JP2004351244A - ガラス発泡体に触媒剤を積層してなる触媒体及びその触媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃ガラスから製造されるガラス発泡体と、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などのフライアッシュから製造される人工ゼオライト及び金属リサイクルの一環として得られる貴金属乃至金属酸化物触媒を組み合わせて、多機能、高性能、耐久性と安定性に富み、大量且つ廉価に供給可能で、新規な触媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス発泡体1の表面並びにガラス発泡体1の表面に開口する多数の細孔2面に、触媒剤3を保有する外殻層5が形成されてなり、係る外殻層5は、触媒剤3と無機接合剤とがガラス発泡体1の表面並びに細孔2面に、多数の空隙4を備えて積層・固定されてなる。前記の触媒剤3が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒などからなり、前記の担体が、ゼオライト又は活性炭であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラス発泡体1の表面並びにガラス発泡体1の表面に開口する多数の細孔2面に、触媒剤3を保有する外殻層5が形成されてなり、係る外殻層5は、触媒剤3と無機接合剤とがガラス発泡体1の表面並びに細孔2面に、多数の空隙4を備えて積層・固定されてなる。前記の触媒剤3が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒などからなり、前記の担体が、ゼオライト又は活性炭であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス発泡体に触媒剤を纏着してなる触媒体に関し、より詳細には、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、金属酸化物系触媒等の触媒をゼオライト等の担体に担持乃至混合した触媒剤と無機接合剤からなる外殻層が積層してなる触媒体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼオライトは三次元カゴ型構造によるÅオーダーの細孔をもつために、分子ふるい効果を発現することは公知である。この効果をシャバサイトについて最初に発見したのは1932年McBainとされている。合成ゼオライトの開発は1945年のモルデナイト(Barrer,ZK−5)に始まり、1952年フォージャス群のA型、X型、Y型に至り、工業的な分離吸着材乃至モレキュラーシーブとして定着した。そして現在は、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などから発生する灰から採取したフライアッシュを主原料として、これらをゼオライト化して得られる所謂人工ゼオライトが吸着能力、イオン交換能力並びに触媒活性に優れ、且つ、廃棄物の資源化によるゼロエミッション構想に合致することから人工ゼオライトの開発とこれを有効活用する要望があり注目されている。
【0003】
活性炭は木炭、カーボンブラック、コークス、煤などと化学的に同族で炭素構造上から微晶形炭素に属しており、結晶部分と非晶部分からできている。結晶部は黒鉛と同様に吸着に無関係であり、非晶部は孔(pore)が存在して吸着に寄与する。この孔(pore)は半径20Å以下のミクロ孔(micro−pore)、半径20〜1,000Åのトランジショナル孔(transitional−pore)、半径1,000〜100,000Åのマクロ孔(macro−pore)に大別される。前記の細孔の数ないし孔径は活性炭の製造過程における賦活の条件などによって左右され、活性炭の吸着能力ないし触媒担持能力も細孔の数ないし孔径によって異なる。
【0004】
近年、ゼオライトないし活性炭のほかにガラス発泡体を触媒の担体として利用する試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、例えば、ガラス発泡体の表面に触媒粉末を塗布するだけでは、触媒とガラスの接合力に欠け、触媒を充分に固定することが困難な問題がある。また、酸化チタン光触媒を基板に固定する方法として、チタン化合物を含有する溶液やアモルファス酸化チタン分散溶液を基板に塗布した後、乾燥ないし焼結する薄膜形成法が知られている。ところが、この方法は、ルチルまたはアナターゼの薄膜を得るために数百度以上の高温で焼成し結晶化する必要があり、ガラス発泡体が熱の影響を受けて細孔が閉ざされたり、或いは、チタン化合物薄膜によってガラス発泡体が覆われることによって、ガラス発泡体の表面積が減少する結果、吸着能力、触媒活性並びに触媒担持能力の低下をもたらすという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−262672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、前記の問題点を解消すると共に、主として、資源の循環型社会の中で生まれた廃ガラスから製造されるガラス発泡体と、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などのフライアッシュを主原料とした人工ゼオライト及び金属リサイクルの一環として得られる貴金属乃至金属酸化物触媒を組み合わせることによって、多機能、高性能、耐久性と安定性に富み、大量且つ廉価に供給可能で、全く新規な触媒体及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなることを特徴とする触媒体する(請求項1)。
【0008】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項2)。
【0009】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項3)。
【0010】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項4)。
【0011】
また、前記の課題を解決するために、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面にコロイド状の無機接合剤と触媒剤とを交互に1ないし複数回纏着して積層する工程と、
前記の工程で得られたガラス発泡体を自然乾燥ないし加熱乾燥させる工程と、
を備え、前記のガラス発泡体の表面並びに細孔面に、触媒剤と無機接合剤とが多数の空隙を備えて積層・固定された外殻層が形成されてなる触媒体の製造方法とする(請求項5)。
【0012】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記のコロイド状の無機接合剤がコロイダルシリカであることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項6)。
【0013】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項7)。
【0014】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項8)。
【0015】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項9)。
【0016】
【作用】
本発明に係る触媒体は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒剤を保有する外殻層が形成されており、この外殻層中の空隙は、連通性を有しており、被吸着物質はこの空隙を通過してガラス発泡体の表面乃至ガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔内に達する。そして、この空隙及びガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔の内面には前記の触媒剤が保有されているので、被吸着物質はこれらの触媒剤に接して、分解作用など触媒剤に特有の様々の作用を受けると共に、ゼオライトが有するイオン交換作用や吸着作用等を受けて有効処理されることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態について図に基づいて説明する。しかし、本発明は、この実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもない。本実施の形態にかかる触媒体について以下に説明する。図1は、本願発明にかかる触媒体の一部を拡大した断面を示す模式図である。図において、1はガラス発泡体であり、その表面に開口する細孔2(気泡状)の壁面並びにガラス発泡体の表面に、小さな間隙4を有し、且つ、触媒剤3を保有する外殻層5が形成されている。
【0018】
先ず、本実施の形態にかかる触媒体の原材料のガラス発泡体は、市販されている粒状の発泡ガラスを使用することができる。ガラス発泡体は、例えば、原料として、瓶や建材などの廃ガラスのカレットを粉砕し、粘土質粉末、石灰石粉末、水ガラス、水と混合して造粒したものを、乾燥、焼成して発泡させ、冷却後、篩分工程を経て製造する。ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内のものが好ましく、平均孔径が、0.5〜1.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が70〜85%の範囲内のものが特に好ましい。平均孔径が、0.1mmよりも小さいと細孔内に触媒剤が進入し難く、2.0mmよりも大きいとガラス発泡体の強度が低下する。平均開孔率が50%よりも小さいと表面積が小さくなり触媒担持能が劣り、100%を越えると強度が弱くなる。
【0019】
次に、本実施の形態に使用する触媒は、使用目的に応じて、任意の触媒を選択使用することが可能であり、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の中の少なくとも何れか一種から選択することが好ましい。ここで、金属酸化物系触媒には、例えば、TiO2,K2O,ZnO,CuO,BaO,ZrO2,MnO,Rb2O,V2O3,SrO,RuO2,Cs2O等がある。
【0020】
光触媒は一般には、それ自体変化することなく、光照射下で化学反応を促進する物質を広く含むものである。光触媒には、大別して半導体と葉緑素のような色素(有機金属錯体)がある。本実施の形態に使用する光触媒は、半導体に属するものであって、例えば、代表的な二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の他に、アルミニウム、ニオブ、錫、ニッケル、銅、コバルト、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属酸化物及び金属過酸化物が使用可能である。また、二酸化チタンは触媒活性に優れるアナターゼの他にルチルも使用可能である。
【0021】
低温触媒は、ある一定の温度に加熱すると化学変化を起こす触媒であって、例えば、酸化ニッケル(III)(Ni2O3)がある。この触媒は所定の温度(約350℃)以上に加熱すると還元されて酸化ニッケル(II)(NiO)に変化する場合がある。係る低温触媒の場合は、高温の焼成工程を経てガラス発泡体に固定することは不可能であるが、本実施の形態によれば焼成工程を経ないので、酸化ニッケル(III)のままでガラス発泡体に固定することが可能である。
【0022】
貴金属触媒には、例えば、金(Au),銀(Ag)の他に、白金族金属の白金(Pt),ルビジウム(Ru),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),オスミウム(Os),イリジウム(Ir)等の触媒が含まれる。アルミナ(Al2O3)を担体とする白金触媒は、高オクタン価ガソリンを製造する接触改質法に用いられ、また、これらの貴金属触媒は、ガソリンの燃焼性改善、NOx,SOxを減少する排ガス対策等に広く使用されている。
【0023】
本実施の形態における原料の担体は、担持機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、ゼオライト、活性炭、又は活性炭類似の機能を有する木炭等が使用可能である。ここで、ゼオライトには天然ゼオライト、合成ゼオライト及び人工ゼオライトが含まれる。しかし、本実施の形態に使用されるゼオライトは、前記の何れのゼオライトも使用可能であるが、前述の通り吸着能力、イオン交換能力並びに触媒活性に優れ、且つ、廃棄物の資源化によるゼロエミッション構想に合致することから人工ゼオライトが好ましい。
【0024】
ゼオライトは、含水アルミノケイ酸塩であって、陽イオン交換能力を有する。この陽イオン交換能力を表す単位が陽イオン交換容量(CEC)である。人工ゼオライトは、石炭灰等を水酸化ナトリウムと加熱下で反応させゼオライト化して製造される。この場合、交換性陽イオンがNaイオンからなるのでNa型ゼオライトと言い、このNa型ゼオライトをCaCl2,MgCl2,KCl2,NH4Clで処理すると、NaイオンがそれぞれCaイオン、Mgイオン、Kイオン、NH4イオンに置き換わったCa型、Mg型、K型、NH4型の各ゼオライトが得られる。
【0025】
本実施の形態に係る触媒体は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又は適宜混合した混合物(触媒剤)を保有する外殻層が形成されてなる。係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなる。ここで、前記の無機接合剤は、触媒剤とガラス発泡体を接合する機能を有するものであれば、特に限定されないが、コロイダルシリカ(colloidal silica SiO2)ないしケイ酸(H4SiO4)が好ましい。
【0026】
また、本実施の形態に係る触媒体の構成から、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又は適宜混合した混合物からなる前記触媒剤の平均粒子径は、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことが好ましい。而して、前記触媒剤がガラス発泡体の表面ないしガラス発泡体の表面に形成された細孔面に固定され、触媒の接触面積が増大し、触媒活性を高めることができるのである。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる触媒体の製造方法について以下に説明する。
転動式造粒機にガラス発泡体を投入して、転動式造粒機を転動させながら無機接合剤であるコロイダルシリカ(水溶性ケイ酸ゾル)をガラス発泡体に充分に浸漬する程度に噴霧し、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面にコロイダルシリカを纏着する第1工程と、
次に、予め、ゼオライト乃至活性炭等の担体と触媒を所定の割合で調製した触媒剤を前記の転動式造粒機に投入して、前記の第1工程で得られたガラス発泡体のコロイダルシリカを纏着した面に、前記の触媒剤を纏着する第2工程と、
次に、前記の第1工程並びに第2工程を順次繰り返してコロイダルシリカと触媒剤をガラス発泡体に纏着する第2a工程と、
前記の第2工程乃至第2a工程の後に、コロイダルシリカを噴霧し、ガラス発泡体に纏着された触媒剤の面にコロイダルシリカを纏着した後、前記のガラス発泡体に纏着されたコロイダルシリカの水分を蒸発するべく加熱乾燥させる第3工程と、を備えてなる。更に、前記の触媒剤の調製において、触媒と担体の橋渡しの役目をする触媒架橋剤として、触媒と担体に加えてアルミナ(Al2O3)等を所定の割合で配合することが好ましい。
【0028】
前記の本実施の形態にかかる触媒体の製造方法において、転動する転動式造粒機の中で粒状のガラス発泡体が自転乃至公転を繰り返しながら、その表面並びに表面に開口する多数の細孔面にコロイダルシリカを纏着し、更に、このコロイダルシリカの纏着面に触媒剤を纏着し、必要に応じて順次繰り返し、コロイダルシリカ層と触媒剤層を交互に積層し、最後に仕上げのコロイダルシリカ層を纏着した後、系外に取り出して自然乾燥させ、その後、水分が蒸発する温度(約120℃前後)で熱風乾燥させて完全に水分を蒸発させる。この水分を蒸発させることによって、前記のコロイダルシリカと触媒剤の積層部分が発泡し、連通性に富む微細な間隙を有する外殻層を形成することが可能になるのである。また、外殻層を形成する一例として、転動式造粒機を使用するも、転動式造粒機に限定されるものではなく、例えば、混合造粒機、ヘンシェル混合ミキサー等、本願発明の趣旨に合致するあらゆる造粒機能を有する手段が含まれる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本願発明について説明する。しかし、本発明は、この実施例に限定されるものでない。
実施例1
表1は、本実施例1に使用する原材料を示し、表2は、この原材料の配合例を示すものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
触媒剤(担体B、触媒C,D,E、 触媒架橋剤F)は、予め表2に記載した配合割合で調整しておく。次に、転動式造粒機にガラス発泡体(A)を投入し、転動式造粒機を転動させながら無機接合剤(G)を噴霧し、充分に浸し、その後、配合の種類に応じて、触媒剤(H)、触媒剤(I)又は触媒剤(J)の何れかの粉体を散布しながら(配合No.4の場合は、触媒剤(H)と無機接合剤(G)、触媒剤(I)と無機接合剤(G)及び触媒剤(J)と無機接合剤(G)を順次繰返処理し)、更に無機接合剤(G)を噴霧し、そして、造粒成形乾燥した後に、更に仕上げとして無機接合剤(G)を噴霧し、成形後取出して自然乾燥し、その後、約120℃で熱風乾燥して完全に水分を蒸発させて本願発明に係る触媒体を得た。触媒剤(担体:触媒: 触媒架橋剤)の配合割合並びに触媒の種類は、触媒体の用途ないし機能に応じて適宜変更して対応することが好ましい。本実施例は、主として水の浄化用の触媒体の製造例を示したものである。本願発明の触媒体は、水の浄化用以外にも広く利用可能であり、表3はその利用分野、対象、用途についてまとめて示したものである。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例2
実施例1における人工ゼオライトに代えて活性炭を使用した以外は実施例1と同様にして、本願発明に係る触媒体を得た。
【0035】
【実験例】
実施例1の代表的な配合No.2で得られた触媒体(A)(粒子径5〜10mm)と、比較例として、S社製人工ゼオライト(B)(粒子径8〜10mm)と、M社製人工ゼオライト(C)(ペレット)と、活性炭(D)(WA型粒子径4〜8mm)と、O社製木炭(E)(一般用子径8〜10mm)について、次の手順に従ってメチレンブルーの吸着試験を行った。所定数のビーカーに水を400cc入れ、更にメチレンブルー溶液を水で4倍に希釈した液を10ml加えた試験液を準備し、このビーカーの中に前記の実施例及び比較例に示す各検体20gをそれぞれ投入し、6人のモニターが24時間ごとに観察し、試験液の着色度の経時変化を基準色(スケール)に対比して視認した。図2は、前記実験に基づき吸着率の経時変化をグラフに示したものである。
【0036】
前記のグラフによれば、本実施例の触媒体(A)の場合は、吸着率が24時間でほぼ80%、96時間で100%に達する。これに対し、比較例の場合は、何れも触媒体(A)に比較して吸着率が低く、活性炭(D)を除いて96時間経過時に100%には達しなかった。以上のことから、本実施例の触媒体(A)の吸着効果の即効性が実証できたこととなる。更に、96時間経過後に、メチレンブルーの希釈液を(A)及び(D)のみに対して定量追加して、この繰り返し試験を合計6回行ったところ、(A)及び(D)ともに吸着率が100%で完全に吸着された。その他の比較例の場合は、何れも100%に達しなかったので、1回の試験で終了した。
【0037】
次ぎに、実施例1における触媒体Aの陽イオン交換容量(CEC)を測定したところ、42.9(meq/100g)であった。ここで、触媒体(A)中の人工ゼオライトの重量比が20%であり、触媒体(A)中の人工ゼオライト100g当りに換算すると、陽イオン交換容量(CEC)は42.9×5=214.5(meq/100g)となる。一方、触媒体(A)中に使用した人工ゼオライト単独の陽イオン交換容量(CEC)の実測値は、179.5(meq/100g)であるので、換言すれば、179.5(meq/100g)の人工ゼオライトの陽イオン交換容量(CEC)が、本願発明の触媒体(A)にすることによって、214.5(meq/100g)に、ほぼ20%近く増大されたことになる。
【0038】
図3は、実施例1で得られた触媒体(A)の表面部分を200倍マイクロスコープカメラ(株式会社万雄製)によって拡大し、テレビモニタに写した画像をデジタルカメラで接写した写真である。3枚の写真は、何れも前記マイクロスコープカメラによって倍率約200倍で撮影したものである。写真(a)及び写真(b)の下方中央付近の黒い部分が触媒体(A)の表面に積層された外殻層に形成された比較的大きな空隙であり、その周囲の白い部分が触媒剤とコロイダルシリカの粒子である。下方の写真(c)によれば、比較的小さな空隙が全体に散見される。このように空隙の大きさは一定ではなく、バラツキがある。尚、写真中の全体に見える島模様はテレビモニタの走査線のモワレ模様であって、触媒体(A)とは無関係である。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る触媒体は、前記のように構成されており、多機能、高性能、耐久性と安定性に富み、且つ、資源の循環型社会の中で生まれた廃ガラスから製造されるガラス発泡体、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などの焼却石炭灰から採取されるフライアッシュから製造される人工ゼオライト及び金属リサイクルの一環として得られる貴金属ないし金属酸化物触媒を組み合わせ使用することによって、資源の有効利用が図られると共に経済的にも優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる触媒体の一部を拡大した断面を示す模式図である。
【図2】実施例の触媒体と比較例の吸着率の経時変化を示すグラフ図である。
【図3】実施例の触媒体の表面を拡大した図面代用写真である。
【符号の説明】
1:ガラス発泡体、2:細孔、3:触媒剤、4:空隙、5:外殻層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス発泡体に触媒剤を纏着してなる触媒体に関し、より詳細には、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、金属酸化物系触媒等の触媒をゼオライト等の担体に担持乃至混合した触媒剤と無機接合剤からなる外殻層が積層してなる触媒体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼオライトは三次元カゴ型構造によるÅオーダーの細孔をもつために、分子ふるい効果を発現することは公知である。この効果をシャバサイトについて最初に発見したのは1932年McBainとされている。合成ゼオライトの開発は1945年のモルデナイト(Barrer,ZK−5)に始まり、1952年フォージャス群のA型、X型、Y型に至り、工業的な分離吸着材乃至モレキュラーシーブとして定着した。そして現在は、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などから発生する灰から採取したフライアッシュを主原料として、これらをゼオライト化して得られる所謂人工ゼオライトが吸着能力、イオン交換能力並びに触媒活性に優れ、且つ、廃棄物の資源化によるゼロエミッション構想に合致することから人工ゼオライトの開発とこれを有効活用する要望があり注目されている。
【0003】
活性炭は木炭、カーボンブラック、コークス、煤などと化学的に同族で炭素構造上から微晶形炭素に属しており、結晶部分と非晶部分からできている。結晶部は黒鉛と同様に吸着に無関係であり、非晶部は孔(pore)が存在して吸着に寄与する。この孔(pore)は半径20Å以下のミクロ孔(micro−pore)、半径20〜1,000Åのトランジショナル孔(transitional−pore)、半径1,000〜100,000Åのマクロ孔(macro−pore)に大別される。前記の細孔の数ないし孔径は活性炭の製造過程における賦活の条件などによって左右され、活性炭の吸着能力ないし触媒担持能力も細孔の数ないし孔径によって異なる。
【0004】
近年、ゼオライトないし活性炭のほかにガラス発泡体を触媒の担体として利用する試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、例えば、ガラス発泡体の表面に触媒粉末を塗布するだけでは、触媒とガラスの接合力に欠け、触媒を充分に固定することが困難な問題がある。また、酸化チタン光触媒を基板に固定する方法として、チタン化合物を含有する溶液やアモルファス酸化チタン分散溶液を基板に塗布した後、乾燥ないし焼結する薄膜形成法が知られている。ところが、この方法は、ルチルまたはアナターゼの薄膜を得るために数百度以上の高温で焼成し結晶化する必要があり、ガラス発泡体が熱の影響を受けて細孔が閉ざされたり、或いは、チタン化合物薄膜によってガラス発泡体が覆われることによって、ガラス発泡体の表面積が減少する結果、吸着能力、触媒活性並びに触媒担持能力の低下をもたらすという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−262672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、前記の問題点を解消すると共に、主として、資源の循環型社会の中で生まれた廃ガラスから製造されるガラス発泡体と、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などのフライアッシュを主原料とした人工ゼオライト及び金属リサイクルの一環として得られる貴金属乃至金属酸化物触媒を組み合わせることによって、多機能、高性能、耐久性と安定性に富み、大量且つ廉価に供給可能で、全く新規な触媒体及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなることを特徴とする触媒体する(請求項1)。
【0008】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項2)。
【0009】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項3)。
【0010】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする前記の触媒体とすることが好ましい(請求項4)。
【0011】
また、前記の課題を解決するために、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面にコロイド状の無機接合剤と触媒剤とを交互に1ないし複数回纏着して積層する工程と、
前記の工程で得られたガラス発泡体を自然乾燥ないし加熱乾燥させる工程と、
を備え、前記のガラス発泡体の表面並びに細孔面に、触媒剤と無機接合剤とが多数の空隙を備えて積層・固定された外殻層が形成されてなる触媒体の製造方法とする(請求項5)。
【0012】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記のコロイド状の無機接合剤がコロイダルシリカであることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項6)。
【0013】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項7)。
【0014】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項8)。
【0015】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする前記の触媒体の製造方法とすることが好ましい(請求項9)。
【0016】
【作用】
本発明に係る触媒体は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒剤を保有する外殻層が形成されており、この外殻層中の空隙は、連通性を有しており、被吸着物質はこの空隙を通過してガラス発泡体の表面乃至ガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔内に達する。そして、この空隙及びガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔の内面には前記の触媒剤が保有されているので、被吸着物質はこれらの触媒剤に接して、分解作用など触媒剤に特有の様々の作用を受けると共に、ゼオライトが有するイオン交換作用や吸着作用等を受けて有効処理されることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態について図に基づいて説明する。しかし、本発明は、この実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもない。本実施の形態にかかる触媒体について以下に説明する。図1は、本願発明にかかる触媒体の一部を拡大した断面を示す模式図である。図において、1はガラス発泡体であり、その表面に開口する細孔2(気泡状)の壁面並びにガラス発泡体の表面に、小さな間隙4を有し、且つ、触媒剤3を保有する外殻層5が形成されている。
【0018】
先ず、本実施の形態にかかる触媒体の原材料のガラス発泡体は、市販されている粒状の発泡ガラスを使用することができる。ガラス発泡体は、例えば、原料として、瓶や建材などの廃ガラスのカレットを粉砕し、粘土質粉末、石灰石粉末、水ガラス、水と混合して造粒したものを、乾燥、焼成して発泡させ、冷却後、篩分工程を経て製造する。ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内のものが好ましく、平均孔径が、0.5〜1.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が70〜85%の範囲内のものが特に好ましい。平均孔径が、0.1mmよりも小さいと細孔内に触媒剤が進入し難く、2.0mmよりも大きいとガラス発泡体の強度が低下する。平均開孔率が50%よりも小さいと表面積が小さくなり触媒担持能が劣り、100%を越えると強度が弱くなる。
【0019】
次に、本実施の形態に使用する触媒は、使用目的に応じて、任意の触媒を選択使用することが可能であり、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の中の少なくとも何れか一種から選択することが好ましい。ここで、金属酸化物系触媒には、例えば、TiO2,K2O,ZnO,CuO,BaO,ZrO2,MnO,Rb2O,V2O3,SrO,RuO2,Cs2O等がある。
【0020】
光触媒は一般には、それ自体変化することなく、光照射下で化学反応を促進する物質を広く含むものである。光触媒には、大別して半導体と葉緑素のような色素(有機金属錯体)がある。本実施の形態に使用する光触媒は、半導体に属するものであって、例えば、代表的な二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の他に、アルミニウム、ニオブ、錫、ニッケル、銅、コバルト、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属酸化物及び金属過酸化物が使用可能である。また、二酸化チタンは触媒活性に優れるアナターゼの他にルチルも使用可能である。
【0021】
低温触媒は、ある一定の温度に加熱すると化学変化を起こす触媒であって、例えば、酸化ニッケル(III)(Ni2O3)がある。この触媒は所定の温度(約350℃)以上に加熱すると還元されて酸化ニッケル(II)(NiO)に変化する場合がある。係る低温触媒の場合は、高温の焼成工程を経てガラス発泡体に固定することは不可能であるが、本実施の形態によれば焼成工程を経ないので、酸化ニッケル(III)のままでガラス発泡体に固定することが可能である。
【0022】
貴金属触媒には、例えば、金(Au),銀(Ag)の他に、白金族金属の白金(Pt),ルビジウム(Ru),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),オスミウム(Os),イリジウム(Ir)等の触媒が含まれる。アルミナ(Al2O3)を担体とする白金触媒は、高オクタン価ガソリンを製造する接触改質法に用いられ、また、これらの貴金属触媒は、ガソリンの燃焼性改善、NOx,SOxを減少する排ガス対策等に広く使用されている。
【0023】
本実施の形態における原料の担体は、担持機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、ゼオライト、活性炭、又は活性炭類似の機能を有する木炭等が使用可能である。ここで、ゼオライトには天然ゼオライト、合成ゼオライト及び人工ゼオライトが含まれる。しかし、本実施の形態に使用されるゼオライトは、前記の何れのゼオライトも使用可能であるが、前述の通り吸着能力、イオン交換能力並びに触媒活性に優れ、且つ、廃棄物の資源化によるゼロエミッション構想に合致することから人工ゼオライトが好ましい。
【0024】
ゼオライトは、含水アルミノケイ酸塩であって、陽イオン交換能力を有する。この陽イオン交換能力を表す単位が陽イオン交換容量(CEC)である。人工ゼオライトは、石炭灰等を水酸化ナトリウムと加熱下で反応させゼオライト化して製造される。この場合、交換性陽イオンがNaイオンからなるのでNa型ゼオライトと言い、このNa型ゼオライトをCaCl2,MgCl2,KCl2,NH4Clで処理すると、NaイオンがそれぞれCaイオン、Mgイオン、Kイオン、NH4イオンに置き換わったCa型、Mg型、K型、NH4型の各ゼオライトが得られる。
【0025】
本実施の形態に係る触媒体は、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又は適宜混合した混合物(触媒剤)を保有する外殻層が形成されてなる。係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなる。ここで、前記の無機接合剤は、触媒剤とガラス発泡体を接合する機能を有するものであれば、特に限定されないが、コロイダルシリカ(colloidal silica SiO2)ないしケイ酸(H4SiO4)が好ましい。
【0026】
また、本実施の形態に係る触媒体の構成から、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又は適宜混合した混合物からなる前記触媒剤の平均粒子径は、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことが好ましい。而して、前記触媒剤がガラス発泡体の表面ないしガラス発泡体の表面に形成された細孔面に固定され、触媒の接触面積が増大し、触媒活性を高めることができるのである。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる触媒体の製造方法について以下に説明する。
転動式造粒機にガラス発泡体を投入して、転動式造粒機を転動させながら無機接合剤であるコロイダルシリカ(水溶性ケイ酸ゾル)をガラス発泡体に充分に浸漬する程度に噴霧し、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面にコロイダルシリカを纏着する第1工程と、
次に、予め、ゼオライト乃至活性炭等の担体と触媒を所定の割合で調製した触媒剤を前記の転動式造粒機に投入して、前記の第1工程で得られたガラス発泡体のコロイダルシリカを纏着した面に、前記の触媒剤を纏着する第2工程と、
次に、前記の第1工程並びに第2工程を順次繰り返してコロイダルシリカと触媒剤をガラス発泡体に纏着する第2a工程と、
前記の第2工程乃至第2a工程の後に、コロイダルシリカを噴霧し、ガラス発泡体に纏着された触媒剤の面にコロイダルシリカを纏着した後、前記のガラス発泡体に纏着されたコロイダルシリカの水分を蒸発するべく加熱乾燥させる第3工程と、を備えてなる。更に、前記の触媒剤の調製において、触媒と担体の橋渡しの役目をする触媒架橋剤として、触媒と担体に加えてアルミナ(Al2O3)等を所定の割合で配合することが好ましい。
【0028】
前記の本実施の形態にかかる触媒体の製造方法において、転動する転動式造粒機の中で粒状のガラス発泡体が自転乃至公転を繰り返しながら、その表面並びに表面に開口する多数の細孔面にコロイダルシリカを纏着し、更に、このコロイダルシリカの纏着面に触媒剤を纏着し、必要に応じて順次繰り返し、コロイダルシリカ層と触媒剤層を交互に積層し、最後に仕上げのコロイダルシリカ層を纏着した後、系外に取り出して自然乾燥させ、その後、水分が蒸発する温度(約120℃前後)で熱風乾燥させて完全に水分を蒸発させる。この水分を蒸発させることによって、前記のコロイダルシリカと触媒剤の積層部分が発泡し、連通性に富む微細な間隙を有する外殻層を形成することが可能になるのである。また、外殻層を形成する一例として、転動式造粒機を使用するも、転動式造粒機に限定されるものではなく、例えば、混合造粒機、ヘンシェル混合ミキサー等、本願発明の趣旨に合致するあらゆる造粒機能を有する手段が含まれる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本願発明について説明する。しかし、本発明は、この実施例に限定されるものでない。
実施例1
表1は、本実施例1に使用する原材料を示し、表2は、この原材料の配合例を示すものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
触媒剤(担体B、触媒C,D,E、 触媒架橋剤F)は、予め表2に記載した配合割合で調整しておく。次に、転動式造粒機にガラス発泡体(A)を投入し、転動式造粒機を転動させながら無機接合剤(G)を噴霧し、充分に浸し、その後、配合の種類に応じて、触媒剤(H)、触媒剤(I)又は触媒剤(J)の何れかの粉体を散布しながら(配合No.4の場合は、触媒剤(H)と無機接合剤(G)、触媒剤(I)と無機接合剤(G)及び触媒剤(J)と無機接合剤(G)を順次繰返処理し)、更に無機接合剤(G)を噴霧し、そして、造粒成形乾燥した後に、更に仕上げとして無機接合剤(G)を噴霧し、成形後取出して自然乾燥し、その後、約120℃で熱風乾燥して完全に水分を蒸発させて本願発明に係る触媒体を得た。触媒剤(担体:触媒: 触媒架橋剤)の配合割合並びに触媒の種類は、触媒体の用途ないし機能に応じて適宜変更して対応することが好ましい。本実施例は、主として水の浄化用の触媒体の製造例を示したものである。本願発明の触媒体は、水の浄化用以外にも広く利用可能であり、表3はその利用分野、対象、用途についてまとめて示したものである。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例2
実施例1における人工ゼオライトに代えて活性炭を使用した以外は実施例1と同様にして、本願発明に係る触媒体を得た。
【0035】
【実験例】
実施例1の代表的な配合No.2で得られた触媒体(A)(粒子径5〜10mm)と、比較例として、S社製人工ゼオライト(B)(粒子径8〜10mm)と、M社製人工ゼオライト(C)(ペレット)と、活性炭(D)(WA型粒子径4〜8mm)と、O社製木炭(E)(一般用子径8〜10mm)について、次の手順に従ってメチレンブルーの吸着試験を行った。所定数のビーカーに水を400cc入れ、更にメチレンブルー溶液を水で4倍に希釈した液を10ml加えた試験液を準備し、このビーカーの中に前記の実施例及び比較例に示す各検体20gをそれぞれ投入し、6人のモニターが24時間ごとに観察し、試験液の着色度の経時変化を基準色(スケール)に対比して視認した。図2は、前記実験に基づき吸着率の経時変化をグラフに示したものである。
【0036】
前記のグラフによれば、本実施例の触媒体(A)の場合は、吸着率が24時間でほぼ80%、96時間で100%に達する。これに対し、比較例の場合は、何れも触媒体(A)に比較して吸着率が低く、活性炭(D)を除いて96時間経過時に100%には達しなかった。以上のことから、本実施例の触媒体(A)の吸着効果の即効性が実証できたこととなる。更に、96時間経過後に、メチレンブルーの希釈液を(A)及び(D)のみに対して定量追加して、この繰り返し試験を合計6回行ったところ、(A)及び(D)ともに吸着率が100%で完全に吸着された。その他の比較例の場合は、何れも100%に達しなかったので、1回の試験で終了した。
【0037】
次ぎに、実施例1における触媒体Aの陽イオン交換容量(CEC)を測定したところ、42.9(meq/100g)であった。ここで、触媒体(A)中の人工ゼオライトの重量比が20%であり、触媒体(A)中の人工ゼオライト100g当りに換算すると、陽イオン交換容量(CEC)は42.9×5=214.5(meq/100g)となる。一方、触媒体(A)中に使用した人工ゼオライト単独の陽イオン交換容量(CEC)の実測値は、179.5(meq/100g)であるので、換言すれば、179.5(meq/100g)の人工ゼオライトの陽イオン交換容量(CEC)が、本願発明の触媒体(A)にすることによって、214.5(meq/100g)に、ほぼ20%近く増大されたことになる。
【0038】
図3は、実施例1で得られた触媒体(A)の表面部分を200倍マイクロスコープカメラ(株式会社万雄製)によって拡大し、テレビモニタに写した画像をデジタルカメラで接写した写真である。3枚の写真は、何れも前記マイクロスコープカメラによって倍率約200倍で撮影したものである。写真(a)及び写真(b)の下方中央付近の黒い部分が触媒体(A)の表面に積層された外殻層に形成された比較的大きな空隙であり、その周囲の白い部分が触媒剤とコロイダルシリカの粒子である。下方の写真(c)によれば、比較的小さな空隙が全体に散見される。このように空隙の大きさは一定ではなく、バラツキがある。尚、写真中の全体に見える島模様はテレビモニタの走査線のモワレ模様であって、触媒体(A)とは無関係である。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る触媒体は、前記のように構成されており、多機能、高性能、耐久性と安定性に富み、且つ、資源の循環型社会の中で生まれた廃ガラスから製造されるガラス発泡体、石炭火力発電所、製鉄所、鉱山などの焼却石炭灰から採取されるフライアッシュから製造される人工ゼオライト及び金属リサイクルの一環として得られる貴金属ないし金属酸化物触媒を組み合わせ使用することによって、資源の有効利用が図られると共に経済的にも優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる触媒体の一部を拡大した断面を示す模式図である。
【図2】実施例の触媒体と比較例の吸着率の経時変化を示すグラフ図である。
【図3】実施例の触媒体の表面を拡大した図面代用写真である。
【符号の説明】
1:ガラス発泡体、2:細孔、3:触媒剤、4:空隙、5:外殻層
Claims (9)
- ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなることを特徴とする触媒体。
- 前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の触媒体。
- 前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする請求項1記載の触媒体。
- 前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする請求項1記載の触媒体。
- ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面にコロイド状の無機接合剤と触媒剤とを交互に1ないし複数回纏着して積層する工程と、
前記の工程で得られたガラス発泡体を自然乾燥ないし加熱乾燥させる工程と、
を備え、前記のガラス発泡体の表面並びに細孔面に、触媒剤と無機接合剤とが多数の空隙を備えて積層・固定された外殻層が形成されてなる触媒体の製造方法。 - 前記のコロイド状の無機接合剤がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項5記載の触媒体の製造方法。
- 前記ガラス発泡体の細孔の平均孔径が、0.1〜2.0mmの範囲内にあって、平均開孔率が50〜100%の範囲内にあり、且つ、前記触媒剤の平均粒子径が、前記ガラス発泡体に形成された細孔の前記平均孔径の範囲内乃至平均孔径よりも小さいことを特徴とする請求項5記載の触媒体の製造方法。
- 前記の触媒が、金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒の群より選ばれる少なくとも何れか一種の触媒からなることを特徴とする請求項5記載の触媒体の製造方法。
- 前記の担体がゼオライト又は活性炭の中の少なくとも何れか一種からなることを特徴とする請求項5記載の触媒体の製造方法。
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