JP2004345480A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機が冷房能力を低下させることなく、省動力化ができ、車室内を快適にすることができる機能を備えた車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】空調装置1は、第1駆動源(エンジン2)で駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機6)と、第2駆動源(モータ3)で駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機7)とを備えている。空調装置1は、冷媒を気化して冷却する蒸発器12の温度を検出する温度検出手段(蒸発器空気温度センサ12b)と、所定の条件により蒸発器12の目標温度を算出する目標温度算出手段(目標温度算出部41b)とを有している。空調装置1は、温度検出手段(蒸発器空気温度センサ12b)で検出した温度と目標温度算出手段(目標温度算出部41b)で算出した目標温度とを比較して、目標温度より低いときには、第2駆動源(モータ3)の出力を低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】空調装置1は、第1駆動源(エンジン2)で駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機6)と、第2駆動源(モータ3)で駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機7)とを備えている。空調装置1は、冷媒を気化して冷却する蒸発器12の温度を検出する温度検出手段(蒸発器空気温度センサ12b)と、所定の条件により蒸発器12の目標温度を算出する目標温度算出手段(目標温度算出部41b)とを有している。空調装置1は、温度検出手段(蒸発器空気温度センサ12b)で検出した温度と目標温度算出手段(目標温度算出部41b)で算出した目標温度とを比較して、目標温度より低いときには、第2駆動源(モータ3)の出力を低減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等でなる第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、モータ等でなる第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置は、車両の走行用エンジンを動力源とする圧縮機が使用されている(例えば、特許文献1)。
近年、エンジンの低燃費化が急速に進んでおり、それに伴ない空調用圧縮機の省動力化も要望されている。
【0003】
その対応として、従来の圧縮機は、エンジンによって駆動される圧縮機の省動力化を図るために、容量の小さな圧縮機を車両に搭載したり、圧縮機の回転速度を低下させる技術が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−20130号公報(第4〜5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用空調装置の圧縮機は、エンジンのみを動力源として駆動される圧縮機であり、圧縮機の省動力のために容量の小さな圧縮機を搭載したり、圧縮機の回転数を低下させると、冷房能力が不足するという問題点があった。
その結果、外気温度が高い場合や、陽射しが強い場合には、車室内の温度が上昇して乗員が不快に感じることがある。また、外気温度が低い場合には、冷房能力の不足によって除湿能力が不足して乗員が呼吸する息により湿度が上昇し、窓ガラスが曇るという不都合も発生する。
このように、圧縮機の冷房能力が不足すると、温度および湿度が高くなるため、乗員が車室内の環境に不快感を生じたり、窓ガラスが曇るという問題点が発生する。
【0006】
本発明の課題は、圧縮機が冷房能力を低下させることなく、省動力化ができ、車室内を快適にすることができる機能を備えた車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用空調装置は、第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より低いときには、前記第2駆動源の出力を低減することを特徴とする。
ここで、所定の条件とは、予め設定した外気温度や日射量等の外乱条件をいう。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両用空調装置は、例えば、第1駆動源(
エンジン)によって駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)と第2駆動源(モータ)によって駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)を適宜に作動させることにより、冷房能力の不足を防止するとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の容量を小さくすることを可能にする。これにより、車両用空調装置は、車室内の快適性を損なうことなく第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の省動力化を図ることができるとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の小型化および第1駆動源(エンジン)の負担の低減を図ることができる。
また、車両用空調装置は、蒸発器の温度が目標温度より低いとき、第2駆動源(モータ)の出力を低減することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図るとともに、車室内の温度を快適な温度に保つことができる。
【0009】
請求項2に記載の車両用空調装置は、第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、所定の条件により前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より高いときには、前記第2駆動源の出力を増加させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、車両用空調装置は、前記温度が目標温度より高いとき、第2駆動源(モータ)の出力を増加させて第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)も併用して車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
また、車両用空調装置は、例えば、アイドリングストップ車両に搭載されるものにおいて、第1駆動源(エンジン)停止時に第2駆動源(モータ)の出力を増加して第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)が駆動することにより、冷房能力が低下して車室内の気温が上昇することを防止できるため、車室内の空気を快適に保持することができる。
【0011】
請求項3に記載の車両用空調装置は、請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置であって、前記空調装置は、前記第2駆動源の出力を低減するとき、出力が0になるように前記第2駆動源の出力の目標値を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、車両用空調装置は、第2駆動源(モータ)の出力を低減するとき、第2駆動源(モータ)の出力が0になるようにその出力の目標値を変更することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図り、車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る車両用空調装置の第1実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置を示す概略図である。
【0014】
本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置は、アイドリングストップの機能を備えていない車両に搭載されるものであって、以下、その一実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両の空気調和装置(以下、単に「空調装置」という)1は、車両の駆動源であるエンジン2、およびスタータモータ/発電機(単に「発電機」という)Gと、モータ駆動圧縮機7用のモータ3と、空調装置1の冷凍サイクル装置Aを作動させるためのエンジン駆動圧縮機6およびモータ駆動圧縮機7からなるハイブリッド型コンプレッサ5と、凝縮器9と、受液器10と、膨張弁11と、蒸発器の空気温度センサ12bを備えた蒸発器12と、制御装置4と、とから構成されている。
なお、エンジン2は、特許請求の範囲の「第1駆動源」に相当し、モータ3は「第2駆動源」に相当し、エンジン駆動圧縮機6は「第1圧縮機」に相当し、モータ駆動圧縮機7は「第2圧縮機」にそれぞれ相当する。
【0015】
次に、図1を参照して各機器について説明する。
図1に示すように、エンジン2は、例えば、ガソリン等を燃料とする車両走行用の内燃機関であり、車輪Wを回転させるための役割と、発電機Gを回転させて蓄電装置17に電気エネルギを蓄積させるための役割と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるための役割を備えている。エンジン2と発電機Gとは、回転軸21で直結されることによって、ハイブリッド型を構成している。エンジン2の他端側には、エンジン駆動圧縮機6を連動させるための伝達装置8が設置されている。エンジン2の回転は、変速機Tを介して車輪Wに伝達される。
【0016】
その伝達装置8は、例えば、エンジン2に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6に設置されたプーリ85とにベルト83を巻き掛けてなるベルト伝達機構からなる。伝達装置8は、エンジン2の他端側に配置されてエンジン2によって回転する回転軸81と、この回転軸81の先端に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるためのプーリ85と、プーリ82とプーリ85とを連動させるためのベルト83と、エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84と、この駆動軸84に設置された電磁クラッチ86とから構成されている。
【0017】
発電機Gは、エンジン2を始動させるためのスタータモータの役割と、エンジン2の回転によって発電する機能とを備えている。その発電機Gは、バッテリ18を充電し、各電気機器に電力を供給する蓄電装置17に電気的に接続されている。
【0018】
モータ3は、制御装置4、エアコンスイッチ15およびイグニッションスイッチ19を介してバッテリ18に電気的に接続されて、このバッテリ18によって回転して、モータ駆動圧縮機7を駆動するためのものである。そのモータ3の回転は、中間部に電磁クラッチ32を介在した回転軸31によってモータ駆動圧縮機7に断続的に伝達できるように構成されている。
【0019】
冷凍サイクル装置Aは、空調装置1における冷凍サイクルを形成するものである。その冷凍サイクル装置Aは、ハイブリッド型コンプレッサ5と、凝縮器9と、受液器10と、膨張弁11と、蒸発器12とを主要部として構成され、ハイブリッド型コンプレッサ5を上流側、蒸発器12を下流側として、これらを順次に、接続して構成されている。冷凍サイクルは、蒸発、圧縮、凝縮、膨張からなる冷媒のサイクルであり、蒸発は蒸発器12で行われ、圧縮はハイブリッド型コンプレッサ5で行われ、凝縮は凝縮器9で行われ、膨張は膨張弁11で行われる。
【0020】
ハイブリッド型コンプレッサ5は、フロン(HFC134a)または二酸化炭素(CO2)等からなる冷媒を圧縮する機器である。ハイブリッド型コンプレッサ5は、圧縮機の省動力のために、エンジン2によって駆動されるエンジン駆動方式のエンジン駆動圧縮機6と、モータ3によって駆動される電動式のモータ駆動圧縮機7との2つの圧縮機から構成されている。ハイブリッド型コンプレッサ5は、この2種類の圧縮機によって構成されていることにより、省動力と車室内の環境の快適性とを適宜に図るように作動する。このハイブリッド型コンプレッサ5で圧縮された冷媒は、配管を介して凝縮器9に圧送される。
なお、ハイブリッド型コンプレッサ5は、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とを一体にしたものでも、別体にしたものでもどちらであってもよい。
【0021】
エンジン駆動圧縮機6は、エンジン2の回転軸81の回転を伝達装置8によって伝達されることで駆動する比較的容量の小さい圧縮機6からなる。エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84の中間部位には、電磁クラッチ86が設置されて、エンジン2の回転が断続的に伝達されるように構成されている。
【0022】
モータ駆動圧縮機7は、電磁クラッチ32を介して回転軸31によってモータ3に接続され、エンジン駆動圧縮機6を補助するためのモータ3によって回転する電動式圧縮機である。モータ駆動圧縮機7は、エンジン2によって駆動されるエンジン駆動圧縮機6と一緒に作動するか、エンジン2をアイドリングストップさせているときに作動するか、若しくはそのエンジン駆動圧縮機6の単独作動に係わらず作動する。このモータ駆動圧縮機7は、車室内温度設定部16で設定された設定温度と、車室内の温度、車室外の温度、湿度、日射等の環境要素とに基づいて目標温度算出部41bで算出された目標温度と、蒸発器の空気温度センサ12bで検出した空気の検出温度との差によって、モータ駆動制御部41cで制御されて駆動する。
このように、モータ駆動圧縮機7は、蒸発器12によって冷却されたこの蒸発器12の冷媒が流れる下流側(以下、単に「蒸発器12の出口側」という)の空気温度と目標温度によって、その回転が制御されるが、エンジン2の稼動時には、その目標温度が2〜3°程度高く持ち替えられる。
【0023】
凝縮器9は、ハイブリッド型コンプレッサ5で高圧高温になった冷媒を冷却して、熱交換によって液化する機器である。この凝縮器9は、配管によって、受液器10に接続されている。
【0024】
受液器10は、凝縮器9によって液化された冷媒を一時貯えるボンベに相当する機器である。受液器10は、ドライヤ(図示せず)等を介して膨張弁11に接続され、そのドライヤで冷媒中の水分を除去して膨張弁11に供給する。
【0025】
膨張弁11は、蒸発器12の入り口に取り付けられ、高温高圧の液化冷媒がここを通過すると液体から霧状の気体に変化して噴射する機器である。この膨張弁11は、配管によって蒸発器12に接続されている。膨張弁11には、絞り弁(図示せず)が内設されており、蒸発器12に設置された蒸発器の空気温度センサ12bによって絞り弁をコントロールして蒸発器12に噴射する冷媒の流量(冷房能力)を調節している。
【0026】
蒸発器12は、冷媒を気化することにより車室内の空気の熱を奪って冷却し、車室内の空気を冷却する熱交換器であり、空調ケース14に内設されている。その空調ケース14には、ファン12aが設置されており、このファン12aによって、冷却された空気を車室内に送り、直射日光や外気温度によって高温になった車室内の空気を吸引して循環が行われる。蒸発器12内の冷媒は、バルブ類(図示せず)を介して圧力調整された蒸気冷媒を元のハイブリッド型コンプレッサ5に戻るように配管によって接続されている。
【0027】
ファン12aは、蒸発器12の後部等に設置されて、車室内の空気を吸引して蒸発器12に当て、その蒸発器12で冷却された空気を各種ダクト(図示せず)を介してデフロスタ吹出口(図示せず)やフェイス吹出口(図示せず)やフット吹出口(図示せず)から車室内に戻して車室内の空気を循環させるためのものである。ファン12aは、制御装置4のファン制御部41aに電気的に接続されている。ファン12aは、このファン制御部41aによって回転が制御されて、送風量がコントロールされている。
【0028】
蒸発器の空気温度センサ12bは、蒸発器12で冷媒を気化することによって冷却された空気の温度を検出する温度検出器であり、蒸発器12内を流れる空気の下流側の空調ケース14内に設置されている。
なお、蒸発器の空気温度センサ12bは、特許請求の範囲における「温度検出手段」に相当する。この蒸発器の空器温度センサ12bで検出される温度は、冷媒により冷却された冷風の吹き出し温度であり、これが特許請求の範囲の「蒸発器の温度」に相当する。
【0029】
車室内温度設定部16は、乗員が車室内の気温を設定するものであり、例えば、インストルメントパネルの中央部に設置された制御器(コントロールパネル)からなる。この車室内温度設定部16は、制御装置4に電気的に接続されている。
【0030】
制御装置4は、電気・電子回路と所定のプログラムとからなるECUであり、空調制御部41やエンジン2をコントロールするエンジン制御部(図示せず)や蓄電装置17への充放電の切り替えを行う制御部(図示せず)やその他機器の制御部(図示せず)を備えている。
【0031】
次に、図1および図2を参照して空調制御部41を説明する。
図2は、図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6、モータ駆動圧縮機7およびファン12aの動作が制御されるように構成されている。その空調制御部41は、ファン制御部41aと、目標温度算出部41bと、モータ駆動制御部41cとから構成されている。
空調制御部41は、蒸発器の空気温度センサ12bで検出した検出温度(冷風の吹き出し温度)と、目標温度算出部41bで算出した目標温度とを比較して、検出温度が目標温度より低いときに、モータ駆動圧縮機7を駆動するモータ3の出力を低減させる機能を備えている。
また、空調制御部41は、前記検出温度が前記目標温度より高いとき、モータ3の出力を増加させる機能を備えている。
【0032】
図2に示すように、空調制御部41には、車速検出信号を出力する車速センサ22と、アクセル開度検知信号を出力するアクセル開度検知センサ23と、エンジン2の回転速度を検出してエンジン回転速度信号Neを出力するエンジン回転速度センサ(Neセンサ)24と、車室内の温度を検出して車室温度検出信号を出力する車室温度センサ25と、車室外の温度を検出して外気温度検出信号を出力する外気温度センサ26と、太陽の日射量を検出して日射量検出信号を出力する日射量センサ27と、蒸発器12で冷却された空気の検出温度(冷風の吹き出し温度)を検出して蒸発器の空気温度検出信号を出力する蒸発器の空気温度センサ12bと、目標温度の基準となる乗員によって設定された車室内の設定温度の目標温度設定信号を出力する車室内温度設定部16とが接続されている。
【0033】
空調制御部41は、冷凍サイクルを作動させるにあたり、エンジン2のみが駆動している場合には、エンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号が出力されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号によって電磁クラッチ86が繋がれてエンジン駆動圧縮機6が、駆動するように構成されている。
【0034】
ファン制御部41aは、ファン12aを作動させることによって蒸発器12の冷気を車室内に循環させるとともに、蒸発器の空気温度センサ12bで温度を検出して、車室内の空気の温度が、目標温度算出部41bで算出された温度になるようにファン12aの回転をコントロールする制御器である。なお、ファン12aは、手動的に稼動するようにしてもよい。
【0035】
目標温度算出部41bは、予め設定した外気温度や日射量等の所定の外乱条件により、車室内温度設定部16で設定した設定温度に車室内の気温がなるように蒸発器12の出口側の温度を算出するものである。この目標温度算出部41bで算出される値は、外気温度や日射量等によって適切な値に変更される。
なお、目標温度算出部41bは、特許請求の範囲に記載の「目標温度算出手段」に相当する。
【0036】
モータ駆動制御部41cは、車室内の気温が目標温度算出部41bで算出した目標温度になるように、モータ3を回転させて、モータ駆動圧縮機7をコントロールする制御器である。
また、モータ駆動制御部41cは、モータ3の出力を低減するとき、モータ3の出力が0になるように目標値を変更する機能を備えている。
【0037】
以上のような構成でなる本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置によれば、車室内の温度が、制御装置4によって、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とをコントロールすることにより、エンジン駆動圧縮機6の負担を軽減して車室内温度設定部16で設定した所定温度に保持されるように調整される。
【0038】
次に、図3を参照しながら、第1実施の形態における空調装置1の動作を説明する。図3は、本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【0039】
まず、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動する。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる(ステップS1)。
【0040】
次に、ステップS2に進み、エアコンスイッチ(AC SW)15がONされたか否かを判断する。
「AC SW:ON」でないとき(NO)、つまり、エアコンスイッチ15がOFFされているときは、ステップS3に進み、エンジン駆動圧縮機6およびモータ駆動圧縮機7がOFFされる。
「AC SW:ON」のとき(YES)、つまり、エアコンスイッチ15がONのときは、ステップS4に進む。ステップS4では、ハイブリッド型コンプレッサ5のエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7との2つの圧縮機がONして作動する。エンジン駆動圧縮機6は、エンジン2の回転が伝達装置8を介して伝えられて、作動する。モータ駆動圧縮機7は、例えば、モータ3が4000rpm程度の回転速度で回転して作動する。エンジン2は、空調装置1が作動すると、エンジン駆動圧縮機6が作動する分だけエンジン2の出力を使うことになるので、パワーダウンになる。しかしながら、ハイブリッド型コンプレッサ5をこのエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とで駆動することにより、エンジン駆動圧縮機6のパワーダウンを防止するとともに、エンジン駆動圧縮機6を容量の小さい小型の圧縮機にすることが可能となる。
ハイブリッド型コンプレッサ5が作動したことにより、冷媒を圧縮して加圧することで冷凍サイクル装置Aが動き出し、冷凍サイクルの蒸発、圧縮、凝縮、膨張が行われる。
【0041】
次に、ステップS5に進み、乗員が車室内温度設定部16を操作することによりセットされた設定温度を基にして目標温度算出部41bが目標温度を算出する。ステップS5では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25から車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、16℃)を算出する。
【0042】
そして、ステップS6に進み、蒸発器の空気温度センサ12bが、車室内の空気の熱交換を行う蒸発器12の出口側の空気の検出温度(冷風の吹き出し温度(以下、単に「検出温度」という))を検出して蒸発器空気温度検出信号を空調制御部41に送り、ステップS7に進む。
【0043】
ステップS7では、この検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(16℃)とを比較し、検出温度が目標温度(16℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(16℃)を超えて、車室内の空気が所望温度まで冷えていないときはステップS6に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の検出温度を検出し続ける。このとき、モータ駆動圧縮機7およびファン12aの出力を増加させて車室内の気温が早く快適な温度に下がるようにする。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(16℃)以下のときは、ステップS8に進む。
【0044】
ステップS8では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を例えば4000rpmから3000rpmに減速して、冷房の強度を緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0045】
次にステップS9に進む。例えば、乗員が車室内の温度を暑く感じて、車室内温度設定部16を操作して、設定温度を更に低い温度に変更したとする。ステップS9では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25から車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、12℃)を算出する。
【0046】
ステップS10では、蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の検出温度を検出して、蒸発器空気温度検出信号を空調制御部41に送り、ステップS11に進む。
【0047】
ステップS11では、この検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(12℃)より2℃高い温度(14℃)とを比較し、検出温度が目標温度(12℃)より2℃高い14℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度12℃+2℃(=14℃)以上のときは、その目標温度(12℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を4000rpmに復帰させて(ステップS12)冷房能力を向上させ、ステップS6に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度12℃+2℃(=14℃)未満のときは、ステップS13に進む。
【0048】
ステップS13では、検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(12℃)とを比較し、検出温度が目標温度(12℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(12℃)を超えて、車室内の空気が設定温度まで冷えていないときは、ステップS10に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(12℃)以下のときは、ステップS14に進む。
【0049】
ステップS14では、車室内の温度が車室内温度設定部16で設定した設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を例えば3000rpmから2000rpmに減速して、冷房の強度を更に緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0050】
次に、ステップS15に進む。乗員が車室内温度設定部16を操作して、更に設定温度を低い温度に変更したとする。ステップS15では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25からの車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、8℃)を算出する。
【0051】
次にステップS16に進み、蒸発器の空気温度センサ12bは、蒸発器12の出口側の空気の温度を検出して、空調制御部41に蒸発器空気温度検出信号を送り、ステップS17に進む。
【0052】
ステップS17では、その検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度とを比較して、検出温度が目標温度(8℃)より2℃高い10℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)+2℃(=10℃)以上のときは、その目標温度(8℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を3000rpmに復帰させて(ステップS18)冷房能力を向上させ、ステップS10に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)+2℃(=10℃)未満のときは、ステップS19に進む。
【0053】
ステップS19では、検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(8℃)とを比較して、検出温度が目標温度(8℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)を超えて、車室内の空気が設定温度まで冷えていないときは、ステップS16に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)以下のときは、ステップS20に進む。
【0054】
ステップS20では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を、例えば、2000rpmから1000rpmに減速して冷房の強度を更に緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0055】
次に、ステップS21に進む。乗員が車室内温度設定部16を操作して、更に設定温度を低い温度に変更したとする。ステップS21では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25からの車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、4℃)を算出する。
【0056】
次に、ステップS22に進み、蒸発器の空気温度センサ12bが、蒸発器12の出口側の空気の温度を検出して、ステップS23に進む。
ステップS23では、その検出温度と、目標温度(4℃)とを比較して、検出温度が目標温度(4℃)より2℃高い6℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)+2℃(=6℃)以上のときは、その目標温度(4℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を2000rpmに復帰させて(ステップS24)冷房能力を向上させ、ステップS16に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)+2℃(=6℃)未満のときは、ステップS25に進む。
【0057】
ステップS25では、検出温度と、目標温度(4℃)とを比較して、検出温度が目標温度(4℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)を超えているときは、車室内の空気が設定温度まで冷えていないとみなしてステップS22に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)以下のときは、ステップS26に進む。
【0058】
ステップS26では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7およびモータ3を停止して、エンジン駆動圧縮機6のみを作動させて、冷房の強度を緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
そして、ステップS22に戻ることをサブルーチンとすることにより、検出温度が目標温度(4℃)より上がればモータ駆動圧縮機7を作動させて、空調装置1によるエンジン駆動圧縮機6の負担を緩和することができるため、エンジン駆動圧縮機6は容量の小さな圧縮機で対応できるようになる。
【0059】
[第2実施の形態]
次に、図4および図5を参照して、本発明に係る第2実施の形態に係る車両用空調装置を説明する。なお、この第2実施の形態は、すでに説明した第1実施の形態と同一のものは、同じ符号を付けて、その説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置を示す図で、空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。図5は、図4の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【0060】
本発明に係る第2実施の形態に係る車両用空調装置は、アイドリングストップ機能を備えた車両に搭載されるものであって、以下、その一実施の形態を説明する。
図4および図5に示すように、制御装置4は、空調制御部41と、エンジン2をコントロールするエンジン制御部42と、その他機器の制御部(図示せず)とを備えている。
【0061】
次に、図4および図5を参照してエンジン制御部42を説明する。
図4に示すように、エンジン制御部42は、エンジン2の自動停止や自動再始動によるアイドリングストップの可否の判断を行う自動停止再始動制御部42aと、この自動停止再始動制御部42aからの信号に基づいてエンジン2への燃料の供給を停止してアイドリングストップを行うための燃料供給停止部42bと、アイドリングストップ中のエンジン2を再始動させるための再始動駆動部42cとから構成されている。
【0062】
自動停止再始動制御部42aは、燃料供給停止部42bと再始動駆動部42cとにエンジン2への燃料の供給や供給の停止の信号を発信してアイドリングストップを行うとともに、バッテリ18への充放電の切り替えを主に行うものである。
【0063】
図5に示すように、自動停止再始動制御部42aは、車速センサ22と、アクセル開度検知センサ23と、バッテリ18(図4参照)に残存する電力量を検出するとともに、その電力量に基づいてバッテリ残容量信号SOC(StatusOf Charge)を出力するバッテリ残容量センサ28とに電気的に接続されている。また、自動停止再始動制御部42aには、燃料供給停止部42bと、再始動駆動部42cとが電気的に接続されている。
【0064】
この自動停止再始動制御部42aは、後記する所定の条件を満たしていることを前提に、アクセル開度検知センサ23からのアクセルを閉じたアクセル開度検知信号を受けてから、予め設定されたタイマ時間経過後に、燃料供給停止部42bに向けて停止許可フラグF1が出力されるように構成されている。そして、停止許可フラグF1を受けた燃料供給停止部42bは、エンジン2(図4参照)への燃料供給を停止して、エンジン2(図4参照)を停止させる。また、自動停止再始動制御手段42aは、エンジン2(図4参照)が停止した際に、空調制御部41に向けてエンジン停止信号CSが出力されるように構成されている。
【0065】
前記した所定条件、すなわち、図4に示すエンジン2のアイドリングストップの条件は、例えば、「車両が予め設定された基準速度以下の低車速になったこと」、「ブレーキスイッチがONになっていること」、「エンジン2の冷却水の温度が所定値以上であること」、「車両のシフトポジションがR(リバース)またはL(ロウ)以外の所定のポジションになっていること」および「バッテリ残容量信号SOCに基づいて自動停止再始動制御部42aが判断した結果、バッテリ18の残存容量が所定値以上であること」からなる要素を少なくとも備えるとともに、これらの要素がすべて満たされていることを要する。
【0066】
ここで、「ブレーキスイッチがON」とは、ブレーキが掛けられている状態をいう。また、「エンジン2の冷却水の温度が所定値以上」とは、水温が低いとエンジン2を再始動できないこともあるため、冷却水がエンジン2を再始動できる温度にあるかをいう。「R(リバース)またはL(ロウ)以外」とは、シフトポジションがそれ以外のD(ドライブ)レンジ等であることを意味する。「バッテリ残存容量所定値以上」とは、バッテリ残容量センサ28で検出したバッテリ18の残容量が所定値、例えばフル充電時の25%以上であることを意味する。
【0067】
ただし、次の条件が満たされる場合には、自動停止再始動制御部42aは、停止許可フラグF1を出力せず、エンジン2は停止しない。この条件、すなわち、エンジン2のアイドリングストップの禁止条件は、例えば「モータ駆動圧縮機7用のモータ3が故障していること」、「バッテリ18の残存容量が例えば前記所定値未満であること」および「エンジン2の冷却水の温度が所定値未満であること」等が挙げられ、アイドリングストップの禁止条件は、これらの要素のうち少なくとも一つが満たされればよい。なお、前記した「モータ3の故障」としては、例えば、モータ3に対する過負荷、過電流、過電圧、電圧低下およびコンタクトの溶着等が挙げられる。
【0068】
また、この自動停止再始動制御部42aは、アクセルが踏み込まれて作動するルーチンによってスタータモータを駆動させると同時に、再始動駆動部42cに向けて再始動許可フラグF2(図5参照)が出力されるように構成されている。そして、再始動許可フラグF2(図5参照)を受けた再始動駆動部42cは、エンジン2に対する燃料供給および燃料点火を行い、エンジン2が再始動されるように構成されている。
【0069】
次に、図4を参照して空調制御部41を説明する。
空調制御部41は、冷凍サイクル装置Aを作動させるにあたり、エンジン2のみが駆動している場合には、エンジン駆動圧縮機6を駆動させる命令信号が出力されるように構成されている。また、空調制御部41は、エンジン2が自動停止中(アイドリングストップ中)には、モータ駆動圧縮機7の駆動命令信号を出力して、モータ駆動圧縮機7が駆動されるように構成されている。
【0070】
空調制御部41は、エンジン2がアイドリングストップする前に、このエンジン2でエンジン駆動圧縮機6を駆動させるとともに、モータ駆動圧縮機7の駆動命令信号を出力することによって、モータ駆動圧縮機7が駆動されるように構成されている。そして、空調制御部41は、モータ駆動圧縮機7を駆動させる時期を、車速検出信号、アクセル開度検知信号およびエンジン回転速度信号Neによって演算して予測する。
また、空調制御部41は、エンジン2がアイドリングストップした際に、エンジン駆動圧縮機6の停止命令信号が出力されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6の停止命令信号で電磁クラッチ86が切断することによって、エンジン駆動圧縮機6は停止し、モータ駆動圧縮機7のみが駆動されるように構成されている。
そして、エンジン2が自動再始動するにあたって、空調制御部41は、発電機(スタータモータ)Gによってエンジン2が駆動すると同時に、エンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号を出力して、エンジン駆動圧縮機6が駆動されるように構成されている。そして、自動停止再始動制御部42aによって発電機(スタータモータ)Gによりエンジン2が駆動すると、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とが一緒に作動されるように構成されている。
【0071】
このように、アイドリングストップを自動的に実施する車両においては、モータ3によって駆動されるモータ駆動圧縮機7をエンジン駆動圧縮機6に併設してアイドリングストップ中にモータ駆動圧縮機7を使用することにより、車室内を常に快適な温度に維持することができる。
【0072】
次に、図6を参照しながら、第2実施の形態における空調装置1の動作を説明する。図6は、本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【0073】
この空調装置1では、まず、アクセル開度検知センサ23(図5参照)によってアクセルがOFFであるか否かを判断する(ステップS31)。そして、アクセルがONしているとき(NO)は、走行中と判断してスタートの状態に戻ってアクセルの作動状態を監視する。アクセルがOFFであるとき(YES)は、ステップS32に進む。
【0074】
ステップS32では、ブレーキスイッチがONされたか否かを判断する。そして、ブレーキスイッチがOFFのとき(NO)は、車両が走行中と判断してスタートの状態に戻ってアクセル(ステップS31)の作動状態を監視する。ブレーキスイッチがONであるとき(YES)は、車両が停止状態、または低速状態であるとみなして、ステップS33に進む。
【0075】
ステップS33では、制御装置4またはバッテリ18等によってアイドリングストップが可能であるか否かを判断する。そして、アイドリングストップが不可能な状態のとき(NO)は、スタートの状態に戻ってアクセル(ステップS31)およびブレーキスイッチ(ステップS32)の作動状態の監視を続ける。アイドリングストップが可能なとき(YES)は、ステップS34に進む。
【0076】
ステップS34では、モータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしているか否かを判断する。
モータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしているとき(YES)は、そのままアイドリングストップを開始してモータ駆動圧縮機7のみをONさせて(ステップS36)、終了する。このようにして、アイドリングストップ開始前には、エンジン駆動圧縮機6を使用しないでモータ駆動圧縮機7のみを使用することによって、省電力モードの状態で車室内の温度を快適な温度に保つことができる。アイドリングストップ中には、モータ駆動圧縮機7を作動させることにより空調装置1の駆動を維持して、車室内の気温を快適に保持することができる。
また、ステップS34でモータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしていないとき(NO)、つまり、モータ駆動圧縮機7がOFFしてエンジン駆動圧縮機6がOFFしているときは、モータ駆動圧縮機7等に異常が発生したと判断して、ステップS35に進む。
ステップS35では、エンジン駆動圧縮機6を作動させるためにアイドルリングストップを禁止して、エンジン2を駆動させるとともに、エンジン駆動圧縮機6のOFFを禁止して、ステップS36に進む。
ステップS36では、エンジン駆動圧縮機6をONして、このエンジン駆動圧縮機6のみで空調装置1を稼動させて、終了する。
【0077】
このように本発明の第2実施の形態は、アイドリングストップの機能を備えた車両に空調装置1を設置したことにより、エンジン2が作動しているときにはエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7を併用してエンジン駆動圧縮機6の負担を低減させるとともに、アイドリングストップ中にはモータ駆動圧縮機7を作動させることにより空調装置1が停止することを防止して、車室内の気温を快適にすることができる。
【0078】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、第1駆動源(エンジン)によって駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)と第2駆動源(モータ)によって駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)を適宜に作動させることにより、冷房能力の不足を防止するとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の容量を小さくすることを可能にする。これにより、車両用空調装置は、車室内の快適性を損なうことなく第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の省動力化を図ることができるとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の小型化および第1駆動源(エンジン)の負担の低減を図ることができる。
また、車両用空調装置は、蒸発器の温度が目標温度より低いとき、第2駆動源(モータ)の出力を低減することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図るとともに、車室内の温度を快適な温度に保つことができる。
【0080】
本発明の請求項2に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、前記温度が目標温度より高いとき、第2駆動源(モータ)の出力を増加させて第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)も併用して車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【0081】
本発明の請求項3に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、第2駆動源(モータ)の出力を低減するとき、第2駆動源(モータ)の出力が0になるようにその出力の目標値を変更することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図り、車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置を示す概略図である。
【図2】図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置を示す図で、空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【符号の説明】
1 空調装置
2 エンジン(第1駆動源)
3 モータ(第2駆動源)
4 制御装置
5 ハイブリッド型コンプレッサ
6 エンジン駆動圧縮機(第1圧縮機)
7 モータ駆動圧縮機(第2圧縮機)
12 蒸発器
12b 蒸発器の空気温度センサ(温度検出手段)
41b 目標温度算出部(目標温度算出手段)
A 冷凍サイクル装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等でなる第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、モータ等でなる第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置は、車両の走行用エンジンを動力源とする圧縮機が使用されている(例えば、特許文献1)。
近年、エンジンの低燃費化が急速に進んでおり、それに伴ない空調用圧縮機の省動力化も要望されている。
【0003】
その対応として、従来の圧縮機は、エンジンによって駆動される圧縮機の省動力化を図るために、容量の小さな圧縮機を車両に搭載したり、圧縮機の回転速度を低下させる技術が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−20130号公報(第4〜5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用空調装置の圧縮機は、エンジンのみを動力源として駆動される圧縮機であり、圧縮機の省動力のために容量の小さな圧縮機を搭載したり、圧縮機の回転数を低下させると、冷房能力が不足するという問題点があった。
その結果、外気温度が高い場合や、陽射しが強い場合には、車室内の温度が上昇して乗員が不快に感じることがある。また、外気温度が低い場合には、冷房能力の不足によって除湿能力が不足して乗員が呼吸する息により湿度が上昇し、窓ガラスが曇るという不都合も発生する。
このように、圧縮機の冷房能力が不足すると、温度および湿度が高くなるため、乗員が車室内の環境に不快感を生じたり、窓ガラスが曇るという問題点が発生する。
【0006】
本発明の課題は、圧縮機が冷房能力を低下させることなく、省動力化ができ、車室内を快適にすることができる機能を備えた車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用空調装置は、第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より低いときには、前記第2駆動源の出力を低減することを特徴とする。
ここで、所定の条件とは、予め設定した外気温度や日射量等の外乱条件をいう。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両用空調装置は、例えば、第1駆動源(
エンジン)によって駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)と第2駆動源(モータ)によって駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)を適宜に作動させることにより、冷房能力の不足を防止するとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の容量を小さくすることを可能にする。これにより、車両用空調装置は、車室内の快適性を損なうことなく第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の省動力化を図ることができるとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の小型化および第1駆動源(エンジン)の負担の低減を図ることができる。
また、車両用空調装置は、蒸発器の温度が目標温度より低いとき、第2駆動源(モータ)の出力を低減することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図るとともに、車室内の温度を快適な温度に保つことができる。
【0009】
請求項2に記載の車両用空調装置は、第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、所定の条件により前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より高いときには、前記第2駆動源の出力を増加させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、車両用空調装置は、前記温度が目標温度より高いとき、第2駆動源(モータ)の出力を増加させて第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)も併用して車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
また、車両用空調装置は、例えば、アイドリングストップ車両に搭載されるものにおいて、第1駆動源(エンジン)停止時に第2駆動源(モータ)の出力を増加して第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)が駆動することにより、冷房能力が低下して車室内の気温が上昇することを防止できるため、車室内の空気を快適に保持することができる。
【0011】
請求項3に記載の車両用空調装置は、請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置であって、前記空調装置は、前記第2駆動源の出力を低減するとき、出力が0になるように前記第2駆動源の出力の目標値を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、車両用空調装置は、第2駆動源(モータ)の出力を低減するとき、第2駆動源(モータ)の出力が0になるようにその出力の目標値を変更することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図り、車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る車両用空調装置の第1実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置を示す概略図である。
【0014】
本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置は、アイドリングストップの機能を備えていない車両に搭載されるものであって、以下、その一実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両の空気調和装置(以下、単に「空調装置」という)1は、車両の駆動源であるエンジン2、およびスタータモータ/発電機(単に「発電機」という)Gと、モータ駆動圧縮機7用のモータ3と、空調装置1の冷凍サイクル装置Aを作動させるためのエンジン駆動圧縮機6およびモータ駆動圧縮機7からなるハイブリッド型コンプレッサ5と、凝縮器9と、受液器10と、膨張弁11と、蒸発器の空気温度センサ12bを備えた蒸発器12と、制御装置4と、とから構成されている。
なお、エンジン2は、特許請求の範囲の「第1駆動源」に相当し、モータ3は「第2駆動源」に相当し、エンジン駆動圧縮機6は「第1圧縮機」に相当し、モータ駆動圧縮機7は「第2圧縮機」にそれぞれ相当する。
【0015】
次に、図1を参照して各機器について説明する。
図1に示すように、エンジン2は、例えば、ガソリン等を燃料とする車両走行用の内燃機関であり、車輪Wを回転させるための役割と、発電機Gを回転させて蓄電装置17に電気エネルギを蓄積させるための役割と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるための役割を備えている。エンジン2と発電機Gとは、回転軸21で直結されることによって、ハイブリッド型を構成している。エンジン2の他端側には、エンジン駆動圧縮機6を連動させるための伝達装置8が設置されている。エンジン2の回転は、変速機Tを介して車輪Wに伝達される。
【0016】
その伝達装置8は、例えば、エンジン2に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6に設置されたプーリ85とにベルト83を巻き掛けてなるベルト伝達機構からなる。伝達装置8は、エンジン2の他端側に配置されてエンジン2によって回転する回転軸81と、この回転軸81の先端に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるためのプーリ85と、プーリ82とプーリ85とを連動させるためのベルト83と、エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84と、この駆動軸84に設置された電磁クラッチ86とから構成されている。
【0017】
発電機Gは、エンジン2を始動させるためのスタータモータの役割と、エンジン2の回転によって発電する機能とを備えている。その発電機Gは、バッテリ18を充電し、各電気機器に電力を供給する蓄電装置17に電気的に接続されている。
【0018】
モータ3は、制御装置4、エアコンスイッチ15およびイグニッションスイッチ19を介してバッテリ18に電気的に接続されて、このバッテリ18によって回転して、モータ駆動圧縮機7を駆動するためのものである。そのモータ3の回転は、中間部に電磁クラッチ32を介在した回転軸31によってモータ駆動圧縮機7に断続的に伝達できるように構成されている。
【0019】
冷凍サイクル装置Aは、空調装置1における冷凍サイクルを形成するものである。その冷凍サイクル装置Aは、ハイブリッド型コンプレッサ5と、凝縮器9と、受液器10と、膨張弁11と、蒸発器12とを主要部として構成され、ハイブリッド型コンプレッサ5を上流側、蒸発器12を下流側として、これらを順次に、接続して構成されている。冷凍サイクルは、蒸発、圧縮、凝縮、膨張からなる冷媒のサイクルであり、蒸発は蒸発器12で行われ、圧縮はハイブリッド型コンプレッサ5で行われ、凝縮は凝縮器9で行われ、膨張は膨張弁11で行われる。
【0020】
ハイブリッド型コンプレッサ5は、フロン(HFC134a)または二酸化炭素(CO2)等からなる冷媒を圧縮する機器である。ハイブリッド型コンプレッサ5は、圧縮機の省動力のために、エンジン2によって駆動されるエンジン駆動方式のエンジン駆動圧縮機6と、モータ3によって駆動される電動式のモータ駆動圧縮機7との2つの圧縮機から構成されている。ハイブリッド型コンプレッサ5は、この2種類の圧縮機によって構成されていることにより、省動力と車室内の環境の快適性とを適宜に図るように作動する。このハイブリッド型コンプレッサ5で圧縮された冷媒は、配管を介して凝縮器9に圧送される。
なお、ハイブリッド型コンプレッサ5は、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とを一体にしたものでも、別体にしたものでもどちらであってもよい。
【0021】
エンジン駆動圧縮機6は、エンジン2の回転軸81の回転を伝達装置8によって伝達されることで駆動する比較的容量の小さい圧縮機6からなる。エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84の中間部位には、電磁クラッチ86が設置されて、エンジン2の回転が断続的に伝達されるように構成されている。
【0022】
モータ駆動圧縮機7は、電磁クラッチ32を介して回転軸31によってモータ3に接続され、エンジン駆動圧縮機6を補助するためのモータ3によって回転する電動式圧縮機である。モータ駆動圧縮機7は、エンジン2によって駆動されるエンジン駆動圧縮機6と一緒に作動するか、エンジン2をアイドリングストップさせているときに作動するか、若しくはそのエンジン駆動圧縮機6の単独作動に係わらず作動する。このモータ駆動圧縮機7は、車室内温度設定部16で設定された設定温度と、車室内の温度、車室外の温度、湿度、日射等の環境要素とに基づいて目標温度算出部41bで算出された目標温度と、蒸発器の空気温度センサ12bで検出した空気の検出温度との差によって、モータ駆動制御部41cで制御されて駆動する。
このように、モータ駆動圧縮機7は、蒸発器12によって冷却されたこの蒸発器12の冷媒が流れる下流側(以下、単に「蒸発器12の出口側」という)の空気温度と目標温度によって、その回転が制御されるが、エンジン2の稼動時には、その目標温度が2〜3°程度高く持ち替えられる。
【0023】
凝縮器9は、ハイブリッド型コンプレッサ5で高圧高温になった冷媒を冷却して、熱交換によって液化する機器である。この凝縮器9は、配管によって、受液器10に接続されている。
【0024】
受液器10は、凝縮器9によって液化された冷媒を一時貯えるボンベに相当する機器である。受液器10は、ドライヤ(図示せず)等を介して膨張弁11に接続され、そのドライヤで冷媒中の水分を除去して膨張弁11に供給する。
【0025】
膨張弁11は、蒸発器12の入り口に取り付けられ、高温高圧の液化冷媒がここを通過すると液体から霧状の気体に変化して噴射する機器である。この膨張弁11は、配管によって蒸発器12に接続されている。膨張弁11には、絞り弁(図示せず)が内設されており、蒸発器12に設置された蒸発器の空気温度センサ12bによって絞り弁をコントロールして蒸発器12に噴射する冷媒の流量(冷房能力)を調節している。
【0026】
蒸発器12は、冷媒を気化することにより車室内の空気の熱を奪って冷却し、車室内の空気を冷却する熱交換器であり、空調ケース14に内設されている。その空調ケース14には、ファン12aが設置されており、このファン12aによって、冷却された空気を車室内に送り、直射日光や外気温度によって高温になった車室内の空気を吸引して循環が行われる。蒸発器12内の冷媒は、バルブ類(図示せず)を介して圧力調整された蒸気冷媒を元のハイブリッド型コンプレッサ5に戻るように配管によって接続されている。
【0027】
ファン12aは、蒸発器12の後部等に設置されて、車室内の空気を吸引して蒸発器12に当て、その蒸発器12で冷却された空気を各種ダクト(図示せず)を介してデフロスタ吹出口(図示せず)やフェイス吹出口(図示せず)やフット吹出口(図示せず)から車室内に戻して車室内の空気を循環させるためのものである。ファン12aは、制御装置4のファン制御部41aに電気的に接続されている。ファン12aは、このファン制御部41aによって回転が制御されて、送風量がコントロールされている。
【0028】
蒸発器の空気温度センサ12bは、蒸発器12で冷媒を気化することによって冷却された空気の温度を検出する温度検出器であり、蒸発器12内を流れる空気の下流側の空調ケース14内に設置されている。
なお、蒸発器の空気温度センサ12bは、特許請求の範囲における「温度検出手段」に相当する。この蒸発器の空器温度センサ12bで検出される温度は、冷媒により冷却された冷風の吹き出し温度であり、これが特許請求の範囲の「蒸発器の温度」に相当する。
【0029】
車室内温度設定部16は、乗員が車室内の気温を設定するものであり、例えば、インストルメントパネルの中央部に設置された制御器(コントロールパネル)からなる。この車室内温度設定部16は、制御装置4に電気的に接続されている。
【0030】
制御装置4は、電気・電子回路と所定のプログラムとからなるECUであり、空調制御部41やエンジン2をコントロールするエンジン制御部(図示せず)や蓄電装置17への充放電の切り替えを行う制御部(図示せず)やその他機器の制御部(図示せず)を備えている。
【0031】
次に、図1および図2を参照して空調制御部41を説明する。
図2は、図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6、モータ駆動圧縮機7およびファン12aの動作が制御されるように構成されている。その空調制御部41は、ファン制御部41aと、目標温度算出部41bと、モータ駆動制御部41cとから構成されている。
空調制御部41は、蒸発器の空気温度センサ12bで検出した検出温度(冷風の吹き出し温度)と、目標温度算出部41bで算出した目標温度とを比較して、検出温度が目標温度より低いときに、モータ駆動圧縮機7を駆動するモータ3の出力を低減させる機能を備えている。
また、空調制御部41は、前記検出温度が前記目標温度より高いとき、モータ3の出力を増加させる機能を備えている。
【0032】
図2に示すように、空調制御部41には、車速検出信号を出力する車速センサ22と、アクセル開度検知信号を出力するアクセル開度検知センサ23と、エンジン2の回転速度を検出してエンジン回転速度信号Neを出力するエンジン回転速度センサ(Neセンサ)24と、車室内の温度を検出して車室温度検出信号を出力する車室温度センサ25と、車室外の温度を検出して外気温度検出信号を出力する外気温度センサ26と、太陽の日射量を検出して日射量検出信号を出力する日射量センサ27と、蒸発器12で冷却された空気の検出温度(冷風の吹き出し温度)を検出して蒸発器の空気温度検出信号を出力する蒸発器の空気温度センサ12bと、目標温度の基準となる乗員によって設定された車室内の設定温度の目標温度設定信号を出力する車室内温度設定部16とが接続されている。
【0033】
空調制御部41は、冷凍サイクルを作動させるにあたり、エンジン2のみが駆動している場合には、エンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号が出力されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号によって電磁クラッチ86が繋がれてエンジン駆動圧縮機6が、駆動するように構成されている。
【0034】
ファン制御部41aは、ファン12aを作動させることによって蒸発器12の冷気を車室内に循環させるとともに、蒸発器の空気温度センサ12bで温度を検出して、車室内の空気の温度が、目標温度算出部41bで算出された温度になるようにファン12aの回転をコントロールする制御器である。なお、ファン12aは、手動的に稼動するようにしてもよい。
【0035】
目標温度算出部41bは、予め設定した外気温度や日射量等の所定の外乱条件により、車室内温度設定部16で設定した設定温度に車室内の気温がなるように蒸発器12の出口側の温度を算出するものである。この目標温度算出部41bで算出される値は、外気温度や日射量等によって適切な値に変更される。
なお、目標温度算出部41bは、特許請求の範囲に記載の「目標温度算出手段」に相当する。
【0036】
モータ駆動制御部41cは、車室内の気温が目標温度算出部41bで算出した目標温度になるように、モータ3を回転させて、モータ駆動圧縮機7をコントロールする制御器である。
また、モータ駆動制御部41cは、モータ3の出力を低減するとき、モータ3の出力が0になるように目標値を変更する機能を備えている。
【0037】
以上のような構成でなる本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置によれば、車室内の温度が、制御装置4によって、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とをコントロールすることにより、エンジン駆動圧縮機6の負担を軽減して車室内温度設定部16で設定した所定温度に保持されるように調整される。
【0038】
次に、図3を参照しながら、第1実施の形態における空調装置1の動作を説明する。図3は、本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【0039】
まず、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動する。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる(ステップS1)。
【0040】
次に、ステップS2に進み、エアコンスイッチ(AC SW)15がONされたか否かを判断する。
「AC SW:ON」でないとき(NO)、つまり、エアコンスイッチ15がOFFされているときは、ステップS3に進み、エンジン駆動圧縮機6およびモータ駆動圧縮機7がOFFされる。
「AC SW:ON」のとき(YES)、つまり、エアコンスイッチ15がONのときは、ステップS4に進む。ステップS4では、ハイブリッド型コンプレッサ5のエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7との2つの圧縮機がONして作動する。エンジン駆動圧縮機6は、エンジン2の回転が伝達装置8を介して伝えられて、作動する。モータ駆動圧縮機7は、例えば、モータ3が4000rpm程度の回転速度で回転して作動する。エンジン2は、空調装置1が作動すると、エンジン駆動圧縮機6が作動する分だけエンジン2の出力を使うことになるので、パワーダウンになる。しかしながら、ハイブリッド型コンプレッサ5をこのエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とで駆動することにより、エンジン駆動圧縮機6のパワーダウンを防止するとともに、エンジン駆動圧縮機6を容量の小さい小型の圧縮機にすることが可能となる。
ハイブリッド型コンプレッサ5が作動したことにより、冷媒を圧縮して加圧することで冷凍サイクル装置Aが動き出し、冷凍サイクルの蒸発、圧縮、凝縮、膨張が行われる。
【0041】
次に、ステップS5に進み、乗員が車室内温度設定部16を操作することによりセットされた設定温度を基にして目標温度算出部41bが目標温度を算出する。ステップS5では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25から車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、16℃)を算出する。
【0042】
そして、ステップS6に進み、蒸発器の空気温度センサ12bが、車室内の空気の熱交換を行う蒸発器12の出口側の空気の検出温度(冷風の吹き出し温度(以下、単に「検出温度」という))を検出して蒸発器空気温度検出信号を空調制御部41に送り、ステップS7に進む。
【0043】
ステップS7では、この検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(16℃)とを比較し、検出温度が目標温度(16℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(16℃)を超えて、車室内の空気が所望温度まで冷えていないときはステップS6に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の検出温度を検出し続ける。このとき、モータ駆動圧縮機7およびファン12aの出力を増加させて車室内の気温が早く快適な温度に下がるようにする。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(16℃)以下のときは、ステップS8に進む。
【0044】
ステップS8では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を例えば4000rpmから3000rpmに減速して、冷房の強度を緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0045】
次にステップS9に進む。例えば、乗員が車室内の温度を暑く感じて、車室内温度設定部16を操作して、設定温度を更に低い温度に変更したとする。ステップS9では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25から車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、12℃)を算出する。
【0046】
ステップS10では、蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の検出温度を検出して、蒸発器空気温度検出信号を空調制御部41に送り、ステップS11に進む。
【0047】
ステップS11では、この検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(12℃)より2℃高い温度(14℃)とを比較し、検出温度が目標温度(12℃)より2℃高い14℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度12℃+2℃(=14℃)以上のときは、その目標温度(12℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を4000rpmに復帰させて(ステップS12)冷房能力を向上させ、ステップS6に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度12℃+2℃(=14℃)未満のときは、ステップS13に進む。
【0048】
ステップS13では、検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(12℃)とを比較し、検出温度が目標温度(12℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(12℃)を超えて、車室内の空気が設定温度まで冷えていないときは、ステップS10に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(12℃)以下のときは、ステップS14に進む。
【0049】
ステップS14では、車室内の温度が車室内温度設定部16で設定した設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を例えば3000rpmから2000rpmに減速して、冷房の強度を更に緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0050】
次に、ステップS15に進む。乗員が車室内温度設定部16を操作して、更に設定温度を低い温度に変更したとする。ステップS15では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25からの車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、8℃)を算出する。
【0051】
次にステップS16に進み、蒸発器の空気温度センサ12bは、蒸発器12の出口側の空気の温度を検出して、空調制御部41に蒸発器空気温度検出信号を送り、ステップS17に進む。
【0052】
ステップS17では、その検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度とを比較して、検出温度が目標温度(8℃)より2℃高い10℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)+2℃(=10℃)以上のときは、その目標温度(8℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を3000rpmに復帰させて(ステップS18)冷房能力を向上させ、ステップS10に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)+2℃(=10℃)未満のときは、ステップS19に進む。
【0053】
ステップS19では、検出温度と、目標温度算出部41bで算出した目標温度(8℃)とを比較して、検出温度が目標温度(8℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)を超えて、車室内の空気が設定温度まで冷えていないときは、ステップS16に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(8℃)以下のときは、ステップS20に進む。
【0054】
ステップS20では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7の回転速度を、例えば、2000rpmから1000rpmに減速して冷房の強度を更に緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
【0055】
次に、ステップS21に進む。乗員が車室内温度設定部16を操作して、更に設定温度を低い温度に変更したとする。ステップS21では、目標温度算出部41bが、その設定温度と、外気温度センサ26からの外気温度検出信号と、車室温度センサ25からの車室温度検出信号と、日射量センサ27からの日射量検出信号等により目標温度(例えば、4℃)を算出する。
【0056】
次に、ステップS22に進み、蒸発器の空気温度センサ12bが、蒸発器12の出口側の空気の温度を検出して、ステップS23に進む。
ステップS23では、その検出温度と、目標温度(4℃)とを比較して、検出温度が目標温度(4℃)より2℃高い6℃以上であるか否か判断する。
そして、「検出温度≧目標温度+2℃」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)+2℃(=6℃)以上のときは、その目標温度(4℃)の状態にするためにモータ駆動圧縮機7の回転速度を2000rpmに復帰させて(ステップS24)冷房能力を向上させ、ステップS16に戻る。
一方、「検出温度≧目標温度+2℃」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)+2℃(=6℃)未満のときは、ステップS25に進む。
【0057】
ステップS25では、検出温度と、目標温度(4℃)とを比較して、検出温度が目標温度(4℃)以下であるか否か判断する。
そして、「検出温度≦目標温度」でないとき(NO)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)を超えているときは、車室内の空気が設定温度まで冷えていないとみなしてステップS22に戻って再度蒸発器の空気温度センサ12bによって蒸発器12の出口側の空気の温度を検出し続ける。
一方、「検出温度≦目標温度」のとき(YES)、つまり、検出温度が目標温度(4℃)以下のときは、ステップS26に進む。
【0058】
ステップS26では、車室内の温度が設定温度まで下がったとみなして、モータ駆動制御部41cによってモータ駆動圧縮機7およびモータ3を停止して、エンジン駆動圧縮機6のみを作動させて、冷房の強度を緩めて車室内の温度を設定温度に保つようにする。
そして、ステップS22に戻ることをサブルーチンとすることにより、検出温度が目標温度(4℃)より上がればモータ駆動圧縮機7を作動させて、空調装置1によるエンジン駆動圧縮機6の負担を緩和することができるため、エンジン駆動圧縮機6は容量の小さな圧縮機で対応できるようになる。
【0059】
[第2実施の形態]
次に、図4および図5を参照して、本発明に係る第2実施の形態に係る車両用空調装置を説明する。なお、この第2実施の形態は、すでに説明した第1実施の形態と同一のものは、同じ符号を付けて、その説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置を示す図で、空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。図5は、図4の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【0060】
本発明に係る第2実施の形態に係る車両用空調装置は、アイドリングストップ機能を備えた車両に搭載されるものであって、以下、その一実施の形態を説明する。
図4および図5に示すように、制御装置4は、空調制御部41と、エンジン2をコントロールするエンジン制御部42と、その他機器の制御部(図示せず)とを備えている。
【0061】
次に、図4および図5を参照してエンジン制御部42を説明する。
図4に示すように、エンジン制御部42は、エンジン2の自動停止や自動再始動によるアイドリングストップの可否の判断を行う自動停止再始動制御部42aと、この自動停止再始動制御部42aからの信号に基づいてエンジン2への燃料の供給を停止してアイドリングストップを行うための燃料供給停止部42bと、アイドリングストップ中のエンジン2を再始動させるための再始動駆動部42cとから構成されている。
【0062】
自動停止再始動制御部42aは、燃料供給停止部42bと再始動駆動部42cとにエンジン2への燃料の供給や供給の停止の信号を発信してアイドリングストップを行うとともに、バッテリ18への充放電の切り替えを主に行うものである。
【0063】
図5に示すように、自動停止再始動制御部42aは、車速センサ22と、アクセル開度検知センサ23と、バッテリ18(図4参照)に残存する電力量を検出するとともに、その電力量に基づいてバッテリ残容量信号SOC(StatusOf Charge)を出力するバッテリ残容量センサ28とに電気的に接続されている。また、自動停止再始動制御部42aには、燃料供給停止部42bと、再始動駆動部42cとが電気的に接続されている。
【0064】
この自動停止再始動制御部42aは、後記する所定の条件を満たしていることを前提に、アクセル開度検知センサ23からのアクセルを閉じたアクセル開度検知信号を受けてから、予め設定されたタイマ時間経過後に、燃料供給停止部42bに向けて停止許可フラグF1が出力されるように構成されている。そして、停止許可フラグF1を受けた燃料供給停止部42bは、エンジン2(図4参照)への燃料供給を停止して、エンジン2(図4参照)を停止させる。また、自動停止再始動制御手段42aは、エンジン2(図4参照)が停止した際に、空調制御部41に向けてエンジン停止信号CSが出力されるように構成されている。
【0065】
前記した所定条件、すなわち、図4に示すエンジン2のアイドリングストップの条件は、例えば、「車両が予め設定された基準速度以下の低車速になったこと」、「ブレーキスイッチがONになっていること」、「エンジン2の冷却水の温度が所定値以上であること」、「車両のシフトポジションがR(リバース)またはL(ロウ)以外の所定のポジションになっていること」および「バッテリ残容量信号SOCに基づいて自動停止再始動制御部42aが判断した結果、バッテリ18の残存容量が所定値以上であること」からなる要素を少なくとも備えるとともに、これらの要素がすべて満たされていることを要する。
【0066】
ここで、「ブレーキスイッチがON」とは、ブレーキが掛けられている状態をいう。また、「エンジン2の冷却水の温度が所定値以上」とは、水温が低いとエンジン2を再始動できないこともあるため、冷却水がエンジン2を再始動できる温度にあるかをいう。「R(リバース)またはL(ロウ)以外」とは、シフトポジションがそれ以外のD(ドライブ)レンジ等であることを意味する。「バッテリ残存容量所定値以上」とは、バッテリ残容量センサ28で検出したバッテリ18の残容量が所定値、例えばフル充電時の25%以上であることを意味する。
【0067】
ただし、次の条件が満たされる場合には、自動停止再始動制御部42aは、停止許可フラグF1を出力せず、エンジン2は停止しない。この条件、すなわち、エンジン2のアイドリングストップの禁止条件は、例えば「モータ駆動圧縮機7用のモータ3が故障していること」、「バッテリ18の残存容量が例えば前記所定値未満であること」および「エンジン2の冷却水の温度が所定値未満であること」等が挙げられ、アイドリングストップの禁止条件は、これらの要素のうち少なくとも一つが満たされればよい。なお、前記した「モータ3の故障」としては、例えば、モータ3に対する過負荷、過電流、過電圧、電圧低下およびコンタクトの溶着等が挙げられる。
【0068】
また、この自動停止再始動制御部42aは、アクセルが踏み込まれて作動するルーチンによってスタータモータを駆動させると同時に、再始動駆動部42cに向けて再始動許可フラグF2(図5参照)が出力されるように構成されている。そして、再始動許可フラグF2(図5参照)を受けた再始動駆動部42cは、エンジン2に対する燃料供給および燃料点火を行い、エンジン2が再始動されるように構成されている。
【0069】
次に、図4を参照して空調制御部41を説明する。
空調制御部41は、冷凍サイクル装置Aを作動させるにあたり、エンジン2のみが駆動している場合には、エンジン駆動圧縮機6を駆動させる命令信号が出力されるように構成されている。また、空調制御部41は、エンジン2が自動停止中(アイドリングストップ中)には、モータ駆動圧縮機7の駆動命令信号を出力して、モータ駆動圧縮機7が駆動されるように構成されている。
【0070】
空調制御部41は、エンジン2がアイドリングストップする前に、このエンジン2でエンジン駆動圧縮機6を駆動させるとともに、モータ駆動圧縮機7の駆動命令信号を出力することによって、モータ駆動圧縮機7が駆動されるように構成されている。そして、空調制御部41は、モータ駆動圧縮機7を駆動させる時期を、車速検出信号、アクセル開度検知信号およびエンジン回転速度信号Neによって演算して予測する。
また、空調制御部41は、エンジン2がアイドリングストップした際に、エンジン駆動圧縮機6の停止命令信号が出力されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6の停止命令信号で電磁クラッチ86が切断することによって、エンジン駆動圧縮機6は停止し、モータ駆動圧縮機7のみが駆動されるように構成されている。
そして、エンジン2が自動再始動するにあたって、空調制御部41は、発電機(スタータモータ)Gによってエンジン2が駆動すると同時に、エンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号を出力して、エンジン駆動圧縮機6が駆動されるように構成されている。そして、自動停止再始動制御部42aによって発電機(スタータモータ)Gによりエンジン2が駆動すると、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とが一緒に作動されるように構成されている。
【0071】
このように、アイドリングストップを自動的に実施する車両においては、モータ3によって駆動されるモータ駆動圧縮機7をエンジン駆動圧縮機6に併設してアイドリングストップ中にモータ駆動圧縮機7を使用することにより、車室内を常に快適な温度に維持することができる。
【0072】
次に、図6を参照しながら、第2実施の形態における空調装置1の動作を説明する。図6は、本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【0073】
この空調装置1では、まず、アクセル開度検知センサ23(図5参照)によってアクセルがOFFであるか否かを判断する(ステップS31)。そして、アクセルがONしているとき(NO)は、走行中と判断してスタートの状態に戻ってアクセルの作動状態を監視する。アクセルがOFFであるとき(YES)は、ステップS32に進む。
【0074】
ステップS32では、ブレーキスイッチがONされたか否かを判断する。そして、ブレーキスイッチがOFFのとき(NO)は、車両が走行中と判断してスタートの状態に戻ってアクセル(ステップS31)の作動状態を監視する。ブレーキスイッチがONであるとき(YES)は、車両が停止状態、または低速状態であるとみなして、ステップS33に進む。
【0075】
ステップS33では、制御装置4またはバッテリ18等によってアイドリングストップが可能であるか否かを判断する。そして、アイドリングストップが不可能な状態のとき(NO)は、スタートの状態に戻ってアクセル(ステップS31)およびブレーキスイッチ(ステップS32)の作動状態の監視を続ける。アイドリングストップが可能なとき(YES)は、ステップS34に進む。
【0076】
ステップS34では、モータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしているか否かを判断する。
モータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしているとき(YES)は、そのままアイドリングストップを開始してモータ駆動圧縮機7のみをONさせて(ステップS36)、終了する。このようにして、アイドリングストップ開始前には、エンジン駆動圧縮機6を使用しないでモータ駆動圧縮機7のみを使用することによって、省電力モードの状態で車室内の温度を快適な温度に保つことができる。アイドリングストップ中には、モータ駆動圧縮機7を作動させることにより空調装置1の駆動を維持して、車室内の気温を快適に保持することができる。
また、ステップS34でモータ駆動圧縮機7がONして、エンジン駆動圧縮機6がOFFしていないとき(NO)、つまり、モータ駆動圧縮機7がOFFしてエンジン駆動圧縮機6がOFFしているときは、モータ駆動圧縮機7等に異常が発生したと判断して、ステップS35に進む。
ステップS35では、エンジン駆動圧縮機6を作動させるためにアイドルリングストップを禁止して、エンジン2を駆動させるとともに、エンジン駆動圧縮機6のOFFを禁止して、ステップS36に進む。
ステップS36では、エンジン駆動圧縮機6をONして、このエンジン駆動圧縮機6のみで空調装置1を稼動させて、終了する。
【0077】
このように本発明の第2実施の形態は、アイドリングストップの機能を備えた車両に空調装置1を設置したことにより、エンジン2が作動しているときにはエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7を併用してエンジン駆動圧縮機6の負担を低減させるとともに、アイドリングストップ中にはモータ駆動圧縮機7を作動させることにより空調装置1が停止することを防止して、車室内の気温を快適にすることができる。
【0078】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、第1駆動源(エンジン)によって駆動される第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)と第2駆動源(モータ)によって駆動される第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)を適宜に作動させることにより、冷房能力の不足を防止するとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の容量を小さくすることを可能にする。これにより、車両用空調装置は、車室内の快適性を損なうことなく第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の省動力化を図ることができるとともに、第1圧縮機(エンジン駆動圧縮機)の小型化および第1駆動源(エンジン)の負担の低減を図ることができる。
また、車両用空調装置は、蒸発器の温度が目標温度より低いとき、第2駆動源(モータ)の出力を低減することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図るとともに、車室内の温度を快適な温度に保つことができる。
【0080】
本発明の請求項2に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、前記温度が目標温度より高いとき、第2駆動源(モータ)の出力を増加させて第2圧縮機(モータ駆動圧縮機)も併用して車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【0081】
本発明の請求項3に記載の車両用空調装置によれば、車両用空調装置は、第2駆動源(モータ)の出力を低減するとき、第2駆動源(モータ)の出力が0になるようにその出力の目標値を変更することにより、第2駆動源(モータ)の省動力化を図り、車室内の温度を素早く快適な温度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置を示す概略図である。
【図2】図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置を示す図で、空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係る車両用空調装置のフローチャートである。
【符号の説明】
1 空調装置
2 エンジン(第1駆動源)
3 モータ(第2駆動源)
4 制御装置
5 ハイブリッド型コンプレッサ
6 エンジン駆動圧縮機(第1圧縮機)
7 モータ駆動圧縮機(第2圧縮機)
12 蒸発器
12b 蒸発器の空気温度センサ(温度検出手段)
41b 目標温度算出部(目標温度算出手段)
A 冷凍サイクル装置
Claims (3)
- 第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、
前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、
前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より低いときには、前記第2駆動源の出力を低減することを特徴とする車両用空調装置。 - 第1駆動源で駆動される第1圧縮機と、第2駆動源で駆動される第2圧縮機とを備えた空調装置であって、
前記空調装置は、冷媒を気化して冷却する蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、所定の条件により前記蒸発器の目標温度を算出する目標温度算出手段と、を有するとともに、
前記温度検出手段で検出した温度と前記目標温度算出手段で算出した目標温度とを比較して前記温度検出手段で検出した温度が前記目標温度より高いときには、前記第2駆動源の出力を増加させることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記空調装置は、前記第2駆動源の出力を低減するとき、出力が0になるように前記第2駆動源の出力の目標値を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003144038A JP2004345480A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003144038A JP2004345480A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004345480A true JP2004345480A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33531633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003144038A Pending JP2004345480A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004345480A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005078362A1 (ja) * | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Sanden Corporation | 空調装置 |
| CN109689404A (zh) * | 2016-09-07 | 2019-04-26 | 株式会社电装 | 车辆用空调装置 |
-
2003
- 2003-05-21 JP JP2003144038A patent/JP2004345480A/ja active Pending
Cited By (2)
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|---|---|---|---|---|
| WO2005078362A1 (ja) * | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Sanden Corporation | 空調装置 |
| CN109689404A (zh) * | 2016-09-07 | 2019-04-26 | 株式会社电装 | 车辆用空调装置 |
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