JP2004231769A - シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents
シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】分子量が制御されたシリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体を提供すること。
【解決手段】好ましい反応体として(a)アミノ基変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)エポキシ基をその分子鎖あたり平均的に0.1個以上有するエポキシ変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物である分子量が制御されたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体であり、好ましくはポリフェニレンエーテル及びエポキシ変性ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させることによること。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】好ましい反応体として(a)アミノ基変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)エポキシ基をその分子鎖あたり平均的に0.1個以上有するエポキシ変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物である分子量が制御されたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体であり、好ましくはポリフェニレンエーテル及びエポキシ変性ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させることによること。
【選択図】 選択図なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンとポリフェニレンエーテル共重合体についてはいくつかの開示がある。たとえば米国特許第3668273号明細書には、ヒドロキシ末端を持つポリフェニレンエーテルとアミノ末端停止ポリオルガノシロキサンとの反応を行うことにより、シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を得る方法が示されている。(特許文献1)
また、特開平2−641号公報には、ケイ素−イミド結合により化学的に結合されたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体とその製法として無水マレイン酸やトリメリット酸無水物酸クロリド等の無水物で官能化されたポリフェニレンエーテルとアミノ末端停止ポリオルガノシロキサンとの反応を行うことが示されている。(特許文献2)
【0003】
【特許文献1】
米国特許第3668273号公報明細書
【特許文献2】
特開平2−641号公報明細書
【0004】
これらの従来の方法では、該ブロック共重合体を得る為に溶液状態で加熱し多くの場合は還流させることにより反応を行っている。しかし、このような方法では、得られたブロック共重合体の分子量を制御することが極めて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を有せずブロック共重合体の分子量が制御可能で、新規のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法を得る事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、新しいシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法を発見するに至った。即ち本発明は、
1)(a)官能基で変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)該官能基と反応性がある官能基を1分子鎖あたり0.1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物であるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体、
2)(a)アミノ基変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)エポキシ基を1分子鎖あたり0.1個以上有するエポキシ変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物である1記載のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体、
3) アミノ基変性されたオルガノシロキサンが一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を持つ1または2記載の共重合体、
【0007】
【化2】
【0008】
4)エポキシ変性ポリフェニレンエーテルが固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させて得られるものであることを特徴とする2または3に記載の共重合体、
5)シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体が、固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させ、更に、この反応生成物が固体の状態でアミノ基変性されたオルガノシロキサンとを反応させることにより得られるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体であることを特徴とする2〜4のいずれかに記載の共重合体、
である。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるポリフェニレンエーテルについては特に制限されない。フェノール性化合物をモノマーとして利用する多くの合成方法が知られており、既知のいかなるモノマー、及び重合方法によって製造されたポリフェニレンエーテルでも用いることができる。たとえば、特公昭36−18692号公報、米国特許第3306875号明細書、同3344116号、同3432466号をはじめ多くの製法が提案されている。
これらの公知の公報において、工業的に最も重要なモノマーは2,6−ジメチルフェノールであり、このモノマーを使用することにより工業上きわめて重要なポリフェニレンエーテルが得られていることは当業界に良く知られている。
【0010】
本発明に用いられる代表的なポリフェニレンエーテル単独重合体の例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−メトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ(p−フルオロフェニル)−1,4−フェニレン)エーテル、等のホモポリマーが挙げられるが、本発明の趣旨からこれらの例には限定はされない。
【0011】
工業的に重要なポリフェニレンエーテルの例はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。
ポリフェニレンエーテル共重合体の例としては例えば、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を含有する。
【0012】
また本発明のポリフェニレンエーテルには本発明の趣旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテルに存在させても良いことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットが含有していてもかまわない。例えば2,6−ジメチル−フェノールを主体としてなるモノマーから誘導されるポリフェニレンエーテルについて例を挙げれば次のような異種構造が挙げられる。該ポリフェニレンエーテルの末端構造の例としては、以下の式に示すように特公平7−47634号広報等記載のアミノアルキル置換末端基(α)や、4−ヒドロキシビフェニル末端基(β)、
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
高分子鎖中の異種構造として以下の式に示すような特開平1−297428号広報、特開昭63−301222号広報記載の、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット(γ)や2−(N−アルキル−N−フェニル−アミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット(δ)、
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
更には、特殊な構造を持つポリフェニレンエーテルで例えば、特公昭61−20575号広報記載のキノン結合ポリフェニレンエーテル(ε)、特公昭55−46015号公報や特開昭62−39628号広報記載の二官能性ポリフェニレンエーテル(ζ)
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
であっても良い。
もちろんこれらのポリフェニレンエーテルの構造例には限定されないことは、本発明の趣旨から明白である。
本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、30℃における0.5g/dlのクロロホルム溶液を用いウベローデ型粘度管により測定された還元粘度が0.05〜1.0dl/gの範囲であることが好ましく、0.06〜0.70dl/gの範囲にあることがより好ましい。
【0022】
また、本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、粉体、ペレットのいずれの状態でもよいが、粉体が好ましい。粉体の粒径は特に限定されないが、取扱い性の観点から5μm〜1,000μmが好ましく、より好ましくは10〜700μmの範囲である。
本発明に用いられるポリフェニレンエーテルは官能化されている必要がある。官能基は後述する、変性オルガノシロキサンの官能基と反応性を有しなければならない。
【0023】
本発明に好ましく用いられるエポキシ基を有する変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物とを反応させることにより得ることができる。ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる手段は既知のいかなる方法もとり得る。例えば、適当な溶媒中、ポリフェニレンエーテルとエピクロルヒドリンを反応させる方法である。
好ましいエポキシ化合物は、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む多官能エポキシ化合物を用いることができる。好ましくは一般式(2)
【0024】
【化9】
【0025】
で表されるビスフェノールA型樹脂、または、一般式(3)
【0026】
【化10】
【0027】
で表される(ポリ)グリシジルエーテルである。
また本発明の好ましい様態は以下のとおりである。
好ましいエポキシ化合物の状態は特に限定されないが、後述するポリフェニレンエーテルと反応させる温度、圧力条件下において、気体あるいは液体であることが好ましい。また、エポキシ化合物をポリフェニレンエーテルの貧溶媒に溶解させた溶液をポリフェニレンエーテルと混合させ、反応させても良い。
【0028】
ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる際は、ポリフェニレンエーテルが固体であることが好ましい。具体的には、ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させるときの温度が、室温以上で、使用するポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以下であることが好ましい。さらに好ましくは500〜230℃、特に好ましくは100〜230℃である。本発明において室温とは20℃である。反応温度が室温未満ではポリフェニレンエーテルと多官能エポキシ化合物は十分反応しない。また、反応温度が高いほど反応速度は高くなるが、使用するポリフェニレンエーテルのガラス転移温度を越えるとポリフェニレンエーテルが溶融するためその後の処理における取扱性が悪化し、更に色調の悪化が見られることがある。反応させるときの圧力についてはまったく限定されない。
【0029】
本発明でポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる際、反応を促進させる触媒として塩基性化合物を加えることができる。塩基性化合物とは、具体的には例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミンやトリブチルアミン等の3級アミン、イミダゾール、ナトリウムフェノキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が上げられるが、中でもナトリウムメチラート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム等が挙げられる。触媒としては塩基性化合物の他にも4級アンモニウム塩も用いられる。
【0030】
上記のごとき操作により、好ましい様態としてのエポキシ変性ポリフェニレンエーテルが得られる。未反応のエポキシ化合物は、該生成物を溶剤洗浄等の操作により精製してもかまわないが、精製することなく後述の官能基変性されたオルガノシロキサン、好ましくはアミノ基変性されたオルガノシロキサンと反応させることができる。
本発明で用いられる好ましいアミノ基変性されたオルガノシロキサンは公知であり、その分子構造中にアミノ基を持つ化合物であればいかなる構造体でも使用することができる。通常、変性シリコーンオイル等の名称で、当業界には良く知られた化合物である。本発明に好ましく用いられるアミノ基変性されたオルガノシロキサンは一般式(1)で表されるようなオルガノポリシロキサン構造を持つ。
【0031】
【化11】
【0032】
エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させる手段は既知のいかなる方法もとり得る。例えば、双方を溶解可能な溶媒に溶解させ、加熱するだけで本発明の共重合体を容易に生成させることができる。この場合には架橋反応等のゲル化が発生することがあるので、本発明の好ましい様態は以下のとおりである。
アミノ基変性されたオルガノシロキサンの状態は特に限定されないが、後述するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと反応させる温度、圧力条件下において、気体あるいは液体であることが好ましい。また、アミノ基変性されたオルガノシロキサンをエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルの貧溶媒に溶解させた溶液をエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと混合させ、反応させても良い。
【0033】
エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させる際は、エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルが固体であることが望ましい。具体的には、エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させるときの温度が、室温以上で、使用するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以下であることが好ましい。さらに好ましくは50〜230℃、特に好ましくは100〜230℃である。本発明において室温とは20℃である。反応温度が室温未満ではエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンは十分反応しない。また、反応温度が高いほど反応速度は高くなるが、使用するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのガラス転移温度を越えるとエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルが溶融するため該共重合体の取扱性が悪化し、更に架橋等よりゲルが発生することがある。反応させるときの圧力についてはまったく限定されない。
【0034】
上記のごとき操作により、好ましい様態としてのシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体が得られる。未反応のアミノ基変性オルガノシロキサンは、該生成物を溶剤洗浄等の操作により精製してもかまわないが、精製することなく後述の組成物等に使用可能である。
使用する原料のポリフェニレンエーテル、エポキシ化合物、及びアミノ基変性されたオルガノシロキサンのそれぞれの分子量を任意に変え、本発明の好ましい様態で示した方法を用いることにより、それぞれのブロック長が精密に制御されたブロック共重合体を得る事ができる。例えば分子量が小さいエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと分子量が高いアミノ基変性されたオルガノポリシロキサンを用いれば、低いブロック長のポリフェニレンエーテルユニットと高いブロック長のシリコーンユニットが結合したポリフェニレンエーテル変性されたシリコーンと呼ぶべき構造体が得られ、逆に分子量が高いエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと分子量が小さいアミノ基変性されたオルガノポリシロキサンを用いれば、高いブロック長のポリフェニレンエーテルユニットと低いブロック長のシリコーンユニットが結合したシリコーン変性ポリフェニレンエーテルと呼ぶべき構造体が得られる。
【0035】
本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は、低誘電率や低誘電損失等を要求される電子材料用途として極めて有用である。近年はプリント基板等の電子材料の高集積化に伴い、配線自体の導体損失がクローズアップされており、損失分は熱として放出される。よって、基板材料には優れた低誘電率特性と共に高い耐熱性が要求されている。本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体はこのような基板に難燃性を付与することもできる。このような電子材料用途に使用する場合、本発明の共重合体は極めて有用である。
更に本発明によるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は種々の熱可塑性樹脂組成物や熱硬化性樹脂等に適用することも有用である。
【0036】
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン系樹脂(ゴム補強ポリスチレンやAS,ABS樹脂等も含む)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、液晶樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等との組成物であり、当然のことながら、ポリフェニレンエーテル系樹脂とシリコーン樹脂との相溶化剤としても有用である。熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン、架橋アリール、ビスマレイミド、フェノール性樹脂等との組成物が挙げられるがこの例に限定されない。特に、本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は本来ポリフェニレンエーテルとシリコーンが有する難燃性を保持しているため、他の耐熱、難燃性が劣る物質に耐熱性、難燃性を付与するための耐熱、難燃助剤的な添加剤として有用である。特に、ポリスチレンや熱可塑性エラストマーの改質のためには極めて有用である。また可塑化効果も持ち合わせているため、適用する樹脂の流動特性の改良にも寄与することができる。
【0037】
また本発明によって得られたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を用いた組成物を製造させる際に他の添加剤、例えば可塑剤、安定剤、変性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤、架橋硬化剤、及びガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、フュームドシリカ等の充填剤を添加することができる。安定剤や変性剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、含イオウ酸化防止剤、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類、無水マレイン酸の様なカルボン酸類、スチレンやステアリルアクリレート等のジエノフィル化合物類、多種のエポキシ化合物類などが挙げられるがこれらの例には限定されない。これらの添加剤は単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を含有する組成物を構成する各成分を混合する方法はいかなる方法でも良いが、例えば、溶液ブレンドと脱気方法、加熱プレス機、押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ヘンシェルミキサー等使用することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例における測定は以下の方法に従って行った。
(1)GPC(分子量)の測定方法
昭和電工(株)製ゲルパーミェーションクロマトグラフィーSHODEX・GPCsystem21でエチルベンゼンと標準単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定した。標準単分散ポリスチレンの分子量は550、1300、2960、9680、28600、65900、172000、629000、996000、1960000、3900000のものを用いた。カラムはSHODEX製K−800D、K−805L、K−805Lを直列につないで使用した。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃で測定した。検出部にはUV検出器を用い、波長は標準単分散ポリスチレンの検量線作成にあたっては254nm、測定対象サンプル測定にあたっては283nmで測定した。標準単分散ポリスチレン及び測定対象サンプルはクロロホルムに溶かした溶液として測定に供した。あらかじめ測定され、作成していた標準単分散ポリスチレンの数平均分子量と溶出時間のグラフから測定対象の分子量を求めた。
【0039】
(2)エポキシ基に由来するプロトンのNMR測定方法
測定対象サンプルを重クロロホルムに溶解し日本電子(株)製270MHzNMRにて測定を行った。シグナルピークのケミカルシフトは重クロロホルム中に少量含まれるクロロホルムのシグナルピーク(7.25ppm)を基準として決定した。ポリフェニレンエーテル1分子当たりのエポキシ基の数はポリフェニレンエーテルの芳香環3,5位プロトンに起因するピーク(6.47ppm)とエポキシ基に起因するピーク(2.74,2.89,3.34ppm)の面積比から求めた。
【0040】
【実施例1】
還元粘度が0.43dl/g(標準ポリスチレン換算による数平均分子量が約18000)である粉体状ポリフェニレンエーテル(旭化成(株)製)30.0gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)2.8gを良く混合した後オートクレーブに密閉し、150℃で2時間加熱した。得られた混合物は粉体状のままであった。ポリフェニレンエーテルがエポキシ変性されていることを確認するために得られた反応混合物の一部を用いて未反応の多官能エポキシ化合物を除去する精製操作を行った。即ち、反応混合物2gを20mlのトルエンに溶解した後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過して分離した後、150℃、0.1mmHgの条件で1時間減圧乾燥させた。得られた粉体状の固体を測定対象とし、GPC及びプロトンNMR測定を行った。反応後のエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのGPC曲線は原料ポリフェニレンエーテルのGPC曲線とほぼ一致し、架橋反応が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均1.5個のエポキシ基を有することが判った。
【0041】
得られたエポキシ変性ポリフェニレンエーテル反応混合物の残り20gに、アミノ基変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製変性シリコーンオイルKF−8010)7.9gを添加し良く混合した後オートクレーブに密閉し、130℃で1.5時間加熱した。反応後の混合物は粉体状のままであり、クロロホルムに完全に溶解することが確認され、架橋に伴うゲル化は発生していないことが判った。またシリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が得られていることを確認するために、得られた反応混合物の一部を用いて未反応のアミノ基変性シリコーンを除去する精製操作を行った。なおこの精製は前述の特開平2−641号公報中の精製方法を参考に実施された。即ち、反応混合物の5重量%の塩化メチレン溶液を調整し、この溶液を約0℃の温度で2時間冷却した。得られた沈殿を速やかに濾過して、濾過されたケーキを冷塩化メチレンで速やかに洗浄し、そして120℃、0.1mmHgの条件で1時間減圧乾燥させた。得られた粉体状の固体を測定対象とし、GPC及びプロトンNMR測定を行った。反応後の共重合体のGPC曲線はエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのGPC曲線とほぼ一致し、架橋反応等が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、測定対象サンプルにはオキシラン環に由来するシグナルは検出されず、またシリコーンのジメチルシロキシ基に由来するシグナルが0ppm付近に検出されたことから、シリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が得られたことが判った。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量が制御された新しいシリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が提供される。本発明による共重合体は産業上のさまざまな面で有効に活用されうる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンとポリフェニレンエーテル共重合体についてはいくつかの開示がある。たとえば米国特許第3668273号明細書には、ヒドロキシ末端を持つポリフェニレンエーテルとアミノ末端停止ポリオルガノシロキサンとの反応を行うことにより、シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を得る方法が示されている。(特許文献1)
また、特開平2−641号公報には、ケイ素−イミド結合により化学的に結合されたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体とその製法として無水マレイン酸やトリメリット酸無水物酸クロリド等の無水物で官能化されたポリフェニレンエーテルとアミノ末端停止ポリオルガノシロキサンとの反応を行うことが示されている。(特許文献2)
【0003】
【特許文献1】
米国特許第3668273号公報明細書
【特許文献2】
特開平2−641号公報明細書
【0004】
これらの従来の方法では、該ブロック共重合体を得る為に溶液状態で加熱し多くの場合は還流させることにより反応を行っている。しかし、このような方法では、得られたブロック共重合体の分子量を制御することが極めて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を有せずブロック共重合体の分子量が制御可能で、新規のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法を得る事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、新しいシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法を発見するに至った。即ち本発明は、
1)(a)官能基で変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)該官能基と反応性がある官能基を1分子鎖あたり0.1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物であるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体、
2)(a)アミノ基変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)エポキシ基を1分子鎖あたり0.1個以上有するエポキシ変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物である1記載のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体、
3) アミノ基変性されたオルガノシロキサンが一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を持つ1または2記載の共重合体、
【0007】
【化2】
【0008】
4)エポキシ変性ポリフェニレンエーテルが固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させて得られるものであることを特徴とする2または3に記載の共重合体、
5)シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体が、固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させ、更に、この反応生成物が固体の状態でアミノ基変性されたオルガノシロキサンとを反応させることにより得られるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体であることを特徴とする2〜4のいずれかに記載の共重合体、
である。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるポリフェニレンエーテルについては特に制限されない。フェノール性化合物をモノマーとして利用する多くの合成方法が知られており、既知のいかなるモノマー、及び重合方法によって製造されたポリフェニレンエーテルでも用いることができる。たとえば、特公昭36−18692号公報、米国特許第3306875号明細書、同3344116号、同3432466号をはじめ多くの製法が提案されている。
これらの公知の公報において、工業的に最も重要なモノマーは2,6−ジメチルフェノールであり、このモノマーを使用することにより工業上きわめて重要なポリフェニレンエーテルが得られていることは当業界に良く知られている。
【0010】
本発明に用いられる代表的なポリフェニレンエーテル単独重合体の例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−i−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−メトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ(p−フルオロフェニル)−1,4−フェニレン)エーテル、等のホモポリマーが挙げられるが、本発明の趣旨からこれらの例には限定はされない。
【0011】
工業的に重要なポリフェニレンエーテルの例はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。
ポリフェニレンエーテル共重合体の例としては例えば、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を含有する。
【0012】
また本発明のポリフェニレンエーテルには本発明の趣旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテルに存在させても良いことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットが含有していてもかまわない。例えば2,6−ジメチル−フェノールを主体としてなるモノマーから誘導されるポリフェニレンエーテルについて例を挙げれば次のような異種構造が挙げられる。該ポリフェニレンエーテルの末端構造の例としては、以下の式に示すように特公平7−47634号広報等記載のアミノアルキル置換末端基(α)や、4−ヒドロキシビフェニル末端基(β)、
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
高分子鎖中の異種構造として以下の式に示すような特開平1−297428号広報、特開昭63−301222号広報記載の、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット(γ)や2−(N−アルキル−N−フェニル−アミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット(δ)、
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
更には、特殊な構造を持つポリフェニレンエーテルで例えば、特公昭61−20575号広報記載のキノン結合ポリフェニレンエーテル(ε)、特公昭55−46015号公報や特開昭62−39628号広報記載の二官能性ポリフェニレンエーテル(ζ)
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
であっても良い。
もちろんこれらのポリフェニレンエーテルの構造例には限定されないことは、本発明の趣旨から明白である。
本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、30℃における0.5g/dlのクロロホルム溶液を用いウベローデ型粘度管により測定された還元粘度が0.05〜1.0dl/gの範囲であることが好ましく、0.06〜0.70dl/gの範囲にあることがより好ましい。
【0022】
また、本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、粉体、ペレットのいずれの状態でもよいが、粉体が好ましい。粉体の粒径は特に限定されないが、取扱い性の観点から5μm〜1,000μmが好ましく、より好ましくは10〜700μmの範囲である。
本発明に用いられるポリフェニレンエーテルは官能化されている必要がある。官能基は後述する、変性オルガノシロキサンの官能基と反応性を有しなければならない。
【0023】
本発明に好ましく用いられるエポキシ基を有する変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物とを反応させることにより得ることができる。ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる手段は既知のいかなる方法もとり得る。例えば、適当な溶媒中、ポリフェニレンエーテルとエピクロルヒドリンを反応させる方法である。
好ましいエポキシ化合物は、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む多官能エポキシ化合物を用いることができる。好ましくは一般式(2)
【0024】
【化9】
【0025】
で表されるビスフェノールA型樹脂、または、一般式(3)
【0026】
【化10】
【0027】
で表される(ポリ)グリシジルエーテルである。
また本発明の好ましい様態は以下のとおりである。
好ましいエポキシ化合物の状態は特に限定されないが、後述するポリフェニレンエーテルと反応させる温度、圧力条件下において、気体あるいは液体であることが好ましい。また、エポキシ化合物をポリフェニレンエーテルの貧溶媒に溶解させた溶液をポリフェニレンエーテルと混合させ、反応させても良い。
【0028】
ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる際は、ポリフェニレンエーテルが固体であることが好ましい。具体的には、ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させるときの温度が、室温以上で、使用するポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以下であることが好ましい。さらに好ましくは500〜230℃、特に好ましくは100〜230℃である。本発明において室温とは20℃である。反応温度が室温未満ではポリフェニレンエーテルと多官能エポキシ化合物は十分反応しない。また、反応温度が高いほど反応速度は高くなるが、使用するポリフェニレンエーテルのガラス転移温度を越えるとポリフェニレンエーテルが溶融するためその後の処理における取扱性が悪化し、更に色調の悪化が見られることがある。反応させるときの圧力についてはまったく限定されない。
【0029】
本発明でポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる際、反応を促進させる触媒として塩基性化合物を加えることができる。塩基性化合物とは、具体的には例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミンやトリブチルアミン等の3級アミン、イミダゾール、ナトリウムフェノキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が上げられるが、中でもナトリウムメチラート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム等が挙げられる。触媒としては塩基性化合物の他にも4級アンモニウム塩も用いられる。
【0030】
上記のごとき操作により、好ましい様態としてのエポキシ変性ポリフェニレンエーテルが得られる。未反応のエポキシ化合物は、該生成物を溶剤洗浄等の操作により精製してもかまわないが、精製することなく後述の官能基変性されたオルガノシロキサン、好ましくはアミノ基変性されたオルガノシロキサンと反応させることができる。
本発明で用いられる好ましいアミノ基変性されたオルガノシロキサンは公知であり、その分子構造中にアミノ基を持つ化合物であればいかなる構造体でも使用することができる。通常、変性シリコーンオイル等の名称で、当業界には良く知られた化合物である。本発明に好ましく用いられるアミノ基変性されたオルガノシロキサンは一般式(1)で表されるようなオルガノポリシロキサン構造を持つ。
【0031】
【化11】
【0032】
エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させる手段は既知のいかなる方法もとり得る。例えば、双方を溶解可能な溶媒に溶解させ、加熱するだけで本発明の共重合体を容易に生成させることができる。この場合には架橋反応等のゲル化が発生することがあるので、本発明の好ましい様態は以下のとおりである。
アミノ基変性されたオルガノシロキサンの状態は特に限定されないが、後述するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと反応させる温度、圧力条件下において、気体あるいは液体であることが好ましい。また、アミノ基変性されたオルガノシロキサンをエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルの貧溶媒に溶解させた溶液をエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと混合させ、反応させても良い。
【0033】
エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させる際は、エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルが固体であることが望ましい。具体的には、エポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンを反応させるときの温度が、室温以上で、使用するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以下であることが好ましい。さらに好ましくは50〜230℃、特に好ましくは100〜230℃である。本発明において室温とは20℃である。反応温度が室温未満ではエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルとアミノ基変性されたオルガノシロキサンは十分反応しない。また、反応温度が高いほど反応速度は高くなるが、使用するエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのガラス転移温度を越えるとエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルが溶融するため該共重合体の取扱性が悪化し、更に架橋等よりゲルが発生することがある。反応させるときの圧力についてはまったく限定されない。
【0034】
上記のごとき操作により、好ましい様態としてのシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体が得られる。未反応のアミノ基変性オルガノシロキサンは、該生成物を溶剤洗浄等の操作により精製してもかまわないが、精製することなく後述の組成物等に使用可能である。
使用する原料のポリフェニレンエーテル、エポキシ化合物、及びアミノ基変性されたオルガノシロキサンのそれぞれの分子量を任意に変え、本発明の好ましい様態で示した方法を用いることにより、それぞれのブロック長が精密に制御されたブロック共重合体を得る事ができる。例えば分子量が小さいエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと分子量が高いアミノ基変性されたオルガノポリシロキサンを用いれば、低いブロック長のポリフェニレンエーテルユニットと高いブロック長のシリコーンユニットが結合したポリフェニレンエーテル変性されたシリコーンと呼ぶべき構造体が得られ、逆に分子量が高いエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルと分子量が小さいアミノ基変性されたオルガノポリシロキサンを用いれば、高いブロック長のポリフェニレンエーテルユニットと低いブロック長のシリコーンユニットが結合したシリコーン変性ポリフェニレンエーテルと呼ぶべき構造体が得られる。
【0035】
本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は、低誘電率や低誘電損失等を要求される電子材料用途として極めて有用である。近年はプリント基板等の電子材料の高集積化に伴い、配線自体の導体損失がクローズアップされており、損失分は熱として放出される。よって、基板材料には優れた低誘電率特性と共に高い耐熱性が要求されている。本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体はこのような基板に難燃性を付与することもできる。このような電子材料用途に使用する場合、本発明の共重合体は極めて有用である。
更に本発明によるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は種々の熱可塑性樹脂組成物や熱硬化性樹脂等に適用することも有用である。
【0036】
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン系樹脂(ゴム補強ポリスチレンやAS,ABS樹脂等も含む)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、液晶樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等との組成物であり、当然のことながら、ポリフェニレンエーテル系樹脂とシリコーン樹脂との相溶化剤としても有用である。熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン、架橋アリール、ビスマレイミド、フェノール性樹脂等との組成物が挙げられるがこの例に限定されない。特に、本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体は本来ポリフェニレンエーテルとシリコーンが有する難燃性を保持しているため、他の耐熱、難燃性が劣る物質に耐熱性、難燃性を付与するための耐熱、難燃助剤的な添加剤として有用である。特に、ポリスチレンや熱可塑性エラストマーの改質のためには極めて有用である。また可塑化効果も持ち合わせているため、適用する樹脂の流動特性の改良にも寄与することができる。
【0037】
また本発明によって得られたシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を用いた組成物を製造させる際に他の添加剤、例えば可塑剤、安定剤、変性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤、架橋硬化剤、及びガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、フュームドシリカ等の充填剤を添加することができる。安定剤や変性剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、含イオウ酸化防止剤、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類、無水マレイン酸の様なカルボン酸類、スチレンやステアリルアクリレート等のジエノフィル化合物類、多種のエポキシ化合物類などが挙げられるがこれらの例には限定されない。これらの添加剤は単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本発明のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体を含有する組成物を構成する各成分を混合する方法はいかなる方法でも良いが、例えば、溶液ブレンドと脱気方法、加熱プレス機、押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ヘンシェルミキサー等使用することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例における測定は以下の方法に従って行った。
(1)GPC(分子量)の測定方法
昭和電工(株)製ゲルパーミェーションクロマトグラフィーSHODEX・GPCsystem21でエチルベンゼンと標準単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定した。標準単分散ポリスチレンの分子量は550、1300、2960、9680、28600、65900、172000、629000、996000、1960000、3900000のものを用いた。カラムはSHODEX製K−800D、K−805L、K−805Lを直列につないで使用した。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃で測定した。検出部にはUV検出器を用い、波長は標準単分散ポリスチレンの検量線作成にあたっては254nm、測定対象サンプル測定にあたっては283nmで測定した。標準単分散ポリスチレン及び測定対象サンプルはクロロホルムに溶かした溶液として測定に供した。あらかじめ測定され、作成していた標準単分散ポリスチレンの数平均分子量と溶出時間のグラフから測定対象の分子量を求めた。
【0039】
(2)エポキシ基に由来するプロトンのNMR測定方法
測定対象サンプルを重クロロホルムに溶解し日本電子(株)製270MHzNMRにて測定を行った。シグナルピークのケミカルシフトは重クロロホルム中に少量含まれるクロロホルムのシグナルピーク(7.25ppm)を基準として決定した。ポリフェニレンエーテル1分子当たりのエポキシ基の数はポリフェニレンエーテルの芳香環3,5位プロトンに起因するピーク(6.47ppm)とエポキシ基に起因するピーク(2.74,2.89,3.34ppm)の面積比から求めた。
【0040】
【実施例1】
還元粘度が0.43dl/g(標準ポリスチレン換算による数平均分子量が約18000)である粉体状ポリフェニレンエーテル(旭化成(株)製)30.0gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)2.8gを良く混合した後オートクレーブに密閉し、150℃で2時間加熱した。得られた混合物は粉体状のままであった。ポリフェニレンエーテルがエポキシ変性されていることを確認するために得られた反応混合物の一部を用いて未反応の多官能エポキシ化合物を除去する精製操作を行った。即ち、反応混合物2gを20mlのトルエンに溶解した後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過して分離した後、150℃、0.1mmHgの条件で1時間減圧乾燥させた。得られた粉体状の固体を測定対象とし、GPC及びプロトンNMR測定を行った。反応後のエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのGPC曲線は原料ポリフェニレンエーテルのGPC曲線とほぼ一致し、架橋反応が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均1.5個のエポキシ基を有することが判った。
【0041】
得られたエポキシ変性ポリフェニレンエーテル反応混合物の残り20gに、アミノ基変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製変性シリコーンオイルKF−8010)7.9gを添加し良く混合した後オートクレーブに密閉し、130℃で1.5時間加熱した。反応後の混合物は粉体状のままであり、クロロホルムに完全に溶解することが確認され、架橋に伴うゲル化は発生していないことが判った。またシリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が得られていることを確認するために、得られた反応混合物の一部を用いて未反応のアミノ基変性シリコーンを除去する精製操作を行った。なおこの精製は前述の特開平2−641号公報中の精製方法を参考に実施された。即ち、反応混合物の5重量%の塩化メチレン溶液を調整し、この溶液を約0℃の温度で2時間冷却した。得られた沈殿を速やかに濾過して、濾過されたケーキを冷塩化メチレンで速やかに洗浄し、そして120℃、0.1mmHgの条件で1時間減圧乾燥させた。得られた粉体状の固体を測定対象とし、GPC及びプロトンNMR測定を行った。反応後の共重合体のGPC曲線はエポキシ変性されたポリフェニレンエーテルのGPC曲線とほぼ一致し、架橋反応等が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、測定対象サンプルにはオキシラン環に由来するシグナルは検出されず、またシリコーンのジメチルシロキシ基に由来するシグナルが0ppm付近に検出されたことから、シリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が得られたことが判った。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量が制御された新しいシリコーン−ポリフェニレンエーテル共重合体が提供される。本発明による共重合体は産業上のさまざまな面で有効に活用されうる。
Claims (5)
- (a)官能基で変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)該官能基と反応性がある官能基を1分子鎖あたり0.1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物であるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体。
- (a)アミノ基変性されたオルガノシロキサン1〜99重量部と、(b)エポキシ基を1分子鎖あたり0.1個以上有するエポキシ変性ポリフェニレンエーテル99〜1重量部との反応生成物である請求項1記載のシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体。
- エポキシ変性ポリフェニレンエーテルが固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させて得られるものであることを特徴とする請求項2または3に記載の共重合体。
- シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体が、固体状態のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応させ、更に、この反応生成物が固体の状態でアミノ基変性されたオルガノシロキサンとを反応させることにより得られるシリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の共重合体。
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|---|---|---|---|---|
| US8722837B2 (en) | 2012-01-31 | 2014-05-13 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Poly(phenylene ether)-polysiloxane composition and method |
| US10294369B2 (en) | 2015-05-13 | 2019-05-21 | Sabic Global Technologies B.V. | Reinforced poly(phenylene ether) compositions, and articles prepared therefrom |
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2003
- 2003-01-30 JP JP2003021452A patent/JP2004231769A/ja active Pending
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| US10294369B2 (en) | 2015-05-13 | 2019-05-21 | Sabic Global Technologies B.V. | Reinforced poly(phenylene ether) compositions, and articles prepared therefrom |
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