JP2004360869A - ダンパー機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダンパー機構6は、トルクを伝達するとともに捩り振動を減衰するための機構であ。複数のコイルスプリング33は、両回転部材同士が相対回転すると回転方向に圧縮される部材であり、回転方向に並んで配置されている。複数の小コイルスプリング45は、複数のコイルスプリング33の回転方向間に配置されている。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパー機構、特に、トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌に用いられるクラッチディスク組立体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能である。
【0003】
アイドル時異音とは、信号待ち等でシフトをニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときにトランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえる音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイドリング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトランスミッションのインプットギアとカウンターギアとが歯打ち現象を起こしている。
【0004】
ティップイン・ティップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりしたときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側から駆動伝達系に伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振動となる。
【0005】
アイドリング時異音に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけソリッドにすることが必要である。
以上の問題を解決するために、2種類のばね部材を用いることにより2段特性を実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振動を十分に減衰できる。
【0006】
さらに、捩じり特性2段目においてたとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収するダンパー機構も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
2段特性を実現したクラッチディスク組立体は、低剛性の弾性部材と高剛性の弾性部材とを有しており、両者はトルク伝達系においては例えば回転方向に直列に作用するように配置されている。ただし、低剛性の弾性部材は高剛性の弾性部材に比べて極端に低剛性に設定されているため、低剛性の弾性部材が圧縮されるときに高剛性の弾性部材はほとんど圧縮されない。
【0008】
低剛性の弾性部材と高剛性の弾性部材は、平面上における配置関係としては、異なる半径方向位置に配置されている。一般に、低剛性の弾性部材は、高剛性の弾性部材の半径方向内側に配置されている。
しかし、従来の弾性部材の平面上の配置関係では、ダンパー機構全体の径が大きくなってしまうという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、捩り特性2段を実現するために2種類の弾性部材を用いたダンパー機構において、全体の大型化を抑制することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパー機構は、トルクを伝達するとともに捩り振動を減衰するための機構であって、第1回転部材と第2回転部材と複数の弾性部材と複数の低剛性弾性部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。複数の弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると回転方向に圧縮される部材であり、回転方向に並んで配置されている。複数の低剛性弾性部材は、複数の弾性部材の回転方向間に配置されている。
【0011】
このダンパー機構では、第1回転部材と第2回転部材は、複数の弾性部材と複数の低剛性弾性部材を介してトルク伝達を行う。第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると、その間で複数の弾性部材と複数の低剛性弾性部材とが圧縮される。複数の低剛性弾性部材が複数の弾性部材の回転方向間に配置されているため、ダンパー機構全体が半径方向に大型化することがない。
【0012】
請求項2に記載のダンパー機構では、請求項1において、低剛性弾性部材は、弾性部材の内周縁と外周縁とによって規定される環状領域内に完全に入るように配置されている。
このダンパー機構では、ダンパー機構全体が半径方向に大型化することがない。
【0013】
請求項3に記載のダンパー機構では、請求項1又は2において、複数の弾性部材は第1回転部材及び第2回転部材の一方に保持されている。
このダンパー機構では、複数の弾性部材が第1回転部材及び第2回転部材の一方に保持されているため、第1回転部材及び第2回転部材の他方は複数の弾性部材を保持する部分を有する必要がない。
【0014】
請求項4に記載のダンパー機構は、請求項3において、複数の弾性部材の回転方向間に配置され、低剛性弾性部材にトルクを伝達可能な第1部材と、低剛性弾性部材からトルクが伝達可能な第2部材とをさらに備えている。
このダンパー機構では、第1部材と第2部材が複数の弾性部材の回転方向間に配置されているため、ダンパー機構が半径方向に大型化することがない。
【0015】
請求項5に記載のダンパー機構では、請求項3において、第1回転部材は、回転方向に並んだ複数の第1収容部を有する円板状部材である。第2回転部材は、第1回転部材の軸方向両側に配置され第1収容部に対応する複数の第2収容部を有する円板状部材である。弾性部材は第1及び第2収容部内に配置されている。低剛性弾性部材は、第1及び第2収容部内において、弾性部材の回転方向側に配置されている。
【0016】
このダンパー機構では、低剛性弾性部材が第1又は第2収容部内において弾性部材の回転方向側に配置されているため、省スペースの構造が実現されている。請求項6に記載のダンパー機構は、請求項5において、弾性部材と低剛性弾性部材との間に配置され、両者をトルク伝達可能に連結する第1スプリングシートをさらに備えている。
【0017】
このダンパー機構では、第1スプリングシートによって弾性部材と低剛性弾性部材との間のトルク伝達が確実になっている。
請求項7に記載のダンパー機構では、請求項6において、第1スプリングシートは、弾性部材の端部と低剛性弾性部材の端部とを脱落不能に係合している。
このダンパー機構では、第1スプリングシートによって弾性部材と低剛性弾性部材は端部同士が確実に係合している。
【0018】
請求項8に記載のダンパー機構では、請求項7において、第1スプリングシートは、低剛性弾性部材側に向いた凹部を有している。低剛性弾性部材は端部が凹部内に挿入されている。
このダンパー機構では、低剛性弾性部材の端部が第1スプリングシートの凹部に挿入されているため、両者の回転方向長さを短くできる。
【0019】
請求項9に記載のダンパー機構では、請求項8において、凹部は、低剛性弾性部材の端部が嵌合する第1部分と、低剛性弾性部材のダンパー半径方向外側に隙間を空けて配置された第2部分とを有する。
このダンパー機構では、凹部が第2部分を有しているため、低剛性弾性部材が圧縮されるときに凹部の壁面に摺動しにくい。
【0020】
請求項10に記載のダンパー機構は、請求項6〜9のいずれかにおいて、低剛性弾性部材と第1及び第2収容部の回転方向端との間に配置された第2スプリングシートをさらに備えている。
このダンパー機構では、第2スプリングシートによって、低剛性弾性部材に対する第1及び第2収容部との支持が安定する。
【0021】
請求項11に記載のダンパー機構では、請求項10において、第2スプリングシートは、第1及び第2収容部の回転方向端に回転方向に着脱可能に、かつ係合している時には半径方向及び軸方向に離脱不能になっている。
このダンパー機構では、第2スプリングシートは第1及び第2収容部の回転方向端面に係合している際には、回転方向以外には離脱不能となっている。
【0022】
請求項12に記載のダンパー機構では、請求項10又は11において、第2スプリングシートは、低剛性弾性部材の端部が嵌合する凹部を有している。
このダンパー機構では、低剛性弾性部材の端部が第2スプリングシートの凹部に係合しているため、低剛性弾性部材の姿勢や位置が安定する。
請求項13に記載のダンパー機構では、請求項12において、第2スプリングシートと第1スプリングシートは、低剛性弾性部材の圧縮が進むと互いに当接し、低剛性弾性部材のさらなる圧縮を防止するストッパー部を有している。
【0023】
このダンパー機構では、第1スプリングシートと第2スプリングシートのストッパー部によって低剛性弾性部材の圧縮が停止されるため、特別なストッパー部が不要であり、構造が簡単になる。
請求項14に記載のダンパー機構では、請求項5〜13のいずれかにおいて、弾性部材はコイルスプリングであり、低剛性弾性部材は少なくとも一部がコイルスプリング内に入り込んでいる。
【0024】
このダンパー機構では、低剛性弾性部材の少なくとも一部がコイルスプリング内に入り込んでいるため、両者の回転方向長さを短くできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
(1)構成
▲1▼全体構造
図1及び図2に示す本発明の一実施形態としてのクラッチ装置1は、エンジン側のクランクシャフト2とトランスミッション側の入力シャフト3との間でトルクを断続するための装置である。クラッチ装置1は、主に、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、クラッチカバー組立体8と、クラッチディスク組立体9と、レリーズ装置10とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5との組み合わせによって、ダンパー機構6を含むフライホイールダンパー11(後述)が構成されている。
【0026】
なお、図1及び図2のO−Oがクラッチ装置1の回転軸線であり、図1及び図2の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。以後、図1及び図2において左側を軸方向エンジン側といい、右側を軸方向トランスミッション側という。また、図3において矢印R1の向きが駆動側(回転方向正側)であり、矢印R2の向きが反駆動側(回転方向負側)である。
【0027】
▲2▼第1フライホイール組立体
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14と、支持プレート39(後述)とから構成されている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。環状部材14は、厚肉ブロック状の部材であり、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されている。円板状部材13の外周端は溶接等によって環状部材14に固定されている。さらに、環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。なお、第1フライホイール組立体4は一体の部材から構成されていてもよい。
【0028】
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。図5に示すように、円板状部材13の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材19が貼られている。摩擦材19は、複数の弧状部材から構成されており、全体で環状になっている。摩擦材19は、相対回転抑制機構24(後述)において、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。なお、摩擦材19は円板状プレート22(後述)に固定されていてもよい。
【0029】
さらに、円板状部材13の外周縁には、図5に示すように、軸方向トランスミッション側に延びる筒状部20が形成されている。筒状部20は、環状部材14の内周面に支持されており、その先端に複数の切り欠き20aが形成されている。切り欠き20aは、所定角度だけ回転方向に延びている。また、切り欠き20aは筒状部20において軸方向に突出する部分によって構成されていると考えてもよい。
【0030】
▲3▼第2フライホイール組立体
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21と、円板状プレート22とから構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向トランスミッション側に第1摩擦面21aが形成されている。第1摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール21には、さらに、軸方向エンジン側に第2摩擦面21bが形成されている。第2摩擦面21bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構7の摩擦摺動面として機能している。第2摩擦面21bは、第1摩擦面21aに比べて、外径はわずかに小さいものの、内径は大幅に大きい。したがって、第2摩擦面21bの有効半径は第1摩擦面21aの有効半径より大きい。なお、第2摩擦面21bは、摩擦材19に対して軸方向に対向している。
【0031】
円板状プレート22について説明する。円板状プレート22は、第1フライホイール組立体4と摩擦面付きフライホイール21との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート22は、外周部が複数のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されており、摩擦面付きフライホイール21と一体回転する部材として機能する。具体的に説明すると、円板状プレート22は、外周縁側から、外周固定部25と、外周側筒状部26と、当接部27と、内周側筒状部28の順番で構成されている。外周固定部25は、摩擦面付きフライホイール21の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。筒状部26は、外周固定部25の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分であり、円板状部材13の筒状部20の内周側に位置している。筒状部26には、複数の切り欠き26aが形成されている。切り欠き26aは、筒状部20の切り欠き20aに対応して形成されている。当接部27は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部27は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに対して軸方向に空間を介して対向している。この空間内に、後述する摩擦抵抗発生機構7の各部材が配置されている。このように摩擦抵抗発生機構7は第2フライホイール組立体5の円板状プレート22の当接部27と摩擦面付きフライホイール21との間に配置されているため、省スペースの構造が実現される。内周側筒状部28は、軸方向トランスミッション側に延びており、先端が摩擦面付きフライホイール21に近接している。内周側筒状部28の根元側外周面28aは先端側外周面28bより径が大きくなっており、両者の境界には段差部が形成されている。
【0032】
第1フライホイール組立体4の支持プレート39は、第2フライホイール組立体5を第1フライホイール組立体4に対して半径方向に支持するための部材である。支持プレート39は、円板状部39aと、その内周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状部39bとから構成されている。円板状部39aは、クランクシャフト2の先端面と円板状部材13との軸方向間に配置されている。円板状部39aには、ボルト貫通孔13aに対応してボルト貫通孔39cが形成されている。以上の構造により、支持プレート39は、円板状部材13及び入力側円板状プレート32とともに、ボルト15によってクランクシャフト2に固定されている。
【0033】
摩擦面付きフライホイール21の内周面は、ブッシュ47を介して、支持プレート39の筒状部39bの外周面に支持されている。このようにして、摩擦面付きフライホイール21は支持プレート39によって第1フライホイール組立体4及びクランクシャフと2に対して芯出しされている。
▲4▼ダンパー機構
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、複数のコイルスプリング33を含む高剛性ダンパー38と、摩擦抵抗発生機構7とから構成されている。ダンパー機構6は、さらに、捩り角度の小さな領域で低剛性の特性を発揮するための低剛性ダンパー37を含んでいる。なお、図20に示すように、低剛性ダンパー37と高剛性ダンパー38とはトルク伝達系において回転方向に直列に作用するように、さらには摩擦抵抗発生機構7に対して回転方向に並列に作用するように配置されている。
【0034】
一対の出力側円板状プレート30,31は、軸方向エンジン側の第1プレート30と、軸方向トランスミッション側の第2プレート31とから構成されている。両プレート30,31は、円板状部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。各プレート30,31には、円周方向に並んだ複数の窓部30a,31aがそれぞれ形成されている。窓部30a,31aは、後述するコイルスプリング33を軸方向及び回転方向に支持するための構造であり、コイルスプリング33を軸方向に保持しかつその円周方向両端に当接する切り起こし部を有している。窓部30a,31aは、図9に示すように、一対の回転方向端面94と、外周側支持部95と、内周側支持部96とから構成されている。回転方向端面94と内周側支持部96はそれぞれ概ね半径方向及び回転方向にストレートに延びており、外周側支持部95は回転方向に沿って弧状に延びている。
【0035】
第2プレート31の構造についてさらに詳細に説明する。第2プレート31の円板状本体には、円周方向に並んだ4個の窓部31aが形成されており、各窓部31aの円周方向間には後述するリベット68用の孔69が形成されている。第2プレート31の円板状本体の外周縁には、図3及び図4に示すように、軸方向エンジン側すなわち第1プレート30側に延びる複数のプレート連結部40が一体に形成されている。プレート連結部40は、軸方向延長部41と、その先端から半径方向内側に延びる固定部42とから構成されている。延長部41の先端は概ね第1プレート30の外周側まで軸方向に延びている。延長部41は、主面が半径方向両側を向いており、すなわち、半径方向幅がプレートの板厚と一致している。固定部42は第1プレート30の軸方向トランスミッション側面に当接しており、さらにリベット68によって固定されている。このようにして、プレート30,31は、一体回転するように互いに固定され、また軸方向の距離も維持されている。
【0036】
入力側円板状プレート32は、プレート30,31の間に配置された円板状の部材である。入力側円板状プレート32は円周方向に延びる複数の窓孔32aを有しており、その窓孔32a内にコイルスプリング33及び小コイルスプリング45が配置されている。窓孔32aは、図8に示すように、一対の回転方向端面91と、外周側支持部92と、内周側支持部93とから構成されている。回転方向端面91は概ね半径方向にストレートに延びており、外周側支持部92及び内周側支持部93は回転方向に沿って弧状に延びている。入力側円板状プレート32において窓孔32aの円周方向間部分には、後述するリベット68が軸方向に通過可能な切り欠き32bが形成されている。また、入力側円板状プレート32の外周縁には、図3及び図4に示すように、延長部41から回転方向に離れているが当接可能な当接部32cが形成されている。以上より、この実施形態ではプレート連結部40と当接部32cによって、ダンパー機構6のストッパー機構が構成されている。ただし、他の部分によってストッパー機構を構成していてもよい。
【0037】
各コイルスプリング33は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねである。各コイルスプリング33は、各窓孔32a及び窓部30a,31a内に収容され、半径方向両側と回転方向両側とを支持されているまた、各コイルスプリング33は、窓部30a,31aによって軸方向両側も支持されている。
次に、出力側円板状プレート30,31と摩擦面付きフライホイール21とを連結する連結構造34について説明する。連結構造34はボルト35とナット36とから構成されている。第2プレート31の内周縁には、図3及び図4に示すように、軸方向トランスミッション側に切り起こされた複数の固定部31bが形成されている。第2プレート31の円板状本体は摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面からわずかに離れて配置されているが、固定部31bは摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面に当接している。各固定部31bには、軸方向トランスミッション側に突出するボルト35が溶接によって固定されている。摩擦面付きフライホイール21において固定部31b及びボルト35に対応する位置には、凹部21cと孔21dとが形成されている。凹部21cは摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に形成されており、孔21dは凹部21cの中心を軸方向に貫通している。前述のボルト35は孔21d内に軸方向エンジン側から挿入されている。ナット36は、凹部21c及び孔21dに対して軸方向トランスミッション側から配置されており、ボルト35に螺合し、さらに凹部21cの底面に着座している。
【0038】
▲4▼−2低剛性ダンパー
低剛性ダンパー37は、主に小コイルスプリング45から構成されている。小コイルスプリング45は、コイルスプリング33に比べて、自由長、線径およびコイル径が大幅に小さく、剛性も極端に小さい。小コイルスプリング45は、図3に示すように、4つの窓孔32aのうち半径方向に対向する2つの(図3の上下)窓孔32a内において、コイルスプリング33の回転方向両側に配置されている。小コイルスプリング45の回転方向外側端は、窓孔32aおよび窓部30a,31aによって回転方向に支持されている。したがって、小コイルスプリング45は、コイルスプリング33と直列に作用するようになっている。なお、4つの窓孔32aのうち半径方向に対向する2つの(図3の左右)窓孔32a内において、コイルスプリング33の回転方向両端と窓孔32aの回転方向端との間には、所定角度の回転方向隙間79が確保されている。
【0039】
さらに詳細に説明すると、図8及び図9に示すように、小コイルスプリング45とコイルスプリング33との間には、第1スプリングシート70が配置されている。第1スプリングシート70は、図14〜図17に詳細に示すように、円板形状の支持部81と、第1突起82と、第2突起83とから構成されている。支持部81は、コイルスプリング33の大スプリング33aの回転方向端面が当接する環状の第1支持面81aを有している。第1突起82は、第1支持面81aから突出しており、コイルスプリング33の小スプリング33bの回転方向端面が当接する環状の第2支持面82aと、大スプリング33aの内周面が当接する第1外周面82bとを有している。第2突起83は、第1突起82の第2支持面82aから突出しており、平坦な先端面83aと、小スプリング33bの内周面が当接する第2外周面83bとを有している。なお、支持部81において第1支持面81aと反対側には、第2支持面81bが形成されている。第2支持面81bは、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端面91から回転方向に離れている(図8)が、第1プレート30及び第2プレート31の窓部30a,31aの回転方向端面94に当接又は近接している。
【0040】
第1スプリングシート70は、さらに、第1及び第2突起82,83と反対側の面に、小コイルスプリング45が挿入されるための凹部85を有している。凹部85は、図16及び図17に示すように、主に、第1部分86と、第2部分87とから構成されている。凹部85の第1部分86は、回転方向に見て円形の凹部であり、第2突起83に相当する部分に形成されている。凹部85の第2部分87は、第1部分86につながる開口部分であり、第1部分86から開口側に向かって徐々に半径方向両側に広がっていく半径方向面89,90を有している。また、半径方向面89,90と開口部との間には半径方向に延びる直線面89a,90aが確保されている。小コイルスプリング45の一端は、図22に示すように、第1スプリングシート70の凹部85内に配置され、さらにその先端部は凹部85の第1部分86内に挿入されている。第1スプリングシート70の先端は、トルク伝達可能となるように、凹部85の第1部分86の底面に当接している。また、第1スプリングシート70の先端部の外周面は、凹部85の第1部分の外周面に当接又は近接して嵌合している。以上に述べた状態において、図22に示すように、小コイルスプリング45と半径方向内側の半径方向面88との間には半径方向に小さな隙間が確保され、小コイルスプリング45と半径方向外側の半径方向面89との間には半径方向に大きな隙間が確保されている。
【0041】
第2スプリングシート71は、図10〜図13に示すように、本体部72と、一対の係合用突起73,74とから構成されている。本体部72は、軸方向に延びる概ね円柱形状の部分であり、図12及び図13に示すように、小コイルスプリング45側の側面に第1凹部77を有し、反対側の側面に第2凹部74を有している。第2凹部74は、半径方向両側が開放された切り欠き形状であり、回転方向を向く第1面74aと、軸方向に互いに向く第2及び第3面74b,74cとを有している。また、言い換えると、半径方向に延びる上下一対の突起75,76によって第2凹部74が形成されていると考えてもよい。図18に示すように、入力側円板状プレート32の窓孔32aにおいて、回転方向端面91は、さらに回転方向外側に凹んだ凹み部97を有している。凹み部97は、回転方向を向く直線状の第1面97aと、その両側の第2面97bとを有している。第2スプリングシート71は、図18に示すように、回転方向端面91に対して、回転方向には着脱可能であるが、係合状態では半径方向及び軸方向に移動不能となっている。詳細に説明すると、凹み部97の第1面97aが第2スプリングシート71の第2凹部74の第1面74aに当接しており、そのため、第2スプリングシート71から回転方向端面91にトルクが伝達されるようになっている。また、第1面97aの近辺部分が、突起75,76の軸方向間に配置されているため、第2スプリングシート71が入力側円板状プレート32から軸方向に離れることがない。さらに、第2スプリングシート71の本体部72の外周面が凹み部97の第2面97bに当接しているため、第2スプリングシート71が入力側円板状プレート32から半径方向に離れることがない。
【0042】
第1凹部77は、図13に示すように、半径方向に見ると円形の凹部であり、底面77aと、周面77bとを有している。第1凹部77内には、小コイルスプリング45の一端が挿入されている。小コイルスプリング45の一端の回転方向端面は第1凹部77の底面77aに当接しており、トルク伝達可能となっている。また、小コイルスプリング45の一端の外周面は第1凹部77の周面77bに当接又は近接することで嵌合しており、第2スプリングシート71から脱落不能となっている。
【0043】
図19に示すように、第1プレート30及び第2プレート31の窓部30a,31aの回転方向端面94には、さらに回転方向外側に凹んだ凹み部98が形成されている。凹み部98は半円形状を有している。第2スプリングシート71は、図19に示すように、回転方向端面94に対して、回転方向には着脱可能であるが、係合状態では半径方向及び軸方向に移動不能となっている。詳細に説明すると、第1及び第2突起73,74の面73a,74aが凹み部98に対して回転方向から係合している。そのため、第2スプリングシート71から回転方向端面94にトルクが伝達されるようになっており、また、第2スプリングシート71が第1プレート30及び第2プレート31から半径方向に離れることがない。。また、凹み部98の近辺部分が、本体部72の軸方向両側面72aに軸方向両側から近接して配置されているため、第2スプリングシート71が第1プレート30及び第2プレート31から軸方向に離れることがない。
【0044】
以上に述べた構造において、低剛性ダンパー37がコイルスプリング33同士の回転方向間に配置されているため、ダンパー機構6の径が必要以上に大きくならない。特に小コイルスプリング45は、軸方向に見た場合に、コイルスプリング33の最内周縁と最外周縁によって規定される環状領域内に完全に入っているため、ダンパー機構6の径が必要以上に大きくならない。
【0045】
さらに、小コイルスプリング45は、コイルスプリング33の回転方向両側に隣接して配置され、さらに具体的には窓孔32a等内に配置されているため、ダンパー機構6全体の小型化・省スペース化を実現できる。
▲4▼−3摩擦抵抗発生機構
摩擦抵抗発生機構7は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング33と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構7は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート22の当接部27との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構7は、図5及び図6に示すように、当接部27から摩擦面付きフライホイール21に向かって順番に、コーンスプリング43、出力側フリクションプレート44、入力側フリクションプレート63及びフリクションワッシャ61を有している。このように円板状プレート22は摩擦抵抗発生機構7を摩擦面付きフライホイール21側に保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0046】
コーンスプリング43は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、当接部27と出力側フリクションプレート44との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に一定の付勢力を与えている。出力側フリクションプレート44は外周縁に形成された爪部44aが円板状プレート22の切り欠き26aに係合しており、この係合によって出力側フリクションプレート44は、円板状プレート22及び摩擦面付きフライホイール21に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。なお、出力側フリクションプレート44は内周面が円板状プレート22の内周側筒状部28の根元側外周面28aに当接して、半径方向に位置決めされている。
【0047】
フリクションワッシャ61は、図7に示すように、回転方向に並んで配置された複数の部材であり、それぞれが弧状に延びている。各フリクションワッシャ61は、出力側フリクションプレート44と摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bとの間に挟まれている。つまり、フリクションワッシャ61の軸方向エンジン側面61aは出力側フリクションプレート44に摺動可能に当接しており、フリクションワッシャ61の軸方向トランスミッション側面61bは摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに摺動可能に当接している。図24に示すように、フリクションワッシャ61の外周面61cには、凹部62が形成されている。凹部62は、概ね回転方向中心に形成され、具体的には、回転方向に延びる底面62aと、その両端から回転方向外側に向かって斜めに延びる傾斜面62bとを有している。傾斜部62b、回転方向外側にいくにしたがって徐々に浅くなるように(凹部の半径方向寸法が短くなるように)形成されている。なお、フリクションワッシャ61の内周面61dは、回転方向中心部が内周側筒状部28の先端側外周面28bに近接しているが、回転方向両端は外側にいくに従って徐々に外周面28bから離れるようになっている。つまり、フリクションワッシャ61は、筒状部28に対して回転方向両端が揺動可能になっている。
【0048】
入力側フリクションプレート63は、フリクションワッシャ61の外周側に配置された円板状部分63aを有している。入力側フリクションプレート63の外周縁には、複数の突起63bが形成されている。
突起63bは、切り欠き26aに対応して形成されており、半径方向外側に延びる突起部63cと、その先端から軸方向エンジン側に延びる爪部63dとから構成されている。突起部63cは切り欠き26a内を半径方向に貫通しており、爪部63dは、筒状部26の外周側に位置しており、円板状部材13の筒状部20の切り欠き20a内に軸方向トランスミッション側から延びている。爪部63dの回転方向幅は切り欠き20aの回転方向幅と等しく、そのため爪部63dは切り欠き20a内を回転方向に移動不能である。
【0049】
入力側フリクションプレート63の円板状部分63aには、フリクションワッシャ61の外周面61cにわずかな隙間を空けて対向する内周面64と、そこから半径方向内側に延び凹部62内にそれぞれ配置された複数の凸部65とが設けられている。凸部65と凹部62とによって、摩擦抵抗発生機構7における係合部分78が形成されている。以下、係合部分78について詳細に説明する。凸部65は、概ね四角形状であり、角部65aが丸くなっている。凸部65は、凹部62の底面62aに近接しており、角部65aと傾斜面62bのそれぞれとの間には、所定角度(例えば、4°ずつ)の回転方向隙間79が確保されている。両角度の合計が、フリクションワッシャ61が入力側フリクションプレート63に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は8°であり(図21を参照)、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角に等しい又はわずかに越える範囲にあることが好ましい。
【0050】
以上に述べたように、フリクションワッシャ61は、出力側の部材である摩擦面付きフライホイール21及び出力側フリクションプレート44に摩擦係合し、入力側の部材である入力側フリクションプレート63に対して係合部分78の回転方向隙間79を介してトルク伝達可能に係合している。
ここでは、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bが摩擦抵抗発生機構7の摩擦面を構成しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0051】
▲5▼クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体8は、弾性力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54を摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー48と、プレッシャープレート49と、ダイヤフラムスプリング50とから構成されている。
【0052】
クラッチカバー48は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト51によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。
プレッシャープレート49は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー48の内周側において摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート49は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21a対向する押圧面49aを有している。また、プレッシャープレート49において押圧面49aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する複数の弧状突出部49bが形成されている。プレッシャープレート49は、弧状に延びる複数のストラッププレート53によってクラッチカバー48に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態ではプレッシャープレート49に対してストラッププレート53が摩擦面付きフライホイール21から離れる方向への荷重を付与している。
【0053】
ダイヤフラムスプリング50は、プレッシャープレート49とクラッチカバー48との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部50aと、弾性部50aから内周側に延びる複数のレバー部50bとから構成されている。弾性部50aの外周縁部はプレッシャープレート49の突出部49bに軸方向トランスミッション側から当接している。
【0054】
クラッチカバー48の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ48aが複数形成されている。タブ48aは、ダイヤフラムスプリング50の孔を貫通してプレッシャープレート49側に延びている。このタブ48aによって支持された2個のワイヤリング52が、ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部50aは、軸方向に圧縮されており、プレッシャープレート49とクラッチカバー48とに軸方向に弾性力を付与している。
【0055】
▲6▼クラッチディスク組立体
クラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aとプレッシャープレート49の押圧面49aとの間に配置される摩擦フェーシング54を有している。摩擦フェーシング54は、円板状かつ環状のプレート55を介してハブ56に固定されている。ハブ56の中心孔には、トランスミッション入力シャフト3がスプライン係合している。
【0056】
▲7▼レリーズ装置
レリーズ装置10は、クラッチカバー組立体8のダイヤフラムスプリング50を駆動することでクラッチディスク組立体9に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置10は、主に、レリーズベアリング58と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング58は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング58のアウターレースには、筒状のリティーナ59が装着されている。リティーナ59は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング50のレバー部50bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
【0057】
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン60とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン60との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン60は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング58のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン60はレリーズベアリング58を軸方向エンジン側に移動させる。
【0058】
▲8▼第1フライホイール組立体と第2フライホイール組立体との連結
以上に述べたように、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5は、それぞれ別個独立の組立体を構成しており、軸方向に着脱自在に組み付けられている。具体的には、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5は、外周側から、筒状部20と入力側フリクションプレート63との係合、円板状部材13と当接部27との係合(相対回転抑制機構24)、第2プレート31と摩擦面付きフライホイール21との係合(連結構造34)、及び支持プレート39と摩擦面付きフライホイール21との係合(ブッシュ47)によって、互いに係合している。また、両者は所定範囲であれば軸方向に移動可能となっており、具体的には、第2フライホイール組立体5は第1フライホイール組立体4に対して、当接部27が摩擦材19に対してわずかに離反する位置と当接する位置との間で軸方向に移動可能である
(2)動作
▲1▼トルク伝達
このクラッチ装置1では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4から第2フライホイール組立体5に対してダンパー機構6を介して伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、入力側円板状プレート32、小コイルスプリング45、コイルスプリング33、出力側円板状プレート30,31の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
【0059】
▲2▼捩り振動の吸収・減衰
クラッチ装置1にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構6において入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31とが相対回転し、その間で小コイルスプリング45及びコイルスプリング33が圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構7が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。
【0060】
小コイルスプリング45及びコイルスプリング33の圧縮は、具体的には、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端面91と出力側円板状プレート30,31の窓部30a,31aの回転方向端面94との間で行われる。さらに具体的には、捩り角度の小さな領域では、小コイルスプリング45(2個)が圧縮され、低剛性の特性が得られる(このとき、コイルスプリング33はほとんど圧縮されない)。さらに詳細に説明すると、図22の中立状態から入力側円板状プレート32が第1プレート30及び第2プレート31に対して例えば回転方向R1側に捩れると、コイルスプリング33の回転方向R2側の小コイルスプリング45が、第1スプリングシート70と第2スプリングシート71との間で回転方向に圧縮されていく。このとき、トルクは、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向R2側の回転方向端面91から、回転方向R2側の第2スプリングシート71,小コイルスプリング45及び第1スプリングシート70を介してコイルスプリング33に伝達され、さらに回転方向R1側の第1スプリングシート70からプレート30,31の窓部30a,31aの回転方向R2側の回転方向端面94に伝達される。やがて、図23に示すように、窓孔32aの回転方向端面91が第1スプリングシート70の支持部81の第2支持面81bに当接すると同時に、第2スプリングシート71の本体部72の一部が、第1スプリングシート70の凹部85の半径方向外側の半径方向面89に当接する。この当接により、小コイルスプリング45の圧縮が停止する。以上に述べたように、小コイルスプリング45が入力側円板状プレート32の窓穴32a内においてコイルスプリング33の回転方向側に配置されているため、省スペース化及び構造の簡略化という効果が得られる。また、第1スプリングシート70の半径方向外側の半径方向面89(小コイルスプリング側の半径方向外側)が小コイルスプリング45から離れるように傾斜しているため、小コイルスプリング45が圧縮されるときに、第1スプリングシート70による姿勢の拘束が生じない。この結果、小コイルスプリング45が第1スプリングシート70に摺動せず、摩耗が発生しにくい。さらに小コイルスプリング45の圧縮姿勢が正しく維持されて、所望の荷重が得られる。
【0061】
続いて捩り角度の大きな領域では、コイルスプリング33が圧縮され、高剛性の特性が得られる。より正確には、4個のコイルスプリング33が並列に圧縮される。
摩擦抵抗発生機構7では、フリクションワッシャ61は、入力側フリクションプレート63と一体回転し、出力側フリクションプレート44及び摩擦面付きフライホイール21と相対回転する。この結果、フリクションワッシャ61が出力側フリクションプレート44と摩擦面付きフライホイール21に摺動して比較的大きな摩擦抵抗を発生する。
【0062】
▲2▼−1微少捩り振動
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチ装置1に入力されたときのダンパー機構6の動作を、図20の機械回路図と図21及び図27〜図29の捩り特性線図を用いて説明する。なお、図20においては、第1スプリングシート70及び第2スプリングシート71は省略されている。
【0063】
微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構7の入力側フリクションプレート63は、凸部65と凹部62との間の微少回転方向隙間において、フリクションワッシャ61に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ61は入力側フリクションプレート63によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ61は摩擦面付きフライホイール21等に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図21の捩り特性線図において例えば「AC2HYS」ではコイルスプリング33が作動するが、摩擦抵抗発生機構7では滑りが生じない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構7を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0064】
次に、フリクションワッシャ61が入力側フリクションプレート63によって駆動されるときの動作を、初期の過渡状態と通常状態とに分けて説明する。図24の中立状態から、入力側フリクションプレート63がフリクションワッシャ61に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。なお、図24においては、フリクションワッシャ61の内周面61dは、回転方向中心部を除いて、筒状部28の外周面28bからわずかに離れている。
【0065】
捩り角度が大きくなると、やがて、図25に示すように、凸部65が凹部62の壁面に当接する。具体的には、凸部65の角部65aが凹部62の傾斜面62bに当接する。このとき、凸部65から凹部62に作用する力の分力として、フリクションワッシャ61を半径方向に(半径方向内側に)移動させる力が発生する。図25の状態から捩り角度が大きくなっていくと、フリクションワッシャ61の回転方向R1側部分が半径方向内側に移動し、回転方向R2側部分が半径方向外側に移動する。つまり、図26に示すように、フリクションワッシャ61の回転方向R1側の内周面61dは筒状部28の外周面28bに接近し、回転方向R2側の内周面61dは筒状部28の外周面28bから離れていく。この間、前述のフリクションワッシャ61を半径方向に(半径方向内側に)移動させる力が大きくなっていく。つまり、フリクションワッシャ61の摩擦面の有効半径が徐々に大きくなっていき、それに伴い摩擦抵抗が徐々に大きくなっていく。図26に示すようにフリクションワッシャ61の回転方向R1側の内周面61dが筒状部28の外周面28bに当接すると、それ以降はフリクションワッシャ61は回転方向のみに移動する。
【0066】
以上の説明をまとめると、フリクションワッシャ61が入力側フリクションプレート63によって駆動される時には、摩擦面の有効半径が徐々に大きくなり摩擦抵抗も徐々に大きくなる第1領域と、摩擦面の有効半径が一定になり摩擦抵抗も一定になる第2領域とに分かれる。この実施形態では第1領域の大きさは例えば2°である。
【0067】
以上をまとめると、入力側フリクションプレート63とフリクションワッシャ61の係合部分78(具体的には、凸部65と凹部62)は、フリクションワッシャ61の摩擦面の有効半径が徐々に大きくなる第1領域と、フリクションワッシャ61の摩擦面の有効半径が一定になる第2領域とが確保されるように、形成されていることになる。
【0068】
この結果、捩り特性2段目において、捩り振動の動作角度が係合部分78の所定角(例えば、8°)以内である場合は、図27のように大摩擦抵抗(高ヒステリシストルク)は一切発生せず、低摩擦抵抗の領域Aのみが得られる。また、捩り振動の動作角度が係合部分78の回転方向隙間79の角度(例えば、8°)以上であるがそれに摩擦抵抗変化角度(例えば、2°)をプラスした角度(例えば10°)以内である場合は、図28のように低摩擦抵抗の領域Aの端に徐々に摩擦抵抗が大きくなる領域Bが発生する。そして、捩り振動の動作角度が係合部分78の所定角度に摩擦抵抗変化角度をプラスした角度以上である場合は、図29のように低摩擦抵抗の領域Aの両端に、徐々に摩擦抵抗が大きくなる領域Bと、一定の大摩擦抵抗が発生する領域Cとがそれぞれ得られる。
【0069】
▲2▼−2広角度捩り振動
先に述べたように、捩り振動の捩り角度が大きい場合は、フリクションワッシャ61が摩擦面付きフライホイール21及び円板状プレート22に摺動する。その結果、一定の大きさの摩擦抵抗が捩り特性の1段目と2段目の全体にわたって得られる。
【0070】
ここで、捩り角度の端部(振動の向きが変わる位置)での動作について説明する。図21の捩り特性線図の右側端では、フリクションワッシャ61は入力側フリクションプレート63に対して最も回転方向R2側にずれている。この状態から円板状部材13が摩擦面付きフライホイール21に対して、回転方向R2側にねじれていくと、凸部65と凹部62の回転方向隙間79の全角度にわたって、フリクションワッシャ61が入力側フリクションプレート63に対して相対回転する。この間では、フリクションワッシャ61は出力側の部材に対して摺動しないため、低摩擦抵抗の領域A(例えば、8°)が得られる。続いて、係合部分78の回転方向隙間79がなくなると、次に入力側フリクションプレート63がフリクションワッシャ61を駆動する。すると、フリクションワッシャ61が出力側フリクションプレート44及び摩擦面付きフライホイール21に、さらには円板状プレート22に対して相対回転する。この結果、先に述べたように、摩擦抵抗が徐々に(滑らかに)大きくなる領域B(例えば、2°)が発生し、続いて一定の大きさの大摩擦抵抗の領域Cが得られる。
【0071】
以上に述べたように、大きな摩擦抵抗が発生する初期の段階には、徐々に摩擦抵抗が大きくなっていく領域Bが設けられている。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを滑らかにしているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0072】
特に、本発明において、中間の摩擦抵抗を発生させるのに単一種類のフリクションワッシャ61を用いているため、摩擦部材の種類を少なく抑えることができる。また、フリクションワッシャ61は弧状に延びる簡単な構造であるため、製造コストを低く抑えることができる。
▲3▼クラッチ連結・レリーズ動作
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン60は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング58はダイヤフラムスプリング50の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aはプレッシャープレート49から離れる。これによりプレッシャープレート49はストラッププレート53の付勢力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0073】
このクラッチレリーズ動作において、レリーズベアリング58からクラッチカバー組立体8に対して軸方向エンジン側に作用する荷重によって、第2フライホイール組立体5が軸方向エンジン側に付勢されて移動する。これにより、相対回転抑制機構24において、円板状プレート22の当接部27が摩擦材19に押し付けられて円板状部材13に摩擦係合する。すなわち、第2フライホイール組立体5が第1フライホイール組立体4に対して相対回転不能になる。さらに言い換えると、第2フライホイール組立体5がクランクシャフト2に対してロックされた状態となり、ダンパー機構6が作動しない。したがって、エンジン始動又は停止時の低回転数領域(例えば回転数0〜500rpm)での共振点通過時には、クラッチをレリーズすることで、共振によるダンパー機構6の破損や音/振動を生じにくくしている。
【0074】
ここでは、ダンパー機構6のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置10からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、相対回転抑制機構24が円板状部材13や円板状プレート22といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
2.第2実施形態
(1)構成
図30及び図31に示す本発明の一実施形態としてのクラッチ装置101は、主に、第1フライホイール組立体104と、第2フライホイール組立体105と、クラッチカバー組立体108と、クラッチディスク組立体109と、レリーズ装置110とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105との組み合わせによって、ダンパー機構106を含むフライホイールダンパー111が構成されている。
【0075】
図30及び図31の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。クラッチ装置101はエンジン側のクランクシャフト102とトランスミッション側の入力シャフト103との間でトルクを断続するための装置である。
第1フライホイール組立体104は、クランクシャフト102の先端に固定されている。第1フライホイール組立体104は、クランクシャフト102側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体104は、主に、円板状部材113と、環状部材114と、支持プレート139(後述)とから構成されている。円板状部材113は内周端が複数のボルト115によってクランクシャフト102の先端に固定されている。円板状部材113には、ボルト115に対応する位置にボルト貫通孔113aが形成されている。ボルト115はクランクシャフト102に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。環状部材114は、円板状部材113の外周端軸方向トランスミッション側に固定されており、厚肉ブロック状の部材である。円板状部材113の外周端は溶接等によって環状部材114に固定されている。さらに、環状部材114の外周面にはエンジン始動用リングギア117が固定されている。なお、第1フライホイール組立体104は一体の部材から構成されていてもよい。
【0076】
円板状部材113の外周部の構造について詳細に説明する。図33に示すように、円板状部材113の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材119が貼られている。摩擦材119は、図35に示すように、複数の弧状部材から構成されており、全体で環状になっている。摩擦材119は、相対回転抑制機構124において、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。なお、摩擦材119は円板状プレート122に固定されていてもよい。
【0077】
さらに、円板状部材113の外周縁には、図38〜図40に示すように、軸方向トランスミッション側に延びる筒状部120が形成されている。筒状部120は、環状部材114の内周面に支持されており、その先端に複数の切り欠き120aが形成されている。切り欠き120aは、所定角度だけ回転方向に延びており、後述するように回転方向係合部169の一部として機能する。また、切り欠き120aを構成する回転方向両側の部分は、筒状部120において軸方向に突出する爪部120bであると考えてもよい。
【0078】
第2フライホイール組立体105は、主に、摩擦面付きフライホイール121と、円板状プレート122とから構成されている。摩擦面付きフライホイール121は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体104の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール121には、軸方向トランスミッション側に第1摩擦面121aが形成されている。第1摩擦面121aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体109が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール121には、さらに、軸方向エンジン側に第2摩擦面121bが形成されている。第2摩擦面121bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構107の摩擦摺動面として機能している。第2摩擦面121bは、第1摩擦面121aに比べて、外径はわずかに小さいものの、内径は大幅に大きい。したがって、第2摩擦面121bの有効半径は第1摩擦面121aの有効半径より大きい。なお、第2摩擦面121bは、摩擦材119に対して軸方向に対向している。
【0079】
円板状プレート122について説明する。円板状プレート122は、第1フライホイール組立体104と摩擦面付きフライホイール121との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート122は、外周部が複数のリベット123によって摩擦面付きフライホイール121の外周部に固定されており、摩擦面付きフライホイール121と一体回転する部材として機能する。具体的に説明すると、円板状プレート122は、外周縁側から、外周固定部125と、筒状部126と、当接部127と、連結部128と、ばね支持部129と、内周部130と、内周側筒状部131とから構成されている。外周固定部125は、摩擦面付きフライホイール121の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット123によって摩擦面付きフライホイール121の外周部に固定されている。筒状部126は、外周固定部125の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分であり、円板状部材113の筒状部120の内周側に位置している。筒状部126には、複数の切り欠き126aが形成されている。切り欠き26aは、図34に示すように、筒状部120の切り欠き120aに対応して形成されており、しかも回転方向の角度は大幅に大きい。したがって、各切り欠き126aの回転方向両端は、対応する切り欠き120aの回転方向両端より回転方向外側に位置している。当接部127は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部127は、摩擦面付きフライホイール121の第2摩擦面121bに対して軸方向に空間を介して対向している。この空間内に、後述する摩擦抵抗発生機構107の各部材が配置されている。このように摩擦抵抗発生機構107は第2フライホイール組立体105の円板状プレート122の当接部127と摩擦面付きフライホイール121との間に配置されているため、省スペースの構造が実現される。連結部128は、当接部127より軸方向トランスミッション側に位置する平坦な部分であり、後述するばね支持プレート135が固定されている。ばね支持部129は、ダンパー機構106のコイルスプリング132を収納しかつ支持するための部分である。このように当接部127を有する円板状プレート122がばね支持部129を有していることで、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。内周側筒状部131は、円板状部材113の内周筒状部113bによって回転自在に半径方向に支持されている。具体的には、内周側筒状部131の内周面には筒状のブッシュ197が固定されており、ブッシュ197の内周面が円板状部材113の内周筒状部113bの外周面に回転自在に支持されている。このように、ブッシュ197や内周筒状部113bによって、第2フライホイール組立体105を第1フライホイール組立体104に対して半径方向に位置決めする半径方向位置決め機構196が形成されている。なお、ブッシュ197は潤滑性のよい材料から構成されたり、表面に潤滑剤が塗布されていたりしても良い。
【0080】
ダンパー機構106について説明する。ダンパー機構106は、クランクシャフトと摩擦面付きフライホイール121とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、複数のコイルスプリング132を含む高剛性ダンパー138と、摩擦抵抗発生機構107とから構成されている。ダンパー機構106は、さらに、捩りトルクの小さな領域で低剛性の特性を発揮するための低剛性ダンパー137を含んでいる。低剛性ダンパー137と高剛性ダンパー138とはトルク伝達系において直列に作用するように配置されている。
【0081】
各コイルスプリング132は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねである。各コイルスプリング132は、各ばね支持部129内に収容され、ばね支持部29によって半径方向両側と軸方向トランスミッション側とを支持され,さらに回転方向両側も支持されている。さらに、円板状プレート122の連結部128には、リベット136によってばね支持プレート135が固定されている。ばね支持プレート135は、環状部材であり、各コイルスプリング132の外周部の軸方向エンジン側を支持するばね支持部135aを有している。
【0082】
ばね回転方向支持機構137は、各コイルスプリング132の回転方向間に配置され、さらに円板状プレート122とばね支持プレート135との軸方向間に挟まれた状態で回転方向に移動可能となっている。各ばね回転方向支持機構137は概ねブロック形状であり、軸線方向に貫通する孔(164a,165a、170a)を有している。
【0083】
支持プレート139は、円板状部材113の内周部の軸線方向トランスミッション側面に固定された部材である。支持プレート139は、円盤状部139aと、その外周縁から半径方向外側に延びる複数の(この実施形態では4個の)突出部139bとから構成されている。突出部139bには、半径方向に対向する2カ所にはテーパー面が形成された丸孔139dが形成されており、各丸孔139dにはボルト140が配置されている。ボルト140は、円板状部材113のねじ孔133に螺合しており、支持プレート139を円板状部材113に固定している。円盤状部139aの内周縁は、円板状部材113の内周筒状部113bの外周面に係合しており、この係合によって支持プレート139が円板状部材113に対して芯出しされている。円盤状部139aには、円板状部材113のボルト貫通孔113aに対応して複数の丸孔139cが形成されており、各丸孔139c内にボルト115の胴部が貫通している。また、突出部139bは、概ね円板状部材113に沿って延びる半径方向延長部139eと、その先端から軸方向トランスミッション側に延びる軸方向延長部139fとによって構成されている。突出部139bの軸方向延長部139fは、各ばね回転方向支持機構137の孔(164a、165a、170a)に対して軸線方向エンジン側から挿入して係合可能となっている。以上に述べたように、ばね回転方向支持機構137及び支持プレート139は、高剛性ダンパー138におけるトルク入力側の部材として機能している。
【0084】
さらに、支持プレート139は、第2フライホイール組立体105をクランクシャフト102に対して曲げ方向に弾性的に支持する曲げ方向支持機構として機能している。支持プレート139は、トルク伝達を行うために回転方向の剛性が高く、曲げ方向にはクランクシャフト102からの曲げ振動に対してたわむように剛性が低くなっている。また、突出部139bの半径方向延長部139eは円板状部材113に対して軸方向トランスミッション側にわずかに離れて配置されている。この結果、突出部139bは、所定範囲ではあるが、円板状部材113に接近するように曲げ方向に変形可能である。
【0085】
次に、第2フライホイール組立体105側において支持プレート139と係合するばね回転方向支持機構137は、コイルスプリング132の回転方向間に配置された構造であり、以下の3つの機能を有している。
▲1▼コイルスプリング132を回転方向に支持する機能(後述)
▲2▼1段目低剛性ダンパーの機能(後述)
▲3▼支持プレート139によって支持される機能(前述)
したがって、ばね回転方向支持機構137は、低剛性ダンパー137又は支持プレート係合部137といってもよい。
【0086】
ばね回転方向支持機構137について、図45〜図59を用いて詳細に説明する。ばね回転方向支持機構137は、支持プレート139の軸方向延長部139fに対応して複数(この実施形態では4個)配置されている。ばね回転方向支持機構137の各部分は、それ自体が低剛性のダンパー機構であり、プレート161と、ブロック162と、両者を回転方向に弾性的に連結するスプリング163とから構成されている。
【0087】
プレート161は、低剛性ダンパー137の入力側部材であり、支持プレート139から直接トルクが入力されるようになっている。プレート161は、図45,図51〜図55に示すように、断面コの字状の例えば金属製部材であり、軸方向両側の平坦部164,165と、両者の半径方向外側縁同士を連結するために軸方向に延びる連結部166とから主に構成されている。プレート161は、半径方向内側と回転方向両側に開いている。平坦部164,165には、軸方向に貫通する回転方向に長い孔164a,165aが形成されており、これら孔164a,165a内に支持プレート139の軸方向延長部139fが挿入されている。軸方向延長部139fの回転方向長さは、孔164a,165aの回転方向長さとほぼ等しく、回転方向両端同士が当接又はわずかな隙間を介して近接している。また、軸方向延長部139fの半径方向幅は、孔164a,165aの半径方向幅とほぼ等しく、半径方向両側縁同士が当接又はわずかな隙間を介して近接している。軸方向延長部139fの先端は、平坦部165からさらに軸方向トランスミッション側に突出しており、円板状プレート122に形成された凹部167内に配置されている。凹部167は軸方向延長部139fより回転方向に長く形成されており、そのため軸方向延長部139fは凹部167内を回転方向に移動可能である。なお、凹部167と軸方向延長部139fの先端は軸方向に対向しているため、円板状プレート122は支持プレート139によって軸方向に支持されていることになる。
【0088】
プレート161は、円板状プレート122によって軸方向両側に移動不能に支持されている。具体的には、プレート161の平坦部164の軸方向エンジン側面はばね支持プレート135の支持部135bによって支持され、平坦部165の軸方向トランスミッション側面は円板状プレート122によって支持されている。このような状態で、プレート161は円板状プレート122に対して回転方向に摺動可能となっている。このように低剛性ダンパー137は摩擦面付きフライホイール121や円板状プレート122などに保持されているため、第2フライホイール組立体105の管理や組み付けが容易である。また、以上より、ばね支持プレート135は、ばね支持部135aと支持部135bを回転方向に交互に有する環状の部材であることが分かる。
【0089】
プレート161は、連結部166の回転方向両側において軸方向中間部分から半径方向外方に折り曲げられて延びる一対の突起168をさらに有している。突起168はスプリング163に対して直接係合する爪部となっている(後述)。
ブロック162は、図45〜図50に示すように、プレート161内に(つまり、平坦部164,165の間でかつ連結部166の半径方向内側に)配置されている。ブロック162は、例えば樹脂製のブロック状の部材であり、その外形寸法はプレート161の内形寸法とほぼ等しいため、両者の間にはほとんど隙間がないか又はわずかな隙間が確保されている。このようにして、ブロック162は、プレート161に対して所定角度範囲内で回転方向に摺動可能となっている。ブロック162の本体170は、プレート161の孔164a,165aに対応した位置に軸方向に貫通する孔170aが形成されている。孔170aは、孔164a,165aと半径方向位置及び半径方向幅がほぼ等しいが、孔164a,165aに対して回転方向に長く、その結果回転方向両端が孔164a,165aの回転方向両端より回転方向外側に位置している。軸方向延長部139fは、孔170a内に延びており、孔170a内で回転方向に移動可能となっている。軸方向延長部139fが孔170aの回転方向端に当接すると、軸方向延長部139f及びプレート161からなる入力側部材と、ブロック162からなる出力側部材との相対回転が停止する。
【0090】
ブロック162の本体170の半径方向外側面には、溝172が形成されている。溝172はプレート161の連結部166によって閉塞された空間となっている。溝172は、図50及び図51に示すように、第1凹部172aと、その回転方向両側に延びる第2凹部172bとから構成されている。第2凹部172bは、第1凹部172aと半径方向の深さが同等であるが、軸方向長さが短くなっている。そのため、第1凹部172aの回転方向両端には段差面である端面172cが確保されている。第2凹部172bは、第1凹部172aの軸方向中間部分から回転方向外側に延びている。第1凹部172a内には、スプリング163が配置されている。スプリング163は、回転方向に延びるコイルスプリングであって、回転方向両端が第1凹部172aの回転方向端面に当接又は近接している。スプリング163は、コイルスプリング132に比べて線径、コイル径、及び自由長が大幅に小さく、さらにばね定数も極端に小さい。さらに、プレート161の突起168は、第2凹部172b内に配置され、さらに具体的には第1凹部172aの回転方向両端外方においてスプリング163の回転方向両端に当接又は近接している。プレート161の突起168は、第2凹部172b内のみならず第1凹部172a内も回転方向に移動可能である。このようにして、スプリング163は、プレート161とブロック162との間で、さらに具体的にはプレート161の突起168とブロック162の第1凹部172aの端面172cとの間で回転方向に圧縮されうるようになっている。また、スプリング163は、プレート161とブロック162との間で保持されており(回転方向、軸方向及び半径方向に支持されており)、具体的には第1凹部172aとプレート161の連結部166とによって形成される閉空間内に収容されている。
【0091】
ブロック162の回転方向両側には、コイルスプリング132を回転方向に支持しているスプリングシート174が配置されている。スプリングシート174は、図57〜図60に示すように、概ね円形状の部材である。スプリングシート174は、コイルスプリング132の回転方向端部に当接する前面176と、その反対側でブロック162に当接する後面177とを有している。前面176側には、コイルスプリング132内に延びて係合する円柱状の第1突起178と、コイルスプリング132に内周側外側面を支持する弧状の第2突起179が設けられている。後面177側には、ブロック162の一部(後述)が係合する概ね四角形状の凹部180が形成されている。この凹部180内に、ブロック162の回転方向両側に設けられた凸部181が回転方向から挿入されている。凸部181は、凹部180に対して回転方向に離脱及び係合が可能となっており、係合状態ではスプリングシート174を半径方向に移動不能に支持している。後面177側において、半径方向内側の軸方向中間には、軸方向に見て円の一部となる弧状面189が形成されており、その軸方向両側には半径方向外側にいくに従って回転方向厚みが小さくなっていく傾斜面190が形成されている。
【0092】
スプリングシート174の後面177、特に後面177の半径方向外側部分は、円板状プレート122のばね支持部129の回転方向両端によって回転方向に支持されている。円板状プレート122において、低剛性ダンパー137の半径方向内側には、リベット191によって固定された筒状のカラー192が設けられている。カラー192は、円板状プレート122から軸方向に延びており、図46に示すようにスプリングシート174の弧状面189に当接している。カラー192は、スプリングシートの弧状面189に対して回転方向に離脱及び係合が可能となっている。以上に述べたカラー192とスプリングシート174との係合により、両者間でトルク伝達が可能になっている。このようにカラー192からも円板状プレート122へのトルク伝達を可能とすることで、円板状プレート122のばね支持部129の絞りを極端に深くすることなく、スプリングシート174の半径方向内側を支持することができている。
【0093】
低剛性ダンパー137がコイルスプリング132同士の回転方向間に配置されているため、ダンパー機構106の径が必要以上に大きくならない。特にスプリング163は、軸方向に見た場合に、コイルスプリング132の最内周縁と最外周縁によって規定される環状領域内に完全に入っているため、ダンパー機構106の径が必要以上に大きくならない。
【0094】
さらに、支持プレート139の機能をまとめると、以下のようになる。
▲1▼第2フライホイール組立体105をクランクシャフト102に対して軸方向に支持する機能
▲2▼第2フライホイール組立体105をクランクシャフト102に対して半径方向に支持する機能
▲3▼第2フライホイール組立体105をクランクシャフト102に対して曲げ方向に変位可能に支持する機能
▲4▼第2フライホイール組立体105にクランクシャフト102からトルクを伝達する機能
このように支持プレート139が複数の機能を有しているため、部品点数が少なくなっている。特に、支持プレート139は全体として簡単な1つの部材から構成されている。さらに、支持プレート139の軸方向延長部139fはダンパー機構106の低剛性ダンパー137に対して軸方向に着脱可能に係合しているため、クランクシャフト102に対する第2フライホイール組立体105の組み付け及び分解が容易である。
【0095】
摩擦抵抗発生機構107は、クランクシャフト102と摩擦面付きフライホイール121との回転方向間でコイルスプリング132と並列に機能する機構であり、クランクシャフト102と摩擦面付きフライホイール121が相対回転すると所定のヒステリシストルクを発生する。摩擦抵抗発生機構107は、摩擦面付きフライホイール121の第2摩擦面121bと円板状プレート122の当接部127との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構107は、図33に示すように、当接部127から摩擦面付きフライホイール121に向かって、第1フリクションワッシャ141と、第1フリクションプレート142と、コーンスプリング143と、第2フリクションプレート144と、第2フリクションワッシャ145とを有している。第1及び第2フリクションワッシャ141,145は摩擦係数が高い材料からなるが、他の部材は鋼鉄製である。なお、このように円板状プレート122が摩擦抵抗発生機構107を摩擦面付きフライホイール121側に保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0096】
第1フリクションワッシャ141は、当接部127と第1フリクションプレート142との間に挟まれている。この実施形態では第1フリクションワッシャ141は第1フリクションプレート142に固定されているが、当接部127に固定されていても又は両部材に固定されていなくてもよい。第1フリクションプレート142は、第1フリクションワッシャ141とコーンスプリング143との間に挟まれている。第1フリクションプレート142の外周縁には、軸方向トランスミッション側に延びる複数の突起142aが形成されている。各突起142aの先端の半径方向内側面は摩擦面付きフライホイール121の外周面に当接して半径方向に支持されている。コーンスプリング143は、自由状態ではコーン形状であるが、図においては第1フリクションプレート142と第2フリクションプレート144との間で圧縮されて平坦な形状になっており、両側の部材に弾性力を与えている。第2フリクションプレート144は、コーンスプリング143と第2フリクションワッシャ145との間に挟まれている。第2フリクションプレート144は内周縁に沿って軸方向エンジン側に延びる内周筒状部144aを有している。内周筒状部144aの内周面は、円板状プレート122によって半径方向に支持されている。内周筒状部144aの外周面には、第1フリクションプレート142及びコーンスプリング143の内周面が当接して、半径方向に支持されている。さらに、第2フリクションプレート144の外周縁には切り欠き144eが形成され、その中を前述の突起142aが通過しさらに延びている。この係合によって、第1フリクションプレート142と第2フリクションプレート144は、軸方向には相対移動可能であるが、回転方向には相対回転不能となっている。第2フリクションワッシャ145は、第2フリクションプレート144と摩擦面付きフライホイール121の第2摩擦面121bとの間に配置されている。この実施形態では第2フリクションワッシャ145は第2フリクションプレート144に固定されているが、摩擦面付きフライホイール121に固定されていても又は両部材に固定されていなくてもよい。
【0097】
第2フリクションプレート144の外周縁には、複数の突起144bが形成されている。突起144bは、切り欠き126aに対応して形成されており、半径方向外側に延びる突起部144cと、その先端から軸方向エンジン側に延びる爪部144dとから構成されている。突起部144cは切り欠き126a内を半径方向に貫通しており、爪部144dは、筒状部126の外周側に位置しており、円板状部材113の筒状部120の切り欠き120a内に軸方向トランスミッション側から延びている。このように爪部144dと切り欠き120aとによって、円板状部材113と第2フリクションプレート144との間に回転方向係合部169が形成されている。
【0098】
回転方向係合部169において、爪部144dの回転方向幅は切り欠き120aの回転方向幅より短く、そのため爪部144dは切り欠き120a内を所定角度の範囲で移動可能である。これは、第2フリクションプレート144は円板状部材113に対して、所定角度範囲内では移動可能であることを意味する。なお、ここでいう所定角度とは、エンジンの燃焼変動に起因する微少ねじり振動に対応しており、それに対して高ヒステリシストルクを発生せずに効果的に吸収するための大きさをいう。より詳細には、爪部144dの回転方向R1側には捩り角度θ1の回転方向隙間146が確保され、回転方向R2側には捩り角度θ2の回転方向隙間147が形成されている。この結果、捩り角度θ1と捩り角度θ2の合計の捩り角度が、第2フリクションプレート144が円板状部材113に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は8°であるが(図44参照)、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角をわずかに越える範囲にあることが好ましい。
【0099】
微少回転方向隙間(146,147)は、別の観点から説明すると、円板状部材113の爪部120bと第2フリクションプレート144の爪部144dとによって構成されている。各爪部120b,144dは、それぞれ、円板状部材113及び第2フリクションプレート144の外周縁から軸方向に起こされた折り曲げ部であり、簡単な構造を有している。
【0100】
なお、以上に述べた円板状部材113の切り欠き120aと第2フリクションプレート144の爪部144dとによる微少回転方向隙間(146,147)は、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105を回転方向に接近させて切り欠き120a内に爪部144dを差し込むだけで構成できる。したがって、組み付け作業が容易である。
【0101】
また、円板状部材113の切り欠き120aと第2フリクションプレート144の爪部144dとによる微少回転方向隙間(146,147)が、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105の外周部同士の間に配置されているため、各フライホイール組立体104,105の内周部の設計自由度が向上する。
【0102】
摩擦抵抗発生機構107の半径方向位置はダンパー機構106の半径方向位置より外側であり、さらに、半径方向に見た場合に、コイルスプリング132の軸方向両端を境界とする軸方向領域内に摩擦抵抗発生機構107が完全に収容されている。このように、ダンパー機構106と摩擦抵抗発生機構107が概ね半径方向に並んでいる(異なる半径方向位置で軸方向位置が概ね同じである)ため、フライホイールダンパー111の軸方向の寸法が短くなる。
【0103】
クラッチカバー組立体108は、弾性力によってクラッチディスク組立体109の摩擦フェーシング154を摩擦面付きフライホイール121の第1摩擦面121aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体108は、主に、クラッチカバー148と、プレッシャープレート149と、ダイヤフラムスプリング150とから構成されている。
【0104】
クラッチカバー148は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト151によって摩擦面付きフライホイール121の外周部に固定されている。
プレッシャープレート149は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー148の内周側において摩擦面付きフライホイール121の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート149は、摩擦面付きフライホイール121の第1摩擦面121a対向する押圧面149aを有している。また、プレッシャープレート149において押圧面149aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する複数の弧状突出部149bが形成されている。プレッシャープレート149は、弧状に延びる複数のストラッププレート153によってクラッチカバー148に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態ではプレッシャープレート149に対してストラッププレート153が摩擦面付きフライホイール121から離れる方向への荷重を付与している。
【0105】
ダイヤフラムスプリング150は、プレッシャープレート149とクラッチカバー148との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部150aと、弾性部150aから内周側に延びる複数のレバー部150bとから構成されている。弾性部150aの外周縁部はプレッシャープレート149の突出部149bに軸方向トランスミッション側から当接している。
【0106】
クラッチカバー148の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ148aが複数形成されている。タブ148aは、ダイヤフラムスプリング150の孔を貫通してプレッシャープレート149側に延びている。このタブ148aによって支持された2個のワイヤリング152が、ダイヤフラムスプリング150の弾性部150aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部150aは、軸方向に圧縮されており、プレッシャープレート149とクラッチカバー148とに軸方向に弾性力を付与している。
【0107】
クラッチディスク組立体109は、摩擦面付きフライホイール121の第1摩擦面121aとプレッシャープレート149の押圧面149aとの間に配置される摩擦フェーシング154を有している。摩擦フェーシング154は、円板状かつ環状のプレート155を介してハブ156に固定されている。ハブ156の中心孔には、トランスミッション入力シャフト3がスプライン係合している。
【0108】
レリーズ装置110は、クラッチカバー組立体108のダイヤフラムスプリング150を駆動することでクラッチディスク組立体109に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置110は、主に、レリーズベアリング158と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング158は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング158のアウターレースには、筒状のリティーナ159が装着されている。リティーナ159は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング150のレバー部150bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
【0109】
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン160とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン160との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン160は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング158のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン160はレリーズベアリング158を軸方向エンジン側に移動させる。
【0110】
以上に述べたように、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105は、それぞれ別個独立の組立体を構成しており、軸方向に着脱自在に組み付けられている。具体的には、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105は、外周側から、筒状部120と第2フリクションプレート144との係合、円板状部材113と当接部127との係合、ばね支持プレート135とばね回転方向支持機構137との係合、及び内周筒状部113bと内周側筒状部131との係合によって、互いに係合している。また、両者は所定範囲であれば軸方向に移動可能となっており、具体的には、第2フライホイール組立体105は第1フライホイール組立体104に対して、当接部127が摩擦材119に対してわずかに離反する位置と当接する位置との間で軸方向に移動可能である。
【0111】
(2)動作
▲1▼トルク伝達
このクラッチ装置101では、エンジンのクランクシャフト102からのトルクは、フライホイールダンパー111に入力され、第1フライホイール組立体104から第2フライホイール組立体105に対して、ダンパー機構106を介して伝達される。ダンパー機構106では、トルクは、支持プレート139、低剛性ダンパー137(後述)、高剛性ダンパー138、円板状プレート122の順番で伝達される。低剛性ダンパー137では、トルクは、プレート161,スプリング163及びブロック162の順番で伝達される。高剛性ダンパー138では、トルクは、スプリングシート174,コイルスプリング132及びスプリングシート174の順番で伝達される。高剛性ダンパー138からのトルクは、カラー192及びリベット191を介して円板状プレート122に伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー111から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体109に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
【0112】
クラッチ装置101にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構106において低剛性ダンパー137と高剛性ダンパー138とが作動する。低剛性ダンパー137では、プレート161とブロック162とが相対回転し、両者間でスプリング163が圧縮される。高剛性ダンパー138では、支持プレート139及びばね回転方向支持機構137と円板状プレート122とが相対回転し、その間で複数のコイルスプリング132が圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構107が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。
【0113】
コイルスプリング132の圧縮は、具体的には、ばね回転方向支持機構137と円板状プレート122のばね支持部129の回転方向端部との間で行われる。摩擦抵抗発生機構107では、第1及び第2フリクションプレート142,144は円板状部材113と一体回転し、円板状プレート122及び摩擦面付きフライホイール121と相対回転する。この結果、当接部127と第1フリクションプレート142との間で第1フリクションワッシャ141が滑り、第2フリクションプレート144と摩擦面付きフライホイール121の第2摩擦面121bとの間で第2フリクションワッシャ145が滑る。このように、摩擦面が2面確保されているため、比較的大きなヒステリシストルクが発生する。なお、ここでは、摩擦面付きフライホイール121の第2摩擦面121bが摩擦抵抗発生機構107の摩擦面を構成しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0114】
次に、車両の通常走行中にエンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチ装置101に入力されたときのダンパー機構106の動作を、図43の機械回路図と図44の捩り特性線図を用いて説明する。ダンパー機構106のコイルスプリング132が圧縮されているときに微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構107の第2フリクションプレート144は、円板状部材113の筒状部120の切り欠き120aと爪部144dとの間の微少回転方向隙間(146,147)において、円板状部材113に対して相対回転する。つまり、第1及び第2フリクションプレート142,144は第1及び第2フリクションワッシャ141,145を介して当接部127及び摩擦面付きフライホイール121と一体回転する。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図44の捩り特性線図において例えば「AC2HYS」ではコイルスプリング132が作動するが、摩擦抵抗発生機構107では滑りが生じないい。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクが得られる。このヒステリシストルクは全体にわたるヒステリシストルクの1/10程度であることが好ましい。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構107を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間(146,147)を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0115】
▲2▼クラッチ連結・レリーズ動作
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン160は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング158はダイヤフラムスプリング150の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング150の弾性部150aはプレッシャープレート149から離れる。これによりプレッシャープレート149はストラッププレート153の付勢力によってクラッチディスク組立体109の摩擦フェーシング154から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0116】
このクラッチレリーズ動作において、レリーズベアリング158からクラッチカバー組立体108に対して軸方向エンジン側に作用する荷重によって、第2フライホイール組立体105が軸方向エンジン側に付勢されて移動する。これにより、相対回転抑制機構124において円板状プレート122の当接部127が、摩擦材119に押し付けられて円板状部材113に摩擦係合する。すなわち、第2フライホイール組立体105が第1フライホイール組立体104に対して相対回転不能になる。さらに言い換えると、第2フライホイール組立体105がクランクシャフト102に対してロックされた状態となり、ダンパー機構106が作動しない。したがって、エンジン始動又は停止時の低回転数領域(例えば回転数0〜500rpm)での共振点通過時には、クラッチをレリーズすることで、共振によるダンパー機構106の破損や音/振動を生じにくくしている。ここでは、ダンパー機構106のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置110からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、相対回転抑制機構124が円板状部材113や円板状プレート122といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
【0117】
さらに、以上の動作においては、第2フライホイール組立体105が第1フライホイール組立体104に対して軸方向及び曲げ方向にも移動不能となる。さらに言い換えると、第2フライホイール組立体105がクランクシャフト102に対してロックされた状態となり、曲げ方向支持部材としての支持プレート139が作動しない。したがって、共振による支持プレート139の破損や音/振動を生じにくくしている。以上より、相対回転抑制機構124は、曲げ方向変位抑制機構124といってもよい。
【0118】
ここでは、支持プレート139のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置110からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、曲げ方向変位抑制機構124が円板状部材113や円板状プレート122といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
▲3▼組立動作
フライホイールダンパー111は、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105とから構成されており、両者は軸方向への移動だけで組み付け及び分解が可能である。両者の係合部分は、外周側から、回転方向係合部169(円板状部材113の筒状部120の切り欠き120aと、第2フリクションプレート144の爪部144d)、相対回転抑制機構124(円板状部材113に装着された摩擦材119と、円板状プレート122の当接部127)、支持プレート係合部137(支持プレート139の軸方向延長部139fと、ばね回転方向支持機構137の孔164a,165a、170a)、半径方向位置決め機構196(円板状部材113の内周筒状部113bと、円板状プレート122に固定されたブッシュ197)であり、いずれの係合部分も両部材の軸方向の移動だけで係合及び離脱が可能である。
【0119】
図60に、第1フライホイール組立体104と第2フライホイール組立体105とが軸方向に離れた状態を示す。図から明らかなように、ダンパー機構106を構成する高剛性ダンパー138(具体的には、コイルスプリング132)と低剛性ダンパー137(具体的には、スプリング163)とは、摩擦面付きフライホイール121及び円板状プレート122などに脱落不能に保持されている。このため、第2フライホイール組立体105全体としての部品の管理や運搬、さらには組み付け・分解作業が簡単になる。さらに、摩擦抵抗発生機構107も摩擦面付きフライホイール121や円板状プレート122などに脱落不能に保持されているため、第2フライホイール組立体105の管理や運搬が容易になる。
【0120】
また、支持プレート139がダンパー機構106に対して軸方向に着脱可能に係合しており、円板状部材113の筒状部120が摩擦抵抗発生機構107に対して軸方向に着脱可能に係合している。このため、第2フライホイール組立体105を第1フライホイール組立体104やクランクシャフト102に対して容易に組み付けることができる。
【0121】
(3)他の作用効果
ばね回転方向支持機構137は、コイルスプリング132の回転方向間に配置され、さらにコイルスプリング132と半径方向位置及び半径方向幅が概ね同等である。したがって、ばね回転方向支持機構137のための特別なスペースが不要となり、全体として構造が小型化できる。
【0122】
ばね回転方向支持機構137は、前述のように、▲1▼コイルスプリング132を回転方向に支持する機能、▲2▼1段目低剛性ダンパーの機能、▲3▼支持プレート139によって支持される機能を有している。このようにばね回転方向支持機構137が複数の機能を有しているため、部品点数が少なくなっている。
特にばね回転方向支持機構137の各構成はプレート161とブロック162とスプリング163の3点だけからなる簡単な構造であり、安価に実現できる。
【0123】
円板状プレート122は、一体の円板状部材であるが、以下の複数の構成と機能を実現している。
▲1▼当接部127によって、相対回転抑制機構124の一部を構成している。
▲2▼当接部127によって、摩擦抵抗発生機構107を摩擦面付きフライホイール121側に保持すると共に、摩擦抵抗発生機構107の摩擦面を構成している。
【0124】
▲3▼ばね支持部129によって、コイルスプリング132を回転方向に支持しており、さらにばね支持プレート135とともにコイルスプリング132を脱落不能に支持している。
▲4▼内周側筒状部131によって、摩擦面付きフライホイール121をクランクシャフト102に対して半径方向に位置決めしている。
以上に述べた構成の2つ以上の組み合わせによって、部品点数が少なくなり、全体の構造が簡単になっている。
【0125】
(4)他の実施形態
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0126】
例えば、前記実施形態ではプッシュタイプのクラッチカバー組立体が用いられていたが、プルタイプのクラッチカバー組立体を含むクラッチ装置にも本発明を適用できる。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係るダンパー機構では、複数の低剛性弾性部材が複数の弾性部材の回転方向間に配置されているため、ダンパー機構全体が半径方向に大型化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図2】本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】フライホイールダンパーの平面図。
【図4】プレート連結部を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。
【図5】摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。
【図6】摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図2の部分拡大図。
【図7】摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、フライホイールダンパーの背面図。
【図8】ハブフランジにおけるダンパー機構の平面図。
【図9】クラッチプレート、リティーニングプレートにおけるダンパー機構の平面図。
【図10】第2スプリングシートの平面図。
【図11】第2スプリングシートの側面図であり、図10のXI矢視図。
【図12】第2スプリングシートの正面図であり、図10のXII矢視図。
【図13】第2スプリングシートの背面図であり、図10のXIII矢視図。
【図14】第1スプリングシートの正面図。
【図15】第1スプリングシートの側面図であり、図14のXV矢視図。
【図16】第1スプリングシートの背面図であり、図15のXVI矢視図。
【図17】第1スプリングシートの縦断面図であり、図16のXVII−XVIIに沿った断面図。
【図18】第2スプリングシートとハブフランジとの係合を説明するための部分平面図。
【図19】第2スプリングシートとクラッチプレート及びリティーニングプレートとの係合を説明するための部分平面図。
【図20】ダンパー機構の機械回路図。
【図21】ダンパー機構の捩り特性線図。
【図22】小コイルスプリングの動作を説明するための部分平面図。
【図23】小コイルスプリングの動作を説明するための部分平面図。
【図24】摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図。
【図25】摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図。
【図26】摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図。
【図27】ダンパー機構の捩り特性線図。
【図28】ダンパー機構の捩り特性線図。
【図29】ダンパー機構の捩り特性線図。
【図30】本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図31】本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図32】クラッチ装置の平面図。
【図33】摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図32の部分拡大図。
【図34】摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図34の部分拡大図。
【図35】第1フライホイールの平面図。
【図36】支持プレートの平面図。
【図37】支持プレートの縦断面図であり、図38のXXXIX−XXXIX断面図。
【図38】円板状部材の平面図。
【図39】円板状部材の縦断面図であり、図40のXXXXI−XXXXI断面図。
【図40】円板状部材の部分正面図であり、図40及び図41のXXXXII矢視図。
【図41】第2フリクションプレートの部分平面図。
【図42】第2フリクションプレートの縦断面図であり、図43のXXXXIV−XXXXIV断面図。
【図43】ダンパー機構の機械回路図。
【図44】ダンパー機構の捩り特性線図。
【図45】ばね回転方向支持機構周辺の概略断面図。
【図46】ばね回転方向支持機構周辺の平面図。
【図47】ブロックの平面図。
【図48】ブロックの縦断面図。
【図49】ブロックの背面図。
【図50】ブロックの横断面図。
【図51】プレートの平面図。
【図52】プレートの縦断面図。
【図53】プレートの平面図。
【図54】低剛性ダンパーの縦断面図。
【図55】低剛性ダンパーの背面図。
【図56】スプリングシートの正面図。
【図57】スプリングシートの縦断面図。
【図58】スプリングシートの背面図。
【図59】スプリングシートの縦断面図。
【図60】第1フライホイール組立体と第2フライホイール組立体を軸方向に離した状態の縦断面概略図。
【符号の説明】
6 ダンパー機構
7 摩擦抵抗発生機構
11 フライホイールダンパー
30,31 出力側円板状プレート
32 入力側フリクションプレート
33 コイルスプリング(弾性部材)
45 小コイルスプリング(低剛性弾性部材)
Claims (14)
- トルクを伝達するとともに捩り振動を減衰するためのダンパー機構であって、
第1回転部材と、
前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転部材と、
前記第1回転部材と前記第2回転部材が相対回転すると回転方向に圧縮される部材であり、回転方向に並んで配置された複数の弾性部材と、
前記複数の弾性部材の回転方向間に配置された複数の低剛性弾性部材と、
を備えたダンパー機構。 - 前記低剛性弾性部材は、前記弾性部材の内周縁と外周縁とによって規定される環状領域内に完全に入るように配置されている、請求項1に記載のダンパー機構。
- 前記複数の弾性部材は前記第1回転部材及び前記第2回転部材の一方に保持されている、請求項1又は2に記載のダンパー機構。
- 前記複数の弾性部材の回転方向間に配置され、前記低剛性弾性部材にトルクを伝達可能な第1部材と、前記低剛性弾性部材からトルクが伝達可能な第2部材とをさらに備えている、請求項3に記載のダンパー機構。
- 前記第1回転部材は、回転方向に並んだ複数の第1収容部を有する円板状部材であり、
前記第2回転部材は、前記第1回転部材の軸方向両側に配置され前記第1収容部に対応する複数の第2収容部を有する円板状部材であり、
前記弾性部材は前記第1及び第2収容部内に配置され、
前記低剛性弾性部材は、前記第1及び第2収容部内において、前記弾性部材の回転方向側に配置されている、請求項3に記載のダンパー機構。 - 前弾性部材と前記低剛性弾性部材との間に配置され、両者をトルク伝達可能に連結する第1スプリングシートをさらに備えている、請求項5に記載のダンパー機構。
- 前記第1スプリングシートは記前記弾性部材の端部と前記低剛性弾性部材の端部とを脱落不能に係合している、請求項6に記載のダンパー機構。
- 前記第1スプリングシートは、前記低剛性弾性部材側に向いた凹部を有しており、
前記低剛性弾性部材は端部が前記凹部内に挿入されている、請求項7に記載のダンパー機構。 - 前記凹部は、前記低剛性弾性部材の端部が嵌合する第1部分と、前記低剛性弾性部材のダンパー半径方向外側に隙間を空けて配置された第2部分とを有する、請求項8に記載のダンパー機構。
- 前記低剛性弾性部材と前記第1及び第2収容部の回転方向端との間に配置された第2スプリングシートをさらに備えている、請求項6〜9のいずれかに記載のダンパー機構。
- 前記第2スプリングシートは、前記第1及び第2収容部の前記回転方向端に回転方向に着脱可能に、かつ係合している時には半径方向及び軸方向に離脱不能になっている、請求項10に記載のダンパー機構。
- 前記第2スプリングシートは、前記低剛性弾性部材の端部が嵌合する凹部を有している、請求項10又は11に記載のダンパー機構。
- 前記第2スプリングシートと前記第1スプリングシートは、前記低剛性弾性部材の圧縮が進むと互いに当接し、前記低剛性弾性部材のさらなる圧縮を防止するストッパー部を有している、請求項12に記載のダンパー機構。
- 前記弾性部材はコイルスプリングであり、前記低剛性弾性部材は少なくとも一部が前記コイルスプリング内に入り込んでいる、請求項5〜13のいずれかに記載のダンパー機構。
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Cited By (2)
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|---|---|---|---|---|
| JP2010053922A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Aisin Seiki Co Ltd | ダンパ装置 |
| JP2012237457A (ja) * | 2012-09-11 | 2012-12-06 | Aisin Seiki Co Ltd | ダンパ装置 |
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2003
- 2003-06-06 JP JP2003162893A patent/JP2004360869A/ja active Pending
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| JP2012237457A (ja) * | 2012-09-11 | 2012-12-06 | Aisin Seiki Co Ltd | ダンパ装置 |
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