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JP2004314350A - インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

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JP2004314350A
JP2004314350A JP2003109186A JP2003109186A JP2004314350A JP 2004314350 A JP2004314350 A JP 2004314350A JP 2003109186 A JP2003109186 A JP 2003109186A JP 2003109186 A JP2003109186 A JP 2003109186A JP 2004314350 A JP2004314350 A JP 2004314350A
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ink composition
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layer
recording medium
clear ink
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JP2003109186A
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Shinichi Kato
真一 加藤
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】銀塩写真やオフセット印刷による画像に匹敵する高光沢度を付与可能なインクジェット記録方法及び記録物を提供する。
【解決手段】インクジェット記録方法は、記録媒体上に着色インク組成物を吐出して印字層を形成した後に、その印字層の上から、ポリマー微粒子を含有するクリアインク組成物を吐出して液層を形成させ、その液層表面が水平面を形成した後に加熱して、前記ポリマー微粒子からオーバーコート層を形成させる。記録物は、前記のインクジェット記録方法により形成される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法及び記録物に関する。本発明によるインクジェット記録方法によれば、銀塩写真やオフセット印刷による画像に匹敵する高光沢度を付与することができる。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によってのみ実現されてきた高精細印刷の分野にまでインクジェット記録方法が用いられるようになっている。それに伴い、銀塩写真やオフセット印刷の分野で用いられてきた印画紙やアート紙等に匹敵する高光沢性を有するインクジェット記録媒体が開発されている。このような高光沢インクジェット記録方法用記録媒体としては、紙やフィルム等の基材上にシリカ等の多孔質顔料を含有するインク受容層を設けたものが主流となっている。
【0003】
また、前記高光沢インクジェット記録方法用記録媒体に文字及び/又は画像を記録する際に用いられるインクとしては、水を主成分とし、これに色材、樹脂成分及びその他の各種添加剤を含有させた水系インクが一般的である。色材としては、染料又は顔料を用いることができるが、耐光性、耐ガス性、耐水性、及び耐湿性等の耐候性の点で顔料が優れているので、近年その需要が高まってきており、顔料の特性を活かした顔料インクの開発が進められている。また、記録媒体への顔料の定着性を向上させるために樹脂成分を含有する水系顔料インクが使用されている。
【0004】
しかしながら、記録物には、デューティー(duty)の高い部分、デューティーの低い部分、あるいは非記録部分が存在する。高デューティー部分には多くのインク液滴を吐出させるので、それに伴って吐出される樹脂成分の量も多くなるのに対し、低デューティー部分はインク液滴の吐出量が少なくなるので、樹脂成分の付着量も少なくなる。また、非記録部分にはインク液滴を吐出させないので、樹脂成分も付着されない。すなわち、高デューティー部分は樹脂成分量が多いために高光沢となるのに対し、低デューティー部分は低光沢となり、非記録部分は更に光沢が低くなる。このように、樹脂成分付着量の差異によって光沢感に差異が発生し、光沢ムラとして記録物品質に反映される。こうした光沢ムラは、特に、高精細印刷に多用される高光沢インクジェット記録方法用記録媒体において問題となっている。
【0005】
このような光沢ムラを解消するには、記録操作後に記録像の上から樹脂皮膜をオーバーコートして、光沢性を付与することが考えられる。しかしながら、前記のような光沢ムラの解消を主要な目的として、インクジェット記録方式による記録物にオーバーコート層を設ける技術はほとんど提案されていない。
【0006】
もっとも、前記のような光沢ムラの解消を直接の目的とする技術でなければ、インクジェット記録方式による記録物にオーバーコート層を設けること自体は、従来から種々知られている。例えば、特開平8−174989号公報(特許文献1)には、画像品質及び耐候性に優れた印刷画像を実現する目的で、高光沢インクジェット記録方法用記録媒体にインクジェット記録後、そのインク受容層上に耐熱性フィルムを介して、溶融転写された熱可塑性樹脂を主成分とする転写オーバーコート層を設ける技術が開示されている。しかし、この技術は、コストアップや、フィルムにシワが入ったり、記録媒体とフィルムとの間に空気が混入する等の問題があった。また、充分な光沢を得ることもできなかった。
【0007】
更に、特開平11−277724号公報(特許文献2)及び特開2000−141708号公報(特許文献3)には、プラスチック製品や金属製品等のインク吸収性のない記録媒体上に形成された記録画像の耐スクラッチ性の向上を目的として、インクジェット記録後に、記録画像上に紫外線硬化性のコーティング剤を塗布し、これに紫外線を照射して硬化させる技術が開示されている。しかし、この技術は、コストアップや、工程の煩雑さ、人体に有害な紫外線の利用等の問題があるだけでなく、充分な光沢を得ることもできなかった。
【0008】
また、特開平11−263052号公報(特許文献4)には、記録画像の保護方法として、インクジェット記録時に、記録画像上に、皮膜形成能を有する固形の透明樹脂を加熱溶融したものをノズルから吐出し、前記透明樹脂の皮膜で前記記録画像を被覆する技術が開示されている。しかし、この技術は、いわゆるソリッドインクジェット記録方法を前提としており、通常のインクジェット記録方法には適していない。また、仮に、この技術を通常のインクジェット記録方法に応用したとしても、通常のインクジェット記録装置に搭載されているインクタンクでは前記透明樹脂の液状物を収容しきれず、装置の変更、大型化を余儀なくされる、等の問題があった。また、充分な光沢を得ることもできなかった。
【0009】
更にまた、特開平11−335604号公報(特許文献5)には、フッ素系エマルジョン樹脂とその分散液媒体とを含有するインクジェット記録用液体組成物が記載されており、前記液体組成物により耐水性が得られるとされている。しかし、この技術では、充分な光沢を得ることはできない。
【0010】
また更に、特開2000−1640号公報(特許文献6)には、硬化剤を含んでなる溶液をインクジェット用インク画像に適用することを含む画像の耐久性の改良方法が記載されており、前記溶液を適用することにより優れた耐水堅牢度及び湿潤接着性が得られるとされている。しかし、この技術では、充分な光沢を得ることはできない。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−174989号公報
【特許文献2】
特開平11−277724号公報
【特許文献3】
特開2000−141708号公報
【特許文献4】
特開平11−263052号公報
【特許文献5】
特開平11−335604号公報
【特許文献6】
特開2000−1640号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、記録媒体上に形成した記録画像の上から、ポリマー微粒子含有クリアインク組成物を塗布することにより皮膜を形成して高光沢を得る技術を鋭意研究していたところ、インクジェット記録方式による画像にオーバーコート層を設ける際に、クリアインク組成物を記録媒体上で溢れる量まで塗布することによって、クリアインク組成物の水平液面を形成させ、その後で加熱してポリマー微粒子を成膜させることにより、銀塩写真やオフセット印刷による画像に匹敵する高光沢度を付与することができることを見出した。本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明の課題は、インクジェット記録方式において、銀塩写真やオフセット印刷による画像に匹敵する高光沢度を付与することが可能な記録方法及びその記録方法によって提供される高光沢記録画像を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、
記録媒体上に着色インク組成物を吐出して印字層を形成した後に、その印字層の上から、ポリマー微粒子を含有するクリアインク組成物を吐出して液層を形成させ、その液層表面が水平面を形成した後に加熱して、前記ポリマー微粒子からオーバーコート層を形成させることを特徴とする、インクジェット記録方法によって解決することができる。
本発明による好ましいインクジェット記録方法においては、クリアインク組成物の塗布量を印字層のデューティーに応じて増減させ、印字層形成用インク組成物のデューティーとオーバーコート層形成用クリアインク組成物のデューティーとの合計デューティーを均一にする。
本発明による別の好ましいインクジェット記録方法においては、印字層形成用インク組成物とクリアインク組成物の合計塗布量が25mg/inch以上である。
本発明による更に別の好ましいインクジェット記録方法においては、ポリマー微粒子群の平均粒径が150nm以下である。
本発明による更に別の好ましいインクジェット記録方法においては、記録媒体が光沢系メディア用記録媒体である。
また、本発明は、前記のインクジェット記録方法により形成された記録物にも関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書において「クリアインク組成物」とは、記録媒体上に記録物を形成した後で、前記記録媒体の記録物担持面上に付与する液体であり、着色剤を実質的に含有しないので無色であり、前記記録媒体上に無色透明なポリマー皮膜を形成することができる。
【0015】
本発明方法で用いるクリアインク組成物は、水系、水性有機系、又は有機系の液体組成物であることができる。クリアインク組成物を塗布する対象となる記録物を形成するために使用したインク組成物の溶媒系と同じ溶媒系にすることが好ましい。
【0016】
本明細書において「ポリマー微粒子」とは、微粒子状でクリアインク組成物中に存在する樹脂成分を意味する。本明細書において「平均粒径」とは、本発明方法で用いるクリアインク組成物(エマルジョン)を製造するために使用するポリマー微粒子含有液を水(例えば、純水)で希釈し、その希釈状態で粒度分布を粒度分布計(例えば、マイクロトラック UPA−150;日機装株式会社製)で測定した場合の、50%の累積粒径値を意味する。
【0017】
本発明方法で用いるクリアインク組成物に含まれるポリマー微粒子の平均粒径は、好ましくは150nm以下であり、より好ましくは、100nm以下であり、最も好ましくは30nm〜80nmである。
【0018】
本発明方法で用いるクリアインク組成物に含まれるポリマー微粒子は、実質的に無色透明なポリマー微粒子であることが好ましく、クリアインク組成物を記録媒体に吐出され、加熱された後に実質的に透明な皮膜を形成することのできるポリマー微粒子であれば特に限定されない。なお、分子中に不飽和二重結合及び/又は不飽和三重結合を有するポリマー微粒子や、反応性に富む置換基を有するポリマー微粒子は、耐光性の点で好ましくない。
【0019】
本発明方法で好ましく用いられるポリマー微粒子としては、例えば、アクリル酸(又はメタクリル酸)あるいはその誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸、又はメタアクリル酸メチル等)の重合体若しくは共重合体であるアクリル酸系ポリマー、あるいはウレタン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、若しくはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム系ポリマー、でんぷん、変性でんぷん、ゼラチン、カゼイン、若しくは大豆蛋白などの天然高分子化合物、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、若しくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のセルロース変性ポリマー、あるいはポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリアセタール樹脂、グアーガム、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、吐出安定性、安全性、速乾性、及び耐候性等の観点から、(メタ)アクリル酸系ポリマーを用いることが好ましい。
【0020】
本発明方法で用いるクリアインク組成物は、記録媒体にインクジェット記録方式によって吐出され、加熱された後に樹脂成分が速やかに皮膜を形成することが好ましく、従って、前記微粒子は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度は、基本的には加熱する温度より低ければいいが、より強固なオーバーコート層を形成するためには低温であればあるほど好ましい。
【0021】
本発明方法で用いるクリアインク組成物は、微粒子樹脂成分を、クリアインク組成物全体の重量に関して、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%の量で含有する。前記樹脂成分の含有量を前記範囲内とすることにより、インクジェットプリンタにおいて、プリンタヘッドからの吐出安定性、速乾性、及び取扱安全性等を低減させることなく、光沢ムラの防止及び耐候性の向上に十分な皮膜を記録媒体上に形成させることができる。
【0022】
本発明方法で用いるクリアインク組成物は、必要であれば、水溶性分散剤を含むことができる。水溶性分散剤としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸系水溶性樹脂を用いることができ、具体的には、例えば、スチレンアクリル酸共重合体アンモニウム塩、又はスチレンアクリルエマルジョン(グランドールPP1100;大日本インキ製)等を挙げることができる。
本発明方法で用いるクリアインク組成物中に含有させる水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、又は蒸留水等の純水又は超純水であることができる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いると、カビやバクテリアの発生を防止してクリアインク組成物の長期保存が可能となる点で好ましい。
【0023】
本発明方法で用いるクリアインク組成物には、更に、耐光性向上剤を含有させることが、記録物の耐光性の更なる向上及び前記ポリマー微粒子自体の劣化防止の点で好ましい。耐光性向上剤としては、紫外光や可視光による記録画像の変退色を抑制する作用を有するものであればよく、好ましくはヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及びクエンチャー(消光剤)からなる群から選ばれる化合物1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びシアノアクリレート系化合物、並びに酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セレン、及び酸化セリウム等の金属酸化物を挙げることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール等のフェノール系、クロマン系、クラマン系、ハイドロキノン誘導体、ベンゾトリアゾール系(紫外線吸収能を有しないもの)、又はスピロインダン系等を挙げることができる。クエンチャーとしては、例えば、ニッケル、又はコバルト等の無機金属錯体等を挙げることができる。これらのうち、特に水溶性HALS、ベンゾトリアゾール系化合物〔紫外線吸収能を有するもの(紫外線吸収剤として用いられるもの)及びこれを有しないもの(酸化防止剤として好ましく用いられるもの)の両方を含む〕及びフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
前記耐光性向上剤は、前記クリアインク組成物中に、好ましくは0.01〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%の量で含有される。
【0025】
また、本発明方法で用いるクリアインク組成物はインクジェット記録方式で用いられるので、ノズルの目詰まり防止の観点から、浸透促進剤や高沸点有機溶剤を含有させることが好ましい。浸透促進剤や高沸点有機溶剤としては、通常、インクジェット記録用インク組成物中に含有される化合物を特に制限されることなく用いることができる。
【0026】
また、本発明方法で用いるクリアインク組成物は、速乾性及び造膜性の観点から、その固形分濃度が0.01〜80重量%であることが好ましく、0.1〜50重量%であることが更に好ましい。
また、本発明方法で用いるクリアインク組成物は、吐出安定性の観点から、20℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましい。粘度を前記の範囲内に調整する方法としては、増粘剤やpH調整剤の添加、固形分濃度の調整、前記樹脂成分の分子量の調整等を挙げることができる。
また、同様の観点から、前記クリアインク組成物は、その表面張力が5〜500mN/mであることが好ましく、20〜40mN/mであることが更に好ましい。表面張力を前記範囲内に調整する方法としては、界面活性剤や有機溶剤の添加等を挙げることができる。
【0027】
本発明方法は、任意のインクジェット記録方法用記録媒体に適用することができるが、インク組成物中の顔料粒子を記録媒体表面上に残留させることが可能な記録媒体に適用するのが好ましい。このような記録媒体としては、例えば、基材上にインク受容層を設けた記録媒体を用いることができる。インク受容層は、記録媒体の最上層であるか、あるいはその上に、例えば、光沢層を有する中間層であることもできる。このような記録媒体としては、そのインク受容層中に多孔質顔料及びバインダー樹脂を含有する、いわゆる吸収型(空隙型ともいう)の記録媒体と、前記インク受容層中にカゼイン、変性PVA、ゼラチン、又は変性ウレタン等の樹脂を含有する、いわゆる膨潤型の記録媒体とが知られており、本発明方法は、いずれの記録媒体にも適用することができる。
【0028】
本発明方法を適用する記憶媒体としては、特にインク受容層の上に光沢層を有する記憶媒体が好ましく、より好ましくは光沢系メディア、すなわち20゜及び60゜のグロス値が10以上である記録媒体(例えば、紙又はフィルム)が好ましい。光沢系メディアとしては、例えば、PM写真用紙(セイコーエプソン株式会社製)、又はスーパーファイン専用光沢フィルム(セイコーエプソン株式会社製)などを挙げることができる。
【0029】
吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記多孔質顔料としては、例えば、沈殿法、ゲルタイプ、又は気相法等のシリカ系、擬ベーマイト等のアルミナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0030】
また、吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記バインダー樹脂としては、結着能力を有し、インク受容層の強度を高めることのできる化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体等のアクリル系共重合体ラテックス等を挙げることができる。
【0031】
前記インク受容層には、吸収型記録媒体のインク受容層の場合も、膨潤型の記録媒体のインク受容層の場合も、必要に応じ、定着剤、蛍光増白剤、耐水化剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、及び/又は保水剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
【0032】
前記インク受容層は、インク受容層全体の重量を基準として、固形分換算で、前記多孔質顔料として湿式法シリカゲルを50〜60重量%の量で含有し、前記バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを30〜40重量%の量で含有することが、インク吸収性、及び印字堅牢性等の点で好ましい。また、前記インク受容層の塗工量は、固形分換算で、5〜50g/mであることが、インク吸収性の点で好ましい。なお、インク受容層自体の厚みとしては、好ましくは10〜40μm、更に好ましくは20〜30μmである。
【0033】
前記の各インク受容層が設けられる前記基材としては、紙(サイズ処理紙を含む);ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステル等を紙にコートしたレジンコート紙;バライタ紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、又はポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルム;合成紙;合成繊維で形成されたシート状物等を挙げることができる。
前記基材としては、紙(木材パルプを含有するもの)が好ましく、その坪量は、好ましくは100〜350g/m、更に好ましくは180〜260g/mである。また、厚みは、好ましくは100〜400μm、更に好ましくは180〜260μmである。
【0034】
本発明による記録方法では、最初に、記録媒体上に着色インク組成物をインクジェット記録方式によって吐出して印字層(すなわち、記録画像)を形成させる。この工程は、通常のインクジェット記録方式と異なることはない。本発明方法では、続いて、前記の印字層の上から、インクジェット記録方式で、ポリマー微粒子を含有するクリアインク組成物を吐出して液層を形成させる。この工程は、記録媒体において印字層(すなわち、記録画像)を形成すべき領域の全体に、目的の印字層を形成した後に実施することができる。あるいは、着色インク組成物を充填するインクヘッドの主走査方向(キャリッジによる往復運動)の終了ごとに、その主走査運動によって形成された印字層(記録画像)の上から実施することもできる。更には、着色インク組成物を充填するインクヘッドの副走査方向(紙送り方向)への移動の終了ごとに、その副走査方向への移動の前に形成された印字層(記録画像)の上から実施することもできる。しかしながら、にじみの観点から、画像を形成したインクが乾燥した後で実施するのが好ましい。
【0035】
前記の液層の形成工程は、クリアインク組成物を記録媒体の印字層(すなわち、記録画像)上で溢れる量まで塗布する。ここで、溢れる量で塗布するとは、印字層(すなわち、記録画像)の凹凸構造が、クリアインク組成物の液層によって埋没し、クリアインク組成物の液層の最上層に水平液面を形成させることを意味する。クリアインク組成物の塗布量が或る量を超えると、水平液面が形成されることになるので、クリアインク組成物の塗布量に上限はないが、本発明方法においては、水平液面が形成される最低限の塗布量でクリアインク組成物を吐出するのが好ましい。なお、クリアインク組成物の液層により、水平液面を形成させるので、少なくともクリアインク組成物を吐出する際には、記録媒体の被吐出面を水平に保つ必要がある。
【0036】
本発明方法においては、クリアインク組成物の塗布量を印字層のデューティーに応じて増減させるのが好ましい。すなわち、印字層形成用着色インク組成物のデューティーとオーバーコート層形成用クリアインク組成物のデューティーとの合計デューティーを均一にするのが好ましい。更に、印字層形成用着色インク組成物とクリアインク組成物の合計塗布量は、好ましくは25mg/inch以上、より好ましくは30mg/inch以上である。
【0037】
本発明方法では、クリアインク組成物液層の表面が水平面を形成した後に、前記のクリアインク組成物液層を加熱して溶媒類を蒸発させ、クリアインク組成物に含まれているポリマー微粒子からオーバーコート層を形成させることができる。加熱温度は、室温以上である限り限定されないが、好ましくは40〜200℃、より好ましくは60〜120℃である。加熱温度が200℃を超えると、メディアが溶けることがあり、40℃未満になると、溶媒が充分に蒸発しないことがある。
【0038】
本明細書において印字層(すなわち、記録画像)には、任意の記録物(画像)が含まれ、例えば、人工的画像、例えば、図面、グラフ、文字、絵画など、又は自然画像、例えば写真画像などを挙げることができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでない。
[調製例1]
(1)ポリマー微粒子含有エマルジョンAの調製
攪拌機、温度計、還流冷却器、及び滴下漏斗を備えたフラスコに、イオン交換水100mL及び過硫酸カリウム0.1gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら、前記フラスコ内の温度が70℃になるまで加熱した。また、別途、反応容器に、イオン交換水100mL、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0g、スチレン30g、2−エチルヘキシルアクリレート70g及びメタクリル酸5gを入れ、3時間攪拌して乳化物を調製した。その後、前記乳化物を、滴下漏斗を用いて前記フラスコ内に少しずつ滴下し、ポリマー微粒子を分散質とするエマルジョンを調製した。前記エマルジョンを、室温まで冷却した後、このエマルジョンを0.4μmのフィルターでろ過し、更に前記ポリマー微粒子の濃度が30%となるように蒸留水を加えてエマルジョンAを得た。エマルジョンAのガラス転移温度Tg(JIS K6900に従い測定)は−5℃であった。
【0040】
(2)ポリマー微粒子含有エマルジョンB及びCの調製
前記エマルジョンAの製造工程において、乳化物を調製する際の攪拌時間を変えることによって、粒径をコントロールし、平均粒径の異なるエマルジョンBを得た。更に、エマルジョンAの製造工程において、スチレン添加量を40gとし、2−エチルヘキシルアクリレート添加量を40gに変更することによって、ガラス転移温度(Tg)が35℃のエマルジョンCを得た。
【0041】
(3)平均粒径及びガラス転移温度(Tg)
得られたエマルジョンA〜Cについて、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用い、純水でエマルジョンを1000倍希釈した状態で粒度分布を測定し、50%の累積粒径を平均粒径とした。得られたエマルジョンA〜Cの平均粒径及びガラス転移温度(Tg)を表1にまとめた。
【0042】
【表1】
Figure 2004314350
【0043】
[調製例2]
以下の表2に記載の配合成分から、インクジェット記録用水系顔料インク組成物として、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を常法により調製した。
【表2】
Figure 2004314350
前記の表2の数値は重量%である。「分散剤」は、スチレン−アクリル樹脂(ジョンクリルJ−61J;ジョンソンポリマー株式会社製)であり、「オルフィンE1010」は、アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学社製)である。
【0044】
[調製例3]
以下の表3に記載の配合成分を用いて、クリアインク組成物を調製した。具体的には、エマルジョンAの10%含有液を作製し、この水性エマルジョンを攪拌し、続いてその他の配合成分を投入し、20分間攪拌した後にメンブレンフィルター(8μm)で濾過することにより、クリアインク組成物1を調製した。
同様の方法で、クリアインク組成物2及びクリアインク組成物3を調製した。
【0045】
【表3】
Figure 2004314350
前記の表3の数値は重量%である。
【0046】
<実施例1〜3及び比較例1>
(1)印字層(画像)の形成
インクジェットプリンタ〔PM−800C:セイコーエプソン(株)製〕を用い、その5色用のカラーインクカートリッジの内の4色のカートリッジに、それぞれ、前記調製例2で製造したイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を装入し、ブラックインクカートリッジには、前記調製例3で製造したクリアインク組成物1〜3を装入した。
前記プリンタにより、PM写真用紙〔セイコーエプソン(株)製〕に、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、又はブラックインク組成物を用いて、それぞれ、印字デューティーを0%デューティーから100%デューティーまで10%ずつ上昇させながら、ベタで印刷した。
更に、2色混色印刷として、レッド(イエローインク組成物及びマゼンタインク組成物)、グリーン(イエローインク組成物及びシアンインク組成物)、及びブルー(マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物)を、それぞれ、印字デューティーを0%デューティーから100%デューティーまで10%ずつ上昇させながら、ベタで印刷した。なお、2色混色印刷の場合は、各インク組成物の吐出量を同量とした。例えば、90%デューティーのレッド印刷では、イエローインク組成物45%デューティー及びマゼンタインク組成物45%デューティーとした。
なお、前記の各パターンは50×50mmの領域で印刷し、印字方法としてはプリンタードライバーで、PM写真用紙における推奨設定の“きれい”モードを用いて印刷した。
【0047】
(2)クリアインク組成物によるオーバーコート層の形成
前項(1)の印字層(画像)を形成した後で排紙し、続いて、再度給紙をしてからクリアインク組成物1、クリアインク組成物2、又はクリアインク組成物3を用いて、カラーインク組成物とクリアインク組成物の合計の塗布インク量がすべて同一となるように、クリアインク組成物を、印字層(画像)全体にオーバーコートした。
最初に、クリアインク組成物1を用い、合計インク打ち込み量を35mg/inchとし、ヒーター温度を80℃としてオーバーコート層を形成した(実施例1)。次に、クリアインク組成物2を用い、合計インク打ち込み量を35mg/inchとし、ヒーター温度を70℃としてオーバーコート層を形成した(実施例2)。更に、クリアインク組成物3を用い、合計インク打ち込み量を35mg/inchとし、ヒーター温度を80℃としてオーバーコート層を形成した(実施例3)。
比較用として、クリアインク組成物1を用い、合計インク打ち込み量を35mg/inchとし、ヒーターを使用せずにオーバーコート層を形成した(比較例1)。
【0048】
(3)光沢度比
各色の各デューティーの、60°の光沢度を光沢度計PG−1M(日本電色工業株式会社製)で測定した。また、各色における最大光沢度と最小光沢度との光沢度比を算出し、以下の基準で判断した。この試験は、各色のデューティー差による光沢ばらつきの度合いを判断するものである。
A:光沢度比が1.0以上1.3未満
B:光沢度比が1.3以上1.5未満
C:光沢度比が1.5以上
【0049】
(4)鮮映性
前項(1)及び前項(2)と同様な印刷方法で、ISO400で規定されている人物画像を印刷し、光沢の状態を目視で下記のように判定した。
A:画面全体が、均一で高い光沢感が得られる。
B:ほぼ均一な光沢感が得られるが、一部光沢が低く、曇った感じの部分が存在し、若干の違和感がある。
C:光沢が一定でなく、光沢が低い部分がかなりあって、画像全体が曇った感じである。
クリアインク組成物の処理条件と評価結果を表4にまとめた。
【0050】
【表4】
Figure 2004314350
前記の表4で、Yはイエロー色印刷、Mはマゼンタ色印刷、Cはシアン色印刷、Bkはブラック色印刷、Rはレッド色印刷、Gはグリーン色印刷、及びBはブルー色印刷をそれぞれ意味する。
【0051】
【発明の効果】
本発明記録方法によると、光沢度の高い記録物を容易に得ることができる。

Claims (6)

  1. 記録媒体上に着色インク組成物を吐出して印字層を形成した後に、その印字層の上から、ポリマー微粒子を含有するクリアインク組成物を吐出して液層を形成させ、その液層表面が水平面を形成した後に加熱して、前記ポリマー微粒子からオーバーコート層を形成させることを特徴とする、インクジェット記録方法。
  2. クリアインク組成物の塗布量を印字層のデューティーに応じて増減させ、印字層形成用インク組成物のデューティーとオーバーコート層形成用クリアインク組成物のデューティーとの合計デューティーを均一にする、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 印字層形成用インク組成物とクリアインク組成物の合計塗布量が25mg/inch以上である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. ポリマー微粒子群の平均粒径が150nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 記録媒体が光沢系メディア用記録媒体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により形成された記録物。
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