JP2005030304A - ドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、簡単な構成で潤滑オイルをクランク室に確実に戻すことができるドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置の提供を目的とする。
【解決手段】4サイクルエンジン(10)は、仕切板(64)を間に挟んで隣り合うクランク室(16)およびクラッチ室(20)と、仕切板と隣り合うクランウエブ(24a)を有するクランク軸(22)を備えている。仕切板にクランク室とクラッチ室との間を連通させる連通孔(67a,67b,67c)が形成されている。クランクウエブは、ピストン(35,38)が上死点から下死点に向けて移動する時に連通孔を開くとともに、ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に連通孔を塞ぐ。さらに、クランク室とクラッチ室との間は、戻し孔(78)を介して常に連通されている。戻し孔は、連通孔からクラッチ室に流入した潤滑オイルをクランク室内の圧力変動を利用してクランク室に戻す。
【選択図】 図2
【解決手段】4サイクルエンジン(10)は、仕切板(64)を間に挟んで隣り合うクランク室(16)およびクラッチ室(20)と、仕切板と隣り合うクランウエブ(24a)を有するクランク軸(22)を備えている。仕切板にクランク室とクラッチ室との間を連通させる連通孔(67a,67b,67c)が形成されている。クランクウエブは、ピストン(35,38)が上死点から下死点に向けて移動する時に連通孔を開くとともに、ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に連通孔を塞ぐ。さらに、クランク室とクラッチ室との間は、戻し孔(78)を介して常に連通されている。戻し孔は、連通孔からクラッチ室に流入した潤滑オイルをクランク室内の圧力変動を利用してクランク室に戻す。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクラッチ室とクランク室とを隔てる隔壁に、クランク室内の圧力変動を吸収するための連通孔を形成したドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置に係り、特にピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランク室への潤滑オイルの戻りを促進させる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランク室の底に有効なオイル溜りを持たないドライサンプ形の4サイクルエンジンにおいて、クランク軸の慣性質量を大きくするためにクランクウエブの径を大きくすると、このクランクウエブの外周面がクランク室の底に近づく。
【0003】
特に大排気量の単気筒又はV型2気筒エンジンでは、ピストンが上死点から下死点に向けて下降する時のクランク室内の圧力上昇が大きいので、このピストンの下降に伴う風圧によってクランクウエブの周辺の潤滑オイルが吹き飛ばされてしまう。
【0004】
一方、自動二輪車用のエンジンは、クランク室の側方に湿式クラッチを収容するクラッチ室を備えている。クラッチ室は、クランクケースの側壁を間に挟んでクランク室と隣り合っている。従来のエンジンでは、ピストンが下降する時のクランク室内の圧力変動を緩和するため、クランクケースの側壁にクランク室とクラッチ室とを連通させる複数の連通孔(ブリーザ孔)を形成している。連通孔はクラッチ室内の潤滑オイルの油面よりも高い位置にあり、ピストンが下降する時にクランク室内のガスをクラッチ室に逃すようになっている。
【0005】
ところが、側壁に連通孔を開けると、クランクウエブの周辺から吹き飛ばされた潤滑オイルが連通孔を通じてクラッチ室に流入するのを避けられない。このことから、従来ではクランクケースの側壁の下部にオイル戻し口を形成し、ピストンが下死点から上死点に向けて上昇する時のクランク室の圧力変動を利用して、クラッチ室に流入した潤滑オイルをオイル戻し口からクランク室に引き込むことが行なわれている。
【0006】
上記クランクケースの連通孔は、常にクランク室およびクラッチ室に開口しているので、ピストンが上昇に転じてクランク室内に負圧が生じる時に、連通孔が呼吸孔となってクラッチ室に負圧が作用する。このため、クランク室とクラッチ室との間の圧力差が解消されてしまい、クラッチ室からクランク室への潤滑オイルの戻りが悪化する。
【0007】
この結果、エンジン運転中、クラッチ室に滞留して潤滑に寄与しないオイル量が増大することになり、その分、潤滑オイルの充填量を多くする必要がある。よって、オイルタンクが大型化するとともに、クラッチ室内の潤滑オイルの油面が上昇し、湿式クラッチによる潤滑オイルの攪拌抵抗が増大するといった不具合がある。
【0008】
この対策として、従来、クランク室の底に開口するオイル排出口にリード弁を設置したドライサンプ形の4サイクルエンジンが知られている。リード弁は、クランク室からミッション室に向かう潤滑オイルの流通を許容するためのものであり、クランク室内の圧力が増大した時に開くようになっている。言い換えると、リード弁は、ピストンが上昇に転じてクランク室に負圧が生じる時点では閉じており、これによりクランク室とミッション室との圧力差が維持される(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−282826号公報 (段落番号0022−0029頁、図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された4サイクルエンジンによると、ピストンの上昇時にクランク室とクラッチ室との圧力差を維持するための専用のリード弁を必要とする。このため、エンジンの部品点数が増大するとともに、既存のエンジンに適用するためにはクランクケースの大幅な設計変更を余儀なくされ、コスト高を招く原因となる。
【0011】
さらに、クランクケースの底にリード弁を設置するスペースを確保する必要があるので、クランクケースの底が部分的に下方に向けて突出する。よって、エンジンの全高が高くなり、ドライサンプ形4サイクルエンジンの本来のメリットが失われるといった不具合がある。
【0012】
加えて、リード弁は、クランク室内の圧力変動に応じて弾性変形する薄い金属製の弁体を有し、この弁体が高速回転するクランクウエブの外周面と隣り合っている。このため、クランク室の圧力を繰り返し受ける弁体が万一脱落したり破損した場合に、この弁体がクランクウエブに接触してクランク室内に飛散する虞がある。よって、クランク軸の軸受部あるいはクランクピンとクランク軸との連結部にダメージを与えることがあり得る。
【0013】
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、簡単な構成で潤滑オイルを他の室からクランク室に確実に戻すことができ、コスト的な問題を解消できるドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置は、
隔壁を有するクランクケースと、
上記隔壁を間に挟んで隣り合うクランク室および他の室と、
上記クランク室に収容され、上記隔壁と隣り合うクランクウエブを有するとともに、ピストンの往復動により回転駆動されるクランク軸と、
上記クランク室と上記他の室との間を連通させるように上記隔壁に形成され、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって開かれるとともに、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって塞がれる連通孔と、
上記クランク室と上記他の室との間を常時連通させ、上記連通孔を通じて上記クランク室から上記他の室に流入した潤滑オイルを上記クランク室内の圧力変動を利用して上記クランク室に戻す戻し孔と、
上記クランク室の底から潤滑オイルを汲み上げるオイルポンプと、を具備したことを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、ピストンが上死点から下死点に向かう過程では連通孔が開いているので、クランク室内のガスは潤滑オイルと共に連通孔を通じて他の室に押し出される。このため、クランク室の圧力変動が緩和され、ポンピングロスが少なくなる。
【0016】
ピストンが上昇に転じて下死点から上死点に向かう過程では、クランクウエブが連通孔を塞ぐので、これらクランクウエブおよび連通孔が逆止弁としての機能を果す。これにより、クランク室内に生じた負圧が連通孔を通じて他の室に逃げることはなく、クランク室と他の室との間の圧力差が大きくなる。この結果、他の室に流入した潤滑オイルを戻し孔から効率良くクランク室に吸い出すことができ、クランク室への潤滑オイルの戻りが良好となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用した自動二輪車1を開示している。自動二輪車1は、クレードル形のフレーム2を有し、このフレーム2の前端にフロントフォーク3が取り付けられている。フロントフォーク3は、前輪4を支持している。フレーム2の後端にリヤスイングアーム5が取り付けられている。リヤスイングアーム5は、後輪6を支持している。
【0019】
フレーム2は、燃料タンク8、シート9およびドライサンプ形の空冷4サイクルV型2気筒エンジン10を支持している。エンジン10は、前輪4と後輪6との間であり、かつ燃料タンク8の下方に位置している。
【0020】
エンジン10は、クランクケース11、前シリンダ12および後シリンダ13を備えている。図2に示すように、クランクケース11は、左ケース14と右ケース15とに分割されており、これら左ケース14と右ケース15の間にクランク室16およびミッション室17が形成されている。クランク室16は、その底部に下向きに突出する有効なオイル溜りを有しておらず、それ故、クランク室16の底面はフラットとなっている。ミッション室17は、クランク室16の後方に位置するとともに、このクランク室16に連なっている。
【0021】
左ケース14は、クランク室16の左側面を構成する側壁18を有している。この側壁18の外周部にクラッチカバー19が固定されている。クラッチカバー19は、側壁18との間に他の室としてのクラッチ室20を形成している。クラッチ室20は、側壁18を間に挟んでクランク室16と隣り合っている。
【0022】
図2に示すように、クランク室16は、一本のクランク軸22を収容している。クランク軸22は、一対のジャーナル部23a,23b、一対のクランクウエブ24a,24bおよびクランクピン25を備えている。ジャーナル部23a,23bは、クランク軸22の両端に位置するとともに、このクランク軸22の回転中心となる軸線O1上に位置している。
【0023】
図2および図5に示すように、クランクウエブ24a,24bは、夫々ピン連結部26とバランスウエイト部27を有している。ピン連結部26は、ジャーナル部23a,23bに対し偏心しているとともに、バランスウエイト部27はピン連結部26からクランク軸22の軸線O1を間に挟んだ反対側に向けて張り出している。本実施形態のピン連結部26は、クランクウエブ24a,24bの慣性質量を大きくすることを目的として、クランクピン25の径方向外側に張り出すように角張った形状をなしており、バランスウエイト部27と同等の幅寸法を有している。
【0024】
さらに、バランスウエイト部27は、クランクウエブ24a,24bの慣性質量を大きくするため、クランク軸22の軸線O1からの張り出し量が大きく形成されている。このバランスウエイト部27の外周面の一部は、円弧状に湾曲する曲面27aとなっている。
【0025】
図2ないし図4に示すように、左ケース14の側壁18に軸受部29と複数の凹部30が一体に形成されている。軸受部29は中空円筒状をなしており、クランク軸22の左端のジャーナル部23aを回転自在に支持している。凹部30は、軸受部29を補強するためのものであり、この軸受部29を取り囲むようにその周方向に間隔を存して配置されている。さらに、凹部30は、クランク室16に向けて開口するとともに、クランク軸22の左側のクランクウエブ24aと向かい合っている。このため、隣り合う凹部30は、側壁18の上に複数のリブ31を構成しており、これらリブ31は、軸受部29から放射状に延びている。
【0026】
図1および図8に示すように、エンジン10の前シリンダ12は、クランクケース11の上面から前方斜め上向きに延びている。この前シリンダ12は、一つのピストン35を収容している。エンジン10の後シリンダ13は、クランクケース11の上面から後方斜め上向きに延びている。この後シリンダ13は、一つのピストン38を収容している。
【0027】
前シリンダ12のピストン35および後シリンダ13のピストン38は、夫々コンロッド39,40を介してクランク軸22の共通のクランクピン25に連結されている。本実施の形態の場合、前シリンダ12と後シリンダ13の挟み角は、例えば48度に設定されている。このため、前後のシリンダ12,13のピストン35,38は、略同じようなタイミングで往復動するようになっており、このピストン35,38の往復動によりクランク軸22が回転駆動される。クランク軸22は、図8に矢印で示すように自動二輪車1が前進する時の前輪4の回転方向に沿って正回転するようになっている。
【0028】
図2に示すように、クランクケース11の左ケース14にオイル戻し通路42が形成されている。オイル戻し通路42は、前シリンダ12の動弁機構(図示せず)を潤滑した潤滑オイルをクランク室16に戻すためのものである。このオイル戻し通路42の下流端は、軸受部29の真上に位置する一つの凹部30の上面に開口している。さらに、オイル戻し通路42が開口する一つの凹部30は、オイル還流孔43を介してクラッチ室20に連なっている。オイル還流孔43は、オイル戻し通路42の下流端よりも下方に位置している。
【0029】
オイル戻し通路42は、クランク室16に開口する開口部44を有している。開口部44は、オイル戻し通路42の下流端よりも上流に位置するとともに、丁度左側のクランクウエブ24aの真上に位置している。
【0030】
図2および図3に示すように、クランク軸22の左端のジャーナル部23aは、クラッチ室20に導入されている。このジャーナル部23aの導入部分に減速小歯車46が固定されている。また、クランクケース11のミッション室17に第1および第2の変速軸47,48が収容されている。第1および第2の変速軸47,48は、クランク軸22と平行に配置されており、これら変速軸47,48の上に変速歯車列49が装着されている。
【0031】
第1の変速軸47は、湿式クラッチ51を介してクランク軸22に連結されている。湿式クラッチ51は、クラッチ室20に収容されて潤滑オイルに漬かっている。この湿式クラッチ51は、動力の入力端に位置するクラッチハウジング52と、動力の出力端に位置するクラッチボス53を備えている。クラッチハウジング52に減速大歯車54とポンプ駆動歯車55が固定されている。減速大歯車54は、クランク軸22と一体に回転する減速小歯車46と噛み合っている。クラッチボス53は、第1の変速軸47の一端に固定されており、このクラッチボス53とクラッチハウジング52との間に複数のクラッチプレートおよび複数のフリクションプレートが介在されている。
【0032】
図6に示すように、ミッション室17にオイルポンプ58が配置されている。オイルポンプ58は、クランク室16の底から潤滑オイルを汲み上げるとともに、この汲み上げた潤滑オイルを図示しないオイルタンクに戻すためのものである。オイルポンプ58は、潤滑オイルを吸い込むオイルストレーナ59を有している。このオイルストレーナ59は、クランク室16の後部に収容されているとともに、このクランク室16の底面と向かい合っている。
【0033】
オイルポンプ58は、インペラを回転させる駆動軸60を有している。駆動軸60は、左ケース14の側壁18を貫通してクラッチ室20に導入されており、この駆動軸60の導入部分に従動歯車61が固定されている。従動歯車61は、ポンプ駆動歯車55と噛み合っている。
【0034】
図4に示すように、クランクケース11の側壁18に三つの通孔63a,63b,63cが形成されている。通孔63a,63b,63cは、軸受部29の下部から前部に至る領域に位置するとともに、凹部30の配置間隔に対応するように軸受部29の周方向に間隔を存して並んでいる。言い換えると、通孔63a,63b,63cは、三つの凹部30に開口するとともに、これら凹部30とクラッチ室20との間を連通させるように上記側壁18に形成されている。さらに、通孔63a,63b,63cは、クランク軸22の軸方向から見た時に、このクランク軸22のクランクウエブ24aと重なり合う位置に形成されている。
【0035】
クランク室16に臨む凹部30の開口端および通孔63a,63b,63cは、金属製の仕切板64によって覆われている。仕切板64は、クランクウエブ24aに対応する大きさの円盤状をなしており、その中央部に軸受部29を避ける開口部65が形成されている。この仕切板64は、側壁18のリブ31に複数のねじ66を介して固定され、上記クランク室16とクラッチ室20との間に介在される隔壁としての機能を果している。このことから、クランク室16とクラッチ室20は、仕切板64を間に挟んで隣り合っている。
【0036】
図4および図7に示すように、仕切板64は三つの連通孔67a,67b,67cを有している。連通孔67a,67b,67cは、仕切板64の周方向に間隔を存して並んでおり、この仕切板64をクランク軸22の軸方向から見た時に、通孔63a,63b,63cと向かい合っている。このため、クランク室16は、通孔63a,63b,63cおよび連通孔67a,67b,67cを通じてクラッチ室20に連なっている。
【0037】
図2および図3に示すように、仕切板64は、クランク軸22の左側のクランクウエブ24aと隣り合っている。クランクウエブ24aは、そのバランスウエイト部27の肉厚T1がピン連結部26の肉厚T2よりも厚く形成されている。すなわち、バランスウエイト部27は、クランクウエブ24aの肉厚部を構成している。このバランスウエイト部27は、仕切板64と向かい合うフラットな側面70を有し、この側面70と仕切板64との間に第1の隙間S1が形成されている。第1の隙間S1の大きさは、限りなく0に近い極僅かなものとなっている。
【0038】
仕切板64を側壁18に固定するねじ66は、その頭部66aがクランク室16に突出しており、この突出量は第1の隙間S1を上回っている。このため、クランクウエブ24aの側面70にねじ66の頭部66aが入り込む溝71が形成されている。この溝71は、クランク軸22の軸線O1を中心とする円弧状をなしている。
【0039】
また、ピン連結部26は、クランクウエブ24aの薄肉部を構成している。このピン連結部26は、バランスウエイト部27の側面70よりも仕切板64から遠ざかる方向に凹む凹所72を有している。凹所72の凹み量は、ねじ66の頭部66aの突出量を上回っており、この凹所72のフラットな側面73が仕切板64と向かい合っている。凹部72の側面73と仕切板64との間に第2の隙間S2が形成されている。第2の隙間S2は、クランク室16内のガスが滑らかに流通し得るように、上記第1の隙間S1よりも遥かに大きく形成されている。
【0040】
このことから、クランク軸22の回転に伴ってバランスウエイト部27の側面70が仕切板64の連通孔67a,67b,67cと向かい合った時点では、図2に示すようにバランスウエイト部27の側面70が連通孔67a,67b,67cを塞ぐような形態となる。よって、クランク室16とクラッチ室20との連通が遮断される。
【0041】
これに対し、図3に示すようにピン連結部26の凹所72の側面73が仕切板64の連通孔67a,67b,67cと向かい合った時点では、凹所72の側面73が連通孔67a,67b,67cから遠ざかり、これら連通孔67a,67b,67cがクランク室16に開放される。よって、クランク室16とクラッチ室20とが互いに連通した状態に保たれる。
【0042】
図2に示すように、仕切板64の上端の外周縁部は、上記オイル戻し通路42の開口部44の真下に位置している。この仕切板64の外周縁部には、直角に折り返されたフランジ部75が形成されており、このフランジ部75の上にシール部としてのシール板76が固定されている。シール板76は、オイル戻し通路42の開口部44をクランク室16の内側から塞いでいる。
【0043】
図4および図6に示すように、左ケース14の側壁18に戻し孔78が形成されている。戻し孔78は、クランク軸22の軸方向から見た時に、このクランク軸22よりも後方であり、かつ連通孔67a,67b,67cよりも下方に位置しており、クランク軸22のクランクウエブ24aを外れている。このため、クランク室16は、常に戻し孔78を通じてクラッチ室20に連なっており、この戻し孔78の近傍に上記オイルストレーナ59が位置している。
【0044】
次に、このような構成の空冷4サイクルV型2気筒エンジン10の動作について、図8ないし図11を加えて説明する。
【0045】
図8は、後シリンダ13のピストン38が上死点に位置し、前シリンダ12のピストン35が上死点の直前に位置する状態を開示している。この時、クランク軸22のクランクピン25は、ジャーナル部23aよりも上方に位置しており、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27がジャーナル部23aの下方に張り出している。このため、バランスウエイト部27の側面70は、仕切板64の連通孔67a,67b,67cに対し第1の隙間S1を介して向かい合っている。第1の隙間S1は限りなく0に近いので、バランスウエイト部27の側面70は連通孔67a,67b,67cを実質的に塞いでいる。よって、クランク室16とクラッチ室20との間の連通が遮断されている。
【0046】
図9は、前後のシリンダ12,13のピストン35,38が上死点から下死点に向けて移動する過程を開示している。後シリンダ13のピストン38が上死点と下死点との間の中間位置(例えば上死点後72°)に達すると、バランスウエイト部27よりも薄肉なピン連結部26が軸受部29の前側に位置する連通孔67aと向かい合う。
【0047】
さらに、図10に示すように、後シリンダ13のピストン38が下死点に達した状態では、クランクウエブ24aの薄肉なピン連結部26が全ての連通孔67a,67b,67cと向かい合う。言い換えると、ピン連結部26の凹所72の側面73と連通孔67a,67b,67cとの間にガスの流通を許容する大きさの第2の隙間S2が介在されるので、連通孔67a,67b,67cが第2の隙間S2を介してクランク室16に露出する。
【0048】
このため、ピストン35,38の下降に伴いクランク室16に正圧が生じる期間中は、図3に矢印で示すように、ピストン35,38によって加圧されるクランク室16内のガスが連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cを通じてクラッチ室20に押し出される。
【0049】
それとともに、ピストン35,38が下降する際、クランクウエブ24aの外周面の曲面24aがクランク室16の底に近づき、この曲面24aとクランク室16の底との間隔が狭くなっている。このため、クランクウエブ24aの周辺の潤滑オイルがピストン35,38の下降に伴う風圧を受けて吹き飛ばされ、クランク室16内のガスの流れに乗じて連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cからクラッチ室20に流入する。
【0050】
図11に示すように、後シリンダ13のピストン38が上昇に転じて例えば下死点後72°の位置に達すると、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27の側面70が連通孔67aと重なり合い、この連通孔67aを塞ぐ。さらに、バランスウエイト部27の側面70は、後シリンダ13のピストン38が上死点に達するまでの過程において全ての連通孔67a,67b,67cを塞ぐ。
【0051】
このことから、ピストン35,38が上昇に転じてクランク室16に負圧が作用する時点では、クランクウエブ24aが連通孔67a,67b,67cを順次塞いでいくような形態となり、このクランクウエブ24aおよび連通孔67a,67b,67cが逆止弁としての機能を果す。したがって、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持され、常時開放の戻し孔78に負圧が作用する。
【0052】
この結果、ピストン35,38が下降する時にクランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルは、クランク室16内の圧力変動に伴って戻し孔78から効率良く吸い出されるとともに、ここからクランク室16内に配置されたオイルストレーナ59の付近に流れ込む。
【0053】
オイルポンプ58は、オイルストレーナ59を介してクランク室16に戻った潤滑オイルを汲み上げる。汲み上げられた潤滑オイルは、オイルポンプ58から図示しないオイルタンクに戻された後、例えばクランク軸22の軸受部分あるいは前後のシリンダ12,13の動弁機構に供給される。
【0054】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、ピストン35,38が下死点から上死点に向けて移動する時点では、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27が連通孔67a,67b,67cを塞いでいる。このため、クランクウエブ24aおよび連通孔67a,67b,67cがクランク室16とクラッチ室20との連通を遮断する逆止弁として働き、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持される。
【0055】
このことから、クランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルを、リード弁のような複雑・高価な専用の部品を用いることなく確実に回収することができる。よって、構造簡単で部品点数の増大を防止できるとともに、クランクケース11の設計変更も不要となり、コストの低減が可能となる。
【0056】
さらに、上記構成によると、余分な潤滑オイルがクラッチ室20に滞留し難くなるので、クラッチ室20内での潤滑オイルの油面の上昇を防止できる。このため、湿式クラッチ51による潤滑オイルの攪拌抵抗を少なく抑えることができる。
【0057】
加えて、仕切板64は、クランク室16に開口する複数の凹部30を覆っているので、ピストン35,38の下降時に吹き飛ばされる潤滑オイルが凹部30に入り込んだり、ここに滞留するのを防止できる。そのため、クラッチ室20からの潤滑オイルの戻りが良好となることと合わせて、クラッチ室20や凹部30に滞留したままとなって潤滑に寄与しないオイル量が少なくなる。
【0058】
したがって、潤滑オイルの充填量を滞留分を見越して増やす必要はなく、オイルタンクの小型化が可能となるとともに、潤滑オイルの充填量を減らしてエンジン10の軽量化が可能となる。
【0059】
さらに、仕切板64は、その外周縁部にオイル戻し通路42の開口部44を塞ぐシール板76を備えている。このため、特にピストン35,38の下降に伴いクランク室16内の圧力が上昇する時点において、オイル戻し通路42にクランク室16内の圧力が伝わることはない。言い換えると、オイル戻し通路42を通ってクランクケース11に戻る潤滑オイルがクランク室16内の圧力を受けて吹き上げられずに済む。
【0060】
この結果、オイル戻し通路42を通る潤滑オイルは、図2に矢印で示すように、オイル戻し通路42から凹部30に流れ込むとともに、ここからオイル還流孔43を通じてクラッチ室20に導かれる。よって、前シリンダ12から戻る潤滑オイルを確実にクラッチ室20に導くことができるといった利点がある。
【0061】
なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図12ないし図16に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0062】
この第2の実施の形態は、クランク軸22のクランクウエブ24aの形状が上記第1の実施の形態と相違している。これ以外のエンジン10の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
図12に示すように、クランクウエブ24aのピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも幅狭く形成されている。言い換えると、ピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも幅寸法を減じるように切り欠かれた一対の逃げ部80a,80bを有している。逃げ部80a,80bは、ピン連結部26の幅方向に沿う両側部に位置し、クランクピン25を間に挟んで向かい合っている。
【0064】
さらに、ピン連結部26は、バランスウエイト部27の側面70よりも凹む凹所81を有している。凹部81の凹み量は、ねじ66の頭部66aの突出量を上回っており、この凹部81のフラットな側面82が仕切板64と向かい合っている。そのため、ピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも厚み寸法が薄く形成されている。
【0065】
図13は、後シリンダ13のピストン38が上死点に位置し、前シリンダ12のピストン35が上死点の直前に位置する状態を開示している。この時、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27は、ジャーナル部23bの下方に張り出しており、上記第1の実施の形態と同様に、仕切板64の連通孔67a,67b,67cを塞いでいる。
【0066】
図14は、前後のシリンダ12,13のピストン35,38が上死点から下死点に向けて移動する過程を開示している。後シリンダ13のピストン38が上死点と下死点との間の中間位置(例えば上死点後72°)に達すると、バランスウエイト部27よりも薄肉なピン連結部26が軸受部29の前側に位置する連通孔67aと向かい合う。それとともに、ピン連結部26の一方の逃げ部80aが連通孔67aと向かい合い、これにより連通孔67aがクランク室16に露出する。
【0067】
さらに、図15に示すように、後シリンダ13のピストン38が下死点に達した状態では、クランクウエブ24aの薄肉なピン連結部26が全ての連通孔67a,67b,67cと向かい合うとともに、連通孔67a,67cが夫々逃げ部80a,80bを通じてクランク室16に露出する。
【0068】
このため、ピストン35,38の下降に伴いクランク室16に正圧が生じる期間中は、連通孔67a,67b,67cが開放され、ピストン35,38によって加圧されるクランク室16内のガスおよびピストン35,38の下降に伴う風圧を受けて吹き飛ばされた潤滑オイルが連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cを通じてクラッチ室20に押し出される。
【0069】
図16に示すように、後シリンダ13のピストン38が上昇に転じて例えば下死点後72°の位置に達すると、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27の側面70が連通孔67aと重なり合い、この連通孔67aを塞ぐ。さらに、バランスウエイト部27の側面70は、後シリンダ13のピストン38が上死点に達するまでの過程において全ての連通孔67a,67b,67cを塞ぐ。
【0070】
したがって、ピストン35,38が上昇に転じてクランク室16に負圧が作用する時点では、クランクウエブ24aが連通孔67a,67b,67cを順次塞いでいくような形態となる。よって、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持され、ピストン35,38が下降する時にクランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルを戻し孔78から効率良く吸い出すことができる。
【0071】
なお、上記実施の形態では、クランク室とクラッチ室との間を隔てる隔壁をクランクケースとは別の仕切板にて構成したが、本発明はこれに制約されない。例えばクランクケースの側壁のうちクランクウエブと向かい合う面がフラットな場合は、この側壁を隔壁として利用しても良い。言い換えると、隔壁はクランククケースと一体又は別体のいずれであっても良い。
【0072】
また、クランク室と隣り合う他の室はクラッチ室に限らず、例えば発電機を収容する発電機室でも何等差し支えない。
【0073】
さらに、本発明に係るドライサンプ形4サイクルエンジンは、V型2気筒エンジンに限らず、単気筒エンジンでも実施可能なことは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、クランク室から他の室に押し出された潤滑オイルを、リード弁のような複雑・高価な専用の部品を用いることなく確実に回収することができる。したがって、構造簡単で部品点数の増大を防止できるとともに、クランクケースの設計変更も不要となり、コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライサンプ形の空冷4サイクルV型2気筒エンジンを搭載した本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、クランク軸のクランクウエブと仕切板との位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、クランク室とクラッチ室との位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、側壁の凹部および通孔を仕切板で覆った状態を示すクランクケースの左ケースの側面図。
【図5】クランクウエブの形状を示す本発明の第1の実施の形態に係るクランク軸の断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、湿式クラッチとオイルポンプとの位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図7】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る仕切板の正面図。
(B)は、図7(A)のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点から下死点に向けて下降した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図10】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが下死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図11】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上昇に転じた時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図12】クランクウエブの形状を示す本発明の第2の実施の形態に係るクランク軸の断面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図14】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点から下死点に向けて下降した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図15】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが下死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図16】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上昇に転じた時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【符号の説明】
11…クランクケース、16…クランク室、18…側壁、20…他の室(クラッチ室)、22…クランク軸、23a…ジャーナル部、24a…クランクウエブ、29…軸受部、30…凹部、35,38…ピストン、58…オイルポンプ、63a,63b,63c…通孔、64…隔壁(仕切板)、67a,67b,67c…連通孔、78…戻し孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクラッチ室とクランク室とを隔てる隔壁に、クランク室内の圧力変動を吸収するための連通孔を形成したドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置に係り、特にピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランク室への潤滑オイルの戻りを促進させる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランク室の底に有効なオイル溜りを持たないドライサンプ形の4サイクルエンジンにおいて、クランク軸の慣性質量を大きくするためにクランクウエブの径を大きくすると、このクランクウエブの外周面がクランク室の底に近づく。
【0003】
特に大排気量の単気筒又はV型2気筒エンジンでは、ピストンが上死点から下死点に向けて下降する時のクランク室内の圧力上昇が大きいので、このピストンの下降に伴う風圧によってクランクウエブの周辺の潤滑オイルが吹き飛ばされてしまう。
【0004】
一方、自動二輪車用のエンジンは、クランク室の側方に湿式クラッチを収容するクラッチ室を備えている。クラッチ室は、クランクケースの側壁を間に挟んでクランク室と隣り合っている。従来のエンジンでは、ピストンが下降する時のクランク室内の圧力変動を緩和するため、クランクケースの側壁にクランク室とクラッチ室とを連通させる複数の連通孔(ブリーザ孔)を形成している。連通孔はクラッチ室内の潤滑オイルの油面よりも高い位置にあり、ピストンが下降する時にクランク室内のガスをクラッチ室に逃すようになっている。
【0005】
ところが、側壁に連通孔を開けると、クランクウエブの周辺から吹き飛ばされた潤滑オイルが連通孔を通じてクラッチ室に流入するのを避けられない。このことから、従来ではクランクケースの側壁の下部にオイル戻し口を形成し、ピストンが下死点から上死点に向けて上昇する時のクランク室の圧力変動を利用して、クラッチ室に流入した潤滑オイルをオイル戻し口からクランク室に引き込むことが行なわれている。
【0006】
上記クランクケースの連通孔は、常にクランク室およびクラッチ室に開口しているので、ピストンが上昇に転じてクランク室内に負圧が生じる時に、連通孔が呼吸孔となってクラッチ室に負圧が作用する。このため、クランク室とクラッチ室との間の圧力差が解消されてしまい、クラッチ室からクランク室への潤滑オイルの戻りが悪化する。
【0007】
この結果、エンジン運転中、クラッチ室に滞留して潤滑に寄与しないオイル量が増大することになり、その分、潤滑オイルの充填量を多くする必要がある。よって、オイルタンクが大型化するとともに、クラッチ室内の潤滑オイルの油面が上昇し、湿式クラッチによる潤滑オイルの攪拌抵抗が増大するといった不具合がある。
【0008】
この対策として、従来、クランク室の底に開口するオイル排出口にリード弁を設置したドライサンプ形の4サイクルエンジンが知られている。リード弁は、クランク室からミッション室に向かう潤滑オイルの流通を許容するためのものであり、クランク室内の圧力が増大した時に開くようになっている。言い換えると、リード弁は、ピストンが上昇に転じてクランク室に負圧が生じる時点では閉じており、これによりクランク室とミッション室との圧力差が維持される(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−282826号公報 (段落番号0022−0029頁、図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された4サイクルエンジンによると、ピストンの上昇時にクランク室とクラッチ室との圧力差を維持するための専用のリード弁を必要とする。このため、エンジンの部品点数が増大するとともに、既存のエンジンに適用するためにはクランクケースの大幅な設計変更を余儀なくされ、コスト高を招く原因となる。
【0011】
さらに、クランクケースの底にリード弁を設置するスペースを確保する必要があるので、クランクケースの底が部分的に下方に向けて突出する。よって、エンジンの全高が高くなり、ドライサンプ形4サイクルエンジンの本来のメリットが失われるといった不具合がある。
【0012】
加えて、リード弁は、クランク室内の圧力変動に応じて弾性変形する薄い金属製の弁体を有し、この弁体が高速回転するクランクウエブの外周面と隣り合っている。このため、クランク室の圧力を繰り返し受ける弁体が万一脱落したり破損した場合に、この弁体がクランクウエブに接触してクランク室内に飛散する虞がある。よって、クランク軸の軸受部あるいはクランクピンとクランク軸との連結部にダメージを与えることがあり得る。
【0013】
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、簡単な構成で潤滑オイルを他の室からクランク室に確実に戻すことができ、コスト的な問題を解消できるドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置は、
隔壁を有するクランクケースと、
上記隔壁を間に挟んで隣り合うクランク室および他の室と、
上記クランク室に収容され、上記隔壁と隣り合うクランクウエブを有するとともに、ピストンの往復動により回転駆動されるクランク軸と、
上記クランク室と上記他の室との間を連通させるように上記隔壁に形成され、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって開かれるとともに、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって塞がれる連通孔と、
上記クランク室と上記他の室との間を常時連通させ、上記連通孔を通じて上記クランク室から上記他の室に流入した潤滑オイルを上記クランク室内の圧力変動を利用して上記クランク室に戻す戻し孔と、
上記クランク室の底から潤滑オイルを汲み上げるオイルポンプと、を具備したことを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、ピストンが上死点から下死点に向かう過程では連通孔が開いているので、クランク室内のガスは潤滑オイルと共に連通孔を通じて他の室に押し出される。このため、クランク室の圧力変動が緩和され、ポンピングロスが少なくなる。
【0016】
ピストンが上昇に転じて下死点から上死点に向かう過程では、クランクウエブが連通孔を塞ぐので、これらクランクウエブおよび連通孔が逆止弁としての機能を果す。これにより、クランク室内に生じた負圧が連通孔を通じて他の室に逃げることはなく、クランク室と他の室との間の圧力差が大きくなる。この結果、他の室に流入した潤滑オイルを戻し孔から効率良くクランク室に吸い出すことができ、クランク室への潤滑オイルの戻りが良好となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用した自動二輪車1を開示している。自動二輪車1は、クレードル形のフレーム2を有し、このフレーム2の前端にフロントフォーク3が取り付けられている。フロントフォーク3は、前輪4を支持している。フレーム2の後端にリヤスイングアーム5が取り付けられている。リヤスイングアーム5は、後輪6を支持している。
【0019】
フレーム2は、燃料タンク8、シート9およびドライサンプ形の空冷4サイクルV型2気筒エンジン10を支持している。エンジン10は、前輪4と後輪6との間であり、かつ燃料タンク8の下方に位置している。
【0020】
エンジン10は、クランクケース11、前シリンダ12および後シリンダ13を備えている。図2に示すように、クランクケース11は、左ケース14と右ケース15とに分割されており、これら左ケース14と右ケース15の間にクランク室16およびミッション室17が形成されている。クランク室16は、その底部に下向きに突出する有効なオイル溜りを有しておらず、それ故、クランク室16の底面はフラットとなっている。ミッション室17は、クランク室16の後方に位置するとともに、このクランク室16に連なっている。
【0021】
左ケース14は、クランク室16の左側面を構成する側壁18を有している。この側壁18の外周部にクラッチカバー19が固定されている。クラッチカバー19は、側壁18との間に他の室としてのクラッチ室20を形成している。クラッチ室20は、側壁18を間に挟んでクランク室16と隣り合っている。
【0022】
図2に示すように、クランク室16は、一本のクランク軸22を収容している。クランク軸22は、一対のジャーナル部23a,23b、一対のクランクウエブ24a,24bおよびクランクピン25を備えている。ジャーナル部23a,23bは、クランク軸22の両端に位置するとともに、このクランク軸22の回転中心となる軸線O1上に位置している。
【0023】
図2および図5に示すように、クランクウエブ24a,24bは、夫々ピン連結部26とバランスウエイト部27を有している。ピン連結部26は、ジャーナル部23a,23bに対し偏心しているとともに、バランスウエイト部27はピン連結部26からクランク軸22の軸線O1を間に挟んだ反対側に向けて張り出している。本実施形態のピン連結部26は、クランクウエブ24a,24bの慣性質量を大きくすることを目的として、クランクピン25の径方向外側に張り出すように角張った形状をなしており、バランスウエイト部27と同等の幅寸法を有している。
【0024】
さらに、バランスウエイト部27は、クランクウエブ24a,24bの慣性質量を大きくするため、クランク軸22の軸線O1からの張り出し量が大きく形成されている。このバランスウエイト部27の外周面の一部は、円弧状に湾曲する曲面27aとなっている。
【0025】
図2ないし図4に示すように、左ケース14の側壁18に軸受部29と複数の凹部30が一体に形成されている。軸受部29は中空円筒状をなしており、クランク軸22の左端のジャーナル部23aを回転自在に支持している。凹部30は、軸受部29を補強するためのものであり、この軸受部29を取り囲むようにその周方向に間隔を存して配置されている。さらに、凹部30は、クランク室16に向けて開口するとともに、クランク軸22の左側のクランクウエブ24aと向かい合っている。このため、隣り合う凹部30は、側壁18の上に複数のリブ31を構成しており、これらリブ31は、軸受部29から放射状に延びている。
【0026】
図1および図8に示すように、エンジン10の前シリンダ12は、クランクケース11の上面から前方斜め上向きに延びている。この前シリンダ12は、一つのピストン35を収容している。エンジン10の後シリンダ13は、クランクケース11の上面から後方斜め上向きに延びている。この後シリンダ13は、一つのピストン38を収容している。
【0027】
前シリンダ12のピストン35および後シリンダ13のピストン38は、夫々コンロッド39,40を介してクランク軸22の共通のクランクピン25に連結されている。本実施の形態の場合、前シリンダ12と後シリンダ13の挟み角は、例えば48度に設定されている。このため、前後のシリンダ12,13のピストン35,38は、略同じようなタイミングで往復動するようになっており、このピストン35,38の往復動によりクランク軸22が回転駆動される。クランク軸22は、図8に矢印で示すように自動二輪車1が前進する時の前輪4の回転方向に沿って正回転するようになっている。
【0028】
図2に示すように、クランクケース11の左ケース14にオイル戻し通路42が形成されている。オイル戻し通路42は、前シリンダ12の動弁機構(図示せず)を潤滑した潤滑オイルをクランク室16に戻すためのものである。このオイル戻し通路42の下流端は、軸受部29の真上に位置する一つの凹部30の上面に開口している。さらに、オイル戻し通路42が開口する一つの凹部30は、オイル還流孔43を介してクラッチ室20に連なっている。オイル還流孔43は、オイル戻し通路42の下流端よりも下方に位置している。
【0029】
オイル戻し通路42は、クランク室16に開口する開口部44を有している。開口部44は、オイル戻し通路42の下流端よりも上流に位置するとともに、丁度左側のクランクウエブ24aの真上に位置している。
【0030】
図2および図3に示すように、クランク軸22の左端のジャーナル部23aは、クラッチ室20に導入されている。このジャーナル部23aの導入部分に減速小歯車46が固定されている。また、クランクケース11のミッション室17に第1および第2の変速軸47,48が収容されている。第1および第2の変速軸47,48は、クランク軸22と平行に配置されており、これら変速軸47,48の上に変速歯車列49が装着されている。
【0031】
第1の変速軸47は、湿式クラッチ51を介してクランク軸22に連結されている。湿式クラッチ51は、クラッチ室20に収容されて潤滑オイルに漬かっている。この湿式クラッチ51は、動力の入力端に位置するクラッチハウジング52と、動力の出力端に位置するクラッチボス53を備えている。クラッチハウジング52に減速大歯車54とポンプ駆動歯車55が固定されている。減速大歯車54は、クランク軸22と一体に回転する減速小歯車46と噛み合っている。クラッチボス53は、第1の変速軸47の一端に固定されており、このクラッチボス53とクラッチハウジング52との間に複数のクラッチプレートおよび複数のフリクションプレートが介在されている。
【0032】
図6に示すように、ミッション室17にオイルポンプ58が配置されている。オイルポンプ58は、クランク室16の底から潤滑オイルを汲み上げるとともに、この汲み上げた潤滑オイルを図示しないオイルタンクに戻すためのものである。オイルポンプ58は、潤滑オイルを吸い込むオイルストレーナ59を有している。このオイルストレーナ59は、クランク室16の後部に収容されているとともに、このクランク室16の底面と向かい合っている。
【0033】
オイルポンプ58は、インペラを回転させる駆動軸60を有している。駆動軸60は、左ケース14の側壁18を貫通してクラッチ室20に導入されており、この駆動軸60の導入部分に従動歯車61が固定されている。従動歯車61は、ポンプ駆動歯車55と噛み合っている。
【0034】
図4に示すように、クランクケース11の側壁18に三つの通孔63a,63b,63cが形成されている。通孔63a,63b,63cは、軸受部29の下部から前部に至る領域に位置するとともに、凹部30の配置間隔に対応するように軸受部29の周方向に間隔を存して並んでいる。言い換えると、通孔63a,63b,63cは、三つの凹部30に開口するとともに、これら凹部30とクラッチ室20との間を連通させるように上記側壁18に形成されている。さらに、通孔63a,63b,63cは、クランク軸22の軸方向から見た時に、このクランク軸22のクランクウエブ24aと重なり合う位置に形成されている。
【0035】
クランク室16に臨む凹部30の開口端および通孔63a,63b,63cは、金属製の仕切板64によって覆われている。仕切板64は、クランクウエブ24aに対応する大きさの円盤状をなしており、その中央部に軸受部29を避ける開口部65が形成されている。この仕切板64は、側壁18のリブ31に複数のねじ66を介して固定され、上記クランク室16とクラッチ室20との間に介在される隔壁としての機能を果している。このことから、クランク室16とクラッチ室20は、仕切板64を間に挟んで隣り合っている。
【0036】
図4および図7に示すように、仕切板64は三つの連通孔67a,67b,67cを有している。連通孔67a,67b,67cは、仕切板64の周方向に間隔を存して並んでおり、この仕切板64をクランク軸22の軸方向から見た時に、通孔63a,63b,63cと向かい合っている。このため、クランク室16は、通孔63a,63b,63cおよび連通孔67a,67b,67cを通じてクラッチ室20に連なっている。
【0037】
図2および図3に示すように、仕切板64は、クランク軸22の左側のクランクウエブ24aと隣り合っている。クランクウエブ24aは、そのバランスウエイト部27の肉厚T1がピン連結部26の肉厚T2よりも厚く形成されている。すなわち、バランスウエイト部27は、クランクウエブ24aの肉厚部を構成している。このバランスウエイト部27は、仕切板64と向かい合うフラットな側面70を有し、この側面70と仕切板64との間に第1の隙間S1が形成されている。第1の隙間S1の大きさは、限りなく0に近い極僅かなものとなっている。
【0038】
仕切板64を側壁18に固定するねじ66は、その頭部66aがクランク室16に突出しており、この突出量は第1の隙間S1を上回っている。このため、クランクウエブ24aの側面70にねじ66の頭部66aが入り込む溝71が形成されている。この溝71は、クランク軸22の軸線O1を中心とする円弧状をなしている。
【0039】
また、ピン連結部26は、クランクウエブ24aの薄肉部を構成している。このピン連結部26は、バランスウエイト部27の側面70よりも仕切板64から遠ざかる方向に凹む凹所72を有している。凹所72の凹み量は、ねじ66の頭部66aの突出量を上回っており、この凹所72のフラットな側面73が仕切板64と向かい合っている。凹部72の側面73と仕切板64との間に第2の隙間S2が形成されている。第2の隙間S2は、クランク室16内のガスが滑らかに流通し得るように、上記第1の隙間S1よりも遥かに大きく形成されている。
【0040】
このことから、クランク軸22の回転に伴ってバランスウエイト部27の側面70が仕切板64の連通孔67a,67b,67cと向かい合った時点では、図2に示すようにバランスウエイト部27の側面70が連通孔67a,67b,67cを塞ぐような形態となる。よって、クランク室16とクラッチ室20との連通が遮断される。
【0041】
これに対し、図3に示すようにピン連結部26の凹所72の側面73が仕切板64の連通孔67a,67b,67cと向かい合った時点では、凹所72の側面73が連通孔67a,67b,67cから遠ざかり、これら連通孔67a,67b,67cがクランク室16に開放される。よって、クランク室16とクラッチ室20とが互いに連通した状態に保たれる。
【0042】
図2に示すように、仕切板64の上端の外周縁部は、上記オイル戻し通路42の開口部44の真下に位置している。この仕切板64の外周縁部には、直角に折り返されたフランジ部75が形成されており、このフランジ部75の上にシール部としてのシール板76が固定されている。シール板76は、オイル戻し通路42の開口部44をクランク室16の内側から塞いでいる。
【0043】
図4および図6に示すように、左ケース14の側壁18に戻し孔78が形成されている。戻し孔78は、クランク軸22の軸方向から見た時に、このクランク軸22よりも後方であり、かつ連通孔67a,67b,67cよりも下方に位置しており、クランク軸22のクランクウエブ24aを外れている。このため、クランク室16は、常に戻し孔78を通じてクラッチ室20に連なっており、この戻し孔78の近傍に上記オイルストレーナ59が位置している。
【0044】
次に、このような構成の空冷4サイクルV型2気筒エンジン10の動作について、図8ないし図11を加えて説明する。
【0045】
図8は、後シリンダ13のピストン38が上死点に位置し、前シリンダ12のピストン35が上死点の直前に位置する状態を開示している。この時、クランク軸22のクランクピン25は、ジャーナル部23aよりも上方に位置しており、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27がジャーナル部23aの下方に張り出している。このため、バランスウエイト部27の側面70は、仕切板64の連通孔67a,67b,67cに対し第1の隙間S1を介して向かい合っている。第1の隙間S1は限りなく0に近いので、バランスウエイト部27の側面70は連通孔67a,67b,67cを実質的に塞いでいる。よって、クランク室16とクラッチ室20との間の連通が遮断されている。
【0046】
図9は、前後のシリンダ12,13のピストン35,38が上死点から下死点に向けて移動する過程を開示している。後シリンダ13のピストン38が上死点と下死点との間の中間位置(例えば上死点後72°)に達すると、バランスウエイト部27よりも薄肉なピン連結部26が軸受部29の前側に位置する連通孔67aと向かい合う。
【0047】
さらに、図10に示すように、後シリンダ13のピストン38が下死点に達した状態では、クランクウエブ24aの薄肉なピン連結部26が全ての連通孔67a,67b,67cと向かい合う。言い換えると、ピン連結部26の凹所72の側面73と連通孔67a,67b,67cとの間にガスの流通を許容する大きさの第2の隙間S2が介在されるので、連通孔67a,67b,67cが第2の隙間S2を介してクランク室16に露出する。
【0048】
このため、ピストン35,38の下降に伴いクランク室16に正圧が生じる期間中は、図3に矢印で示すように、ピストン35,38によって加圧されるクランク室16内のガスが連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cを通じてクラッチ室20に押し出される。
【0049】
それとともに、ピストン35,38が下降する際、クランクウエブ24aの外周面の曲面24aがクランク室16の底に近づき、この曲面24aとクランク室16の底との間隔が狭くなっている。このため、クランクウエブ24aの周辺の潤滑オイルがピストン35,38の下降に伴う風圧を受けて吹き飛ばされ、クランク室16内のガスの流れに乗じて連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cからクラッチ室20に流入する。
【0050】
図11に示すように、後シリンダ13のピストン38が上昇に転じて例えば下死点後72°の位置に達すると、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27の側面70が連通孔67aと重なり合い、この連通孔67aを塞ぐ。さらに、バランスウエイト部27の側面70は、後シリンダ13のピストン38が上死点に達するまでの過程において全ての連通孔67a,67b,67cを塞ぐ。
【0051】
このことから、ピストン35,38が上昇に転じてクランク室16に負圧が作用する時点では、クランクウエブ24aが連通孔67a,67b,67cを順次塞いでいくような形態となり、このクランクウエブ24aおよび連通孔67a,67b,67cが逆止弁としての機能を果す。したがって、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持され、常時開放の戻し孔78に負圧が作用する。
【0052】
この結果、ピストン35,38が下降する時にクランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルは、クランク室16内の圧力変動に伴って戻し孔78から効率良く吸い出されるとともに、ここからクランク室16内に配置されたオイルストレーナ59の付近に流れ込む。
【0053】
オイルポンプ58は、オイルストレーナ59を介してクランク室16に戻った潤滑オイルを汲み上げる。汲み上げられた潤滑オイルは、オイルポンプ58から図示しないオイルタンクに戻された後、例えばクランク軸22の軸受部分あるいは前後のシリンダ12,13の動弁機構に供給される。
【0054】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、ピストン35,38が下死点から上死点に向けて移動する時点では、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27が連通孔67a,67b,67cを塞いでいる。このため、クランクウエブ24aおよび連通孔67a,67b,67cがクランク室16とクラッチ室20との連通を遮断する逆止弁として働き、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持される。
【0055】
このことから、クランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルを、リード弁のような複雑・高価な専用の部品を用いることなく確実に回収することができる。よって、構造簡単で部品点数の増大を防止できるとともに、クランクケース11の設計変更も不要となり、コストの低減が可能となる。
【0056】
さらに、上記構成によると、余分な潤滑オイルがクラッチ室20に滞留し難くなるので、クラッチ室20内での潤滑オイルの油面の上昇を防止できる。このため、湿式クラッチ51による潤滑オイルの攪拌抵抗を少なく抑えることができる。
【0057】
加えて、仕切板64は、クランク室16に開口する複数の凹部30を覆っているので、ピストン35,38の下降時に吹き飛ばされる潤滑オイルが凹部30に入り込んだり、ここに滞留するのを防止できる。そのため、クラッチ室20からの潤滑オイルの戻りが良好となることと合わせて、クラッチ室20や凹部30に滞留したままとなって潤滑に寄与しないオイル量が少なくなる。
【0058】
したがって、潤滑オイルの充填量を滞留分を見越して増やす必要はなく、オイルタンクの小型化が可能となるとともに、潤滑オイルの充填量を減らしてエンジン10の軽量化が可能となる。
【0059】
さらに、仕切板64は、その外周縁部にオイル戻し通路42の開口部44を塞ぐシール板76を備えている。このため、特にピストン35,38の下降に伴いクランク室16内の圧力が上昇する時点において、オイル戻し通路42にクランク室16内の圧力が伝わることはない。言い換えると、オイル戻し通路42を通ってクランクケース11に戻る潤滑オイルがクランク室16内の圧力を受けて吹き上げられずに済む。
【0060】
この結果、オイル戻し通路42を通る潤滑オイルは、図2に矢印で示すように、オイル戻し通路42から凹部30に流れ込むとともに、ここからオイル還流孔43を通じてクラッチ室20に導かれる。よって、前シリンダ12から戻る潤滑オイルを確実にクラッチ室20に導くことができるといった利点がある。
【0061】
なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図12ないし図16に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0062】
この第2の実施の形態は、クランク軸22のクランクウエブ24aの形状が上記第1の実施の形態と相違している。これ以外のエンジン10の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
図12に示すように、クランクウエブ24aのピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも幅狭く形成されている。言い換えると、ピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも幅寸法を減じるように切り欠かれた一対の逃げ部80a,80bを有している。逃げ部80a,80bは、ピン連結部26の幅方向に沿う両側部に位置し、クランクピン25を間に挟んで向かい合っている。
【0064】
さらに、ピン連結部26は、バランスウエイト部27の側面70よりも凹む凹所81を有している。凹部81の凹み量は、ねじ66の頭部66aの突出量を上回っており、この凹部81のフラットな側面82が仕切板64と向かい合っている。そのため、ピン連結部26は、バランスウエイト部27よりも厚み寸法が薄く形成されている。
【0065】
図13は、後シリンダ13のピストン38が上死点に位置し、前シリンダ12のピストン35が上死点の直前に位置する状態を開示している。この時、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27は、ジャーナル部23bの下方に張り出しており、上記第1の実施の形態と同様に、仕切板64の連通孔67a,67b,67cを塞いでいる。
【0066】
図14は、前後のシリンダ12,13のピストン35,38が上死点から下死点に向けて移動する過程を開示している。後シリンダ13のピストン38が上死点と下死点との間の中間位置(例えば上死点後72°)に達すると、バランスウエイト部27よりも薄肉なピン連結部26が軸受部29の前側に位置する連通孔67aと向かい合う。それとともに、ピン連結部26の一方の逃げ部80aが連通孔67aと向かい合い、これにより連通孔67aがクランク室16に露出する。
【0067】
さらに、図15に示すように、後シリンダ13のピストン38が下死点に達した状態では、クランクウエブ24aの薄肉なピン連結部26が全ての連通孔67a,67b,67cと向かい合うとともに、連通孔67a,67cが夫々逃げ部80a,80bを通じてクランク室16に露出する。
【0068】
このため、ピストン35,38の下降に伴いクランク室16に正圧が生じる期間中は、連通孔67a,67b,67cが開放され、ピストン35,38によって加圧されるクランク室16内のガスおよびピストン35,38の下降に伴う風圧を受けて吹き飛ばされた潤滑オイルが連通孔67a,67b,67cおよび通孔63a,63b,63cを通じてクラッチ室20に押し出される。
【0069】
図16に示すように、後シリンダ13のピストン38が上昇に転じて例えば下死点後72°の位置に達すると、クランクウエブ24aのバランスウエイト部27の側面70が連通孔67aと重なり合い、この連通孔67aを塞ぐ。さらに、バランスウエイト部27の側面70は、後シリンダ13のピストン38が上死点に達するまでの過程において全ての連通孔67a,67b,67cを塞ぐ。
【0070】
したがって、ピストン35,38が上昇に転じてクランク室16に負圧が作用する時点では、クランクウエブ24aが連通孔67a,67b,67cを順次塞いでいくような形態となる。よって、クランク室16とクラッチ室20との間の圧力差が維持され、ピストン35,38が下降する時にクランク室16からクラッチ室20に押し出された潤滑オイルを戻し孔78から効率良く吸い出すことができる。
【0071】
なお、上記実施の形態では、クランク室とクラッチ室との間を隔てる隔壁をクランクケースとは別の仕切板にて構成したが、本発明はこれに制約されない。例えばクランクケースの側壁のうちクランクウエブと向かい合う面がフラットな場合は、この側壁を隔壁として利用しても良い。言い換えると、隔壁はクランククケースと一体又は別体のいずれであっても良い。
【0072】
また、クランク室と隣り合う他の室はクラッチ室に限らず、例えば発電機を収容する発電機室でも何等差し支えない。
【0073】
さらに、本発明に係るドライサンプ形4サイクルエンジンは、V型2気筒エンジンに限らず、単気筒エンジンでも実施可能なことは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、クランク室から他の室に押し出された潤滑オイルを、リード弁のような複雑・高価な専用の部品を用いることなく確実に回収することができる。したがって、構造簡単で部品点数の増大を防止できるとともに、クランクケースの設計変更も不要となり、コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライサンプ形の空冷4サイクルV型2気筒エンジンを搭載した本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、クランク軸のクランクウエブと仕切板との位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、クランク室とクラッチ室との位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、側壁の凹部および通孔を仕切板で覆った状態を示すクランクケースの左ケースの側面図。
【図5】クランクウエブの形状を示す本発明の第1の実施の形態に係るクランク軸の断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、湿式クラッチとオイルポンプとの位置関係を示すクランクケースの断面図。
【図7】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る仕切板の正面図。
(B)は、図7(A)のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点から下死点に向けて下降した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図10】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが下死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図11】本発明の第1の実施の形態において、後シリンダのピストンが上昇に転じた時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図12】クランクウエブの形状を示す本発明の第2の実施の形態に係るクランク軸の断面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図14】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上死点から下死点に向けて下降した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図15】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが下死点に達した時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【図16】本発明の第2の実施の形態において、後シリンダのピストンが上昇に転じた時のクランクウエブと連通孔との位置関係を示す空冷4サイクルV型2気筒エンジンの断面図。
【符号の説明】
11…クランクケース、16…クランク室、18…側壁、20…他の室(クラッチ室)、22…クランク軸、23a…ジャーナル部、24a…クランクウエブ、29…軸受部、30…凹部、35,38…ピストン、58…オイルポンプ、63a,63b,63c…通孔、64…隔壁(仕切板)、67a,67b,67c…連通孔、78…戻し孔。
Claims (11)
- 隔壁を有するクランクケースと、
上記隔壁を間に挟んで隣り合うクランク室および他の室と、
上記クランク室に収容され、上記隔壁と隣り合うクランクウエブを有するとともに、ピストンの往復動により回転駆動されるクランク軸と、
上記クランク室と上記他の室との間を連通させるように上記隔壁に形成され、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって開かれるとともに、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって塞がれる連通孔と、
上記クランク室と上記他の室との間を常時連通させ、上記連通孔を通じて上記クランク室から上記他の室に流入した潤滑オイルを上記クランク室内の圧力変動を利用して上記クランク室に戻す戻し孔と、
上記クランク室の底から潤滑オイルを汲み上げるオイルポンプと、を具備したことを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 請求項1の記載において、上記連通孔は、上記クランク軸の軸方向から見た時に、上記クランクウエブと重なり合う位置に形成され、上記戻し孔は、上記クランクウエブを外れた位置に形成されていることを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 請求項2の記載において、上記クランクウエブは、上記隔壁との間に微小な第1の隙間を形成する肉厚部と、上記隔壁との間に上記第1の隙間よりも大きな第2の隙間を形成する薄肉部とを有し、上記クランクウエブの肉厚部は、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に上記連通孔と向かい合うとともに、上記クランクウエブの薄肉部は、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記連通孔と向かい合うことを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 請求項2の記載において、上記クランクウエブは、クランクピンが連結される連結部と、この連結部から上記クランク軸の回転中心を間に挟んだ反対側に張り出すバランスウエイト部とを有し、上記連結部は、上記クランク軸の軸方向から見た時に、上記バランスウエイト部よりも幅寸法を減じるように切りかかれた逃げ部を有し、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に、上記バランスウエイト部が連通孔と向かい合ってこの連通孔を塞ぐとともに、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時には、上記逃げ部が上記連通孔と向かい合ってこの連通孔を上記クランク室に露出させることを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 隔壁を有するクランクケースと、
上記隔壁を間に挟んで隣り合うクランク室および他の室と、
上記クランク室に収容され、上記隔壁と隣り合うクランクウエブを有するとともに、ピストンの往復動により回転駆動されるクランク軸と、
上記クランク室と上記他の室との間を連通させるように上記隔壁に形成され、上記クランク室に正圧が生じる期間中に上記クランクウエブによって開かれるとともに、上記クランク室に負圧が生じる期間中に上記クランクウエブによって塞がれる連通孔と、
上記クランク室と上記他の室との間を常時連通させ、上記連通孔を通じて上記クランク室から上記他の室に流入した潤滑オイルを上記クランク室内の圧力変動を利用して上記クランク室に戻す戻し孔と、
上記クランク室の底から潤滑オイルを汲み上げるオイルポンプと、を具備したことを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 請求項1又は請求項5の記載において、上記隔壁は、上記クランクケースとは独立した別の仕切板にて構成され、この仕切板は、上記クランクウエブと隣り合うように上記クランクケースに固定されているこを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 請求項6の記載において、上記クランク軸は、上記クランクウエブから突出するジャーナル部を有し、上記クランクケースは、上記ジャーナル部を回転自在に支持する円筒状の軸受部を有する側壁と、この側壁に上記軸受部を取り囲むように互いに間隔を存して形成され、上記クランク室に向けて開口する複数の凹部とを備え、上記仕切板は、上記凹部を覆うように上記クランクケースの側壁に固定されているとともに、上記少なくとも一つの凹部は、上記仕切板の連通孔と上記他の室との間を連通させる通孔を有することを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 請求項6又は請求項7の記載において、上記クランクケースは、シリンダヘットから戻る潤滑オイルを上記他の室に導くオイル戻し通路を備え、このオイル戻し通路は、上記他の室よりも上流側に上記クランク室に開口する開口部を有するとともに、上記仕切板は上記オイル戻し通路の開口部を上記クランク室の内側から塞ぐシール部を有することを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 側壁を有するクランクケースと、
上記側壁を間に挟んで隣り合うクランク室および他の室と、
上記クランク室に収容され、上記側壁と向かい合うクランクウエブおよびこのクランクウエブから突出するジャーナル部を有するとともに、ピストンの往復動により回転駆動されるクランク軸と、
上記側壁に形成され、上記クランク軸のジャーナル部を回転自在に支持する軸受部と、
上記側壁に上記軸受部を取り囲むように互いに間隔を存して形成され、上記クランク室に向けて開口する複数の凹部と、
上記少なくとも一つの凹部に形成され、上記他の室に開口する通孔と、
上記凹部および上記通孔を覆うように上記側壁に固定され、上記クランクウエブと隣り合う仕切板と、
上記仕切板に形成され、上記ピストンが上死点から下死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって開かれるとともに、上記ピストンが下死点から上死点に向けて移動する時に上記クランクウエブによって塞がれる連通孔と、
上記クランク室と上記他の室との間を常時連通させ、上記連通孔および上記通孔を通じて上記クランク室から上記他の室に流入した潤滑オイルを上記クランク室内の圧力変動を利用して上記クランク室に戻す戻し孔と、
上記クランク室の底から潤滑オイルを汲み上げるオイルポンプと、を具備したことを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 請求項9の記載において、上記通孔および上記連通孔は、上記クランク軸の軸方向から見た時に互いに向かい合うことを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
- 請求項1、請求項5および請求項9のいずれかの記載において、上記他の室は、潤滑オイルに漬かる湿式クラッチを収容するクラッチ室であることを特徴とするドライサンプ形4サイクルエンジンの潤滑装置。
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