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JP2005024028A - シフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置 - Google Patents

シフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置 Download PDF

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JP2005024028A
JP2005024028A JP2003191308A JP2003191308A JP2005024028A JP 2005024028 A JP2005024028 A JP 2005024028A JP 2003191308 A JP2003191308 A JP 2003191308A JP 2003191308 A JP2003191308 A JP 2003191308A JP 2005024028 A JP2005024028 A JP 2005024028A
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range position
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failure
step motor
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JP2003191308A
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Masahiko Kikuchi
雅彦 菊地
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】車両の挙動を不安定にさせることなく、効率的に電制アクチュエータの故障を診断することができるシフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ステップ110にてモータ2を速度V11に制御しステップ120にてエラー判定されれば、ステップ121にてエラー処理をし、ステップ120にてエラー判定されなければ、ステップ140にてマニュアルシャフト5の速度がほぼ速度V11になったか判定をし、ならなければステップ141にてエラー処理をし、ステップ140にてマニュアルシャフト5がほぼ速度V11になれば、モータ2は正常としてステップ150に移行する。ステップ150にてモータ3を速度V21に制御しステップ160にてエラー判定されれば、ステップ161にてエラー処理をし、ステップ160にてエラー判定されなければ、ステップ180にてマニュアルシャフト5の速度Voがほぼ停止したか判定をし、停止しなければステップ181にてエラー処理をし、ステップ180にてマニュアルシャフト5がほぼ停止すれば、モータ3は正常としてステップ150に移行する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者が選択したレンジ位置に応じて2つの電制アクチュエータの一方を動作させ、その動作に応じて変位したレンジ位置伝達部材の位置に応じてレンジ環境を設定するシフトバイワイヤ式自動変速機であって、特に、その故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シフトバイワイヤ式自動変速機には、2つの電制アクチュエータを用いるものがあり、通常は一方の電制アクチュエータ(以下、「メインアクチュエータ」という)に、運転者が選択したP(パーキング),R(リバース),N(ニュートラル),D(ドライブ),L(ロー)などのレンジ位置に応じた動作を指令し、この電制アクチュエータの動作に応じてレンジ位置伝達部材を変位させることにより、運転者が選択したレンジ環境を設定する一方、他方の電制アクチュエータを、メインアクチュエータが故障した場合のバックアップとして用いる(以下、「バックアップアクチュエータ」という)ものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−40513号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電制アクチュエータの故障を診断するためには、イグニッションキーON(電源投入)時などの初期化に際し、個々の電制アクチュエータに対して予め設定した動作を指令して実際に電制アクチュエータを1つづつ独立して動作させる必要がある。
【0005】
しかしながら、電制アクチュエータの故障は極めて稀であるため、故障を診断する時間は極力短いことが好ましい。また、電制アクチュエータを1つ1つ独立して動作させて故障を診断する場合、電制アクチュエータが正常であると、その動作に応じてレンジ位置伝達部材が変位して自動変速機が運転者の意図しないレンジ環境に設定されてしまうことがある。この場合、例えば、運転者がPレンジ位置を選択したにもかかわらず、自動変速機内はNレンジなどの他のレンジ環境に設定されるため、Pレンジ環境で実行されるべきパーキングロックが解除されて車両が移動可能な状態になってしまうという不都合が生じる。
【0006】
本発明の解決すべき課題は、こうした事実に鑑みてなされたものであり、車両の挙動を不安定にさせることなく、効率的に電制アクチュエータの故障を診断することができるシフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、運転者が選択したレンジ位置を出力するレンジ選択装置と、このレンジ位置に応じて動作可能な2つの電制アクチュエータと、これら電制アクチュエータの動作を互いに独立した入力として該動作のうちの少なくとも一方に応じて変位するレンジ位置伝達部材と、このレンジ位置伝達部材が変位する位置に応じてレンジ環境を設定するレンジ環境設定手段とを備えるシフトバイワイヤ式自動変速機において、レンジ位置伝達部材の変位を検出するレンジ位置伝達部材変位検出手段と、2つの電制アクチュエータをレンジ位置伝達部材が変位しないように同時に動作させ、レンジ位置伝達部材が変位したときは電制アクチュエータの少なくとも一方が故障であると診断する故障診断手段とを備えることを特徴とする故障診断装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記故障診断手段が、2つの電制アクチュエータの動作を所定時間だけずらして開始するものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記故障診断手段が、電制アクチュエータの動作を段階的に行うものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記故障診断手段が、電制アクチュエータの動作を所定時間毎に行うものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、2つの電制アクチュエータが等しい大きさで逆向きに動作するとレンジ位置伝達部材が変位しないように構成し、前記故障診断手段は、2つの電制アクチュエータの動作を互いに逆向きにさせるものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項において、前記故障診断手段が、故障診断中にレンジ選択装置から新たなレンジ位置が検出された場合、その故障診断を中止し、2つの電制アクチュエータのうちで、新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するのに最も効率的にレンジ位置伝達部材を変位させる電制アクチュエータを新たなレンジ位置に応じて動作させるものであることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に係る発明においては、2つの電制アクチュエータをレンジ位置伝達部材が変位しないように同時に動作させ、レンジ位置伝達部材が変位したときは該電制アクチュエータの少なくとも一方が故障であると診断するから、電制アクチュエータを1つ1つ独立して診断するよりも短い時間で故障を診断することができ、しかも、電制アクチュエータが正常である場合、電制アクチュエータに応じてレンジ位置伝達部材が変位して自動変速機が運転者の意図しないレンジ環境に設定されることがない。従って、請求項1に係る発明によれば、車両の挙動を不安定にさせることなく、効率的に電制アクチュエータの故障を診断することができる。
【0014】
請求項2に係る発明においては、2つの電制アクチュエータの動作を所定時間だけずらして開始する。かかる構成によれば、1つの電制アクチュエータが動作したときと、2つの電制アクチュエータが動作したときとの計2回に分けて電制アクチュエータの故障を診断できるため、実際に故障している電制アクチュエータを容易に特定することができる。
【0015】
請求項3に係る発明においては、電制アクチュエータの動作を段階的に行う。つまり、電制アクチュエータを一気に動作させるのではなく、ステップ状に徐々に動作させる。かかる構成によれば、故障診断に際しての電制アクチュエータの急激な動作を抑えることができるから、電制アクチュエータの過大動作に伴うレンジ位置伝達部材の誤動作を防止することができる。
【0016】
また請求項4に係る発明においては、電制アクチュエータの動作を所定時間毎に行うことにより電制アクチュエータの故障を周期的に診断するから、故障を早期に検出して運転者に警告することができ、故障に対する適切な処置を高い信頼性のもとで行うことができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、2つの電制アクチュエータが等しい大きさで逆向きに動作するとレンジ位置伝達部材が変位しないように構成し、故障を診断するときは、2つの電制アクチュエータの動作を互いに逆向きにさせるから、簡単な電制アクチュエータの動作で故障を診断することができる。
【0018】
請求項6に係る発明においては、故障診断中にレンジ選択装置からの新たなレンジ位置が検出された場合、その故障診断を中止し、2つの電制アクチュエータのうちで、新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するのに最も効率的にレンジ伝達部材を変位させる電制アクチュエータを新たなレンジ位置に応じて動作させる。かかる構成によれば、発生頻度の少ない故障を診断するよりも運転操作を優先できると共に、2つの電制アクチュエータを一度停止させたのち新たなレンジ位置に応じて再度動作させる必要がないため、運転者が選択したレンジ環境を素早く実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になるシフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置を示すシステム図であり、図2(a),(b)はそれぞれ、2つの電制アクチュエータを用いて自動変速機内のレンジ環境を設定する駆動系の要部を例示する模式図および斜視図である。
【0020】
図1において、符号1はシフトバイワイヤ式自動変速機を示し、この自動変速機1は、電制アクチュエータとしてステップモータ2,3を用い、レンジ選択装置10からのレンジ位置に応じたレンジ環境を設定する。
【0021】
ステップモータ2,3にはそれぞれ、ウォームギアG2,G3が取り付けられ、これらウォームギアG2,G3を介して遊星歯車機構4に駆動結合する。遊星歯車機構4は、サンギアSおよびリングギアRを入力とし、サンギアSおよびリングギアRそれぞれに噛み合う複数のピニオンPを支持するキャリアCを出力とする。具体的には、図2(a)に示す如く、ステップモータ2をメインモータとしてウォームギアG2をリングギアRに噛み合せる一方、ステップモータ3をバックアップモータとしてウォームギアG3をサンギアSと一体に設けた入力ギアSoに噛み合せ、レンジ位置伝達部材であるマニュアルシャフト5がキャリアCと一体に結合している。
【0022】
つまり、ステップモータ2,3はそれぞれ、遊星歯車機構4を介してマニュアルシャフト5に駆動結合することにより、ステップモータ2,3の動作を互いに独立した入力として該動作のうちの少なくとも一方に応じてマニュアルシャフト5を変位させることができるものであり、2つのステップモータ2,3が等しい大きさで逆向きに動作するとマニュアルシャフト5は変位(回転)しなくなる。
【0023】
図2(b)において、符号6は、マニュアルシャフト5の回転に応じて自動変速機1内のレンジ環境を設定する、所謂、ディテント機構である。ディテント機構6は、マニュアルシャフト5に扇状のレバー61を一体に固定し、このレバー61によって既存のレンジ切換弁62のスプール62aを軸線方向に移動させる一方、レバー61の噛合部61aが片持ちスプリング63の先端に設けたローラ63aと係合することにより、マニュアルシャフト5の回転に応じてスプール62aを位置決めする。
【0024】
つまりマニュアルシャフト5は、ステップモータ2またはステップモータ3に応じた回転によって、自動変速機1内に配したレンジ切換弁62を、レンジ選択装置10で選択したP(パーキング)レンジ位置,R(リバース)レンジ位置,N(ニュートラル)レンジ位置,D(ドライブ)レンジ位置に応じた位置に変位させる。これにより、レンジ切換弁62は、P〜Dレンジ位置に応じた油圧回路を選択し、自動変速機1内をP〜Dレンジ位置に応じたレンジ環境に設定する。
【0025】
本実施形態において、ステップモータ2,3の回転はコントローラ100によって制御される。このため、コントローラ100には、図1に示す如く、マニュアルシャフト5の角度θを検出する角度センサ21からの角度信号Θと、レンジ選択装置10で選択したPレンジ位置,Rレンジ位置,Nレンジ位置,Dレンジ位置を指令するレンジ指令信号Sdとが入力される。
【0026】
レンジ選択装置10は、図3に示す如く、スイッチ本体11内に円形のセレクトダイアル12およびシフトスイッチ13を備える。セレクトダイアル12は、スイッチ本体11に対して回転自在に支持されて運転者の希望する走行形態に応じたP,R,N,Dレンジ位置を選択するものであり、その背面には、図4に示す如く、これと共に回転する1個の可動子12aを備える。シフトスイッチ13は、図4に示す如く、スイッチ本体11内に固定され可動子12aの回転軌跡上に該可動子12aと接触可能に配列した電極13p,13r,13n,13dを備える。電極13p,13r,13n,13dは、スイッチ本体11上の表示したPレンジ位置,Rレンジ位置,Nレンジ位置,Dレンジ位置に対応して配列され、可動子12aとの接触に応じてそれぞれPレンジ位置,Rレンジ位置,Nレンジ位置,Dレンジ位置を指令するレンジ指令信号Sdを出力する。
【0027】
これによりステップモータ2,3の回転は、レンジ選択装置10で選択したPレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、Dレンジ位置に応じて制御される。なお本実施形態において、レンジ選択装置10は、図4に示す如く、スイッチ本体11に光学式の距離センサ14を備え、この距離センサ14から可動子12aまでの距離Lをコントローラ100に出力する。このため、コントローラ100は、可動子12aが電極13p,13r,13n,13dのいずれとも接触しない無信号状態つまりレンジ選択装置10で選択したレンジ位置が不明な状態(図5参照)では、前回のレンジ位置および距離センサ14で検出した距離Lをもとに、運転者がセレクトダイアル12を前回のレンジ位置(例えばRレンジ位置)からどちら向き(P→RまたはR→N)に操作したかを判断し、その操作向きで前回のレンジ位置(Rレンジ位置)と隣接するレンジ位置(P→RではNレンジ位置、R→NではPレンジ位置)が運転者によって選択されたレンジ位置とみなしてレンジ環境を設定できる。
【0028】
ところで、こうしたシフトバイワイヤ式の自動変速機1は、ステップモータ2,3の回転に応じてレンジ環境を設定することから、ステップモータ2,3に対する故障の診断は不可欠である。そこで本実施形態では、図6のフローチャートに示す初期化ルーチンに従って、ステップモータ2,3の故障を診断する。
【0029】
本実施形態では、ステップモータ2の速度V10とステップモータ3の速度V20とを制御することにより、ステップモータ2,3の故障を診断する。但し、ステップモータ2,3それぞれに指令される速度V11,V21は共に、ステップモータ2,3を互いに逆向きに動作させると同時にマニュアルシャフト5が変位しなくなる速度である。
【0030】
図6の初期化ルーチンは、例えば、イグニッションキーONでコントローラ100にて実行される。このため、イグニッションキーONが確認されるとまず、ステップ110にて、ステップモータ2に予め設定した速度V11を指令してステップモータ2の速度V10を速度V11に制御する。ステップ120では、ステップモータ2への速度指令に対するエラー判定が行われる。このエラー判定は、ステップモータ2の回転数が制御できない状態を判定するものであり、具体的には、コントローラ100にて、角度センサ21からの角度信号Θを基にマニュアルシャフト5の速度Voを求め、この速度Voからマニュアルシャフト5の加速度dVoを算出し、マニュアルシャフト5が速度変化を生じているかどうかで判定する。つまり、本実施形態では、マニュアルシャフト角度センサ21がレンジ位置伝達部材変位検出手段に相当する。
【0031】
ステップ120にて、マニュアルシャフト5が速度変化を生じていると判定されると、ステップモータ2は速度V11を目標値にして正常に動作しているとして、ステップ130に移行する。
【0032】
これに対し、ステップ120にて、マニュアルシャフト5が速度変化を生じていないと判定されると、ステップモータ2の回転数が制御できない故障と診断し、ステップ121にて、故障に対する対策を実行する。ステップ121では、例えば、ステップモータ2に対してステップモータ2を停止させるためのブレーキ制御を指令すると共に、ステップモータ2に代えて、ステップモータ3をメインモータとして設定変更する。
【0033】
一方、ステップ120にてステップモータ2の回転数が制御できる状態と判定されると、ステップ130にて、ステップモータ2の速度V10が定常状態になったかどうかを判定する。この定常判定は、マニュアルシャフト5の加速度dVoが、予め設定した設定値A(A>0)で区画された許容範囲α(−A<dVo<A)内に収まったかどうかで行う。
【0034】
ステップ130にて、マニュアルシャフト5の加速度dVoが許容範囲α内に収まっていないと、ステップモータ2の速度V10が定常状態になっていないと判定してステップ110に移行し、再びステップモータ2の速度V10を速度V11に制御する。
【0035】
これに対し、ステップ130にて、マニュアルシャフト5の加速度dVoが許容範囲α内に収まると、ステップモータ2の速度V10が定常状態になったと判定してステップ140に移行する。ステップ140では、ステップモータ2の速度V10が目標とする速度V11で定常状態になったかどうかを判定する。この速度判定は、マニュアルシャフト5の速度Voが、予め設定した設定値B(B>0)で区画された許容範囲β(−B<Vo<B)内に収まったかどうかで行う。
【0036】
ステップ140にて、マニュアルシャフト5の速度Voが許容範囲β内に収まると、ステップモータ2がレンジ環境を変更させない範囲で正常に動作して、ステップモータ2の速度V10が目標とする速度V11で定常状態になったと判定してステップ150に移行する。つまり、ステップ140にて、マニュアルシャフト5の速度Voが設定範囲β内に収まると、ステップモータ2は正常であると診断する。
【0037】
これに対し、ステップ140にて、マニュアルシャフト5の速度Voが許容範囲β内に収まっていないと、ステップモータ2が正常に動作していない故障と診断し、ステップ141にて、故障に対する対策を実行する。ステップ141では、ステップ121と同様の対策を実行する。
【0038】
ステップ150では、コントローラ100がステップモータ3に対してステップモータ2の速度V11と等しい大きさで逆向きとなる速度V21を指令してマニュアルシャフト5が変位しないようにステップモータ2の速度V20を制御する。ステップ160では、ステップモータ3への速度指令に対するエラー判定が行われる。このエラー判定は、ステップモータ3の回転数が制御できない状態を判定するものであり、具体的には、ステップモータ2のときと同様、コントローラ100にて、角度センサ21からの角度信号Θを基にマニュアルシャフト5の速度Voを求め、この速度Voからマニュアルシャフト5の加速度dVoを算出し、ステップモータ3がステップモータ2に対して速度変化を生じているかどうかで判定する。
【0039】
ステップ160にて、マニュアルシャフト5が速度変化を生じていると判定されると、ステップモータ3は速度V21を目標値にして正常に動作しているとして、ステップ170に移行する。
【0040】
これに対し、ステップ160にて、マニュアルシャフト5が速度変化を生じていないと判定されると、ステップモータ3の回転数が制御できない故障と診断し、ステップ161にて、故障に対する対策を実行する。ステップ161では、例えば、ステップモータ3に対してステップモータ3を停止させるためのブレーキ制御を指令すると共に、先程正常と診断されたステップモータ2をメインモータとして設定する。
【0041】
一方、ステップ160にてステップモータ3の回転数が制御できる状態と判定されると、ステップ170にて、ステップモータ3の速度V20が定常状態になったかどうかを判定する。この定常判定も、マニュアルシャフト5の加速度dVoが、予め設定した許容範囲α内に収まったかどうかで行う。
【0042】
ステップ170にて、マニュアルシャフト5の加速度dVoが許容範囲α内に収まっていないと、ステップモータ3の速度V20が定常状態になっていないと判定してステップ150に移行し、再びステップモータ3の速度V20を速度V21に制御する。
【0043】
これに対し、ステップ170にて、マニュアルシャフト5の加速度dVoが許容範囲α内に収まると、ステップモータ3の速度V20が定常状態になったと判定して、ステップ180に移行する。ステップ180では、ステップモータ3の速度V20が目標とする速度V22で、マニュアルシャフト5が変位しないほぼ停止の状態となったかどうかを判定する。この停止判定は、マニュアルシャフト5の速度Voが、予め設定した微少な設定値C(C>0)で区画された設定範囲γ(−C<Vo<C)内に収まったか、つまり、マニュアルシャフト5の速度VoがほぼVo=0になったかどうかで行う。
【0044】
ステップ180にて、マニュアルシャフト5の速度Voが設定範囲γ内に収まると、ステップモータ3がレンジ環境を変更させない範囲で正常に動作してステップモータ2の速度V10がステップモータ3の速度V20によって相殺されてマニュアルシャフト5が停止したと判定する。つまり、ステップ180にてマニュアルシャフト5の速度Voが設定範囲γ内に収まると、ステップモータ3は正常であると診断する。
【0045】
これに対し、ステップ180にて、マニュアルシャフト5の速度Voが設定範囲γ内に収まっていないと、ステップモータ3が正常に動作していない故障と診断して、ステップ181にて、故障に対する対策を実行する。ステップ181では、ステップ161と同様の対策を実行する。
【0046】
このように本実施形態においては、コントローラ100を故障診断手段として用い、2つのステップモータ2,3をマニュアルシャフト5が変位しないように同時に動作させ、マニュアルシャフト5が回転したときは2つのステップモータ2,3の少なくとも一方が故障であると診断するから、ステップモータ2,3を1つ1つ独立して診断するよりも短い時間で故障を診断することができ、しかも、ステップモータ2,3が正常である場合、ステップモータ2,3に応じてマニュアルシャフト5が変位して自動変速機1が運転者の意図しないレンジ環境に設定されることがない。
【0047】
従って、本実施形態によれば、例えば、運転者がPレンジ位置を選択したにもかかわらず、自動変速機内はNレンジなどの他のレンジ環境に設定されるため、Pレンジ環境で実行されるべきパーキングロックが解除される等して、車両の挙動を不安定にさせることなく、効率的にステップモータ2,3の故障を診断することができる。
【0048】
また本実施形態においては、ステップモータ2をステップモータ3に対して時間差をつけて動作を開始している。つまり、ステップモータ2の故障診断を開始してから終了するまでのステップ110〜140までの処理時間Δtだけ、ステップモータ3の動作をずらして開始する。かかる構成によれば、ステップ110で1つのステップモータ2を動作させたときと、ステップ150で2つのステップモータ2,3を動作させたときとの計2回に分けてステップモータ2,3の故障を診断できるため、実際に故障しているステップモータを容易に特定することができる。なお、ステップモータ2,3の少なくともいずれか一方が故障しているか診断するのであれば、ステップモータ2,3の動作の開始は同時でもよい。
【0049】
さらに本実施形態では、遊星歯車機構4によって2つのステップモータ2,3が等しい大きさで逆向きに動作するとマニュアルシャフト5が変位しないように構成し、故障を診断するときは、2つのステップモータ2,3の動作を互いに逆向きにさせるから、簡単なステップモータの動作で故障を診断することができる。
【0050】
ところで図6の初期化ルーチンを用いれば、図7のタイムチャートに示すような故障診断も可能である。以下、図7に示す第二実施形態を説明する。なお図7において、ステップモータ2のタイムチャートは実線M1で示し、ステップモータ3のタイムチャートは実線M2で示す。
【0051】
図7に示す実施形態では、図6の初期化ルーチンを基本ロジックとして、レンジ選択装置10で選択したレンジ環境を実現するためにステップモータ2,3が最低限度保証しなければならない速度V12,V22を予め目標値とし、ステップモータ2,3の故障診断と共にその動作確認も行う。但し、速度V12,V22は共に、運転者がレンジ操作を行ったときのレンジ環境の設定に違和感を覚えない応答性を確保でき、ステップモータ2,3を同時に動作させたときにマニュアルシャフト5が変位しない速度である。
【0052】
本実施形態では、まず図6の初期化ルーチンを用い、図7に示す如く、時刻t=t0にてステップモータ2の速度制御を開始(ステップ110)してから、ステップモータ2が目標とする速度V11で定常状態となる時刻t=t1まで、ステップモータ2に対する故障診断(ステップ120,140)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ2が故障と判定されれば、エラー処理(ステップ121,141)を実行する。
【0053】
これに対し、ステップモータ2の故障が診断されなければ、時刻t=t1で、ステップモータ3の速度制御を開始(ステップ150)し、ステップモータ3が目標とする速度V12で定常状態となってマニュアルシャフト5が回転しなくなる時刻t=t2まで、ステップモータ3に対する故障診断(ステップ161,181)を実行する。このとき、ステップモータ3が故障と診断されれば、エラー処理(ステップ121,141)を実行する。
【0054】
時刻t=t2までステップモータ3の故障が診断されなければ、時刻t=t3で、図6の初期化ルーチンを用いて、さらにステップモータ2,3それぞれを速度V12,V22に制御する。ここでも、ステップモータ2の速度制御を、時刻t=t3にて開始(ステップ110)してから、ステップモータ2が目標とする速度V12で定常状態となる時刻t=t4まで、ステップモータ2に対する故障診断(ステップ120,140)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ2が故障と判定されれば、エラー処理(ステップ121,141)を実行する。
【0055】
これに対し、ステップモータ2の故障が診断されなければ、時刻t=t4で、ステップモータ3の速度制御を開始(ステップ150)し、ステップモータ3が目標とする速度V22で定常状態となってマニュアルシャフト5が変位しなくなる時刻t=t5まで、ステップモータ2に対する故障診断(ステップ160,180)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ3が故障と診断されれば、エラー処理(ステップ161,181)を実行する。
【0056】
つまり、本実施形態では、ステップモータ2,3の速度V10,V20それぞれを停止状態から速度V12,V22まで一気に上げるのではなく、2段階に分けて段階的に徐々に動作させ、その都度、故障診断を実行している。かかる構成によれば、故障診断に対する信頼性が高まるに加え、速度V10,V20それぞれを大きくさせつつ故障診断に際してのステップモータ2,3の急激な動作を抑えることができるから、ステップモータ2,3の過大動作に伴うマニュアルシャフト5の誤動作を防止することができる。
【0057】
また本実施形態では、図6の初期化ルーチンを基本ロジックとしてステップ110,150の制御対象(モータ2,3)を入れ替えることにより、時刻t=t6にてステップモータ3の速度制御を開始(ステップ110)してから、ステップモータ3が目標とする速度V21で定常状態となる時刻t=t7まで、ステップモータ3に対する故障診断(ステップ120,140)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ3が故障と診断されれば、エラー処理(ステップ121,141)を実行する。
【0058】
これに対し、ステップモータ3の故障が診断されなければ、時刻t=t7で、ステップモータ2の速度制御を開始(ステップ150)し、ステップモータ2が目標とする速度V11で定常状態となってマニュアルシャフト5が変位しなくなる時刻t=t8まで、ステップモータ2に対する故障診断(ステップ160,180)を実行する。このとき、ステップモータ2が故障と診断されれば、エラー処理(ステップ161,181)を実行する。
【0059】
時刻t=t8までステップモータ2の故障が診断されなければ、時刻t9で、制御対象を入れ替えた図6の初期化ルーチンを用いて、さらにステップモータ2,3それぞれの速度V10,V20を“0”「ゼロ」にする。ここでも、ステップモータ3の速度制御を、時刻t=t9にて開始(ステップ110)してから、ステップモータ3が目標とする速度V10=0で定常状態となる時刻t=t10まで、ステップモータ3に対する故障診断(ステップ120,140)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ3が故障と判定されれば、エラー処理(ステップ121,141)を実行する。
【0060】
これに対し、ステップモータ3の故障が診断されなければ、時刻t=t10で、ステップモータ2の速度制御を開始(ステップ150)し、ステップモータ3が目標とする速度V20=0で定常状態となってマニュアルシャフト5が変位しなくなる時刻t=t11まで、ステップモータ2に対する故障診断(ステップ160,180)を実行する。そしてこのとき、ステップモータ2が故障と診断されれば、エラー処理(ステップ161,181)を実行する。
【0061】
つまり、ステップモータ2,3を停止させるときも、ステップモータ2,3の速度V10,V20それぞれを速度V12,V22から停止までステップモータ2,3を一気に下げるのではなく2段階に分けて段階的に徐々に動作させ、その都度、故障診断を実行している。かかる構成によれば、故障診断に対する信頼性がさらに高まるに加え、速度V10,V20それぞれを大きく減速させつつ故障を診断するに際してのステップモータ2,3の急激な動作を抑えることができるから、ステップモータ2,3の過大動作に伴うマニュアルシャフト5の誤動作を防止することができる。
【0062】
また図6の初期化ルーチンは、イグニッションキーON時以外に、所定時間T毎に実行してもよい。そこで第3の実施形態として、図8のフローチャートに示す診断開始ルーチンに従って、図6の初期化ルーチンを実行する。
【0063】
図8の診断開始ルーチンは、イグニッションキーONでコントローラ100にて実行される。このため、イグニッションキーONが確認されるとまず、ステップ210にて、診断周期を管理するためのタイマー値Tを「T=0」に初期化する。
【0064】
次に、ステップ220にて、レンジ選択装置10からコントローラ100に新たにレンジ選択指令信号Sdが入力されたかどうかを確認する。
【0065】
ステップ220において、レンジ指令信号Sdの入力があれば、ステップ230にて、ステップモータ2に対してレンジ選択指令信号Sdに応じた動作を指令し、運転者の選択に応じたレンジ環境を設定する。
【0066】
ステップ240では、図6の初期化ルーチンを用いた故障診断を実行する。このステップ240にて、ステップモータ2,3のいずれも故障していない診断されれば、ステップ250で正常診断であるとしてステップ210にリターンする。これに対し、ステップ240にてステップモータ2,3のいずれか一方が故障している診断されれば、ステップ250で故障診断であるとして、ステップ260にて警告灯を点灯するよう指令し、運転者に対してステップモータおよびその駆動系をシステムのいずれかが故障していることを警告する。ステップ240では、ステップモータ2,3のいずれか一方が故障していると診断した場合のみ、ステップ270にて、正常なステップモータをメインモータとして設定する。
【0067】
ところで、ステップ220にて、レンジ選択指令信号Sdの入力がなければ、ステップ280にて、前回のタイマー値T=T(OLD)を「+1」だけインクリメントしたのち、ステップ290にて、このインクリメントしたタイマー値T=T(OLD)+1が予め設定した所定値Toよりも大きいかどうかを判定する。
【0068】
ステップ290にて、タイマー値Tが所定値To以下であればステップ220にリターンし、新たにレンジ選択指令信号Sdが入力されるまではステップ280,290の計測を実行する。そしてタイマー値Tが所定値Toよりも大きくなると、一定の時間が経過したとしてステップ240に移行し、図6の初期化ルーチンを用いた故障診断を実行する。
【0069】
つまり、図8の診断開始ルーチンによれば、ステップモータ2,3の故障を所定時間To毎に行うことができる。かかる構成によれば、ステップモータ2,3の故障を周期的に診断するから、故障を早期に検出して運転者に警告することができ、故障に対する適切な処置を高い信頼性のもとで行うことができる。
【0070】
ところで、レンジ選択装置10での選択は、故障診断中においても起こり得ることである。そこで第4の実施形態として、図9のフローチャートに示す故障診断時レンジ選択対応ルーチンに従って、図6の初期化ルーチンを実行中に行われるレンジ位置の選択を手当てする。なお、本実施形態において、図6の故障診断は、図8の診断開始ルーチンに従って実行されるものとする。
【0071】
図9の故障診断時レンジ選択対応ルーチンは、コントローラ100にて実行される。まずステップ310にて図6の故障診断が開始されると、ステップ320にて、レンジ選択装置10からコントローラ100に新たにレンジ選択指令信号Sdが入力されたかどうかを確認する。
【0072】
ステップ320にて、レンジ選択指令信号Sdの入力がなければ、そのままステップ310での故障診断を実行したのち終了し、図8のメインルーチンへ復帰するが、レンジ選択指令信号Sdの入力があれば、ステップ340に移行し、ステップ310での故障判断を中止して運転者によるレンジ環境の設定変更を優先する。
【0073】
ステップ310の故障を中止して運転者によるレンジ環境の変更を優先する場合、ステップモータ2,3を共に一度停止させたのち、改めて運転者の選択によるレンジ位置に応じてステップモータ2,3を動作させてもよいが、本実施形態では、ステップモータ2,3のうちで、ステップ320で入力された新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するのに最も効率的にマニュアルシャフト5を変位させるステップモータを新たなレンジ位置に応じて動作させる。
【0074】
本実施形態において、マニュアルシャフト5は、図2(a)に示す如く、2つのステップモータ2,3が等しい大きさで逆向き(例えば、符号d2,d3)に動作するとマニュアルシャフト5が変位しないため、例えば、ステップモータ2の動作方向d2をマニュアルシャフト5がD→Pに回転する向きに設定すれば、必然的に、ステップモータ3の動作方向d3はマニュアルシャフト5がP→Dに回転する向きに設定される。
【0075】
そこで、本実施形態では、故障診断時のステップモータ2の動作方向d2をマニュアルシャフト5がD→Pに回転する向きに設定しておき、マニュアルシャフト5が変位しなくなるまでステップモータ2,3の速度制御を実行したのち、ステップ340にて、ステップ320にて入力された新たなレンジ位置と現在のレンジ位置とを比較し、新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するために、マニュアルシャフト5が回転すべき方向(例えば符号d5)を算出する。
【0076】
ステップ350では、実際に、2つのステップモータ2,3のうちから、マニュアルシャフト5をステップ340にて算出した方向d5に回転させるのに最も効率的なステップモータを決定する。具体的には、ステップ340で算出したマニュアルシャフト5の回転方向d5を参照する。
【0077】
ステップ350にて、マニュアルシャフト5が回転すべき方向d5がD→Pであれば、故障診断時の動作方向をD→Pに設定したステップモータ2が最も効率的にマニュアルシャフト5を回転させるため、ステップ360に移行してステップモータ3に対してステップモータ3を停止させるためのブレーキ制御を指令する。
【0078】
ステップ361では、角度センサ21からの角度信号Θを基にマニュアルシャフト5の速度Voを算出し、この速度Voから換算したステップモータ2の速度V10、若しくは、故障診断時に指令した速度(例えば、V11またはV12)との差分ΔV1(=V10−Vo)が、予め設定した設定値A(A>0)で区画された許容範囲δ(−A<ΔV1<A)内に収まったかどうかを判定する。
【0079】
ステップ361にて、差分ΔV1が許容範囲δに収まると、ステップモータ3が停止したとしてステップ362に以降し、ステップモータ3に対するブレーキ制御指令を停止し、ステップモータ3に対するブレーキを解除する。そしてステップ363にて、ステップ320で入力されたシフト選択信号Sbに応じた指令をステップモータ2に対して行い、新たなレンジ位置に応じたステップモータ2の位置決め制御を実行する。
【0080】
またステップ340にて、マニュアルシャフト5が回転すべき方向d5がP→Dであれば、マニュアルシャフト5をステップモータ2と逆向きのP→Dに回転するステップモータ3が最も効率的にマニュアルシャフト5を回転させるため、ステップ370に移行してステップモータ2に対してモータ2を停止させるためのブレーキ制御を指令する。
【0081】
ステップ371では、角度センサ21からの角度信号Θを基にマニュアルシャフト5の速度Voを算出し、この回転速度Voから換算したステップモータ3の速度V20、若しくは、故障診断時に指令した速度(例えば、V21またはV22)との差分ΔV2(=V20−Vo)が、予め設定した設定値A(A>0)で区画された許容範囲δ(−A<ΔV2<A)内に収まったかどうかを判定する。
【0082】
ステップ371にて、差分ΔV2が許容範囲δに収まると、ステップモータ3が停止したとしてステップ372に以降し、ステップモータ2に対するブレーキ制御指令を停止し、ステップモータ2に対するブレーキを解除する。そしてステップ373にて、ステップ320で入力されたシフト選択信号Sbに応じた指令をステップモータ3に対して行い、新たなレンジ位置に応じたステップモータ3の位置決め制御を実行する。
【0083】
図10は、図7の故障診断を実行した際にレンジ選択が行われたときのタイムチャートである。なお、図7において、ステップモータ2のタイムチャートは実線M1で示し、ステップモータ3のタイムチャートは実線M2で示す。また他の実施形態と同一部分は同一符号をもってその説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、ステップモータ2,3それぞれの目標値を速度V12,V22として故障診断を継続中に、時刻t=t12で、レンジ選択装置10からのシフト選択信号Sbが入力されたため(ステップ320)、時刻t=t13(ステップ350)でステップモータ3へのブレーキを開始する(ステップ360)。そしてステップモータ3が停止したと判定した時刻t=t14(ステップ361)で、ステップモータ3へのブレーキを解除する(ステップ362)と同時に、ステップモータ2の速度制御を開始(ステップ373)し、レンジ位置に応じた位置決め制御を実行し、この位置決め制御が終了したのち、時刻t=t15でステップモータ2の速度制御を終了する。
【0085】
本実施形態においては、故障診断中にレンジ選択装置からの新たなレンジ位置が検出された場合、故障診断を中止し、2つのステップモータ2,3のうちで、新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するのに最も効率的にマニュアルシャフト5を変位させるステップモータ2を新たなレンジ位置に応じて動作させる。かかる構成によれば、発生頻度の少ない故障を判断するよりも運転操作を優先できると共に、2つのステップモータ2,3を一度停止させたのち新たなレンジ位置に応じて再度動作させる必要がないため、運転者が選択したレンジ環境を素早く実現することができる。
【0086】
上述したところは、本発明の好適な実施形態を示したに過ぎず、当業者によれば、請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、モータ2,3とマニュアルシャフト5を駆動結合する機構は、遊星歯車機構に限ることはなく、所定のモータ2,3の動作を互いに独立した入力としたときマニュアルシャフト5が変位できなくなる歯車機構であればよい。
【0087】
また、故障診断に用いるパラメータも、モータ速度に限らず、モータに供給する電流や電圧、またはモータおよびマニュアルシャフトのトルクを用いてもよい。そして電制アクチュエータもモータに限らず、伸縮ロッドなどの直動式であってもよい。このため、レンジ位置伝達部材も回転シャフトに限らず、その軸線方向に沿って移動する部材など、電制アクチュエータの動作をレンジ環境設定手段に伝達できるものであればよい。
【0088】
またレンジ環境設定手段も、電制アクチュエータの動作に応じてレンジ環境を設定できるものであれば、油圧回路を切り換えてレンジ環境を変更するものレンジ切換弁62に限らず、電気的な制御でレンジ環境を変更するものであってもよい。レンジ選択装置10も、ダイアル式に限らず、シフトレバー式でもよい。
【0089】
さらに自動変速機1も、有段式に限らず、例えば、入出力プーリ間にベルトを動力伝達可能に掛け渡し、入出力プーリのいずれか一方を駆動させてプーリ溝幅を変更することにより無段階の変速を行うVベルト式無段変速機構であってもよい。同様に自動変速機1は、入出力ディスク間にトラニオンによって回転自在に支持されたパワーローラを動力伝達可能に配置し、トラニオンに機械式オイルポンプからの油圧に基づいた制御圧を供給してこれら入出力ディスクの斜面に沿ってパワーローラを傾転させることにより無段階の変速を行うトロイダル型無段変速機構であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるシフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置を示すシステム図である。
【図2】(a),(b)はそれぞれ、2つのステップモータを用いて自動変速機内のレンジ環境を設定する駆動系の要部を例示する模式図および斜視図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ、レンジ選択装置の拡大正面図および拡大側面図である。
【図4】(a),(b)はそれぞれ、レンジ選択装置の内部構造を説明する拡大正面図および拡大側面図である。
【図5】(a),(b)はそれぞれ、レンジ選択装置が無信号状態となったときの内部構造を説明する拡大正面図および拡大側面図である。
【図6】本発明の第一実施形態として、コントローラにて実行されるフローチャートである。
【図7】本発明の第二実施形態を説明するタイムチャートである。
【図8】本発明の第三実施形態として、コントローラにて実行されるフローチャートである。
【図9】本発明の第四実施形態として、コントローラにて実行されるフローチャートである。
【図10】本発明の第四実施形態を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 シフトバイワイヤ式自動変速機
2,3 ステップモータ
4 遊星歯車機構
5 マニュアルシャフト
6 レンジ環境設定手段
10 レンジ選択装置
21 角度センサ
100 コントローラ

Claims (6)

  1. 運転者が選択したレンジ位置を出力するレンジ選択装置と、このレンジ位置に応じて動作可能な2つの電制アクチュエータと、これら電制アクチュエータの動作を互いに独立した入力として該動作のうちの少なくとも一方に応じて変位するレンジ位置伝達部材と、このレンジ位置伝達部材が変位した位置に応じてレンジ環境を設定するレンジ環境設定手段とを備えるシフトバイワイヤ式自動変速機において、
    レンジ位置伝達部材の変位を検出するレンジ位置伝達部材変位検出手段と、
    2つの電制アクチュエータをレンジ位置伝達部材が変位しないように同時に動作させ、レンジ位置伝達部材が変位したときは電制アクチュエータの少なくとも一方が故障であると診断する故障診断手段とを備えることを特徴とするシフトバイワイヤ式自動変速機の故障診断装置。
  2. 前記故障診断手段は、2つの電制アクチュエータの動作を所定時間だけずらして開始するものであることを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記故障診断手段は、電制アクチュエータの動作を段階的に行うものであることを特徴とする請求項1または2に記載の故障診断装置。
  4. 前記故障診断手段は、電制アクチュエータの動作を所定時間毎に行うものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  5. 2つの電制アクチュエータが等しい大きさで逆向きに動作するとレンジ位置伝達部材が変位しないように構成し、前記故障診断手段は、2つの電制アクチュエータの動作を互いに逆向きにさせるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  6. 前記故障診断手段は、故障診断中にレンジ選択装置から新たなレンジ位置が検出された場合、その故障診断を中止し、2つの電制アクチュエータのうちで、新たなレンジ位置に応じたレンジ環境を設定するのに最も効率的にレンジ位置伝達部材を変位させる電制アクチュエータを新たなレンジ位置に応じて動作させるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の故障診断装置。
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