JP2005068326A - ナノクリスタル蛍光体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】 コア結晶部2とシェル部3から成るナノクリスタル蛍光体1は、界面活性剤の集合体を利用して作製する。各ナノクリスタル蛍光体の表面にSiO2 からなるシェル層を覆う際に、成長促進剤として塩基性水溶液を用いて量子閉じ込め効果を有するZnS:Mn2+/SiO2 ナノクリスタル蛍光体を合成し、作製後、逆ミセル間の凝集をできるだけ抑制するために凝集防止剤を加える。
【選択図】 図1
Description
一方、ナノクリスタル蛍光体は、低電圧で照射された電子ビームでも前記蛍光体を励起し発光させることができる。このような条件を満たす蛍光体として、上述したようなナノ構造結晶を有するII−VI族半導体を挙げることができる。
また、共沈を利用した液相反応で得られたナノサイズのナノクリスタル蛍光体粒子ZnS:Tbの周囲にガラス成分でコーテングした蛍光体が特許文献2の特開2000−265166号公報に開示されている。特許文献2に開示される前記ガラス成分は、テトラキシシランをエタノール、イオン交換水、塩酸中で重合して得られたゲル状の(−SiO−)n膜である。
しかし、当該技術で構成される表面をガラス成分で覆ったナノクリスタル蛍光体は、通常のナノクリスタル蛍光体と同様に凝集してしまい、ナノクリスタル蛍光体本来の特性を得ることは困難である。
この方法では、蛍光を発する有機蛍光体が結合した抗体(これを特異的結合物質と呼ぶ)が用いられる。抗原−抗体反応は非常に選択性が高いため、蛍光強度分布から抗原の位置を知ることができる。
電子顕微鏡による観察では、検体の電子線反射率あるいは透過率の差を利用して像を観察する。このため、電子顕微鏡で抗体を観察する場合、現時点では原子量の大きい鉄やオスミウムを含む分子、または1〜100nm程度の大きさの金コロイドが抗体の標識として用いられている。例えば、金コロイドを標識として用いる場合、抗体にプロテインAと金コロイドとの複合体を結合させる。この抗体は、抗原−抗体反応により対応する抗原に結合するので、検体上の金コロイドの位置を測定することにより、抗原の局在部位を明らかにすることができる。さらに、複数種の抗体に大きさの異なる2種類以上の金コロイドを結合させれば、複数の抗原を同時に観察することも可能である。しかしながらこの方法では、測定時にコロイドが重なる可能性もあり、コロイド数を測定するだけでは定量的な判定が困難であるという欠点を有している。
(2)励起光と蛍光のストークシフトが短いので、干渉して識別し難い。また、各色の蛍光色素に対する励起用光源が必要である。
(3)核酸や抗体、タンパク質とのコンジュゲーションの方法がその色素に応じて異なる。
また、従来のナノ蛍光体の問題点は、コアにカドミウム及びセレンを使用していることにある。
〈実施例1〉
(工程1)逆ミセル溶液(RMS)の調製
溶媒のヘプタン( 関東化学,分子量100.20,puritymin. 99.0%) 350mlに界面活性剤のビス[ 2−エチルヘキシル] スルホコハクナトリウム( 和光純薬,分子量240.18,assaymin. 75%,以後AOTと略) 37.3gを加えてマグネチックスターラーで15分間攪拌した。その後,超純水( 関東化学,分子量18.02,puritymin. 99.7%) 11.92gを加えてさらにマグネチックスターラーで5分間攪拌した。そして,この溶液をホモジナイザーによって3000rpmで10分間攪拌した。これを逆ミセル溶液とした。このとき得られた溶液の体積は395mlであった。
この逆ミセル溶液により界面活性剤の集合体によって水滴(ウォータープール)が形成され、界面活性剤に取り囲まれた水滴内で以下の反応場が形成された。
超純水10mlにMn( CH3 COO)2・4H2 O( 添川理化学,分子量245.088,assay99%) 0.2453gを加えて,マグネチックスターラーで攪拌して溶解させて、0.1mol/l Mn( CH3 COO)2水溶液とした。
超純水5mLにZn( CH3 COO)2・ 2H2 O( 小宗化学薬品,分子量219.51,含量99%) 1.105gを加えて,マグネチックスターラーで攪拌して溶解させて、1mol/l Zn( CH3 COO)2水溶液とした。
工程1で調製した逆ミセル溶液80mlに、工程2で調製した1mol/l Zn( CH3 COO)2水溶液545μlと、0.1mol/l Mn( CH3 COO)2水溶液50μLをマグネチックスターラーで撹拌しながら加えた。
工程1で調整したRMS(逆ミセル溶液)30mLに、アニオンNa2 S・ 9H2 O(和光純薬,分子量240.18,assay98.0−102.0%) 550μmol(0.1321g)を、マグネチックスターラーで撹拌しながら加えた。
Na2 S・ 9H2 Oは逆ミセル溶液(30mL)中に溶解させ易くするため,メノウ乳鉢で摩砕したものを溶液に加えた。
それぞれの溶液をマグネチックスターラーで撹拌してから90分後、カチオン逆ミセル溶液の方を、アニオン逆ミセル溶液の方に攪拌しながら注入し、10分間攪拌した。この撹拌混合以後の操作では、生成される粒子の光溶解・光酸化を防止するために容器の周りをアルミ箔で覆い光を遮断してもよい。
カチオンのモル比Mn/( Mn+Zn) は5/550( =0.909%) であり、カチオンに対するアニオンのモル比S/( Mn+Zn) =1とした。
工程6で得られた、ZnS:Mn2+コロイド溶液20mLに、NH3 水(大成化学, Assay28% )100μLを適量加え、5分間マグネティックスターラーで撹拌した。その後、TEOS:ヘプタン=1:1(重量比)のTEOS溶液1000μLを適量ゆっくりと滴下し、さらに5分間撹拌してNH3水:TEOS溶液=1:10(体積比)とした。
最後に、ラウリルリン酸(ホステンHLP, 日光ケミカルズ)を400μmol(0.107g)加えた。
これにより、逆ミセル間の凝集が抑制できた。
ZnS:Mn2+/SiO2 コロイド溶液にエタノール(信和アルコール産業、分子量46.07、純度99%以上)を加え、試料を白濁させた。この試料を、遠心分離機で13000rpm、20分間分離させ、50℃の送風乾燥機で乾燥させて、ZnS:Mn2+/SiO2 粉末を得た。
(1) 粒子の大きさ・形態:
図5にZnS:Mn2+ナノクリスタル蛍光体1にSiO2 を被覆する前のTEM写真を示す。粒子サイズが3nmであることが解る。図6にSiO2 を被覆した後のTEM写真を示す。SiO2 の被覆により、被覆前から比べて約20nm大きくなる様子が解る。さらに、図6の粒子1個を拡大して観察した写真を図7に示している。結晶のコア部にはZnS:Mn2+の格子像が観察されている。
図8に示すように、コロイド溶液の状態で、ZnS:Mn2+ナノクリスタルにSiO2 を被覆すると、フォトルミネッセンス(PL)強度が倍増する。
さらに、コロイド溶液から回収した粉末試料のPL(フォトルミネッセンス)スペクトルを図9に示す。ナノクリスタルにSiO2 を被覆したZnS:Mn2+/SiO2 ナノ蛍光体粉末のPL強度は、ミクロンサイズのバルク蛍光体粉末のPL強度の、約2倍であった。
また、図10に示すように、ZnS:Mn2+/SiO2 ナノ蛍光体粉末の励起スペクトルは、バルク蛍光体粉末の励起スペクトルよりも、短波長側へ30nmもシフトしている。このような発光強度増大や励起波長のブルーシフトは、SiO2 の被覆による量子閉じ込め効果の発現に起因する。これは、ナノクリスタル蛍光体1に特有な現象である。
また、試料を粉体にしても、SiO2 を主成分とするガラス材料(シリカ材料:シェル層を形成する材料)により、蛍光体同士の接触を防ぎ、量子閉じ込め効果を示す。
さらに、蛍光体粒子を上記ガラス材料で被覆することにより、光溶解による劣化を抑制することができる。
〈実施例2〉
実施例1で得られたナノ蛍光体粒子を水に懸濁し、これにプロテインAを混合した後、遠心沈降を行ない、プロテインA−無機蛍光体の複合体を生成した。次にプロテインA−無機蛍光体複合体を抗体に結合させて蛍光体標識抗体を作製した。この蛍光標識抗体と抗原を有する検体との抗原ー抗体反応を行なった後、カソードルミネッセンス像を観測することができた。また、繰り返し観測しても、有機蛍光体を用いた場合のように発光出力が低下することはなかった。
〈実施例3〉
ZnS:Mn2+/SiO2 コロイド溶液20mlに、NH3 水(大成化学, Assay28% )を適量加え、5分間マグネチックスターラーで撹拌した。その後、メルカプトシラン(Mercaptopropyltrimethoxysilane,no.175617,Sigma−Aldrich):ヘプタン=1:1(重量比)の溶液を適量をゆっくりと滴下し、さらに5分間攪拌してNH3 水:メルカプトシラン溶液=1:10(体積比)とした。最後に、逆ミセル間の凝集をできるだけ抑制するために、ラウリルリン酸(ホステンHLP, 日光ケミカルズ)を400imol(0.107g)加えた。反応を促進するために溶液を60℃に加熱した。
またトリヒドロキシシリルプロピル メチルフォスフォネート モノソジウム ソルトの代わりに、ポリエチレングリコール(PEG)ーシランやPEG−シランとアンモニウムシランの1:1混合物を使用することもできる。
ナノクリスタル蛍光体1の表面に均一なアミンシェルを形成するためには、チオール残基とヨードエチルトリフルオロアセトアミンを反応させてアミンにすることもできる。同様にカルボキシル基だけにしたい場合はマレイミドプロピオニック酸とチオールを反応させる。
(1)蛍光寿命が非常に長い。有機蛍光化合物の数ナノ秒の蛍光寿命に対して,ユウロ ピウムやテルビウムの錯体は数百マイクロ秒以上の蛍光寿命を持つ。
(2)ストークスシフトが非常に大きい。ほとんどの場合,これらの錯体は紫外光を吸 収して励起され、ユウロピウムで約615nm、テルビウムで約545nmであ る。
(3)蛍光発光ピークの半値幅が約10〜20nmであり、非常にシャープである。
2…コア結晶部
3…シェル部
4…親水基
5…新油基
Claims (8)
- 硫化亜鉛系ナノクリスタル蛍光体からなるコア結晶部と、該コア結晶部毎にガラス状態を形成する物質にて表面を被覆するように形成されたシェル部からなるナノクリスタル蛍光体であって、
前記シェル部外側が逆ミセル分子の親水部により取り囲まれたことを特徴とするナノクリスタル蛍光体。 - 硫化亜鉛系蛍光体からなるコア結晶部と、該コア結晶部毎にガラス状態を形成する物質で表面を被覆して形成されたシェル部からなるナノクリスタル蛍光体であって、
前記シェル部の外側が逆ミセル分子の親水部により取り囲まれた状態で親油性溶媒中に分散していることを特徴とするナノクリスタル蛍光体。 - 前記シェル部がSiO2 を主成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナノクリスタル蛍光体。
- ZnS:Mn、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Cu,Alの中から任意に選択された蛍光体粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のナノクリスタル蛍光体。
- 硫化亜鉛系ナノクリスタル蛍光体からなるコア部と、
該コア結晶部毎にガラス状態を形成する物質により表面を被覆するように形成されたシェル部との2層構造を有したナノクリスタル蛍光体であって、
前記コア部の硫化亜鉛系蛍光体が逆ミセル分子の親水部により封じ込められた逆ミセル内の水溶液中で合成し、該水溶液を塩基性にした後、該逆ミセルで覆れた塩基性水溶液中で前記硫化亜鉛ナノクリスタル蛍光体周囲にガラス状態シェル部を形成することを特徴とするナノクリスタル蛍光体の製造方法。 - 請求項5のナノクリスタル蛍光体の製造方法において、ナノクリスタル蛍光体の製造後に、該ナノクリスタル蛍光体の凝集防止剤を加える工程を有することを特徴とするナノクリスタル蛍光体の製造方法。
- 前記ナノクリスタル蛍光体はZnS:Mn、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Cu,Alの中から任意に選択された蛍光体粒子であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のナノクリスタル蛍光体の製造方法。
- 有機溶媒に界面活性剤を混合した逆ミセル溶液を作製する工程と、
該逆ミセル溶液を亜鉛水溶液とマンガン水溶液とを混合したものに添加してカチオン逆ミセル溶液を作製する工程と、
硫化ナトリウムに前記逆ミセル溶液を添加してアニオン逆ミセル溶液を作製する工程と、
前記カチオン逆ミセル溶液を前記アニオン逆ミセル溶液に注入して混合液を作製する工程と、
該混合液にNH3 水を加え、テトラエトキシシラン溶液又は水ガラスを適量加えて攪拌し、ZnS:Mn2+/SiO2 コロイド溶液を作製する工程と、
該ZnS:Mn2+/SiO2 コロイド溶液を遠心分離機で分離して、SiO2 コートしたZnS:Mn2 + ナノクリスタル蛍光体を取り出す工程と、
を有することを特徴とするナノクリスタル蛍光体の製造方法。
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