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JP2004512003A - 成長分化因子−9の調節配列およびそのための用途 - Google Patents

成長分化因子−9の調節配列およびそのための用途 Download PDF

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Abstract

単離されたGDF−9の調節配列、ならびに遺伝子の組織特異的発現を調節するための該配列の使用方法が開示される。GDF−9の調節配列は、例えば、特定の組織中でのGDF−9の転写を天然に駆動するエンハンサーおよびプロモーター要素を包含する。GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の転写されない上流(例えば最初の10キロ塩基)および下流領域ならびに転写される翻訳されない領域由来であり得る。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、GDF−9遺伝子に由来する組織特異的調節要素、ならびに、該調節要素の同定方法および選択された組織において遺伝子発現を制御するための使用方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
成長分化因子9(GDF−9)は、胚の発生の調節および成体哺乳動物での組織恒常性の維持において重要な役割を演じる成長および分化因子の大きな一群を包含するTGFβスーパーファミリーの最近同定された一構成員である。これらの因子はプレプロペプチドとして合成され、成熟した分泌される形態で二量体を形成する。この二量体の状態で、GDFタンパク質は多様な細胞表面レセプターと相互作用することが可能であり、それにより多様な細胞過程を調節する。いくつかのTGFβファミリーの構成員が該因子の機能に関して組織特異的発現を有することが見出されている。例えば、骨格筋の成長の負の調節物質GDF−8は、骨格組織からの細胞で特異的に発現される(マクフェロン(McPherron,A.C.)ら、Nature 387:83−90、1997)。
【0003】
GDF−9の正確な機能は不明のままであるが、しかし、その遺伝子産物の分布はいくつかの組織、とりわけ卵巣(ならびに非常に低レベルで精巣および視床下部で)のみに限られることが既知である。ヒトでは、発現が下垂体および胎盤でもまた観察される(フィッツパトリック(Fitzpatrick)ら、Endocrinology 139:2571−2578、1998)。トランスジェニックマウスでの研究は、GDF−9遺伝子の混乱が初期段階を越える正常の濾胞の発生の予防をもたらし、雌性で不妊をもたらすことを見出した(ドング(Dong)ら、Nature 383:531−535、1996;カラバトソス(Carabatsos)ら、Developmental Biology 204:373−384、1998)。精巣におけるGDF−9の役割についてのデータは現在入手可能でないが、しかし雄性のGDF−9欠乏マウスは正常の生殖能を表わす。
【0004】
(発明の要約)
本発明は、単離されたGDF−9の調節配列、および遺伝子の組織特異的発現を調節するためのこれらのヌクレオチド配列の使用方法を提供する。本発明のGDF−9の調節配列は、例えば、特定の組織中でGDF−9の転写を自然に駆動するエンハンサーおよびプロモーター要素、ならびに他の組織中でGDF−9を自然に阻害するリプレッサー配列を包含する。
【0005】
一態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の5’もしくは3’隣接領域、またはGDF−9遺伝子のイントロンに由来する。特定の一態様において、該調節配列は、哺乳動物のGDF−9遺伝子(ヒトもしくは非ヒト)のようなGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の10キロ塩基、もしくは該遺伝子のエキソン(例えばマウスエキソン1および2)、もしくは該遺伝子のイントロン、もしくは該遺伝子の3’隣接領域の最初の1キロ塩基に由来する。別の態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子のコーディング配列のすぐ5’のDNAの最初の3.3キロ塩基に由来する。例えば、該配列は、配列番号1のヌクレオチド配列を有するマウスGDF−9遺伝子(mGDF−9)からの3.3キロ塩基の調節領域に由来し得る。別の態様において、該GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子のコーディング配列のすぐ5’のDNAの最初の300塩基対に由来する。さらに別の態様において、該GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子のコーディング配列のすぐ5’の3.3キロ塩基から10キロ塩基までの領域に由来する。
【0006】
本発明はまた、前述のGDF−9調節領域を含んで成る、もしくはそれ由来である単離されたポリヌクレオチド、ならびにそれらの変異体および相同物も包含する。例えば、例えばこれらもしくは他の選択された組織中での該遺伝子の発現を調節するようにある遺伝子に効果をもたらして連結し得る卵母細胞特異的および精巣特異的な制御要素が提供される。
【0007】
従って、別の局面において、本発明は、目的の遺伝子に場合によっては連結される前述の単離されたGDF−9の調節配列の1個もしくはそれ以上を含有する発現ベクターを提供する。該遺伝子はGDF−9それ自身であり得るか、または、その産物が1種もしくはそれ以上のGDF−9調節要素の制御下にあることが望ましい遺伝子(例えば、治療的遺伝子もしくはレポーター遺伝子)であり得る。
【0008】
別の局面において、本発明は、前述の単離されたポリヌクレオチドの1種もしくはそれ以上を含有するようトランスフェクションされた細胞もしくは組織を提供する。該細胞は、例えば、卵母細胞、精巣、胎盤、視床下部もしくは下垂体からの細胞であり得る。
【0009】
なお別の局面において、本発明は、ある遺伝子の組織特異的発現を得るもしくは制御する(例えば調節する)方法を提供する。該遺伝子は内在性遺伝子もしくは外因性遺伝子(例えば導入遺伝子)であり得る。一態様において、該方法は、本発明の1種もしくはそれ以上のGDF−9調節要素をある遺伝子に有効に連結すること、そしてその後、生じる遺伝子構築物を、GDF−9が天然に発現される組織(例えば卵母細胞、精巣もしくは視床下部)のような選択された組織の細胞中に(例えば微小注入法を介して)導入することを必要とする。本発明のGDF−9の調節要素は、こうした組織中での遺伝子発現のアップレギュレーションおよびこうした組織中での遺伝子発現のダウンレギュレーション(例えば抑制)の双方に使用し得る。
【0010】
なお別の局面において、本発明はGDF−9遺伝子に由来する組織特異的調節要素の同定方法を提供する。これは、例えば、GDF−9遺伝子のコーディング領域のすぐ上流(すなわち5’)の10キロ塩基の領域にわたるGDF−9調節領域の多様な部分を使用して、インビトロもしくはインビボ(例えばトランスジェニック動物で)のいずれかでのある遺伝子(例えばレポーター遺伝子)の発現レベルを比較することにより達成し得る。
【0011】
本発明の付加的な局面は以下の詳細な記述から明らかとなろう。
【0012】
(発明の詳細な記述)
本発明は、特定の組織(例えば、卵母細胞、精巣およびGDF−9が天然に発現される他の組織)中での選択された遺伝子の発現を制御(例えばアップレギュレーションもしくはダウンレギュレーション)するのに使用し得るGDF−9調節要素の同定および単離に基づく。
定義
本明細書で使用されるところの以下に定義される用語は以下の意味を有する。
【0013】
「単離されたポリヌクレオチド」は、その天然の配列の情況から取り出されたポリヌクレオチド(例えばDNA)を指す。単離されたポリヌクレオチドは、細胞中で転写もしくは翻訳されることが可能であるいかなるポリヌクレオチドでもあり得る。単離されたポリヌクレオチドは例えばベクター中にクローン化(ゲノムもしくはcDNAクローン)し得る。下に示されるようなものを除き、クローニング、DNAの単離、増幅および精製、DNAリガーゼ、ポリメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼなどを必要とする酵素反応のための標準的技術、ならびに多様な分離技術は当業者により既知かつそれらにより普遍的に使用されるものである。多数の標準的技術が、マニアティス(Maniatis)ら(1982)Molecular Cloning、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー;ウ(Wu)(編)(1979)Meth.Enzymol 68;ウ(Wu)ら(編)(1983)Meth.Enzymol.100および101;グロスマン(Grossman)とモルデイヴ(Moldave)(編)(1980)Meth.Enzymol.65;ミラー(Miller)(編)(1972)Exp.Mol.Genetics、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー;オールド(Old)とプリムローズ(Primrose)(1981)Principles of Gene Manipulation、ユニバーシティ オブ カリフォルニア プレス(Univ.of Cal.Press)、バークレイ;シュリーフ(Schlief)とヴェンジンク(Wensink)(1982)Practical Methods in Molecular Biology;グローヴァー(Glover)(編)1985(DNA Cloning、第IおよびII巻、IRL プレス(IRL Press)、英国オックスフォード;セロウ(Sellow)とホレンダー(Hollaender)(1979)Genetic Engineering:Principles and Methods、第I巻、プレナム プレス(Plenum Press)、ニューヨークに記述され;これらは引用によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。略語は、使用される場合、該分野で標準と思われまた本明細書で引用されるもののような専門雑誌で普遍的に使用されるものである。
【0014】
それが本明細書で使用されるところの「由来する」という用語は、本発明の単離されたポリヌクレオチドの実際のもしくは理論的な供給源もしくは起源を指す。例えば、ある特定のポリヌクレオチド(例えばGDF−9遺伝子)「に由来する」ポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチド(例えばGDF−9遺伝子)分子の関連する部分にヌクレオチド配列が同一もしくは高度に相同であることができる。従って、例えば、GDF−9遺伝子のコーディング配列のすぐ5’のDNAの最初の10キロ塩基もしくは3.3キロ塩基「に由来する」ポリヌクレオチドは、野生型GDF−9遺伝子の10キロ塩基もしくは3.3キロ塩基上流の配列の全部もしくは一部分にヌクレオチド配列が対応してよい。GDF−9遺伝子「に由来する」本発明の単離されたポリヌクレオチド(例えば転写開始部位の5’近くの領域)は、1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの挿入、欠失もしくは置換により改変されているがしかし本質的に同一の活性もしくは機能を保持するものもまた包含する。
【0015】
DNAの「コーディング配列」、「コーディング領域」、もしくは特定のタンパク質を「コードする配列」は、適切な調節要素の制御下に置かれる場合にインビトロもしくはインビボでポリペプチドに転写かつ翻訳されるDNA配列である。コーディング配列の境界は、5’末端の開始コドンおよび3’末端の翻訳終止コドンにより決定される。コーディング配列は、真核生物のmRNAからのcDNA、真核生物の(例えば哺乳動物、動物、鳥類などの)供給源からのゲノムDNA配列、および合成DNA配列さえ包含するがしかしこれらに制限されない。転写終止配列はコーディング配列に対し3’に通常配置されることができる。
【0016】
本明細書で使用されるところの「GDF−9遺伝子」は、自然にGDF−9を発現するいずれかの種からのその転写されない上流および下流の領域、ならびに転写される翻訳されない領域を包含するGDF−9遺伝子(例えばクローン化されたゲノム遺伝子もしくはcDNA)を指す。例えば、ゲノムのヒトGDF−9遺伝子のヌクレオチド配列はジェンバンク(Genbank)受託番号AC004500で入手可能である。本明細書で使用されるところの「非ヒトGDF−9遺伝子」は、ヒトを除くいずれかの種(例えば、鳥類、ヒツジ(sheep)、ブタ、ヒツジ(ovine)、ウシ)からのその翻訳されない調節領域を包含するGDF−9遺伝子(例えばクローン化されたゲノム遺伝子もしくはcDNA)を指す。例えば、マウスGDF−9遺伝子のヌクレオチド配列は米国特許第5,821,056号に提供され、その完全な内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0017】
「調節要素」、「制御要素」および「調節配列」という用語は本明細書で互換性に使用され、そして、ある遺伝子に操作可能に連結された場合にある細胞中で該遺伝子の転写および/もしくは発現レベルを果たす(「調節する」)もしくは引き起こす核酸を指す。こうした遺伝子調節要素は当該技術分野で公知であり、そして、例えば、プロモーター、エンハンサー、および転写因子/リプレッサーの結合に関与する他のシスに作用する配列を包含する。例えば、「プロモーター」は、それにRNAポリメラーゼが結合して有効に連結されたコーディング配列の転写およびその後の翻訳を可能にし得る調節要素である。調節要素は転写の正および負(「リプレッサー」)双方の調節物質を包含する。
【0018】
本明細書で使用されるところの「プロモーター」という用語は、転写の開始に関与する構造遺伝子の5’端に隣接して一般に配置されるヌクレオチド配列を指す。プロモーターは、RNAポリメラーゼの適正な結合および活性化を確実にし、転写が開始することができる場合に影響し、そして転写のレベルに影響を及ぼすDNA配列要素を含有する。「リプレッサー」という用語は、頻繁には遺伝子転写開始部位にRNAポリメラーゼを結合すること、またはRNAポリメラーゼの進行性(processivity)もしくは結合を妨害する因子を結合することにより転写の開始の抑制に関与する構造遺伝子の5’端に隣接して一般に配置される調節要素を指す。さらに、刺激もしくは特定の化学物質種に対し応答性の遺伝子発現の調節(誘導および抑制)で機能性であるプロモーター内のもしくはそれに隣接する特定の調節配列もまた存在してよい。これらの調節要素の大きさは可変である。多くの場合、調節活性は、転写開始の部位に対し5’の向き(もしくは上流)で配列のおよそ500塩基ないし3000塩基内にあり得る。しかしながら、該構造遺伝子に対し5’のおよそ4000塩基対からの配列がある種の遺伝子の遺伝子発現の調節で関係している。これらの制御要素は、しかしながら、それらの制御下の該構造遺伝子のさらに上流にさえ配置されることができる。
【0019】
調節要素の大多数は一方向のみでRNAポリメラーゼの転写および進行性の開始を制御し、そのため、ある調節要素の制御下にあるためには、構造遺伝子は通常、該要素の下流に(3’の向きで)かつ該要素に関して正しい向きで配置されなければならない。該要素と構造遺伝子との間の距離は遺伝子発現レベルで重要な一要因であると考えられる。1種もしくはいくつかの遺伝子が単一の要素の制御下にあることができるか、または逆に1種もしくはそれ以上の調節要素が単一の構造遺伝子を制御してよい。
【0020】
温度、光および酸素圧力のような環境的要因、ならびに養分、代謝物、重金属イオンおよびステロイドのような化学物質種が遺伝子発現を調節することが見出されている。発現を誘導する因子、ならびに遺伝子の発現を抑制する因子が同定されている。こうしたシグナルもしくは刺激による調節の正確な機構は複雑であることがありそうであり、複数のタンパク質相互作用を必要とする。しかしながら、調節の以前の機構の研究への類推により、調節の制御は、プロモーター領域でのDNA配列に結合するRNAポリメラーゼの能力を変えることを必要とすることが期待される。可能な一機構は、転写を高めるもしくは予防する、RNAポリメラーゼの結合の位置もしくはその近くでのDNA配列への調節タンパク質の結合である。第二の可能な機構は、プロモーターのDNA配列の認識およびそれへの結合に対するその特異性を変える、RNAポリメラーゼそれ自身とのシグナル(インデューサーもしくはリプレッサー)分子の直接もしくは間接的相互作用である。いずれの場合にも、プロモーター内の特定の配列(1個もしくは複数)が調節の機構に関与するとみられ、1種もしくはいくつかの配列のプロモーター領域内での存在がプロモーター活性の調節に重要である可能性がある。
【0021】
遺伝子の「発現」は、mRNAへのDNAの転写およびタンパク質産物への該mRNAのその後の翻訳の双方を必要とする。
【0022】
本明細書で使用されるところの「レポーター遺伝子」という用語は、容易に定量可能もしくは観察可能であるタンパク質をコードする遺伝子を指す。遺伝子調節は転写のレベルで通常起こるため、転写調節およびプロモーター活性はしばしば遺伝子産物の定量によりアッセイされる。例えば、プロモーターの調節および活性は、しばしば、異種プロモーターへの容易にアッセイ可能な大腸菌(E.coli)lacZ遺伝子の融合により定量的に研究されている(カサダバン(Casadaban)とコーエン(Cohen)(1980)J.Mol.Biol.138:179−207)。クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)および緑色蛍光タンパク質(GFP)の構造遺伝子は、プロモーターもしくは他の調節配列の活性を検出するのに普遍的に使用される他の遺伝子である。
【0023】
それが本明細書で使用されるところの「組織特異的発現」という用語は、細胞型のあいだでの遺伝子発現の制限されたもしくは特徴的パターンを指す。言い換えれば、ある遺伝子の発現は、ある生物体のある種の組織で観察されるがしかし他の組織でされない。例えば、遺伝子の「卵母細胞特異的」発現は、その遺伝子が卵母細胞および場合によっては制限された他の組織中で発現されるが、しかし全部の組織で(例えば全体的に)発現されるわけでないことを示す。
【0024】
「ベクター」は、付属されたセグメントの複製をもたらすように別のDNAセグメントが付属されてよい、プラスミド、ファージもしくはコスミドのようなレプリコンである。
【0025】
「発現ベクター」は、本発明のプロモーター領域を包含する、所望の遺伝子の発現に必要な遺伝子要素を含有するいかなるDNAベクター(例えばプラスミドベクター)も意味する。これらの要素は該遺伝子に「操作可能に連結」され、それらが、それらが遺伝子の転写に対しある機能的影響を有することを可能にするベクター内のある位置に配置されることを意味する。調節要素は、それらがその発現を指図するよう機能する限りはコーディング配列と接触する必要はない。従って、例えば、介在する翻訳されないがそれでもなお転写される配列がプロモーターとコーディング配列との間に存在し得、そして、プロモーターは、コーディング配列に「操作可能に連結された」かもしくは「それに対し操作可能に連結される」となお考えられ得る。
【0026】
細胞は、こうした外因性DNAが細胞膜の内側に導入されている場合は外因性DNA(例えば導入遺伝子)により「形質転換」されている。外因性DNAは、細胞のゲノムを含んで成る染色体DNA中に組込まれても組込まれなくてもよい。とは言え、真核生物細胞に関しては、安定に形質転換された細胞は、その中で外因性DNAがそれが染色体複製を通じて娘細胞により遺伝されるように染色体中に組込まれたようになったものである。
【0027】
「宿主細胞」は、外因性核酸分子により形質転換されている、もしくは形質転換が可能である細胞である。
【0028】
「導入遺伝子」は細胞中に導入される核酸を指す。典型的には、導入遺伝子は導入後に該細胞のゲノム中に組込まれる。導入遺伝子は、該細胞中で発現されない、または低レベルでもしくは不完全な形態で該細胞中で発現されるタンパク質をコードし得る。
【0029】
「トランスジェニック動物」はその細胞中に最低1種の導入遺伝子をもつ動物である。例えば、トランスジェニック動物は、その細胞中に該動物の生殖細胞に導入されている別の種の遺伝子に対応する導入遺伝子を含有し得、その結果導入された遺伝子は全部の体細胞および生殖細胞に存在する。
GDF−9の調節配列の同定および単離
GDF−9の調節配列は、哺乳動物および鳥類のゲノムおよびcDNAのライブラリーを包含する多様な供給源から同定かつ単離し得る。それらはまた、多様な既知のかつ配列決定されたGDF−9遺伝子からも調製(例えば合成)し得る。例えば、ゲノムのヒトGDF−9遺伝子のヌクレオチド配列はジェンバンク(Genbank)受託番号AC007400で入手可能である。ヒツジGDF−9遺伝子のヌクレオチド配列は、ボーデンシュタイナー(Bodensteiner)ら(1999)Biol.Reprod.60:381−386に公表され、そしてジェンバンク(Genbank)受託番号AF078545で利用可能である。マウスGDF−9遺伝子のヌクレオチド配列はインセルティ(Incerti)ら(1994)Biochimica et Biophysica Acta 122:125−128に公表されている。
【0030】
本発明の一態様において、GDF−9の調節配列は、マウスGDF−9遺伝子のようなGDF−9遺伝子のコーディング配列のすぐ5’のDNAの最初の10キロ塩基から得られる。別の態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の3.3キロ塩基に由来する。例えば、該配列は、配列番号1のヌクレオチド配列を有するマウスGDF−9遺伝子(mGDF−9)からの3.3キロ塩基の調節領域に由来し得る。別の態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の300塩基対に由来する。さらに別の態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’の3.3キロ塩基から10キロ塩基までの領域に由来する。別の態様において、GDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の転写されない3’隣接領域、もしくはGDF−9遺伝子の転写される翻訳されない領域(例えばプロセシングの間にGDF−9のmRNAからスプライシングされるイントロン)に由来する。
【0031】
GDF−9の調節配列の単離およびクローニングは、上および以下に提供される実施例で論考されるもののような当該技術分野で公知の標準的技術を使用して実施し得る。
【0032】
成長分化因子9(GDF−9)の観察された組織特異的発現は、それが他の細胞型でこの発現に対し抑制性である一方で(他の組織のなかでも)卵母細胞のようなある種の組織中でのGDF−9発現に対し許容性であるGDF−9遺伝子の1種もしくはそれ以上の制御要素(1個もしくは複数)が存在することを立証する。
【0033】
本発明の一部として、GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの領域(最初の10キロ塩基にわたる)が、卵母細胞、精巣細胞および視床下部のようなある種の組織中でのGDF−9の発現を特異的に指図する1種もしくはそれ以上の調節要素(例えばプロモーター)のみならず、しかし精巣細胞でのGDF−9の発現を特異的に阻害する1種もしくはそれ以上のリプレッサー要素もまた含有することが発見された。従って、一態様において、本発明は、非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の10、3.3もしくは0.3キロ塩基のそれぞれに由来する単離されたGDF−9の調節配列を提供する。他の態様は、非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの3.3キロ塩基、10キロ塩基および3.3〜10キロ塩基の領域のそれぞれにわたる単離されたポリヌクレオチド分子を包含する。
【0034】
組織特異的遺伝子発現を調節する、これらの領域、ならびに他の転写されない上流および下流の領域、ならびにGDF−9遺伝子の転写される翻訳されない領域(例えばイントロン)に由来するGDF−9調節要素は、ある遺伝子が該配列に効果をもたらして連結される場合に該遺伝子の転写および/もしくは発現を果たす特定の配列の存在についてこれらの領域を検査することにより同定し得る。例えば、マウスGDF−9転写開始部位の5’近くの領域からの前述の0.3、3.3および10キロ塩基の領域がレポーター遺伝子の卵母細胞特異的発現を促進することが、本発明の一部として見出された。3.3キロ塩基の領域が精巣でのレポーター遺伝子の発現を促進すること、しかし10キロ塩基の領域はしないこともまた見出された。この知見は、マウスGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの3.3から10キロ塩基までの領域中での精巣特異的リプレッサー要素の存在を立証する。こうしたプロモーターおよびリプレッサー要素のさらなるマッピングは、これらの領域のより小さなフラグメントを同様に試験して遺伝子調節に関与する特定の配列を定義することにより達成し得る。
【0035】
他の機能的マッピング技術もまた、特定のGDF−9の調節配列をさらに特徴づけかつ同定するのに使用することができる。例えば、これらの領域(例えば、5’領域の0.3、3.3もしくは10キロ塩基のフラグメント)内のヌクレオチド塩基を、例えば1個もしくはそれ以上の塩基(例えば6〜12塩基)を付加、欠失もしくは変更するための部位特異的突然変異誘発、次いで、その突然変異が何の機能的影響を有したかをみるために突然変異された調節配列をインビトロ(例えば微小注入法もしくはトランスフェクションにより)またはインビボ(例えばトランスジェニック動物で)のいずれかで活性について試験することにより突然変異させ得る。この情報から、該調節要素の機能(例えばアップレギュレーションもしくはダウンレギュレーション)に必要とされるヌクレオチド塩基を決定し得る。例えば、GDF−9遺伝子の5’領域の小さな(例えば6〜12塩基対)セグメントの突然変異に際しての場合、該5’領域に効果をもたらして連結されたレポーター遺伝子の転写レベルが減少し、その後、この小領域が(例えば1種もしくはそれ以上の転写因子への結合により)転写の促進に関与すると結論し得る。シスに作用する調節要素を結合する転写因子は相互ともまた相互作用してよい。従って、複数のレポーター構築物を開発し得、そして、本明細書に記述されるアッセイを使用してそれらの潜在的シス要素とこうした結合タンパク質との間の相互作用について試験し得る。
【0036】
従って、別の態様において、本発明は、GDF−9遺伝子の転写開始部位(例えば最初の10キロ塩基)の5’近くの領域の多様な部分(例えば重なり合う部分)もしくはGDF−9遺伝子の他の翻訳されない(例えば3’)領域を(例えばレポーター遺伝子の)コーディング配列に有効に連結し、そしてこうした構築物のあいだでインビボ(例えばトランスジェニック動物)もしくはインビトロ(例えば卵母細胞)での発現のレベルおよびパターンを比較することによる、GDF−9調節要素の同定方法を提供する。こうした構築物の製造方法およびこうした調節配列への遺伝子の(例えばプラスミドベクター内で)効果をもたらす連結方法は当該技術分野で公知である。例えば、あるレポーター遺伝子と有効に連結したGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの10キロ塩基の領域の一部分を包含する第一の発現構築物を、例えば微小注入法により卵母細胞もしくはGDF−9を天然に発現する他の組織中に導入し得、次いで該レポーター遺伝子の活性を(例えばノーザンブロットにより)測定し得る。同一のレポーター遺伝子と有効に連結し、そして同一のGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの10キロ塩基の領域の異なる一部分を包含する第二の発現構築物をその後卵母細胞に導入し得、そして該レポーター遺伝子の活性を再度測定し得る。2種の異なるGDF−9調節領域により制御されるレポーター遺伝子の活性の比較に際して、転写開始部位の5’近くの領域の利用された部分の調節機能(例えばリプレッサーもしくはプロモーター活性)についての結論を引き出し得る。
【0037】
あるいは、GDF−9遺伝子の調節領域は、例えば類似の組織特異的パターンで発現されそして従って関連するもしくは相同な調節要素を含有することができる他の既知の遺伝子からの5’および3’配列と、GDF−9遺伝子の転写されない上流および下流の領域ならびに転写される翻訳されない領域を比較することにより同定し得る。例えば、本発明の一部として、マウスGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのマウスGDF−9遺伝子の最初の300塩基が、卵母細胞中で主に発現されるマウスZP3遺伝子からの同一領域と比較され(ミラー(Millar)ら(1991)Molec.Cell.Biol.11:6197−6204)、そして相同性がある領域で観察された。こうした一領域は、転写開始部位のおよそ200塩基上流に配置されたEボックス(CANNTG、ここでNはいずれかのヌクレオチド塩基である)である。ZP3遺伝子中のEボックスは、塩基性のらせん−ループ−らせんの転写因子(その多くは組織特異的である)を結合することが示されている保存されたDNA要素である(リャン(Liang)ら(1997)Development 124:4939−4947)。
【0038】
同様に、GDF−9遺伝子の転写されない上流および下流の領域、ならびに転写される翻訳されない領域に由来する配列を、他の既知の遺伝子からの相同な調節配列を同定するために、当該技術分野で公知のコンピュータプログラムを使用して包括的遺伝子データベース(例えばジェンバンク(GenBank))中の配列と比較し得る。
【0039】
加えて、本明細書に記述されるマウスGDF−9遺伝子のようなGDF−9遺伝子の転写されないもしくは転写される調節領域の一部分に対応するDNAプローブを合成し得、そして、例えばインシトゥハイブリダイゼーションを使用して他のGDF−9遺伝子からの相同な配列についてスクリーニングするのに使用し得る。例えば、マウスGDF−9転写開始部位の5’近くのDNAの最初の3.3キロ塩基(配列番号1)の部分に対応するDNAプローブを生じさせ得、そして好ましくは高ストリンジェンシー条件下でプローブにハイブリダイズする相同な配列についてスクリーニングするのに使用し得る。
【0040】
従って、本発明のGDF−9の調節配列は、変えられているがしかし高いパーセントの配列同一性を保持する他の種および配列からの相同な配列を包含する。好ましいGDF−9の調節配列は、マウスのGDF−9遺伝子転写開始部位の上流のDNAの最初の10、3.3もしくは0.3キロ塩基に由来する調節配列と最低約50%の相同性、より好ましくは最低約60%の相同性、そして最も好ましくは最低約70〜99%の相同性を有する。相同性は2種の核酸分子の間の配列の類似性を指す。相同性は、比較の目的上整列してよい各配列中のある位置を比較することにより決定し得る。比較された配列中のある位置が同一塩基により専有される場合には、それらの分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、それらの配列により共有される合致するもしくは相同な位置の数の関数である。
【0041】
前述の方法を使用して、GDF−9遺伝子に由来する組織特異的調節要素を同定し得、そしてその後合成、クローン化もしくは別の方法で単離し得る。従って、本発明の他の態様は、GDF−9遺伝子に由来する単離された組織特異的(例えば卵母細胞特異的もしくは精巣特異的)プロモーターおよびエンハンサー要素を包含する。他の態様は、GDF−9遺伝子に由来する単離された組織特異的リプレッサー要素を包含する。これらの調節要素は目的の遺伝子に有効に連結し得、組織特異的様式で該遺伝子の発現を指図もしくは抑制する。例えば、精巣におけるある種の機能的に活性な遺伝子の抑制が望ましく、そして、GDF−9リプレッサー要素は精巣細胞中でそうした遺伝子の抑制を指図する能力を有する。
発現ベクターおよびGDF−9の調節配列での細胞のトランスフェクション
別の態様において、本発明は、目的の遺伝子と有効に連結した前述のGDF−9調節要素の1種もしくはそれ以上を包含する発現ベクターを提供し、その結果この遺伝子の発現はGDF−9調節要素の制御下にある。一態様において、該調節要素は、GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの領域の10キロ塩基由来である。目的のタンパク質を発現するいかなる遺伝子も本発明の方法で使用してよい。同様に、本発明は、特定の組織中でダウンレギュレーションされることを所望されるいかなる遺伝子の発現も抑制するのに使用することができる。こうした遺伝子の例は、GDF−9それ自身、成長因子、腫瘍もしくは病原体に対する抗原をコードする遺伝子およびレポーター遺伝子を包含する。しかしながらこれは制限する一覧であることを意図されない。
【0042】
異種構造遺伝子の情況で使用される場合、転写開始部位に関する本発明の制御配列の正確な至適の位置は変動することができる。一般には、制御配列は転写開始部位から約300ヌクレオチドもしくはそれ以上まで置かれる。しかしながら、他の態様において、制御配列は転写開始部位の150ヌクレオチド内に配置される。従って、異種遺伝子の情況で本発明の調節要素を使用するためには、該調節要素は転写開始部位の上流で発現構築物に単に挿入し得る。加えて、当該技術分野で既知であるとおり、異種構造遺伝子の転写開始部位の上流およびその近接にTATAボックス配列を包含することが一般に望ましい。こうした配列はGDF−9制御配列と同一の様式で合成かつ挿入してよい。あるいは、該異種遺伝子を通常伴うTATA配列を単に使用することを望んでもよい。こうしたTATA配列は、最も望ましくは、転写開始の上流約20と30ヌクレオチドの間に配置される。
【0043】
本発明のGDF−9の調節配列は、正であれ負であれもしくは双方であれ、複数のユニットの形態、多数の多様な組み合わせおよび構成、順または逆の向きなどでこうした発現ベクターにクローン化されてよい。さらに、複数のユニットの態様の情況ならびに/もしくは正および負双方の制御ユニットを組み込む態様においては、こうした複数のユニットの改良された調節能力が相互に関してこうした複数の配列の位置に事実上独立して与えられることにおいて、こうしたユニットが隣接した頭と頭もしくは頭と尾の構築で配置されるという要件は存在しない。各ユニットが同一の正もしくは負の要素を含んで成るという要件は存在しない。必要とされるもの全部は、こうした配列が目的の遺伝子の転写開始部位の上流かつそれに十分に近接に配置されることである。
【0044】
本発明の制御配列は、付加的な相同なもしくは異種の制御もしくは促進配列を伴いもしくは伴わず、いかなる異種遺伝子の情況でも有益に使用することができる。本発明は、GDF−9遺伝子プロモーター、ならびに、GDF−9の発現を誘導および抑制する組織特異的因子(例えば転写因子)に応答してGDF−9の発現の誘導もしくは抑制において機能する他の調節配列を包含する。GDF−9プロモーター−GFPレポーター構築物を本発明で使用したが、しかしながら、いかなる適するレポーター遺伝子もGDF−9プロモーターの活性を測定するのに使用してよい。
【0045】
なお別の態様において、本発明は、ある細胞、好ましくは、前述のGDF−9の5’隣接領域のポリヌクレオチドの1種もしくはそれ以上、または既に記述された発現ベクターの1種で安定に形質転換された天然にGDF−9を発現する細胞(例えば卵母細胞系)を提供する。例えば、該細胞を、ある態様において細胞のゲノムの特定の遺伝子座に挿入され得る単離されたGDF−9調節領域を用いてインビトロでもしくはインビボで形質転換し得る。染色体DNAへの導入遺伝子のこうした部位特異的挿入方法は当該技術分野で公知であり、そして、例えば、哺乳動物のCre/lox系(ザウエル(Sauer)ら(1998)Methods 14:381−392)もしくは相同的組換え(例えば第5,614,396号を参照されたい)を包含する。調節配列の標的を内在性遺伝子の上流の位置に定めることにより、これらの遺伝子の発現をそれに応じて制御(例えば、アップレギュレーションもしくはダウンレギュレーション)し得る。
【0046】
あるいは、本発明のGDF−9制御要素は導入遺伝子と操作可能に連結して細胞中に導入し得る。宿主細胞へのGDF−9−導入遺伝子構築物の導入は、該構築物内に含有される要素もしくは要素の組み合わせに依存して該導入遺伝子の発現もしくは抑制をもたらすことができる。特定の態様においては、この発現もしくは抑制が卵母細胞もしくは精巣細胞中で特異的に発生する。例えば、ルシフェラーゼをコードする遺伝子との効果をもたらす連結にある前述の3.3キロ塩基のマウスGDF−9プロモーター要素を含有する発現ベクターは、卵母細胞もしくは精巣細胞への導入に際してルシフェラーゼの卵母細胞および精巣特異的発現を引き起こすことができる。同様に、ルシフェラーゼ遺伝子との効果をもたらす連結にあるマウスGDF−9の5’UTRからの既に記述された3.3ないし10キロ塩基の領域もしくはその誘導体を含有する発現ベクターでの精巣細胞の形質転換は、ルシフェラーゼ遺伝子の精巣特異的抑制を引き起こすことができる。
【0047】
本発明の別の態様は、GDF−9の転写および翻訳の調節に関与するタンパク質および分子を同定するための既に記述されたGDF−9調節要素の利用を提供する。一態様において、GDF−9プロモーターのような1個もしくはそれ以上のGDF−9調節要素が、緑色蛍光タンパク質遺伝子のようなレポーター遺伝子に効果をもたらして連結される。因子もしくは化合物を、その後、対照に比較して該レポーター遺伝子の発現レベルを果たすそれらの能力についてこの構築物を使用して試験し得る。こうしたスクリーニング法およびそれらを実施する方法は当業者に公知である。適するレポーターアッセイは例えばCATアッセイおよびルシフェラーゼアッセイを包含する。本発明はこれらの示唆されたスクリーニング法に限られない。当該技術分野で既知のいずれの方法も使用してよく、それにより、化合物を、対照のレポーター遺伝子(例えばSV40のβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子)のものに比較してあるレポーター遺伝子の発現を増大もしくは刺激するそれらの能力について試験し得る。試験化合物の影響をレポーター遺伝子活性の変化により決定する。
【0048】
これらの特異的調節配列に結合する転写因子は、ゲル移動度シフトアッセイを使用して特徴づけることができ、また、これらの転写因子を、発現ライブラリーのスクリーニングでプローブとしてこれらの特異的配列を使用してクローン化し得る。これらの転写因子を同定した後、それらもまた他の阻害剤を同定するための標的として使用してよい。例えば、これらの転写因子は、該転写因子に結合するもしくはこれらと相互作用する他のタンパク質を同定するための2ハイブリッドアッセイもしくは3ハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;ゼルヴォス(Zervos)ら(1993)Cell 72:223−232;マデュラ(Madura)ら(1993)J.Biol.Chem.268:12046−12054;バーテル(Bartel)ら(1993)Biotechniques 14:920−924;岩淵(Iwabuchi)ら(1993)Oncogene 8:1693−1696;およびブレント(Brent)第WO94/10300号を参照されたい)での「餌(bait)タンパク質」として使用し得る。こうした転写因子結合タンパク質はモジュレーター、例えばGDF−9発現の阻害剤としてもまた作用するようである。
本発明の用途
本発明のGDF−9の調節配列は、卵母細胞、精巣、視床下部、胎盤、およびGDF−9のmRNAが天然に転写される他の組織中でGDF−9および目的の他の遺伝子産物を選択的に発現するのに使用し得る。GDF−9の調節配列はまた、精巣のような特定の組織中でのGDF−9発現および他の遺伝子産物(例えば腫瘍抗原)を抑制するのにも使用することができる。
【0049】
とりわけ卵母細胞における遺伝子の組織特異的発現は、不妊症の治療法を開発するのに使用し得るか、または、逆に、卵母細胞中での非受精因子の選択的発現もしくは精巣細胞での受精因子の選択的抑制のいずれかにより避妊の目的上使用し得る。
【0050】
本発明のGDF−9の調節配列はまた、1種もしくはそれ以上の遺伝子が卵母細胞、精巣および視床下部で特異的に発現もしくは抑制されるトランスジェニック動物を開発するのにも使用し得る。こうしたトランスジェニック動物を生じさせるための技術は現在当該技術分野で公知である。
【0051】
既に論考されたとおり、本発明のGDF−9の調節配列はまた、他の相同的な組織特異的調節要素を同定するのにも使用し得る。従って、本発明の重要な一局面は、他のゲノムもしくは所定のゲノム内のどこか別の場所での類似の調節配列および領域の検出のためのプローブとしての開示された要素および遺伝子領域の有用性である。
【0052】
本発明のGDF−9の調節配列はまた、生殖細胞中で所望の遺伝子産物を選択的発現もしくは抑制するのにも使用し得る。例えば、本明細書で既に記述されたCre/lox部位特異的組換え系は、それらが該遺伝子の発現を阻害してそれにより生殖細胞特異的ノックアウトを創製するように選択された遺伝子の上流にGDF−9リプレッサー要素の標的を定めるため、(例えばマウスからの)卵母細胞もしくは(例えばマウスからの)雄性および雌性双方の生殖細胞中で使用し得る。この能力は、慣習的ノックアウトで早期死亡を引き起こす遺伝子にとってとりわけ重要である。なぜなら排除された遺伝子の生殖機能はその状況で評価し得ないからである。
【0053】
既に論考されたとおり、本発明のGDF−9の調節配列は生殖細胞のプロモーター要素を同定かつ精緻なものにするのにもまた使用し得る。同定されたGDF−9プロモーター領域(1個もしくは複数)からのDNA配列に基づいた小ポリヌクレオチド分子を標識し得、そして所定のゲノム中の配列が類似の他の領域の同定のためのプローブとして使用し得る。生殖細胞における発現のプロモーターとしてのこうした領域の機能性は、本発明に開示される方法を使用して評価し得る。
【0054】
本発明のGDF−9の調節配列は、精巣細胞のリプレッサー要素のさらなる同定のための試薬としてもまた使用し得る。例えば、本明細書で論考された3.3kb〜10kbのGDF−9精巣特異的リプレッサー領域からのDNA配列に基づく小ポリヌクレオチド分子を標識し得、そして所定のゲノム中の配列が類似の他の領域の同定のためのプローブとして使用し得る。精巣でのリプレッサーとしてのこうした領域の機能性は本発明に開示される方法を使用して評価し得る。本発明のGDF−9の調節配列は、GDF−9遺伝子の前述の精巣細胞リプレッサー要素に類似である体細胞リプレッサー要素を同定するのにもまた使用し得る。
【0055】
本発明のGDF−9の調節配列は遺伝子治療での使用のための試薬としてもまた使用し得る。例えば、GDF−9プロモーターおよびリプレッサー要素を体細胞遺伝子治療ベクター中に包含し得る。GDF−9精巣特異的リプレッサー要素の場合には、こうしたベクター中への包含が、精巣細胞を除いて該ベクターが組み込まれた全部の組織(一般にいかなる迅速に分割する細胞も)における(トキシンもしくは薬物のような)所望のタンパク質の発現を可能にする。これは雄性生殖細胞がこの種の治療を生き延びることを可能にし、従って雄性の生殖能を保護する。
【0056】
本発明のGDF−9の調節配列は「印をつけられた(marked)」生殖細胞を生じさせるのにもまた使用し得る。特異的に卵母細胞もしくは精巣細胞のようなある組織に対するあるレポーター遺伝子の向けられた発現を可能にすることにより、本発明は認識可能なもしくは測定可能なタンパク質マーカーを包含する生殖細胞の発生を可能にする。例えば、GDF−9プロモーターの監督下での卵母細胞における緑色蛍光タンパク質の発現は、それぞれ特徴的な蛍光タンパク質を含有する卵母細胞の集団をもたらす。他のこうしたレポーター遺伝子は当該技術分野で公知である。こうした細胞系は、精巣もしくは卵巣のキメラ分析または生殖細胞の力学研究に使用し得る。また、それらは抗体染色の必要性なしに流動選別技術により体細胞から容易に分離し得、ライブラリー構築、インビトロ培養もしくは受精のための純粋な生殖細胞集団の発生を可能にする。
【0057】
本発明は以下の実施例によりさらに具体的に説明され、これらは制限するとして解釈されるべきでない。本出願を通じて引用される全部の参考文献、特許および公開特許出願の内容は引用により本明細書に組み込まれる。
例示
1.GDF−9ゲノム遺伝子座のクローニング
GDF−9のcDNAプローブを、マウス卵巣RNAからのPCR反応でヒトGDF−9の公表された配列に基づくPCRプライマーを使用して増幅した。このマウスcDNAプローブを使用して、マウス129SvEv(ストラタジーン(Stratagene))からのマウスゲノムλFIX IIライブラリーをスクリーニングした。7種の独立したファージを同定し、精製し、そしてサザンブロット分析によりスクリーニングした。GDF−9遺伝子含有ファージの2種をサブクローニングし、そしてさらに特徴づけた。これら2種のファージの1種B/S4が、GDF−9エキソンIの開始の5’配列の10kb、GDF−9のコーディング領域全体GDF−0エキソンI(387bp)、イントロン(2.9kb)およびエキソンII(909bp)、ならびに3’ゲノム配列の−1kb(インセルティ(Incerti)ら 1994)を含有した。
【0058】
2.GDF−9導入遺伝子の構築
a)GDF−9開始コドンのBamHI部位への変更
GDF−9エキソンIの−400塩基対を含有する700bpのPstIフラグメントをpBluescript SK+(ストラタジーン(Stratagene))にサブクローニングした。2回のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、1種のベクター特異的プライマーおよびいくつかの不適合を含みGDF−9の開始コドンの領域に適合した1種のプライマーを使用してこのサブクローンで実施した。プライマー配列は以下のとおりであった(不適合にされた塩基が下線をつけられ、新たなBamHI部位が斜体である)。すなわちGDF9−E1:5’TTCTTC AAG GGATCC CACTTTCCCAG3’(配列番号4)およびGDF9−E2:5’CTGGGAAGTG GGATCC CTGGAAGAA3’(配列番号5)。
b)pE22への突然変異されたGDF−9調節領域の導入
新たなBamHI部位を使用して2種のPCR産物から700塩基対の領域を再集成した。この領域を配列決定してPCRの誤りが存在しなかったことを確実にした。いくつかの段階の過程で、B/S4に当初クローン化された完全な15.5キロ塩基のゲノムの遺伝子座を唯一のBamHI部位および突然変異された開始コドンを包含するよう再集成した(プラスミドpE22)。
c)GDF−9導入遺伝子1(10kb−GDF−9−GFP)の構築(図2を参照されたい)
プラスミドpE22をBamHIで直線状にし、そして緑色蛍光タンパク質の700塩基対のコーディング領域を挿入した。−17.5キロ塩基のフラグメント(SalI/NotI)を受精した1細胞胚の前核中に注入した。導入遺伝子の組み込みが発生したマウスを、GFPプローブおよびGDF−9エキソンIIプローブ双方を使用して尾のDNAのサザンブロット分析により同定した。2種の導入遺伝子陽性の元祖(founder)を生じさせた。
d)GDF−2導入遺伝子2(3.3kb−GDF−9−GFP)の構築(図2を参照されたい)
プラスミドpE22をEcoRVおよびBamHIで切断して、開始コドンのすぐ5’の3.3キロ塩基の片を生じさせた。これを、それ自身のSV40ポリアデニル酸化配列を含有する高められた緑色蛍光タンパク質のcDNA(クロンテック(Clontech))のATCのすぐ上流で連結した。−4.0キロ塩基のフラグメントを上のとおり注入し、そして6種の独立の導入遺伝子陽性の系統を、eGFPコーディング領域プローブを使用して同定した。
【0059】
3.導入遺伝子発現分析
全RNAを、各導入遺伝子陽性系統から製造元の説明書に従ってRNA Stat60(リード メディカル(Leedo Medical)、テキサス州ヒューストン)を使用して、脳、心、肺、胃、肝、脾、腎、小腸、皮膚、子宮、卵巣および精巣から単離した。RNAを、1.2%アガロース/ホルムアルデヒドゲル上で電気泳動し、ナイロンメンブレンに移し、GFPもしくはeGFPコーディング領域の32P標識プローブを用いてプロービングし、そして既に記述された(デューブ(Dube)ら、1998)とおりオートラジオグラフィーで分析した。導入遺伝子発現の細胞の位置推定をインシトゥハイブリダイゼーションにより実施した。簡潔には、導入遺伝子陽性のマウスおよび導入遺伝子陰性(野生型)のマウスからの卵巣を4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で一夜固定し、処理しそしてパラフィン中に埋め込んだ。5ミクロン厚の切片を切断し、脱蝋し、水を加えて元にもどしそして4%PFA中で後固定した。切片を0.1Mトリエタノールアミン中50μg/mlのプロテイナーゼKおよび無水酢酸中で前処理した。切片を、FGPもしくはeGFPの35S標識されたセンスもしくはアンチセンスのリボプローブのいずれかで55℃で一夜ハイブリダイズさせた。切片を5×SSC/50%ホルムアミドおよび0.1×SSC中65℃で洗浄した。スライドガラスをNTBZ液体写真乳剤(コダック(Kodak))中に浸し、そして40℃で3〜10日間露光させた。現像後、シグナルを暗視野顕微鏡法により可視化した。
【0060】
第一のGDF−9−GFP構築物(5’隣接配列の10kbを含有する)を組み込むトランスジェニックマウスの2系統のうち、インシトゥハイブリダイゼーションおよびマウス組織の多組織ノーザンブロット分析は第一の系統における顕著な卵巣特異的発現を立証した(図3)。第二の系統中の他の組織でのシグナルの存在は、もっともありそうには、導入遺伝子の組込みの部位に存在する要素によった。
【0061】
第二のGDF−9−GFP構築物をもつマウスの6系統を確立した。この構築物は、GFPの高められた作り替え物に連結された5’隣接配列の3.3kbのみを含有する。6種のマウス系統の2種は、インシトゥハイブリダイゼーションにより卵巣での卵母細胞特異的発現を示した。多組織ノーザンブロット分析により、シグナルが、卵巣で、そしてずっとより高レベルまで精巣で検出された(図4および5)。精巣でのeGFPについてのインシトゥハイブリダイゼーションは、発現が生殖細胞、とりわけ、始原の精母細胞から円形の精子細胞の段階までに限られたことを立証した。卵巣での類似の研究は発現が卵母細胞に制限されることを決定した。2種の系統のうち1種は、もっともありそうには強力な肺特異的プロモーターもしくはエンハンサー近くの導入遺伝子の組込みに帰される肺の強いシグナルもまた有した。
【0062】
4.GDF−9の上流領域の配列分析
GDF−9導入遺伝子2に存在する3.3kbの領域をサブクローニングし(図7)、そして、蛍光的に標識されたジデオキシヌクレオチドトリホスフェートおよびABI自動配列を使用する標準的染色ターミネーター法によりベクタープライマーでの1〜3倍の到達範囲で配列決定した。生配列を、レーザージーン(Lasergene)およびDNAストライダー(Strider)配列分析ソフトウェアを使用して集成した。完全な配列を配列番号1に示す。潜在的な転写因子結合部位および調節配列をシグナルスキャン(Signal Scan)(シンガポール大学ホームページより入手可能)を使用して同定した。ヒトゲノム配列決定プロジェクトは、ヒト第5染色体からのずっとより大きいP1クローン内でヒトGDF−9を配列決定した(ジェンバンク(Genbank)受託番号AC004500)。ヒトとマウスの5’配列との間の配列の同一性の領域(図1を参照されたい)が、局所整列プログラムLFASTAおよびLALIGN(GCG配列分析ソフトウェア)を使用して示された。他の卵母細胞で発現される遺伝子のプロモーター領域を、マウスとヒトのGDF−9との間で保存される興味深い転写因子結合部位(とりわけGATA−1およびEボックス)について人的に走査した。潜在的に関連のある配列を同定するために、マウス透明層3(mZP3)遺伝子の5’隣接領域との比較を行った。mZP3からの5’隣接配列のちょうど最初の280bpを使用する導入遺伝子研究は、この領域が卵母細胞の発現を指図するのに十分であることを立証した。Eボックスを包含するmPZ3の卵母細胞発現に決定的に重要であることが示された部位もまた、mGDF−9からの5’隣接配列の最初の300bp内で見出される(図6を参照されたい)。
同等物
当業者は、わずかに慣例の実験のみを使用して、本明細書に記述される本発明の特定の態様に対する多くの同等物を認識するであろうか、もしくは確かめることが可能であろう。こうした同等物は以下の請求の範囲により包含されることを意図される。
【0063】
【配列表】
Figure 2004512003
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【図面の簡単な説明】
【図1】
発明にかかる、マウス(mGDF)とヒト(hGDF)のGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの領域の最初の376塩基対のヌクレオチド配列の間の比較を示す。該配列は、ヌクレオチドの番号付け(+1)がATG翻訳開始コドン後で開始するように3’から5’に向けられる。示されるとおり、mGDFとhGDF配列との間の全体的な同一性は71.3%である。
【図2】
発明にかかる、部位特異的発現研究のため構築かつ利用された2種のGDF−9導入遺伝子の地図を示す。A図で、GFP導入遺伝子は、緑色蛍光タンパク質(eGFP)遺伝子に効果をもたらして連結されるGDF−9の開始コドンのすぐ上流のゲノムの10キロ塩基の5’隣接領域を包含する。B図では、GFP導入遺伝子は、高められた緑色蛍光タンパク質(eGFP)遺伝子に効果をもたらして連結されるGDF−9の開始コドンのすぐ上流のゲノムの3.3キロ塩基の5’隣接領域を包含する。eGFp遺伝子は、哺乳動物の発現のため至適化されているGFP遺伝子の作り替え物であり、そして至適化された翻訳開始部位を含有する。
【図3】
発明にかかる、図2に示される3.3キロ塩基のGDF−9−GFP構築物を含有する一トランスジェニックマウス系統からの組織のノーザン分析を示す。組織は35S標識抗GFPプローブとハイブリダイズさせた。卵巣および精巣の双方が顕著なGFPのmRNAの蓄積を示す。
【図4】
発明にかかる、図2に示される3.3キロ塩基のGDF−9−GFP構築物を含有する(図3に比較して)異なるトランスジェニックマウス系統からの組織のノーザン分析の結果を示す。組織は35S標識抗GFPプローブとハイブリダイズさせた。卵巣および精巣の双方が顕著なGFPのmRNAの蓄積を示す。
【図5】
発明にかかる、図2に示される10キロ塩基のGDF−9−GFP構築物を含有する一トランスジェニックマウス系統からの組織のノーザン分析を示す。組織は抗GFPプローブとハイブリダイズさせた。卵巣のみが顕著なGFPのmRNAの蓄積を示す。
【図6】
発明にかかる、マウスGDF−9遺伝子およびマウスZP3遺伝子(リーラ(Lira)ら(1993)Mol.Repro.Dev.36:494−499)の5’隣接配列を比較する地図を示す。それぞれ塩基−182および−183のEボックスのような保存された領域が示される。
【図7】
発明にかかる、マウスGDF−9遺伝子の5’隣接配列の最初の3.3キロ塩基についての配列決定戦略を示す。該番号付け(+1)は転写開始部位(ATG)に関する。

Claims (22)

  1. 転写開始部位の5’近くのDNAの最初の10キロ塩基、イントロン、および転写終止部位の3’近くのDNAの最初の1キロ塩基より成る群から選択される非ヒトGDF−9遺伝子領域に由来するGDF−9の調節要素を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
  2. 該調節要素が、非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の3.3キロ塩基に由来する、請求項1のポリヌクレオチド。
  3. 該調節要素が、非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の300塩基対に由来する、請求項1のポリヌクレオチド。
  4. 非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の10キロ塩基を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
  5. 非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の3.3キロ塩基を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
  6. 非ヒトGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの3.3キロ塩基から10キロ塩基までの領域を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
  7. GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの10キロ塩基に由来する単離された卵母細胞特異的調節要素。
  8. GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの10キロ塩基に由来する単離された精巣特異的調節要素。
  9. 前記要素がGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの最初の3.3キロ塩基に由来し、そして、前記要素が精巣中で該要素に有効に連結された遺伝子の組織特異的発現を引き起こす、請求項8の調節要素。
  10. 前記要素がGDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くのDNAの3.3キロ塩基から10キロ塩基までの領域に由来し、そして、前記要素が精巣中で該要素に有効に連結された遺伝子の発現をダウンレギュレーションする、請求項8の調節要素。
  11. ある遺伝子に操作可能に連結された請求項1、4、5もしくは6のいずれか一の単離されたGDF−9ポリヌクレオチドを含んで成る発現ベクター。
  12. 該遺伝子がレポーター遺伝子である、請求項11の発現ベクター。
  13. 請求項1、4、5もしくは6のいずれか一のポリヌクレオチドを含有する卵母細胞。
  14. ある遺伝子の卵母細胞特異的発現を得る方法であって、請求項1の単離されたポリヌクレオチドで卵母細胞をトランスフェクションすることを含んで成る方法。
  15. 前記ポリヌクレオチドがある遺伝子に操作可能に連結された請求項14の方法。
  16. ある遺伝子の精巣特異的発現を得る方法であって、請求項2の単離されたポリヌクレオチドで精巣細胞をトランスフェクションすることを含んで成る方法。
  17. 前記ポリヌクレオチドがある遺伝子に操作可能に連結された請求項16の方法。
  18. 請求項4の単離されたポリヌクレオチドで精巣細胞をトランスフェクションすることを含んで成る、精巣でのある遺伝子の発現のダウンレギュレーション方法。
  19. a)GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの1ないし10キロ塩基にわたる領域の一部分を含んで成る第一の発現ベクターをある細胞に導入すること;
    b)GDF−9遺伝子の転写開始部位の5’近くの1ないし10キロ塩基にわたる領域の一部分を含んで成る第二の発現ベクターをある細胞に導入することであって、該部分は前記第一の発現ベクター中に含有されるものと異なるものであり;そして
    c)前記第一および第二のベクターの発現パターンを比較すること、
    の段階をいずれかの順序で含んで成る、GDF−9発現のための組織特異的調節要素の同定方法。
  20. 前記細胞が卵母細胞からである、請求項19の方法。
  21. 前記発現構築物が微小注入法を介して前記細胞に導入される、請求項19の方法。
  22. 前記発現構築物がトランスジェニック動物の注入を介して前記細胞に導入される、請求項19の方法。
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