JP2004216700A - 木製角材の製造法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な処理で、短い乾燥期間でしかも表面割れ、ねじれ、曲がり等の発生のない品質良好な角材製品を歩留まりよく得ることができる木製角材の製造法を提供する。
【解決手段】原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷が残存せず少なくとも1面に背割りが残存する寸法形状に修正挽きを行う。
【選択図】図22
【解決手段】原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷が残存せず少なくとも1面に背割りが残存する寸法形状に修正挽きを行う。
【選択図】図22
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は柱や桁、梁で代表される木製角材の製造法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
柱や桁、梁は製材の区分としては「ひき角類」に属し、建築用などに欠かせない構造材料である。
かかる角材は、従来一般に、原木(丸太)を鋸により4面をカットする荒挽き工程で断面角形状に加工し、そのままの状態で乾燥装置に送られて水分含有量が規定内になるまで乾燥させ、乾燥された荒挽き柱材を、各面が規定寸法たとえば柱であれば120×120mmとなるように修正挽きし、梁や桁などの横架材であれば、240×120mmとなるように修正挽きし、製品として梱包出荷していた。
【0003】
しかし、先行技術では、乾燥工程で表面割れ、ねじれ、曲がりなどの歪の発生することが避けられず、こうした症状は修正挽き工程でほとんど改善できないので、商品とならない角材が発生し、歩留まり低下により乾燥コストを上げるとともに、全体的な製品コストの上昇を招いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、比較的簡単な処理を加えるだけで、短い乾燥期間でしかも表面割れ、ねじれ、曲がり等の発生のない品質良好な角材製品を歩留まりよく得ることができる木製角材の製造法を提供することにある。
【0005】
また本発明の他の目的は、前記製造法の実施に好適で、荒挽、修正挽きおよび不良乾燥発生防止用加工を自動的に能率よく行える設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明の木製角材の製造法は、原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷が残存せず少なくとも1面に背割りが残存する寸法形状に修正挽きを行うことを特徴としている。
【0007】
また、第1の目的を達成するため、本発明の木製角材の製造法は、原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷および背割りが残存しない寸法形状に修正挽きを行うことを特徴としている。
【0008】
第2の目的を達成するため本発明は、搬入部と、搬入部からの原木を角断面にする鋸を備えた鋸挽部と、該鋸挽部の近傍下流に配され、荒挽角材の各面に対して背割りを入れる背割り機構と荒挽角材の各面に対して多数の表面傷をつける創傷機構を有する乾燥前加工部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
好適には、乾燥前加工部には、フレームの下部に複数の送りローラが、上部に角材を押し付ける複数の押えローラがそれぞれ配置されており、前記送りローラの片側には、角材の横面を当接させる定規が固設されるとともに、他側には角材を前記定規に押し当てる進退自在な複数の押え機構が設けられており、前記送りローラと押えローラ間のスペースに、上下用鋸と左右用鋸からなる背割り鋸機構と、それぞれに多数の創傷片を配した上下用部体と左右用部体からなる創傷機構が配されている。
【0010】
好適には、上下用部体と左右用部体は、外周に多数の創傷片を配したローラと、該ローラを支持する移動可能なアームを供えている。
乾燥前加工部は、面取り機構を有しているものを含んでいる。
挽部は、乾燥前加工部で前加工され乾燥された角材の背割り部分と表面傷部分を含む外層を取り除いて規定寸法の角断面にする修正挽き部を兼ねている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の実施態様を説明する。
図1ないし図4は本発明を木製柱の製造に適用した第1実施態様を示しており、まず、図1のように、丸太原木1を鋸挽きして4面カットし、断面正方形状の荒挽材2を作る。100は取り除かれた各背板である。
この荒挽材2はたとえば2辺がそれぞれ135〜140mmの範囲内に収まっており、図2のように各面に板目部分200が現れ、かつ各角付近には目切りされた柾目部分201,201が現れている。
【0012】
従来では、一般にこうした荒挽材2をそのまま乾燥していたが、本発明は、荒挽直後あるいは荒挽と同時期に特殊な乾燥前加工を施す。
すなわち、図3のように、荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに、板目部分200と平行状のスリット状の背割り3,3’を入れるとともに、背割り3,3’を除く各面2a、2b、2c、2dに木繊維を分断する傷付け加工を施して意図的に多数の表面傷部4を形成する。
【0013】
前記背割り3,3’は、通常スリットマシンで形成される。この実施例では背割りは3面2a、2b、2cに相対的に浅い深さH1として入れられ、残る1面2dには、図5に示す製品(この例では柱)となったときに短背割り3”が残存するように相対的に大きな深さH2で入れられる。
前記深さH1は最終の修正挽きのときに取り除かれて製品の表面には残らない寸法とするもので、たとえば4〜6mmの範囲から選定される。深さH2は最終の修正挽きのときに底を含む所要深さが残存するようたとえば25〜35mmの範囲から選定される。
【0014】
表面傷部4は所定のピッチで4面2a、2b、2c、2dに満遍なく散在するように施されるが、それら表面傷部4は、最終の修正挽きのときに取り除かれて製品の表面には残らない深さが選定される。
表面傷部4は、多数の突きないし切除刃物要素を配した回転体を押し付けるなどの自動機械で施してもよいし、錐、ノミなどの手工具で施してもよい。
【0015】
以上のように背割り3,3’と表面傷部4を形成した乾燥前加工済み荒挽材2’は、次いで乾燥される。この乾燥は天然乾燥、人工乾燥、天然乾燥と人工乾燥の併用など任意である。
従来では図2の荒挽柱材2の状態もしくは、1面ののみに1箇所背割りを入れて乾燥工程を行っており、板目部分201が目切りにより応力が切られていたが、本発明は4面2a、2b、2c、2dの板目部分21に背割り3,3’を入れていることにより張り応力を分散できるので、木材の曲がりやねじれなどの歪を軽減することができる。
【0016】
また、図2の荒挽材2は、柾目部分201は木の目が平行に走っているため保有水分が抜けやすいが、板目部分200は木の目が重なっているため、水分が抜けにくい。これに対して本発明は板目部分200に背割り3,3’を入れ、それにより背割りを構成する側壁300と底壁301に木の目を開口させるので、図4で模式的に示すように水分を迅速、旺盛に抜くことができる。
【0017】
さらに、4面2a、2b、2c、2dにそれぞれ多数の表面傷部4を形成することにより、第1に木材の応力、木の目がばらばらに切られた状態になり、これにより曲がり、ねじれなどの歪発生を低減することができる。第2に、各表面傷部4ごとに板目部分200の木の目が開口するので、水分をより早急に多量に抜くことができる。
本発明は表面傷部4と背割り3,3’との相乗効果で木材に無理をかけずに乾燥することができるので、木材が本来持つ肌合いや強度を損なわずに乾燥でき、しかも乾燥コストを低減可能である。
前記背割り3,3’と表面傷部4は、前述した作用を十分に果たし得る範囲で選定する。
【0018】
上記のように乾燥工程が完了した後、図5のように、乾燥前加工・乾燥済み荒挽材2”の3面に入れておいた背割り3と表面傷部4を含む板状の各外層部分2A,2B,2Cを取り除き、残る1面については所定深さの背割り3”が残存しかつ表面傷部4を含む各外層部分2Dが取り除かれるように修正挽き工程を行う。これで、図6の角材製品Sが得られる。この製品は隅に面取りが施されていてもよい。
【0019】
図7と図8は本発明を木製柱の製造に適用した第2態様を示している。
この実施例においては、乾燥前加工工程において、製品のすべての面に背割り3が残存しないような深さに形成している。
他の工程と詳細および作用は第1実施例と同様であるから、重複を避けるため説明は省略する。
【0020】
図9ないし図11は本発明を桁や梁の製造に適用した第3態様例を示している。
この実施例においては、図9のように荒挽材2は断面が長方形状をなしており、この荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに対して背割り3、3’を形成するとともに、意図的に傷付け加工を施して多数の表面傷部4を形成して、乾燥前加工済み荒挽材2’とする。
【0021】
荒挽材2は、相対する2面(長辺面)2a、2dが他の2面の(短辺面)2b、2cの2倍程度広いため、前記作用を効果的に得るべく、長辺面2a、2dに対する背割り3の本数を複数本(図示するものでは3本)とし、短辺面2b、2cを単一としている。
そして、1つの長辺面2dにおける背割りのうちの1本と、1つの短辺面2bの背割りを、製品6となったときにも残存する深さH2としている。
背割り加工と傷付け加工は第1実施態様と同じ条件で行われ、調整材は乾燥工程で乾燥される。乾燥後、修正挽き工程で表面傷部4と浅い深さH1の背割りを含む各外層部分2A〜2Dが取り除かれ、図11に示す製品Sとされる。
他は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0022】
図12と図13は本発明を桁や梁の製造に適用した第4態様を示している。
この実施例においても、荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに対して背割り3、3’を形成するとともに、意図的に傷付け加工を施して多数の表面傷部4を形成するもので、長辺面2a、2dに対する背割り3の本数を複数本(図示するものでは3本)とし、短辺面2b、2cを単一としているが、すべての背割りが、修正挽きの際に除去される深さとしている点で第3態様と異なっている。他は、先に説明した態様の場合と同様である。
【0023】
本発明は、実施例に限定されるもではない。
1)背割りは必ずしも各面で1本である場合に限られず、各面ごとに複数本であっても、また、ある面では1本、他の面では複数本であってもよい。
2)製品に残存させる深さの背割りは、1本であるとは限らず、複数であってもよく、また、複数の面に存するようにしてもよい。
3)修正挽き時に各コーナーを斜めに切断する面取りを行うことも含んでいる。
【0024】
図14ないし図22は、本発明による木製柱類の製造装置の一実施例を示している。
Aは搬入部であり、原木(乾燥後の角材)を受支しこれを平行移動するチェーン駆動デッキなどの可動盤台5を備えている。
Bは搬入部Aの下流に設置した鋸挽部であり、刃物を交換することで荒挽と修正挽きを行えるようになっている。
鋸挽部Bは、前記可動盤台5の最終に配されたストッパ付きローダ6の近傍に位置され、公知の装置と同様に、原木(乾燥後の角材)の数箇所を位置決めおよびクランプしこの状態で側方(図面では右方)に移動させる搬送機構7、7と、搬送機構7、7の搬送方向前方に位置する門型フレーム8aに設けられた対鋸8と、門型フレーム8aの先に設置された移動案内路9と、該移動案内路9と直角方向に延在するチェーンコンベアなどからなる切除板搬出機構10とを備えている。前記対鋸8は相互の間隔が拡縮自在となっている。
【0025】
Cは鋸挽部Bで加工され、前処理加工および乾燥を終えた角材の長さ方向両端をカットする横切り部であり、前記挽部Bの搬送機構7,7に隣接したころ式などのコンベア11と、角材を位置決めする駆動ローラ12と、これからの角材を長手方向に移動させるチエーン式などのコンベア13と、図2のように昇降自在な2基の横切り鋸14とを備えている。
【0026】
Dは本発明で特徴とする乾燥前加工部であり、前記横切り部Cと受取りスキッド15を介して連結され、角材を長手方向に搬送する搬送機構16と、これの下流に設置された乾燥前加工部本体17と、これで処理された角材を搬送する搬送機構18とを備えている。
Eは搬出部であり、前記下流側の搬送機構18と直交状に位置し角材を側方に搬出するチェーン式などのスキッド19と、該スキッド19からの角材を受け取って下降するエレベータ27と、角材をストックしつつ搬出するころ式などのコンベア28とを備えている。
【0027】
乾燥前加工部本体17は、図16ないし図21に詳細が示されており、フレーム30の下部には所定の間隔で送りローラ31が配置されており、上部には所定の間隔で押えローラ32が配置されている。送りローラ31はモータで駆動されるものと、フリー回転されるものとを含んでいる。
各押えローラ32は傾斜状のアーム32aにより支持され、アーム32aは図示しないアクチュエータにより昇降可能となっている。
【0028】
また、送りローラ31の片側に対応する領域には、角材の横面を当接させる定規34が固設され、他側に対応する領域には、角材の横他面と接して定規34に押し当てる複数の進退自在な押え機構35が設けられている。押え機構35はたとえばエアシリンダなどのアクチュエータ35aとこれの出力部に連結されたアーム35bと、アームに回転自由に保持されたローラ35cからなっている。
【0029】
前記送りローラ31と押えローラ32間のスペースには、背割り鋸機構36,36’と創傷機構37,37’が配されており、かつこの実施例では乾燥後の角材の角を面取りできるように面取り機構38、38’も配置されている。
背割り鋸機構36,36’は、上下用鋸36と左右用鋸36’からなっており、それぞれ、モータ36aとこれで駆動される丸鋸36bとを備えている。そして、モータまたはこれを搭載したベースは、リニアガイド36cに搭載され、エアシリンダのごときアクチュエータ36dによって、面取り工程時には鋸刃が角材に接触しない位置に後退できるように位置変位可能となっている。
前記丸鋸36bは単一でもよいし複数であってもよく、ユニットとしてモータの出力軸に交換自在とされることが好ましい。
【0030】
創傷機構37,37’は、上下用部体37と左右用部体37’からなっており、それぞれは、外周に多数の創傷片370を配したローラ37aと、該ローラの軸を支持する傾斜状のアーム37bと、創傷時にはアーム37bを介してローラ37aを角材に押し付け、面取り時には創傷片370を角材に接触しない位置に後退させるためのアクチュエータ37cを備えている。
この実施例では、アーム37bは後端が揺動可能に枢支され、中間にアクチュエータ37cの作用点が連結されているが、平行移動式であってもよい。創傷片370は円錐状の硬質スパイクあるいは釘であってもよいし,掻き取りへらなどであってもよい。
【0031】
上下用部体37と左右用部体37’は、好ましくはいずれか一方がモータで駆動回転されるようになっている。モータはローラ軸に直結されていてもよいし、アームに固定され、チエーンとスプロケットなどの伝動要素を介してローラ軸に伝達されるようにしてもよい。
なお、背割り鋸機構36,36’と創傷機構37,37’の配置順序は、この例では、後者が上流側に、前者が下流側に配置されているが、逆であってもかまわない。
【0032】
面取り機構38、38’は、角材の対角線に対応する位置に計2対設けられており、それぞれモータ38aとこれにより回転駆動されるカッター38bとを備えている。モータまたはこれを搭載したベースは創傷加工時にはカッターが角材に接触しない位置に後退できるように位置変位可能となっている。
【0033】
前記本発明装置による角材の製造過程を説明する。図22は工程とそれに対応する木材の状態変化を示している。
まず、原木1を搬入部Aに載せ、可動盤台5を作動して平行移動させる。原木1は、ストッパ付きローダを介して挽部Bに装入され、搬送機構7,7により数箇所を位置決めおよびクランプされ、この状態で側方(図面では右方)に移動させられる。
【0034】
移動方向では対鋸8が荒挽寸法に対応して間隔が調整されており、かかる対鋸8が回転駆動された状態で原木1が送られることにより第1回目の挽きが行われ、原木1は180度対称位置の部分が切断されて断面タイコ状になる。次いで、原木は搬送機構7,7により元位置に戻され、90度回転されて再びクランプされ、搬送機構7,7により移動されることで第2回の切断が行われ、断面角形の荒挽材2になる。これが図1の状態であり、発生した割円断面の背板100は、切除板搬出機構10により搬出される。
【0035】
前記荒挽材1は次いで横切り部Cに送られるが、この段階では小口は切断しないので、横切り鋸14,14は上昇位置に置かれ、荒挽材2は横切り部Cを通過し、受取りスキッド15を介して搬送機構16に移置され、乾燥前加工部Dへと搬送される。
このとき、乾燥前加工部本体17においては、あらかじめ荒挽材2の寸法に合わせて、上下用鋸36と左右用鋸36’の左右と上下方向の位置(背割り位置、深さ)が調整され、また、それぞれアクチュエータ37cにより上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aの走路内への出具合が調整されている。また、面取り機構38,38’はカッターが荒挽材2に接触しない位置まで移動されられる。
なお、製品に背割りを残存させる場合には、該当面たとえば下面に対応する鋸の突き出し量を多くしておく。
【0036】
搬送機構16で送られてきた荒挽材2は、乾燥前加工部本体17に進入すると、送りローラ31と押えローラ32で上下がずれないように位置決めされ、かつ、押え機構35のアクチュエータ35aの作動によりローラ35cと定規34間で左右がずれないように位置決めされ、その状態で長手方向に移動される。
荒挽材2が移動すると、移送路内に突出されている創傷機構の上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aが荒挽材2と転接し、それにより、多数の創傷片370が荒挽材2の4面に突き刺さりあるいは削られ、所定ピッチの多数の表面傷部4が4面に自動的に付けられる。
それとともに、上下用鋸36と左右用鋸36’が荒挽材1の先端から接触することで4面の略中央にスリット状の背割りが3,3’順次自動的に入れられる。これで図3,7、10および12に示される様態になる。
【0037】
こうして背割りと脱気用の傷を付けられた乾燥前加工済み荒挽材2’は、乾燥前加工部本体17から搬送機構18に送り出され、これのエンドに到着すると、スキッド19により平行移動され、エレベータ27により下降され、コンベア28に移置される。その後、乾燥前加工済み荒挽材2’は他所の乾燥設備に移送され、天然乾燥又は/及び人工乾燥される。
この乾燥工程での作用は前述したとおりである。
【0038】
乾燥工程が終了すると、乾燥済み角材2”は再び搬入部Aに搬入され、鋸挽部Bに装入され、搬送機構7,7により数箇所を位置決めおよびクランプされ、この状態で側方(図面では右方)に移動させられる。
移動方向では対鋸(修正用の刃に交換されていることが好ましい)8が仕上げ寸法に対応して間隔が調整されており、かかる対鋸8が回転駆動された状態で乾燥済み角材2”が送られることにより、第1回目の修正挽きが行われ、乾燥済み角材2”は180度対称位置の板部分が切断される。すなわち、乾燥前加工部で付けられていた表面傷部4を含む外層2B,2Cが切断除去される。これが図22の半製品S1である。
【0039】
次いで、2面が修正された乾燥済み角材は搬送機構7,7により元位置に戻され、90度回転されて再びクランプされ、搬送機構7,7により移動されることで第2回目の修正挽きが行われ、乾燥前加工部で付けられていた表面傷部4を含む外層2A,2Dが切断除去される。これが図22の半製品S1である。このとき、乾燥前加工部で付けられていた背割り3’が深い寸法である場合には、背割りが残される。取り除かれた板2A〜2Dは、除去板搬出機構10により搬出される。
【0040】
修正挽き済みの角材S1は次いで横切り部Cに送られる。横切り部Cでは、片側の横切り鋸14があらかじめ切断長さに対応する位置に移動されている。
修正挽き済みの角材は、駆動ローラ機構12で位置決めされ、コンベア13で長手方向に移動され、横切り鋸14で小口が切断される。切断された小口短材はベルトコンベアで排出される。これが図22に示す半製品S2である。
【0041】
修正挽き・小口切断済みの角材S2は、受取りスキッド15を介して搬送機構16に移置され、乾燥前加工部本体17を通過させられる。
製造予定の製品仕様が隅に面取りを付けたものである場合には、面取り機構38,38’はカッターが接触位置に前進させられる。一方、背割り鋸機構の上下用鋸36と左右用鋸36’はアクチュエータ36dの作動により、修正挽き・小口切断済み角材S2に接触しない位置まで逃がされ、また、創傷機構の上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aも、アクチュエータ37cにより小口切断済みの角材に接触しない位置まで逃がされる。
【0042】
搬送機構16で送られてきた修正挽き・小口切断済みの角材S2は、送りローラ31と押えローラ32および押え機構35と定規34間で上下左右がずれないように位置決めされ、その状態で長手方向に移動されることにより、前記面取り機構38,38’の2対のカッター38b、38bにより、面取り加工が行われ、角材製品Sとなる。
【0043】
面取り加工を要しない場合は、面取り機構38,38’はカッターが修正挽き・小口切断済み角材荒挽材に接触しない位置に待機されたままにしておけばよく、修正挽き・小口切断済みの角材は乾燥前加工部Dを何も加工されぬまま通過する。
【0044】
こうして得られた角材製品Sは、搬送機構18のエンドに到着すると、スキッド19により平行移動され、エレベータ27により下降され、コンベア28上に移置、ストックされ、他所にて梱包される。
【0045】
以上により、原木を断面角形状に荒挽きする工程、荒挽材の各面にスリット状の背割りを入れかつ各面の表面を傷付ける加工工程および乾燥後の修正挽き工程を、単一の設備で自動的に能率よく行うことができる。
また、製造途中で仕様が変更され、製品に背割りが必要になったときには、乾燥前加工部本体17における背割り鋸機構の上下用鋸36と左右用鋸36’のうち所望のものを突出させればよい。
なお、製造対象の角材が梁、桁などの長方形断面材である場合には、その寸法に対応した送りローラ、背割り鋸機構、創傷機構をセットした別の乾燥前加工部本体ユニットと交換すればよい。
【0046】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。
実施例1
図14〜21に示す装置を使用して実施した。対象木材は、樹齢約50年の杉、平均径160mm、水分含有量約80〜120%の丸太を使用した。
1)前記丸太を350本、660mm径のツイン丸鋸で138×138mmに荒挽した。
【0047】
2)次いで、直径255mmの丸鋸で荒挽角材の全長にわたり、3面中央部に深さ5mm、幅3mmの背割りを入れ、残る1面に深さ25mm、幅3mmの背割りを入れた。それとともに、長さ200mm、直径180mmのローラに鉄鋼製の長さ25mmの円錐状スパイクを15mm間隔で固定した上下、左右の創傷機構で荒挽角材の4面全体に深さ約5mm、間隔約15mmの表面傷をつけた。
【0048】
3)この乾燥前加工を施した角材を、乾燥した。
乾燥手段:蒸気式木材乾燥装置
乾燥条件:60℃の中温乾燥
乾燥日数:6日
4)乾燥状態を検査した結果は、次のとおりである。
含有水分量:平均約18%
表面割れの有無:無し
ねじれ:無し
真直度:3mm/3M
【0049】
5)乾燥後の角材を、修正用180mm径のツイン丸鋸で120×120mm寸法に修正挽きした。これにより、3面に入れておいた背割り部分と表面傷部分が除去され、1面に深さ18mmの背割が残った。
修正挽き角材の試験結果は次のとおりである。
含有水分量:平均18%
表面割れの有無:無し
ねじれ:無し
真直度:0〜0.5mm/3M(平均:0.3mm/3M)
【0050】
6)比較のため、同じ対象木材を乾燥前加工を施さずに、前記寸法に荒挽した350本の角材を、前記と同じ方法と条件で乾燥し、乾燥済材を修正挽きして製品を得た。これを従来品と称す。
【0051】
乾燥済材の段階での検査結果は次のとおりである。
含有水分量:平均約38%
表面割れの有無:有り
ねじれ:有り
真直度:8mm/3M
【0052】
そして、乾燥済材を修正挽きした製品の試験結果は次のとおりである。
含有水分量:平均約38%
表面割れの有無:全体に有り
ねじれ:有り
真直度:0〜1.5mm/3M(平均0.8mm/3M)
【0053】
7)上記の比較から明らかなように、本発明品は乾燥済状態での表面割れ、ねじれ、曲がりが従来例に比べて極めて少なく、しかも乾燥日程が大幅に短縮されることがわかる。これは、荒挽角材に対する背割りと創傷によることは明らかである。
8)背割りと創傷の効果を見るため、前記荒挽角材に背割りだけを施した試料、創傷だけを施した試料をおのおの作成し、前記条件で乾燥させてみた。
乾燥後の試験結果は、背割りのみの場合、ねじれ、真直度はよいが、含水率が高く、創傷加工のみの場合、含水率は比較的低いものの、割れ、ねじれが多く発生した。この結果から、背割りと創傷の相乗作用で割れと歪の発生防止、乾燥時間の短縮が実現されることがわかる。
【0054】
実施例2
荒挽工程で4面に深さ5mm、幅3mmの背割りを入れるほか、実施例1と同一にし、この乾燥前加工を施した角材を乾燥した結果は、実施例1と略同等であった。
そして、修正挽き時に4面の背割り部分と表面傷部分を除去して製品とした。この製品の試験結果も実施例1と略同等であった。
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1および2によるときには、簡単な処理により短い乾燥期間でしかも表面割れ、ねじれ、曲がり等の発生のない品質良好な角材製品を歩留まりよく得ることができるというすぐれた効果が得られる。
【0056】
請求項3によれば、前記製造法の実施に好適で、荒挽、修正挽きおよび不良乾燥発生防止用加工を自動的に能率よく行える設備を提供することができるというすぐれた効果が得られる。
請求項4によれば、歪発生防止と乾燥促進のための乾燥前加工工程を簡単な構造で自動的に円滑に実施できるというすぐれた効果が得られる。
【0057】
請求項5によれば、歪発生防止と乾燥促進のための表面傷を連続的に、簡単に付けることができるというすぐれた効果が得られる。
請求項6によれば、乾燥前加工だけでなく修正挽き後の面取りも単一の装置で実施できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による木製角材の製造法の荒挽工程を示す説明図である。
【図2】第1態様の荒挽状態の部分的斜視図である。
【図3】乾燥前加工工程を終わった状態の部分的斜視図である。
【図4】図3の部分的拡大図である。
【図5】乾燥後の修正工程を示す断面図である。
【図6】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図7】第2態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図8】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図9】第3態様の荒挽状態を示す部分的斜視図である。
【図10】第3態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図11】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図12】第4態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図13】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図14】本発明による木製角材の製造装置の一例を示す平面図である。
【図15】図14のX−X線に沿う断面図である。
【図16】本発明装置における乾燥前加工部本体の横断面図である。
【図17】本発明装置における乾燥前加工部本体の縦断側面図である。
【図18】乾燥前加工部本体の位置決め機構の縦断正面図である。
【図19】乾燥前加工部本体の創傷機構の縦断正面図である。
【図20】乾燥前加工部本体の背割り機構の縦断正面図である。
【図21】乾燥前加工部本体の面取り機構の縦断正面図である。
【図22】本発明装置による処理系統と材木の状態変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 原木
2 荒挽角材
2’ 乾燥前加工済み荒挽角材
2” 乾燥前加工・乾燥済荒挽角材
S 製品
3、3’ 背割り
4 表面傷部
A 搬入部
B 鋸挽き部
C 横切り部
D 乾燥前加工部
17 乾燥前加工部本体
31 送りローラ
32 押えローラ
34 定規
35 押圧機構
36,36’ 背割り機構
37,37’ 創傷機構
37a ローラ
37b アーム
37c アクチュエータ
38,38’ 面取り機構
【発明の属する技術分野】
本発明は柱や桁、梁で代表される木製角材の製造法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
柱や桁、梁は製材の区分としては「ひき角類」に属し、建築用などに欠かせない構造材料である。
かかる角材は、従来一般に、原木(丸太)を鋸により4面をカットする荒挽き工程で断面角形状に加工し、そのままの状態で乾燥装置に送られて水分含有量が規定内になるまで乾燥させ、乾燥された荒挽き柱材を、各面が規定寸法たとえば柱であれば120×120mmとなるように修正挽きし、梁や桁などの横架材であれば、240×120mmとなるように修正挽きし、製品として梱包出荷していた。
【0003】
しかし、先行技術では、乾燥工程で表面割れ、ねじれ、曲がりなどの歪の発生することが避けられず、こうした症状は修正挽き工程でほとんど改善できないので、商品とならない角材が発生し、歩留まり低下により乾燥コストを上げるとともに、全体的な製品コストの上昇を招いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、比較的簡単な処理を加えるだけで、短い乾燥期間でしかも表面割れ、ねじれ、曲がり等の発生のない品質良好な角材製品を歩留まりよく得ることができる木製角材の製造法を提供することにある。
【0005】
また本発明の他の目的は、前記製造法の実施に好適で、荒挽、修正挽きおよび不良乾燥発生防止用加工を自動的に能率よく行える設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明の木製角材の製造法は、原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷が残存せず少なくとも1面に背割りが残存する寸法形状に修正挽きを行うことを特徴としている。
【0007】
また、第1の目的を達成するため、本発明の木製角材の製造法は、原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷および背割りが残存しない寸法形状に修正挽きを行うことを特徴としている。
【0008】
第2の目的を達成するため本発明は、搬入部と、搬入部からの原木を角断面にする鋸を備えた鋸挽部と、該鋸挽部の近傍下流に配され、荒挽角材の各面に対して背割りを入れる背割り機構と荒挽角材の各面に対して多数の表面傷をつける創傷機構を有する乾燥前加工部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
好適には、乾燥前加工部には、フレームの下部に複数の送りローラが、上部に角材を押し付ける複数の押えローラがそれぞれ配置されており、前記送りローラの片側には、角材の横面を当接させる定規が固設されるとともに、他側には角材を前記定規に押し当てる進退自在な複数の押え機構が設けられており、前記送りローラと押えローラ間のスペースに、上下用鋸と左右用鋸からなる背割り鋸機構と、それぞれに多数の創傷片を配した上下用部体と左右用部体からなる創傷機構が配されている。
【0010】
好適には、上下用部体と左右用部体は、外周に多数の創傷片を配したローラと、該ローラを支持する移動可能なアームを供えている。
乾燥前加工部は、面取り機構を有しているものを含んでいる。
挽部は、乾燥前加工部で前加工され乾燥された角材の背割り部分と表面傷部分を含む外層を取り除いて規定寸法の角断面にする修正挽き部を兼ねている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の実施態様を説明する。
図1ないし図4は本発明を木製柱の製造に適用した第1実施態様を示しており、まず、図1のように、丸太原木1を鋸挽きして4面カットし、断面正方形状の荒挽材2を作る。100は取り除かれた各背板である。
この荒挽材2はたとえば2辺がそれぞれ135〜140mmの範囲内に収まっており、図2のように各面に板目部分200が現れ、かつ各角付近には目切りされた柾目部分201,201が現れている。
【0012】
従来では、一般にこうした荒挽材2をそのまま乾燥していたが、本発明は、荒挽直後あるいは荒挽と同時期に特殊な乾燥前加工を施す。
すなわち、図3のように、荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに、板目部分200と平行状のスリット状の背割り3,3’を入れるとともに、背割り3,3’を除く各面2a、2b、2c、2dに木繊維を分断する傷付け加工を施して意図的に多数の表面傷部4を形成する。
【0013】
前記背割り3,3’は、通常スリットマシンで形成される。この実施例では背割りは3面2a、2b、2cに相対的に浅い深さH1として入れられ、残る1面2dには、図5に示す製品(この例では柱)となったときに短背割り3”が残存するように相対的に大きな深さH2で入れられる。
前記深さH1は最終の修正挽きのときに取り除かれて製品の表面には残らない寸法とするもので、たとえば4〜6mmの範囲から選定される。深さH2は最終の修正挽きのときに底を含む所要深さが残存するようたとえば25〜35mmの範囲から選定される。
【0014】
表面傷部4は所定のピッチで4面2a、2b、2c、2dに満遍なく散在するように施されるが、それら表面傷部4は、最終の修正挽きのときに取り除かれて製品の表面には残らない深さが選定される。
表面傷部4は、多数の突きないし切除刃物要素を配した回転体を押し付けるなどの自動機械で施してもよいし、錐、ノミなどの手工具で施してもよい。
【0015】
以上のように背割り3,3’と表面傷部4を形成した乾燥前加工済み荒挽材2’は、次いで乾燥される。この乾燥は天然乾燥、人工乾燥、天然乾燥と人工乾燥の併用など任意である。
従来では図2の荒挽柱材2の状態もしくは、1面ののみに1箇所背割りを入れて乾燥工程を行っており、板目部分201が目切りにより応力が切られていたが、本発明は4面2a、2b、2c、2dの板目部分21に背割り3,3’を入れていることにより張り応力を分散できるので、木材の曲がりやねじれなどの歪を軽減することができる。
【0016】
また、図2の荒挽材2は、柾目部分201は木の目が平行に走っているため保有水分が抜けやすいが、板目部分200は木の目が重なっているため、水分が抜けにくい。これに対して本発明は板目部分200に背割り3,3’を入れ、それにより背割りを構成する側壁300と底壁301に木の目を開口させるので、図4で模式的に示すように水分を迅速、旺盛に抜くことができる。
【0017】
さらに、4面2a、2b、2c、2dにそれぞれ多数の表面傷部4を形成することにより、第1に木材の応力、木の目がばらばらに切られた状態になり、これにより曲がり、ねじれなどの歪発生を低減することができる。第2に、各表面傷部4ごとに板目部分200の木の目が開口するので、水分をより早急に多量に抜くことができる。
本発明は表面傷部4と背割り3,3’との相乗効果で木材に無理をかけずに乾燥することができるので、木材が本来持つ肌合いや強度を損なわずに乾燥でき、しかも乾燥コストを低減可能である。
前記背割り3,3’と表面傷部4は、前述した作用を十分に果たし得る範囲で選定する。
【0018】
上記のように乾燥工程が完了した後、図5のように、乾燥前加工・乾燥済み荒挽材2”の3面に入れておいた背割り3と表面傷部4を含む板状の各外層部分2A,2B,2Cを取り除き、残る1面については所定深さの背割り3”が残存しかつ表面傷部4を含む各外層部分2Dが取り除かれるように修正挽き工程を行う。これで、図6の角材製品Sが得られる。この製品は隅に面取りが施されていてもよい。
【0019】
図7と図8は本発明を木製柱の製造に適用した第2態様を示している。
この実施例においては、乾燥前加工工程において、製品のすべての面に背割り3が残存しないような深さに形成している。
他の工程と詳細および作用は第1実施例と同様であるから、重複を避けるため説明は省略する。
【0020】
図9ないし図11は本発明を桁や梁の製造に適用した第3態様例を示している。
この実施例においては、図9のように荒挽材2は断面が長方形状をなしており、この荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに対して背割り3、3’を形成するとともに、意図的に傷付け加工を施して多数の表面傷部4を形成して、乾燥前加工済み荒挽材2’とする。
【0021】
荒挽材2は、相対する2面(長辺面)2a、2dが他の2面の(短辺面)2b、2cの2倍程度広いため、前記作用を効果的に得るべく、長辺面2a、2dに対する背割り3の本数を複数本(図示するものでは3本)とし、短辺面2b、2cを単一としている。
そして、1つの長辺面2dにおける背割りのうちの1本と、1つの短辺面2bの背割りを、製品6となったときにも残存する深さH2としている。
背割り加工と傷付け加工は第1実施態様と同じ条件で行われ、調整材は乾燥工程で乾燥される。乾燥後、修正挽き工程で表面傷部4と浅い深さH1の背割りを含む各外層部分2A〜2Dが取り除かれ、図11に示す製品Sとされる。
他は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0022】
図12と図13は本発明を桁や梁の製造に適用した第4態様を示している。
この実施例においても、荒挽材2の各面2a、2b、2c、2dに対して背割り3、3’を形成するとともに、意図的に傷付け加工を施して多数の表面傷部4を形成するもので、長辺面2a、2dに対する背割り3の本数を複数本(図示するものでは3本)とし、短辺面2b、2cを単一としているが、すべての背割りが、修正挽きの際に除去される深さとしている点で第3態様と異なっている。他は、先に説明した態様の場合と同様である。
【0023】
本発明は、実施例に限定されるもではない。
1)背割りは必ずしも各面で1本である場合に限られず、各面ごとに複数本であっても、また、ある面では1本、他の面では複数本であってもよい。
2)製品に残存させる深さの背割りは、1本であるとは限らず、複数であってもよく、また、複数の面に存するようにしてもよい。
3)修正挽き時に各コーナーを斜めに切断する面取りを行うことも含んでいる。
【0024】
図14ないし図22は、本発明による木製柱類の製造装置の一実施例を示している。
Aは搬入部であり、原木(乾燥後の角材)を受支しこれを平行移動するチェーン駆動デッキなどの可動盤台5を備えている。
Bは搬入部Aの下流に設置した鋸挽部であり、刃物を交換することで荒挽と修正挽きを行えるようになっている。
鋸挽部Bは、前記可動盤台5の最終に配されたストッパ付きローダ6の近傍に位置され、公知の装置と同様に、原木(乾燥後の角材)の数箇所を位置決めおよびクランプしこの状態で側方(図面では右方)に移動させる搬送機構7、7と、搬送機構7、7の搬送方向前方に位置する門型フレーム8aに設けられた対鋸8と、門型フレーム8aの先に設置された移動案内路9と、該移動案内路9と直角方向に延在するチェーンコンベアなどからなる切除板搬出機構10とを備えている。前記対鋸8は相互の間隔が拡縮自在となっている。
【0025】
Cは鋸挽部Bで加工され、前処理加工および乾燥を終えた角材の長さ方向両端をカットする横切り部であり、前記挽部Bの搬送機構7,7に隣接したころ式などのコンベア11と、角材を位置決めする駆動ローラ12と、これからの角材を長手方向に移動させるチエーン式などのコンベア13と、図2のように昇降自在な2基の横切り鋸14とを備えている。
【0026】
Dは本発明で特徴とする乾燥前加工部であり、前記横切り部Cと受取りスキッド15を介して連結され、角材を長手方向に搬送する搬送機構16と、これの下流に設置された乾燥前加工部本体17と、これで処理された角材を搬送する搬送機構18とを備えている。
Eは搬出部であり、前記下流側の搬送機構18と直交状に位置し角材を側方に搬出するチェーン式などのスキッド19と、該スキッド19からの角材を受け取って下降するエレベータ27と、角材をストックしつつ搬出するころ式などのコンベア28とを備えている。
【0027】
乾燥前加工部本体17は、図16ないし図21に詳細が示されており、フレーム30の下部には所定の間隔で送りローラ31が配置されており、上部には所定の間隔で押えローラ32が配置されている。送りローラ31はモータで駆動されるものと、フリー回転されるものとを含んでいる。
各押えローラ32は傾斜状のアーム32aにより支持され、アーム32aは図示しないアクチュエータにより昇降可能となっている。
【0028】
また、送りローラ31の片側に対応する領域には、角材の横面を当接させる定規34が固設され、他側に対応する領域には、角材の横他面と接して定規34に押し当てる複数の進退自在な押え機構35が設けられている。押え機構35はたとえばエアシリンダなどのアクチュエータ35aとこれの出力部に連結されたアーム35bと、アームに回転自由に保持されたローラ35cからなっている。
【0029】
前記送りローラ31と押えローラ32間のスペースには、背割り鋸機構36,36’と創傷機構37,37’が配されており、かつこの実施例では乾燥後の角材の角を面取りできるように面取り機構38、38’も配置されている。
背割り鋸機構36,36’は、上下用鋸36と左右用鋸36’からなっており、それぞれ、モータ36aとこれで駆動される丸鋸36bとを備えている。そして、モータまたはこれを搭載したベースは、リニアガイド36cに搭載され、エアシリンダのごときアクチュエータ36dによって、面取り工程時には鋸刃が角材に接触しない位置に後退できるように位置変位可能となっている。
前記丸鋸36bは単一でもよいし複数であってもよく、ユニットとしてモータの出力軸に交換自在とされることが好ましい。
【0030】
創傷機構37,37’は、上下用部体37と左右用部体37’からなっており、それぞれは、外周に多数の創傷片370を配したローラ37aと、該ローラの軸を支持する傾斜状のアーム37bと、創傷時にはアーム37bを介してローラ37aを角材に押し付け、面取り時には創傷片370を角材に接触しない位置に後退させるためのアクチュエータ37cを備えている。
この実施例では、アーム37bは後端が揺動可能に枢支され、中間にアクチュエータ37cの作用点が連結されているが、平行移動式であってもよい。創傷片370は円錐状の硬質スパイクあるいは釘であってもよいし,掻き取りへらなどであってもよい。
【0031】
上下用部体37と左右用部体37’は、好ましくはいずれか一方がモータで駆動回転されるようになっている。モータはローラ軸に直結されていてもよいし、アームに固定され、チエーンとスプロケットなどの伝動要素を介してローラ軸に伝達されるようにしてもよい。
なお、背割り鋸機構36,36’と創傷機構37,37’の配置順序は、この例では、後者が上流側に、前者が下流側に配置されているが、逆であってもかまわない。
【0032】
面取り機構38、38’は、角材の対角線に対応する位置に計2対設けられており、それぞれモータ38aとこれにより回転駆動されるカッター38bとを備えている。モータまたはこれを搭載したベースは創傷加工時にはカッターが角材に接触しない位置に後退できるように位置変位可能となっている。
【0033】
前記本発明装置による角材の製造過程を説明する。図22は工程とそれに対応する木材の状態変化を示している。
まず、原木1を搬入部Aに載せ、可動盤台5を作動して平行移動させる。原木1は、ストッパ付きローダを介して挽部Bに装入され、搬送機構7,7により数箇所を位置決めおよびクランプされ、この状態で側方(図面では右方)に移動させられる。
【0034】
移動方向では対鋸8が荒挽寸法に対応して間隔が調整されており、かかる対鋸8が回転駆動された状態で原木1が送られることにより第1回目の挽きが行われ、原木1は180度対称位置の部分が切断されて断面タイコ状になる。次いで、原木は搬送機構7,7により元位置に戻され、90度回転されて再びクランプされ、搬送機構7,7により移動されることで第2回の切断が行われ、断面角形の荒挽材2になる。これが図1の状態であり、発生した割円断面の背板100は、切除板搬出機構10により搬出される。
【0035】
前記荒挽材1は次いで横切り部Cに送られるが、この段階では小口は切断しないので、横切り鋸14,14は上昇位置に置かれ、荒挽材2は横切り部Cを通過し、受取りスキッド15を介して搬送機構16に移置され、乾燥前加工部Dへと搬送される。
このとき、乾燥前加工部本体17においては、あらかじめ荒挽材2の寸法に合わせて、上下用鋸36と左右用鋸36’の左右と上下方向の位置(背割り位置、深さ)が調整され、また、それぞれアクチュエータ37cにより上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aの走路内への出具合が調整されている。また、面取り機構38,38’はカッターが荒挽材2に接触しない位置まで移動されられる。
なお、製品に背割りを残存させる場合には、該当面たとえば下面に対応する鋸の突き出し量を多くしておく。
【0036】
搬送機構16で送られてきた荒挽材2は、乾燥前加工部本体17に進入すると、送りローラ31と押えローラ32で上下がずれないように位置決めされ、かつ、押え機構35のアクチュエータ35aの作動によりローラ35cと定規34間で左右がずれないように位置決めされ、その状態で長手方向に移動される。
荒挽材2が移動すると、移送路内に突出されている創傷機構の上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aが荒挽材2と転接し、それにより、多数の創傷片370が荒挽材2の4面に突き刺さりあるいは削られ、所定ピッチの多数の表面傷部4が4面に自動的に付けられる。
それとともに、上下用鋸36と左右用鋸36’が荒挽材1の先端から接触することで4面の略中央にスリット状の背割りが3,3’順次自動的に入れられる。これで図3,7、10および12に示される様態になる。
【0037】
こうして背割りと脱気用の傷を付けられた乾燥前加工済み荒挽材2’は、乾燥前加工部本体17から搬送機構18に送り出され、これのエンドに到着すると、スキッド19により平行移動され、エレベータ27により下降され、コンベア28に移置される。その後、乾燥前加工済み荒挽材2’は他所の乾燥設備に移送され、天然乾燥又は/及び人工乾燥される。
この乾燥工程での作用は前述したとおりである。
【0038】
乾燥工程が終了すると、乾燥済み角材2”は再び搬入部Aに搬入され、鋸挽部Bに装入され、搬送機構7,7により数箇所を位置決めおよびクランプされ、この状態で側方(図面では右方)に移動させられる。
移動方向では対鋸(修正用の刃に交換されていることが好ましい)8が仕上げ寸法に対応して間隔が調整されており、かかる対鋸8が回転駆動された状態で乾燥済み角材2”が送られることにより、第1回目の修正挽きが行われ、乾燥済み角材2”は180度対称位置の板部分が切断される。すなわち、乾燥前加工部で付けられていた表面傷部4を含む外層2B,2Cが切断除去される。これが図22の半製品S1である。
【0039】
次いで、2面が修正された乾燥済み角材は搬送機構7,7により元位置に戻され、90度回転されて再びクランプされ、搬送機構7,7により移動されることで第2回目の修正挽きが行われ、乾燥前加工部で付けられていた表面傷部4を含む外層2A,2Dが切断除去される。これが図22の半製品S1である。このとき、乾燥前加工部で付けられていた背割り3’が深い寸法である場合には、背割りが残される。取り除かれた板2A〜2Dは、除去板搬出機構10により搬出される。
【0040】
修正挽き済みの角材S1は次いで横切り部Cに送られる。横切り部Cでは、片側の横切り鋸14があらかじめ切断長さに対応する位置に移動されている。
修正挽き済みの角材は、駆動ローラ機構12で位置決めされ、コンベア13で長手方向に移動され、横切り鋸14で小口が切断される。切断された小口短材はベルトコンベアで排出される。これが図22に示す半製品S2である。
【0041】
修正挽き・小口切断済みの角材S2は、受取りスキッド15を介して搬送機構16に移置され、乾燥前加工部本体17を通過させられる。
製造予定の製品仕様が隅に面取りを付けたものである場合には、面取り機構38,38’はカッターが接触位置に前進させられる。一方、背割り鋸機構の上下用鋸36と左右用鋸36’はアクチュエータ36dの作動により、修正挽き・小口切断済み角材S2に接触しない位置まで逃がされ、また、創傷機構の上下用部体37と左右用部体37’の各ローラ37aも、アクチュエータ37cにより小口切断済みの角材に接触しない位置まで逃がされる。
【0042】
搬送機構16で送られてきた修正挽き・小口切断済みの角材S2は、送りローラ31と押えローラ32および押え機構35と定規34間で上下左右がずれないように位置決めされ、その状態で長手方向に移動されることにより、前記面取り機構38,38’の2対のカッター38b、38bにより、面取り加工が行われ、角材製品Sとなる。
【0043】
面取り加工を要しない場合は、面取り機構38,38’はカッターが修正挽き・小口切断済み角材荒挽材に接触しない位置に待機されたままにしておけばよく、修正挽き・小口切断済みの角材は乾燥前加工部Dを何も加工されぬまま通過する。
【0044】
こうして得られた角材製品Sは、搬送機構18のエンドに到着すると、スキッド19により平行移動され、エレベータ27により下降され、コンベア28上に移置、ストックされ、他所にて梱包される。
【0045】
以上により、原木を断面角形状に荒挽きする工程、荒挽材の各面にスリット状の背割りを入れかつ各面の表面を傷付ける加工工程および乾燥後の修正挽き工程を、単一の設備で自動的に能率よく行うことができる。
また、製造途中で仕様が変更され、製品に背割りが必要になったときには、乾燥前加工部本体17における背割り鋸機構の上下用鋸36と左右用鋸36’のうち所望のものを突出させればよい。
なお、製造対象の角材が梁、桁などの長方形断面材である場合には、その寸法に対応した送りローラ、背割り鋸機構、創傷機構をセットした別の乾燥前加工部本体ユニットと交換すればよい。
【0046】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。
実施例1
図14〜21に示す装置を使用して実施した。対象木材は、樹齢約50年の杉、平均径160mm、水分含有量約80〜120%の丸太を使用した。
1)前記丸太を350本、660mm径のツイン丸鋸で138×138mmに荒挽した。
【0047】
2)次いで、直径255mmの丸鋸で荒挽角材の全長にわたり、3面中央部に深さ5mm、幅3mmの背割りを入れ、残る1面に深さ25mm、幅3mmの背割りを入れた。それとともに、長さ200mm、直径180mmのローラに鉄鋼製の長さ25mmの円錐状スパイクを15mm間隔で固定した上下、左右の創傷機構で荒挽角材の4面全体に深さ約5mm、間隔約15mmの表面傷をつけた。
【0048】
3)この乾燥前加工を施した角材を、乾燥した。
乾燥手段:蒸気式木材乾燥装置
乾燥条件:60℃の中温乾燥
乾燥日数:6日
4)乾燥状態を検査した結果は、次のとおりである。
含有水分量:平均約18%
表面割れの有無:無し
ねじれ:無し
真直度:3mm/3M
【0049】
5)乾燥後の角材を、修正用180mm径のツイン丸鋸で120×120mm寸法に修正挽きした。これにより、3面に入れておいた背割り部分と表面傷部分が除去され、1面に深さ18mmの背割が残った。
修正挽き角材の試験結果は次のとおりである。
含有水分量:平均18%
表面割れの有無:無し
ねじれ:無し
真直度:0〜0.5mm/3M(平均:0.3mm/3M)
【0050】
6)比較のため、同じ対象木材を乾燥前加工を施さずに、前記寸法に荒挽した350本の角材を、前記と同じ方法と条件で乾燥し、乾燥済材を修正挽きして製品を得た。これを従来品と称す。
【0051】
乾燥済材の段階での検査結果は次のとおりである。
含有水分量:平均約38%
表面割れの有無:有り
ねじれ:有り
真直度:8mm/3M
【0052】
そして、乾燥済材を修正挽きした製品の試験結果は次のとおりである。
含有水分量:平均約38%
表面割れの有無:全体に有り
ねじれ:有り
真直度:0〜1.5mm/3M(平均0.8mm/3M)
【0053】
7)上記の比較から明らかなように、本発明品は乾燥済状態での表面割れ、ねじれ、曲がりが従来例に比べて極めて少なく、しかも乾燥日程が大幅に短縮されることがわかる。これは、荒挽角材に対する背割りと創傷によることは明らかである。
8)背割りと創傷の効果を見るため、前記荒挽角材に背割りだけを施した試料、創傷だけを施した試料をおのおの作成し、前記条件で乾燥させてみた。
乾燥後の試験結果は、背割りのみの場合、ねじれ、真直度はよいが、含水率が高く、創傷加工のみの場合、含水率は比較的低いものの、割れ、ねじれが多く発生した。この結果から、背割りと創傷の相乗作用で割れと歪の発生防止、乾燥時間の短縮が実現されることがわかる。
【0054】
実施例2
荒挽工程で4面に深さ5mm、幅3mmの背割りを入れるほか、実施例1と同一にし、この乾燥前加工を施した角材を乾燥した結果は、実施例1と略同等であった。
そして、修正挽き時に4面の背割り部分と表面傷部分を除去して製品とした。この製品の試験結果も実施例1と略同等であった。
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1および2によるときには、簡単な処理により短い乾燥期間でしかも表面割れ、ねじれ、曲がり等の発生のない品質良好な角材製品を歩留まりよく得ることができるというすぐれた効果が得られる。
【0056】
請求項3によれば、前記製造法の実施に好適で、荒挽、修正挽きおよび不良乾燥発生防止用加工を自動的に能率よく行える設備を提供することができるというすぐれた効果が得られる。
請求項4によれば、歪発生防止と乾燥促進のための乾燥前加工工程を簡単な構造で自動的に円滑に実施できるというすぐれた効果が得られる。
【0057】
請求項5によれば、歪発生防止と乾燥促進のための表面傷を連続的に、簡単に付けることができるというすぐれた効果が得られる。
請求項6によれば、乾燥前加工だけでなく修正挽き後の面取りも単一の装置で実施できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による木製角材の製造法の荒挽工程を示す説明図である。
【図2】第1態様の荒挽状態の部分的斜視図である。
【図3】乾燥前加工工程を終わった状態の部分的斜視図である。
【図4】図3の部分的拡大図である。
【図5】乾燥後の修正工程を示す断面図である。
【図6】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図7】第2態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図8】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図9】第3態様の荒挽状態を示す部分的斜視図である。
【図10】第3態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図11】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図12】第4態様の乾燥前加工工程を終わった状態を示す部分的斜視図である。
【図13】製品となった状態の部分的斜視図である。
【図14】本発明による木製角材の製造装置の一例を示す平面図である。
【図15】図14のX−X線に沿う断面図である。
【図16】本発明装置における乾燥前加工部本体の横断面図である。
【図17】本発明装置における乾燥前加工部本体の縦断側面図である。
【図18】乾燥前加工部本体の位置決め機構の縦断正面図である。
【図19】乾燥前加工部本体の創傷機構の縦断正面図である。
【図20】乾燥前加工部本体の背割り機構の縦断正面図である。
【図21】乾燥前加工部本体の面取り機構の縦断正面図である。
【図22】本発明装置による処理系統と材木の状態変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 原木
2 荒挽角材
2’ 乾燥前加工済み荒挽角材
2” 乾燥前加工・乾燥済荒挽角材
S 製品
3、3’ 背割り
4 表面傷部
A 搬入部
B 鋸挽き部
C 横切り部
D 乾燥前加工部
17 乾燥前加工部本体
31 送りローラ
32 押えローラ
34 定規
35 押圧機構
36,36’ 背割り機構
37,37’ 創傷機構
37a ローラ
37b アーム
37c アクチュエータ
38,38’ 面取り機構
Claims (7)
- 原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷が残存せず少なくとも1面に背割りが残存する寸法形状に修正挽きを行うことを特徴とする木製角材の製造法。
- 本発明の木製角材の製造法は、原木を断面角形状に荒挽した後、荒挽材の各面に長手方向に走るスリット状の背割りを入れるとともに、各面の表面を傷付ける前加工を施し、この状態で乾燥した後、表面傷および背割りが残存しない寸法形状に修正挽きを行うことを特徴とする木製角材の製造法。
- 搬入部と、搬入部からの原木を角断面にする鋸を備えた鋸挽部と、該鋸挽部の近傍下流に配され、荒挽角材の各面に対して背割りを入れる背割り機構と荒挽角材の各面に対して多数の表面傷をつける創傷機構を有する乾燥前加工部とを備えていることを特徴とする木製角材の製造装置。
- 乾燥前加工部には、フレームの下部に複数の送りローラが、上部に角材を押し付ける複数の押えローラがそれぞれ配置されており、前記送りローラの片側には、角材の横面を当接させる定規が固設されるとともに、他側には角材を前記定規に押し当てる進退自在な複数の押え機構が設けられており、前記送りローラと押えローラ間のスペースに、上下用鋸と左右用鋸からなる背割り鋸機構と、それぞれに多数の創傷片を配した上下用部体と左右用部体からなる創傷機構が配されている請求項3に記載の木製角材の製造装置。
- 上下用部体と左右用部体は、外周に多数の創傷片を配したローラと、該ローラを支持する移動可能なアームを供えている請求項4に記載の木製角材の製造装置。
- 乾燥前加工部は、面取り機構を有しているものを含んでいる請求項4又は5に記載の木製角材の製造装置。
- 挽部は、乾燥前加工部で前加工され乾燥された角材の背割り部分と表面傷部分を含む外層を取り除いて規定寸法の角断面にする修正挽き部を兼ねている請求項4に記載の木製角材の製造装置。
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|---|---|---|---|---|
| JP2007144715A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Forestry & Forest Products Research Institute | 角材の乾燥方法 |
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| CN112248171A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-01-22 | 王长俊 | 一种圆木棒加工设备 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006158A patent/JP2004216700A/ja active Pending
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