JP2004348265A - 油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置 - Google Patents
油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】全体のシミュレーション精度及び処理速度を向上する油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置を提供する。
【解決手段】ステップS1において、シミュレーション条件を決定する。ステップS2において、領域を分割して、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域を設定し、ステップS3において、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ定義する。ステップS4において、油区域の時間の経過に伴う変動をそれぞれ算出する。ステップ5において、細分区域の各々における油の分布を、ステップS4で求めた油区域の変動に応じて、四角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。ステップS4,S5を、所定の時間間隔で所定の回数だけ繰り返す。
【選択図】 図1
【解決手段】ステップS1において、シミュレーション条件を決定する。ステップS2において、領域を分割して、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域を設定し、ステップS3において、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ定義する。ステップS4において、油区域の時間の経過に伴う変動をそれぞれ算出する。ステップ5において、細分区域の各々における油の分布を、ステップS4で求めた油区域の変動に応じて、四角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。ステップS4,S5を、所定の時間間隔で所定の回数だけ繰り返す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置に関する。これらの方法、プログラム及び装置は、例えば、海面上に流氷が存在する海域において油を輸送する船舶(タンカー)から流出する油の変動のシミュレーションに適用される。なお、本明細書中、「油」とは、原油、灯油、軽油、重油、ガソリン等の種々の粘度の高い可燃性で水に不溶な液体を意味するものとし、「油と化学的に無反応」とは、油と化学反応を起こさないことだけでなく、油とともに溶解、凝固等が生じて一様な液体又は固体にならないことも意味する。
【0002】
【従来の技術】
油の変動のシミュレーションは、1960年代から盛んに行われている。1960年代から1970年代の前半に行われた油の変動のシミュレーションは、主に開水面での油の変動のシミュレーションを取り扱っており、かかるシミュレーションでは、開水面における円形軸対称の拡散を考えたFayの理論が適用されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。Fayの理論は、後の油の変動のシミュレーションの基礎となっており、実海域にも適用されている(例えば、非特許文献4〜6参照)。
【0003】
1970年代に入ると、氷海域での油掘削技術が発達し、それに伴って冬季の船舶運行やスーパータンカーによる油の輸送が一般的になるに従って、氷海における油流出事故の可能性が高くなり、氷海における油の変動のシミュレーションも行われ始めた。
【0004】
氷海における油の変動のシミュレーションも、Fayの理論を拡張したものであり、ほとんどのものが円形軸対称の拡散における力の釣合いを考えている。氷海における油の変動のシミュレーションのうちの初期のものとして、Houltらによる理論がある(例えば、非特許文献7参照)。かかる理論では、油が供給され続けることを前提とし、油にかかる力の釣合いにより油の拡散半径を定式化している。
【0005】
また、Chenらは、浮力と粘性の平衡により油が氷に接している場合と、油と氷の間に水が入っている場合の油拡散半径の定式化を提案している(例えば、非特許文献8参照)。さらに、これら氷海における油の変動のシミュレーションにおける理論を発展させたものとして、Yapaらによる氷海における円形軸対称の拡散の式を挙げることができる(例えば、非特許文献9参照)。なお、Yapaは、自己の理論に基づいて数多くの実験を行い、理論と実験結果の整合性が取れていることを証明している。
【0006】
【特許文献1】
Blokker, P. C., “Spreading and Evaporation of Petroleum Products on Water”, Proceedings of 4th International Harbor Congress, Antwerp, 1964, pp911−919
【特許文献2】
Fay, J. A., “The Spread of Oil Slicks on a Calm Sea”, Oil on the Sea, D. P. Hoult, ed., Plenum Pub., New York, 1969, pp53−64
【特許文献3】
Fay, J. A., “Physical processes in the spread of oil on a water surface”, Proceedings of Joint Conference on Prevention and Control and Control of Oil Spills, American Petroleum Institute, Washington D. C., 1971, pp463−467
【特許文献4】
Hoult, D. P., “Oil Spreading on the Sea”, Ann. Rev. of Fluid Mech., 4, 1972, pp341−367
【特許文献5】
Mackay, D., S. Paterson and S. Nadeau, “A Mathematical Model of Oil Spill Behavior”, Environmental Protection Service, Fisheries and Environment Canada, Ottawa, 1980
【特許文献6】
Fennelop, T. K. and G. D. Waldman, “Dynamics of Oil Slicks”, American Institute of Aeronaut. And Astronaut Journal, Vol. 10, n4, 1972, pp506−510
【特許文献7】
Hoult, D. P. et al., “Oil in the Arctic”, Report No. CG−D−96−75, Prepared for Dept. of Transportation, U. S. Coast Guard, Washington, D. C., 1975
【特許文献8】
Chen, E. C., B. E. Keevil and R. O. Ramseier, “Behaviour of Oil Spilled in Ice−Covered Rivers”, Scientific Series No. 60, Envir. Canada Rep., Inland Waters Directorate, Ottawa, 1976, pp1−34
【特許文献9】
Yapa, P. D. and T. Chowdhury, “Spreading of Oil Spilled Under Ice”, Journal of Hydraulic Engineering, American Society of Civil Enginners, Vol. 116, No. 12, 1990, pp1268−1483
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の油の変動のシミュレーションでは、シミュレーションすべき領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定し、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義し、このように最初に定義した油区域の動きを追跡しているので、新たな油の流入や流出のような油の量及び性質の時間的な変化を取り入れるのが困難となり、時間の経過とともに油の量と性質が変化した油区域の変動を表現するのが困難になる。
【0008】
本発明の目的は、全体のシミュレーション精度及び処理速度を向上する油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法は、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う方法であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとを具え、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、設定ステップにおいて、油と化学的に反応しない少なくとも1種類の液体と、油と化学的に反応しない少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定した後、定義ステップにおいて、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する。その後、算出ステップにおいて、これら油区域の変動をそれぞれ算出し、再定義ステップにおいて、細分区域の各々における油の分布を、油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。これら算出ステップ及び再定義ステップは、所定の時間間隔で所定の回数繰り返される。
【0011】
このように油区域を定期的に再定義することによって、新たな油の流入又は流出のような油の量及び性質の時間的な変化を容易に取り入れることができるので、時間の経過とともに油の量及び性質が変化して、油区域が著しく大きくなり又は小さくなっても、比較的高い精度で油区域の変動を表現することができる。その結果、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法の全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0012】
油区域の変動を求めるために、前記算出ステップは、例えば、前記油区域を構成する多角形の各辺に作用する外力を求めるサブステップと、その外力に基づいて、前記油区域を構成する多角形の各辺の法線方向の移動量を求め、これらの移動量に基づいて前記油区域の変動を求めるサブステップとを有する。
【0013】
好適には、前記外力を、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力、及び油と油の周辺の気体との摩擦力を考慮しながら決定し、更に好適には、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体との摩擦力の成分をそれぞれ、前記油区域を構成する多角形の各辺における前記油区域を構成する平面の鉛直方向の速度勾配によって決定し、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分を、油との摩擦により生じる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮して決定する。
【0014】
油区域を再定義するために、前記再定義ステップは、例えば、前記油区域の各々における変動を統合するサブステップと、前記細分区域の各々における油の分布を、統合された変動に応じて、前記細分区域の各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義するサブステップとを有する。
【0015】
前記領域が、複数の前記固体と、これら固体間に存在する前記液体とからなる場合、好適には、前記算出ステップが、前記固体間に流れ込む油の厚さの増大を、その油を包囲する固体のうちの最も薄いものの厚さ未満で見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、前記油を包囲する固体のうちの最も厚いものの厚さを超える前記油の厚さの増大を、油が前記固体の底面に沿って広がることが可能となる厚さまで見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、油がほぼ一定の厚さで前記固体の底面に沿って広がるのを見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、前記固体の底面全体に亘って油が広がった後に、油の広がりとともに油の厚さの増大を見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップとを有する。これによって、油、固体及び液体の相対関係を非常に高い精度で求めることができる。
【0016】
本発明による油の変動のシミュレーションを行うプログラムは、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行うプログラムであって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとをコンピュータによって実現させ、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
これによって、全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0017】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う装置は、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う装置であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定手段と、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義手段と、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出手段と、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義手段とを具え、
前記油区域の変動の算出及び再定義を、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
これによって、全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を示す図である。本発明による油の変動のシミュレーションを行う装置は、例えば汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるハードウェア1によって構成され、このハードウェアコンピュータ1は、中央処理装置(CPU)2と、入力装置3と、出力装置4とを具える。
【0019】
CPU2には、後に説明する油の変動のシミュレーションアルゴリズム5を有するソフトウェア6がインストールされる。ソフトウェア6には、油流出情報が入力装置3から入力されるとともに、海象データが外部から入力され、かつ、後に説明する流出領域変動情報が、出力装置4に所定の時間間隔で所定の回数だけ出力される。
【0020】
油流出情報は、例えば、油の流出場所(例えば、緯度及び経度)、油の種類(原油、灯油、軽油、重油、ガソリン等)、(例えば、緯度及び経度によって指定される)シミュレーションを行う領域(以下、単に「領域」という。)の広さを有し、油の変動のシミュレーション開始時に入力される。海象データは、例えば、領域に含まれる海域中の海氷、風及び潮流についての情報を有し、情報が変化する度に入力される。
【0021】
図1Bは、油の変動のシミュレーションアルゴリズムを詳細に示す図である。この油の変動のシミュレーションアルゴリズム6は、本発明による油の変動のシミュレーションプログラムの一実施の形態であり、CPU2によって実行することによって、本発明による油の変動のシミュレーションの方法の一実施の形態が実施される。
【0022】
本実施の形態の動作を説明する。先ず、ステップS1において、領域、シミュレーションの空間分解度、シミュレーション時間、油流出情報に基づく初期条件、及び領域を分割するための境界条件等のシミュレーション条件を決定する。
【0023】
次いで、ステップS2において、領域を分割して、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域を設定し、ステップS3において、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ定義する。
【0024】
図2は、細分区域の設定及び油区域の定義を説明するための図である。図2Aにおいて、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域が設定された領域11には、油12が分布している。ここで、細分区域a,b,cにおける油区域x,y,zは、正方形又は長方形の形状を有し、各辺の長さ、中心の位置、油の性質、油の厚さ、分布特性(細分区域の全面又は一部)によって定義される。
【0025】
次いで、ステップS4において、油区域の時間の経過に伴う変動をそれぞれ算出する。図3は、油区域の時間の経過に伴う変動の算出を説明するための図である。図3において、油区域21aの変動は、以下の式によって、各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySで表され、これらの移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySによって、油区域21aから油区域21bに変化する。
【数1】
【0026】
移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySを決定する各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動速度は、以下の式によって求められる。
【数2】
Mi:各辺22N,22E,22W,22Sの油の質量
vi:各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動速度
【外1】
:各辺22N,22E,22W,22Sに働く外力
(i=N,E,W,S)
なお、各辺22N,22E,22W,22Sに働く外力としては、例えば、重力、界面張力、空気との摩擦力、水との摩擦力、氷との摩擦力、各辺22N,22E,22W,22Sの形状による形状抵抗、コリオリの力等がある。
【0027】
次いで、ステップ5において、細分区域の各々における油の分布を、ステップS4で求めた油区域の変動に応じて、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。図4は、油区域の再定義を説明するための図である。図4Aにおいて、細分区域31a〜31eにはそれぞれ、油区域41a〜41eとして油が分布している。図4Bに示すように、油区域41aの一部が細分区域31bに移動し、油区域41bの一部が細分区域31f,31g,31hにそれぞれ移動し、油区域41cの一部が細分区域31i,31j,31dにそれぞれ移動し、油区域41eの一部が細分区域31c,31d,31kにそれぞれ移動した場合、細分区域31bにおいて、油区域41aの一部が油区域41bの一部に統合され、細分区域31dにおいて、油区域41cの一部及び油区域41eの一部が油区域41dに統合される。
【0028】
変動を統合した後、細分区域31b,31c,31dの各々における油の分布を、細分区域31b,31c,31dの各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、正方形又は長方形からなる油区域に42b,42c,42dによってそれぞれ再定義する。このような再定義を行った後、細分区域31a〜31kはそれぞれ、油区域42a〜42kを有するようになる。
【0029】
ステップS4,S5は、所定の時間間隔で所定の回数繰り返され、図4Cに示すような流出領域変動情報が、出力装置4に所定の時間間隔で所定の回数だけ出力される。
【0030】
油区域の各辺に作用する海水や淡水のような少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、氷や陸地のような少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体(空気)との摩擦力は、油区域の各辺の油に垂直方向に速度勾配を持たせることによって求められる。この場合、油との摩擦により生ずる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮するのが好ましい。
【0031】
図5Aは、流出油域縁の油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。この場合、開水面上の油51及び海底面水の速度勾配νoil(z),νwater(z)及び摩擦力τwaterは、以下の式で表される。
【数3】
νoil :油区域の各辺の法線方向の平均流速(移動速度)
Dwater:油と摩擦により生じる油の底面の水の流れ層の厚さ
μwater:水の粘性係数
νoil(0):油と水との境界における油の流速
【0032】
図5Bは、連続する油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。この場合、開水面上の油52及び海底面水の速度勾配νoil(z),νwater(z)及び摩擦力τwaterは、以下の式で表される。
【数4】
νoil :油区域の各辺の法線方向の平均流速(移動速度)
Dwater:油と摩擦により生じる油の底面の水の流れ層の厚さ
μwater:水の粘性係数
μoil:油の粘性係数
νoil(0):油と水との境界における油の流速
この場合、νoil は、以下の式で表される。
【数5】
【0033】
図6は、複数の氷とこれらの氷の間に存在する水とからなる領域において、氷の間の油の鉛直方向の移動のシミュレーションを説明するための図である。油の流出が始まると、氷61a,61b間及び氷61b,61c間に油62a,62bがそれぞれ流れ込み、油62a,62bの量が増大するに従って、油62a,62bが矢印方向に進行し、油62a,62bの厚さt1が増大するのを見積もる(図6A)。
【0034】
油62a,62bの量が更に増大し、油62a,62bの底面が氷61a,61b,61cの底面より下になったとしても、氷61a,61b,61c、油62a,62b及び水63との間の界面張力の影響により、油62a,62bは、氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がらず、氷61a,61b,61cの底面に沿って広がることが可能となる厚さt2まで増大するのを見積もる(図6B)。
【0035】
なお、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿って広がることが可能となる厚さt2は、界面張力と、重力によって広がる力とがつり合う油62a,62bの厚さとなる。
【0036】
油62a,62bが厚さt2を超えると、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がるのを見積る(図6C)。この場合、油62a,62bは、ほぼ厚さt2の状態を維持する。油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面全体に広がった後、油62a,62bの広がり及び厚さの増大を見積る(図6D)。
【0037】
このような氷61a,61b、油62a.62b及び水63の相対関係は、油区域の各辺の移動速度を算出する上で重要となる。図6Cに示すような、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がるのを見積る段階では、氷61a,61b間及び氷61b,61c間の油62a,62bの変動を以って油区域の変動を算出する。図6Dに示すような、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面全体に広がった後、油62a,62bの広がり及び厚さの増大を見積る段階では、氷61a,61b間及び氷61b,61c間の油62a,62bの変動と氷61a,61b,61cの底面にある油62a.62bの変動の両方の相関から油区域の変動を算出する。
【0038】
なお、油62a,62bの氷61a,61b,61cの底面に沿う方向の広がりが顕著になるように、油62a,62bの厚さが減少する場合には、厚さが増大する場合の逆の油62a,62bの変動となる。油62a,62bの厚さが減少する過程においては、氷61a,61b,61cの底面の凹部又は凸部に油62a,62bの一部が残ると考える。また、油62a,62bが氷61a,61b,61cの回りに比較的長い時間分布する場合には、油62a,62bの一部が氷61a,61b,61cに吸着すると考える。
【0039】
図7は、水面のある場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果を示す図である。なお、シミュレーション条件は、以下の通りである。
・油の種類:機械用潤滑油(密度:0.878g/cm3、動粘性係数:2.89cm2/秒)
・流出油の流量:24cm3/秒、流出時間:124秒
・水面の氷量:水に対する氷の面積比0(開水面:◆)、0.1
【外2】
0.5(△),0.74(×),1.0(水面全面の氷:◇)
・氷の厚さ:0.5cm、氷の大きさ:3cm
・氷、水及び油間の界面張力:100dyne/cm、空気、水及び油間の表面張力:20dyne/cm
【0040】
図7に示すように、水面の氷の量が増大するに従って、氷との摩擦の影響で油の広がる速度が遅くなる。上記シミュレーション条件において、氷の広がりが最も少ないのは、水に対する氷の面積比が0.74である。その理由は、油の動きが氷の摩擦力によって抑制され、かつ、氷間に油が入り込んでいるからである。
【0041】
氷が水面全体を被覆する場合のシミュレーション結果は、実験結果(1 Exp,●)とほぼ一致している。なお、実験結果については、「氷海域における流出油の於ける流出油の拡散に関する実験及び理論解析」、泉山 耕、境 茂樹、海岸工学論文集、第45巻、921−925(1988)に基づく。
【0042】
図8は、海面の所定の場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーションの結果である。この場合、2次元シミュレーションを行っており、流出油の性質変化を考慮している。なお、シミュレーション条件は、以下の通りである。
・油の種類:イラニアンライト(比重:0.86、初期粘度:80cst、最終粘度:3000cst)
・流出油の流量:1m3/秒、流出時間:1日、総流出量:8.64万m3
・水面の氷量:水に対する氷の面積比0(開水面)、0.4,1.0
・細分区域:250m×250m
【0043】
図8A〜Cはそれぞれ、氷(海氷)及び水(海水)の動きがない場合の水に対する氷の面積比が0,0.4及び1.0のときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果であり、氷による広がりの抑制効果を捉えている。図8Dは、矢印方向に一定流速(1cm/秒)で氷(海氷)及び水(海水)が流れているときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果であり、流出油の広がりにおける氷や水の流れの影響が示されている。
【0044】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
例えば、液体として、海水又は淡水以外の少なくとも1種類の他の液体を用いることができ、固体として、氷以外の少なくとも1種類の他の固体(島、アスファルト等)油流出情報として、油の流出場所、油の種類、シミュレーションを行う領域の広さ以外の情報を有することができ、海象データとして、領域に含まれる海域中の海氷、風及び潮流についての情報油流出情報及び海象データ以外の情報を有することができる。
【0045】
油区域の各辺の移動量を、数1以外の式を用いて求めることができ、油区域の各辺の移動速度を、数2以外の式を用いて求めることができる。また、細分区域を、正方形以外の他の任意の多角形で構成することができ、油区域を、正方形又は長方形以外の他の任意の多角形で構成することができる。油区域の各辺に作用する海水や淡水のような少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、氷や陸地のような少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体(空気)との摩擦力、並びに油区域の各辺の油に垂直方向に速度勾配を、数3、数4以外の式を用いて求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を示す図であり、図1Bは、油の変動のシミュレーションアルゴリズムを詳細に示す図である。
【図2】細分区域の設定及び油区域の定義を説明するための図である。
【図3】油区域の時間の経過に伴う変動の算出を説明するための図である。
【図4】油区域の再定義を説明するための図である。
【図5】流出油域縁の油区域の辺及び連続する油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。
【図6】複数の氷とこれらの氷の間に存在する水とからなる領域において、氷の間の油の鉛直方向の移動のシミュレーションを説明するための図である。
【図7】水面のある場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果を示す図である。
【図8】海面の所定の場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーションの結果である。
【符号の説明】
1 ハードウェアコンピュータ
2 中央処理装置(CPU)
3 入力装置
4 出力装置
5 油の変動のシミュレーションアルゴリズム
6 ソフトウェア
11 領域
12,51,52,62a,62b 油
21a,21b,41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d,42e,42f,42g,42h,42i,42j,42k,x,y,z 油区域
22N,22E,22W,22S 辺
31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31i,31j,31k,a,b,c 細分区域
61a,61b,61c 氷
63 海水
t1,t2 厚さ
ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔyS 法線方向の移動量
【発明の属する技術分野】
本発明は、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置に関する。これらの方法、プログラム及び装置は、例えば、海面上に流氷が存在する海域において油を輸送する船舶(タンカー)から流出する油の変動のシミュレーションに適用される。なお、本明細書中、「油」とは、原油、灯油、軽油、重油、ガソリン等の種々の粘度の高い可燃性で水に不溶な液体を意味するものとし、「油と化学的に無反応」とは、油と化学反応を起こさないことだけでなく、油とともに溶解、凝固等が生じて一様な液体又は固体にならないことも意味する。
【0002】
【従来の技術】
油の変動のシミュレーションは、1960年代から盛んに行われている。1960年代から1970年代の前半に行われた油の変動のシミュレーションは、主に開水面での油の変動のシミュレーションを取り扱っており、かかるシミュレーションでは、開水面における円形軸対称の拡散を考えたFayの理論が適用されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。Fayの理論は、後の油の変動のシミュレーションの基礎となっており、実海域にも適用されている(例えば、非特許文献4〜6参照)。
【0003】
1970年代に入ると、氷海域での油掘削技術が発達し、それに伴って冬季の船舶運行やスーパータンカーによる油の輸送が一般的になるに従って、氷海における油流出事故の可能性が高くなり、氷海における油の変動のシミュレーションも行われ始めた。
【0004】
氷海における油の変動のシミュレーションも、Fayの理論を拡張したものであり、ほとんどのものが円形軸対称の拡散における力の釣合いを考えている。氷海における油の変動のシミュレーションのうちの初期のものとして、Houltらによる理論がある(例えば、非特許文献7参照)。かかる理論では、油が供給され続けることを前提とし、油にかかる力の釣合いにより油の拡散半径を定式化している。
【0005】
また、Chenらは、浮力と粘性の平衡により油が氷に接している場合と、油と氷の間に水が入っている場合の油拡散半径の定式化を提案している(例えば、非特許文献8参照)。さらに、これら氷海における油の変動のシミュレーションにおける理論を発展させたものとして、Yapaらによる氷海における円形軸対称の拡散の式を挙げることができる(例えば、非特許文献9参照)。なお、Yapaは、自己の理論に基づいて数多くの実験を行い、理論と実験結果の整合性が取れていることを証明している。
【0006】
【特許文献1】
Blokker, P. C., “Spreading and Evaporation of Petroleum Products on Water”, Proceedings of 4th International Harbor Congress, Antwerp, 1964, pp911−919
【特許文献2】
Fay, J. A., “The Spread of Oil Slicks on a Calm Sea”, Oil on the Sea, D. P. Hoult, ed., Plenum Pub., New York, 1969, pp53−64
【特許文献3】
Fay, J. A., “Physical processes in the spread of oil on a water surface”, Proceedings of Joint Conference on Prevention and Control and Control of Oil Spills, American Petroleum Institute, Washington D. C., 1971, pp463−467
【特許文献4】
Hoult, D. P., “Oil Spreading on the Sea”, Ann. Rev. of Fluid Mech., 4, 1972, pp341−367
【特許文献5】
Mackay, D., S. Paterson and S. Nadeau, “A Mathematical Model of Oil Spill Behavior”, Environmental Protection Service, Fisheries and Environment Canada, Ottawa, 1980
【特許文献6】
Fennelop, T. K. and G. D. Waldman, “Dynamics of Oil Slicks”, American Institute of Aeronaut. And Astronaut Journal, Vol. 10, n4, 1972, pp506−510
【特許文献7】
Hoult, D. P. et al., “Oil in the Arctic”, Report No. CG−D−96−75, Prepared for Dept. of Transportation, U. S. Coast Guard, Washington, D. C., 1975
【特許文献8】
Chen, E. C., B. E. Keevil and R. O. Ramseier, “Behaviour of Oil Spilled in Ice−Covered Rivers”, Scientific Series No. 60, Envir. Canada Rep., Inland Waters Directorate, Ottawa, 1976, pp1−34
【特許文献9】
Yapa, P. D. and T. Chowdhury, “Spreading of Oil Spilled Under Ice”, Journal of Hydraulic Engineering, American Society of Civil Enginners, Vol. 116, No. 12, 1990, pp1268−1483
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の油の変動のシミュレーションでは、シミュレーションすべき領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定し、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義し、このように最初に定義した油区域の動きを追跡しているので、新たな油の流入や流出のような油の量及び性質の時間的な変化を取り入れるのが困難となり、時間の経過とともに油の量と性質が変化した油区域の変動を表現するのが困難になる。
【0008】
本発明の目的は、全体のシミュレーション精度及び処理速度を向上する油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法は、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う方法であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとを具え、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、設定ステップにおいて、油と化学的に反応しない少なくとも1種類の液体と、油と化学的に反応しない少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定した後、定義ステップにおいて、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する。その後、算出ステップにおいて、これら油区域の変動をそれぞれ算出し、再定義ステップにおいて、細分区域の各々における油の分布を、油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。これら算出ステップ及び再定義ステップは、所定の時間間隔で所定の回数繰り返される。
【0011】
このように油区域を定期的に再定義することによって、新たな油の流入又は流出のような油の量及び性質の時間的な変化を容易に取り入れることができるので、時間の経過とともに油の量及び性質が変化して、油区域が著しく大きくなり又は小さくなっても、比較的高い精度で油区域の変動を表現することができる。その結果、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法の全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0012】
油区域の変動を求めるために、前記算出ステップは、例えば、前記油区域を構成する多角形の各辺に作用する外力を求めるサブステップと、その外力に基づいて、前記油区域を構成する多角形の各辺の法線方向の移動量を求め、これらの移動量に基づいて前記油区域の変動を求めるサブステップとを有する。
【0013】
好適には、前記外力を、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力、及び油と油の周辺の気体との摩擦力を考慮しながら決定し、更に好適には、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体との摩擦力の成分をそれぞれ、前記油区域を構成する多角形の各辺における前記油区域を構成する平面の鉛直方向の速度勾配によって決定し、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分を、油との摩擦により生じる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮して決定する。
【0014】
油区域を再定義するために、前記再定義ステップは、例えば、前記油区域の各々における変動を統合するサブステップと、前記細分区域の各々における油の分布を、統合された変動に応じて、前記細分区域の各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義するサブステップとを有する。
【0015】
前記領域が、複数の前記固体と、これら固体間に存在する前記液体とからなる場合、好適には、前記算出ステップが、前記固体間に流れ込む油の厚さの増大を、その油を包囲する固体のうちの最も薄いものの厚さ未満で見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、前記油を包囲する固体のうちの最も厚いものの厚さを超える前記油の厚さの増大を、油が前記固体の底面に沿って広がることが可能となる厚さまで見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、油がほぼ一定の厚さで前記固体の底面に沿って広がるのを見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、前記固体の底面全体に亘って油が広がった後に、油の広がりとともに油の厚さの増大を見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップとを有する。これによって、油、固体及び液体の相対関係を非常に高い精度で求めることができる。
【0016】
本発明による油の変動のシミュレーションを行うプログラムは、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行うプログラムであって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとをコンピュータによって実現させ、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
これによって、全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0017】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う装置は、
油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う装置であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定手段と、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義手段と、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出手段と、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義手段とを具え、
前記油区域の変動の算出及び再定義を、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする。
これによって、全体のシミュレーション精度及び処理速度が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を示す図である。本発明による油の変動のシミュレーションを行う装置は、例えば汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるハードウェア1によって構成され、このハードウェアコンピュータ1は、中央処理装置(CPU)2と、入力装置3と、出力装置4とを具える。
【0019】
CPU2には、後に説明する油の変動のシミュレーションアルゴリズム5を有するソフトウェア6がインストールされる。ソフトウェア6には、油流出情報が入力装置3から入力されるとともに、海象データが外部から入力され、かつ、後に説明する流出領域変動情報が、出力装置4に所定の時間間隔で所定の回数だけ出力される。
【0020】
油流出情報は、例えば、油の流出場所(例えば、緯度及び経度)、油の種類(原油、灯油、軽油、重油、ガソリン等)、(例えば、緯度及び経度によって指定される)シミュレーションを行う領域(以下、単に「領域」という。)の広さを有し、油の変動のシミュレーション開始時に入力される。海象データは、例えば、領域に含まれる海域中の海氷、風及び潮流についての情報を有し、情報が変化する度に入力される。
【0021】
図1Bは、油の変動のシミュレーションアルゴリズムを詳細に示す図である。この油の変動のシミュレーションアルゴリズム6は、本発明による油の変動のシミュレーションプログラムの一実施の形態であり、CPU2によって実行することによって、本発明による油の変動のシミュレーションの方法の一実施の形態が実施される。
【0022】
本実施の形態の動作を説明する。先ず、ステップS1において、領域、シミュレーションの空間分解度、シミュレーション時間、油流出情報に基づく初期条件、及び領域を分割するための境界条件等のシミュレーション条件を決定する。
【0023】
次いで、ステップS2において、領域を分割して、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域を設定し、ステップS3において、これら複数の細分区域の各々における油の分布を、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ定義する。
【0024】
図2は、細分区域の設定及び油区域の定義を説明するための図である。図2Aにおいて、同じ大きさ及び形状の正方形からなる複数の細分区域が設定された領域11には、油12が分布している。ここで、細分区域a,b,cにおける油区域x,y,zは、正方形又は長方形の形状を有し、各辺の長さ、中心の位置、油の性質、油の厚さ、分布特性(細分区域の全面又は一部)によって定義される。
【0025】
次いで、ステップS4において、油区域の時間の経過に伴う変動をそれぞれ算出する。図3は、油区域の時間の経過に伴う変動の算出を説明するための図である。図3において、油区域21aの変動は、以下の式によって、各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySで表され、これらの移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySによって、油区域21aから油区域21bに変化する。
【数1】
【0026】
移動量ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔySを決定する各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動速度は、以下の式によって求められる。
【数2】
Mi:各辺22N,22E,22W,22Sの油の質量
vi:各辺22N,22E,22W,22Sの法線方向の移動速度
【外1】
:各辺22N,22E,22W,22Sに働く外力
(i=N,E,W,S)
なお、各辺22N,22E,22W,22Sに働く外力としては、例えば、重力、界面張力、空気との摩擦力、水との摩擦力、氷との摩擦力、各辺22N,22E,22W,22Sの形状による形状抵抗、コリオリの力等がある。
【0027】
次いで、ステップ5において、細分区域の各々における油の分布を、ステップS4で求めた油区域の変動に応じて、正方形又は長方形からなる油区域によってそれぞれ再定義する。図4は、油区域の再定義を説明するための図である。図4Aにおいて、細分区域31a〜31eにはそれぞれ、油区域41a〜41eとして油が分布している。図4Bに示すように、油区域41aの一部が細分区域31bに移動し、油区域41bの一部が細分区域31f,31g,31hにそれぞれ移動し、油区域41cの一部が細分区域31i,31j,31dにそれぞれ移動し、油区域41eの一部が細分区域31c,31d,31kにそれぞれ移動した場合、細分区域31bにおいて、油区域41aの一部が油区域41bの一部に統合され、細分区域31dにおいて、油区域41cの一部及び油区域41eの一部が油区域41dに統合される。
【0028】
変動を統合した後、細分区域31b,31c,31dの各々における油の分布を、細分区域31b,31c,31dの各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、正方形又は長方形からなる油区域に42b,42c,42dによってそれぞれ再定義する。このような再定義を行った後、細分区域31a〜31kはそれぞれ、油区域42a〜42kを有するようになる。
【0029】
ステップS4,S5は、所定の時間間隔で所定の回数繰り返され、図4Cに示すような流出領域変動情報が、出力装置4に所定の時間間隔で所定の回数だけ出力される。
【0030】
油区域の各辺に作用する海水や淡水のような少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、氷や陸地のような少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体(空気)との摩擦力は、油区域の各辺の油に垂直方向に速度勾配を持たせることによって求められる。この場合、油との摩擦により生ずる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮するのが好ましい。
【0031】
図5Aは、流出油域縁の油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。この場合、開水面上の油51及び海底面水の速度勾配νoil(z),νwater(z)及び摩擦力τwaterは、以下の式で表される。
【数3】
νoil :油区域の各辺の法線方向の平均流速(移動速度)
Dwater:油と摩擦により生じる油の底面の水の流れ層の厚さ
μwater:水の粘性係数
νoil(0):油と水との境界における油の流速
【0032】
図5Bは、連続する油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。この場合、開水面上の油52及び海底面水の速度勾配νoil(z),νwater(z)及び摩擦力τwaterは、以下の式で表される。
【数4】
νoil :油区域の各辺の法線方向の平均流速(移動速度)
Dwater:油と摩擦により生じる油の底面の水の流れ層の厚さ
μwater:水の粘性係数
μoil:油の粘性係数
νoil(0):油と水との境界における油の流速
この場合、νoil は、以下の式で表される。
【数5】
【0033】
図6は、複数の氷とこれらの氷の間に存在する水とからなる領域において、氷の間の油の鉛直方向の移動のシミュレーションを説明するための図である。油の流出が始まると、氷61a,61b間及び氷61b,61c間に油62a,62bがそれぞれ流れ込み、油62a,62bの量が増大するに従って、油62a,62bが矢印方向に進行し、油62a,62bの厚さt1が増大するのを見積もる(図6A)。
【0034】
油62a,62bの量が更に増大し、油62a,62bの底面が氷61a,61b,61cの底面より下になったとしても、氷61a,61b,61c、油62a,62b及び水63との間の界面張力の影響により、油62a,62bは、氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がらず、氷61a,61b,61cの底面に沿って広がることが可能となる厚さt2まで増大するのを見積もる(図6B)。
【0035】
なお、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿って広がることが可能となる厚さt2は、界面張力と、重力によって広がる力とがつり合う油62a,62bの厚さとなる。
【0036】
油62a,62bが厚さt2を超えると、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がるのを見積る(図6C)。この場合、油62a,62bは、ほぼ厚さt2の状態を維持する。油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面全体に広がった後、油62a,62bの広がり及び厚さの増大を見積る(図6D)。
【0037】
このような氷61a,61b、油62a.62b及び水63の相対関係は、油区域の各辺の移動速度を算出する上で重要となる。図6Cに示すような、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面に沿う方向に広がるのを見積る段階では、氷61a,61b間及び氷61b,61c間の油62a,62bの変動を以って油区域の変動を算出する。図6Dに示すような、油62a,62bが氷61a,61b,61cの底面全体に広がった後、油62a,62bの広がり及び厚さの増大を見積る段階では、氷61a,61b間及び氷61b,61c間の油62a,62bの変動と氷61a,61b,61cの底面にある油62a.62bの変動の両方の相関から油区域の変動を算出する。
【0038】
なお、油62a,62bの氷61a,61b,61cの底面に沿う方向の広がりが顕著になるように、油62a,62bの厚さが減少する場合には、厚さが増大する場合の逆の油62a,62bの変動となる。油62a,62bの厚さが減少する過程においては、氷61a,61b,61cの底面の凹部又は凸部に油62a,62bの一部が残ると考える。また、油62a,62bが氷61a,61b,61cの回りに比較的長い時間分布する場合には、油62a,62bの一部が氷61a,61b,61cに吸着すると考える。
【0039】
図7は、水面のある場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果を示す図である。なお、シミュレーション条件は、以下の通りである。
・油の種類:機械用潤滑油(密度:0.878g/cm3、動粘性係数:2.89cm2/秒)
・流出油の流量:24cm3/秒、流出時間:124秒
・水面の氷量:水に対する氷の面積比0(開水面:◆)、0.1
【外2】
0.5(△),0.74(×),1.0(水面全面の氷:◇)
・氷の厚さ:0.5cm、氷の大きさ:3cm
・氷、水及び油間の界面張力:100dyne/cm、空気、水及び油間の表面張力:20dyne/cm
【0040】
図7に示すように、水面の氷の量が増大するに従って、氷との摩擦の影響で油の広がる速度が遅くなる。上記シミュレーション条件において、氷の広がりが最も少ないのは、水に対する氷の面積比が0.74である。その理由は、油の動きが氷の摩擦力によって抑制され、かつ、氷間に油が入り込んでいるからである。
【0041】
氷が水面全体を被覆する場合のシミュレーション結果は、実験結果(1 Exp,●)とほぼ一致している。なお、実験結果については、「氷海域における流出油の於ける流出油の拡散に関する実験及び理論解析」、泉山 耕、境 茂樹、海岸工学論文集、第45巻、921−925(1988)に基づく。
【0042】
図8は、海面の所定の場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーションの結果である。この場合、2次元シミュレーションを行っており、流出油の性質変化を考慮している。なお、シミュレーション条件は、以下の通りである。
・油の種類:イラニアンライト(比重:0.86、初期粘度:80cst、最終粘度:3000cst)
・流出油の流量:1m3/秒、流出時間:1日、総流出量:8.64万m3
・水面の氷量:水に対する氷の面積比0(開水面)、0.4,1.0
・細分区域:250m×250m
【0043】
図8A〜Cはそれぞれ、氷(海氷)及び水(海水)の動きがない場合の水に対する氷の面積比が0,0.4及び1.0のときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果であり、氷による広がりの抑制効果を捉えている。図8Dは、矢印方向に一定流速(1cm/秒)で氷(海氷)及び水(海水)が流れているときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果であり、流出油の広がりにおける氷や水の流れの影響が示されている。
【0044】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
例えば、液体として、海水又は淡水以外の少なくとも1種類の他の液体を用いることができ、固体として、氷以外の少なくとも1種類の他の固体(島、アスファルト等)油流出情報として、油の流出場所、油の種類、シミュレーションを行う領域の広さ以外の情報を有することができ、海象データとして、領域に含まれる海域中の海氷、風及び潮流についての情報油流出情報及び海象データ以外の情報を有することができる。
【0045】
油区域の各辺の移動量を、数1以外の式を用いて求めることができ、油区域の各辺の移動速度を、数2以外の式を用いて求めることができる。また、細分区域を、正方形以外の他の任意の多角形で構成することができ、油区域を、正方形又は長方形以外の他の任意の多角形で構成することができる。油区域の各辺に作用する海水や淡水のような少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、氷や陸地のような少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体(空気)との摩擦力、並びに油区域の各辺の油に垂直方向に速度勾配を、数3、数4以外の式を用いて求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、本発明による油の変動のシミュレーションを行う方法、プログラム及び装置の実施の形態を示す図であり、図1Bは、油の変動のシミュレーションアルゴリズムを詳細に示す図である。
【図2】細分区域の設定及び油区域の定義を説明するための図である。
【図3】油区域の時間の経過に伴う変動の算出を説明するための図である。
【図4】油区域の再定義を説明するための図である。
【図5】流出油域縁の油区域の辺及び連続する油区域の辺における開水面上の油及び海底面水の速度勾配及び摩擦力を説明するための図である。
【図6】複数の氷とこれらの氷の間に存在する水とからなる領域において、氷の間の油の鉛直方向の移動のシミュレーションを説明するための図である。
【図7】水面のある場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーション結果を示す図である。
【図8】海面の所定の場所から一定時間の油の流出があるときの流出油の広がりを示すシミュレーションの結果である。
【符号の説明】
1 ハードウェアコンピュータ
2 中央処理装置(CPU)
3 入力装置
4 出力装置
5 油の変動のシミュレーションアルゴリズム
6 ソフトウェア
11 領域
12,51,52,62a,62b 油
21a,21b,41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d,42e,42f,42g,42h,42i,42j,42k,x,y,z 油区域
22N,22E,22W,22S 辺
31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31i,31j,31k,a,b,c 細分区域
61a,61b,61c 氷
63 海水
t1,t2 厚さ
ΔyN,ΔxE,ΔxW,ΔyS 法線方向の移動量
Claims (21)
- 油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う方法であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとを具え、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする、油の変動のシミュレーションを行う方法。 - 前記算出ステップが、
前記油区域を構成する多角形の各辺に作用する外力を求めるサブステップと、
その外力に基づいて、前記油区域を構成する多角形の各辺の法線方向の移動量を求め、これらの移動量に基づいて前記油区域の変動を求めるサブステップとを有することを特徴とする、請求項1記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。 - 前記外力を、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力、及び油と油の周辺の気体との摩擦力を考慮しながら決定することを特徴とする、請求項2記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体との摩擦力の成分をそれぞれ、前記油区域を構成する多角形の各辺における前記油区域を構成する平面の鉛直方向の速度勾配によって決定することを特徴とする、請求項3記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分を、油との摩擦により生じる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮して決定することを特徴とする、請求項4記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。
- 前記再定義ステップが、
前記油区域の各々における変動を統合するサブステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、統合された変動に応じて、前記細分区域の各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義するサブステップとを有することを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。 - 前記領域が、複数の前記固体と、これら固体間に存在する前記液体とからなり、
前記算出ステップが、
前記固体間に流れ込む油の厚さの増大を、その油を包囲する固体のうちの最も薄いものの厚さ未満で見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
前記油を包囲する固体のうちの最も厚いものの厚さを超える前記油の厚さの増大を、油が前記固体の底面に沿って広がることが可能となる厚さまで見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
油がほぼ一定の厚さで前記固体の底面に沿って広がるのを見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
前記固体の底面全体に亘って油が広がった後に、油の広がりとともに油の厚さの増大を見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップとを有することを特徴とする、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行う方法。 - 油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行うプログラムであって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定ステップと、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義ステップと、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義ステップとをコンピュータによって実現させ、
前記算出ステップ及び再定義ステップを、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする、油の変動のシミュレーションを行うプログラム。 - 前記算出ステップが、
前記油区域を構成する多角形の各辺に作用する外力を求めるサブステップと、
その外力に基づいて、前記油区域を構成する多角形の各辺の法線方向の移動量を求め、これらの移動量に基づいて前記油区域の変動を求めるサブステップとを有することを特徴とする、請求項8記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。 - 前記外力を、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力、及び油と油の周辺の気体との摩擦力を考慮しながら決定することを特徴とする、請求項9記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体との摩擦力の成分をそれぞれ、前記油区域を構成する多角形の各辺における前記油区域を構成する平面の鉛直方向の速度勾配によって決定することを特徴とする、請求項10記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分を、油との摩擦により生じる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮して決定することを特徴とする、請求項11記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。
- 前記再定義ステップが、
前記油区域の各々における変動を統合するサブステップと、
前記細分区域の各々における油の分布を、統合された変動に応じて、前記細分区域の各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義するサブステップとを有することを特徴とする、請求項8から12のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。 - 前記領域が、複数の前記固体と、これら固体間に存在する前記液体とからなり、
前記算出ステップが、
前記固体間に流れ込む油の厚さの増大を、その油を包囲する固体のうちの最も薄いものの厚さ未満で見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
前記油を包囲する固体のうちの最も厚いものの厚さを超える前記油の厚さの増大を、油が前記固体の底面に沿って広がることが可能となる厚さまで見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
油がほぼ一定の厚さで前記固体の底面に沿って広がるのを見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップと、
前記固体の底面全体に亘って油が広がった後に、油の広がりとともに油の厚さの増大を見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出するサブステップとを有することを特徴とする、請求項8から13のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行うプログラム。 - 油と化学的に無反応の少なくとも1種類の液体と、油と化学的に無反応の少なくとも1種類の固体のうちの少なくとも一方からなる領域における油の変動のシミュレーションを行う装置であって、
前記領域を分割して、同じ大きさ及び形状の多角形からなる複数の細分区域を設定する設定手段と、
これら複数の細分区域の各々における油の分布を、多角形からなる油区域によってそれぞれ定義する定義手段と、
これら油区域の変動をそれぞれ算出する算出手段と、
前記細分区域の各々における油の分布を、前記油区域の変動に応じて、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する再定義手段とを具え、
前記油区域の変動の算出及び再定義を、所定の時間間隔で所定の回数繰り返すことを特徴とする、油の変動のシミュレーションを行う装置。 - 前記算出手段が、
前記油区域を構成する多角形の各辺に作用する外力を求める手段と、
その外力に基づいて、前記油区域を構成する多角形の各辺の法線方向の移動量を求め、これらの移動量に基づいて前記油区域の変動を求める手段とを有することを特徴とする、請求項15記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。 - 前記外力を、前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力、及び油と油の周辺の気体との摩擦力を考慮しながら決定することを特徴とする、請求項16記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分、前記少なくとも1種類の固体と油との摩擦力の成分、及び油と油の周辺の気体との摩擦力の成分をそれぞれ、前記油区域を構成する多角形の各辺における前記油区域を構成する平面の鉛直方向の速度勾配によって決定することを特徴とする、請求項17記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。
- 前記少なくとも1種類の液体と油との摩擦力の成分を、油との摩擦により生じる油の底面の水の流れの速度勾配も考慮して決定することを特徴とする、請求項18記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。
- 前記再定義手段が、
前記油区域の各々における変動を統合する手段と、
前記細分区域の各々における油の分布を、統合された変動に応じて、前記細分区域の各々における油の質量、質量中心及び運動量を保存した状態で、多角形からなる油区域によってそれぞれ再定義する手段とを有することを特徴とする、請求項15から19のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。 - 前記領域が、複数の前記固体と、これら固体間に存在する前記液体とからなり、
前記算出手段が、
前記固体間に流れ込む油の厚さの増大を、その油を包囲する固体のうちの最も薄いものの厚さ未満で見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出する手段と、
前記油を包囲する固体のうちの最も厚いものの厚さを超える前記油の厚さの増大を、油が前記固体の底面に沿って広がることが可能となる厚さまで見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出する手段と、
油がほぼ一定の厚さで前記固体の底面に沿って広がるのを見積ることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出する手段と、
前記固体の底面全体に亘って油が広がった後に、油の広がりとともに油の厚さの増大を見積もることによって、前記油区域の変動をそれぞれ算出する手段とを有することを特徴とする、請求項15から20のうちのいずれか1項に記載の油の変動のシミュレーションを行う装置。
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