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JP2005044748A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2005044748A JP2003280252A JP2003280252A JP2005044748A JP 2005044748 A JP2005044748 A JP 2005044748A JP 2003280252 A JP2003280252 A JP 2003280252A JP 2003280252 A JP2003280252 A JP 2003280252A JP 2005044748 A JP2005044748 A JP 2005044748A
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Abstract

【課題】 幅広い条件で運転可能、かつ燃料利用効率の高い燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 新規供給水素ライン6は、圧力調整弁3で圧力調整された高圧ガスタンク2からの新規供給水素ガスをイジェクタ4に供給する。イジェクタ4は、燃料電池スタック1から排出された余剰の水素ガスと新規供給水素ガスとを混合して燃料電池スタック1に供給する。イジェクタ循環水素ライン8は、燃料極出口から排出された余剰水素ガスをイジェクタ4の吸込口へ導く。ポンプ循環水素ライン9は、燃料極出口から排出された余剰の水素ガスをイジェクタ排気口の下流へ導くとともに、その途中には、強制的に循環可能なガス循環ポンプ5が配置される。セル電圧センサ14の検出値に基づいてコントローラ15は水閉塞状態を判定し、これが解消するまでガス循環ポンプ5を断続運転させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池スタックから排出された燃料ガスまたは酸化剤ガスを再度燃料電池スタックに循環させるガス循環装置を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
燃料電池は、単セルの起電力が約1[V]程度と低いために、通常多数のセルを積層した燃料電池スタックとして構成される。この燃料電池スタックの全てのセルで高い発電効率を維持するためには、実際に電気化学反応に必要な反応ガス量より多い反応ガス量を燃料電池スタックに供給して燃料電池スタック端部のセルまで反応ガスを行き渡らせることが一般的に行われている。このとき余剰のガスが燃料電池スタック出口側から排出されることになるが、これを未利用のまま無駄に捨てるのではなく、ガス循環経路を設けて再び燃料電池スタック入口側に戻すことで、燃料消費率を悪化させずに燃料電池スタックへの流入反応ガス量を確保する方法がとられる。
燃料電池システムのガス循環装置としてイジェクタとポンプとを併用したものは、例えば、特許文献1に示された燃料循環式燃料電池システムがある。このシステムによれば、高速流体の負圧を利用したジェットポンプの一種であるイジェクタと外部から動力が供給される燃料ポンプとを並列または直列に配置して、これらイジェクタおよび燃料ポンプにより、燃料電池スタックから排出される未反応燃料ガスを再度燃料電池スタックへ送り込む構成としている。
特開2003−151588号公報(第4頁、図1)
しかしながら、上記従来の燃料電池システムでは、燃料電池を通して燃料循環流路に侵入してきた窒素や燃料電池から排出される過剰な水分を系外に分離・除去するために、燃料循環流路から分岐したパージ配管にパージ弁を設け、このパージ弁を定期的に開放して水素パージを行っていたため、燃料ガスが無駄に系外へ放出されることから燃料電池の燃費性能の低下を招くという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するため、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックと、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給管と、余った燃料ガスを前記燃料電池スタック外に排出する燃料排出管と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給管と、余った酸化剤ガスを前記燃料電池スタック外に排出する酸化剤排出管と、前記燃料排出管または前記酸化剤排出管から燃料電池スタック外に一度排出した燃料ガスまたは酸化剤ガスを循環ガスとして再び前記燃料供給管または前記酸化剤供給管に送り込む第1の循環経路と、新規に供給する燃料ガスまたは酸化剤ガスと前記循環ガスとを混合するイジェクタと、前記第1の循環経路と並列に配置され、前記燃料排出管または前記酸化剤排出管から燃料電池スタック外に一度排出した燃料ガスまたは酸化剤ガスを循環ガスとして再び前記燃料供給管または前記酸化剤供給管に送り込む第2の循環経路と、第2の循環経路内のガスを強制循環可能なガス循環ポンプと、前記燃料電池スタック内ガス通路の水閉塞状態を直接的、あるいは間接的に検出する水閉塞状態検出手段と、該水閉塞状態検出手段が水閉塞状態を検出した場合に、前記水閉塞状態が改善されるまでの間、前記ガス循環ポンプを断続運転するように制御する制御手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
本発明によれば、燃料電池スタック内ガス通路の水閉塞状態は、パージ弁を開いて燃料ガスを外部へ放出することなく、ガス循環ポンプの断続運転により解消させることができるので、パージの頻度を減少させ燃料電池システムの運転性および燃費性能を向上させることができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の最良の実施形態を説明する。以下の各実施例では、イジェクタを経由する第1の循環ガスラインに並列に第2の循環ガスラインを備え、第2の循環ガスラインの途中に強制循環可能なガス循環ポンプを備えて、燃料電池スタックの水閉塞状態が検出されたときに、反応ガスを無駄に系外に捨てることなく、ガス循環ポンプを断続運転させて水閉塞状態を解消する燃料電池システムを説明する。これらの実施例は、燃料電池システムの運転性及び経済性を高め、燃料電池車両に好適な燃料電池システムである。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1を説明する概略構成図である。本実施例では、燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を使用する例を説明する。
図1において、燃料電池システムは、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された燃料電池セルを少なくとも1つ備える燃料電池スタック1と、高圧水素ガスを貯蔵する高圧水素ガスタンク2と、高圧水素ガスタンク2から供給される水素ガスの圧力を調整する圧力調整弁3と、圧力調整弁3で圧力調整された新規供給水素ガスをイジェクタ4に供給する新規供給水素ライン6と、この新規供給水素ガスを駆動源として燃料電池スタック1から排出された余剰の水素ガスを吸引するとともに余剰水素ガスと新規供給水素ガスとを混合した水素ガスを燃料電池スタックへ供給するイジェクタ4と、イジェクタ4の排気口と燃料電池スタックの燃料極入口とを接続するスタック供給水素ライン7と、燃料極出口から排出された余剰水素ガスを強制的に循環可能なガス循環ポンプ5と、燃料極出口から排出された余剰水素ガスをイジェクタ4の吸込口へ導くイジェクタ循環水素ライン8と、途中にガス循環ポンプ5が配置され燃料極出口から排出された余剰の水素ガスをイジェクタ排気口の下流へ導くポンプ循環水素ライン9と、燃料電池スタックの酸化剤極入口へ酸化剤ガスを供給する酸化剤供給ライン10と、酸化剤極出口から排酸化剤ガスを導出する酸化剤排出ライン11と、燃料電池セルスタックのセル電圧を検出するセル電圧センサ14(水閉塞状態検出手段)と、セル電圧センサ14による水閉塞状態検出結果に基づいて、ガス循環ポンプ5を駆動して水閉塞状態を解消させるコントローラ15(制御手段)とを備えている。
また、図示しないが、燃料電池システムは、スタック供給水素ライン7の圧力を検出する圧力ピックアップと、ポンプ循環水素ライン9の圧力を検出する圧力ピックアップとを備え、コントローラ15は、これら圧力ピックアップの検出値に従って、ガス循環ポンプ5の運転を制御する機能も備えている。
次に、上記構成による燃料電池システムの動作を説明する。
高圧水素ガスタンク2から取り出された高圧水素ガスは、圧力調整弁3で適正な圧力まで減圧され、新規供給水素ライン6を通じてイジェクタ4の供給口に供給される。
イジェクタ4では内部のノズルで高速のガス流を作りだすことにより負圧を発生させ、その負圧を利用して吸込口からイジェクタ循環水素ライン8を介して燃料極出口から排出される余剰の水素ガスを吸い込む。イジェクタ4は、新規供給水素ガス流と余剰水素ガスとを混合しながら排気口から吐出し、この混合水素ガスをスタック水素供給ライン7を経由して燃料電池スタック1へと供給する。
一方、空気は、図示しないコンプレッサから酸化剤供給ライン10を通じて燃料電池スタック1に送り込まれ、燃料電池スタックで使用されなかった余剰の空気は、酸化剤排出ライン11及び図示しない圧力調整弁を介して燃料電池スタック1の外部へ排出される。
燃料電池スタック1の内部では、水素ガスと空気中の酸素との電気化学的反応により水素と酸素の持つ化学エネルギが電気エネルギに変換される。電気化学的反応に携わらなかった余剰の水素ガスは、燃料電池スタック1から排出されるが、本実施例では余剰の水素ガスを、イジェクタ循環水素ライン8とポンプ循環水素ライン9との2系統のガス配管を通して再循環できる構成となっている。
そのうちのイジェクタ循環水素ライン8によってイジェクタ4の吸込み口へ余剰水素ガスを戻し、イジェクタ4による吸引、昇圧作用によって再びスタック供給水素ライン中に送り出すことができる。
もう一方がポンプ循環水素ライン9であり、これによってガス循環ポンプ5の吸入口へ余剰水素ガスを戻し、ガス循環ポンプ5による吸引、昇圧によって再びスタック供給水素ライン7中に送り出すことができる。
なお、図にあるように、ガス循環ポンプ5から吐出された余剰水素ガスは、イジェクタ4の排気口より下流側にて、スタックへ向かう流れとして合流するような配管レイアウトになっている。
この燃料電池スタック1として用いられる固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)における単位セル電池の構成を、図11を用いて説明する。
水素イオン導電性を有する固体高分子膜128を挟んで、アノード電極129、カソード電極130が配置され、アノード電極129に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給溝131、カソード電極130に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給溝132、それぞれの供給溝の外側には導電性を有するガス不透過性のアノードセパレータ133、カソードセパレータ134、アノードセパレータ133のさらに外側には、導電性を有するガスおよび水不透過性の水セパレータ135、発電に伴って発生する余分の熱を取り除くことにより、燃料電池スタック温度を適正に保つためのスタック冷却水を流す冷却水供給溝136が配設されており、128〜136によって単位セル電池137が構成されている。
以上のような固体高分子電解質型燃料電池においては、アノード電極129に燃料ガスを、カソード電極130に酸化剤ガスをそれぞれ供給すると、単位セル電池の一対の電極間で電気化学反応により、以下のように起電力が生じる。
(化1)
アノード反応: H2 → 2H+ + 2e-
カソード反応: 2H+ +(1/2)O2 + 2e- → 2H2
通常、アノードに供給する燃料ガスとしては水素が使用され、カソードに供給する酸化剤ガスとしては空気が使用される。まず、アノード電極129に水素、カソード電極130に空気をそれぞれ供給すると、アノード電極129では、供給された水素は水素イオンと電子に解離する。そして水素イオンは固体高分子膜128を通り、電子は外部回路を通って、それぞれカソード電極130に移動する。
一方、カソード電極130においては、供給された空気中の酸素と上記水素イオンと電子が反応して水を生成する。このとき外部回路を通った電子は電流となり電力を供給することができる。つまり、アノード電極129にカソード電極130においては、それぞれ上述した化学反応式に示す反応が進行する。なお、生成された水は未反応ガスと共に電池外に排出される。
ところで、単位セル電池137の起電力は1[V]以下と低いため、燃料電池スタック1は、数十〜数百枚の単位セル137を積層している。
ここで使用される水素イオン導電性を有する固体高分子膜128としては、例えば、プロトン交換膜であるパーフルオロカーボンスルホン酸(NafionR 、米国デュポン社製)が知られている。この膜は、分子中に水素イオンの交換基をもち、飽和含水することにより水素イオン導電性電解質として機能すると共に、燃料と酸化剤を分離する機能も有する。逆に、膜の含水量が少なくなるとイオン抵抗が高くなり、膜を透過した燃料と酸化剤が混合するクロスオーバが発生し、電池での発電が不可能となる。このため、固体高分子膜は飽和含水としておくことが望ましい。
発電によりアノード電極で分離した水素イオンが固体高分子膜を通りカソード電極に移動する時に、水も一緒に移動するために、アノード電極側では固体高分子膜は乾燥する傾向にある。また、供給する燃料又は空気の含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反応ガス入り口付近で固体高分子膜は乾燥する傾向にある。
上記の理由から、燃料電池スタック1には、予め加湿した燃料と酸化剤を供給すること、もしくは燃料電池内で反応生成された水を使っての湿潤をする。
図2は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1におけるガス循環ポンプの役割を説明するための図である。
本実施例のような燃料電池システムでは、定常的に電力を発生させるために、イジェクタ4に上流から供給される水素量分が、燃料電池スタック1での水素消費量(運転負荷に対応)に等しくならなければいけないが、イジェクタ4での吸引力発生はノズル噴流の流量(流速)に応じて内部負圧が高まり、吸込み流量(循環流量)が増加してゆくというメカニズムになっているため、ガス循環装置としてイジェクタのみを使用する場合には、図2の破線で示すように、供給水素量と循環水素量は基本的に一対一の関係となっている。
これに対し、本実施例ではガス循環ポンプによるガス循環ラインを並列に配置しているため、イジェクタのみ使用で実現される循環水素流量に対して、ガス循環ポンプの循環流量を最大としたときには、図2の実線で示すような循環水素流量を得ることができる。さらに、ガス循環ポンプの出力を可変としているので、図2の斜線で示した領域全てを実現可能な循環水素流量をすることができる。
上述の構成であれば、イジェクタでのガス循環も確保しつつ、燃料電池システムの運転負荷が一定の条件下、つまりイジェクタへの供給水素量が一定の条件下においても、ガス循環流量のみ独立に制御できるようになるため、燃料電池システムの運転性を向上させることが可能となるうえ、従来の燃料電池システムで用いているような、燃料ガスを系外に捨てるガスパージ操作を不必要とすることができるため、燃料電池システムの経済性をも高めることが可能となる。
図6は、実施例1の燃料電池システムにおける燃料電池スタックの水詰まり状態信号に応じたガス循環ポンプの運転方法を説明する図である。
燃料電池スタック1を構成する何れかのセルで、セル内ガス流路に水閉塞状態が発生すると、当該セルへの燃料ガスまたは酸化剤ガスの供給流量が減少し、当該セルの発電電圧が低下する。このため、燃料電池スタックの各セル電圧を計測し、そのバラツキを判定することにより、水閉塞状態にあるか否かを判定することができる。
本実施例においては、燃料電池スタック1の各セル電圧を検出するセル電圧センサ14を備え、セル電圧センサ14が検出した各セル電圧をコントローラ15へ入力している。コントローラ15は、セル電圧の分布から燃料電池スタック2のいずれかのセルが水閉塞状態にあるか否かを判定するための水詰まり状態信号を生成している。
水詰まり状態信号は、例えば、セル電圧の平均値Vavと最も電圧の低いセル電圧Vmin との差ΔV(=Vav−Vmin )が所定値を超えたときに水詰まり発生、そうでない場合を良と判定した信号である。またはセル電圧の分散値Vσ を算出し、分散値Vσ が所定値を超えたときに水詰まり発生、そうでない場合を良と判定してもよい。さらに、燃料電池スタックを構成するセル数が多い場合には、判定精度は低下するが、セル電圧センサ14がセル毎の電圧を検出するのではなく、一定数の直列接続されたセル群毎の電圧を測定して、コントローラ15が同様の判定を行ってもよい。
尚、水詰まり状態の程度を水詰まりレベル信号として出力する場合には、上記ΔVまたは、Vσ をそのまま水詰まりの程度を示す水詰まりレベル信号としてもよい。
本実施例では、上述の水詰まり状態信号が不良(水詰まり発生)になったとき、ガス循環ポンプの回転速度を図6のようにある周期で変動させる。これにより燃料電池スタックへ流入してゆくガス量(ガス流速)に脈動を与えることができる。
図7は、本実施例の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプの動きを制御するためのフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
まずステップS21で燃料電池スタック内ガス通路の水詰まり状態を、セル電圧センサの検出値などから求める。ステップS22では、現状の水詰まり状態のレベルが、不良であるのか、良であるのかについて判定し、良と判定された場合には、ステップS21に戻されて、再び水詰まり状態の取り込みを行う。不良と判定された場合には、ステップS23へ移ってポンプの運転回転速度に変動を与えはじめ、スタック内ガス通路内部の付着水の除去を開始する。
次にステップS24にて、水詰まり状態のレベルが、ポンプの断続運転によって改善されて良に戻ったどうかの判定が行われ、まだ不良のままであるときはステップS23に戻って、ポンプの断続運転を継続する。良に戻った場合には、もはや断続運転の必要がないとして、ステップS25にてポンプを通常の運転に戻す。
上述のような構成と制御方法であれば、燃料電池スタックを通過するガスの流れに脈動を与えることで、水詰まりを引き起こしているガス通路内の付着水を素早く除去する作用が得られ、結果として燃料電池システムの運転性、信頼性のさらなる向上をもたらすことを可能とする。
図3は、実施例2の燃料電池システムの概略構成図である。
本実施例では、イジェクタ4の排気側にイジェクタ内部への逆流を防止する向きに逆流防止弁B−13を、ガス循環ポンプ5の吐出側にポンプ内部への逆流を防止する向きに逆流防止弁A−12を設置してあり、上記以外は前述の実施例1と同様であるので、同じ構成要素には、同一符号を付与して重複する説明を省略する。
図4は、本実施例の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプの回転速度、昇圧量、吐出量の関係を説明する図である。
ガスを作動流体とするガス循環ポンプ(コンプレッサ)に、水素ガスのような漏洩性の高い気体を用いた場合の一般的な特性として、同一のポンプ回転速度であっても昇圧量が高くなるにつれて、反対に吐出量は減少してゆくという傾向を有する。ポンプを高回転化すれば昇圧量、吐出量ともに大きくすることが可能であるが、昇圧量に関しては最大値が存在することが多い。ポンプ内部での微小隙間における内部漏れが、水素のような粘性の低い、分子の小さな気体の場合は顕著に現れることが主要因である。
よって、燃料電池システムで要求されるガス循環ポンプの運転条件が、ポンプ吐出量と昇圧量(スタック運転圧に相当)の関係で、上記のポンプ最大昇圧値を超えるような場合には、ポンプを運転していてもポンプ内では吸入した全量が内部漏れしていることになるため、ポンプを作動させる意味がなくなるので、ガス循環ポンプを停止させる制御を行う。
図5は、本実施例の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプの制御するコントローラによるフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
まずステップS11で、燃料電池スタック1への水素ガスの供給圧Pin、排気圧Pout を、それぞれスタック供給水素ライン7、ポンプ循環水素ライン9(またはイジェクタ循環水素ライン8、または8と9との合流点の上流部)に配設した圧力ピックアップなどで測定して取り込む。次いで、ステップS12において、PinとPout より、現状のポンプ昇圧量ΔP(=Pin−Pout )の算出をする。ステップS13に移って、現状の昇圧量ΔPが上述したポンプ最大昇圧値ΔPmax に到達しているかどうかを判定し、まだ最大値に達していない場合はステップS15にて、ポンプでの内部漏れの影響はまだ小さいとしてポンプ運転を継続する、もしくはポンプが停止していた場合は運転を開始する。
一方、ステップS13の判定で、最大値に達してしまった場合には、ステップS14に飛んで、ポンプの内部漏れの影響が十分大きく、ポンプを作動させる意味がなくなったとしてガス循環ポンプ5の運転を停止する。
また、本実施例において、セル電圧センサ14の検出結果に基づいて、コントローラ15は、セル電圧の分布から燃料電池スタック2のいずれかのセルが水閉塞状態にあるか否かを判定するための水詰まり状態信号を生成している。そして、コントローラ15は、水詰まり状態信号により水詰まり状態が発生したと判定したときに、水詰まり状態信号が水詰まり状態を示さなくなるまで、ガス循環ポンプ5を断続運転するように制御する。このとき、逆流防止弁12を開き、逆流防止弁13を閉じるように制御する。コントローラ15のよるその他の制御は、実施例1で図6、図7を参照して説明したのと同様の制御を行う。
上述のような構成であれば、運転負荷変化の過渡期などで、イジェクタでの昇圧量とガス循環ポンプでの昇圧量のバランスが一時的に崩れてしまった場合であっても、イジェクタから昇圧、吐出されたガス流の一部が、ガス循環ポンプ内を逆流してしまうこと、もしくはガス循環ポンプから昇圧、吐出されたガス流の一部が、イジェクタ内を逆流してしまうことを防止することができ、これにより、一層無駄なく効率的に燃料電池スタックへガスを循環することが可能となるため、結果的に燃料電池システムの運転安定性が増し、ガス循環ポンプ駆動のための電力を低減する効果が期待できる。
また、上述のような制御方法であれば、実施例1よりさらにガス循環ポンプでの無駄な電力消費をカットすることが可能となり、燃料電池システム全体の電力需給バランスをより改善することにつながる。
図8は、本発明の実施例3の燃料電池システムにおける、燃料電池スタックの水詰まり状態信号に応じたガス循環ポンプの運転方法を説明する図である。
本実施例においては、燃料電池スタック内部のガス通路内の水詰まり状態の程度を連続的あるいは段階的に知りえる信号を、燃料電池スタックの各セルの発生電圧の挙動などから推測して出力できる機能を有しており、それを除いては前述までの実施例と同じである。
本実施例では、上述の水詰まり状態信号レベルが、あらかじめ定められたある閾値を超えたとき、燃料電池スタック内ガス通路の水詰まりを解消する必要があるとして、ガス循環ポンプ断続運転を開始するが、そのポンプ回転速度の変動の周波数は、水詰まり状態のレベルに応じて変化させるものとなっている。これにより燃料電池スタックへ流入してゆくガス量(ガス流速)に与える脈動の周波数を、水詰まり状態のレベルに応じて変化させることができる。
図9は、本実施例の燃料電池システムにおける、燃料電池スタックの水詰まり状態レベル信号とガス循環ポンプ回転変動の周波数の関係を説明する図である。
水詰まり状態レベルが閾値より下にあるときは、ガス循環ポンプの回転速度に変動を与える必要がないため、一定の回転速度での通常運転となる。しかし、水詰まりレベルが閾値を超過した時点からガス循環ポンプの断続運転が開始され、水詰まり状態レベルが悪化するにつれて、ポンプ回転速度を変動させる周波数を高くなるような関係を持たせておく。
即ち、水詰まり状態の程度が高くなればなるほど、ガス循環ポンプの回転速度を変動させる周波数を高く(変動周期を短く)することにより、燃料電池スタック内に水詰まりを生じさせた液滴を排出し易くする特性とし、逆に水詰まりの程度が低ければ、ガス循環ポンプの回転速度を変動させる周波数を低く(変動周期を長く)することにより、イジェクタとガス循環ポンプとの双方からスタックに供給するガスの総量が低下して発電出力が低下することを防止するような特性とする。
図10は、本実施例の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプの動きを制御するためのフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
まずステップS31で燃料電池スタック内ガス通路の水詰まり状態の程度を示す水詰まり状態レベル信号を、セル電圧のモニタ値などから求める。ステップS32では、水詰まり状態レベル信号が予め定められた閾値以下かどうかを判定することにより、現状の水詰まり状態の程度について判定する。ステップS32で、閾値以下と判定された場合には、ステップS31に戻されて、再び水詰まり状態レベル信号の取り込みを行う。閾値以上と判定された場合には、ステップS33へ移り、コントローラ内に予め記憶した図9に相当するポンプ回転速度変動周波数テーブルより、水詰まり状態レベル信号に対応する周波数の読み取りを行い、ステップS34にて読み取った繰り返し周波数でのポンプの回転速度変動運転を開始する。
次にステップS35にて、水詰まり状態レベル信号が、ポンプの断続運転によって改善されて閾値を下回ったかどうかの判定が行われ、まだ閾値以上のままであるときはステップS33に戻って、現状の水詰まり状態レベル信号を更新して、再び対応するポンプ回転速度変動運転の周波数を読み取る。閾値以下に回復したと判定された場合には、ステップS36に移り、もはや断続運転の必要がないとして、ポンプを通常の運転に戻す。
上述のような構成と制御方法であれば、水詰まりの程度に応じてガス循環ポンプの断続運転の繰り返し周波数を変化させることができ、つまりその条件で最適なガス流の脈動を燃料電池スタックを通過するガスの流れに付与することができ、ガス通路内の付着水分を効率的に除去する作用が得られ、結果として燃料電池システムの運転性、信頼性をより一層高める効果が期待できる。
以上、好ましい実施例について説明したが、これらの実施例による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、これらの実施例に基づいて当業者等によりなされる他の実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、実施例では、セル電圧により間接的に水閉塞状態を検出する例を説明したが、各セルにガス流量センサを設けて、直接セル毎のガス流量を測定し、測定したガス流量が減少したセルを水閉塞状態と判定する直接的な水閉塞状態検出手段を利用することも可能である。
このようなガス流量センサとしては、マイクロメカニカル・ホットフィルム式ガス流量センサがあり、質量流量を検出することができる(例えば、ボッシュ自動車ハンドブック第1版、p118、山海堂、1999.3.31)。
また実施例では、燃料ガス系統にガス循環ポンプを設けた例を説明したが、宇宙空間や海中で使用される燃料電池システムでは、地上で使用される燃料電池とは異なり、大気から取り込んだ空気を酸化剤ガスとして利用することができない。このため貯蔵手段に貯蔵した酸化剤ガスを利用することになり、燃料ガス系統と同様に酸化剤ガス系統にガス循環ポンプを設けて、燃料ガス系統と同様な制御を行うことができる。
本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を説明する概略構成図である。 実施例1におけるガス循環ポンプの作用を説明する供給水素流量対循環水素流量の図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例2の構成を説明する概略構成図である。 本発明におけるガス循環ポンプの回転速度、昇圧量、吐出量の関係を説明する図である。 実施例2の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプを制御するフローチャートである。 実施例1の燃料電池システムにおける(a)水詰まり状態フラグ、(b)ガス循環ポンプ回転速度、(c)スタック供給ガス量をそれぞれ説明する図である。 実施例1の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプを制御するフローチャートである。 実施例3の燃料電池システムにおける(a)水詰まり状態レベル、(b)ガス循環ポンプ回転速度、(c)スタック供給ガス量をそれぞれ説明する図である。 実施例3における水詰まり状態レベルからガス循環ポンプ回転変動周波数を求めるテーブル例を説明する図である。 実施例3の燃料電池システムにおけるガス循環ポンプを制御するフローチャートである。 固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)における単位セルの構成を説明する模式図である。
符号の説明
1:燃料電池セルスタック
2:高圧水素ガスタンク
3:圧力調整弁
4:イジェクタ
5:ガス循環ポンプ
6:新規供給水素ライン
7:スタック供給水素ライン
8:イジェクタ循環水素ライン
9:ポンプ循環水素ライン
10:酸化剤供給ライン
11:酸化剤排出ライン
12:逆流防止弁A
13:逆流防止弁B
14:セル電圧センサ(水閉塞状態検出手段)
15:コントローラ

Claims (4)

  1. 電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックと、
    前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給管と、
    余った燃料ガスを前記燃料電池スタック外に排出する燃料排出管と、
    前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給管と、
    余った酸化剤ガスを前記燃料電池スタック外に排出する酸化剤排出管と、
    前記燃料排出管または前記酸化剤排出管から燃料電池スタック外に一度排出した燃料ガスまたは酸化剤ガスを循環ガスとして再び前記燃料供給管または前記酸化剤供給管に送り込む第1の循環経路と、
    新規に供給する燃料ガスまたは酸化剤ガスと前記循環ガスとを混合するイジェクタと、
    前記第1の循環経路と並列に配置され、前記燃料排出管または前記酸化剤排出管から燃料電池スタック外に一度排出した燃料ガスまたは酸化剤ガスを循環ガスとして再び前記燃料供給管または前記酸化剤供給管に送り込む第2の循環経路と、
    第2の循環経路内のガスを強制循環可能なガス循環ポンプと、
    前記燃料電池スタック内ガス通路の水閉塞状態を直接的、あるいは間接的に検出する水閉塞状態検出手段と、
    該水閉塞状態検出手段が水閉塞状態を検出した場合に、前記水閉塞状態が改善されるまでの間、前記ガス循環ポンプを断続運転するように制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記ガス循環ポンプの出口側に、前記ガス循環ポンプへの逆流を防ぐ向きに第1逆流防止弁を設け、
    前記イジェクタの出口から、前記ガス循環ポンプの出口との合流点までの間に、イジェクタ出口への逆流を防ぐ向きに第2逆流防止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記ガス循環ポンプで可能な最大昇圧量に対して、実際の要求昇圧量の方が大きくなるような運転領域にある場合に、前記ガス循環ポンプの運転を停止することを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記水閉塞状態検出手段は、前記燃料電池スタック内ガス通路の水閉塞の程度を検出し、
    前記制御手段は、前記水閉塞状態検出手段が検出した水閉塞の程度が悪化するにつれて、前記ガス循環ポンプの断続運転の断続の頻度を高める制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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