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JP2005082654A - フッ素ゴム成形体の非粘着化方法、フッ素ゴム成形体及びシール材 - Google Patents

フッ素ゴム成形体の非粘着化方法、フッ素ゴム成形体及びシール材 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体製造装置や真空装置等に多用されるフッ素ゴム成形体の非粘着化を、他の特性を損なうことなく、より効果的に行う。
【解決手段】 フッ素ゴム成形体に、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを含む、圧力1000Pa以下のガスの非平衡プラズマを照射してフッ素ゴム成形体を非粘着化する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素ゴム成形体の非粘着化方法、それによって非粘着化されたフッ素ゴム成形体及び前記フッ素ゴム成形体からなる半導体製造装置用、ウエハー搬送容器用及び真空容器用の各シール材に関する。
ゴム材料は各種機器のシール材料として必須である。特に、半導体製造装置や真空装置には、フッ素ゴム製のシール材が多用されている。しかし、ゴム材料はシールすべき相手金属面にしばしば粘着し、メンテナンス時等に不具合を来す。特に半導体製造装置や真空装置では、シール材が真空や高温に暴露される機会が多い故、この問題が顕著となる。交換時にシール材が剥がせないほど強く粘着し、無理に剥がした結果、ゴム粉がこすれ落ちて、後々装置に悪影響を及ぼすことさえある。ゴム材料の粘着は、特に開閉の多い部位においては、装置の正常動作を阻害する等の致命的な問題をもたらす。そのため、有効な非粘着化技術が、特にシール材料において求められている。
ゴム材料の非粘着化法として、1)ゴム中へのオイルの配合、2)表面処理剤による処理(例えば、特許文献1等参照)、3)ゴム材料の表面近傍に架橋剤を含浸させて加熱し、表面近傍の架橋密度を高める処理法(例えば、特許文献2参照)、4)シリコーンゴムのブレンド(例えば、特許文献3参照)、5)樹脂等によるゴム材料表面の被覆(例えば、特許文献4参照)、6)ゴム中へのフッ素樹脂粉末等の充填(例えば、特許文献5参照)等が知られている。
しかしながら、1)の方法ではオイル滲出による汚染、材料自体の強度低下と言った問題を生じる。2)の方法においても、表面処理剤の脱離による非粘着性の低下、シール面や流体の汚染等の問題が無視できない。3)の方法によればある程度非粘着化出来るが、煩雑な処理操作を必要とする。また、後記する実施例(比較例)にも示すように、その効果は必ずしも満足し得るものではない。4)の方法にも、非粘着性が不十分、フッ素ゴム材料の強度が低下する等の欠点がある。5)の方法には、樹脂層の脱離・剥離、樹脂層の存在によるゴム弾性の低下と言った問題がある。また、6)のような単純充填法では、表面層に現れる樹脂粉末は少なく、十分な非粘着性が発揮されない。この点を解決すべく樹脂粉末充填量を増すと、ゴム材料の弾性及び強度の低下、架橋成形性の悪化と言った問題を生じる。
また、上記の問題を回避しつつ非粘着化するために、ゴム材料に特定種のプラズマを照射することも行われている。例えば、ゴム材料の表面を窒素プラズマで処理する方法(特許文献6参照)、ニトリルゴム表面を酸素プラズマで灰化させる処理法(特許文献7参照)、シリコンゴムをプラズマで処理して非粘着化させる方法(特許文献8参照)等が知られている。
特開平1-301725号公報 特公平5-21931号公報 特開平5-339456号公報 特開平1-141909号公報 特許第3009676号公報 特開昭59-71336号公報 特公平1-57136号公報 特開平4-209633号公報
しかしながら、従来のプラズマ照射による非粘着化方法では、ゴム材料とプラズマの種類によっては非粘着化効果が発現しないことがある。例えば、特公平6-025261号公報や特開平5-202208号公報、特開平5-309787号公報等には、ゴムに酸素やHe等のプラズマを照射すると、接着性がむしろ増すとの記載がある。同じプラズマ処理であっても、ガス種類と被照射物の組み合わせ、照射条件等によって、発現する効果は全く異なる。後記する実施例にも示すように、フッ素ゴムのプラズマ処理においても、照射条件が不適当だと非粘着化効果が発現しない。さらに、プラズマ種の選定を誤ると、表面が非粘着化される一方でシール性が低下する問題を生じる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、半導体製造装置や真空装置等に多用されるフッ素ゴム成形体の非粘着化を、他の特性を損なうことなく、より効果的に行うことを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を重ね、特定のフッ化炭素化合物プラズマをフッ素ゴム成形体に照射する、あるいはフッ素ゴム成形体に特定のフッ化炭素化合物を塗布または含浸させた後にアルゴンまたは酸素プラズマを照射することによって、フッ素ゴム成形体が非粘着化され、しかもそのシール性が低下しないことを見出した。
すなわち本発明は、フッ素ゴム成形体に、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを含む、圧力1000Pa以下のガスの非平衡プラズマを照射することを特徴とするフッ素ゴム成形体の非粘着化方法である。
本発明はまた、フッ素ゴム成形体に、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを塗布するか、含浸させた後、非平衡プラズマを照射することを特徴とするフッ素ゴム成形体の非粘着化方法である。
本発明はさらに、上記非粘着化方法によって得られるフッ素ゴム成形体、並びに前記フッ素ゴム成形体からなる半導体製造装置用、ウエハー搬送容器用及び真空容器用の各シール材を包含する。
本発明に従う処理法によれば、フッ素ゴム成形体を、シール性等の物性を損なうことなく非粘着化することが出来る。従来の処理法ではこれら物性の両立が困難であったことに鑑み、本発明の効果は顕著である。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明において、特定のフッ化炭素化合物の使用及び非平衡プラズマの使用の二点が重要な要件である。
プラズマは電子、イオン、ラジカル、励起分子等の独立した集まりで、粒子間の平均衝突時間の何倍もの間、集合状態を保持しているものであるが、これらの中で気体温度と電子温度とが平衡に達しておらず、前者のみが高温となった状態のものを「非平衡プラズマ」または「低温プラズマ」と呼ぶ(例えば、長田義仁編著、産業図書発行、低温プラズマ材料化学参照)。この非平衡プラズマは、平衡プラズマと異なり、気体温度が低温であるためフッ素ゴム成形体の内部組織が変化して物性低下を来すおそれが少ない。
非平衡プラズマは、所望の気体中での直流放電または低周波、高周波、マイクロ波の照射等により、グロー放電、コロナ放電、アーク放電もしくは暗放電等の形で容易に得ることが出来る。中でも低真空状態でのグロー放電は、均一なプラズマを発生し得るため、多用されている。特に、13.56MHzのラジオ波等の高周波を用いた装置が一般的であり、本発明でも容量結合型、誘導結合型のいずれの方式の高周波プラズマをも使用することが出来る。勿論、種々の市販のプラズマ発生装置を使用することも可能である。しかしながら本発明においては、フッ素ゴムのエッチングを抑制する目的から、例えば1〜500kHz、特に10〜100kHzの低周波電源を用いるのが好ましい。非平衡プラズマは樹脂や繊維の親水化(特開平11-314310等)、接着性付与(特開平6-248098、特開平10-30761等)、炭化水素系ゴムのフッ化処理(特開平6-9803、特開平6-192453等)、半導体デバイス上でのフッ化炭素保護膜形成(特開2002-220668)等に用いられており、当業者であれば適当なプラズマ発生法あるいはプラズマ発生装置を選択することは容易であろう。
本発明の第一の態様においては、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを含むガスを、プラズマガスとして使用する。後記する実施例でも示すように、非フッ化炭素系プラズマ、あるいはフッ素原子数/炭素原子数>2で二重結合を有しないフッ化炭素のプラズマを用いても、フッ素ゴム成形体は非粘着化されない。または、シール性が著しく低下する。一方、本発明に従い、特定のフッ化炭素化合物を含むガスの非平衡プラズマを用いることにより、シール性を殆ど低下させることなくフッ素ゴム成形体を非粘着化させることが出来る。
フッ化オレフィン自体は公知である。本発明において「オレフィン」とは、ジオレフィンのような二重結合を複数有する化合物をも包含する。フッ化オレフィンの具体例として、ヘキサフロロプロピレン(C36)、ヘキサフロロブタジエン(C46)等が挙げられるが、これらに限定されない。これら化合物は、ダイキン工業(株)、昭和電工(株)等から市販されており、本発明でも使用できる。
フッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンもまた、公知である。例としてCH22、C224、C233、C242、パーフロロシクロブタン、CHClF2等が挙げられるが、これらに限定されない。これら化合物は、ダイキン工業(株)、旭硝子(株)等から市販されており、本発明でも使用できる。
本発明においては、上記化合物(以下、「フッ化炭素化合物」と総称する)を単独で、または複数種混合して用いることが出来る。所望により、H2、O2、CF4等のガスと混合して用いても良い。好ましくはヘキサフロロプロピレン、ヘキサフロロブタジエン、CH22、CH3CF3、CH3CHF2、CF3CH2F、CHClF2を使用する。特に、ヘキサフロロブタジエンが好ましい。
これらのガスから、例えば低周波放電によって所望の非平衡プラズマを作ることが出来る。周波数に特に制限はないが、約1〜500kHz、特に約10〜100kHzが好ましい。他の照射条件も特に限定されず、目的とする非粘着特性の度合い、使用するガス種類に応じて任意に設定することが出来る。ここで、放電出力(プラズマパワー)が低過ぎると、非粘着化効果が発現しない場合がある。一方、高出力の非平衡プラズマを長時間照射すると、シール性が低下する場合がある。好ましくは1〜500W、より好ましくは5〜200W、特に好ましくは10〜100W程度のパワーで0.1〜30分間、特に0.5〜10分間照射すれば、シール性を殆ど低下させずに非粘着化することが出来る。
上記プラズマ照射時のガス圧は、1000Pa以下とする。照射時の圧力がこれ以上だと、非粘着化効果が発現し難くなる、あるいは照射毎にフッ素ゴム成形体の物性に大きなばらつきが発生するおそれがある。プラズマ照射時のガス圧は、好ましくは0.01〜500Pa、より好ましくは0.1〜100Paである。
本発明の第二の態様においては、初めにフッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを、フッ素ゴム成形体に塗布するか、あるいは含浸させる。このフッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンとして、先に挙げたフッ化炭素化合物のいずれをも使用し得る。それら以外にも、より高沸点の化合物、例えばオクタフロロシクロペンテン(C58)、パーフロロブチルエチレン(C49CH=CH2) 、パーフロロヘキシルエチレン(C613CH=CH2)等を用いることも可能である。これらフッ化炭素化合物は、単独でまたは複数種混合して、あるいは溶剤で希釈してフッ素ゴム成形体に塗布または含浸される。塗布方法や含浸方法に特に制限はなく、種々の慣用の方法を用いることが出来る。例えば、はけ塗り、スプレーコーティング、ディッピング(浸漬)等が挙げられるが、これらに限定されない。
しかしながら、好ましくはディッピングを採用する。また、処理後のフッ素成形体の清浄度を高める観点から、溶剤による希釈は出来るだけ避けるべきである。特に好ましくは、上記のフッ化炭素化合物の中でも沸点が常温以下のものに、フッ素ゴム成形体を直接浸漬する。浸漬条件に特に制限はないが、低沸点のフッ化炭素化合物を用いる場合には、圧力容器を使用するのが好ましい。浸漬温度や時間は、フッ素ゴム成形体とフッ化炭素化合物の種類に応じて任意に設定することが出来る。但し、汎用フッ素ゴムは上記フッ化炭素化合物への浸漬によって強度低下を来す場合がある故、常温で1分〜24時間程度浸漬するのが好ましい。
本発明の第二の態様においては、こうしてフッ化炭素化合物を塗布または含浸したフッ素ゴム成形体に非平衡プラズマを照射する。ここで使用するプラズマガス種に特に制限はないが、好ましくは酸素、アルゴン、窒素、水、CF4等を使用する。特に、アルゴンプラズマが好ましい。照射条件に特に制限はなく、用いたフッ化炭素化合物の種類に応じて任意に設定することが出来る。但し、プラズマの出力が低過ぎると非粘着化効果が発現しない場合があり、高過ぎるとシール性が低下する場合がある。1〜200W、特に10〜100Wの非平衡プラズマを0.1〜30分間、特に0.5〜5分間照射すれば、シール性を殆ど低下させずに非粘着化することが出来る。第一の態様と異なり、照射時のガス圧に特に制限はないが、好ましくは1000Pa以下、より好ましくは0.01〜500Pa、特に好ましくは0.1〜100Paとする。
本発明は特定の理論に限定されるものではないが、本発明が効果を奏する理由として、プラズマ重合による表面フッ化被膜の形成が考えられる。フッ化炭素化合物がプラズマ雰囲気下で重合し、フッ素ゴム成形体表面に高フッ化ポリマー皮膜が形成されて非粘着化が発現しているのであろう。また、本発明で使用するフッ化炭素化合物は、CF4等のプラズマに比べて重合性が高く、しかもエッチング作用が小さいため、フッ素ゴム成形体のシール性を低下することがないのであろう。尚、本発明の第一の態様では狭義のプラズマ重合が、第二の態様ではプラズマ開始重合が進行していると推定される。
本発明の非粘着化方法は、種々の公知のフッ素ゴム成形体全てに適用することが出来る。原料フッ素ゴムの例として、ヘキサフロロプロピレン/フッ化ビニリデン二元共重合体、テトラフロロエチレン/ヘキサフロロプロピレン/フッ化ビニリデン三元共重合体、テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体、テトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体及びそれらに二重結合を付したポリマー、パーフロロアルコキシ基を有するポリマー、フロロシリコーンゴム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらフッ素ゴムはまた、ポリオール、ポリアミン、過酸化物、γ線等、どのような方法で架橋成形されたものであっても良い。
尚、本発明の効果をより確実なものとする上で、本発明の非粘着処理前にフッ素ゴム成形体を洗浄しておくことが好ましい。洗浄方法は任意である。例えばフッ素ゴム成形体をエタノール、プロパノール、水等の溶媒に浸漬する方法、さらに攪拌洗浄または超音波洗浄する方法、前記溶媒等をフッ素ゴム成形体の表面に流すまたは吹き付ける方法、フッ素ゴム成形体を払拭する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。一般的用途ではエタノール、プロパノールによる超音波洗浄を、特別な清浄度を要求される用途では超純水洗浄を行うのが適当であろう。
本発明の非粘着化処理は、シール性の低下を殆ど伴わず、しかもゴム成形体を汚染しない。そのため、半導体製造装置、あるいは食品、医療用に好適なゴム材料が得られる。本発明はまた、上記フッ素ゴム成形体からなる半導体製造装置用シール材、ウエハー搬送容器用シール材及び真空容器用のシール材をも包含する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜4]
(サンプル作製)
フローレルFC-2145(住友3M(株)製のフッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン共重合体)100重量部に、酸化マグネシウム5重量部、MT-CB(CANCARB社製のカーボンブラック)30重量部、キュラティブ20(デュポン・ダウ・エラストマー社製のポリオール架橋促進剤、主成分:トリフェニルベンジルホスホニウム塩)2重量部、及びキュラティブ30(デュポン・ダウ・エラストマー社製のポリオール架橋剤、主成分:ビスフェノールAF)4重量部を、二軸ロールにて練り込んだ。このものを200℃の金型内に配し、200℃のプレスで15分間、200kgf/cm2にて加圧してP-26 Oリングへと架橋成形した。さらに、オーブン中で、200℃×20時間の二次架橋を行った後、エタノール中で15分間超音波洗浄した。
得られたOリングに、発振周波数40kHzの非平衡プラズマを表1に示す条件で照射した。プラズマ照射装置としては、Tetra30-LF(Deiner Electronic製)を使用し、電極間隔を200mmとした。照射後のOリングをエタノール中で3分間超音波洗浄し、乾燥した後、下記の評価を行った(実施例1〜9、比較例1〜4)。また、比較のために、得られたOリングに非平衡プラズマを照射することなく(対照例)、下記の評価を行った。
(粘着性評価)
粘着性を評価すべく、Oリング3体を用い、JIS K6854に準じる引張剥離試験を行った。即ち、図1に示すように、60mm×45mm×2.5mm厚のアルミ板を断面L字状に折り曲げてなる一対の治具10a,10bでOリング1を挟み、更に治具10a,10bの平面部分全体をSUS板(図示せず)で挟んで30%圧縮し、圧縮状態を維持してオーブン中で200℃に22時間保持した。解圧、放冷後、矢印の方向に100mm/分で引張り、剥離に要した荷重を測定してその中央値を接着力とした。
(シール性評価)
また、シール性を評価すべく、JIS Z2331に準じるHeリーク試験を行った。即ち、図2に示すように、リーク試験装置100のハウジング110のホルダー120にOリング1を収容し、内部を1.6〜1.8Paに減圧した後、Heボンベ130からHeガスを送って1.0kgf/cm2のHe圧を付した。Oリング1は、Heディテクター140(LEYBOLD社製UL-200)の測定部140aに外嵌されており、この測定部140aに流入するHeガス量を計測した。そして、120分後にほぼ安定した値をHeリーク量として採用した。
プラズマ照射条件及び評価結果を、表1に示す。
Figure 2005082654
表1に示すように、本発明に従い、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを用いて非平衡プラズマ照射した実施例のOリングは、何れもシール性が低下することなく、粘着力が低減している。一方、他のプラズマで処理した比較例のOリングは、非粘着化効果が殆ど発現しないか、あるいはHeリーク量が著しく増大している。
[実施例10]
実施例1〜9と同様にして作製したOリング7体を圧力容器中に入れ、そこにヘキサフロロブタジエン60gを注入した。16時間放置後、解圧してOリングを取り出し、5分後に100WのArプラズマを30±5Paの圧力下で照射した。照射時間は、片面3分、1分間放置後、裏返して再度3分とした。処理後のOリングをエタノール中で3分間超音波洗浄した後、同様にして粘着力評価及び密封性評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例11]
ヘキサフロロブタジエンの代わりにCF3CH2Fを用いた以外は、実施例10と同じ操作を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005082654
表2に示すように、本発明に従い、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを含浸させた後、非平衡プラズマを照射することにより、シール性の低下をそれほど伴わずに非粘着化が発現していることが明らかである。
実施例において粘着性評価に用いた試験装置の概念図である。 実施例において密封性評価に用いたリーク試験装置の概念図である。
符号の説明
1 Oリング
10a,10b 治具
100 リーク試験装置
110 ハウジング
120 ホルダー
130 Heボンベ
140 Heディテクター

Claims (7)

  1. フッ素ゴム成形体に、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを含む、圧力1000Pa以下のガスの非平衡プラズマを照射することを特徴とするフッ素ゴム成形体の非粘着化方法。
  2. フッ素ゴム成形体に、フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンを塗布するか、含浸させた後、非平衡プラズマを照射することを特徴とするフッ素ゴム成形体の非粘着化方法。
  3. フッ化オレフィンまたはフッ素原子数/炭素原子数の比が2以下のフッ化アルカンがヘキサフロロブタジエン、CH22、CH3CF3、CH3CHF2、CF3CH2F及びCHClF2から選択される一以上の化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のゴム成形体の非粘着化方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の非粘着化方法によって処理されたことを特徴とするフッ素ゴム成形体。
  5. 請求項4記載のフッ素ゴム成形体からなることを特徴とする半導体製造装置用シール材。
  6. 請求項4記載のフッ素ゴム成形体からなることを特徴とするウエハー搬送容器用シール材。
  7. 請求項4記載のフッ素ゴム成形体からなることを特徴とする真空容器用シール材。
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