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JP2004508540A - 電解サプレッサと分離溶離剤発生器との組合せ - Google Patents

電解サプレッサと分離溶離剤発生器との組合せ Download PDF

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Abstract

電解サプレッサと分離溶離剤発生器との組合せおよび方法。このサプレッサは、クロマトグラフィー流出流チャンネル、イオン受取り流チャンネル、およびこれらの間に設けられた、電解質イオンに対して透過性であるが、液体流動を生じることのない第一サプレッサイオン交換バリヤを含む。クロマトグラフィー流出液区画室からの流出液は、検出器、イオン受取りチャンネルを通り、溶離剤発生器に送られる。この発生器は、第一発生器電極チャンバー内の第一発生器電極、電解質イオンリザーバ、該第一発生器電極チャンバーと該電解質イオンリザーバとを分離し、かつ液体流動の発生を阻止するが、該電解質イオンの輸送を可能とする、第一の帯電した発生器バリヤ、該第一発生器バリヤの、該第一発生器電極とは反対側の第二の発生器電極を含む。流体は、該イオン受取り流チャンネルから、該第二発生器電極を越えて流れる。該第一発生器電極チャンバー内で電気化学的に発生した酸または塩基は、溶離剤流として、該クロマトグラフィーセパレータまで流れる。

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、特にイオンクロマトグラフィーにおいてアニオンまたはカチオンを分析するために、溶離剤中の電解質の連続的電解抑止を利用する、方法並びに装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
イオンクロマトグラフィーは、イオン分析用の公知の技術であり、この技術は、典型的に電解質を含む溶離剤を使用するクロマトグラフィー分離段階および典型的には電気伝導度検出器による検出を伴う、溶離剤抑止段階を含む。該クロマトグラフィー分離段階において、注入されたサンプルのイオンは、該溶離剤としての電解質を使用する、分離カラムを通して溶出される。該抑止段階において、該電解質の電気伝導度は抑制されるが、該分離されたイオンの電気伝導度は抑制されず、従って後者は伝導度セルによって測定できる。この技術は、米国特許第3,897,213号、同第3,920,397号、同第3,925,019および同第3,926,559号に詳しく記載されている。
電解質の抑止またはストリッピング(抜き取り)は、上記公知の参考文献に、一般に充填床サプレッサ(PBS)と呼ばれる、イオン交換樹脂粒子の床によって説明されている。このPBSは、酸または塩基溶液でフラッシングすることにより、周期的に再生する必要がある。
【0003】
充填床抑止の一態様では、米国特許第5,633,171号および同第5,759,405号に記載されているように、周期的な電解再生を利用する。該充填床サプレッサ内の樹脂を介して電位を印加する。一方で、水性液体流を流して、該流れ内の水を電解する。アニオンを分析するために、完全にスルホン化されたカチオン交換樹脂を含むPBSは、該サプレッサの入口における樹脂内に埋設されたカソードと、該サプレッサの出口における樹脂内に埋設されたアノードとを備えている。このアノードで発生したヒドロニウムイオンは、ナトリウムイオンと置換し、これらナトリウムイオンはヒドロキシドイオンと結合して、本例では伝導度セルを介して廃棄される。この過程が、電気化学的に該サプレッサを再生し、また該電位の印加が停止された後に、このデバイスは、従来のPBSとして利用できる。
【0004】
サプレッサのもう一つの態様が、米国特許第4,474,664号に記載され、かつ公開されており、ここでは繊維またはシート形状の帯電したイオン交換膜が、樹脂床の代わりに使用されている。該膜の一方の側にサンプルおよび溶離剤を流し、該膜の他方の側に再生剤を流す。即ち、この膜は、該クロマトグラフィー分離用の流出液と該再生剤とを仕切っている。この膜は、その交換性イオンと同一の電荷をもつイオンを通過させて、該流出液の電解質を、僅かにイオン化した状態に転化し、次いでこれらイオンを検出する。
もう一つの抑止装置が、米国特許第4,459,357号に記載されている。ここでは、クロマトグラフィーカラム由来の流出液が、流動チャンネルの両側に配置された平坦な膜によって画成される、該流動チャンネルに流される。これら両膜の反対側は、再生溶液が流通するチャンネルである。該繊維サプレッサを使用する場合には、該平坦な膜は、該膜の交換性イオンと同一の電荷を持つイオンを通す。電場を、該流出液チャンネルの反対側の電極間に印加して、該イオン交換を促進する。
【0005】
米国特許第4,403,039号には、電気透析サプレッサのもう一つの態様が記載されており、そこでは、該イオン交換膜は同心状のチューブ形状にある。その電極の一方は、最も内側のチューブの中心部にある。
サプレッサのもう一つの態様が、米国特許第4,999,098号に記載されている。この装置において、該サプレッサは、イオン交換膜シートによって分離された、少なくとも一つの再生用区画室および一つのクロマトグラフィー流出液用の区画室を含む。このシートは、その交換性イオンと同一の電荷をもつイオンの、貫膜通過を可能とする。イオン交換スクリーンは、該再生剤および流出液用の区画室で使用される。該流出液用区画室からの流れは、該分解されたイオン種の検出のために、電気伝導度検出器等の検出器に送られる。該スクリーンはイオン交換サイトを与え、かつ該流出液流チャンネルを横切る、サイト間輸送通路を与えるように機能するので、抑止能力は、該膜に向かうバルク溶液内のイオン拡散によっては、最早制限されない。サンドイッチサプレッサも開示されており、これは該第一膜シートに対向する第二膜シートを含み、第二再生剤区画室を画成している。間隔を開けて配置された電極が、該サプレッサの長さに沿って、2つの再生剤チャンバーと接続した状態で記載されている。これら電極を横切る電位を印加することによって、このデバイスの抑止能力における増加が認められる。この特許は、該再生剤流動チャンネル内を流動し、再生剤放出源から供給される、典型的な再生剤溶液(酸または塩基)を記載している。典型的なアニオン分析装置においては、水酸化ナトリウムが電解質展開試薬であり、また硫酸が該再生剤である。この特許は、またこの電気透析モードにおいて、該再生剤溶液の代わりに、水を使用し得ることをも記載している。
【0006】
抑止におけるもう一つの改良法が、米国特許第5,248,426号に記載されている。この態様のサプレッサは、「自己再生型サプレッサ(Self Regenerating Suppressor) (SRS)」として、Dionex Corporationにより1992年に工業製品として紹介された。直流電源コントローラは、2つのプラチナ電極を横切る電場を発生し、該再生剤用チャンネル内の水を電解する。官能化されたイオン交換スクリーンが、該再生剤チャンバーに存在し、電流の通過を容易にし、選択透過性の膜が、該’098特許におけるように、該クロマトグラフィー流出液チャンバーを画成する。検出後、該クロマトグラフィー流出液は、該サプレッサに再循環されて、電解質イオン用の溜めを形成し、また抑止用の酸または塩基を発生する電解用の水を供給する。かくして、外部再生剤は必要とされず、またこのサプレッサは、連続的に再生される。
【0007】
1999年3月11日に公開されたPCT公開WO 99/11351(これを本発明の参考とする)には、水性溶液中で酸性または塩基性溶離剤を発生し、かつ同時に、イオンクロマトグラフィー装置内でのクロマトグラフィー分離後に、イオン交換床内の該溶離剤の伝導度を抑制するための方法並びに装置が記載されている。記載された一態様において、該サプレッサおよび溶離剤発生器は、夫々流体入口および出口導管と流体接続関係にある、入口と出口とを含み、正または負の一方の電荷をもつ交換性イオンを有する、イオン交換樹脂製の、流通式のサプレッサおよび溶離剤発生器床と、該サプレッサおよび溶離剤発生器床に隣接して設けられ、しかも流体入口および出口開口を有する電極チャンバーと、該電極チャンバーの入口開口と流体接続関係にある、流動水性液体源と、該電極チャンバー内に設けられた第一電極と、該サプレッサおよび溶離剤発生器床と該電極チャンバーとを分離するバリヤと、ここで該バリヤは、有意な流体流動を防止するが、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の交換性イオンと同一の電荷をもつ、イオンのみの移動を可能とし、該樹脂小の出口部分と電気的接続関係にある第二の電極とを含む。該サプレッサおよび溶離剤発生器は、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の該交換性イオンとは反対電荷の交換性イオンを持つ、イオン交換樹脂の流通式セパレータ床および該発生器下流側の検出器と共に使用され、該セパレータ床はサンプル導入開口および溶離剤出口開口を有し、該電極チャンバー出口開口は、該セパレータ床の入口開口と流体接続関係にあり、該セパレータ床出口は、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の入口開口と流体接続関係にある。該水性液体源は、独立したリザーバまたは該検出器からのリサイクル導管であり得る。
【0008】
アニオン分析のための一方法は、(a) 検出すべきアニオンとヒドロキシドカチオンとを含む水性液体サンプル流を、交換性アニオンを有するアニオン交換樹脂のセパレータ床を介して流して、分離されたアニオンと該ヒドロキシドカチオンとを含む、液体流出液を生成し、(b) 該セパレータ床からの該水性流出液を、交換性のヒドロニウムイオンを含むカチオン交換樹脂を含有する、流通式のサプレッサおよび溶離剤発生器床を介して流して、該ヒドロキシドカチオンを、僅かにイオン化した状態に転化し、かつ幾分かの該交換性ヒドロニウムイオンを、該ヒドロキシドカチオン由来のカチオンと置換し、ここで該サプレッサおよび溶離剤発生器床は、入口および出口部分並びに入口および出口開口を有し、該サプレッサおよび溶離剤発生器床由来の液体溶離剤は、該出口開口を流通し、(c) 水性液体を、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の入口部分近傍にあって、バリヤによってこれから分離されているカソードチャンバーを介して流し、ここで該バリヤは、該カソードチャンバー−該サプレッサおよび溶離剤発生器床の入口部分間の液体流動を実質的に阻止し、一方でこれらの間にカチオン輸送ブリッジを与え、(d) 該カソードチャンバー内のカソードと、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の出口部分と電気的に接続関係にあるアノードとの間に、電位を印加して、このアノードにて水を電解してヒドロニウムイオンを発生させ、カチオンを、該カチオン交換樹脂上で該バリヤに向かって電気的に移動させ、かつ該バリヤを横切って、該カソードチャンバー内の該カソードに向かって移動させ、一方で該チャンバー内の水を電解し、該輸送されたカチオンと結合して該カソードチャンバー内でヒドロキシドカチオンを形成する、ヒドロキシドイオンを発生させ、(e) 該カソードチャンバーからの該ヒドロキシドカチオンを、該セパレータカラムの該入口に流し、かつ該サプレッサおよび溶離剤発生器床からの該流出液体を、検出器を越えて流し、該検出器で該分離されたアニオンを検出する諸工程を含む。この検出器を通過した後、該流出液体を、該カソードチャンバーにリサイクルすることが可能である。この装置は、該カチオンおよびアニオン性官能性成分を適当に反転させることによって、カチオン分析のために利用することができる。
【0009】
サプレッサおよび溶離剤発生器床に関する記載された第二の態様では、該第二電極は、該サプレッサおよび溶離剤発生器床と直接接触してはいない。代わりに、これは上記態様と類似する第二電極チャンバー内の、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の出口部分と隣接している。この態様では、該検出器を出た水性液体は、該第二電極チャンバーの入口にリサイクルすることができる。
第三の態様では、該第二の態様と同様に、リザーバからの水性液体は、該第二電極チャンバー入口にポンプ輸送される。該第二電極チャンバー入口からの液体は、該第一電極チャンバーの入口に導かれる。該第一電極チャンバーから流出した液体は、該セパレータ床の入口に導かれる。
【0010】
公開WO 99/11351は、また該サプレッサおよび溶離剤発生器床と分離された2つの電極チャンバーを使用するアニオン分析法を開示しており、この方法は以下の工程を含んでいる:(a) 検出すべきアニオンとヒドロキシドカチオンとを含む水性液体サンプル流を、交換性アニオンを有するアニオン交換樹脂のセパレータ床を介して流して、分離されたアニオンと該ヒドロキシドカチオンとを含む、液体流出液を生成し、(b) 該セパレータ床からの該水性流出液を、交換性のヒドロニウムイオンを含むカチオン交換樹脂を含有する、流通式のサプレッサおよび溶離剤発生器床を介して流して、該ヒドロキシドカチオンを、僅かにイオン化した状態に転化し、かつ幾分かの該交換性ヒドロニウムイオンを、該ヒドロキシドカチオン由来のカチオンと置換し、ここで該サプレッサおよび溶離剤発生器床は、入口および出口部分並びに入口および出口開口を有し、該サプレッサおよび溶離剤発生器床由来の液体溶離剤は、該出口開口を流通し、(c) 水性液体を、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の出口部分近傍にあって、第一バリヤによってこれから分離されているアノードチャンバーを介して流し、ここで該第一バリヤは、該アノードチャンバー−該サプレッサおよび溶離剤発生器床の出口部分間の液体流動を実質的に阻止し、一方でこれらの間にカチオン輸送ブリッジを与え、(d) 水性液体を、該サプレッサおよび溶離剤発生器床の入口部分近傍にあって、第二バリヤによってこれから分離されているカソードチャンバーを介して流し、ここで該第二バリヤは、該カソードチャンバー−該サプレッサおよび溶離剤発生器床の入口部分間の液体流動を実質的に阻止し、一方でこれらの間にカチオン輸送ブリッジを与え、(e) 該アノードチャンバー内のアノードと、該カソードチャンバー内のカソードとの間に、電位を印加して、このアノードにて水を電解してヒドロニウムイオンを発生させ、該イオンは該第一バリヤを横切って輸送されて、カチオンを、該カチオン交換樹脂上で該第二バリヤに向かって電気的に移動させ、かつ該第二バリヤを横切って、該カソードチャンバー内の該カソードに向かって移動させ、一方で該カソードチャンバー内の水を電解し、該輸送されたカチオンと結合して該カソードチャンバー内でヒドロキシドカチオンを形成する、ヒドロキシドイオンを発生させ、(f) 該カソードチャンバーからの該ヒドロキシドカチオンを、該セパレータ床の該入口に流し、かつ(g) 該サプレッサおよび溶離剤発生器床からの該流出液を、検出器を越えて流し、該検出器で該分離されたアニオンを検出する諸工程を含む。
【0011】
該アノードチャンバーの水性液体流出物は、該カソードチャンバーを介して再循環することができる。あるいはまた、該工程(g)における検出の後、該サプレッサおよび流出液発生器床流出液を、該アノードチャンバーを介して再循環することができる。
9/2/99付けで公開され、また本明細書において参考とする、PCT公開WO 99/44054には、前にセパレータ床内でイオンを分離する際に使用した、イオン交換床内の流出液の伝導度を連続的に、かつ電解的に抑制するための、方法並びに装置を開示されている。
【0012】
まずこの装置を参照すると、このサプレッサは、(a) 夫々サプレッサ入口および出口開口と流体接続関係にある、液体サンプル入口および出口部分を有する、正または負の、一方の電荷をもつ交換性イオンを有するイオン交換樹脂の流通式サプレッサ床と、(b) 該サプレッサ入口部分に隣接して設けられ、しかも流体入口および出口開口をもつ第一電極チャンバーと、(c) 該第一電極チャンバー内に設けられた第一電極と、(d) 該サプレッサ床と該第一電極チャンバーとを分離するバリヤと、ここで該バリヤは、有意な液体流動の発生を阻止するが、該サプレッサ床の樹脂交換性イオンと同一電荷をもつイオンのみの輸送を可能とし、(e) 該樹脂床の出口部分と電気的に接続関係にある第二の電極と、(f) 該サプレッサ出口開口と、該電極チャンバーの入口開口との間に流体接続を与える、再循環用の導管とを含む。
【0013】
該バリヤの対向する面は、直接的な接触または導電性の媒体を介して、夫々該第一および第二電極と、電気的な接続関係にある。例えば、該第二の電極は、該導電性サプレッサ床を介して、該バリヤと電気的な接続関係にある。
このサプレッサは、通常該サプレッサ床の交換性イオンとは反対電荷の、交換性イオンを有する、イオン交換樹脂の流通式セパレータ床 (g) との組合せで使用され、該セパレータ床は、サンプル入口開口および出口開口を有し、該セパレータ床の出口開口は、該セパレータ床の入口開口と、および該再循環用導管の通路内に設けられた検出器と流体接続関係にあって、該導管を流通するサンプルを検出する。
【0014】
一態様において、該第二の電極は、該サプレッサ出口部分における該イオン交換樹脂と接触した状態で設けられる。もう一つの態様において、このサプレッサの組合せは、(h) 該サプレッサ出口部分と隣接して設けられ、かつ流体入口および出口開口を持つ、第二電極チャンバー、および(i) 該サプレッサ床と該第二電極チャンバーとを分離している第二バリヤを含み、該バリヤは、有意に液体流動の発生を阻止するが、該サプレッサ床樹脂の交換性イオンと同一の電荷をもつイオンのみを輸送でき、また該第二電極は、該第二電極チャンバー内に設けられている。
アニオン分析のためには、該サプレッサ床イオン交換樹脂は、カチオン交換樹脂であり、該第一電極はカソードであり、また該第二電極はアノードである。カチオン分析のためには、反対極性のものを適用する。
【0015】
該方法の一態様を参照すると、アニオン分析は以下の諸工程によって行われる:(a) 検出すべきアニオンとヒドロキシドカチオンとを含む水性液体サンプル流を、交換性アニオンを有するアニオン交換樹脂のセパレータ床を介して流して、分離されたアニオンと該ヒドロキシドカチオンとを含む、液体流出液を生成し、(b) 該セパレータ床からの該水性流出液を、交換性のヒドロニウムイオンを含むカチオン交換樹脂を含有する、流通式のサプレッサを介して流して、該ヒドロキシドカチオンを、僅かにイオン化した状態に転化し、かつ幾分かの該交換性ヒドロニウムイオンを、該ヒドロキシドカチオン由来のカチオンと置換し、ここで該サプレッサ床は、入口および出口部分並びに入口および出口開口を有し、該サプレッサ床由来の液体溶離剤は、該出口開口を流通し、(c) 該サプレッサ由来の該流出流液体を、該検出器を越えて流し、該検出器において、該分離されたサンプルアニオンを検出し、(d) 該検出器からの該液体流出物を、該サプレッサ床入口部分に隣接し、かつ第一バリヤによりこれから分離されているカソードチャンバーを介して再循環し、ここで該第一バリヤは、該カソードチャンバーと該サプレッサ床入口部分との間の液体流動を実質的に阻止し、一方でこれらの間にカチオン輸送ブリッジを与え、および(e) 該カソードチャンバー内のカソードと、該サプレッサ床の出口部分と電気的に接続関係にあるアノードとの間に、電位を印加して、このアノードにて水を電解してヒドロニウムイオンを発生させ、カチオンを、該カチオン交換樹脂上で該バリヤに向かって電気的に移動させ、かつ該バリヤを横切って、該カソードチャンバー内の該カソードに向かって移動させ、一方で該カソードチャンバー内の水を電解し、該輸送されたカチオンと結合して該カソードチャンバー内でヒドロキシドカチオンを形成する、ヒドロキシドイオンを発生させる諸工程。もう一つの態様において、該液体流出物は、該サプレッサ床出口部分と近接し、かつ該第一バリヤと同一型のバリヤによって分離された、アノードチャンバーを介して再循環される。このアノードは、該アノードチャンバー内に設けられる。
【0016】
【発明の開示】
本発明の装置は、(a) クロマトグラフィーセパレータと、ここで該セパレータは、これを介して溶出すべきサンプル中のイオン種を、該イオン種に対して反対電荷の電解質イオンを含む、電解質含有溶離剤溶液で分離するための、クロマトグラフィー分離用媒体を含み、該クロマトグラフィーセパレータは、入口と出口とを有し、(b) 該クロマトグラフィーセパレータから溶出により得られる流出液を処理するためのサプレッサと、ここでこのサプレッサは、(1) 入口と出口とを有するクロマトグラフィー流出液区画室、(2) 入口と出口とを有するイオン受取り区画室、および(3) 少なくとも第一のサプレッサイオン交換バリヤを含み、該バリヤは、該クロマトグラフィー流出液区画室とイオン受取り区画室とを仕切り、かつこれと共に、夫々入口と出口とを有する、各クロマトグラフィー流出液流チャンネルおよびイオン受取り流チャンネルを画成し、該第一のサプレッサバリヤは、正または負の、該貫膜電解質イオンと同一の電荷をもつ、一方の電荷をもつイオンのみに対して選択的透過性であり、(c) 入口と出口とを有する、分離されたイオン種を検出するのに適した検出器と、ここで該検出器の入口は、該クロマトグラフィー流出液チャンネル出口と連絡していて、そこから処理されたクロマトグラフィー流出液を受取り、(f) 溶離剤発生器と、該発生器は、(1) 入口と出口とを有する少なくとも第一の発生器電極チャンバーと、(2) 該第一の発生器電極チャンバー内に設けられた、第一発生器電極と、(3) 電解質イオンリザーバと、(4) 該第一の溶離剤発生器電極チャンバーと該電解質イオンリザーバとを分離している、少なくとも第1の帯電した発生器バリヤと、ここで該第1の発生器バリヤは、有意の液体流動の発生を阻止するが、該貫膜電解質イオンの輸送は可能とし、(5) 該電解質イオンリザーバを介して、該第一電極と電気的に接続している第二の発生器電極と、この第二発生器電極は、該第一発生器バリヤ上の、該第一発生器電極とは反対側に位置し、(6) 該イオン受取り区画室出口と該第二発生器電極との間に流体接続を与える、第一の導管と、(7) 該第一発生器電極チャンバー入口と流体接続状態にある、水性液体源とを含み、および(8) 該第一発生器電極チャンバー出口と該クロマトグラフィーセパレータ入口との間に、流体接続を与える第二の導管とを含むことを特徴とする。水性液体は、独立の源から、あるいは該検出器からのリサイクルとして、該イオン受取り流チャンネルに供給される。
【0017】
もう一つの態様において、該溶離剤発生器は、更に該第一バリヤと同一の電荷をもつ、第二の帯電した発生器バリヤをも含み、該第二発生器バリヤは、該第二電極と該電解質イオンリザーバとの間に設けられて、第二の発生器電極チャンバーを形成し、該第二発生器バリヤは、有意の液体流動の発生を阻止するが、該電解質イオンと同一の電荷をもつイオンの輸送は可能とする。
この装置は、また入口および出口を持つ第二サプレッサ電極チャンバーおよび該第二電極チャンバー内に設けられた第二電極をも含み、該第二サプレッサ電極チャンバー入口は、該検出器流出液出口と流体接続関係にあり、該第一導管は、該第二サプレッサ電極チャンバー出口と該第二発生器電極との間に流体接続を与える。
【0018】
本発明によるイオン種の分析方法は、以下の諸工程を含む:
(a) 該イオン種とは反対の電荷をもつ電解質イオンを含有する電解質を含む、含水溶離剤溶液中に、検出すべきイオン種を含むサンプルを、クロマトグラフィーセパレータを通して溶出し、ここで該セパレータは入口と出口とを有し、かつ該イオン種が分離されるクロマトグラフィー分離媒体を含み、(b) サプレッサのクロマトグラフィー流出液流チャンネルを介して、該クロマトグラフィーセパレータ出口からの該クロマトグラフィー流出液を流し、該サプレッサ内で、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルは、該電解質イオンと同一の電荷をもち、交換可能なイオンを含む、少なくとも第一サプレッサイオン交換バリヤによって、入口および出口を持つイオン受取り流チャンネルとは分離されており、(c) 該クロマトグラフィー流出液流チャンネルからの該処理された流出液を、該分離されたイオン種を検出するための検出器を通して流し、(d) 該イオン受取り流チャンネルを介して水性液体を流して、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルを介して流動する、該クロマトグラフィー流出液由来の電解質イオンを、該第一サプレッサバリヤを介して該イオン受取り流チャンネルに拡散させ、該クロマトグラフィー流出液流チャンネル内の該電解質を、僅かに解離した状態に転化し、(e) 該クロマトグラフィー流出液流チャンネルを貫流する液体流を横切って、該流出液流チャンネルと該第一のイオン受取り流チャンネルとの間に、電位を印加して、該第一サプレッサバリヤを介する該電解質イオンの拡散を助け、ここで該バリヤは、液体流動の発生を実質的に阻止し、かつ該電解質イオン用のイオン輸送ブリッジを与え、該イオン受取り流チャンネルは、該電解質イオンとは反対の電荷をもつものであり、(f) 溶離剤発生器を介して、該イオン受取り流チャンネルからの流出液を導き、ここで該発生器は、第一の発生器バリヤによって、電解質イオンリザーバから分離された第一発生器チャンバー内に、少なくとも第一の発生器電極を含み、該検出器流出液は、該溶離剤発生器内の第二発生器電極を越えて流動し、(g) 含水流を、該第一発生器電極チャンバー入口に流し、(h) 該第一および第二電極間に電位を印加して、該第二電極に隣接する水を、該電解質イオンと同一の電荷をもつヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオンに電解して、これらイオンが該第一発生器バリヤに向かって移動するのを助け、かつこれらイオンを、該第一発生器電極近傍位置に移動させ、一方で該第一発生器電極チャンバー内の該第一電極に隣接する水を電解して、該電解質イオンとは反対電荷のヒドロキシドまたはヒドロニウムイオンを発生させ、上記イオンと結合させて、酸または塩基を生成し、および(i) 該第一発生器電極チャンバー内で発生した該酸または塩基を、該クロマトグラフィーセパレータ入口に流す諸工程を含む。
【0019】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の装置は、測定すべきイオン種がアニオン単独またはカチオン単独である限りにおいて、多数のイオン種を測定するのに有用である。適当なサンプルは、地表水および他の液体、例えば工業的化学廃液、体液、飲料、例えばフルーツおよびワイン並びに飲料水を包含する。用語「イオン種」を本発明において使用する場合、この用語は、イオン状態にある種および本装置の条件下でイオン化できる分子成分を含むものとする。
【0020】
一般に、本発明は連続的電解サプレッサと別の溶離剤発生器との組合せを使用する、イオンクロマトグラフィー装置および方法に関する。イオンクロマトグラフィーは、クロマトグラフィー分離、抑止、および検出により、公知の様式で実施される。一態様において、抑止は、PCT公開WO 99/11351またはWO 99/44054(これを本発明の参考文献とする)に記載され、かつ「マトリックスサプレッサ」と呼ばれている、少なくとも1つの外部電極を備えた、流通式イオン交換サプレッサ内で行われる。もう一つの態様では、このサプレッサは、米国特許第5,248,426号(これを本発明の参考文献とする)に記載され、かつここでは「膜型サプレッサ」と呼ぶ自己−再生式のものである。本発明は、溶離剤発生器との組合せで、上記一般的な型のサプレッサの使用に関連し、ここで該発生器は、該サプレッサとは遠く離されているが、再循環された検出器流出液の流れが、該サプレッサの検出器流出液流チャンネルを通過した後に、該再循環流出液流からクロマトグラフィー用の溶離剤を発生するのに役立つ。この溶離剤発生器内で製造された溶離剤は、クロマトグラフィー分離用の溶離剤として使用するために、該クロマトグラフィー分離用カラムに再循環される。まず、本発明の抑止部分に関して、一般的に説明する。
【0021】
該マトリックスサプレッサに関する態様を参照すると、該クロマトグラフィー流出液は、サプレッサ電極を含むことが好ましい、該検出器流出液流チャンネルから、イオン交換バリヤにより分離された、該サプレッサのクロマトグラフィー流出液流チャンネルを介して流れる。該クロマトグラフィー流出液流チャンネル由来の該処理された流出液は、検出器を貫流し、次いで該検出器流出液流チャンネルを介して再循環される。電解質イオンは、該サプレッサイオン交換バリヤを介して、該検出器流出液流チャンネル内に拡散し、該電解質は僅かに解離した状態に転化される。電位を、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルと、該一つの検出器流出液流チャンネルとの間に、液体の流れを横切って印加して、拡散を助ける。該装置のこの部分に関する一態様は、WO 99/44054に記載されている。該検出器流出液流チャンネル由来の流出液は、以下に説明する該溶離剤発生器を通過する。この溶離剤発生器内で生成した流出液は、次にクロマトグラフィー分離用の溶離剤として使用される。
【0022】
このサプレッサ段階の目的は、該分析すべき流れの背景の伝導度、即ちノイズを低下させ、かつ被検成分の伝導度を高め(即ち、シグナル/ノイズ比を増大し)、クロマトグラフィー効率を維持することにある。このサプレッサは、樹脂と電気的接続状態にある電極を含み、連続的な電気化学的再生を可能とする。これら電極はバリヤによって該樹脂と分離されており、該バリヤは、イオンの移動を可能とするが、典型的な作業圧力下では液体の流れに対して不透過性である。このデバイスは、再生イオンおよび溶離剤に対する対イオンの流束を大きくするために、幾つかのイオン交換コネクタおよび電極をもつことができる。直流(DC)電圧の印加による、該充填床サプレッサの電気化学的再生は、該イオン交換コネクタにより該溶離剤から分離された、水性液体流を電解的に分割することによって、この分析中連続的に行われる。これらの電解的に発生したヒドロニウムまたはヒドロキシドは、該イオン交換コネクタを通り、該イオン交換樹脂内を移動して、該溶離剤を中和する。溶離剤に対する対イオンは、該イオン交換コネクタを通り、該水性液体流によって、洗い流され、廃棄される。一態様において、該水性液体流は、該抑制された溶離剤である。他の態様では、該水性液体流は、独立した水源、好ましくは脱−イオン水である。
【0023】
該水性液体流の電解によって生成するガス、即ち水素および酸素は、該イオン交換コネクタにより、該流出流から分離されるので、検出がこのガスの生成によって悪影響を受けることはない。
該マトリックスサプレッサ態様の、この電解充填床サプレッサに関する態様において、装置は、上記の再生充填床サプレッサ法を実施するように準備される。このような装置は、サプレッサを含み、該サプレッサはイオン交換樹脂床、液体流動を阻止するが、イオン輸送は可能とする液体バリヤ、および連続的に電位を印加して、流動する流れ内の水を電解し、かくしてサプレッサのイオン交換樹脂を連続的に再生し、該流出液流内での電解を抑制するための手段を含む。
【0024】
一態様において、本発明は、電気化学的抑制の際に、連続的な電場を使用して、該イオン種の検出中のノイズを最小化することに関する。このような構成で使用する場合、化学的再生剤に関する要件は排除される。また、このデバイスは、高い装置背圧の緩和を可能とする。更に、これは低いノイズを有する。というのは、該電解反応は、該流出液流とは分離されたチャンバー内で起こり、またこの単純な設計のために、製造コストが低下されるからである。ここで使用する用語「連続的に電解再生された充填床サプレッサ(CERPBS)」とは、このサプレッサの充填床に係る態様を意味する。
【0025】
このCERPBSにおいて、電極は、該イオン交換樹脂と接しているイオン交換コネクタを介して、あるいは該電極を直接該樹脂内に埋設することにより、該樹脂と電気的に接触している。これら電極の少なくとも一方は、該イオン交換コネクタによって、該流出液流路から分離されているが、該樹脂とは依然として接触または連絡状態にある。また、該バリヤは、該サプレッサ床樹脂および両電極と電気的な接触関係にある。この構成は、溶離剤に対する対イオンを該流出液流から除去し、かつヒドロキシドまたはヒドロニウムと置換して、水または他の僅かに導電性の水性流を生成することを可能とする。水酸化ナトリウム溶離剤を用いてアニオン分析するために、該サプレッサはカチオン交換樹脂を含み、この樹脂は、アノードにてヒドロニウムイオンを生成することによって、連続的にそのヒドロニウムイオン型に再生される。該ヒドロニウムイオンはカソードに向かって移動して、該イオン交換サイト由来のナトリウムイオンと置換する。
【0026】
少なくとも該カソードは、該イオン交換コネクタにより、該溶離剤流から分離され、結果としてナトリウムイオンは該溶離剤流から除去され、水酸化ナトリウムとして該サプレッサから出て行く。該床の、該イオン交換物質中のイオン交換サイトに沿ったイオンの移動により、該電極間に電流が維持される。また、イオン交換コネクタによって、該アノードを該溶離剤から分離することも可能である。この構成において、該電解的に生成するヒドロニウムイオンは、該イオン交換コネクタを通り、カチオン樹脂内に送られ、該電場の力の作用下で、カソードに向かって移動する。この構成は、該サプレッサの再生のために該分析サイクルを中断することなしに、該サプレッサの連続的な再生を可能とする。
【0027】
マトリックスサプレッサの好ましい一態様は、イオン交換樹脂粒子を充填した樹脂床である。しかし、他の態様のマトリックス、例えば十分な有孔率を有していて、不当な圧力降下なしにクロマトグラフィーで使用するのに十分な速度で、水性流を流すことを可能とし、かつ十分なイオン交換能を有していて、電極間にカチオンまたはアニオン伝導性ブリッジを形成し得る、連続的な多孔質構造をもつものも利用可能である。このような構造の一態様は、過度の圧力降下を伴わずに、約0.1〜3 ml/分なる範囲の流量を可能とする、約10〜15%の範囲の有孔率を持つ、スルホン化架橋ポリスチレン製の、多孔質マトリックスまたはスポンジ−状の材料である。
【0028】
本発明の詳細を、まず上記溶離剤発生器の一態様と組み合わせた、上記マトリックス形状のサプレッサに関連して説明する。簡単に言えば、この態様において、酸または塩基を含む、該マトリックスサプレッサの該検出器流出液流チャンネル由来の該流出液は、溶離剤発生器に導かれるが、この発生器は第一発生器電極チャンバーおよび該チャンバー内に設けられた第一発生器電極を含む。この発生器は、また該電極チャンバーと電解質イオンリザーバとを分離している、帯電したバリヤをも含む。このバリヤは、有意な液体流動の発生を阻止するが、電解質イオンの輸送を可能とする。電解質イオンリザーバの一態様において、該サプレッサカラムに関連して上記した型の物と同一のマトリックスを使用でき、その具体例は、イオン交換樹脂の充填床または多孔質マトリックスを含む。
【0029】
該第一のものと反対電荷をもつ第二発生器電極が、該電解質イオンリザーバを介する該第一電極との電気的な接続関係で、該第一発生器バリヤの、該第一発生器電極とは反対側に設けられている。導管が、該検出器流出液区画室の出口と該第二発生器電極とを接続している。水性液体は、該第一発生器電極チャンバーを貫流し、該第一発生器電極と接触する。一態様において、このような液体は、該電解質イオンリザーバ出口からの流れである。電解質イオンは、該電解質イオンとは反対の電荷に保たれている、該電極の影響の下で、該電解質イオンリザーバから、該帯電した発生器バリヤを介して、該第一の溶離剤発生器電極チャンバーに送られる。該第一電解質イオンチャンバーにおいては、酸または塩基が、該サプレッサとの関連で上に記載された反応と同一の、電気化学的反応によって生成される。
【0030】
図1を参照すると、イオン交換装置が図示されており、この装置ではCERPBS形式のサプレッサおよび該溶離剤発生器の一態様を使用している。この装置は、チューブ12によってサンプル注入バルブ14と接続された、図示されていない分析ポンプを含み、該バルブは、またチューブ16によって流通式クロマトグラフィーセパレータ18と接続しており、該セパレータは、典型的にクロマトグラフィー樹脂粒子が充填された、クロマトグラフィーカラム形状にある。クロマトグラフィーカラム18からの流出液は、チューブ20を介して、充填式イオン交換樹脂床型の、流通式サプレッサ22に流れ込む。典型的には、サプレッサ22は、イオンクロマトグラフィー抑制のために使用した型の、イオン交換樹脂床26が充填されたカラム24で作られている。以下に記載するような型の電極は、該サプレッサ内で隔置されており、少なくとも一方の電極は、以下に記載するバリヤによって該樹脂から分離されている。これら電極は、図示されていない直流電源と接続している。この構成は、水性流を該サプレッサに流し、かつ電力を印加することによって、該水性流中の水を電解し、この分析中、該イオン交換樹脂床を連続的に再生するための、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン源を生成する。
【0031】
該サプレッサ流出液を、チューブ30を介して、適当な検出器32に導き、次いで場合によっては廃棄する。好ましい検出器は、流通式伝導度セルを備えた伝導度検出器である。該クロマトグラフィー流出液は、このセルを流れる。
サプレッサ22は、アノードにおいてヒドロニウムイオン(および酸素ガス)を、およびカソードにおいてヒドロキシドイオン(および水素ガス)を発生する。電源が切られた場合、この装置は、充填床サプレッサを備えた、標準的なイオンクロマトグラフィー装置と同様に動作するであろう。即ち、電解質を含む含水−溶離剤溶液は、該ポンプおよびスルーチューブ(through tubing)12から導かれる。サンプル注入バルブ14からサンプルを注入し、チューブ16によってクロマトグラフィーカラム18に導き、該サンプルの分離されたイオン種を含む、第一のクロマトグラフィー流出液を生成する。説明の簡略化のために、特に述べない限り、この装置は、電解質として水酸化ナトリウムを含む、溶離液を使用する、アニオン分析との関連で説明されるであろう。
【0032】
適当なサンプルをサンプル注入バルブ14を介して供給するが、該サンプルはポンプ10から供給される溶離剤の溶液で搬送される。アノード36を、樹脂床26内の樹脂と密に接触している、該床の出口端部に設ける。床26からの流出液を、適当には該流出液内の解離したアニオンを検出するための、伝導度測定装置と接続された、伝導度検出器(図示せず)の流通式伝導度セル32の形状にある、検出器に導かれる。
この検出器において、アニオンの存在は、イオン性物質の量に比例する電気シグナルを発生する。このようなシグナルは、典型的には、該セルから伝導度測定装置に送られ、かくして対象とする、分離されたイオン種(アニオン分析についてはアニオン)の検出が可能となる。
【0033】
好ましい一態様において、検出は電気伝導度によって行われるので、本発明の装置は、イオン伝導度検出器を用いて説明する。しかし他の形状の検出器を使用することも可能であり、その例はUV−可視吸光度、蛍光、マススペクトル、および誘導結合高周波プラズマ分光検出器を含む。以下、本発明の検出を、伝導度検出器に関連して説明する。
この装置は、また検出前にサプレッサ22由来の流出液を加圧して、以下に説明するように、この装置において発生するガス(水素または酸素)による、有害な作用を最小化するための手段をも含む。図1に示したように、このような加圧手段は、伝導度セル32の下流側の、該イオンクロマトグラフィー装置を加圧下に維持するための、流量制限装置38を含む。
【0034】
カラム24は、典型的には、イオン交換カラムに対してこれまでに使用されている、プラスチック製であり得る。これは、適当な長さ、例えば長さ60mmおよび径40mmを持つ円筒形の空洞を持つ。これは、高い交換容量のカチオン交換樹脂、例えばスルホン化ポリスチレン型の交換樹脂で満たされる。この樹脂は、適当には多孔質のフリットにより、該カラム内に収容され、該フリットは該カラムに対する出口を与えるように機能する。図示した態様において、該多孔質フリットは、多孔質電極であり、この電極は該樹脂の束縛機能および電極としての機能両者を果たす。
バリヤ40は、電極チャンバー44内にイオン受取り流チャンネルを画成する中空ハウジングの内側で、電極42と床26とを分離し、如何なる有意な液体流動の発生をも阻止し、かつ該樹脂床26における交換性イオンの電荷と、同一の電荷をもつイオンだけの輸送を可能とする。アニオン分析のためには、バリヤ40は、適当には、電極チャンバー44と該カチオン交換樹脂とを分離する、カチオン交換膜またはプラグ状態にある。
【0035】
電極チャンバー44内の電極42も、適当には、バリヤ40と密に接触している、不活性金属(例えば、プラチナ)製の多孔質電極形状にある。水を電極チャンバー44に通す場合に、該電極/膜界面の良好な洗浄を可能とするように、電極を製造する。この電極は、有利には、その構造全体および電極/膜界面における、容易な液体流動を可能とする、ほぼディスク型の物を作るように、所定長さのプラチナワイヤをつぶしあるいは成型して製造する。ディスク−電極42およびバリヤ40間の良好な接触は、その一方を他方に対して押し付けるように配置することにより、簡単に維持される。この電極は、電極チャンバー42を介して、該水性液体の全てまたは一部を横切って伸び、結果として該流動する水生流との密な接触をもたらすことができる。
【0036】
該水性液体流を、該電極チャンバー44の入口まで導くために、導管48が設けられている。導管52は、チャンバー44からの流出液を、該溶離剤発生器まで搬送する。全ての導管は、小さな孔を持つプラスチック製のチューブで造ることができる。しかし、所望ならば、導管30および48の一部を、ステンレススチール製のチューブで作成することが可能である。この金属導管を、該プラチナ電極と接触させた場合には、これは該電極と電気的な接触を実現し、また同時に流体流動用の導管でもある。これは、電極との電気的接触を形成する手段を与え、この手段は、同時に液体の漏洩に対して封止することも容易である。
【0037】
ラインX−Xが、該樹脂床26を横切って示されている。以下において説明する理由のために、該点線の上流側の樹脂は、支配的にまたは完全に、分離の際に電解質として使用された塩基のカチオン対イオン型の状態にある。該ラインX−Xの下流において、該樹脂は、支配的にまたは完全にヒドロニウムイオン型の状態にある。該ラインX−Xは界面を表す。ここで使用する用語「アニオンまたはカチオンもしくはイオン交換床」は、該水性液体が流動する、アニオンまたはカチオン交換材料の流通式床を意味する。特に述べない限り、「カチオン」なる用語は、ヒドロニウムイオンを除外し、「アニオン」なる用語は、ヒドロキシドイオンを排除する。その入手容易性および既知特性のために、イオン交換床の好ましい形態は、樹脂粒子の充填イオン交換床である。該樹脂粒子を、密に該床に充填して、電極36および42間に、イオン流動用の連続的イオンブリッジまたは通路を形成することが望ましい。また、該水性流が、不当な圧力降下を示さずに、該床を流通するのに十分な間隔を取る必要がある。
【0038】
ここで定義したように、該ラインX−Xの上流側における床26の部分は、サプレッサ床入口部分26aと呼ばれる。逆に、該ラインX−Xの下流側における該床の部分は、26bと呼ばれる。図示したように、電極チャンバー44のバリヤ40は、該床入口部分26aと隣接して設けられ、従って主としてカチオン形状にある。
該アニオン分析用装置の動作原理は、以下の通りである。検出すべきアニオンおよびカチオン(例えば、カリウム)ヒドロキシドを含む水性液体流は、交換性のアニオンを含む、アニオン交換樹脂のセパレータ床18を介して流動して、分離されたアニオンと該カチオンヒドロキシドを含む液体流出流を生成する。床18内のアニオン交換樹脂は、米国特許第3,897,213号、同第3,920,397号、同第3,925,019号および同第3,926,559号に示されているように、イオンクロマトグラフィー用に使用されている、適当な公知の低容量型のものである。例えば、床18は、典型的には約0.01〜0.1 meqなる範囲の全容量を持つ。従来と同様に、該セパレータのアニオン交換容量は、該サプレッサの交換容量と比較して低い。
【0039】
床18におけるアニオン交換樹脂のイオン交換容量に対する、サプレッサ床26におけるイオン交換樹脂のイオン交換容量の比は、従来の充填床サプレッサを用いた、イオンクロマトグラフィー用のものと同一で、例えば10:1〜1000:1なる範囲内にあり得る。
アニオン分析のために、偏波DC電位を、カソード42とアノード36との間に印加して、以下のような反応を起こさせる。
水を電解し、ヒドロニウムイオンを以下の反応に従ってアノード36に発生させる:
O − 2e → 2H + 1/2 O↑   (1)
これは該カチオン交換樹脂床26内にカチオンを生じ、これらをバリヤ40まで移動させる。これは、また床26を介して上方からヒドロニウムイオンを置換し、該床26は、その前方で、同様なカチオンの置換を生じる。これらカチオンは、該バリヤ40に向かって電気的に移動して、カソードチャンバー44内のカソード42に向かって、該バリヤ40を横切って輸送され、一方水がカソード42で電解されて、以下の反応に従ってヒドロキシドイオンを生成する:
【0040】
2HO + 2e → 2OH + H↑   (2)
該バリヤを横切って輸送される該カチオンは、該生成されたヒドロキシドイオンと結合して、カソードチャンバー44内で、カチオンヒドロキシドを生成する。該セパレータ床からの流出液は、該床入口部分26でカチオン形状にある樹脂を介して、該床部分26の該ヒドロニウム型の樹脂に達するまで浸透し、該部分で該樹脂は中和され、一方該カチオンは該樹脂上に保持される。この点において、該アニオン塩は、各々の酸に転化され、また該カチオンヒドロキシドは、僅かにイオン化された型、即ち水に転化される。
該分離されたアニオンを含む該抑制された流出液は、該導管30を介して床26を離れ、伝導度セル32まで流れ、そこで該分離されたアニオンの伝導度が決定される。
伝導度セル32からの該流出液は、流量制限装置38および導管48を通り、電極チャンバー44に再循環される。これが水性液体源を与え、生成した酸または塩基を、連続流中の廃物に渡すことによって、電極チャンバー44内での連続的な反応を可能とする。
【0041】
この電極反応および該樹脂対イオンの電気的な移動の正味の結果は、該カソードの領域におけるカチオン(例えば、カリウム)ヒドロキシドの生成、および該2つの電極における電解的なガスの発生である。具体的には、これら電極反応は、該サプレッサから該クロマトグラフィー装置に運ばれる、水素および酸素を生成する。
該ヒドロニウムイオン/カチオン境界ラインX−Xに達した場合、該カチオン(カリウムとして示されている)ヒドロキシドは、以下の式に従って従来の抑止と同様に中和される:
KOH + H → K + HO↑   (3)
ここで、Rは該カチオン交換樹脂である。該Kは、このイオン交換樹脂が、その交換性イオンとして該カチオンを保持していることを示している。
【0042】
該床入口部分26aに向かう該樹脂相内のヒドロニウムの流束は、該床出口部分26bに向かう該移動相内のカチオンヒドロキシド流束に等しいか、あるいはこれよりも大きい。種々の電流レベルにおいてバランスが優勢になるので、該ヒドロニウムイオン/カチオン境界ラインX−Xの位置は固定状態に維持される。従って、この装置はカチオンヒドロキシドの連続的なサプレッサとして動作する。
図1のサプレッサを、アニオン分析用の装置に関連して説明してきた。しかし、この装置は、またカチオン分析に適用することも可能である。この例において、電極36は、カソードであり、また電極42はアノードである。樹脂のイオン交換型は、逆である。従って、セパレータ床18内の樹脂は、カチオン交換樹脂であり、また該サプレッサ床26内の樹脂は、アニオン交換樹脂である。該プラグまたは膜40は、アニオン交換材料製である。
【0043】
簡単に記載すれば、該サプレッサは、カチオン分析については以下のように作用する。検出すべきカチオンを含む該水性液体流および酸性電解質の水性溶離剤は、カチオン交換樹脂を含む、セパレータ床18を介して導かれる。該セパレータ床18からの流出液は、交換性のヒドロキシドイオンを持つアニオン交換樹脂を含む、サプレッサ床26を貫流する。該溶離剤中の酸は、僅かにイオン化された状態に転化される。該交換性ヒドロキシドの幾分かは、該床由来のアニオンにより置換される。
【0044】
所定の電位を、カソード36とアノード42との間に印加する。水を電極36にて電解して、ヒドロキシドを生成し、該アニオン交換樹脂上のアニオンを、該バリヤ40に向かって電気的に移動して、カソードチャンバー44内の、該イオン受取り流チャンネルにおける正に帯電したアノード42に向かって、該バリヤ40を横切って輸送し、一方チャンバー44内の水を電解して、ヒドロニウムドイオンを生成し、該イオンは該輸送されたアニオンと結合して、該電極チャンバー44内で酸を生成する。該サプレッサ床26由来の流出液は、検出器32を越えて流動し、そこで分離されたカチオンが検出され、かつ該電極チャンバー44に再循環される。
【0045】
図示されていないもう一つの態様においては、検出器32からの流出液を再循環する代わりに、該電極チャンバー42の入口に、別の水性液体源を与える。このことは、カラム18での分離のために、該溶離剤発生器に再循環すると有害である可能性のある、有機溶媒または他の成分を含む液体の使用を可能とする。
サプレッサ床26用の、従って該水性溶離剤中の酸または塩基電解質用の該交換性アニオンまたはカチオンは、また使用する酸型または塩基型において、所定濃度にて、十分に水溶性である必要がある。適当なカチオンは金属、好ましくはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウムおよびセシウムである。既知充填率の高交換容量をもつイオン交換樹脂床が、この目的に適している。典型的には、該樹脂粒子は、カリウムまたはナトリウム型であり得る。カリウムが、その高い導電性のために、特に効果的な交換性カチオンである。適当な他のカチオンは、テトラメチルアンモニウムおよびテトラエチルアンモニウムである。類推的に、カチオン分析にとって適した交換性アニオンは、塩素、硫酸およびメタンスルホネート残基を含む。典型的には、これら交換性アニオン用の樹脂粒子は、ダウエックス(Dowex) 1およびダウエックス2を含む。
【0046】
再度図1を参照すると、該溶離剤発生器の一態様が示されており、まずアニオン分析用の装置を説明するが、そこでは電極チャンバー44で発生した塩基は、該溶離剤発生器に送られる。この態様は、電気化学的動作の点で、サプレッサ24に類似している。該溶離剤発生器のこの態様において、適当なハウジング54は、イオン交換樹脂56の充填床型の、電解質イオンリザーバを含む。樹脂床56は、帯電した発生器バリヤ60によって、第一発生器電極チャンバー58から分離されており、該バリヤ60は、有意な液体流動の発生を阻害するが、電解質イオンの輸送を可能とし、従ってサプレッサバリヤ40について記載した型のものであり得る。発生器電極62は、発生器電極チャンバー58内に設けられ、かつこれにより包囲されており、また電極チャンバー44と同一型の構成を持つものであり得る。バリヤ60の、電極62とは反対側には、機能および構造において、サプレッサ電極36と類似する、流通式電極64がある。
【0047】
該サプレッサとの関連で上記した該電気化学的反応は、該溶離剤発生器内で起こるので、これらを本発明の参考とする。従って、アニオン分析のために、該ラインX−Xは、該樹脂床56の出口部分56bと、その入口部分56aとを分離している。ライン52に供給された流れは、カチオン型の入口部分56aに流入し、一方該出口部分は、ヒドロニウム型にある。しかし、一つの違いは、導管52に供給された流れが、既に塩基を含んでいることである。該供給流れは、バリヤ60に隣接する充填樹脂床56から出て、床56を横切って流れ、かつ電極64を介してその出口から流出し、あるいは上記のように、ある他の型の電極を越えて流動する。同様に、この充填床は、バリヤ60に隣接するその入口端部において、該電解質イオン型(例えば、カリウムまたはナトリウム)で、かつ電極64と隣接するその出口端部近傍において水素イオン型の樹脂を含む。
【0048】
樹脂床56の図示した態様において、該供給流は、底部で該床56に流入し、あるいは該床を水平に横切り、次いでこの床から出て行く。もう一つの態様においては、この床を垂直に配置して、該カラムを介する、上向きまたは下向き何れかの流れを含むことができる。上向き流れの一つの利点は、該サプレッサ内で発生した気泡が、この床を介して拡散し得ることである。
【0049】
PCT公開WO 99/11351に記載された方法並びに装置において、溶離剤発生器床およびサプレッサ床は、相互に直接的接触状態にあり、単一の流通式モジュール内に収容されている。本発明において、該溶離剤発生器およびリサイクルモジュールは、分離されているが、該サプレッサモジュールと流体接続関係にあり、その溶離剤発生およびリサイクル機能は、一つのモジュール内で果たされ、またその溶離剤抑制機能は、別のモジュール内で果たされる。本発明は、PCT公開WO 99/11351に記載された以前の発明を越える幾つかの利点をもたらす。第一に、比較的大きな溶離剤発生およびリサイクルモジュールを、より容易に組み合わせて、溶離剤発生およびリサイクルのために、比較的大量のKイオンのリザーバを与えることができる。第二に、この大きなデバイスの幾何形状は、比較的低いデバイスの抵抗を示し、および過度の発熱を伴うことなしに、比較的高濃度の酸または塩基溶離剤を生成する能力を持つという、利点をもたらす。第三に、本発明において、様々な設計のサプレッサモジュールを使用して、最適の性能を与えることができる。
【0050】
同一の型の充填床樹脂または他の型のマトリックスを、上記サプレッサの場合と同様に、該溶離剤発生器でも使用することができる。図示したように、発生器電極チャンバー58を貫流する水性液体源は、該樹脂床出口からリサイクルされる液体であり得る。具体的には、このような液体は、導管65を流動し、好ましくは流出流を脱イオン化する手段、例えば混合(カチオンのアニオン交換性)床の水仕上げカラム(water polishing column) 67等を含む。この水仕上げカラムは、典型的には高さ2〜40cmおよび内径0.5〜10cmである。そこから、該流れは導管69を通り、チャンバー58まで流動する。アニオン分析の場合、該カチオンヒドロキシドは、上記サプレッサとの関連で上記したように、該カソードに隣接するチャンバー58内で発生する。該水仕上げ装置を通過した後の該水の源は、脱イオン処理されるので、この分析を妨害することはない。チャンバー62から、該液体は該導管64および場合により脱気チューブ56並びに、上記のように、インジェクタ14を介して導管12を流れる。脱気装置56は、ディオネックス(Dionex) EG40 溶離剤発生器(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA, U.S.A.)において使用されている型のものであり得る。
【0051】
もう一つの態様(図示せず)において、該溶離剤発生器54からの液体流出物は、廃棄され、独立した水性液体源(例えば、脱イオン水)が、発生器電極チャンバー58に流される。
該溶離剤発生器54の電気化学的動作は、該サプレッサ24の動作と類似するが、典型的には、その幾何形状および操作条件において幾つかの違いがある。該溶離剤発生器54の該電解質イオンリザーバ(イオン交換床56)は、通常該サプレッサ24のイオン交換床26よりもかなり大きな体積を持つ。適当には、イオン交換床56は、少なくとも1〜2mLから、1000mL程度もしくはそれ以上までの体積をもつことができる。この溶離剤発生器における該リザーバの典型的な寸法は、直径約10〜100mmおよび高さ20〜150mmであり得る。これに対して、典型的なサプレッサは、約1.0mL程度、また典型的には約0.03〜2.0mLの体積を持つ。該サプレッサ24内の該イオン交換床26は、典型的に径2〜6mmおよび長さ10〜80mmである。適当には、該電解質イオンリザーバ対該サプレッサの体積比は、少なくとも10:1から、10,000:1またはそれ以上までである。
【0052】
該溶離剤発生器に適用されるDC電流は、典型的には0.1〜250mAなる範囲内にある。250mA以上のDC電流を使用して、所定の流量で、高濃度の酸または塩基溶離剤を生成することが可能である。該電極チャンバー58を介する流量は、典型的には0.1〜3.0mL/分なる範囲内にある。図1に示した装置を運転する場合、該サプレッサ24に適用される該DC電流は、該発生器54に適用される電流よりも高くなければならず、また典型的には1〜500mAなる範囲内にある。より高い電流を適用して、より高濃度の溶離剤を抑制することも可能である。該溶離剤発生器および該サプレッサに対するデバイス運転電圧は、典型的には5〜100Vなる範囲にある。
【0053】
上記一態様において、該イオン交換媒体、典型的にはイオン交換樹脂床56には、上記カラム25で使用した物と同一の型の、高い交換容量を持つイオン交換樹脂を充填する。「二重床(dual bed)」と呼ばれる他の態様では、該イオン交換媒体は、異なるイオン交換特性を持つ、上流部分と、これに隣接する下流部分とを含む。説明の目的で、このイオン交換媒体はイオン交換樹脂床との関連で記載する。好ましい一態様において、該イオン交換床の上流側部分は、該電解質イオンと同一の電荷をもつが、ヒドロニウムまたはヒドロキシド型ではない、弱酸性または弱塩基性イオン交換樹脂層を含む。例えば、アニオン分析、即ち塩基性電解質の抑制のためには、該イオン交換物質は、抑制すべき電解質と同一の型、例えばKまたはNa型であり得る。これとは対照的に、該イオン交換床の下流側部分は、該電解質イオンと同一の電荷を持つ、ヒドロニウムまたはヒドロキシド型の、強酸または強塩基型イオン交換物質の下流層を含む。かくして、アニオン分析のためには、該下流側層は、上記型の強酸性型のものである。好ましい弱酸性型のカチオン交換樹脂は、KまたはNa型のカルボキシレート化樹脂である。好ましい強酸性型のカチオン交換樹脂層は、ヒドロニウムイオン型のスルホン化樹脂である。
【0054】
逆に、酸を発生するためには、該床の上流側層は、典型的に弱塩基性のイオン交換型(例えば、メタンスルホン酸塩型または硫酸塩型の、第三または第二アミン官能基を持つ樹脂)のものであり、また該床の下流側層が、強塩基性のイオン交換型(例えば、ヒドロキシド型の四級アミン官能基を持つ樹脂)のものである。
弱酸性または弱塩基性何れかの型の上流側部分に関連して、その容量は、約0.4〜約2.4 meq/mLなる範囲内であり得る。しかし、より高いまたはより低い容量を持つイオン交換物質も使用できる。該床の強酸性上流部分に関して、適当な強酸性カチオン交換樹脂は、ヒドロニウムイオン型のDowex 50 WX8であり、また該上流側層の弱酸性カチオン交換樹脂は、適当にはカリウムイオン型のBio−Rad Chelex−100樹脂である。
【0055】
この二重床装置の利点の一つは、該ヒドロニウムイオンの上向きの移動が、弱酸生成のために、弱酸性樹脂を含む領域と遭遇した際に、妨害されることにある。従って、実質的に全てのカチオン(例えば、Kイオン)がリサイクルされ、ヒドロニウムイオンの、該デバイスのカソードへの直接的な移動を最小化する。これは、極めて高い理論的な電流効率へと導く。
該床の上流側部分およびその下流側部分における該樹脂の相対的な体積は、大幅に変えることができる。例えば、幾つかの装置に関連して、該上流側の弱酸性樹脂または塩基性樹脂対該床の下流側部分における樹脂の体積比は、典型的に約1:10〜1:5なる範囲内にある。
【0056】
より好ましい態様において、該上流側イオン交換媒体部分は、該上流側の弱酸性または塩基性イオン交換樹脂層と、強酸性または塩基性下流側層との間に、中間のイオン交換媒体層を含む。この例においては、この中間層は、該電解質イオンと同一の電荷をもつが、ヒドロニウムまたはヒドロキシドイオン型ではない、強酸性または強塩基性イオン交換物質を含む。従って、アニオン分析のためには、該中間層は、適当には抑制すべきイオン型、例えばカリウムイオン型であり、一方カチオン分析のためには、該交換性のイオンは、適当にはメタンスルホネートまたは硫酸塩型である。該中間層内の、該強酸性または強塩基性イオン交換物質のイオン強度は、適当には該床の下流側における強酸性または強塩基性イオン交換物質のイオン強度と同一であり、その違いは、該交換性イオンが、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン型ではなく、寧ろカチオンまたはアニオン型である点にある。ここで使用する用語「カチオン」とは、ヒドロニウムイオンを排除し、また用語「アニオン」とは、ヒドロキシドイオンを排除する。
【0057】
該中間層が、上記ラインX−Xの上部に設けられることが好ましい。カチオン型の強酸性樹脂を含む領域は、「バッファー」領域の機能を果たし、アニオン分析においては、カソードに向かうヒドロニウムイオンの流れを更に妨害し、またDC電流が、まずこのデバイスに印加された場合にみられる、ヒドロニウムイオンが上向きに移動した結果として、中間部分での弱酸性領域の生成、その結果としての高い電気抵抗の発生を防止する。カリウム型の、弱酸性カチオン交換樹脂領域およびカリウム型の、強酸性樹脂領域は、好ましくは上記ラインX−Xの上部に位置し、かつヒドロニウムイオン型の強酸性樹脂領域は、上で論じた理由から、好ましくは上記ラインX−Xの下方に位置する。
これら3層の深さは大幅に変更することができる。ヒドロニウムイオン型の強酸性カチオン交換樹脂(ゾーンA)が、好ましくは最も深い層であり、次いでカリウム型の弱酸性カチオン交換樹脂(ゾーンB)、更に中間の緩衝層(ゾーンC)の順となる。ゾーンA:ゾーンB:ゾーンCの深さの典型的な比は、約10:2:1である。
【0058】
図2を参照すると、図1に示したような単一の溶離剤発生器を用いた、本発明の他の態様が示されているが、WO 99/44054(これを本発明の参考文献とする)に記載された、図2に関連して説明したような、2つの電極チャンバーを持つサプレッサを使用している。
図1の態様と同様に、図2に示す態様のサプレッサは、従来の充填式イオン交換樹脂床セパレータカラムと共に使用できる。図1および2の態様に係るサプレッサ間の違いは、後者において、一つではなく二つの外部電極チャンバーが存在して、被検物質のイオンが、何れの電極との接触も阻止されることである。図1および2に関して、同様な部品は、同様の参照番号で示されている。
図2において、該セパレータカラム18からの流出液は、サプレッサ70を介して導管20内を流れ、該サプレッサはハウジング(好ましくは、円筒状の断面を持つ)を含み、該ハウジングは中心の穴を画成する本体と、該孔の対向する端部における、ネジ山を持つ端部キャップとを含む。サプレッサ70は、上記型の交換容量の高いイオン交換樹脂床72を含む。
【0059】
電極チャンバー74は、バリヤ78によって床72から分離された電極76を含むが、これら全ては上記と同一型のものである。図1のサプレッサとの違いは、図2のサプレッサが、バリヤ84によって床72から分離されている、第二の電極82を含む電極チャンバー80を含むことにある。電極チャンバー74および80両者は、同一の型のものであるが、これら電極は反対極性のものである。電極チャンバー80内の電極82が、該サプレッサの樹脂床と直接接触している、図1の電極36と置き換わる。これら電極は、DC電源(図示せず)と接続しており、また好ましくはプラチナ製である。従来と同様に、該端部キャップは、該入口および出口チューブと接続するための、ネジ山をもつ部分を含む。
サプレッサ70からの流出液は、ライン86および検出器88並びにライン90を介して電極チャンバー80に流れる。電極チャンバー80からの流出液は、更にライン92を介して、電極チャンバー74の入口側にリサイクルされる。電極チャンバー70からの流出液は、ライン94を介して、図1に記載の如く動作する該溶離剤発生器に送られる。
【0060】
図2のサプレッサにおいて、樹脂床72、電極76および82、並びにバリヤ78および84は、電気的接続関係にある。しかし、バリヤ78および84は、該サプレッサ70を流通する該サンプル溶離剤を、該アノードおよびカソードチャンバー内の液体流動から隔離している。図1の場合と同様な反応が、該アノードおよびカソードで起こる。具体的に述べると、アニオン分析のためには、上記説明は、カソードチャンバー70内の反応に当てはまる。同様に、同一の反応が、アノード36について図1に記載したように、アノード78で同一の反応が起こる。しかし、バリヤ84の存在は、動作における以下のような違いを生じる。アノード82で発生した該ヒドロニウムイオンは、電気泳動的にバリヤ84を介して、床72内のカチオン交換樹脂に送られ、そこで上記のような様式で、カソード72に向かって該樹脂内を移動する。同様に、該溶離剤由来のカチオンは、ヒドロニウムイオンの流束によって、該カチオン交換樹脂から置換され、該ヒドロニウムイオンは該溶離剤ヒドロキシドと結合して、水を生成する。この反応式も上で記載した。同様に、カチオンは、バリヤ78を介して、電気泳動的に電極76に移動され、そこでヒドロキシドイオンと結合して、該溶離剤発生器に送るための塩基を生成する。該アノード区画室で生成する酸素および該カソード区画室で生成するヒドロキシドは、水酸化ナトリウムによって一掃される。従って、これらガスが分析系から分離されているので、分析に及ぼすこのようなガスの効果を最小化するための、流動制限装置は不要である。
【0061】
バリヤ78および84により該アノードとカソードとを分離したことによるもう一つの利点は、該床72を流通する該溶離剤の流れが、電極の電気的に活性な表面上を通らないことであり、該活性表面では、溶媒または被検物質が電気化学的に変性される。このことは、有機変性剤を該溶離在中で使用する場合に、重要であり得る。例えば、水酸化ナトリウム溶離剤について一般的な有機変性剤であるメタノールは、アノードで酸化されて、蟻酸を生成し、これはバックグラウンドの導電率を高める可能性がある。該バリヤによって該溶離剤区画室から分離された電極を使用する場合、該溶離剤の流れは、不当な電気化学的反応に曝されることはない。
【0062】
図3を参照すると、本発明の他の態様が図示されており、ここでは米国特許第5,248,426号(これを本発明の参考文献とする)に記載されている、自己−再生式のサプレッサと組み合わせた、図1および2の溶離剤発生器を使用する。図3を参照すると、膜型態様のサプレッサが図示されており、ここでクロマトグラフィーセパレータ18からの流出液は、ライン20を介して、サンドイッチ式膜型サプレッサ102のクロマトグラフィー流出液区画室100に送られる。この例において、該クロマトグラフィー流出液区画室は、2つの検出器流出液区画室104および106間に挟まれ、かつこれらから夫々イオン交換バリヤ108および110によって分離されている。該膜型態様のサプレッサの構造は、上記米国特許第5,352,360号に記載されている型のものであり得る。そこに記載されているように、イオン伝導性物質、例えば不活性金属スクリーンを、該区画室100、104または106の何れかに配置して、該デバイスの電流効率を改善することができる。所定の電位を、好ましくは、上記特許に記載されているように、該検出器流出液区画室104および106の外側に設けられた平板電極112および114によって、該サンドイッチサプレッサ102を横切って印加する。
【0063】
該サプレッサ流出液は、ライン116を介して、伝導度検出器セル118に送られ、ライン120を介して、再循環により検出器流出液区画室104および106に戻され、該流出液は、酸または塩基を発生するための、およびライン120を介して該サプレッサ内に流入する該クロマトグラフィー流出液中の該溶離剤を抑制するための、流動する水性流として機能する。これら目的を達成するための、該サプレッサの動作の詳細は、米国特許第5,352,360号に詳しく記載されている。この特許を、この時点で本発明の参考文献とする。酸または塩基を含む該サプレッサ102からの流出液は、ライン122を介して、図1および2において上記した型の溶離剤発生器54に送られる。
図4を参照すると、本発明のもう一つの態様が示されており、ここでは図3のサプレッサが、異なる型の溶離剤発生器との組合せで使用されている。該溶離剤発生器を除くこの組合せの同様な部品は、図3の部品と同様に示されている。
【0064】
図3および4の溶離剤発生器間の主な違いは、図3の電極64が、第二のバリヤにより、該電解液リザーバから分離されており、これは、水性溶液としての電解液リザーバ並びに例えば充填式イオン交換樹脂床または上記のようなモノリスまたはフォーム等の他のイオン交換物質としての固体マトリックスの使用を容易にする。
具体的に図4を参照すると、ライン122内の酸性および塩基性流出液は、溶離剤発生器126の発生器チャンバー124に導かれる。電極128は、チャンバー124内に設けられ、また発生器張りや132によって電解液リザーバ130から分離されており、該バリヤは有意な液体流動の発生を阻害するが、電解質イオンの輸送は可能とする。
【0065】
発生器チャンバー134は、電解液リザーバ130の発生器124とは反対側に設けられる。第二電極136がチャンバー134内に収容され、また適当にはバリヤ132と同一の型のバリヤ138によって、電解液リザーバ130から分離されている。電極チャンバー124および134並びにその構成部品は、発生器電極チャンバー58に関連して上記した型のものであることが好ましい。同様に上記の如く、電極128および136は、反対極性のものである。同様な電気化学的反応が、溶離剤発生器の図1に示した態様について記載したように、アノードおよびカソードにて起こる。しかし、電極128は、電解液リザーバ130から分離されている。この点に関連して、図4の溶離剤発生器は、両電極が分離されている点において、図2のサプレッサ70に類似している。両電極を分離する利点の一つは、このことが水性液体としての電解液リザーバの収容を容易にする点にある。あるいはまた、所望により固体状の電解質リザーバを、上記のようなマトリックス(例えば、充填式イオン交換樹脂床)等のリザーバに収容することができ、あるいは該電解液リザーバは、液状電解質溶液と固体イオン交換物質との混合物を含むことができる。
該溶離剤発生器の残りおよびその流動用の該セパレータ18との接続は、図1との関連で上記したものと同一である。従って、その説明を、この点における参考とし、また同様な部品は、同様な参照番号で示される。
【0066】
該サプレッサの適当な作動電流は、該溶離剤の組成に依存する。アニオン分析については、電気化学的に発生したヒドロニウム流束は、流入する水酸化ナトリウム流束を越えるか、あるいはこれに等しくなければならない。このことは、ヒドロキシドの各モルが、1モルのヒドロニウムにより中和され、また該ナトリウムが、該カソード区画室に対するイオン交換コネクタを介して、ヒドロニウムにより置換され、廃棄されることを保証する。典型的には、電流は該溶離剤流束の110−160%である。
該作動電圧は、該サプレッサデバイスの幾何形状、電極のサイズ、電極の間隔、並びに該樹脂およびイオン交換コネクタの伝導度に依存する。このデバイスは、電圧降下を最小化するように設計されており、典型的な作動電圧は、10〜100Vである。このデバイスを定電流モードで操作することが一般的に望ましい。というのは、電流が、直接該溶離剤濃度、結果として必要な再生剤流束と関連する可能性があるからである。
【0067】
このサプレッサは、該イオン交換コネクタを介して、かつ該イオン交換樹脂を横切って所定の電位を印加するための手段を含む。この電位を、効率的な再生のために該樹脂のかなりの部分に印加でき、また該溶離剤カチオンが、該イオン交換コネクタを介して除去される限りにおいて、任意数の構成を利用することができる。この点に関連して、該アノードおよびカソードは、これらの間に該イオン交換樹脂の大部分が設けられるように、隔置すべきである。
【0068】
【実施例】
以下の実施例は、本発明の種々の局面を例示するものである。
実施例1
本例は、一般的なアニオンを分離するために、図1に示した型の溶離剤発生器と、連続的に電解により再生される充填床サプレッサの使用を例示する。図1に示すように、GP40ポンプ、注入バルブおよびAS11セパレータカラム(4−mmID×250mm長さ)からなるDX500イオンクロマトグラフィー装置(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用した。ここに開示するように、連続的に電解により再生される充填床サプレッサ22を使用した。該サプレッサ22の本体は、ヒドロニウム型の、200−400メッシュのDowex 50WX8スルホン化イオン交換樹脂を充填した、カラム(4−mmID×70−mm長さ)からなっていた。このサプレッサ床の出口には、多孔質Ptディスクが取り付けられており、該ディスクは、該サプレッサ内に該イオン交換樹脂を保持し、またこのデバイスのアノードとして機能させるために使用した。カチオン交換膜AMI−7000 (Membrane International, Glen Rock, NJ)を、該カソードチャンバー44のバリヤ40として使用した。Model E3612A DC電源(Hewlett Packard, Palo Alto, CA)を使用して、該サプレッサのアノード36とカソード42に、DC電圧を印加した。流通式伝導度セルを備えたDionex ED40伝導度検出器を使用して、該サプレッサからの流出液を追跡した。一片のPEEKチューブ(1.59 mm(1/16−in) OD×0.08 mm (0.003−in) ID×15 cm長さ)を、該制限装置38として使用して、該伝導度セルに背圧を与えた。
【0069】
該溶離剤発生器は、EGC−KOH発生器カートリッジ(P/N 53986, Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を用いて構築した。このEGC−KOH発生器カートリッジの各部分を、該カソードチャンバー58、カソード62およびバリヤ60として使用した。このEGC−KOHカートリッジは、ポリプロピレン製のアノードチャンバー(2.54 cm (1−in) ID×6.35 cm (2.5−in) 長さ)を備えていた。該アノードチャンバー54は、その出口において、アノード64として、有孔プラチナ電極を備えていた。該アノードチャンバー54のイオン交換樹脂床56は、カリウム型の200−400メッシュChelex−100樹脂の床(2.54 cm (1−in) ED×0.76 cm (0.3−in)長さ)およびカリウム型の200−400 Dowex 50WX8樹脂の床(2.54 cm (1−in) ID×0.51 cm (0.2−in)長さ)およびカリウム型の200−400 Dowex 50WX8樹脂の床(2.54 cm (1−in) ID×5.1 cm (2−in)長さ)およびヒドロニウム型のDowex 50WX8樹脂の床(2.54 cm (1−in) ID×5.1 cm (2−in)長さ)を含む、3つの部分からなっていた。該カリウム型の200−400メッシュChelex− 100樹脂の床は、バリヤ60と直接接触していた。該200−400メッシュDowex 50WX8樹脂の床は、該チャンバー出口において、該プラチナアノード64と直接接触していた。カリウム型のDowex 50WX8樹脂の床は、該カリウム型のChelex−100樹脂の床と該ヒドロニウム型のDowex 50WX8樹脂の床との間に挟まれていた。弱酸性のカチオン交換樹脂であるChelex−100樹脂を使用して、このデバイスの電流効率を維持するために、該溶離剤発生器のアノードからカソードへの、ヒドロニウムイオンの移動を停止させた。Dionex PeakNet 5.0コンピュータワークステーションを、装置の制御、データ収集および処理のために利用した。
図5は、図1に示した装置を使用した、該AS11カラム上での、フッ素、塩素、ニトレート、カーボネートおよびスルフェートの分離を示す。この分離では、1.0 mL/分にて10mN KOHを発生するのに、該溶離剤発生器を使用した。このサプレッサに適用された電流は、50 mAであり、またこのデバイスの作動電圧は、50Vであった。
【0070】
実施例2
本例では、一般的なアニオンを分離するために、図2に示した型の溶離剤発生器と、連続的に電解により再生される充填床サプレッサの使用を例示する。図2に示すように、GP40ポンプ10、注入バルブ14およびAS15セパレータカラム(4−mmID×250mm長さ)からなるDX500イオンクロマトグラフィー装置(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用した。ここに開示するように、連続的に電解により再生される充填床サプレッサ22を使用した。該サプレッサ70の本体は、ヒドロニウム型の、多孔質(孔径45−90μm)スルホン化イオン交換モノリス(Dionex Corporation)を充填したカラム(4−mmID×15−mm長さ)からなっていた。カチオン交換膜AMI−7000 (Membrane International, Glen Rock, NJ)を、該カソードチャンバー74のバリヤ78および該アノードチャンバー80のバリヤ84として使用した。Model E3612A DC電源(Hewlett Packard, CA)を使用して、該サプレッサ70のアノード76とカソード82に、DC電圧を印加した。流通式伝導度セルを備えたDionex ED40伝導度検出器を使用して、該サプレッサからの流出液を追跡した。
【0071】
使用した溶離剤発生器は、実施例1で記載したものと同一であった。Dionex EG40溶離剤発生器モジュール(Eluent Generator Module)を使用して、該溶離剤発生器のアノードおよびカソードにDC電流を供給した。Dionex PeakNet 5.0コンピュータワークステーションを、装置の制御、データ収集および処理のために利用した。
図6は、図2に示した装置を使用した、該AS15カラム上での、フッ素、塩素、カーボネート、スルフェート、ニトレートおよびホスフェートの分離を示す。この分離では、1.0 mL/分にて38mN KOHを発生するのに、該溶離剤発生器を使用した。このサプレッサに適用された電流は、100 mAであり、またこのデバイスの作動電圧は、20Vであった。
【0072】
実施例3
本例では、一般的なアニオンを分離するために、米国特許第5,248,426号に記載された、自己−再生型のサプレッサと組合せた、図1に示した型の溶離剤発生器の使用を例示する。主な装置要素は、図3に示されている。GP40ポンプ10、注入バルブ14およびAS15セパレータカラム(4−mmID×250mm長さ)からなるDX500イオンクロマトグラフィー装置(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用した。サプレッサとしては、Dionex ASRSアニオンサプレッサ(P/N 53946)を使用した。Dionex ED40検出器に内蔵された電源を使用して、このサプレッサに300 mAのDC電流を供給した。流通式伝導度セルを備えたDionex ED40伝導度検出器を使用して、該サプレッサからの流出液を追跡した。
使用した溶離剤発生器は、実施例1に記載したものと同様であった。Dionex EG40溶離剤発生器モジュールを使用して、該溶離剤発生器のアノードおよびカソードにDC電流を供給した。Dionex PeakNet 5.0コンピュータワークステーションを、装置の制御、データ収集および処理のために利用した。
【0073】
図7は、図3に示した装置を使用した、該AS15カラム上での、フッ素、塩素、カーボネート、スルフェート、ニトレートおよびホスフェートの分離を示す。この分離では、1.0 mL/分にて1〜100mN KOHなるヒドロキシド勾配を発生するのに、該溶離剤発生器を使用した。この一組の実験において、該AS15カラム上での通常のアニオンの分離は、43日間に渡り反復的に実施し、また該アノードチャンバーから出てくる流出液をリサイクルした。図8は、全体で980回の注入に渡る、該AS15カラム上でのターゲットアニオンの、滞留時間に関する安定性を示すものである。図9は、該IRDによって発生した、KOH勾配の伝導度プロフィールを示す図である。上記結果は、上記の装置が、高い再現性でKOH勾配(1.0mL/分にて1〜100mN)を生成するのに利用できることおよび著しく再現性の高いアニオン分離を達成できることを示している。
【0074】
実施例4
本例は、またカチオン分析のための、図3に示した装置の使用を例示する。GP40ポンプ10、注入バルブ14およびCS12Aセパレータカラム(4−mmID×250mm長さ)からなるDX500イオンクロマトグラフィー装置(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用した。サプレッサとしては、Dionex CSRSカチオンサプレッサ(P/N 53948)を使用した。Dionex ED40検出器に内蔵された電源を使用して、このサプレッサに300 mAのDC電流を供給した。流通式伝導度セルを備えたDionex ED40伝導度検出器を使用して、該サプレッサからの流出液を追跡した。
該溶離剤発生器は、EGC−MSA発生器カートリッジ(P/N 53987, Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用して構築した。このEGC−MSA発生器カートリッジのパーツを、アノードチャンバー、アノードおよびバリヤとして使用した。このEGC−MSAカートリッジは、ポリプロピレン製のカソードチャンバー(2.54cm (1−in) ID×6.34cm (2.5−in)長さ)を備えていた。該カソードチャンバーは、その出口において有孔プラチナ電極をカソードとして備えていた。該アノードチャンバー内の該イオン交換樹脂床は、3つの部分からなり、これらはメタンスルホネート型で、200−400メッシュの、Bio−Rad AG3X4樹脂の床(2.54cm (1−in) ID×0.76cm (0.3−in)長さ)、メタンスルホネート型で、200−400メッシュの、Dowex 1X8樹脂の床(2.54cm (1−in) ID×0.508cm (0.2−in)長さ)およびメタンスルホネート型で、200−400メッシュの、Dowex 1X8樹脂の床(2.54cm (1−in) ID×5.08cm (2−in)長さ)、およびヒドロキシド型のDowex 1X8樹脂の床(2.54cm (1−in) ID×5.08cm (2−in)長さ)を含む。該メタンスルホネート型のBio−Rad AG3X4樹脂床は、該バリヤと直接接している。該ヒドロキシド型のDowex 1X8樹脂床は、該チャンバー出口において、該プラチナカソードと直接接している。該メタンスルホネート型のDowex 1X8樹脂床は、該メタンスルホネート型のBio−Rad AG3X4樹脂床と、該ヒドロキシド型のDowex 1X8樹脂床との間に挟まれていた。Bio−Rad AG3X4樹脂は、弱塩基性アニオン交換樹脂であり、またヒドロキシドイオンの、該溶離剤発生器のカソードからアノードへの移動を防止し、このデバイスの電流効率を維持するのに使用される。Dionex EG40溶離剤発生器モジュールを使用して、溶離剤発生器のアノードおよびカソードにDC電流を供給した。Dionex PeakNet 5.0コンピュータワークステーションを、装置の制御、データ収集および処理のために利用した。
【0075】
図10は、上記装置を使用した、該CS12Aカラム上での、リチウム、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムイオンの勾配分離を示す。この分離において、該溶離剤発生器は、1.0 mL/分にて、0.5 mN〜60 mN MSAなる範囲のMSA勾配を発生させるのに使用し、また該カソードチャンバーから出てくる流出液は、再循環される。得られた結果は、上記装置が、カチオンの勾配分離を達成するのに利用できることを示す。
実施例5
本例では、一般的なアニオンを分離するために、米国特許第5,248,426号に記載された、自己−再生型のサプレッサと組合せた、図4に示した型の溶離剤発生器の使用を例示する。主な装置要素は、図4に示されている。GP40ポンプ、注入バルブおよびAS11セパレータカラム(4−mmID×250mm長さ)からなるDX500イオンクロマトグラフィー装置(Dionex Corporation, Sunnyvale, CA)を使用した。
【0076】
サプレッサとしては、Dionex ASRSアニオンサプレッサ(P/N 53946)を使用した。Dionex ED40検出器内の内蔵電源を使用して、このサプレッサに300 mAのDC電流を供給した。流通式伝導度セルを備えたDionex ED40伝導度検出器を使用して、該サプレッサからの流出液を追跡した。ポリプロピレンコネクタ(2.54cm (1−in) ID×6.99cm (2.75−in)長さ)を用いて2つのDionex EGC−KOH発生器カートリッジ(一つは該カソードチャンバーとして、また他方は該アノードチャンバーとして使用した)を結合することにより、該溶離剤発生器を構築した。該ポリプロピレンコネクタは、該電解液チャンバーの機能を果たし、また2.0 M KHPOの電解質溶液で満たされていた。Dionex EG40溶離剤発生器モジュールを使用して、溶離剤発生器のアノードおよびカソードにDC電流を供給した。Dionex PeakNet 5.0コンピュータワークステーションを、装置の制御、データ収集および処理のために利用した。
図11は、非−一体式イオンリフラックスデバイス(non−integrated ion reflux device)を用いて、5種の一般的なイオンの、12段の逐次分離のオーバーレイを示す。該溶離剤発生器は、2.0 mL/分にて15 mN KOHを生成し、リサイクルするのに使用した(印加電流は、48.2 mA)。得られた結果は、この非−一体式イオンリフラックスデバイスが、著しく再現性の高いアニオン分離を達成するのに使用できることを示している。
【0077】
実施例6
本例においては、流通式スポンジ状のカチオン交換床を形成し、本発明の電解質イオンリザーバにおける該イオン交換媒体として、イオン交換樹脂床の代わりとする。
スチレンおよびジビニルベンゼンを、適当な触媒とポローゲン(porogen)の存在下で共重合させる。ポローゲンは、該重合が完了した後に除去した場合、該重合された構造内に巨視的孔を生成する、添加物質である。この多孔度は、該ポリマー層を介する液体の容易な流れを達成し、一方同時に該ポリマーと液体相との間に十分な接触面積を与えるようなものでなければならない。このポローゲンは、酸または塩基に溶解することにより容易に除去できる、微粉砕固体(例えば、炭酸カルシウムまたはシリカ)であり得、あるいは該ポリマーが生成した場合に、このポリマーにより排除され、後に他の溶媒または水によって置換される溶媒であり得る。適当な液状ポローゲンはアルコールを含み、例えばAnalytical Chemistry, Vol. 68, No. 2, pp. 315−321, Jan. 15, 1996に記載されている方法に従って使用される。
【0078】
このポローゲンを除去した後、該ポリマーを、通常使用されているスルホン化剤、例えば濃硫酸またはクロロスルファニック酸(chlorosulfanic acid)でスルホン化する。
このポリマーの適当な形状は、円筒状のロッドであり、これはスルホン化および適当な金属イオン型に転化した後に、該サプレッサカラムの円筒状空洞に配置することができる。好ましくは、このイオン交換ロッドは、僅かに収縮した形状で該カラム内に導入され、結果的にその典型的な使用環境において、膨潤して、該カラムの壁および該カチオン交換膜と密に適合する。該膜は、該電極区画室と該イオン交換ロッドとを分離する。
最終段階として、該出口に最も近い部分がヒドロニウム型であり、かつ該入口に最も近い部分が金属カチオン型、例えばカリウム型となるように、該ロッドを処理する。これは、該ロッドを、適量の酸で処理することにより、あるいはカリウムイオンを電気化学的にヒドロニウムイオンで置換することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のサプレッサと溶離剤発生器との組合せを、模式的に示す図である。
【図2】
本発明のサプレッサと溶離剤発生器との組合せを、模式的に示す図である。
【図3】
本発明のサプレッサと溶離剤発生器との組合せを、模式的に示す図である。
【図4】
本発明のサプレッサと溶離剤発生器との組合せを、模式的に示す図である。
【図5】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図6】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図7】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図8】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図9】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図10】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。
【図11】
本発明の方法並びに装置を使用した実験のクロマトグラムである。

Claims (25)

  1. イオン分析用の装置であって、
    (a) クロマトグラフィーセパレータと、ここで該セパレータは、これを介して溶出すべきサンプル中のイオン種を、該イオン種に対して反対電荷の電解質イオンを含む、電解質含有溶離剤で分離するための、クロマトグラフィー分離用媒体を含み、該クロマトグラフィーセパレータは、入口と出口とを有し、
    (b) 該クロマトグラフィーセパレータから溶出により得られる流出液を処理するためのサプレッサと、ここでこのサプレッサは、
    (1) 入口と出口とを有するクロマトグラフィー流出液区画室、
    (2) 入口と出口とを有するイオン受取り区画室、および
    (3) 少なくとも第一のサプレッサイオン交換バリヤを含み、該バリヤは、該クロマトグラフィー流出液区画室とイオン受取り区画室とを仕切り、かつこれと共に、夫々入口と出口とを有する、各クロマトグラフィー流出液流チャンネルおよびイオン受取り流チャンネルを画成し、該第一のサプレッサバリヤは、正または負の、該貫膜電解質イオンと同一の電荷をもつ、一方の電荷をもつイオンのみに対して選択的透過性であり、
    (c) 入口と出口とを有する、分離されたイオン種を検出するのに適した検出器と、ここで該検出器の入口は、該クロマトグラフィー流出液流チャンネル出口と連絡していて、そこから処理されたクロマトグラフィー流出液を受取り、
    (f) 溶離剤発生器と、該発生器は、
    (1) 入口と出口とを有する少なくとも第一の発生器電極チャンバーと、
    (2) 該第一の発生器電極チャンバー内に設けられた、第一発生器電極と、
    (3) 電解質イオンリザーバと、
    (4) 該第一の溶離剤発生器電極チャンバーと該電解質イオンリザーバとを分離している、少なくとも第1の帯電した発生器バリヤと、ここで該第1の発生器バリヤは、有意の液体流動の発生を阻止するが、該電解質イオンの輸送は可能とし、
    (5) 該電解質イオンリザーバを介して該第一電極と電気的に接続している、第二の発生器電極と、ここでこの第二発生器電極は、該第一発生器バリヤ上の、該第一発生器電極とは反対側に位置し、
    (6) 該イオン受取り区画室出口と該第二発生器電極との間に流体接続を与える、第一の導管と、
    (7) 該第一発生器電極チャンバー入口と流体接続状態にある、水性液体源とを含み、および
    (g) 該第一発生器電極チャンバー出口と該クロマトグラフィーセパレータ入口との間に、流体接続を与える第二の導管とを含むことを特徴とする、上記イオン分析用の装置。
  2. 該溶離剤発生器が、更に
    (8) 該第一バリヤと同一の電荷をもつ、第二の帯電した発生器バリヤをも含み、該第二発生器バリヤは、該第二電極と該電解質イオンリザーバとの間に設けられて、第二の発生器電極チャンバーを形成し、該第二発生器バリヤは、有意の液体流動の発生を阻止するが、該電解質イオンと同一の電荷をもつイオンの輸送は可能とする、請求項1記載の装置。
  3. 該電解質イオンリザーバが、電解質イオンの塩または水酸化物、またはこれら両者の液状溶液を含む、請求項2記載の装置。
  4. 更に、
    (h) 該第二発生器電極と該第一発生器電極チャンバー入口との間に流体接続を与えて、該水性液体源をもたらす、第三の導管をも含む、請求項1記載の装置。
  5. 更に、イオンを除去するための、帯電した媒体を含む仕上げカラムを含有し、該仕上げカラムが、該第二または第三の導管に沿って配置されている、請求項1記載の装置。
  6. 該電解質イオンリザーバが、交換可能な貫膜電解質イオンを含有する、イオン交換媒体を含む、請求項1記載の装置。
  7. 該電解質イオンリザーバが、イオン交換性媒体の上流部分とイオン交換性媒体の下流部分とを含み、該上流部分が、該電解質イオンと同一電荷をもつが、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン型ではない、弱酸性または弱塩基性イオン交換性物質の上流層を含み、かつ該下流部分が、該電解質イオンと同一電荷をもち、ヒドロニウムまたはヒドロキシド型の、強酸性または強塩基性イオン交換性物質の下流層を含む、請求項6記載の装置。
  8. 該上流部分が、更に該上流層と該下流層との間に設けられた、中間のイオン交換媒体層をも含み、該中間層が、該電解質イオンと同一電荷をもつが、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン型ではない、強酸性または強塩基性イオン交換性物質を含む、請求項6記載の装置。
  9. 該第一導管が、該電解質イオンリザーバと流体接続関係にあり、該リザーバも同様に該第二電極と流体接続関係にある、請求項1記載の装置。
  10. 更に、該クロマトグラフィー流出液流チャンネル内に設けられた、該電解質イオンと同一の電荷をもつ交換可能なイオンを含む、流通式イオン交換マトリックス、および該イオン受取り流チャンネル内に設けられた第一サプレッサ電極をも含む、請求項1記載の装置。
  11. 更に、入口および出口を持つ第二サプレッサ電極チャンバーおよび該第二電極チャンバー内に設けられた第二電極をも含み、該第一導管が、該第二サプレッサ電極チャンバー出口と該第二発生器電極との間に流体接続を与える、請求項1記載の装置。
  12. 該検出器出口が、該第二電極チャンバーと流体接続関係にある、請求項11記載の装置。
  13. 該検出器出口が、該イオン受取り流チャンネル入口と、直接または間接的に連絡していて、検出処理後の流出液をそこに流すことを可能とする、請求項1記載の装置。
  14. イオン種の分析方法であって、
    (a) 該イオン種とは反対の電荷をもつ電解質イオン含有電解質を含む、含水溶離剤溶液中に、検出すべきイオン種を含むサンプルを、クロマトグラフィーセパレータを通して溶出し、ここで該セパレータは入口と出口とを有し、かつ該イオン種が分離されるクロマトグラフィー分離媒体を含み、
    (b) サプレッサのクロマトグラフィー流出液流チャンネルを介して、該クロマトグラフィーセパレータ出口からの該クロマトグラフィー流出液を流し、該サプレッサ内で、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルは、該電解質イオンと同一の電荷をもち、交換可能なイオンを含む、少なくとも第一サプレッサイオン交換バリヤによって、入口および出口を持つイオン受取り流チャンネルとは分離されており、
    (c) 該クロマトグラフィー流出液流チャンネルからの該処理された流出液を、該分離されたイオン種を検出するための検出器を通して流し、
    (d) 該イオン受取り流チャンネルを介して水性液体を導いて、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルを介して流動する、該クロマトグラフィー流出液由来の電解質イオンを、該第一サプレッサバリヤを介して該イオン受取り流チャンネルに拡散させ、該クロマトグラフィー流出液流チャンネル内の該電解質を、僅かに解離した状態に転化し、
    (e) 該クロマトグラフィー流出液流チャンネルから、液体流を横切って、該クロマトグラフィー流出液流チャンネルと該第一のイオン受取り流チャンネルとの間に電位を印加して、該第一サプレッサバリヤを介する該電解質イオンの拡散を助け、ここで該イオン受取り流チャンネルは、該電解質イオンとは反対の電荷をもつものであり、
    (f) 溶離剤発生器を介して、該イオン受取り流チャンネルからの流出液を導き、ここで該発生器は、第一の発生器バリヤによって、電解質イオンリザーバから分離されて、実質的な液体流動を阻止し、かつ該電解質イオンに対するイオン輸送ブリッジを与える第一発生器チャンバー内に、少なくとも第一の発生器電極を含み、該検出器流出液は、該溶離剤発生器内の第二発生器電極を越えて流動し、
    (g) 水性液体流を、該第一発生器電極チャンバー入口に流し、
    (h) 該第一および第二電極間に電位を印加して、該第二電極に隣接する該水性液体内の水を、該電解質イオンと同一の電荷をもつヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオンに電解して、これらイオンが該第一発生器バリヤに向かって移動するのを助け、かつこれらイオンを、該第一発生器電極近傍位置に移動させ、一方で該第一発生器電極チャンバー内の該第一電極に隣接する、該水性液体中の水を電解して、該電解質イオンとは反対電荷のヒドロキシドまたはヒドロニウムイオンを発生させ、上記イオンと結合させて、酸または塩基を生成し、および
    (i) 該第一発生器電極チャンバー内で発生した該酸または塩基を、該クロマトグラフィーセパレータ入口に流す諸工程を含むことを特徴とする、上記方法。
  15. 上記工程(g)における該水性液体流が、該第二発生器電極から該第一発生器電極チャンバーの入口まで、導管内を流れる、請求項14記載の方法。
  16. 更に、該水性液体流からイオンを除去する工程をも含む、請求項15記載の方法。
  17. 該溶離剤発生器が、更に該第一発生器バリヤと同一の電荷をもつ第二の発生器バリヤをも含み、該第二発生器バリヤが、該第二電極と該電解質イオンリザーバとの間に設けられて、第二の発生器電極チャンバーを形成し、該第二発生器バリヤは、有意な液体流動の発生を防止し、かつ該電解質イオンと同一の電荷を持つイオンの輸送を可能とし、該イオン受取り流チャンネル流出液が、該第二の発生器電極チャンバー内に流入する、請求項14記載の方法。
  18. 該電解質イオンリザーバが、貫膜電解質イオンの塩またはヒドロキシドもしくはこれら両者を含む水性溶液を含有する、請求項14記載の方法。
  19. 該電解質イオンリザーバが、交換可能な貫膜電解質イオンを含む、イオン交換樹脂を含有する、請求項14記載の方法。
  20. 該電解質イオンリザーバが、イオン交換性媒体の上流部分とイオン交換性媒体の下流部分とを含み、該上流部分が、該電解質イオンと同一電荷をもつが、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン型ではない、弱酸性または弱塩基性イオン交換性物質の上流層を含み、かつ該下流部分が、該電解質イオンと同一電荷をもち、ヒドロニウムまたはヒドロキシド型の、強酸性または強塩基性イオン交換性物質の下流層を含む、請求項14記載の方法。
  21. 該上流部分が、更に該上流層と該下流層との間に設けられた、中間のイオン交換媒体層をも含み、該中間層が、該電解質イオンと同一電荷をもつが、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシドイオン型ではない、強酸性または強塩基性イオン交換性物質を含む、請求項19記載の方法。
  22. 該検出器流出液が、該イオン交換媒体を介して、かつ該第二電極を越えて流動する、請求項19記載の方法。
  23. 該電解質イオンと同一の電荷を有する交換性のイオンを含む、イオン交換物質のセパレータ床が、該クロマトグラフィー流出液流チャンネル内に設けられており、かつ該イオン受取り流チャンネルが、該電解質イオンとは反対の電荷をもつ第一のサプレッサ電極を備えた、第一のサプレッサ電極チャンバーを含む、請求項14記載の方法。
  24. 該第一サプレッサ電極チャンバーに流す前に、該検出器流出液を、該電解質の電荷とは逆の電荷をもつ第二のサプレッサ電極を含む、第二のサプレッサ電極チャンバーを貫流させる、請求項23記載の方法。
  25. 該検出器からの該流出液が、該イオン受取り流チャンネルを貫流する該水性液体を含む、請求項14記載の方法。
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