JP2004344731A - 水素透過膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素透過膜全体の性能低下を伴うことなく、水素透過性を有する金属層間で拡散が生じるのを抑える。
【解決手段】水素透過膜10は、パラジウム含有金属で形成された金属被覆層12と、バナジウム,ニオブ,タンタルの少なくとも一種の金属を含む金属ベース層14と、を備えている。金属ベース層14では、金属被覆層12との接触面近傍領域に大粒径層16が形成されており、上記接触面からより離れた領域に小粒径層18が形成されている。大粒径層16は、小粒径層18に比べて、金属結晶粒径が、より大きく形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】水素透過膜10は、パラジウム含有金属で形成された金属被覆層12と、バナジウム,ニオブ,タンタルの少なくとも一種の金属を含む金属ベース層14と、を備えている。金属ベース層14では、金属被覆層12との接触面近傍領域に大粒径層16が形成されており、上記接触面からより離れた領域に小粒径層18が形成されている。大粒径層16は、小粒径層18に比べて、金属結晶粒径が、より大きく形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水素を選択的に透過する水素透過膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素含有ガスから水素を抽出するために、従来、パラジウム(Pd)等の水素透過性金属を含む層を備える水素透過膜が用いられてきた。特許文献1では、バナジウム(V)等から成る水素透過性ベース金属層の両面に、水素透過性中間層を介して、Pd等を含有する水素透過性被覆金属層を設けた5層構造の水素透過膜が開示されている。特許文献1に開示された水素透過膜では、水素透過性中間層を設けることによって、被覆金属がベース金属層に拡散して水素透過性が低下してしまうのを防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185277号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記水素透過性中間層は、無機酸化物や無機窒化物によって形成されており、被覆金属やベース金属に比べて水素透過性や水素選択性が低いため、水素透過膜全体の性能が不十分となる可能性があった。また、水素透過性中間層を構成する材料と、被覆金属やベース金属との熱膨張係数の差が大きいために、水素透過膜を備える装置の起動停止時等に、熱膨張係数の差に起因する構造的な損傷が生じて耐久性が損なわれる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、水素透過膜全体の性能低下を伴うことなく、水素透過性を有する金属層間で拡散が生じるのを抑え、水素透過膜の耐久性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属ベース層と、
前記金属ベース層の少なくとも一方の面上に接触して形成され、パラジウム(Pd)を含む金属被覆層と
を備え、
前記金属ベース層と前記金属被覆層の少なくとも一方の層において、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されていることを要旨とする。
【0007】
以上のように構成された本発明の水素透過膜によれば、金属ベース層と金属被覆層の少なくとも一方の層において、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、この表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されているため、金属ベース層と金属被覆層との間における金属拡散を抑えることができる。そのため、金属拡散が進行することに起因する水素透過膜の性能低下を防止することができる。また、本発明によれば、金属層内の金属結晶粒径を変化させて金属拡散を抑えており、異種材料から成る層を設ける必要がないため、水素透過性能の低下や耐久性の低下を引き起こすことがない。
【0008】
本発明の水素透過膜において、
互いに接する前記金属ベース層と前記金属被覆層との双方で、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されていることとしても良い。
【0009】
このような構成とすれば、金属ベース層と金属被覆層との間で金属相互拡散が進行するのを、より効果的に防止することができる。
【0010】
また、本発明の水素透過膜において、前記金属ベース層の両方の面上に、前記金属被覆層が形成されていることとしても良い。
【0011】
金属ベース層の両方の面上に金属被覆層を形成することで、水素抽出効率の高い水素透過膜を得ることができ、このような水素抽出効率の高い水素透過膜において、金属拡散が進行するのを効果的に抑えることができる。
【0012】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、水素透過膜の製造方法や、水素透過膜を利用した水素分離装置、あるいは水素透過膜を利用した燃料電池などの形態で実現することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.水素透過膜10の構成:
B.水素透過膜10の製造方法:
C.効果:
D.水素透過膜10の変形例:
E.水素透過膜を備える水素抽出装置:
F.水素透過膜を備える燃料電池:
【0014】
A.水素透過膜10の構成:
図1は、本発明の実施の形態としての水素透過膜10の構成の概略を現わす説明図である。図1では、水素透過膜10の断面の様子を表わしている。水素透過膜10は、金属ベース層14と金属被覆層12とを備えている。
【0015】
金属被覆層12は、パラジウム(Pd)、あるいはパラジウム合金等、Pdを含む金属によって形成されている。
【0016】
金属ベース層14は、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属によって形成されている。この金属ベース層14は、大粒径層16と小粒径層18とを備えている。金属被覆層12との接触面側に形成される大粒径層16は、金属被覆層12との接触面からより離れた領域にある小粒径層18に比べて、金属結晶の粒径(平均粒径)がより大きく形成されている。図1では、各層で金属結晶の粒径が異なっている様子を模式的に表わしている。
【0017】
水素が水素透過膜10を透過する際には、水素原子の状態で透過すると考えられている。すなわち、水素透過膜10の金属被覆層12上に水素含有ガスを供給すると、水素含有ガス中の水素分子は、金属被覆層12において2つの水素原子に解離し、解離した水素原子が、金属被覆層12および金属ベース層14の内部を透過すると考えられている。
【0018】
B.水素透過膜10の製造方法:
図2は、水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。水素透過膜10を製造する際には、まず、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属によって形成される水素透過性金属膜を作製する(ステップS100)。水素透過性金属膜は、例えば、冷間圧延によって作製すればよい。冷間圧延とは、常温などの低い温度で行なう圧延処理であり、これにより、小粒径層18に対応する金属結晶の粒径が比較的小さい金属膜を形成することができる。ステップS100で形成する水素透過性金属膜の厚みは、例えば、25〜150μmとすることができる。
【0019】
次に、ステップS100で作製した水素透過性金属膜において、その一方の面側の金属結晶粒径をより大きくする加工を行なう(ステップS110)。具体的には、水素透過性金属膜の粒径を大きくすべき面に対してレーザ照射を行なうことで(いわゆるレーザアニーリングによって)表面近傍の表層領域のみを局所的に加熱し、金属結晶粒径を大きくすることができる。なお、水素透過性金属膜の一方の金属結晶粒径を大きくする加工は、レーザアニーリングに限るものではなく、結晶粒が成長可能な温度にまで表面近傍のみ局所的に加熱可能であればよい。金属は、溶融温度よりも低い所定の温度範囲に加熱することで、内部で単結晶化を進行させて金属結晶粒径を大きくすることができる。例えば、水素透過性金属膜の金属結晶粒径を大きくしたい面を、瞬間的に発熱体に触れさせることとしても良い。金属結晶粒径を大きくする処理を施すことによって、処理された面の近傍は大粒径層16となって、水素透過性金属膜は、大粒径層16と小粒径層18とを備える金属ベース層14となる。なお、ステップS110で形成する大粒径層16は、例えば、数μm〜数十μmとすることができる。
【0020】
ステップS110で金属結晶粒径を大きくする加工を行なった後は、この加工を行なった面上に、金属被覆層12となるPd含有層を形成して(ステップS120)、水素透過膜10を完成する。Pd含有層は、例えば、無電解メッキや電解メッキ等のメッキ処理、あるいはPVD法やCVD法によって形成することができる。ステップS120で形成するPd層の厚みは、例えば、0.1〜1μmとすることができる。
【0021】
C.効果:
以上のように構成された本実施の形態の水素透過膜10によれば、金属ベース層14において、金属被覆層12との接触面近傍に、金属結晶粒径がより大きい層を設けているため、金属ベース層14と金属被覆層12との間における金属拡散を抑えることができる。そのため、金属拡散が進行することに起因する水素透過膜の性能低下を防止することができる。
【0022】
金属層内での異種金属の拡散は、金属結晶の粒界に沿って行なわれる割合が高いとされている。そのため、金属被覆層12との接触面近傍に、粒界密度が低い大粒径層16を設けることで、金属被覆層12を構成する金属が金属ベース層14内に拡散するのを抑えることができると考えられる。
【0023】
なお、異種金属だけでなく、水素透過性金属内部を水素が透過する際にも、金属結晶粒界に沿った透過の割合が高いと考えられ、金属結晶粒径が小さいほど水素透過性能は向上する。また、一般に金属結晶粒径が小さいほど、金属層の強度は向上する。本実施の形態の水素透過膜10では、表面の限られた領域のみに大粒径層16を設けているため、水素透過膜10全体として、水素透過性能や強度の低下を抑えることができる。
【0024】
さらに、水素透過膜10では、含有金属が同じである均質な金属層内で金属結晶粒径を変化させることによって金属拡散を防止しているため、他種の材料から成る層を介在させて金属拡散を抑える場合と異なり、水素抽出効率の低下を防止することができる。また、他種の材料から成る層を介在させて金属拡散を防止する場合のように、各部材の熱膨張係数の差に起因して構造的な損傷が生じる可能性が無い。さらに、他種の材料から成る層を別途形成する場合に比べて、製造工程を簡素化することができる。
【0025】
また、一般に、金属拡散は温度が高いほど起こりやすいが、本実施の形態のように大粒径層16を設けて金属拡散を防止することにより、より高い温度で水素透過膜10を使用することが可能となる。水素透過膜10には、より高い水素透過性が発揮される望ましい温度範囲があり、このような温度範囲よりも温度が低くなるほど水素透過性能が低下する。例えばPdにおいて充分な水素透過性を実現するには、300℃以上に昇温させて用いることが望ましい。本実施の形態の水素透過膜10によれば、金属拡散を抑えつつ、より水素透過性が高くなる温度範囲で水素透過膜10を用いることが可能となる。また、より高い温度で水素透過膜10を用いることができることにより、水素透過膜10の動作温度範囲が広がるため、温度変動による影響を受けにくくなり、温度変動しても安定して水素透過を行なうことが可能となる。
【0026】
D.水素透過膜10の変形例:
(D−1)水素透過膜110:
図3は、水素透過膜10の変形例である水素透過膜110の構成を模式的に表わす説明図である。図3も図1と同様に水素透過膜の断面の様子を表わしており、図1と共通する構成要素には同じ参照番号を付している。
【0027】
図3の水素透過膜110は、金属ベース層14に代えて金属ベース層114を備えている。この金属ベース層114は、金属ベース層14と同様に、V、Nb、Taの少なくとも一種の金属を含む金属によって形成されている。この金属ベース層114の中程には小粒径層18が形成されており、小粒径層18を挟んで、両側の表面近傍には大粒径層16が形成されている。また、金属ベース層114の2つの表面上、すなわち2つの大粒径層16上には、それぞれ金属被覆層12が形成されている。
【0028】
水素透過膜110に水素を透過させる際に、水素透過膜110の一方の金属被覆層12上に水素含有ガスを供給すると、水素含有ガス中の水素分子は、この金属被覆層12において2つの水素原子に解離し、解離した水素原子が、金属被覆層12および金属ベース層14の内部を透過する。そして、他方の金属被覆層12に到達した水素原子は、2つずつ結合して水素分子となり、水素透過膜110内から放出される。このようにして、水素透過膜110によって水素の抽出が行なわれると考えられている。
【0029】
水素透過膜110を製造する際には、図2と同様の製造工程において、ステップS110に対応する工程で、水素透過性金属膜の両面に対して金属粒径を大型化するための処理を行なえばよい。そして、ステップS120において、水素透過性金属膜の両面上にPd含有層を形成すればよい。
【0030】
このような水素透過膜110によれば、金属ベース層114において、金属被覆層12との接触面近傍に大粒径層16を設けているため、水素透過膜10と同様の効果を奏することができる。
【0031】
(D−2)水素透過膜210:
図4は、水素透過膜10の変形例である水素透過膜210の構成を模式的に表わす説明図である。図4も図1と同様に水素透過膜の断面の様子を表わしており、図1と共通する構成要素には同じ参照番号を付している。
【0032】
図4の水素透過膜210は、金属被覆層12に代えて金属被覆層212を備えている。この金属被覆層212は、金属被覆層12と同様に、Pdを含む金属によって形成されている。金属被覆層212においては、金属ベース層14との接触面側に大粒径層216が形成されており、接触面と離れた側には小粒径層218が形成されている。
【0033】
水素透過膜210を製造する際には、図2と同様の製造工程において、ステップS120に対応する工程で、金属結晶粒径の異なるPd含有層を順次形成すればよい。具体的には、例えば、金属ベース層14上に薄いPd含有層をメッキ処理などにより形成し、この薄いPd含有層を加熱して、金属結晶粒径を大型化させる。そして、この粒径を大型化させたPd含有層上に、さらにPd含有層をメッキ処理などにより形成して、全体として金属被覆層212とすれば良い。
【0034】
このような水素透過膜210によれば、金属被覆層212において、金属ベース層14との接触面近傍に大粒径層216を設けているため、金属ベース層14から金属被覆層212への金属拡散を抑制することができる。したがって、水素透過膜10と同様に、金属拡散を抑制することによる効果を得ることができる。
【0035】
ここで、水素透過膜210では、大粒径層16と小粒径層18とを備える金属ベース層14を用いているため、金属被覆層212から金属ベース層14への金属拡散も抑制されている。このように、金属ベース層と金属被覆層との両方において、接触面の近傍に大粒径層を設けることで、水素透過膜全体として金属拡散を抑える効果をより高めることができる。なお、金属ベース層14に代えて、粒径が均一な層から成る金属ベース層を用いても良く、このような場合にも、大粒径層216と小粒径層218とを備える金属被覆層212を形成することによって、金属拡散を抑制する効果を得ることができる。また、水素透過膜110のように、金属ベース層の両方の表面上に金属被覆層を設ける場合には、両方の金属被覆層において接触面近傍に大粒径層を形成することが望ましい。
【0036】
また、既述した本発明の実施の形態では、一旦形成した金属層を加熱することにより大粒径層を形成したが、粒径のより大きい層とより小さい層とを形成することができれば、加熱以外の異なる方法で大粒径層および小粒径層を形成することとしても良い。
【0037】
E.水素透過膜を備える水素抽出装置:
既述した本発明の実施の形態としての水素透過膜を用いて、水素抽出装置を形成することができる。一例を図5に示す。図5は、水素透過膜110を備える水素抽出装置20の構成の概略を示す説明図である。水素抽出装置20では、水素透過膜110の一方の面側に水素含有ガス部22が設けられており、他方の面側に抽出水素部24が設けられている。これら水素含有ガス部22および抽出水素部24は、ガスが通過可能な空間として形成されている。
【0038】
水素含有ガス部22には、外部から水素含有ガスが供給される。供給された水素含有ガスが水素含有ガス部22内を通過する際には、水素含有ガスから、水素透過膜110によって抽出水素部24側へと水素の抽出が行なわれる。水素が抽出された残りのガス(不透過ガス)は、水素含有ガス部22から外部へと排出される。
【0039】
抽出水素部24には、外部から所定のパージガスが供給される。このパージガスは、充分に水素濃度が低いガスであり、このようなパージガスを供給することで、透過した抽出水素の外部への排出を促している。
【0040】
水素抽出装置20を用いて抽出した水素は、所定の水素消費装置で利用することが可能となる。例えば、抽出した水素を、燃料電池のアノードに対して燃料ガスとして供給することとができる。
【0041】
以上のように構成された水素抽出装置20によれば、金属ベース層114と金属被覆層12との間の金属拡散が抑制された水素透過膜110を用いているため、金属拡散に起因する水素抽出効率の低下を抑えることができる。また、水素抽出装置20の運転温度をより高く設定することが可能となるため、水素抽出の効率を向上させることができる。特に、水素含有ガスが一酸化炭素(CO)を含む場合には、温度が低いほど水素透過膜はCO被毒を受けやすくなるが、運転温度をより高く設定することにより、水素含有ガスがCOを含む場合にも、水素透過膜のCO被毒を抑えることができる。
【0042】
なお、図5の水素抽出装置20は水素透過膜110を備えることとしたが、既述した本発明の実施の形態としての他の水素透過膜も同様に用いることができる。金属被覆層側にも大粒径層を設ける、あるいは金属被覆層側だけに大粒径層を設けるなど、異なる構成の水素透過膜を用いても、同様の効果を得ることができる。
【0043】
水素抽出装置20では、抽出水素部24側にパージガスを供給しているが、このようなパージガスの供給は行なわないこととしても良い。ただし、パージガスを供給することで、抽出水素部24側の水素濃度を低く保つことができ、水素抽出の効率を向上させることができる。水素抽出を促すために用いるパージガスは、水蒸気や窒素ガスなどを用いることができ、水素の供給を受ける水素消費装置に応じて適宜選択すれば良い。
【0044】
水素抽出装置20の形状は、種々の変形が可能である。さらに、水素含有ガス部22内に改質触媒を配設し、水素含有ガス部22に対して改質反応に供する燃料を供給して、改質反応で生じた水素を水素透過膜を用いて抽出することとしても良い。
【0045】
F.水素透過膜を備える燃料電池:
既述した本発明の実施の形態としての水素透過膜を用いて、燃料電池を形成することができる。一例を図6に示す。図6は、水素透過膜10を備える燃料電池30の構成を模式的に表わす説明図である。燃料電池30は、電解質層32と、水素透過膜10と、セパレータ36,37とを備えている。
【0046】
電解質層32は、プロトン伝導性を有する電解質により形成されている。例えばナフィオン(登録商標)膜などの固体高分子電解質や、BaCeO3、SrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体である固体電解質により形成することができる。
【0047】
水素透過膜10は、電解質層32の一方の面上において、金属ベース層14が電解質層32と接するように配設されている。
【0048】
セパレータ36,37は、電解質層32と水素透過膜10とを積層した構造を、両側から挟持している。水素透過膜10の金属被覆層12側と接するセパレータ36は、金属被覆層12と接する側の表面に、酸化ガスが通過する流路を形成するための凹凸形状を有している。同様に、電解質層32と接するセパレータ37は、電解質層32と接する側の表面に、燃料ガスが通過する流路を形成するための凹凸形状を有している。これらセパレータ36,37は、電子伝導性とガス不透過性を有する材料によって形成することができ、例えば金属材料や炭素材料によって形成することができる。
【0049】
なお、図6では記載を省略したが、燃料電池30には、必要に応じてさらに触媒を設けることとすればよい。例えば、水素透過膜10とセパレータ36との間や、電解質層32とセパレータ37との間などに、触媒層を設ければよい。あるいは、水素透過膜10と電解質層32との間に触媒層を設けても良い。触媒としては、例えば白金(Pt)系の貴金属触媒(白金、ロジウム、ルテニウム白金系貴金属を含む触媒)を用いることができる
【0050】
以上のように構成された燃料電池30によれば、金属ベース層14と金属被覆層12との間の金属拡散が抑制された水素透過膜10を用いているため、金属拡散に起因する水素透過性能の低下を抑えることができる。したがって、電池性能の低下を抑えることができる。また、燃料電池30の運転温度をより高く設定することが可能となるため、発電効率を向上させることができる。
【0051】
なお、図6では電解質層32のカソード側表面上に水素透過膜10を配設したが、水素透過膜10を、電解質層32のアノード側表面上に配設しても良い。この場合には、金属被覆層12がセパレータ37と接するように配置すればよい。あるいは、電解質層32のアノード側表面とカソード側表面の両方に、それぞれ水素透過膜10を配設することとしても良い。
【0052】
また、電解質層32の2つの表面の内、一方には水素透過膜10を配設し、他方には金属被覆層12と同様のPd含有層を設けることとしても良い。V、Nb、Ta等の5族元素は、Pdに比べて水素透過性能に優れるものの、水素透過膜表面で水素分子を水素原子に分離する活性がPdよりも劣る。そのため、V、Nb、Taの少なくとも一種の金属を含む金属ベース層上にPd含有層を設けて水素透過膜を形成することは、水素透過膜全体の性能を向上させることができて望ましい。このような水素透過膜を、電解質層32の少なくともいずれかの面上に形成することで、水素透過膜における金属拡散を防止して既述した効果を得ることができる。
【0053】
電解質層32を固体高分子電解質で形成する場合には、電解質層32の両側に水素透過膜10を配設する、あるいは一方だけに配設する場合には他方にもPd含有膜などの緻密膜を配設することとすれば、固体高分子電解質の乾燥を防ぐという効果も得られる。したがって、燃料電池の運転温度を上昇させても、固体高分子の乾燥に起因して電池性能が低下してしまうことがない。
【0054】
また、電解質層32を固体電解質で形成する場合には、電解質層32の少なくとも一方の面側に設けた水素透過膜10によって固体電解質を支持することで、電解質層32をより薄型化しても電解質膜の強度を維持することが可能となる。固体電解質を薄型化することで、電解質層32におけるプロトン伝導効率を向上させることができ、電池性能を向上させることができる。
【0055】
上記した説明では、水素透過膜10を用いたが、本発明の実施の形態の他の水素透過膜を同様に用いることとしても良い。また、図6には単セルの様子が示されているが、燃料電池は、必要に応じて複数の単セルを積層してスタック構造を形成することとすればよい。
【0056】
【実施例】
実施例の水素透過膜および比較例の水素透過膜を作製し、水素透過性能が低下する様子を比較した。作製した実施例および比較例の水素透過膜の構成を、図7にまとめて示す。なお、実施例および比較例の水素透過膜は、水素透過膜110と同様に、金属ベース層の2つの表面それぞれの近傍において大粒径層を備えると共に、金属ベース層の両面上に金属被覆層を備えている。
【0057】
図7に示すように実施例と比較例の水素透過膜は、いずれも、金属ベース層をバナジウム(V)によって形成した。これらの金属ベース層は、冷間圧延により、厚さが125μmとなるように形成した。実施例の水素透過膜のみ、金属ベース層の両方の表面近傍の領域に大粒径層を形成した。大粒径層は、V箔の表面にレーザ照射することにより形成した。
【0058】
実施例の金属ベース層で、大粒径層(表層部)と小粒径層(中心部)のそれぞれにおいて金属結晶粒径を測定した。金属結晶粒径は、金属ベース層に対してエッチング処理を施した後に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより測定した。大粒径層における平均粒径(表層平均粒径)と小粒径層における平均粒径(中心部平均粒径)を、図7に示す。また、比較例の水素透過膜の金属ベース層(V箔)における平均粒径(全体平均粒径)を測定した結果を、図7に併せて示す。表層平均粒径は22.3±1.8μm、中心部平均粒径は15.4±1.5μm、全体平均粒径は15.5±1.7μmであった。なお、「±」の後の値は、粒径のばらつきを表わしている。
【0059】
上記金属ベース層を形成すると、その表面を研磨して酸化層を取り除いた後に、金属ベース層上にメッキ処理によって金属被覆層をさらに形成した。図7に示すように、実施例と比較例の水素透過膜のいずれにおいても、金属被覆層はパラジウム(Pd)によって形成しており、その厚さは0.8μmとした。
【0060】
上記のように作製した実施例および比較例の水素透過膜を用いて、図5と同様の水素抽出装置を作製し、水素透過率を調べた。水素抽出を行なった際の条件を以下に示す。
【0061】
(1)水素含有ガス:
H2ガス;
流量 1NL/min:
(2)パージガス:
N2ガス;
流量 1NL/min:
(3)水素抽出装置の温度は500℃;
なお、上記流量単位NL/minは、気体の体積を標準状態(0℃、1atm)での体積に換算して表わしたものである。
【0062】
パージガス側に抽出された水素量を測定し、水素透過率を算出した。実施例と比較例のそれぞれについて、水素透過の動作を開始した直後(初期)と、1.5時間経過後とにおいて、水素透過率を求めた結果を図8に示す。図8では、比較例の水素透過膜の初期における水素透過率を100として、各々の水素透過率を相対的な値で表わした結果を示している。
【0063】
図8に示すように、初期の値は、実施例と比較例の水素透過膜は共にほぼ同程度の水素透過率を示した。1.5時間経過後には、実施例の水素透過膜では値90までの低下であったのに対し、比較例の水素透過膜では値77にまで水素透過率が低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての水素透過膜10の構成の概略を現わす説明図である。
【図2】水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。
【図3】水素透過膜110の構成を模式的に表わす説明図である。
【図4】水素透過膜210の構成を模式的に表わす説明図である。
【図5】水素抽出装置20の構成の概略を示す説明図である。
【図6】燃料電池30の構成を模式的に表わす説明図である。
【図7】実施例および比較例の水素透過膜の構成を示す説明図である。
【図8】水素透過性能が低下する様子を比較した説明図である。
【符号の説明】
10,110,210…水素透過膜
12,212…金属被覆層
14,114…金属ベース層
16,216…大粒径層
18,218…小粒径層
20…水素抽出装置
22…水素含有ガス部
24…抽出水素部
30…燃料電池
32…電解質層
36,37…セパレータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、水素を選択的に透過する水素透過膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素含有ガスから水素を抽出するために、従来、パラジウム(Pd)等の水素透過性金属を含む層を備える水素透過膜が用いられてきた。特許文献1では、バナジウム(V)等から成る水素透過性ベース金属層の両面に、水素透過性中間層を介して、Pd等を含有する水素透過性被覆金属層を設けた5層構造の水素透過膜が開示されている。特許文献1に開示された水素透過膜では、水素透過性中間層を設けることによって、被覆金属がベース金属層に拡散して水素透過性が低下してしまうのを防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185277号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記水素透過性中間層は、無機酸化物や無機窒化物によって形成されており、被覆金属やベース金属に比べて水素透過性や水素選択性が低いため、水素透過膜全体の性能が不十分となる可能性があった。また、水素透過性中間層を構成する材料と、被覆金属やベース金属との熱膨張係数の差が大きいために、水素透過膜を備える装置の起動停止時等に、熱膨張係数の差に起因する構造的な損傷が生じて耐久性が損なわれる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、水素透過膜全体の性能低下を伴うことなく、水素透過性を有する金属層間で拡散が生じるのを抑え、水素透過膜の耐久性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属ベース層と、
前記金属ベース層の少なくとも一方の面上に接触して形成され、パラジウム(Pd)を含む金属被覆層と
を備え、
前記金属ベース層と前記金属被覆層の少なくとも一方の層において、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されていることを要旨とする。
【0007】
以上のように構成された本発明の水素透過膜によれば、金属ベース層と金属被覆層の少なくとも一方の層において、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、この表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されているため、金属ベース層と金属被覆層との間における金属拡散を抑えることができる。そのため、金属拡散が進行することに起因する水素透過膜の性能低下を防止することができる。また、本発明によれば、金属層内の金属結晶粒径を変化させて金属拡散を抑えており、異種材料から成る層を設ける必要がないため、水素透過性能の低下や耐久性の低下を引き起こすことがない。
【0008】
本発明の水素透過膜において、
互いに接する前記金属ベース層と前記金属被覆層との双方で、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されていることとしても良い。
【0009】
このような構成とすれば、金属ベース層と金属被覆層との間で金属相互拡散が進行するのを、より効果的に防止することができる。
【0010】
また、本発明の水素透過膜において、前記金属ベース層の両方の面上に、前記金属被覆層が形成されていることとしても良い。
【0011】
金属ベース層の両方の面上に金属被覆層を形成することで、水素抽出効率の高い水素透過膜を得ることができ、このような水素抽出効率の高い水素透過膜において、金属拡散が進行するのを効果的に抑えることができる。
【0012】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、水素透過膜の製造方法や、水素透過膜を利用した水素分離装置、あるいは水素透過膜を利用した燃料電池などの形態で実現することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.水素透過膜10の構成:
B.水素透過膜10の製造方法:
C.効果:
D.水素透過膜10の変形例:
E.水素透過膜を備える水素抽出装置:
F.水素透過膜を備える燃料電池:
【0014】
A.水素透過膜10の構成:
図1は、本発明の実施の形態としての水素透過膜10の構成の概略を現わす説明図である。図1では、水素透過膜10の断面の様子を表わしている。水素透過膜10は、金属ベース層14と金属被覆層12とを備えている。
【0015】
金属被覆層12は、パラジウム(Pd)、あるいはパラジウム合金等、Pdを含む金属によって形成されている。
【0016】
金属ベース層14は、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属によって形成されている。この金属ベース層14は、大粒径層16と小粒径層18とを備えている。金属被覆層12との接触面側に形成される大粒径層16は、金属被覆層12との接触面からより離れた領域にある小粒径層18に比べて、金属結晶の粒径(平均粒径)がより大きく形成されている。図1では、各層で金属結晶の粒径が異なっている様子を模式的に表わしている。
【0017】
水素が水素透過膜10を透過する際には、水素原子の状態で透過すると考えられている。すなわち、水素透過膜10の金属被覆層12上に水素含有ガスを供給すると、水素含有ガス中の水素分子は、金属被覆層12において2つの水素原子に解離し、解離した水素原子が、金属被覆層12および金属ベース層14の内部を透過すると考えられている。
【0018】
B.水素透過膜10の製造方法:
図2は、水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。水素透過膜10を製造する際には、まず、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属によって形成される水素透過性金属膜を作製する(ステップS100)。水素透過性金属膜は、例えば、冷間圧延によって作製すればよい。冷間圧延とは、常温などの低い温度で行なう圧延処理であり、これにより、小粒径層18に対応する金属結晶の粒径が比較的小さい金属膜を形成することができる。ステップS100で形成する水素透過性金属膜の厚みは、例えば、25〜150μmとすることができる。
【0019】
次に、ステップS100で作製した水素透過性金属膜において、その一方の面側の金属結晶粒径をより大きくする加工を行なう(ステップS110)。具体的には、水素透過性金属膜の粒径を大きくすべき面に対してレーザ照射を行なうことで(いわゆるレーザアニーリングによって)表面近傍の表層領域のみを局所的に加熱し、金属結晶粒径を大きくすることができる。なお、水素透過性金属膜の一方の金属結晶粒径を大きくする加工は、レーザアニーリングに限るものではなく、結晶粒が成長可能な温度にまで表面近傍のみ局所的に加熱可能であればよい。金属は、溶融温度よりも低い所定の温度範囲に加熱することで、内部で単結晶化を進行させて金属結晶粒径を大きくすることができる。例えば、水素透過性金属膜の金属結晶粒径を大きくしたい面を、瞬間的に発熱体に触れさせることとしても良い。金属結晶粒径を大きくする処理を施すことによって、処理された面の近傍は大粒径層16となって、水素透過性金属膜は、大粒径層16と小粒径層18とを備える金属ベース層14となる。なお、ステップS110で形成する大粒径層16は、例えば、数μm〜数十μmとすることができる。
【0020】
ステップS110で金属結晶粒径を大きくする加工を行なった後は、この加工を行なった面上に、金属被覆層12となるPd含有層を形成して(ステップS120)、水素透過膜10を完成する。Pd含有層は、例えば、無電解メッキや電解メッキ等のメッキ処理、あるいはPVD法やCVD法によって形成することができる。ステップS120で形成するPd層の厚みは、例えば、0.1〜1μmとすることができる。
【0021】
C.効果:
以上のように構成された本実施の形態の水素透過膜10によれば、金属ベース層14において、金属被覆層12との接触面近傍に、金属結晶粒径がより大きい層を設けているため、金属ベース層14と金属被覆層12との間における金属拡散を抑えることができる。そのため、金属拡散が進行することに起因する水素透過膜の性能低下を防止することができる。
【0022】
金属層内での異種金属の拡散は、金属結晶の粒界に沿って行なわれる割合が高いとされている。そのため、金属被覆層12との接触面近傍に、粒界密度が低い大粒径層16を設けることで、金属被覆層12を構成する金属が金属ベース層14内に拡散するのを抑えることができると考えられる。
【0023】
なお、異種金属だけでなく、水素透過性金属内部を水素が透過する際にも、金属結晶粒界に沿った透過の割合が高いと考えられ、金属結晶粒径が小さいほど水素透過性能は向上する。また、一般に金属結晶粒径が小さいほど、金属層の強度は向上する。本実施の形態の水素透過膜10では、表面の限られた領域のみに大粒径層16を設けているため、水素透過膜10全体として、水素透過性能や強度の低下を抑えることができる。
【0024】
さらに、水素透過膜10では、含有金属が同じである均質な金属層内で金属結晶粒径を変化させることによって金属拡散を防止しているため、他種の材料から成る層を介在させて金属拡散を抑える場合と異なり、水素抽出効率の低下を防止することができる。また、他種の材料から成る層を介在させて金属拡散を防止する場合のように、各部材の熱膨張係数の差に起因して構造的な損傷が生じる可能性が無い。さらに、他種の材料から成る層を別途形成する場合に比べて、製造工程を簡素化することができる。
【0025】
また、一般に、金属拡散は温度が高いほど起こりやすいが、本実施の形態のように大粒径層16を設けて金属拡散を防止することにより、より高い温度で水素透過膜10を使用することが可能となる。水素透過膜10には、より高い水素透過性が発揮される望ましい温度範囲があり、このような温度範囲よりも温度が低くなるほど水素透過性能が低下する。例えばPdにおいて充分な水素透過性を実現するには、300℃以上に昇温させて用いることが望ましい。本実施の形態の水素透過膜10によれば、金属拡散を抑えつつ、より水素透過性が高くなる温度範囲で水素透過膜10を用いることが可能となる。また、より高い温度で水素透過膜10を用いることができることにより、水素透過膜10の動作温度範囲が広がるため、温度変動による影響を受けにくくなり、温度変動しても安定して水素透過を行なうことが可能となる。
【0026】
D.水素透過膜10の変形例:
(D−1)水素透過膜110:
図3は、水素透過膜10の変形例である水素透過膜110の構成を模式的に表わす説明図である。図3も図1と同様に水素透過膜の断面の様子を表わしており、図1と共通する構成要素には同じ参照番号を付している。
【0027】
図3の水素透過膜110は、金属ベース層14に代えて金属ベース層114を備えている。この金属ベース層114は、金属ベース層14と同様に、V、Nb、Taの少なくとも一種の金属を含む金属によって形成されている。この金属ベース層114の中程には小粒径層18が形成されており、小粒径層18を挟んで、両側の表面近傍には大粒径層16が形成されている。また、金属ベース層114の2つの表面上、すなわち2つの大粒径層16上には、それぞれ金属被覆層12が形成されている。
【0028】
水素透過膜110に水素を透過させる際に、水素透過膜110の一方の金属被覆層12上に水素含有ガスを供給すると、水素含有ガス中の水素分子は、この金属被覆層12において2つの水素原子に解離し、解離した水素原子が、金属被覆層12および金属ベース層14の内部を透過する。そして、他方の金属被覆層12に到達した水素原子は、2つずつ結合して水素分子となり、水素透過膜110内から放出される。このようにして、水素透過膜110によって水素の抽出が行なわれると考えられている。
【0029】
水素透過膜110を製造する際には、図2と同様の製造工程において、ステップS110に対応する工程で、水素透過性金属膜の両面に対して金属粒径を大型化するための処理を行なえばよい。そして、ステップS120において、水素透過性金属膜の両面上にPd含有層を形成すればよい。
【0030】
このような水素透過膜110によれば、金属ベース層114において、金属被覆層12との接触面近傍に大粒径層16を設けているため、水素透過膜10と同様の効果を奏することができる。
【0031】
(D−2)水素透過膜210:
図4は、水素透過膜10の変形例である水素透過膜210の構成を模式的に表わす説明図である。図4も図1と同様に水素透過膜の断面の様子を表わしており、図1と共通する構成要素には同じ参照番号を付している。
【0032】
図4の水素透過膜210は、金属被覆層12に代えて金属被覆層212を備えている。この金属被覆層212は、金属被覆層12と同様に、Pdを含む金属によって形成されている。金属被覆層212においては、金属ベース層14との接触面側に大粒径層216が形成されており、接触面と離れた側には小粒径層218が形成されている。
【0033】
水素透過膜210を製造する際には、図2と同様の製造工程において、ステップS120に対応する工程で、金属結晶粒径の異なるPd含有層を順次形成すればよい。具体的には、例えば、金属ベース層14上に薄いPd含有層をメッキ処理などにより形成し、この薄いPd含有層を加熱して、金属結晶粒径を大型化させる。そして、この粒径を大型化させたPd含有層上に、さらにPd含有層をメッキ処理などにより形成して、全体として金属被覆層212とすれば良い。
【0034】
このような水素透過膜210によれば、金属被覆層212において、金属ベース層14との接触面近傍に大粒径層216を設けているため、金属ベース層14から金属被覆層212への金属拡散を抑制することができる。したがって、水素透過膜10と同様に、金属拡散を抑制することによる効果を得ることができる。
【0035】
ここで、水素透過膜210では、大粒径層16と小粒径層18とを備える金属ベース層14を用いているため、金属被覆層212から金属ベース層14への金属拡散も抑制されている。このように、金属ベース層と金属被覆層との両方において、接触面の近傍に大粒径層を設けることで、水素透過膜全体として金属拡散を抑える効果をより高めることができる。なお、金属ベース層14に代えて、粒径が均一な層から成る金属ベース層を用いても良く、このような場合にも、大粒径層216と小粒径層218とを備える金属被覆層212を形成することによって、金属拡散を抑制する効果を得ることができる。また、水素透過膜110のように、金属ベース層の両方の表面上に金属被覆層を設ける場合には、両方の金属被覆層において接触面近傍に大粒径層を形成することが望ましい。
【0036】
また、既述した本発明の実施の形態では、一旦形成した金属層を加熱することにより大粒径層を形成したが、粒径のより大きい層とより小さい層とを形成することができれば、加熱以外の異なる方法で大粒径層および小粒径層を形成することとしても良い。
【0037】
E.水素透過膜を備える水素抽出装置:
既述した本発明の実施の形態としての水素透過膜を用いて、水素抽出装置を形成することができる。一例を図5に示す。図5は、水素透過膜110を備える水素抽出装置20の構成の概略を示す説明図である。水素抽出装置20では、水素透過膜110の一方の面側に水素含有ガス部22が設けられており、他方の面側に抽出水素部24が設けられている。これら水素含有ガス部22および抽出水素部24は、ガスが通過可能な空間として形成されている。
【0038】
水素含有ガス部22には、外部から水素含有ガスが供給される。供給された水素含有ガスが水素含有ガス部22内を通過する際には、水素含有ガスから、水素透過膜110によって抽出水素部24側へと水素の抽出が行なわれる。水素が抽出された残りのガス(不透過ガス)は、水素含有ガス部22から外部へと排出される。
【0039】
抽出水素部24には、外部から所定のパージガスが供給される。このパージガスは、充分に水素濃度が低いガスであり、このようなパージガスを供給することで、透過した抽出水素の外部への排出を促している。
【0040】
水素抽出装置20を用いて抽出した水素は、所定の水素消費装置で利用することが可能となる。例えば、抽出した水素を、燃料電池のアノードに対して燃料ガスとして供給することとができる。
【0041】
以上のように構成された水素抽出装置20によれば、金属ベース層114と金属被覆層12との間の金属拡散が抑制された水素透過膜110を用いているため、金属拡散に起因する水素抽出効率の低下を抑えることができる。また、水素抽出装置20の運転温度をより高く設定することが可能となるため、水素抽出の効率を向上させることができる。特に、水素含有ガスが一酸化炭素(CO)を含む場合には、温度が低いほど水素透過膜はCO被毒を受けやすくなるが、運転温度をより高く設定することにより、水素含有ガスがCOを含む場合にも、水素透過膜のCO被毒を抑えることができる。
【0042】
なお、図5の水素抽出装置20は水素透過膜110を備えることとしたが、既述した本発明の実施の形態としての他の水素透過膜も同様に用いることができる。金属被覆層側にも大粒径層を設ける、あるいは金属被覆層側だけに大粒径層を設けるなど、異なる構成の水素透過膜を用いても、同様の効果を得ることができる。
【0043】
水素抽出装置20では、抽出水素部24側にパージガスを供給しているが、このようなパージガスの供給は行なわないこととしても良い。ただし、パージガスを供給することで、抽出水素部24側の水素濃度を低く保つことができ、水素抽出の効率を向上させることができる。水素抽出を促すために用いるパージガスは、水蒸気や窒素ガスなどを用いることができ、水素の供給を受ける水素消費装置に応じて適宜選択すれば良い。
【0044】
水素抽出装置20の形状は、種々の変形が可能である。さらに、水素含有ガス部22内に改質触媒を配設し、水素含有ガス部22に対して改質反応に供する燃料を供給して、改質反応で生じた水素を水素透過膜を用いて抽出することとしても良い。
【0045】
F.水素透過膜を備える燃料電池:
既述した本発明の実施の形態としての水素透過膜を用いて、燃料電池を形成することができる。一例を図6に示す。図6は、水素透過膜10を備える燃料電池30の構成を模式的に表わす説明図である。燃料電池30は、電解質層32と、水素透過膜10と、セパレータ36,37とを備えている。
【0046】
電解質層32は、プロトン伝導性を有する電解質により形成されている。例えばナフィオン(登録商標)膜などの固体高分子電解質や、BaCeO3、SrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体である固体電解質により形成することができる。
【0047】
水素透過膜10は、電解質層32の一方の面上において、金属ベース層14が電解質層32と接するように配設されている。
【0048】
セパレータ36,37は、電解質層32と水素透過膜10とを積層した構造を、両側から挟持している。水素透過膜10の金属被覆層12側と接するセパレータ36は、金属被覆層12と接する側の表面に、酸化ガスが通過する流路を形成するための凹凸形状を有している。同様に、電解質層32と接するセパレータ37は、電解質層32と接する側の表面に、燃料ガスが通過する流路を形成するための凹凸形状を有している。これらセパレータ36,37は、電子伝導性とガス不透過性を有する材料によって形成することができ、例えば金属材料や炭素材料によって形成することができる。
【0049】
なお、図6では記載を省略したが、燃料電池30には、必要に応じてさらに触媒を設けることとすればよい。例えば、水素透過膜10とセパレータ36との間や、電解質層32とセパレータ37との間などに、触媒層を設ければよい。あるいは、水素透過膜10と電解質層32との間に触媒層を設けても良い。触媒としては、例えば白金(Pt)系の貴金属触媒(白金、ロジウム、ルテニウム白金系貴金属を含む触媒)を用いることができる
【0050】
以上のように構成された燃料電池30によれば、金属ベース層14と金属被覆層12との間の金属拡散が抑制された水素透過膜10を用いているため、金属拡散に起因する水素透過性能の低下を抑えることができる。したがって、電池性能の低下を抑えることができる。また、燃料電池30の運転温度をより高く設定することが可能となるため、発電効率を向上させることができる。
【0051】
なお、図6では電解質層32のカソード側表面上に水素透過膜10を配設したが、水素透過膜10を、電解質層32のアノード側表面上に配設しても良い。この場合には、金属被覆層12がセパレータ37と接するように配置すればよい。あるいは、電解質層32のアノード側表面とカソード側表面の両方に、それぞれ水素透過膜10を配設することとしても良い。
【0052】
また、電解質層32の2つの表面の内、一方には水素透過膜10を配設し、他方には金属被覆層12と同様のPd含有層を設けることとしても良い。V、Nb、Ta等の5族元素は、Pdに比べて水素透過性能に優れるものの、水素透過膜表面で水素分子を水素原子に分離する活性がPdよりも劣る。そのため、V、Nb、Taの少なくとも一種の金属を含む金属ベース層上にPd含有層を設けて水素透過膜を形成することは、水素透過膜全体の性能を向上させることができて望ましい。このような水素透過膜を、電解質層32の少なくともいずれかの面上に形成することで、水素透過膜における金属拡散を防止して既述した効果を得ることができる。
【0053】
電解質層32を固体高分子電解質で形成する場合には、電解質層32の両側に水素透過膜10を配設する、あるいは一方だけに配設する場合には他方にもPd含有膜などの緻密膜を配設することとすれば、固体高分子電解質の乾燥を防ぐという効果も得られる。したがって、燃料電池の運転温度を上昇させても、固体高分子の乾燥に起因して電池性能が低下してしまうことがない。
【0054】
また、電解質層32を固体電解質で形成する場合には、電解質層32の少なくとも一方の面側に設けた水素透過膜10によって固体電解質を支持することで、電解質層32をより薄型化しても電解質膜の強度を維持することが可能となる。固体電解質を薄型化することで、電解質層32におけるプロトン伝導効率を向上させることができ、電池性能を向上させることができる。
【0055】
上記した説明では、水素透過膜10を用いたが、本発明の実施の形態の他の水素透過膜を同様に用いることとしても良い。また、図6には単セルの様子が示されているが、燃料電池は、必要に応じて複数の単セルを積層してスタック構造を形成することとすればよい。
【0056】
【実施例】
実施例の水素透過膜および比較例の水素透過膜を作製し、水素透過性能が低下する様子を比較した。作製した実施例および比較例の水素透過膜の構成を、図7にまとめて示す。なお、実施例および比較例の水素透過膜は、水素透過膜110と同様に、金属ベース層の2つの表面それぞれの近傍において大粒径層を備えると共に、金属ベース層の両面上に金属被覆層を備えている。
【0057】
図7に示すように実施例と比較例の水素透過膜は、いずれも、金属ベース層をバナジウム(V)によって形成した。これらの金属ベース層は、冷間圧延により、厚さが125μmとなるように形成した。実施例の水素透過膜のみ、金属ベース層の両方の表面近傍の領域に大粒径層を形成した。大粒径層は、V箔の表面にレーザ照射することにより形成した。
【0058】
実施例の金属ベース層で、大粒径層(表層部)と小粒径層(中心部)のそれぞれにおいて金属結晶粒径を測定した。金属結晶粒径は、金属ベース層に対してエッチング処理を施した後に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより測定した。大粒径層における平均粒径(表層平均粒径)と小粒径層における平均粒径(中心部平均粒径)を、図7に示す。また、比較例の水素透過膜の金属ベース層(V箔)における平均粒径(全体平均粒径)を測定した結果を、図7に併せて示す。表層平均粒径は22.3±1.8μm、中心部平均粒径は15.4±1.5μm、全体平均粒径は15.5±1.7μmであった。なお、「±」の後の値は、粒径のばらつきを表わしている。
【0059】
上記金属ベース層を形成すると、その表面を研磨して酸化層を取り除いた後に、金属ベース層上にメッキ処理によって金属被覆層をさらに形成した。図7に示すように、実施例と比較例の水素透過膜のいずれにおいても、金属被覆層はパラジウム(Pd)によって形成しており、その厚さは0.8μmとした。
【0060】
上記のように作製した実施例および比較例の水素透過膜を用いて、図5と同様の水素抽出装置を作製し、水素透過率を調べた。水素抽出を行なった際の条件を以下に示す。
【0061】
(1)水素含有ガス:
H2ガス;
流量 1NL/min:
(2)パージガス:
N2ガス;
流量 1NL/min:
(3)水素抽出装置の温度は500℃;
なお、上記流量単位NL/minは、気体の体積を標準状態(0℃、1atm)での体積に換算して表わしたものである。
【0062】
パージガス側に抽出された水素量を測定し、水素透過率を算出した。実施例と比較例のそれぞれについて、水素透過の動作を開始した直後(初期)と、1.5時間経過後とにおいて、水素透過率を求めた結果を図8に示す。図8では、比較例の水素透過膜の初期における水素透過率を100として、各々の水素透過率を相対的な値で表わした結果を示している。
【0063】
図8に示すように、初期の値は、実施例と比較例の水素透過膜は共にほぼ同程度の水素透過率を示した。1.5時間経過後には、実施例の水素透過膜では値90までの低下であったのに対し、比較例の水素透過膜では値77にまで水素透過率が低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての水素透過膜10の構成の概略を現わす説明図である。
【図2】水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。
【図3】水素透過膜110の構成を模式的に表わす説明図である。
【図4】水素透過膜210の構成を模式的に表わす説明図である。
【図5】水素抽出装置20の構成の概略を示す説明図である。
【図6】燃料電池30の構成を模式的に表わす説明図である。
【図7】実施例および比較例の水素透過膜の構成を示す説明図である。
【図8】水素透過性能が低下する様子を比較した説明図である。
【符号の説明】
10,110,210…水素透過膜
12,212…金属被覆層
14,114…金属ベース層
16,216…大粒径層
18,218…小粒径層
20…水素抽出装置
22…水素含有ガス部
24…抽出水素部
30…燃料電池
32…電解質層
36,37…セパレータ
Claims (9)
- 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属ベース層と、
前記金属ベース層の少なくとも一方の面上に接触して形成され、パラジウム(Pd)を含む金属被覆層と
を備え、
前記金属ベース層と前記金属被覆層の少なくとも一方の層において、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されていることを特徴とする
水素透過膜。 - 請求項1記載の水素透過膜であって、
互いに接する前記金属ベース層と前記金属被覆層との双方で、他方の層と接触する接触面近傍の表層領域では、該表層領域を除く他の領域に比べて金属結晶の粒径が大きく形成されている
水素透過膜。 - 請求項1記載の水素透過膜であって、
前記金属ベース層の両方の面上に、前記金属被覆層が形成されている
水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属ベース層を用意する工程と、
(b)前記金属ベース層において、少なくとも一方の表面近傍の表層領域における金属結晶の粒径を、前記表層領域を除く他の領域に比べて大きくする工程と、
(c)前記(b)工程で金属結晶の粒径を大きくした表面上に、パラジウム(Pd)を含む金属被覆層を形成する工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 請求項4記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(b)工程は、前記少なくとも一方の表面を加熱することにより金属結晶の粒径を大きくする
水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)の少なくとも一種の金属を含む金属ベース層を用意する工程と、
(b)前記金属ベース層の少なくとも一方の表面上に、パラジウム(Pd)を含む第1金属被覆層を形成する工程と、
(c)前記第1金属被覆層における金属結晶の粒径を大きくする工程と、
(d)前記(c)工程で粒径を大きくした前記第1金属被覆層上に、パラジウム(Pd)を含むと共に前記第1金属被覆層よりも金属結晶の粒径が小さい第2金属被覆層を形成する工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 請求項6記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(c)工程は、前記第1金属被覆層を加熱することにより金属結晶の粒径を大きくする
水素透過膜の製造方法。 - 水素を含有する水素含有気体から水素を抽出する水素抽出装置であって、
請求項1ないし3いずれか記載の水素透過膜と、
前記水素透過膜の第1の面上に形成され、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路と、
前記水素透過膜の第2の面上に形成され、前記水素透過膜を透過して前記水素含有気体から抽出された水素が通過する抽出水素流路と
を備える水素抽出装置。 - 燃料電池であって、
プロトン伝導性を有する電解質層と、該電解質層の少なくとも一方の面上に形成された水素透過層と、を備える電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に対して、酸素を含有する酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
前記電解質膜の他方の面に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
を備え、
前記水素透過層は、請求項1ないし3いずれか記載の水素透過膜である
燃料電池。
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