所定範囲以内であり、かつ車速が中高速状態にほぼ一定しているいわゆる定常走行状態もしくは準定常走行状態にある場合、また、油圧制御が正常に実行でき、またエンジン4が正常に動作しているなどの条件が成立している場合に、限界挟圧力を検出するため挟圧力の低下制御が実行される運転領域である。
運転領域が挟圧力低下領域であることによって、ステップS103で肯定的に判断された場合は、ステップS104へ進み、前述のステップS102で算出した差分Dの絶対値が、挟圧力低下領域での路面状態の判定基準として、予め定められた閾値d1より大きいか否かが判断される。差分Dの絶対値が閾値d1以下であることによりステップS104で否定的に判断された場合、すなわち差分Dの絶対値が挟圧力低下領域での路面状態判定基準の閾値d1を超えていない場合は、走行している路面状態を、平坦で路面に凹凸が少ない、また降雨や積雪などがない、などの状態である「良路」と判定し、ステップS105へ進み、挟圧力の低下制御が継続して実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、差分Dの絶対値が閾値d1より大きいことによりステップS104で肯定的に判断された場合、すなわち差分Dの絶対値が挟圧力低下領域での路面状態判定基準の閾値d1を超えている場合は、走行している路面状態を、前記の「良路」ではないものの、それに準ずる状態である「非良路」と判定し、ステップS106へ進み、挟圧力の低下制御が中断され、低下させた挟圧力を通常の挟圧力へ復帰させる通常挟圧力復帰制御が実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
一方、運転領域が挟圧力低下領域でない、すなわち運転領域が挟圧力非低下領域であることによって、前述のステップS103で否定的に判断された場合は、ステップS107へ進み、差分Dの絶対値が、非挟圧力低下領域での路面状態の判定基準として、予め定められた閾値d2より大きいか否かが判断される。この制御例においては、この閾値d2は、前述の閾値d1よりも大きな値となるように定められた基準値であって、言い換えると、挟圧力非低下領域での路面状態判定基準の閾値d2と比較して、挟圧力低下領域での路面状態判定基準の閾値d1を、より悪路の判定が成立し易いように設定した基準値である。これらの閾値d1,d2のように、悪路判定の成立のし易さに差を設けた、大きさの異なる複数の判定基準を運転領域毎に設けることによって、各運転領域において設定される挟圧力に見合った路面状態を判定することができる。また、これらの閾値d1,d2が、運転領域毎に予め定められた判定基準値として設定されることによって、各運転領域に応じた適切な判定基準により路面状態を判定することができる。
差分Dの絶対値が閾値d2以下であることによりステップS107で否定的に判断された場合、すなわち差分Dの絶対値が路面状態判定基準の閾値d2を超えていない場合は、走行している路面状態を、前述の良路ではないもののそれに準ずる「非良路」と判定し、ステップS108へ進み、通常の挟圧力を維持させる通常挟圧力制御が継続して実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、差分Dの絶対値が閾値d2より大きいことによりステップS107で肯定的に判断された場合、すなわち差分Dの絶対値が路面状態判定基準の閾値d2を超えている場合は、走行している路面状態を、急な勾配や傾斜がある、大きな凹凸や障害物などがある、また降雨や積雪などにより滑り易くなっている、などの状態である「悪路」と判定し、ステップS109へ進み、「悪路」を走行することによる路面外乱などの影響により無段変速機1に過剰な滑りが生じることを防止するため、挟圧力油圧をアップさせる挟圧力増大制御が実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
なお、上記の各ステップS104,S107で、路面状態の判定基準として用いられる、各運転領域での閾値d1および閾値d2は、予め運転領域毎に設定あるいは記憶された所定値とすることのほかに、車両の走行状態に基づいて演算され求められる値とすることもできる。
このように、上記の図1に示す制御を実行するよう構成したこの発明に係る制御装置によれば、車両が走行している路面状態が、無段変速機1の動作状態を示す出力軸回転速度に基づいて算出された処理値と、挟圧力低下運転領域で設定される判定基準が、挟圧力非低下運転領域で設定される判定基準より、悪路の判定がし易いように設定された判定基準値とを比較した結果に基づいて判定され、その路面状態の判定結果に基づいて無段変速機1の挟圧力を増減させる制御が実行される。その結果、各運転領域で設定した挟圧力に見合った路面状態に基づいて適切な挟圧力制御を実行することができ、定常走行状態もしくは準定常走行状態における挟圧力を可及的に低下させ、挟圧力が過剰になることを回避して車両の燃費を向上させることができる。また、悪路走行時のような非定常走行状態における無段変速機1での過剰な滑りを防止もしくは抑制し、無段変速機の耐久性を向上させることができる。
ここで上記の各具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS103の機能的手段が、この請求項1の発明における運転領域判断手段に相当し、ステップS104,107の各機能的手段が、この請求項1の発明における判定基準設定手段、および路面状態判定手段に相当する。また、ステップS105,S106,S108,S109の各機能的手段が、この請求項4の発明における対応制御実行手段に含まれた、この請求項5の発明における挟圧力制御実行手段に相当する。そして、ステップS101ないしS104,S107の各機能的手段が、この請求項6における判定基準設定手段に相当する。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、ベルト式無段変速機以外にトラクション式の無段変速機を対象とする制御装置にも適用することができる。また、上記の具体例では、この請求項4の発明の対応制御実行手段に相当するものとして、請求項5の発明の挟圧力制御実行手段でもある無段変速機の挟圧力を増減する制御例を説明しているが、この対応制御実行手段により実行される対応制御とは、請求項1の発明の路面状態判定手段により判定される路面状態に対応して制御されることによって、その効果を得られる、もしくは効果を向上させることができる制御のことである。具体的には、例えば、駆動系統に作用するトルクが増大した場合に、無段変速機1よりも先にロックアップクラッチ3に滑りが生じるように、無段変速機1とロックアップクラッチ3との伝達トルク容量すなわち挟圧力と係合圧とを設定する、いわゆるトルクヒューズとして設けられたクラッチの係合圧を路面状態に応じて変化させる制御や、駆動系統内のライン圧を路面状態に応じて設定する制御、あるいは車両のサスペンションの強弱を路面状態に応じて変化させる制御などに適用することができる。
この発明は、無段変速機を製造する分野やその無段変速機を使用する分野で利用できる。特に、無段変速機を搭載する自動車に関連する分野で利用可能である。
この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明で対象とする無段変速機を含む駆動系統の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1…無段変速機、 3…ロックアップクラッチ、 5…エンジン(動力源)、13…駆動プーリ、 14…従動プーリ、 15,16…アクチュエータ、 17…ベルト、 20…駆動輪、 25…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (6)

  1. 車両に搭載された無段変速機の伝達トルク容量を、前記無段変速機のトルク伝達部材を挟み付ける挟圧力に応じて変化させるとともに、車両の走行状態に基づいて定められる運転領域毎に前記挟圧力を設定する無段変速機を備えた車両の制御装置であって、
    前記車両の走行状態に基づいて車両の運転領域を判断する運転領域判断手段と、
    前記運転領域判断手段で判断された運転領域毎に判定基準を設定する判定基準値設定手段と、
    前記運転領域毎に設定された判定基準と前記無段変速機の動作状態から求められる物理量とに基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機を備えた車両の制御装置。
  2. 前記判定基準設定手段は、前記挟圧力を低下させる挟圧力低下運転領域で設定される判定基準を、前記挟圧力低下運転領域ではない挟圧力非低下運転領域で設定される判定基準より悪路の判定が成立し易い基準に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
  3. 前記判定基準設定手段により設定される前記判定基準は、前記運転領域毎に予め定められた判定基準値として設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
  4. 前記路面状態判定手段による路面状態の判定結果に基づいて、対応制御をおこなう対応制御実行手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
  5. 前記対応制御実行手段は、前記挟圧力の制御をおこなう挟圧力制御実行手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
  6. 無段変速機のトルク容量を設定する挟圧力を、その無段変速機が搭載された車両の走行状態に基づいて定まる運転領域毎に設定し、かつ走行中に検出された物理量に基づいて前記設定されている挟圧力を昇圧する無段変速機を備えた車両の制御装置において、
    挟圧力を昇圧すべき前記物理量についての判定基準を、前記走行中に設定されている挟圧力に応じて定める判定基準設定手段を備えていることを特徴とする無段変速機を備えた車両の制御装置。
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