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JP2004324744A - 流体式トルク伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体式トルク伝達装置において、スラストワッシャに起因する問題を解決する。
【解決手段】トルクコンバータ1において、ピストン41は、フロントカバー2とタービン4との間の空間をフロントカバー側のフロント室Fとタービン側のリア室Rとに分割するように配置され、流体によるフロント室F及びリア室Rの差圧によりフロントカバー2に対して接近及び離反可能である。ピストン41は、円盤状の本体41aと、本体41aの外周部に配置されフロントカバー2に摩擦連結可能な摩擦連結部(摩擦フェーシング61)とを有している。タービンハブ23とフロントカバー2は、軸方向に互いに間を空けて対向する対向部分(63,23a)をそれぞれ有している。ピストン41は、ピストン41がフロントカバー側に移動した際にタービン4を軸方向に支持する支持部48を有している。ピストン41がフロントカバー2に最も接近した場合に、対向部分(63,23a)間には軸方向に隙間が確保されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータ、特にロックアップクラッチが設けられたトルクコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラー、タービン、及びステータ)を内部に有し、内部の作動流体(作動油)によりトルクを伝達する装置である。インペラーは、トルクを伝達するフロントカバーに固定されており、インペラーシェルとフロントカバーとで内部に作動流体が充填された流体室を形成している。タービンは流体室内でインペラーに対向して配置される。インペラーが回転すると、作動流体がインペラーからタービンに向かって流れてタービンを回転させる。この結果、タービンからトランスミッションのメインドライブシャフトにトルクが伝達される。
【0003】
ロックアップクラッチは、フロントカバーとタービンとの間の空間に配置されており、フロントカバーとタービンとを機械的に連結することでトルクを直接伝達するための機構である。ロックアップクラッチは、主に、ピストンと、ピストンをタービンなどの出力側部材に連結するための弾性連結機構とから構成されている。ピストンは、フロントカバーとタービンとの間を、フロントカバー側のフロント室とタービン側のリア室とに分割するように配置されている。この結果、ピストンは、フロント室とリア室との差圧によりフロントカバーに対して接近及び離反可能である。ピストンの外周部のフロントカバー側には、摩擦フェーシングが張られて摩擦連結部が形成されている。
【0004】
弾性連結機構は、例えばピストンに固定されたドライブ部材と、タービン側に固定されたドリブン部材と、ドライブ部材とドリブン部材との間でトルク伝達可能に配置されたコイルスプリング等の弾性部材とから構成されている。
フロントカバーの内周部とタービンハブとの軸方向間には、通常、スラストワッシャが配置されている。スラストワッシャは、タービンのスラスト荷重を支持する機能を有している。また、スラストワッシャの軸方向端面には半径方向に貫通する複数の溝が形成されており、この溝を介してトルクコンバータのフロント室とメインドライブシャフトの油路との間を作動油が流通可能となっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−231495号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスラストワッシャを設けていると、部品点数が多くなり、コストが高くなるという問題がある。また、スラストワッシャを設けていると、スラストワッシャが摺動する面の精度を高めるための加工が必要になるため、コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、ピストンからなるロックアップクラッチを有する流体式トルク伝達装置において、スラストワッシャに起因する問題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置は、入力側のフロントカバーと、インペラーと、タービンと、ピストンとを備えている。インペラーは、フロントカバーに連結されて共に流体室を形成する。タービンは、流体室内でインペラーに対向する羽根部と、タービンハブとを有する。ピストンは、フロントカバーとタービンとの間の空間をフロントカバー側のフロント室とタービン側のリア室とに分割するように配置され、流体によるフロント室及びリア室の差圧によりフロントカバーに対して接近及び離反可能である。ピストンは、円盤状の本体部と、本体部の外周部に配置されフロントカバーに摩擦連結可能な摩擦連結部とを有している。タービンハブとフロントカバーは、軸方向に互いに間を空けて対向する対向部分をそれぞれ有している。ピストンは、ピストンがフロントカバー側に移動した際にタービンを軸方向に支持する支持部を有している。ピストンがフロントカバーに最も接近した場合に、対向部分間にはタービンからの荷重がフロントカバーに作用しないように軸方向の隙間が確保されている。
【0009】
この流体式トルク伝達装置では、フロント室の圧力がリア室の圧力より低くなると、差圧によってピストンがフロントカバーに接近し、摩擦連結部がフロントカバーに連結される(ロックアップクラッチが連結される)。フロント室の圧力がリア室の圧力より高くなると、差圧によってピストンがフロントカバーから離れ、摩擦連結部がフロントカバーから離れる(ロックアップクラッチが解除される)。
【0010】
この流体式トルク伝達装置では、ロックアップ連結状態において、ピストンの支持部がタービンを軸方向に支持しており、その結果ピストンがフロントカバーに最も接近した場合に対向部分間にはタービンからの荷重がフロントカバーに作用しないように軸方向の隙間が確保されている。このようにタービンのスラスト荷重がピストンによって受けられているため、従来とは異なり、スラストワッシャを省略できる。
【0011】
請求項2に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1において、対向部分同士は軸方向に直接対向している。ピストンがフロントカバーから最も離れた場合に、対向部分同士の軸方向距離は、摩擦連結部とフロントカバーとの軸方向距離より長い。
この流体式トルク伝達装置では、対向部分同士の間には他の部材は配置されていない。また、ピストンがフロントカバーに接近する際には、摩擦連結部がフロントカバーに当接してピストンの移動が停止する。そのとき、ピストンは、対向部分同士間の軸方向隙間を確保した状態で、タービンを軸方向に支持する。このようにスラストワッシャが廃止されているため、コストが低くなる。
【0012】
請求項3に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1又は2において、ピストンの支持部は、半径方向に一定の幅を有する環状部である。
この流体式トルク伝達装置では、例えば、ロックアップ連結状態でエンジンからのトルク変動が入力されて弾性連結機構が作動した場合、タービンのスラスト荷重によって互いに押しつけられた状態でピストンの支持部がタービンに摺動する。この場合、ピストンの支持部が半径方向に一定の幅を有する環状部であるため、摺動部分の面圧が下がり、その結果摩耗が生じにくい。
【0013】
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項3において、ピストンの支持部の半径方向幅は、ピストンの板厚より大きい。
この流体式トルク伝達装置では、例えば、ロックアップ連結状態でエンジンからのトルク変動が入力されて弾性連結機構が作動した場合、タービンのスラスト荷重によって互いに押しつけられた状態でピストンの支持部がタービンに摺動する。この場合、ピストンの支持部の半径方向幅がピストンの板厚より大きいため、摺動部分の面圧が下がり、その結果摩耗が生じにくい。
【0014】
請求項5に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項4において、ピストンの支持部の半径方向幅は、ピストンの板厚の2倍以上ある。
この流体式トルク伝達装置では、例えば、ロックアップ連結状態でエンジンからのトルク変動が入力されて弾性連結機構が作動した場合、タービンのスラスト荷重によって互いに押しつけられた状態でピストンの支持部がタービンに摺動する。この場合、ピストンの支持部の半径方向幅がピストンの板厚の2倍以上あるため、摺動部分の面圧が下がり、その結果摩耗が生じにくい。
【0015】
請求項6に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1〜5のいずれかにおいて、ピストンの支持部のタービン側は回転軸から垂直に延びる平面である。
この流体式トルク伝達装置では、例えば、ロックアップ連結状態でエンジンからのトルク変動が入力されて弾性連結機構が作動した場合、タービンのスラスト荷重によって互いに押しつけられた状態でピストンの支持部がタービンに摺動する。この場合、ピストンの支持部のタービン側が回転軸から垂直に延びる平面であるため、摺動部分の面圧が下がり、その結果摩耗が生じにくい。
【0016】
請求項7に記載の流体式トルク伝達装置では、請求項1〜6のいずれかにおいて、ピストンは、本体部の内周縁からフロントカバー側に延びる筒状部を有している。筒状部の内周面は、タービンハブの外周面に回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている。
この流体式トルク伝達装置では、ピストンは筒状部を介してタービンハブに半径方向に位置決めされている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態としてのトルクコンバータ1の図1の縦断面概略図に示す。図1のO−Oがトルクコンバータ1の回転軸である。
<全体の構成>
トルクコンバータ1は、主に、フロントカバー2、インペラー3、タービン4、ステータ5、及びロックアップクラッチ6から構成される。
【0018】
フロントカバー2は、図示しないエンジン側の構成部品に装着可能となっており、エンジンからトルクが入力される。フロントカバー2の外周縁には、図示しないエンジンと反対側(トランスミッション側)に突出する外周側筒状部11が設けられている。
インペラー3は、インペラーシェル16と、インペラーシェル16上に固定された複数のインペラーブレード17とを有している。インペラーシェル16の外周縁は、フロントカバー2の外周側筒状部11に固定されている。このインペラーシェル16とフロントカバー2とにより、流体室を形成する。さらに、インペラー3は、インペラーシェル16の内周縁に固定されたインペラーハブ18を有している。
【0019】
タービン4は、流体室内部でインペラー3に対向する位置に配される。タービン4は、タービンシェル21と、タービンシェル21上に固定された複数のタービンブレード22とを有している。タービン4は、さらに、図示しないトランスミッションにトルク伝達を行うためのタービンハブ23を有している。タービンハブ23の本体は筒状であり、その外周面にフランジ24が形成されている。タービンシェル21の内周側端部は、複数のリベット25によってフランジ24に固定されている。なお、タービンハブ23の本体は、トランスミッションのメインドライブシャフト(図示せず)に係合するスプライン溝26を内周側に有している。
【0020】
ステータ5は、タービン4からインペラー3へと戻される作動流体の方向を調節するものである。ステータ5は、インペラー3及びタービン4のそれぞれの内周側の間に配置される。ステータ5は、ステータシェル31と、ステータシェル31上に固定された複数のステータブレード32とを備える。また、ステータ5は、その内周側においてワンウェイクラッチ33を介して図示しない固定シャフトに支持される。ステータシェル31とインペラーハブ18との軸方向間には、第1スラストベアリング75が配置されている。ワンウェイクラッチ33とフランジ24との間には、第2スラストベアリング76が配置されている。
【0021】
ロックアップクラッチ6は、フロントカバー2とタービン4とを機械的に連結するための装置である。ロックアップクラッチ6は、フロントカバー2とタービン4との間の空間に配されている。ロックアップクラッチ6は、主に、ピストン41と、ピストン41をタービン4に弾性的に連結するための弾性連結機構42とから構成されている。
【0022】
ピストン41は、板金製の円板状部材であり、絞り加工によって複雑な形状を有しているが、全体にわたって概ね同じ板厚を有している。ピストン41は、フロントカバー2とタービン4との間の空間を軸方向及び円周方向に移動可能であり、前記空間をフロントカバー2側のフロント室Fとタービン4側のリア室Rとに分割するように配置される。ピストン41は、フロント室Fとリア室Rとのそれぞれの作動流体の差圧により軸方向に移動する。ピストン41は、円盤状部材であるピストン本体41aから主に構成されている。ピストン41は、さらに、内周縁から軸方向エンジン側に延びる内周側筒状部43と、外周縁から軸方向トランスミッション側に延びる外周側筒状部44とを有している。内周側筒状部43は、タービンハブ23の外周面23aに対して軸方向及び円周方向に相対移動可能に支持される。すなわち、ピストン41は内周側筒状部43を介してタービンハブ23によって半径方向の位置決めがされている。ここで、タービンハブ23の外周面23aには、シールリング45が配置されている。シールリング45は、内周側筒状部43の内周面に当接しており、フロント室Fとリア室Rとの内周部分をシールして分離している。
【0023】
ピストン本体41aの外周部エンジン側には、摩擦フェーシング61が設けられている。フロントカバー2の摩擦フェーシング61に対向する部分には、摩擦面62が形成されている。摩擦フェーシング61と摩擦面62とが当接して摩擦連結すると、フロントカバー2からピストン41へトルクが伝達される。つまり、摩擦面62と摩擦フェーシング61とによってクラッチ連結部66が構成されている。
【0024】
ピストン41の本体部の内周側部分、より具体的には最内周側部分(筒状部43から連続する部分)には、支持部48が形成されている。支持部48は、タービン4のスラスト荷重を支持する部分である。支持部48は、半径方向に一定の幅を有する環状部分であって、フランジ24側に回転軸O−Oに対して垂直に延びる平面48aを有している。また、フランジ24は、支持部48側に平面24aを有している。平面48aと平面24aは軸方向に離反可能ではあるが、図1にしめるロックアップクラッチ連結解除状態において両者は当接しており、後述するロックアップクラッチ連結状態においても両者は当接している。つまり、支持部48の平面48aとフランジ24の平面24aとによって、当接支持部65が構成されている。支持部48の半径方向幅は、ピストン41の板厚より大きく、少なくとも2倍以上ある。支持部48の半径方向幅は、ピストン41の板厚の3〜4倍の範囲又はそれ以上あることが好ましい。
【0025】
フロントカバー2の内周部の軸方向トランスミッション側面63と、タービンハブ23の軸方向エンジン側面23bとは、軸方向に隙間を空けて対向している対向部分である。トランスミッション側面63と軸方向エンジン側面23bとの間には他の部材は配置されておらず、つまり軸方向トランスミッション側面63と軸方向エンジン側面23bは軸方向に直接対向している。図1は、ロックアップクラッチ6が連結を解除した状態、特に、ピストン41がフロントカバー2から最も離れた状態(軸方向トランスミッション側に最も移動した状態)を示しており、そこではクラッチ連結部66において摩擦面62と摩擦フェーシング61との間には第1軸方向隙間71(大きさはG1)が確保され、軸方向トランスミッション側面63と軸方向エンジン側面23bとの間には第2軸方向隙間72(大きさはG2)が確保されている。G1はG2より十分に大きいため、ピストン41にたわみが生じたとしても、クラッチ連結時には、フロントカバー2の内周部の軸方向トランスミッション側面63とタービンハブ23の軸方向エンジン側面23bとの間には、軸方向隙間が確保されることになる。なお、この実施形態では、ピストン41の内周側筒状部43の先端の軸方向位置は、タービンハブ23の軸方向エンジン側面23bの軸方向位置と一致している。
【0026】
弾性連結機構42は、ピストン41とタービン4とを回転方向に弾性的に連結するための機構である。弾性連結機構42は、ピストン41とタービン4との間、さらに詳細には、外周側筒状部44の近傍とタービンシェル21の外周部との間に配置される。弾性連結機構42は、ドライブ側部材としてのリティーニングプレート51、ドリブン側部材としてのドリブンプレート52、及び両プレート51、52間に配置される複数のコイルスプリング53から構成される。リティーニングプレート51は、外周側筒状部44の内周側に配置される環状のプレート部材である。リティーニングプレート51は、コイルスプリング53を保持すると共に、コイルスプリング53の円周方向両側に係合してトルクを伝達するための部材である。リティーニングプレート51は、円周方向に並べられた複数のコイルスプリング53の外周側と内周側をそれぞれ支持する保持部54、55を有する。内周側の保持部54は、リティーニングプレート51から切り起こされて形成される。また、リティーニングプレート51は、各コイルスプリング53の円周方向両端を支持するための係合部56、57を有している。係合部56、57は、リティーニングプレート51から切り起こされて形成される。ドリブンプレート52は、タービンシェル21の外周部の背面に固定された環状のプレート部材である。ドリブンプレート52は、円周方向複数箇所にエンジン側に延びる複数の爪部58が形成される。爪部58は、各コイルスプリング53の円周方向両端に係合可能に配される。これにより、リティーニングプレート51からのトルクが、コイルスプリング53を介してドリブンプレート52に伝達される。
【0027】
<動作>
以下では、トルクコンバータ1の動作について説明する。
〔ロックアップクラッチの連結解除状態〕
エンジンからフロントカバー2にトルクが伝達されて回転すると、フロントカバー2に固定されたインペラー3が共に回転する。これにより、インペラー3からタービン4に作動流体が流れてタービン4を回転させる。これによりタービン4に伝達されたトルクは、図示しないメインドライブシャフトに伝達される。
【0028】
このとき、ロックアップクラッチ6のピストン41は、フロント室Fとリア室Rの作動流体の差圧によってタービン側に移動しており、クラッチ連結部66においては軸方向隙間が確保されている。
〔ロックアップクラッチの連結状態〕
フロント室Fの作動油がドレンされると、フロント室Fとリア室Rの作動流体の差圧によってピストン41はフロントカバー2側に移動する。やがてピストン41の摩擦フェーシング61がフロントカバー2の摩擦面62に当接すると、クラッチ連結部66においてクラッチ連結状態になる。この状態では、フロントカバー2のトルクがタービン4に直接伝達される。
【0029】
また、ロックアップ連結時には、タービン4に軸方向エンジン側へ付勢する力が作用する。そのため、タービン4のスラスト荷重がピストン41に作用する。ピストン41は、クラッチ連結部66においてフロントカバー2に当接した状態で、支持部48によってタービン4のスラスト荷重を受ける。このとき、フロントカバー2の軸方向トランスミッション側面63とタービンハブ23の軸方向エンジン側面23bとの間には軸方向の隙間が確保されている。
【0030】
エンジンからフロントカバー2にトルク変動が入力されると、弾性連結機構42においてリティーニングプレート51とドリブンプレート52との間でコイルスプリング53が回転方向に圧縮される。この結果、弾性連結機構42において捩り振動が吸収される。弾性連結機構42が作動すると、当接支持部65においてピストン41の支持部48とタービンハブ23のフランジ24が軸方向に互いに押しつけられた状態で回転方向に摺動する。しかし、本実施形態では支持部48が半径方向に一定の幅を有する環状部となっているため、当接支持部65の面圧が低くなっており、両部材における摩耗が生じにくい。
【0031】
以上のようにピストン41によってタービン4のスラスト荷重を支持する構造を採用することで、以下の利点が得られる。
(1)スラストワッシャの省略による効果
▲1▼スラストワッシャを省略することで、部品点数が低減される。その結果、コストが低くなる。
【0032】
▲2▼スラストワッシャを省略することで、フロントカバー及びタービンハブの摺動面の精度を高くする必要が無くなり、その結果加工工数が減り、コストが低くなる。
▲3▼スラストワッシャを省略することで、トルクコンバータの内周部の軸方向スペースを短縮できる。
【0033】
▲4▼スラストワッシャを省略することで、軽量化を実現できる。
(2)ロックアップクラッチの改善
この実施形態では、クラッチ連結部66には、ピストン41からの荷重とタービン4の荷重とが作用している。つまり、ロックアップクラッチ6において押し付け荷重が従来に比べて増大している。この結果、ロックアップクラッチ6のトルク伝達容量が増大している。
【0034】
〔他の実施形態〕
前記実施形態は本発明の例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の要旨の範囲内で様々な変更や修正が可能である。例えば、流体式トルク伝達装置はトルクコンバータのみならずフリュードカップリングをも含む。また、ロックアップクラッチのドリブンプレートはタービンの外周部分ではなくタービンハブに固定されていてもよい。
【0035】
ピストンの支持部は、タービンハブのフランジ以外に当接してもよい。つまり、ピストンの支持部はタービンハブの本体やタービンシェルに当接してもよい。
弾性連結機構は、コイルスプリングの軸方向両側を支持する一対のプレートと、その間に配置されたプレートとから構成されていてもよい。
クラッチ連結部は複数の摩擦面が確保されるような構造でもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る流体式トルク伝達装置では、ロックアップ連結状態において、ピストンの支持部がタービンを軸方向に支持しており、その結果ピストンがフロントカバーに最も接近した場合に対向部分間にはタービンからの荷重がフロントカバーに作用しないように軸方向に隙間が確保されている。このようにタービンのスラスト荷重がピストンによって受けられているため、従来とは異なり、スラストワッシャを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクコンバータの縦断面概略図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
2 フロントカバー
3 インペラー
4 タービン
5 ステータ
6 ロックアップクラッチ
41 ピストン
41a ピストン本体
43 内周側筒状部
48 支持部

Claims (7)

  1. 入力側のフロントカバーと、
    前記フロントカバーに連結されて共に流体室を形成するインペラーと、
    前記流体室内で前記インペラーに対向する羽根部と、タービンハブとを有するタービンと、
    前記フロントカバーと前記タービンとの間の空間をフロントカバー側のフロント室とタービン側のリア室とに分割するように配置され、流体による前記フロント室及び前記リア室の差圧により前記フロントカバーに対して接近及び離反可能であるピストンとを備え、
    前記ピストンは、円盤状の本体部と、前記本体部の外周部に配置されフロントカバーに摩擦連結可能な摩擦連結部とを有しており、
    前記タービンハブと前記フロントカバーは、軸方向に互いに間を空けて対向する対向部分をそれぞれ有しており、
    前記ピストンは、前記ピストンがフロントカバー側に移動した際に前記タービンを軸方向に支持する支持部を有しており、
    前記ピストンが前記フロントカバーに最も接近した場合に、前記対向部分間には前記タービンからの荷重が前記フロントカバーに作用しないように軸方向の隙間が確保されている、
    流体式トルク伝達装置。
  2. 前記対向部分同士は軸方向に直接対向しており、
    前記ピストンが前記フロントカバーから最も離れた場合に、前記対向部分同士の軸方向距離は、前記摩擦連結部と前記フロントカバーとの軸方向距離より長い、請求項1に記載の流体式トルク伝達装置。
  3. 前記ピストンの前記支持部は、半径方向に一定の幅を有する環状部である、請求項1又は2に記載の流体式トルク伝達装置。
  4. 前記ピストンの前記支持部の半径方向幅は、前記ピストンの板厚より大きい、請求項3に記載の流体式トルク伝達装置。
  5. 前記ピストンの前記支持部の半径方向幅は、前記ピストンの板厚の2倍以上ある、請求項4に記載の流体式トルク伝達装置。
  6. 前記ピストンの前記支持部のタービン側は回転軸に対して垂直に延びる平面である、請求項1〜5のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置。
  7. 前記ピストンは、前記本体部の内周縁からフロントカバー側に延びる筒状部を有し、
    前記筒状部の内周面は、前記タービンハブの外周面に回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている、請求項1〜6のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置。
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