JP2004231681A - コークス炉炭化室壁の補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化室壁の目地切れ、 亀裂などの損傷の材料歩留り(目地切れ、 亀裂などへの材料の充填効率)を改善して、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止しうるコークス炉炭化室壁の補修方法を提供する。
【解決手段】コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで補修するにあたり、炭化室と該炭化室に隣接する燃焼室との間に差圧を加え、かつ材料を液滴状にして吹き込む。
【選択図】 図1
【解決手段】コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで補修するにあたり、炭化室と該炭化室に隣接する燃焼室との間に差圧を加え、かつ材料を液滴状にして吹き込む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉炭化室壁の補修方法に関し、詳しくは、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を補修するためのコークス炉炭化室壁の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄設備としてのコークス炉は、 乾留石炭などの高温物質を内部に保持する築炉構造物であり、その内壁に使用される耐火物は通常1000℃以上の温度にさらされ、特にコークスの押出しなどを行う際には、それら内壁の温度は著しく変化する。したがってそれら内壁は、 熱スポーリングによるれんがの目地切れ、亀裂や剥離などの損傷が発生する。
【0003】
これらの目地切れ、 亀裂などの損傷をそのまま放置し、 炭化室に原料炭を挿入して乾留を続ければ、 発生したコークス炉ガスが目地切れ部を通って燃焼室へ漏洩し、不完全燃焼を起こして操業に支障をきたすとともに、 煙突からの黒煙発生による公害問題が生じる原因となる。
そこで、これらの目地切れ、 亀裂などの損傷を補修するために、従来から一般に行われている方法は、補修しようとする炭化室の内部の圧力を隣接する燃焼室よりも高い圧力に保持した状態で、 その炭化室内に材料を圧縮空気とともに吹き込み、目地切れなどを通じて炭化室から燃焼室に流れる空気に材料を乗せて、 この材料を目地切れ部などの損傷部に充填し、 該損傷部を閉塞する方法である。この補修方法は、ダスティング補修法、ドライシール補修法とも呼ばれている。
【0004】
この補修方法として、例えば、炭化室内に耐火材微粉末(ダスティング材)を吹き込んで補修するに際し、粒度の異なる2種類のダスティング材を用い、最初に粒径74μm以上の粒子を40%以上含むダスティング材(粗粒材料)を吹き込み、続いて粒径44μm以下の粒子を80%以上含むダスティング材(従来使用されている材料)を吹き込む方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−335668号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、炭化室から燃焼室に流れる空気に材料が乗っている浮遊状態がほとんどないために、投入した材料のほとんどがコークス炉々底のゾールに落下してしまい、材料歩留りやそれに起因する作業効率に問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の補修方法における問題を解決するために、炭化室壁の目地切れ、 亀裂などの損傷の材料歩留り(目地切れ、 亀裂などへの材料の充填効率)を改善して、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止しうるコークス炉炭化室壁の補修方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑み検討を重ね、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止しうるコークス炉炭化室壁の補修方法において、効率よく補修する方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで補修するにあたり、炭化室と該炭化室に隣接する燃焼室との間に差圧を与え、かつ材料を液滴状にして吹き込むことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明者らは、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで効率よく補修するには、材料を液滴状にすることによって、材料の浮遊時間が延長して、 その結果、 亀裂内に効率よく材料が充填することを見出して、本発明を完成するに至った。この理由は、一般的に行われている乾式吹き込みの粒子と比較すると、液滴状粒子は凝集せずにその一次粒子が長時間分散されていることによって浮遊時間を確保できるためである。
【0010】
炭化室内へ投入された微細なダスティング補修材料の粒子は、炭化室内に広がって沈降するが、このときその沈降速度は空気抵抗によって終末速度に収斂する。この終末速度は100μm以下程度の微細な粒子径の粒子ではレイノルズ数が5以下程度となるため、下記のストークスの式((1) 式)で表される。
V=(g・(ρp −ρf )・d2 )/18η (1)
g:重力加速度〔m/s2 〕
ρp :粒子密度〔kg/m3 〕
ρf :空気密度〔kg/m3 〕
d:粒子径〔m〕
η:空気粘度〔Pa・s 〕
炭化室内へ吹き込まれた材料の粒子はその粒径に応じてこの終末速度で沈降していくので、粒径の大きな粒子は早く沈降してしまい、炭化室壁面の亀裂部へ到達する粒子が限られてしまう。
【0011】
そこで、沈降を遅くして浮遊時間を長くするために粒径を小さくすることが考えられるが、材料粒子を小さくしていくと、 表面積が増加するために材料粒子同士の凝結が生じやすく、材料の保管中に材料粒子同士の凝結によっていわゆる「だま」が生じてしまうために、炭化室へ吹き込む直前にこれらを解砕しないと炭化室内での浮遊時間を大きくすることができず、かつ解砕されて微細な材料粒子として吹き込むことができても、亀裂の隙間に対する材料の粒径が小さすぎるために亀裂部から燃焼室側へ抜けてしまう材料粒子が増えて、材料の歩留りが悪化してしまう。
【0012】
ここで材料粒子の密度を低減できれば沈降速度を小さくすることができるが、コークス炉炭化室の炉壁補修に使用される材料は高温での体積安定性や亀裂内への付着性といった所定の特性を満足するために限定された耐火材料を使用する必要があるため、これを操作することはできない。
そこで、本発明では、材料粒子を10μm以下程度に微細にするとともに、これを水等の媒質中に分散させてスラリーとし、これを炭化室内へ噴霧することとする。炭化室内へ噴霧されたスラリーは100〜200μm程度の粒径の液滴状材料となって炭化室中に分散するとともに、炭化室内の800℃以上程度の高温雰囲気により媒質が蒸発する。その結果、噴霧された液滴状材料中の微細な材料粒子同士が凝結して粒径50〜100μm程度の擬似粒子を形成する。
【0013】
この擬似粒子はスラリー中の媒質の蒸発により、 微細な材料粒子が互いに凝結したものであるため、微細な材料粒子同士が緩く結合した状態であり、気孔が大きく見かけ密度の小さい形状となる。
この擬似粒子は一体として炭化室内を浮遊するため、 前記したストークス式において粒子径が大きいが粒子密度は小さいという条件となり、 その結果粒径はある程度大きいため亀裂部への歩留りが大きく、かつ、粒子密度は小さいために炭化室内での沈降速度は小さいという条件とすることができる。
【0014】
材料は液滴状になるものであればどのような材料を用いてもよい。例えば、液滴状にするには、耐火物粉末を水等の媒質中に分散させたスラリーを噴霧する方法を用いることができる。耐火物粉末としては、珪石、珪砂、シャモット、ろう石、アルミナ、ムライト、フライアッシュ、シリカヒュームなどの粉末状の材料や、セピオライト、ウォラステナイトなどの繊維状の材料がある。スラリーの製造方法は従来法に従う。すなわち、スラリーは、耐火物粉末と、解膠剤である蛙目(がいろめ)粘土などの添加物に、 例えば水を加えて、例えばボールミル粉砕によってスラリーを作製する。また、シリカゾル、アルミナゾル、水ガラスのような、元来よりスラリー状や液状である材料を用いても何ら問題はない。噴霧方法は、スプレー法、回転霧化法、超音波法など、液滴が生成される方法であれば、何ら問題はない。
【0015】
液滴の大きさは特に規定しないが、 細かい方がより浮遊時間を延長できるため、平均粒径200μm以下が好ましい。
液滴の吹き込みは、補修当初から行っても、一般の乾式補修方法であるダスティング補修を行った後に行ってもよい。特に、ダスティング補修を行った後に本発明を用いると、亀裂幅がダスティング補修によって元々の亀裂幅よりも小さくなっているために、当初から本発明を用いる場合よりも、その充填効率は向上する。
【0016】
なお、本発明の実施にあたっては、燃焼室内よりも炭化室内の圧力を10〜100mmH2 O(100〜1000Pa)程度高くする。これにより亀裂を通じて材料が炭化室から燃焼室へ流れる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
用いた材料を表1に示す。表1において、珪石粉および珪石スラリーは、重量比で、珪砂4号:100に対して粘土11号:4、水:55を配合したものをアルミナボールミルによって20時間粉砕し、ボールミル後のスラリーを乾燥したものを珪石粉、ボールミル後のスラリーにさらに水を添加したものを珪石スラリーとした。
【0018】
【表1】
【0019】
次に、図1は、材料の補修効果を評価するための充填試験装置の概略構成を示す模式図である。この試験装置は、模擬炭化室1と同室内の浮遊材料を吸引する模擬燃焼室2を有しており、その二室間に2枚のれんが31 、32 で隙間を形成して模擬亀裂4とした。模擬燃焼室2には、同室内の空気を吸引して減圧状態にするための吸引口5と水マノメータ6が取り付けられており、さらに、模擬炭化室1と模擬燃焼室2の間の圧力差を調整するための差圧調整孔7が設けられている。なお、この試験装置には材料を浮遊させる吹上エアー(空気吹き上げ)は設置されていない。また、模擬炭化室1には壁体内にヒータ9が埋設されており、模擬炭化室1内の雰囲気温度を800℃程度に保持することができる。
【0020】
浮遊状況は次の手順で求めた。すなわち、この試験装置を用い、常温で、模擬炭化室1上部より、固形物換算で100gの材料10を投入し10分後、粉塵計設置位置8に設置した粉塵測定計(柴田化学器械工業製レーザー粉塵計LD−1型)によりその粉塵数を求めた。この粉塵数が大きいほど浮遊時間が長いこととした。
【0021】
充填効率は次の手順で求めた。すなわち、この試験装置を用い、雰囲気を800℃とした後に、模擬炭化室1上部より材料10を100g投入するとともに、吸引口5から模擬燃焼室2内の空気を吸引して二室間の差圧を50mmH2 O(490Pa)とし、15分経過後に模擬亀裂4内に充填された材料の量充填率を測定した。その際、亀裂幅は0.1mm(亀裂長さは114mmで一定)とした。液滴はスプレー(アネスト岩田製スプレーガンWIDE61)によってスラリーを平均粒径100μmの液滴とした。なお、模擬亀裂4内に充填された材料量の充填率測定は、材料投入量(固形物量)と試験後に室温まで冷却した後に、模擬亀裂4内に堆積した材料量から測定することにより行った。この堆積した材料量を材料投入量で除した値に100を掛けた値を固形物100gあたりの充填効率とし、この充填効率が高いほど補修効果が良好であるとした。表2に実施例と比較例を示す。表2より、実施例では、比較例よりも6倍以上多い粉塵量と、比較例よりも4倍以上高い充填効率が得られた。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、炭化室壁の目地切れ、 亀裂などの損傷の補修の効率を改善し、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止して、操業に対する支障を未算に防ぐことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】材料の補修効果を評価するための充填試験装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 模擬炭化室
2 模擬燃焼室
31 、32 れんが
4 模擬亀裂
5 吸引口
6 水マノメータ
7 差圧調整孔
8 粉塵計設置位置
9 ヒータ
10 材料
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉炭化室壁の補修方法に関し、詳しくは、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を補修するためのコークス炉炭化室壁の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄設備としてのコークス炉は、 乾留石炭などの高温物質を内部に保持する築炉構造物であり、その内壁に使用される耐火物は通常1000℃以上の温度にさらされ、特にコークスの押出しなどを行う際には、それら内壁の温度は著しく変化する。したがってそれら内壁は、 熱スポーリングによるれんがの目地切れ、亀裂や剥離などの損傷が発生する。
【0003】
これらの目地切れ、 亀裂などの損傷をそのまま放置し、 炭化室に原料炭を挿入して乾留を続ければ、 発生したコークス炉ガスが目地切れ部を通って燃焼室へ漏洩し、不完全燃焼を起こして操業に支障をきたすとともに、 煙突からの黒煙発生による公害問題が生じる原因となる。
そこで、これらの目地切れ、 亀裂などの損傷を補修するために、従来から一般に行われている方法は、補修しようとする炭化室の内部の圧力を隣接する燃焼室よりも高い圧力に保持した状態で、 その炭化室内に材料を圧縮空気とともに吹き込み、目地切れなどを通じて炭化室から燃焼室に流れる空気に材料を乗せて、 この材料を目地切れ部などの損傷部に充填し、 該損傷部を閉塞する方法である。この補修方法は、ダスティング補修法、ドライシール補修法とも呼ばれている。
【0004】
この補修方法として、例えば、炭化室内に耐火材微粉末(ダスティング材)を吹き込んで補修するに際し、粒度の異なる2種類のダスティング材を用い、最初に粒径74μm以上の粒子を40%以上含むダスティング材(粗粒材料)を吹き込み、続いて粒径44μm以下の粒子を80%以上含むダスティング材(従来使用されている材料)を吹き込む方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−335668号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、炭化室から燃焼室に流れる空気に材料が乗っている浮遊状態がほとんどないために、投入した材料のほとんどがコークス炉々底のゾールに落下してしまい、材料歩留りやそれに起因する作業効率に問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の補修方法における問題を解決するために、炭化室壁の目地切れ、 亀裂などの損傷の材料歩留り(目地切れ、 亀裂などへの材料の充填効率)を改善して、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止しうるコークス炉炭化室壁の補修方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑み検討を重ね、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止しうるコークス炉炭化室壁の補修方法において、効率よく補修する方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで補修するにあたり、炭化室と該炭化室に隣接する燃焼室との間に差圧を与え、かつ材料を液滴状にして吹き込むことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明者らは、コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで効率よく補修するには、材料を液滴状にすることによって、材料の浮遊時間が延長して、 その結果、 亀裂内に効率よく材料が充填することを見出して、本発明を完成するに至った。この理由は、一般的に行われている乾式吹き込みの粒子と比較すると、液滴状粒子は凝集せずにその一次粒子が長時間分散されていることによって浮遊時間を確保できるためである。
【0010】
炭化室内へ投入された微細なダスティング補修材料の粒子は、炭化室内に広がって沈降するが、このときその沈降速度は空気抵抗によって終末速度に収斂する。この終末速度は100μm以下程度の微細な粒子径の粒子ではレイノルズ数が5以下程度となるため、下記のストークスの式((1) 式)で表される。
V=(g・(ρp −ρf )・d2 )/18η (1)
g:重力加速度〔m/s2 〕
ρp :粒子密度〔kg/m3 〕
ρf :空気密度〔kg/m3 〕
d:粒子径〔m〕
η:空気粘度〔Pa・s 〕
炭化室内へ吹き込まれた材料の粒子はその粒径に応じてこの終末速度で沈降していくので、粒径の大きな粒子は早く沈降してしまい、炭化室壁面の亀裂部へ到達する粒子が限られてしまう。
【0011】
そこで、沈降を遅くして浮遊時間を長くするために粒径を小さくすることが考えられるが、材料粒子を小さくしていくと、 表面積が増加するために材料粒子同士の凝結が生じやすく、材料の保管中に材料粒子同士の凝結によっていわゆる「だま」が生じてしまうために、炭化室へ吹き込む直前にこれらを解砕しないと炭化室内での浮遊時間を大きくすることができず、かつ解砕されて微細な材料粒子として吹き込むことができても、亀裂の隙間に対する材料の粒径が小さすぎるために亀裂部から燃焼室側へ抜けてしまう材料粒子が増えて、材料の歩留りが悪化してしまう。
【0012】
ここで材料粒子の密度を低減できれば沈降速度を小さくすることができるが、コークス炉炭化室の炉壁補修に使用される材料は高温での体積安定性や亀裂内への付着性といった所定の特性を満足するために限定された耐火材料を使用する必要があるため、これを操作することはできない。
そこで、本発明では、材料粒子を10μm以下程度に微細にするとともに、これを水等の媒質中に分散させてスラリーとし、これを炭化室内へ噴霧することとする。炭化室内へ噴霧されたスラリーは100〜200μm程度の粒径の液滴状材料となって炭化室中に分散するとともに、炭化室内の800℃以上程度の高温雰囲気により媒質が蒸発する。その結果、噴霧された液滴状材料中の微細な材料粒子同士が凝結して粒径50〜100μm程度の擬似粒子を形成する。
【0013】
この擬似粒子はスラリー中の媒質の蒸発により、 微細な材料粒子が互いに凝結したものであるため、微細な材料粒子同士が緩く結合した状態であり、気孔が大きく見かけ密度の小さい形状となる。
この擬似粒子は一体として炭化室内を浮遊するため、 前記したストークス式において粒子径が大きいが粒子密度は小さいという条件となり、 その結果粒径はある程度大きいため亀裂部への歩留りが大きく、かつ、粒子密度は小さいために炭化室内での沈降速度は小さいという条件とすることができる。
【0014】
材料は液滴状になるものであればどのような材料を用いてもよい。例えば、液滴状にするには、耐火物粉末を水等の媒質中に分散させたスラリーを噴霧する方法を用いることができる。耐火物粉末としては、珪石、珪砂、シャモット、ろう石、アルミナ、ムライト、フライアッシュ、シリカヒュームなどの粉末状の材料や、セピオライト、ウォラステナイトなどの繊維状の材料がある。スラリーの製造方法は従来法に従う。すなわち、スラリーは、耐火物粉末と、解膠剤である蛙目(がいろめ)粘土などの添加物に、 例えば水を加えて、例えばボールミル粉砕によってスラリーを作製する。また、シリカゾル、アルミナゾル、水ガラスのような、元来よりスラリー状や液状である材料を用いても何ら問題はない。噴霧方法は、スプレー法、回転霧化法、超音波法など、液滴が生成される方法であれば、何ら問題はない。
【0015】
液滴の大きさは特に規定しないが、 細かい方がより浮遊時間を延長できるため、平均粒径200μm以下が好ましい。
液滴の吹き込みは、補修当初から行っても、一般の乾式補修方法であるダスティング補修を行った後に行ってもよい。特に、ダスティング補修を行った後に本発明を用いると、亀裂幅がダスティング補修によって元々の亀裂幅よりも小さくなっているために、当初から本発明を用いる場合よりも、その充填効率は向上する。
【0016】
なお、本発明の実施にあたっては、燃焼室内よりも炭化室内の圧力を10〜100mmH2 O(100〜1000Pa)程度高くする。これにより亀裂を通じて材料が炭化室から燃焼室へ流れる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
用いた材料を表1に示す。表1において、珪石粉および珪石スラリーは、重量比で、珪砂4号:100に対して粘土11号:4、水:55を配合したものをアルミナボールミルによって20時間粉砕し、ボールミル後のスラリーを乾燥したものを珪石粉、ボールミル後のスラリーにさらに水を添加したものを珪石スラリーとした。
【0018】
【表1】
【0019】
次に、図1は、材料の補修効果を評価するための充填試験装置の概略構成を示す模式図である。この試験装置は、模擬炭化室1と同室内の浮遊材料を吸引する模擬燃焼室2を有しており、その二室間に2枚のれんが31 、32 で隙間を形成して模擬亀裂4とした。模擬燃焼室2には、同室内の空気を吸引して減圧状態にするための吸引口5と水マノメータ6が取り付けられており、さらに、模擬炭化室1と模擬燃焼室2の間の圧力差を調整するための差圧調整孔7が設けられている。なお、この試験装置には材料を浮遊させる吹上エアー(空気吹き上げ)は設置されていない。また、模擬炭化室1には壁体内にヒータ9が埋設されており、模擬炭化室1内の雰囲気温度を800℃程度に保持することができる。
【0020】
浮遊状況は次の手順で求めた。すなわち、この試験装置を用い、常温で、模擬炭化室1上部より、固形物換算で100gの材料10を投入し10分後、粉塵計設置位置8に設置した粉塵測定計(柴田化学器械工業製レーザー粉塵計LD−1型)によりその粉塵数を求めた。この粉塵数が大きいほど浮遊時間が長いこととした。
【0021】
充填効率は次の手順で求めた。すなわち、この試験装置を用い、雰囲気を800℃とした後に、模擬炭化室1上部より材料10を100g投入するとともに、吸引口5から模擬燃焼室2内の空気を吸引して二室間の差圧を50mmH2 O(490Pa)とし、15分経過後に模擬亀裂4内に充填された材料の量充填率を測定した。その際、亀裂幅は0.1mm(亀裂長さは114mmで一定)とした。液滴はスプレー(アネスト岩田製スプレーガンWIDE61)によってスラリーを平均粒径100μmの液滴とした。なお、模擬亀裂4内に充填された材料量の充填率測定は、材料投入量(固形物量)と試験後に室温まで冷却した後に、模擬亀裂4内に堆積した材料量から測定することにより行った。この堆積した材料量を材料投入量で除した値に100を掛けた値を固形物100gあたりの充填効率とし、この充填効率が高いほど補修効果が良好であるとした。表2に実施例と比較例を示す。表2より、実施例では、比較例よりも6倍以上多い粉塵量と、比較例よりも4倍以上高い充填効率が得られた。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、炭化室壁の目地切れ、 亀裂などの損傷の補修の効率を改善し、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止して、操業に対する支障を未算に防ぐことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】材料の補修効果を評価するための充填試験装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 模擬炭化室
2 模擬燃焼室
31 、32 れんが
4 模擬亀裂
5 吸引口
6 水マノメータ
7 差圧調整孔
8 粉塵計設置位置
9 ヒータ
10 材料
Claims (1)
- コークス炉の炭化室炉壁れんがに発生した目地切れ、 亀裂などの損傷を炭化室内に材料を吹き込んで補修するにあたり、炭化室と該炭化室に隣接する燃焼室との間に差圧を与え、かつ材料を液滴状にして吹き込むことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003018505A JP2004231681A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | コークス炉炭化室壁の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003018505A JP2004231681A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | コークス炉炭化室壁の補修方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004231681A true JP2004231681A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32948619
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003018505A Pending JP2004231681A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | コークス炉炭化室壁の補修方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2004231681A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107267166A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-10-20 | 中冶焦耐(大连)工程技术有限公司 | 一种焦炉砖煤气道密封用压浆机及其使用方法 |
| CN113322080A (zh) * | 2020-09-10 | 2021-08-31 | 神木泰和煤化工有限公司 | 一种低温内热式兰炭炉的扩能改造方法 |
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2003
- 2003-01-28 JP JP2003018505A patent/JP2004231681A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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