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JP2004325971A - 積層位相差板及びその製造方法 - Google Patents

積層位相差板及びその製造方法 Download PDF

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JP2004325971A
JP2004325971A JP2003122969A JP2003122969A JP2004325971A JP 2004325971 A JP2004325971 A JP 2004325971A JP 2003122969 A JP2003122969 A JP 2003122969A JP 2003122969 A JP2003122969 A JP 2003122969A JP 2004325971 A JP2004325971 A JP 2004325971A
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retardation
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reo
retardation plate
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JP2003122969A
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English (en)
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Mitsugi Uejima
貢 上島
Toshihide Murakami
俊秀 村上
Kohei Arakawa
公平 荒川
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】広波長帯域における位相差特性に優れた積層位相差板を提供する。
【解決手段】正の固有複屈折値を有する材料Aを主成分とする第1層と、負の固有複屈折率値を有する材料Bを主成分とする第2層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層体を延伸して形成された積層位相板であり、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たし、前記第1層及び第2層の少なくとも一層が以下の関係を満たす。||Re’(450)/Re’(550)−1|−|ReO(450)/ReO(550)−1||≧0.005・・・関係式(1)及び/又は||Re’(650)/Re’(550)−1|−|ReO(650)/ReO(550)−1||≧0.005・・・関係式(2)(但しRe’(450),Re’(550)及びRe’(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示し、ReO(450)、ReO(550)及びReO(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層における主成分のみで形成されている層のレターデーションを示す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は積層位相差板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、広い波長域にわたって位相差特性の優れた積層位相差板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、広い波長域にわたって波長による位相差の変化が少なくて、その一定性に優れる積層位相差板ないし位相差シートが、種々開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「波長450nmの光におけるリタデーション/波長550nmの光におけるリタデーションが1.00〜1.05で、リタデーションが大きい複屈折性フィルムと、前記の比が1.05〜1.20で、リタデーションが小さい複屈折性フィルムとが、それらの光軸が交差した状態で積層されてなることを特徴とする位相差板」が開示されている。
【0004】
特許文献2には、「単色光に対して1/2波長の位相差を与える複数の延伸フィルムをそれらの光軸を交差させて積層して成ることを特徴とする積層波長板」が、開示されている。
【0005】
特許文献3には、「複屈折光の位相差が1/4波長である1/4波長板と、複屈折光の位相差が1/2波長である1/2波長板とを、それらの光軸が交差した状態で張り合わせたことを特徴とする位相差板」が開示されている。
【0006】
特許文献4には、「レターデーション値が160〜300nmである位相差板の少なくとも2枚が、その遅相軸が互いに平行でも直交でもない角度になるように積層されてなる偏光軸回転積層位相差板」が開示されている。
【0007】
これら特許文献に開示された位相差板はいずれも、異なる光学異方性を有する複数のフィルムないしシートを積層してなる。複数のフィルムないしシートの積層体である位相差板は、一方向に延伸したフィルムないしシートをその長尺方向が延伸方向に対して相互に異なる角度をなすように切り出して2枚のチップを形成し、この2枚のチップを粘着剤又は接着剤で貼り合わせて積層することにより、製造される。したがって、従来の位相差板は、延伸フィルムからチップを切り出す切り出し工程、切り出されたチップに粘着剤又は接着剤を塗布する塗布工程、粘着剤又は接着剤を塗布した2枚のチップを貼り合わせる貼付工程等の煩雑で複雑な工程により製造されている。しかも2枚のチップを貼り合わせる際に角度がわずかにずれたりすると、光学性能が低下するという問題もある。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−27118号公報、特許請求の範囲
【特許文献2】
特開平5−100114号公報、特許請求の範囲
【特許文献3】
特開平10−68816号公報、特許請求の範囲
【特許文献4】
特開平10−90521号公報、特許請求の範囲
特許文献5には、「<1> 固有複屈折値が正である材料と負である材料とを含有してなり、波長450nm、550nmおよび650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)およびRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)であることを特徴とする位相差板、
<2> 固有複屈折値が正の材料からなる第一の層と、固有複屈折値が負の材料からなる第二の層とを有し、前記第一の層および前記第二の層は複屈折を有し、且つ前記第一の層および前記第二の層の遅相軸を互いに直交させて積層してなることを特徴とする位相差板、
<3> 固有複屈折値が正の材料からなる第一の層と、固有複屈折値が負の材料からなる第二の層とを有し、前記第一の層および前記第二の層は各々複屈折を有し、且つ前記第一の層における分子鎖の配向方向と、前記第二の層における分子鎖の配向方向とが等しいことを特徴とする位相差板、
<4> 固有複屈折値が正または負の材料からなる第三の層を有し、前記第三の層は複屈折性を示し、且つ固有複屈折値が正、負、および正の材料からなる層を順次積層した、または固有複屈折値が負、正、および負の材料からなる層を順次積層した<2>または<3>に記載の位相差板、
<5> 前記固有複屈折値が正の材料および負の材料が各々樹脂である<2>から<4>までのいずれかに記載の位相差板、
<6> 前記第一の層および前記第二の層が各々、前記固有複屈折値が正である樹脂及び負である樹脂からなる延伸フィルムである<2>から<5>までのいずれかに記載の位相差板、
<7> 前記第三の層が、前記第一の層及び前記第二の層を各々構成している前記固有複屈折値が正の樹脂及び負の樹脂に対して、5℃以上低いガラス転移温度を有する樹脂からなる<5>または<6>に記載の位相差板、
<8> 波長450nm、550nmおよび650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)およびRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)である請求項2から7までのいずれかに記載の位相差板、
<9> 前記固有複屈折値が正の材料がノルボルネン系ポリマーである<1>から<8>までのいずれかに記載の位相差板、
<10> 前記固有複屈折値が負の材料がポリスチレンまたはポリスチレン系ポリマーである<1>から<9>までのいずれかに記載の位相差板、
<11> 前記ポリスチレン系ポリマーがスチレン及び/又はスチレン誘導体と、アクリルニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも一種との共重合体である<10>に記載の位相差板、
<12> 波長450nmおよび波長550nmにおけるレターデーション(Re)の絶対値をそれぞれRe(450)およびRe(550)としたとき、前記固有複屈折値が正である材料の(Re(450)/Re(550))の値と、前記固有複屈折値が負である材料の(Re(450)/Re(550))の値との差が、0.03以上である<1>から<11>のいずれかに記載の位相差板、
<13> 波長450nm、波長550nmにおけるレターデーション(Re)値の絶対値をそれぞれRe(450)及びRe(550)としたとき、前記固有複屈折値が正である材料の(Re(450)/Re(550))の値と、前記固有複屈折値が負である材料の(Re(450)/Re(550))の値とが同一でなく、かつ前記固有複屈折値が正である材料の(Re(450)/Re(550))の値が、前記固有複屈折値が負である材料の(Re(450)/Re(550))の値よりも大きいときは、前記固有複屈折値が正である材料のRe(550)の値が前記固有複屈折値が負である材料のRe(550)の値よりも小さいこと、及び、前記固有複屈折値が正である材料の(Re(450)/Re(550))の値が、前記固有複屈折値が負である材料の(Re(450)/Re(550))の値よりも小さいときは、固有複屈折値が正である材料のRe(550)の値が固有複屈折値が負である材料のRe(550)の値よりも大きいこと、の一方を満たす<1>から<12>のいずれかに記載の位相差板、
<14> 光弾性が20ブルースター以下である<1>から<13>までのいずれかに記載の位相差板、
<15> 波長λにおけるレターデーションRe(λ)と波長λとが、λ=450nm、550nm、650nmにおいて、各々、下記関係式を満たす<1>から<14>までのいずれかに記載の位相差板、
0.2 ≦ Re(λ)/λ ≦ 0.3
<16> 波長λにおけるレターデーションRe(λ)と波長λとが、λ=450nm、550nm、650nmにおいて、各々、下記関係式を満たす<1>から<14>までのいずれかに記載の位相差板、
0.4 ≦ Re(λ)/λ ≦ 0.6 」
が、開示されている。
【0009】
しかしながら、この特許文献5に記載の位相差板は、短波長領域及び長波長領域では位相差が十分なレベル(短波長域及び長波長域において、波長λと波長λにおけるレターデーションRe(λ)との関係が、1/4波長板の場合Re(λ)/λ=0.25、1/2波長板の場合Re(λ)/λ=0.50を満たすこと)にはなく、例えば前記1/4波長板を反射型LCDの反射防止用途に用いた場合には、色つきなどの問題が顕在化するといった問題がある。
【0010】
【特許文献5】
特開2002−40258号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、広帯域(短波長域から長波長域)における位相差特性に優れ、かつ反射型LCDに用いた場合に短波長域及び長波長域においても良好な反射防止効果を有する積層位相差板を提供することにある。この発明の他の目的は、前記積層位相差板を、長尺状の位相差シートを切り出して得られたチップを精密に貼り合わせるといった煩雑な工程を経ることなく簡単に製造することができる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、
(1) 正の固有複屈折値を有する材料(A)を主成分とする第1層と、負の固有複屈折率値を有する材料(B)を主成分とする第2層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層体を延伸することにより形成されるところの、複屈折を有する積層位相差板であり、
波長450nm、550nm及び650nmで測定したこの積層位相差板のレターデーションをRe(450)、Re(550)及びRe(650)としたときにRe(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす積層位相差板であって、
前記第1層及び第2層の少なくとも一層が以下の関係を満たすことを特徴とする積層位相差板である。
||(Re’(450)/Re’(550)−1|−|(ReO(450)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(1)
及び/又は
||(Re’(650)/Re’(550)−1|−|(ReO(650)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(2)
(ただし、前記関係式(1)及び(2)において、Re’(450)、Re’(550)及びRe’(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示し、ReO(450)、ReO(550)及びReO(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層における主成分のみで形成されている層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示す。)
この発明に係る積層位相差板の好適な態様においては、第1層、第2層及び第1層がこの順に積層されて成り、又は、第2層、第1層及び第2層がこの順に積層されて成る。
【0013】
この発明に係る積層位相差板の好適な態様においては、前記積層位相差板を形成する各層が粘着剤又は接着剤を介して積層されて成る。
【0014】
前記課題を解決するための他の手段は、
(2) 前記正の固有複屈折率値を有する樹脂(A)を主成分とする第1層用樹脂と、前記負の固有複屈折率値を有する樹脂(B)を主成分とする第2層用樹脂と、粘着剤及び接着剤とを共押出しして積層体を得、次いで前記積層体を延伸することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層位相差板の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明に係る積層位相差板は、正の固有複屈折値を有する材料(A)を主成分とする第1層と、負の固有複屈折値を有する材料(B)を主成分とする第2層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層体を延伸することにより形成されるところの、複屈折を有する積層体であることを一つの特徴とする。
【0016】
前記正の固有複屈折値を有する材料(A)は、分子が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に正の一軸性を示す特性を有する。例えば、前記正の固有複屈折値を有する材料が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より大きくなる材料は、正の固有複屈折値を有する。
【0017】
前記正の固有複屈折値を有する材料(A)としては、オレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアリーレンサルファイド系ポリマー(例えば、ポリフェニレンサルファイドなど)、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、セルロースエステル系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリアリルサルホン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、棒状液晶、棒状液晶ポリマーのごとき樹脂などが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。この発明においては、これらの中でも、オレフィン系ポリマー及びノルボルネン系ポリマーが好ましく、特に、光透過率特性、耐熱性、寸度安定性、光弾性特性等の観点から、ノルボルネン系ポリマーが好ましい。
【0018】
ノルボルネン系ポリマーとしては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、及びこれらの水素添加物、並びにノルボルネン系モノマーの付加重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物が最も好ましい。
【0019】
ノルボルネン系ポリマーは、例えば特開2002−321302号報などに開示されている公知の重合体である。これらのノルボルネン系ポリマーは、一種単独で使用してもいいし、二種以上を併用してもよい。
【0020】
前記樹脂例えばノルボルネン系ポリマー等のオレフィン系ポリマーの重量平均分子量としては、通常10,000〜1,000,000程度であり、好ましくは8,000〜200,000である。
【0021】
前記正の固有複屈折値を有する材料(A)、特に樹脂は、通常、そのガラス転移点が50℃以上であり、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上である。ガラス転移点が前記下限値よりも低いと、配向緩和等の問題を生じることがあり、またガラス転移点が前記上限値よりも高いと、延伸が困難になることもある。
【0022】
前記正の固有複屈折値を有する材料(A)、特に樹脂は、温度250℃で剪断速度180sec−1における溶融粘度が通常300〜3,000Pa・Sであるのが、好ましい。樹脂の溶融粘度が前記下限値よりも小さく、或いは前記上限値よりも大きいと、フィルムの形成が困難になることがある。
【0023】
この発明に係る積層位相差板における第1層は、第1層用樹脂で形成することができ、この第1層用樹脂は、前記材料(A)で形成することもできるし、また、この発明の目的を阻害しない限り他の成分を含有することもできる。
【0024】
この第1層又は第1層用樹脂に含めることのできる他の成分としては、レターデーション調整剤、ブルーイング剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
【0025】
前記レターデーション調整剤としては、有機化合物系、無機化合物系の化合物を使用することができるが、有機化合物系を使用するのが好ましい。有機化合物系のレターデーション調整剤としては、紫外線吸収剤(UVA)、赤外線吸収剤(IR)、及びWO−A1−0065384公報に記載のレターデーション上昇剤等を挙げることができる。これらの中でも、芳香族環を有し、可視領域に実質的に吸収を有しないものが好ましく、250nm〜450nm又は700nm〜1100nmの領域に最大吸収波長を有するものがさらに好ましく、分子の長軸と短軸とで光の吸収が異なる二色性を示すレターデーション調整剤が特に好ましい。
【0026】
二色性を示すレターデーション調整剤をフィルム中に加えて延伸することにより、延伸方向に分子の長軸が配向し、延伸方向、及びこの延伸方向に直交する方向における光吸収を可変することができる。また、光の吸収と屈折率とは、Kramers−Kronigの関係式から光の最大吸収波長領域近傍で屈折率が大きく変化することが知られている。すなわち、二色性を示すレターデーション調整剤を添加した延伸フィルムは延伸方向の屈折率と延伸方向に直交した方向の屈折率とを変化させることができることを示しており、たとえば正の屈折率異方性を有する延伸フィルム中に最大吸収波長が350nmにある二色性を示すレターデーション調整剤を添加した場合では、350nm付近の波長の光に対してのみ延伸方向の屈折率が増加する現象が見られる。結果として、この延伸フィルムは、350nm付近の波長の光に対する延伸方向に置ける屈折率と延伸方向に直交する方向の屈折率との差(Δn)が大きくなり、Δn×dで定義されるレターデーションが大きくなることになる。
【0027】
以上より、二色性を示すレターデーション調整剤を延伸フィルムに添加することにより、任意の波長に対するレターデーションを変化させることができる。レターデーション調整剤の配合割合は、延伸フィルムにおける樹脂の量に対して通常0.05〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であり、樹脂の種類とレターデーション調整剤の種類とに応じて前記範囲内で適切に選択される。
【0028】
前記レターデーション調整剤(C)としては、紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤等を挙げることができる。前記紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−ジターシャリブチルフェニルサリシレート、及びp−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、及び2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tertーアミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、並びにアニリド系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0029】
これら各種の紫外線吸収剤の中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
【0030】
前記赤外線吸収剤としては、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、チオールニッケル錯塩、トリアリルメタン系色素、インモニウム系色素、ジインモニウム系色素、並びにアントラキノン系色素等の有機色素系化合物、及びアルミニューム塩等の無機色素化合物等を挙げることができる。好適な赤外線吸収剤としては、例えば式(7)で示されるインモニウム系色素、式(8)(ただし、カチオン部分だけを示す。)で示されるジインモニウム系色素、及び式(9)で表されるポリメチン系色素等を挙げることができる。
【0031】
【化1】
Figure 2004325971
【0032】
【化2】
Figure 2004325971
【0033】
【化3】
Figure 2004325971
【0034】
負の固有複屈折値を有する材料(B)は、その材料が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に負の一軸性を示す特性を有する。例えば、その材料が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなる材料は、負の固有複屈折値を有する。
【0035】
前記負の固有複屈折値を有する材料としては、樹脂、ディスコティック液晶、ディスコティック液晶ポリマー等種々のものが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。この発明においては、これらの中でも樹脂が好ましい。
【0036】
前記負の固有複屈折値を有する樹脂としては、ポリスチレン、ポリスチレン系ポリマー(スチレン及び/又はスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体)、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、セルロースエステル系ポリマー、あるいはこれらの多元(二元、三元等)共重合ポリマーなどが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0037】
前記ポリスチレン系ポリマーとしては、スチレン及び/又はスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、中でもスチレン及び/又はスチレン誘導体と、アクリルニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも一種との共重合体が好ましい。
【0038】
この発明においては、これらの中でも、ポリスチレン、ポリスチレン系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート系ポリマーの中から選択される少なくとも一種が好ましく、これらの中でも、複屈折発現性が高いという観点から、ポリスチレン、及びポリスチレン系ポリマーがより好ましく、耐熱性が高い点で、スチレン及び/又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が特に好ましい。尚、この発明の位相差板を光学用途(表示素子等)に利用する場合は、ガラス転移点が110℃以上、より好ましくは120℃以上のポリマーを使用するのが好ましい。
【0039】
負の固有複屈折値を有する材料としての樹脂は、温度250℃で剪断速度180sec−1における溶融粘度が300〜3,000Pa・Sであるのが、好ましい。この樹脂の溶融粘度が前記下限値よりも小さくても、また前記上限値よりも大きくても、フィルムの形成が困難になることがある。
【0040】
この発明に係る積層位相差板における第2層は、第2層用樹脂で形成することができ、この第2層用樹脂は、前記材料(B)で形成することもできるし、また、この発明の目的を阻害しない限り他の成分を含有することもできる。
【0041】
この第2層又は第2層用樹脂に含めることのできる他の成分としては、レターデーション調整剤、ブルーイング剤、酸化防止剤等を挙げることができる。第2層又は第2層用樹脂に含められるレターデーション調整剤としては、前記第1層に含められるレターデーション調整剤と同様である。
【0042】
前記第1層に含められるレターデーション調整剤と同様に、第2層に含められるレターデーション調整剤は、二色性を示すレターデーション調整剤が好ましく、この二色性を示すレターデーション調整剤を延伸フィルムに添加することにより、任意の波長に対するレターデーションを変化させることができる。
【0043】
この発明に係る積層位相差板は、正の固有複屈折値を有する材料(A)を主成分とする第1層と負の固有複屈折値を有する材料(B)を主成分とする第2層とを少なくとも有する積層体である。好適な積層位相差板は、第1層と第2層と第1層とをこの順に積層してなる積層体、及び、第2層と第1層と第2層とをこの順に積層して成る積層体である。前記第1層と第2層とは溶融により接着されていてもよいが、接着剤又は粘着剤を介して接着されているのがよい。
【0044】
接着剤又は粘着剤の層を考慮すると、好適な積層位相差板は、第1層と第2層と第1層とをこの順に、接着剤又は粘着剤を介して積層してなる三種五層積層体、及び、第2層と第1層と第2層とをこの順に、接着剤又は粘着剤を介して積層して成る三種五層積層体が好ましい。
【0045】
三種五層積層体である積層位相差板は、接着剤ないし粘着剤を介して第1層及び第2層が接着されているので、熱がかかったときに反りなどの変形を抑えることができるという点で優れている。
【0046】
この積層位相差板では、前記第1層の厚みは、通常10〜200μm、好ましくは40〜120μmである。また第2層の厚みは、通常10〜200μm、好ましくは40〜120μmである。第1層及び第2層の厚みが、前記範囲よりも小さい場合、この発明の位相差が発現されにくいことがある。また逆に、第1層及び第2層の厚みが、前記範囲よりも大きい場合には、積層位相差板の厚みが厚くなるのでその用途によっては好ましくないことがある。
【0047】
第1層と第2層との間に介在する接着剤又は粘着剤の層の厚みは、通常2〜50μmであり、好ましくは5〜20μmである。粘着剤又は接着剤の層の厚みが前記範囲よりも小さい場合には、第1層又は第2層がはがれるおそれがある。逆に、接着剤又は粘着剤の層の厚みが前記範囲よりも大きい場合には、積層位相差板の厚みが厚くなるのでその用途によっては好ましくないことがある。
【0048】
前記接着剤又は粘着剤は、通常、熱可塑性樹脂を主成分とする。前記熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエチレン系、セルロース系などが挙げられる。中でも、酢酸ビニル系粘着剤又は接着剤、及び、アクリル系粘着剤又は接着剤が好ましい。酢酸ビニル系粘着剤又は接着剤における主成分として、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体が、好適である。アクリル系粘着剤又は接着剤における主成分としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等と、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等との共重合体が、好適である。
【0049】
前記接着剤及び粘着剤の中でも、延伸温度よりも低温のガラス転移温度を有する粘着剤又は接着剤が好ましく、特に、前記固有複屈折率が正の樹脂、及び前記固有複屈折率を有する樹脂に対して、5℃以上低いガラス転移温度を有する粘着剤又は接着剤がより好ましく、20℃以上低い粘着剤又は接着剤が特に好ましい。
【0050】
この発明に係る重要なことの一つは、前記第1層及び第2層の少なくとも一層が以下の関係を満たすことである。
||(Re’(450)/Re’(550)−1|−|(ReO(450)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(1)
及び/又は
||(Re’(650)/Re’(550)−1|−|(ReO(650)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(2)
(ただし、前記関係式(1)及び(2)において、Re’(450)、Re’(550)及びRe’(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示し、ReO(450)、ReO(550)及びReO(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層における主成分のみで形成されている層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示す。)
この発明に係る積層位相差板は、第1層及び/又は第2層のレターデーションが上記の関係式(1)及び/又は(2)を満たすことにより、広帯域位相差が改善される。
【0051】
各層のレターデーションが前記関係式(1)及び/又は(2)を満たすためには、前記二色性を示すレターデーション調整剤の添加量を調整することにより達成することができる。
【0052】
この発明にかかる積層位相差板を得るための方法としては、特に制限されず、▲1▼正の固有複屈折値を有する材料(A)を主成分とする第1層用樹脂と、前記負の固有複屈折値を有する材料(B)を主成分とする第2層用樹脂とをそれぞれフィルムに成形し、次いでこれらを接着剤又は粘着剤を介して積層した後、延伸する方法、▲2▼前記第1層用樹脂と、前記第2層用樹脂とをそれぞれフィルムに成形し、次いてこれらを延伸して延伸フィルムを得、次いでこれらを接着剤または粘着剤を介して積層する方法、及び▲3▼前記第1層用樹脂と、第2層用樹脂と、接着剤又は粘着剤とを共押出しして積層体を得、次いで前記積層体を延伸する方法が挙げられる。
【0053】
前記第1層用樹脂及び第2層用樹脂には、既述したように、本発明の目的を阻害しない範囲内で、添加剤等を含めることができる。添加剤としては、レターデーション調整剤、相溶化剤、ブルーインク剤、酸化防止剤等が挙げられる。中でもレターデーション調整剤が好ましく、二色性を示すレターデーション調整剤がさらに好ましい。
【0054】
二色性を示すレターデーション調整剤としては、本発明の積層位相差板で説明したものを同様のものが挙げられる。レターデーション調整剤の配合割合は、混合物中、通常0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。
【0055】
接着剤又は粘着剤としては、本発明の積層位相差板で説明したものを同様のものが挙げられる。
【0056】
前記混合物をフィルムに成形する方法としては、溶液製膜法及び押出成形法などが挙げられる。溶液製膜法は、溶液キャスト法とも称され、例えば、前記混合物を任意の有機溶媒に溶解して塗布液(塗工液とも称されることがある。)を調製し、この塗布液を支持体上に塗布して有機溶媒を乾燥除去することにより成膜化する方法である。押出成形法は、例えば、前記混合物をペレット化し、溶融押出して成膜化する方法である。
【0057】
本発明の積層位相差板は、粘着剤又は接着剤を塗布する工程を簡素化できる点から、前記▲3▼の方法で得られることが好ましい。
【0058】
延伸は、公知の延伸方法を採用して行うことができる。好適な延伸方法の例として、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸法、及び機械的流れ方向に直交する方向に延伸する横一軸延伸等を挙げることができる。また、延伸倍率及び延伸温度は、積層位相差板が所望のレターデーションとなるように適宜に決定するために特に制限がないのであるが、通常、その延伸倍率は1.1〜3.0倍であることが好ましく、1.2〜2.2倍であることが特に好ましい。延伸温度は、第1層及び第2層を構成する主成分としての樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とすると、(Tg−30)℃〜(Tg+60)℃の範囲内にすることが好ましく、(Tg−10)℃〜(Tg+50)℃の範囲内にすることが特に好ましい。なお、延伸に供される前記混合物中に、延伸性を向上させることを目的として、公知の可塑剤を配合しておくこともできる。この可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等のリン酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等を挙げることができる。これら可塑剤の添加量は、ポリマー固形分対比10質量%以下であるのが好ましく、特に3質量%以下であるのが好ましい。
【0059】
延伸処理することによりフィルムにおけるレターデーション値であるRe(450)、Re(550)及びRe(650)が、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満足するようになる。ここで、Re(450)は、波長450nmで測定したレターデーション値であり、Re(550)は、波長550nmで測定したレターデーション値であり、Re(650)は、波長650nmで測定したレターデーション値である。
【0060】
レターデーション値の前記関係は、延伸条件、樹脂の種類、レターデーション調整剤の種類と配合量等により調整することができる。したがって、延伸操作をしなくても成膜した段階でそのフィルムが前記レターデーション値の関係を満たすときには、そのフィルムを積層位相差板とすることができる。
【0061】
この発明に係る積層位相差板は、前記レターデーション値の関係を満たすのであるが、Re(λ)/λを調整することにより広域1/4波長板とすることができる。なお、レターデーション値の測定は、レターデーション測定器(王子計測社製、KOBRA21DH)を用いて容易に実行可能である。
【0062】
またこの発明に係る積層位相差板は、偏光板と重畳することにより、広帯域にわたって反射率の低い反射防止膜とすることができる。
【0063】
この発明に係る積層位相差板と組み合わせる偏光板としては、特に制限はなく、従来公知の偏光板を使用することができる。使用可能な偏光板として、例えば、ヨウ素系偏光板、二色性染料を用いる染料系偏光板、ポリエン系偏光板等を挙げることができる。これら偏光板のうち、例えば、ヨウ素系偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して得られる延伸フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させることにより製造することができる。
【0064】
また、前記反射防止膜は、発光素子等に好適に使用することができる。この発光素子としては、光出射側から順に、基板例えばガラス基板、透明電極例えばITO、ホール電極層、発光層、電子輸送層、及び金属電極層を積層して成る構造を有する。反射防止膜は、光出射側に通常取り付けられる。
【0065】
【実施例】
<正の固有複屈折値を示す樹脂>
トリシクロ[4,3,0,12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン、以下「DCP」と略する。)、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン、以下「TCD」と略する。)及び8−エチリデン−テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:エチリデンテトラシクロドデセン、以下「ETD」と略する。)を47/28/35(質量比)の割合で混合して成る混合物を開環重合し、次いで水素添加して開環重合水素添加物(ノルボルネン系ポリマーと略する。)を得た。この開環重合水素添加物は、示差走査型熱量測定装置(DSC)で測定されたそのガラス転移点(Tg)が130℃であり、温度250℃で剪断速度180sec−1における溶融粘度は980Pa・sであった。
【0066】
このノルボルネン系ポリマーを、正の固有複屈折値を有する樹脂(A)として使用した。
【0067】
<負の固有複屈折値を有する樹脂>
負の固有複屈折値を有する樹脂(B)として、スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノバ・ケミカル社製、商品名:DaylaekD332、溶融粘度440Pa・S、Tg130℃)を使用した。このスチレン−無水マレイン酸共重合体をD332と略する。
【0068】
<レターデーション調整剤>
二色性を示すレターデーション調整剤として、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)を使用した。このレターデーション調整剤は、旭電化工業株式会社により商品名アデカスタブLA−31として市販されている。以下の表において、このレターデーション調製剤を「UVA」と表示した。
【0069】
二色性を示すレターデーション調整剤として、市販の赤外線吸収剤(日本化薬(株)製、商品名:KAYASORB CY−17、最大吸収波長:782nm)を使用した。以下の表において、このレターデーション調製剤を「IR」と表示した。
【0070】
(実施例1〜3)
前記ノルボルネン系ポリマーから成る第1層、前記スチレン−マレイン酸共重合体100重量部、及びUVA及び/又はIRを表1に示される質量部で配合して成る混合物から成る第2層、及び接着剤層となるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三菱化学(株)製、商品名:モディックAP A543)から成る第3層を有する三種五層の積層体[第1層(75μm)−第3層(7μm)−第2層(100μm)−第3層(7μm)−第1層(75μm)]1〜3を、押出成形機(商品名:LABOPLASTOMILI、東洋精機製)を用いる共押出成形法により製造した。
【0071】
かくして得られたフィルム状の積層体を、延伸温度125℃及び延伸倍率1.9倍(実施例1及び3)、1.5倍(実施例2)の延伸条件で135℃で一軸延伸処理(一軸延伸機、型式:UTM−10TPL、東洋ボールドウィン製)することにより、五層積層構造を有する積層位相差板1〜3を得た。
【0072】
得られた積層位相差板1〜3におけるレターデーションの波長依存性を王子計測製のKOBRA 21ADHで測定した。
【0073】
又、これら積層位相差板1〜3それぞれから第1層及び第2層を剥離し、第1層及び第2層それぞれについてレターデーションの波長依存性を前記と同様にして測定し、同様にレターデーション調整剤を添加していない積層位相差板を作製し同様の試験を行った。
【0074】
測定結果を表1及び図1に示した。
【0075】
(実施例4)
前記実施例1における第1層及び第2層の代わりに、前記ノルボルネン系ポリマー 100重量部、及びUVA 4重量部を混合して成る樹脂材料からなる第1層、及び前記スチレン−マレイン酸共重合体からなる第2層を用いた外は、前記実施例1と同様に実施して三種五層の積層体を得た。得られた積層体を延伸温度125℃、延伸倍率2.1倍の延伸条件で一軸延伸処理することにより、五層積層構造を有する積層位層差板4を得た。積層位相差板4のレターデーションの波長依存性と、第1層及び第2層のレターデーションの波長依存性とを測定した。測定結果を表1に示した。さらに、波長とレターデーション値との関係を図1に示した。
【0076】
(実施例5)
前記実施例1における第1層及び第2層の代わりに、前記ノルボルネン系ポリマー 100質量部、及びUVA 2質量部を混合して成る樹脂材料からなる第1層と、前記スチレン−マレイン酸共重合体 100質量部及びIR 1質量部からなる第2層とを用いた外は、前記実施例1と同様に実施して、三種五層の積層体を得た。得られた積層体を延伸温度125℃、延伸倍率1.7倍の延伸条件で一軸延伸処理することにより五層積層構造を有する積層位相差板5を得た。積層位相差板5のレターデーションの波長依存性と、第1層及び第2層のレターデーションの波長依存性とを測定した。測定結果を表1に示した。さらに、波長とレターデーション値との関係を図1に示した。
【0077】
(比較例1)
前記実施例1における第1層及び第2層の代わりに、前記ノルボルネン系ポリマーからなる第1層と、前記スチレン−マレイン酸共重合体からなる第2層とを用いた外は、前記実施例1と同様に実施して、三種五層の積層体を得た。得られた積層体を延伸温度125℃、延伸倍率1.5倍の延伸条件で一軸延伸処理することにより五層積層構造を有する積層位相差板6を得た。積層位相差板6のレターデーションの波長依存性と、第1層及び第2層のレターデーションの波長依存性とを測定した。測定結果を表1に示した。さらに、波長とレターデーション値との関係を図1に示した。
【0078】
【表1】
Figure 2004325971
【0079】
注:表1における実施例5において「第1層/第2層」、「UVA/IR」、「2/1」とあるのは、「第1層にUVAを2質量部配合し、第2層にIRを1質量部配合した」ことを意味する。
【0080】
(実施例6〜10)
前記実施例1〜5それぞれで得られた積層位相差板1〜5の遅相軸と偏光板の偏光軸とが45°に成るように、粘着剤を用いて貼り合わせ円偏光板1〜5を製造した。
【0081】
一方、次のように調製された有機電界発光素子を製造した。0.7mm厚のガラス基板上にスパッタリング法により透明電極であるITO膜を積層し、このITO膜上に、真空蒸着法により、ホール輸送層としてトリフェニルジアミン誘導体であるTPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)を30nm積層し、次に発光層としてAlq3(トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)を50nmの厚さに蒸着させ、この発光層上にマグネシウムと銀とを200nmの厚さに蒸着させて金属電極とすることにより、有機電界発光素子を得た。
【0082】
この有機電界発光素子の前記金属電極上に、接着剤を介して、前記円偏光板1〜5それぞれを張り付けた。
【0083】
この有機電界発光素子の電圧非印加状態における反射率を、分光光度計(日立製作所製、U−3500)を用いて、5°の正反射測定を行うことにより、評価した。評価結果を表2及び図2に示した。
【0084】
(比較例2)
実施例1で用いた積層位相差板1の代わりに比較例1で用いた積層位相差板6を用いた外は、前記実施例1〜5と同様に実施し、反射率を評価した。評価結果を表2及び図2に示した。
【0085】
【表2】
Figure 2004325971
【0086】
表2及び図2に示されるように、この発明に係る積層位相差板は、反射分光率が低いので、この積層位相差板を表示装置における画面上に適用すると、画面上に反射がなくて良好な視認性をもって画面上に画像表示が行われる。
【0087】
【発明の効果】
この発明によれば、広帯域(短波長域から長波長域)における位相差特性に優れ、かつ反射LCDに用いた場合に短波長域及び長波長域においても良好な反射防止効果を有する積層位相差板を提供することができる。また、前記積層位相差板を、長尺状の位相差シートを切り出して得られたチップを精密に貼り合わせるといった煩雑な行程を経ることなく簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜5及び比較例1に係る積層位相差板(1/4波長板)における波長と位相差との相関を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例6〜10並びに比較例2に係る積層位相差板における波長と反射率との相関を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 正の固有複屈折値を有する材料(A)を主成分とする第1層と、負の固有複屈折率値を有する材料(B)を主成分とする第2層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層体を延伸することにより形成されたところの、複屈折を有する積層位相差板であり、
    波長450nm、550nm及び650nmで測定したこの積層位相差板のレターデーションをRe(450)、Re(550)及びRe(650)としたときにRe(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす積層位相差板であって、
    前記第1層及び第2層の少なくとも一層が以下の関係を満たすことを特徴とする積層位相差板。
    ||(Re’(450)/Re’(550)−1|−|(ReO(450)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(1)
    及び/又は
    ||(Re’(650)/Re’(550)−1|−|(ReO(650)/ReO(550)−1||≧0.005 ・・・関係式(2)
    (ただし、前記関係式(1)及び(2)において、Re’(450)、Re’(550)及びRe’(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示し、ReO(450)、ReO(550)及びReO(650)は、それぞれ前記第1層及び/又は第2層における主成分のみで形成されている層の波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーションを示す。)
  2. 第1層、第2層及び第1層がこの順に積層されて成る前記請求項1に記載の積層位相差板。
  3. 第2層、第1層及び第2層がこの順に積層されて成る前記請求項1に記載の積層位相差板。
  4. 前記積層位相差板を形成する各層が粘着剤又は接着剤を介して積層されて成る前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層位相差板。
  5. 前記正の固有複屈折率値を有する樹脂(A)を主成分とする第1層用樹脂と、前記負の固有複屈折率値を有する樹脂(B)を主成分とする第2層用樹脂と、粘着剤及び接着剤とを共押出しして積層体を得、次いで前記積層体を延伸することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層位相差板の製造方法。
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