JP2004309718A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物、及び、このトナー用樹脂組成物を用いたトナーを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなることを特徴とするトナー用樹脂組成物、熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする上記トナー用樹脂組成物、層状珪酸塩がモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする上記トナー用樹脂組成物、及び、上記トナー用樹脂組成物を用いて作製されることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし
【解決手段】熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなることを特徴とするトナー用樹脂組成物、熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする上記トナー用樹脂組成物、層状珪酸塩がモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする上記トナー用樹脂組成物、及び、上記トナー用樹脂組成物を用いて作製されることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー用樹脂組成物及びこのトナー用樹脂組成物を用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真等において静電荷像を現像する方式として、乾式現像方式が多用されている。乾式現像方式では、通常、トナー(乾式トナー)は、キャリアと呼称される鉄粉やガラスビーズ等との摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着し、用紙(被定着用紙)上に転写され、加熱ローラ(加熱定着ローラ)等によって定着され、永久画像となる。
【0003】
上記トナーを定着させる方法としては、トナーに対して離型性を有する材料で形成された離型性表面を有する加熱定着ローラの表面に、被定着用紙上のトナー画像を圧接触させながら通過させることにより、上記用紙上にトナーを定着させる加熱定着ローラ法が汎用されている。この加熱定着ローラ法においては、消費電力等の経済性を向上させたり、複写速度を上げるために、より低温で定着可能なトナーが求められている。
【0004】
しかし、トナーの低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が定着せず加熱定着ローラの表面に付着(残留)して、それが被定着用紙上に再転写するという現象、いわゆるオフセット現象が起こり易くなったり、トナーを構成する樹脂同士が様々な環境を経て受ける熱により、トナーが凝集するという現象、いわゆるブロッキング現象が起こり易くなるという問題点が発生する。
【0005】
これらの問題点に対応するために様々な試みがなされており、例えば、トナーのバインダー樹脂(結着樹脂)として、テレフタル酸及び/又はその低級アルキルエステルから導かれる単位と炭素数2〜6の直鎖型アルキレングリコールから導かれる単位とを全使用モノマー単位に対して50モル%以上含む結晶性ポリエステル樹脂を用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、定着可能な温度幅が狭く、低温定着性を損なうことなく、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を保持することは困難であるという問題点がある。
【0007】
又、例えば、トナーのバインダー樹脂として、3価以上の多価単量体、芳香族ジカルボン酸及び分岐鎖を持つ脂肪族ジアルコールを全脂肪族ジアルコールの50モル%以上含む脂肪族ジアルコールを含む単量体組成物を重合させて得られる非結晶性ポリエステル樹脂を用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、低温定着性が不十分であるという問題点がある。
【0009】
又、低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスに優れるトナーとして、例えば、軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
【0010】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として用いる2種類のポリエステル樹脂の相溶性が十分ではないため、バインダー樹脂の透明性が低くなるという問題点や、軟化点が低い方のポリエステル樹脂が、ブロッキングを起こし易くしたり、加熱定着ローラに付着してフィルミングを起こし易くするという問題点がある。
【0011】
又、トナーがバインダー樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されるとブロッキング現象が起こり易くなることから、ブロッキング現象を起こし難いトナー用ポリエステル樹脂の検討も行われている。
【0012】
ブロッキング現象を起こし難いトナーとして、例えば、60モル%以上の芳香族ジカルボン酸類及び20モル%を超えない範囲の3価以上の多価カルボン酸類を含有する多価カルボン酸類と、10〜100モル%の脂肪族ジオール類及び0〜90モル%の脂環族ジオール類を含有する多価アルコール類とを重合させて得られ、且つ、上記多価カルボン酸類と多価アルコール類との総和の70モル%以上が点対称構造を有する多価カルボン酸類及び多価アルコール類であるポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0013】
しかし、上記トナーは、常温でのブロッキング現象は確かに起こり難くなるものの、バインダー樹脂として用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されると、やはりブロッキング現象を起こしてしまうという問題点がある。
【0014】
又、ブロッキング現象を起こし難いトナー用ポリエステル樹脂として、例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分、全ジカルボン酸成分に対して0.1〜1.2モル%の一塩基カルボン酸成分及び/又は1価アルコール成分の少なくとも1種、全酸成分に対して20〜100モル%の脂肪族ジオール成分及びその他のジオール成分から構成され、且つ、ガラス転移温度、軟化温度、重量平均分子量、数平均分子量及び体積平均粒径5〜15μmの微粒子にした場合の負帯電量がそれぞれ特定の範囲となされているトナー用ポリエステル樹脂が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
【0015】
しかし、上記ポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いたトナーも、常温でのブロッキング現象は確かに起こり難くなるものの、上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されると、やはりブロッキング現象を起こしてしまうという問題点がある。
【0016】
一方、トナーのバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂以外に、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂などのビニル系樹脂も多用されている。これらのビニル系樹脂は、極めて汎用性が高いという利点を有するが、トナーのバインダー樹脂としては概して機械的物性が不足しがちであるため、加熱定着工程中に微粉末化して文字汚染を来し易いという問題点がある。
【0017】
ビニル系樹脂の機械的物性を向上させるためには高分子量化が有効であるが、分子量を高くしてビニル系樹脂の機械的物性を向上させると、トナーの低温定着性が低下するという問題点が生じ、これを防ぐために例えば大量のワックスを添加すると、逆にトナーの耐ブロッキング性が低下するという問題点が生じる。
【0018】
又、トナーの機械的物性を向上させるために、トナー用樹脂組成物に二酸化珪素、二酸化チタン、アルミナ、二酸化ジルコニアなどの無機微粒子を添加したトナーも開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
【0019】
しかし、上記トナーは、機械的物性はある程度向上しているものの、耐ブロッキング性は殆ど向上していないという問題点がある。
【0020】
上述したように、従来のトナー用樹脂組成物及びトナーでは、低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を高いレベルで兼備させることは困難であるのが現状である。
【0021】
【特許文献1】
特許第2988703号公報
【特許文献2】
特許第2704282号公報
【特許文献3】
特開平4−97366号公報
【特許文献4】
特開平4−313760号公報
【特許文献5】
特開平4−337741号公報
【特許文献6】
特開平10−36490号公報
【特許文献7】
特開平8−220800号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点及び現状に鑑み、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物、及び、このトナー用樹脂組成物を用いたトナーを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)によるトナー用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなることを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1に記載のトナー用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項2に記載のトナー用樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂が、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体であることを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項2に記載のトナー用樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂が、ガラス転移温度が50〜80℃である非結晶性ポリエステルを主成分とし、この主成分に対し、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、重量平均分子量が20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体が配合されてなるポリエステル混合物であることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有することを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、熱可塑性樹脂と反応するか又は熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きく、且つ、層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基と反応する表面処理剤により表面処理が施された層状珪酸塩であることを特徴とする。
【0030】
請求項8に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定された(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明(本発明)によるトナーは、上記請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物を用いて作製されることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
本発明のトナー用樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂等が挙げられ、中でも、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適に用いられ、とりわけ、ポリエステル系樹脂がより好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、本発明で言う例えば(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0033】
上記ビニル系樹脂は、ビニル基を有するモノマーの(共)重合体である。上記ビニル基を有するモノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、n−プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、ノルボルナジエン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イソブテン、シアン化ビニリデン、4−メチルペンテン−1、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、フェニルビニルスルフィド、アクロレイン等が挙げられる。これらのビニル基を有するモノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、本発明で言う(共)重合体とは、単独重合体又は共重合体を意味する。
【0034】
上記ポリエステル系樹脂は、例えば、少なくとも1種類の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種類のグリコール成分又はオキシカルボン酸成分との重縮合により得られる。2官能性カルボン酸成分及びグリコール成分又はオキシカルボン酸成分の種類や量を適宜選択することにより、様々な特性を有するポリエステル系樹脂を得ることができる。これらのポリエステル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】
本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記ポリエステル系樹脂の中でも、融点が140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度(Tg)が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体が好適に用いられる。このようなポリエステルブロック共重合体を用いることにより、得られるトナー用樹脂組成物を用いて作製されるトナーは、耐高温オフセット性の向上と光沢及び低温定着性の向上とを両立することができるものとなる。
【0036】
即ち、上記ポリエステルブロック共重合体においては、結晶性ポリエステルセグメントが物理的架橋構造を形成し得る。物理的架橋は、化学的架橋とは異なり、温度の上昇や強い圧力等によって相互作用が弱くなることから、低温では物理的架橋構造をとって流動しない結晶性ポリエステルセグメントも温度の上昇や強い圧力等により流動することが可能となる。一方、非結晶性ポリエステルセグメントは物理的架橋構造を形成し得ない。従って、物理的架橋構造を形成し得る結晶性ポリエステルセグメントと、物理的架橋構造を形成せず、Tgが−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとを含有することにより、ポリエステルブロック共重合体の粘度が上昇するため、耐高温オフセット性が向上し、一方、加熱定着ロールによる加圧時にはポリエステルブロック共重合体の粘度が低下するため、印字表面の平滑性が増して光沢が良くなると共に低温定着性も向上する。尚、本発明で言う物理的架橋構造とは、ポリマー鎖が化学結合を介して架橋している状態ではなく、ポリマー鎖間の相互作用により疑似架橋を形成している状態を意味する。
【0037】
上記ポリエステルブロック共重合体において、結晶性ポリエステルセグメントは、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られる結晶性ポリエステルに由来するものである。
【0038】
上記ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等や、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられ、中でも、結晶性付与機能に優れることから、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が好適に用いられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】
上記ジオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールや、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール等が挙げられる。これらのジオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ジオールがビスフェノールを含有する場合は、耐高温オフセット性に優れるトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物を得ることができるが、ビスフェノールを多量に含むトナー用樹脂組成物は着色する恐れがある。従って、着色のないトナー用樹脂組成物を得たい場合には、ビスフェノールを含有しないジオールを用いることが好ましい。
【0040】
上記結晶性ポリエステルセグメントは、融点が140〜280℃であることが好ましい。結晶性ポリエステルセグメントの融点が140℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に結晶性ポリエステルセグメントの融点が280℃を超えると、ブロック重合の際に、280℃を超える高温で溶融させる必要が生じ、生産性が悪くなる。
【0041】
上記結晶性ポリエステルセグメントの中でも、低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスにより優れるトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得られることから、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを重縮合させて得られる結晶性ポリエステルに由来する結晶性ポリエステルセグメントが好ましい。
【0042】
トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性をより向上させるためには、より高融点の結晶性ポリエステルセグメントであることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等に由来する結晶性ポリエステルセグメントであることがより好ましい。又、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性及び耐ブロッキング性をより向上させるためには、特に限定されるものではないが、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)に由来する結晶性ポリエステルセグメントであることがより好ましい。
【0043】
上記ポリエステルブロック共重合体において、非結晶性ポリエステルセグメントは、ジカルボン酸とジオールとを主成分とするモノマー混合物を重縮合させることにより得られる非結晶性ポリエステルに由来するものである。
【0044】
上記ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等や、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0045】
上記ジオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール等が挙げられる。これらのジオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ジオールがビスフェノールを含有する場合は、耐高温オフセット性に優れるトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物を得ることができるが、ビスフェノールを多量に含むトナー用樹脂組成物は着色する恐れがある。従って、着色のないトナー用樹脂組成物を得たい場合には、ビスフェノールを含有しないジオールを用いることが好ましい。
【0046】
上記非結晶性ポリエステルセグメントの原料となる非結晶性ポリエステルを得るためには、複数種類の上記ジカルボン酸と複数種類の上記ジオールとを主成分とするモノマー混合物を重縮合させれば良い。
【0047】
上記非結晶性ポリエステルセグメントは、Tgが−70〜+80℃であることが好ましく、より好ましくは−40〜+70℃である。非結晶性ポリエステルセグメントのTgが−70℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルセグメントのTgが+80℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が著しく悪化することがある。
【0048】
非結晶性ポリエステルセグメントのTgは、ジカルボン酸の種類を選択することにより調整することができる。即ち、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸はTgを向上させる機能を有し、セバシン酸やアジピン酸等の長鎖の脂肪族ジカルボン酸はTgを低下させる機能を有するので、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることにより目的とするTgを達成することができる。しかし、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせて目的のTgを達成すると、非結晶性ポリエステルセグメントの軟化温度が高くなりすぎることがある。
【0049】
そこで、上記非結晶性ポリエステルセグメントは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルに由来するものであることが好ましい。これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルは、目的とするTgと適正な軟化温度とをより容易に両立させることができるものとなる。又、上記2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を用いることにより、得られるポリエステルひいてはポリエステルセグメントの結晶化を効果的に抑制することができる。
【0050】
上記2価の屈曲モノマーとしては、ポリエステルの分子鎖に屈曲した分子構造を導入できるものであれば如何なるモノマーであっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、オルト位又はメタ位がカルボキシル基で置換された芳香族ジカルボン酸、オルト位又はメタ位がヒドロキシル基で置換された芳香族ジオール、非対称位置にカルボキシル基を有する多環芳香族ジカルボン酸、非対称位置にヒドロキシル基を有する多環芳香族ジオール等が挙げられ、その具体例としては、例えば、フタル酸、o−フタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物又は低級エステル、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸などのモノヒドロキシモノカルボン酸、カテコールなどのジオール等が挙げられる。これらの2価の屈曲モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】
又、上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては、分岐鎖の立体障害によりポリエステルブロック共重合体の結晶化を効果的に抑制できるものであれば如何なるモノマーであっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、分岐アルキル鎖を有する脂肪族ジオール、分岐アルキル鎖を有する脂環族ジオール等が挙げられ、その具体例としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどの脂肪族ジオールや、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物などの脂環族ジオール等が挙げられる。上記脂環族ジオールは、複数の脂環族ジオールが分岐アルキレン鎖により連結された脂環族ジオールであることが好ましい。又、これらの分岐鎖を有する2価のモノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0052】
上記ポリエステルブロック共重合体においては、結晶性ポリエステルセグメントが、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを重縮合させて得られる結晶性ポリエステルに由来するものであり、非結晶性ポリエステルセグメントが、テレフタル酸、o−フタル酸及びネオペンチルグリコールを重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルに由来するものであることが好ましい。より好ましくは、ジカルボン酸がテレフタル酸70〜94.9モル%、o−フタル酸及び/又は無水フタル酸0.1〜10モル%及びイソフタル酸5〜20モル%からなり、ジオールが分岐鎖を有するジオール20〜100モル%からなる組み合わせである。
【0053】
又、結晶性ポリエステルセグメント及び非結晶性ポリエステルセグメントの構成モノマーとして、例えばテレフタル酸等の共通のモノマーを使用することにより両者の相溶性を向上させることができ、ポリエステルブロック共重合体の透明性を向上させることができる。更に、イソフタル酸を併用することによりポリエステルブロック共重合体の透明性を向上させることもできる。
【0054】
上記ポリエステルブロック共重合体は、架橋構造を有しないものであることが好ましいが、ポリエステルブロック共重合体のTgを高めてトナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性をより向上させたい場合には、3価以上のアルコールや3価以上のカルボン酸をモノマーとして併用し、ポリエステルブロック共重合体に架橋構造を有させても良い。
【0055】
上記3価以上のアルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエルスルトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの3価以上のアルコールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】
又、上記3価以上のカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等や、これらの無水物又は低級エステル等が挙げられる。これらの3価以上のカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0057】
上記ポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメント及び非結晶性ポリエステルセグメントの含有量は、特に限定されるものではないが、結晶性ポリエステルセグメント1〜70重量%及び非結晶性ポリエステルセグメント30〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは結晶性ポリエステルセグメント3〜70重量%及び非結晶性ポリエステルセグメント30〜97重量%である。
【0058】
ポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメントの含有量が1重量%未満であるか、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が99重量%を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメントの含有量が70重量%を超えるか、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が30重量%未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0059】
上記ポリエステルブロック共重合体は、特に限定されるものではないが、重量平均分子量(Mw)が5000〜30000であることが好ましく、より好ましくは10000〜20000である。ポリエステルブロック共重合体のMwが5000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体のMwが30000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0060】
上記ポリエステルブロック共重合体を構成する結晶性ポリエステルセグメント又は非結晶性ポリエステルセグメントの原料となる結晶性ポリエステル又は非結晶性ポリエステルの作製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記の各モノマーを、不活性ガス雰囲気中において、エステル化反応触媒の共存下、180〜290℃程度の温度でエステル化することにより、所望の上記ポリエステルを得ることができる。
【0061】
上記エステル化反応触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレートなどの錫化合物、チタンテトラブトキシドなどの金属アルコキシド等が挙げられる。これらのエステル化反応触媒は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0062】
上記エステル化反応触媒の中でも、チタンテトラブトキシドなどのチタン系触媒は、リン系化合物による触媒作用の抑制効果が大きいので、結晶性ポリエステル中や非結晶性ポリエステル中にチタン系触媒が残存した場合には、リン系化合物を添加することにより、ブロック重合反応が阻害されず速やかにブロック重合反応を進行させることができる。従って、ブロック重合反応の際にはリン系化合物を添加すると共に、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルの作製に際してはエステル化反応触媒としてチタン系触媒を用いることが好ましい。
【0063】
上記ポリエステルブロック共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、Mwが2000〜100000程度の結晶性ポリエステルとMwが2000〜30000程度の非結晶性ポリエステルとを、リン系化合物の共存下でブロック重合することにより、所望のポリエステルブロック共重合体を得ることができる。このようなMwを有する結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルを用いることにより、反応効率を落とすことなく、ブロック化を効果的に制御することができる。
【0064】
ポリエステルブロック共重合体を構成する結晶性ポリエステルは、特に限定されるものではないが、Mwが2000〜100000であることが好ましく、より好ましくは10000〜100000である。結晶性ポリエステルのMwが2000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの機械的物性が不十分となることがあり、逆に結晶性ポリエステルのMwが100000を超えると、結晶性ポリエステルの粘度が高くなり過ぎて、ブロック化反応が困難となることがある。
【0065】
又、ポリエステルブロック共重合体を構成する非結晶性ポリエステルは、特に限定されるものではないが、Mwが2000〜30000であることが好ましく、より好ましくは10000〜25000である。非結晶性ポリエステルのMwが2000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの機械的物性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルのMwが30000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。非結晶性ポリエステルのMwを2000〜30000に制御するためには、減圧することなくエステル化反応を行うことが好ましい。減圧してエステル化反応を行うと、非結晶性ポリエステルの粘度及びMwが大きくなり過ぎて、ブロック化反応における反応性が低下するため、反応温度を上昇させる必要や反応時間を長くする必要が生じ、生産性が低下することがある。
【0066】
上記リン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸エステルやリン酸アミドなどのリン酸塩、亜リン酸エステルや亜リン酸アミドなどの亜リン酸塩、フォスフィン等が挙げられ、中でも、リン酸や亜リン酸が好適に用いられる。これらのリン系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0067】
上記リン系化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルを作製する際に使用されたエステル化反応触媒の合計量に対して、リン系化合物が等モルから1.5倍モルであることが好ましい。エステル化反応触媒の合計量に対するリン系化合物の使用量が等モル未満であると、結晶性ポリエステル中や非結晶性ポリエステル中に残存するエステル化反応触媒が、ブロック重合を行う際の反応条件によっては、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルを低Mwのセグメントに切断すると共に、一旦切断された低Mwのセグメントが再度ブロック重合するので、Mwの小さいポリエステルがブロック重合されたポリエステルブロック共重合体となることがあり、逆にエステル化反応触媒の合計量に対するリン系化合物の使用量が1.5倍モルを超えると、リン系化合物が殆どのポリエステルの末端に結合してしまうので、ブロック重合が阻害されて、通常の条件で十分な重合速度を得ることが困難となることがある。
【0068】
上記ポリエステルブロック共重合体の具体的な製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとをそれぞれ重縮合した後、ブロック重合させる3つの反応容器を用いる製造方法や、非結晶性ポリエステルの重縮合途中又は重縮合終了後に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステルを添加し、ブロック重合させるか、又は、結晶性ポリエステルの重縮合途中又は重縮合終了後に、予め別途作製しておいた非結晶性ポリエステルを添加し、ブロック重合させる2つの反応容器を用いる製造方法等が挙げられ、中でも、反応容器の数が少ないので工程を短縮することができることから、2つの反応容器を用いる製造方法を採ることが好ましい。
【0069】
上記2つの反応容器を用いるポリエステルブロック共重合体の具体的な製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、非結晶性ポリエステルを重縮合した反応容器に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステル及び亜リン酸(リン系化合物)を加え、窒素ガス雰囲気下及び常圧下、250℃で加熱し、結晶性ポリエステルが十分に溶融した後に、250℃、攪拌回転数60rpmで10分間攪拌を継続し、次いで、反応系内(反応容器内)を665Pa以下に減圧し、250℃、攪拌回転数60rpmで10分間攪拌してブロック重合させる方法や、非結晶性ポリエステルを重縮合した反応容器に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステル及び亜リン酸(リン系化合物)を加え、窒素ガス雰囲気下及び常圧下、250℃で加熱し、結晶性ポリエステルが十分に溶融した後に、240℃、攪拌回転数60rpmで30分間攪拌を継続し、次いで、反応系内(反応容器内)を665Pa以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで30分間攪拌してブロック重合させる方法等が挙げられる。
【0070】
このような製造方法を採ることにより、結晶性ポリエステル中及び/又は非結晶性ポリエステル中に含まれる低分子量成分や反応で生成した減圧下での揮発性成分等が反応系外へ除去され、エステル交換反応の平衡関係をポリエステルブロック共重合体が高分子量化し易い方向に移行させることができる。又、反応系内(反応容器内)の減圧を行わない場合に比較して、結晶性ポリエステル及び/又は非結晶性ポリエステルが低分子量のセグメントに切断され難いので、分子量の大きいポリエステルブロック共重合体を得ることができる。
【0071】
上記ブロック重合を行う際の初期反応温度は結晶性ポリエステルの融点以上であることが好ましい。ブロック化のためのエステル交換反応を円滑に進めるためには反応系の温度は高い方が望ましいが、反応系の温度を高くすると、反応の制御が困難となってランダム化し易くなったり、熱劣化や着色が起こり易くなる。そこで、反応系の初期温度を先ず結晶性ポリエステルの融点以上に保持し、結晶性ポリエステルを十分に溶融させた後に、反応系の後期温度を結晶が析出しない範囲で低下させ、その後期温度で反応を継続させることが反応の制御の面及び熱劣化や着色の防止の面で好ましい。上記ブロック重合を行う際の後期反応温度は、特に限定されるものではないが、220〜270℃であることが好ましい。ブロック重合を行う際の後期反応温度が220℃未満であると、反応性が不十分となることがあり、逆にブロック重合を行う際の後期反応温度が270℃を超えると、反応の制御が困難となったり、熱劣化や着色が起こり易くなることがある。
【0072】
上記ブロック重合を行う際の結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとの混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融混合法、熱混練による混合法、溶媒に溶解させることによる混合法等が挙げられ、中でも、ポリエステルブロック共重合体の反応を制御し易いことから、溶融混合法を採ることが好ましい。
【0073】
又、本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記ポリエステル系樹脂の中でも、主成分としてのTgが50〜80℃である非結晶性ポリエステルを主成分とし、この主成分に対し、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとTgが−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、Mwが20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体が配合されてなるポリエステル混合物が好適に用いられる。
【0074】
上記ポリエステル混合物の主成分として用いられる非結晶性ポリエステルは、前記ポリエステルブロック共重合体の非結晶性ポリエステルセグメントを構成する非結晶性ポリエステルと同様、ジカルボン酸とジオールとの重縮合により得られる。
【0075】
上記非結晶性ポリエステルは、Tgが50〜80℃であることが好ましく、より好ましくは55〜65℃であり、又、Mwが5000〜20000であることが好ましい。非結晶性ポリエステルのTgが50℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルのTgが80℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が悪くなることがある。
【0076】
上記ポリエステル混合物に用いられるポリエステルブロック共重合体は、上述のものと同様のポリエステルブロック共重合体で良いが、そのMwは、20000〜200000であることが好ましく、より好ましくは30000〜150000である。ポリエステルブロック共重合体のMwが20000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体のMwが200000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0077】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが相溶することが好ましい。両者が相溶することによって、ポリエステル混合物が無色透明になるため、発色性の良好なトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得ることができると共に、ポリエステル混合物の機械的物性が向上するため、優れた耐高温オフセット性を有するトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得ることができる。尚、上記相溶とは、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが、均一に混和する状態を言い、両者は、完全に相溶しても良いし、一部が相溶しても良い。
【0078】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが、50重量%以上同じ組成で構成されていることが好ましく、より好ましくは60重量%以上であり、更に好ましくは80重量%以上である。
【0079】
上記非結晶性ポリエステルと上記非結晶性ポリエステルセグメントとが50重量%以上同じ組成で構成されていることにより、両者の相溶性が向上する。上記同じ組成が50重量%未満であると、両者の相溶性が悪化して、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となる。
【0080】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルの含有量が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。上記非結晶性ポリエステルの含有量が50重量%未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0081】
又、上記ポリエステル混合物には、更に、融点が好ましくは50〜120℃である低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂が配合されていても良い。上記結晶性ポリエステルの融点が50℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に上記結晶性ポリエステルの融点が120℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性の向上効果が不十分となることがある。
【0082】
上記低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、前記Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、上記低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体や、前記Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステル由来の非結晶性ポリエステルセグメントと上記低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体や、上記低融点の結晶性ポリエステルと他のポリエステル系樹脂との混合物等が挙げられる。これらの低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0083】
上記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体においては、特に限定されるものではないが、低融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が20重量%以下であり、且つ、高融点の結晶性ポリエステルセグメントと非結晶性ポリエステルセグメントとの合計量中における高融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が3〜70重量%であり、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が30〜97重量%であることが好ましい。
【0084】
又、上記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体においては、高融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が3〜70重量%であり、低融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が0.5〜20重量%であり、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が10〜96.5重量%であることがより好ましい。
【0085】
本発明のトナー用樹脂組成物に好適に用いられるポリエステル混合物は、上記Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルと、上記融点が好ましくは140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、Mwが好ましくは20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体とを混合して作製する。上記非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体との混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、反応釜で撹拌混合する方法、押出機やニーダー等によって溶融混練する方法等が挙げられ、いずれの混合方法を採っても良いが、低温定着性や耐高温オフセット性等に優れるトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得るためには、非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体とを均一に混合することが好ましい。又、上記混合時には、同時に進行するエステル交換反応を抑制するために、前記リン系化合物を添加することが好ましい。尚、上記非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体との混合は、トナー用樹脂組成物又はトナーの製造時に同時に行っても良い。
【0086】
上記反応釜で撹拌混合する方法においては、撹拌混合の温度は160〜270℃であることが好ましく、より好ましくは180〜240℃である。攪拌混合の温度が160℃未満であると、非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体とを均一に混合することが困難となることがあり、逆に攪拌混合の温度が270℃を超えると、非結晶性ポリエステル及び/又はポリエステルブロック共重合体が熱劣化や着色を起こし易くなることがある。
【0087】
又、上記押出機やニーダー等によって溶融混練する方法においては、混練機として、例えば、二軸同方向押出機、二軸異方向押出機、単軸押出機などの押出機、コーニーダーなどのニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリギア、トランスファミックス、プラストグラフ、オープンロール連続押出機等の公知の各種混練機を用いることができるが、中でも、より均一な混練に適する混練機として、二軸同方向押出機やコーニーダー(例えば、BUSS社製の商品名「BUSS KKG4,6−7 KO−KNEADER Plant」)等が挙げられる。
【0088】
上記二軸押出機を用いる場合、十分な混練時間を得るためには、二軸押出機のL/Dが35〜55であることが好ましく、より好ましくは45〜55である。又、均一に混練するためには、スクリューディメンションとして初期にニーディングディスクを多用した構成とし、上記ポリエステルブロック共重合体を十分に溶融させた後、上記非結晶性ポリエステルと十分に混練する方法を採ることが好ましい。この場合、混練温度は120〜270℃であることが好ましく、より好ましくは140〜240℃である。混練温度が120℃未満であると、均一に混練することができなくなることがあり、逆に混練温度が270℃を超えると、非結晶性ポリエステル及び/又はポリエステルブロック共重合体が熱劣化や着色を起こし易くなることがある。又、ポリエステルブロック共重合体を溶融するための温度は高い方が好ましく、非結晶性ポリエステルの溶融粘度を上昇させて、より均一に混練するためには、混練温度は低い方が好ましい。
【0089】
本発明のトナー用樹脂組成物に用いられる層状珪酸塩とは、結晶層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。
【0090】
上記層状珪酸塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ(膨潤性雲母)等が挙げら、中でも、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカが好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、天然物であっても良いし、合成物であっても良い。又、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0091】
上記層状珪酸塩としては、下記関係式(1)で定義される形状異方性効果の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明のトナー用樹脂組成物はより優れた力学的物性を有するものとなる。
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶表面(B)の面積 (1)
式中、結晶表面(A)は層の表面を意味し、結晶表面(B)は層の側面を意味する。
【0092】
上記層状珪酸塩の形状は、特に限定されるものではないが、凝集構造を解砕した結晶薄片の平均長さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、アスペクト比が20〜500であるものが好ましく、より好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200のものである。
【0093】
上記層状珪酸塩の結晶層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムやカルシウムなどの金属のイオンのことであり、これらの金属のイオンは、他のカチオン性物質とカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)もしくは捕捉することができる。
【0094】
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量は、特に限定されるものではないが、50〜200ミリ等量/100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは捕捉されるカチオン性物質の量が少なくなるため、結晶層間が十分に疎水化(非極性化)されないことがあり、逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
【0095】
本発明においては、予め上記層状珪酸塩の結晶層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、疎水化しておくことが好ましい。予め層状珪酸塩の結晶層間を疎水化しておくことにより、層状珪酸塩と例えばポリエステル系樹脂やビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂との親和性が高まり、層状珪酸塩を熱可塑性樹脂中により均一に微分散させることができる。
【0096】
上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等が挙げられ、中でも、層状珪酸塩の結晶層間を十分に疎水化し得ることから、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウム塩)が好適に用いられる。
【0097】
上記4級アンモニウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0098】
又、上記4級ホスホニウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0099】本発明で用いられる層状珪酸塩は、上述のような化学処理を施すことによって熱可塑性樹脂中への分散性を向上させることができる。
【0100】
上記化学処理は、(1)カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法(以下、「化学修飾(1)法」と記す)に限定されるものではなく、例えば、以下に示す(2)〜(6)の化学処理法によっても実施することができる。尚、化学修飾(1)法を含め、以下に示す(2)〜(6)の化学処理法によって熱可塑性樹脂中への分散性を向上させた層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」と記す。
【0101】
(2)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得るか、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(2)法」と記す)。
【0102】
(3)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基及び反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(3)法」と記す)。
【0103】
(4)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(4)法」と記す)。
【0104】
(5)上記化学修飾(4)法において、アニオン性界面活性を有する化合物の分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(5)法」と記す)。
【0105】
(6)上記化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法(以下、「化学修飾(6)法」と記す)。
【0106】
これらの化学修飾法は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0107】
上記化学修飾(2)法における、水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシル基、グリシジル基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も包含する)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基などの官能基や、水酸基との化学的親和性が大きいアミノ基やその他の官能基等が挙げられる。これらの官能基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0108】
又、上記水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記に例示した官能基を有するシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0109】
上記シラン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0110】
上記化学修飾(4)法又は化学修飾(5)法における、アニオン性界面活性を有する化合物、又は、アニオン性界面活性を有し、分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0111】
又、本発明においては、上記層状珪酸塩が、熱可塑性樹脂と反応するか又は熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きく、且つ、層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基と反応する表面処理剤により表面処理が施されていることが好ましい。
【0112】
層状珪酸塩にこのような表面処理を施すことにより、熱可塑性樹脂に対する層状珪酸塩の分散性が向上し、且つ、層状珪酸塩の表面が熱可塑性樹脂の架橋点もしくは疑似架橋点となるため、優れた耐高温オフセット性を発現するトナー用樹脂組成物ひいてはトナーとすることができる。このようなトナー用樹脂組成物を得る具体的な方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂の重合時に上記化学修飾(2)法で化学処理が施された有機化層状珪酸塩を添加する方法を採ることが好ましい。
【0113】
本発明のトナー用樹脂組成物において、上記層状珪酸塩(有機化層状珪酸塩も包含する)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記熱可塑性樹脂(好ましくはポリエステル系樹脂)100重量部に対し、層状珪酸塩0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0114】
熱可塑性樹脂100重量部に対する層状珪酸塩の配合量が0.1重量部未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が十分に向上しないことがあり、逆に熱可塑性樹脂100重量部に対する層状珪酸塩の配合量が20重量部を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0115】
本発明のトナー用樹脂組成物中においては、上記層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定された(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることが好ましく、より好ましくは、上記平均層間距離が3.5nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることである。尚、本発明で言う層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、即ち、広角X線回折測定法により、算出することができる。又、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡による5万倍から10万倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の数(X)の内、5層以下に分散している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記計算式(2)により算出することができる。
5層以下に分散している割合(%)=(Y/X)×100 (2)
【0116】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であるということは、層状珪酸塩の層間が3nm以上に開裂していることを意味しており、又、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散しているということは、層状珪酸塩の積層体の一部又は全部がトナー用樹脂組成物中に広く分散していることを意味しており、いずれも層状珪酸塩の層間の相互作用が弱まっていることを意味する。
【0117】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上、好ましくは3.5nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層がほぼ層毎に分離し、層状珪酸塩の層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片のトナー用樹脂組成物中における分散状態が安定的に持続し易くなる。逆に、層状珪酸塩の平均層間距離が3nm未満であると、層状珪酸塩の結晶薄片が互いに相互作用を維持したままの状態、即ち、数十層が合着積層した状態(凝集状態)でトナー用樹脂組成物中に存在していることになって、層状珪酸塩の比表面積が小さくなるので、層状珪酸塩を配合することによる効果を十分に得られず、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性、耐高温オフセット性、力学的物性等が不十分となることがある。
【0118】
又、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散しているということは、具体的には、層状珪酸塩の10%以上が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態にあることが好ましいことを意味し、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態である。
【0119】
層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分層していることが好ましく、より好ましくは3層以下に分層していることであり、更に好ましくは単層状に分層(単層体化)していることである。
【0120】
本発明のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、平均層間距離が3nm以上、好ましくは3.5nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態にあると、即ち、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が高分散している状態にあると、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると共に、層状珪酸塩の結晶薄片間の平均距離が小さくなる。
【0121】
熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂の拘束の度合いが高まり、弾性率等の力学的物性が向上する効果を得られる。
【0122】
例えば、本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されたトナーの加熱定着時に高温で熱可塑性樹脂を溶融した際にも、トナー用樹脂組成物中に高分散した層状珪酸塩によって熱可塑性樹脂が拘束され、あたかも層状珪酸塩によって熱可塑性樹脂が架橋されているかのような効果(疑似架橋効果)を得られることから、トナーの耐高温オフセット性が向上する。又、層状珪酸塩が熱可塑性樹脂と結合している場合には、より強固に熱可塑性樹脂を拘束するため、トナーの被定着用紙上への定着性がより向上したり、耐高温オフセット性がより向上すると共に、最低定着温度が低下して、定着温度幅が広がり、トナーの利便性が著しく向上する。
【0123】
又、トナー用樹脂組成物中に含有される物質がトナー用樹脂組成物中を移動する場合には、高分散した層状珪酸塩を迂回する必要が生じる。この層状珪酸塩による邪魔板効果により、トナー用樹脂組成物中に含まれる不純物等が表面にブリードアウトするのを効果的に防止することができる。
【0124】
例えば、熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いる場合には、洗浄によって残留モノマーを除去する必要があり、この洗浄作業が煩雑であると共に、洗浄に用いた溶剤が残留してブリードアウトするという問題がある。又、スチレン−アクリル樹脂の分解反応によりベンズアルデヒド等の有害分解物が発生してブリードアウトするという問題もある。しかし、本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記層状珪酸塩の邪魔板効果により、上記残留モノマー、残留溶剤、有害分解物等のブリードアウトを効果的に防止することができる。
【0125】
又、トナーには離型剤としてワックスが配合されることがあるが、本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるトナーの場合、上記層状珪酸塩の邪魔板効果により、ワックスのブリードアウトを効果的に防止することができるので、通常より多量のワックスを配合しても耐ブロッキング性が損なわれることがない。
【0126】
本発明のトナー用樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂の原料となるモノマーと層状珪酸塩とを混合し、この状態で重合反応を行う方法、例えば押出機、二本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて、常温下もしくは加熱下で、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを溶融混練する方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とが溶解もしくは分散し得る溶媒中で両者を混練した後、溶媒を除去する方法等が挙げられ、いずれの製造方法が採られても良い。
【0127】
又、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩をより均一且つ微細に分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記有機化層状珪酸塩を用いる方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを常法により混練した後、発泡剤を用いて発泡させる方法、分散剤を用いる方法等が挙げられ、いずれの分散方法が採られても良い。このような分散方法を採ることにより、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩をより均一且つ微細に分散させることができる。
【0128】
本発明のトナー用樹脂組成物は、必須成分である熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの軟質ポリオレフィンや、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系エラストマー(スチレン系ゴム状ポリマー)等の1種類もしくは2種類以上を含有していても良い。
【0129】
次に、本発明のトナーは、上述した本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製される。即ち、本発明のトナーは、本発明のトナー用樹脂組成物をバインダー樹脂として用い、このバインダー樹脂に対して、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、磁性体、エラストマー(ゴム状ポリマー)、キャリア、クリーニング性向上剤等の各種配合剤の1種類もしくは2種類以上を配合することにより作製される。
【0130】
上記離型剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックスなどのオレフィン系ワックスやパラフィン系ワックス;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステル系ワックス;脱酸カルナバワックス;バルチミン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和脂肪族酸系ワックス;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪族酸系ワックス;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール系ワックスや脂肪族アルコール系ワックス;ソルビトールなどの多価アルコール系ワックス:リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミド系ワックス;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド系ワックス;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和酸アミド系ワックス;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド系ワックス;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;スチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーをポリオレフィンにグラフト重合させたグラフト変性ワックス;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールとを反応させた部分エステルワックス;植物性油脂を水素添加して得られるヒドロキシル基を有するメチルエステルワックス;エチレン含有量が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体ワックス;アクリル酸等の飽和ステアリルアクリレートワックスなどの長鎖アルキルアクリレートワックス;ベンジルアクリレートワックスなどの芳香族アクリレートワックス等が挙げられ、中でも、トナー用樹脂組成物との相溶性に優れ、透明性の高いトナーを得られることから、長鎖アルキルアクリレートワックスや芳香族アクリレートワックスが好適に用いられる。これらの離型剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、前記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製される本発明のトナーは、本来、低温定着性及び耐高温オフセット性の両方に優れているので、上記離型剤を必ずしも配合する必要はない。離型剤を配合しないことにより、本発明のトナーは、より優れた透明性を有するものとなる。
【0131】
上記着色剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックや、アニリンブラック、フタロシアニンブルー、キノリンイエロー、ランプブラック、ローダミン−B、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系顔料、インジコ系顔料、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0132】
上記着色剤の配合量は、特に限定されるものではないが、本発明のトナー用樹脂組成物100重量部に対し、着色剤1〜10重量部であることが好ましい。
【0133】
上記電荷制御剤には、正帯電用電荷制御剤と負帯電用電荷制御剤との2種類がある。上記正帯電用電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニグロシン染料、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が挙げられる。又、上記負帯電用電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられる。これらの電荷制御剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0134】
上記電荷制御剤の中でも、酸変性電荷制御剤が好適に用いられる。上記酸変性電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、サリチル酸変性電荷制御剤等が挙げられる。サリチル酸変性電荷制御剤は、トナー用樹脂組成物と架橋してゴム弾性を発現する。又、ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体やジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛錯体などのアルキル置換サルチル酸の金属錯体は、無色又は淡色であるため、トナーの色調に影響を与えないので好ましい。
【0135】
上記電荷制御剤の配合量は、特に限定されるものではないが、本発明のトナー用樹脂組成物100重量部に対し、電荷制御剤0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0136】
上記磁性体としては、特に限定されるものではないが、例えば、チタン工業社製の商品名「TAROX BL」シリーズ、戸田工業社製の商品名「EPT」シリーズ、商品名「MAT」シリーズ、商品名「MTS」シリーズ、同和鉄粉社製の商品名「DCM」シリーズ、関東電化工業社製の商品名「KBC」シリーズ、商品名「KBI」シリーズ、商品名「KBF」シリーズ、Bayer AG社製の商品名「Bayoxide E」シリーズなどの市販品等が挙げられる。これらの磁性体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0137】
上記エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルイソプレンゴム(アクリロニトリル−イソプレン共重合体)などの合成ゴム;ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマーなどのエラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体などの芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体等が挙げられ、中でも、トナー用樹脂組成物や他の成分との親和性に優れることから、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基などの極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体(末端極性基含有ブロック共重合体)が好適に用いられる。上記末端極性基含有ブロック共重合体は、リビング重合により得ることができる。これらのエラストマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、上記ブロック共重合体には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体が混合されていても良いし、これらの水素添加物が混合されていても良い。
【0138】
上記エラストマーは、トナーのバインダー樹脂として用いられる本発明のトナー用樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の力学的物性を向上させることができる。従って、エラストマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができると共に、バインダー樹脂に高い力学的物性が要求される非磁性1成分トナーとして好適なものとなる。
【0139】
上記キャリアとしては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類金属などの金属単体や、合金、酸化物、フェライト等が挙げられる。これらのキャリアは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、上記キャリアは、表面が酸化されていても良いし、表面が例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン塩基性染料、シリカ粉末、アルミナ粉末等で被覆されていても良い。キャリアの表面を被覆することにより、好ましい摩擦帯電性をキャリアに付与することができる。
【0140】
上記クリーニング性向上剤としては、トナー粒子と混合することによりトナーの流動性を向上させて、クリーニングブレードへのトナーの付着を防止し得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどのフッソ系ポリマー粉末;アクリル酸エステルポリマーなどのアクリル系ポリマー粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛などの脂肪酸金属塩粉末;酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物粉末;微粉末シリカ、シランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等により表面処理が施されたシリカ粉末、ヒュームドシリカ等が挙げられる。これらのクリーニング性向上剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0141】
【作用】
本発明のトナー用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなるので、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備するトナーを得るに適する。又、本発明のトナー用樹脂組成物は、無色透明もしくは淡色透明であるので、発色性の良好なトナーを得るに適する。
【0142】
又、熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いるか、及び/又は、層状珪酸塩としてモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカを用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0143】
本発明のトナーは、バインダー樹脂として上記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるので、低温から高温にわたる広い温度範囲で良好な定着性を発現することができ、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備すると共に、発色性も良好で所望の色調に容易に調整することができるものである。従って、本発明のトナーは、スイッチを入れてから印刷が可能となる迄の時間を短縮することができるので、経済的であると共に、加熱定着ローラの温度が下がっても画像の鮮明性を維持することができるので、印刷の高速化を図ることができる。又、本発明のトナーは、離型オイルが塗布された加熱定着ローラにより定着されても良いが、離型オイルが塗布されていない加熱定着ローラによっても良好な定着性を発現することができる。
【0144】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0145】
(実施例1)
1.ポリエステルブロック共重合体の製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モル、エステル化反応触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込んだ。次いで、220℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、融点が230℃である結晶性ポリエステルを作製した。
【0146】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル10モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオール成分としてエチレグリコール60モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを作製した。
【0147】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、上記で得られた結晶性ポリエステル30重量%、上記で得られた非結晶性ポリエステル70重量%、及び、亜リン酸を結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルの作製時に使用したTBB(エステル化反応触媒)の合計量(0.1モル)の等モルよりやや過剰の0.11モル仕込み、反応容器中の結晶が溶融した時点で温度を一定に保ち、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、攪拌速度60rpmでブロック化反応を行い、当初濁っていた反応容器内の溶融体が透明になった時点でブロック化反応を終了して、ポリエステルブロック共重合体を製造した。
【0148】
2.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオール成分としてエチレングリコール60モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ後、重縮合により理論的に生成するであろうと予測される非結晶性ポリエステル量70重量部に対し、層状珪酸塩として4級アンモニウム塩で化学処理を施した膨潤性フッ素マイカ(商品名「ソマシフMAE100」、5重量部を配合した。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルを製造した。
【0149】
3.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られたポリエステルブロック共重合体30部及び上記で得られた層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステル75重量部を240℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕を行って、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0150】
4.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物105重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として商品名「TN−105」(保土谷化学社製)1重量部、離型剤としてカルナバワックス1重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(商品名「ラボジェット」、日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(商品名「MDS−2」、日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ(商品名「アエロジルR972」、日本アエロジル社製)0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0151】
(実施例2)
1.ポリエステルブロック共重合体の製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール70モル及びエチレングリコール50モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、220℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、融点が220℃である結晶性ポリエステルを作製した。
【0152】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル10モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール90モル、他のジオール成分としてエチレグリコール30モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを作製した。
【0153】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、上記で得られた結晶性ポリエステル20重量%、上記で得られた非結晶性ポリエステル80重量%、及び、亜リン酸を結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルの作製時に使用したTBB(エステル化反応触媒)の合計量(0.1モル)の等モルよりやや過剰の0.11モル仕込んだ。次いで、反応容器中の結晶が溶融した時点で温度を一定に保ち、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、攪拌速度60rpmでブロック化反応を行い、当初濁っていた反応容器内の溶融体が透明になった時点でブロック化反応を終了して、ポリエステルブロック共重合体を製造した。
【0154】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られたポリエステルブロック共重合体100重量部に対し、層状珪酸塩として膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE100」1重量部を配合し、均一に溶融混練して、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0155】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物101重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス5重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0156】
(実施例3)
1.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、トリメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物110モル、エステル化反応触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを製造した。
【0157】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られた非結晶性ポリエステル100重量部に対し、層状珪酸塩として膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE100」2.5重量部を配合し、均一に溶融混練して、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0158】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物102.5重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0159】
(実施例4)
1.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、トリメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物110モル、エステル化反応触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込んだ後、重縮合により理論的に生成するであろうと予測される非結晶性ポリエステル量100重量部に対し、層状珪酸塩として、有機変性モンモリロナイト(商品名「エスベンNX」、ホージュン社製)を濃度2重量%のγ−アミノプロピルエトキシシランで表面処理を施した層状珪酸塩2重量部を配合した。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルを製造した。
【0160】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られた層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルをそのままトナー用樹脂組成物として用いた。
【0161】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物102重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0162】
(比較例1)
1.トナー用樹脂組成物の製造
層状珪酸塩を配合することなく、実施例3で得られた非結晶性ポリエステルをそのままトナー用樹脂組成物として用いた。
【0163】
2.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物100重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0164】
実施例1〜実施例4及び比較例1で用いた結晶性ポリエステル、非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体のMwを以下の方法で測定した。又、実施例1〜実施例4及び比較例1で用いた非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体のTgを以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0165】
〔Mwの測定方法〕
(1)結晶性ポリエステル
GPC測定装置(商品名「HTR−C」、日本ミリポアリミテッド社製)を用い、カラム(商品名「HFIP−806M」、昭和電工社製)2本を直列につないで、温度:40℃、試料:0.1重量%ヒドロキシフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量:100μL、キャリア溶媒:1L当たりトリフルオロ酢酸(TFA)を0.68g含むHFIP、校正試料:標準ポリスチレンの測定条件で、Mwを測定した。
(2)非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体
GPC測定装置「HTR−C」を用い、カラム(商品名「HFIP−800P」、昭和電工社製)1本、カラム(商品名「KF−806M」、昭和電工社製)2本及びカラム(商品名「KF−802.5M」、昭和電工社製)1本を直列につないで、温度:40℃、試料:0.2重量%テトラヒドロフラン(THF)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量:100μL、キャリア溶媒:THF、校正試料:標準ポリスチレンの測定条件で、Mwを測定した。
【0166】
〔Tgの測定方法〕
示差走査熱量計(商品名「DSC−6200R」、セイコー電子工業社製)を用い、JIS K−7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、昇温速度:10℃/分の条件で、Tg(℃)を測定した。
【0167】
【表1】
【0168】
又、実施例1〜実施例4及び比較例1で得られたトナー用樹脂組成物の特性(▲1▼層状珪酸塩の平均層間距離、▲2▼5層以下の積層体の分散割合、▲3▼色調)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0169】
▲1▼層状珪酸塩の平均層間距離
X線回折測定装置(商品名「RINT1100」、リガク社製)を用いて、トナー用樹脂組成物の板状成形体中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔dを算出し、得られたdを平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ
式中、λは0.154であり、θは回折角を示す。
【0170】
▲2▼5層以下の積層体の分散割合
トナー用樹脂組成物の板状成形体をダイヤモンドカッターで切り出し、透過型電子顕微鏡(商品名「JEM−1200EXII」、日本電子社製)を用いて写真撮影を行い、単位面積当たりの層状珪酸塩の集合体の分散層数を測定し、5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合(%)を算出した。
【0171】
▲3▼色調
トナー用樹脂組成物の色調を目視で観察した。
【0172】
更に、実施例1〜実施例4及び比較例1で得られたトナーの性能(▲4▼耐ブロッキング性、▲5▼耐フィルミング性、▲6▼グロス、▲7▼耐オフセット性、▲8▼低温定着性)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0173】
▲4▼耐ブロッキング性
トナー10gを100mLのサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて、250μmのフィルターで篩いにかけ、フィルター上に残存した凝集物の有無を観察し、凝集物が有る場合には、凝集物の重量を測定して、トナー重量に対する凝集物の発生率(重量%)を求めた。
【0174】
▲5▼耐フィルミング性
トナーを用いて1万枚の印刷を行った後、加熱定着ローラへのトナーの付着の有無を目視で観察し、トナーの付着が認められないものをフィルミング無しと評価した。
【0175】
▲6▼グロス
グロスメータ{光沢度計(商品名「UGV−50」、スガ試験機社製)}を用い、実施例2〜実施例4及び比較例2で得られたトナー用樹脂組成物を用いて調製した黒色トナーで黒く塗りつぶされた試験紙をグロスメータに取り付け、反射角が75度となるように光路を設定して、グロス(光沢度)を測定した。
【0176】
▲7▼耐オフセット性
トナー6.5重量部を平均粒子径が50〜80μmの鉄粉キャリア93.5重量部と混合して現像剤を作製した。又、電子写真複写機として商品名「UBIX4160AF」(コニカ社製)を加熱定着ローラの設定温度を最大240℃まで変えられるように改造したものを用いた。加熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させ、各設定温度の加熱定着ローラによって未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を作製した。上記で得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーによって汚染されているか否かを目視で観察し、汚染が発生しない温度領域を非オフセット温度領域とした。又、非オフセット温度領域の最大値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
【0177】
▲8▼低温定着性
▲7▼で用いた電子写真複写機の加熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて複写を行ない、得られた複写物の余白部分や定着画像にかぶりが発生することなく、複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚染されておらず、複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦った時、定着画像の濃度の低下が10%未満である場合を定着性良好と判定し、その時の最低温度を最低定着温度として求めた。尚、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
【0178】
【表2】
【0179】
表1及び表2から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例4のトナー用樹脂組成物を用いて作製した実施例1〜実施例4のトナーは、いずれも耐ブロッキング性、耐フィルミング性、グロス(光沢度)、耐オフセット性及び低温定着性の全てについて良好もしくは優れた性能を発現した。
【0180】
これに対し、層状珪酸塩を含有させなかった比較例1のトナー用樹脂組成物を用いて作製した比較例1のトナーは、耐ブロッキング性及び耐オフセット性、特に耐高温オフセット性が劣っていた。
【0181】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のトナー用樹脂組成物は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なトナーを得るに適するものであり、トナーのバインダー樹脂として好適に用いられる。
【0182】
又、本発明のトナーは、上記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるので、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なものであり、電子写真等における乾式現像方式用の乾式トナーとして好適に用いられる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー用樹脂組成物及びこのトナー用樹脂組成物を用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真等において静電荷像を現像する方式として、乾式現像方式が多用されている。乾式現像方式では、通常、トナー(乾式トナー)は、キャリアと呼称される鉄粉やガラスビーズ等との摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着し、用紙(被定着用紙)上に転写され、加熱ローラ(加熱定着ローラ)等によって定着され、永久画像となる。
【0003】
上記トナーを定着させる方法としては、トナーに対して離型性を有する材料で形成された離型性表面を有する加熱定着ローラの表面に、被定着用紙上のトナー画像を圧接触させながら通過させることにより、上記用紙上にトナーを定着させる加熱定着ローラ法が汎用されている。この加熱定着ローラ法においては、消費電力等の経済性を向上させたり、複写速度を上げるために、より低温で定着可能なトナーが求められている。
【0004】
しかし、トナーの低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が定着せず加熱定着ローラの表面に付着(残留)して、それが被定着用紙上に再転写するという現象、いわゆるオフセット現象が起こり易くなったり、トナーを構成する樹脂同士が様々な環境を経て受ける熱により、トナーが凝集するという現象、いわゆるブロッキング現象が起こり易くなるという問題点が発生する。
【0005】
これらの問題点に対応するために様々な試みがなされており、例えば、トナーのバインダー樹脂(結着樹脂)として、テレフタル酸及び/又はその低級アルキルエステルから導かれる単位と炭素数2〜6の直鎖型アルキレングリコールから導かれる単位とを全使用モノマー単位に対して50モル%以上含む結晶性ポリエステル樹脂を用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、定着可能な温度幅が狭く、低温定着性を損なうことなく、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を保持することは困難であるという問題点がある。
【0007】
又、例えば、トナーのバインダー樹脂として、3価以上の多価単量体、芳香族ジカルボン酸及び分岐鎖を持つ脂肪族ジアルコールを全脂肪族ジアルコールの50モル%以上含む脂肪族ジアルコールを含む単量体組成物を重合させて得られる非結晶性ポリエステル樹脂を用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、低温定着性が不十分であるという問題点がある。
【0009】
又、低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスに優れるトナーとして、例えば、軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
【0010】
しかし、上記トナーは、バインダー樹脂として用いる2種類のポリエステル樹脂の相溶性が十分ではないため、バインダー樹脂の透明性が低くなるという問題点や、軟化点が低い方のポリエステル樹脂が、ブロッキングを起こし易くしたり、加熱定着ローラに付着してフィルミングを起こし易くするという問題点がある。
【0011】
又、トナーがバインダー樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されるとブロッキング現象が起こり易くなることから、ブロッキング現象を起こし難いトナー用ポリエステル樹脂の検討も行われている。
【0012】
ブロッキング現象を起こし難いトナーとして、例えば、60モル%以上の芳香族ジカルボン酸類及び20モル%を超えない範囲の3価以上の多価カルボン酸類を含有する多価カルボン酸類と、10〜100モル%の脂肪族ジオール類及び0〜90モル%の脂環族ジオール類を含有する多価アルコール類とを重合させて得られ、且つ、上記多価カルボン酸類と多価アルコール類との総和の70モル%以上が点対称構造を有する多価カルボン酸類及び多価アルコール類であるポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いるトナーが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0013】
しかし、上記トナーは、常温でのブロッキング現象は確かに起こり難くなるものの、バインダー樹脂として用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されると、やはりブロッキング現象を起こしてしまうという問題点がある。
【0014】
又、ブロッキング現象を起こし難いトナー用ポリエステル樹脂として、例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分、全ジカルボン酸成分に対して0.1〜1.2モル%の一塩基カルボン酸成分及び/又は1価アルコール成分の少なくとも1種、全酸成分に対して20〜100モル%の脂肪族ジオール成分及びその他のジオール成分から構成され、且つ、ガラス転移温度、軟化温度、重量平均分子量、数平均分子量及び体積平均粒径5〜15μmの微粒子にした場合の負帯電量がそれぞれ特定の範囲となされているトナー用ポリエステル樹脂が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
【0015】
しかし、上記ポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いたトナーも、常温でのブロッキング現象は確かに起こり難くなるものの、上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に曝されると、やはりブロッキング現象を起こしてしまうという問題点がある。
【0016】
一方、トナーのバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂以外に、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂などのビニル系樹脂も多用されている。これらのビニル系樹脂は、極めて汎用性が高いという利点を有するが、トナーのバインダー樹脂としては概して機械的物性が不足しがちであるため、加熱定着工程中に微粉末化して文字汚染を来し易いという問題点がある。
【0017】
ビニル系樹脂の機械的物性を向上させるためには高分子量化が有効であるが、分子量を高くしてビニル系樹脂の機械的物性を向上させると、トナーの低温定着性が低下するという問題点が生じ、これを防ぐために例えば大量のワックスを添加すると、逆にトナーの耐ブロッキング性が低下するという問題点が生じる。
【0018】
又、トナーの機械的物性を向上させるために、トナー用樹脂組成物に二酸化珪素、二酸化チタン、アルミナ、二酸化ジルコニアなどの無機微粒子を添加したトナーも開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
【0019】
しかし、上記トナーは、機械的物性はある程度向上しているものの、耐ブロッキング性は殆ど向上していないという問題点がある。
【0020】
上述したように、従来のトナー用樹脂組成物及びトナーでは、低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を高いレベルで兼備させることは困難であるのが現状である。
【0021】
【特許文献1】
特許第2988703号公報
【特許文献2】
特許第2704282号公報
【特許文献3】
特開平4−97366号公報
【特許文献4】
特開平4−313760号公報
【特許文献5】
特開平4−337741号公報
【特許文献6】
特開平10−36490号公報
【特許文献7】
特開平8−220800号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点及び現状に鑑み、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物、及び、このトナー用樹脂組成物を用いたトナーを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)によるトナー用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなることを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1に記載のトナー用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項2に記載のトナー用樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂が、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体であることを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項2に記載のトナー用樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂が、ガラス転移温度が50〜80℃である非結晶性ポリエステルを主成分とし、この主成分に対し、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、重量平均分子量が20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体が配合されてなるポリエステル混合物であることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有することを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、熱可塑性樹脂と反応するか又は熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きく、且つ、層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基と反応する表面処理剤により表面処理が施された層状珪酸塩であることを特徴とする。
【0030】
請求項8に記載の発明によるトナー用樹脂組成物は、上記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定された(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明(本発明)によるトナーは、上記請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物を用いて作製されることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
本発明のトナー用樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂等が挙げられ、中でも、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適に用いられ、とりわけ、ポリエステル系樹脂がより好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、本発明で言う例えば(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0033】
上記ビニル系樹脂は、ビニル基を有するモノマーの(共)重合体である。上記ビニル基を有するモノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、n−プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、ノルボルナジエン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イソブテン、シアン化ビニリデン、4−メチルペンテン−1、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、フェニルビニルスルフィド、アクロレイン等が挙げられる。これらのビニル基を有するモノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、本発明で言う(共)重合体とは、単独重合体又は共重合体を意味する。
【0034】
上記ポリエステル系樹脂は、例えば、少なくとも1種類の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種類のグリコール成分又はオキシカルボン酸成分との重縮合により得られる。2官能性カルボン酸成分及びグリコール成分又はオキシカルボン酸成分の種類や量を適宜選択することにより、様々な特性を有するポリエステル系樹脂を得ることができる。これらのポリエステル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】
本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記ポリエステル系樹脂の中でも、融点が140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度(Tg)が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体が好適に用いられる。このようなポリエステルブロック共重合体を用いることにより、得られるトナー用樹脂組成物を用いて作製されるトナーは、耐高温オフセット性の向上と光沢及び低温定着性の向上とを両立することができるものとなる。
【0036】
即ち、上記ポリエステルブロック共重合体においては、結晶性ポリエステルセグメントが物理的架橋構造を形成し得る。物理的架橋は、化学的架橋とは異なり、温度の上昇や強い圧力等によって相互作用が弱くなることから、低温では物理的架橋構造をとって流動しない結晶性ポリエステルセグメントも温度の上昇や強い圧力等により流動することが可能となる。一方、非結晶性ポリエステルセグメントは物理的架橋構造を形成し得ない。従って、物理的架橋構造を形成し得る結晶性ポリエステルセグメントと、物理的架橋構造を形成せず、Tgが−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとを含有することにより、ポリエステルブロック共重合体の粘度が上昇するため、耐高温オフセット性が向上し、一方、加熱定着ロールによる加圧時にはポリエステルブロック共重合体の粘度が低下するため、印字表面の平滑性が増して光沢が良くなると共に低温定着性も向上する。尚、本発明で言う物理的架橋構造とは、ポリマー鎖が化学結合を介して架橋している状態ではなく、ポリマー鎖間の相互作用により疑似架橋を形成している状態を意味する。
【0037】
上記ポリエステルブロック共重合体において、結晶性ポリエステルセグメントは、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られる結晶性ポリエステルに由来するものである。
【0038】
上記ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等や、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられ、中でも、結晶性付与機能に優れることから、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が好適に用いられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】
上記ジオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールや、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール等が挙げられる。これらのジオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ジオールがビスフェノールを含有する場合は、耐高温オフセット性に優れるトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物を得ることができるが、ビスフェノールを多量に含むトナー用樹脂組成物は着色する恐れがある。従って、着色のないトナー用樹脂組成物を得たい場合には、ビスフェノールを含有しないジオールを用いることが好ましい。
【0040】
上記結晶性ポリエステルセグメントは、融点が140〜280℃であることが好ましい。結晶性ポリエステルセグメントの融点が140℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に結晶性ポリエステルセグメントの融点が280℃を超えると、ブロック重合の際に、280℃を超える高温で溶融させる必要が生じ、生産性が悪くなる。
【0041】
上記結晶性ポリエステルセグメントの中でも、低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスにより優れるトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得られることから、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを重縮合させて得られる結晶性ポリエステルに由来する結晶性ポリエステルセグメントが好ましい。
【0042】
トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性をより向上させるためには、より高融点の結晶性ポリエステルセグメントであることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等に由来する結晶性ポリエステルセグメントであることがより好ましい。又、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性及び耐ブロッキング性をより向上させるためには、特に限定されるものではないが、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)に由来する結晶性ポリエステルセグメントであることがより好ましい。
【0043】
上記ポリエステルブロック共重合体において、非結晶性ポリエステルセグメントは、ジカルボン酸とジオールとを主成分とするモノマー混合物を重縮合させることにより得られる非結晶性ポリエステルに由来するものである。
【0044】
上記ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等や、これらの無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0045】
上記ジオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール等が挙げられる。これらのジオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ジオールがビスフェノールを含有する場合は、耐高温オフセット性に優れるトナーを得るに適するトナー用樹脂組成物を得ることができるが、ビスフェノールを多量に含むトナー用樹脂組成物は着色する恐れがある。従って、着色のないトナー用樹脂組成物を得たい場合には、ビスフェノールを含有しないジオールを用いることが好ましい。
【0046】
上記非結晶性ポリエステルセグメントの原料となる非結晶性ポリエステルを得るためには、複数種類の上記ジカルボン酸と複数種類の上記ジオールとを主成分とするモノマー混合物を重縮合させれば良い。
【0047】
上記非結晶性ポリエステルセグメントは、Tgが−70〜+80℃であることが好ましく、より好ましくは−40〜+70℃である。非結晶性ポリエステルセグメントのTgが−70℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルセグメントのTgが+80℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が著しく悪化することがある。
【0048】
非結晶性ポリエステルセグメントのTgは、ジカルボン酸の種類を選択することにより調整することができる。即ち、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸はTgを向上させる機能を有し、セバシン酸やアジピン酸等の長鎖の脂肪族ジカルボン酸はTgを低下させる機能を有するので、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることにより目的とするTgを達成することができる。しかし、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせて目的のTgを達成すると、非結晶性ポリエステルセグメントの軟化温度が高くなりすぎることがある。
【0049】
そこで、上記非結晶性ポリエステルセグメントは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルに由来するものであることが好ましい。これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルは、目的とするTgと適正な軟化温度とをより容易に両立させることができるものとなる。又、上記2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有する多価カルボン酸と多価アルコールとを含むモノマー混合物を用いることにより、得られるポリエステルひいてはポリエステルセグメントの結晶化を効果的に抑制することができる。
【0050】
上記2価の屈曲モノマーとしては、ポリエステルの分子鎖に屈曲した分子構造を導入できるものであれば如何なるモノマーであっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、オルト位又はメタ位がカルボキシル基で置換された芳香族ジカルボン酸、オルト位又はメタ位がヒドロキシル基で置換された芳香族ジオール、非対称位置にカルボキシル基を有する多環芳香族ジカルボン酸、非対称位置にヒドロキシル基を有する多環芳香族ジオール等が挙げられ、その具体例としては、例えば、フタル酸、o−フタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物又は低級エステル、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸などのモノヒドロキシモノカルボン酸、カテコールなどのジオール等が挙げられる。これらの2価の屈曲モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】
又、上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては、分岐鎖の立体障害によりポリエステルブロック共重合体の結晶化を効果的に抑制できるものであれば如何なるモノマーであっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、分岐アルキル鎖を有する脂肪族ジオール、分岐アルキル鎖を有する脂環族ジオール等が挙げられ、その具体例としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどの脂肪族ジオールや、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物などの脂環族ジオール等が挙げられる。上記脂環族ジオールは、複数の脂環族ジオールが分岐アルキレン鎖により連結された脂環族ジオールであることが好ましい。又、これらの分岐鎖を有する2価のモノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0052】
上記ポリエステルブロック共重合体においては、結晶性ポリエステルセグメントが、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを重縮合させて得られる結晶性ポリエステルに由来するものであり、非結晶性ポリエステルセグメントが、テレフタル酸、o−フタル酸及びネオペンチルグリコールを重縮合させて得られる非結晶性ポリエステルに由来するものであることが好ましい。より好ましくは、ジカルボン酸がテレフタル酸70〜94.9モル%、o−フタル酸及び/又は無水フタル酸0.1〜10モル%及びイソフタル酸5〜20モル%からなり、ジオールが分岐鎖を有するジオール20〜100モル%からなる組み合わせである。
【0053】
又、結晶性ポリエステルセグメント及び非結晶性ポリエステルセグメントの構成モノマーとして、例えばテレフタル酸等の共通のモノマーを使用することにより両者の相溶性を向上させることができ、ポリエステルブロック共重合体の透明性を向上させることができる。更に、イソフタル酸を併用することによりポリエステルブロック共重合体の透明性を向上させることもできる。
【0054】
上記ポリエステルブロック共重合体は、架橋構造を有しないものであることが好ましいが、ポリエステルブロック共重合体のTgを高めてトナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性をより向上させたい場合には、3価以上のアルコールや3価以上のカルボン酸をモノマーとして併用し、ポリエステルブロック共重合体に架橋構造を有させても良い。
【0055】
上記3価以上のアルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエルスルトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの3価以上のアルコールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】
又、上記3価以上のカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等や、これらの無水物又は低級エステル等が挙げられる。これらの3価以上のカルボン酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0057】
上記ポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメント及び非結晶性ポリエステルセグメントの含有量は、特に限定されるものではないが、結晶性ポリエステルセグメント1〜70重量%及び非結晶性ポリエステルセグメント30〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは結晶性ポリエステルセグメント3〜70重量%及び非結晶性ポリエステルセグメント30〜97重量%である。
【0058】
ポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメントの含有量が1重量%未満であるか、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が99重量%を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体中における結晶性ポリエステルセグメントの含有量が70重量%を超えるか、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が30重量%未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0059】
上記ポリエステルブロック共重合体は、特に限定されるものではないが、重量平均分子量(Mw)が5000〜30000であることが好ましく、より好ましくは10000〜20000である。ポリエステルブロック共重合体のMwが5000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体のMwが30000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0060】
上記ポリエステルブロック共重合体を構成する結晶性ポリエステルセグメント又は非結晶性ポリエステルセグメントの原料となる結晶性ポリエステル又は非結晶性ポリエステルの作製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記の各モノマーを、不活性ガス雰囲気中において、エステル化反応触媒の共存下、180〜290℃程度の温度でエステル化することにより、所望の上記ポリエステルを得ることができる。
【0061】
上記エステル化反応触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレートなどの錫化合物、チタンテトラブトキシドなどの金属アルコキシド等が挙げられる。これらのエステル化反応触媒は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0062】
上記エステル化反応触媒の中でも、チタンテトラブトキシドなどのチタン系触媒は、リン系化合物による触媒作用の抑制効果が大きいので、結晶性ポリエステル中や非結晶性ポリエステル中にチタン系触媒が残存した場合には、リン系化合物を添加することにより、ブロック重合反応が阻害されず速やかにブロック重合反応を進行させることができる。従って、ブロック重合反応の際にはリン系化合物を添加すると共に、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルの作製に際してはエステル化反応触媒としてチタン系触媒を用いることが好ましい。
【0063】
上記ポリエステルブロック共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、Mwが2000〜100000程度の結晶性ポリエステルとMwが2000〜30000程度の非結晶性ポリエステルとを、リン系化合物の共存下でブロック重合することにより、所望のポリエステルブロック共重合体を得ることができる。このようなMwを有する結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルを用いることにより、反応効率を落とすことなく、ブロック化を効果的に制御することができる。
【0064】
ポリエステルブロック共重合体を構成する結晶性ポリエステルは、特に限定されるものではないが、Mwが2000〜100000であることが好ましく、より好ましくは10000〜100000である。結晶性ポリエステルのMwが2000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの機械的物性が不十分となることがあり、逆に結晶性ポリエステルのMwが100000を超えると、結晶性ポリエステルの粘度が高くなり過ぎて、ブロック化反応が困難となることがある。
【0065】
又、ポリエステルブロック共重合体を構成する非結晶性ポリエステルは、特に限定されるものではないが、Mwが2000〜30000であることが好ましく、より好ましくは10000〜25000である。非結晶性ポリエステルのMwが2000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの機械的物性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルのMwが30000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。非結晶性ポリエステルのMwを2000〜30000に制御するためには、減圧することなくエステル化反応を行うことが好ましい。減圧してエステル化反応を行うと、非結晶性ポリエステルの粘度及びMwが大きくなり過ぎて、ブロック化反応における反応性が低下するため、反応温度を上昇させる必要や反応時間を長くする必要が生じ、生産性が低下することがある。
【0066】
上記リン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸エステルやリン酸アミドなどのリン酸塩、亜リン酸エステルや亜リン酸アミドなどの亜リン酸塩、フォスフィン等が挙げられ、中でも、リン酸や亜リン酸が好適に用いられる。これらのリン系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0067】
上記リン系化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルを作製する際に使用されたエステル化反応触媒の合計量に対して、リン系化合物が等モルから1.5倍モルであることが好ましい。エステル化反応触媒の合計量に対するリン系化合物の使用量が等モル未満であると、結晶性ポリエステル中や非結晶性ポリエステル中に残存するエステル化反応触媒が、ブロック重合を行う際の反応条件によっては、結晶性ポリエステルや非結晶性ポリエステルを低Mwのセグメントに切断すると共に、一旦切断された低Mwのセグメントが再度ブロック重合するので、Mwの小さいポリエステルがブロック重合されたポリエステルブロック共重合体となることがあり、逆にエステル化反応触媒の合計量に対するリン系化合物の使用量が1.5倍モルを超えると、リン系化合物が殆どのポリエステルの末端に結合してしまうので、ブロック重合が阻害されて、通常の条件で十分な重合速度を得ることが困難となることがある。
【0068】
上記ポリエステルブロック共重合体の具体的な製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとをそれぞれ重縮合した後、ブロック重合させる3つの反応容器を用いる製造方法や、非結晶性ポリエステルの重縮合途中又は重縮合終了後に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステルを添加し、ブロック重合させるか、又は、結晶性ポリエステルの重縮合途中又は重縮合終了後に、予め別途作製しておいた非結晶性ポリエステルを添加し、ブロック重合させる2つの反応容器を用いる製造方法等が挙げられ、中でも、反応容器の数が少ないので工程を短縮することができることから、2つの反応容器を用いる製造方法を採ることが好ましい。
【0069】
上記2つの反応容器を用いるポリエステルブロック共重合体の具体的な製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、非結晶性ポリエステルを重縮合した反応容器に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステル及び亜リン酸(リン系化合物)を加え、窒素ガス雰囲気下及び常圧下、250℃で加熱し、結晶性ポリエステルが十分に溶融した後に、250℃、攪拌回転数60rpmで10分間攪拌を継続し、次いで、反応系内(反応容器内)を665Pa以下に減圧し、250℃、攪拌回転数60rpmで10分間攪拌してブロック重合させる方法や、非結晶性ポリエステルを重縮合した反応容器に、予め別途作製しておいた結晶性ポリエステル及び亜リン酸(リン系化合物)を加え、窒素ガス雰囲気下及び常圧下、250℃で加熱し、結晶性ポリエステルが十分に溶融した後に、240℃、攪拌回転数60rpmで30分間攪拌を継続し、次いで、反応系内(反応容器内)を665Pa以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで30分間攪拌してブロック重合させる方法等が挙げられる。
【0070】
このような製造方法を採ることにより、結晶性ポリエステル中及び/又は非結晶性ポリエステル中に含まれる低分子量成分や反応で生成した減圧下での揮発性成分等が反応系外へ除去され、エステル交換反応の平衡関係をポリエステルブロック共重合体が高分子量化し易い方向に移行させることができる。又、反応系内(反応容器内)の減圧を行わない場合に比較して、結晶性ポリエステル及び/又は非結晶性ポリエステルが低分子量のセグメントに切断され難いので、分子量の大きいポリエステルブロック共重合体を得ることができる。
【0071】
上記ブロック重合を行う際の初期反応温度は結晶性ポリエステルの融点以上であることが好ましい。ブロック化のためのエステル交換反応を円滑に進めるためには反応系の温度は高い方が望ましいが、反応系の温度を高くすると、反応の制御が困難となってランダム化し易くなったり、熱劣化や着色が起こり易くなる。そこで、反応系の初期温度を先ず結晶性ポリエステルの融点以上に保持し、結晶性ポリエステルを十分に溶融させた後に、反応系の後期温度を結晶が析出しない範囲で低下させ、その後期温度で反応を継続させることが反応の制御の面及び熱劣化や着色の防止の面で好ましい。上記ブロック重合を行う際の後期反応温度は、特に限定されるものではないが、220〜270℃であることが好ましい。ブロック重合を行う際の後期反応温度が220℃未満であると、反応性が不十分となることがあり、逆にブロック重合を行う際の後期反応温度が270℃を超えると、反応の制御が困難となったり、熱劣化や着色が起こり易くなることがある。
【0072】
上記ブロック重合を行う際の結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとの混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融混合法、熱混練による混合法、溶媒に溶解させることによる混合法等が挙げられ、中でも、ポリエステルブロック共重合体の反応を制御し易いことから、溶融混合法を採ることが好ましい。
【0073】
又、本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記ポリエステル系樹脂の中でも、主成分としてのTgが50〜80℃である非結晶性ポリエステルを主成分とし、この主成分に対し、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとTgが−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、Mwが20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体が配合されてなるポリエステル混合物が好適に用いられる。
【0074】
上記ポリエステル混合物の主成分として用いられる非結晶性ポリエステルは、前記ポリエステルブロック共重合体の非結晶性ポリエステルセグメントを構成する非結晶性ポリエステルと同様、ジカルボン酸とジオールとの重縮合により得られる。
【0075】
上記非結晶性ポリエステルは、Tgが50〜80℃であることが好ましく、より好ましくは55〜65℃であり、又、Mwが5000〜20000であることが好ましい。非結晶性ポリエステルのTgが50℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に非結晶性ポリエステルのTgが80℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が悪くなることがある。
【0076】
上記ポリエステル混合物に用いられるポリエステルブロック共重合体は、上述のものと同様のポリエステルブロック共重合体で良いが、そのMwは、20000〜200000であることが好ましく、より好ましくは30000〜150000である。ポリエステルブロック共重合体のMwが20000未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となることがあり、逆にポリエステルブロック共重合体のMwが200000を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0077】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが相溶することが好ましい。両者が相溶することによって、ポリエステル混合物が無色透明になるため、発色性の良好なトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得ることができると共に、ポリエステル混合物の機械的物性が向上するため、優れた耐高温オフセット性を有するトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得ることができる。尚、上記相溶とは、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが、均一に混和する状態を言い、両者は、完全に相溶しても良いし、一部が相溶しても良い。
【0078】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体中のTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとが、50重量%以上同じ組成で構成されていることが好ましく、より好ましくは60重量%以上であり、更に好ましくは80重量%以上である。
【0079】
上記非結晶性ポリエステルと上記非結晶性ポリエステルセグメントとが50重量%以上同じ組成で構成されていることにより、両者の相溶性が向上する。上記同じ組成が50重量%未満であると、両者の相溶性が悪化して、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が不十分となる。
【0080】
上記ポリエステル混合物においては、Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルの含有量が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。上記非結晶性ポリエステルの含有量が50重量%未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0081】
又、上記ポリエステル混合物には、更に、融点が好ましくは50〜120℃である低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂が配合されていても良い。上記結晶性ポリエステルの融点が50℃未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐ブロッキング性が不十分となることがあり、逆に上記結晶性ポリエステルの融点が120℃を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性の向上効果が不十分となることがある。
【0082】
上記低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、前記Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、上記低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体や、前記Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステル由来の非結晶性ポリエステルセグメントと上記低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体や、上記低融点の結晶性ポリエステルと他のポリエステル系樹脂との混合物等が挙げられる。これらの低融点の結晶性ポリエステルを含むポリエステル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0083】
上記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体においては、特に限定されるものではないが、低融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が20重量%以下であり、且つ、高融点の結晶性ポリエステルセグメントと非結晶性ポリエステルセグメントとの合計量中における高融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が3〜70重量%であり、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が30〜97重量%であることが好ましい。
【0084】
又、上記融点が好ましくは140〜280℃である高融点の結晶性ポリエステルセグメントと、Tgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントと、低融点の結晶性ポリエステル由来の低融点の結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体においては、高融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が3〜70重量%であり、低融点の結晶性ポリエステルセグメントの含有量が0.5〜20重量%であり、非結晶性ポリエステルセグメントの含有量が10〜96.5重量%であることがより好ましい。
【0085】
本発明のトナー用樹脂組成物に好適に用いられるポリエステル混合物は、上記Tgが好ましくは50〜80℃である非結晶性ポリエステルと、上記融点が好ましくは140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとTgが好ましくは−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、Mwが好ましくは20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体とを混合して作製する。上記非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体との混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、反応釜で撹拌混合する方法、押出機やニーダー等によって溶融混練する方法等が挙げられ、いずれの混合方法を採っても良いが、低温定着性や耐高温オフセット性等に優れるトナー用樹脂組成物ひいてはトナーを得るためには、非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体とを均一に混合することが好ましい。又、上記混合時には、同時に進行するエステル交換反応を抑制するために、前記リン系化合物を添加することが好ましい。尚、上記非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体との混合は、トナー用樹脂組成物又はトナーの製造時に同時に行っても良い。
【0086】
上記反応釜で撹拌混合する方法においては、撹拌混合の温度は160〜270℃であることが好ましく、より好ましくは180〜240℃である。攪拌混合の温度が160℃未満であると、非結晶性ポリエステルとポリエステルブロック共重合体とを均一に混合することが困難となることがあり、逆に攪拌混合の温度が270℃を超えると、非結晶性ポリエステル及び/又はポリエステルブロック共重合体が熱劣化や着色を起こし易くなることがある。
【0087】
又、上記押出機やニーダー等によって溶融混練する方法においては、混練機として、例えば、二軸同方向押出機、二軸異方向押出機、単軸押出機などの押出機、コーニーダーなどのニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリギア、トランスファミックス、プラストグラフ、オープンロール連続押出機等の公知の各種混練機を用いることができるが、中でも、より均一な混練に適する混練機として、二軸同方向押出機やコーニーダー(例えば、BUSS社製の商品名「BUSS KKG4,6−7 KO−KNEADER Plant」)等が挙げられる。
【0088】
上記二軸押出機を用いる場合、十分な混練時間を得るためには、二軸押出機のL/Dが35〜55であることが好ましく、より好ましくは45〜55である。又、均一に混練するためには、スクリューディメンションとして初期にニーディングディスクを多用した構成とし、上記ポリエステルブロック共重合体を十分に溶融させた後、上記非結晶性ポリエステルと十分に混練する方法を採ることが好ましい。この場合、混練温度は120〜270℃であることが好ましく、より好ましくは140〜240℃である。混練温度が120℃未満であると、均一に混練することができなくなることがあり、逆に混練温度が270℃を超えると、非結晶性ポリエステル及び/又はポリエステルブロック共重合体が熱劣化や着色を起こし易くなることがある。又、ポリエステルブロック共重合体を溶融するための温度は高い方が好ましく、非結晶性ポリエステルの溶融粘度を上昇させて、より均一に混練するためには、混練温度は低い方が好ましい。
【0089】
本発明のトナー用樹脂組成物に用いられる層状珪酸塩とは、結晶層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。
【0090】
上記層状珪酸塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ(膨潤性雲母)等が挙げら、中でも、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカが好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、天然物であっても良いし、合成物であっても良い。又、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0091】
上記層状珪酸塩としては、下記関係式(1)で定義される形状異方性効果の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明のトナー用樹脂組成物はより優れた力学的物性を有するものとなる。
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶表面(B)の面積 (1)
式中、結晶表面(A)は層の表面を意味し、結晶表面(B)は層の側面を意味する。
【0092】
上記層状珪酸塩の形状は、特に限定されるものではないが、凝集構造を解砕した結晶薄片の平均長さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、アスペクト比が20〜500であるものが好ましく、より好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200のものである。
【0093】
上記層状珪酸塩の結晶層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムやカルシウムなどの金属のイオンのことであり、これらの金属のイオンは、他のカチオン性物質とカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)もしくは捕捉することができる。
【0094】
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量は、特に限定されるものではないが、50〜200ミリ等量/100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは捕捉されるカチオン性物質の量が少なくなるため、結晶層間が十分に疎水化(非極性化)されないことがあり、逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
【0095】
本発明においては、予め上記層状珪酸塩の結晶層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、疎水化しておくことが好ましい。予め層状珪酸塩の結晶層間を疎水化しておくことにより、層状珪酸塩と例えばポリエステル系樹脂やビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂との親和性が高まり、層状珪酸塩を熱可塑性樹脂中により均一に微分散させることができる。
【0096】
上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等が挙げられ、中でも、層状珪酸塩の結晶層間を十分に疎水化し得ることから、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウム塩)が好適に用いられる。
【0097】
上記4級アンモニウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0098】
又、上記4級ホスホニウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0099】本発明で用いられる層状珪酸塩は、上述のような化学処理を施すことによって熱可塑性樹脂中への分散性を向上させることができる。
【0100】
上記化学処理は、(1)カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法(以下、「化学修飾(1)法」と記す)に限定されるものではなく、例えば、以下に示す(2)〜(6)の化学処理法によっても実施することができる。尚、化学修飾(1)法を含め、以下に示す(2)〜(6)の化学処理法によって熱可塑性樹脂中への分散性を向上させた層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」と記す。
【0101】
(2)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得るか、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(2)法」と記す)。
【0102】
(3)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基及び反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(3)法」と記す)。
【0103】
(4)上記化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(4)法」と記す)。
【0104】
(5)上記化学修飾(4)法において、アニオン性界面活性を有する化合物の分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(5)法」と記す)。
【0105】
(6)上記化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法(以下、「化学修飾(6)法」と記す)。
【0106】
これらの化学修飾法は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0107】
上記化学修飾(2)法における、水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシル基、グリシジル基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も包含する)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基などの官能基や、水酸基との化学的親和性が大きいアミノ基やその他の官能基等が挙げられる。これらの官能基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0108】
又、上記水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記に例示した官能基を有するシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0109】
上記シラン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0110】
上記化学修飾(4)法又は化学修飾(5)法における、アニオン性界面活性を有する化合物、又は、アニオン性界面活性を有し、分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0111】
又、本発明においては、上記層状珪酸塩が、熱可塑性樹脂と反応するか又は熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きく、且つ、層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基と反応する表面処理剤により表面処理が施されていることが好ましい。
【0112】
層状珪酸塩にこのような表面処理を施すことにより、熱可塑性樹脂に対する層状珪酸塩の分散性が向上し、且つ、層状珪酸塩の表面が熱可塑性樹脂の架橋点もしくは疑似架橋点となるため、優れた耐高温オフセット性を発現するトナー用樹脂組成物ひいてはトナーとすることができる。このようなトナー用樹脂組成物を得る具体的な方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂の重合時に上記化学修飾(2)法で化学処理が施された有機化層状珪酸塩を添加する方法を採ることが好ましい。
【0113】
本発明のトナー用樹脂組成物において、上記層状珪酸塩(有機化層状珪酸塩も包含する)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記熱可塑性樹脂(好ましくはポリエステル系樹脂)100重量部に対し、層状珪酸塩0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0114】
熱可塑性樹脂100重量部に対する層状珪酸塩の配合量が0.1重量部未満であると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの耐高温オフセット性が十分に向上しないことがあり、逆に熱可塑性樹脂100重量部に対する層状珪酸塩の配合量が20重量部を超えると、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性が不十分となることがある。
【0115】
本発明のトナー用樹脂組成物中においては、上記層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定された(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることが好ましく、より好ましくは、上記平均層間距離が3.5nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることである。尚、本発明で言う層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、即ち、広角X線回折測定法により、算出することができる。又、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡による5万倍から10万倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の数(X)の内、5層以下に分散している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記計算式(2)により算出することができる。
5層以下に分散している割合(%)=(Y/X)×100 (2)
【0116】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であるということは、層状珪酸塩の層間が3nm以上に開裂していることを意味しており、又、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散しているということは、層状珪酸塩の積層体の一部又は全部がトナー用樹脂組成物中に広く分散していることを意味しており、いずれも層状珪酸塩の層間の相互作用が弱まっていることを意味する。
【0117】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上、好ましくは3.5nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層がほぼ層毎に分離し、層状珪酸塩の層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片のトナー用樹脂組成物中における分散状態が安定的に持続し易くなる。逆に、層状珪酸塩の平均層間距離が3nm未満であると、層状珪酸塩の結晶薄片が互いに相互作用を維持したままの状態、即ち、数十層が合着積層した状態(凝集状態)でトナー用樹脂組成物中に存在していることになって、層状珪酸塩の比表面積が小さくなるので、層状珪酸塩を配合することによる効果を十分に得られず、トナー用樹脂組成物ひいてはトナーの低温定着性、耐高温オフセット性、力学的物性等が不十分となることがある。
【0118】
又、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散しているということは、具体的には、層状珪酸塩の10%以上が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態にあることが好ましいことを意味し、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態である。
【0119】
層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分層していることが好ましく、より好ましくは3層以下に分層していることであり、更に好ましくは単層状に分層(単層体化)していることである。
【0120】
本発明のトナー用樹脂組成物において、層状珪酸塩が、平均層間距離が3nm以上、好ましくは3.5nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散している状態にあると、即ち、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が高分散している状態にあると、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると共に、層状珪酸塩の結晶薄片間の平均距離が小さくなる。
【0121】
熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂の拘束の度合いが高まり、弾性率等の力学的物性が向上する効果を得られる。
【0122】
例えば、本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されたトナーの加熱定着時に高温で熱可塑性樹脂を溶融した際にも、トナー用樹脂組成物中に高分散した層状珪酸塩によって熱可塑性樹脂が拘束され、あたかも層状珪酸塩によって熱可塑性樹脂が架橋されているかのような効果(疑似架橋効果)を得られることから、トナーの耐高温オフセット性が向上する。又、層状珪酸塩が熱可塑性樹脂と結合している場合には、より強固に熱可塑性樹脂を拘束するため、トナーの被定着用紙上への定着性がより向上したり、耐高温オフセット性がより向上すると共に、最低定着温度が低下して、定着温度幅が広がり、トナーの利便性が著しく向上する。
【0123】
又、トナー用樹脂組成物中に含有される物質がトナー用樹脂組成物中を移動する場合には、高分散した層状珪酸塩を迂回する必要が生じる。この層状珪酸塩による邪魔板効果により、トナー用樹脂組成物中に含まれる不純物等が表面にブリードアウトするのを効果的に防止することができる。
【0124】
例えば、熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いる場合には、洗浄によって残留モノマーを除去する必要があり、この洗浄作業が煩雑であると共に、洗浄に用いた溶剤が残留してブリードアウトするという問題がある。又、スチレン−アクリル樹脂の分解反応によりベンズアルデヒド等の有害分解物が発生してブリードアウトするという問題もある。しかし、本発明のトナー用樹脂組成物においては、上記層状珪酸塩の邪魔板効果により、上記残留モノマー、残留溶剤、有害分解物等のブリードアウトを効果的に防止することができる。
【0125】
又、トナーには離型剤としてワックスが配合されることがあるが、本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるトナーの場合、上記層状珪酸塩の邪魔板効果により、ワックスのブリードアウトを効果的に防止することができるので、通常より多量のワックスを配合しても耐ブロッキング性が損なわれることがない。
【0126】
本発明のトナー用樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂の原料となるモノマーと層状珪酸塩とを混合し、この状態で重合反応を行う方法、例えば押出機、二本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて、常温下もしくは加熱下で、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを溶融混練する方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とが溶解もしくは分散し得る溶媒中で両者を混練した後、溶媒を除去する方法等が挙げられ、いずれの製造方法が採られても良い。
【0127】
又、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩をより均一且つ微細に分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記有機化層状珪酸塩を用いる方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを常法により混練した後、発泡剤を用いて発泡させる方法、分散剤を用いる方法等が挙げられ、いずれの分散方法が採られても良い。このような分散方法を採ることにより、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩をより均一且つ微細に分散させることができる。
【0128】
本発明のトナー用樹脂組成物は、必須成分である熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの軟質ポリオレフィンや、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系エラストマー(スチレン系ゴム状ポリマー)等の1種類もしくは2種類以上を含有していても良い。
【0129】
次に、本発明のトナーは、上述した本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製される。即ち、本発明のトナーは、本発明のトナー用樹脂組成物をバインダー樹脂として用い、このバインダー樹脂に対して、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、磁性体、エラストマー(ゴム状ポリマー)、キャリア、クリーニング性向上剤等の各種配合剤の1種類もしくは2種類以上を配合することにより作製される。
【0130】
上記離型剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックスなどのオレフィン系ワックスやパラフィン系ワックス;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステル系ワックス;脱酸カルナバワックス;バルチミン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和脂肪族酸系ワックス;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪族酸系ワックス;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール系ワックスや脂肪族アルコール系ワックス;ソルビトールなどの多価アルコール系ワックス:リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミド系ワックス;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド系ワックス;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和酸アミド系ワックス;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド系ワックス;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;スチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーをポリオレフィンにグラフト重合させたグラフト変性ワックス;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールとを反応させた部分エステルワックス;植物性油脂を水素添加して得られるヒドロキシル基を有するメチルエステルワックス;エチレン含有量が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体ワックス;アクリル酸等の飽和ステアリルアクリレートワックスなどの長鎖アルキルアクリレートワックス;ベンジルアクリレートワックスなどの芳香族アクリレートワックス等が挙げられ、中でも、トナー用樹脂組成物との相溶性に優れ、透明性の高いトナーを得られることから、長鎖アルキルアクリレートワックスや芳香族アクリレートワックスが好適に用いられる。これらの離型剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、前記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製される本発明のトナーは、本来、低温定着性及び耐高温オフセット性の両方に優れているので、上記離型剤を必ずしも配合する必要はない。離型剤を配合しないことにより、本発明のトナーは、より優れた透明性を有するものとなる。
【0131】
上記着色剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックや、アニリンブラック、フタロシアニンブルー、キノリンイエロー、ランプブラック、ローダミン−B、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系顔料、インジコ系顔料、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0132】
上記着色剤の配合量は、特に限定されるものではないが、本発明のトナー用樹脂組成物100重量部に対し、着色剤1〜10重量部であることが好ましい。
【0133】
上記電荷制御剤には、正帯電用電荷制御剤と負帯電用電荷制御剤との2種類がある。上記正帯電用電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニグロシン染料、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が挙げられる。又、上記負帯電用電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられる。これらの電荷制御剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0134】
上記電荷制御剤の中でも、酸変性電荷制御剤が好適に用いられる。上記酸変性電荷制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、サリチル酸変性電荷制御剤等が挙げられる。サリチル酸変性電荷制御剤は、トナー用樹脂組成物と架橋してゴム弾性を発現する。又、ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体やジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛錯体などのアルキル置換サルチル酸の金属錯体は、無色又は淡色であるため、トナーの色調に影響を与えないので好ましい。
【0135】
上記電荷制御剤の配合量は、特に限定されるものではないが、本発明のトナー用樹脂組成物100重量部に対し、電荷制御剤0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0136】
上記磁性体としては、特に限定されるものではないが、例えば、チタン工業社製の商品名「TAROX BL」シリーズ、戸田工業社製の商品名「EPT」シリーズ、商品名「MAT」シリーズ、商品名「MTS」シリーズ、同和鉄粉社製の商品名「DCM」シリーズ、関東電化工業社製の商品名「KBC」シリーズ、商品名「KBI」シリーズ、商品名「KBF」シリーズ、Bayer AG社製の商品名「Bayoxide E」シリーズなどの市販品等が挙げられる。これらの磁性体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0137】
上記エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルイソプレンゴム(アクリロニトリル−イソプレン共重合体)などの合成ゴム;ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマーなどのエラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体などの芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体等が挙げられ、中でも、トナー用樹脂組成物や他の成分との親和性に優れることから、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基などの極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体(末端極性基含有ブロック共重合体)が好適に用いられる。上記末端極性基含有ブロック共重合体は、リビング重合により得ることができる。これらのエラストマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、上記ブロック共重合体には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体が混合されていても良いし、これらの水素添加物が混合されていても良い。
【0138】
上記エラストマーは、トナーのバインダー樹脂として用いられる本発明のトナー用樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の力学的物性を向上させることができる。従って、エラストマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができると共に、バインダー樹脂に高い力学的物性が要求される非磁性1成分トナーとして好適なものとなる。
【0139】
上記キャリアとしては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類金属などの金属単体や、合金、酸化物、フェライト等が挙げられる。これらのキャリアは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、上記キャリアは、表面が酸化されていても良いし、表面が例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン塩基性染料、シリカ粉末、アルミナ粉末等で被覆されていても良い。キャリアの表面を被覆することにより、好ましい摩擦帯電性をキャリアに付与することができる。
【0140】
上記クリーニング性向上剤としては、トナー粒子と混合することによりトナーの流動性を向上させて、クリーニングブレードへのトナーの付着を防止し得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどのフッソ系ポリマー粉末;アクリル酸エステルポリマーなどのアクリル系ポリマー粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛などの脂肪酸金属塩粉末;酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物粉末;微粉末シリカ、シランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等により表面処理が施されたシリカ粉末、ヒュームドシリカ等が挙げられる。これらのクリーニング性向上剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0141】
【作用】
本発明のトナー用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなるので、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備するトナーを得るに適する。又、本発明のトナー用樹脂組成物は、無色透明もしくは淡色透明であるので、発色性の良好なトナーを得るに適する。
【0142】
又、熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いるか、及び/又は、層状珪酸塩としてモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカを用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0143】
本発明のトナーは、バインダー樹脂として上記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるので、低温から高温にわたる広い温度範囲で良好な定着性を発現することができ、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備すると共に、発色性も良好で所望の色調に容易に調整することができるものである。従って、本発明のトナーは、スイッチを入れてから印刷が可能となる迄の時間を短縮することができるので、経済的であると共に、加熱定着ローラの温度が下がっても画像の鮮明性を維持することができるので、印刷の高速化を図ることができる。又、本発明のトナーは、離型オイルが塗布された加熱定着ローラにより定着されても良いが、離型オイルが塗布されていない加熱定着ローラによっても良好な定着性を発現することができる。
【0144】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0145】
(実施例1)
1.ポリエステルブロック共重合体の製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モル、エステル化反応触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込んだ。次いで、220℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、融点が230℃である結晶性ポリエステルを作製した。
【0146】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル10モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオール成分としてエチレグリコール60モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを作製した。
【0147】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、上記で得られた結晶性ポリエステル30重量%、上記で得られた非結晶性ポリエステル70重量%、及び、亜リン酸を結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルの作製時に使用したTBB(エステル化反応触媒)の合計量(0.1モル)の等モルよりやや過剰の0.11モル仕込み、反応容器中の結晶が溶融した時点で温度を一定に保ち、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、攪拌速度60rpmでブロック化反応を行い、当初濁っていた反応容器内の溶融体が透明になった時点でブロック化反応を終了して、ポリエステルブロック共重合体を製造した。
【0148】
2.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオール成分としてエチレングリコール60モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ後、重縮合により理論的に生成するであろうと予測される非結晶性ポリエステル量70重量部に対し、層状珪酸塩として4級アンモニウム塩で化学処理を施した膨潤性フッ素マイカ(商品名「ソマシフMAE100」、5重量部を配合した。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルを製造した。
【0149】
3.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られたポリエステルブロック共重合体30部及び上記で得られた層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステル75重量部を240℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕を行って、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0150】
4.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物105重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として商品名「TN−105」(保土谷化学社製)1重量部、離型剤としてカルナバワックス1重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(商品名「ラボジェット」、日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(商品名「MDS−2」、日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ(商品名「アエロジルR972」、日本アエロジル社製)0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0151】
(実施例2)
1.ポリエステルブロック共重合体の製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール70モル及びエチレングリコール50モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、220℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、融点が220℃である結晶性ポリエステルを作製した。
【0152】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル10モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール90モル、他のジオール成分としてエチレグリコール30モル、エステル化反応触媒としてTBB0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを作製した。
【0153】
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、上記で得られた結晶性ポリエステル20重量%、上記で得られた非結晶性ポリエステル80重量%、及び、亜リン酸を結晶性ポリエステル及び非結晶性ポリエステルの作製時に使用したTBB(エステル化反応触媒)の合計量(0.1モル)の等モルよりやや過剰の0.11モル仕込んだ。次いで、反応容器中の結晶が溶融した時点で温度を一定に保ち、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、攪拌速度60rpmでブロック化反応を行い、当初濁っていた反応容器内の溶融体が透明になった時点でブロック化反応を終了して、ポリエステルブロック共重合体を製造した。
【0154】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られたポリエステルブロック共重合体100重量部に対し、層状珪酸塩として膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE100」1重量部を配合し、均一に溶融混練して、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0155】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物101重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス5重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0156】
(実施例3)
1.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、トリメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物110モル、エステル化反応触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込んだ。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステルを製造した。
【0157】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られた非結晶性ポリエステル100重量部に対し、層状珪酸塩として膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE100」2.5重量部を配合し、均一に溶融混練して、トナー用樹脂組成物を製造した。
【0158】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物102.5重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0159】
(実施例4)
1.非結晶性ポリエステルの製造
蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた60Lの反応容器に、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、トリメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物110モル、エステル化反応触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込んだ後、重縮合により理論的に生成するであろうと予測される非結晶性ポリエステル量100重量部に対し、層状珪酸塩として、有機変性モンモリロナイト(商品名「エスベンNX」、ホージュン社製)を濃度2重量%のγ−アミノプロピルエトキシシランで表面処理を施した層状珪酸塩2重量部を配合した。次いで、200℃に加熱した反応容器内に生じた水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行って、蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応容器の反応系内を667Pa以下に減圧し、240℃、攪拌速度60rpmで重縮合反応を行うと共に、重縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルを製造した。
【0160】
2.トナー用樹脂組成物の製造
上記で得られた層状珪酸塩を含有する非結晶性ポリエステルをそのままトナー用樹脂組成物として用いた。
【0161】
3.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物102重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0162】
(比較例1)
1.トナー用樹脂組成物の製造
層状珪酸塩を配合することなく、実施例3で得られた非結晶性ポリエステルをそのままトナー用樹脂組成物として用いた。
【0163】
2.トナーの製造
上記で得られたトナー用樹脂組成物100重量部に対し、着色剤としてカーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、電荷制御剤として「TN−105」1重量部、離型剤としてカルナバワックス3重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで十分に混合し、130℃で溶融混練した後、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル「ラボジェット」で微粉砕して、平均粒子径が約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機「MDS−2」で分級して、平均粒子径が約10μmのトナー微粉末を得た。次いで、このトナー微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ「アエロジルR972」0.3重量部を配合し、均一に混合して、トナーを製造した。
【0164】
実施例1〜実施例4及び比較例1で用いた結晶性ポリエステル、非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体のMwを以下の方法で測定した。又、実施例1〜実施例4及び比較例1で用いた非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体のTgを以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0165】
〔Mwの測定方法〕
(1)結晶性ポリエステル
GPC測定装置(商品名「HTR−C」、日本ミリポアリミテッド社製)を用い、カラム(商品名「HFIP−806M」、昭和電工社製)2本を直列につないで、温度:40℃、試料:0.1重量%ヒドロキシフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量:100μL、キャリア溶媒:1L当たりトリフルオロ酢酸(TFA)を0.68g含むHFIP、校正試料:標準ポリスチレンの測定条件で、Mwを測定した。
(2)非結晶性ポリエステル及びポリエステルブロック共重合体
GPC測定装置「HTR−C」を用い、カラム(商品名「HFIP−800P」、昭和電工社製)1本、カラム(商品名「KF−806M」、昭和電工社製)2本及びカラム(商品名「KF−802.5M」、昭和電工社製)1本を直列につないで、温度:40℃、試料:0.2重量%テトラヒドロフラン(THF)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量:100μL、キャリア溶媒:THF、校正試料:標準ポリスチレンの測定条件で、Mwを測定した。
【0166】
〔Tgの測定方法〕
示差走査熱量計(商品名「DSC−6200R」、セイコー電子工業社製)を用い、JIS K−7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、昇温速度:10℃/分の条件で、Tg(℃)を測定した。
【0167】
【表1】
【0168】
又、実施例1〜実施例4及び比較例1で得られたトナー用樹脂組成物の特性(▲1▼層状珪酸塩の平均層間距離、▲2▼5層以下の積層体の分散割合、▲3▼色調)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0169】
▲1▼層状珪酸塩の平均層間距離
X線回折測定装置(商品名「RINT1100」、リガク社製)を用いて、トナー用樹脂組成物の板状成形体中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔dを算出し、得られたdを平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ
式中、λは0.154であり、θは回折角を示す。
【0170】
▲2▼5層以下の積層体の分散割合
トナー用樹脂組成物の板状成形体をダイヤモンドカッターで切り出し、透過型電子顕微鏡(商品名「JEM−1200EXII」、日本電子社製)を用いて写真撮影を行い、単位面積当たりの層状珪酸塩の集合体の分散層数を測定し、5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合(%)を算出した。
【0171】
▲3▼色調
トナー用樹脂組成物の色調を目視で観察した。
【0172】
更に、実施例1〜実施例4及び比較例1で得られたトナーの性能(▲4▼耐ブロッキング性、▲5▼耐フィルミング性、▲6▼グロス、▲7▼耐オフセット性、▲8▼低温定着性)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0173】
▲4▼耐ブロッキング性
トナー10gを100mLのサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて、250μmのフィルターで篩いにかけ、フィルター上に残存した凝集物の有無を観察し、凝集物が有る場合には、凝集物の重量を測定して、トナー重量に対する凝集物の発生率(重量%)を求めた。
【0174】
▲5▼耐フィルミング性
トナーを用いて1万枚の印刷を行った後、加熱定着ローラへのトナーの付着の有無を目視で観察し、トナーの付着が認められないものをフィルミング無しと評価した。
【0175】
▲6▼グロス
グロスメータ{光沢度計(商品名「UGV−50」、スガ試験機社製)}を用い、実施例2〜実施例4及び比較例2で得られたトナー用樹脂組成物を用いて調製した黒色トナーで黒く塗りつぶされた試験紙をグロスメータに取り付け、反射角が75度となるように光路を設定して、グロス(光沢度)を測定した。
【0176】
▲7▼耐オフセット性
トナー6.5重量部を平均粒子径が50〜80μmの鉄粉キャリア93.5重量部と混合して現像剤を作製した。又、電子写真複写機として商品名「UBIX4160AF」(コニカ社製)を加熱定着ローラの設定温度を最大240℃まで変えられるように改造したものを用いた。加熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させ、各設定温度の加熱定着ローラによって未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を作製した。上記で得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーによって汚染されているか否かを目視で観察し、汚染が発生しない温度領域を非オフセット温度領域とした。又、非オフセット温度領域の最大値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
【0177】
▲8▼低温定着性
▲7▼で用いた電子写真複写機の加熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて複写を行ない、得られた複写物の余白部分や定着画像にかぶりが発生することなく、複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚染されておらず、複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦った時、定着画像の濃度の低下が10%未満である場合を定着性良好と判定し、その時の最低温度を最低定着温度として求めた。尚、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
【0178】
【表2】
【0179】
表1及び表2から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例4のトナー用樹脂組成物を用いて作製した実施例1〜実施例4のトナーは、いずれも耐ブロッキング性、耐フィルミング性、グロス(光沢度)、耐オフセット性及び低温定着性の全てについて良好もしくは優れた性能を発現した。
【0180】
これに対し、層状珪酸塩を含有させなかった比較例1のトナー用樹脂組成物を用いて作製した比較例1のトナーは、耐ブロッキング性及び耐オフセット性、特に耐高温オフセット性が劣っていた。
【0181】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のトナー用樹脂組成物は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なトナーを得るに適するものであり、トナーのバインダー樹脂として好適に用いられる。
【0182】
又、本発明のトナーは、上記本発明のトナー用樹脂組成物を用いて作製されるので、優れた低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を兼備し、発色性も良好なものであり、電子写真等における乾式現像方式用の乾式トナーとして好適に用いられる。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂及び層状珪酸塩が含有されてなることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のトナー用樹脂組成物。
- ポリエステル系樹脂が、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなるポリエステルブロック共重合体であることを特徴とする請求項2に記載のトナー用樹脂組成物。
- ポリエステル系樹脂が、ガラス転移温度が50〜80℃である非結晶性ポリエステルを主成分とし、この主成分に対し、融点が140〜280℃である結晶性ポリエステルセグメントとガラス転移温度が−70〜+80℃である非結晶性ポリエステルセグメントとからなり、重量平均分子量が20000〜200000であるポリエステルブロック共重合体が配合されてなるポリエステル混合物であることを特徴とする請求項2に記載のトナー用樹脂組成物。
- 層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物。
- 層状珪酸塩が、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物。
- 層状珪酸塩が、熱可塑性樹脂と反応するか又は熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きく、且つ、層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基と反応する表面処理剤により表面処理が施された層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物。
- 層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定された(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下の積層体又は単層体として分散していることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物を用いて作製されることを特徴とするトナー。
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