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JP2004321647A - 超音波診断装置 - Google Patents

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JP2004321647A
JP2004321647A JP2003123334A JP2003123334A JP2004321647A JP 2004321647 A JP2004321647 A JP 2004321647A JP 2003123334 A JP2003123334 A JP 2003123334A JP 2003123334 A JP2003123334 A JP 2003123334A JP 2004321647 A JP2004321647 A JP 2004321647A
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JP
Japan
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transmission
frequency
signal
ultrasonic
reception
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JP2003123334A
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Toshio Ito
寿夫 伊藤
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Hitachi Ltd
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Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】超音波診断装置の画像生成時間の短縮と画像信号のS/Nの向上。
【解決手段】ダイナミックフォーカシングを用いた超音波診断装置のパルス発生部5および信号発生部6において複数の送信信号それぞれの周波数スペクトルの中心周波数で他の送信信号の周波数スペクトルのレベルが予め定めたレベル以下となるように周波数と振幅形状を設定し、これらの送信信号を送受信繰り返し周期毎の送信許容時間内において周波数の高い順に予め定められた間隔で発生し、送信超音波ビームを形成して探触子1から送信する。受信信号について、加算部10からの受信超音波ビーム出力をFFT14により周波数分析して各送信信号の中心周波数成分を抽出し、それらを時系列に並べる。各時系列の信号について相関処理部15で相互相関処理を行って1超音波ライン上の画像信号を生成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療に使用する超音波診断装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
医療に使用する超音波診断装置は、検査し観測する臓器などについて微小な部位までを観測できるように精密な画像が必要となる。精密な画像を取得する方法として、対象物の検出分解能を高めるために周波数が高く波長の短い超音波を使用し、極めてシャープな超音波ビームを形成してそれを狭い間隔で走査する方法がとられている。
【0003】
図4は、超音波診断装置の超音波ビームと電子走査の原理を示した図である。探触子は、図4に示すように振動子101、振動子102および振動子Nが直線上に配列されている。このような直線配列の探触子において、探触子を構成する振動子101から振動子107(図4では省略)を使用して、振動子104の中心を通り探触子放射面に直角な超音波ライン301上に斜線で示す超音波ビーム201を形成する。同様に、振動子102から振動子108(図4では省略)を使用して、振動子105の中心を通り探触子放射面に直角な超音波ライン302上に超音波ビーム202を形成し、複数の超音波ライン上にそれぞれ超音波ビームを形成する。このように振動子配列上で、送受波を行わせる複数振動子を1つずつ移動させて行くことにより、超音波ビームの走査が行われることになる。
【0004】
超音波診断装置に使用される超音波の周波数は、一般にメガヘルツであり、超音波が人体を伝搬する速度は約1,500m/秒であるため、超音波の波長は1.5mm以下となる。探触子を構成する振動子の配列間隔は、使用する超音波の波長と同程度であり、超音波ビームの幅は超音波の波長と同程度の極めて狭いものが形成され、各超音波ビームの間隔すなわち各超音波ラインの間隔も超音波の波長と同程度の極めて狭い間隔となる。
【0005】
このように極めて狭いビーム幅を持ち極めて狭い間隔で設定された超音波ビームを用いて送信し、同様に狭い超音波ビームを用いて人体の臓器などから反射して戻ってきたエコー信号を受信してその信号を処理することによって1本の超音波ライン上の画像信号が生成される。
【0006】
超音波ビーム201で送受信して超音波ライン301上の画像信号を生成し、続いて、超音波ライン302上の画像信号を生成するというように超音波ビームを順次シフトして画像信号を生成してゆくこと、すなわち、送受信の超音波ビームを走査することにより、複数の超音波ライン上の複数の画像信号が生成され、これらの画像信号を並べて表示することにより画像が生成される。
【0007】
図5は、超音波ビームを生成するためにある領域に焦点を設定し、その領域の超音波の強度を高める方法の原理を示す図で、5個の振動子が振動子間隔dで等間隔に直線状に配列された探触子の場合を示す。
【0008】
図5において、中央の振動子203の中心を通り探触子放射面(振動子の配列の線)に直角な線上で距離Lの点に焦点を形成する場合、振動子202に対してはlの距離に相当する時間遅延を与え、振動子203に対してはlの距離に相当する時間遅延を与え、振動子204に対しては振動子202と同様にlの距離に相当する時間遅延を与えることにより、見かけ上各振動子が焦点を中心とし半径rの円周状に配列されることになる。このような操作により、送信の場合は焦点付近の領域(図5で斜線で示す領域)の超音波の強度が強められ、受信の場合にも同様に焦点付近の領域(図5で斜線で示す領域)から戻ってくる信号が強められる。
【0009】
焦点を移動させる操作はダイナミックフォーカシングと呼ばれ、図6は、ダイナミックフォーカシングを用いて1つの超音波ライン上に複数の焦点を有する超音波ビームを生成する原理を示す図である。
【0010】
図6は、7個の振動子が振動子間隔dで等間隔に直線状に配列された探触子の場合を示したもので、先ず、振動子303と振動子304と振動子305の3個の振動子を使用して振動子304にr−Lの距離の伝搬時間に相当する遅延時間を与えて送信することにより焦点Aを形成する。次に、振動子302から振動子306までの5個の振動子を使用して振動子303から振動子305にそれぞれrから、各振動子と焦点B間の距離を差し引いた距離の伝搬時間に相当する遅延時間を与えて焦点Bを、さらに、振動子301から振動子307までの7個の振動子を使用して振動子302から振動子306にそれぞれrから、各振動子と焦点C間の距離を差し引いた距離の伝搬時間に相当する遅延時間を与えて焦点Cを形成する。
【0011】
このように超音波ライン上で焦点位置を移動させて送信すること、すなわち、距離の異なる複数の焦点をもつ送信の組合せ、により複数の焦点付近の領域の超音波の強度を強めることができて超音波ビーム(図6の斜線で示す領域)を形成することができる。なお、受信の場合は、送信の場合と同様の原理で超音波ライン上の位置の異なる複数の焦点A、B、Cに対応させて複数のチャンネルを設けて、各チャンネルの出力を合成することにより超音波ビームを形成することができる(例えば特許文献1参照)。
【0012】
超音波診断装置に使用する超音波の周波数は、前述の通り分解能を高めるためにメガヘルツの高周波が使用される。周波数が高くなるにしたがって人体内部での吸収が大きくなるため、人体の中央部にある臓器などを観測するためには吸収の少ない周波数の低い超音波を使用しなければならない。
【0013】
このような理由から図6の焦点Aの探触子の近傍の領域の形成には高い周波数が使用され、焦点B,焦点Cと遠くになるにしたがって低い周波数を使用する方法が採られている。
【0014】
図7は、従来の超音波診断装置において3種の周波数を用いた場合の超音波ビームのシフト周期、送受信繰返し周期および送信信号の波形を示す図である。先ず、最初に周波数の高いfの送信を行い、その後fの受信を予め定められた時間行う。なお、このfの送信および受信における焦点は、図6の焦点Aに相当する探触子の近傍に設定される。
【0015】
の送信開始からfの受信終了までの時間を送受信繰返し周期とすると、次の送受信繰返し周期ではfの送信および受信が行われ、その焦点は図6の焦点Bに相当する位置に設定される。その後の送受信繰返し周期ではfの送信および受信が行われ、その焦点は図6の焦点Cに相当する探触子から最も遠い位置に設定される。
【0016】
以上のfの送受信からfの送受信によってダイナミックフォーカシングされた1つの超音波ビームが形成され、その受信出力を処理することによりその超音波ビームの領域の画像データが生成される。次に、送受信の超音波ビームをシフトする操作、すなわち、図4において超音波ビーム201から超音波ビーム202にシフトしてその受信出力を処理することにより超音波ビーム202の領域の画像データが生成される。
【0017】
3種の周波数を用いた場合、図7に示すとおり1つの超音波ビームが形成する時間、すなわち、超音波ビームのシフト周期は、送受信繰返し周期に周波数の数3を乗じたものとなる。したがって、図4に示す超音波ビームの数がPの場合に、1つの画像を生成するのに必要な時間は、超音波ビームのシフト周期にPを乗じた時間、すなわち、使用する周波数の数と送受信繰返し周期と超音波ビームの数を乗じた時間となる。
【0018】
図3は、以上で述べた動作原理を具現した従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図である。なお、図3では周波数fからfまでのN種のものを使用した場合を示している。
送受信タイミング発生部24は、予め定められた送受信繰返し周期にしたがってタイミングパルスを発生してN進計数回路25に出力する。
N進計数回路25は、送受信タイミング発生部24からのパルスを計数して信号発生部6に対して送受信する周波数を指定するとともに、送信ビーム形成部7、第1切換器26および第2切換器28に対し送受信タイミング発生部24からのパルスにしたがってこれら各部での切替えるタイミングを指定する。N進計数回路25は、また、送受信タイミング発生部24からのパルスを計数して(N+1)個のパルスごとに走査タイミング信号を走査タイミング発生部4に出力する。
【0019】
信号発生部6は、予め定められたパルス幅でN進計数回路25により指定されたfからfの周波数の送信信号を発生して送信ビーム形成部7に出力する。
送信ビーム形成部7は、入力された送信信号の各周波数に対応して予め定められた位置に焦点ができるように所定の振動子の送信信号に対して定められた遅延を与えて送信走査部8に出力する。
【0020】
先に示した図6を使って説明すると、先ず、周波数fの送信信号について、振動子303と振動子305に加えるべき信号は同一の信号とし、振動子304に対しては焦点Aが形成できるような遅延を与えた信号を生成する。次に、周波数fの送信信号については、焦点Bが形成できるように振動子302から振動子306までの5個の振動子に対して加えるべき信号を生成する。最後に、周波数fの送信信号については、焦点Cが形成できるように振動子301から振動子307までの7個の振動子に対して加えるべき信号を生成する。
【0021】
走査タイミング発生部4は、送信超音波ビームおよび受信超音波ビームをシフトするタイミング信号を発生して送信走査部8および受信走査部9に出力する。図4と図7を使って説明すると、走査タイミング発生部4が発生する信号は、図4の超音波ビーム201から超音波ビーム202にシフトさせる信号で、図7に示す超音波ビームのシフト周期毎に発生する。
【0022】
送信走査部8は、送信超音波ビームを順次シフトして走査を行うための動作を行うものである。送信走査部8では、送信ビーム形成部7から入力された複数の信号をどの振動子に加えるべきかを選定し、一つの超音波ビームでの送受信が終了すると、走査タイミング発生部4が発生する次のタイミング信号によって、次に使用する複数の振動子を選定するようシフトさせる。
【0023】
この動作を繰返すことにより送信超音波ビームが順次シフトされビーム走査が行われることになる。図4の例の場合、振動子101から振動子107に所定の信号を与えて超音波ビーム201を生成し、次に、振動子102から振動子108に所定の信号を与えて超音波ビーム202を生成することによって、超音波ビームは超音波ビーム201から超音波ビーム202へとシフトとされる。
【0024】
送信アンプ2は探触子1を構成する複数の振動子に対応して複数のチャンネルを有し、送信走査部8で指定された振動子に対応する送信アンプ2のチャンネルに所定の送信信号を入力しそれを電力増幅して振動子に出力する。
【0025】
以上により、送受信周期毎に周波数と焦点位置が異なる送信を行い、この動作をN種の全ての周波数に対して行うことによって1つのダイナミックフォーカシングされた送信超音波ビームが形成され、その後、同様の手順で順次送信超音波ビームが形成されて、観測すべき領域に超音波が放射される。
【0026】
プリアンプ3は、探触子1を構成する複数の振動子に対応して複数のチャンネルを有し、各振動子からの受信信号を増幅して受信走査部9に出力する。
受信走査部9は、各送信周波数毎に所定の位置に焦点を生成するように複数のプリアンプのチャンネルを選定して、選定された複数のプリアンプの出力信号を周波数fに対応するチャンネルの信号は周波数f用の受信ビーム形成部21−1に、周波数fに対応するチャンネルの信号は周波数f用の受信ビーム形成部21−Nに出力する。
【0027】
周波数f用の受信ビーム形成部21−1から周波数f用の受信ビーム形成部21−Nまでの各受信ビーム形成部では、指定された周波数ごとに所定の位置に焦点を形成するように入力されたプリアンプ出力のチャンネルを選定するとともに所定の遅延を加えた後に加算して指定された周波数および焦点のビームを形成する信号を生成し、周波数fに対しては周波数f用のBPF22−1に、周波数fに対しては周波数f用のBPF22−Nに出力する。
【0028】
周波数f用のBPF22−1から周波数f用のBPF22−Nでは、帯域外の不要の成分が除去される。
第1切換器26は、N進計数回路25の指令により周波数fの場合には周波数f用のBPF22−1の出力を選択し、周波数fの場合には周波数f用のBPF22−Nの出力を選択して検波回路27に出力する。
【0029】
検波回路27で検波された信号はA/D変換器13でデジタル信号に変換されて第2切換器28に入力される。
第2切換器28は、第1切換器26と同様にN進計数回路25の指令により周波数fの場合にはA/D変換器13の出力を周波数f用のメモリ23−1に、周波数fの場合にはA/D変換器13の出力を周波数f用のメモリ23−Nに出力する。
【0030】
以上により、送受信繰返し周期ごとに周波数と所定の超音波ライン上の焦点位置が異なる受信信号がそれぞれのメモリで記憶される。
【0031】
周波数f用のメモリ23−1から周波数f用のメモリ23−Nに記憶された受信信号は、走査タイミング発生部4のタイミング信号により同時に読み出され、加算回路29によって加算されることにより1つの多焦点受信超音波ビームで受信した画像信号が形成されて、画像メモリ16で記憶される。
【0032】
画像メモリ16は、受信超音波ビーム1走査分の画像信号を格納するメモリを有し、それぞれのメモリは表示器17の表示領域に対応している。加算回路29から入力された画像信号は、その受信超音波ビームに対応するメモリに記憶され、走査タイミング発生部4からの信号の指示によって順次シフトされた受信超音波ビームによって生成された画像信号が対応するメモリに記憶される。
【0033】
表示器17は、画像メモリ16に記憶された画像信号を随時読み出して画像を表示する。
【0034】
【特許文献1】
特開平7−265305号公報(第2頁)
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
超音波診断装置では一般に、臓器や腫瘍部などの微細な形状を観測するためにより精細な画像が必要となり、また、人体の臓器は、心臓の鼓動や肺の呼吸などの影響によって微小ではあるが常に動いている状態であり、動いている対象を精密に観測するために、より高速に画像を取得する必要がある。
【0036】
前述の原理の説明で記述したとおり、複数の周波数を用いてダイナミックフォーカシングする従来の超音波診断装置では、1つの画像を生成するのに必要な時間は、超音波ビームのシフト周期に1走査分の超音波ビームの数Pを乗じた時間、すなわち、使用する周波数の数と送受信繰返し周期と1走査分の超音波ビームの数Pを乗じた時間となる。
【0037】
例えば、探触子を押し当てる皮膚から観測する臓器までの距離を15cmとすると人体内部の超音波の伝播速度は約1,500m/秒であることから、送受信繰返し周期は約200μ秒となり、5種の周波数を使った場合は、1本の画像信号を作る時間は、5回の送受信繰返し周期が必要で約1m秒となる。1画面を生成するために必要となる時間は、1走査分の超音波ビームの本数を200本、すなわち、1画面を生成するための超音波ビームのシフト回数を200回とすると、200×1m秒=200m秒となる。
【0038】
一般のテレビジョンの1画面を生成するための時間は約30m秒であり、これに比較すると上述の例の超音波診断装置では約6倍の時間が必要となる。このように画像生成の時間が長いということは、取得される画像が不鮮明なものとなり、特に、運動している臓器の極めて微小な部位の観測を必要とする超音波診断装置とっては極めて不十分なものとなる。
【0039】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑みて、画像生成の時間を短縮し、さらに、画像信号のS/Nを向上させることにより微小な対象や動いている対象を鮮明に表示し、微小な部位の正確な観測ができる超音波診断装置を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の超音波診断装置は、周波数の異なる複数の送信信号を用いてダイナミックフォーカシングにより送信超音波ビームおよび受信超音波ビームの生成を行い、これらの超音波ビームを電子走査して画像生成を行う超音波診断装置であって、下記の各手段を具備することを特徴とする。
(イ)各送信信号の周波数スペクトルの中心周波数において、他の送信信号の周波数スペクトルのレベルが予め定めたレベル以下となるように周波数と振幅形状を設定し、これらの複数の送信信号を送受信繰り返し周期毎の送信許容時間内において周波数の高い順に予め定められた間隔で発生する送信信号発生手段
(ロ)前記送信信号発生手段が発生する各送信信号を送信してダイナミックフォーカシングにより送信超音波ビームを形成する送信ビーム形成手段
(ハ)前記送信信号発生手段が発生する各送信信号を送信して受信された受信信号について、ダイナミックフォーカシングにより受信超音波ビームを生成し、その受信超音波ビームの出力を周波数分析して各送信信号の中心周波数成分を抽出し、それを時系列に並べる周波数分析手段
(ニ)前記周波数分析手段で抽出された各時系列の信号について、相互相関処理を行うことにより1超音波ライン上の画像信号を生成する相関処理部
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は、従来の超音波診断装置では微小な対象や動いている対象を鮮明に表示できず、微小な部位を正確に観測できないという問題を解決すべく、受信の処理において周波数分析手段により各周波数成分が抽出できるような複数の異なる周波数の送信信号を送受信繰返し周期毎の送信許容時間内で予め定められた間隔で発生する送信信号発生手段と、各送信信号に対してそれぞれ超音波ビームを形成する手段とを兼ね備えることにより、送受信繰返し周期毎に複数の周波数の送受信を行わせるようにし、さらに、周波数分析手段により抽出された各周波数成分の時系列信号について相関処理手段によりS/Nを向上させた画像信号を生成することにより、鮮明な画像を高速で生成し微小な部位の正確な観測ができるようにしたものである。
【0042】
一般に、超音波診断装置の送信信号は正弦波を矩形パルスで変調した信号が使用される。この信号の周波数スペクトルは、正弦波の周波数を中心とし矩形パルスの長さに半比例した幅を持ち、多くの副極を持つことにより帯域が広がったものとなる。
【0043】
このため、複数の周波数の送信信号を使った場合、それぞれの送信信号の帯域が重なってしまい各周波数成分が混入し干渉してしまうことになり、どのような周波数分析手段を使用しても1周波数成分だけを抽出することが不可能となる。
【0044】
従って、従来の超音波診断装置では周波数間の干渉を避けるために、一度に1つの周波数の送信信号を送信してその周波数帯域で受信した後に、次の周期で他の周波数の送信信号を送信し受信するという方法が採られている。このため、複数の周波数の送信信号を使用する場合、それぞれを周期毎に送信し受信しなければならず、多くの時間が必要であった。
【0045】
そこで本発明では、各送信パルスの周波数スペクトルの中心周波数において、他の送信信号の周波数スペクトルのレベルができるだけ零になるように予め定めたレベル以下の値になるように周波数と振幅形状を設定した複数の送信信号を、送受信繰返し周期毎の送信許容時間内において周波数の高い順に予め定められた間隔で発生する送信信号発生手段を使用することにより、受信において周波数分析手段によって各送信周波数の成分が他の周波数成分の干渉されずに抽出できるようにしたものである。
【0046】
こうすることにより、1つの送信許容時間内で周波数の異なる多くの送信信号を送信しても、受信信号を周波数分析することにより各中心周波数成分が干渉せずに抽出でき、送受信の回数を大幅に低減出来ることになり高速な画像生成を可能とするものである。
【0047】
また、周波数分析により抽出した各中心周波数成分を時系列に並べて、それぞれの間で相関処理を行うことによりS/Nの向上した画像信号を得ることができる。このように本発明では、高速に画像を生成するとともに画像信号のS/Nを向上させることにより、より鮮明な画像の生成が可能となる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明のスキャニングソナーの実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の超音波診断装置の実施例の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の超音波診断装置の送受信繰返し周期=超音波ビームのシフト周期、送信信号波形および送信信号のスペクトルを示す図である。なお、図2は、送信信号の周波数を3種とした場合の例を示すものであり、fの周波数が最も高く、f、fの順で周波数が低くなる。
【0049】
図1においてパルス発生部5および信号発生部6は、本発明の送信信号発生手段を実現するもので、図2の(a)の送受信タイミング図の中の拡大図に示す波形で、図2の(b)の周波数スペクトル図に示すようにf、f、fの各周波数において、他の周波数のスペクトルのレベルがほとんど無視できるような低いレベルになるようなスペクトルを有する送信信号を発生する。
【0050】
走査タイミング発生部4は、図2の(a)の送受信タイミング図に示すように送受信繰返し周期毎にタイミング信号を発生するものである。なお、この送受信繰返し周期は、送信時間と観測する対象までの最大距離により定まる受信時間を加えた時間である。
【0051】
以上により、送受信繰返し周期毎に複数の周波数の送信信号を発生し、受信時間を経過した後に再度同様の送受信を行い、この動作を繰返す。
【0052】
送信ビーム形成部7は、送信ビーム形成手段を実現するもので、先に記述した従来の超音波診断装置の送信ビーム形成部と同様に送信周波数が高い場合に探触子の近傍に焦点を定め、周波数が低下するに従って焦点の位置を探触子の遠方にずらして送信超音波ビーム形成するもので、パルス発生部5の出力により各送信信号毎にこの動作を行う。
【0053】
送信走査部8は、送受信繰返し周期毎に超音波ビームを順次シフトして走査を行うものである。送信走査部8では、送信ビーム形成部7から入力された複数の信号をどの振動子に加えるべきかを選定し、1つの超音波ビームでの送受信が終了すると、走査タイミング発生部4が発生する次のタイミング信号によって、ビームを形成する振動子の組を振動子1個分だけ走査方向へシフトする。この動作を繰返すことにより超音波ビームが走査される。
【0054】
送信アンプ2は探触子1を構成する複数の振動子に対応して複数のチャンネルを有し、送信走査部8で選定された振動子に対応する送信アンプ2のチャンネルに所定の送信信号が入力されそれを電力増幅して振動子に出力する。
【0055】
以上により、周波数の異なる複数の送信信号をそれぞれの焦点位置が異なるように1送信許容時間内で送信することによって、1つの多焦点送信超音波ビームが形成される。その後、同様の手順で送受信繰返し周期毎に順次送信超音波ビームが走査方向へシフトされて、観測すべき領域に超音波が放射される。
【0056】
プリアンプ3は、探触子1を構成する複数の振動子に対応して複数のチャンネルを有し、各振動子からの受信信号を増幅して受信走査部9に出力する。
受信走査部9は、送信超音波ビームと同じ超音波ラインに受信超音波ビームを形成するのに必要となるプリアンプのチャンネルを選定し、一つの超音波ビームでの送受信が終了すると、走査タイミング発生部4が発生する次のタイミング信号によって、次の受信超音波ビームの形成に使用する複数のプリアンプのチャンネルへシフトする。この動作を繰返すことにより受信超音波ビームの走査が行われる。
【0057】
図4の例の場合、振動子101から振動子107に対応するプリアンプのチャンネルを選定し、振動子103から振動子105に対応するプリアンプのチャンネルを周波数f用の受信ビーム形成部21−1に出力し、振動子102から振動子106に対応するプリアンプのチャンネルを周波数f用の受信ビーム形成部21−2に出力し、振動子101から振動子107に対応するプリアンプのチャンネルを周波数f用の受信ビーム形成部(図示していない)に出力する。次に、振動子102から振動子108に対応するプリアンプのチャンネルへシフトして同様に受信ビーム形成部へ信号を与えることによって、超音波ビームは超音波ビーム201から超音波ビーム202へとシフトとされる。
【0058】
周波数f用の受信ビーム形成部21−1から周波数f用の受信ビーム形成部21−Nまでの各受信ビーム形成部では、指定された周波数ごとに所定の位置に焦点を形成するように入力されたプリアンプ出力に所定の遅延を加えて加算して指定された周波数および焦点のビームを形成する信号を生成して加算部10に出力する。
【0059】
加算部10では入力された全ての信号を加算して1本の多焦点受信超音波ビーム出力信号を生成する。この受信超音波ビーム出力信号は、BPF11で帯域外の不要の成分(fより高い周波数成分およびfより低い周波数成分)が除去され、周波数変換部12で、以降の処理がし易いように低い周波数帯域の信号に変換されて、A/D変換器13においてデジタル信号に変換される。
【0060】
FFT14は、本発明の周波数分析手段を実現するもので、周波数分析により各送信信号の中心周波数成分(f成分、f成分、……、f成分)が抽出されて時系列信号として相関処理部15に出力する。
【0061】
相関処理部15は、入力された信号に対して相関演算を行い、FFT14から出力された各周波数成分の信号に対して、各送信信号からの時間が同一で共通にレベルの高い信号の抽出を行う。この処理により、スペックルやアーティファクトなどの不要なものが除去されてS/Nが向上した画像信号を生成する。以上により、1送受信繰返し周期での送受信により1つの多周波多焦点受信超音波ビームで受信された画像信号が生成され、画像メモリ16に出力される。
【0062】
画像メモリ16は、受信超音波ビーム1走査分の画像信号を格納するメモリを有し、それぞれのメモリは表示器17の表示領域に対応している。相関処理部15から入力された画像信号は、その受信超音波ビームに対応するメモリに記憶され、走査タイミング発生部4からの信号の指示によって順次シフトされた受信超音波ビームによって生成された画像信号が対応するメモリに記憶される。
表示器17は、画像メモリ16に記憶された画像信号を随時読み出して画像を表示する。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波診断装置は、1送受信繰返し周期での送信で周波数の異なった複数の送信信号を送信して送信超音波ビームを形成することにより多周波多焦点の送信超音波ビームの生成周期を早めて画像生成の時間を早め、さらに、相関処理によって画像信号のS/Nを向上させることにより、動いている対象や微小な対象を鮮明に表示する画像を生成できる利点があり、従来の超音波診断装置では観測できなかった微小な腫瘍部などの観測でき、異常部位の早期発見による早期治療などの効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波診断装置の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の超音波診断装置の送受信繰返し周期=超音波ビームのシフト周期、送信信号波形および送信信号のスペクトルを示す図である。
【図3】従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図4】超音波診断装置の超音波ビームの電子走査の原理を示す図である。
【図5】超音波ビームを生成するためにある領域に焦点を作り、その領域の超音波の強度を高める方法の原理を示す図である。
【図6】ダイナミックフォーカシングを用いて1つの超音波ライン上に複数の焦点を有する超音波ビームを生成する原理を示す図である。
【図7】従来の超音波診断装置において3種の周波数を用いた場合の超音波ビームのシフト周期、送受信繰返し周期および送信信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 探触子
2 送信アンプ
3 プリアンプ
4 走査タイミング発生部
5 パルス発生部
6 信号発生部
7 送信ビーム形成部
8 送信走査部
9 受信走査部
10 加算部
11 BPF
12 周波数変換部
13 A/D変換器
14 FFT
15 相関処理部
16 画像メモリ
17 表示器
21−1 周波数f用の受信ビーム形成部
21−2 周波数f用の受信ビーム形成部
21−N 周波数f用の受信ビーム形成部
22−1 周波数f用のBPF
22−2 周波数f用のBPF
22−N 周波数f用のBPF
23−1 周波数f用のメモリ
23−2 周波数f用のメモリ
23−N 周波数f用のメモリ
24 送受信タイミング発生部
25 N進計数回路
26 第1切換器
27 検波回路
28 第2切換器
29 加算回路

Claims (1)

  1. 周波数の異なる複数の送信信号を用いてダイナミックフォーカシングにより送信超音波ビームおよび受信超音波ビームの生成を行い、これらの超音波ビームを電子走査して画像生成を行う超音波診断装置であって、下記の各手段を具備することを特徴とする超音波診断装置。
    (イ)各送信信号の周波数スペクトルの中心周波数において、他の送信信号の周波数スペクトルのレベルが予め定めたレベル以下となるように周波数と振幅形状を設定し、これらの複数の送信信号を送受信繰り返し周期毎の送信許容時間内において周波数の高い順に予め定められた間隔で発生する送信信号発生手段
    (ロ)前記送信信号発生手段が発生する各送信信号を送信してダイナミックフォーカシングにより送信超音波ビームを形成する送信ビーム形成手段
    (ハ)前記送信信号発生手段が発生する各送信信号を送信して受信された受信信号について、ダイナミックフォーカシングにより受信超音波ビームを生成し、その受信超音波ビームの出力を周波数分析して各送信信号の中心周波数成分を抽出し、それを時系列に並べる周波数分析手段
    (ニ)前記周波数分析手段で抽出された各時系列の信号について、相互相関処理を行うことにより1超音波ライン上の画像信号を生成する相関処理部
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