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JP2004329269A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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JP2004329269A
JP2004329269A JP2003125021A JP2003125021A JP2004329269A JP 2004329269 A JP2004329269 A JP 2004329269A JP 2003125021 A JP2003125021 A JP 2003125021A JP 2003125021 A JP2003125021 A JP 2003125021A JP 2004329269 A JP2004329269 A JP 2004329269A
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slices
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JP2003125021A
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Hiroyuki Itagaki
博幸 板垣
Tetsuhiko Takahashi
哲彦 高橋
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】心筋パーフュージョンにおいて、良好な画質を維持しつつ体動補正を可能にする。
【解決手段】MRI装置の制御部は撮影シーケンスとして、画像化対象である複数のスライスのうち少なくとも1のスライスを除くスライスの信号を飽和するサチュレーションシーケンスと、飽和されなかったスライスについて画像再構成用信号を取得する画像撮影シーケンスと、前記画像撮影シーケンスが対象とするスライスと同一または異なるスライスについて体動ナビゲート信号を取得する体動ナビゲートシーケンスとを備え、これらサチュレーションシーケンス、画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスをスライス位置を変えながら前記複数のスライスについて実行する。サチュレーションにおいて複数のスライスを不飽和とし、その不飽和スライスの一つについて体動ナビゲートシーケンスを行い、別の一つについて体動ナビゲートシーケンスを行う。
【選択図】図8

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明はパーフュージョン撮影機能を備えた磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に体動ナビゲーションによる体動補正機能を備えたこの種のMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置を用いたパーフュージョン撮影、特に心筋パーフュージョン撮影は、心筋血流の異常な分布を高い感度で検出できることから、臨床応用が進んでいる。パーフュージョン撮影は、通常、血液のT1を短縮する造影剤投与のもと、造影剤が目的部位である心筋を通過する間に強調されたMR信号を取得する。この場合、パーフュージョン領域の信号ノイズ(SN)比を高めるために、画像取得のためのパルスシーケンスに先立って、心筋のスピンを飽和させるプリサチュレーションシーケンスを用いる手法がある。例えば、特許文献1には、所定のスライスを除く、切り取られたプロファイルを有するRF飽和パルスを用いて、当該スライス以外のスライスを飽和し、次いで当該スライスについて画像データ取得のためのパルスシーケンスを実行する手法が記載されている。
【0003】
この手法を模式的に図11に示す。図中、縦軸はスライス番号、横軸の英字s、iはそれぞれサチュレーションシーケンス、画像撮影シーケンスを意味し、数字はシーケンスの順序を示す。またサチュレーションシーケンスの黒四角は飽和されていることを示す。この手法では、まずs1において2番目のスライスを除くスライスを飽和し、次に2番目のスライスの画像撮影シーケンスi1を実行する。次にs2で4番目のスライスを除くスライスを飽和した後、4番目のスライスの画像撮影シーケンスi2を実行する。このように飽和せずに画像データを取得するスライスを順次変えながら、画像撮影シーケンスを実行する。
【特許文献1】特開2001−120518号公報
【0004】
この方法では、心拍同期撮影と組み合わせることにより、心拍の1区間当たりの撮影スライス数を多くすることができ、しかもSNの良好な画像を得ることができるという利点がある。
【0005】
一方、心筋パーフュージョンなど腹部を撮影する場合には、心拍動のほか、呼吸運動に起因する体動アーチファクトが発生するという問題がある。一般に体動アーチファクトを除去する手法としては、体動情報を反映した信号すなわち体動ナビゲートエコーを用いる方法が知られており、体動ナビゲートエコー信号を取得するためのシーケンスや体動ナビゲートエコーを利用した体動補正方法が種々提案されている。例えば非特許文献2に記載されている方法では、画像再構成用信号の取得に先立って、体動ナビゲート信号を取得し、この体動ナビゲート信号が有する位置情報(位相情報)から、続いて取得された画像再構成用信号の体動成分を除去する補正を行う。図12に、このような体動ナビゲートシーケンスの例を示す。同図(a)に示す体動ナビゲートシーケンスでは、まず画像化しようとするスライスを選択励起した後、位相エンコードを付与せずに一方向の傾斜磁場(ここでは読み出し傾斜磁場Gx)を印加してナビゲート信号を計測し、ついで位相エンコードを付与しながら画像再構成用信号を取得する。このシーケンスではX方向の体動補正を行うことができる。また同図(b)に示す体動ナビゲートシーケンスでは、体動ナビゲートエコー検出のためのRF励起パルス及びスライス選択と、画像再構成用信号検出のためのRF励起パルス及びスライス選択を別途行うとともに、2方向の傾斜磁場(ここでは読み出し方向傾斜磁場Gx及び位相エンコード方向傾斜磁場Gy)を用いて、2方向の移動量を検出している。これによりスライス面内の体動補正を行うことができる。
【非特許文献2】Magnetic Resonance of Medicine, 31, 195−503(1994)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したプリサチュレーションシーケンスを伴う心筋パーフュージョン撮影においても、体動の影響を排除し、高画質、高精度の計測を行うためには、体動ナビゲートシーケンスを適用することが望ましく、体動補正を正確に行うために体動ナビゲートシーケンスは画像撮影シーケンスと連続して行うことが望ましい。
【0007】
しかし、図12(a)に示すシーケンスでは、スライスの選択励起後、体動ナビゲート信号を計測してから画像再構成用信号を計測するので、画像再構成用信号の信号量が低下する。心筋パーフュージョン撮影では、きわめて微細な信号強度の差を利用してパーフュージョン部位を測定するものであるため、このような信号量の低下は画質、精度に大きな影響を与える。また図12(b)に示すシーケンスでは、RF励起パルスとスライス選択を体動ナビゲートシーケンスと画像撮影シーケンスとで別途行っているので、連続励起により撮影対象スライスのスピンが飽和され結果として信号量が低下するとともにプリサチュレーションの効果が阻害され、画像再構成用信号のSNが低下するという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、パーフュージョン撮影において体動ナビゲートを適用し、SNが良好でかつ体動アーチファクトが補正された高画質、高精度の測定が可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
所定の撮影シーケンスを備えた制御部と、前記制御部の制御に従い被検体が置かれる静磁場空間に傾斜磁場及び高周波磁場を発生する各磁場発生手段と、前記被検体が発生するNMR信号を計測し、画像化する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記制御部は前記撮影シーケンスとして、画像化対象である複数のスライスのうち少なくとも1のスライスを除くスライスの信号を飽和するサチュレーションシーケンスと、飽和されなかったスライスについて画像再構成用信号を取得する画像撮影シーケンスと、前記画像撮影シーケンスが対象とするスライスと同一または異なるスライスについて体動ナビゲート信号を取得する体動ナビゲートシーケンスとを備え、これらサチュレーションシーケンス、画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスをスライス位置を変えながら前記複数のスライスについて実行し、前記信号処理手段は、前記体動ナビゲートシーケンスの実行により取得した体動ナビゲート信号を用いて対応するスライスについて取得した画像再構成用信号の体動補正を行うものである。
【0010】
このような本発明のMRI装置によれば、心筋パーフュージョン撮影において体動ナビゲート信号を用いた体動補正を行うことができる。
【0011】
本発明のMRI装置の好適な態様では、制御部は、体動ナビゲートシーケンスを、画像撮影シーケンスの後に、当該画像撮影シーケンスが対象としたスライスと同一のスライスについて実行する。
【0012】
このMRI装置によれば、体動ナビゲートシーケンスを、画像撮影シーケンスの後に行うことにより、同一スライスについて体動ナビゲートシーケンスと画像撮影シーケンスが連続する場合において、画像再構成用信号の連続励起による低下を防止し、体動ナビゲートシーケンスを挿入しても心筋パーフュージョン撮影の画質を良好に保つことができ、しかも体動補正により体動アーチファクトを低減することができる。
【0013】
本発明のMRI装置の別な好適な態様によれば、サチュレーションシーケンスは、2以上のスライスを含む領域(不飽和領域)を除くスライスの信号を抑制し、それに続く画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスでは、不飽和領域内の異なるスライスについて信号を取得する。
【0014】
このMRI装置によれば、サチュレーションシーケンス後に飽和していないスライスであって異なるスライスから画像再構成用信号と体動ナビゲート信号とを取得することができるので、いずれの信号についても信号の低下がない。特にサチュレーションシーケンス後に体動ナビゲートシーケンス、画像撮影シーケンスの順に実行した場合には、サチュレーションから画像取得までの時間間隔が延長されるので、造影剤を用いたパーフュージョン撮影において造影剤のコントラストが強調され、画質を向上することができる。
【0015】
特に好適には、サチュレーションシーケンスの不飽和領域を、次に実行されるサチュレーションシーケンスの不飽和領域と一部オーバーラップするようにする。この場合には、1のサチュレーションシーケンス後に不飽和領域の1スライスについて体動ナビゲート信号を取得した後、次のサチュレーションシーケンス後に飽和されていない同一スライスから画像再構成用信号を取得することができるので、画像再構成用信号において体動ナビゲーションシーケンスに起因する信号量低下を防止できる。これにより良好な画質を保ちつつ、体動補正を行うことができ、画像の高精度化を実現できる。
【0016】
本発明の上記好適な態様において、サチュレーションシーケンスにおける不飽和領域は、連続するスライスから構成されていてもよいし、スライス方向に離れた2以上の領域に分かれていてもよい。不飽和領域が2以上の領域からなる場合にも、上記態様のMRI装置と同様に、1)異なる不飽和領域から画像再構成用信号と体動ナビゲート信号とを取得することができるので、いずれの信号についても信号の低下がない、2)サチュレーションシーケンス後に体動ナビゲートシーケンス、画像撮影シーケンスの順に実行した場合には、サチュレーションから画像取得までの時間間隔が延長されるので、造影剤を用いたパーフュージョン撮影において造影剤のコントラストが強調され、画質を向上することができる、3)サチュレーションシーケンスの不飽和領域を、次に実行されるサチュレーションシーケンスの不飽和領域と一部オーバーラップするようにすることにより、画像再構成用信号において体動ナビゲーションシーケンスに起因する信号量低下を防止でき、良好な画質を保ちつつ、体動補正を行うことができ、画像の高精度化を実現できる、という効果を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図である。このMRI装置は、患者などの検査対象102が置かれる空間に均一な静磁場を発生するための磁石101と、この空間に検査対象102を搬入するためのベッド103と、検査対象に高周波磁場を照射し、検査対象から発生する核磁気共鳴信号(エコー信号)を検出するRFコイル104と、静磁場にx方向、y方向及びz方向の磁場勾配を発生させるための傾斜磁場発生コイル105、106、107と、これらの動作を制御する制御系とを備えている。なお、ここでは検査対象の体軸方向(水平方向)に静磁場を発生する磁石を採用した水平磁場方式MRI装置を示したが、体軸方向と直交する方向に静磁場を発生する垂直磁場方式のMRI装置であってもよい。またRFコイル104は、高周波磁場の照射とエコー信号の検出を兼ねたものを示したが、これらは別個に備えられていてもよい。
【0019】
RFコイル104は、図示するような両用タイプの場合、図示しない切り替え回路を介して高周波磁場送信部と高周波磁場受信部とに接続されている。高周波磁場送信部は、主として、所定の周波数の高周波信号を発生するシンセサイザ112と、シンセサイザ112が発生する高周波信号を所定のエンベロープの信号に変調する変調回路113と、RFコイル104に電源を供給する高周波電源108とから構成される。また高周波磁場受信部は、増幅器114及び直交位相検波回路、A/D変換器などを含む受信器115から構成される。
【0020】
3方向の傾斜磁場発生コイル105、106、107はそれぞれ電源109、110、111に接続されている。これら傾斜磁場電源109、110、111、高周波磁場送信部及び高周波磁場受信部の動作は、パルスシーケンスと呼ばれるタイミングチャートに従い制御系で制御される。制御系は、計測されたエコー信号に対し補正計算、フーリエ変換など種々の計算を行うとともに装置全体の制御を行う計算機118と、計算結果である画像やスペクトル等及びユーザーからの入力を行うためのGUI等を表示する表示装置119と、計算機118の計算に必要なデータや計算後のデータを記憶する記憶装置117と、計算機118の指令に基づきあらかじめ選択されたパルスシーケンスに従い、傾斜磁場電源109、110、111、高周波磁場送信部及び高周波磁場受信部を制御するシーケンサ116とを備えている。また計算機118は、図示しない入力装置を備えており、検査対象の登録、呼び出し、撮影法に応じたパルスシーケンスの選択、撮影パラメータの入力等を行うことができる。
【0021】
本発明のMRI装置では、撮影法としてパーフュージョン撮影のためのパルスシーケンスがあらかじめ設定されており、入力装置を介して選択することによりパーフュージョン撮影を開始することができる。これらパルスシーケンスの詳細については後述する。
【0022】
次に本発明のMRI装置が採用するパーフュージョン撮影の実施形態を説明する
図2は、パーフュージョン撮影の第1の実施形態を示す図であり、図3は計算機118内部の処理の手順を示すフロー図を示す図である。図2において、縦軸はスライス位置を、横軸は時間(シーケンスの実行順序)を示し、s1、s2、s3、s4はそれぞれサチュレーションシーケンス、i1、i2、i3、i4はそれぞれ画像撮影シーケンス、n1、n2、n3、n4はそれぞれ体動ナビゲートシーケンスを示す図である。ここでもサチュレーションシーケンスの黒四角は飽和されていることを示す(以下、同じ。)なお図2では、それぞれのシーケンスについて4つしか示していないが、これらシーケンスは画像対象とする全てのスライス(ここではスライス1〜8)について信号取得するまで実行される。
【0023】
本実施形態では、図2に示すように、サチュレーションシーケンスsk (kは1,2,3・・・を表す。以下、同じ)の後に、まず画像撮影シーケンスikを行って画像再構成用信号を取得し、次いで体動ナビゲートシーケンスnkを行うことが特徴である。パーフュージョン撮影が選択されると、これら3つのシーケンスの条件を導出する(ステップ301)。条件とは、撮影するスライスの順序、スライス位置に応じた高周波パルスの周波数及び位相であり、これら条件は、例えばテーブルとして記憶装置117内に格納されている。
【0024】
次いで最初のスライス位置を設定し(ステップ302)、設定されたスライス位置に対応した条件で、心筋サチュレーションシーケンスs1を実行する(ステップ303)。例えばサチュレーションシーケンスs1では、画像再構成用信号を取得しようとするスライス2を除くスライスを含むボリューム全体を励起する高周波パルスを照射し、スライス2以外のスライスの信号を抑制する。次いでサチュレーションシーケンスs1で飽和されなかったスライス2のみを選択的に励起する条件を設定し、スライス2について画像撮影シーケンスi1を実行する(ステップ304)。画像撮影シーケンスで取得した画像再構成用信号は制御系(信号処理系)の記憶装置117内の所定アドレスに格納される(ステップ305)。画像撮影シーケンスi1に続いて同じスライス2について体動ナビゲートシーケンスn1を実行する(ステップ306)。体動ナビゲートシーケンスで取得した体動ナビゲート信号は信号処理系(制御系)の記憶装置117内の所定アドレスに格納される(ステップ307)。このようなサチュレーションシーケンス(ステップ303)から体動ナビゲートシーケンス(ステップ306)までのサイクルをスライス位置を更新しながら(ステップ310)繰り返し、全ての画像化対象スライスを撮影するまで行う(ステップ309)。
【0025】
一方、制御系では、上述したように各サイクルにおける画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスで取得した信号を、それぞれ記憶装置117の所定のアドレスに格納した後(ステップ305、307)、画像再構成用信号を、それと同じサイクル内で得られた同一スライスの体動ナビゲート信号で体動補正を行う(ステップ308)。体動ナビゲート信号を用いた体動補正には公知の手法がいくつかあり、そのいずれを採用することも可能であるが、ここではあらかじめ作成した基準位置と、ナビゲート信号から導出される現在位置とを比較し、その差分を体動成分として画像再構成用信号を補正する手法を説明する。
【0026】
まず基準位置の位相マップを作成するために、最初のサチュレーションシーケンスに先立って撮像対象である全てのスライスについて体動ナビゲートシーケンスを実行する。これにより得られた体動ナビゲート信号をフーリエ変換して基準位置を反映する位相マップを作成し記憶装置の所定アドレスに格納しておく。その後、図3に示すような手順で撮影を行い、画像撮影シーケンスと組み合わせて実行した体動ナビゲーションシーケンスで計測した体動ナビゲーション信号をフーリエ変換して、その画像撮影シーケンス実行時の撮影対象の位置(現在位置)を反映した位相マップを作成する。基準位置の位相マップと現在位置の位相マップの差分をとり、体動成分を求める。この位相差マップは、体動ナビゲーション信号を取得した軸を横軸とする一次直線で表すことができ、その傾きが体動成分となる。所定アドレスに格納した画像再構成用信号をフーリエ変換した後、変換後の信号から体動成分を除去する。
【0027】
このように全てのスライスの画像再構成用信号について体動成分を補正することにより、最終的に3次元の心筋パーフュージョン画像データを得ることができる。この実施形態によれば、心筋パーフュージョン撮影において目的とするスライス以外のスライスからの信号を抑制することにより、SNの優れた画像データが得られるとともに、画像撮影シーケンスの後に体動ナビゲートシーケンスを行うことにより体動ナビゲートシーケンスを挿入することによる信号の劣化を防止し、しかも画像用信号の体動補正を行うことが可能となり、体動アーチファクトが抑制された高精度、高画質のパーフュージョン画像を得ることができる。
【0028】
次に本発明のパーフュージョン撮影で採用するサチュレーションシーケンス、画像撮影シーケンスおよび体動ナビゲートシーケンスの詳細について説明する。
【0029】
上述したようにサチュレーションシーケンスでは、特定の領域(不飽和領域)を除く領域を飽和するために、例えば図4(c)に示すような特定の領域(スライス)を除く励起プロファイルを有する高周波パルスを用いる。この高周波パルスは図4(c)に右側に示すように、同図(a)のsinc関数と(b)で示すインパルス群を合成した磁場波形の高周波パルス(sinc関数を包絡線とする強度変調されたインパルス群)であり、図4(c)に左側に示すような複数の矩形プロファイルの励起を実現できる。この際、sinc波形の幅2T1とインパルス群の間隔T2を調整することにより、所望の幅を不飽和領域、飽和領域とするサチュレーションパルスとすることができる。すなわち飽和しないスライスの数、飽和するスライスの数を調整できる。また強度変調されたインパルス群の周波数あるいは位相を変更することにより、図4(c)に左側に示す励起プロファイルの位置を移動することができる。従って図2に示すようなパーフュージョン撮影の実行に際しては、各シーケンスにおいて用いる高周波パルスの周波数をテーブル化しておき、テーブルとして保持された周波数の値に従って各シーケンスの高周波パルスを変更して印加することによりスライス位置の移動を行うことができる。図5にサチュレーションシーケンス用周波数テーブルの一例を示す。またこのような高周波パルスを用いたサチュレーションシーケンスの一例を図6に示す。図示するように特定の励起プロファイルを有する高周波パルスRFを撮影対象スライス全体を選択する選択傾斜磁場Gzとともに印加することによって、例えば図2に示すように、1スライスが不飽和領域で、その両側が飽和領域である励起プロファイルとすることができる。
【0030】
画像撮影シーケンスは、例えばグラディエントエコー法、2D−EPI(Echo Planar Imaging)のような高速イメージングおよび超高速イメージングであり、50ms〜150msで選択されたスライスの画像用データを取得する。体動ナビゲートシーケンスは、例えば画像撮影シーケンスにおける傾斜磁場の影響をキャンセルするリフェイズ傾斜磁場を印加した後、位相エンコード傾斜磁場をかけずに、体動補正すべき体動の方向に読み出し傾斜磁場をかけて体動ナビゲート信号を計測する。
【0031】
画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスの一例を図7に示す。図7においてRFは高周波励起パルス、Gzはスライス選択傾斜磁場、Gyは位相エンコード傾斜磁場、Gxは読み出し傾斜磁場、A/Dは信号取得のサンプリング時間を示す。従来の体動ナビゲートシーケンスを示す図12との対比から明らかなように、本実施例では体動ナビゲートシーケンスの前に画像撮影シーケンスを実行する。すなわち、図7(a)に示すように、スライス選択傾斜磁場702とRFパルス701とを同時に印加して、先行するサチュレーションシーケンスで励起されなかったスライスを選択励起する。次いで位相エンコード傾斜磁場703を印加して、さらに読み出し傾斜磁場704を印加しながら画像再構成用のエコー信号を計測する。このRFパルス701からエコー信号取得705までを位相エンコード傾斜磁場703の強度を変えながら繰り返し、画像再構成に必要な位相エンコード数のエコー信号を取得する。次いで最後の繰り返し時間で印加した位相エンコード傾斜磁場703と逆極性の傾斜磁場704を印加してリフェイズした後、読み出し方向の傾斜磁場706を印加しながら体動ナビゲート信号を取得する。あるいは図7(b)に示すように、(a)と同様の画像撮影シーケンスを実施した後、スライス選択傾斜磁場711とRFパルス712を印加して画像撮影シーケンスと同じスライスを選択励起し、読み出し方向及び位相エンコード方向の傾斜磁場713、714をそれぞれ印加しながら2つの体動ナビゲート信号を計測する。このように2以上の方向について体動情報を得る場合には、画像撮影シーケンスとは別に励起パルスによる励起を行ったほうが体動ナビゲート信号について信号量の低下が少なく、精度のよい体動補正を行うことができる。なお、ここでは画像撮影シーケンスとしてグラディエントエコー法によるパルスシーケンスを示しているが、1回の励起で複数のエコー信号を取得するEPIあるいは分割EPIのシーケンスを採用してもよい。
【0032】
以上、本発明の一実施形態として、サチュレーションシーケンスにおいて飽和されなかった一つのスライスについて画像撮影シーケンスと体動ナビゲートシーケンスをこの順で実行する実施形態(図2、図3)を説明するとともに、この心筋パーフュージョン撮影に用いられる各シーケンスについて説明した。
【0033】
次に本発明の第2の実施形態として、さらに画質の改良された撮影シーケンスを説明する。この実施形態では、サチュレーションシーケンスにおいて励起されない領域(不飽和領域)を2以上のスライスで構成し、飽和されていない2以上のスライスのうち一つについて画像撮影シーケンスを実行し、他の一つについて体動ナビゲートシーケンスを実行する。ここでもサチュレーションシーケンスとしては図6に示すような高周波パルスを用いたシーケンスを採用する。
【0034】
本発明のパーフュージョン撮影の第2の実施形態を図8に示す。図8においても、縦軸はスライス位置、横軸は時間(シーケンスの実行順序)を表す。この実施形態では、サチュレーションシーケンスで飽和されない領域は3つのスライスを含み、それ以外のスライスが飽和される。不飽和領域として複数のスライスを含む比較的広い領域を設定するには、図4(c)に示す高周波パルスの包絡線のパルス幅T1とインパルス間隔T2を調整する。これにより例えば図8に示すように、3つのスライス(たとえばスライス2〜4)が不飽和領域で、その両側が飽和領域である励起プロファイルとすることができる。この場合にも高周波パルスの周波数あるいは位相を調整することによりスライス位置を変更できることは図2の実施形態と同様である。
【0035】
このようなサチュレーションシーケンスに次いで体動ナビゲートシーケンスと画像撮影シーケンスを実行する。ここで実行する体動ナビゲートシーケンス及び画像撮影シーケンスは、図12(b)に示すものと類似しているが、この場合、体動ナビートシーケンスが対象とするスライスと画像撮影シーケンスが対象とするスライスは、ともに直前のサチュレーションシーケンスで飽和されなかったスライスであって且つ互いに異なるスライスである。例えば図8に示す実施形態では、最初に実行されるサチュレーションシーケンスs1では、スライス2〜4が不飽和領域であり、続く体動ナビゲートシーケンスn1ではスライス4について体動ナビゲートエコーを取得し、画像撮影シーケンスi1ではスライス2について画像再構成用エコーを取得する。
【0036】
また次のサチュレーションシーケンスでs2は、その前に実行されたサチュレーションシーケンスs1の不飽和領域の一部と重複する領域を不飽和領域とする。図示する例では、サチュレーションシーケンスs2ではスライス4〜6が不飽和領域となる。このサチュレーションシーケンスs2に続く画像撮影シーケンスi2では、1回目の体動ナビゲートシーケンスn1で対象としたスライス、すなわちスライス4について画像再構成用エコーを取得する。この場合、スライス4について着目すると、このスライスは1回目および2回目のサチュレーションシーケンスにおいて励起されない不飽和領域内にあり、また体動ナビゲートエコー取得後サチュレーションシーケンスs2を実行する時間を挟んで画像再構成用エコーを取得しているので、画像再構成用エコーの信号量低下がなく、SNの良好な信号を得ることができる。またサチュレーションシーケンスから画像再構成用エコー取得までの時間が延長されるので、造影剤を用いた心筋パーフュージョンにおいて造影剤のコントラストが強調され、心筋パーフュージョン画像の高画質化を実現できる。さらに体動ナビゲートエコーについても不飽和領域から信号を取得するので、信号量低下が防止される。
【0037】
このように本実施形態では、複数のスライスを含む領域を不飽和領域とし、不飽和領域内の異なるスライスについて体動ナビゲートエコーと画像再構成用エコーを取得するとともに、このサチュレーションシーケンスから画像撮影シーケンスまでを1サイクルとして、不飽和領域が一部重複するように順次ずらしながら実行し、すべてのスライスについて画像再構成用エコーを取得するまで繰り返す。そして前のサイクルで取得した体動ナビゲートエコーを用いて画像再構成用エコーを体動補正し、補正後の信号を用いて画像を再構成する。
【0038】
なお本実施形態において不飽和領域が含むスライス数は2以上であればよいが、スライスのオーバーラップを考慮し、且つサチュレーションの効果を実効あらしめるためには、図示するようにスライス数を3とし、中間のスライスを除く2つのスライスの一方で体動ナビゲート信号、他方で画像再構成用信号を取得することが好適である。
【0039】
本実施形態によれば、図2の実施形態と比較した場合、体動ナビゲートエコーおよび画像再構成用エコーの両者について信号量低下のない信号を取得することができる。また同一のスライスについてみると、画像撮影シーケンスと体動ナビゲートシーケンスとが連続していないため、いずれにおいても信号量の低下を防止できる。上記2つの効果は画像撮影シーケンスと体動ナビゲートシーケンスのどちらを先行しても得ることができるが、特に図示するように体動ナビゲートを先行した場合には、サチュレーションシーケンスから画像再構成用エコー取得までの時間が延長されるので、造影剤のコントラストが強調されたSNが良好な心筋パーフュージョン画像が得られる。
【0040】
次に本発明の心筋パーフュージョン撮影の第3の実施形態を説明する。図9は第3の実施形態を示す図であり、ここでも符号は図2および図8の実施形態と同様である。この実施形態では、サチュレーションシーケンスでスライス方向に離れた2以上の不飽和領域を設け、続く体動ナビゲートシーケンスおよび画像撮影シーケンスでは、それぞれ異なる不飽和領域内のスライスについて信号を取得する。すなわち図示する例では、12のスライス1〜12のうち、スライス2,3、スライス7,8、スライス12がサチュレーションシーケンスs1で飽和されない不飽和領域であり、続く体動ナビゲーションシーケンスn1ではスライス8から信号を取得し、画像撮影シーケンスではスライス2から信号を取得する。このような選択励起(不飽和領域の設定)も図4(c)に示す高周波パルスを用い、包絡線の幅およびインパルス間隔を変更することにより実現できる。
【0041】
本実施形態でも、サチュレーションシーケンス、体動ナビゲーションシーケンスおよび画像撮影シーケンスを1サイクルとして、サチュレーションシーケンスにおける不飽和領域をずらしながら各サイクルを実行し、その際、前の不飽和領域のスライスと次の不飽和領域のスライスが一部重複するようにする。そして次のサイクルでは、前のサイクルで体動ナビゲートエコーを取得したスライスについて画像再構成用エコーを取得し、前のサイクルの体動ナビゲートエコーを用いて体動補正する。
【0042】
本実施形態によれば、図8の実施形態と同様に、異なる不飽和領域からそれぞれ体動ナビゲートエコーと画像再構成用エコーを取得しているので、両者ともに劣化のない信号を得ることができ、体動補正を有効に行うことができる。同一スライスについては、体動ナビゲートシーケンス後にサチュレーションシーケンスを経てから画像撮影シーケンスが実行されるので、画像再構成用エコーの信号量低下が防止される。さらに体動ナビゲートシーケンスを画像撮影シーケンスに先行することにより、サチュレーションから画像取得までの時間間隔が延長されるので、造影剤のコントラストが強調された高画質のパーフュージョン画像を得ることができる。
【0043】
以上、第1の実施形態として、サチュレーションシーケンスにおいて一つのスライスを不飽和領域とし、そのスライスについて連続して画像撮影シーケンスおよび体動ナビゲートシーケンスをこの順に実行する撮影方法、第2および第3の実施形態として、サチュレーションシーケンスとして複数のスライスを含む領域を不飽和領域とし、それに次いでそれぞれ異なるスライスについて体動ナビゲートシーケンスおよび画像撮影シーケンスを実行する撮影方法を説明したが、さらにこれらを組み合わせることも可能である。そのような実施形態を図10に示す。
【0044】
この実施形態では、図8に示す第2の実施形態と同様に、サチュレーションシーケンスでは複数のスライス(図では3つのスライス)を含む領域を除いて飽和し、続いて画像撮影用シーケンス、体動ナビゲートシーケンスをこの順で実行し、同一スライスについて画像再構成用信号と体動ナビゲート信号を得る。次のサチュレーションシーケンスでは、不飽和領域の位置を変えて、但し直前の不飽和領域と一部重複するようにして、それ以外の領域を飽和する。このサチュレーションシーケンスに続く画像撮影用シーケンス、体動ナビゲートシーケンスは、重複して飽和されなかったスライスについて画像再構成用信号と体動ナビゲート信号を得る。以下、同様にして不飽和領域の位置を変更しながら各シーケンスを繰り返し、最終的にすべてのスライスについての画像再構成用信号と体動ナビゲート信号を得る。
【0045】
この実施形態では、図7(a)、(b)に示すようなシーケンスを採用し、同一のスライスで得られた体動ナビゲート信号を用いて画像再構成用信号を体動補正することは、第1の実施形態と同様であり、同様の効果(例えば、体動ナビゲートシーケンスを挿入しても画像再構成用信号の信号量低下がないこと)が得られるが、一つのスライスについてみると、サチュレーションシーケンスによる飽和から画像再構成用信号までの時間間隔が延長されるので、造影剤によるコントラストが強調された高画質のパーフュージョン画像が得られるという効果も得られる。
【0046】
以上、本発明のMRI装置が採用する撮影シーケンスの各実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明のMRI装置によれば、パーフュージョン撮影シーケンスに、撮影するスライス順序とシーケンスの組合せを考慮して体動ナビゲートシーケンスを組み込んだことにより、パーフュージョン撮影において効果的に体動補正を行うことができ、高画質、高精度のパーフュージョン画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図
【図2】本発明のMRI装置が採用する撮影シーケンスの一実施例を示す図
【図3】図2の撮影シーケンスの手順を示すフロー図
【図4】撮影シーケンスの撮影条件を格納したテーブルの一例を示す図
【図5】サチュレーションシーケンスで用いる高周波磁場を説明する図
【図6】サチュレーションシーケンスを示す図
【図7】本発明の一実施形態である画像撮影シーケンスと体動ナビゲートシーケンスを示すタイミングチャートを示す図
【図8】本発明のMRI装置が採用する撮影シーケンスの他の実施例を示す図
【図9】本発明のMRI装置が採用する撮影シーケンスの他の実施例を示す図
【図10】本発明のMRI装置が採用する撮影シーケンスの他の実施例を示す図
【図11】従来の心筋パーフュージョン撮影を示す図
【図12】従来の体動ナビゲートシーケンスを示す図
【符号の説明】
101・・・静磁場磁石、104・・・RFコイル、105〜107・・・傾斜磁場コイル、116・・・シーケンサ、117・・・記憶装置、118・・・計算機

Claims (5)

  1. 所定の撮影シーケンスを備えた制御部と、前記制御部の制御に従い被検体が置かれる静磁場空間に傾斜磁場及び高周波磁場を発生する各磁場発生手段と、前記被検体が発生するNMR信号を計測し、画像化する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御部は前記撮影シーケンスとして、画像化対象である複数のスライスのうち少なくとも1のスライスを除くスライスの信号を飽和するサチュレーションシーケンスと、飽和されなかったスライスについて画像再構成用信号を取得する画像撮影シーケンスと、前記画像撮影シーケンスが対象とするスライスと同一または異なるスライスについて体動ナビゲート信号を取得する体動ナビゲートシーケンスとを備え、これらサチュレーションシーケンス、画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスをスライス位置を変えながら前記複数のスライスについて実行し、
    前記信号処理手段は、前記体動ナビゲートシーケンスの実行により取得した体動ナビゲート信号を用いて対応するスライスについて取得した画像再構成用信号の体動補正を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記制御部は、前記体動ナビゲートシーケンスを、画像撮影シーケンスの後に、当該画像撮影シーケンスが対象としたスライスと同一のスライスについて実行することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記サチュレーションシーケンスは、2以上のスライスを含む領域(不飽和領域)を除くスライスの信号を抑制し、それに続く画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスでは、前記不飽和領域内の異なるスライスについて信号を取得することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記サチュレーションシーケンスの不飽和領域は、次に実行されるサチュレーションシーケンスの不飽和領域と一部オーバーラップすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記サチュレーションシーケンスは、スライス方向に離れた2以上の不飽和領域を除くスライスの信号を抑制し、それに続く画像撮影シーケンス及び体動ナビゲートシーケンスでは、互いに異なる不飽和領域に含まれるスライスについて信号を取得することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
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