JP2004352768A - インクジェット記録用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】光沢系の記録媒体において、光沢性のある鮮明な高発色性の画像及び印刷や塗料の分野における強靭な耐摩擦性も兼ね添えた、信頼性の高い画像を提供すること。
【解決手段】顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子を含有する水性の分散系インクにおいて、以下の条件を満足するインク(1)顔料の平均粒径が100nm以下(2)ポリマー微粒子の平均粒径が200nm以下(3)顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比が、5:6〜1:6。
【選択図】 なし
【解決手段】顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子を含有する水性の分散系インクにおいて、以下の条件を満足するインク(1)顔料の平均粒径が100nm以下(2)ポリマー微粒子の平均粒径が200nm以下(3)顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比が、5:6〜1:6。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料インクを用いたインクジェット記録用インクで、光沢性のある鮮明な発色性と耐摩擦性を両立させるインクジェット記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット用インクの色材としては、主として染料が使われてきたが、染料インクで形成される画像は耐水性、耐光性に劣るため、近年、顔料を色材とするインクの検討が精力的に行われるようになってきた。特にポスター、パネル、サイン、ポップ広告等の産業用途を目的とするワイドフォーマットプリンタ用のインクとして、カラー顔料インクの搭載は必須の条件となってきている。そして、この分野への参入を狙った顔料インクの開発が牽引となって、インクジェット適性を有する様々な顔料の分散方法、製造方法等が提案されるようになった。
【0003】
その結果、インクジェット用顔料インクの当面の課題であったヘッド部分のノズル目詰まり、及び長期間にわたる保存安定性の問題は、当初に比べるとかなり改善されてきている。
【0004】
また、画像の発色性に関しては、カラー顔料インクの発色性向上を目的に、最適化されたインク受容層の開発も並行して進められた結果、専用記録メディアとのセットではあるが着実に改良されつつある。
【0005】
しかしながら、フォト画像を再現する染料の画質にはいまだ至っていないというのが実状で、そのために顔料の持つ光学的な粒子性をなくすべく顔料の更なる微粒子化が検討されるようになってきた。その具体例として、特開平8−333531号公報、特開平9−40898号公報、特開平9−176543号公報、特開平11−181342号公報などには、ほとんどの顔料粒子を粒子径100nm以下の状態でインク中に分散させる技術が紹介されている。このような顔料を用いて光沢系の記録媒体に印字すると、確かに従来サイズの顔料を用いて印字したときよりも、良好な発色性が得られるが、画像表面の光沢感が染料の場合よりまだ欠けるために鮮明な画質を得るには至っていない。また、耐摩擦性についても、容易に色が転写しにくくなったものの、依然、顔料粒子が記録媒体の表面に積み重なって露出している状態なので、指等でこすったりすると色が落ちたり、汚れたりする。
【0006】
これらの対策として樹脂をインク中に含有させる、とりわけ樹脂エマルジョンを添加する発明が、特開平5−255628号公報、特開平9−208870号公報等に開示されている。前者の場合は、顔料と樹脂エマルジョンの粒子径が、最近の高解像度に対応した記録ヘッドの微小ノズルの大きさに対して大きすぎるため目詰まりが発生しやすい傾向にある。また、後者の場合は、顔料と樹脂エマルジョンの平均粒子径の比率が、ほぼ同じか顔料のほうが大きいサイズになっている具体例が開示されているが、後述詳細に説明するようにこのような条件では、記録媒体の表面に露出している顔料層を十分に樹脂で覆った塗膜ができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みて到達したものである。すなわち本発明は、光沢系の記録媒体において光沢性のある鮮明な発色性を提供するとともに、耐光性に優れ、かつ強靱で耐水性の強い画像を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成することのできるインクジェット記録用の水性顔料インクは、少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、該インク中に分散している顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子が、
(1)顔料の平均粒径が100nm以下
(2)ポリマー微粒子の平均粒径が200nm以下
(3)顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比が、5:6〜1:6
を満足することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、まず、画像の発色性を向上させるための要件としては、顔料の平均粒子径が100nm以下に微粒子化され、安定に分散された顔料を用いることである。特に本発明を実施するうえで好ましい顔料サイズは平均粒子径が70nm以下に微粒子化されたものである。このような顔料を用いて印字した画像の表面を顕微鏡で観察すると、非常に微細な粒子が密に詰まっているため、顔料層表面の凹凸が少ないことがわかる。すなわち、表面が平滑化されることにより、顔料粒子と空気が接触する面積が小さくなるので、顔料粒子と空気の界面で発生する反射、屈折による光の散乱が少なくなり、その結果として画像の発色性が良くなると推測される。
【0010】
次に、画像の光沢性や耐摩擦性を向上させるための要件の一つは、平均粒子径が200nm以下のポリマー微粒子を用いることである。本発明で用いるポリマー微粒子の好ましい態様は、コア部とそれを取り巻くシェル部からなるコアシェル型構造のポリマー微粒子である。コア部は、印字部分に耐水性、耐摩擦性を付与するような強い疎水性を有し、造膜温度も低い樹脂成分から形成されていることが好ましい。また、シェル部は、その表面にアクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基が少なくとも存在し、これが無機塩基類で中和されることにより親水性が付与されるような樹脂成分から形成されることが好ましい。このような構造のポリマー微粒子であれば、平均粒子径が200nm以下の微粒子であっても互いに会合して、分散が不安定になるようなことは起こりにくくなる。また、このようなポリマー微粒子の平均粒子径は、200nm以上になると最近の高解像度に対応した微細な記録ヘッドのノズルを閉鎖する確率が高くなるために好ましくない。
【0011】
以上のような平均粒径をもった顔料とポリマー微粒子が、インク中に単に共存するだけでは、本発明の課題を解決するには至らない。すなわち、記録ヘッドからインク滴として吐出した顔料とポリマー微粒子が、記録媒体に到達し定着するときに、ポリマー微粒子ができるだけ多く顔料の上に重なるように定着させることができれば、顔料層の上にポリマー層が形成されることになり、画像部分の顔料を効率良く樹脂の被膜で覆うことができる。
【0012】
そこで、本発明者等はこのような状態を印字直後に速やかに形成させるための技術手段を鋭意検討した結果、インク中に存在する顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比を5:6〜1:6の範囲に調整することにより達成されることを見出した。顔料の粒径がポリマー微粒子より大きくなると、顔料同士が形成する隙間も大きくなるので、印字直後のインク定着の際にポリマー微粒子がその隙間を通って記録媒体の中の奥のほうへ移動するために、樹脂が画像表面に残留する割合が少なくなる。そうなると画像部分の顔料を樹脂で被覆することができなくなるために、光沢性があり、かつ耐摩擦性が良好な目的とする画像を得ることができなくなる。逆にポリマー微粒子の粒径の比率が顔料の6倍以上になった場合には、上述したような効果は同様に得られるが、このようなインクを記録ヘッドに充填して長期間使用せずに放置した場合、ヘッド内の細くて狭いインク流路に顔料が沈降して詰まったりする傾向が見られ、またこれと同様のことがポリマー微粒子の平均粒径が200nm以上になったものを用いた場合にも認められた。このようなことが起こる原因は定かではないが、記録ヘッド内の流路はおそらく容積の大きな環境で再分散等が容易にできる有利な状態ではないため、顔料やポリマー微粒子の沈降、凝集が徐々に進行して析出したものと推測される。
【0013】
この顔料とポリマー微粒子の重量比は、2:1〜1:3の範囲にあるときに、良好な画像の光沢性や耐摩擦性が得られる。すなわち、ポリマー微粒子の量が少なすぎるとこれらの効果は小さくなるし、多すぎるとインクの粘性が高くなって記録ヘッドからの吐出が困難となる。
【0014】
更に、顔料とポリマー微粒子の他に水溶性の樹脂を加えて、印字直後に形成される顔料同士の隙間をこの水溶性樹脂で埋めることができると、より鮮やかな発色性を示す画像が得られることを見出した。このような効果を得るための条件としては、顔料と水溶性樹脂の重量比が5:1〜1:5の範囲になるように、またこの樹脂の重量平均分子量が1000〜50000、好ましくは3000〜20000の範囲のもので、さらに、この樹脂がアニオン性基含有単量体と他の重合性単量体との共重合物のアルカリ中和物である場合に特に効果的である。
【0015】
次に本発明で使用される顔料について説明する。一般的な無機顔料、有機顔料であればほとんど使用可能であり、例えば無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、チャネル法、ファーネス法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
【0016】
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。さらに上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものなど、水相に分散可能なものであれば特に限定されるものではない。
【0017】
これらの顔料種のなかでも本発明を実施するうえで特に好ましいカラー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、128、138、147、151、155、173、180等の黄色顔料、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッット19等の赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4等の青色顔料を挙げることができる。
【0018】
次に、これらの顔料を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、アルカリ可溶性のスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
【0019】
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0020】
次に本発明で使用するポリマー微粒子は、水性媒体中で重合性モノマー、乳化剤、添加剤等を乳化、懸濁させた後、水溶性の重合開始剤を添加し熱重合させることにより得られる。重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジN−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン等のアミド系重合性単量体が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のアニオン性基含有重合性単量体、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等のカチオン性基含有重合性単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、アクロレイン等の反応性基含有重合性単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能重合性単量体、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。乳化剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性の乳化剤、高分子乳化剤等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本発明で使用される水溶性樹脂としては、先に述べた顔料の分散剤として使用され得るアルカリ可溶性の水溶性樹脂等を挙げることができる。
【0022】
本発明の顔料インクは、上記した顔料及び分散剤と、これらを分散させるための水系媒体とを少なくとも有するが、この際に使用する好適な水性媒体としては、水又は、水と水性有機溶剤の混合溶媒を使用することが好ましい。本発明において使用するインクの、インク中における水の含有量は、通常20〜90重量%、好ましくは、30〜70重量%の範囲である。
【0023】
又、本発明において水と混合して使用し得る水溶性有機溶剤としては、下記のごとき3群に分けることができる。即ち、保湿性が高く、蒸発しにくく、親水性に優れる第1群の溶剤、有機性があり疎水性の表面への濡れ性がよく、蒸発乾燥性もある第2群の溶剤、適度の濡れ性を有し低粘度の第3群の溶剤である。本発明においてはこれらの溶剤の中から目的に応じて適宜に選択して使用すればよい。
【0024】
第1群に属する溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、N―メチルー2―ピロリドン、2―ピロリドン、γ―ブチロラクトン、1,3−ジメチルー2―イミダゾリジノン、スルホラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイシプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
【0025】
第2群に属する溶媒としては、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジ、メチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー、ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0026】
第3群に属する溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げられる。
【0027】
以上のごとき水溶性有機溶媒の総量は、概ねインク全体に対して5〜40重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0028】
本発明の顔料インクには、以上の成分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調製剤、防腐剤等を添加することが可能である。
【0029】
本発明の顔料インクは、上記した材料を分散機によって分散して作製されるが、この際の分散機としては、一般に使用される分散機なら如何なるものも使用し得る。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル等の分散機が挙げられるが、これらの中でも高速度のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等を好ましく使用できる。
【0030】
また、所望の粒径分布を有する顔料の分散液あるいはインクを得る方法としては、下記の方法を用いることができる。例えば、分散機に用いる粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、あるいは、粉砕処理時間を長くする、粉砕速度を遅くする等の方法や粉砕後、フィルターや遠心分離機等で分級する等の手法を用いることができる。もちろん、これらの手法を適宜組合わせてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例等を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
<実施例1>
スチレン−アクリル酸共重合体(Joncryl 678、ジョンソンポリマー社製)とこれを中和するに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを攪拌混合し、10%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液を作製した。
【0033】
このようにして作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体Aを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 20部
・ピグメントブルー 15:3 5部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 25部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで5時間、分散処理を行った。その後、このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して、粗大粒子を除去した。
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Bを作製した。
・ポリマー微粒子 Joncryl 711 30部
(含有率42% : ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 680(重量平均分子量4900、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 55部
・水 15部
以上のようにして作製したシアン顔料分散体Aとポリマー水溶液Bを等量混合して所定の組成になったシアンインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例1のインクを調製した。
【0034】
次にこのようにして調製されたシアンインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を以下のようにして測定した。すなわち、最終段階まで調製されたインクを透過電子顕微鏡にて観察し、その状態を撮った写真からそれぞれの粒子を区別して、平均粒径を求めた。その結果、顔料の平均粒径は46nm、ポリマー微粒子の平均粒径は116nmであった。
【0035】
<実施例2>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体Cを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・ピグメントレッド 122 8部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 12部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで6時間、分散処理を行った。その後、このマゼンタ顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して粗大粒子を除去した。
【0036】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Dを作製した。
・ポリマー微粒子 PDX−7630A 25部
(含有率32%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 67(重量平均分子量12500、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 13部
・水 62部
以上のようにして作製したマゼンタ顔料分散体Cとポリマー水溶液Dを等量混合して所定の組成になったマゼンタインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例2のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は35nm、ポリマー微粒子は167nmであった。
【0037】
<実施例3>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体Eを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・ピグメントイエロー 74 7部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 13部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで6時間、分散処理を行った。その後、このイエロー顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、40分間)して粗大粒子を除去した。
【0038】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Fを作製した。
・ポリマー微粒子 Joncryl 7001 12部
(含有率42%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 680(重量平均分子量4900、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 27部
・水 61部
以上のようにして作製したイエロー顔料分散体Eとポリマー水溶液Fを等量混合し以上のようにして作製したイエロー顔料分散体Cとポリマー水溶液Dを等量混合して所定の組成になったイエローインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例3のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は25nm、ポリマー微粒子は90nmであった。
【0039】
<実施例4>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなブラック顔料分散体Gを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・カーボンブラック 10部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 10部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、300μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度7000rpmで5時間、分散処理を行った。その後、このブラック顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して粗大粒子を除去した。
【0040】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Hを作製した。
・ポリマー微粒子 PDX−7630A 44部
(含有率32%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 678(重量平均分子量8500、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 46部
・水 10部
以上のようにして作製したブラック顔料分散体Gとポリマー水溶液Hを等量混合して所定の組成になったブラックインクを調合した。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例4のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は84nm、ポリマー微粒子は152nmであった。
【0041】
<比較例1>
実施例1と同一の材料を同一組成でバッチ式縦型サンドミルに仕込み、500μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度5000rpmで4時間、分散処理を行った。その後、このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して、粗大粒子を除去して得られたシアン顔料分散体Jを作製し、以下実施例1と同様にポリマー水溶液Bを等量混合して、比較例1のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は168nm、ポリマー微粒子は102nmであった。
【0042】
<比較例2>
実施例2と同一の材料を同一組成でバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度5000rpmで2時間、分散処理を行った。その後、このイエロー顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、20分間)して、粗大粒子を除去して得られたマゼンタ顔料分散体Kを作製した。
【0043】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Lを作製した。
・ポリマー微粒子 ボンコートAB−735 16部
(含有率50%:大日本インキ化学工業社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 67(ジョンソンポリマー社製)を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 13部
・水 71部
以上のようにして作製したマゼンタ顔料分散体Kとポリマー水溶液Lを等量混合して所定の組成になったマゼンタインクを調合した。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して比較例2のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は312nm、ポリマー微粒子は287nmであった。
【0044】
<比較例3>
実施例3で調合されたイエロー顔料分散体Eと比較例2で調合されたポリマー水溶液Lを等量混合して所定の組成になったイエローインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して比較例3のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は32nm、ポリマー微粒子は260nmであった。
【0045】
(評価方法及び結果)
上記実施例及び比較例のインクについて、BJF870プリンタ(キヤノン社製)にて一連の評価を実施した。すなわち、専用のインクカートリッジにこれらのインクを充填して下記項目についての評価を行った。画像に関する評価には、キヤノン社製のプロフェッショナルフォトペーパーに印字したフルベタ画像について行った。
【0046】
画像濃度
マクベス社製のマクベス反射濃度計RD−918により、フルベタ画像部分の画像濃度を測定した。
○…測定値≧2.0
△…1.5≦測定値<2.0
×…測定値<1.5
記録ヘッドの目詰まり罫線やフルベタ部が入ったテストパターンを印字した後、このプリンタを30℃、10%湿度の環境下に2ヶ月放置した後、また同じテストパターンを印字させて画像の回復性を評価した。
○…記録ヘッドのクリーニング操作1回で完全回復した
△…記録ヘッドのクリーニング操作5回以内で完全回復した
×…記録ヘッドのクリーニング操作5回以内で完全回復しなかった
光沢性
BJF870プリンタの純正インク(染料インク)で印字した画像との比較を目視にて観察し、評価した。
○…染料並の光沢感が有り、鮮明さがある
△…多少ブロンズ色が混ざった光沢性で、鮮明さにやや欠ける
×…鈍い光沢感で画像の鮮明さは、明らかに染料より劣る
耐摩擦性
指で擦ったり、印字物を何枚も重ねて綴じて保存したときに、画像部分が汚れたり、転写しないか評価した。
○…まったく影響を受けない
△…指で擦ったときに、多少汚れる程度
×…容易に顔料が転写し、指で擦ったときの汚れもひどい
以上の評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明は、インクジェット記録物の従来からの課題であった光沢性のある鮮明な発色性と耐摩擦性を両立させるものである。すなわち、改良されたフルカラー顔料を用いて染料並に改善された光沢性のある高発色性の画像を提供できると同時に、印刷や塗料の分野における強靱な耐摩擦性も兼ねそえた、信頼性の高い高品質の画像を得ることがインクジェット記録で可能となった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料インクを用いたインクジェット記録用インクで、光沢性のある鮮明な発色性と耐摩擦性を両立させるインクジェット記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット用インクの色材としては、主として染料が使われてきたが、染料インクで形成される画像は耐水性、耐光性に劣るため、近年、顔料を色材とするインクの検討が精力的に行われるようになってきた。特にポスター、パネル、サイン、ポップ広告等の産業用途を目的とするワイドフォーマットプリンタ用のインクとして、カラー顔料インクの搭載は必須の条件となってきている。そして、この分野への参入を狙った顔料インクの開発が牽引となって、インクジェット適性を有する様々な顔料の分散方法、製造方法等が提案されるようになった。
【0003】
その結果、インクジェット用顔料インクの当面の課題であったヘッド部分のノズル目詰まり、及び長期間にわたる保存安定性の問題は、当初に比べるとかなり改善されてきている。
【0004】
また、画像の発色性に関しては、カラー顔料インクの発色性向上を目的に、最適化されたインク受容層の開発も並行して進められた結果、専用記録メディアとのセットではあるが着実に改良されつつある。
【0005】
しかしながら、フォト画像を再現する染料の画質にはいまだ至っていないというのが実状で、そのために顔料の持つ光学的な粒子性をなくすべく顔料の更なる微粒子化が検討されるようになってきた。その具体例として、特開平8−333531号公報、特開平9−40898号公報、特開平9−176543号公報、特開平11−181342号公報などには、ほとんどの顔料粒子を粒子径100nm以下の状態でインク中に分散させる技術が紹介されている。このような顔料を用いて光沢系の記録媒体に印字すると、確かに従来サイズの顔料を用いて印字したときよりも、良好な発色性が得られるが、画像表面の光沢感が染料の場合よりまだ欠けるために鮮明な画質を得るには至っていない。また、耐摩擦性についても、容易に色が転写しにくくなったものの、依然、顔料粒子が記録媒体の表面に積み重なって露出している状態なので、指等でこすったりすると色が落ちたり、汚れたりする。
【0006】
これらの対策として樹脂をインク中に含有させる、とりわけ樹脂エマルジョンを添加する発明が、特開平5−255628号公報、特開平9−208870号公報等に開示されている。前者の場合は、顔料と樹脂エマルジョンの粒子径が、最近の高解像度に対応した記録ヘッドの微小ノズルの大きさに対して大きすぎるため目詰まりが発生しやすい傾向にある。また、後者の場合は、顔料と樹脂エマルジョンの平均粒子径の比率が、ほぼ同じか顔料のほうが大きいサイズになっている具体例が開示されているが、後述詳細に説明するようにこのような条件では、記録媒体の表面に露出している顔料層を十分に樹脂で覆った塗膜ができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みて到達したものである。すなわち本発明は、光沢系の記録媒体において光沢性のある鮮明な発色性を提供するとともに、耐光性に優れ、かつ強靱で耐水性の強い画像を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成することのできるインクジェット記録用の水性顔料インクは、少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、該インク中に分散している顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子が、
(1)顔料の平均粒径が100nm以下
(2)ポリマー微粒子の平均粒径が200nm以下
(3)顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比が、5:6〜1:6
を満足することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、まず、画像の発色性を向上させるための要件としては、顔料の平均粒子径が100nm以下に微粒子化され、安定に分散された顔料を用いることである。特に本発明を実施するうえで好ましい顔料サイズは平均粒子径が70nm以下に微粒子化されたものである。このような顔料を用いて印字した画像の表面を顕微鏡で観察すると、非常に微細な粒子が密に詰まっているため、顔料層表面の凹凸が少ないことがわかる。すなわち、表面が平滑化されることにより、顔料粒子と空気が接触する面積が小さくなるので、顔料粒子と空気の界面で発生する反射、屈折による光の散乱が少なくなり、その結果として画像の発色性が良くなると推測される。
【0010】
次に、画像の光沢性や耐摩擦性を向上させるための要件の一つは、平均粒子径が200nm以下のポリマー微粒子を用いることである。本発明で用いるポリマー微粒子の好ましい態様は、コア部とそれを取り巻くシェル部からなるコアシェル型構造のポリマー微粒子である。コア部は、印字部分に耐水性、耐摩擦性を付与するような強い疎水性を有し、造膜温度も低い樹脂成分から形成されていることが好ましい。また、シェル部は、その表面にアクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基が少なくとも存在し、これが無機塩基類で中和されることにより親水性が付与されるような樹脂成分から形成されることが好ましい。このような構造のポリマー微粒子であれば、平均粒子径が200nm以下の微粒子であっても互いに会合して、分散が不安定になるようなことは起こりにくくなる。また、このようなポリマー微粒子の平均粒子径は、200nm以上になると最近の高解像度に対応した微細な記録ヘッドのノズルを閉鎖する確率が高くなるために好ましくない。
【0011】
以上のような平均粒径をもった顔料とポリマー微粒子が、インク中に単に共存するだけでは、本発明の課題を解決するには至らない。すなわち、記録ヘッドからインク滴として吐出した顔料とポリマー微粒子が、記録媒体に到達し定着するときに、ポリマー微粒子ができるだけ多く顔料の上に重なるように定着させることができれば、顔料層の上にポリマー層が形成されることになり、画像部分の顔料を効率良く樹脂の被膜で覆うことができる。
【0012】
そこで、本発明者等はこのような状態を印字直後に速やかに形成させるための技術手段を鋭意検討した結果、インク中に存在する顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比を5:6〜1:6の範囲に調整することにより達成されることを見出した。顔料の粒径がポリマー微粒子より大きくなると、顔料同士が形成する隙間も大きくなるので、印字直後のインク定着の際にポリマー微粒子がその隙間を通って記録媒体の中の奥のほうへ移動するために、樹脂が画像表面に残留する割合が少なくなる。そうなると画像部分の顔料を樹脂で被覆することができなくなるために、光沢性があり、かつ耐摩擦性が良好な目的とする画像を得ることができなくなる。逆にポリマー微粒子の粒径の比率が顔料の6倍以上になった場合には、上述したような効果は同様に得られるが、このようなインクを記録ヘッドに充填して長期間使用せずに放置した場合、ヘッド内の細くて狭いインク流路に顔料が沈降して詰まったりする傾向が見られ、またこれと同様のことがポリマー微粒子の平均粒径が200nm以上になったものを用いた場合にも認められた。このようなことが起こる原因は定かではないが、記録ヘッド内の流路はおそらく容積の大きな環境で再分散等が容易にできる有利な状態ではないため、顔料やポリマー微粒子の沈降、凝集が徐々に進行して析出したものと推測される。
【0013】
この顔料とポリマー微粒子の重量比は、2:1〜1:3の範囲にあるときに、良好な画像の光沢性や耐摩擦性が得られる。すなわち、ポリマー微粒子の量が少なすぎるとこれらの効果は小さくなるし、多すぎるとインクの粘性が高くなって記録ヘッドからの吐出が困難となる。
【0014】
更に、顔料とポリマー微粒子の他に水溶性の樹脂を加えて、印字直後に形成される顔料同士の隙間をこの水溶性樹脂で埋めることができると、より鮮やかな発色性を示す画像が得られることを見出した。このような効果を得るための条件としては、顔料と水溶性樹脂の重量比が5:1〜1:5の範囲になるように、またこの樹脂の重量平均分子量が1000〜50000、好ましくは3000〜20000の範囲のもので、さらに、この樹脂がアニオン性基含有単量体と他の重合性単量体との共重合物のアルカリ中和物である場合に特に効果的である。
【0015】
次に本発明で使用される顔料について説明する。一般的な無機顔料、有機顔料であればほとんど使用可能であり、例えば無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、チャネル法、ファーネス法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
【0016】
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。さらに上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものなど、水相に分散可能なものであれば特に限定されるものではない。
【0017】
これらの顔料種のなかでも本発明を実施するうえで特に好ましいカラー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、128、138、147、151、155、173、180等の黄色顔料、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッット19等の赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4等の青色顔料を挙げることができる。
【0018】
次に、これらの顔料を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、アルカリ可溶性のスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
【0019】
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0020】
次に本発明で使用するポリマー微粒子は、水性媒体中で重合性モノマー、乳化剤、添加剤等を乳化、懸濁させた後、水溶性の重合開始剤を添加し熱重合させることにより得られる。重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジN−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン等のアミド系重合性単量体が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のアニオン性基含有重合性単量体、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等のカチオン性基含有重合性単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、アクロレイン等の反応性基含有重合性単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能重合性単量体、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。乳化剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性の乳化剤、高分子乳化剤等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本発明で使用される水溶性樹脂としては、先に述べた顔料の分散剤として使用され得るアルカリ可溶性の水溶性樹脂等を挙げることができる。
【0022】
本発明の顔料インクは、上記した顔料及び分散剤と、これらを分散させるための水系媒体とを少なくとも有するが、この際に使用する好適な水性媒体としては、水又は、水と水性有機溶剤の混合溶媒を使用することが好ましい。本発明において使用するインクの、インク中における水の含有量は、通常20〜90重量%、好ましくは、30〜70重量%の範囲である。
【0023】
又、本発明において水と混合して使用し得る水溶性有機溶剤としては、下記のごとき3群に分けることができる。即ち、保湿性が高く、蒸発しにくく、親水性に優れる第1群の溶剤、有機性があり疎水性の表面への濡れ性がよく、蒸発乾燥性もある第2群の溶剤、適度の濡れ性を有し低粘度の第3群の溶剤である。本発明においてはこれらの溶剤の中から目的に応じて適宜に選択して使用すればよい。
【0024】
第1群に属する溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、N―メチルー2―ピロリドン、2―ピロリドン、γ―ブチロラクトン、1,3−ジメチルー2―イミダゾリジノン、スルホラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイシプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
【0025】
第2群に属する溶媒としては、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジ、メチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー、ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0026】
第3群に属する溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げられる。
【0027】
以上のごとき水溶性有機溶媒の総量は、概ねインク全体に対して5〜40重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0028】
本発明の顔料インクには、以上の成分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調製剤、防腐剤等を添加することが可能である。
【0029】
本発明の顔料インクは、上記した材料を分散機によって分散して作製されるが、この際の分散機としては、一般に使用される分散機なら如何なるものも使用し得る。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル等の分散機が挙げられるが、これらの中でも高速度のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等を好ましく使用できる。
【0030】
また、所望の粒径分布を有する顔料の分散液あるいはインクを得る方法としては、下記の方法を用いることができる。例えば、分散機に用いる粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、あるいは、粉砕処理時間を長くする、粉砕速度を遅くする等の方法や粉砕後、フィルターや遠心分離機等で分級する等の手法を用いることができる。もちろん、これらの手法を適宜組合わせてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例等を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
<実施例1>
スチレン−アクリル酸共重合体(Joncryl 678、ジョンソンポリマー社製)とこれを中和するに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを攪拌混合し、10%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液を作製した。
【0033】
このようにして作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体Aを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 20部
・ピグメントブルー 15:3 5部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 25部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで5時間、分散処理を行った。その後、このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して、粗大粒子を除去した。
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Bを作製した。
・ポリマー微粒子 Joncryl 711 30部
(含有率42% : ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 680(重量平均分子量4900、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 55部
・水 15部
以上のようにして作製したシアン顔料分散体Aとポリマー水溶液Bを等量混合して所定の組成になったシアンインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例1のインクを調製した。
【0034】
次にこのようにして調製されたシアンインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を以下のようにして測定した。すなわち、最終段階まで調製されたインクを透過電子顕微鏡にて観察し、その状態を撮った写真からそれぞれの粒子を区別して、平均粒径を求めた。その結果、顔料の平均粒径は46nm、ポリマー微粒子の平均粒径は116nmであった。
【0035】
<実施例2>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体Cを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・ピグメントレッド 122 8部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 12部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで6時間、分散処理を行った。その後、このマゼンタ顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して粗大粒子を除去した。
【0036】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Dを作製した。
・ポリマー微粒子 PDX−7630A 25部
(含有率32%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 67(重量平均分子量12500、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 13部
・水 62部
以上のようにして作製したマゼンタ顔料分散体Cとポリマー水溶液Dを等量混合して所定の組成になったマゼンタインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例2のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は35nm、ポリマー微粒子は167nmであった。
【0037】
<実施例3>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体Eを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・ピグメントイエロー 74 7部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 13部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度9000rpmで6時間、分散処理を行った。その後、このイエロー顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、40分間)して粗大粒子を除去した。
【0038】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Fを作製した。
・ポリマー微粒子 Joncryl 7001 12部
(含有率42%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 680(重量平均分子量4900、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 27部
・水 61部
以上のようにして作製したイエロー顔料分散体Eとポリマー水溶液Fを等量混合し以上のようにして作製したイエロー顔料分散体Cとポリマー水溶液Dを等量混合して所定の組成になったイエローインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例3のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は25nm、ポリマー微粒子は90nmであった。
【0039】
<実施例4>
実施例1で作製したスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなブラック顔料分散体Gを作製した。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・カーボンブラック 10部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 10部
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、300μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度7000rpmで5時間、分散処理を行った。その後、このブラック顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して粗大粒子を除去した。
【0040】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Hを作製した。
・ポリマー微粒子 PDX−7630A 44部
(含有率32%:ジョンソンポリマー社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 678(重量平均分子量8500、ジョンソンポリマー社製)
を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 46部
・水 10部
以上のようにして作製したブラック顔料分散体Gとポリマー水溶液Hを等量混合して所定の組成になったブラックインクを調合した。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して実施例4のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は84nm、ポリマー微粒子は152nmであった。
【0041】
<比較例1>
実施例1と同一の材料を同一組成でバッチ式縦型サンドミルに仕込み、500μm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度5000rpmで4時間、分散処理を行った。その後、このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分間)して、粗大粒子を除去して得られたシアン顔料分散体Jを作製し、以下実施例1と同様にポリマー水溶液Bを等量混合して、比較例1のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は168nm、ポリマー微粒子は102nmであった。
【0042】
<比較例2>
実施例2と同一の材料を同一組成でバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ粉砕媒体速度5000rpmで2時間、分散処理を行った。その後、このイエロー顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、20分間)して、粗大粒子を除去して得られたマゼンタ顔料分散体Kを作製した。
【0043】
次に下記に示すようなポリマーが溶解、分散している水溶液Lを作製した。
・ポリマー微粒子 ボンコートAB−735 16部
(含有率50%:大日本インキ化学工業社製)
・水溶性樹脂 Joncryl 67(ジョンソンポリマー社製)を水酸化カリウムで中和した30%水溶液 13部
・水 71部
以上のようにして作製したマゼンタ顔料分散体Kとポリマー水溶液Lを等量混合して所定の組成になったマゼンタインクを調合した。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して比較例2のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は312nm、ポリマー微粒子は287nmであった。
【0044】
<比較例3>
実施例3で調合されたイエロー顔料分散体Eと比較例2で調合されたポリマー水溶液Lを等量混合して所定の組成になったイエローインクを調合した。更にこのインクを上記高速ミルにて5時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理(10000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過して比較例3のインクを調製した。このインク中に分散している顔料とポリマー微粒子の平均粒径を、実施例1と同様に測定したところ、顔料は32nm、ポリマー微粒子は260nmであった。
【0045】
(評価方法及び結果)
上記実施例及び比較例のインクについて、BJF870プリンタ(キヤノン社製)にて一連の評価を実施した。すなわち、専用のインクカートリッジにこれらのインクを充填して下記項目についての評価を行った。画像に関する評価には、キヤノン社製のプロフェッショナルフォトペーパーに印字したフルベタ画像について行った。
【0046】
画像濃度
マクベス社製のマクベス反射濃度計RD−918により、フルベタ画像部分の画像濃度を測定した。
○…測定値≧2.0
△…1.5≦測定値<2.0
×…測定値<1.5
記録ヘッドの目詰まり罫線やフルベタ部が入ったテストパターンを印字した後、このプリンタを30℃、10%湿度の環境下に2ヶ月放置した後、また同じテストパターンを印字させて画像の回復性を評価した。
○…記録ヘッドのクリーニング操作1回で完全回復した
△…記録ヘッドのクリーニング操作5回以内で完全回復した
×…記録ヘッドのクリーニング操作5回以内で完全回復しなかった
光沢性
BJF870プリンタの純正インク(染料インク)で印字した画像との比較を目視にて観察し、評価した。
○…染料並の光沢感が有り、鮮明さがある
△…多少ブロンズ色が混ざった光沢性で、鮮明さにやや欠ける
×…鈍い光沢感で画像の鮮明さは、明らかに染料より劣る
耐摩擦性
指で擦ったり、印字物を何枚も重ねて綴じて保存したときに、画像部分が汚れたり、転写しないか評価した。
○…まったく影響を受けない
△…指で擦ったときに、多少汚れる程度
×…容易に顔料が転写し、指で擦ったときの汚れもひどい
以上の評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明は、インクジェット記録物の従来からの課題であった光沢性のある鮮明な発色性と耐摩擦性を両立させるものである。すなわち、改良されたフルカラー顔料を用いて染料並に改善された光沢性のある高発色性の画像を提供できると同時に、印刷や塗料の分野における強靱な耐摩擦性も兼ねそえた、信頼性の高い高品質の画像を得ることがインクジェット記録で可能となった。
Claims (6)
- 少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、該インク中に分散している顔料と被膜形成能を有するポリマー微粒子が以下の条件を満足することを特徴とするインクジェット記録用インク。
(1)顔料の平均粒径が100nm以下
(2)ポリマー微粒子の平均粒径が200nm以下
(3)顔料とポリマー微粒子の平均粒径の比が、5:6〜1:6 - 水溶性樹脂を、更に含んでなる請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 顔料と水溶性樹脂の重量比が、5:1〜1:5である請求項1〜2のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 顔料とポリマー微粒子の重量比が、2:1〜1:3である請求項1〜3いずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 水溶性樹脂の重量平均分子量が1000〜50000である請求項1〜4いずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 水溶性樹脂が、アニオン性基含有単量体と他の重合性単量体との共重合物のアルカリ中和物である請求項1〜5いずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
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|---|---|---|---|
| JP2003149247A JP2004352768A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | インクジェット記録用インク |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012041378A (ja) * | 2010-08-12 | 2012-03-01 | Seiko Epson Corp | インク組成物および印刷物 |
| JP2012087262A (ja) * | 2010-10-22 | 2012-05-10 | Seiko Epson Corp | 白色インク組成物 |
| US9260619B2 (en) | 2010-04-27 | 2016-02-16 | Seiko Epson Corporation | White ink composition and recorded material using the same |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003149247A patent/JP2004352768A/ja not_active Withdrawn
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