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JP2005018009A - 筐体の封印装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 封印装置の記憶保持時間を長くする。
【解決手段】 C−MOSバッファQ1は、検出スイッチSEが作動すると、コンデンサC2の電荷をコンデンサC5に移動させる。C−MOSバッファQ1は、通常の信号処理としての動作ではなく、電荷すなわちエネルギを転送する使い方をされている。コンデンサC2の電荷を効率よくコンデンサC5に転送するから、コンデンサC2の電荷を有効利用でき、コンデンサC5による長時間の記憶保持が可能になる。C−MOSインバータQ2はコンデンサC5の電位に応じて出力レベルを変化させるが、外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作するので閾値が低く、またコンデンサC5の電位にバイアス電圧が加算されてもいるので、充電(開封記憶)されたコンデンサC5の電位が低下しても、「開封」を示す信号レベルを維持する。これにても、長時間の記憶が可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物品を収納した筐体が開封された場合に、その旨を検出して記憶し報知することにより、筐体内の物品の例えば盗難、不正コピー、不正改造などの早期発見と早期かつ適切な対策を可能とし、ひいてはかかる不正を防止するための封印装置に関する。
重要データの収まったフレキシブルディスク、CD等を例えば金庫などの施錠可能な筐体内に保管していても、筐体が開封されてデータをコピーされ、元のままに戻されてしまえば、不正があったことすら気付かないことが起こり得る。重要書類であれば、写真に撮られたり複写されれば同様である。また、新技術による製品や設計図は見られただけでも価値を失う場合がある。
パチンコ機やパチスロ機においては認可されたプログラムのマイコン(制御装置)を封印された筐体内に収めて不正改造などを防止しているが、高度な技術で開封され、外観が同じ不正マイコンに交換されれば、発見は困難であり、不正遊技が可能になる。
このような背景から、筐体の不正な開封を的確に検出する技術が必要とされ、そのための封印装置に関連する技術は本件出願人により、既に提案されている。例えば特開平9−34365号公報、特開平11−190972号公報、特開平11−202769号公報、特開平11−231790号公報、特開平11−258997号公報、特開平11−283890号公報などである。
特開平11−283890号公報(段落0050〜0088、図3)
本件発明者は、上記の各公報に示されるように鋭意研究を行ってきたが、また発明者の知る限りでは他人も含めて、外部電源が無い状態で長時間(少なくとも48時間以上)の監視が可能で、かつノイズに強く、不正が行われにくい技術は確立されていないのが従来技術の現状である。
さらに具体的に述べれば、本願発明のような封印装置には下記のような特性が要求されるが、その全てを満たすものは無かった。
1.筐体の封印装置を電気・電子的に動作させるには、電源の問題がある。外部電源で動作するものは外部電源が断たれれば機能しないから、当然のこととして内部電源が必要となる。水銀電池、アルカリ電池などの長時間作動を可能とする電源はあるものの、筐体の封印装置の内部電源は1つのトリックを満たす必要がある。
そのトリックとは、筐体の中に封印装置をセットするときには、検出素子は開封を検出しているのであり、その際に電源が有れば開封を検知して記憶してしまうから、セットできないという問題である。すなわち、検出素子又は電源の一方或いは双方がセット(筐体の封印)に遅れて作動状態に入ることが必須となる。
この問題に対して本件発明者は、内部電源としてコンデンサ、特に容量が大きい電気2重層コンデンサを用いることを提唱してきた。すなわち、封印装置をセットするときにはコンデンサの電荷を放電しておき、セット後に外部から充電して内部電源と成す方法である。
しかし、小型化と長時間化を実現するには電気2重層コンデンサの特性(静電容量値と内部抵抗値と自己放電特性)に問題が残り、真に安定な製品を提供できる技術は確立できずにいた。
2.他の課題は電気ノイズなどを用いる不正に対して、いかに強固にするかである。一般には、例えばフリップフロップのように状態がハイ(H)かロー(L)かを記憶させるが、電子ライターなどの火花放電で、記憶状態(H、L)を簡単に反転させることができる。この点に関しても、本件発明者は、内部電源である電気2重層コンデンサから記憶素子となる第2の電気2重層コンデンサに電荷を移動させ、電位すなわち電荷量として記憶させる技術を提案してきた。記憶素子として第2の電気2重層コンデンサを使用すれば、ノイズが印加されている間は電子回路がL、H不安定になっても、破壊されない限りはノイズが無くなれば正常になるので、耐ノイズ性は強固である。
しかし、第2の電気2重層コンデンサの特性(静電容量値と内部抵抗値と自己放電特性)に問題が在り、小型化と長時間化(48時間以上)の実現に問題を残していた。特開平11−283890号公報(特許文献1)の技術は実用に近づいたが、余裕度が無く、小型化が困難であった。
請求項1記載の筐体の封印装置は、閉鎖される筐体に付設される筐体の封印装置であって、外部電源によって充電されて内部電源となる電気2重層コンデンサ(C2)と、前記筐体の開封を検出する検出素子(SE)と、該検出素子が前記開封を検出すると前記電気2重層コンデンサ(C2)から記憶素子となる電気2重層コンデンサ(C5)に電荷を移動させる電荷移動制御手段と、前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に応じて出力状態を開封検出と非検出の2状態に変化させる報知手段とを備える筐体の封印装置において、
出力端子が前記電気2重層コンデンサ(C5)の一方の極に結ばれて、入力端子に前記検出素子が前記開封を検出したことを示す信号が入力されると、前記電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を前記出力端子から前記電気2重層コンデンサ(C5)に移動させるC−MOSバッファ(Q1、電荷移動制御手段)と、
前記外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作し前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位を判定して出力レベルを変化させるC−MOSゲート(Q2)とを備え、前記報知手段は前記C−MOSゲート(Q2)の出力レベルに従って前記出力状態を変化させることを特徴とする。
C−MOSバッファ(Q1)は、例えば電源端子が電気2重層コンデンサ(C2)のプラス極に結ばれ、検出素子が開封を検出したことを示す信号が入力端子に入力されると、電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を出力端子から電気2重層コンデンサ(C5)に移動させる。C−MOSバッファ(Q1)は、通常の信号処理としての動作ではなく、電気2重層コンデンサ(C2)の電荷すなわちエネルギを電気2重層コンデンサ(C5)へ転送するという、特別な使い方をされている。C−MOSバッファ(Q1)の作用で電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を効率よく電気2重層コンデンサ(C5)に転送するから、電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を有効利用でき、電気2重層コンデンサ(C5)による長時間の記憶保持が可能になる。
C−MOSゲート(Q2)は、外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作し電気2重層コンデンサ(C5)の電位を判定して出力レベルを変化させる。
良く知られていることだが、C−MOSゲートは、電源電圧のほぼ1/2を閾値とし、入力電圧がこの閾値より上か下かで出力のロー(L)、ハイ(H)が決まる。以下、ローをL、ハイをHと記述する。
充電(開封記憶)された電気2重層コンデンサ(C5)の電位は徐々に低下するので、そのまま放置されるとやがてはC−MOSゲート(Q2)の判定閾値を下回る。すると、C−MOSゲート(Q2)の出力レベルは「開封記憶無し」を示すレベルになる。
しかしながら、このC−MOSゲート(Q2)は、外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作するので、それだけ閾値が低くなっているから、電気2重層コンデンサ(C5)の電位が低くなっても「開封記憶有り」を示すレベルを維持できる。つまり、電気2重層コンデンサ(C5)の電位がC−MOSゲート(Q2)の閾値を下回るまでには長時間を要するわけで、長時間の記憶(有効に「開封記憶有り」と判定される記憶)が可能になる。
請求項2記載の筐体の封印装置は、 閉鎖される筐体に付設される筐体の封印装置であって、外部電源によって充電されて内部電源となる電気2重層コンデンサ(C2)と、前記筐体の開封を検出する検出素子(SE)と、該検出素子が前記開封を検出すると前記電気2重層コンデンサ(C2)から記憶素子となる電気2重層コンデンサ(C5)に電荷を移動させる電荷移動制御手段と、前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に応じて出力状態を開封検出と非検出の2状態に変化させる報知手段とを備える筐体の封印装置において、
出力端子が前記電気2重層コンデンサ(C5)の一方の極に結ばれて、入力端子に前記検出素子が前記開封を検出したことを示す信号が入力されると、前記電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を前記出力端子から前記電気2重層コンデンサ(C5)に移動させるC−MOSバッファ(Q1、電荷移動制御手段に該当)と、
前記外部電源の電圧を分圧して低下させたバイアス電圧が前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に加算された電位を判定し、出力レベルを変化させるC−MOSゲート(Q2)とを備え、前記報知手段は前記C−MOSゲート(Q2)の出力レベルに従って前記出力状態を変化させることを特徴とする。
C−MOSバッファ(Q1)の動作等は請求項1と同様である。
C−MOSゲート(Q2)は、外部電源の電圧を分圧して低下させたバイアス電圧が電気2重層コンデンサ(C5)の電位に加算された電位を判定し出力レベルを変化させる構成、すなわちC−MOSゲート(Q2)の入力電圧をバイアスしたので、電気2重層コンデンサ(C5)のより低い電位をも「開封記憶有り」と判定できる。これにより記憶時間を著しく長くでき、また部品の小型化が可能になる。
請求項3記載の筐体の封印装置は、請求項2記載の筐体の封印装置において、前記電気2重層コンデンサ(C5)のマイナス極を複数の電位点に切換結合可能としたことを特徴とする。電気2重層コンデンサ(C5)のマイナス極を複数の電位点のいずれかに択一的に結合できるから、「開封記憶有り」と判定される電気2重層コンデンサ(C5)の電位、すなわち記憶時間の上限を切り替えることができる。
請求項4記載の筐体の封印装置は、請求項1又は2記載の筐体の封印装置において、前記検出素子(SE)は第1の接点(SE−1)が前記電気2重層コンデンサ(C2)の一方の極に結ばれ、第2の接点(SE−2)が前記C−MOSバッファ(Q1)の入力端子に結ばれたスイッチであり、前記第1の接点(SE−1)と前記電気2重層コンデンサ(C2)との間に第1の電流制限素子(R3)を介装したので、第1の接点(SE−1)を例えばグラウンド端子と短絡させて電気2重層コンデンサ(C2)を放電させるのには、きわめて長時間を要する。よって、封印装置又は筐体の構造上、第1の接点(SE−1)を露出させる場合でも、第1の接点(SE−1)を利用して電気2重層コンデンサ(C2)を放電させるのは困難であり、かかる行為に対する耐性が極めて高い。これにより、封印装置又は筐体の構造面での自由度が高まる。
請求項5記載の筐体の封印装置は、請求項4記載の筐体の封印装置において、前記検出素子(SE)の第2の接点(SE−2)に一方の極が結ばれ前記検出素子(SE)が閉になった際に充電されるコンデンサ(C4)を備えて、前記第2の接点(SE−2)と前記コンデンサ(C4)との間に第2の電流制限素子(D2)を介装したことを特徴とする。
検出素子(SE)が閉になった際に充電されるコンデンサ(C4)を備えると、検出素子(SE)が短時間だけ閉になった場合でも、このコンデンサ(C4)の電位がC−MOSバッファ(Q1)の入力電位となるので、筐体の開放がきわめて短時間であってもこれを検知できる。
そして、第2の接点(SE−2)とコンデンサ(C4)との間に第2の電流制限素子(D2)を介装したから、第2の接点(SE−2)を例えばグラウンド端子と短絡させてコンデンサ(C4)を放電させるのは困難である。よって、封印装置又は筐体の構造上、第2の接点(SE−2)を露出させる場合でも、第2の接点(SE−2)を利用してコンデンサ(C4)を放電させることはできず、かかる行為に対する耐性が極めて高い。これにより、封印装置又は筐体の構造面での自由度が高まる。
請求項6記載の筐体の封印装置は、請求項1又は2記載の筐体の封印装置において、前記外部電源の一方の極と前記電気2重層コンデンサ(C2)の一方の極との間に抵抗(R1)を介装し、前記電気2重層コンデンサ(C2)の前記一方の極と前記外部電源の他方の極とをスイッチ(SW)を介して結んだので、筐体の封印装置が他の電気装置(例えば制御装置)に組み込まれて用いられる場合、スイッチ(SW)を閉にしてその電気装置の試験を行うことで、電気装置の試験時に電気2重層コンデンサ(C2)が充電されるのを防止できる。従って、この試験時に開封を記憶してしまうことも回避できる。なお、電気装置の試験が済んだ後に、スイッチ(SW)を不可逆的に開にできる構成、例えばスイッチ片を撤去したり、スイッチ(SW)自体を撤去できる構成とするのが望ましい。
次に、本発明の実施の形態を各種の具体例にて説明する。なお、以下の各例では説明を判りやすくするために部品定数などの数値、ディバイスの部品名などを具体的に開示するが、あくまでも例示であり、本発明はこれら具体的な数値等に限定されるわけではない。
[利用形態例]
筐体の封印装置(以下、単に「封印装置」ともいう。)は、図5に例示するような形態で利用される。
まず、図5(a)に示す例は、筐体1が底部1aと箱1bとで構成され、箱1bが上方に(矢印Aに沿って)開く構造である。
図5(b)に示す例では、筐体3は箱状の外殻3aと内殻3bとで構成されて、内殻3bが抽斗状に(矢印Bに沿って)開く構造である。
図5(c)に示す例では、筐体5は金庫のように箱状の本体部5aとヒンジ5bにて本体部5aに連結された扉部5cとで構成され、扉部5cがドア状に(矢印Cに沿って)開閉される構造である。
いずれの場合も、筐体1、3、5内に封印装置10が設置されており、封印装置10の保護ケース11(図3参照)の外面には検出素子となる検出スイッチSE(検出素子に該当)の可動片12が取り付けられている。可動片12は導電性の良い弾性金属板(例えばばね用リン青銅)が用いられている。可動片12の片方の端部は封印装置10の外面に固定され、他の端部は自由端とされており、自由端は封印装置10から突出している。
一方、筐体1、3、5の可動部(箱1b、内殻3b、扉部5c)には突起ないしは棒状のアクチュエータ14が取り付けられており、筐体1、3、5を閉鎖した際にはアクチュエータ14が可動片12の突出部分に当接し、可動片12を封印装置10の外面から離れさせる方向に弾性変形させる。また、筐体1、3、5が開かれると、アクチュエータ14が可動片12から離脱するので、可動片12は弾性復帰する。
詳しい構造は後述するが、可動片12に外力(ここではアクチュエータ14)が作用していない状態では検出スイッチSEが閉(開封検出)であり、アクチュエータ14が可動片12を弾性変形させると検出スイッチSEが開になる。
封印装置10は、検出スイッチSEが閉になると(開封を検知すると)、これを記憶する。このとき外部電源(図示では5V)が印加中なら直ちに報知手段である緑色のLEDを消灯して異常(開封されたこと)を報知する。一方、外部電源が与えられていない時であれば、その後に外部電源が与えられた際にLEDを点灯させず、同様に異常を報知する。
図5(d)に示す例は、コード化された電波、音波或いは光などを送出する報知手段(送信回路)を設けた例である。筐体1及び封印装置10の構造は図5(a)と同様であるが、LEDを廃止して(LEDを備えてもよい。)送信回路を設けた点が異なる。
この例の封印装置10は、検出スイッチSEの閉により開封を検知すると、これを記憶する。このとき外部電源(図示では5V)が印加中なら直ちに報知手段である送信回路によりレシーバ15に開封信号を送信する。外部電源が与えられていない時であれば、その後に外部電源が与えられた際に同様に開封信号を送信する。
図5(d)に示す構成は、例えばパチンコ店に設置されている遊技機(パチンコ機、パチスロ機など)の制御基板を収納している基板ケース(筐体)に付設するのに適している。すなわち、夜間などに侵入して遊技機のROMを不正ROMと入れ替えてしまう犯罪が行われても、次の朝、電源を投入すると、各遊技機の封印装置10が異常の有無を送信してくるので、このような犯罪が行われた(不正改造された)遊技機を直ちに発見できる。勿論、そのためには電波、音波等をコード化する公知技術を利用する。また、電波や音波(ワイヤレス)に限らず、有線(光ファイバも含む)の通信でもよいことは当然である。
上記各例において、検出スイッチSEはメカ接点のノーマリーオープンに限らず、ノーマリークローズでもよいし、他の方式の検出素子を用いても構わない。また、検出スイッチSEを封印装置10の本体部分と一体化した例を示したが、両者を分離して、例えば封印装置10は筐体の奥の方に設置し、検出素子SEは扉付近に配置する等しても、検出性能や不正に対する耐性は低下しない。
[回路構成例1]
上記の利用形態例において説明した封印装置10の回路構成例1を図1により説明する。
まず、コネクタCN−1、CN−2間には外部電源5Vが印加可能とされている。図示は省略しているが、電源スイッチにて外部電源をオン、オフできる。
コンデンサC1はノイズ対策部品であり、それ以外の特段の作用は無い。コンデンサC6も同様である。
抵抗R1は、封印装置10が組み込まれた電気装置(例えば制御基板)のテスト時などに、コンデンサC2(電気2重層コンデンサであり、内部電源となる。)への充電を禁止するために設けられているスイッチSWが閉じているときの電流制限の役目を担う。
スイッチSWの役割は、コンデンサC2と並列にバイパスを形成するためである。
前述したことではあるが、封印装置10をセットする際に電源(ここではコンデンサC2)が空の状態でなければ、セット時に開封されたと記憶してしまう。封印装置10は、単独で使用されるだけでなく、他の電気装置(例えば遊技機の制御基板、クレジットカードリーダの制御基板等)に組み込まれて用いられることがある。この場合、外部電源(5V)は制御基板等から貰うことになる。その制御基板等は、生産、出荷に際して、品質確認のために当然、電気的試験が行われる。スイッチSWの役割は、このときにコンデンサC2が充電されるのを防止するために設けられている。
すなわち、制御基板等に組み込まれる場合には、スイッチSWの接点SW1、SW2をスイッチバーSW−Barで短絡した状態で制御基板等の電気的試験を行った後、外部電源の5Vが無い状態でスイッチバーSW−Barを除去してスイッチSWを開にし、封印装置10を筐体内にセットしてから外部電源(5V)を与えるという手順が守られる。以下、スイッチバーSW−Barを除去済みとして説明する。
外部電源は、抵抗R1、ダイオードD1を介してコンデンサC2を充電する。図示ではコンデンサC2は0.33Fと比較的大きな容量値であることと、内部抵抗が新品時でも75Ω程と大きく、長期に使用すると内部抵抗は1kΩ程にも増大(劣化)するので、充電に要する時間は短くはない。実用的には、30分〜数時間で充電されるのが望ましい。なお、制御基板等に組み込まれる場合には、制御基板等の作動中に自然に充電される。
ダイオードD1は、コネクタCN−1、CN−2間を短絡させてコンデンサC2の電荷を放電させるのを防止するために設けてある。従って、順方向には電圧降下が少なく逆方向には漏れ電流の少ない、小型ショットキーダイオード、例えば1SS332等が望ましい。
コンデンサC2の+極は、抵抗R3を介してコンデンサC3の+極と検出スイッチSEの一方の接点SE−1と結ばれ、またC−MOSバッファQ1(図示の例はAND回路TC7SH08F)の電源端子VDDとも結ばれている。
コンデンサC3は検出スイッチSEが作動した際に、後述するコンデンサC4へ効率よく電荷を渡す作用がある。今、コンデンサC2の電位が4Vあって、内部抵抗が500Ωに劣化していたとする。この状態でC−MOSバッファQ1がオンすると、コンデンサC2からコンデンサC5(電気2重層コンデンサ)に向かって瞬間的に4V/500Ω=8mA(簡略化されており、実際は4V/(500Ω+C5の抵抗値+R6))が流れ、図中の点P−2の電位は4V−500Ω×8mA≒0Vと、電位が無くなる。一方、抵抗R3を介して充電されたコンデンサC3の電位(点P−3の電位)は4Vのままである。従って、コンデンサC3からダイオードD2を介してコンデンサC4に効率よく電荷を与えることができる。
抵抗R3には、点P−2の電位が下がっても点P−3の電位を急速には低下させないという上述の役目の他に、もう一つの重要な役目がある。
封印装置10の場合、上記の利用形態例にも示したとおり、検出スイッチSEは、どうしても保護ケース11の外部に出やすい。この場合、検出スイッチSEの接点SE−1とグランド(コネクタCN−2)間を短絡させて内部電源であるコンデンサC2の放電を図るという不正を防止する手だてが必要となる。
抵抗R3のもう一つの重要な役目とは、この短絡によるコンデンサC2の放電を防止することにある。図示の例では抵抗R3は10kΩであり、104×0.33F≒3300秒の時定数となり、放電させるのは容易ではない。さらに抵抗R3を100kΩなどにすればコンデンサC2の放電はほぼ不可能である。
検出スイッチSEの接点SE−1、SE−2間は、筐体が開封されない限り可動片12にて閉じられることはなく、ノーマリーオープンである。
その状態ではコンデンサC4は充電されることなく、C−MOSバッファQ1の入力端子INが結ばれている点P−5の電位はL、C−MOSバッファQ1の出力もLであり、C−MOSインバータQ2(図示の例はTC7SH04F)の入力である点P−6の電位もL≒0Vである。
ここで外部電源が与えられている状態か否かで封印装置10の動作は2種類に分かれる。
外部電源が与えられている状態においては、抵抗R4と抵抗R5の中間点は2Vになるように設計され、C−MOSインバータQ2の電源として与えられている。また、抵抗R5と抵抗R6の中間点は0.4Vになるように設計され、C−MOSインバータQ2の入力(点P−6の電位)は0.4Vになる。この入力電位0.4Vは、C−MOSインバータQ2においてL入力と判定される保証値0.5Vよりさらに低いため、C−MOSインバータQ2の出力にはHである約2Vが発生し、トランジスタTRを介して緑LEDを点灯させ、「安全状態=開封されていない」を報知する。
外部電源が与えられていない状態では、抵抗R4を介するC−MOSインバータQ2への電源は与えられず、不作動になる。また、抵抗R2を介する緑LEDへの電源も与えられないので、これも不灯である。勿論、外部電源が与えられた瞬間に上記の通り緑LEDが点灯して、「安全」を報知する。
次に、検出スイッチSEが作動した場合(筐体が開封された場合)を説明する。
筐体の開封によって検出スイッチSEの接点SE−1、SE−2が閉された瞬間に、コンデンサC3の電荷がダイオードD2を介してコンデンサC4へと渡される。今、コンデンサC3の電位が4Vで、コンデンサC3、C4の静電容量値が各々1μFと0.1μFであれば、説明を簡明にするためにまずダイオードD2が無いとして、4V×1μF=x×1.1μFとなり、x≒3.6Vになる。ダイオードD2の電圧降下を0.4Vとすると、コンデンサC4の電位、すなわち点P−5の電位、C−MOSバッファQ1の入力は3.2Vとなる。
ここでダイオードD2は、抵抗R3の役割説明でも述べたように、検出スイッチSEの接点SE−2とグランド(CN−2)間を短絡させてコンデンサC4の電荷を放電させるという不正行為を防止する役割を持つ。
C−MOSバッファQ1の採用は、コンデンサC2の電荷をコンデンサC5に効率よく受け渡す作用においてきわめて重要である。前述と同条件として、コンデンサC2の電位が4V、内部抵抗は500Ωとし、コンデンサC5は0.047Fの容量で内部抵抗は初品特性の120Ωとする。
良く知られているように、C−MOSゲートは、入力電圧がほぼ電源電圧の1/2より上か下かで出力のL、Hが決まる。本例では電源電圧はコンデンサC2の4Vであり、入力電圧は上記計算の3.2Vで2V(電源電圧の1/2)を上回っているから、出力もHとなる。なお、C−MOSゲート内では、電源端子VDD−出力端子OUT間が抵抗体となる。C−MOSバッファQ1は、電源電圧が2Vどころか1V程に低下しても、入力電圧がHである限り出力はHであり、この特性が本発明での性能発揮に大いに役立っている。
またコンデンサC4の電荷はC−MOSバッファQ1の入力抵抗がきわめて大きいため、長時間にわたって電圧降下が起こらず、C−MOSバッファQ1を長時間にわたってオン状態に保つ。
このコンデンサC2〜C−MOSバッファQ1〜コンデンサC5のループが、0.047F×(500Ω+120Ω+抵抗R6の170Ω)≒37秒と大きな時定数を持つので、長い時間をかけてコンデンサC2の電荷をコンデンサC5に渡せることは重要である。
次に、コンデンサC5に蓄えられる電荷を計算する。ただし、充電の終期では電流値はほとんど0になるため、内部抵抗(コンデンサC2、コンデンサC5の双方)と抵抗R6での電圧降下は無視する。また、電荷移動中のジュール熱による損失も無視する。
この条件で、0.33F×4V=(0.33+0.047)F×xVとなり、x≒3.5である。この計算例では、電荷の授受の後には、コンデンサC5に3.5Vの電位−ダイオードD3の電圧降下0.4V=3.1Vが発生する。
なお、ダイオードD3はC−MOSバッファQ1の出力端子OUTがLのときにコンデンサC5からの電荷流出を阻止する。
0.047Fの容量のコンデンサC5で電圧3.1Vが0.6Vに低下するまでが(抵抗R6で0.4Vのバイアスを掛けているため、0.6+0.4=1Vが、2V電源電圧で作動するC−MOSインバータQ2にL、H反転レベルである。)、記憶素子としてのコンデンサC5の記憶時間である。
C−MOSインバータQ2の入力電流とダイオードD3の漏れ電流の合計は0.1μA程であり、コンデンサC5に3.1V印加時の抵抗で表すと3.1V/0.1μA≒30MΩで、0.047Fとの時定数は30MΩ×0.047F=1.4×106秒=(1.4×106)/3.6×103時間=3.9×102時間となり、48時間を大幅に上回っている。
ところで、部品の特性のばらつき、特にダイオードD3やC−MOSインバータQ2の半導体の漏れ電流値が温度により大きく変化することに関して注意する必要がある。ここでは、上記計算の基となった漏れ電流値0.1μAが増加する危険が残るということである。また、計算に入れなかったコンデンサC5の自己放電分も無視できない。しかし、そのいずれもが電圧が高い時は多いが電圧が低くなれば少なくなる性質のものであり、本発明ではこの点を有効に利用している。
コンデンサC5の電位が例えば3.1Vから0.8Vまで低下したとする。その後0.8Vから0.7Vまで0.1V低下する時間は初期の3.1Vから3.0Vまでの0.1V低下に比べて著しく長い時間を要する。
外部電源5Vが与えられていない状態で、コンデンサC5の電位が上記のように0.7Vであったとして、次に外部電源が与えられると、抵抗R4、R5、R6により外部電源5Vが分圧されて抵抗R6には0.4Vが発生する。すなわちC−MOSインバータQ2の入力電圧は0.7+0.4=1.1Vとなり、2V(C−MOSインバータQ2電源電圧)の1/2の1Vより高い電圧として作用してC−MOSインバータQ2の出力をLにする。それによりトランジスタTRがオフになるから緑LEDは点灯せず、「安全でない=開封された」ことを報知する。
上記した抵抗R6によるバイアスが無い場合、コンデンサC5の電位0.7V(1V未満)ではC−MOSインバータQ2の出力はHになるので、トランジスタTRがオン、緑LEDが点灯し、開封されたことを報知できない(見逃してしまう)。
抵抗R6によるバイアスを受けるコンデンサC5は放電が緩慢であり、バイアスされてもC−MOSインバータQ2の出力をLにできない電位になるまで極めて長時間を要するから、部品の小型化にもかかわらず長時間記憶する上で極めて大きな効果が得られる。
なお、外部電源が与えられておらず、開封によりコンデンサC5に電圧が発生しているとき、C−MOSインバータQ2は電源が無いのに入力端子に電圧があるという状態になる。通常のC−MOSゲートでは、このような状態では破壊されるか、入力端子から電源端子へと電流が流れてしまう(コンデンサC5の電荷が失われる)おそれがある。しかし、本例のC−MOSインバータQ2は例えば図6に示すような回路構成のC−MOSゲートを採用してこれらの不具合を防止している。すなわち、C−MOSインバータQ2は、図6に例示するように(図6の構成に限らない。)、電源電圧が与えられている時でも、与えられていないときでも入力電流が実質的に流れない形式のものが使われる。
[回路構成例2]
図2に示すのは、図1(回路構成例1)の半導体部分を集積回路にした例である。集積回路ICの端子P−1〜P−9はそれぞれ図1の点P−1〜P−9に対応している。また抵抗R1〜R6、コンデンサC1〜C6、検出スイッチSE、スイッチSW等は図1とまったく同じである。
ここで特に説明したいことの一つは、図1におけるダイオードD1、D2、D3は必ずしもダイオード、特にショットキーダイオードに限定しなくてもよいことである。具体的には、近年の半導体技術では製造プロセスに応じた機能部品を作り込めることから、ダイオードは、例えばアナログスイッチ(TC4S66F等のゲート機能改良品)にすれば、C−MOSバッファQ1、C−MOSインバータQ2と同一工法でこれらと同時に簡単に作成できるということである。すなわち、図1で示したダイオードD1〜D3は、例えば集積回路にしたときには、一方向には電流を流すが逆方向には電流を流さない部分ととるべきである。
図1のトランジスタTRに関しても、上記ダイオードの場合で示したのと同様の理由で、例えば集積回路にしたときには、C−MOSインバータQ2の状態に応じて緑LEDをオン、オフさせる部分ととるべきである。
また、回路構成例1、2に共通するが、C−MOSバッファQ1は通常の信号処理としての動作ではなくて、コンデンサC2の電荷すなわちエネルギをコンデンサC5へ転送するという特別な使い方をされている。これは正の信号を受け取ると正のエネルギを出力するという意味であり、電源の極性を逆にすれば、負の信号を受け取ると負のエネルギを出力するとも表現できる。いずれにしろ、正は正に、負は負として作用するため「バッファ」といえる。
同様に、C−MOSインバータQ2に関しても、図1に示すトランジスタTRを駆動する信号としてH入力時はLを、L入力時はHを出力するのが好都合であるだけであり、出力先(ここではトランジスタTR)の形態に応じてH入力時はHを、L入力時はLを出力しても有効な処理となることは明らかであり、インバータに限定する必要は何らなく、C−MOSゲートであればよい。
同じく緑LEDも説明を簡明にするための事例であり、報知手段として例えば複数の表示素子、音声、コード化した電波、音波、光等に変更できること、またこれらを組み合わせて用いることも明らかである。
[封印装置の構造例]
図3に示すように、封印装置10は、図1に示した回路部品をプリント基板20に実装して構成されている。
プリント基板20は不正行為を防ぐ目的で4層基板とされている。
プリント基板20に実装された各部品中、符号R1R2R3、D1D2D3、C1C4C6、R4R5R6は図1の回路図に各符号で示される部品を集合した部材(例えばR1R2R3は抵抗R1、R2、R3を集合した部材)を示し、R3、C3、Q1、Q2、TR、C2、C5は図1の回路図の各符号のままの部品である。またコネクタCNに、図1の回路図に示したコネクタCN−1〜4を集約してある。
コンデンサC2、コンデンサC5のマイナス端子はプリント基板20の穴21a、21bに貫通しており、コネクタCNと共にハンダ槽でハンダ付けされている。コンデンサC2、コンデンサC5のプラス端子は、プリント基板20上面のパターン22a、22bにハンダ付けされている。
コネクタCNの隣には、スイッチSWの接点SW1、SW2がパターンとして配されており、スイッチバーSW−Barが接点SW1、SW2にハンダ付けされている。スイッチバーSW−Barには取手部23が設けられており、この取手部23を引っ張ると、パターンである接点SW1、SW2を引きちぎる(スイッチSWを不可逆的にオフにする)ことができる。
プリント基板20の下面側には、検出スイッチSEの接点SE−1、SE−2が配され、接点SE−1にはスポット溶接やハンダ付け等(導電性の固着手段)によって可動片12の固定端が固着されている。
前述したとおり、可動片12は導電性の良い弾性金属板であり、外力が及ぼされなければ自由端側が接点SE−2に接触して接点SE−1、SE−2間を閉にするが、自由端側をアクチュエータ14で押されると弾性変形して接点SE−2から離脱する(検出スイッチSEが開になる)。
プリント基板20の配線状態は図示しないが、上述の(図1に示した)各部品が実装されて、図1に示した回路が完成している。
このプリント基板20は、接着、溶着等の手段で保護ケース11に収納されるが、保護ケース11に収まるのは2点鎖線E1で示す位置から可動片12が突出している端部E2までの範囲であり、スイッチSW及びコネクタCNは保護ケース11の外に出ている。また下面側の検出スイッチSE等も外部に出ている。既に説明したことではあるが、これら外部に出ている部分を利用して不正行為を行うことはまず不可能であるから、保護ケース11に収容しなくても問題はない。
[封印装置の構造例2]
図4に示すのは、封印装置10を他の電気装置例えば制御基板に直接ハンダ付けして組み込むのに好適な例である。
この例では、図3の2点鎖線E1〜端部E2に対応する領域が樹脂でディップモールドされており、保護ケース11は用いられない。ディップモールドは図4の1−Cのラインまでであり、リードCN−1〜CN−4(それぞれ図1、図3のコネクタCN−1〜CN−4に対応)、リードSE−1、SE−2(それぞれ接点SE−1、SE−2に対応)及びスイッチSWの領域は保護されていないが、図1、図3で説明したように、これらを利用しても不正により記憶を消したりできない部分である。
スイッチSWのスイッチバーSW−Barは、コの字状のばね材で、装着されているときは接点SW1、SW2を短絡させるが、これを矢印方向に引いて取り外せばスイッチSWを開にできる。
[使用方法]
次に、筐体の用途等に応じて2種類に分かれる、封印装置10の使用方法を説明する。
第1は、筐体が閉じられたら例えば破棄されるまで開いてはいけない用途、例えばパチンコ機やパチスロ機の制御基板、クレジットカード等のカードリーダの制御基板等を収容している筐体に適用する場合である。
パチンコ機やパチスロ機の制御基板には、監督機関で試験されて許可されたプログラムのマイコンのみが搭載を認められているから、これを収容している筐体を開封して異なったプログラムのマイコンに交換する等はあってはならない。また、カードリーダにおいては暗証番号を取り扱うため、暗証番号を記憶する部材を制御基板に不正に追加して悪用することは厳禁で、破棄されるまで筐体が開かれることがあってはならない。
これらの用途には、図3に示した封印装置10を、上記の制御基板から外部電源を受け取るように設置すればよい。また、図4の封印装置10を用いてもよい。制御基板の稼働中、非稼働中を問わず、内部電源(コンデンサC2)で常時監視し、開封があった場合には、その後長時間にわたって(48時間以上)記憶を保持し、異常を報知でき、開封への対処を促すことができる。ただし、コンデンサC5の電荷が無くなれば(記憶消滅)、正常状態に復帰する。
他の使用方法は、金庫等のように必要に応じて適宜開閉される筐体への適用である。この場合は、使用者が自分で開けても、封印装置10は異常として記憶してしまい、図1のコンデンサC5の電荷が空になって記憶が消えるまで再度の利用ができない。
本発明は、外部電源が与えられているときもいないときも、筐体が開かれたことを検知し、これを長時間(48時間以上)記憶し、電気ノイズを与えても、封印装置10の各露出部を細工しても記憶を消すことはできず、不正に対する耐性が高いことを特徴としているため、必要に応じて随時開閉される筐体への適用に不便さがある。
しかしながら、この点は本質的なことを述べてもいる。すなわち、利便性を高め、特定の人の開閉には感知せず、他の人の開閉には感知するとなれば、従来の金庫の鍵と同じことになり、不正の介入を許す糸口となる。
なお、このような仕様にできるだけ対応するには、記憶時間を、例えば12時間程に短くすることが有効である。その具体的な手段を図1に基づいて説明する。
まずは、コンデンサC2の容量値を小さくして、外部電源5Vは常に与えているのを正常動作とする。万一、不正行為者が外部電源5Vを断にしてから筐体を開いても、1回分はコンデンサC5へ充電可能な程度にコンデンサC2の容量値を小さくしておくのである。又、コンデンサC5の容量値を例えば0.022Fと小さくするとか、抵抗R6によるバイアス値を0に近づけるとかで記憶時間を短くするのである。さらに、コンデンサC2の電荷を積極的に空にするために抵抗R3の値を小さくし、かつ検出スイッチSEの接点SE−1とコネクタCN−2(グランド)間を追加スイッチで結ぶのである。ただし、追加スイッチは筐体内に設けて筐体を開かなければ操作できないようにする。このような変更が行われれば、金庫のように随時開閉される筐体へ良好に適用できる。
今、封印装置10は初品でコンデンサC5には電荷は無いとする。例えば夕方7時に金庫(筐体)を閉めて外部電源を投入しておく。次の日の朝7時に表示装置の緑LEDと外部電源を確認する。このとき緑LEDが点灯していれば、外部電源が入っていて夜間に開扉されなかったことを意味する。一方、外部電源が与えられているのに緑LEDが消灯していれば、開扉されたことを意味する。
さて、開扉の有無に関係なく、正当使用者は、外部電源5Vを断にして、金庫の扉を開き、中身を確認し、コンデンサC2を空にするために追加スイッチをオンにする。
夜間に不正開扉があればコンデンサC5には電荷が有るし、不正開扉はなくコンデンサC5には電荷が無い場合も、正当使用者が開扉したことでコンデンサC5が充電される。ただし、外部電源が切られて内部電源も放電させたことから、以後何回扉を開閉してもコンデンサC2からコンデンサC5への追加の充電はなされない。すなわち、コンデンサC5による記憶時間(ここでは12時間とする)を経過後の夕方7時になれば、コンデンサC5は空(C−MOSインバータQ2がLと判断するレベル)になり、ここで金庫内の追加スイッチをオフとして扉を閉めて外部電源を与えると、緑LEDが点灯し、監視状態に入る。
勿論、部品特性のばらつき等で記憶時間が例えば15時間と長いものは、上述の夕方7時のセット時に緑LEDは点灯せず3時間後の10時に点灯することになる。
しかし、このことは開封検知にとっては何ら問題ではない。上記夕方7時から10時の間も、扉が開かれて検出スイッチSEが作動すればコンデンサC5への充電が行われて記憶されるし、10時から次の朝の7時開扉まで(実際は15時間後の午前10時まで)開扉の有無を記憶し緑LEDにて報知できる。
では、記憶時間はいくら長くてもよいかというと、この場合はそうではない。正当使用者が朝7時に開扉したときの電荷が24時間後の朝7時を超えて残留する場合は、次の朝の開扉で新たにコンデンサC5には電荷が蓄積されるため、常に開扉を記憶した状態になってしまうからである。すなわち、ここで示したような使用場面を想定する場合、記憶時間は12時間以上、24時間以下で品質管理される必要がある。
記憶時間を各種に設定(固定)した筐体の封印装置を、記憶時間のばらつきが少ない製品として提供することは可能である。その一方で、使用条件に合わせて、例えば平日のオフィス、日曜日のみの1日休み、土日の2日休み等の条件に応じて記憶時間を可変にすることも大切である。
図1、図2の抵抗R6を図7に示す例で置換すれば、すなわち図1の抵抗R6によるバイアス電圧0.4Vを42.5Ωの抵抗R6−1、R6−2、R6−3、R6−4で分割し、ロータリスイッチRSWで切り替え可能にすれば、バイアス電圧を0.4V、0.3V、0.2V、0.1V、0Vのいずれかに選択でき、それに応じて記憶時間を選択できる。
ここで大切な副次効果がある。コンデンサC5の容量値を適宜選択し、0.4Vのバイアス値で48時間記憶、0Vのバイアス値で12時間記憶として製造したものは、48時間の状態で使用しておき、開封異常を検知した時点でロータリスイッチRSWを操作して緑LEDが点灯するポイントを探せば、そのポイントに応じて開扉時刻が48時間前から12時間前までのどの時刻頃かを推定できる。
図8を用いて少し詳しく説明する。この図に示す曲線は電気2重層コンデンサC5の電圧降下の様子を示し、関数e(-t/RC)で表される。但し、RはコンデンサC5の自己放電分の抵抗分とC−MOSインバータQ2、入力漏れ電流分及びダイオードD3の漏れ電流分を抵抗に置き換えて合成した値である。
図中の点aは開封後24時間経過してコンデンサC5の電圧が1Vまで低下し、バイアス電圧0Vが加算されたC−MOSインバータQ2への入力電圧としては、C−MOSインバータQ2のL、Hの判定境界値になることを示す。
点eは開封後48時間でコンデンサC5の電圧が0.6Vまで低下しているが、0.4Vのバイアス電圧を貰えばQ2への入力電圧が1V(C−MOSインバータQ2のL、Hの判定境界値)になることを示す。
点b、c、dに関しては各々0.1Vの差であるから、関数e(-t/RC)により、T1、T2、T3が求まる。つまり、開扉時刻を推定できる。
ここで再度強調すると、図8はバイアス効果が記憶時間の延長に多大の貢献をしていることを明確に示している。
以上説明した各例の封印装置10は、検出スイッチSEが作動した際にコンデンサC2の電荷をコンデンサC5に移動させる電荷移動制御手段としてC−MOSバッファQ1を採用しているので、コンデンサC2の電荷を効率よくコンデンサC5に転送して、コンデンサC2の電荷を有効利用でき、コンデンサC5による長時間の記憶保持が可能である。
また、コンデンサC5の電位を判定して報知手段を作動させるC−MOSインバータQ2は、外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作するので、コンデンサC5の電位がC−MOSインバータQ2の閾値を下回るまでには長時間を要し、長時間の記憶が可能になる。
しかも、コンデンサC5のマイナス極を外部電源の電圧が抵抗R4、R5、R6による分圧で低下された電位点に結んで、C−MOSインバータQ2の入力電圧をバイアスしているので、コンデンサC5のより低い電位をも「開封記憶有り」と判定でき、これによりコンデンサC5の記憶時間を著しく長くでき、また部品の小型化を可能にしている。
なお、上記のように記憶時間の長期化を可能とした、C−MOSインバータQ2の電源電圧を低下させる手段及び入力端子にバイアス電圧を加算する手段は図1で一体的に表し、説明もしたが、両手段は互いに独立であり、どちらか一方だけでも効果を現すし、双方を同時に用いてもよい。
そのコンデンサC5の電位をバイアスする抵抗R6を、図7に示すように複数の抵抗R6−1〜4(4つの抵抗に限る訳ではない。複数であればよい。)に置換して、各抵抗R6−1〜4による複数の電位点のいずれかを択一的に選択可能にすれば、コンデンサC5の記憶時間の上限を切り替えることができる。
検出スイッチSEの接点SE−1をグランドに短絡してコンデンサC2の放電を図る行為に対しては、抵抗R3がコンデンサC2の放電に要する時間をきわめて長時間にするから、この手段でコンデンサC2を放電させるのは困難であり、かかる行為に対する耐性が極めて高い。これにより、封印装置又は筐体の構造面での自由度が高まる。
さらに、 検出スイッチSEの接点SE−2とコンデンサC4との間にダイオードD2を介装したので、接点SE−2を例えばグラウンド端子と短絡させてコンデンサC4を放電させるのは困難で、かかる行為に対する耐性が極めて高い。これにより、封印装置又は筐体の構造面での自由度が高まる。
また、外部電源のプラス極とコンデンサC2のプラス極との間に抵抗R1を介装し、コンデンサC2のプラス極と外部電源のマイナス極とをスイッチSWを介して結んだので、筐体の封印装置が他の電気装置(例えば制御装置)に組み込まれて用いられる場合、スイッチSWを閉にしてその電気装置の試験を行うことで、電気装置の試験時にコンデンサC2が充電されるのを防止できる。
この場合、電気装置の試験が済んだ後に、スイッチSWを不可逆的に開にできる構成、例えば図3、図4で説明したようスイッチバーSW−Barを撤去できる構成とするのが望ましい。図3のように、取手部23を引っ張ると、スイッチバーSW−Barとともにパターンである接点SW1、SW2を引きちぎる構成は、コストを低くできる。
封印装置の回路構成例1の回路図。 封印装置の回路構成例2の回路図。 封印装置の構造例1の説明図。 封印装置の構造例2の説明図。 封印装置の利用形態例の説明図。 回路構成例1、2で用いたC−MOSインバータQ2の回路図。 回路構成例1、2の抵抗R6を複数の抵抗に置換してバイアス電圧を切り替え可能にする構成の説明図。 電気2重層コンデンサC5の経時的な電圧降下のグラフ。
符号の説明
1、3、5・・・筐体、
10・・・封印装置、
11・・・保護ケース、
12・・・可動片、
14・・・アクチュエータ、
20・・・プリント基板、
C1・・・コンデンサ、
C2・・・コンデンサ(内部電源となる電気2重層コンデンサ)、
C3・・・コンデンサ、
C4・・・コンデンサ、
C5・・・コンデンサ(記憶素子となる電気2重層コンデンサ)、
D1・・・ダイオード、
D2・・・ダイオード(第2の電流制限素子)、
D3・・・ダイオード、
Q1・・・C−MOSバッファ(電荷移動制御手段)、
VDD・・・電源端子、
IN・・・入力端子、
OUT・・・出力端子、
Q2・・・C−MOSインバータ(C−MOSゲート)、
R1・・・抵抗、
R2・・・抵抗、
R3・・・抵抗(第1の電流制限素子)、
R4・・・抵抗、
R5・・・抵抗、
R6・・・抵抗(バイアス抵抗)、
SE・・・検出スイッチ(検出素子)、
SE−1・・・接点、
SE−2・・・接点、
SW・・・スイッチ。

Claims (6)

  1. 閉鎖される筐体に付設される筐体の封印装置であって、
    外部電源によって充電されて内部電源となる電気2重層コンデンサ(C2)と、前記筐体の開封を検出する検出素子(SE)と、該検出素子が前記開封を検出すると前記電気2重層コンデンサ(C2)から記憶素子となる電気2重層コンデンサ(C5)に電荷を移動させる電荷移動制御手段と、前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に応じて出力状態を開封検出と非検出の2状態に変化させる報知手段とを備える筐体の封印装置において、
    出力端子が前記電気2重層コンデンサ(C5)の一方の極に結ばれて、入力端子に前記検出素子が前記開封を検出したことを示す信号が入力されると、前記電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を前記出力端子から前記電気2重層コンデンサ(C5)に移動させるC−MOSバッファ(Q1、電荷移動制御手段に該当)と、
    前記外部電源の電圧を分圧して低下させた電源で動作し前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位を判定して出力レベルを変化させるC−MOSゲート(Q2)とを備え、
    前記報知手段は前記C−MOSゲート(Q2)の出力レベルに従って前記出力状態を変化させる
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
  2. 閉鎖される筐体に付設される筐体の封印装置であって、
    外部電源によって充電されて内部電源となる電気2重層コンデンサ(C2)と、前記筐体の開封を検出する検出素子(SE)と、該検出素子が前記開封を検出すると前記電気2重層コンデンサ(C2)から記憶素子となる電気2重層コンデンサ(C5)に電荷を移動させる電荷移動制御手段と、前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に応じて出力状態を開封検出と非検出の2状態に変化させる報知手段とを備える筐体の封印装置において、
    出力端子が前記電気2重層コンデンサ(C5)の一方の極に結ばれて、入力端子に前記検出素子が前記開封を検出したことを示す信号が入力されると、前記電気2重層コンデンサ(C2)の電荷を前記出力端子から前記電気2重層コンデンサ(C5)に移動させるC−MOSバッファ(Q1、電荷移動制御手段に該当)と、
    前記外部電源の電圧を分圧して低下させたバイアス電圧が前記電気2重層コンデンサ(C5)の電位に加算された電位を判定し、出力レベルを変化させるC−MOSゲート(Q2)とを備え、
    前記報知手段は前記C−MOSゲート(Q2)の出力レベルに従って前記出力状態を変化させる
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
  3. 請求項2記載の筐体の封印装置において、
    前記電気2重層コンデンサ(C5)のマイナス極を複数の電位点に切換結合可能としたことを特徴とする筐体の封印装置。
  4. 請求項1又は2記載の筐体の封印装置において、
    前記検出素子(SE)は第1の接点(SE−1)が前記電気2重層コンデンサ(C2)の一方の極に結ばれ、第2の接点(SE−2)が前記C−MOSバッファ(Q1)の入力端子に結ばれたスイッチであり、
    前記第1の接点(SE−1)と前記電気2重層コンデンサ(C2)との間に第1の電流制限素子(R3)を介装した
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
  5. 請求項4記載の筐体の封印装置において、
    前記検出素子(SE)の第2の接点(SE−2)に一方の極が結ばれ前記検出素子(SE)が閉になった際に充電されるコンデンサ(C4)を備えて、
    前記第2の接点(SE−2)と前記コンデンサ(C4)との間に第2の電流制限素子(D2)を介装した
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
  6. 請求項1又は2記載の筐体の封印装置において、
    前記外部電源の一方の極と前記電気2重層コンデンサ(C2)の一方の極との間に抵抗(R1)を介装し、
    前記電気2重層コンデンサ(C2)の前記一方の極と前記外部電源の他方の極とをスイッチ(SW)を介して結んだ
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
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