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JP2004501605A - Her−2に結合するアンタゴニスト - Google Patents

Her−2に結合するアンタゴニスト Download PDF

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JP2004501605A JP2001560693A JP2001560693A JP2004501605A JP 2004501605 A JP2004501605 A JP 2004501605A JP 2001560693 A JP2001560693 A JP 2001560693A JP 2001560693 A JP2001560693 A JP 2001560693A JP 2004501605 A JP2004501605 A JP 2004501605A
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Abstract

HER−2を過剰発現するガンを治療するための薬理学的組成物であって、(a)配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約300〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した薬剤と、薬理学的に受容可能な基剤とを含むが、上記薬剤がモノクローナル抗体のみからなることはありえないという薬理学的組成物が開示されている。予後予測方法および診断方法も開示されている。

Description

【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、HER−2に結合するアンタゴニストを提供する。さらに詳細には、イントロンが保持されていることによってHER−2受容体と結合するHER−2の新奇なアンタゴニスト・ポリペプチドが生まれる。
【0002】この仕事は、国防総省(DOD)の乳ガン研究計画からの助成を受けた。アメリカ合衆国政府は、この発明に関して所定の権利を有する。
関連出願の相互参照
【0003】本出願は、HER−2に結合するアンタゴニストという名称で1999年1月20日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/234,208号の一部継続出願である。
【従来の技術】
【0004】HER−2/neu(erbB−2)ガン遺伝子は、受容体様チロシンキナーゼ(RTK)をコードしている。このRTKは、ヒトの何種類かのガン(HynesとStem、Biochim. et Biophys. Acta、1198巻、165〜184ページ、1994年;Dougall他、Oncogene、第9巻、2109〜2123ページ、1994年)および哺乳類の発生(Lee他、Nature、第378巻、394〜398ページ、1995年)においてある役割を果たしているというので精力的に研究されている。HER−2タンパク質の配列は、クローニングされたcDNAが、胎盤(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)および胃ガン細胞系(ヤマモト他、Nature、第319巻、230〜234ページ、1986年)からの上皮成長因子受容体(EGFR)のmRNAと相同性を有することから決定された。HER−2のmRNAは、約4.5kbであることがわかっており(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年;ヤマモト他、Nature、第319巻、230〜234ページ、1986年)、ヒトの正常組織および悪性組織において185kDaの膜貫通糖タンパク質(p185HER−2)をコードしている(HynesとStem、Biochim. et Biophys. Acta、1198巻、165〜184ページ、1994年;Dougall他、Oncogene、第9巻、2109〜2123ページ、1994年)。HER−2遺伝子の機能は、主として、4.5kbの転写産物に対応するcDNAをトランスフェクションした細胞内で発現させることによってと、185kDaタンパク質産物の構造ならびに生化学的特性から調べられている。p185HER−2は、大きな細胞外領域と、膜貫通領域と、チロシンキナーゼ活性を有する細胞内領域とからなる(HynesとStem、Biochim. et Biophys. Acta、1198巻、165〜184ページ、1994年;Dougall他、Oncogene、第9巻、2109〜2123ページ、1994年)。p185HER−2を過剰発現させると、培養した細胞の形質転換が起こる(DiFiore他、Science、第237巻、178〜182ページ、1987年;Hudziak他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第84巻、7159〜7163ページ、1987年)。また、p185HER−2の過剰発現には、臨床上、乳ガンと卵巣ガンの急激な進行が伴う(Slamon他、Science、第235巻、177〜182ページ、1987年;Slamon他、Science、第244巻、707〜712ページ、1989年)。p185HER−2は、EGFRと相同性が極めて大きい。しかしp185HER−2に対して高アフィニティで直接結合するリガンドは、まだ同定されていない。しかも、HER−2のシグナル伝達活性は、EGFRファミリーの他のリガンド結合メンバーとのヘテロダイマー化によるらしい(CarrawayとCantley、Cell、第78巻、5〜8ページ、1994年;Earp他、Breast Cancer Res. Treat.、第35巻、115〜132ページ、1995年;Qian他、Oncogene、第10巻、211〜219ページ、1995年)。
【0005】HERファミリーのRTKの細胞外領域いくつかの領域を含むさまざまなタンパク質は、完全長受容体のタンパク質分解処理によって(LinとClinton、Oncogene、第6巻、639〜643ページ、1991年;Zabrecky他、J. Biol. Chem.、第266巻、1716〜1720ページ、1991年;Pupa他、Oncogene、第8巻、2917〜2923ページ、1993年;Vecchi他、J. Biol. Chem.、第271巻、18989〜18995ページ、1996年;VecchiとCarpenter、J. Cell. Biol.、第139巻、995〜1003ページ、1997年)、また選択的RNA処理によって(Petch他、Mol. Cell. Biol.、第10巻、2973〜2982ページ、1990年;Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年;LeeとMaihle、Oncogene、第16巻、3243〜3252ページ、1998年)産生される。p185HER−2の細胞外領域は、培養した乳ガン細胞のタンパク質分解によって与えられる(Petch他、Mol. Cell. Biol.、第10巻、2973〜2982ページ、1990年;Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年;LeeとMaihle、Oncogene、第16巻、3243〜3252ページ、1998年)。また、このp185HER−2の細胞外領域は、ある種のガン患者の血清中に見いだされるため(Leitzel他、J. Clin. Oncol.、第10巻、1436〜1443ページ、1992年)、乳ガンの転移の血清マーカーとして使えるであろう(Leitzel他、J. Clin. Oncol.、第10巻、1436〜1443ページ、1992年)。さらにこのp185HER−2の細胞外領域は、HER−2リッチな腫瘍を免疫系による監視から逃れさせている可能性もある(Baselga他、J. Clin. Oncol.、第14巻、737〜744ページ、1966年;Brodowicz他、Int. J. Cancer、第73巻、875〜879ページ、1997年)。
【0006】HER−2の細胞外領域の断片は、イントロン内のポリアデニル化シグナルを利用して産生される新奇な2.3kbの転写産物でもある(Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)。この新たな転写産物は、胃ガン細胞系MKN7において最初に同定され(ヤマモト他、Nature、第319巻、230〜234ページ、1986年;Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)、この受容体断片は、これらガン細胞から分泌されるのではなく、むしろ核周辺の細胞質に位置していた(Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)。しかしこの細胞外領域ポリペプチド断片には特別な治療上、診断上、研究上の用途が見つかっていない。選択的スプライシングによって産生されるEGFRの細胞外領域断片(Petch他、Mol. Cell. Biol.、第10巻、2973〜2982ページ、1990年)は、分泌されて、リガンドに結合する性質とダイマー化する性質を示し(Basu他、Mol. Cell. Biol.、第9巻、671〜677ページ、1989年)、受容体の機能に対してドミナント・ネガティブな効果を及ぼす可能性がある(Basu他、Mol. Cell. Biol.、第9巻、671〜677ページ、1989年;Flickinger他、Mol. Cell. Biol.、第12巻、883〜893ページ、1992年)。
【0007】したがって、従来から、細胞のHER−2に結合する分子、中でもHER−2に対するヒト化抗体(ハーセプチン(登録商標))が結合するのとは異なる部位に結合する分子を見つけることが必要とされている。そのような分子は、HER−2を過剰発現するさまざまなガンに対する治療薬として有効であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】本発明は、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチドを提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約69〜79個であることが好ましい。この単離ポリペプチドは、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合することが好ましい。
【0009】本発明は、さらに、発現したときに、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合するポリペプチドをコードしている単離DNA配列を提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約69〜79個であることが好ましい。この単離ポリペプチドは、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合することが好ましい。本発明は、さらに、発現したときに、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合するポリペプチドをコードするDNA配列を有する発現ベクターを含む、トランスフェクションされた細胞を提供する。
【0010】本発明は、さらに、配列ID番号2の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチドを提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約350〜419個で、N結合型グリコシル化部位が4つ存在していることが好ましい。この単離ポリペプチドは、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合することが好ましい。
【0011】本発明は、さらに、配列ID番号2の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化されたポリペプチドをコードする単離DNA配列を提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約350〜419個で、N結合型グリコシル化部位が4つ存在していることが好ましい。本発明は、さらに、配列ID番号2の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化されたポリペプチドをコードするDNA配列を有する発現ベクターを含む、トランスフェクションされた細胞を提供する。
【0012】本発明は、HER−2の過剰発現を特徴とする固形ガンを治療するためにHER−2の細胞外領域(ECD)と結合する薬剤を投与する操作を含む方法であって、この薬剤を、(a)配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択するが、この薬剤がモノクローナル抗体のみからなることはありえないという方法を提供する。HER−2を過剰発現する固形ガンは、乳ガン、肺小細胞ガン、卵巣ガン、大腸ガンからなるグループの中から選択することが好ましい。上記薬剤は、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドであることが好ましい。さらに好ましいのは、この薬剤が、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせになっていることである。
【0013】本発明は、さらに、HER−2を過剰発現するガンを治療するための薬理学的組成物であって、(a)配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した薬剤と、薬理学的に受容可能な基剤とを含むが、上記薬剤がモノクローナル抗体のみからなることはありえないという薬理学的組成物を提供する。上記薬剤は、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドであることが好ましい。さらに好ましいのは、この薬剤が、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせになっていることである。
【0014】本発明は、さらに、HER−2の過剰発現を特徴とする固形ガン細胞に治療薬を到達させる方法であって、この治療薬を、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチドに付着させる操作を含む方法を提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約69〜79個であることが好ましい。この単離ポリペプチドは、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合することが好ましい。
【0015】本発明は、さらに、HER−2を過剰発現するガンの患者におけるガン治療の予後を予測する方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、(b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体をベースとしたアッセイを行なうことにより、発現したp68HER−2の量を測定する操作を含む方法を提供する。ガン治療の予後を予測するこの方法は、体液中のp185HER−2のECDの量を測定し、p68HER−2とp185HER−2の量の比を決定する操作をさらに含むことが好ましい。
【0016】本発明は、さらに、ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、(b)配列同定アッセイにより、この体液サンプル中に特定のECD IIIa変異配列が存在しているかどうかを判定し、(c)歴史データベースを用いて、このECD IIIa変異配列の存在を、ガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法を提供する。配列同定アッセイは、DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ELISA免疫アッセイ、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択することが好ましい。
【0017】本発明は、さらに、ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、(b)DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ELISA免疫アッセイ、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体をベースとしたアッセイを行なうことにより、この体液サンプル中にp68HER−2のECD IIIa変異体が存在しているかどうかを判定し、(c)歴史データベースを用いて、このECD IIIa変異配列の存在またはその量を、ガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法を提供する。
【0018】本発明は、さらに、ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう上記の方法が、体液サンプル中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む方法を提供する。
【0019】本発明は、さらに、ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう上記の方法が、体液サンプル中のp185HER−2のECDの量を測定し、p185HER−2と特定のp68HER−2のECD IIIa変異体の量の比を決定する操作をさらに含む方法を提供する。
【0020】本発明は、さらに、以下に示す配列ID番号1または配列ID番号2で表わされる配列のECD IIIa変異体に対して特異的な抗体を提供する。
【発明の実施の形態】
【0021】本発明は、イントロン8であると同定された274bpの挿入体を有する、HER−2の新たな4.8kbのmRNAが初めて発見されたことに基づいている。保持されているこのイントロンはイン・フレームであり、79個のアミノ酸[配列ID番号1]をコードした後、ヌクレオチド配列236位に終止コドンを有する。この新たなmRNAからは、膜貫通領域と細胞内領域を欠いているHER−2タンパク質断片が予測される。このタンパク質断片は、419個のアミノ酸[配列ID番号2]を含む。419個のアミノ酸は、p185HER−2のN末端と一致する340個の残基と、C末端の新奇な79個の残基[配列ID番号1]からなる。C末端の新奇な79個のアミノ酸残基[配列ID番号1]に対して特異的な抗体、またはp185HER−2のN末端に対して特異的な抗体を用い、68kDaのタンパク質産物を同定した[配列ID番号2]。この68kDaのタンパク質は、新奇なHER−2転写産物であり、細胞抽出物の中や、いくつかの細胞系からの細胞外マトリックスの中に見いだされる。この新奇な転写産物の発現は、非発ガン性のヒト胚性腎臓細胞系で最大であった。
【0022】ここに提示した結果は、HER−2の新奇なmRNAの発現を示している。このmRNAは、274個多いヌクレオチドを含んでおり、それはおそらくイントロン8であろう。この知見に合致するように、約4.8kbの新奇な転写産物が、ヒト胎児の腎臓組織とヒト胚性腎臓細胞系HEK293で検出された。さらに、2.6kbの転写産物が、挿入された配列に対して、すなわちHER−2のECDに対して特異的なプローブを用いたノーザンブロット解析によりヒト胎児の肝臓組織で検出された(図2)。この2.6kbというサイズは、挿入配列がHER−2の2.3kbのmRNA断片(ヤマモト他、Nature、第319巻、230〜234ページ、1986年;Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)に含まれている場合に予想されるサイズである。挿入された配列には終止コドンが含まれているため、p185HER−2タンパク質の340番目の残基の位置に、ECD IIIaと表記する新奇な79個のアミノ酸延長部が含まれることが予測される。したがってこの予測されるタンパク質は、p185HER−2の膜貫通領域と細胞内領域を欠いているが、細胞外領域のサブドメインIとIIを含んでいる。予想されるように、p185HER−2のN末端配列と、新奇な配列を含むことで生まれるC末端延長部とを含む分泌タンパク質が検出された(図3と図5)。ECD IIIaタンパク質は68kDaであることがわかった。これは、p185HER−2のサブドメインIとIIに見られる5つのN結合型グリコシル化部位がグリコシル化される場合に新奇な転写産物によってコードされるタンパク質として予想されるサイズとほぼ同じである(Stern他、Mol. Cell. Biol.、第6巻、1729〜1740ページ、1986年)。
【0023】ここに提示したデータは、p68HER−2がp185HER−2に特異的に結合することを示している。p185HER−2との会合は、p68HER−2のN末端のサブドメインIとIIよりは、プロリン・リッチな新奇なECD IIIa領域によって生じている可能性がある。インビトロでの欠失突然変異誘発によって生まれるHER−2のECDもサブドメインIとIIを備えているが、より近接した状態にされるのでなければp185HER−2の細胞外領域とは会合しない(Tzahar他、EMBO J.、第16巻、4938〜4950ページ、1997年;O’Rourke他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第94巻、3250〜3255ページ、1997年;Fitzpatrick他、FEBS Letters、第431巻、102〜106ページ、1998年)。しかし新奇なECD IIIaペプチドは、p185HER−2および、p185HER−2を過剰発現する形質転換された17−3−1細胞と高アフィニティ(nMの濃度)で結合する(図5)。ECD IIIaペプチドが17−3−1細胞に好んで結合するというのは、分泌されたp68HER−2がp185HER−2の細胞外領域と細胞表面で相互作用することを示している。したがって、p68HER−2とその断片は、HER−2遺伝子によってコードされる自然発生のHER−2結合タンパク質であるように思われる。EGFRファミリーのリガンド(Groenen他、Growth Factors、第11巻、235〜257ページ、1994年)とは異なり、p68HER−2はEGF相同領域を欠いており、p185HERという受容体そのものの最初の340個のアミノ酸を含んでいる。
【0024】以前に推定されたHER−2のリガンドは、EGFRファミリーのメンバーとヘテロダイマーの形態でのみp185HER−2と間接的に会合することがわかった(HeldinとOstman、Cytokine Growth Factor Rev.、第7巻、33〜40ページ、1996年)。ECD IIIaは共通の受容体を通じてp185HER−2と間接的に結合することが可能であるが、表面活性剤で溶解させたp185HER−2は不動化されたECD IIIaペプチドによって特異的かつ効果的に“引き落とす”ため、こんなことは起こりそうにない(図5B)。
【0025】哺乳類のEGFRファミリーのメンバーに対する自然または人工のすべてのリガンドにとって、結合するというのは、受容体のダイマー化およびチロシンリン酸化を促進することと強く結びついている(HynesとStem、Biochim. et Biophys. Acta、1198巻、165〜184ページ、1994年;Dougall他、Oncogene、第9巻、2109〜2123ページ、1994年;Groenen他、Growth Factors、第11巻、235〜257ページ、1994年)。p68HER−2もECD IIIaペプチドもp185HER−2と結合するにもかかわらず、p185HER−2を活性化させないことがわかった。活性化は、p185HER−2のチロシンリン酸化の程度が異なる2つの別々の細胞系、すなわち形質転換された17−3−1細胞と、SKOV−3卵巣ガン細胞において評価した。さらに、p185HER−2がダイマーの形態になることによって増加するインビトロでの自己リン酸化活性(Dougall他、Oncogene、第9巻、2109〜2123ページ、1994年;Lin他、J. Cell. Biochem.、第49巻、290〜295ページ、1992年)は、p68HER−2とECD IIIaにいずれによっても大きくならなかった。同様に、ショウジョウバエのEGF受容体の細胞外阻害剤であり、クラスIのRTKのアンタゴニストとして知られている唯一のものであるアルゴス・タンパク質は、この受容体のチロシンリン酸化を促進しなかった(Schweitzer他、Nature、第376巻、699〜702ページ、1995年)。同様に、タイ2RTKの天然のアンタゴニストであるアンギオポエチン−2は、内皮受容体と結合したが、その受容体を活性化することはなかった(Maisonpierre他、Science、第277巻、55〜60ページ、1997年)。
【0026】理論に囚われないとすると、p68HER−2がp185HER−2と結合するがp185HER−2を活性化させないのであるから、p68HER−2がp185HER−2のダイマー化を阻止している可能性がある。類推により、RTKへの結合が促進されるようなHER−2のECDを作ったところ、このHER−2のECDは、リン酸基転移と受容体活性化に必要な生産性のあるダイマーの形成を阻止し、ドメイン・ネガティブな効果を示すことになった(O’Rourke他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第94巻、3250〜3255ページ、1997年)。可溶性p68HER−2は、HER−2のECDとは違ってp185HER−2への強い結合力を示したが、ECDのサブドメインIとIIをやはり含んでいる。サブドメインIは、p185HER−2をヘテロマー複合体にするのに必要な、低アフィニティで何とでも結合するリガンド結合部位である可能性があるため(Tzahar他、EMBO J.、第16巻、4938〜4950ページ、1997年)、p68HER−2がこの部位をブロックし、p185HER−2がダイマーになるのを妨げている可能性がある。また、p68HER−2はp185HER−2に結合するためのまだ特性が同定されていないリガンドと競合する可能性もある。ヒト胎児の肝臓および腎臓においてp68HER−2が組織特異的に発現することによって、これら器官の発達中にp185HER−2が占める程度が変わる可能性がある。しかも、HER−2遺伝子の増幅に伴ってガン細胞中でp68HER−2よりもp185HER−2が過剰に発現するということ(図3)が、p68HER−2などの結合タンパク質の効果を上回るような選択的圧力によって起こる可能性がある。したがって、p68HER−2は、p185HER−2の活性化を妨げる可能性のある天然のp185HER−2結合タンパク質の最初の例である。
薬理学的組成物
【0027】本発明は、さらに、HER−2を過剰発現する固形ガンを治療するための薬理学的組成物であって、(a)配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2の配列から取られた約300〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した薬剤と、薬理学的に受容可能な基剤とを含むが、上記薬剤がモノクローナル抗体のみからなることはありえないという薬理学的組成物を提供する。上記薬剤は、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドであることが好ましい。さらに好ましいのは、この薬剤が、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせになっていることである。
【0028】本発明のポリペプチドおよび/またはモノクローナル抗体の一方または両方を含む本発明の薬理学的組成物は、そのまま(複合体または組み合わせ)で、または、適切な基剤および添加剤と混合した薬理学的組成物として、患者に投与することができる。本発明のポリペプチドは、静脈内注射または点滴、腹腔内注射、皮下注射、筋肉内注射などの非経口的な方法で投与することができる。本発明のポリペプチドは、基剤と添加剤を加え、錠剤、ピル、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、分散液などの適切な製剤にして、経口的に、または直腸から投与することができる。本発明のポリペプチドは、皮膚パッチなどの方法で局所的に投与することにより、活性成分のレベルが全身で一定となるようにすることができる。本発明のポリペプチドは、局部に使用するクリーム、皮膚または粘膜のパッチ、皮膚または粘膜の表面に局所的に付与するのに適切な液体またはゲルにされる。本発明のポリペプチドは、HER−2の過剰発現を特徴とするガンの局所的治療または全身治療のため、吸入器を用いて気道に投与することができる。
【0029】本発明で使用する本発明のポリペプチドの用量は、この明細書に記載されている内容から当業者が決定することができる。本発明のポリペプチドは、(投与経路と、活性成分の薬物動態に依存する)本発明のポリペプチドの効果的な用量と、製剤に応じた投与経路(すなわち経口、非経口、局所的、吸入など)に適した薬理学的基剤および添加剤を含むことになる。本発明の活性なポリペプチドは、混合、溶解、粒子化、糖衣形成、乳剤化、カプセル化、トラップ、凍結乾燥といった方法で混合して薬理学的製剤にする。非経口投与する薬理学的組成物は、水溶性にした本発明のポリペプチドの水溶液を含んでいる。さらに、本発明のポリペプチドの分散液は、油性注射分散液として調製することができる。適切な親油性溶媒または賦形剤としては、ゴマ油などの不揮発性油、オレイン酸エチルやトリグリセライドなどの合成脂肪酸エステル、リポソームなどが挙げられる。水溶性注射分散液は、この分散液の粘性を高める物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、デキストランなど含むことができる。分散液は、より濃縮された溶液にできるよう、複合体または組み合わせの溶解性を高めるための安定化剤や薬剤を含んでいてもよい。
【0030】経口投与する薬理学的組成物は、活性成分を固体の添加剤と組み合わせることにより得られる。固体の添加剤としては、糖(例えばラクトース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール)、セルロース調製物(例えばデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ゼラチン、ガム、ポリビニルピロリドンが挙げられる。さらに、分解剤や安定化剤を添加することもできる。
p68 末端領域の 79 個のアミノ酸の合成方法
【0031】ポリペプチドの合成は、ペプチド合成装置を、製造業者のペプチド合成指示書に従って使用することによりアミノ酸を順次つなげるという、多数ある標準的なポリペプチド合成法による。アミノ酸の数が100未満の短いポリペプチドの場合には、アミノ酸を順次つなげるというポリペプチド合成法が最適である。さらに、異種ポリペプチドは、標準的な組み換えDNA技術を用いて形質転換した細胞で発現させることができる。すなわち、原核細胞または真核細胞のいずれかを形質転換し、発現に適した増殖培地を用意し、使用する細胞のタイプとその細胞の発現特性に応じてその培地または細胞内物質のいずれかから本発明のポリペプチドを精製する。
p68 末端領域の 79 個のアミノ酸、またはこれらの組み合わせを用いたガンの治療法
【0032】本発明は、HER−2またはHER−2変異体(実施例8を参照のこと)の過剰発現を特徴とする固形ガンを治療するためにHER−2の細胞外領域(ECD)と結合する薬剤を投与する操作を含む方法であって、この薬剤を、(a)配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2の配列から取られた約300〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択するが、この薬剤がモノクローナル抗体のみからなることはありえないという方法を提供する。HER−2を過剰発現する固形ガンは、乳ガン、肺小細胞ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、胃ガン、子宮頚ガン、食道ガン、大腸ガンからなるグループの中から選択することが好ましい。上記薬剤は、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドであることが好ましい。より好ましいのは、上記薬剤が、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせである。
【0033】この明細書に記載したp68HER−2ポリペプチドは、HER−2と結合し、キナーゼ領域を通じてシグナル伝達を妨げることが見いだされた。理論に囚われないとすると、新奇なECD IIIa領域はp185HER−2との特異的結合に関与し、その結果としてp68ECDI IIIaと相互作用することでp185HER−2のダイマー化を阻止し、続いてシグナル伝達を阻止する。したがってp68HER−2はHER−2のアンタゴニストとして機能し、シグナル伝達に不可欠なダイマー化を阻止することでシグナル伝達を阻止する。つまり、HER−2のアンタゴニストとしてのp68HER−2の機能は、この明細書に記載したアミノ酸79個のポリペプチドや、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体などの結合剤の機能とは異なっている。本発明の方法では、HER−2を過剰に発現する腫瘍内で腫瘍細胞に対してp68HER−2が選択的圧力を加えることによってこの腫瘍細胞の成長を抑制する。同様に、結合剤であるHER−2のアンタゴニストも、HER−2を過剰に発現する腫瘍内で腫瘍細胞に対して選択的圧力を加えてリガンドがHER−2のECDと結合することを阻止し、ダイマー化する可能性が生まれる前すでにシグナル伝達を阻止することにより、この腫瘍細胞の成長を抑制する。
末端領域の 79 個のアミノ酸の標的到達分子としての利用
【0034】本発明は、さらに、HER−2の過剰発現を特徴とする固形ガン組織に治療薬を到達させる方法であって、この治療薬を、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチドに付着させる操作を含む方法を提供する。この単離ポリペプチドは、長さがアミノ酸約69〜79個であることが好ましい。この単離ポリペプチドは、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合することが好ましい。アミノ酸79個のこのポリペプチド[配列ID番号1]は、HER−2のECDに対して驚くほど高いアフィニティで結合する特性を示すことがわかった。さらに、そのような結合部位は、市販のヒト化モノクローナル抗体(ハーセプチン(登録商標))の結合部位とは異なっていて、このヒト化モノクローナル抗体の影響を受けない。したがって、この高い結合アフィニティにより、アミノ酸79個のこのポリペプチドが、HER−2を発現する腫瘍細胞への標的到達分子として機能する。
診断/予後予測の薬剤としての抗 p68 抗体
【0035】p68HER−2のグリコシル化されたECD IIIa変異体3ポリペプチド(後出の表Iを参照のこと)を発現させ、抗体産生用の抗原として使用した。中でも、p68HER−2に対して特異的な抗体を、ポリヒスチジン・タグを有する精製ECD IIIa変異体3ペプチドをウサギに注射することによって調製した。このペプチドは、イントロンがコードしている新奇なC末端領域すなわちp68HER−2と同じものであり、この領域が、高いアフィニティでp185HER−2に結合する。単離されたポリクローナル抗体により、ECD IIIaペプチドまたはp68HER−2のpM量を高い特異性で検出した(図3と図5を参照のこと)。したがってp68HER−2に対して特異的な抗体は、体液中および腫瘍組織中のp68HER−2を、ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法などの診断技術を利用して検出するための診断用薬剤として有用である。
【0036】ECD IIIaの1つまたはそれ以上のエピトープ、すなわちp68HER−2のエピトープ、またはペプチド断片を特異的に認識し、したがってECD IIIa変異体相互の違いを区別する抗体も、本発明に含まれる。そのような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAbs)、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’).sub.2断片、Fab発現ライブラリーによって産生された抗体、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、これらのうちの任意のもののエピトープ結合断片が挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。本発明の抗体は、例えば、生物サンプル中のp68HER−2の特定のECD IIIa変異体を検出するのに使用でき、したがって、患者のサンプルまたは組織サンプルに特定の変異体が存在しているかどうかや、特定の変異体の量が異常であるかどうかを調べることで、診断または予後予測の方法の一部として利用できる。
【0037】このような抗体は、テスト化合物が、特定のp68HER−2変異体の発現および/または活性に対して及ぼす効果を評価するための化合物スクリーニング法と合わせて利用することもできる。さらに、このような抗体は、この明細書に記載したガン治療法と合わせて利用することができる。
【0038】抗体産生のためには、例えばポリヒスチジン・タグを有するECD IIIa変異体ポリペプチド、ECD IIIa変異体ポリペプチドの断片、ECD IIIa変異体の機能的等価物、ECD IIIa領域の突然変異体を注射することによってさまざまな宿主動物に免疫を確立するとよい。このような宿主動物の具体例をほんの少しだけ挙げるならば、ウサギ、マウス、ハムスター、ラットであるが、これだけに限定されるわけではない。宿主の種が何であるかに応じ、さまざまなアジュバントを用いて免疫応答を高めることができる。アジュバントとしては、フロイント(完全、不完全)アジュバント、水酸化アルミニウムなどの無機ゲル、リソレシチンなどの表面活性物質、ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、スカシガイのヘモシアニン、ジニトロフェノール、役に立つ可能性のあるヒトのアジュバント(BCG(カルメット−ゲランの細菌)など)、コリネバクテリア(Corynebacterium parvum)などが挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。
【0039】ポリクローナル抗体は、免疫確立した動物の血清に由来する異種混合の抗体群である。モノクローナル抗体は、特定の抗原に対する均一な抗体群であり、培養した継代細胞系によって抗体分子を産生させることのできる任意の方法で得られる。方法としては、ケーラーとミルシュタインのハイブリドーマ法(Nature、第256巻、495〜497ページ、1975年;アメリカ合衆国特許第4,376,110号)、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kosbor他、Immunology Today、第4巻、72ページ、1983年;Cole他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第80巻、2026〜2030ページ、1983年)、EBV−ハイブリドーマ法(Cole他、『モノクローナル抗体とガン治療』、アラン R. リス社、77〜96ページ、1985年)が挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDというクラスのうちのどの免疫グロブリンでもよく、そのどのサブクラスでもよい。ハイブリドーマ産生mAbは、インビトロでもインビボでも培養することができる。インビボで大きな力価のmAbを産生させるというのが、現在のところ最も好ましい産生方法である。
【0040】さらに、“キメラ抗体”を産生させるために開発された方法(Morrison他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第81巻、6851〜6855ページ、1984年;Neuberger他、Nature、第312巻、604〜608ページ、1984年;タケダ他、Nature、第314巻、452〜454ページ、1984年)、すなわち、適切な抗原特異性を有するマウス抗体分子からの遺伝子と、適切な生物活性を有するヒト抗体分子からの遺伝子をスプライスするという方法を利用することができる。キメラ抗体は、さまざまな部分がそれぞれ異なる動物種に由来する構成の分子であり、例えば、ネズミのmAbに由来する可変領域と、ヒト免疫グロブリンの定常領域とを有する抗体(ヒト化抗体)がそうである。
【0041】また、一本鎖抗体の産生方法(アメリカ合衆国特許第4,946,778号;Bird、Science、第242巻、423〜426ページ、1988年;Huston他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第85巻、5879〜5883ページ、1988年;Ward他、Nature、第334巻、544〜546ページ、1989年)を改変してECD IIIa変異遺伝子産物に対する一本鎖抗体を産生させることもできる。一本鎖抗体は、Fv領域のH鎖とL鎖の断片をアミノ酸架橋を通じて結合させることによって形成されて一本鎖のポリペプチドになる。
【0042】特定のエピトープを認識する抗体断片は、公知の方法で産生させることができる。例えば、そのような断片としては、抗体分子をペプシンで消化させて得られるF(ab’).sub.2断片、F(ab’).sub.2断片のジスルフィド結合を還元することにより得られるFab断片が挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。また、Fab発現ライブラリー(Huse他、Science、第246巻、1275〜1281ページ、1989年)を構成して、望む特異性を有するモノクローナルFab断片を迅速かつ容易に同定することもできる。
【0043】特定のECD IIIa変異体に対する抗体は、さらに、当業者に周知の方法を用いて、ECD IIIa変異体を“真似る”抗イディオタイプ抗体を産生させるのに用いることができる(GreenspanとBona、FASEB J、第7巻(5)、437〜444ページ、1993年;Nissinoff、J. Immunol.、第147巻、2429〜2438ページ、1991年)。例えばECD IIIa変異体に結合し、p68HER−2がHER−2受容体に結合するのを競合的に抑制する抗体を用いると、ECD IIIa変異体を“真似し”、したがってHER−2受容体に結合してこのHER−2受容体を中性化する抗イディオタイプ抗体を産生させることができる。このような中性化抗イディオタイプ、またはこのような抗イディオタイプのFab断片は、ガン治療の投薬計画において利用することができる。
【0044】また、特定のECD IIIa変異体に対する抗体で、ECD IIIa変異体の活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用しうる抗体を産生させることができる。このような抗体は、ECD IIIa変異体と結合し、p185HER−2受容体を介したシグナル伝達に対するp68HER−2の活性を変化させる。このような抗体は、特定のガンの治療および/または腫瘍の分化の調節に特に役立つ可能性がある。したがって、本発明は、さらに、HER−2を過剰発現するガンの治療の予後を予測する方法であって、(a)血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、(b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体をベースとしたアッセイを行なうことにより、発現したp68HER−2の量を測定する操作を含む方法を提供する。ガン治療の予後を予測するこの方法は、体液中のp185HER−2のECDの量を測定し、p68HER−2とp185HER−2の量の比を決定する操作をさらに含むことが好ましい。p185HER−2に対するp68HER−2の比の値が大きいほど患者の予後が優れている。
診断/予後予測の薬剤としての ECD IIIa 領域変異体
【0045】実施例11(後出)は、ヒトのイントロン8の配列が、プロリン・リッチかつ多型であることを示している。別々の15人から採取したゲノムDNAをシークエンシングした結果、HER−2のイントロン8に可変配列領域が10箇所あることが同定された。図8の配列ID番号10と表Iを参照のこと。図8は、イントロン8の最も一般的なヌクレオチド配列とそれに対応するポリペプチド配列を示している。この領域は、10通りの多型(配列ID番号10の中には文字W(2箇所)、Y(3箇所)、R、N、M、S(2箇所)で示し、図8には“X”で示してある)を含んでおり、その結果として保存されないアミノ酸置換が起こっている(表Iの注を参照のこと)。例えば、ヌクレオチド配列の161位に多型(G→C)があると(図8;表I)、配列ID番号1のアミノ酸残基#54の位置、または配列ID番号2の残基#394の位置でアルギニン(R)がプロリン(P)に代わるはずである。図8または配列ID番号10の1位で示されるN末端のグリシン(G)は、“ハースタチン”配列のアミノ酸残基341に対応する(Doherty他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第96巻、10,869〜10,874ページ、1999年)。図1(A)に示したヌクレオチド配列(Doherty他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第96巻、10,869〜10,874ページ、1999年)は、図8に示した最も一般的であることがわかった配列と比べてアミノ酸残基#6と#73の位置のアミノ酸が異なる多型になっている。
【0046】この結果は、ヒトの集団において、イントロン8がコードされている領域にいくつかのバリエーションが存在していて、ECD IIIaを含むタンパク質変異体相互の間で生化学的特性や生物学的特性が異なる可能性のあることを示している。ヒトは遺伝的に、特に、2つの変異体に関してヘテロ接合になっているか、所定の1つの変異体に関してホモ接合になっているか、1つの二重変異体に関してホモ接合になっているかの可能性がある。腫瘍の進行にせよ最適の治療にせよ、ある一人の人に現われる変異体が何であるかによって異なる可能性がある。
【0047】この違いは、予後予測と診断のどちらにも役立つ。本発明は、ECD IIIaを含むポリペプチドがHER−2受容体に強固に結合でき、したがってこのHER−2受容体をアンタゴニスト化できることを示している。このような高アフィニティで特異的な相互作用は、ECD IIIaを含むポリペプチドの特殊な一次構造、二次構造、三次構造に依存する。ECD IIIa領域はプロリン・リッチであり、従来からよく知られていることとして、所定のタンパク質のプロリン・リッチ配列中にあるプロリン残基またはそれ以外の残基の保存されない置換は、このタンパク質の二次構造と三次構造に大きな影響を及ぼしうるということがある。したがって、本発明の多型は、(図8に示した)最も一般的な構造と比べて構造特性、生化学的特性、生物学的特性が大きく異なっているであろう。ECD IIIa変異体タンパク質相互の間の構造上の違いとしては、例えば、サイズ、電気陰性度、抗原性の違いが挙げられる。ECD IIIa変異体相互の間の生物学的特性の違いは、例えば、細胞分泌の程度、HER−2受容体の変化の性質および/または程度、薬物動態(例えば血清半減期、排出特性)、タンパク質分解に対する抵抗力、N結合型グリコシル化のパターンなどに見られるであろう。これら生物学的性質の違いが今度は腫瘍の進行を変化させることが予想され、したがって最適な治療のプロトコルを変化させることが予想される。そこで、ある人が特定の1つまたは複数のECD IIIa変異体を有することがわかっていると(例えば所定の1つの変異体に関してヘテロ接合である人、または表Iの変異体11のように化合物変異体を有する人など)、そのことだけで、特定のガンになりやすさの予測ができる可能性がある。
【0048】ECD IIIa領域の遺伝的違いが明らかになるということは、ある人が有する特定のECD IIIa変異体の性質を、その人の遺伝子診断を試みる前に配列同定アッセイによって確認できるはずであることを意味する。解析は、患者の体液に由来する任意のゲノムDNAについて行なうことができる。体液は、一般には大人または子どもの血液サンプルであるが、その代わりとして、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織が可能である。ハイブリダイゼーションや増幅アッセイなどの標準的な遺伝子診断法を利用できると考えられる。特定のECD IIIa変異体配列を検出するのに、生物サンプルのハイブリダイゼーションまたは増幅アッセイにおいて、DNAとRNAのいずれかを用いることができる。このような配列同定アッセイとしては、サザンブロット解析法、ノーザンブロット解析法、一本鎖構造多形性分析、インサイチュ・ハイブリダイゼーション・アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)解析法などが挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。このような解析法により、ECD IIIa変異体配列の発現の定量的側面と定性的側面の両方を明らかにできよう。こうした側面としては、例えば、点突然変異および/または遺伝子発現の活性化または不活化が挙げられる。標準的なインサイチュ・ハイブリダイゼーション法を利用すると、所定の組織内でどの細胞が特定のECD IIIa変異体配列を発現しているかに関する情報が得られる可能性がある。
【0049】ECD IIIa変異体の核酸分子を検出する診断法は、解析する細胞種または組織に由来する核酸を、特定のECD IIIa変異体に対して特異的な、標識された1つまたはそれ以上の核酸試薬すなわちプローブと接触させて培養する操作を含んでいる。さらに好ましいのは、PCRまたは逆転写PCRを利用してECD IIIa領域内の核酸の違いを同定することである。PCR反応の条件は、増幅された産物の収量と特異性が最適であり、さらに、標準的なゲル電気泳動法を利用して解析できる長さを有する増幅産物が生成するように選択せねばならない。このような反応条件は当業者には周知であり、重要な反応パラメータとしては、例えば、オリゴヌクレオチド・プライマーの長さとヌクレオチド配列、アニーリングして伸長させるステップの温度、反応時間が挙げられる。PCR反応の後、PCR産物は、ヘテロ二本鎖検出、RNAアーゼAを利用したRNA−DNAハイブリッドの開裂、一本鎖構造多型、変性用勾配ゲル電気泳動などの方法で解析することができる。
【0050】さらに、特定のECD IIIa配列変異体が制限部位を付加したり除去したりするとか、特定の制限断片のサイズを有意に変化させてしまっていることが知られている場合には、制限断片長多型(“RFLP”)解析に基づいたプロトコルが適切である可能性がある。
【0051】ECD IIIa変異体は、患者由来の体液に対して配列同定アッセイを行なうことにより、発現レベルで解析することもできる。体液は、一般には大人または子どもの血液サンプルであるが、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織などでもよい。発現を解析するためのよく知られている配列同定アッセイとしては、mRNAをベースとした方法、例えばノーザンブロット法、(関係するcDNAに由来する核酸プローブを利用した)インサイチュ・ハイブリダイゼーション法、(St−Jacques他、Endocrinology、第134巻、2645〜2657ページ、1994年に記載されている)定量的PCR法が挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。
【0052】興味の対象であるECD IIIa変異体に対して特異的な抗体を利用することを含む、ポリペプチドをベースとした方法(例えばウエスタンブロット解析があるが、これだけに限定されるわけではない)も、上に説明したように、利用することができよう。これらの方法により、所定のECD IIIa変異体の発現量を少なくとも正と負の制御に関して定量することができる。さまざまなECD IIIaのエピトープまたは変異体に対して特異的な種々のモノクローナル抗体を利用して、特定のECD IIIa変異体を発現している細胞サンプルまたは組織サンプルを迅速にスクリーニングすること、またはECD IIIa変異体ポリペプチドのレベルを定量することができると好ましい。ECD IIIa変異体ペプチド分子を定量的または定性的に検出するための好ましい診断法としては、例えば、特定のECD IIIaを含むペプチドが、抗ECD IIIa変異体に対して特異的な抗体との相互作用によって検出されるというイムノアッセイが挙げられる。これは、例えば、蛍光標識した抗体を用いる蛍光抗体法を、軽いミクロのフローサイトメトリー検出または蛍光定量検出と組み合わせることによって実現できる。本発明で有用な抗体(またはその断片)は、さらに、蛍光抗体法または免疫電子顕微鏡法などにおけるように組織構造を知るのに利用して、ECD IIIaを含むペプチドを元々ある場所で検出することもできる。このような方法を利用すると、特定のECD IIIaを含むポリペプチドの存在だけでなく、検査している組織内のその分布を検出することができる。
【0053】ECD IIIa変異体ポリペプチドのイムノアッセイには、ECD IIIaを含むペプチドの同定が可能な検出可能標識をした抗体の存在下で培養した生物サンプル(例えば具体例を列挙した上記の体液)を培養し、結合した抗体を従来技術で周知の多数ある方法のうちの任意の方法で検出する操作が含まれていることが好ましい。生物サンプルは、ニトロセルロースなどの固相支持体または担体や、可溶性タンパク質、細胞、細胞粒子を固定することのできる他の固相支持体と接触させて、その上に固定するとよい。固相支持体は、抗ECD IIIa変異体に特異的な検出可能標識抗体で処理した後、適切な緩衝溶液で洗浄する。次に、緩衝溶液を用いて固相支持体の2回目の洗浄を行ない、結合していない抗体を除去する。続いて、固相支持体上に結合している標識の量を従来法で検出する。
【0054】別の方法として、抗ECD IIIa変異体に対して特異的な抗体は、酵素イムノアッセイすなわち固相酵素免疫検定法(“ELISA”)で使用する酵素に結合させることによって、検出可能な標識をすることができる。抗体と結合する酵素が適切な基板、好ましくは発光性基板と反応して化学基が生成されるため、それを例えば分光光度計、蛍光測定手段、目視などによって検出することができる。抗体に対する検出可能な標識として使用可能な酵素としては、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ、Δ−5−ステロイド・イソメラーゼ、酵母のアルコール・デヒドロゲナーゼ、α−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース・オキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼが挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。
【0055】検出は、酵素に対する発光性基板を用いる熱量測定法により実現することができる。検出は、目視により酵素反応の程度を適切な基準と比較することによって行なうこともできる。検出は、多彩な他のイムノアッセイ法のうちの任意の方法を用いて実現することもできる。例えば、抗体または抗体断片に放射性標識することにより、放射線免疫検定法(RIA)を利用してECD IIIaを含むペプチドを検出することが可能である。放射性同位体は、γ線カウンター、シンチレーション・カウンターなどの手段により、あるいは放射能写真撮影により検出することができる。
【0056】抗体を蛍光化合物で標識することも可能である。蛍光標識した抗体を適切な波長の光に曝露すると、蛍光のためにその抗体の存在が検出できる。最もよく使われる蛍光標識化合物としては、フルオレセイン・イソチオシアナート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、フルオレスカミンがある。
【0057】抗体に対しては、152Euや他のランタノイド系列の蛍光発光金属を用いて検出可能な標識をすることもできる。これらの金属は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの金属キレート化剤を用いて抗体に付着させることができる。
【0058】抗体は、化学発光化合物と結合させることによって検出可能な標識をすることもできる。化学発光体をタグとして有する抗体の存在は、化学反応中に発生する蛍光の存在を検出することによって明らかにされる。特に有用な標識用の化学発光化合物の具体例としては、ルミノール、イソルミノール、サーマティックな(theromatic)アクリジニウム・エステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、シュウ酸エステルがある。同様に、生物発光化合物を用いて本発明の抗体に標識することもできる。生物発光は、生物系で見つかった化学発光の一種であり、生体内で触媒タンパク質が化学発光反応の効率を増大させている。生物発光タンパク質の存在は、蛍光の存在を検出することによって明らかにされる。標識の目的で重要な生物発光化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、エクオリンである。
【0059】抗ECD IIIa変異体に対して特異的な所定のロットの抗体の結合活性は、周知の方法で測定することができる。当業者であれば、定法を利用することによりそれぞれの測定におけるアッセイの操作条件や最適条件を決定できるはずである。
【0060】したがって、本発明は、プロリン・リッチなECD IIIa領域内に複数の可変配列位置が予想外に発見されたこと、また特定のECD IIIa変異体に対して特異的な抗体が予想外に発見されたことで、予後予測および診断に関する重要な情報とアッセイを提供する。
【0061】したがって、本発明は、さらに、HER−2を過剰に発現しているガン患者のガン治療の予後を予測する方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択したから体液サンプルを取得し、(b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体をベースとしたアッセイを行なうことにより、発現したp68HER−2の量を測定する操作を含む方法を提供する。ガン治療の予後を予測するこの方法は、体液中のp185HER−2のECDの量を測定し、p68HER−2とp185HER−2の量の比を決定する操作をさらに含むことが好ましい。p185HER−2に対するp68HER−2の比の値が大きいほど患者の予後が優れている。ガン治療の予後を予測するこの方法は、特定のどのECD IIIa変異体が存在しているかを明らかにし、さまざまなECD IIIaタンパク質変異体の個々の生化学的特性と生物学的特性を考慮してガンの治療を最適化する操作をさらに含むことが好ましい。
【0062】本発明は、さらに、ガン患者のガンの治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択したから体液サンプルを取得し、(b)配列同定アッセイにより、この体液サンプル中に特定のECD IIIa変異体配列が存在しているかどうかを判定し、(c)歴史データベースを用いて、このECD IIIa変異体配列の存在をガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法を提供する。上記の配列同定アッセイは、DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ELISA免疫アッセイ、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択することが好ましい。
【0063】本発明は、さらに、患者のガンの治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択したから体液サンプルを取得し、(b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択した、抗p68HER−2抗体に基づくアッセイにより、この体液サンプル中にp68HER−2のECD IIIa変異体が存在しているかどうかを判定し、(c)歴史データベースを用いて、このp68HER−2のECD IIIa変異体の存在またはその量をガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法を提供する。
【0064】本発明は、さらに、ガンの治療、予後予測、または診断を行なう上記の方法が、体液サンプル中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む方法を提供する。
【0065】本発明は、さらに、ガンの治療、予後予測、または診断を行なう上記の方法が、体液中のp185HER−2のECDの量を測定し、p185HER−2のECDと特定のp68HER−2のECD IIIa変異体の量の比を測定する操作をさらに含む方法を提供する。
【0066】本発明は、さらに、後に示す配列ID番号1または配列ID番号2の配列のECD IIIa変異体に対して特異的な抗体を提供する。
治療薬としての p68HER−2
【0067】理論に囚われないとすると、p68HER−2またはECD IIIaペプチドが、細胞表面でp185HER−2に結合することにより、HER−2を過剰に発現している腫瘍細胞の成長を抑制しているように思われる。この仮説の検証を、p68HER−2の存在下および不在下で基質とは独立な細胞の成長をテストすることにより行なった。そのとき用いた細胞は、p185HER−2の過剰発現の程度に応じて悪性腫瘍が成長するが、p68HER−2はほとんど存在しないか検出できない細胞である。腫瘍の細胞毒性を予測するモデルとして、柔らかい寒天における、基質とは独立な細胞の成長を用いた。これは、形質転換活性を調べるための一般的な予測方法であり、細胞が腫瘍またはガンを発生させる能力を反映している(DiFiore他、Science、第237巻、178〜182ページ、1987年;Hudziak他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第84巻、7159〜7163ページ、1987年;Baasner他、Oncogene、第13巻、901〜911ページ、1996年)。
【0068】柔らかい寒天における、基質とは独立な細胞の成長にp68HER−2が及ぼす効果を、SKOV−3ガン細胞と、HER−2をトランスフェクションした17−3−1細胞を用いて測定した。両方の細胞とも腫瘍生成能力があり、p185HER−2を過剰発現している。これら細胞を、p68HER−2の存在下および不在下でウシ胎仔血清を補充した培地に分散させ、湿潤な培養器の中で21日間培養した。50個を超える細胞を含むコロニーの数を数えることにより、基質とは独立な細胞の成長を定量化した。図7は、p68HER−2の存在下で、SKOV−3細胞と17−3−1細胞の両方に関し、基質とは独立な成長が数分の一に抑制されたことを示している。したがって、これらのデータは、p68HER−2が単に細胞毒性だけを有するのではなく、細胞毒性に加え、おそらくアポトーシス誘導性も有することを示している。
【実施例1】
【0069】この実施例では、細胞外領域(ECD)をコードしている配列中のHER−2のmRNAの多様性を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して調べた実験の結果を示す。HER−2遺伝子が8倍に増幅されている卵巣ガン細胞系(Tyson他、Am. J. Obstet. Gynecol.、第165巻、640〜646ページ、1991年)である、(アメリカ基準培養株コレクション(ロックヴィル、メリーランド州)が、10%のウシ胎仔血清と0.05%のゲンタマイシンを補充したDMEM中に維持している)SKOV−3細胞からのcDNAライブラリーを、エキソン1(Tal他、Mol. Cell. Biol.、第7巻、2597〜2601ページ、1987年)に対して特異的でヌクレオチド142〜161と一致する順プライマーと、エキソン9(Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)のヌクレオチド1265〜1286に相補的な逆プライマーとを用いて調べた。要するに、SKOV−3のcDNAライブラリーは、オリジーン・テクノロジーズ社(ロックヴィル、メリーランド州)から提供してもらうか、SKOV−3細胞から抽出したRNAから調製するかした。トリリージェント(モレキュラー・リサーチ・センター社、シンシナチ、オハイオ州)を製造業者のプロトコルに従って用いることで15cmのプレート上に80%の集密度で成長したSKOV−3細胞からRNAを抽出し、全RNAを得た。RNAは、逆転写およびcDNAライブラリー構成のために10mMのトリスEDTA、pH8.0に再び分散させるか、リボヌクレアーゼ保護アッセイ(RPA)のためにRNAハイブリダイゼーション用緩衝溶液(80%のホルムアルデヒド、40mMのPIPES、4mMのNaCl、1mMのEDTA、pH7.5)に再び分散させるかした。RNAの濃度は、分光光度計でOD260における値を測定した。mRNA抽出キット(オリゴテックス、キアジェン社)を用いてポリAmRNAを全RNAから選択した。
【0070】サザンブロット法によってHER−2に特異的であることがわかった約1420bpの産物は、以前に報告されたcDNA配列(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)から予想される1144bpというサイズよりも約270bp大きかった。要するに、サザンブロット法によって真空下において0.4MのNaOH中のアガロース・ゲル(バイオ−ラド・モデル785ヴァキューム・ブロッター)から核酸を遺伝子スクリーン・プラス・ハイブリダイゼーション・トランスファー膜(ネン・リサーチ・プロダクツ社、ボストン、マサチューセッツ州)に移した。UV−ストラターリンカー(ストラタジーン社、ラ・ジョラ、カリフォルニア州)の中でUV架橋させることにより核酸を膜に固定し、その膜をハイブリダイゼーション用緩衝溶液(50%のホルムアルデヒド、5×SSC、1%のSDS、10mg/mlのニシンの精子DNA)中で42℃にて2時間にわたってブロックした。ランダム・プライムDNA標識キット(ベーリンガー・マンハイム社)を用い、膜を、(α−32P)dCTP(ネン・ライフ・サイエンシーズ社)で標識したECD IIIaのcDNAからの220bpのKpn−HincII断片107cpmとともに、ハイブリダイゼーション用緩衝溶液中で42℃にて16時間にわたってハイブリダイズさせた。
【0071】鋳型を、2.5mMのMgCl、5μgの各プライマー、200μMのdNTPを含む1×ハイ・フィデリティPCR緩衝溶液とともに、拡張ハイ・フィデリティPCRシステム(ベーリンガー・マンハイム社)を用いてパーキン・エルマー遺伝子増幅PCRシステム2400(パーキン・エルマー・シータス社、エメリーヴィル、カリフォルニア州)の中で増幅した。すべてのプライマーは、GIBCO BRL社(ライフ・テクノロジーズ社)から得られた。ヌクレオチド残基とアミノ酸残基の番号は、Coussens他が報告しているHER−2のcDNA配列(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)に従っている。HER−2の細胞外領域を標的とし、順プライマー(A)(5’−TGAGCACCATGGAGCTGGC−3’[配列ID番号3])と、逆プライマー(B)(5’−TCCGGCAGAAATGCCAGGCTCC−3’[配列ID番号4])を用いてSKOV−3のcDNAライブラリー(オリジーン・テクノロジーズ社)から増幅した。順プライマーは、HER−2のcDNAのヌクレオチド(nt)142〜161と一致していて開始コドン(下線部)の周囲に広がっており、逆プライマーは、HER−2のエキソン配列のnt1265〜1286と相補的になっている。サイクリング・パラメータは、94℃で30秒間;58℃で45秒間;68℃で3分間を30サイクルである。ゲノムDNAからの(ECD IIIaと表記する)新奇な配列の周囲に広がっている領域は、(Bond他、FEBS Letters、第367巻、61〜66ページ、1995年)が記載しているようにして調製したDNAについて、HER−2のエキソンに対して特異的な配列のnt1131〜1152と一致する順プライマー(C)(5’−AACACAGCGGTGTGAGAAGTGC−3’[配列ID番号5])と逆プライマー(B)[配列ID番号4]を用いて増幅した。サイクリング・パラメータは、94℃で30秒間;62℃で30秒間;72℃で60秒間を25サイクルである。
【0072】逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を利用して、ECD IIIa配列を含むmRNAの構造を調べた。まず最初に鎖状cDNAを、0.5μgのオリゴ−dTで処理した5μgのRNAを用いて逆転写した(Bond他、FEBS Letters、第367巻、61〜66ページ、1995年)。ECD IIIa挿入体とそれに隣接する5’HER−2エキソン配列を増幅するため、上記の順プライマー(A)と、3’ECD IIIaに対して特異的な配列に相補的な逆プライマー(D)(5’−ATACCGGGACAGGTCAACAGC−3’[配列ID番号6])を用いた。サイクリング・パラメータは、94℃で30秒間;60℃で40秒間;68℃で2分間を30サイクルである。
【0073】ECD IIIa挿入体とそれに隣接する3’HER−2エキソンに対して特異的な配列の増幅を、順プライマー(E)(5’−TCTGGGTACCCACTCACTGC−3’[配列ID番号7])と、逆プライマー(F)(5’−TTCACACTGGCACGTCCAGACC−3’[配列ID番号8])を用いて行なった。順プライマーは、5’ECD IIIaに対して特異的な配列と一致していてKpn1制限部位を含んでおり、逆プライマーは、HER−2のエキソン配列のnt3898〜3919と相補的で、終止コドン(下線部)のまわりに広がっている。サイクリング・パラメータは、94℃で30秒間;60℃で40秒間;68℃で5分間を30サイクルである。
【0074】PCR産物をサブクローニングしてヌクレオチド配列を決定した。
【0075】その結果は、正常なHER−2をコードしている配列が、5’プライマー配列から始まって中断することなくヌクレオチド1171まで続いていることを示していた。そしてこの位置で、274個のヌクレオチドからなる挿入体が見つかり、その後には予想されるコード配列が続き、その中に3’プライマーが含まれていた。予想されるタンパク質産物を解析した結果、274個のヌクレオチドからなる挿入体が、残基340から始まる既知のHER−2タンパク質の延長部をコードしており(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)、アミノ酸79個後にイン・フレーム終止コドンが存在していることを示していた(図1)。挿入されたヌクレオチドとそのヌクレオチドから予想されるアミノ酸配列を遺伝子バンクの配列と比較したところ、相同な配列は見つからなかった。分散している配列の5’接合部と3’接合部を調べたところ、共通するスプライス・ドナー部位とスプライス・アクセプター部位が明らかになり(SharpとBurge、Cell、第91巻、875〜879ページ、1997年)、挿入配列の3’末端近傍に、ピリミジン領域と、分岐点となる可能性のあるアデニン残基が含まれていることがわかった(図1)。したがって、この挿入配列はイントロンらしい。
【0076】挿入配列によってコードされる新奇な79個のアミノ酸として予想されるアミノ酸配列[配列ID番号1]を調べると、共通のN結合型グリコシル化部位があることと、19%という高い割合でプロリンが含まれていることがわかる(図1)。挿入配列は、p185HER−2配列の細胞外領域中のサブドメインIIとIIIの間に位置しているため(Lax他、Mol. Cell. Biol.、第8巻、1831〜1834ページ、1988年)、ECD IIIaと表記した。この挿入配列は隣接する5’HER−2エキソン配列と236ntにわたってイン・フレームであり、その中に終止コドンが含まれている。
【実施例2】
【0077】この実施例では、ゲノム内でHER−2のエキソンと隣接しているECD IIIaの特性を明らかにする実験の結果を示す。ECD IIIa配列が存在する領域におけるHER−2遺伝子の構造を調べるため、ヌクレオチド763〜785と一致する順プライマーと、HER−2のcDNAのヌクレオチド1265〜1286と相補的な逆プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAについてPCRを行なった。増幅産物は、エキソン5(Tal他、Mol. Cell. Biol.、第7巻、2597〜2601ページ、1987年)からECD IIIa配列の3’に近接するエキソンまで広がっていることが予想された。イントロンの数とサイズは、PCR産物のサイズ、制限消化解析、増幅産物の部分配列の解析に基づいて推定した。
【0078】次に、HER−2のエキソンに特異的で挿入体に直接接するプライマーを用いてヒトゲノムDNAを調べ、ECD IIIa配列に直接接している配列を決定した。約430bpの産物を、正常なヒトゲノムDNAおよび3種類のガン細胞系SCOV−3、SKBR−3、BT474から抽出したゲノムDNAから増幅した。これらすべてのガン細胞系においてHER−2遺伝子が増幅され(Kraus他、EMBO J.、第6巻、605〜610ページ、1987年)、cDNAにECD IIIaを発現していることがわかった。PCR産物がHER−2であることが、実施例1に記載した方法を利用したサザンブロット解析によって確認された。ヌクレオチド配列を解析したところ、ヒトゲノムDNAからのPCR産物がECD IIIa挿入体を含んでおり、その両側がHER−2をコードしている既知の配列に接していることがわかった。突然変異または再配置は見られなかった。これらのデータは、ECD IIIa配列が、完全な状態で保持されたイントロンであることを表わしており、イントロン4の後に増幅された産物のサイズと、相同なEGFR遺伝子およびHER−2遺伝子のイントロン8の位置(LeeとMaihle、Oncogene、第16巻、3243〜3252ページ、1998年)とに基づくと、このイントロンがイントロン8であるらしいことを示している。
【実施例3】
【0079】この実施例では、ECD IIIaが、HER−2のmRNAのコード配列内に保持されている唯一のイントロンであることを示す。ECD IIIa挿入配列を含むmRNAの中に別のイントロンが含まれているかどうかを明らかにするため、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を行なった。まず最初に、5’HER−2のcDNA配列の142〜161と一致していて開始コドンを含む順プライマーと、3’ECD IIIa配列と相補的な逆プライマーを、SKBR−3とSKOV−3のcDNAに対して用いた。1.3kbの産物が増幅された。これは、この産物がイントロン8以外のイントロンを含んでいない場合に予想されるサイズである。次に、5’ECD IIIa配列と一致した順プライマーと、3’HER−2のcDNA配列のヌクレオチド3898〜3919と相補的でp185HER−2の終止コドンを含む逆プライマーとを用い、3’HER−2コード配列を増幅した。2.9kbの産物が増幅された。これは、この産物が別のイントロンを含んでいない場合にHER−2のcDNAから予想されるサイズである。
【0080】制限消化解析とヌクレオチドのシークエンシングによって5’(1.3kb)と3’(2.9kb)の増幅産物の両方のキャラクテリゼーションを行なったところ、別のイントロンは保持されていないことがわかった。イントロン配列が含まれているときに増幅される産物のサイズを決定するため、ゲノムDNAをPCR反応の鋳型として用いた。その結果、5’コード配列に対しては約10kbの産物、3’コード配列に対しては約5kbの産物が得られた。これらの結果は、5’非翻訳領域(5’UTR)と3’非翻訳領域(3’UTR)のサイズが以前に報告されている約4.5kbのHER−2のcDNA(Coussens他、Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)と同じであるならば、274bpのイントロンが保持されていることで生まれるHER−2の新奇な転写産物の予想サイズが約4.8kbとなることを示している。
【実施例4】
【0081】この実施例では、ECD IIIa配列を含むタンパク質の発現を示す。新奇な配列がタンパク質産物に翻訳されるかどうかを調べるため、ECD IIIa配列を細菌内でポリヒスチジン・タグを有するペプチドとして発現させ、このペプチドをニッケル・アフィニティ・クロマトグラフィにより精製し、この精製ペプチドに対する抗血清を得た。要するに、プライマーEと、ECD IIIa挿入配列の3’末端と相補的な逆プライマーとを用いてSKOV−3のcDNAライブラリーからECD IIIaを増幅することによって細菌の発現ベクターを調製した。逆プライマーはBamH1制限部位配列を含んでおり、(実施例1と2に記載した)RPAにおいて鋳型を構成するのに用いたプライマーと同じであった。約280bpというPCR増幅産物をKpn1とBamH1で消化させ、ゲル(キアエックスII、キアジェン社、チャッツワース、カリフォルニア州)で精製し、pET30aベクターにクローニングした。このベクターは、発現したタンパク質のアミノ末端の位置に6個のヒスチジン・タグをコードしている(ノヴァジェン社、マディソン、ウィスコンシン州)。得られたpET−ECD IIIa発現ベクターは、細菌株BL21の形質転換に使用した。
【0082】ECD IIIaタンパク質産物を発現させるため、pET−ECD IIIa発現ベクターで形質転換したBL21細胞をLB培養液の中で30μg/mlのカナマイシンとともに37℃にて4時間にわたって成長させた。0.1mMのIPTGで3時間にわたって発現を誘導し、回収した細胞を超音波処理して溶解させ、次に39,000×gで20分間遠心分離した。室温で60分間にわたって撹拌しながら上澄みをNi−NTAアガロース樹脂(キアジェン社)に吸収させた。この樹脂を10倍容積の洗浄用緩衝溶液(10mMのトリスpH7.9と300mMのNaCl)で洗浄し、次に、50mMのイミダゾールを加えた10倍容積の洗浄用緩衝溶液で洗浄した。ヒスチジン・タグを有するECD IIIaタンパク質を、250mMのイミダゾールを加えた洗浄用緩衝溶液中に溶離させた。ヒスチジン・タグを有するこのタンパク質は、ゲルをクーマッシー・ブルーで染色することにより、約90%の純度であると推定された。このタンパク質を用いて抗体を産生させ、その抗体のキャラクタリゼーションを行なった。
【0083】要するに、コカリコ・バイオロジカルズ社(リームズタウン、ペンシルヴェニア州)に依頼し、2匹のウサギにポリヒスチジン・タグを有する精製ECD IIIaペプチド(以下に記載)を注射することにより抗ECD IIIa抗血清を生産してもらった。p185HER−2のアミノ酸残基151〜165と一致するペプチドに対するポリクローナル抗neu(N)を作った(LinとClinton、Oncogene、第6巻、639〜643ページ、1991年)。p185HER−2のカルボキシ端末の最後の15残基と一致するペプチドに対するポリクローナル抗neu(N)を作った(Lin他、Mol. Cell. Endocrin.、第69巻、111〜119ページ、1990年)。免疫を確立した2匹のウサギからの抗血清をキャラクテリゼーションしたところ、精製ECD IIIaペプチドと反応する高力価の抗体が含まれていることがわかった。
【0084】ウエスタンブロット解析により、cDNA中に新奇な配列を発現したSKBR−3細胞が、抗ECD IIIa抗体と反応するタンパク質を産生させたかどうかを調べた。細胞抽出物および細胞外マトリックスからの68kDaのタンパク質は、2匹のウサギからの抗ECD IIIa抗体を少なくとも20,000倍に希釈したものと反応したが、免疫確立前の血清とは反応しなかった。新奇な転写産物のcDNA配列(図1)を調べたところ、p185HER−2のN末端配列中の5つの共通N結合型グリコシル化部位すべてがグリコシル化されている場合には、65〜70kDaの分泌タンパク質産物が予測されることがわかった(Stern他、Mol. Cell. Biol.、第6巻、1729〜1740ページ、1986年)。
【0085】68kDaのECD IIIaタンパク質[配列ID番号2]は、HER−2の新奇なmRNAの翻訳産物であり、そのN末端の残基は、p185HER−2のN末端の340個の残基と一致していなくてはならない。そこで、SKBR−3細胞からの細胞抽出物を、HER−2のN末端配列である抗neu(N)(LinとClinton、Oncogene、第6巻、639〜643ページ、1991年)に対する抗ペプチド抗体、または抗ECD IIIaを用いて免疫沈降させ、得られた免疫複合体を両方の抗体を用いてウエスタンブロット解析法で調べた。要するに、3〜5μlの抗血清を、M−RIPA緩衝溶液(1%のノニデットP−40、50mMのトリスpH7.4、0.1%のデオキシコール酸ナトリウム、150mMのNaCl、1mMのPMSF、1%のアプロチニン)中に調製した細胞溶離物からのタンパク質2mgに添加した。なお細胞溶離物は、遠心分離で核をあらかじめ除去した。(Lin他、Mol. Cell. Endocrin.、第69巻、111〜119ページ、1990年)に記載されているようにして、免疫沈降を、4℃にて撹拌しながら2時間にわたって行なった。免疫複合体は、撹拌しながら4℃にて1時間培養することによりプロテインGセファロース(ファルマシア社)に結合したので遠心分離で回収し、M−RIPAで4回洗浄した。タンパク質は、95℃で2分間にわたってSDS−PAGE用サンプル緩衝溶液中で培養することにより免疫複合体から放出され、それを7.5%のゲル中でSDS−PAGEにより分離させた(ミニ−プロティーンII電気泳動細胞、バイオ−ラド社)。
【0086】SDS−PAGEの後、ウエスタンブロット解析を行なった。半乾燥トランスファー・ユニット(バイオ−ラド社)を用い、電気泳動により、25mMのトリスpH8.3、192mMのグリシン、50mMのNaCl、20%のメタノールで平衡させたゲル(厚さ0.75mm)1つにつき15Vの電圧で20分間にわたってタンパク質をニトロセルロース膜(トランス−ブロット、バイオ−ラド社)上にブロットした。この膜を、5%の脱脂粉乳を用いて25℃にて1時間にわたってブロックした。次に、ブロットを一次抗体とともに培養し、TBS−トゥイーン(0.05%のトゥイーンを含むトリス緩衝溶液)で15分間ずつ2回にわたって洗浄し、5分間ずつ4回にわたって洗浄し、ヤギの抗ウサギ二次抗体とともに40分間培養し、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(バイオ−ラド社)と結合させ、TBS−トゥイーン中に1:10,000の割合で希釈した。膜は、二次抗体とともに培養した後に上記のようにして洗浄し、化学発光試薬(ピアース社)と反応させ、コダック社のX−OMAT BLUフィルムに曝露した。
【0087】免疫沈降とウエスタンブロット解析で抗ECD IIIaを用いたときには、予想通りp68HER−2が検出された。免疫沈降で抗ECD IIIaを用い、ウエスタンブロット解析におけるプローブが抗neu(N)のときには、68kDaのタンパク質が検出された。これは、p68ECD IIIaがp185HER−2のN末端配列を含んでいることを示している。さらに、抗neu(N)がp68HER−2を沈降させた。そのことは、抗ECD IIIa抗体をプローブとして調べることにより検出された。これらの結果は、p68HER−2がECD IIIaとHER−2のN末端配列の両方を含んでいることを示している。
【0088】他のいくつかの細胞系におけるp68ECD IIIaの発現を調べた。cDNAにECD IIIa配列を含むガン細胞系(BT474、SKOV−3)もp68HER−2を含んでいた。調べたいくつかの細胞系のうち、正常なヒト胚の腎臓細胞に由来するHEK293細胞が、細胞抽出物中および細胞外マトリックス中で最高レベルのp68ECD IIIaを発現し、SKBR−3細胞よりも約5〜10倍多い量だった。p185HER−2の過剰発現を調べたガン細胞系(SKBR−3、SKOV−3、BT474)と比較すると、HEK293はp185HER−2の含有量が約20分の1であった。したがって、p185HER−2に対するp68HER−2の割合は、HEK293細胞においては、調べたガン細胞系の少なくとも100倍であった。特にHEK293抽出物において明らかなp68HER−2および約120kDaのタンパク質との反応は、抗血清を、配列特異的な反応性を示す精製ECD IIIaペプチドとともに予備培養することによって停止させた。この大きなタンパク質はp68HER−2のダイマーである可能性がある。したがってp68HER−2が発現していくつかのガン細胞系から分泌され、HEK293中では5〜10倍のレベルになる。
【実施例5】
【0089】この実施例では、ECD IIIaイントロン配列を含む新奇なHER−2転写産物の発現を示す。RT−PCR解析の結果は、ECD IIIa配列が挿入されていなければ正常なサイズであるはずのHER−2のmRNAにECD IIIa配列が挿入されたことを示していた。このデータは、約4.8kbの新奇な転写産物があることを示唆する。ECD IIIaの新奇な転写産物のサイズと発現を調べるため、ECD IIIaに対して特異的なプローブを用いてノーザンブロット解析を行なった。要するに、ECD IIIa挿入体の全配列にまたがっていて、この挿入体に隣接する5’HER−2エキソン配列を含む389bpの配列をPCRで増幅することにより、アンチセンスRNAプローブを合成するための鋳型をSKOV−3のcDNAから構成した。HER−2のcDNA配列とnt1131〜1152が一致する順プライマーC[配列ID番号5]と、3’BamH1制限エンドヌクレアーゼ部位を含み、ECD IIIa配列の3’スプライス部位近傍の配列と相補的な逆プライマー(5’−GCACGGATCCATAGCAGACTGAGGAGG−3’[配列ID番号9])を用いてPCRを行なった。次に、PCR産物をBamH1で消化させ、375bpの断片を遊離させ、pBluescript SK(ストラタジーン社)にクローニングした。m13順プライマーと逆プライマーを用い、このプラスミドをヴォラム・インスティチュート・コア・シークエンシング・ファシリティ(ポートランド、オレゴン州)にてシークエンシングした。ECD IIIa配列全体と、挿入体に隣接した5’HER−2エキソン配列の87ntとに相補的なアンチセンスRNAプローブを、(α−32P)CTP、T7RNAポリメラーゼと、T7/SP6リボプローブ合成システム(プロメガ社、マディソン、ウィスコンシン州)とを用いて1μgの直線状鋳型から転写した。このプローブは、ECD IIIaおよびそれと隣接するHER−2エキソン配列を含むmRNAとハイブリダイズするとき、370ntの断片を保護し、完全にスプライスされたHER−2のmRNAとハイブリダイズするとき、87ntの断片を保護することが予想された。
【0090】RNAハイブリッドを調製するため、30μgのRNAを約50,000cpmのアンチセンスRNAプローブと48℃にて16時間にわたってハイブリダイズさせた。このRNAハイブリッドを、40μg/mlのRNアーゼA(ベーリンガー・マンハイム社)および2μg/mlのRNアーゼT1(ライフ・テクノロジーズ社)を用い、250mMのNaCl、5mMのEDTA、10mMのトリスpH7.5からなる溶液中で、37℃にて30分間にわたって消化させた。プロテイナーゼK(100μg)(ライフ・テクノロジーズ社)を含む20μlの10%SDSを添加して消化を停止させた。サンプルを酸性フェノール(pH4.5;ライフ・テクノロジーズ社)とクロロホルムで抽出し、2容積の100%エタノールで沈殿させ、5μlのRPAサンプル用緩衝溶液(88%のホルムアルデヒド、10mMのEDTA pH8.0、1mg/mlのキシレンシアノール、1mg/mlのブロモフェノール・ブルー)に分散させた。サンプルを95℃にて10分間にわたって変性させ、TBE(89mMのトリス、89mMのホウ酸エステル、2mMのEDTA pH8.3)の中で5%ポリアクリルアミド/尿素ゲル上にて電気泳動を行なった。このゲルを真空下で乾燥させ、保護された断片をリン光画像解析によって定量した(IPラブ・ゲル、モレキュラー・ダイナミックス社)。
【0091】約4.8kbの新奇な転写産物が、p68ECD IIIaを最高レベルで発現したHEK293細胞の中で検出された。しかしSKBR−3、BT474、SKOV−3というガン細胞系のノーザンブロット解析では、新奇な転写産物は検出できなかった。そこで、より高感度のリボヌクレアーゼ保護アッセイ(RPA)により、新奇な転写産物の発現レベルを、完全にスプライスされた4.5kbの転写産物と比較して調べた。検出可能なレベルのp68ECD IIIaを含んでいた卵巣ガン細胞系(SKOV−3)および乳ガン細胞系(SKBR−3とBT474)からのRNAと、HER−2のcDNAが安定にトランスフェクションされた対照細胞系17−3−1からのRNAを、ECD IIIa(イントロン8)配列全体と、イントロン8に隣接した5’HER−2エキソン配列とにまたがる32P標識アンチセンスRNAプローブとハイブリダイズさせた。RNアーゼで消化させ、電気泳動を行ない、放射能写真を撮影したところ、370個のヌクレオチドからなるバンドが、17−3−1以外の細胞系で検出された。これは、ECD IIIaを含むHER−2のmRNAによって保護されることが予想されるサイズに対応している。さらに、87個のヌクレオチドが保護された断片が、すべての細胞で検出された。これは、対照となる正常な細胞系と比べてこれらガン細胞系で100倍以上も過剰に発現している完全にスプライスされたHER−2の情報に対して予想されるサイズである(Kraus他、EMBO J.、第6巻、605〜610ページ、1987年)。保護されたそれぞれの断片の量を測定し、サイズに関して正規化して新奇な転写産物の相対量を推定し、p185HER−2のmRNAに対する割合として表わした。ECD IIIa挿入体を含む新奇なHER−2のmRNAは、SKOV−3細胞では完全にスプライスされた転写産物のレベルの4.2%であり、SKBR−3細胞では5.4%であり、BT474細胞では0.8%であった。
【実施例6】
【0092】この実施例では、ECD IIIa挿入体を含む新奇な転写産物がヒト胚の腎臓および肝臓で発現したことを示す。ノーザンブロット解析により、ECD IIIa配列を含む新奇な転写産物がヒトの正常な組織で発現したかどうかを調べた。ヒト胎児のさまざまな組織からのポリAmRNAをノーザンブロットとして調製し、新奇なECD IIIa配列に対して特異的な放射標識プローブとハイブリダイズさせた。4.8kbのmRNAが腎臓で検出され、2.6kbの転写産物が肝臓で検出された(図2)。4.8kbの転写産物は、274bpの挿入体を有する完全長4.5kb転写産物に対応しているようである。2.6kbの転写産物は、以前に報告されている2.3kbの別の転写産物(ヤマモト他、Nature、第319巻、230〜234ページ、1986年;Scott他、Mol. Cell. Biol.、第13巻、2247〜2257ページ、1993年)に274bpのECD IIIa挿入体が含まれたものに対応しているのであろう。ブロットを分離させて5’HER−2コード配列に対して特異的なプローブとハイブリダイズさせたところ、4.8kbと4.5kbのmRNAを示す広いバンドが胎児の腎臓組織で検出され、2.6kbの転写産物断片が肝臓で検出された。これは、これらの新奇な転写産物が、HER−2のECDをコードする配列を含んでいることを示している。挿入されたECD IIIa配列が終止コドンを含んでいるため、同じタンパク質産物がこれらmRNAのそれぞれから産生される可能性がある。
【0093】いくつかの細胞系についてもECD IIIaを含む新奇な転写産物についてノーザンブロット解析で調べた。4.8kbの新奇な転写産物が、ヒト胚の腎臓細胞系であるHEK−293で検出された(図2)。ECD IIIa配列が、HER−2遺伝子が増幅されているSKBR−3、BT474、SCOV−3というガン細胞系のRT−PCR解析により検出されたとはいえ、ECD IIIaを含む新奇な転写産物はこれらの細胞をノーザンブロット解析しても検出できなかった。そこで、ECD IIIa配列全体と、このECD IIIa挿入体に隣接する5’HER−2エキソン配列とにまたがるアンチセンスプローブを利用して、より高感度のリボヌクレアーゼ保護アッセイ(RPA)を行なった。ECD IIIa挿入体を有する新奇なHER−2のmRNAは、SCOV−3細胞、SKBR−3細胞、BT474細胞では、完全にスプライスされた転写産物の5%未満しか検出されなかった。これらの知見は、ECD IIIa配列を含む新奇な2つの転写産物が、ヒトの正常組織で組織特異的に発現したこと、4.8kbの新奇な転写産物がHEK−293細胞系で発現したこと、遺伝子が増幅したガン細胞が、新奇な転写産物を4.5kbのHER−2転写産物の5%未満という低いレベルで発現していることを示している。
【実施例7】
【0094】この実施例では、ECD IIIa配列を含むタンパク質の発現を示す。新奇な配列がタンパク質産物に翻訳されるかどうかを調べるため、ECD IIIa配列を細菌内でポリヒスチジン・タグを有するペプチドとして発現させ、ニッケル−アフィニティ・クロマトグラフィにより精製し、この精製ペプチドに対する抗血清を得た。4.8kbの新奇なECD IIIaの転写産物を発現したHEK−293細胞がECD IIIaを含むタンパク質を発現するかどうかを、ウエスタンブロット解析で調べた。細胞抽出物と細胞外マトリックスからの68kDaのタンパク質は、抗ECD IIIa抗体と反応したが(図3)、免疫確立前の血清とは反応しなかった。反応は、この抗血清を、精製ECD IIIaペプチドとともに予備培養することによって停止させた(図3)。いくつかの細胞抽出物で検出された大きな約125kDaのタンパク質は、p68HER−2の集合体であろう。新奇な転写産物のcDNAの配列(図1)からは、p185HER−2のN末端配列中の5つの共通N結合型グリコシル化部位すべてがグリコシル化されている場合には、65〜70kDaの分泌タンパク質産物が予測されることがわかる(Stern他、Mol. Cell. Biol.、第6巻、1729〜1740ページ、1986年)。他のいくつかの細胞系がp68ECD IIIaを発現するかどうかを調べた。cDNAにECD IIIa配列を含むガン細胞系(BT474、SKOV−3、SKBR−3)も検出可能なレベルのp68HER−2を含んでいた。
【実施例8】
【0095】この実施例では、HER−2遺伝子が増幅されているガン細胞系でp185HER−2と比べてp68HER−2の発現が顕著に低下していることを示す。HER−2遺伝子が増幅されているガン細胞系ではp185HER−2のmRNAと比べてp68HER−2のmRNAの発現レベルが非常に低いため、HER−2遺伝子が増幅されているいくつかの細胞系と増幅されていないいくつかの細胞系において、p68HER−2タンパク質とp185HER−2タンパク質の相対的な割合を調べた。ウエスタンブロットを調製し、p68HER−2に対して特異的な抗血清とp185HER−2に対して特異的な抗血清の両方について調べた。図4は、HER−2遺伝子が約8倍に増幅されているガン細胞系でp185HER−2が容易に検出できたことを示している(Kraus他、EMBO J.、第6巻、605〜610ページ、1987年)。しかしp68HER−2が対応して増加することはなかった。比較すると、p68HER−2は、HEK−293、IOSEVAN、HBL100という非発ガン性細胞で検出された唯一のHER−2タンパク質であった。それに対してp185HER−2は、これらの細胞中では非常に低いレベルでしか発現せず(Kraus他、EMBO J.、第6巻、605〜610ページ、1987年)、過剰に露出したブロットにおいて検出された。これらのデータは、HER−2遺伝子が増幅されているガン細胞系ではp68HER−2がp185HER−2と比べて少ないことを示しており、p185HER−2が過剰に発現したときにp68HER−2が低レベルに維持される何らかのメカニズムが存在している可能性のあることを示唆している。
【実施例9】
【0096】この実施例では、p68HER−2とECD IIIaペプチドがp185HER−2に特異的に結合することを示す。p68HER−2は分泌タンパク質であり、しかもp68HER−2は新奇な配列に加えてp185HER−2と一致するサブドメインIとIIを含んでいるため、p68HER−2がp185HER−2と相互作用する可能性を調べた。p185HER−2とp68HER−2のN末端に対する抗ペプチド抗体である抗neu(N)、またはp185HER−2に対して特異的な抗体である抗neu(C)を用い、p68HER−2を低レベルで発現し、p185HER−2を過剰発現しているガン細胞SKBR−3の免疫沈降を行なった。免疫沈降させる物質をウエスタンブロットとして調製し、プローブとしてp68HER−2に対して特異的な抗ECD IIIaと抗neu(C)の両方を用いて調べた。抗neu(N)は、p68HER−2とp185HER−2の両方を免疫沈降させた(図5A)。さらに、p185HER−2のC末端に対して特異的な抗体はp185HER−2を免疫沈降させ、p68HER−2を共同沈降させた(図5A)。この結果は、2つのタンパク質の間に相互作用があることを示唆している。
【0097】ECD配列同士の結合相互作用は非常に弱いので(Tzahar他、EMBO J.、第16巻、4938〜4950ページ、1997年;Fitzpatrick他、FEBS Letters、第431巻、102〜106ページ、1998年)、結合が、新奇なプロリン・リッチなECD IIIa領域によるものかどうかを調べた。新奇な79個のアミノ酸からなる領域をヒスチジン・タグを有するタンパク質として精製してニッケル・アガロース上に固定し、プルダウン・アッセイで使用した。対照として、ECD IIIaとは関係のない、ヒスチジン・タグを有する2つの精製ペプチド、すなわちウィルソン病の膜タンパク質の600残基からなる断片と、CREBタンパク質のDNA結合領域を含む70残基からなる断片とを、同様にしてニッケル・アガロース樹脂上に固定した。固定されたペプチドを、HER−2をトランスフェクションした3T3細胞(17−3−1)から調製したタンパク質とともに培養した。十分に洗浄した後、結合したタンパク質を溶離させ、ウエスタンブロットとして調製し、それを、p185HER−2に対して特異的な抗体をプローブとして用いて調べた。ヒスチジン・タグを有するECD IIIaペプチドと対照用ペプチドが同じ量だけ樹脂に結合したことが、1Mのイミダゾールで溶離させ、溶離した物質をSDSゲル中でクーマッシー染色することによって確認された。p185HER−2は、ペプチドなしの樹脂にも対照用ペプチドを有する樹脂にも保持されることがなかったのに対し、ECD IIIaペプチドによってだけ選択的に保持された(図5B)。
【0098】プルダウン・アッセイにおいてECD IIIa領域がp185HER−2に結合したため、このECD IIIa領域が、p185HER−2を過剰発現している細胞に選択的に結合するかどうかを調べた。これは、HER−2をトランスフェクションした17−3−1細胞の単層培養物を用いて3T3親細胞と比較することによって調べた。細胞をさまざまな濃度のヒスチジン−ECD IIIaペプチドとともに培養し、洗浄し、プロテアーゼ阻害剤を用いて変性用緩衝溶液中に抽出した。結合したペプチドがあるかどうかを検出するため、細胞抽出物を、ECD IIIaに対して特異的な抗体を用いてウエスタンブロット解析により調べた。さらに、ECD IIIaペプチドで処理した細胞を等分した複数のアリコートを、ウエスタンブロットとしてp185HER−2に対して特異的な抗体と反応させた。するとトランスフェクションされた17−3−1細胞でp185HER−2が過剰に発現した。ECD IIIaペプチドは、nMオーダーのさまざまな濃度で完全な17−3−1細胞に好んで結合する(図5C)のに対し、同等な量の3T3親細胞にはペプチドがほとんど結合しないか、まったく結合しなかった。これは、ECD IIIaがp185HER−2の細胞外領域と特異的な相互作用をしていることを示唆する。
【実施例10】
【0099】p68ECD IIIaとECD IIIaペプチドがp185HER−2のチロシンリン酸化に及ぼす効果を調べた。RTKのチロシンリン酸化は、リガンド活性化とシグナル伝達があることの第1の印である。17−3−1細胞の処理を、さまざまな量の精製ECD IIIaペプチドを用いて、またはp68HER−2を高レベルで含むHEK293細胞からのならし培地(CM)(図2A)を用いて、または対照となる、検出できるレベルのp68HER−2を含まないSKOV−3細胞からのならし培地を用いて行ない、この17−3−1細胞のチロシンリン酸化を調べた。ヒスチジン−ECD IIIaまたは濃縮CMで10分間処理したとき(図6)または2時間処理したとき、チロシンリン酸化シグナルは増加しなかった。これは、p185HER−2が活性化されなかったことを示唆している。p68HER−2を含むCMもECD IIIaペプチドも、p185HER−2のチロシンリン酸化レベルが低いSKOV−3細胞からのp185HER−2に対応するチロシンリン酸化シグナルを検出可能なほど変化させることはなかった。さらに、p68HER−2とECD IIIaペプチドは、17−3−1細胞抽出物から免疫沈降させたp185HER−2の自己リン酸化活性に対して検出可能なほどの影響をインビトロで与えることはなかった。これらの結果は、p68HER−2がp185HER−2のシグナル伝達を活性化させなかったという結論を支持している。
【実施例11】
【0100】この実施例では、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、イントロン8の配列が、そのイントロン8のうちで(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する部分において多型であることを示す。
【0101】ヒトHER−2遺伝子のイントロン8は、場合によってはmRNA内に交互に保持されて、p185HER−2の細胞外領域の一部のC末端の位置で新奇な79残基領域をコードしている。保持されたイントロンを有するこの転写産物の産物である“ハースタチン”は、HER−2ガン遺伝子の自己阻害剤として機能する。イントロン8をコードしている領域は、単独では、nMのアフィニティでp185HER−2に結合することがわかっている(Doherty他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第96巻、10,869〜10,874ページ、1999年)。
【0102】HER−2遺伝子のイントロン8のヌクレオチドの多型とそこから推定されるアミノ酸配列を、別々の15人のゲノムDNAをシークエンシングすることによって同定した。図8と配列ID番号1は、イントロン8の最も一般的なヌクレオチド配列と、それに対応するアミノ酸配列をそれぞれ示している。この領域は、10通りの多型(配列ID番号10の中には文字W(2箇所)、Y(3箇所)、R、N、M、S(2箇所)で示し、図8には“X”で示してある)を含んでおり、その結果として保存されないアミノ酸置換が起こっている(表Iの注を参照のこと)。例えば、ヌクレオチド位置161に多型(G→C)があると(図8;表I)、配列ID番号1のアミノ酸残基#54の位置、または配列ID番号2の残基#394の位置でアルギニン(R)がプロリン(P)に代わるはずである。図8または配列ID番号10の位置1で示されるN末端のグリシン(G)は、“ハースタチン”配列のアミノ酸残基341に対応する(Doherty他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第96巻、10,869〜10,874ページ、1999年)。図1(A)に示したヌクレオチド配列は、図8に示した最も一般的であることがわかった配列と比べてアミノ酸残基#6と#73の位置のアミノ酸が異なる多型になっている。
【0103】この結果は、ヒトの集団において、イントロン8がコードされている領域にいくつかの違いが存在しており、その結果、ECD IIIaを含むタンパク質変異体相互の間で生化学的特性や生物学的特性が異なる可能性のあることを示している。同定されたいくつかの変異を表1にまとめておく。
表1
Figure 2004501605
【0104】表1。ヒトの集団(別々の15人)でイントロン8がコードされている領域に見られた配列の変異1〜11をリストにしてある。このリストには、図8に示した最も一般的なDNA配列と比べて特定の“X”の位置に塩基の変化があることが示されている。それぞれのXの後ろにある括弧内の数字は、図8に示したDNA配列または配列ID番号10のヌクレオチドの位置に対応している。ここにリストとして示したDNA配列の変異は、配列ID番号1の可変アミノ酸位置(“Xaa”)に対応している。例えば、X(4)がXaa(2)に;X(14)がXaa(5)に;X(17)がXaa(6)に;X(47)がXaa(16)に;X(54)がXaa(18)に;X(62)がXaa(21)に;X(106)がXaa(36)に;X(161)がXaa(54)に;X(191)がXaa(64)に;X(217)がXaa(73)に対応している。配列ID番号2の可変アミノ酸位置に対応している変異は以下の通りである。X(4)がXaa(342)に;X(14)がXaa(345)に;X(17)がXaa(346)に;X(47)がXaa(356)に;X(54)がXaa(358)に;X(62)がXaa(361)に;X(106)がXaa(376)に;X(161)がXaa(394)に;X(191)がXaa(404)に;X(217)がXaa(413)に対応している。配列ID番号1の可変アミノ酸位置に関する(図8に示した最も一般的なDNA配列と比べた場合の)具体的なアミノ酸の変化は以下の通りである。変異1、Xaa(2)(トレオニン→セリン);変異2、Xaa(5)(ロイシン→プロリン);変異3、Xaa(6)(プロリン→ロイシン);変異4、Xaa(16)(ロイシン→グルタミン);変異5、Xaa(18)(メチオニン→ロイシン);変異6、Xaa(21)(グリシン→アスパラギン酸、Alu、またはバリン);変異7、Xaa(36)(ロイシン→イソロイシン);変異8、Xaa(54)(プロリン→アルギニン);変異9、Xaa(64)(プロリン→ロイシン);変異10、Xaa(73)(アスパラギン酸→アスパラギン);変異11、Xaa(6)(プロリン→ロイシン)とXaa(73)(アスパラギン酸→アスパラギン)。同じ置換が配列ID番号2の対応する可変アミノ酸位置にも適用される。
【実施例12】
【0105】この実施例では、アフリカ系アメリカ人からのDNAサンプルにおいて同定可能なHER−2のイントロン8の5つの多型(配列の変異12〜16)を示す(後出の表IIIを参照のこと)。
【0106】具体的には、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、イントロン8の配列が、そのイントロン8のうちで(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する部分において、4つの多型部位が同定された(すなわち配列ID番号10または図8の配列領域に含まれる配列領域内の4つの多型位置)。これら多型部位のうちの2つ(変異12と15)は、実施例11に示した多型部位(それぞれ変異3と10)に対応しているのに対し、他の2つ(変異13と14)は追加の多型部位を表わしている(表II)。
【0107】さらに、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、追加の多型部位(変異16)が、“非コード”配列に留まるイントロン8の領域に同定された。この“非コード”イントロン8多型部位は3’に位置し(すなわちイントロン8のうちでこの実施例と実施例11に示した他の多型部位を含む部分から見て下流の位置にある)、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する。
【0108】方法。HER−2遺伝子内のイントロン8のヌクレオチド配列およびそこから推定されるアミノ酸配列における多型を、215人からのゲノムDNA(血液サンプルを使用)をシークエンシングすることによって同定した。215人の内訳は、アフリカ系アメリカ人(黒人)75人、コーカサス人(白人)135人、アジア系アメリカ人(アジア人)1人、ヒスパニック4人である。上記の実施例11と同様、図8、配列ID番号1、配列ID番号10の位置1で表わされるN末端のグリシン(GまたはGly)は、配列ID番号2または配列ID番号13の“ハースタチン”のアミノ酸残基#341に対応する。
【0109】結果。表IIは、イントロン8のコード配列中のヌクレオチドの置換および2つのアミノ酸残基の置換と、イントロン8の非コード配列中の第3のヌクレオチドの置換を表わしている。位置を表わす数字としては、“ハースタチン”タンパク質配列全体(配列ID番号2または配列ID番号13)に対応する番号を用いている。
表II
Figure 2004501605
【0110】 II。この表は、アフリカ系アメリカ人からのDNAのHER−2のイントロン8において(実施例11で同定された多型と比べて)追加された3つの多型の分布を示している。アミノ酸の位置は、“ハースタチン”配列のアミノ酸位置に対応している(配列ID番号2または配列ID番号13)。
【0111】以下の表IIIは、配列データから(やはり図8または配列ID番号10に示した配列領域のヌクレオチド位置に対応している)ヌクレオチド位置#17と#217が多型であることが明らかにされたことを示している。位置#17の多型(変異12)は、表Iの変異3に対応している(実施例11)。位置#217の多型(変異15)は、(少なくともタンパク質レベルで)表Iの変異10に対応している(実施例11)(配列ID番号12と配列ID番号13を参照のこと)。
【0112】さらに、配列データ(配列ID番号11を参照のこと)からは、イントロン8が、上記の実施例11に示した多型部位に加えてさらに3つの多型部位(変異13、14、16に対応)を含んでいることが明らかになった(表IIIを参照のこと)。これらのうちの2つ(変異13、14)は配列ID番号11のヌクレオチド位置#49および#92に位置している(やはり配列ID番号10(または図8)のヌクレオチド位置#49および#92に対応している)。第3番目(変異16)は、配列ID番号11のヌクレオチド位置#259に位置する[やはり配列ID番号10のヌクレオチド位置#259(または図1のAの項に示した配列の位置#264)に対応している]。したがって、変異16に対応する多型は、この実施例と実施例11に示した他の多型部位を含むイントロン8の部分(すなわち実施例10に示した部分)から19ヌクレオチドだけ3’側(下流)に位置し、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する。
【0113】これら多型のうちの2つによって、保存されないアミノ酸置換が起こる(表IIと表IIIおよび表IIIの注を参照のこと;配列ID番号12と配列ID番号13も参照のこと)。例えば、配列ID番号11のヌクレオチド位置#49[または配列ID番号10、または図8の位置#49](すなわち表IIの位置X(49)の多型)に対応するヌクレオチド位置に見られる多型(C→T)により、配列ID番号12、配列ID番号1、配列ID番号10、または配列ID番号11のアミノ酸残基#17に対応するアミノ酸位置、あるいは配列ID番号13または配列ID番号2のアミノ酸残基#357に対応するアミノ酸位置が、アルギニン(Arg)からシステイン(Cys)に置換される。
【0114】配列ID番号11、配列ID番号12、配列ID番号13は、この実施例に記載した4つの可変アミノ酸位置と、実施例11の可変アミノ酸位置を示している。後者は、配列ID番号1、配列ID番号2、配列ID番号10にも示してある。
【0115】表IIIは、(表Iの変異3および変異10にそれぞれ対応する変異12および変異15に加え)イントロン8の“コード”配列中のヌクレオチド置換と、(実施例11の表Iのアミノ酸残基置換と比べて)追加された2つのアミノ酸残基置換(すなわち変異13と変異14)と、イントロン8の3’“非コード”領域中の第3のヌクレオチド置換を示している。それぞれのX(多型位置)の後ろにある括弧内の数字は、配列ID番号11のヌクレオチド位置を示す[または表Iにおけるように、図8または配列ID番号10に示したDNA配列中のヌクレオチド位置に対応(または関係(X(259)の場合))している]。
【0116】上記の実施例11に関しては、配列ID番号11、図8、配列ID番号1、または配列ID番号10の位置1で示したN末端のグリシン(GまたはGly)は、配列ID番号2の“ハースタチン”のアミノ酸残基#341に対応する。
表III
Figure 2004501605
【0117】 III。(別々の215人の)ヒトの組織で見いだされた、イントロン8をコードする領域における配列の変異。配列の変異12〜16をリストにしてある。それぞれのX(多型位置)の後ろにある括弧内の数字は、配列ID番号11のヌクレオチド位置[または図8または配列ID番号10に示したDNA配列中のヌクレオチド位置に対応または関係(X(259)の場合)する位置]に対応している。このリストと配列ID番号11に示したDNA配列の変異は、配列ID番号12に示した可変アミノ酸位置に対応している[配列ID番号1または配列ID番号10の可変アミノ酸位置(“Xaa”)にも以下のように対応している:X(17)がXaa(6)に;X(49)がXaa(17)に;X(92)がXaa(31)に;X(217)がXaa(73)に対応している]。DNA配列中の変異X(259)は、非翻訳領域に発生するため、ハースタチンのアミノ酸配列を変化させることはない。同様に、この表の変異は、配列ID番号13および配列ID番号2の可変アミノ酸位置に以下のように対応している:X(17)がXaa(346)に;X(49)がXaa(357)に;X(92)がXaa(371)に;X(217)がXaa(413)に対応している。配列ID番号11と配列ID番号12の可変アミノ酸位置に関する(図8の最も一般的なDNA配列と比べた)具体的なアミノ酸変化は以下の通りである:変異12、Xaa(6)(プロリン→ロイシン);変異13、Xaa(17)(アルギニン→システイン);変異14、Xaa(31)(アルギニン→イソロイシン);変異15、Xaa(73)(アスパラギン酸→アスパラギン)。変異16であるX(259)は非翻訳領域にあるため、アミノ酸の変化はコードしておらず、ヌクレオチド位置259のヌクレオチド配列だけを変化させる(すなわちC→T)。同じ置換が、配列ID番号13の対応する可変アミノ酸位置に適用される。
【0118】SKOV−3卵巣ガン細胞。ヒト卵巣ガンに由来する細胞系(SKOV−3)においてさらに2つの多型が見つかった。この2つの多型があることで、保存されないアミノ酸置換が起こる。1つの多型は、イントロン8配列のヌクレオチド#17と“ハースタチン”配列のヌクレオチド#1037における置換(CとT)である。その結果、イントロン8配列のアミノ酸残基#6と“ハースタチン”配列(すなわち配列ID番号2または配列ID番号13)のアミノ酸残基#346においてロイシンがプロリンに置換される。SKOV−3卵巣ガン細胞系に見られる第2の多型は、イントロン8配列のヌクレオチド#217と“ハースタチン”配列のヌクレオチド#1237における置換(GとA)である。その結果、イントロン8配列のアミノ酸残基#73と“ハースタチン”配列(すなわち配列ID番号2または配列ID番号13)のアミノ酸残基#413においてアスパラギンがアスパラギン酸に置換される。
【0119】重要なことだが、この実施例12の配列解析において同定された5つの多型部位は、アフリカ系アメリカ人(黒人)からのDNAサンプルにだけ見られた。
実施例11と12のまとめ
【0120】本発明の実施例11と12を合わせると、HER−2遺伝子のイントロン8にある13個の多型位置が開示されている。実施例12はDNAサンプルのサイズが比較的大きく、同定された5つの多型部位(そのうちの3つは実施例11で同定された10個の多型部位とは異なっている)はアフリカ系アメリカ人(黒人)にだけ見られた。
【0121】これら2つの実施例の13個の多型のうちの12個(すなわち実施例12の変異16を除く)は、イントロン8がmRNA内に保持されている場合に、そのイントロン8のうちで(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する部分に存在している。
【0122】変異16に対応する多型は、イントロン8がmRNA内に保持されている場合に、そのイントロン8のうちで“非コード”配列のままになっている領域に位置する。イントロン8のこの“非コード”多型部位は、他の多型部位を含むイントロン8の部分から19ヌクレオチドだけ3’の側すなわち下流に位置し、イントロン8がmRNA内に保持されている場合には、(p185HER−2の細胞外領域と一緒になって)イン・フレーム・コード配列として機能する。
【0123】HER−2のイントロン8のこれら多型は、新奇なDNA配列およびタンパク質配列と、HER−2を過剰に発現する固形ガンを治療するための新奇な薬理学的組成物と、配列ID番号1、配列ID番号2、配列ID番号12、または配列ID番号13に対応するECD IIIa変異体と結合するモノクローナル抗体とを提供する。HER−2のイントロン8のこれら多型は、ガンの治療および予防のための予後予測方法ならびに診断方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】HER−2の細胞外領域に挿入されたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を示す。HER−2のECDをコードしているエキソン1〜9からの配列(プライマーAとB)は、SKOV−3細胞からのcDNAライブラリーからPCRによって増幅した。約1420bpの産物が、サザンブロット解析によりHER−2に対して特異的であることがわかった。この産物をサブクローニングし、ヌクレオチド配列を決定した。Aの項には、274bpの挿入体(ボックスの外)のヌクレオチド配列と、ボックス内でヌクレオチド配列に直接隣接した5’配列および3’配列が示してある。この挿入体は、Coussens他のナンバリングを用いると(Science、第230巻、1132〜1139ページ、1985年)、p185HER−2のヌクレオチド残基1171と1172の間で、アミノ酸残基340の後ろに位置している。矢印で示した共通する5’スプライス部位および3’スプライス部位の拡大図が示してある。挿入された配列は、5’HER−2エキソン配列とインフレームであり、アルギニン340(R340)に続く79個のアミノ酸延長部をコードしていることが推定される。この挿入体によってコードされる新奇な79個のアミノ酸配列はプロリン・リッチ(19%)であり、アスパラギンが結合する共通グリコシル化部位を有する。終止コドンが、挿入された配列のヌクレオチド236〜238の位置に見つかった。Bの項には、予測される新たな転写産物が、p185と一致するサブドメインIとIIを含む分泌タンパク質断片であり、膜貫通領域と細胞質領域を欠いていることを示してある。完全にグリコシル化された場合に予想されるサイズは65〜70kDaである。このポリペプチド産物は、p68HER−2と呼ばれる。したがってこの産物は、p185HER−2で見つかった膜貫通領域と細胞質領域を欠いている分泌タンパク質断片であろう。
【図2】ECD IIIaを含む新たなHER−2転写産物をノーザンブロット解析で検出した結果を示す。さまざまなヒト胎児組織(クロンテック社)またはHEK−293細胞からのポリAmRNA(2.5μg)をホルマリン・アガロース・ゲルに溶解させ、10×SSC中のブライトスター(登録商標)膜(アンビオン社)に移した。この膜を、ECD III配列と相補的な32P標識アンチセンスRNAプローブとハイブリダイズさせ、分離させ、5’HER−2エキソン配列に対して特異的な32P標識cDNAプローブで再度調べた。膜を非常に厳しい条件下で洗浄し、リン光画像装置(モレキュラー・ダイナミックス社)で解析した。
【図3】抗ECD IIIaが、ヒト胚性腎臓細胞系(HEK293)の約68kDaのタンパク質に対して配列特異的な反応をすることを示している。細胞抽出タンパク質(20μg)と、HEK293細胞によって調整した20μlの培地に対してウエスタンブロット解析を行ない、1:10,000に希釈した抗ECD IIIa(レーン1と2)、またはヒスチジン・タグを有する50μg/mlの精製ECD IIIaペプチドを含む、1:10,000に希釈した抗ECD IIa(レーン3と4)をプローブにして調べた。
【図4】HER−2遺伝子が増幅したガン細胞系ではp68ECD IIIaの発現と比べてp185HER−2の発現が顕著に増大していることを示す。ヒト胚性腎臓細胞系(HEK293)からの細胞抽出物(タンパク質15μg)、非発ガン性卵巣表面上皮細胞系(IOSEVAN)、HER−2遺伝子が増幅した卵巣ガン細胞系(SKOV−3)、非発ガン性乳房上皮細胞系(HBL100)、HER−2遺伝子が増幅した乳ガン細胞系(BT474とSKBR−3)を7.5%のアクリルアミド・ゲル中でSDS−PAGEによって分離させ、ウエスタンブロット法で解析した。ウエスタンブロット法では、プローブとしてp68HER−2に対して特異的な抗体(抗ECD IIIa)とp185HER−2に対して特異的な抗体(アンチneu(C))の両方を用いた。
【図5】p68ECD IIIaがp185HER−2に結合している様子を示す。Aの項では、非変性性緩衝溶液中に抽出した2mgのSKBR−3細胞を、p68HER−2とp185HER−2のN末端配列に対して特異的な5μlのアンチneu(N)とともに、またはp185HER−2のC末端に対して特異的な5μlのアンチneu(C)とともに免疫沈降させ、p68HER−2に対して特異的な抗ECD IIIaとp185HER−2に対して特異的なアンチneu(C)の両方をプローブとしてウエスタンブロット解析を行なった。Bの項では、100μgの17−3−1細胞抽出物を、ヒスチジン・タグを有する20μgのECD IIIaまたはヒスチジン・タグを有する20μgのCREB断片と結合させた充填容積が50μlのNiNTAアガロース樹脂(キアジェン社)とともに200μlの洗浄用緩衝溶液(20mMのトリス pH8.0、300mMのNaCl)中で室温にて1時間撹拌しながら培養した。なお、同じものを2つ用意した。次にこの樹脂を500μlの洗浄用緩衝溶液で4回洗浄し、50μlのSDS−サンプル緩衝溶液とともに100℃で2分間培養することにより、タンパク質を溶離させた。溶離したタンパク質は、p185HER−2のC末端に対して特異的な抗体、すなわちアンチneu(C)を用いてウエスタンブロット法で解析した。Cの項では、3T3細胞、またはHER−2をトランスフェクションした17−3−1細胞約10個からなる単層を12のウエル・プレートに入れたものをPBSで2回洗浄し、次に、血清フリーで1%のBSAを含む培地0.5ml、ならびにヒスチジン・タグを有する精製した39、75、150、300nMの組み換えECD IIIaとともに4℃で2時間にわたって培養した。細胞を、1%のBSAを含むPBSの中で1回洗浄し、PBSの中で2回洗浄し、変性用緩衝溶液中に抽出した。等量の複数のアリコート(タンパク質20μg)を、ECD IIIaに対して特異的な抗体(抗ECD IIIa)、またはp185HER−2に対して特異的な抗体(アンチneu(C))を用いて(上の列)ウエスタンブロット法で解析した。
【図6】p68リッチにした培地もECD IIIaペプチドもp185HER−2のチロシンリン酸化を促進できないことを示している。HER−2をトランスフェクションした約10個の17−3−1細胞をPBSで2回洗浄し、血清フリーの培地中で37℃にて24時間培養し、ヒスチジン・タグを有する75または150μlのECD IIIa、または高レベルのp68を分泌するHEK−293細胞からの50×CM、またはp68HER−2が検出できないSKOV−3細胞からの50×CMを用いて10分間処理した。処理した細胞は、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤のバナジウム塩(2mM)を含む変性用緩衝溶液で抽出し、各サンプルからの細胞抽出タンパク質20μg/mlを、ホスホチロシンに対するモノクローナル抗体(シグマ社)を用いてウエスタンブロット法で解析した。62.5mMのトリスpH6.7と、2%のSDSと、100mMの2−メルカプトエタノールの中で55℃にて30分間にわたって培養することによりブロットをストリップし、p185HER−2に対して特異的なアンチneu(C)をプローブとしてこのブロットを再度調べた。
【図7】p68HER−2が、発ガン性細胞の基質とは独立な成長を抑制したことを示している。SCOV−3卵巣ガン細胞と、HER−2をトランスフェクションした17−3−1細胞を、0.3%の寒天を含む10%のウシ胎仔血清を加えた培地(対照条件)中に分散させ、この培地に、SCOV−3細胞によって調整した50×濃縮培地(検出可能なレベルのp68HER−2を含まない(−p68CM))、またはHEK−293細胞によって調整した50×濃縮培地(20nMのp68HER−2を含む(+p68CM))を添加した。12個のウエル・プレートに0.5%のアガロースを含む0.5mlの培地を層状に入れ、その上に5×10個の細胞を加えたものをそれぞれの実験条件ごとに全部で3通り用意した。図示した結果は、3通り用意したウエル中の50個を超える細胞からなるコロニーの数を、培養開始後21日目のときに数えた平均値と標準偏差をプロットしたものである。同様の結果が3つの別々の実験でも観察された。
【図8】HER−2のイントロン8のヌクレオチドと、推定されるアミノ酸配列を示す。ヒトのゲノムDNAに対し、イントロン8に隣接するプライマーを用いてPCRを行なった。PCRパラメータは、94℃にて1分間、62℃にて1分間、72℃にて30秒間を30サイクルの後、72℃にて7分間を1サイクルであった。410bpの産物をゲルで精製し、順方向と逆方向にシークエンシングした。図示した配列は、別々の約15人からのイントロン8で見つかった最も一般的な配列である。配列が変異してアミノ酸の置換が起こる可能性のある箇所はXで示してある。

Claims (40)

  1. 配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド。
  2. 長さがアミノ酸約69〜79個である、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
  3. HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)(HER−2のECDと結合してガンの治療に用いられる、市販のヒト化モノクローナル抗体)の結合部位とは異なる部位に結合する、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
  4. 発現したときに、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合するポリペプチドをコードしている単離DNA配列。
  5. 長さがアミノ酸約69〜79個である、発現したときに請求項4のポリペプチドをコードしている単離DNA配列。
  6. HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)の結合部位とは異なる部位に結合する、請求項4に記載の単離DNA配列。
  7. 発現したときに、配列ID番号1の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合するポリペプチドをコードしているDNA配列を有する発現ベクターを含む、トランスフェクションされた細胞。
  8. 配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約300〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド。
  9. 長さがアミノ酸約350〜419個で、N結合型グリコシル化部位が4つ存在している、請求項8に記載のグリコシル化された単離ポリペプチド。
  10. HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)の結合部位とは異なる部位に結合する、請求項8のグリコシル化された単離ポリペプチド。
  11. 発現したときに、配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化されたポリペプチドをコードしている単離DNA配列。
  12. 長さがアミノ酸約350〜419個で、N結合型グリコシル化部位が4つ存在している、発現したときに請求項11に記載のポリペプチドをコードしている単離DNA配列。
  13. 配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、ポリペプチドをコードしているDNA配列を有する発現ベクターを含む、トランスフェクションされた細胞。
  14. HER−2の過剰発現を特徴とする固形ガンを治療するためにHER−2の細胞外領域(ECD)と結合する薬剤を投与する操作を含む方法であって、この薬剤を、(a)配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択するが、この薬剤がモノクローナル抗体のみからなるものではない、上記方法。
  15. HER−2を過剰発現する固形ガンを、乳ガン、肺小細胞ガン、卵巣ガン、大腸ガンからなるグループの中から選択する、請求項14に記載の方法。
  16. 上記薬剤が、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドである、請求項14に記載の方法。
  17. 上記薬剤が、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせである、請求項16に記載の方法。
  18. HER−2を過剰発現する固形ガンを治療するための薬理学的組成物であって、(a)配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域ECDに少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチド、(b)配列ID番号2または配列ID番号13の配列から取られた約80〜419個のアミノ酸を含み、C末端の79個のアミノ酸が存在し、少なくとも3つのN結合型グリコシル化部位が存在している、グリコシル化された単離ポリペプチド、(c)HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体、(d)これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した薬剤と、薬理学的に受容可能な基剤とを含むが、上記薬剤がモノクローナル抗体のみからなるものではない、上記薬理学的組成物。
  19. 上記薬剤が、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドである、HER−2を過剰発現する固形ガンを治療するための請求項18に記載の薬理学的組成物。
  20. 上記薬剤が、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含む単離ポリペプチドと、HER−2のECDと結合するモノクローナル抗体の組み合わせである、HER−2を過剰発現する固形ガンを治療するための請求項19に記載の薬理学的組成物。
  21. HER−2の過剰発現を特徴とする固形ガン組織に治療薬を到達させる方法であって、この治療薬を、配列ID番号1または配列ID番号12の配列から取られた約50〜79個のアミノ酸を含み、HER−2の細胞外領域(ECD)に少なくとも10のアフィニティで結合する単離ポリペプチドに付着させる操作を含む方法。
  22. 長さがアミノ酸約69〜79個である、固形ガン組織に治療薬を到達させる請求項21に記載の方法。
  23. 上記単離ポリペプチドが、HER−2のECD上の部位のうち、ハーセプチン(登録商標)の結合部位とは異なる部位に結合する、固形ガン組織に治療薬を到達させる請求項21に記載の方法。
  24. HER−2を過剰発現するガンの患者におけるガン治療の予後を予測する方法であって、(a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択したから体液サンプルを取得し、(b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体に基づくアッセイを行なうことにより、発現したp68HER−2の量を測定する操作を含む方法。
  25. 体液中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む、HER−2を過剰発現するガンの治療の予後を予測する請求項24に記載の方法。
  26. p68HER−2とp185HER−2の量の比を測定する操作をさらに含み、p185HER−2に対するp68HER−2の比の値が大きいほど患者の予後が優れている、HER−2を過剰発現するガンの治療の予後を予測する請求項25に記載の方法。
  27. ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、
    (a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、
    (b)配列同定アッセイにより、この体液サンプル中にECD IIIaが変異したタンパク質またはDNA配列、すなわちHER−2のイントロン8が変異したDNA配列が存在しているかどうかを判定し、
    (c)歴史データベースを用いて、このECD IIIaが変異したタンパク質またはDNA配列、すなわちHER−2のイントロン8が変異したDNA配列の存在を、ガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法。
  28. 上記配列同定アッセイを、DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ELISA免疫アッセイ、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択する、請求項27に記載の診断方法。
  29. 体液中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む、請求項27に記載の診断方法。
  30. ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、
    (a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、
    (b)配列同定アッセイにより、この体液サンプル中にHER−2のイントロンが変異したDNA配列が存在しているかどうかを判定し、
    (c)歴史データベースを用いて、このHER−2のイントロンが変異したDNA配列の存在またはその量を、ガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法。
  31. 上記配列同定アッセイを、DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択する、請求項30に記載の診断方法。
  32. 体液中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む、請求項30に記載の診断方法。
  33. ガン患者の治療、予後予測、または診断を行なう方法であって、
    (a)患者の血液、血清、尿、リンパ液、唾液、腫瘍組織、胎盤組織、臍帯組織、羊水、絨毛膜絨毛組織、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択した体液サンプルを取得し、
    (b)ELISA、免疫沈降法、免疫組織化学法、ウエスタンブロット解析法からなるグループの中から選択して抗p68HER−2抗体に基づくアッセイを行なうことにより、この体液サンプル中にp68HER−2のECD IIIa変異体が存在しているかどうかを判定し、
    (c)歴史データベースを用いて、このp68HER−2のECD IIIa変異体の存在またはその量を、ガンの治療および診断と関連づける操作を含む方法。
  34. 上記配列同定アッセイを、DNAシークエンシング、PCRアッセイ、ELISA免疫アッセイ、ハイブリダイゼーション・アッセイ、これらの組み合わせ、からなるグループの中から選択する、請求項33に記載の診断方法。
  35. 体液中のp185HER−2のECDの量を測定する操作をさらに含む、請求項33に記載の診断方法。
  36. p68HER−2とp185HER−2のECDの量の比を測定する操作をさらに含む、請求項35に記載の診断方法。
  37. 配列ID番号1、配列ID番号2、配列ID番号12、配列ID番号13のいずれかで表わされる配列のECD IIIa変異体に対して特異的な抗体。
  38. p68HER−2のECD IIIa変異体3に対して特異的な抗体。
  39. (a)配列ID番号1、配列ID番号2、配列ID番号12、配列ID番号13のいずれかで表わされる配列のECD IIIa変異体に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片と;
    (b)ステップ(a)の抗体の結合を検出できる検出可能な標識とを含む診断キット。
  40. 上記標識を、酵素、放射性標識、発色団、化学発光タグ、蛍光発光体からなるグループの中から選択する、請求項36に記載の診断キット。
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