JP2005008771A - カレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物および該樹脂組成物を用いてなるフィルムまたはシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性の制御された熱可塑性ポリエステル系樹脂に、有機化層状珪酸塩と、炭素数18以上の脂肪酸、および脂肪酸金属塩または有機リン酸エステル類を配合してなる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にカレンダー成形法により成形されるポリエステル系樹脂組成物、および該樹脂組成物をカレンダー成形することによって得られるフィルムまたはシートに関するものでる。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的性質や耐熱性及びガスバリア性に優れることから、食品や医薬品向けの包装材、容器用の蓋材−ブリスター包装容器用の資材、ならびに建築、家電、自動車用途向けの積層用フィルムやシートなどとして広く使用されている。
【0003】
熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いてフィルムやシートを成形する場合、一般的には押出成形法によって製造されている。押出成形法は、シートが特定の厚さになるようにダイスを調整した後に溶融樹脂をスクリュウの押出力を利用してダイスより排出し、溶融樹脂をその軟化温度よりも低い温度に急激に冷却しながら引き取る成形加工方法である。その為、溶融体を冷却ロールで引き取ることは容易であるが、ダイスを調整しても部分的に厚さが異なる部分が発生しやすく、シートとしての厚み精度に劣るので、印刷、ラミネート、コーティングなどの後加工に支障をきたしやすく、且つ真空・圧空成形のような二次成形に際しシートに穴があくことがあった。加えて、押出成形法によるシートの成形は、成形速度が遅く、生産性が良好とは言い難い。
【0004】
この様な理由から、一般的にシートやフィルムを製造する場合には押出成形法ではなく、カレンダー成形法が適用されることが多い。カレンダー成形法は、加熱された複数の金属ロール(カレンダーロール)で溶融樹脂を圧延した後、冷却されたロールで引き取ることにより所望の厚さのシートやフィルムを製造する成形法であり、押出成形におけるダイス近傍で発生するトラブルがなく、成形されるシート・フィルムの厚み精度が良好で品質的に優れたものを作製できると共に、成形速度が速く生産性に優れているので、同じ規格の製品を多量に生産するのに適している。
【0005】
しかし、PETやPBTなどの熱可塑性ポリエステル系樹脂の場合には、カレンダー成形法でフィルムやシートを製造することが不可能であった。何故なら、カレンダー成形法の場合、押出成形法のようにスクリュウの押出力を利用してダイスから排出された溶融樹脂を冷却ロールで引き取ることによりフィルムやシートに成形する加工方法とは異なり、加熱された複数のカレンダーロールで圧延された溶融樹脂を、当該溶融樹脂の張力を利用してカレンダーロールから引き離しながら冷却ロールで引き取ることによりフィルムやシートに成形する加工方法であるため、溶融樹脂に大きな引き取り抵抗力が必要とされるためである。
すなわち、一般的にPETやPBTなどの熱可塑性ポリエステル系樹脂では、250℃以上の温度で成形加工する必要があるが、この種の熱可塑性ポリエステル系樹脂は250℃以上の温度での溶融粘度や溶融張力が著しく低いため、大きな引き取り抵抗力がなく、よってカレンダー成形法を適用することはできないのである。
【0006】
これに対して、熱可塑性ポリエステル系樹脂の中で、たとえばPET系樹脂の場合、モノマー成分であるテレフタル酸やエチレングリコールの一部を他の成分で置き換えてランダム共重合体とすることにより結晶性を制御し、200℃程度の温度で成形加工できるようにすることで、引き取り抵抗力を増加させ、カレンダー成形に適用させようとする試みも行われている。しかし、PET系樹脂は極性が大きいためカレンダーロールへの粘着が著しく、たとえ、引き取り抵抗力が大きくなったとしても樹脂単体ではカレンダー成形に用いることができない。
【0007】
そこで、カレンダーロールからの剥離を容易するための方法として、例えば、特開平11−343353号公報や特開2000−186191号公報、特開2000−302951号公報、特開2000−327891号公報、特開2001−64496号公報等に、各種の添加剤を配合することが提案されている。
【0008】
金属ロール(カレンダーロール)からの易剥離性を達成するための添加剤としては、一般的に当該樹脂との親和性が低いものが有効とされているが、このような添加剤を配合すると、成形されたシートやフィルムの透明性が低下したり、金属ロールへのプレートアウトにつながることがある。従って、樹脂の結晶性を制御してカレンダー成形に適用できるように改質したポリエステル系樹脂を用い、開示された添加剤の配合技術により、PET系のポリエステル樹脂のカレンダー成形を行なったとしても、透明性を損なわず同時に金属ロールへのプレートアウトを発生させないようにしつつ、金属ロールからの剥離を容易にすることは非常に困難であった。
【0009】
さらに、剥離性を容易にするための添加剤を配合して、カレンダー加工が可能な状態にしたとしても、カレンダー成形が可能な引き取り抵抗力が得られる温度で成形を行なった場合、樹脂の溶融粘度が高いためカレンダー成形装置の駆動電力が増大し、その結果、製造にかかる電力コストがかさむと同時に、駆動モーターの動力が小さい成形装置では製造に支障をきたすという問題があった。
【0010】
他方、カレンダー成形法では、冷却ロールの引き取り速度をカレンダーロールの回転速度より速めて溶融延伸することによって、肉厚の薄い製品を効率よく生産することが一般に行なわれている。これは、カレンダーロール間の間隙を狭くしすぎるとカレンダーロール同士が接触する危険性があること、並びにカレンダーロール間の間隙を狭く設定しても圧延された後の樹脂溶融体が膨らむことによりカレンダーロール間の間隙のみの調整により薄いフィルムやシートを製造することには限界があること、そしてカレンダーロールの間隙を狭くすることで溶融樹脂の発熱が大きくなりカレンダーロールへの粘着が発生しやすくなるためである。さらには、冷却ロールの引き取り速度をカレンダーロールの回転速度より速めて溶融延伸することによって、生産スピードが速まることなどの理由による。
【0011】
しかし、このような溶融延伸工程を経てカレンダー成形法により製造されたフィルムやシートは、印刷インクや粘着剤などを塗られ乾燥させるなど、フィルムやシートが再加熱される工程において溶融延伸方向での収縮が大きいという不具合を生じることがあった。さらに、窓など比較的高い温度になる部位に貼られるガラスの飛散防止用フィルムや遮熱、広告用に使用されるフィルムおよびシートなどでも同様に、製品が収縮し問題になることがあった。このような収縮は、熱可塑性ポリエステル系樹脂の場合には、特に顕著である。
【0012】
一方、PETやPBTなどの熱可塑性ポリエステル系樹脂の寸法安定性、機械的性質、耐熱性、ガスバリア性などを向上させる場合、従来では、ガラス繊維や炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤を配合する方法が採られていたが、これら従来法では、フィルムやシートとしての比重が増す、表面外観が悪化する、透明な製品が得られないなどの欠点を有していた。
【0013】
こうした欠点を改善でき、しかも熱可塑性ポリエステル系樹脂からなるフィルムやシートの寸法安定性、機械的性質、耐熱性、ガスバリア性などを向上させることが可能な方法として、モンモリロナイトに代表されるスメクタイト系粘土鉱物や、フッ化雲母などの層間イオンを有機オニウムイオンでイオン交換した有機化層状珪酸塩を熱可塑性ポリエステル系樹脂に微分散させた複合材料や組成物に関する技術が知られている。
【0014】
例えば、特開平3−62846号公報には、熱可塑性芳香族ポリエステルと、有機オニウムイオンを結合した層状粘土鉱物と、相溶化剤とを含み、有機オニウムイオンを結合した層状粘土鉱物が、相溶化剤の親和作用により熱可塑性芳香族ポリエステル中に均一に分散しかつ熱可塑性芳香族ポリエステルの分子鎖によって架橋された構造を有しているポリエステル複合材料ならびに製造方法が開示されている。
また、特開平7−166036号公報には、陽イオン交換量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、無機灰分量として0.5〜10重量部含有する芳香族ポリエステル樹脂が、そして特開2000−53847号公報には、熱可塑性ポリエステルおよび、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩を溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物であって、熱可塑性ポリエステルのカルボキシル末端基量が10〜80eq/tであるポリエステル樹脂組成物が、更に特開2000−212424号公報には、熱可塑性ポリエステル100重量部に対して、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩0.1〜40重量部および、モンタン酸および低分子量ポリオレフィンの少なくとも一つを0.001〜5重量部配合してなるポリエステル樹脂組成物が開示されている。
【0015】
しかし、これらの熱可塑性ポリエステル系樹脂の複合材料や組成物に関して開示された技術を用いても、寸法安定性、機械的性質、耐熱性、ガスバリア性などに優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂を、大きな引き取り抵抗力が必要なカレンダー成形法で成形加工を行うことはなおさら困難であった。加えて、これら従来の技術文献には、カレンダー成形法で熱可塑性ポリエステル系樹脂のフィルムやシートを製造した場合に特に問題となる、収縮を低減させる方法については何ら示されていない。
【0016】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開平3−62846号公報
【特許文献2】
特開平7−166036号公報
【特許文献3】
特開2000−53847号公報
【特許文献4】
特開2000−212424号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、カレンダー成形法による易成形性、樹脂成形品としての透明性、剛性、ガスバリア性および濡れ性に優れ、しかも、成形に伴う収縮が低減されたフィルムやシートが得られるカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物ならびに、該樹脂組成物を用いてカレンダー成形法によって得られるフィルムまたはシートを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の熱可塑性ポリエステル系樹脂に特定の添加剤を特定重量部配合した樹脂組成物を用いることにより、カレンダー成形性に優れ、しかも成形に伴う収縮が低減され、且つ透明性、剛性、ガスバリア性、濡れ性に優れたフィルムやシートを製造することが可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
すなわち本発明の請求項1に係るカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物は、DSC(Differential Scanning Calorimeter)で測定した場合に結晶融解ピークが見られないか若しくは結晶融解ピークが200℃以下であり且つ結晶融解熱量が50J/g以下である非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、有機化層状珪酸塩(B)0.5〜20重量部と、炭素数が18以上である脂肪酸(C)0.1〜10重量部および、脂肪酸の金属塩(D)0.01〜5重量部を配合してなることを特徴としたものである。
【0020】
ちなみに、本発明でDSCとは、示差走査熱量計ないしは測定法(Differential Scanning Calorimeter)を略称したものであり、樹脂の融点や融解熱量の測定に用いられる装置ないしは測定法を指し、JIS K−7121、K−7122等で使用されるものである。また、結晶融解ピークや結晶融解熱量の測定についてもJIS K−7121、K−7122に準拠して行われるものである。
【0021】
また、請求項2に係るカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物は、請求項1に記載の非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、有機化層状珪酸塩(B)0.5〜20重量部と、炭素数が18以上である脂肪酸(C)0.1〜10重量部、および有機リン酸エステル類(E)0.01〜5重量部を配合してなることを特徴としたものである。
上記非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であるジカルボン酸成分とエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4ーシクロヘキサンジメタノールから選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であるグリコール成分の繰り返し単位からなるポリエステル系樹脂を用いるのが最も好ましい(請求項3)。
また、上記有機化層状珪酸塩(B)としては、層間に有機オニウムイオンを挿入されたものを用いるのが好ましい(請求項4)。
この際、非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する有機化層状珪酸塩中の珪酸塩の重量部(b’)と、同ポリエステル系樹脂(A)樹脂100重量部に対して配合する炭素数18以上の脂肪酸の重量部(c’)の比(c’/b’)が0.1以上であることが望ましい(請求項5)。
また、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載のカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いてカレンダー成形法により成形されるフィルムまたはシート(請求項6)は、その厚さが0.2mm以下のフィルムまたはシートであって、成形体のガラス転移温度より10℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が10%未満であり、成形体のガラス転移温度より20℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が15%未満であり、成形体のガラス転移温度より40℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が20%未満であることを特徴としたものである(請求項7)。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物に用いるポリエステル系樹脂(A)としては、DSCで測定した場合に結晶融解ピークが見られないか若しくは、結晶融解ピークが200℃以下であり且つ結晶融解熱量が50J/g以下である非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂が用いられる。
【0023】
結晶融解ピークが200℃を超えるポリエステル系樹脂は、200℃を超える温度でしか溶融しない。そのため、このような温度域で成形加工を行なおうとするとポリエステル系樹脂の溶融粘度や溶融張力が著しく低くなるため、カレンダー成形法によりフィルムやシートを成形することが困難になる。
ポリエステル系樹脂の結晶融解熱量としては、特にカレンダー成形に用いた場合に未溶融の樹脂がフィルムやシート状にゲルとなって残存することによる問題の発生を少なくできる点から、50J/g以下である必要があるが、結晶融解熱量が30J/g以下であることが好ましく、さらには10J/g以下であることがより好ましい。このようなポリエステル系樹脂の中でも、低温で溶融させることが可能なことから、結晶融解ピークが実質上見られない非結晶性ポリエステル系樹脂が最も好ましく使用される。
【0024】
また、ポリエステル系樹脂(A)としては、上記の要件を満たしている単一の組成のポリエステル系樹脂以外に、複数のポリエステル系樹脂の混合物や、ポリエステル系樹脂50重量%以上とポリオレフィン系樹脂やポリアミド系樹脂、或いは塩化ビニル系樹脂など、ポリエステル系樹脂以外の樹脂との混合物でも用いることが可能である。しかし、本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)としては、カレンダー成形性に優れ、且つ得られたフィルムやシートの透明性に優れている必要があることなどから、単一の組成であるポリエステル系樹脂が適している。
【0025】
本発明で使用されるポリエステル系樹脂(A)は、1種または2種以上のカルボン酸成分および/または1種または2種以上のグリコール成分を共重合することによって得ることができる。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、オルトフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、2、6−ナフタレンジジメチレンカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸などのジカルボン酸、トリメリット酸などの3価のカルボン酸、ピロメリット酸などの4価のカルボン酸を挙げることができるが挙げられる。
【0026】
また、グリコール成分としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール−1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4ーテトラメチル−1,3ーシクロブタンジオールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価のアルコールを挙げることができる。
【0027】
本発明に用いられるポリエステル系樹脂は、これらのカルボン成分とグリコール成分の中で、カルボン酸成分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であり、グリコール成分としてはエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノーから選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であることが好ましい。
この中でも、素材として入手しやすいことも含めて、テレフタル酸が少なくとも90モル%以上であるジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールが10〜95モル%でエチレングリコールが90〜5モル%であるグリコール成分を繰り返し単位とするポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、更にその中でも、本成分からなる非結晶性のポリエステル系樹脂が最も好ましく用いられる。
何故なら、非結晶性のポリエステル系樹脂であれば、低温で溶融体にできるので、特に大きな溶融張力を必要とするカレンダー成形にとって有利であると同時に、カレンダー成形により得られたシートやフィルムの表面平滑性および透明性が良好なものとなるからである。
【0028】
ポリエステル系樹脂の非結晶性はモノマー成分の組成比によって異なるが、非結晶性を達成し、同時にカレンダー成形における成形性を良好なものとするには、テレフタル酸が100モル%、エチレングリコールが30〜90モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールが10〜70モル%であることが好ましく、更にはテレフタル酸が100モル%であり、エチレングリコールが60〜75モル%であり、1,4−シクロヘキサンジメタノールが40〜25モル%であることが好ましい。
【0029】
本発明に好ましく用いられるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールを含むグリコール成分とを反応させた後、特定の触媒の存在下に重縮合させることにより得られる。すなわち、少なくとも90モル%のテレフタル酸を含むジカルボン酸成分と、10〜95モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび90〜5モル%のエチレングリコール成分を含むグリコール成分を、エステル化またはエステル交換を行わせるのに十分な温度で反応させ、次いで、得られた反応生成物を1.333KPaより低い絶対圧力下で2時間より短い時間、コポリエステルの重量を基準にして0〜75ppmのMn、50〜150ppmのZn、5〜20ppmのTi、5〜200ppmのGeおよび10〜80ppmのPからなる触媒および抑制剤システムの存在下で重縮合させることにより、無色透明のコポリエステルとして得られる。
【0030】
この様にして得られるポリエステル系樹脂の溶融張力を高め、同時にカレンダー成形性を向上させるために、フィルムやシートに成形したときに透明性に悪影響を与えない範囲で架橋しても良い。この架橋は、ポリエステル系樹脂を縮重合させる過程や、縮重合された後で、架橋性を有する化合物と反応させることにより行われる。
【0031】
ちなみに、本発明に用いることが可能なポリエステル系樹脂としては既に上市されているのものがある。例えば、テレフタル酸が100モル%、エチレングリコールが60〜75モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールが40〜25モル%からなる非結晶性のポリエステル系樹脂が、Eastman Chemical Products,Inc.社より、Kodar PETG Copolyester(商品名)やTsunami Copolyester(商品名)として市販されており、本発明ではこのようなポリエステル系樹脂を好適に用いることができる。
【0032】
また、本発明に用いられる非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)の分子量に関しては特に限定されるものではないが、数平均分子量が10,000未満では溶融樹脂の溶融張力が小さく、しかもカレンダー成形において成形加工が可能な温度幅が狭くなってしまい成形が困難になる場合があり、数平均分子量が200,000を越えると、得られたシートやフィルムの表面平滑性が劣る可能性がある。従って、カレンダー成形による成形性と、得られたシートやフィルムの表面平滑性が良好になることを勘案すると、数平均分子量が10,000〜200,000の範囲が好ましい。
【0033】
本発明に用いられる有機化層状珪酸塩(B)は、カレンダー成形における成形性を向上させると共に、カレンダー成形法によって得られたフィルムまたはシートの剛性、ガスバリア性、濡れ性などの性能を向上させ、更に、成形されたフィルムまたはシートの収縮を低減させるために配合される成分であり、層状珪酸の層間に存在する交換性陽イオンを有機オニウムイオンで置換した化合物が好適に用いられる。
【0034】
層間に交換性陽イオンを有する層状珪酸塩は、厚さ0.5〜2nm、幅0.02〜2μmの板状物が積層した構造であり、層間にLi+、Na+、K+のようなアルカリ金属や、Ca2+、Mg2+のようなアルカリ土類金属の交換性陽イオンが水分子を水和した状態で存在しているものである。その陽イオン交換量としては30〜300meq/100gのものが好ましく、50〜150meq/100gのものが更に好ましい。
陽イオン交換量が30meq/100g未満では有機オニウムイオンの交換が十分に行われないため、層状珪酸塩の層間が剥離せずに樹脂中で凝集してしまうので、成形されたフィルムやシートが不透明になると共に、本発明の効果が得られない場合があり、陽イオン交換量が300meq/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固になるため、同様に樹脂中で凝集してしまうので、成形されたフィルムやシートが不透明になると共に、本発明の効果が得られない場合がある。
【0035】
層間に交換性陽イオンを有する層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、バイデライト、スチ−ブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母などの合成雲母、バーミュキュライト、フッ素バーミュキュライト、ハロサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウム、などが挙げられ、天然品であっても合成品であってもかまわない。
この中でも、工業的に材料を入手し易いという点で、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、バイデライト、スチ−ブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母などの合成雲母が好ましい。
【0036】
層状珪酸塩の交換性陽イオンと交換される有機オニウムイオンとしては、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンが挙げられるが、この中でも工業的に材料を入手し易いという点で、アンモニウムイオンやホスホニウムイオンが好ましく、特にアンモニウムイオンが好ましい。
【0037】
具体的なアンモニウムイオンとしては、下記の一般式で示される化合物
【化1】
(但し、式中R1〜R4は、水素、炭素数1〜30のアルキル基、ベンジル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシベンジル基、−(CH2−CH2−O)n−H基、−(CH2−CH(CH3)−O)m−H基から選ばれる(但し、n、mは1〜30の整数である。)。)、
および、アニリン、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメチルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、4−アミノドデカン酸、6−アミノカプロン酸−12−アミノドデカン酸−18−アミノオクタデカン酸などから誘導される化合物および、ベンセトニウムイオンなどを挙げることができる。
【0038】
なお、上記一般式で示されるアンモニウムイオン化合物の具体例として、ステアリルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、メチルステアリルアンモニウムイオン、ジステアリルアンモニウムイオン、メチルジステアリルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムイオン、メチルジステアリルベンジルアンモニウムイオン、ジステアリルジベンジルアンモニウムイオン、ベンザルコニウムイオン、トリメチルステアリルアンモニウムイオン、ジメチルジステアリルアンモニウムイオン、ジメチル2エチルヘキシルステアリルアンモニウムイオン、メチルトリステアリルアンモニウムイオン、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムイオン、ジヤシ油アルキルジメチルアンモミウムイオン、ジメチルジヒドロキシエチルアンモニウムイオン、ジメチルベンジル水添牛脂アンモニウムイオン、ジメチルジ水添牛脂アンモニウムイオン、メチル牛脂アルキルビス2ヒドロキシエチルアンモニウムイオン、メチルステアリルビス2ヒドロキシエチルアンモニウムイオン、ジメチル水添牛脂ベンジルアンモニウムイオン、ジメチル2エチルヘキシル水添牛脂アンモニウムイオン、メチルジ水添牛脂アンモニウムイオン、下式で示される化合物(但し、m、nは1〜30の整数である。)
【化2】
【化3】
、などを挙げることができる。
層状珪酸塩にイオン交換により導入されるこれらのアンモニウムイオンは単独であっても、複数の混合物であってもかまわない。
【0039】
これらのアンモニウムイオンの中でも、炭素数が6〜30のアルキル基、ベンジル基、ヒドロキシアルキル基などの置換基を有する有機アンモニウムイオンであることが好ましく、中でも、トリメチルステアリルアンモニウムイオン、ジメチルジステアリルアンモニウムイオン、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムイオン、メチルジステアリルベンジルアンモニウムイオン、ベンザルコニウムイオン、ジメチルベンジル水添牛脂アンモニウムイオン、ジメチルジ水添牛脂アンモニウムイオン、メチル牛脂アルキルビス2ヒドロキシエチルアンモニウムイオン、メチルステアリルビス2ヒドロキシエチルアンモニウムイオンが特に好ましい。
【0040】
有機化層状珪酸塩に占める有機オニウムイオンの量は、用いる層状珪酸塩の陽イオン交換量や有機オニウムイオンの種類に左右されるが、通常15〜80重量%の範囲にある。
【0041】
有機化層状珪酸塩(B)の配合量は、非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、0.5〜20重量部の範囲であり、好ましくは1.0〜15.0重量部、さらに好ましくは2.0〜13.0重量部である。有機化層状珪酸塩(B)の配合量が0.5重量部未満では、カレンダー成形における成形性の改善効果に乏しいことに加え、製造されたフィルムやシートの強度や剛性、ならびにガスバリア性、収縮性などの性能が不十分になる恐れがある。また、有機化層状珪酸塩(B)の配合量が20重量部を超えると、フィルムやシートが脆くなる恐れがある。
【0042】
一方、本発明に用いられる炭素数18以上の脂肪酸(C)は、カレンダー成形時のカレンダーロールからの剥離性ならびに、有機化層状珪酸塩(B)の分散性を向上させるために配合される成分であり、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、トリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸などが挙げられる。
これらの脂肪酸は、純度の高いものが試薬として入手できるが、多くの場合高価であり、樹脂組成物の添加剤としては一般には用いられていない。しかし、炭素数が18以上である脂肪酸(C)の中には、ステアリン酸やベヘン酸、モンタン酸のように樹脂用の添加剤として安価に提供されているものがあり、本発明においてもこのような樹脂添加剤用の脂肪酸が好適に用いられる。
【0043】
これらの脂肪酸の中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂を成形加工する温度で劣化や蒸発などをしにくいことから、炭素数が20以上の脂肪酸で樹脂用の添加剤として安価に提供されているベヘン酸若しくはモンタン酸が好ましく、さらには炭素数が25以上の脂肪酸で樹脂用の添加剤として安価に提供されているモンタン酸が本発明に好適に用いられる。
【0044】
ポリエステル系樹脂(A)100重量部に配合される炭素数が18以上の脂肪酸(C)の配合量は0.1〜10.0重量部の範囲であり、好ましくは0.3〜7.5重量部、さらに好ましくは0.5〜5.0重量部である。炭素数が18以上の脂肪酸(C)の配合量が0.1重量部より少ないと、カレンダーロールからの剥離性が不十分となることに加え、有機化層状珪酸塩(B)の分散が不十分となり、透明性の優れたフィルムやシートが得られなくなる。炭素数18以上の脂肪酸(C)の配合量が10.0重量部を越えるとシートやフィルムの透明性が低下してしまうばかりでなく、滑性過多となりカレンダー成形によりフィルムやシートを製造することができなくなる可能性がある。
【0045】
本発明に係る樹脂組成物は、非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する有機化層状珪酸塩(B)中の珪酸塩の重量部(b’)と、同ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する炭素数18以上の脂肪酸(C)の重量部(c’)の比(c’/b’)を、0.1以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.15以上、最も好ましくは0.2以上とすることにより、より高い効果が得られる。
【0046】
ここで言う有機化層状珪酸塩(B)中の珪酸塩の重量部(b’)とは、有機化層状珪酸塩(B)を1000℃の電気炉中で30分間加熱して、水分や有機化層状珪酸塩の層間に含まれる有機オニウムイオンを蒸発や燃焼させた後に、残った灰分重量から求まる有機化層状珪酸塩中の灰分の重量%(Ash(%))および、非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合した有機化層状珪酸塩(B)の重量部(b”)とから、以下の式により求められる数値である。
b’=b”×Ash(%)−100
ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する有機化層状珪酸塩中の珪酸塩の重量部(b’)と、同ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する炭素数18以上の脂肪酸の重量部(c’)の比(c’/b’)が0.1未満では、ポリエステル系樹脂中での有機化層状珪酸塩の分散が不十分となり、本発明の目的を達することが困難になることがある。
【0047】
更に、本発明に用いる脂肪酸金属塩(D)若しくは有機リン酸エステル類(E)は、カレンダー成形において、カレンダーロール間に形成される溶融樹脂だまり(通常、バンクと称される。)にエアーが巻き込まれ、それが縦筋となってシートやフィルムの表面に現れること防止するために配合される成分である。
【0048】
脂肪酸金属塩(D)を配合する場合、脂肪酸部分の炭素数については、特に限定されない。使用が可能な脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸バリウム、ラウリル酸カドミウム、ラウリル酸亜鉛、ミリスチン酸リチウム、オレイン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸リチウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸ナトリウム、2ーエチルヘキソイン酸カドミウム、2ーエチルヘキソイン酸亜鉛、などを挙げることができる。これらの脂肪酸金属塩は、樹脂用添加剤として市販されているものがあり、コストの面でこれらが好適に用いられる。
【0049】
また、本発明に用いられる有機リン酸エステル類(E)は、有機リン酸エステルおよび有機リン酸エステルの部分ケン化物のことを指し、これらの1種または2種類以上の混合物が使用できる。
【0050】
有機リン酸エステル(E)の種類は特に限定されず、例えば、モノステアリルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エステル、トリステアリルリン酸エステル、モノラウリルリン酸エステル、ジラウリルリン酸エステル、トリラウリルリン酸エステル、モノノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノラウリルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジラウリルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリラウリルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノドデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジドデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリドデシルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノオクチルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジオクチルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリオクチルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノドデシルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、ジドデシルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、トリドデシルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノステアリルジラウリルリン酸エステル、モノラウリルジステアリルリン酸エステル、モノステアリルジノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノノニルフェニルポリオキシエチレンジステアリルリン酸エステル、モノラウリルジノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノノニルフェニルポリオキシエチレンジラウリルリン酸エステル、モノステアリルジラウリルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノラウリルポリオキシエチレンジステアリルリン酸エステル、モノラウリルジラウリルポリオキシエチレンリン酸エステル、モノラウリルポリオキシエチレンジラウリルリン酸エステルなどが挙げられ、これらの1種または2種類以上の混合物が使用できる。これらの有機リン酸エステルは、樹脂用添加剤として市販されているものがあり、コストの面でこれらが好適に用いられる。
【0051】
また、有機リン酸エステルの部分ケン化物についても、その種類は特に限定されものではなく、上記のモノおよびジリン酸エステルに対して、残りの酸基部分でケン化した物質などが挙げられる。具体的には、上記有機リン酸エステルのカルシウムケン化物、マグネシウムケン化物、亜鉛ケン化物、例えば、モノステアリルリン酸エステルのカルシウムケン化物、モノステアリルリン酸エステルのマグネシウムケン化物、モノステアリルリン酸エステルの亜鉛ケン化物、モノラウリルリン酸エステルのカルシウムケン化物、モノラウリルリン酸エステルのマグネシウムケン化物、モノラウリルリン酸エステルの亜鉛ケン化物、モノノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステルのカルシウムケン化物、モノノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステルのマグネシウムケン化物、モノノニルフェニルポリオキシエチレンリン酸エステルの亜鉛ケン化物、モノラウリルポリオキシエチレンリン酸エステルのカルシウムケン化物、モノラウリルポリオキシエチレンリン酸エステルのマグネシウムケン化物、モノラウリルポリオキシエチレンリン酸エステルの亜鉛ケン化物などが挙げられ、これらの1種または2種類以上の混合物が使用できる。これらの有機リン酸エステルの部分ケン化物についても、樹脂用添加剤として市販されているものがあり、コストの面でこれらが好適に用いられる。
【0052】
ここで、本発明のポリエステル系樹脂組成物に用いられる脂肪酸金属塩(D)若しくは有機リン酸エステル類(E)の配合量は、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲、好ましくは0.02〜4重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部の範囲である。脂肪酸金属塩(D)若しくは有機リン酸エステル類(E)の配合量が0.01重量部より少ないと所望の効果が得られず、配合量が5重量部を超えると、成形されたシートやフィルムの透明性が低下してしまう。
【0053】
また、本発明に係るポリエステル系樹脂組成物には、金属ロール(カレンダーリロール)からの剥離性の向上を補うことを目的として、脂肪酸エステルまたは酸化型ポリエチレンワックスを併用して配合することが有効である。但し、脂肪酸エステルまたは酸化型ポリエチレンワックスは、剥離性を向上させる効果が大きいために、成形されたシートやフィルムの透明性の低下やプレートアウトの発生を招きやすい。従って、配合する場合には少量に抑えることが肝要である。具体的には、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して0.5重量部以下とすることが好ましい。
【0054】
ここで使用する脂肪酸エステルについて、その脂肪酸部分の炭素数は特に限定されない。但し、得られたエステルの揮発性を考慮すると、その炭素数が12〜28の脂肪族飽和カルボン酸と炭素数が2〜30の脂肪族飽和アルコールとのエステルからなる合成ワックスまたは天然ワックスが好ましい。合成ワックスを構成する炭素数が12〜28の脂肪族飽和カルボン酸には、例えば、ラウリン酸、ミスチリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸などが挙げられ、炭素数が2〜30の脂肪族飽和アルコールには、例えば、エチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ペンタコシルアルコール、セリルアルコール、オクタコシルアルコール、メリシルアルコールなどの1価アルコール、およびエチレングリコール−1,2−ブタンジオール−1,3−ブタンジオール−1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどの2価アルコール、そしてグリセリンなどの3価アルコールなどの多価アルコールなどが挙げられる。
【0055】
更に上記の合成ワックスとしては、例えば、ラウリン酸ステアリル、ミスチリン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ミリスチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ペンタコシル、リグノセリン酸セリル、リグノセリン酸オクタコシル、リグノセリン酸メリシル、セロチン酸ステアリル、セロチン酸ベヘニル、セロチン酸セリル、セロチン酸メリシル、モンタン酸エチル、モンタン酸セリル、モンタン酸グリコールエステルなどが挙げられる。また、天然ワックスとしては、モンタンワックス、カルナバワックス、ビーズワックス、カンデリラワックス、ヌカロウ、イボタロウなどが挙げられる。これらの中で、揮発性や金属ロールに対する剥離性を踏まえて、モンタン酸グリコールエステル、モンタン酸グリセリド、モンタンワックスなどが好ましく、これらの物質は樹脂用添加剤として市販されており、コストの面でこれらが好適に用いられる。
【0056】
また、酸化型ポリエチレンワックスについては、その種類は特に限定されず、低密度または高密度のいずれのものでも構わない。ただし、金属ロールからの剥離性を考慮すると、酸価が1〜40mgKOH/gで、分子量が重量平均分子量で10000以下である部分酸化型のポリエチレンワックスが好ましい。これらの物質についても、樹脂用添加剤として市販されているものがあり、コストの面でこれらが好適に用いられる。
【0057】
本発明に係るフィルムまたはシートは、上述したカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物用いてカレンダー成形法により成形されるものである。また、フィルムまたはシートを、上述したカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物用いてカレンダー成形法により成形する場合、その厚さを0.2mm以下とし、且つ成形体のガラス転移温度より10℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が10%未満であり、成形体のガラス転移温度より20℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が15%未満であり、成形体のガラス転移温度より40℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が20%未満とする。
【0058】
ここで言うガラス転移温度とは、引張型動的粘弾性測定装置を用いて、フィルムまたはシートのガラス転移温度より少なくとも50℃以上低い温度から、昇温しながら測定した時に現れる複素弾性率E”のピーク温度として求められるものであり、測定は、昇温速度は2〜10℃/min、周波数は5〜20Hzの範囲で行われる。
【0059】
本発明に係るカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いて上記のような特性を有するフィルムやシートを得る方法としては、カレンダーロールの温度を本発明の組成物のガラス転移温度より80℃以上で150℃未満、好ましくは90℃以上で140℃未満、さらに好ましくは100℃以上で130℃未満の温度に設定したカレンダー成形装置でもって、130%以上で500%未満、好ましくは140%以上で400%未満、更に好ましくは150%以上で350%未満の延伸比で冷却ロールにより引き取ることによって製造することができる。
【0060】
ここで言う延伸比とはカレンダー成形機で圧延された溶融樹脂を冷却ロールで引き取る際の溶融樹脂を供給する側のカレンダーロールの面速度に対する冷却ロールの面速度の比を指す。
【0061】
カレンダーロールの温度が本発明に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物のガラス転移温度より80℃未満では、カレンダーロール間に形成される溶融樹脂だまり(通常、バンクと称される。)の回転が不規則になるため、透明なフィルムやシートが得難くなる。また、カレンダーロールの温度が本発明に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物のガラス転移温度より150℃以上では、溶融樹脂がカレンダーロールに粘着してしまい、カレンダー成形法によりフィルムやシートを製造することができなくなる恐れがある。
【0062】
また、引き取りロールでの延伸比が130%未満でフィルムやシートを製造した場合には、厚みが0.2mm以下のフィルムやシートをカレンダー成形法により安定して生産できない恐れがある。何故ならば、延伸比を130%未満にして厚みが0.2mm以下のフィルムやシートを製造しようとした場合、カレンダーロールの間隙を狭くして製造する必要があるため、たとえカレンダーロールの温度を低く設定しても樹脂組成物の溶融体が発熱して高温になり、カレンダーロールに粘着する恐れがあるためである。加えて、カレンダーロールの間隙を狭くすることよるカレンダー成形装置の駆動電力の増大、さらには延伸比が小さいため生産スピードに劣るという、工業上のデメリットも生じる。
他方、引き取りロールでの延伸比が500%以上でフィルムやシートを製造した場合には、本発明に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いても収縮率が大きくなるという問題が生じる。
【0063】
本発明に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、ペレットまたは粉体状のポリエステル系樹脂(A)に、有機化層状珪酸塩(B)と、炭素数が18以上の脂肪酸(C)、および脂肪酸金属塩(D)若しくは有機リン酸エステル類(E)を、また必要に応じて脂肪酸エステルや酸化型ポリエチレンワックスを単純に混ぜ合わせることにより、または予め混練機で溶融混練することによって作製することができる。
ここで使用される混練機としては公知の装置が使用できるが、取り扱いが容易で均一な分散が可能であるロール−1軸または2軸押出機、ニーダー、コニーダー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサー、などが好ましく用いられる。
【0064】
また、本発明におけるポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂(A)に有機化層状珪酸塩(B)と、脂肪酸(C)および脂肪酸金属塩(D)または有機リン酸エステル類(E)、さらには脂肪酸エステルや酸化型ポリエチレンワックスを高濃度で配合した材料(通常、マスターバッチと称されるもの。)を前もって調製しておき、これらをポリエステル系樹脂(A)と溶融混練することによって作製することもできる。マスターバッチの作製に関しても、上記に例示した混練機が好適に用いられる。
【0065】
他方、本発明におけるポリエステル系樹脂組成物には、カレンダー成形における加工性を損なわない範囲内において、ヒンダードフェノール系、チオエーテル系、アミン系、リン酸系などの従来公知の酸化防止剤や、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系などの従来公知の紫外線吸収剤、或いはアニオン系、カチオン系、非イオン系の低分子または高分子型の帯電防止剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物などの増粘剤、染料や顔料などの着色剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの紫外線遮断剤、ガラス繊維やカーボンファイバーなどの強化材、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、タルクなどの充填剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤、蛍光剤、界面活性剤、架橋剤、などを適宜配合することができる。
【0066】
更に、本発明におけるポリエステル系樹脂組成物には、カレンダー成形における成形加工性を損なわない範囲内で、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系などの他の熱可塑性樹脂を配合しても構わない。
【0067】
本発明におけるポリエステル系樹脂組成物は、ミキサーや1軸または2軸押出機を用いて溶融混練した後に、カレンダー成形機によってフィルムやシートを作製するのに適した樹脂組成物である。フィルムやシートの作製時において、溶融樹脂のカレンダーロールからの剥離性および冷却ロールの引き取り性は良好で、且つ透明性も良好である。さらに、カレンダーロールへのプレートアウトも発生せずに、得られたフィルムやシートにエアーの巻き込みによる縦筋も発生しない。従って、当該ポリエステル系樹脂組成物をカレンダー成形することによって、外観の優れたフィルムやシートを高い生産性で成形することが可能となる。
【0068】
本発明に係るポリエステル系樹脂組成物を用いてカレンダー成形することによって得られたフィルムやシートは、透明性、剛性、ガスバリア性、濡れ性に優れ、且つ収縮が小さいことから、化粧フィルムやシート用の透明または着色のフィルムまたはシート、カード用のフィルムまたはシート、各種包装容器用のフィルムまたはシート、印刷用や粘着加工に供されるフィルムまたはシート、金属の蒸着やスパッターリングなどによる表面加工を施されるフィルムまたはシート、窓など比較的高い温度になる部位に貼られるガラスの飛散防止や遮熱用に使用されるフィルムまたはシート、広告用に使用されるフィルムおよびシート、等に好適に用いられる。
【0069】
【実施例】
次に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0070】
まず、実施例または比較例に使用した材料について以下に説明する。
<ポリエステル系樹脂(A)>
A−1:ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%であって他のジカルボン酸は含まず、グリコール成分がエチレングリコール60〜75モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール40〜25モル%あってそれ以外のグリコール成分を含まず、これらジカルボン酸成分とグリコール成分との繰り返し単位からなる数平均分子量が25000のペレット状のポリエステル系樹脂(商品名;Tsunami Copolyester GS2、Eastman Chemical Products,Inc.社製)。F−1:ポリエチレンテレフタレート(商品名;TR8580HP、帝人社製)
なお、パーキンエルマー社製のDSCを使って20℃/分の昇温速度でポリエステル系樹脂A−1およびF−1を測定した結果、表1の通りであった。
【0071】
【表1】
【0072】
<有機化層状珪酸塩(B)>
B−1:参考例1に従い調整した有機化層状珪酸塩
B−2:参考例2に従い調整した有機化層状珪酸塩
B−3:参考例3に従い調整した有機化層状珪酸塩
B−4:陽イオン交換量が125meq/100gのモンモリロナイトの層間に、イオン交換によってジメチルベンジル水添牛脂アンモニウムイオンを39重量%挿入された有機化層状珪酸塩(商品名;cloisite10A、Southern Clay Products社製)。
B−5:陽イオン交換量が125meq/100gのモンモリロナイトの層間にイオン交換によってジメチルジ水添牛脂アンモニウムイオンを43重量%挿入された有機化層状珪酸塩(商品名;cloisite15A、Southern Clay Products社製)。
B−6:陽イオン交換量が90meq/100gのモンモリロナイトの層間にイオン交換によってメチルジ牛脂アルキルビス2ヒドロキシエチルアンモニウムイオンを30重量%挿入された有機化層状珪酸塩(商品名;cloisite30B、Southern Clay Products社製)。
<層状珪酸塩>
G−1:製高純度モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA、ホージュン社製)
【0073】
[参考例1]
天然Naモンモリロナイト(商品名;クニピアF、クニミネ工業社製;陽イオン交換量120meq/100g)3kgを100Lの温水に撹拌分散し、これに陽イオン交換量の1.0倍量のジメチルステアリルベンジルアンモニウム塩を添加して1時間撹拌した後、生じた沈殿物をろ過し、温水で洗浄した。更に、洗浄とろ過を3回繰り返した後、得られた固体を乾燥して、有機化層状珪酸塩B−1を得た。
【0074】
[参考例2]
天然Naモンモリロナイト(商品名;クニピアF、クニミネ工業社製;陽イオン交換量120meq/100g)3kgを100Lの温水に撹拌分散し、これに陽イオン交換量の1.0倍量のベンザルコニウム塩を添加して1時間撹拌した後、生じた沈殿物をろ過し、温水で洗浄した。更に、洗浄とろ過を3回繰り返した後、得られた固体を乾燥して、有機化層状珪酸塩B−2を得た。
【0075】
[参考例3]
天然Na型モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA、ホージュン社製;陽イオン交換量94meq/100g)3kgを100Lの温水に撹拌分散し、これに陽イオン交換量の1.0倍量のジメチルジステアリルアンモニウム塩を添加して1時間撹拌した後、生じた沈殿物をろ過し、温水で洗浄した。更に、洗浄とろ過を3回繰り返した後、得られた固体を乾燥して、有機化層状珪酸塩B−3を得た。
なお、有機化層状珪酸塩B−1〜B−5および、層状珪酸塩G−1を、それぞれ10g量り取り、1000℃の電気炉中で30分間加熱した後に残った灰分重量から求めた灰分の重量%(Ash(%))は表2の通りであった。
【0076】
【表2】
【0077】
<炭素数が18以上の脂肪酸(C)>
C−1:モンタン酸(商品名;Licowax S、クラリアントジャパン社製)
<脂肪酸の金属塩(D)>
D−1:モンタン酸カルシウム(商品名;Licomont CaV102、クラリアントジャパン社製)
<有機リン酸エステル類(E)>
E−1:モノステアリルリン酸エステルおよびジステアリルリン酸エステルが重量比で6:4となる混合物(商品名;AX−518、大協化成工業社製)
【0078】
<その他の添加剤>
脂肪酸エステル:モンタン酸と1,4−ブタンジオールとのエステル(商品名;Licowax E、クラリアントジャパン社製)
酸化型ポリエチレンワックス:酸価が15〜19mgKOH/gのもの(商品名;Licowax PED191、クラリアントジャパン社製)
酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名;アデカスタブAOー60、旭電化社製)
【0079】
次に、表3および表4に記載した数値等について説明する。
「樹脂100重量部当たりの珪酸塩量」および、「配合剤C−1/珪酸塩」については、次のようにして求めた。
「樹脂100重量部当たりの珪酸塩量(b’)」
有機化層状珪酸塩(B)および、層状珪酸塩には水分やイオン交換により挿入された有機オニウムイオンなど珪酸塩以外の成分が含まれることから、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合した有機化層状珪酸塩(B)若しくは、層状珪酸塩の重量部(b”)および、表2に示した有機化層状珪酸塩(B)または、層状珪酸塩の灰分の重量%(Ash(%))より以下の式を用いて「ポリエステル系樹脂(A)100重量部当たりの珪酸塩量(b’)」を、重量部として求めた。
b’=b”×Ash(%)/100
「配合剤C−1/珪酸塩」
「配合剤C−1/珪酸塩」は、上に示した式を使って求めた「樹脂100重量部当たりの珪酸塩量(b’)」(重量部)に対する「樹脂100重量部に対して配合した配合剤C−1の量(c’)」(重量部)であり、次のようにして求めた。
配合剤C−1/珪酸塩(重量部/重量部)=c’/b’
ここに示した以外の数値や評価方法に関しては、実施例若しくは、比較例中で説明する。
【0080】
<実施例1〜8>
配合剤を表3に示した重量部で配合し、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練して組成物を得た。この組成物を180℃で1mm厚みにプレス成形して得たシートのガラス転移温度を、東洋精機製作所製のレオログラフを用いて、昇温速度2℃/min、周波数10Hzで測定された複素弾性率E”のピーク温度として求めた結果、いずれのシートも80℃であった。
次に、配合剤を表3に示した重量部で配合し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、バンバリーミキサーで樹脂温度が160〜175℃の範囲になるまで混練して、ポリエステル系樹脂組成物を調製した。これを、組成物のガラス転移温度より110℃高い温度である190℃に調整された逆L型形の4本ロールのカレンダー成形機を用いて圧延し、−150%若しくは250の延伸倍率で引き取り、冷却工程を経て、幅1000mm、厚さ100μmのシートを作製した。
カレンダー成形により得られたシートのガラス転移温度を、東洋精機製作所製のレオログラフを用いて、昇温速度2℃/min、周波数10Hzで測定された複素弾性率E”のピーク温度として求めた結果、いずれのシートも組成物と同じ80℃であった。
【0081】
なお、表3に示した評価は次のような方法で実施した。
[有機化層状珪酸塩の分散性の評価および金属からの剥離性の評価]
カレンダー成形機で成形する前に、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練した際、混練直後の溶融体を観察して、溶融状態での有機化層状珪酸塩(B)の分散状態を判定した。また、溶融混練したコンパウンドを180℃で圧縮成形して厚さ1mmの成形体を作製した際、成形体の目視評価により成形体中での有機化層状珪酸塩(B)の分散状態を判定した。有機化層状珪酸塩(B)の分散状態は、溶融体若しくは成形体中に有機化層状珪酸塩(B)の粒が観察されない場合は「○」とし、粒が観察される場合は「×」とした。
更に、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間予備混練した後、ミキサーからの溶融体の剥離性を評価することによって、金属からの剥離性を判定した。混練後の溶融体がミキサーから容易に剥離できた場合を「○」とし、溶融体が粘着してミキサーから剥離ができなかった場合を「×」とした。
【0082】
[ロール加工性・シートの表面状態・シートの柔軟性の評価]
更に、カレンダー成形機で成形する前に、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間予備混練して得たコンパウンドを190℃に加熱した10インチの2本ロールで、シート厚みが150μmとなるように調製して混練し、ロールへの粘着性およびバンクの状態を評価した。
なお、ロールへの粘着性は、溶融体がロール面に粘着せず加工が可能であった場合は「○」とし、ロール面に粘着した場合は「×」とした。バンクの状態評価は、バンクが紡錘形になり、バンクにエアーを巻き込まず、バンク表面が滑らかで、回転がスムーズな状態を「○」とし、バンクが紡錘形にならないか、バンクにエアーを巻き込むか、表面が毛羽立った状態であるか、回転がスムーズでない場合を「×」とした。
シート引き取り性は、ロール混練時にシートを取り出し、シートが引き取れた場合は「○」とし、シートが伸びて引き取れなかった場合は「×」とした。
シートの表面状態は、シートを離型紙にラミネートしてサンプリングし、採取したシートの表面状態を目視観察し、エアーの巻き込みによる縦筋の発生がなく表面が平滑で透明なシートが得られた場合は「○」とし、エアーの巻き込みによる縦筋がある場合や不透明であった場合は「×」とした。
シートの柔軟性は、離型紙にラミネートしてサンプリングしたシートから10cm角のシートを切り出し、このシートを90度の角度で折り曲げ、シートが割れなかった場合には「○」とし、シートが割れた場合には「×」とした。
【0083】
[溶融張力の測定]
カレンダー成形機で成形する前に、カレンダー成形の際の冷却ロールでの引き取り性を評価するために溶融張力の測定を行なった。測定は、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練して得たコンパウンドを、L/D=20/1mmのキャピラリーを装着した東洋精機製作所製キャピログラフを用いて、温度190℃、クロスヘッド速度5mm/分、巻き取り速度20m/分の条件で実施した。
【0084】
[溶融粘度の測定]
また、カレンダー成形機で成形する前に、カレンダー成形の際のカレンダー装置の駆動に要する電力の大小を評価するために溶融粘度の測定を行なった。測定は、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練して得たコンパウンドを、L/D=20/1mmのキャピラリーを装着した東洋精機製作所製キャピログラフを用いて、温度190℃、剪断速度250/秒の条件で実施した。
【0085】
[収縮率の測定]
カレンダー成形により得られたシートから15cm角のシートを切り出し、このシートを所定温度(表3、表4に記載)に設定したオーブン中で60分間熱処理した後取り出して、その熱処理前後でのシートの長さの変化からシートの延伸方向の収縮率を求めた。
【0086】
[引張り試験]
カレンダー成形により得られたシートから延伸方向が長辺となるようにして、長さ200mm、幅19mmの短冊状試験片を打ち抜き、JIS Kー7127に従って引張り試験を行なった。
【0087】
[酸素透過係数の測定]
カレンダー成形により得られたシートを用いて、東洋精機製作所製の差圧式ガス透過試験機により測定した。
【0088】
[濡れ張力の測定]
カレンダー成形により得られたシートを用いて、濡れ試薬によりシート表面の濡れ張力を測定した。
評価結果をまとめて、表3に示す。
【0089】
<比較例1>
東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練して組成物を得た。この組成物を180℃で1mmの厚みにプレス成形して得たシートのガラス転移温度を、東洋精機製作所製のレオログラフを用いて、昇温速度2℃/min、周波数10Hzで測定された複素弾性率E”のピーク温度として求めた結果、80℃であった。
次に、配合剤を表4に示した重量部で配合し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、バンバリーミキサーで樹脂温度が160〜175℃の範囲になるまで混練して、ポリエステル樹脂組成物を調製した。これを、組成物のガラス転移温度より110℃高い温度である190℃に調整された逆L型形の4本ロールのカレンダー成形機を用いて圧延し、150%および250%の延伸倍率で引き取りを行おうとしたがシートが伸びて冷却ロールで引き取ることができなかったため、350%の延伸倍率で引き取り、冷却工程を経て幅1000mm、厚さ100μmのシートを作製した。なお、本組成物をカレンダー成形した際に成形機の駆動に要した電力は、実施例1、2および5〜7に比べて5割、実施例3に比べて2割、実施例4に比べて7割、実施例8に比べて3割高かった。
得られたシートのガラス転移温度を、東洋精機製作所製のレオログラフを用いて、昇温速度2℃/min、周波数10Hzで測定された複素弾性率E”のピーク温度として求めた結果、組成物と同じ80℃であった。
カレンダー成形機で成形する前に行なった評価結果および、カレンダー成形機で製造したシートの評価結果を表4に示す。
なお、表4に示した評価は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
この比較例から、有機化層状珪酸塩(B)を配合しない場合は、実施例に比べ溶融張力が低く、ロール加工性の評価においてもシートの引き取り性に劣ることが分かる。カレンダー成形時にも延伸倍率を高くしないと引き取りが行えず、実施例に比べシートの引き取り性は劣っていた。
また、実施例に比べ溶融粘度が高く、カレンダー成形を行なった際の成形機の駆動に要する電力も、実施例に比べ高くなった。さらに、カレンダー成形機で得られたシートは、表3の実施例に示したシートに比べ、収縮性、引張物性、酸素バリア性、濡れ性に劣ることが分かる。
【0090】
<比較例2>
配合剤を表4に示した重量部で配合した組成物を、実施例と同様の方法で有機化層状珪酸塩(B)の分散性の評価、金属からの剥離性の評価、溶融張力の評価、溶融粘度の評価、およびロール加工性、シートの表面状態、シートの柔軟性の評価をそれぞれ行なった。
この評価において、脂肪酸の金属塩若しくはリン酸エステル類を含まない比較例2の組成物は、バンクに大量のエアーが巻き込まれ、それがシートに縦筋となって転写され、シートの表面状態に劣り、しかも厚みが不均一となったことから、カレンダー成形を含め、他の評価は実施しなかった。
評価結果を表4に示す。なお、表4に示した評価結果は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
この比較例から、脂肪酸の金属塩若しくはリン酸エステル類を含まない場合は、バンクにエアーが巻き込まれるため、表面状態や厚み均一性に優れるシートが得られないことが分かる。
【0091】
<比較例3>
配合剤を表4に示した重量部で配合した組成物を、実施例と同様の方法で有機化層状珪酸塩(B)の分散性の評価、金属からの剥離性の評価、およびロール加工性の評価、シートの表面状態、シートの柔軟性の評価を行なった。
この評価において、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、20重量部を超えた量で有機化層状珪酸塩(B)が配合されている比較例3の組成物は、シートの柔軟性の評価においてシートが割れたため、カレンダー成形を含め、他の評価は行なわなかった。
評価結果を表4に示す。なお、表4に示した評価結果は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
この比較例から、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、20重量部を超えた量で有機化層状珪酸塩(B)が配合されている場合は、シートが脆くなることが分かる。
【0092】
<比較例4>
配合剤を表4に示した重量部で配合した組成物を、実施例と同様の方法で有機化層状珪酸塩(B)の分散性の評価、金属からの剥離性の評価、およびロール加工性の評価をそれぞれ行なった。
この評価において、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、10重量部を超えた量で炭素数18以上の脂肪酸(C)が配合されている比較例3の組成物は、冷えると白濁したことから、成形体中での有機化層状珪酸塩の分散状態の評価は行なわなかった。ロール加工性の評価において、ロール表面で溶融樹脂が滑り、シート化できず、バンクも紡錘形にならなかった。そのため、シートの表面状態・シートの柔軟性の評価は行なわなかった。また、カレンダー成形を含め、他の評価も行なわなかった。
評価結果を表4に示す。なお、表4に示した評価結果は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
この比較例から、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、10重量部を超えた量で炭素数18以上の脂肪酸(C)が配合されている場合は、透明性に劣るシートしか得られないばかりか、滑性過多となりロール加工自体が不可能であることが分かる。
【0093】
<比較例5、6>
配合剤を表4に示した重量部で配合した組成物を、実施例と同様の方法で有機化層状珪酸塩(B)の分散性の評価および金属からの剥離性の評価を行なった。
その結果、これらの組成物は、溶融体を金属から剥離することができず、また冷えると白濁したことから、成形体中での有機化層状珪酸塩の分散状態の評価ならびに、カレンダー成形を含め、他の評価は行なわなかった。
評価結果を表4に示す。なお、表4に示した評価結果は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
これらの評価結果から、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、5重量部を超えた量で脂肪酸金属塩(D)もしくは有機リン酸エステル類(E)が配合されている場合は、透明性に劣るシートしか得られないばかりか、溶融体を金属から剥離することができないことが分かる。
【0094】
<比較例7〜10>
配合剤を表4に示した重量部で配合した組成物を、実施例と同様の方法で有機化層状珪酸塩の分散性の評価および金属からの剥離性の評価を行なった。
その結果、これらの組成物は溶融体および成形体中に有機化層状珪酸塩の粒が多数見られ、プレス成形で得たシートも不透明なものとなったため、カレンダー成形を含め、他の評価は行なわなかった。
評価結果を表4に示す。なお、表4に示した評価結果は、実施例と同様の方法および基準で評価したものである。
これらの評価結果から、比較例7、8のように炭素数18以上の脂肪酸(C)を含まない場合、並びに、比較例9のようにポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する有機化層状珪酸塩中の珪酸塩の重量部(b’)とポリエステル系樹脂(A)樹脂100重量部に対して配合する炭素数18以上の脂肪酸の重量部(c’)の比(c’/b’)が0.1未満である場合には、有機化層状珪酸塩(B)の分散が不十分となり、透明性に劣るシートしか得られないことが分かる。また、比較例10のように有機化されていない層状珪酸塩を用いた場合にも、層状珪酸塩の分散が不十分であり、透明性に劣るシートしか得られない。
【0095】
<比較例11、12>
配合剤を表4に示した重量部で配合し、東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(R−60)を用い180℃で10分間溶融混練したが、ポリエステル系樹脂(F−1)が溶融しなかった。そのため、混練温度を270℃にして10分間混練した後、混練直後の溶融体を観察して、溶融状態での有機化層状珪酸塩の分散状態を評価した結果、溶融体中に有機化層状珪酸塩の粒が多数見られた。また、組成物の溶融体を金属から剥離することもできなかった。
なお、ポリエステル系樹脂F−1を含む組成物の溶融体は、冷えると白濁したことから、成形体中での有機化層状珪酸塩の分散状態の評価は実施しなかった。また、カレンダー成形を含め、他の評価も実施しなかった。
評価結果を表4に示す。表4に示した評価結果は、実施例と同様の基準で行なったものである。
これらの比較例から、DSCで測定した場合に結晶融解ピークが200℃を超え、結晶融解熱量が50J/gを超えた結晶性ポリエステル系樹脂を用いた場合には、有機化層状珪酸塩の分散が不十分となり、また溶融体を金属から剥離することもできないことが分かる。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【発明の効果】
表3および表4に示した評価結果から明らかなように、本発明に係るカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物は、金属からの剥離性、バンクの回転性、シートの引き取り性、カレンダー成形時の装置の駆動に要する電力が低減できるなど、カレンダー成形を行う上での適正に優れ、透明な成形体が得られ、また、カレンダー成形により得られたシートやフィルムは表面状態が良好で、収縮が小さく、機械物性、ガスバリア性、濡れ性に優れたものとなる。
Claims (7)
- DSC(Differential Scanning Calorimeter)で測定した場合に結晶融解ピークが見られないか若しくは結晶融解ピークが200℃以下であり且つ結晶融解熱量が50J/g以下である非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、有機化層状珪酸塩(B)0.5〜20重量部と、炭素数が18以上である脂肪酸(C)0.1〜10重量部および、脂肪酸の金属塩(D)0.01〜5重量部を配合してなることを特徴とするカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物。
- 請求項1に記載の非結晶性若しくは低結晶性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、有機化層状珪酸塩(B)0.5〜20重量部と、炭素数が18以上である脂肪酸(C)0.1〜10重量部、および有機リン酸エステル類(E)0.01〜5重量部を配合してなることを特徴とするカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物。
- 前記ポリエステル系樹脂(A)が、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であるジカルボン酸成分とエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれた1種または2種以上の混合物が少なくとも80モル%以上であるグリコール成分の繰り返し単位からなるポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物。
- 前記有機化層状珪酸塩(B)が、層間に有機オニウムイオンを挿入されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物。
- 請求項1に記載のポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合される有機化層状珪酸塩中の珪酸塩の重量部(b’)と、同ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して配合する炭素数18以上の脂肪酸の重量部(c’)の比(c’/b’)が0.1以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカレンダー成形用ポリエステル系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いてカレンダー成形法により成形されたフィルムまたはシート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカレンダー成形用熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いてカレンダー成形法により成形された厚さが0.2mm以下のフィルムまたはシートであって、成形体のガラス転移温度より10℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が10%未満であり、成形体のガラス転移温度より20℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が15%未満であり、成形体のガラス転移温度より40℃高い温度で60分間熱処理したときの成形体の収縮率が20%未満であることを特徴とするフィルムまたはシート。
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