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JP2004326861A - 対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 - Google Patents

対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 Download PDF

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JP2004326861A JP2003117190A JP2003117190A JP2004326861A JP 2004326861 A JP2004326861 A JP 2004326861A JP 2003117190 A JP2003117190 A JP 2003117190A JP 2003117190 A JP2003117190 A JP 2003117190A JP 2004326861 A JP2004326861 A JP 2004326861A
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Abstract

【課題】AODと他の光情報記録媒体との互換性を有し、球面収差を抑えることが可能な対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明の対物光学素子は、波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2(t2=0.6mm)の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより各光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられる。そして、波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が|m2|<0.01を満たし、波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が−1/20≦m1≦−1/200を満たす。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、波長400nm程度の青色レーザー光を用いることにより光情報記録媒体(光ディスク)の記録密度を高め、記憶容量を大きくしたいわゆる高密度光ディスクの研究・開発が進められている。
高密度光ディスクの規格としては、例えば、対物レンズの像側開口数(NA)を0.85程度、保護基板厚を約0.1mmとするものや、NA及び保護基板厚を従来のDVD(デジタルビデオディスク)と同程度の約0.65及び約0.6mmに抑えたものが知られている。以下の説明においては、NAを0.65程度、保護基板厚を0.6mm程度とする高密度光ディスクを「AOD(Advanced Optical Disc)」と表記する。
【0003】
そして、このような高密度光ディスクと、DVD(デジタルビデオディスク)やCD(コンパクトディスク)等の従来より広く用いられている光ディスクとの互換性を有する光ピックアップ装置に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、互換性を有する光ピックアップ装置においては、使用する光束の波長が異なることから(例えば、AODでは約400nm、DVDでは約650nm)、波長差に起因して生じる球面色収差を実用上支障が無い程度に補正する必要がある。
【0004】
また、例えば光源からの出射光束のパワーを上昇させる際に、光束の波長が瞬間的に変動するいわゆるモードホップが生じると、光軸上に形成される集光スポットの位置が光ディスクの情報記録面から光軸方向にずれるという問題が生じるので、波長変動前後における集光スポットの光軸方向の変動量を小さくし、軸上色収差を抑える補正を行なう必要がある。
特に、AODでは、NAが0.65程度と比較的大きく、光束の波長が400nm程度と短いことに起因して、モードホップ時の波長の変動量が大きくなることから、集光スポットの位置ずれ量が大きくなるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−298422号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示された対物レンズは、対物レンズの一方の光学面に回折構造(回折レンズ構造)を設けるとともに、短波長側と長波長側とで異なる回折次数光を使用することにより色収差を抑えるものである。
ところが、回折構造を用いる場合には光量が低下するという問題がある。また、回折構造は、加工性に優れるプラスチック製レンズに設ける場合が多いが、プラスチックレンズは温度変化により屈折率が変化するという特性を有するため、温度変化に起因した球面収差が発生するという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、AODと他の光情報記録媒体との互換性を有し、球面収差を抑えることが可能な対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01を満たし、且つ前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に形成する集光スポットの開口数NA1が0.60≦NA1≦0.70を満たす対物光学素子であって、前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が|m2|<0.01を満たし、且つ前記保護基板厚t2が0.70mm≦t2≦0.77mmを満たすことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、第1光情報記録媒体を使用する際に対物光学素子(対物レンズ)に対してほぼ平行光が入射するいわゆる無限系の構成とし、波長λ1の光束の色収差を補正する設計とした場合でも、保護基板厚t2を0.70mm≦t2≦0.77mmの範囲内とすることにより、第2光情報記録媒体を使用する際にも無限系の構成で、且つ波長λ2の光束に対して色収差が補正された光ピックアップ装置を得ることができる。
また、対物レンズをガラスで成形することができるので、温度変化による影響を受けにくい温度特性に優れた光ピックアップ装置を得ることができる。
また、対物レンズに回折構造を設けることなく2種類の光情報記録媒体で互換性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の対物光学素子であって、単玉のレンズで構成され、レンズ材料の分散値νdがνd≧50を満たすことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、単玉の対物レンズの分散値νdを50以上とすることにより、波長特性を向上することができる。図7は、分散値が異なる3種類のレンズ材料(M1〜M3)に関する、波長と屈折率の関係を示すものである。一般に、レンズ材料(光学材料)の屈折率は波長に対してリニアではなく、また、短波長側で波長変化に対する屈折率変化の割合が大きくなるいわゆる波長依存性が大きく、更に、レンズ材料によって波長依存性が大きく異なる。この点を考慮して、対物レンズを分散値νdが50以上のレンズ材料(M1及びM2)により成形することにより、波長依存性を小さく抑えることが可能となり、例えば、光情報記録媒体に情報を記録する際にモードホップが生じた場合でも、屈折率変化を小さく抑え、集光スポットの光軸方向の変動量を小さくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の対物光学素子であって、前記保護基板厚t2が0.72mm≦t2≦0.76mmを満たすことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、一般に保護基板厚が大きいと駆動中の光情報記録媒体が光軸方向に傾斜した場合のコマ収差の発生量が大きくなることから、保護基板厚t2を上記範囲内とすることにより、上記コマ収差の発生量を抑えることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2(t2=0.6mm)の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が|m2|<0.01を満たす対物光学素子であって、前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が−1/20≦m1≦−1/200を満たすことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、波長λ1の光束に対する光学系倍率m1を−1/20≦m1≦−1/200の範囲内とし、光軸に対して僅かに傾斜した発散光を対物光学素子に入射させる構成とすることにより、保護基板厚t2が0.6mmの第2光情報記録媒体を使用する際に無限系の構成で、且つ波長λ2の光束に対して色収差が補正された光ピックアップ装置を得ることができる。
m1が上限値(−1/200)を上回ると波長λ2の光束に関する残留収差が発生し、下限値(−1/20)を下回ると波長λ1の光束に関する軸外特性が悪化する。
また、対物レンズをガラスで成形することができるので、温度変化による影響を受けにくい温度特性に優れた光ピックアップ装置を得ることができる。
また、対物レンズに回折構造を設けることなく2種類の光情報記録媒体で互換性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2(t2=0.6mm)の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01を満たす対物光学素子であって、前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が−1/20≦m2≦−1/200を満たすことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、波長λ2の光束に対する光学系倍率m2を−1/20≦m2≦−1/200の範囲内とし、光軸に対して僅かに傾斜した発散光を対物光学素子に入射させる構成とすることにより、保護基板厚t1が0.6mmの第1光情報記録媒体を使用する際に無限系の構成で、且つ波長λ1の光束に対して色収差が補正された光ピックアップ装置を得ることができる。
m2が上限値(−1/200)を上回ると波長λ1の光束に関する残留収差が発生し、下限値(−1/20)を下回ると波長λ2の光束に関する軸外特性が悪化する。
また、対物レンズをガラスで成形することができるので、温度変化による影響を受けにくい温度特性に優れた光ピックアップ装置を得ることができる。
また、対物レンズに回折構造を設けることなく2種類の光情報記録媒体で互換性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の対物光学素子であって、単玉のレンズで構成され、レンズ材料の分散値νdがνd≧50を満たすことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、単玉の対物レンズの分散値νdを50以上とすることにより、波長特性を向上することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は6に記載の対物光学素子であって、前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfBμmと規定したときの|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値を1.0μm/nm以下に抑える補正機能を有することを特徴とする。
本明細書中において「集光スポット」とは、対物レンズによって集光される光の波面収差が最も小さくなるデフォーカス位置によって形成されるスポットを指す。従って、波長λ2の光束が対物レンズに入射した場合に集光スポットが形成されるデフォーカス位置fB2と、波長λ2´の光束が対物レンズに入射した場合に集光スポットが形成されるデフォーカス位置fB2´との差ΔfB=fB2´−fB2が、上記「集光スポット間の光軸方向の距離」となる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、対物光学素子が、波長変動前後の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離ΔfBμmにより定義される値|ΔfB/(λ2−λ2´)|を1.0μm/nm以下に抑える補正機能を有するので、モードホップが生じた場合における集光スポットの光軸方向の変動量を小さくすることができる。
例えば光源のモードホップ時のような、波長がλからλ´に短時間で変化した場合、トラッキング追従が間に合わないことから、波長変動前におけるデフォーカス位置で光信号制御を行うことになる。従って、波長変動前後における対物レンズのデフォーカス位置変動が大きい場合、つまり、上記|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値が1.0μm/nm以上の場合、波面収差の劣化が大きくなり、光信号の制御に不都合が生じるおそれがある。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1、4又は5に記載の対物光学素子であって、少なくとも1つの光学面に、通過光束に対して位相差を付与する位相差付与構造を有することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、モードホップにより波長がλ2からλ2´に変動した場合に、これら各光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離が大きくならないように、例えば波長λ2´の光束に対して位相差付与構造が所定の位相差を付与し、その集光位置を調節することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の対物光学素子であって、前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfBμmと規定したときの|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値を0.1μm/nm以下に抑える補正機能が、前記位相差付与構造により達成されることを特徴とする。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、位相差付与構造を設けることで、モードホップが生じた場合における集光スポットの光軸方向の変動量を特に小さくすることができ、波面収差の劣化を特に抑えることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の対物光学素子を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9と同様の効果を得られる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項4又は5に記載の対物光学素子を備える光ピックアップ装置であって、前記対物光学素子と、前記光ピックアップ装置の集光光学系を構成する前記対物光学素子以外の光学素子のうち少なくとも一方が、前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束が前記集光光学系を通過することによって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfB´μmと規定したときの|ΔfB´/(λ2−λ2´)|の値を0.1μm/nm以下に抑える補正機能を有することを特徴とする。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、対物光学素子と対物光学素子以外の光学素子のうち少なくとも一方が、波長変動前後の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離ΔfBμmにより定義される値|ΔfB/(λ2−λ2´)|を1.0μm/nm以下に抑える補正機能を有するので、モードホップが生じた場合における集光スポットの光軸方向の変動量を小さくすることができる。
光学素子としては、入射光束の発散角を変更して出射するコリメータレンズやビームエキスパンダ、あるいは、入射光束の光強度分布を変更して出射するビーム整形素子等が挙げられる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の光ピックアップ装置であって、前記補正機能が、前記光学素子を光軸方向に移動させることにより達成されることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の光ピックアップ装置であって、前記補正機能が、前記光学素子の少なくとも1つの光学面に、通過光束に対して位相差を付与する位相差付与構造を設けることにより達成されることを特徴とする。
【0030】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の光ピックアップ装置であって、前記位相差付与構造が回折構造であり、前記波長λ1の光束が該位相差付与構造により位相差を付与されることにより生じるn(nは自然数)次の回折光を前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させ、前記波長λ2の光束が該位相差付与構造により位相差を付与されることにより生じるm(m≠n、mは自然数)次の回折光を前記第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることを特徴とする。
【0031】
請求項14に記載の発明によれば、回折効率が大きくなる波長λ1とλ2の回折光の組み合わせを選択することにより、情報の記録及び/又は再生に十分な光量を確保できる。なお、好ましい回折次数の組み合わせとしては、(n、m)=(2、3)、(3、5)が挙げられる。
【0032】
請求項15に記載の発明は、請求項10〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を搭載して前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の記録と前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に記録された情報の再生とのうち少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、請求項10〜14と同様の効果を得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
本発明の対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態においては、波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)、波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を出射する第1光源11、第2光源12を備えており、これら各光束を利用して、保護基板厚t1(0.6mm)の第1光情報記録媒体20(本実施の形態においてはDVD)、保護基板厚t2(0.6mm)の第2光情報記録媒体30(本実施の形態においてはAOD)に対して情報の記録及び/又は再生を行なうことが可能な、互換性を有する構成となっている。
なお、本実施の形態においては、保護基板厚t1とt2が等しいので、図1には、DVDの保護基板21とAODの保護基板31を同じ図で示している。
【0034】
まず、光ピックアップ装置の構成について説明する。
図1に示すように、光ピックアップ装置は、第1光源11、第2光源12、コリメートレンズ13、第1〜第3ビームスプリッタ14a〜14c、単玉の対物レンズ40(対物光学素子)、対物レンズ40を所定の方向に移動させる2次元アクチュエータ(図示せず)、凹レンズ15、各光ディスクからの反射光を検出する第1光検出器16、第2光検出器17等から概略構成される。
【0035】
本実施の形態においては、コリメートレンズ13、第1〜第3ビームスプリッタ14a〜14c及び対物レンズ40から集光光学系が構成される。
また、対物レンズ40の波長λ1の光束に対する光学系倍率m1は−1/20≦m1≦−1/200の範囲内であり、波長λ2の光束に対する光学系倍率m2は|m2|<0.010の範囲内、つまりほぼ0となっている。従って、波長λ1の光束は光軸Lに対して僅かに傾斜した発散光として対物レンズ40に入射し、波長λ2の光束は平行光として対物レンズ40に入射するようになっている。
なお、波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01の範囲内であり、波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が−1/20≦m2≦−1/200の範囲内であってもよい。
【0036】
光ピックアップ装置10の動作については周知であるため詳しい説明は省略するが、第1光源11から出射される波長λ1の発散光束は、第1ビームスプリッタ14aを通過して第2ビームスプリッタ14bで反射され、対物レンズ40に入射する。
そして、対物レンズ40の入射面41及び出射面42で屈折作用を受けて、DVDの情報記録面22上に集光し、光軸L上に集光スポットPを形成する。そして、波長λ1の光束は情報記録面22で情報ピットにより変調されて反射される。反射した光束は再び対物レンズ40を通過して、第2ビームスプリッタ14bで反射して分岐される。
そして、分岐された波長λ1の光束は第1ビームスプリッタ14aで反射して分岐され、凹レンズ15を経て第1光検出器16に入射する。
そして、第1光検出器16は入射光のスポットを検出して信号を出力し、その出力された信号を用いてDVDに記録された情報の読み取り信号を得るようになっている。
【0037】
また、第1光検出器16上でのスポットの形状変化や位置変化による光量変化等を検出して合焦検出やトラック検出が行われる。この検出結果に基づいて2次元アクチュエータは波長λ1の光束が情報記録面22上に正確にスポットを形成するように、対物レンズ40をフォーカス方向及びトラッキング方向に移動させる。
【0038】
次に、第2光源12から出射された波長λ2の光束は、第3ビームスプリッタ14cを通過してコリメートレンズ13において平行光化され、第2ビームスプリッタ14bを通過して対物レンズ40に至る。そして、詳しい説明は後述するが、対物レンズ40の入射面41には位相差付与構造50としての回折構造が形成されており、波長λ2の光束は対物レンズ40の入射面41及び出射面42で屈折作用を受けると共に入射面41において回折作用を受けて出射される。
【0039】
そして、AODの情報記録面32上に集光して光軸L上にスポットPを形成する。そして、スポットPに集光した波長λ2の光束は情報記録面32で情報ピットにより変調されて反射される。反射した光束は再び対物レンズ40、第2ビームスプリッタ14b及びコリメートレンズ13を通過して、第3ビームスプリッタ14cで反射して分岐される。以下は、上記波長λ1の光束と同様である。
【0040】
図2に示すように、対物レンズ40は入射面41と出射面42の両面が非球面の単レンズであり、レンズ材料の分散値νdが50以上となっている。分散値νdを50以上とすることにより対物レンズ40の波長特性を向上することができる。
また、入射面41の全域には、入射光束に対して所定の位相差を付与する位相差付与構造50が形成されている。
本実施の形態においては、位相差付与構造50は、光軸Lを中心としたほぼ同心円状に形成されて入射光束を回折させる作用を有する複数の回折輪帯51により構成されている。
【0041】
各回折輪帯51は光軸Lに沿った平面(子午断面)でみた場合に鋸歯状に形成されており、各回折輪帯51に入射する特定波長の光束に対して所定の位相差を付与することにより光束に回折作用を与えるようになっている。
各回折輪帯の始点51aと終点51b(図2に一箇所だけ示す)は図2に示す所定の非球面S(以下、「母非球面」という。)上に位置しており、各回折輪帯51の形状は母非球面Sに対する光軸L方向への変位量で規定することができる。
【0042】
また、母非球面Sは光軸Lを回転中心とする光軸Lからの距離に関する関数で規定することができる。なお、回折輪帯51の設計手法については周知であるため説明を省略する。また、このような位相差付与構造50を出射面42のみに設けても良く、あるいは、入射面41と出射面42の両面に設けても良い。
また、図2の対物レンズ40は、1つの光学素子で構成されたいわゆる単玉の対物レンズ40であるが、2つ以上の光学素子を組み合わせて対物レンズ40を構成する場合であっても、位相差付与構造50を設ける光学面(入射面41及び出射面42)は適宜選択可能である。
【0043】
以上のように、本実施の形態の対物レンズ40及び光ピックアップ装置10によれば、波長λ1の光束に対する光学系倍率m1を−1/20≦m1≦−1/200の範囲内とし、光軸Lに対して僅かに傾斜した発散光を対物レンズ40に入射させる構成とすることにより、保護基板厚t2が0.6mmの第2光情報記録媒体30を使用する際に無限系の構成で、且つ波長λ2の光束に対して色収差が補正された光ピックアップ装置を得ることができる。
【0044】
また、対物レンズ40に形成された位相差付与構造50により、波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束によって形成される2つの集光スポットP間の光軸L方向の距離をΔfBμmと規定したときの|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値(以下、「ベストフォーカス位置変動量」という。)を0.1μm/nm以下に抑える補正機能を有することができる。
なお、本実施の形態においては対物レンズ40に位相差付与構造50を設けるものとしたが、対物レンズ40に位相差付与構造50を設けない場合でも、上記ベストフォーカス位置変動量を1.0μm/nm以下に抑えることが可能であり、DVDとAODの2種類の光情報記録媒体での互換性を十分確保できる。また、位相差付与構造50を対物レンズ40に設けない場合には、対物レンズ40をガラスで成形することができるので、温度変化による影響を受けにくい温度特性に優れた光ピックアップ装置を得ることができる。
【0045】
また、位相差付与構造50を集光光学系を構成する対物光学素子以外の光学素子(本実施の形態においては例えばコリメートレンズ13)に設けることとしても、ベストフォーカス位置変動量を0.1μm/nm以下に抑える補正機能を有する光ピックアップ装置を得ることができる。また、この構成でさらに対物レンズ40にも位相差付与構造50を設けても良い。
また、この光学素子に位相差付与構造50を設けずに、この光学素子を光軸L方向に所定量移動させることによっても、上記補正機能を得ることは可能である。
【0046】
また、図示は省略するが、上述した光ピックアップ装置10に、光情報記録媒体を回転自在に保持する回転駆動装置やこれら各種装置の駆動を制御する制御装置等を組み合わせることで、光情報記録媒体に対する情報の記録及び光情報記録媒体に記録された情報の再生のうち少なくとも一方の実行が可能な互換性を有する光情報記録再生装置を得ることができる。
【0047】
なお、上記実施の形態においては、位相差付与構造50として回折輪帯51を複数形成した構造について説明したが本発明に係る位相差付与構造50はこれに限定されるものではなく、例えば、図3、図4に示すようなものであっても良い。
【0048】
図3に示す対物レンズ40は、位相差付与構造50が、光軸Lを中心とした複数の輪帯面52を、光軸Lにほぼ平行な段差53を介して連続させて構成されている。
各輪帯面52は光軸Lから離れるに従って光源側に突出するように形成されており、各輪帯面52に入射する波長λの光束に対して所定の光路差を付与することにより、各光束に位相差が生じ、結果として各輪帯を通過した光束の位相が、情報記録面22、32上でほぼ揃うようになっている。なお、各段差の形状は母非球面Sに対する光軸L方向への変位量で規定することができる。
【0049】
図4に示す対物レンズ40は、位相差付与構造50が、光軸Lを中心とした複数の回折輪帯54と、これら回折輪帯54の光学面に形成される光軸L方向に沿った階段状の不連続面55とから構成されている。
【0050】
具体的には、対物レンズ40には、光軸Lを中心とした、所定の非球面形状の光学面(母非球面S)に対して実質的な傾きをもつ鋸歯状の不連続面である複数の回折輪帯54が形成されており、さらに、各回折輪帯54の光学面上には、これら回折輪帯54を通過する光束に対して所定の光路差を付与する、光軸Lに沿った階段状の不連続面55が形成されている。
【0051】
図5(a)、(b)中に一点鎖線で示す線は、各回折輪帯54の始点54aを結んでできる仮想の非球面形状からなる光学面(母非球面S)を表すものであり、二点鎖線で示す線は、光軸Lを中心として光軸Lから離れるにしたがってその厚みが増すように形成された、従来より周知の同心円状の鋸歯状の回折輪帯の外形を表すものである。
【0052】
図5(a)、(b)中に実線で示す線は、各回折輪帯54の光学面上に形成されている、各回折輪帯54を通過する光束に対して所定の光路差を付与する階段状の不連続面55の外形を含む、実際のレンズ形状を表すものである。
各不連続面55の深さd1(光軸L方向の長さ)は、波長λの光束に対する対物レンズ40の屈折率をnとした場合に、λ/(n−1)で表される値とほぼ等しくなっており、一つの不連続面55を通過する波長λの光束と、その隣の不連続面55を通過する波長λの光束との間に、ほぼ1波長(λ)に相当する光路差が生じ、かつ波面のずれが生じない長さに設定されている。
また、各不連続面55の形状は、図5中に二点鎖線で示した鋸歯状の回折輪帯54の表面の形状を、各不連続面55に対応する区間で分割して、光軸L方向に平行移動させた形状に近似したものとなっている。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
本実施の形態においては、第1光情報記録媒体20(DVD)の保護基板厚t1が0.6mmであり、第2光情報記録媒体30(AOD)の保護基板厚t2が0.70mm≦t2≦0.77mmの範囲内となっている。また、対物レンズ40の波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01で波長λ2の光束に対する光学系倍率m2も|m2|<0.01を満たす、つまりm1とm2がほぼ0となっている。これにより、波長λ1とλ2の光束は共に平行光として対物レンズ40に入射する。
【0054】
なお、波長λ1の光束を平行光化させるコリメートレンズ60を備える点が、上記第1の実施の形態の光ピックアップ装置10との主な相違点であり、対物レンズ40の形状や、対物レンズ40に位相差付与構造50を設ける点などは一致するため、光ピックアップ装置70の動作の説明は省略する。
本実施の形態の対物レンズ40及び光ピックアップ装置70によれば、DVDを使用する際に対物レンズ40に対してほぼ平行光が入射するいわゆる無限系の構成とし、波長λ1の光束の色収差を補正する設計とした場合でも、保護基板厚t2を0.70mm≦t2≦0.77mmの範囲内とすることにより、AODを使用する際にも無限系の構成で、且つ波長λ2の光束に対して色収差が補正された光ピックアップ装置を得ることができる。
なお、保護基板厚t2を0.72mm≦t2≦0.76mmの範囲内とすることが好ましい。これにより、光情報記録媒体が光軸L方向に傾斜した場合のコマ収差の発生量を抑えることができる。
【0055】
【実施例】
[実施例1]
次に、本発明に係る対物レンズの第1の実施例について説明する。
本実施例における対物レンズは、分散値νd=58.8のレンズ材料により成形された、入射面及び出射面がそれぞれ非球面のプラスチックレンズである。
なお、図示は省略するが、本実施例においては、DVDとAOD共に必要開口数内において収差は実用上支障が無い程度に良好に補正されている。
表1、表2に対物レンズのレンズデータを示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004326861
【表2】
Figure 2004326861
【0057】
表1に示すように、本実施例の対物レンズは、DVDの保護基板厚t1=0.6mm、AODの保護基板厚t2=0.755mm、第1光源から出射される波長λ1=660nmのときの焦点距離f=3.00mm、像側開口数NA1=0.65、光学系倍率m1=0に設定されており、第2光源から出射される波長λ2=405nmのときの焦点距離f=2.904mm、像側開口数NA2=0.67、結像倍率m2=0に設定されている。
表1中の面番号2と3はそれぞれ対物レンズの入射面と出射面を示す。また、riは曲率半径、diは第i面から第i+1面までの光軸L方向の位置、niは各面の屈折率を表している。
【0058】
第2面及び第3面は、それぞれ次式(数1)に表1及び表2に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0059】
【数1】
Figure 2004326861
【0060】
ここで、X(h)は光軸L方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、A2iは非球面係数である。
【0061】
表1に示すように、ベストフォーカス位置変動量は0.6μm/nm(<1.0μm/nm)となり、本実施例の対物レンズは十分な補正機能を有することが分かる。
【0062】
[実施例2]
次に、本発明に係る対物レンズの第2の実施例について説明する。
本実施例における対物レンズは、分散値νd=70.2のレンズ材料により成形された、入射面及び出射面がそれぞれ非球面のガラスレンズである。
なお、図示は省略するが、本実施例においては、DVDとAOD共に必要開口数内において収差は実用上支障が無い程度に良好に補正されている。
表3、表4に対物レンズのレンズデータを示す。
【0063】
【表3】
Figure 2004326861
【表4】
Figure 2004326861
【0064】
表3に示すように、本実施例の対物レンズは、DVDの保護基板厚t1=0.6mm、AODの保護基板厚t2=0.75mm、第1光源から出射される波長λ1=660nmのときの焦点距離f=3.00mm、像側開口数NA1=0.65、光学系倍率m1=0に設定されており、第2光源から出射される波長λ2=405nmのときの焦点距離f=2.927mm、像側開口数NA2=0.67、結像倍率m2=0に設定されている。
【0065】
対物レンズの第2面及び第3面は、それぞれ上記(数1)に表3及び表4に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0066】
表3に示すように、ベストフォーカス位置変動量は0.4μm/nm(<1.0μm/nm)となり、本実施例の対物レンズは十分な補正機能を有することが分かる。
【0067】
[実施例3]
次に、本発明に係る対物レンズの第3の実施例について説明する。
本実施例における対物レンズは、分散値νd=81.6のレンズ材料により成形された、入射面及び出射面がそれぞれ非球面のガラスレンズである。
なお、図示は省略するが、本実施例においては、DVDとAOD共に必要開口数内において収差は実用上支障が無い程度に良好に補正されている。
表5、表6に対物レンズのレンズデータを示す。
【0068】
【表5】
Figure 2004326861
【表6】
Figure 2004326861
【0069】
表5に示すように、本実施例の対物レンズは、DVDの保護基板厚t1=0.6mm、AODの保護基板厚t2=0.73mm、第1光源から出射される波長λ1=660nmのときの焦点距離f=3.07mm、像側開口数NA1=0.636、光学系倍率m1=0に設定されており、第2光源から出射される波長λ2=405nmのときの焦点距離f=3.00mm、像側開口数NA2=0.65、結像倍率m2=0に設定されている。
【0070】
対物レンズの第2面及び第3面は、それぞれ上記(数1)に表5及び表6に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0071】
表5に示すように、ベストフォーカス位置変動量は0.3μm/nm(<1.0μm/nm)となり、本実施例の対物レンズは十分な補正機能を有することが分かる。
【0072】
[実施例4]
次に、本発明に係る対物レンズの第4の実施例について説明する。
本実施例における対物レンズは、分散値νd=64.1のレンズ材料により成形された、入射面及び出射面がそれぞれ非球面のガラスレンズである。
なお、図示は省略するが、本実施例においては、DVDとAOD共に必要開口数内において収差は実用上支障が無い程度に良好に補正されている。
表7、表8に対物レンズのレンズデータを示す。
【0073】
【表7】
Figure 2004326861
【表8】
Figure 2004326861
【0074】
表7に示すように、本実施例の対物レンズは、DVDの保護基板厚t1=0.6mm、AODの保護基板厚t2=0.6mm、第1光源から出射される波長λ1=660nmのときの焦点距離f=3.14mm、像側開口数NA1=0.622、光学系倍率m1=−0.02に設定されており、第2光源から出射される波長λ2=405nmのときの焦点距離f=3.00mm、像側開口数NA2=0.65、結像倍率m2=0に設定されている。
【0075】
対物レンズの第2面及び第3面は、それぞれ上記(数1)に表5及び表6に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0076】
表7に示すように、ベストフォーカス位置変動量は0.5μm/nm(<1.0μm/nm)となり、本実施例の対物レンズは十分な補正機能を有することが分かる。
【0077】
[比較例1]
次に、対物レンズの比較例について説明する。
表9に示すように、本比較例における対物レンズは、分散値νd=33.8のレンズ材料により成形された、入射面及び出射面がそれぞれ非球面のガラスレンズである。
表9、表10に対物レンズのレンズデータを示す。
【0078】
【表9】
Figure 2004326861
【表10】
Figure 2004326861
【0079】
表9に示すように、本比較例の対物レンズは、DVDの保護基板厚t1=0.6mm、AODの保護基板厚t2=0.78mm、第1光源から出射される波長λ1=660nmのときの焦点距離f=3.18mm、像側開口数NA1=0.613、光学系倍率m1=0に設定されており、第2光源から出射される波長λ2=405nmのときの焦点距離f=3.00mm、像側開口数NA2=0.65、結像倍率m2=0に設定されている。
【0080】
対物レンズの第2面及び第3面は、それぞれ上記(数1)に表9及び表10に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0081】
表9に示すように、本比較例においてはベストフォーカス位置変動量が1.2μm/nm(>1.0μm/nm)となり、十分な補正機能を持たないことが分かる。
【0082】
[実施例5]
次に、本発明に係る光ピックアップ装置の実施例について説明する。
本実施例の光ピックアップ装置は、その集光光学系中に、上記実施例2の対物レンズと、位相差付与構造としての回折構造(回折輪帯)を備えたカップリングレンズを有している。
なお、図示は省略するが、本実施例においては、DVDとAOD共に必要開口数内において収差は実用上支障が無い程度に良好に補正されている。
表11、表12にカップリングレンズ及び対物レンズのデータを示す。
【0083】
【表11】
Figure 2004326861
【表12】
Figure 2004326861
【0084】
なお、表11は、第2光源から出射される波長λ2=405nmの光束が、モードホップによりλ2´=410nmに変動した場合におけるデータを示している。
表11中の面番号2はカップリングレンズの入射面を示し、面番号4と5はそれぞれ対物レンズの入射面と出射面を示す。
【0085】
第2面、第4面及び第5面は、それぞれ上記(数1)に表11及び表12に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0086】
また、第2面に形成される回折輪帯のピッチは数2の光路差関数に、表12に示す係数を代入した数式で規定される。
【0087】
【数2】
Figure 2004326861
ここで、B2iは光路差関数の係数である。また、回折輪帯に関するブレーズ化波長は405nmである。
また、表12に示すように波長λ2の光束の3次回折光を用いるものとした。
【0088】
本実施例においてはベストフォーカス位置変動量は0.1μm/nm以下になった。これは、上記第2実施例に示した対物レンズと、回折構造が形成されたカップリングレンズとの協働により、ベストフォーカス位置変動量を抑える機能が高められたことによるものと考えられる。
なお、本実施例においてはカップリングレンズに波長変化時のデフォーカス変動抑制用の上記回折構造を設けたが、対物レンズに回折構造を設けても同様の効果が得られるし、また、カップリングレンズ、対物レンズ以外に別体の回折素子を設けても良い。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、AODと他の光情報記録媒体との互換性を有し、球面収差を抑えることが可能な対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置の一例を示す概略図である。
【図2】対物レンズの構造を示す要部横断面図である。
【図3】対物レンズの構造を示す要部横断面図である。
【図4】対物レンズの構造を示す要部横断面図である。
【図5】対物レンズの構造を示す要部横断面図(a)及び(b)である。
【図6】第2の実施の形態に係る光ピックアップ装置の一例を示す概略図である。
【図7】分散値が異なる3種類のレンズ材料に関する、波長と屈折率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光ピックアップ装置
20 第1光情報記録媒体
22 情報記録面
30 第2光情報記録媒体
32 情報記録面
40 対物光学素子
50 位相差付与構造
70 光ピックアップ装置

Claims (15)

  1. 波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01を満たし、且つ前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に形成する集光スポットの開口数NA1が0.60≦NA1≦0.70を満たす対物光学素子であって、
    前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が|m2|<0.01を満たし、且つ前記保護基板厚t2が0.70mm≦t2≦0.77mmを満たすことを特徴とする対物光学素子。
  2. 請求項1に記載の対物光学素子であって、
    単玉のレンズで構成され、レンズ材料の分散値νdがνd≧50を満たすことを特徴とする対物光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の対物光学素子であって、
    前記保護基板厚t2が0.72mm≦t2≦0.76mmを満たすことを特徴とする対物光学素子。
  4. 波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2(t2=0.6mm)の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が|m2|<0.01を満たす対物光学素子であって、
    前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が−1/20≦m1≦−1/200を満たすことを特徴とする対物光学素子。
  5. 波長λ1(640nm≦λ1≦670nm)の光束を保護基板厚t1(t1=0.6mm)の第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に波長λ2(400nm≦λ2≦415nm)の光束を保護基板厚t2(t2=0.6mm)の第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置に用いられ、前記波長λ1の光束に対する光学系倍率m1が|m1|<0.01を満たす対物光学素子であって、
    前記波長λ2の光束に対する光学系倍率m2が−1/20≦m2≦−1/200を満たすことを特徴とする対物光学素子。
  6. 請求項4又は5に記載の対物光学素子であって、
    単玉のレンズで構成され、レンズ材料の分散値νdがνd≧50を満たすことを特徴とする対物光学素子。
  7. 請求項1又は6に記載の対物光学素子であって、
    前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfBμmと規定したときの|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値を1.0μm/nm以下に抑える補正機能を有することを特徴とする対物光学素子。
  8. 請求項1、4又は5に記載の対物光学素子であって、
    少なくとも1つの光学面に、通過光束に対して位相差を付与する位相差付与構造を有することを特徴とする対物光学素子。
  9. 請求項8に記載の対物光学素子であって、
    前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束によって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfBμmと規定したときの|ΔfB/(λ2−λ2´)|の値を0.1μm/nm以下に抑える補正機能が、前記位相差付与構造により達成されることを特徴とする対物光学素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の対物光学素子を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求項4又は5に記載の対物光学素子を備える光ピックアップ装置であって、
    前記対物光学素子と、前記光ピックアップ装置の集光光学系を構成する前記対物光学素子以外の光学素子のうち少なくとも一方が、前記波長がλ2からλ2´に変動した場合において、これら波長λ2とλ2´の光束が前記集光光学系を通過することによって形成される2つの集光スポット間の光軸方向の距離をΔfB´μmと規定したときの|ΔfB´/(λ2−λ2´)|の値を0.1μm/nm以下に抑える補正機能を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 請求項11に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記補正機能が、前記光学素子を光軸方向に移動させることにより達成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  13. 請求項11に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記補正機能が、前記光学素子の少なくとも1つの光学面に、通過光束に対して位相差を付与する位相差付与構造を設けることにより達成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  14. 請求項13に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記位相差付与構造が回折構造であり、前記波長λ1の光束が該位相差付与構造により位相差を付与されることにより生じるn(nは自然数)次の回折光を前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光させ、前記波長λ2の光束が該位相差付与構造により位相差を付与されることにより生じるm(m≠n、mは自然数)次の回折光を前記第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることを特徴とする光ピックアップ装置。
  15. 請求項10〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を搭載して前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に対する情報の記録と前記第1光情報記録媒体及び第2光情報記録媒体に記録された情報の再生とのうち少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする光情報記録再生装置。
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