JP2005068184A - 組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】エチレン・α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)70〜99.9重量%、無機金属化合物(B)30〜0.1重量%(ここで、(A)および(B)の合計量は合わせて100重量%となる)および発泡剤(C)、とからなることを特徴とする組成物とする。
Description
【発明の技術分野】
本発明は、組成物及びその用途に関し、さらに詳しくは、低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性、反撥弾性に優れた発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、およびその発泡体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
低比重すなわち軽量、かつ、柔軟で、機械強度の高い樹脂を得るために、架橋発泡体を用いる技術は、建築内外装材、内装材やドアグラスラン等の自動車部品、包装材料、日用品等に広く用いられている。これは、軽量化のために樹脂を発泡させただけでは、機械強度の低下を招くため、樹脂の架橋反応により分子鎖を結合させることで、機械強度の低下を抑制しつつ、発泡による軽量化を達成することが可能であることによる。
【0003】
また、履き物ないし履き物用部品たとえばスポーツシューズ等の靴底(主にミッドソール)にも、樹脂の架橋発泡体が使用されているが、これは軽量で、かつ長期間の使用による変形を抑え、過酷な使用条件に耐え得る機械強度、反撥弾性を有する材料が求められているためである。
【0004】
従来、靴底用には、エチレン・酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体が使用され、広く知られているが、このエチレン・酢酸ビニル共重合体組成物を用いて成形される架橋発泡体は、比重が高く、かつ圧縮永久歪みが大であるため、たとえば靴底に用いた場合、重く、かつ長期の使用により靴底が圧縮され反撥弾性等の機械強度が失われていくという問題がある。
【0005】
特表平9−501447号公報、特開平11−206406号公報には、エチレン・α− オレフィン共重合体を用いた架橋発泡体、エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・α− オレフィン共重合体との混合物を用いた架橋発泡体に係る発明がそれぞれ記載されているが、これらの発明では、低比重性、耐圧縮永久歪み性が改良されるものの、充分な性能が得られていない。また、特開2000−344925にはエチレン・α−オレフィン共重合体とグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体との混合物を用いた架橋発泡体に係る発明が記載されているが、この発明では接着強度が改良されるものの、引張強度特性、引裂強度特性および反発弾性については十分な性能が得られていない。したがって、低比重で圧縮永久歪み(CS)が小さく、引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れたオレフィン系エラストマー発泡体を提供し得るオレフィン系エラストマー発泡体用エラストマー組成物、およびその発泡体の出現が望まれている。(特許文献1〜3)
【0006】
【特許文献1】特表平9−501447号公報
【0007】
【特許文献2】特開平11−206406号公報
【0008】
【特許文献3】特開2000−344925号公報
【0009】
【発明の目的】
本発明の目的は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性、反撥弾性および接着性に優れた発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、その発泡体およびその発泡体を用いた積層体を提供することを目的としている。
また、本発明は、上記発泡体または積層体からなる履き物用部品たとえば靴底、靴のミッドソール、靴のインナーソール、サンダルを提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る組成物は、
グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)および発泡剤(C)とを含有してなり、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)70〜99.9重量%、無機金属化合物(B)30〜0.1重量%(ここで、(A)および(B)の合計量は合わせて100重量%となる)および発泡剤(C)とからなることを特徴とする組成物である。
【0011】
また、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたものであり、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が以下の性質を有することを特徴とする組成物である。
(i)密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.915g/cm3の範囲にあり、
(ii)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)
(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.01〜40g/10分の範囲にあり、
(iii)GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Mnが1.5〜3.5の範囲にある。
【0012】
また、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体が以下の性質を有することを特徴とする組成物である。
(iv)密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.915g/cm3の範囲にあり、
(v)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)
(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.01〜80g/10分の範囲にあり、
(vi)GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Mnが1.5〜3.5の範囲にある。
【0013】
また、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体が以下の性質を有することを特徴とする記載の組成物である。
(vii) 190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と
190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)との比:MFR10/MFR2が次の式を満たし、
MFR10/MFR2≧6.0
Mw/Mn+5.0≦MFR10/MFR2
(viii) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であり、
(ix)13C−NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5である。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α−オレフィン連鎖数の割合である。)。
【0014】
また、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体であることを特徴とする組成物である。
【0015】
また、前記発泡剤(C)が、有機系熱分解型発泡剤、無機系熱分解型発泡剤、有機系物理発泡剤および無機系物理発泡剤から選ばれることを特徴とする組成物である。
【0016】
また、前記組成物を熱処理して得られることを特徴とする発泡体である。
また、前記発泡体を二次圧縮して得られることを特徴とする発泡体である。
また、前記発泡体からなる層と、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層を有することを特徴とする積層体である。
また、前記発泡体また前記積層体からなることを特徴とする履き物または履き物用部品である。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る組成物及びその用途について具体的に説明する。本発明に係る組成物は、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)および発泡剤(C)と、必要に応じ有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)とを含有している。
【0018】
本発明に係る発泡体は、この組成物を発泡または架橋発泡させて得られる。
この架橋方法の種類としては、熱架橋と、電離性放射線架橋が挙げられる。熱架橋の場合には、この組成物中に、有機ペルオキシド(D)および必要に応じて架橋助剤(E)を配合する必要がある。また、電離性放射線架橋の場合には、架橋助剤を配合する場合がある。
【0019】
グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとからなる非晶性ないし低結晶性のランダムあるいはブロック共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト変性物である。
【0020】
前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、密度(ASTM D 1505)が0.857g/cm3 以上0.915g/cm3 以下、好ましくは0.860〜0.905g/cm3、さらに好ましくは0.880〜0.905g/cm3であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が0.01〜40g/10分、好ましくは0.05〜20g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分であるグラフト変性軟質エチレン・α− オレフィン共重合体が望ましい。
【0021】
エチレンと共重合させるα− オレフィンは、炭素原子数3〜20のα− オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1− ペンテンなどが挙げられる。これらのうちでも、炭素原子数3〜10のα− オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα− オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0022】
また、グラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、エチレンから導かれる単位を75〜95モル%の量で、炭素原子数3〜20のα− オレフィンから導かれる単位を5〜25モル%の量で、好ましくはエチレンから導かれる単位を79〜94モル%の量で、炭素原子数3〜20のα− オレフィンから導かれる単位を6〜21モル%の量で、さらに好ましくはエチレンから導かれる単位を88〜94モル%の量で、炭素原子数3〜20のα− オレフィンから導かれる単位を6〜12モル%の量で含有していることが望ましい。
【0023】
また、グラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
【0024】
グラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)としては、具体的には、グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ヘキセン共重合体、グラフト変性エチレン・1−オクテン共重合体などが挙げられる。これらの内でも、グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ヘキセン共重合体、グラフト変性エチレン・1−オクテン共重合体などが好ましく用いられ、特にグラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体が好ましく用いられる。これらの共重合体は、ランダムあるいはブロック共重合体であるが、特にランダム共重合体であることが好ましい。
【0025】
グラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは30%以下である。
【0026】
また、このグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5の範囲内にあることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)を用いると、圧縮永久歪み性および賦形性に優れる発泡体を調製することができる組成物が得られる。上記のようなグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、通常エラストマーとしての性質を示す。
【0027】
グラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体が、ASTM D 1238に準拠して190℃、荷重10kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR10)と荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR2.16)との比(MFR10/MFR2.16)が、下式
MFR10/MFR2.16 ≧ 6.0
好ましくは7≦MFR10/MFR2.16≦15
の関係を満たし、かつ、分子量分布(Mw/Mn)と前記メルトフローレート比とが、下式
Mw/Mn +5.0< MFR10/MFR2.16
の関係を満たしていると、高発泡倍率すなわち低比重で、かつ、高弾性で圧縮永久歪み性および賦形性に優れる発泡体(非架橋発泡体、架橋発泡体)を調製することができる組成物が得られる。
【0028】
本発明のグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体は13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下、好ましくは0.4以下であるのが好ましい。
【0029】
ここで13C−NMRスペクトルにおけるTααおよびTαβは、炭素数3以上のα−オレフィンから誘導される構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
【0030】
【化1】
【0031】
このようなTαβ/Tαα強度比は、下記のようにして求めることができる。グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体の13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製JEOL−GX270 NMR測定装置を用いて測定する。測定は、試料濃度5重量%になるように調整されたヘキサクロロブタジエン/d6−ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を用いて、67.8MHz、25℃、d6−ベンゼン(128ppm)基準で行う。測定された13C−NMRスペクトルを、リンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(1971))、J.C.Randall (Review Macromolecular Chemistry Physics, C29, 201(1989)) に従って解析してTαβ/Tαα強度比を求める。
【0032】
また本発明のグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体は13C−NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5であるのが好ましい。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するグラフト変性エチレン・α−オレフィンおよび/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン連鎖数の割合である。)このB値は、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体中のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの分布状態を表す指標であり、J.C.Randall (Macromolecules, 15, 353(1982)) 、J.Ray (Macromolecules, 10, 773(1977)) らの報告に基づいて求めることができる。
【0033】
上記B値が大きいほど、エチレンまたはα−オレフィン共重合体のブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα−オレフィンの分布が一様であり、共重合ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.0よりも小さくなるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体中の組成分布は広くなり、取扱性が悪化するなどの悪い点がある。
【0034】
上記のようなグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
【0035】
本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、上記のグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体に、特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトすることにより得ることができる。
本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)における不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・α− オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%である。
【0036】
このグラフト量が上記範囲にあるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、組成物中において分散性に優れるとともに、熱安定性に優れ、溶融時に樹脂が着色することもない。しかも、このようなグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を用いると、機械的強度に優れた架橋発泡体を提供し得る組成物を得ることができる。
【0037】
上記変性で用いられる不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス− ビシクロ[2,2,1] ヘプト−5− エン−2,3− ジカルボン酸)などが挙げられる。
【0038】
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、具体的には、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエステル化合物などを挙げることができる。より具体的には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適である。
【0039】
上記のようなグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、従来公知の種々の方法、たとえば次のような方法を用いて調製することができる。
(1)溶融させた上記(変性前の)未変性エチレン・α− オレフィン共重合体に、不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記(変性前の)未変性エチレン・α− オレフィン共重合体を溶媒に溶解させ、その溶解液に不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
【0040】
いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行なうのが好ましい。
【0041】
上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5− ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert− ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert− ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5− ジ−(tert− ブチルペルオキシド)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5− ジ(tert− ブチルペルオキシド)ヘキサン、tert− ブチルペルベンゾエート、tert− ブチルペルフェニルアセテート、tert− ブチルペルイソブチレート、tert− ブチルペル−sec− オクトエート、tert− ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert− ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5− ジ(tert− ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5− ジ(tert− ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert− ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0042】
これらのラジカル開始剤は、(変性前の)未変性エチレン・α− オレフィン共重合体100重量部に対して、通常は0.01〜0.10重量部、好ましくは0.02〜0.08重量部、さらに好ましくは0.02〜0.05重量部の量で用いられる。
【0043】
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト反応における反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
【0044】
上記のようなグラフト変性エチレン・α− オレフィン共重合体(A)は、未変性エチレン・α− オレフィン共重合体の混合物であってもよく、また高圧法低密度ポリエチレン等の他のエチレン系重合体との混合物であってもよい。
無機金属化合物(B)
本発明で用いられる無機金属化合物(B)は、元素の周期律表の第II、III、IV、VI、VII族の金属の酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、およびカルボン酸塩の中から選ぶことができる。好ましくは、亜鉛またはアルミニウムの酸化物が用いられる。
【0045】
これらの無機金属化合物(B)は、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と無機金属化合物(B)の合計量100重量%として通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%の量で用いられる。無機金属化合物(B)が上記範囲内にあると、高強度、高反撥弾性の架橋発泡体を提供することができる。
発泡剤(C)
本発明で用いられる発泡剤(C)としては、化学発泡剤、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1− フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’− アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;4,4’− オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体;p−トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物;トリヒドラジノトリアジンなどの有機系熱分解型発泡剤、さらには、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩;亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物などの無機系熱分解型発泡剤が挙げられる。中でも、アゾジカルボンアミド(ADCA)、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
【0046】
また、本発明においては、物理発泡剤(発泡時に化学反応を必ずしも伴わない発泡剤)、たとえばメタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;ジクロルエタン、ジクロルメタン、四塩化炭素等の各種塩化炭化水素類;フロン等の各種フッ化塩化炭化水素類などの有機系物理発泡剤、さらに空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水などの無機系物理発泡剤も発泡剤(C)として用いることができる。これらの中で、蒸気にする必要が無く、安価で、環境汚染、発火の可能性が極めて少ない二酸化炭素、窒素、アルゴンが最も優れている。
【0047】
本発明で発泡剤(C)として使用される上記物理発泡剤は、発泡剤の分解残さがないため、組成物の架橋発泡時における金型汚れを防止することができる。しかも、物理発泡剤は、粉状ではないので、混練性に優れている。また、この物理発泡剤を用いると、得られる架橋発泡体の異臭(ADCA分解時に生成するアンモニア臭など)を防止することができる。
【0048】
また、本発明においては、臭気、金型汚れ等の悪影響を生じない範囲で、蒸気のような化学発泡剤を併用することができる。
【0049】
物理発泡剤の貯蔵方法としては、小規模な生産であれば、二酸化炭素、窒素などをボンベに入った状態で使用し、射出成形機および押出成形機等に減圧弁を通して供給することができるし、またポンプ等により昇圧し、射出成形機および押出成形機等に供給する場合もある。
【0050】
また、大規模に発泡製品を製造する設備であれば、液化二酸化炭素、液化窒素などの貯蔵タンクを設置し、熱交換機を通し、気化し、配管により、減圧弁により射出成形機および押出成形機等に供給する。
【0051】
また、液状の物理発泡剤の場合、貯蔵圧力としては、0.13〜100MPaの範囲が好ましく、圧力が低すぎると減圧して射出成形機および押出成形機等に注入できず、また、圧力が高すぎると、貯蔵設備の耐圧強度を高くする必要から、設備が大型化、複雑化し好ましくない。なお、ここで定義する貯蔵圧力とは、気化し減圧弁に供給する圧力を言う。
【0052】
組成物
本発明にかかわる組成物はグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)および発泡剤(C)とを含有してなり、
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)70〜99.9重量%、好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは95〜99.5重量%、無機金属化合物(B)30〜0.1重量%、好ましくは10〜0.5重量%、より好ましくは5 〜0.5重量%(ここで、(A)および(B)の合計量は合わせて100重量%となる)からなる。
【0053】
上記発泡剤(C)として化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤は、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)+無機金属化合物(B)100重量部に対して、通常2〜20重量部、好ましくは3〜15重量部の割合で用いられる。ただし、化学発泡剤の使用量は、使用する発泡剤の種類・グレードにより発生ガス量が異なるため、目的の発泡倍率により、適宜増減され得る。
【0054】
また、発泡剤(C)として物理発泡剤を用いる場合、物理発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応じて、適宜決定される。
【0055】
本発明においては、必要に応じて、発泡剤(C)とともに発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤(C)の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
【0056】
有機ペルオキシド(D)
本発明で必要に応じて架橋剤として用いられる有機ペルオキシド(D)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−t− ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5− ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5− ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4− ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0057】
本発明においては、有機ペルオキシド(D)は、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)+無機金属化合物(B)100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。有機ペルオキシド(D)を上記のような割合で用いると、適度な架橋構造を有する架橋発泡体を得ることができる。また、有機ペルオキシド(D)を架橋助剤(E)とともに、上記のような割合で用いると、より適度な架橋構造を有する架橋発泡体を得ることができる。
【0058】
架橋助剤(E)
本発明で必要に応じて用いられる架橋助剤(E)としては、具体的には、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’− ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4− ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。また、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。中でも、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
【0059】
本発明においては、上記のような架橋助剤(E)は、架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]が1/30〜5/1、好ましくは1/20〜3/1、さらに好ましくは1/15〜2/1になる量で用いることが望ましい。
【0060】
樹脂組成物の調製
本発明に係る樹脂組成物は、未架橋かつ未発泡状態の組成物であり、溶融状態であってもよいし、また、冷却固化したペレットまたはシートであってもよい。
【0061】
本発明に係る樹脂組成物のペレットは、たとえば上記のようなグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)、発泡剤(C)、および必要に応じて有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)、発泡助剤を上述した割合でヘンシェルミキサ−等で混合し、バンバリ−ミキサー、ロール、押出機等の混練機で発泡剤(C)および/または有機ペルオキシド(D)が分解しない温度にて溶融可塑化し、均一に混合分散させて造粒機により調製することができる。
【0062】
発泡剤(C)の使用量は、発泡体の発泡倍率を考慮して決定される。
【0063】
本発明の組成物は必要により架橋剤または架橋助剤を含む。架橋剤としては有機ペルオキシドが挙げられる。架橋剤はグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)および発泡剤(C)の合計量100重量部に対して、、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。
【0064】
この組成物中に、上記諸成分の他に、必要に応じて、フィラー、耐熱安定剤、耐候安定剤、難燃剤、塩酸吸収剤、顔料などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0065】
また、本発明に係る組成物のシートは、たとえば上記のようにして得られた組成物のペレットを押出機あるいはカレンダー成形機を用いて調製することができる。あるいは組成物の諸成分をブラベンダーなどで混練した後、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート化する方法、または押出機を用いて混練した後Tダイまたは環状ダイを通してシート化する方法などにより、未架橋かつ未発泡状態の発泡性シートを調製することができる。
【0066】
発泡体
本発明に係る発泡体は、上記のような、本発明に係る樹脂組成物を発泡または架橋発泡、通常は130〜200℃、30〜300kgf/cm2、10〜90分の条件下で発泡または架橋発泡することにより得られる。ただし、(架橋)発泡時間については、金型の厚さに依存するため、この範囲を超えて、適宜増減され得る。
【0067】
また、本発明に係る発泡体は、上記条件下で発泡または架橋発泡された成型体を、130〜200℃、30〜300kgf/cm2、5〜60分、圧縮比1.1〜3、好ましくは1.3〜2の条件下で圧縮成形して得られる発泡体であってもよい。
【0068】
これらの発泡体は、比重(JIS K7222)が0.05〜0.25である。架橋発泡体としては、ゲル分率が70%以上であることが望ましく、通常は70〜90%である。
【0069】
このような物性を有する、本発明に係る発泡体、特に架橋発泡体は、圧縮永久歪みが小さく、引裂強度が高く、反撥弾性が高い特性を持つ。
【0070】
なお、上記ゲル分率(ゲル含量;キシレン不溶解分)は、次のようにして測定される。
【0071】
架橋発泡体の試料を秤量して細かく裁断し、次いで得られた細片を、密閉容器中にキシレンと共に入れ、3時間還流させた。
【0072】
次に、この試料をろ紙上に取出し、絶乾させた。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のキシレン不溶性成分(たとえばフィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0073】
一方、試料の重量からポリマー成分以外のキシレン可溶性成分(たとえば安定剤等)の重量およびポリマー成分以外のキシレン不溶性成分(たとえばフィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
【0074】
ここに、ゲル含量(キシレン不溶解分)は、次式により求められる。
【0075】
ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷[補正された初期重量(X)]×100
発泡体の調製
本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)は、たとえば以下のような方法により調製することができる。
【0076】
本発明に係る組成物のシートは、たとえば組成物の調製の項で述べた混合物を、カレンダー成形機、プレス成形機、Tダイ押出機を用いて得ることができる。このシート成形時においては、発泡剤(C)および有機ペルオキシド(D)の分解温度以下でシート成形する必要があり、具体的には、組成物の溶融状態での温度が100〜130℃となる条件に設定してシート成形する必要がある。
【0077】
上記方法によってシート化された組成物は、130〜200℃に保持された金型に、金型の容積に対して1.0〜1.2の範囲に裁断して、金型内に挿入する。金型の型締め圧力は30〜300kgf/cm2、保持時間10〜90分の条件下で、一次発泡体(非架橋または架橋発泡体)を作製する。ただし、(架橋)時間については、金型の厚さに依存するため、この範囲を超えて、適宜増減され得る。
【0078】
上記(架橋)発泡用金型は、その形状は特に制限はされないが、通常シートが得られるような形状を有している金型が用いられる。この金型は、溶融樹脂および発泡剤分解時に発生するガスが抜けないように、完全に密閉された構造とする必要がある。また、型枠としては、内面にテーパーが付いている型枠が樹脂の離型性の面から好ましい。
【0079】
上記方法により得られた一次発泡体を、圧縮成形により所定の形状の付与を行なう。このときの圧縮成形条件は、金型温度が130〜200℃、型締め圧力が30〜300kgf/cm2、圧縮時間が5〜60分、圧縮比が1.1〜3.0の範囲である。
【0080】
また、電離性放射線照射による架橋方法により架橋発泡体を得るには、まず、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、無機金属化合物(B)と、発泡剤(C)として有機系熱分解型発泡剤と、他の添加剤とを、有機系熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練し、得られた混練物をたとえばシート状に成形し、発泡性シートを得る。
【0081】
次いで、得られた発泡性シートに電離性放射線を所定量照射してグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体A)と無機金属化合物(B)とを架橋させた後、得られた発泡性の架橋シートを有機系熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させることによって、架橋発泡シートを得ることができる。
【0082】
電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線などが用いられる。このうちコバルト−60のγ線、電子線が好ましく用いられる。
【0083】
発泡体の製品形状としては、たとえばシート状、厚物ボード状、ネット状、型物などが挙げられる。
【0084】
上記のようにして得られた架橋発泡体から、上述した二次発泡体の製造方法と同様にして、上記物性を有する二次架橋発泡体を調製することができる。
【0085】
積層体
本発明に係る積層体は、上記した、本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)からなる層と、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層とを有する積層体である。
【0086】
上記のポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革は、特に制限はなく、従来公知のポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革、人工皮革を用いることができる。このような積層体は、特に履き物ないし履き物用部品の用途に好適である。
【0087】
履き物ないし履き物用部品
本発明に係る履き物ないし履き物用部品は、上記した、本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)または積層体からなる。
【0088】
履き物用部品としては、たとえば靴底、靴のミッドソール、インナーソール、ソール、サンダルなどが挙げられる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、低比重で圧縮永久歪み(CS)が小さく、しかも、引裂強度特性および反撥弾性に優れた発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、その発泡体(二次圧縮発泡体も含む)、およびその発泡体を用いた積層体を提供することができる。
【0090】
また、本発明によれば、上記非架橋もしくは架橋発泡体または上記積層体からなる履き物ないし履き物用部品たとえば靴底、靴のミッドソール、靴のインナーソール、サンダルを提供することができる。
【0091】
【実施例】
なお、実施例および比較例で用いたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体の密度、MFR、B値、Tαβ強度比、分子量分布(Mw/Mn)また、実施例および比較例で得られた架橋発泡体について、比重、圧縮永久歪み、引裂強度、アスカーC硬度(表面硬度)および反発弾性を下記の方法に従って測定した。グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体の物性評価
(1)密度
密度は、ASTM D1505に従い、23℃にて求めた。
(2)MFR
MFRは、ASTM D1238に従い、190℃および230℃にて求めた。190℃,2.16kg荷重での測定値をMFR2、190℃,10kg荷重での測定値をMFR10とした。
【0092】
グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体の物性評価
(3)B値、Tαβ強度比
13C−NMRにより求めた。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、オルトジクロロベンゼン溶媒、140℃にて求めた。
【0093】
架橋発泡体の物性評価
(1)比重
比重は、JIS K7222に従って測定した。
(2)圧縮永久歪み
JIS K6301に従って、50℃×6時間、圧縮量50%の条件で圧縮永久歪み試験を行い、圧縮永久歪み(CS)を求めた。
(3)引裂強度
BS5131−2.6に従って、引張速度10mm/分の条件で引裂強度試験を行い、引裂強度を求めた。
(4)アスカーC硬度
アスカーC硬度は、JIS K7312−1996付属書2記載の「スプリング硬さ試験タイプC試験方法」に従って求めた。
(5)反発弾性
反発弾性は、JIS K6255に従って測定した。
【0094】
【製造例】
特開2003−073494号公報実施例に準じた方法でメタロセン触媒を用いてエチレン・1−ブテン共重合体(S−1)を製造した。エチレン・1−ブテン共重合体(S−1)の性状を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
[グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)の調製]
上記エチレン・1−ブテン共重合体(S−1)10kgと、無水マレイン酸50gおよびジ―tert−ブチルペルオキシド3gを30gのアセトンに溶解させた溶液とをヘンシェルミキサー中でブレンドした。
【0097】
次に、上記ブレンド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出機のホッパーより投入し、樹脂温280℃、押出量6kg/hでストランド状に押出して水冷した後、ペレタイズしてグラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)を製造した。
【0098】
得られたグラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)から未反応の無水マレイン酸をアセトンで抽出後、得られたグラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)中における無水マレイン酸グラフト量を測定したところ、グラフト量は0.90重量%であり、密度は885kg/m3、230℃, 2.16kg荷重でのMFRは5.0g/10minであった。
【0099】
【実施例1】
グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)97重量部、酸化亜鉛(B−1)3重量部[ここで、(A−1)+(B−1)=100重量部]、ジクミルペルオキシド(DCP)0.6重量部、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)[商品名 M−60(TAIC含有量60%)、日本化成(株)製]0.09重量部(TAIC含量として)、アゾジカルボンアミド4.0重量部、ステアリン酸1.0重量部からなる混合物を、ロールにより、ロール表面温度120℃で10分間混練した後、シート状に成形した。
【0100】
得られたシートは、プレス金型に充填し、150kg/cm2、155℃、30分の条件で、加圧、加熱し、一次架橋発泡体を得た。このプレス金型のサイズは、厚み15mm、縦150mm、横200mmであった。
【0101】
次いで、この一次架橋発泡体を、150kg/cm2、155℃の条件で10分間圧縮成形を行い、二次架橋発泡体を得た。得られた二次架橋発泡体のサイズは、厚み15mm、縦160mm、250mmであった。
【0102】
次いで、この二次架橋発泡体の比重、圧縮永久歪み、引裂強度、アスカーC硬度、反発弾性を上記方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
【0103】
【比較例1】
実施例1において、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(A−1)97重量部からエチレン・1−ブテン共重合体(S−1)97重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
Claims (10)
- エチレン・α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)70〜99.9重量%、無機金属化合物(B)30〜0.1重量%(ここで、(A)および(B)の合計量は合わせて100重量%となる)および発泡剤(C)、とからなることを特徴とする組成物。
- 前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたものであり、前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が以下の性質を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
(i)密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.915g/cm3の範囲にあり、
(ii)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)
(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.01〜40g/10分の範囲にあり、
(iii)GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Mnが1.5〜3
.5の範囲にある。 - 前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体が以下の性質を有することを特徴とする請求項1および2に記載の組成物。
(iv)密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.915g/cm3の範囲にあり、
(v)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)
(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.01〜80g/10分の範囲にあり、
(vi)GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Mnが1.5〜3.5の範囲にある。 - 前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および/またはグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体が以下の性質を有することを特徴とする請求項1〜3に記載の組成物。
(vii) 190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)との比:MFR10/MFR2が次の式を満たし、
MFR10/MFR2≧6.0
Mw/Mn+5.0≦MFR10/MFR2
(viii) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であり、
(ix)13C−NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が
0.9〜1.5である。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α−オレフィン連鎖数の割合である。) - 前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 前記発泡剤(C)が、有機系熱分解型発泡剤、無機系熱分解型発泡剤、有機系物理発泡剤および無機系物理発泡剤から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を熱処理して得られることを特徴とする発泡体。
- 請求項7に記載の発泡体を二次圧縮して得られることを特徴とする発泡体。
- 請求項7または8に記載の発泡体からなる層と、
ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層を有することを特徴とする積層体。 - 請求項7または8に記載の発泡体または請求項9に記載の積層体からなることを特徴とする履き物または履き物用部品。
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