JP2005068214A - ステッカー用粘着フィルムおよびステッカー - Google Patents
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Abstract
【課題】基材破壊や糊残りを抑制し、しかもカールしにくいステッカー用粘着フィルムおよびステッカーを提供する。
【解決手段】2枚のベース基材1a,1bを隠蔽層2aを介して積層してなる印刷用基材7の一面に粘着剤層5が積層され、粘着剤層5の印刷用基材7と反対側の面が剥離紙6により保護されたステッカー用粘着フィルム8であって、2枚のベース基材1a,1bのいずれもが、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有し、更に、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、層間強度が8N/25mm以上であり、印刷用基材7は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚のベース基材1a,1b同士のラミネート強度が5N/25mm以上であるステッカー用粘着フィルム8。
【選択図】 図1
【解決手段】2枚のベース基材1a,1bを隠蔽層2aを介して積層してなる印刷用基材7の一面に粘着剤層5が積層され、粘着剤層5の印刷用基材7と反対側の面が剥離紙6により保護されたステッカー用粘着フィルム8であって、2枚のベース基材1a,1bのいずれもが、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有し、更に、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、層間強度が8N/25mm以上であり、印刷用基材7は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚のベース基材1a,1b同士のラミネート強度が5N/25mm以上であるステッカー用粘着フィルム8。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両などにおける車内広告などの各種用途に用いられるステッカー用粘着フィルムおよびステッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両などの車内広告用のステッカーの基材としては、耐水性、遮光性等の観点からプラスチック素材からなる合成紙やプラスチックフィルムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この種の用途では、基材の隠蔽性が乏しいと、印刷の見栄えが悪くなるおそれがある。特に、窓に貼付する場合には、基材の両面が視覚に入るので、両面ともに着色や図案等が印刷されるが、基材を光が透過すると、反対面の印刷が透けて見えてしまうことがある。このため、基材の不透明度を100%とすることが好ましい。このような基材としては、例えば、特許文献2に記載された複合合成紙が知られている。この複合合成紙は、合成紙と織布の間に、黒色ベタ印刷による隠蔽層を設けることにより、100%の不透明度を確保したものである。同様に、ポリプロピレン等からなる合成紙2枚の間に隠蔽層を設け、接着により積層してなる基材にポリ塩化ビニルフィルムをドライラミネートして貼り合わせ、さらに粘着剤を塗布した構成のものも使用されている。また、かつては、白色ポリ塩化ビニル製の2枚のフィルムの間に隠蔽層としてアルミ箔をラミネートした基材も使用されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−123327号公報
【特許文献2】
特開平07−227941号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、合成紙は、プラスチックフィルムに無機物等の微細粉末を添加して延伸する等の方法により、内部に微細な空孔を多数形成し、白色度および不透明度を高めている。しかし、基材に合成紙を用いた場合、基材の層間強度が比較的弱いため、ステッカーを剥離したときに、基材が層間で破壊したり、糊残りが生じて被着体等を汚染したりすることがある。
合成紙の強度を補うため、図2に示すように、2枚の合成紙101a,101b(例えばユポコーポレーション社製のユポ(登録商標))の間に隠蔽層103aと接着剤層102aを設けた基材107と、片面に着色層102bが設けられたプラスチックフィルム104(例えばPETフィルム)とを、接着剤層103bを介して貼着することにより粘着フィルム109の基材108を構成し、補強フィルム104により、基材107の補強を図る提案がある。
なお、この場合、粘着フィルム109は、基材108の補強フィルム104側の表面に、順次、粘着剤層105と剥離紙106を積層することにより、製造することができる。
上記のようにして得られる粘着フィルム109では、剥離時の引張り荷重を、主に補強フィルム104によって支持することができるので、基材破壊や糊残りについては改善できる。しかしながら、補強フィルム104と合成紙101a、101bの線膨張係数の違いによるカールの発生や、合成紙101a、101bの隠蔽層や接着層に残留する溶剤の影響により徐々に収縮することによるカールの発生が避けられず、補強フィルム104とのバランスが悪いため、さらなる改善が望まれている。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、基材破壊や糊残りを抑制し、しかもカールしにくいステッカー用粘着フィルムおよびステッカーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、2枚のベース基材を隠蔽層を介して積層してなる印刷用基材の一面に、粘着剤層が積層され、該粘着剤層の前記印刷用基材と反対側の面が剥離紙により保護されたステッカー用粘着フィルムであって、2枚の前記ベース基材のいずれもが、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有し、更に、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、層間強度が8N/25mm以上であり、
前記印刷用基材は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚の前記ベース基材同士のラミネート強度が5N/25mm以上であることを特徴とするステッカー用粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、上述のステッカー用粘着フィルムの前記印刷用基材の前記粘着剤層と反対側の表面に印刷層が設けられていることを特徴とするステッカーを提供する。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても、同様の表現を用いることがある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のステッカー用粘着フィルム(以下、単に「粘着フィルム」という場合がある)の一実施の形態例を示す断面図である。
同図に示すように、この粘着フィルム8の基材(印刷用基材7)は、2枚のベース基材1a、1bを隠蔽層2aと接着剤層3aを介して貼着、積層したものである。また、粘着フィルム8は、印刷用基材7の一面に、必要に応じて着色層2bを設けてから粘着剤層5を積層し、さらに粘着剤層5の前記印刷用基材7と反対側の面を剥離紙6で保護することにより、構成されている。
【0008】
ベース基材1a、1bは、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、セロハンテープによる基材層間強度試験による層間強度が8N/25mm以上、好ましくは10N/25mm以上であって、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有するプラスチックフィルムまたは合成紙であること以外特に限定されるものではない。本発明で使用するベース基材としては、単一の材質からなる一層型の基材であっても良く、また、異種の材質からなる複数の層が積層された多層型の基材であっても良い。なお、ベース基材の層間強度とは、ベース基材が一層型である場合は、層内部における破壊強度を意味し、ベース基材が多層型である場合は、ベース基材を構成する特定の層内部の破壊強度、及び複数の層同士が剥離することにより生じる基材の破壊、つまり層間の剥離強度を共に意味する。
ベース基材の材質としては、一般に工業的にフィルム化できる材質のものであれば良く、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。重量や隠蔽性、価格的な観点から二軸延伸したものや、二軸延伸により内部に多数の空孔を形成したものが好ましい。具体的には、東レ株式会社製のポリエステルフィルム(商品名:ルミラーE−20#38)、チッソ株式会社製のポリプロピレン系合成紙(商品名:カルレTNR70)、東洋紡績株式会社製のポリエステル系合成紙(商品名:クリスパーK2411#50)、などがある。前記の如く、本発明で使用するベース基材の材質としては、特に限定されるものではないが、環境保護、安全性の観点からポリ塩化ビニルを含まない構成のものが望ましい。
ベース基材1a、1bは、インキ密着性を付与するため、必要に応じて、片面または両面に、易接着処理剤(コーティング剤)の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、粗面化処理、火炎処理、プライマー塗布などの表面処理を施すことができる。また、ベース基材の厚みは20〜100μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。中でも、25〜90μmであることが特に好ましい。
2枚の前記ベース基材は、同じ材質の基材を用いることが好ましい。この場合、それぞれのベース基材に作用する応力が、互いに同程度となるので、基材のカールを抑制することができる。
【0009】
隠蔽層2aは、図1に示す形態例では、ベース基材1a上に、オフセット印刷方式またはグラビア印刷方式等により、厚さ1〜5μmの黒色ベタ印刷を行うことにより形成されており、印刷用基材7は、ベース基材1aの隠蔽層2a側を内側にして、他方のベース基材1bと接着剤層3aを介して貼着することにより、構成されている。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、印刷用基材7の層構成は、ベース基材/接着剤層/隠蔽層/ベース基材(粘着剤層側)のように、粘着剤層側のベース基材に隠蔽層を印刷してもよいし、ベース基材/隠蔽層/接着剤層/隠蔽層/ベース基材のように、両方のベース基材に隠蔽層を印刷してもよい。
また、隠蔽層2aを、接着性を有するインキの印刷によって形成する場合は、ベース基材/隠蔽層/ベース基材というように、2枚のベース基材を、接着性のある隠蔽層によって直接貼着した構成も可能である。接着性を有するインキは、特に限定はないが、例えば、接着剤中に、カーボンブラック等の黒色顔料や酸化チタンなどの白色顔料、銅粉、鉄粉、アルミニウム粉末等の金属粉末や鉱雲母片等の鉱物粉末等を添加したものなどを用いることができる。
また、隠蔽層2aは、金属の蒸着やスパッタリングによって形成された金属薄膜あるいは箔であってもよい。金属薄膜または箔に用いられる金属としては、特に限定されるものではなくクロム、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属から適宜選択できるが、重量や経済性の観点からアルミニウムが特に好ましい。
2枚のベース基材1a、1bの貼着に用いられる接着剤3aは、特に限定されることなく、ドライラミネート接着剤、ヒートシール接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤を適用でき、特に好ましい接着剤としては、ドライラミネート接着剤が挙げられる。なお、2枚のベース基材同士のラミネート強度は5N/25mm以上であり、好ましくは8N/25mm以上、更に好ましくは10N/25mm以上であることが好ましい。
【0010】
印刷用基材7は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚の前記ベース基材1a,1b同士のラミネート強度が5N/25mm以上である。
【0011】
本発明において、クロスカット試験は、以下の手順により行われるものである。
室温(23℃、50%RH)において、測定対象となる基材フィルムから、30cm×30cmのサイズの試験片を、幅方向に3枚切り出す。切り出した試験片の対角線の交点を中心に対角線に沿って長さ200mmの切り込みを十字形となるように2本入れ、クロスカットとする。
クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を下向きにして平坦な台の上に置く。このとき各切り込みの先端の角の台からの高さ(カール高さ)を測定し、4角のカール高さの最大値を、逆カール高さとする。逆カール高さは、負の値として記録される。
また、クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を上にして台に置き、先の測定と同様にして測定されたカール高さの最大値を、正カール高さとする。正カール高さは、正の値として記録される。
【0012】
着色層2bは、必要に応じて適宜設けるが、オフセット印刷方式またはグラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等により、印刷用基材7の一面(詳しくは、ベース基材1bの表面)に適宜の色のインキを印刷することにより、形成することができる。着色層2bは、粘着フィルム8の剥離紙6を取り除いたときに、粘着剤層5を透き通して目視されるものである。
さらに粘着剤の印刷用基材への密着性を向上させる目的でアンカーコート剤を塗布しても良い。アンカーコート剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリルアミン系樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられるが環境保護の観点から塩素原子を含まないものが好ましい。具体例としては日本製紙ケミカル株式会社製のアウローレン100S、150S等が挙げられる。
【0013】
本発明において、粘着剤層5を構成する粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの粘着剤を適宜選択して用いることができるが、耐候性などの点から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤が好ましい。
【0014】
また、粘着剤としては、(a)炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(粘着性モノマー(ホモポリマーが低Tgを示すモノマー))、(b)高極性ビニルモノマー(凝集性モノマー)、(c)架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーを必須成分とするアクリル共重合体を粘着剤主剤として、該粘着剤主剤に架橋剤を添加したものが好ましい。上記のようなアクリル共重合体は、再剥離性に適している。
【0015】
粘着性モノマー(a)としては、炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中から選択される少なくとも一種類のモノマーをモノマーの総量に対して50質量%以上使用することが好ましい。
【0016】
高極性ビニルモノマー(b)としては、カルボキシル基含有ビニルモノマー、窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。窒素含有ビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノアクリレート等が挙げられる。その他の凝集性ビニルモノマーとしては、無水マレイン酸、アクリロニトリル、等が挙げられる。
【0017】
架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)において、架橋剤と反応する官能基としては、水酸基やアミノ基、グリシジル基などが挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アミノ基含有モノマーとしては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。さらに、グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレートが挙げられる。特に好適なモノマーは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、その他のモノマーとして、ホモポリマーが高Tgを示すモノマーも必要に応じて使用することができる。そのようなモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル等がある。
【0018】
アクリル共重合体を100質量部とした場合、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の配合量は50質量部以上、高極性ビニルモノマー(b)の配合量は0.1〜8質量部、架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)の配合量は、0.01〜5質量部とされる。
炭素数1から14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)の配合量が50質量部より少ない場合は、粘着剤の初期接着性が著しく低下する。
高極性ビニルモノマー(b)の配合量が0.1質量部未満の場合は、凝集力が低下し、被着体から粘着フィルムを剥離する際に糊残りが生じるおそれがある。また、高極性ビニルモノマー(b)の配合量が8質量部を越えると、低温接着性が損なわれるおそれがある。
架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)の配合量が、0.01質量部未満では、架橋反応性が著しく低下し、アクリル共重合体を十分に架橋することができなくなるおそれがある。上記配合量が5質量部を越える場合は、粘着剤溶液のポットライフが著しく低下し、粘着剤溶液の取扱い性が悪くなる。
【0019】
モノマーを共重合して生成する粘着剤主剤のガラス転移点温度が−70℃〜−20℃になるようにモノマーの配合量を適宜設定することが好ましい。粘着剤主剤の製造方法は種々の公知の方法を用いることができるが、例えば、有機溶剤中でモノマーをラジカル重合させることにより製造することができる。有機溶剤は、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類が挙げられる。使用する重合触媒は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0020】
また、接着力向上のためロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、スチレン樹脂、およびキシレン系樹脂等の粘着付与剤(粘着付与樹脂)を配合することが一般的に行われているが、本発明では粘着フィルムを剥がした際に、粘着剤が被着体に残ったり、汚染物質付着の原因となる恐れがあるので、粘着付与樹脂を使用しないことが好ましい。
【0021】
上記粘着剤主剤には、凝集力向上や基材との投錨性向上のために、架橋剤を添加する。架橋剤には、例えば、イソシアネート系や金属キレート、エポキシ系、およびメラミン系が挙げられる。特に好ましくはイソシアネート系で、さらに好ましくは多官能イソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である。架橋剤の使用量は特に制限されないが、架橋剤の添加量が少ないと架橋が不十分で接着力上昇や再剥離の際の粘着剤残りの原因になる。また、添加量が多いと架橋が過度になり粘着フィルムの浮きの原因になる。したがって、架橋剤の添加量は粘着剤主剤100質量部に対して0.2〜5.0質量部であるのが好ましい。さらに好ましくは0.5〜2.0質量部である。
【0022】
上記粘着剤は、ゲル分率が50%以上、損失正接(tanδ)のピーク温度が−20℃以下、10〜40℃の温度範囲内における損失正接が0.4〜0.8の範囲内であり、被着体に対する粘着力が8〜20N/25mmであることが好ましく、更に、10〜15N/25mmであることがより好ましい。
ゲル分率が50%以上であると、粘着剤に適度な凝集力が得られ高温(40℃)下でも糊残りし難い。
tanδのピーク温度が−20℃以下の場合、低温においても良好な粘着性を保つことができる。
10〜40℃の温度範囲内における損失正接が0.4〜0.8の範囲内であれば、使用温度(10〜40℃)における動的粘弾性特性が最適のものとなり、接着性と再剥離性を兼ね備えたものとなる。
さらに、被着体に対する粘着力が8〜20N/25mm、好ましくは10〜15N/25mmの範囲内であれば、使用時にラベルを支持するには十分な接着性を有し、かつ貼り替え作業時にも剥離作業性を損なわない再剥離性能を兼ね備えたものとなる。
【0023】
粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではないが、上記粘着剤を溶剤、例えば、酢酸エチルやトルエン等の有機溶媒で希釈し固形分20〜60質量%の塗工液を調製し、この塗工液を剥離紙6に塗工し乾燥後に印刷基材と貼り合わせて転写することもでき、また印刷用基材に直接塗工し乾燥後剥離紙を貼り合わせる方法をとることもできる。
粘着剤の塗布量(粘着剤層5の厚み)は、乾燥重量で10〜30g/m2の範囲が好ましい。10g/m2未満では十分な接着力が得られず、30g/m2を超えると印刷加工時に粘着剤のはみ出しが発生する原因となる。
粘着剤の塗工装置は、公知の塗工装置、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。
本発明の粘着フィルム8は、例えば、粘着剤を剥離紙6に塗布し乾燥させてから、印刷用基材7の着色層2b側に貼り合わせる方法などの方法を用いて製造することができる。
【0024】
剥離紙6は、粘着フィルム8の粘着剤層5を保護するため、該粘着剤層5の粘着面を覆って積層されるものであり、ステッカーとして貼着する前に剥がされる。剥離紙6としては、特に限定されるものではなく、公知慣用の市販品を適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、グラシン紙、クレーコート紙、クラフト紙、上質紙などの紙系シートや、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムなどからなる基材の表面に、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などからなる剥離剤を厚さ0.1〜1μm程度に塗布し、前記剥離剤を加熱あるいは電子線や紫外線、放射線の照射などにより硬化させ、剥離剤層を設けることによって得ることができる。
【0025】
粘着フィルム8からステッカーを製造する方法としては、特に限定されるものではないが、粘着フィルム8のベース基材1a側の表面に、所望の図案や文字などを表示する印刷層を印刷により形成する方法が挙げられる。印刷層を形成するための印刷方式としては、特に限定されるものではなく、オフセット印刷方式等の平版印刷法、グラビア印刷方式等の凹版印刷法、フレキソグラフ印刷方式等の凸版印刷法、シルクスクリーン印刷方式等の孔版印刷法などの各種印刷方式を用いることができる。
必要に応じて印刷層の上に適宜の透明保護シートを積層してもよい。この場合、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などからなる透明プラスチックフィルムを、接着剤や粘着剤層を介して印刷層の上に接着もしくはラミネートする。
【0026】
このようにして得られたステッカーは、例えば、鉄道車両等の窓や壁、天井、手すり、出入りや連結部の扉、座席の背面などに貼着して、広告、宣伝や案内表示などの目的に使用することができる。基材がカールしにくいので、きれいに貼付することができる。また、再剥離性が優れているので、例えば、1ヶ月〜半年などの所定期間、貼付したものを剥離除去する際に、糊残りや基材破壊を起こすことなく、きれいに剥離することができる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を示すがこれらに限定されるものではない。
<着色インキC1の調製>
緑色インキ(大日本インキ化学工業製、商品名:ラミエクセル500草)を25質量部、黄色インキ(大日本インキ化学工業製、商品名:XS−771 4004黄)を75質量部、硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:CVLハードナー#10)を4質量部を、適量の希釈剤により希釈混合して、着色インキを調製した。
<隠蔽用インキC2の調製>
(大日精化学工業(株)製ハイラッミック795R墨)を100質量部、硬化剤NTハイラミック ハードナーを3質量部、NTハイラミック ブロッキング防止剤5質量部、ハイラミック希釈剤適量を配合し良く攪拌し隠蔽層用インキを調製した。
【0028】
<ドライラミネート接着剤D1の調製>
接着剤主剤(大日本インキ化学工業製、ディックドライLX−605)90質量部と硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:KW75)10質量部を配合し、酢酸エチル10質量部にて希釈して、よく攪拌することにより、ドライラミネート接着剤D1を調製した。
<ドライラミネート接着剤D2の調製>
接着剤主剤(大日本インキ化学工業製、ディックドライLX−901)90質量部と硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:KW75)10質量部を配合し、酢酸エチル10質量部にて希釈して、よく攪拌することにより、ドライラミネート接着剤D2を調製した。
【0029】
<易接着処理剤の調製>
SFプライマー(大日本インキ化学工業社製、商品名:UG−R)を50質量部、希釈剤(大日本インキ化学工業社製、商品名:ダイレジューサーUR No.20)を30質量部、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、商品名:CVLハードナー No.10)を3質量部、配合して良く攪拌し、易接着処理用のコーティング剤を調製した。
【0030】
<印刷用基材の作製:基材II−1>
(1) 図1におけるベース基材1a,1bとして、ポリプロピレン系合成紙(チッソ株式会社製、商品名:カルレグレードTNR70)を用いた。
ベース基材1aの裏面に、隠蔽用インキC2を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして隠蔽層2aを形成した。
(2) ベース基材1bの一面に、上述のようにして調製された着色インキを用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層2bを形成した。
(3) (1)により得られた隠蔽層2a付きベース基材1aの隠蔽層2a上に、加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D1を塗布し、80℃で1分間乾燥後、(2)により得られた着色層2b付きベース基材1bの未印刷面と貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−1ということにする。
【0031】
<印刷用基材の作製:基材II−2>
ベース基材として、ポリエステル系合成紙(東洋紡績株式会社製、商品名:クリスパーK2411#50)を用いたこと以外は、上記基材II−1の製造方法と同様にして、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−2ということにする。
【0032】
<印刷用基材の作製:基材II−3>
(1) ベース基材1aとして、予め両面をコロナ放電処理した白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)の片側に、10−2Paの減圧下、蒸着法により、厚さ45±5nmのアルミニウム薄膜を形成し、隠蔽層2aとした。
また、前記ベース基材のアルミニウム薄膜と反対側の面に、上記易接着処理剤を、乾燥後の塗布厚みが0.5〜2μmの間に入るように塗布し、80℃で1分間乾燥して易接着処理を施した。
(2) ベース基材1bとして、白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)の一面に、上記易接着処理剤を、乾燥後の塗布厚みが0.5〜2μmの間に入るように塗布し、80℃で1分間乾燥して易接着処理を施した。さらに、ベース基材1bの易接着処理した面に、上記着色インキC1を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層2bを形成した。
(3) 着色層2b付きベース基材1bの未印刷面に、ドライラミネート接着剤D2を塗布して隠蔽層2a付きベース基材1aに貼着することを除き、前記基材II−1の製造の工程(3)と同様の手順により、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−3ということにする。
【0033】
<印刷用基材の作製:基材II−4>
ベース基材として、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名ユポSGS−60)を用いたこと以外は、上記基材II−1の製造方法と同様にして、着色層付き印刷用基材を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−4ということにする。
【0034】
<基材Iの作製>
(1)図2におけるベース基材101a,101bとして、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名:ユポSGS−60)を用いた。
ベース基材101bの表面に隠蔽用インキC2を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして隠蔽層103aを形成した。
(2) ベース基材101aの裏面側に加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D1を塗布し接着層102aを形成し、80℃で1分間乾燥後、隠蔽層103a付きベース基材101bと貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、基材107を製造した。
ここで得られた基材107を、以下、基材Iということにする。
【0035】
<基材IIIの作製>
(1) 図2における補強フィルム104としてのポリエステルフィルム(東洋紡績製、商品名:E−5107、12μm)のコロナ処理面に、上述の着色インキを用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層102bを形成した。
(2) (1)により得られた着色層102b付き補強フィルム104の印刷面上に、加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D2を塗布し、80℃で1分間乾燥後、前記基材Iと貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、基材108を製造した。
ここで得られた基材108を、以下、基材IIIということにする。
【0036】
<アクリル共重合体の調製>
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗、および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、表3の組み合わせに配合したモノマー混合物100質量部と、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル100質量部に溶解し、80℃で8時間重合してアクリル共重合体A〜Dの溶液を得た。
なお、表3で用いたモノマーの略号の意味は、以下のとおりである。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
VA:酢酸ビニル
AA:アクリル酸
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
【0037】
<粘着剤主剤溶液A〜Dの調製>
表3の粘着剤主剤A,B,Cについては、アクリル共重合体100質量部を、トルエンを混合して希釈することにより、それぞれ、固形分45%の粘着剤主剤溶液を得た。
表2の粘着剤主剤Dについては、アクリル共重合体100質量部に、粘着付与樹脂(荒川化学社製のロジンエステル系樹脂A−100)20質量部を添加し、さらにトルエンを混合して希釈することにより、固形分45%の粘着剤主剤溶液を得た。
【0038】
<粘着フィルムの製造>
上記粘着剤主剤A,B,C,Dの溶液に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL−45)を、表4の通りに添加して攪拌後、乾燥後の塗布厚みが25μmになるように剥離処理をした剥離紙(王子製紙(株)社製セパレート110EPS(P)(3)ブルー)に塗工し、80℃で2分乾燥することにより、それぞれ、粘着剤A1,B1,C1,D1からなる粘着剤層を形成した。
さらに、表5に示すように、粘着剤A1,B1,C1,D1を塗布した剥離紙を、上記基材II−1,II−2,II−3,II−4,IIIと貼合わせることにより、粘着フィルムを得た。
【0039】
上記ベース基材および粘着フィルムの評価は、下記の試験により行った。
<ベース基材の層間強度の評価>
ベース基材に、セロハン粘着テープ(ニチバン製、商品名セロテープ(登録商標)(CT405A−15)幅15mm、粘着力約10N/25mm(JIS Z 0237−2000に準拠しSUS板貼り付け後直ちに測定)を長さ100mm程貼付し、良く圧着する。そして、テスター産業(株)社製高速剥離試験機(型式TE−702D型)を用い剥離角度90゜方向に50m/min速度で剥離する。このとき、ベース基材が基材層間破壊をしなければ合格(表1に「◎」にて示す)、基材が層間破壊した時は層間破壊強度が8N/15mm未満の場合は不合格(表1に「×」にて示す)と判定する。試験時の環境はJIS Z 0237−2000に従い、23℃×50%RHで行った。
なお、表1において、ベース基材Aは、ポリプロピレン系合成紙(チッソ株式会社製、商品名:カルレグレードTNR70)を示し、ベース基材Bは、ポリエステル系合成紙(東洋紡績株式会社製、商品名:クリスパーK2411#50)を示し、ベース基材Cは、白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)を示し、ベース基材Dは、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名ユポSGS−60)を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
<クロスカット試験>
測定対象となる基材フィルムから、30cm×30cmのサイズの試験片を、幅方向に3枚切り出す。切り出した試験片の対角線の交点を中心に対角線に沿って長さ200mmの切り込みを十字形となるように2本入れ、クロスカットとする。
クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を下向きにして平坦な台の上に置く。このとき各切り込みの先端の角の台からの高さ(カール高さ)を測定し、4角のカール高さの最大値を、逆カール高さとする。逆カール高さは、負の値として記録した。
また、クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を上にして台に置き、先の測定と同様にして測定されたカール高さの最大値を、正カール高さとする。正カール高さは、正の値として記録した。
【0042】
表2において、基材フィルムのカール高さは、クロスカットを入れた直後と、24時間後の2回測定した。また、カール高さは、以下の基準で評価した。
◎ : ±10mm未満
○ : ±10mm以上20mm未満
× : ±20mm以上30mm未満
×× : ±30mm以上
【0043】
<不透明度測定法>
表2において、基材の不透明度は、JIS P 8138に従って測定した。
【0044】
【表2】
【0045】
<重量平均分子量の測定>
GPC装置(東ソー社製、品番SC−8020)と、高分子量カラム(東ソー社製、品番TSKgelGMHR−H)を用い、テトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレン換算で、アクリル共重合体の重量平均分子量を測定した。
【0046】
アクリル共重合体の組成および重量平均分子量の測定結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
<動的粘弾性の測定>
架橋を添加した粘着剤A1〜D1を、5mm厚みまで重ね合わせて試験片を作製した。粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)に7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃まで貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G’’/G’
【0049】
<ゲル分率の測定>
架橋剤を添加した粘着剤A1〜D1を、乾燥後の厚みが25μmになるように、ポリエステルフィルム(剥離処理したもの)の上に設けて試験片を調製した。試験片を20mm×100mmの大きさに切断し、ポリエステルフィルムを剥がして、トルエン抽出前の重量aを測定した。次に、同一試験片をトルエン中に24時間浸漬後、ゲル物を取り出し、100℃で2時間乾燥し、トルエン抽出後の重量bを測定した。ゲル分率は、以下の計算式より算出した。
ゲル分率(%)=(b/a)×100
【0050】
粘着剤A1〜D1について、架橋剤の配合量、動的粘弾性、およびゲル分率の測定結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
実施例1〜3および比較例1〜5の粘着フィルムは、5種類の基材II−1、II−2、II−3、II−4、IIIと、4種類の粘着剤A1〜D1を、表5のように組み合わせて製造したものである。
【0053】
【表5】
【0054】
<粘着力の測定>
各粘着フィルムについて、各種被着体に対する粘着力を、JIS Z 0237の2000年度版の条件に従って23℃、50%RHの環境下にて貼付し1時間後に測定した。被着体としては、ガラス、ステンレス(SUS303または304)、塗装板、メラミン化粧板A、メラミン化粧板Bの5種類を使用した。メラミン化粧板A及びBの表面粗さは表6に記載した物を用いた。
粘着フィルムの粘着力の測定結果を、表7に示す。なお、表7において、基材の層間破壊が起こった場合、「破壊」の文字を付した。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
<再剥離性評価法>
各粘着フィルムから幅25mm×長さ100mmのサンプルを切り出し、室温環境下(23℃×50%RH)にて、各種被着体(粘着力の測定で使用したものと同じもの)に貼付後、2kgローラにて1往復させて圧着する。その後40℃の環境下に、168時間放置後、引っ張り試験機を用いて被着体に対して90度方向に1000mm/分の速度で引きはがした時の糊のこりの状態により、粘着フィルムの再剥離性を、以下の基準で目視評価した。
◎:全面糊残りなし(糊残り0%以上5%未満)
○:剥離きっかけまたは剥離最後に糊のこり有り(糊残り5%以上10%未満)
△:わずかに糊残り有り(糊残り10%以上20%未満)
×:広範囲に糊残り有り(糊残り20%以上)
××:基材の層間破壊
【0058】
粘着フィルムの再剥離性の測定結果を、表8に示す。
【0059】
【表8】
【0060】
以上示したように、実施例1〜3の粘着フィルムは、いずれも、剥離の際に基材破壊や糊残りが起きなかった。また、カール高さも低く、粘着フィルムおよびステッカーとして好適であることがわかった。
比較例1の粘着フィルムは、5種類の被着体のいずれに対しても粘着力が低かった。
比較例2の粘着フィルムは、化粧板A,Bに対して、粘着力が低かった。
比較例3の粘着フィルムは、ガラス、ステンレス、および塗装板に対する粘着力が強すぎて、糊残りが広範囲に生じた。
比較例4の粘着フィルムは、表1に示すように、ベース基材Dの強度が弱いため、剥離の際に、基材の層間破壊が発生した。
比較例5の粘着フィルムは、基材が補強フィルムを用いた基材IIIであるので、表2に示すように、カールが起こりやすいものであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、剥離の際の基材破壊や糊残りを抑制することができる上、基材のカールが起こりにくい。さらに、隠蔽性や印刷性にも優れているので、印刷用基材の両面に印刷しても、反対面の印刷が透けて見えることがない。
すなわち、車両広告ステッカー材料、及びステッカーとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着フィルムの一例を示す図である。
【図2】従来の粘着フィルムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b…ベース基材、2a…隠蔽層、2b…着色層、5…粘着剤層、6…剥離紙、7…印刷用基材、8…ステッカー用粘着フィルム。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両などにおける車内広告などの各種用途に用いられるステッカー用粘着フィルムおよびステッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両などの車内広告用のステッカーの基材としては、耐水性、遮光性等の観点からプラスチック素材からなる合成紙やプラスチックフィルムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この種の用途では、基材の隠蔽性が乏しいと、印刷の見栄えが悪くなるおそれがある。特に、窓に貼付する場合には、基材の両面が視覚に入るので、両面ともに着色や図案等が印刷されるが、基材を光が透過すると、反対面の印刷が透けて見えてしまうことがある。このため、基材の不透明度を100%とすることが好ましい。このような基材としては、例えば、特許文献2に記載された複合合成紙が知られている。この複合合成紙は、合成紙と織布の間に、黒色ベタ印刷による隠蔽層を設けることにより、100%の不透明度を確保したものである。同様に、ポリプロピレン等からなる合成紙2枚の間に隠蔽層を設け、接着により積層してなる基材にポリ塩化ビニルフィルムをドライラミネートして貼り合わせ、さらに粘着剤を塗布した構成のものも使用されている。また、かつては、白色ポリ塩化ビニル製の2枚のフィルムの間に隠蔽層としてアルミ箔をラミネートした基材も使用されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−123327号公報
【特許文献2】
特開平07−227941号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、合成紙は、プラスチックフィルムに無機物等の微細粉末を添加して延伸する等の方法により、内部に微細な空孔を多数形成し、白色度および不透明度を高めている。しかし、基材に合成紙を用いた場合、基材の層間強度が比較的弱いため、ステッカーを剥離したときに、基材が層間で破壊したり、糊残りが生じて被着体等を汚染したりすることがある。
合成紙の強度を補うため、図2に示すように、2枚の合成紙101a,101b(例えばユポコーポレーション社製のユポ(登録商標))の間に隠蔽層103aと接着剤層102aを設けた基材107と、片面に着色層102bが設けられたプラスチックフィルム104(例えばPETフィルム)とを、接着剤層103bを介して貼着することにより粘着フィルム109の基材108を構成し、補強フィルム104により、基材107の補強を図る提案がある。
なお、この場合、粘着フィルム109は、基材108の補強フィルム104側の表面に、順次、粘着剤層105と剥離紙106を積層することにより、製造することができる。
上記のようにして得られる粘着フィルム109では、剥離時の引張り荷重を、主に補強フィルム104によって支持することができるので、基材破壊や糊残りについては改善できる。しかしながら、補強フィルム104と合成紙101a、101bの線膨張係数の違いによるカールの発生や、合成紙101a、101bの隠蔽層や接着層に残留する溶剤の影響により徐々に収縮することによるカールの発生が避けられず、補強フィルム104とのバランスが悪いため、さらなる改善が望まれている。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、基材破壊や糊残りを抑制し、しかもカールしにくいステッカー用粘着フィルムおよびステッカーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、2枚のベース基材を隠蔽層を介して積層してなる印刷用基材の一面に、粘着剤層が積層され、該粘着剤層の前記印刷用基材と反対側の面が剥離紙により保護されたステッカー用粘着フィルムであって、2枚の前記ベース基材のいずれもが、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有し、更に、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、層間強度が8N/25mm以上であり、
前記印刷用基材は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚の前記ベース基材同士のラミネート強度が5N/25mm以上であることを特徴とするステッカー用粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、上述のステッカー用粘着フィルムの前記印刷用基材の前記粘着剤層と反対側の表面に印刷層が設けられていることを特徴とするステッカーを提供する。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても、同様の表現を用いることがある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のステッカー用粘着フィルム(以下、単に「粘着フィルム」という場合がある)の一実施の形態例を示す断面図である。
同図に示すように、この粘着フィルム8の基材(印刷用基材7)は、2枚のベース基材1a、1bを隠蔽層2aと接着剤層3aを介して貼着、積層したものである。また、粘着フィルム8は、印刷用基材7の一面に、必要に応じて着色層2bを設けてから粘着剤層5を積層し、さらに粘着剤層5の前記印刷用基材7と反対側の面を剥離紙6で保護することにより、構成されている。
【0008】
ベース基材1a、1bは、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、セロハンテープによる基材層間強度試験による層間強度が8N/25mm以上、好ましくは10N/25mm以上であって、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有するプラスチックフィルムまたは合成紙であること以外特に限定されるものではない。本発明で使用するベース基材としては、単一の材質からなる一層型の基材であっても良く、また、異種の材質からなる複数の層が積層された多層型の基材であっても良い。なお、ベース基材の層間強度とは、ベース基材が一層型である場合は、層内部における破壊強度を意味し、ベース基材が多層型である場合は、ベース基材を構成する特定の層内部の破壊強度、及び複数の層同士が剥離することにより生じる基材の破壊、つまり層間の剥離強度を共に意味する。
ベース基材の材質としては、一般に工業的にフィルム化できる材質のものであれば良く、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。重量や隠蔽性、価格的な観点から二軸延伸したものや、二軸延伸により内部に多数の空孔を形成したものが好ましい。具体的には、東レ株式会社製のポリエステルフィルム(商品名:ルミラーE−20#38)、チッソ株式会社製のポリプロピレン系合成紙(商品名:カルレTNR70)、東洋紡績株式会社製のポリエステル系合成紙(商品名:クリスパーK2411#50)、などがある。前記の如く、本発明で使用するベース基材の材質としては、特に限定されるものではないが、環境保護、安全性の観点からポリ塩化ビニルを含まない構成のものが望ましい。
ベース基材1a、1bは、インキ密着性を付与するため、必要に応じて、片面または両面に、易接着処理剤(コーティング剤)の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、粗面化処理、火炎処理、プライマー塗布などの表面処理を施すことができる。また、ベース基材の厚みは20〜100μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。中でも、25〜90μmであることが特に好ましい。
2枚の前記ベース基材は、同じ材質の基材を用いることが好ましい。この場合、それぞれのベース基材に作用する応力が、互いに同程度となるので、基材のカールを抑制することができる。
【0009】
隠蔽層2aは、図1に示す形態例では、ベース基材1a上に、オフセット印刷方式またはグラビア印刷方式等により、厚さ1〜5μmの黒色ベタ印刷を行うことにより形成されており、印刷用基材7は、ベース基材1aの隠蔽層2a側を内側にして、他方のベース基材1bと接着剤層3aを介して貼着することにより、構成されている。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、印刷用基材7の層構成は、ベース基材/接着剤層/隠蔽層/ベース基材(粘着剤層側)のように、粘着剤層側のベース基材に隠蔽層を印刷してもよいし、ベース基材/隠蔽層/接着剤層/隠蔽層/ベース基材のように、両方のベース基材に隠蔽層を印刷してもよい。
また、隠蔽層2aを、接着性を有するインキの印刷によって形成する場合は、ベース基材/隠蔽層/ベース基材というように、2枚のベース基材を、接着性のある隠蔽層によって直接貼着した構成も可能である。接着性を有するインキは、特に限定はないが、例えば、接着剤中に、カーボンブラック等の黒色顔料や酸化チタンなどの白色顔料、銅粉、鉄粉、アルミニウム粉末等の金属粉末や鉱雲母片等の鉱物粉末等を添加したものなどを用いることができる。
また、隠蔽層2aは、金属の蒸着やスパッタリングによって形成された金属薄膜あるいは箔であってもよい。金属薄膜または箔に用いられる金属としては、特に限定されるものではなくクロム、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属から適宜選択できるが、重量や経済性の観点からアルミニウムが特に好ましい。
2枚のベース基材1a、1bの貼着に用いられる接着剤3aは、特に限定されることなく、ドライラミネート接着剤、ヒートシール接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤を適用でき、特に好ましい接着剤としては、ドライラミネート接着剤が挙げられる。なお、2枚のベース基材同士のラミネート強度は5N/25mm以上であり、好ましくは8N/25mm以上、更に好ましくは10N/25mm以上であることが好ましい。
【0010】
印刷用基材7は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚の前記ベース基材1a,1b同士のラミネート強度が5N/25mm以上である。
【0011】
本発明において、クロスカット試験は、以下の手順により行われるものである。
室温(23℃、50%RH)において、測定対象となる基材フィルムから、30cm×30cmのサイズの試験片を、幅方向に3枚切り出す。切り出した試験片の対角線の交点を中心に対角線に沿って長さ200mmの切り込みを十字形となるように2本入れ、クロスカットとする。
クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を下向きにして平坦な台の上に置く。このとき各切り込みの先端の角の台からの高さ(カール高さ)を測定し、4角のカール高さの最大値を、逆カール高さとする。逆カール高さは、負の値として記録される。
また、クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を上にして台に置き、先の測定と同様にして測定されたカール高さの最大値を、正カール高さとする。正カール高さは、正の値として記録される。
【0012】
着色層2bは、必要に応じて適宜設けるが、オフセット印刷方式またはグラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等により、印刷用基材7の一面(詳しくは、ベース基材1bの表面)に適宜の色のインキを印刷することにより、形成することができる。着色層2bは、粘着フィルム8の剥離紙6を取り除いたときに、粘着剤層5を透き通して目視されるものである。
さらに粘着剤の印刷用基材への密着性を向上させる目的でアンカーコート剤を塗布しても良い。アンカーコート剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリルアミン系樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられるが環境保護の観点から塩素原子を含まないものが好ましい。具体例としては日本製紙ケミカル株式会社製のアウローレン100S、150S等が挙げられる。
【0013】
本発明において、粘着剤層5を構成する粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの粘着剤を適宜選択して用いることができるが、耐候性などの点から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤が好ましい。
【0014】
また、粘着剤としては、(a)炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(粘着性モノマー(ホモポリマーが低Tgを示すモノマー))、(b)高極性ビニルモノマー(凝集性モノマー)、(c)架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーを必須成分とするアクリル共重合体を粘着剤主剤として、該粘着剤主剤に架橋剤を添加したものが好ましい。上記のようなアクリル共重合体は、再剥離性に適している。
【0015】
粘着性モノマー(a)としては、炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中から選択される少なくとも一種類のモノマーをモノマーの総量に対して50質量%以上使用することが好ましい。
【0016】
高極性ビニルモノマー(b)としては、カルボキシル基含有ビニルモノマー、窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。窒素含有ビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノアクリレート等が挙げられる。その他の凝集性ビニルモノマーとしては、無水マレイン酸、アクリロニトリル、等が挙げられる。
【0017】
架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)において、架橋剤と反応する官能基としては、水酸基やアミノ基、グリシジル基などが挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アミノ基含有モノマーとしては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。さらに、グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレートが挙げられる。特に好適なモノマーは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、その他のモノマーとして、ホモポリマーが高Tgを示すモノマーも必要に応じて使用することができる。そのようなモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル等がある。
【0018】
アクリル共重合体を100質量部とした場合、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の配合量は50質量部以上、高極性ビニルモノマー(b)の配合量は0.1〜8質量部、架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)の配合量は、0.01〜5質量部とされる。
炭素数1から14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)の配合量が50質量部より少ない場合は、粘着剤の初期接着性が著しく低下する。
高極性ビニルモノマー(b)の配合量が0.1質量部未満の場合は、凝集力が低下し、被着体から粘着フィルムを剥離する際に糊残りが生じるおそれがある。また、高極性ビニルモノマー(b)の配合量が8質量部を越えると、低温接着性が損なわれるおそれがある。
架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマー(c)の配合量が、0.01質量部未満では、架橋反応性が著しく低下し、アクリル共重合体を十分に架橋することができなくなるおそれがある。上記配合量が5質量部を越える場合は、粘着剤溶液のポットライフが著しく低下し、粘着剤溶液の取扱い性が悪くなる。
【0019】
モノマーを共重合して生成する粘着剤主剤のガラス転移点温度が−70℃〜−20℃になるようにモノマーの配合量を適宜設定することが好ましい。粘着剤主剤の製造方法は種々の公知の方法を用いることができるが、例えば、有機溶剤中でモノマーをラジカル重合させることにより製造することができる。有機溶剤は、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類が挙げられる。使用する重合触媒は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0020】
また、接着力向上のためロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、スチレン樹脂、およびキシレン系樹脂等の粘着付与剤(粘着付与樹脂)を配合することが一般的に行われているが、本発明では粘着フィルムを剥がした際に、粘着剤が被着体に残ったり、汚染物質付着の原因となる恐れがあるので、粘着付与樹脂を使用しないことが好ましい。
【0021】
上記粘着剤主剤には、凝集力向上や基材との投錨性向上のために、架橋剤を添加する。架橋剤には、例えば、イソシアネート系や金属キレート、エポキシ系、およびメラミン系が挙げられる。特に好ましくはイソシアネート系で、さらに好ましくは多官能イソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である。架橋剤の使用量は特に制限されないが、架橋剤の添加量が少ないと架橋が不十分で接着力上昇や再剥離の際の粘着剤残りの原因になる。また、添加量が多いと架橋が過度になり粘着フィルムの浮きの原因になる。したがって、架橋剤の添加量は粘着剤主剤100質量部に対して0.2〜5.0質量部であるのが好ましい。さらに好ましくは0.5〜2.0質量部である。
【0022】
上記粘着剤は、ゲル分率が50%以上、損失正接(tanδ)のピーク温度が−20℃以下、10〜40℃の温度範囲内における損失正接が0.4〜0.8の範囲内であり、被着体に対する粘着力が8〜20N/25mmであることが好ましく、更に、10〜15N/25mmであることがより好ましい。
ゲル分率が50%以上であると、粘着剤に適度な凝集力が得られ高温(40℃)下でも糊残りし難い。
tanδのピーク温度が−20℃以下の場合、低温においても良好な粘着性を保つことができる。
10〜40℃の温度範囲内における損失正接が0.4〜0.8の範囲内であれば、使用温度(10〜40℃)における動的粘弾性特性が最適のものとなり、接着性と再剥離性を兼ね備えたものとなる。
さらに、被着体に対する粘着力が8〜20N/25mm、好ましくは10〜15N/25mmの範囲内であれば、使用時にラベルを支持するには十分な接着性を有し、かつ貼り替え作業時にも剥離作業性を損なわない再剥離性能を兼ね備えたものとなる。
【0023】
粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではないが、上記粘着剤を溶剤、例えば、酢酸エチルやトルエン等の有機溶媒で希釈し固形分20〜60質量%の塗工液を調製し、この塗工液を剥離紙6に塗工し乾燥後に印刷基材と貼り合わせて転写することもでき、また印刷用基材に直接塗工し乾燥後剥離紙を貼り合わせる方法をとることもできる。
粘着剤の塗布量(粘着剤層5の厚み)は、乾燥重量で10〜30g/m2の範囲が好ましい。10g/m2未満では十分な接着力が得られず、30g/m2を超えると印刷加工時に粘着剤のはみ出しが発生する原因となる。
粘着剤の塗工装置は、公知の塗工装置、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。
本発明の粘着フィルム8は、例えば、粘着剤を剥離紙6に塗布し乾燥させてから、印刷用基材7の着色層2b側に貼り合わせる方法などの方法を用いて製造することができる。
【0024】
剥離紙6は、粘着フィルム8の粘着剤層5を保護するため、該粘着剤層5の粘着面を覆って積層されるものであり、ステッカーとして貼着する前に剥がされる。剥離紙6としては、特に限定されるものではなく、公知慣用の市販品を適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、グラシン紙、クレーコート紙、クラフト紙、上質紙などの紙系シートや、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムなどからなる基材の表面に、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などからなる剥離剤を厚さ0.1〜1μm程度に塗布し、前記剥離剤を加熱あるいは電子線や紫外線、放射線の照射などにより硬化させ、剥離剤層を設けることによって得ることができる。
【0025】
粘着フィルム8からステッカーを製造する方法としては、特に限定されるものではないが、粘着フィルム8のベース基材1a側の表面に、所望の図案や文字などを表示する印刷層を印刷により形成する方法が挙げられる。印刷層を形成するための印刷方式としては、特に限定されるものではなく、オフセット印刷方式等の平版印刷法、グラビア印刷方式等の凹版印刷法、フレキソグラフ印刷方式等の凸版印刷法、シルクスクリーン印刷方式等の孔版印刷法などの各種印刷方式を用いることができる。
必要に応じて印刷層の上に適宜の透明保護シートを積層してもよい。この場合、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などからなる透明プラスチックフィルムを、接着剤や粘着剤層を介して印刷層の上に接着もしくはラミネートする。
【0026】
このようにして得られたステッカーは、例えば、鉄道車両等の窓や壁、天井、手すり、出入りや連結部の扉、座席の背面などに貼着して、広告、宣伝や案内表示などの目的に使用することができる。基材がカールしにくいので、きれいに貼付することができる。また、再剥離性が優れているので、例えば、1ヶ月〜半年などの所定期間、貼付したものを剥離除去する際に、糊残りや基材破壊を起こすことなく、きれいに剥離することができる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を示すがこれらに限定されるものではない。
<着色インキC1の調製>
緑色インキ(大日本インキ化学工業製、商品名:ラミエクセル500草)を25質量部、黄色インキ(大日本インキ化学工業製、商品名:XS−771 4004黄)を75質量部、硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:CVLハードナー#10)を4質量部を、適量の希釈剤により希釈混合して、着色インキを調製した。
<隠蔽用インキC2の調製>
(大日精化学工業(株)製ハイラッミック795R墨)を100質量部、硬化剤NTハイラミック ハードナーを3質量部、NTハイラミック ブロッキング防止剤5質量部、ハイラミック希釈剤適量を配合し良く攪拌し隠蔽層用インキを調製した。
【0028】
<ドライラミネート接着剤D1の調製>
接着剤主剤(大日本インキ化学工業製、ディックドライLX−605)90質量部と硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:KW75)10質量部を配合し、酢酸エチル10質量部にて希釈して、よく攪拌することにより、ドライラミネート接着剤D1を調製した。
<ドライラミネート接着剤D2の調製>
接着剤主剤(大日本インキ化学工業製、ディックドライLX−901)90質量部と硬化剤(大日本インキ化学工業製、商品名:KW75)10質量部を配合し、酢酸エチル10質量部にて希釈して、よく攪拌することにより、ドライラミネート接着剤D2を調製した。
【0029】
<易接着処理剤の調製>
SFプライマー(大日本インキ化学工業社製、商品名:UG−R)を50質量部、希釈剤(大日本インキ化学工業社製、商品名:ダイレジューサーUR No.20)を30質量部、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、商品名:CVLハードナー No.10)を3質量部、配合して良く攪拌し、易接着処理用のコーティング剤を調製した。
【0030】
<印刷用基材の作製:基材II−1>
(1) 図1におけるベース基材1a,1bとして、ポリプロピレン系合成紙(チッソ株式会社製、商品名:カルレグレードTNR70)を用いた。
ベース基材1aの裏面に、隠蔽用インキC2を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして隠蔽層2aを形成した。
(2) ベース基材1bの一面に、上述のようにして調製された着色インキを用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層2bを形成した。
(3) (1)により得られた隠蔽層2a付きベース基材1aの隠蔽層2a上に、加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D1を塗布し、80℃で1分間乾燥後、(2)により得られた着色層2b付きベース基材1bの未印刷面と貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−1ということにする。
【0031】
<印刷用基材の作製:基材II−2>
ベース基材として、ポリエステル系合成紙(東洋紡績株式会社製、商品名:クリスパーK2411#50)を用いたこと以外は、上記基材II−1の製造方法と同様にして、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−2ということにする。
【0032】
<印刷用基材の作製:基材II−3>
(1) ベース基材1aとして、予め両面をコロナ放電処理した白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)の片側に、10−2Paの減圧下、蒸着法により、厚さ45±5nmのアルミニウム薄膜を形成し、隠蔽層2aとした。
また、前記ベース基材のアルミニウム薄膜と反対側の面に、上記易接着処理剤を、乾燥後の塗布厚みが0.5〜2μmの間に入るように塗布し、80℃で1分間乾燥して易接着処理を施した。
(2) ベース基材1bとして、白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)の一面に、上記易接着処理剤を、乾燥後の塗布厚みが0.5〜2μmの間に入るように塗布し、80℃で1分間乾燥して易接着処理を施した。さらに、ベース基材1bの易接着処理した面に、上記着色インキC1を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層2bを形成した。
(3) 着色層2b付きベース基材1bの未印刷面に、ドライラミネート接着剤D2を塗布して隠蔽層2a付きベース基材1aに貼着することを除き、前記基材II−1の製造の工程(3)と同様の手順により、着色層2b付き印刷用基材7を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−3ということにする。
【0033】
<印刷用基材の作製:基材II−4>
ベース基材として、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名ユポSGS−60)を用いたこと以外は、上記基材II−1の製造方法と同様にして、着色層付き印刷用基材を製造した。
ここで得られた印刷用基材を、以下、基材II−4ということにする。
【0034】
<基材Iの作製>
(1)図2におけるベース基材101a,101bとして、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名:ユポSGS−60)を用いた。
ベース基材101bの表面に隠蔽用インキC2を用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして隠蔽層103aを形成した。
(2) ベース基材101aの裏面側に加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D1を塗布し接着層102aを形成し、80℃で1分間乾燥後、隠蔽層103a付きベース基材101bと貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、基材107を製造した。
ここで得られた基材107を、以下、基材Iということにする。
【0035】
<基材IIIの作製>
(1) 図2における補強フィルム104としてのポリエステルフィルム(東洋紡績製、商品名:E−5107、12μm)のコロナ処理面に、上述の着色インキを用いて、塗布厚が2μmになるようにグラビア印刷をして着色層102bを形成した。
(2) (1)により得られた着色層102b付き補強フィルム104の印刷面上に、加熱乾燥後の塗布量が3〜4g/m2の範囲内となるように、上記ドライラミネート接着剤D2を塗布し、80℃で1分間乾燥後、前記基材Iと貼り合わせ、40℃で7日間養生することにより、基材108を製造した。
ここで得られた基材108を、以下、基材IIIということにする。
【0036】
<アクリル共重合体の調製>
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗、および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、表3の組み合わせに配合したモノマー混合物100質量部と、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル100質量部に溶解し、80℃で8時間重合してアクリル共重合体A〜Dの溶液を得た。
なお、表3で用いたモノマーの略号の意味は、以下のとおりである。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
VA:酢酸ビニル
AA:アクリル酸
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
【0037】
<粘着剤主剤溶液A〜Dの調製>
表3の粘着剤主剤A,B,Cについては、アクリル共重合体100質量部を、トルエンを混合して希釈することにより、それぞれ、固形分45%の粘着剤主剤溶液を得た。
表2の粘着剤主剤Dについては、アクリル共重合体100質量部に、粘着付与樹脂(荒川化学社製のロジンエステル系樹脂A−100)20質量部を添加し、さらにトルエンを混合して希釈することにより、固形分45%の粘着剤主剤溶液を得た。
【0038】
<粘着フィルムの製造>
上記粘着剤主剤A,B,C,Dの溶液に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL−45)を、表4の通りに添加して攪拌後、乾燥後の塗布厚みが25μmになるように剥離処理をした剥離紙(王子製紙(株)社製セパレート110EPS(P)(3)ブルー)に塗工し、80℃で2分乾燥することにより、それぞれ、粘着剤A1,B1,C1,D1からなる粘着剤層を形成した。
さらに、表5に示すように、粘着剤A1,B1,C1,D1を塗布した剥離紙を、上記基材II−1,II−2,II−3,II−4,IIIと貼合わせることにより、粘着フィルムを得た。
【0039】
上記ベース基材および粘着フィルムの評価は、下記の試験により行った。
<ベース基材の層間強度の評価>
ベース基材に、セロハン粘着テープ(ニチバン製、商品名セロテープ(登録商標)(CT405A−15)幅15mm、粘着力約10N/25mm(JIS Z 0237−2000に準拠しSUS板貼り付け後直ちに測定)を長さ100mm程貼付し、良く圧着する。そして、テスター産業(株)社製高速剥離試験機(型式TE−702D型)を用い剥離角度90゜方向に50m/min速度で剥離する。このとき、ベース基材が基材層間破壊をしなければ合格(表1に「◎」にて示す)、基材が層間破壊した時は層間破壊強度が8N/15mm未満の場合は不合格(表1に「×」にて示す)と判定する。試験時の環境はJIS Z 0237−2000に従い、23℃×50%RHで行った。
なお、表1において、ベース基材Aは、ポリプロピレン系合成紙(チッソ株式会社製、商品名:カルレグレードTNR70)を示し、ベース基材Bは、ポリエステル系合成紙(東洋紡績株式会社製、商品名:クリスパーK2411#50)を示し、ベース基材Cは、白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラーE−20#38)を示し、ベース基材Dは、合成紙(ユポコーポレーション製、商品名ユポSGS−60)を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
<クロスカット試験>
測定対象となる基材フィルムから、30cm×30cmのサイズの試験片を、幅方向に3枚切り出す。切り出した試験片の対角線の交点を中心に対角線に沿って長さ200mmの切り込みを十字形となるように2本入れ、クロスカットとする。
クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を下向きにして平坦な台の上に置く。このとき各切り込みの先端の角の台からの高さ(カール高さ)を測定し、4角のカール高さの最大値を、逆カール高さとする。逆カール高さは、負の値として記録した。
また、クロスカットが入れられた試験片を、粘着加工面側を上にして台に置き、先の測定と同様にして測定されたカール高さの最大値を、正カール高さとする。正カール高さは、正の値として記録した。
【0042】
表2において、基材フィルムのカール高さは、クロスカットを入れた直後と、24時間後の2回測定した。また、カール高さは、以下の基準で評価した。
◎ : ±10mm未満
○ : ±10mm以上20mm未満
× : ±20mm以上30mm未満
×× : ±30mm以上
【0043】
<不透明度測定法>
表2において、基材の不透明度は、JIS P 8138に従って測定した。
【0044】
【表2】
【0045】
<重量平均分子量の測定>
GPC装置(東ソー社製、品番SC−8020)と、高分子量カラム(東ソー社製、品番TSKgelGMHR−H)を用い、テトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレン換算で、アクリル共重合体の重量平均分子量を測定した。
【0046】
アクリル共重合体の組成および重量平均分子量の測定結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
<動的粘弾性の測定>
架橋を添加した粘着剤A1〜D1を、5mm厚みまで重ね合わせて試験片を作製した。粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)に7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃まで貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G’’/G’
【0049】
<ゲル分率の測定>
架橋剤を添加した粘着剤A1〜D1を、乾燥後の厚みが25μmになるように、ポリエステルフィルム(剥離処理したもの)の上に設けて試験片を調製した。試験片を20mm×100mmの大きさに切断し、ポリエステルフィルムを剥がして、トルエン抽出前の重量aを測定した。次に、同一試験片をトルエン中に24時間浸漬後、ゲル物を取り出し、100℃で2時間乾燥し、トルエン抽出後の重量bを測定した。ゲル分率は、以下の計算式より算出した。
ゲル分率(%)=(b/a)×100
【0050】
粘着剤A1〜D1について、架橋剤の配合量、動的粘弾性、およびゲル分率の測定結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
実施例1〜3および比較例1〜5の粘着フィルムは、5種類の基材II−1、II−2、II−3、II−4、IIIと、4種類の粘着剤A1〜D1を、表5のように組み合わせて製造したものである。
【0053】
【表5】
【0054】
<粘着力の測定>
各粘着フィルムについて、各種被着体に対する粘着力を、JIS Z 0237の2000年度版の条件に従って23℃、50%RHの環境下にて貼付し1時間後に測定した。被着体としては、ガラス、ステンレス(SUS303または304)、塗装板、メラミン化粧板A、メラミン化粧板Bの5種類を使用した。メラミン化粧板A及びBの表面粗さは表6に記載した物を用いた。
粘着フィルムの粘着力の測定結果を、表7に示す。なお、表7において、基材の層間破壊が起こった場合、「破壊」の文字を付した。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
<再剥離性評価法>
各粘着フィルムから幅25mm×長さ100mmのサンプルを切り出し、室温環境下(23℃×50%RH)にて、各種被着体(粘着力の測定で使用したものと同じもの)に貼付後、2kgローラにて1往復させて圧着する。その後40℃の環境下に、168時間放置後、引っ張り試験機を用いて被着体に対して90度方向に1000mm/分の速度で引きはがした時の糊のこりの状態により、粘着フィルムの再剥離性を、以下の基準で目視評価した。
◎:全面糊残りなし(糊残り0%以上5%未満)
○:剥離きっかけまたは剥離最後に糊のこり有り(糊残り5%以上10%未満)
△:わずかに糊残り有り(糊残り10%以上20%未満)
×:広範囲に糊残り有り(糊残り20%以上)
××:基材の層間破壊
【0058】
粘着フィルムの再剥離性の測定結果を、表8に示す。
【0059】
【表8】
【0060】
以上示したように、実施例1〜3の粘着フィルムは、いずれも、剥離の際に基材破壊や糊残りが起きなかった。また、カール高さも低く、粘着フィルムおよびステッカーとして好適であることがわかった。
比較例1の粘着フィルムは、5種類の被着体のいずれに対しても粘着力が低かった。
比較例2の粘着フィルムは、化粧板A,Bに対して、粘着力が低かった。
比較例3の粘着フィルムは、ガラス、ステンレス、および塗装板に対する粘着力が強すぎて、糊残りが広範囲に生じた。
比較例4の粘着フィルムは、表1に示すように、ベース基材Dの強度が弱いため、剥離の際に、基材の層間破壊が発生した。
比較例5の粘着フィルムは、基材が補強フィルムを用いた基材IIIであるので、表2に示すように、カールが起こりやすいものであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、剥離の際の基材破壊や糊残りを抑制することができる上、基材のカールが起こりにくい。さらに、隠蔽性や印刷性にも優れているので、印刷用基材の両面に印刷しても、反対面の印刷が透けて見えることがない。
すなわち、車両広告ステッカー材料、及びステッカーとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着フィルムの一例を示す図である。
【図2】従来の粘着フィルムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b…ベース基材、2a…隠蔽層、2b…着色層、5…粘着剤層、6…剥離紙、7…印刷用基材、8…ステッカー用粘着フィルム。
Claims (4)
- 2枚のベース基材を隠蔽層を介して積層してなる印刷用基材の一面に、粘着剤層が積層され、該粘着剤層の前記印刷用基材と反対側の面が剥離紙により保護されたステッカー用粘着フィルムであって、
2枚の前記ベース基材のいずれもが、少なくとも一方の面にインキ密着性を有する面を有し、更に、不透明度が80%以上、表面の白色度が90%以上、層間強度が8N/25mm以上であり、
前記印刷用基材は、総厚みが40〜220μm、白色度が85%以上、不透明度が100%、クロスカット試験によるカール高さが−20〜+20mm、2枚の前記ベース基材同士のラミネート強度が5N/25mm以上であることを特徴とするステッカー用粘着フィルム。 - 2枚の前記ベース基材の材質が同じである請求項1に記載のステッカー用粘着フィルム。
- 前記粘着剤層が、アクリル共重合体を架橋剤により架橋した樹脂を含有する粘着剤からなり、
前記粘着剤は、ゲル分率が50%以上、損失正接(tanδ)のピーク温度が−20℃以下、10〜40℃の温度範囲内における損失正接が0.4〜0.8の範囲内であり、被着体に対する粘着力が8〜20N/25mmである請求項1または2に記載のステッカー用粘着フィルム。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のステッカー用粘着フィルムの前記印刷用基材の前記粘着剤層と反対側の表面に印刷層が設けられていることを特徴とするステッカー。
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