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JP2005097664A - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び薄膜形成方法 Download PDF

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JP2005097664A JP2003331887A JP2003331887A JP2005097664A JP 2005097664 A JP2005097664 A JP 2005097664A JP 2003331887 A JP2003331887 A JP 2003331887A JP 2003331887 A JP2003331887 A JP 2003331887A JP 2005097664 A JP2005097664 A JP 2005097664A
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gas
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JP2003331887A
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Yoshiro Toda
義朗 戸田
Kikuo Maeda
菊男 前田
Koji Fukazawa
孝二 深沢
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】均一性に優れた薄膜を基材上に形成する。
【解決手段】 本発明に係る薄膜形成装置は、互いに対向配置された第1電極10及び第2電極21から構成される放電空間Aに、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部24から供給し、放電空間Aに高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材2を前記活性化したガスに晒して基材2上に薄膜を形成するものである。薄膜形成装置は、第2電極21が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルム27を第2電極21の放電面に密着させて搬送するフィルム用搬送機構30を備えており、クリーニングフィルム27が放電空間Aを通過する前の幅をW1、クリーニングフィルム27が放電空間Aを通過した後の幅をW2とした場合に、フィルム用搬送機構30が−2≦(W1−W2)/W1×100≦2を満たす条件下でクリーニングフィルム27を搬送する。
【選択図】図3

Description

本発明はプラズマ放電処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置及び薄膜形成方法に関する。
従来、LSI、半導体、表示デバイス、磁気記録デバイス、光電変換デバイス、太陽電池、ジョセフソンデバイス、光熱変換デバイス等の各種製品には、基材上に高性能性の薄膜を設けた材料が用いられている。薄膜を基材上に形成する手法には、塗布に代表される湿式製膜方法や、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、熱CVD、真空プラズマ等の真空を用いた乾式製膜方法、あるいは大気圧プラズマ放電処理を利用した大気圧プラズマ製膜方法等が挙げられるが、近年では、高い生産性を維持しつつ高品質な薄膜を形成できる大気圧プラズマ製膜方法の使用が特に望まれている。
大気圧プラズマ製膜方法では、互いに対向配置された電極間に基材を配置させた状態で、薄膜形成ガスを供給し、両電極に電界を印加して放電プラズマを発生させ、基材を放電プラズマに晒すことで基材上に薄膜を形成するようになっている。ここで、放電プラズマの発生により、電極の放電面が汚染されてしまうと基材上に薄膜を均一に形成できなくなってしまう。この汚れを防止できかつ効率的な薄膜形成を可能とした薄膜形成装置として、例えば、特許文献1に記載される薄膜形成装置が挙げられる。
この薄膜形成装置には、互いに対向する2つの電極(対向電極)と、対向電極にパルス化された電界を印加する高電圧パルス電源と、クリーニングフィルムを対向電極の一方の電極の放電面に密着させた状態で搬送するフィルム用搬送機構と、対向電極間に薄膜形成ガスを供給する薄膜形成ガス供給部とが備わっている。この薄膜形成装置は、対向電極間に薄膜形成ガスを供給してから、パルス化された電界を印加することにより放電プラズマを発生させて、対向電極間に配置した基材に薄膜を形成するようになっているが、放電プラズマが発生しているときには、対向電極の一方の電極の放電面が常にクリーニングフィルムにより覆われているので、当該放電面が汚れるのを防止することができ、これにより効率的な薄膜形成を実現するようになっている。
特開2000−212753号公報
しかしながら、クリーニングフィルムに皺が発生すると、対向電極間に形成された放電空間での放電プラズマ現象にムラが生じたり放電空間中の薄膜形成ガスの分布にムラが生じたりして、均一性に優れた(膜厚が一定の)薄膜を基材上に形成することができず、その薄膜の本来の機能を十分に発揮させることができない。
本発明の目的は、均一性に優れた薄膜を基材上に形成することができる薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送するフィルム用搬送機構を備え、
前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、前記フィルム用搬送機構が下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを搬送することを特徴としている。
−2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
請求項2に記載の発明は、
大気圧又はその近傍の圧力下で、互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送するフィルム用搬送機構を備え、
前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、前記フィルム用搬送機構が下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを搬送することを特徴としている。
−2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の薄膜形成装置において、
前記第1電極に電力を供給する第1電源と、
前記第2電極に電力を供給する第2電源と、
を備え、
前記第1電源及び前記第2電源が電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、
互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送することを特徴としている。
−2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
請求項5に記載の発明は、
大気圧又はその近傍の圧力下で、互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送することを特徴としている。
−2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
請求項6に記載の発明は、
請求項4又は5に記載の薄膜形成方法において、
前記第1電極及び前記第2電極への電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させることを特徴としている。
請求項1、2に記載の発明によれば、フィルム用搬送機構が上記式(A)を満たす条件下でクリーニングフィルムを搬送するため、放電空間での放電現象にムラが生じたり放電空間中の薄膜形成ガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を基材上に形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1電源及び第2電源が電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させるため、クリーニングフィルムの幅が急激に変動するのを抑えられ、クリーニングフィルムに皺が発生するのを防止することができる。したがって放電空間での放電現象にムラが生じたり放電空間中の薄膜形成ガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を確実に基材上に形成することができる。
請求項4、5に記載の発明によれば、上記式(A)を満たす条件下でクリーニングフィルムを搬送するため、放電空間での放電現象にムラが生じたり放電空間中の薄膜形成ガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を基材上に形成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、第1電極及び第2電極への電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させるため、クリーニングフィルムの幅が急激に変動するのを抑えられ、クリーニングフィルムに皺が発生するのを防止することができる。したがって放電空間での放電現象にムラが生じたり放電空間中の薄膜形成ガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を確実に基材上に形成することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態ついて説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は薄膜形成装置1の概略構成を示す側面図である。
薄膜形成装置1は、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で、放電プラズマを発生させることによってガスを活性化し、その活性化したガスに基材2を晒して、基材2上に薄膜を形成する装置である。薄膜形成装置1には、図1に示すように、シート状の基材2をその周面に密着させて搬送する第1電極10が回転自在に設けられている。
図2は第1電極10を表す斜視図である。
第1電極10は、導電性の金属質母材11の表面に誘電体12が被覆されたロール状電極である。第1電極10の内部には、表面温度を調節するため、水やシリコンオイル等の温度調節用の媒体が循環できるようになっており、この循環部分には、図1に示すように、配管3を介して温度調節装置4が接続されている。第1電極10には第1フィルタ13を介して第1電源14が接続されている。第1電極10の周縁には、基材2を第1電極10の周面に密着させて搬送するために基材用搬送機構15と、基材2上に薄膜を形成するための複数の薄膜形成ユニット20が設けられている。
基材用搬送機構15は、基材2を第1電極10の周面に案内する第1ガイドローラ16及び第1ニップローラ17と、第1電極10の周面に密着した基材2を剥がして、次行程まで案内する第2ガイドローラ18と、第1ガイドローラ16、第2ガイドローラ18及び第1電極10を連動するように回転させる駆動源51(図6参照)などから構成されている。
図3は薄膜形成ユニット20の側面図であり、図4は薄膜形成ユニット20の正面図である。
薄膜形成ユニット20には、第1電極10よりも幅広の一対の小電極(第2電極)21が、第1電極10の周面に対向した状態で間隔aを空けて配置されている。一対の小電極21のうち、一方の小電極21が第1小電極21Aであり、他方の小電極21が第2小電極21Bである。そして、上記した間隔aが放電空間Aであり、放電空間Aを成す第1電極10及び小電極21の対向する面をそれぞれ放電面10a、21aとする。一対の小電極21の間(第1小電極21Aと第2小電極21Bとのあいだ)には隙間bがあけられている。
図5は小電極21を示す斜視図である。
小電極21は、導電性の金属質母材211の表面を誘電体212で被覆した棒状電極である。小電極21は内部が中空となっており、この中空部分213には配管5を介して温度調節装置6が接続されている。中空部分213に温度調節用の媒体を流すことにより、電極表面の温度調節ができるようになっている。また、小電極21の角部(連結角部)215は円弧状に形成されている。つまり、小電極21の四面(図5中、小電極21の手前側の面と奥側の面を除く面)は角部215を介して連続している。各薄膜形成ユニット20の小電極21には、図1に示すように、第2フィルタ22を介して第2電源23が接続されている。
薄膜形成ユニット20には、図3に示すように、一対の小電極21の隙間bに向けてガスを噴出するガス供給部24が、前記隙間bに対向するように配置されている。これにより隙間bは、放電空間Aにガスを供給する流路Bとなる。ガス供給部24には、内部にガス流路が形成されたノズル本体部25と、ノズル本体部25から流路Bに向けて突出し、ガス流路に連通してガスを噴出するガス噴出部26とが設けられている。
また、薄膜形成ユニット20には、小電極21の汚れを防止するクリーニングフィルム27を、小電極21に密着させながら、連続的若しくは間欠的に搬送するフィルム用搬送機構30が各小電極21に応じて設けられている。このフィルム用搬送機構30には、ガス供給部24の近傍で、クリーニングフィルム27を案内する第1フィルム用ガイドローラ31が設けられている。この第1フィルム用ガイドローラ31の上流側には、図示しないクリーニングフィルム27の巻き出しローラ若しくはクリーニングフィルム27の元巻が設けられている。
また、ガス供給部24に対して、第1フィルム用ガイドローラ31よりも遠方には、第2フィルム用ガイドローラ32を介してクリーニングフィルム27を巻き取る巻取部40(図6参照)が設けられている。第1フィルム用ガイドローラ31、第2フィルム用ガイドローラ32及びクリーニングフィルム27の全幅は、図4に示すように、第1電極10の全幅よりも長く設定されている。
具体的には、クリーニングフィルム27の全幅長は、両端が第1電極10の両端から1〜100mmではみ出すように設定されていることが好ましい。これにより、クリーニングフィルム27が放電空間Aよりも大きくなる。つまり小電極21は、クリーニングフィルム27に覆われることにより、放電プラズマに晒されなくなり、小電極21に対する汚れを防止できる。また、クリーニングフィルム27のエッジが放電空間A内に侵入しないために、放電集中によるアーク放電を防止できる。
フィルム用搬送機構30によってクリーニングフィルム27は、巻出ローラから引き出された後、第1フィルム用ガイドローラ31に案内されて、ガス供給部24のノズル本体部25の周縁に接触した後に、小電極21の流路Bを形成する表面21bに密着してから、角部215を介して放電面21aに密着し、第2フィルム用ガイドローラ32に案内されて、巻取部で巻き取られるようになっている。この際、角部215が円弧状に形成されているので、クリーニングフィルム27が前記放電面21a以外の表面21bから放電面21aまで移動する際に引っかかることを防止でき、スムーズに搬送させることができる。
なお、本実施形態では、小電極21の放電面21aが平面であるが、この放電面21aを、第1電極10の放電面10aに向かって凸となる曲面に形成してもよい。こうした場合、小電極21の放電面21aとクリーニングフィルム27との密着性をさらに高めることができる。さらに、本実施の形態では、流路Bを形成する小電極21の表面においても平面であるが、この表面を流路Bの中央に向けて凸となる曲面に形成してもよい。これにより、クリーニングフィルム27を流路B内でも小電極21に密着させながらスムーズに搬送させることができ、クリーニングフィルム27の皺やツレの発生を抑制することができる。
そして、上記のように、クリーニングフィルム27とノズル本体部25とが接触しているので、ガス供給部24から流路Bまでの空間は、クリーニングフィルム27によって仕切られ、ガスが流路B外に流れることを防止できる。
薄膜形成装置1には、図6に示すように、各駆動部を制御する制御装置50が設けられている。制御装置50には、駆動源51、記憶部52、第1電源14、第2電源23、ガス供給部24、温度調節装置4,6、第2フィルム用ガイドローラ32、元巻部40などが電気的に接続されている。なお、制御装置50には、これら以外にも薄膜形成装置1の各駆動部などが接続されている。そして、制御装置50は、記憶部52中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種機器を制御するようになっている。
次に放電空間Aに供給される「ガス」について説明する。
放電空間Aに供給されるガスは、少なくとも放電ガス及び薄膜形成ガスを含有している。放電ガス及び薄膜形成ガスは、混合した状態で噴出しても、個別に噴出してもよい。なお、これら以外にも添加ガスを加えてもよい。いずれの場合においても、放電ガスの量は、放電空間Aに供給する全ガス量に対して、90〜99.99体積%であることが好ましい。
「放電ガス」とは、薄膜形成可能なグロー放電を起こすことのできるガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素ガス、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本実施形態では、比較的安価な窒素を用いている。この場合、放電ガスの50〜100体積%が窒素であることが好ましく、さらに窒素に混合させるガスとして希ガスを使用し、放電ガスの50%未満を含有させることが好ましい。
「薄膜形成ガス」としては、例えば、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等が挙げられる。
有機金属化合物としては、以下の一般式(I)で示すものが好ましい。
R1xMR2yR3z … (I)
式(I)中、Mは金属、R1はアルキル基、R2はアルコキシ基、R3はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、いずれも0または正の整数である。R1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。R2のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等が挙げられる。またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。R3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等が挙げられ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等が挙げられ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等が挙げられ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。これらの基の炭素原子数は、上記例有機金属化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本実施形態において取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも1つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてR2のアルコキシ基を少なくとも1つを含有する有機金属化合物、またR3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する有機金属化合物が好ましい。
薄膜形成性ガスに使用する有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物の金属として、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が挙げられる。
添加ガスを混合する場合においては、添加ガスとして、例えば、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア等が挙げられるが、酸素、一酸素化炭素及び水素が好ましく、これらから選択される成分を混合させるのが好ましい。その含有量はガス全量に対して0.01〜5体積%含有させることが好ましく、それによって反応促進され、かつ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
次に「基材2」について説明する。
基材2としては、板状、シート状またはフィルム状の平面形状のもの、あるいはレンズその他成形物等の立体形状のもの等の薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。基材2が静置状態でも移送状態でもプラズマ状態の混合ガスに晒され、均一の薄膜が形成されるものであれば基材2の形態または材質には制限ない。材質的には、例えばガラス、樹脂、陶器、金属、非金属等様々のものを使用できる。具体的には、ガラスとしては、例えばガラス板やレンズ等、樹脂としては、例えば樹脂レンズ、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂板等が挙げられる。
樹脂フィルムは本発明に係る薄膜形成装置1の電極間または電極の近傍を連続的に移送させて透明導電膜を形成することができるので、スパッタリングのような真空系のようなバッチ式でない、大量生産に向き、連続的な生産性の高い生産方式として好適である。
樹脂からなる基材2の材質としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等が挙げられる。
また、本実施形態に用いられる基材2は、厚さが10〜1000μm、より好ましくは40〜200μmのフィルム状のものが使用されている。
次に「クリーニングフィルム27」について説明する。
クリーニングフィルム27は、例えば樹脂フィルム、紙、布、不織布等から形成されている。樹脂としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等が挙げられる。そして、さらに好ましくは、安価で生産性に優れるポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)及びPETを主体とする樹脂フィルムである。また本実施形態に用いられるクリーニングフィルム27は、厚みが10〜1000μm、より好ましくは20〜100μmのフィルム状のものが使用されている。また、また材質に求められる性質としては、大気圧プラズマ処理を行っている最中は非常に高温となるために、耐熱性すなわち熱的寸法安定性に優れたものがよい。さらに熱的寸法安定性を向上させるためにアニール処理等を施したものがより好ましい。
次に第1電極10及び小電極21を形成する「金属質母材11、211」及び「誘電体12、212」について説明する。
金属質母材11、211と誘電体12、212と組み合わせとしては、両者の間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材11、211と誘電体12、212との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、例えば、(1)金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜、(2)金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング、(3)金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜、(4)金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング、(5)金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜、(6)金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング、(7)金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜、(8)金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング、等が挙げられる。線熱膨張係数の差という観点では、上記(1)または(2)および(5)〜(8)が好ましく、特に(1)が好ましい。
そして、金属質母材11、211は、チタンまたはチタン合金が特に有用である。金属質母材11、211をチタンまたはチタン合金とし、誘電体12、212を上記組み合わせに応じる素材とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが可能となる。
本実施形態に有用な電極の金属質母材11、211は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本実施形態において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本実施形態に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、例えばTIA、TIB、TIC、TID等が挙げられ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているものであり、チタンの含有量は99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量は98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、例えば、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材11、211としてチタン合金またはチタン金属の上に施された誘電体12、212との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
一方、誘電体12、212の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、例えば、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等が挙げられる。この中では、セラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体12、212が好ましい。
または、大電力に耐えうる仕様の一つとして、誘電体12、212の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。また、大電力に耐えうる別の好ましい仕様としては、誘電体12、212の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
次に、薄膜形成装置1の動作と薄膜形成装置1で薄膜を形成する方法とについて説明する。
先ず、薄膜形成の開始に伴って、制御装置50は、各ガス供給部24からガスを噴出させて、放電空間Aにガスを供給させる。この際、ガス供給部24から噴出されたガスは、クリーニングフィルム27により仕切られた空間を介して、一対の小電極21により形成された流路Bを通過し、放電空間Aにまで至る。流路Bを形成する小電極21の表面21bには、常にクリーニングフィルム27が密着しているので、その表面21bが流路B内を通過するガスにより汚染されない。
そして、放電空間Aにガスが供給されると、制御装置50は、駆動源51を制御して、第1ガイドローラ16、第2ガイドローラ18及び第1電極10を回転させて、基材2を第1電極10の周面に密着させて搬送させるとともに、第2フィルム用ガイドローラ32を制御して、クリーニングフィルム27を小電極21に表面に密着させて搬送させる。
基材2が搬送されると、制御装置50は、第1電源14及び第2電源23をONにする。これにより、第1電極10からは、第1電源14からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1高周波電界が印加される。一方、小電極21からは第2電源23からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2高周波電界が印加される。ここで、周波数ω1より周波数ω2の方が高く設定されている。
第1高周波電界及び第2高周波電界が印加されることで第1電極10と各小電極21とのあいだで放電現象が起こるが、放電が始まる電界強度を放電開始電界強度IVと定義すると、電界強度V1、V2及び放電開始電界強度IVの関係は、V1≧IV>V2又はV1>IV≧V2を満たすように設定されている。また電流I1、I2の関係はI1<I2となることが好ましい。
ここで薄膜形成装置1では、第1電源14及び第2電源23がそれぞれ制御装置50に制御された状態で第1電極10及び各小電極21に電力を供給するが、第1電源14及び第2電源23がともに電力供給開始時の供給電力量(単位面積当たりの供給電力量)を段階的に増大させながら第1電極10及び各小電極21に電力を供給するようになっている。
なお、第1電源14だけが電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させながら第1電極10に電力を供給してもよいし、第2電源23だけが電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させながら各小電極21に電力を供給してもよい。
第1電極10による第1高周波電界及び小電極21による第2高周波電界が発生されると、放電空間Aには、第1高周波電解と第2高周波電界とが重畳された高周波電界が発生して、ガスと反応し放電プラズマが発生する。放電プラズマが発生するプラズマ空間Hは、図3及び図4に示すように、第1電極10の放電面10a及び小電極21の放電面21aからはみ出してしまうものの、基材2及びクリーニングフィルム27は、第1電極10及び小電極21の放電面10a、21aに密着する前に、第1電極10及び小電極21の放電面10a、21aに連続する放電面10a、21a以外の表面に密着されるために、前記放電面10a、21a以外の表面によって支えられた状態でプラズマ空間Hに進入する。これにより、基材2及びクリーニングフィルム27が熱影響を受けたとしても均されるため、皺やツレが発生することを防止できる。
さらに、第1電極10及び小電極21は、それぞれ温度調節装置4,6によってその表面温度が制御されているために、基材2及びクリーニングフィルム27がプラズマ空間Hに進入する以前に、放電面10a、21a以外の表面によって予め加熱されることとなる。このため、プラズマ空間Hに基材2及びクリーニングフィルム27が進入したとしても急激かつ過剰に熱影響を受けることを防止でき、放電プラズマの熱による収縮を抑えることができる。したがって、基材2及びクリーニングフィルム27に皺やツレが発生することを、さらに防止することができる。特に、小電極21においては、クリーニングフィルム27がプラズマ空間Hに進入する以前に接触する、放電面21a以外の表面が所定の面積を確保しているので、放電面21aに至るまでに、連続的にクリーニングフィルム27を加熱することができ、小電極21においても急減に加熱されることはなく、皺やツレの発生をさらに抑制することができる。なお、連続的に加熱しなくても段階的に加熱してもよい。
そして、基材2が放電空間Aを通過することで、基材2上には薄膜が形成される。
ここで薄膜形成装置1では、放電空間Aに通過する直前のクリーニングフィルム27の幅をW1、放電空間Aを通過した直後のクリーニングフィルム27の幅をW2とすると、各フィルム用搬送機構30が下記式(A)の関係を満たす条件下でクリーニングフィルム27を搬送するようになっている。
−2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
ここでいう「クリーニングフィルム27の幅」とはクリーニングフィルム27の搬送方向と直交する方向におけるクリーニングフィルム27の長さのことである。
なお、プラズマ放電処理中の基材2の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成が変化する場合もあるので、薄膜形成中においても、温度調節装置4によって温度制御された媒体を第1電極10内に循環させて、第1電極10の表面温度を制御し、基材2の温度を適宜調節することが好ましい。
そして、薄膜が形成された基材2はガイドローラ18を介して次行程まで搬送され、以後、薄膜形成装置1は上記の各動作を繰り返しおこなって基材2に順次薄膜を形成する。
以上の薄膜形成装置1では、各フィルム用搬送機構30が上記式(A)を満たす条件下でクリーニングフィルム27を搬送するため、放電空間Aでの放電現象にムラが生じたり放電空間A中のガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を基材2上に形成することができる。
さらに薄膜形成装置1では、第1電源14及び第2電源23がともに電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させながら第1電極10及び各小電極21に電力を供給するため、第1電源14及び第2電源23に電力を供給した直後にクリーニングフィルム27の幅が急激に変動するのを抑えられ、クリーニングフィルム27に皺が発生するのを防止することができる。したがって放電空間Aでの放電現象にムラが生じたり放電空間A中のガスの分布にムラが生じたりせず、均一性に優れた薄膜を確実に基材2上に形成することができる。
本実施例では、上記実施形態で説明した薄膜形成装置1と同様の薄膜形成装置を用いてフィルム状の基材上にクリアハードコート膜・TiO2製薄膜をこの順に形成(製膜)し、基材及びクリーニングフィルムを評価した。基材・クリーニングフィルムの選択から基材・クリーニングフィルムの評価までの具体的な手順は下記(1−1)〜(1−5)の通りである。
(1−1)基材の選択
基材としてコニカミノルタ製セルロースアセテートフィルムを用いた。
(1−2)クリーニングフィルムの選択
クリーニングフィルムとして下記表1に記載の5種を用いた。
Figure 2005097664
(1−3)クリアハードコート膜の形成
下記組成のクリアハードコート膜用塗布液(紫外線硬化型樹脂液)を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過・調製し、マイクログラビアコータを用いて濾過・調製後の塗布液を基材上に塗布した。その後、塗布液が塗布済みの基材を90℃で乾燥させ、乾燥後の基材に150mJ/cm2の紫外線を照射して基材上の塗布液を硬化させ、基材上に膜厚5μmのクリアハードコート膜を形成した。
<クリアハードコート膜用塗布液の組成>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む。)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
酢酸エチル 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
(1−4)TiO2製薄膜の形成
上記実施形態で説明した薄膜形成装置1と同様の6台の薄膜形成装置を直線状に並べ、1台目の薄膜形成装置から6台目の薄膜形成装置まで順に基材を搬送した。プラズマ放電中は、第1電極及び各小電極(第2電極)が80℃となるように調節・保温し、第1電極はドライブで回転させた。6台すべての薄膜形成装置において、第1電源には80kHzを使用し、第2電源には13.56kHzを使用した。高周波電源については、第1電源の電界強度V1と、第2電源の電界強度V2と、各放電空間における放電開始電界強度IVとが、V1>IV>V2の関係を満たすように電界を調整した。第1フィルタ及び第2フィルタとして、各印加電極からの電流が逆流しないようなものを設置した。対向電極間(放電空間)の圧力は103kPaとし、下記組成のガスで各放電空間を満たし、クリアハードコート膜付き基材のクリアハードコート膜上に80〜100nmのTiO2製薄膜をプラズマ放電処理により形成した。
<ガスの組成>
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素ガス 0.5体積%
なお、プラズマ放電は下記表2の4種の放電条件下でおこなった。そして下記表3に示す放電条件,クリーニングフィルムの種類,クリーニングフィルムの搬送速度の10種の条件下でTiO2製薄膜を形成した。
Figure 2005097664
Figure 2005097664
(1−5)基材・クリーニングフィルムの評価
クリアハードコート膜・TiO2製薄膜の各膜を製膜した基材を目視で観察して基材にスジ・ムラがあるか否かを判断した。目視での判断が困難な場合には、J.A.Woollam社製エリプソメータ(M−44)を用いてTiO2製薄膜の膜厚及び屈折率を測定し、凹凸が認められたときにスジ・ムラがあると判断した。クリーニングフィルムも基材と同様にしてクリーニングフィルムを目視で観察し、クリーニングフィルム上の汚れ(膜)にスジ・ムラが確認できるか否かを判断した。
基材・クリーニングフィルムにスジ・ムラがあるか否かの判断に加えて、放電空間を通過する前後のクリーニングフィルムの幅を測定し、プラズマ放電に伴うクリーニングフィルムの幅の変動(X)を下記式(II)にしたがって算出した。
X=(W1−W2)/W1×100(%) … (II)
上記式(II)中、「W1」は放電空間を通過する直前のクリーニングフィルムの幅であり、「W2」は放電空間を通過した直後のクリーニングフィルムの幅である。
上記表3の各条件1〜10における基材・クリーニングフィルムのスジ・ムラの有無とクリーニングフィルムの幅の変動との結果(総合結果を含む。)を下記表4に示す。ただし、表4中、クリーニングフィルムの幅の変動(X)は下記にしたがう◎,△,×でそれぞれ示し、総合結果は下記にしたがう◎,△,×でそれぞれ示した。
<クリーニングフィルムの幅の変動>
◎:−2≦X≦2
△:−3≦X≦−1,1≦X≦3
×:X<−2,2<X
<総合結果>
◎:基材にもクリーニングフィルムにもスジ・ムラはなく、極めて均一なTiO2製薄膜を形成できた
△:基材にはスジ・ムラはないが、クリーニングフィルムにスジ・ムラがある
×:基材にもクリーニングフィルムにもスジ・ムラがある
Figure 2005097664
表4の結果から、クリーニングフィルムの幅の変動に応じてTiO2製薄膜の均一性が変化し、クリーニングフィルムの幅の変動を±2%以内におさえると、基材上に均一なTiO2製薄膜を形成できることがわかった。またクリーニングフィルムの幅の変動を±2%以内におさえるには、放電条件,クリーニングフィルムの種類,クリーニングフィルムの搬送速度の適宜の設定で達成できることがわかった。
薄膜形成装置1の概略構成を示す側面図である。 第1電極の斜視図である。 薄膜形成ユニットの側面図である。 薄膜形成ユニットの正面図である。 小電極を示す斜視図である。 薄膜形成装置の回路構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 薄膜形成装置
10 第1電極
21 小電極(第2電極)
24 ガス供給部
27 クリーニングフィルム
30 フィルム用搬送機構
A 放電空間

Claims (6)

  1. 互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送するフィルム用搬送機構を備え、
    前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、前記フィルム用搬送機構が下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを搬送することを特徴とする薄膜形成装置。
    −2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
  2. 大気圧又はその近傍の圧力下で、互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送するフィルム用搬送機構を備え、
    前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、前記フィルム用搬送機構が下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを搬送することを特徴とする薄膜形成装置。
    −2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜形成装置において、
    前記第1電極に電力を供給する第1電源と、
    前記第2電極に電力を供給する第2電源と、
    を備え、
    前記第1電源及び前記第2電源が電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させることを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
    前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送することを特徴とする薄膜形成方法。
    −2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
  5. 大気圧又はその近傍の圧力下で、互いの放電面が対向された第1電極及び第2電極から構成される放電空間に、薄膜形成ガスを含有するガスをガス供給部から供給し、前記放電空間に高周波電界を発生させることで前記ガスを活性化し、基材を前記活性化したガスに晒して前記基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
    前記第2電極が前記活性化したガスに晒されることを防止するクリーニングフィルムが前記放電空間を通過する前の幅をW1、前記クリーニングフィルムが前記放電空間を通過した後の幅をW2とした場合に、下記式(A)を満たす条件下で前記クリーニングフィルムを前記第2電極の放電面に密着させて搬送することを特徴とする薄膜形成方法。
    −2≦(W1−W2)/W1×100≦2 … (A)
  6. 請求項4又は5に記載の薄膜形成方法において、
    前記第1電極及び前記第2電極への電力供給開始時の供給電力量を段階的に増大させることを特徴とする薄膜形成方法。
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