JP2005029885A - 薄膜形成方法および薄膜形成装置並びに半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜制御性に優れ、かつパッキングデンシティが高い膜を形成することができるようにする。
【解決手段】 ホスト材としての第1有機前駆物質材料4を成膜する反応装置10は真空蒸着法を適用したものとする。蒸気化装置80にてゲスト材としての第2有機前駆物質材料6を蒸気化させ、ガス精製装置94から供給される不活性キャリアガス7と混合し、この混合蒸気8を配管87を通して反応装置10内に導入する。配管89の経路上にマスフローコントローラ90を取り付ける。第2有機前駆物質材料6の反応装置10内へ導入量をマスフローコントローラ90により制御することでドーピングの濃度制御を行なう。高速かつ高精度の成膜が可能な真空蒸着法によりホスト材を基板Wに付着し、また濃度制御性に優れたOVPD法によりゲスト材を基板Wに付着する。ホスト材については真空蒸着法の利点を享受でき、ゲスト材についてはOVPD法の利点を享受できる。
【選択図】図1
【解決手段】 ホスト材としての第1有機前駆物質材料4を成膜する反応装置10は真空蒸着法を適用したものとする。蒸気化装置80にてゲスト材としての第2有機前駆物質材料6を蒸気化させ、ガス精製装置94から供給される不活性キャリアガス7と混合し、この混合蒸気8を配管87を通して反応装置10内に導入する。配管89の経路上にマスフローコントローラ90を取り付ける。第2有機前駆物質材料6の反応装置10内へ導入量をマスフローコントローラ90により制御することでドーピングの濃度制御を行なう。高速かつ高精度の成膜が可能な真空蒸着法によりホスト材を基板Wに付着し、また濃度制御性に優れたOVPD法によりゲスト材を基板Wに付着する。ホスト材については真空蒸着法の利点を享受でき、ゲスト材についてはOVPD法の利点を享受できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜形成方法および薄膜形成装置、並びに半導体デバイスに関する。より詳細には、たとえば有機電界発光素子(有機EL素子:ELはエレクトロルミネッセンスの略)の製造に用いて好適な、蒸発材料を被蒸着部材に付着する蒸着技術に関する。
近年、平面型の表示装置として、有機EL素子を用いたものが注目されている。有機EL素子を用いた表示装置(有機ELディスプレイ)は、バックライトが不要な自発光型のディスプレイであるため、視野角が広い、消費電力が少ないなどの利点を有している。
このような有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料からなる有機層(有機EL層)を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込んだ構造となっている。そして、陽極に正の電圧、陰極に負の電圧をそれぞれ印加することにより、有機層に対して、陽極から正孔を注入する一方、陰極から電子を注入することにより、有機層で正孔と電子が再結合して発光する仕組みになっている。
有機EL素子の有機層は、通常、正孔(ホール)注入層、正孔輸送層、発光層、電荷注入層などといった3〜5層の積層構造となっている。各々の層を形成する有機材料は、耐水性が低くてウェットプロセスを利用できない。そのため、たとえば、低分子とポリマーの両方をベースとする有機層を形成する場合は回転蒸着法を採用している。ポリマーベースのデバイスは、回転蒸着法により簡単で安価に製造できる一般的利点を有する。
これに対し、低分子によるデバイスは、図9に概略構成図を示すように、真空薄膜形成技術を利用した真空蒸着法により、有機電界発光素子の素子基板(通常はガラス基板)に各層を順に形成して所望の積層構造を得ている。この真空蒸着法は、成膜チャンバ211内を、たとえば約10^−3(“^”はべき乗を示す)〜10^−4パスカル(Pa)程度の比較的高い状態とし、このような真空中において、抵抗加熱などを用いた加熱源220を制御して有機原料204を坩堝214内で蒸発させ、保持ベース215の蒸発源230に対向する位置に基板板Wを配置し、この基板W上へ蒸発有機物204aを堆積させることによって薄膜化するプロセスである。
真空蒸着法は、通常回転蒸着よりも高価な方法であるが、高い真空度で薄膜形成するのでパッキングデンシティ(充填密度)が高い薄膜を形成することができ、ピンホールが少ない有機EL素子を作製することが可能である利点を有する。また、比較的簡便な装置構成で高速レートでの製造が実現でき、生産性が高い。
なお、有機膜の形成に際しては、発光効率の向上や寿命の向上あるいは薄膜状態の安定化など、有機膜の特性を向上させるため、メイン材料であるホスト(HOST)材とは異なるゲスト(Guest )材を添加材料としてドーピングする手法が用いられている。ここで、真空蒸着法においてドーピングを行なう場合には、通常、ホスト材とゲスト材とを同時に真空蒸着させる共蒸着といわれる手法が採られている。
しかしながら、真空蒸着による有機ドーピングは、ドーピング濃度の制御性が悪いという問題がある。その主な理由は、分解能が低い膜厚計217で計測した成膜レートに基づいてドーピング濃度を換算しているため、ドーピング濃度制御性は膜厚計の分解能に大きく依存する点にある。
たとえば、蒸着時の膜厚モニタとしては、水晶振動子を用いた方法が広く使われている。水晶振動子は、一定の周波数で振動しているが、これに蒸着による膜が付着すると、振動子の質量変化により振動周波数が変化する。この変化をモニタすることで膜厚を測定することができる。しかしながら、膜厚計として一般的に用いられている水晶振動式膜厚計のレート計測精度はせいぜい0.1Å/s程度であるので、たとえば成膜レートが2Å/sのホスト材へのゲスト材ドーピングを1±0.1vol%の精度で行なうためには、ゲスト材の成膜レート精度を0.02±0.002vol%で行なう必要がある。しかしながら、上述のように水晶振動式膜厚計での計測精度では不十分である。
加えて、蒸発源230から蒸発させた有機材料204の蒸着速度を検出し、この検出結果に基づいて蒸発源230からの有機材料204の蒸発量を制御する、レート制御と呼ばれる方法が採用される。ここで、このレート制御においては、蒸発源230の熱源となる加熱源220の出力を調整することにより、有機材料の蒸発量を制御している。
しかしながら、一般に、有機EL素子の製造に用いられる有機材料は熱効率が悪く、蒸着温度も比較的低温であるため、加熱源220にかかる熱量を変化させたときに、実際に加熱源220の熱が有機材料に伝わって蒸着速度に変化が現れるまでに長い時間がかかる。したがって、蒸着速度を制御するときの応答性(レート制御性)が悪く、有機材料の膜厚を安定的に制御することが困難である。
たとえば、有機材料は、粉状原料であり均一加熱が難しく、さらに原料容器が真空雰囲気中に配置されるため 急速に加熱したり急速に冷却することが困難であり、蒸発源の加熱温度を変えたときの蒸発速度の変化速度が遅いので、成膜速度が不安定であるという欠点を有する。また、蒸着速度を変化させてから、所望のレベルで蒸着速度が安定するまでの間は、基板Wを投入することができないため、その間に高価な有機材料を無駄に消費することになり、商品のコストアップの要因となる。
これに対して、気相堆積法を有機薄膜に適用した有機気相蒸着法(Organic Vapor Phase Deposition ;OVPD法)を使用する手法が提案されている。OVPD法は、著しく異なった蒸気圧を持つ材料を制御して同時蒸着することができる。また、蒸着膜の膜厚制御は、原料加熱温度制御の他に、気体化された有機材料の流量制御により原料の供給量を制御することもでき、この流量制御は高精度かつ高速に実現でき、真空蒸着法に比べてレート制御性や膜厚制御性が良好である。ゲスト材のドーピング量の制御に関しても同様である。このように、OVPD法は、高温不活性ガスと有機蒸気を、たとえば混合室内で十分に混合し温度の均一性を高めることによって温度安定性を確保し、制御が容易なガス流量をコントロールすることにより、安定した成膜速度を実現できる。
しかしながら、OVPD法は、大気圧近傍で行なわれ、大気圧またはその近くで成長する膜は粗く、気相核生成および拡散律速成長過程により不均一な表面形態を有する問題がある。また、OVPD法は、原料輸送に大量ガスを用いるために、成膜チャンバ内の真空度が悪く、たとえば数10パスカルの低真空化において有機膜が形成されるために、蒸発分子が低真空化に存在するガスに衝突することにより蒸発粒子が有する運動エネルギーが低くなるので、膜基板上での粒子拡散が不十分となり、緻密な膜が得られることが困難となる、あるいは低真空化に存在するガスが膜内部に巻き込まれることにより膜が粗となるなどの弊害がある。
OVPD法における前記の問題を解消する技術として、低圧有機気相蒸着法(LPOVPD法)が、たとえば特許文献1に提案されている。この特許文献1に記載の技術は、たとえば図10(特許文献1の図1と同様)に示すような装置を用いて、減圧下で原料ガスをキャリアガスを用いて基体へ運び、基体上でガスが凝縮して膜形成が行なわれる有機膜形成方法である。また、著しく異なる蒸気圧をもつ有機材料を反応管内に導入して同時蒸着することで、多成分系薄膜の各成分量を正確精密に制御できる有機薄膜形成方法である。このLPOVPD法では、たとえば、数10〜数100パスカル程度の比較的低い真空中において、抵抗加熱などにより蒸発気化させた有機原料ガスを不活性キャリアガスと混合させ、その混合ガスをシャワーヘッドを通して輸送され基板上で有機物が堆積し薄膜化する。
たとえば、図10では、坩堝14に第1有機前駆物質材料が入っており、反応管12の一方の端部20に近い管36内に配置され、不活性キャリアガスの調節した流れ30を、管36を通って反応室中へ送り、それにより第1有機前駆物質の蒸気を反応管12に沿ってその排出端の方へ流す。また、第2有機前駆物質材料6が収容されているバブラー46から、気泡として配管54を通って第2有機前駆物質48の蒸気を反応炉12中へ運ぶ。こうすることで、多成分系薄膜の各成分量を正確精密に制御できる有機薄膜形成方法で異なる特性を持つ有機材料を基体58に成膜する。
しかしながら、LPOVPD法で滑らかな表面性を有する有機膜を形成するには、有機膜の結晶化やさらには結晶粒成長などを避けなければいけない。このため、高温原料ガスの輸送に伴う基板温度上昇を極力抑制し、膜形成時には室温付近にあるいは少なくとも結晶化温度以下に基板温度を維持しなければならない。したがって、LPOVPD法は、基板温度の制御が困難であり、複雑な機構の基板ホルダを必要とする。
また、LPOVPD法は、膜形成圧力が数10〜数100パスカル程度の低真空のプロセスであるため、薄膜がガスを巻き込むことによってパッキングデンシティが低いポーラスな(隙間の多い)膜が形成されやすい。このため、ボイドやピンホールが多く、膜の機械強度が弱い、電気的特性が悪い、基板との付着力が低いなど、信頼性が低い膜が形成されやすいという欠点を有する。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、蒸着膜の成膜制御性に優れ、しかもパッキングデンシティが高い膜を形成することができる技術を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る薄膜形成方法は、蒸発させた材料を基板に付着させることで基板上に薄膜を形成する方法であって、第1の前駆物質材を真空蒸着法により基板に供給するととともに、第2の前駆物質材を気相法により基板に供給することとした。
また、本発明に係る薄膜形成装置は、前記本発明に係る薄膜形成方法を実施するのに好適な装置であって、第1の前駆物質材を真空蒸着法により基板に供給する成膜炉と、第2の前駆物質材を蒸気化させる蒸気化装置と、蒸気化装置により蒸気化された第2の前駆物質材を成膜炉に導入する配管とを備えるものとした。
また従属項に記載された発明は、本発明に係る薄膜形成方法および装置のさらなる有利な具体例を規定する。
たとえば、第1の前駆物質材と第2の前駆物質材とは、たとえば有機薄膜を蒸気前駆物質の反応により基板上に蒸着されるものなどである。ここで、「反応」とは、前駆物質反応物が明確な反応生成物を形成する化学反応を意味するか、または別法としてそれは前駆物質材料の組合せまたは混合物を単に意味するか、または前駆物質材料が供与体・受容体、またはゲスト・ホストの関係を形成する場合を意味する。
また、第1と第2の各前駆物質材として同一の物質を使用してもよい。こうすることで、所定の物質の薄膜形成を真空蒸着法とOVPD法の同時成膜とすることができる。また、第1の前駆物質材と第2の前駆物質材の一方として同一の物質を使用しつつ、第2の前駆物質材の他方として第1の前駆物質材とは異なる物質を使用してもよい。こうすることで、所定の物質の薄膜形成を真空蒸着法とOVPD法の同時成膜としつつ、さらに別の物質をOVPD法で導入する(たとえばドーピングする)ことができる。
また、第1と第2の各前駆物質材の一方として第1の物質を使用しつつ、第1と第2の各前駆物質材の他方として第1の物質とは異なる物質を使用してもよい。こうすることで、所定の物質の薄膜形成を真空蒸着法とOVPD法の同時成膜としつつ、さらに別の物質を真空蒸着法とOVPD法により高濃度で導入する(たとえばドーピングする)ことができる。
配管を通して第2の前駆物質材を成膜炉に導入する際には、輸送ガスとして不活性ガスを用いるのがよい。また、第2の前駆物質材を成膜炉に導入する場合、その流量を、たとえば配管の一部にマスフローコントローラを設けることで制御するとよい。また、前駆物質材の基板への蒸着の度合いを監視する監視部を成膜炉内に設けておき、その監視結果を参照してOVPD法のガス流量制御を行なうようにしてもよい。こうすることで、第2の前駆物質材の導入量を高精度に管理でき、たとえば第1の前駆物質材への第2の前駆物質材のドーピング濃度を高精度に調整することや、第1と第2の各前駆物質材として同一の物質を使用する場合には膜厚を高精度に調整することができる。
蒸気化装置から成膜炉内に導入される配管の設置位置や形状は、第1および第2の前駆物質の組合せまたは混合物を基板に付着させることや、複数の前駆物質の化学反応物を基板に付着させることや、前駆物質材料を供与体・受容体またはゲスト・ホストの関係を形成することなどを考慮して決めるとよい。
また、大型基板への対応のため、第1の前駆物質材を収容する開口容器と加熱機構部と有する蒸着源を長尺状に形成してライン型蒸発源とするとともに、蒸気化された第2の前駆物質材を成膜炉に導入する配管の先端に、第2の前駆物質材を含む混合ガスを長尺状に、かつ蒸着源の長尺方向と略平行に導出する導出端を設けるとよい。
また、蒸着源の長尺方向と直交する方向に、蒸発源および導出端と基板とを相対的に移動させる移動機構部と、基板に付着させた前駆物質材の膜厚を計測する膜厚計測部と、膜厚計測部の計測結果に基づいて移動機構部による相対的な移動速度を制御する移動速度制御部とを備えるものとするのがよい。
また、成膜対象となる基板をキャリアに搭載し、複数のライン型蒸発源に対して相対移動させることで、大面積の基板上に複数の前駆物質材を連続成膜する、いわゆるインライン方式の装置構成としてもよい。
また、本発明に係る半導体デバイスは、正確なドーピング濃度変調を備えた構造を有しているものとする。このような構造は、前記本発明に係る薄膜形成装置を用いて製造することで構成される。
本発明に係る上記構成においては、第1の前駆物質材は真空蒸着法で、また第2の前駆物質材は気相法で、それぞれ基板に供給することとした。こうすることで、第1の前駆物質材については真空蒸着法の利点を享受し、第2の前駆物質材については気相法の利点を享受し得るようにした。
こうすることで、高速かつ高精度の成膜が可能な真空蒸着法により第1の前駆物質材料を基板に付着し、また濃度制御性に優れたOVPD法により第2の前駆物質材料を真空蒸着法を適用する成膜炉内に導入することができる。このため、第1の前駆物質材料については真空蒸着法の利点を享受でき、また第2の前駆物質材料についてはOVPD法の利点を享受できるようになった。
これにより、第2の前駆物質材料の濃度制御性に優れるとともに、第1および第2の前駆物質材料や、第1および第2の各前駆物質材料の化学反応物については、パッキングデンシティが高い、高性能の薄膜を基板上に形成することができるようになった。
また、第2の前駆物質材料として第1の前駆物質材料と同じ物質を使用することで、真空蒸着法で、この物質の薄膜を所定の基板上に形成しつつ、同時にOVPD法で補足的に同一材料を成膜することにより、真空蒸着法と同等の膜密度を有するとともに、成膜安定性を向上させることができる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第1実施形態を示す概略図である。この半導体製造装置1は、真空蒸着法を適用する反応装置10内に、OVPD法を適用するための蒸気化装置80側から第2有機前駆物質材料6を含んだ混合蒸気8が導入されるように構成されている。このような構成により、たとえば第1有機前駆物質材料4としてのホスト材を真空蒸着法で、第2有機前駆物質材料6としてのゲスト(GEST)材をOVPD法で有機膜形成を行なうことによって、有機膜のドーピング濃度制御性に優れかつパッキングデンシティが高い膜を形成することができるようにしている。以下、具体的に説明する。
反応装置10は、成膜チャンバ(反応室)11を備える。この成膜チャンバ11は、たとえば、所定の直径および長さを持つ適当な大きさを有する円筒である。この成膜チャンバ11は、ガラスまたは石英のような適当な材料から作られている。
成膜チャンバ11内の図中下部には開口容器の一例としての坩堝14を有し、坩堝14の上部(開口部14a側)に、被蒸着部材としての基板Wを図示しない基板ホルダにより保持する基板保持ベース15と、基板Wに蒸着された第1有機前駆物質材料4および第2有機前駆物質材料6の膜厚を計測する水晶式膜厚計17とを有する。
成膜チャンバ11内に置かれている坩堝14の周囲には、蒸着材料となる第1有機前駆物質材料4を蒸発させるための図示しない加熱源が設けられ、全体として、蒸発源が構成されるようになっている。加熱源は、たとえば電熱線で構成されたヒータであり、温度測定器および温度制御器(何れも図示せず)により温度制御が可能となっている。坩堝14は、たとえばカーボン、チタン、タンタルなどの熱伝導率のよい素材で構成され、第1有機前駆物質材料4を入れるための耐熱性の容器であり、蒸発させるホスト(HOST)蒸着源材料としての第1有機前駆物質材料4が収容されている。坩堝14の温度制御により、坩堝14内の第1有機前駆物質材料4の熱分解または蒸発を与えることになる。
第1有機前駆物質材料4についての膜厚制御は、たとえば、水晶式膜厚計17で蒸発源(真空蒸着源)130から蒸発した第1有機前駆物質材料4の蒸着速度を計測し、水晶式膜厚計17でモニタした有機材料の蒸着速度が一定になるよう、蒸発源130の温度を調整する、レート制御と呼ばれる方法を採用するとよい(たとえば本願出願人による特願2003−1770号を参照)。このレート制御においては、蒸発源130の熱源となる加熱源の出力を調整することにより、第1有機前駆物質材料4の蒸発量を制御することで、第1有機前駆物質材料4の膜厚が所定値となるようにする。なお、図のような構成では、第2有機前駆物質材料6も水晶式膜厚計17上に付着するので、この第2有機前駆物質材料6を含んだ膜厚が計測されるが、微量ドープの場合には、この第2有機前駆物質材料6の影響は無視することができる。
この半導体製造装置1において、薄膜を蒸着する基板Wは、半導体および光学デバイスを製造する場合に一般に使用される材料から選択されるのが典型的である。たとえば、そのような材料には、ガラス、石英、珪素、砒化ガリウムおよび他のIII−V半導体、アルミニウム、金および他の貴金属および卑金属、ポリマー膜、二酸化珪素および窒化珪素、インジウム錫酸化物などが含まれる。高品質の光学的薄膜のためには、蒸着した有機膜と結晶性相互作用を与えてエピタキシャル成長を起こす基体を用いるのが好ましい。そのようなエピタキシャル成長を達成するためには、蒸着すべき膜と同様な結晶構造を有する非極性有機物で基体を被覆することが必要である。
さらに、有機薄膜を基板W上に真空蒸着する場合、基板Wの温度を制御することが好ましい。この基板Wの温度の独立した制御は、たとえば、水、ガス、フレオングリセリン、液体窒素などの物質を循環させるためのチャンネルを有する温度制御ブロックを基板Wと接触させることにより達成する。本例では、基板保持ベース15を温度制御ブロックとして構成することで実現し得る。なお、基板Wは、基板Wの近くに配置した抵抗または輻射線加熱器を使用することにより加熱することもできる。
基板保持ベース15は、成膜チャンバ11の上部に設けられた基板回転機構部16に取り付けられて、全体として回転試料ホルダとして構成されており、基板保持ベース15に保持されている基板Wを、基板保持ベース15と一体的に回転させるようになっている。つまり、反応装置10は、回転蒸着法が適用できるようになっている。
成膜チャンバ11の一方の側壁(図中左側)には、この成膜チャンバ11の外部へ気体を排気するための排気管19が設けられ、他方の側壁(図中左側)にはOVPD源をなす蒸気化装置80側から成膜チャンバ11の内部に延びる配管87が設けられている。排気管19と配管87との配置位置関係は、基板Wおよび坩堝14を挟んで対向した状態にする。こうすることで、排出端87aから注入される混合蒸気8に含まれている第2有機前駆物質材料6と坩堝14からの第1有機前駆物質材料4とが基板W上で丁度よく混合され基板Wに共蒸着されるようになる。
なお、図に示した基本的な構成例では、配管87の排出端87aの位置を蒸発源130の近くに設定しており、蒸発源130から発せられる第1有機前駆物質材料4の材料ガス4aと配管87を通して導入される第2有機前駆物質材料6の材料ガス6aとが混合されて基板Wに付着される。これにより、第1有機前駆物質材料4からなるホスト材(母体材料)の有機層に、第2有機前駆物質材料6が添加材料として混合される。
ただし、このような配置は一例であって、たとえば図中点線で示すように、成膜チャンバ11の下部から成膜チャンバ11内に配管87の排出端87aを導入するようにしてもよい。この場合においても、排出端87aは、蒸発源130を挟んで排気管19側とは反対側となるようにするとよい。また、排気管19の位置は、成膜チャンバ11の側面に限らず、たとえば、図中点線で示すように、成膜チャンバ11の上部(図の例では基板回転機構部16の駆動軸を通して)に設けてもよい。何れの場合も、蒸発源130から発せられる第1有機前駆物質材料4の材料ガス4aと配管87を通して導入される第2有機前駆物質材料6の材料ガス6aとが混合されて基板Wに付着されるのは、図示した基本的な構成と同じである。
また、配管87の排出端87aを基板Wの近傍に配置してもよい。この場合、蒸発源130から発せられる第1有機前駆物質材料4が、材料ガス4aとして基板Wに到達し基板Wに付着される過程において、これとほぼ同時に、配管87を通して導入される混合蒸気8内の第2有機前駆物質材料6が基板Wに付着されることで、第1有機前駆物質材料4からなるホスト材(母体材料)の有機層に、第2有機前駆物質材料6が添加材料として混合(ドーピング)される。
何れの配置形態を採るのが好ましいかは、一概に言えない。ホスト材としての第1有機前駆物質材料4とゲスト材としての第2有機前駆物質材料6の化学的特質やそれによる蒸着あるいはドーピングのメカニズムの違い、並びに、結果生成物である有機膜の性能などを考慮して決めるとよい。
排気管19には、図示しないトラップ、真空ポンプ、および制御スロットルバルブが取り付けられ、成膜チャンバ11内に形成される原料蒸気室が、原料以外の分子を排気および減圧保持できる減圧システムとなるようにしている。基板W上に蒸着しなかった有機蒸気の殆どは、真空ポンプより上流に配置されたトラップ中で凝縮する。トラップには、たとえば液体窒素または中性フルオロカーボンオイルが収容される。スロットルバルブは成膜チャンバ11中の圧力を調節する。適当な圧力ゲージを反応器に取り付け(図示せず)、反応器中に希望の圧力を維持するように制御スロットルバルブに電気的フィードバックを掛ける。
たとえば真空ポンプは、成膜チャンバ11中に約10^−3〜10^−2パスカル(Pa)の圧力を与える。受容体層、供与体層、および単一成分層の如何なる組合せに対しても、実際の圧力は、第1有機前駆物質材料4を蒸発するために必要な温度、第1有機前駆物質材料4や第2有機前駆物質材料6の凝縮を防ぐ壁温度、および反応領域温度勾配などを考慮して決定する。圧力の最適選択は、各蒸着される有機層の要件に応じ設定される。
反応装置10の図中右側に設けられた蒸気化装置80は、加熱炉82と、この加熱炉82を取り巻くように設けられた加熱機構部83とを備える。加熱炉82内には、開口容器の一例としての坩堝85を収容した内部炉84が設けられている。内部炉84内に置かれている坩堝85には、ゲスト(GEST)蒸着源材料としての第2有機前駆物質材料6が収容されている。
坩堝85は、実質的に、内部炉84を収容した加熱炉82を取り巻く加熱機構部83により加熱または冷却される。坩堝85の温度制御により、坩堝85内の第2有機前駆物質材料6の熱分解または蒸発を与えることになる。
内部炉84の一方の側壁(図中左側)には、反応装置10の成膜チャンバ11内に伸びた配管87が設けられ、この配管87の経路上には切替バルブ86が取り付けられている。切替バルブ86には、配管87だけでなく、予備流し用の配管88も取り付けられている。切替バルブ86を配管88側にして混合蒸気8の流量が安定するまでの間は予備流し用の配管88を通して外部に排気し、流量が安定した時点で切替バルブ86を配管87側に切り替えることで、高精度のドーピング量の制御が可能となる。
内部炉84の他方の側壁(図中右側)には、蒸気化装置80の外部に設けられたキャリアガス源としてのガス精製装置(不活性ガス供給部)94に延びるように、第2有機前駆物質材料6と不活性キャリアガス7との混合蒸気8を導入するための配管89がキャリアガス供給管として設けられている。配管89の経路上には、ガス精製装置94側へと順に、OVPDガス流量制御機構をなすマスフローコントローラ90と、圧力調整器92と、調節バルブ96とが直列に取り付けられている。
ガス精製装置94内には、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、ヘリウム、クリプトン、キセノン、ネオンなどの不活性キャリアガス7が収容されている。水素、アンモニア、メタンなどの還元性を持つガスも多くの有機材料に対しては不活性である。これらの還元性ガスを使用することで、望ましくない過剰の反応物の燃焼を助ける付加的利点が得られる。
第2有機前駆物質材料6を成膜チャンバ11内に導入する配管87からマスフローコントローラ90までの各配管や容器などはすべて、所定の高温に温度制御されることとする。温度制御のための加熱方式は、オーブン内などに設置する空気恒温槽方式、高温オイルなどを循環させる方式、RF加熱方式(Radio Frequency 加熱装置:高周波誘導加熱装置)、ランプ加熱方式など、様々な方式のものを使用し得る。本実施形態の加熱機構部83はそのための一部をなす。
不活性キャリアガス7は、ガス精製装置94から配管89へ導入され、調節バルブ96、圧力調整器92、流量制御部をなすマスフローコントローラ90を順に通過して、蒸気化装置80の内部炉84中へ送られる。そして、内部炉84内で、第2有機前駆物質材料6のゲスト蒸気と混合され、配管87を経由して成膜チャンバ11内に導入される。調節バルブ96は、不活性キャリアガス7の調節した流れを、配管89を通って内部炉84へ送る。切替バルブ86は、第2有機前駆物質材料6と不活性キャリアガス7との混合蒸気8の調節した流れを、配管87を通って成膜チャンバ11へ送る。これにより、第2有機前駆物質材料6の蒸気を配管87に沿って成膜チャンバ11内の排出端87aの方へ流す。配管87の排出端87aは、OVPDインジェクタ(ガスノズル;導入端)そのものとして機能する。
ここで、反応装置10は、真空蒸着法を適用するので、第1有機前駆物質材料4の成膜性能としては、真空蒸着法の利点を享受することができる。たとえば、膜形成時の基板温度の管理はLPOVPD法のように高精度である必要がない。よって、基板温度の制御は容易であり、簡易な機構の基板保持ベース15や基板ホルダを使用できる。また、真空蒸着法は、比較的高い真空度で薄膜形成するので、パッキングデンシティが高い薄膜を形成することができ、ボイドやピンホールが少なく、膜の機械強度が強い、電気的特性(たとえば電気抵抗)が良好、基板との付着力が強いなど、信頼性の高い有機膜を形成することができ、これにより、高性能の有機EL素子を作製することができる。また、比較的簡便な装置構成で高速レートにすることができ、生産性が高まる。
一方、真空蒸着による有機ドーピングにおける、ドーピング濃度の制御性の悪さに関しては、蒸気化装置80から配管87を介して第2有機前駆物質材料6を含む混合蒸気8を成膜チャンバ11内に導入する仕組みを採るOVPD法を適用することで改善し得る。OVPD法は、膜厚制御が、原料加熱温度制御の他に、気体化された有機材料の流量制御により原料の供給量を制御することができ、この流量制御は高精度かつ高速に実現でき、真空蒸着法に比べてレート制御性や膜厚制御性が良好であるからである。
本実施形態では、成膜チャンバ11中へ導入される第2有機前駆物質材料6の量は、導入ガスの温度および流量、並びに混合蒸気8の温度のような処理パラメータにより制御できる。流量制御は、マスフローコントローラ90自身による自己制御によって実現することができる。たとえば、ガス精製装置94から、圧力調整器92により、所定圧力に圧力コントロールされ、マスフローコントローラ90により高精度に流量が制御された不活性キャリアガス7を、配管89に流す。そして、内部炉84内において第2有機前駆物質材料6を気化させた成膜原料蒸気を、配管87を介して、不活性キャリアガス7とともに蒸気化装置80から成膜チャンバ11に輸送供給する。
たとえば、本実施形態で用いるマスフローコントローラ90の流量測定精度は、フルスケールの±0.2%のものとする。この場合、フルスケール50sccm(standard cc /min:標準状態での1分あたりの流量)を用いれば、成膜チャンバ11内へ流れる流量の制御精度は±0.1sccmである。したがって、第2有機前駆物質材料6の濃度50%のOVPD蒸気を用いれば、成膜チャンバ11内への第2有機前駆物質材料6の流入量の精度は、±0.05sccmとなる。
つまり、第2有機前駆物質材料6を、±0.05sccm/50sccm=±0.1%の精度で制御することができ、真空蒸着によるドーピング制御精度0.02nm/s(±0.01nm/s)、すなわち±50%制御に比較して、500倍精度が向上する。
また、OVPD蒸気の流量は精々数10sccmで少ないので、成膜時の真空度は10^−4〜10^−2パスカル程度で高真空を維持することができるので、上述した理由により良質の膜を形成することができる。
このように、本実施形態の構成に依れば、第2有機前駆物質材料6の流れを、マスフローコントローラ90を用いることにより、精度よく管理することができる。よって、ゲスト材としての第2有機前駆物質材料6を成膜チャンバ11中へ送り、ホスト材としての第1有機前駆物質材料4とは異なった組成および特性の材料を基板Wに付着させることができる。
なお、第1有機前駆物質材料4や第2有機前駆物質材料6の個々の材質としては、様々なものを使用し得る。たとえば、特許文献1(たとえば表1やその他の記載)に列挙されている有機物質を適用できる。何れにしても、蒸着すべき有機膜に応じて、第1有機前駆物質材料4と第2有機前駆物質材料6に対して、必要な前駆物質材料を供給することができる。場合によっては、第1有機前駆物質材料4と第2有機前駆物質材料6とは同一の材料であってもよい(この場合はドーピング機能ではなく、同一材料の成膜機能のみを果たす;後述する第3〜第5実施形態を参照)。
以上説明したように、第1実施形態の半導体製造装置1の構成に依れば、高速かつ高精度の成膜が可能な真空蒸着法によりホスト材を基板Wに蒸着し、また濃度制御性に優れたOVPD法によりゲスト材を基板Wに蒸着することで、ホスト材中にゲスト材を高精度に混合(ドーピング)した薄膜を作成するようにしたので、有機膜のドーピング濃度制御性に優れ、微量ドーピングを均一に行なうことができるとともに、パッキングデンシティが高い、高性能の有機膜を基板上に形成することができるようになった。
<第2実施形態>
図2は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第2実施形態を示す概略図である。この第2実施形態は、反応装置10の構成が第1実施形態の構成と異なる。蒸気化装置80側については、第1実施形態の構成と同様のものを用いる。第2実施形態の反応装置10は、蒸気化装置80側から供給されるOVPDガスノズル形状と配置、および坩堝14の形状と配置を、第1実施形態と異なるものとしている。
図2は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第2実施形態を示す概略図である。この第2実施形態は、反応装置10の構成が第1実施形態の構成と異なる。蒸気化装置80側については、第1実施形態の構成と同様のものを用いる。第2実施形態の反応装置10は、蒸気化装置80側から供給されるOVPDガスノズル形状と配置、および坩堝14の形状と配置を、第1実施形態と異なるものとしている。
具体的には先ず、排気管19が坩堝14の上部に設けられている。また、蒸気化装置80側から成膜チャンバ11内に伸びている配管87の排出端87aには、混合蒸気8の排出部が実質的に長尺状となっているOVPDインジェクタ187が取り付けられている。このOVPDインジェクタ187は、図2(A)に示すように1つだけ取り付けてもよいし、図2(B)に示すように複数個(図では2つ)取り付けてもよい。複数個取り付ける場合には、基板Wに対して均等配置されるようにするとよい。
なお、1つにするか複数にするかに拘らず、排気管19の取付位置をも考慮するとよい。すなわち、OVPDインジェクタ187から注入される混合蒸気8に含まれている第2有機前駆物質材料6と坩堝14からの第1有機前駆物質材料4とが、基板W上で丁度よく混合され基板Wに蒸着されることを考慮する。図2に示した例では、OVPDインジェクタ187の開口部を基板Wの近傍まで延在させて配置している。この場合、蒸発源130から発せられる第1有機前駆物質材料4が、材料ガス4aとして基板Wに到達し基板Wに付着される過程において、これとほぼ同時に、OVPDインジェクタ187の開口部から導出される第2有機前駆物質材料6が基板Wに付着されることで、第1有機前駆物質材料4からなるホスト材(母体材料)の有機層に、第2有機前駆物質材料6が添加材料として混合(ドーピング)される。
また、第1有機前駆物質材料4が入れられる坩堝14と、この坩堝14の周囲に設けられている加熱源120とで構成される蒸発源130としては、長尺状となっているライン型蒸発源を用いている。このライン型蒸発源は、OVPDインジェクタ187のライン方向と略平行に配置する。蒸発源130の上方には、被蒸着部材としての基板Wが設置されている。必要に応じて、蒸着領域を制限する蒸着マスクMが基板W近傍の蒸発源130側に設置される。
基板Wは、ベルトや駆動モータなどを有する搬送機構110上に載置される。搬送機構110は、坩堝14にて蒸発された第1有機前駆物質材料4やOVPDインジェクタ187から注入される第2有機前駆物質材料6が飛散する領域を、基板Wの被蒸着箇所が通過するように、坩堝14などと基板Wとの相対位置を可変させる移動機能が設けられる。この搬送機構110により、基板Wや蒸着マスクMを移動させながら、基板Wの被蒸着面に向けて有機材料の被膜形成を行なう。なお、ライン型蒸発源およびOVPDインジェクタ187と蒸着対象となる基板Wとを相対移動させながら成膜するものであればよく、基板Wを固定しておき、図示しない移動装置により蒸発源130並びにOVPDインジェクタ187を移動させてもよい。
この第2実施形態の構成によれば、ゲスト材用のOVPDインジェクタ187(ガスノズル)とホスト材用の蒸発源130の何れもライン形状としたので、基板Wに蒸着させる材料物質の導入部を広く採ることができる。また、ホスト蒸気およびゲスト蒸気をライン状蒸気とし、基板Wをスライド駆動することにより、大面積の基板W上に有機層を蒸着できる利点がある。すなわち、容易に大面積への成膜が可能となり、大型基板の際の装置構成例として好適なものとなる。基板Wの蒸発源130に対する相対的な移動方向に直交する長手方向の長さを、基板サイズ(この長手方向のサイズ)に応じて調整することで、様々な(如何なる)大きさの基板Wにも対応することができる。
また、この第2実施形態の構成は、成膜対象となる基板をキャリア(搬送機構110と同様のもの)に搭載し、複数のライン型蒸発源に対して相対移動させることで、大面積の基板W上に複数の有機層を連続成膜することが可能な、いわゆるインライン方式の有機EL蒸着システム(たとえば特開2002−348659号公報参照)に組み込むことが可能である。
インライン方式に組み込むことで、フルカラーの画像表示を行なう有機EL素子を構成する場合において、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に対応した3種類の有機材料から成る有機層を、それぞれ異なる画素位置に成膜する際に、製造タクトタイムを短くできる。また、第1実施形態で示したと同様に、有機膜のドーピング濃度を高精度に制御することができるので、結果として、大きな基体領域に亘って有機材料の微量ドーピングを均一に行なうことができ、かつパッキングデンシティが高い、高性能の有機膜を大型基板上に形成することができる。
なお、第2有機前駆物質材料6についてのドーピング制御は、第1実施形態と同様に、成膜チャンバ11内に導入する混合蒸気8に対する流量制御の仕組みを用いることができる。よって、有機膜のドーピング濃度制御性に優れ、かつ微量ドーピングを均一に行なうことができる。
一方、第1有機前駆物質材料4についての膜厚制御は、第1実施形態と同様に、所定の膜厚モニタで蒸発源130から蒸発した第1有機前駆物質材料4の蒸着速度を計測し、膜厚モニタの有機材料の蒸着速度が一定になるよう、蒸発源130の温度を調整するレート制御の方法を採用するとよい。
ただし、このレート制御は、比較的簡単な仕組みであるが、加熱源120にかかる熱量を変化させたときに、実際に加熱源120の熱が第1有機前駆物質材料4に伝わって蒸着速度に変化が現れるまでに長い時間が掛かるので、蒸着速度を制御するときの応答性が悪く、有機材料の膜厚を安定的(高精度)に制御するという点や、所望のレベルで蒸着速度が安定するまでの間素子基板を投入できないなどの点で、多少難がある。
この問題を解決するには、所定の膜厚モニタで蒸発源130から蒸発した第1有機前駆物質材料4の蒸着速度を計測し、膜厚モニタの第1有機前駆物質材料4の蒸着速度が一定になるよう、搬送機構110を制御して、基板Wと蒸発源130との相対的な移動速度を調整するようにしてもよい(たとえば本願出願人による特願2003−34524号を参照)。基板Wに蒸着される第1有機前駆物質材料4の膜厚は、蒸発源130と基板Wとの相対的な移動速度を速くすると薄くなり、逆に相対的な移動速度を遅くすると厚くなる。
したがって、蒸発源130を用いて基板Wに蒸着させた第1有機前駆物質材料4の膜厚を膜厚モニタで計測し、この計測結果に基づいて、蒸発源130と基板Wとの相対的な移動速度を制御することにより、基板Wに蒸着される第1有機前駆物質材料4の膜厚を所望の値に一致するように制御することができる。
図3は、蒸発源130およびOVPDインジェクタ187の構造例を示す模式的斜視図である。図3(A)に示すように、蒸発させる第1有機前駆物質材料4を収納する坩堝14は、基板Wおよび蒸着マスクMに沿って、かつ図示しない搬送機構110(図2参照)による相対位置の可変方向と直交する方向が、蒸発源130(坩堝14)の長手方向となるように形成されている。図2に示したように、坩堝14の周囲には、坩堝14を加熱して第1有機前駆物質材料4を蒸発させるための加熱源120が設置される。図では示さないが、蒸発源130から蒸発した第1有機前駆物質材料4が基板Wに向かって飛び出す範囲を制限する目的で、放射阻止体が取り付けられる。
なお、蒸発源130のより好ましい構成としては、図3(B)に示すように、基板Wや蒸着マスクMと対向する坩堝14の上部に複数個の微小開口部14bが形成され、全体として、坩堝14が、微小開口部14bを除いて、内部が密閉された構造とするとよい。また、坩堝14の上部に、突出した状態に突出部が、坩堝14の長手方向に複数形成され、そこに微小開口部14bが形成されているものとするとよい(たとえば本願出願人による特願2002−367461号を参照)。突出部の外形状は、たとえば円錐台形状、角錐台形状など、坩堝14の上面より突出していればよい。この突出高さは、坩堝14の上面に放射阻止体を設けた際に放射阻止体上面と同等の高さ、もしくはより高くなるようになっていればよい。
突出部には、坩堝14内部より第1有機前駆物質材料4方向に向かって段階的に先細りとなる形状を有するように微小開口部14bを形成するとよい。こうすることで、坩堝14にて蒸発した第1有機前駆物質材料4が微小開口部14bに向かって円滑に飛散することができ、蒸発した第1有機前駆物質材料4の分布がより均一になる。
一方、第2有機前駆物質材料6を成膜チャンバ11内に導入して基板Wに蒸着させるためのOVPDインジェクタ187は、蒸発源130と同様に、基板Wおよび蒸着マスクMに沿って、かつ図示しない搬送機構110(図2参照)による相対位置の可変方向と直交する方向が、OVPDインジェクタ187の長手方向となるように形成されている。この長手方向の長さは、OVPDインジェクタ187から放出される第2有機前駆物質材料6を含む混合蒸気8が、基板サイズ(長手方向の)をカバーし得る程度とすればよい。
OVPDインジェクタ187は、配管87の排出端87aに取り付けられ、配管87を通して蒸気化装置80から導かれた第2有機前駆物質材料6を含む混合蒸気8をライン状に広げて基板Wに導く機能を有するものであればよい。たとえば、OVPDインジェクタ187は、その先端の基板W側に開口部が形成されたものとする。この開口部の形状は、図3(A)に示すように、ライン状に形成された1つの開口部187aとして設けてもよいし、図3(B)に示すように、微小な開口部187bをライン方向に複数個並べて配置してもよい。
微小な開口部187bをライン方向に複数個並べる場合には、たとえば図3(C)に示すように、金属製の構造体188に各開口部187bと繋がる複数の通気路189を形成し、この通気路189の開口部187bの反対側を排出端87aと接続するとよい。あるいは、図3(D)に示すように、全体として内部が空洞の金属ケース190を用いて、金属ケース190の一側面に開口部187bを形成し、他の面に排出端87aを接続してもよい。
図3(C)に示す構造の場合、その形成(製造)が図3(D)よりも難しいが、配管87から導かれた混合蒸気8は、通気路189をスムーズに通り各開口部187bから基板Wに向けて出力される。このため、配管87から混合蒸気8を注入した場合、第2有機前駆物質材料6を基板Wに向かって円滑に飛散させることができ、第2有機前駆物質材料6の分布がより均一になる。よって、第2有機前駆物質材料6の基板Wへの付着を正確精密に制御することができ、かつ微量ドーピングをライン状に均一に行なうことができる。大型基板に対しても、有機膜のドーピング濃度制御性や均一性制御に優れ、高性能の膜を得ることができる利点がある。
一方、図3(D)に示す構造の場合、配管87から導かれた混合蒸気8は、金属ケース190内で側壁に沿って回転する対流を生じさせながら開口部187bから基板Wに向けて出力される。対流を制御することは難しく、このため、ガス導入ノズル26aからガスを注入した場合、内部空間で乱流が発生し易く、第2有機前駆物質材料6の分布が不均一となり、図3(C)よりも蒸着制御の点では劣る。しかしながら、その形成(製造)が図3(C)よりも容易であり、低コストで実現できる利点がある。
なお、図3(D)に示す構造の場合における内部空間での乱流の問題を低減す構造例として、たとえば図3(E)に示すように、排出端87a側から開口部187b側に向かって先広がりとなる金属ケース190を用いてもよい。この場合、金属ケース190の側壁自体が、排出端87a側から各開口部187bに向かって第2有機前駆物質材料6を含む混合蒸気8を導く通気路の機能をなす。このため、配管87から混合蒸気8を注入した場合、第2有機前駆物質材料6を基板Wに向かって円滑に飛散させることができ、第2有機前駆物質材料6の分布がより均一になる。なお、このような金属ケース190の構造は、図3(A)に示すように、ライン状に形成された1つの開口部187aをOVPDインジェクタ187の先端側に設ける場合にも有効な手法である。
<製法による構造比較>
図4は、上記実施形態による成膜法と従来の成膜法を用いて製造した有機EL素子の構造比較、特に、発光領域が発光層のホール輸送側に偏在する場合のデバイス構造比較を示す図である。図4において、左側にはデバイス構造例を示し、中央部にはゲスト材濃度(C)と膜厚(d)との関係を示す。また、図5は、図4に示した各有機EL素子の特性例を示す図表である。
図4は、上記実施形態による成膜法と従来の成膜法を用いて製造した有機EL素子の構造比較、特に、発光領域が発光層のホール輸送側に偏在する場合のデバイス構造比較を示す図である。図4において、左側にはデバイス構造例を示し、中央部にはゲスト材濃度(C)と膜厚(d)との関係を示す。また、図5は、図4に示した各有機EL素子の特性例を示す図表である。
ここで、図4(A)は、ホスト材は真空蒸着法、ゲスト材は真空蒸着ドープを用いた場合のデバイス構造例を示す。図4(B)は、ホスト材はOVPD法、ゲスト材はVPDドープを用いた場合のデバイス構造例を示す。また、図4(C)は、ホスト材は真空蒸着法、ゲスト材はOVPDドープを用いた本実施形態による場合のデバイス構造例を示す。
ホスト材は真空蒸着でゲスト材は真空蒸着ドープを用いて有機EL素子を製造すると、ゲスト材のドーピング濃度制御の応答速度が遅いので、膜厚方向に対して一定濃度のデバイス構造しかとれない。したがって、たとえば、図4(A)に示すように発光領域が発光層のホール輸送側に偏在する場合における最適ドープ濃度は、ホール輸送層/発光層界面からの膜厚方向距離dの関数Y(d)となるので、ドープ濃度過剰領域αとドープ濃度不足領域βが生じてしまう。その結果、ドープ濃度過剰領域ではたとえば濃度消光やキャリア散乱による電気抵抗増大が、ドープ濃度不足領域ではたとえば発光効率低下が生じてしまう。
また、図4(B)に示すように、ホスト材をLPOVP法で、ゲスト材をLPOVPD法で作製したデバイスは、キャリアガス流量変調によるドーピング濃度変調をかけることができるものの、ホスト材の輸送に用いるキャリアガスが極めて大量に必要とする。このため、ゲスト材のドープ濃度変調をしようとしてゲスト材のキャリアガス流量を変えたとしても、ゲスト材とのガス混合時間がかかるため、デバイスでの濃度変調プロファイルに時間遅れが生じてしまい、結果として急峻な濃度変調構造を有するデバイス作製が困難となる。
一方、本実施形態の半導体製造装置1を用いて、ホスト材を高速成膜である真空蒸着法により、またゲスト材を濃度制御性に優れたOVPD法(特にLPOVPD法)を用いて有機EL素子を製造すると、図4(C)に示すように、必要最低限のキャリアガスしか用いないので、図4(B)の場合のような濃度変調時間の遅れが生じることなく、OVPD法が有するドーピング濃度応答性の良さを最大限に発揮することが可能となる。結果として、膜厚方向に対して複雑で急峻なドーピング濃度変調を有する、正確なドーピング濃度変調を備えた構造のデバイスを形成することができるので、発光層の全領域に亘り最適ドーピング濃度であるデバイスを得ることが可能である。
これらの比較から分かるように、製法の違いにより、たとえば、ドーピング濃度プロファイルの多様性、複雑性、制御性の点において、明らかな構造上の違いが生じる。
また、性能面においては、図5に示すように、真空蒸着法ドーピングに対してはデバイスの電気光学性能の点において、ホスト材LPOVPDでゲスト材LPOVPD法による方法に対しては、膜欠陥、機械強度、電気光学性能、装置簡便性などで明らかな違いが生じる。
<第3実施形態>
図6は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第3実施形態を示す概略図である。この第3実施形態は、第2有機前駆物質材料6として第1有機前駆物質材料4と同じ物質(材料A)を使用する構成としている点に特徴を有する。これにより、たとえば、材料Aを真空蒸着法で蒸発させながら、材料AをOVPDガスの流量制御の元で成膜する構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
図6は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第3実施形態を示す概略図である。この第3実施形態は、第2有機前駆物質材料6として第1有機前駆物質材料4と同じ物質(材料A)を使用する構成としている点に特徴を有する。これにより、たとえば、材料Aを真空蒸着法で蒸発させながら、材料AをOVPDガスの流量制御の元で成膜する構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
第3実施形態の半導体製造装置1は、第1や第2実施形態と同様に、真空蒸着法を適用する反応装置10内に、OVPD法を適用するための蒸気化装置80側から第2有機前駆物質材料6を含んだ混合蒸気8が導入されるように構成されている。
成膜チャンバ11内の図中下部には開口容器の一例としての坩堝14を有し、この坩堝14の周囲には、蒸着材料となる第1有機前駆物質材料4を蒸発させるための加熱源120が設けられ、全体として材料A用の蒸発源(真空蒸着源)130が構成されるようになっている。
また坩堝14の上部には、被蒸着部材としての基板Wを図示しない基板ホルダにより保持する基板保持ベース15が設けられ、さらに、この基板保持ベース15の近傍には、基板Wへの蒸着の度合いを監視する監視部として、基板Wに蒸着された第1および第2の有機前駆物質材料4,6(すなわち材料A)の膜厚を計測する成膜速度モニタ170が設けられている。
基板保持ベース15は、成膜チャンバ11の上部に設けられた基板回転機構部16に取り付けられて、全体として回転試料ホルダとして構成されている。つまり、基板保持ベース15に保持されている基板Wを、基板保持ベース15と一体的に回転させることで、回転蒸着法が適用できる反応装置10として構成されている。なお、基板回転機構部16は、成膜チャンバ11の外部へ気体を排気するための排気管19を兼ねるように構成されている。
成膜チャンバ11の一方の側壁(図中右下側)には、OVPD源をなす蒸気化装置80側から成膜チャンバ11の内部に延びる配管87が設けられている。図に示した構成例では、配管87の排出端87aの位置を蒸発源130の近くに設定しており、蒸発源130から発せられる第1有機前駆物質材料4の材料ガス4aと配管87を通して導入される第2有機前駆物質材料6の材料ガス6a(混合蒸気8に含まれている)とが混合されて一体的に基板Wに付着される。これにより、第1および第2の各有機前駆物質材料4,6としての材料Aが、基板W上に成膜される。なお、図に示す排出端87aの位置は一例であって、第1実施形態でも説明したと同様に、種々の配置形態を取り得る。
反応装置10の図中右側には、蒸気化装置80が設けられている。蒸気化装置80は、反応装置10内に延びる配管87と連結されたOVPDガス流量制御機構としてのマスフローコントローラ90と、原料蒸発部をなす内部炉84と、キャリアガス源をなすガス精製装置94とが直列に配置されて構成されている。また、マスフローコントローラ90、内部炉84、およびガス精製装置94を取り巻くように、加熱機構部83が設けられ、第2有機前駆物質材料6を成膜チャンバ11内に導入する配管87からマスフローコントローラ90やガス精製装置94までの各配管や容器などはすべて、所定の高温に温度制御されるようになっている。なお、図では示さないが、高精度のガス量制御を実現するため、第1実施形態と同様に、反応装置10の成膜チャンバ11内に伸びた配管87の経路上に切替バルブと予備流し用の配管も取り付けられている。
内部炉84内には、坩堝85が置かれており、この坩堝85には、第2有機前駆物質材料6として、反応装置10内の坩堝14内に収容されている第1有機前駆物質材料4と同一の材料Aが収容されている。
ガス精製装置94内のアルゴン(Ar)や窒素(N2)などの不活性キャリアガス7は、配管89へ導入され、図示しない調節バルブや圧力調整器を経て内部炉84中へ送られる。そして、内部炉84内で、第2有機前駆物質材料6(材料A)の蒸気と混合され、配管87やマスフローコントローラ90を経由して、さらに配管87を経由して成膜チャンバ11内に導入される。これにより、第2有機前駆物質材料6の蒸気6aを配管87に沿って成膜チャンバ11内の排出端87aの方へ流す。
上記構成において、第1有機前駆物質材料4(材料A)についての真空蒸着源側は、膜厚制御は特に行なわない。たとえば、蒸発源130の抵抗加熱パワーを固定にしておく。一方、第2有機前駆物質材料6(材料A)についてのOVPD源側は、OVPDガス流量制御で膜厚制御が実現され、具体的には、マスフローコントローラ90によって実現される。この流量制御は、マスフローコントローラ90自身による自己制御としてもよいが、成膜速度モニタ170により材料Aの蒸着速度を計測して、この計測情報をマスフローコントローラ90に渡し(図中に点線で示す経路を参照)、この成膜速度モニタ170が計測した有機材料の蒸着速度が一定になるように、配管87を介して成膜チャンバ11内に導入される混合蒸気8の流量を制御するフィードバック制御機構とすると一層好ましい。なお、OVPD源からのガス導入量は成膜安定に必要な最小量とするのが望ましく、過剰なガス量とすると、成膜時における成膜チャンバ11内の真空度が低くなり膜密度が下がってしまう。
ここで従来法では、蒸発加熱源をたとえば抵抗加熱式で行ない、水晶振動式膜厚計でモニタした成膜速度が一定となるように抵抗加熱パワーを制御することで成膜速度の安定化を図っているが、従来技術の項で述べたように安定化は困難である。
これに対して、この第3実施形態の製法では、第2有機前駆物質材料6として第1有機前駆物質材料4と同じ物質を使用することで、この物質を基板W上に成膜する際、第2有機前駆物質材料6(すなわち材料A)についての膜厚制御は、第1実施形態と同様に、成膜チャンバ11内に導入する混合蒸気8に対する流量制御の仕組みを用いることができるので、その成膜速度制御性を高精度に管理することができる。
これにより、応答性の悪い真空蒸着源の抵抗加熱パワーを固定してしまい、真空蒸着での成膜速度ばらつきの補正用として、応答性が良好なOVPD源からガス流量制御しながら、成膜の安定化を図ることができる。
このように、第3実施形態の半導体製造装置1に依れば、所定の物質について真空蒸着法とOVPD法の同時成膜を行なう有機薄膜形成とすることで、つまり真空蒸着法で所定の物質の薄膜を所定の基板上に形成しつつ、同時にOVPD法でガス流量制御を行ないつつ補足的に同一材料を成膜することにより、真空蒸着法と同等の膜密度を有するとともに、成膜の安定化を図ることができる。
たとえば、有機ELデバイスの電子輸送層を成膜する場合、たとえば材料AとしてのAlq3を真空蒸着させつつ、同じAlq3をOVPD法で成膜することによって、電子輸送層Alq3膜を安定に成膜することができる。こうすることで、発光層であるAlq3膜が厳密膜厚になるので発光効率が安定化する効果が得られる。
なお、材料Aとしては、電子輸送層用の材料に限定されるものではなく、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロック層、あるいは電子ブロック層などの、ノンドープ層一般に適用できる。これら複数の層(全て層を含む任意の組合せでよい)の成膜に上記第3実施形態の仕組みを適用することもできる。
たとえば、ホール輸送層の成膜に上記第3実施形態の仕組みを適用すれば、ホール輸送層の厚みばらつきが低減し、ボトムエミッション型有機EL素子における干渉効果が安定するので発光スペクトルの色度再現性が向上する効果が得られる。
また、ホール注入層の成膜に上記第3実施形態の仕組みを適用すれば、ホール注入層も膜厚を均一にでき、上面/下面発光に限らず、共振器構造を有する素子にはメリットがある。
この点では、ホールブロック層や電子ブロック層などの、他の層も含めて、両電極間の共振器を構成する層は全て、膜厚のばらつきを抑えることが必要であり、上記第3実施形態の仕組みを適用することによる効果は高い。
<第4実施形態>
図7は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第4実施形態を示す概略図である。この第4実施形態は、第3実施形態と同様に第1有機前駆物質材料4および第2有機前駆物質材料6Aとして同一の材料Aを用いる構成に加えて、第1あるいは第2実施形態と同様にOVPD法を適用することで第1有機前駆物質材料4(材料A)とは異なる材料Bを別の第2有機前駆物質材料6Bとして使用する点に特徴を有する。これにより、ホスト材Aを真空蒸着法で蒸発させながら、ホスト材AをOVPD法で流量制御しつつ、さらにゲスト材BのドーピングをOVPD法で行なう構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
図7は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第4実施形態を示す概略図である。この第4実施形態は、第3実施形態と同様に第1有機前駆物質材料4および第2有機前駆物質材料6Aとして同一の材料Aを用いる構成に加えて、第1あるいは第2実施形態と同様にOVPD法を適用することで第1有機前駆物質材料4(材料A)とは異なる材料Bを別の第2有機前駆物質材料6Bとして使用する点に特徴を有する。これにより、ホスト材Aを真空蒸着法で蒸発させながら、ホスト材AをOVPD法で流量制御しつつ、さらにゲスト材BのドーピングをOVPD法で行なう構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
第4実施形態の半導体製造装置1は、先ず、第3実施形態の構成と同様に、第1有機前駆物質材料4(ホスト材A)について真空蒸着法を適用する反応装置10内に、第2有機前駆物質材料6A(ホスト材A)についてOVPD法を適用するための蒸気化装置80A側から第2有機前駆物質材料6Aを含んだ混合蒸気8Aが、蒸発源130の近傍(図中の右下側)から導入されるように構成されている。
加えて、第4実施形態の半導体製造装置1は、別の第2有機前駆物質材料6B(ゲストB)についてOVPD法を適用するための蒸気化装置80B側から第2有機前駆物質材料6Bを含んだ混合蒸気8Bが、基板Wの近傍(図中の右上側)から導入されるように構成されている。
蒸気化装置80A,80Bの構成自体は、流量制御の仕組みが異なる点を除いて、第3実施形態の蒸気化装置80と同様である。たとえば、第3実施形態と同様に、蒸発源130の抵抗加熱パワーを固定にすることで、第1有機前駆物質材料4(ホスト材A)についての真空蒸着源側の膜厚制御は特に行なわない。また、第2有機前駆物質材料6(ホスト材A)についてのOVPD源側の膜厚制御は、成膜速度モニタ170が監視するホスト材Aの蒸着速度が一定になるよう、配管87Aを介して成膜チャンバ11内の導入される混合蒸気8A(不活性キャリアガス7A+材料ガス6Aa)の流量をマスフローコントローラ90Aにより制御するフィードバック制御機構とする。
一方、第2有機前駆物質材料6(ゲスト材B)についてのOVPD源側のドーピング制御は、第1実施形態と同様に、マスフローコントローラ90Aにより、配管87Bを介して成膜チャンバ11内に導入する混合蒸気8B(不活性キャリアガス7B+材料ガス6Ba)に対する流量制御の仕組みを用いることができる。よって、有機膜のドーピング濃度制御性に優れ、かつ微量ドーピングを均一に行なうことができる。
たとえば、有機ELデバイスの電子輸送層に所定材料をドープして緑色発光層を成膜する場合、たとえば材料AとしてのAlq3を真空蒸着させ、かつ、同じAlq3をOVPD法で成膜しつつ、C6(クマリン6)をOVPD法でドープすることによって、C6がAlq3に微量に(たとえば1%程度)ドープされた電子輸送層Alq3膜を安定に成膜することができる。
このように、第4実施形態の半導体製造装置1に依れば、上記第3実施形態の構成と同様の効果に加えて、上記第1実施形態の構成による効果を享受することができる。すなわち、所定の物質について真空蒸着法とOVPD法の同時成膜を行ないつつ、別の物質の微量ドーピングをOVPD法で行なう有機薄膜形成とすることで、真空蒸着法と同等の膜密度を有するとともに成膜の安定化を図ることができるとともに、ドーピング濃度制御性に優れた微量ドーピングを均一に行なうことができるし、また、パッキングデンシティが高く、高性能の有機膜を形成することができる。
<第5実施形態>
図8は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第5実施形態を示す概略図である。この第5実施形態は、第4実施形態の構成に加えて、材料Bについても真空蒸着法を適用するようにしている点に特徴を有する。これにより、ホスト材Aを真空蒸着法で蒸発させながら、ホスト材AをOVPD法で流量制御しつつ、さらにゲスト材Bのドーピングを真空蒸着法とOVPD法で行なうことで高濃度ドーピングを行なう構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
図8は、本発明に係る薄膜形成装置を適用した半導体製造装置の第5実施形態を示す概略図である。この第5実施形態は、第4実施形態の構成に加えて、材料Bについても真空蒸着法を適用するようにしている点に特徴を有する。これにより、ホスト材Aを真空蒸着法で蒸発させながら、ホスト材AをOVPD法で流量制御しつつ、さらにゲスト材Bのドーピングを真空蒸着法とOVPD法で行なうことで高濃度ドーピングを行なう構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
第5実施形態の半導体製造装置1は、先ず、反応装置10の成膜チャンバ11内に、ホスト材A用の真空蒸着源Aをなす蒸発源130Aに加えて、ゲスト材B用の真空蒸着源Aをなす蒸発源130Bを備えている。蒸発源130Bは、蒸発源130Aを挟んで、ホスト材A用の蒸気化装置80Aから導入されている配管87の排出端87aと反対側(図の左側)に配されている。蒸発源130A,130Bは、坩堝14A,14B内に収容される材料が異なるのみで、その構成自体は、第4実施形態の蒸発源130と同様である。
また、ホスト材A用の成膜速度モニタ170Aに加えて、ゲスト材用の成膜速度モニタ170Bが、成膜チャンバ11内に設けられている。それぞれには、他方の物質が付着することのないように、各配置位置や向きが考慮されている。具体的には、成膜速度モニタ170Aは、第3や第4の各実施形態における成膜速度モニタ170と同様の位置および向き配置されている。一方、成膜速度モニタ170Bは、蒸発源130Bの近傍で、蒸発源130Aからは離れた位置に配置され、概ね、坩堝14Bからのゲスト材Bの成膜速度のみを監視し得るようにされている。
また、成膜速度モニタ170Bと成膜速度モニタ170Aとの間には、遮蔽板128が、坩堝14Bからのゲスト材Bの蒸気化ガスが成膜速度モニタ170Aに到達しないように配置されており、これにより、成膜速度モニタ170Aは、坩堝14Aからのホスト材Aの成膜速度のみを監視し得るようにされている。
なお、第1実施形態と同様に、蒸気化装置80B側から導入される第2有機前駆物質材料6としてのゲスト材Bも成膜速度モニタ170A上に付着するので、この第2有機前駆物質材料6を含んだ膜厚が計測されるが、蒸気化装置80B側からは微量ドープとする場合には、このゲスト材Bの影響は無視することができる。
このような構成の半導体製造装置1においては、第1の第1有機前駆物質材料4(ホスト材A)用の蒸発源130Aおよび第1の第2有機前駆物質材料6(ゲスト材B)用の蒸発源130Bについては、第4実施形態のホスト材A用と同様に、真空蒸着源の抵抗加熱パワーを固定にして膜厚制御は特に行なわない。
一方、第2の第1有機前駆物質材料4(ホスト材A)についてのOVPD源側の膜厚制御は、成膜速度モニタ170Aが監視するホスト材Aの蒸着速度が一定になるように、配管87Aを介して成膜チャンバ11内の導入される混合蒸気8A(不活性キャリアガス7A+材料ガス6Aa)の流量をマスフローコントローラ90Aにより制御するフィードバック制御機構とする。
また、第2の第2有機前駆物質材料6(ゲスト材B)についてのOVPD源側のドーピング制御は、真空蒸着でのゲスト材Bのドーピング量ばらつきの補正用として、成膜速度モニタ170Bが監視するゲスト材Bのドーピング速度を補正するように、配管87Bを介して成膜チャンバ11内の導入される混合蒸気8B(不活性キャリアガス7B+材料ガス6Ba)の流量をマスフローコントローラ90Bにより制御する機構とする。
こうすることで、高濃度ドープに適した構成とすることができる。すなわち、第4実施形態の構成では、第2有機前駆物質材料6(ゲスト材B)をOVPD源側から高濃度でドープした場合、OVPDガス流量が多量になり、ゲスト材Bのガス6aと不活性キャリアガス7を含む混合蒸気8Bが多量に成膜チャンバ11内に導入され成膜時における成膜チャンバ11内の真空度が低くなり、たとえば低真空化に存在するガスが膜内部に巻き込まれることにより膜が粗となる(膜密度が下がる)不具合が生じ得る。
これに対して、第5実施形態の構成では、ゲスト材Bのドーピングに関しても、真空蒸着法とOVPD法で行なうことで、真空蒸着法により高濃度ドーピングの基本部分を実行しつつ、OVPD源側の混合蒸気8Bに対する流量制御の仕組みを用いることで、ドーピング量の微妙な調整を実現することができる。つまり、真空蒸着法でのドーピング速度ばらつきの補正用として、応答性が良好なOVPD源からのガス流量を制御することで、ドーピングの安定化を図ることができる。よって、OVPDガス流量が多量になることを回避することができ、かつドーピング濃度制御性に優れ、かつ高濃度ドーピングを均一に行なうことができる。
たとえば、有機ELデバイスの電子輸送層に所定材料をドープして発光層を成膜する場合、発光色やドープ材によっては、ホスト材Aに対して多量にゲスト材Bを混入(ドープ)させる必要が生じ、場合によっては、結果物としては、ホスト材Aよりもゲスト材Bの方が多量になることもある。このような場合、たとえばホスト材AとしてのAlq3を真空蒸着させつつ同じAlq3をOVPD法で成膜し、加えて、所定のドープ材Bを真空蒸着させつつ同じドープ材BをOVPD法でドープすることによって、ドープ材BがAlq3に高濃度でドープされた電子輸送層Alq3膜を安定に成膜することができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、複数のドーピング材を真空蒸着法を適用した成膜チャンバ内に導入するマルチドーピングに上記実施形態を適用することが可能である。この場合、同一ホスト材の層内に混合する各ドーピング材について、上述したように、OVPD法を適用する。また、このマルチドーピングにおいても、第1実施形態および第2実施形態の何れの構造をも採り得る。それぞれのインジェクタ部分の形状も、それに応じて設定される。
また上記実施形態では、有機EL素子を製造する際の、ホスト材へのゲスト材のドーピングに適用した事例で説明したが、その適用範囲は、必ずしもこのようなものに限らず、半導体基板上に薄膜を製造するその他の成膜技術にも適用することができる。たとえば、複数の前駆物質の組合せまたは混合物を基板に付着させることや、複数の前駆物質の化学反応物を基板に付着させることや、前駆物質材料を供与体・受容体として基板に付着させることなどにも適用できる。
1…半導体製造装置、4…第1有機前駆物質材料、6…第2有機前駆物質材料、7…不活性キャリアガス、8…混合蒸気、10…反応装置、11…成膜チャンバ、14…坩堝14、14a…開口部、14b…微小開口部、15…基板保持ベース、16…基板回転機構部、17…水晶式膜厚計、19…排気管、80,80A,80B…蒸気化装置、82…加熱炉、83…加熱機構部、84…内部炉、85…坩堝、86…切替バルブ、87,87A,87B,88,89…配管、90,90A,90B…マスフローコントローラ、92…圧力調整器、94…ガス精製装置、96…調節バルブ、110…搬送機構、120…加熱源、128…遮蔽板、130,130A,130B…蒸発源、蒸発源170,170A,170B…成膜速度モニタ、187…OVPDインジェクタ、M…蒸着マスク、W…基板
Claims (30)
- 蒸発させた材料を基板に付着させることで前記基板上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
第1の前駆物質材を真空蒸着法により前記基板に供給し、かつ、
第2の前駆物質材を気相法により前記基板に供給する
ことを特徴とする薄膜形成方法。 - 前記第1と前記第2の各前駆物質材として、同じ物質を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記第2の前駆物質材の一方として、前記第1の前駆物質材と同じ物質を使用しつつ、
前記第2の前駆物質材の他方として、前記第1の前駆物質材と異なる物質を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記第1と前記第2のそれぞれ一方の前駆物質材として、第1の物質を使用しつつ、
前記第1と前記第2のそれぞれ他方の前駆物質材として、前記第1の物質とは異なる物質を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記第1の前駆物質材は前記基板上に成膜されるホスト材であり、
前記第2の前駆物質材は前記ホスト材に混合されるゲスト材である
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記第1の前駆物質材は、有機前駆物質である
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記第2の前駆物質材を、不活性ガスを用いて、前記真空蒸着法が適用される成膜炉内に導入する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記不活性ガスとして、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択する
ことを特徴とする請求項7に記載の薄膜形成方法。 - 前記第2の前駆物質材の前記成膜炉内に導入される流量を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。 - 前記前駆物質材の前記基板への蒸着の度合いを監視しながら、前記流量を制御する
ことを特徴とする請求項9記載の薄膜形成方法。 - 蒸発させた材料を基板に付着させることで前記基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
第1の前駆物質材を真空蒸着法により前記基板に供給する成膜炉と、
第2の前駆物質材を蒸気化させる蒸気化装置と、
前記蒸気化装置により蒸気化された前記第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入する配管と
を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記蒸気化装置は、開口部を有するとともに前記第2の前駆物質材を収容する開口容器と、
当該開口容器を実質的に取り巻く加熱機構部と、
を備えたことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記第2の前駆物質材を輸送するための不活性ガスを前記蒸気化装置に供給する不活性ガス供給部
を備え、
前記蒸気化装置により蒸気化された前記第2の前駆物質材と前記不活性ガス供給部から供給された前記不活性ガスとを混合し、この混合された混合蒸気を前記配管を介して前記成膜炉内に導入する
ことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記不活性ガス供給部は、前記不活性ガスとして、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、およびキセノンからなる群のうちの、少なくとも1つのガスを前記蒸気化装置に供給する
ことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記第2の前駆物質材の前記成膜炉内に導入される流量を制御する流量制御部
を備えたことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記流量制御部は、前記不活性ガス供給部から前記蒸気化装置に前記不活性ガスを供給するための配管の一部に設けられたマスフローコントローラを有して構成されている
を備えたことを特徴とする請求項15に記載の薄膜形成装置。 - 前記前駆物質材の前記基板への蒸着の度合いを監視する監視部を備え、
前記流量制御部は、前記監視部からの監視結果を参照して、前記流量を制御する
ことを特徴とする請求項15に記載の薄膜形成装置。 - 前記成膜炉は、
開口部を有するとともに前記第1の前駆物質材を収容する開口容器と、
当該開口容器を実質的に取り巻く加熱機構部と、
前記開口容器の前記開口部と略対向する位置にて前記基板を保持する保持機構部と、
外部に設けられた真空ポンプと接続される排気管と
を備えていることを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記成膜炉内において、前記配管の先端が、前記開口容器を挟んで、実質的に前記排気管とは反対側に配置されている
ことを特徴とする請求項18に記載の薄膜形成装置。 - 前記配管の先端が、前記開口容器の近傍まで延在している
ことを特徴とする請求項19に記載の薄膜形成装置。 - 前記成膜炉内において、前記配管の先端が、前記保持機構部に保持されている前記基板の近傍まで延在している
ことを特徴とする請求項18に記載の薄膜形成装置。 - 前記成膜炉内の、前記開口容器と前記加熱機構部と有する蒸着源は、長尺状に形成されており、
前記蒸気化装置により蒸気化された前記第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入する配管の先端には、前記第2の前駆物質材を含むガスを長尺状に、かつ前記蒸着源の長尺方向と略平行に導出する導出端が設けられており、
さらに、
前記蒸着源の長尺方向と直交する方向に、前記蒸発源および前記導出端と前記基板とを相対的に移動させる移動機構部と、
前記基板に付着させた前駆物質材の膜厚を計測する膜厚計測部と、
前記膜厚計測部の計測結果に基づいて、前記移動機構部による相対的な移動速度を制御する移動速度制御部と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記導出端は、
先端に、前記長尺方向に沿って複数の開口部が形成され、
前記配管側から前記複数の開口部に向かって前記第2の前駆物質材を含むガスを導く通気路が形成されている
ことを特徴とする請求項22に記載の薄膜形成装置。 - 前記蒸気化装置と前記配管とを複数備えている
ことを特徴とする請求項17に記載の薄膜形成装置。 - 前記蒸気化装置の一方は、前記第2の前駆物質材の一方として、前記第1の前駆物質材と同じ物質を蒸気化させ、
前記配管の一方は、前記一方の蒸気化装置により蒸気化された前記一方の第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入し、
前記蒸気化装置の他方は、前記第2の前駆物質材の他方として、前記第1の前駆物質材と異なる物質を蒸気化させ、
前記配管の他方は、前記他方の蒸気化装置により蒸気化された前記他方の第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入する
ことを特徴とする請求項24に記載の薄膜形成装置。 - 前記成膜炉は、開口部を有するとともに前記第1の前駆物質材を収容する開口容器および当該開口容器を実質的に取り巻く加熱機構部を複数有する
ことを特徴とする請求項24に記載の薄膜形成装置。 - 前記加熱機構部のそれぞれは、前記第1の前駆物質材として、それぞれ異なる物質を蒸気化させ、
前記蒸気化装置の一方は、前記第2の前駆物質材の一方として、前記第1の前駆物質材の一方と同じ物質を蒸気化させ、
前記配管の一方は、前記一方の蒸気化装置により蒸気化された前記一方の第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入し、
前記蒸気化装置の他方は、前記第2の前駆物質材の他方として、前記第1の前駆物質材の他方と同じ物質を蒸気化させ、
前記配管の他方は、前記他方の蒸気化装置により蒸気化された前記他方の第2の前駆物質材を前記成膜炉に導入する
ことを特徴とする請求項26に記載の薄膜形成装置。 - 前記第1の前駆物質材は前記基板上に成膜されるホスト材であり、
前記第2の前駆物質材は前記ホスト材に混合されるゲスト材である
ことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 前記第1の前駆物質材は、有機前駆物質である
ことを特徴とする請求項11に記載の薄膜形成装置。 - 基板上に薄膜が形成されてなる半導体デバイスであって、
第1の前駆物質材が真空蒸着法により前記基板に供給され、かつ、第2の前駆物質材が気相法により前記基板に供給されることで、前記第1の前駆物質材中に前記第2の前駆物質材がドーピングされており、
膜厚方向に対して正確なドーピング濃度変調を備えた構造を有している
ことを特徴とする半導体デバイス。
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