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JP2004215648A - バイオマスを用いたガス製造方法 - Google Patents

バイオマスを用いたガス製造方法 Download PDF

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JP2004215648A
JP2004215648A JP2003106564A JP2003106564A JP2004215648A JP 2004215648 A JP2004215648 A JP 2004215648A JP 2003106564 A JP2003106564 A JP 2003106564A JP 2003106564 A JP2003106564 A JP 2003106564A JP 2004215648 A JP2004215648 A JP 2004215648A
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Kokichi Mitsuzuka
孝吉 三塚
Masahiro Yoshimoto
正洋 吉本
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MIDORI NO ENERGY KENKYUKAI KK
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Abstract

【課題】効率よくしかも低コストで、メタンおよび水素等の有益なエネルギー資源としてのガスを製造できるバイオマスを用いたガス製造方法を提供する。
【解決手段】細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質を添加し、嫌気状態下での発酵により少なくともメタンを含む混合ガスを発生させることを特徴とするバイオマスを用いたガス製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタン細菌を利用し木質バイオマスを発酵させ、メタン等の有益なガスを製造するバイオマスを用いたガス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止のため大気中に二酸化炭素(CO)を排出しないバイオマスエネルギーは、化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の代替エネルギーとして注目されている。バイオマスとは、生物系(動物系、植物系)エネルギー資源の潜在利用可能量(のエネルギー換算値)を示すものであり、糖質系、デンプン系(粗粒穀物等)、リグノセルロース系(木質類、草本類)、油脂系(動物油脂、植物油脂)、廃棄物系(農業系、林業系、一般系、産業系)のバイオマスエネルギーに大別される。なかでもとくに木質類等を源とする森林バイオマスは、推定存在量、採取コスト等の面からみて有利でありとくに注目されている。
【0003】
上記のような森林バイオマス、とくに木質バイオマスからは、一般に、嫌気性細菌であるメタン細菌を用いた発酵により、メタン等のエネルギー資源が回収されている(特許文献1)。
【0004】
ところで、木質バイオマスの主要成分はセルロース、ヘミセルロース、リグニンの3つであるが、このうちリグニンはメタン発酵の基質とはなり得ず、かえってメタン細菌による発酵を阻害するおそれがあるため、発酵の前工程において分離、分解等により除去することが好ましい。しかし、バイオマスからメタン細菌によりメタンを発生させる一連の処理システムにリグニンの分離工程を追加したり、また、事前に何らかの薬剤を投入することによりリグニンを分解等させたのでは、処理システムが煩雑化するとともにコストアップは避け難い。
【0005】
このため、従来は、単一の発酵槽に細片化した木質バイオマスをそのまま投入しリグニンを含有した状態で発酵させるような発酵システムが採用されている(特許文献2)。
【0006】
また、従来の発酵システムにおいては主にメタンを生成しているが、メタンに加え、優れたエネルギー転換効率を有し、かつ合成原料としても極めて利用価値の高い水素および工業上広範に利用される二酸化炭素を得ることができれば、バイオマスを用いた新たなエネルギー供給システムおよび生成物の利用システムを構築することもできる。
【0007】
【特許文献1】
特開平05−123693号公報
【特許文献2】
特開平10−118671号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、効率よくしかも低コストで、メタンおよびその他の有益なエネルギー資源としてのガスを製造することが可能なバイオマスを用いたガス製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のバイオマスを用いたガス製造方法は、細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質を添加し、嫌気状態下での発酵により少なくともメタンを含む混合ガスを発生させることを特徴とする方法からなる。
【0010】
上記メタンの、発熱量(燃焼エンタルピーの絶対値)は約56MJKg−1であり、石油の44MJKg−1、エタノールの30MJKg−1、メタノールの23MJKg−1に比べて大きく、有効なエネルギー資源である。これに対し、水素の発熱量は143MJKg−1であり極めて大きい。また、水素は、化合物の合成原料としても利用価値が高い。したがって、メタンと水素を同時に製造することができれば、新たなエネルギー供給システム等を構築することができる。
【0011】
一般に発酵効率は、pHにより大きく左右される。したがって、本発明における発酵に際してもpHを最適範囲(本発明においてはpH=7以上)に設定することが好ましい。しかし、茸栽培廃床の細片は強酸性(pH=5)を呈する。このため、本発明における発酵に際してはpH調整物質を添加し、pHを調整することが好ましい。pH調整物質としては水酸化カルシウム等のアルカリ性物質を挙げることができる。
【0012】
また、上記発酵に際しては、発酵促進剤を添加することが好ましい。発酵促進剤はとくに限定されるものではないが、たとえば廃乳等の動物性タンパク質含有物質、あるいは植物性タンパク質含有物質を挙げることができる。
【0013】
また、上記発酵に際しては、予め家畜糞尿を添加し併せて該家畜糞尿を発酵処理することも可能である。家畜糞尿は、それ自身をメタン細菌含有物質としてそれからメタン等のガスを得ようとすると、一般に効率が極めて低いので、現実には処理に困っているのが実情である。そこで、本発明に係る高効率のガス製造方法と組み合わせることで、現実の処理が可能となり、堆肥までへの大量処理が可能となる。また、近年臭気や環境汚染の観点から処理方法の規制化が検討されている牛糞等の家畜糞尿に対し有効な処理・活用方法を与えることができる。
【0014】
木質バイオマスは、とくに限定されるものではないが、たとえば真竹、孟宗竹等の竹を原料とする木質バイオマスを使用することができる。上記竹もとくに限定されるものではないが、好ましくは孟宗竹を挙げることができる。孟宗竹等の竹の成育環境は高温、多湿であることが好ましい。また、竹とくに孟宗竹の成長は極めて早い。このため、気候が孟宗竹の成育環境に好適な日本および東南アジア諸国においては孟宗竹は広く分布しており、多量に収穫し利用したとしても資源が枯渇するおそれはなく、自然環境を破壊することはない。
【0015】
本発明により製造される混合ガス中には少なくともメタンガスが含まれるが、その他のガスとしては二酸化炭素、水素が含まれる。メタンガス、水素はたとえば燃料電池の電池活物質等として、二酸化炭素は代替フロンの熱交換媒体等として広範な用途が考えられる。また、混合ガスからは天然ガス状物質を分離することもできる。なお、本発明中における天然ガス状物質とは、メタン等の炭化水素を主成分とする可燃性のガスをいう。
【0016】
上記発酵に関与するメタン細菌は、絶対嫌気性細菌である。したがって、本発明における発酵は、嫌気状態下で光を遮断して行う必要がある。このような環境下においては絶対嫌気性細菌であるメタン細菌の活性が向上されるので、効率的な発酵を実現できる。なお、本明細書におけるメタン細菌とは、メタン産生菌に含まれる一群の細菌をいう。
【0017】
上記嫌気状態を実現する方法はとくに限定されるものではないが、たとえば発酵槽内に二酸化炭素または水素を導入すれば容易にしかも確実に嫌気状態を実現することができる。
【0018】
上記メタン細菌含有物質は、とくに限定されるものではなく、メタン細菌を含有する物質であればよい。たとえば汚泥(たとえば、下水汚泥)や、河川、海、湖等の水底に堆積されたヘドロを利用することができる。このような汚泥、ヘドロをメタン細菌含有物質として利用すれば、発酵コストを低減しつつ、河川等の環境浄化、ひいてはバイオマスの生産を促す環境形成に寄与することもできる。
【0019】
上記茸栽培廃床もとくに限定されるものではなく、茸栽培床であれば広く適用できる。好ましくは、平茸栽培廃床、椎茸栽培廃床、マイ茸栽培廃床、シメジ茸栽培廃床、エリンギ茸栽培廃床、榎茸栽培廃床を挙げることができる。
【0020】
上記のようなバイオマスを用いたガスの製造方法においては、発酵前の木質バイオマスに茸栽培廃床の細片が混合される。該茸栽培廃床の細片は、酸性の粉状物であり、また種々の細菌が共生しているものである。このため、茸栽培廃床中に含まれる白色菌類の作用等によりリグニンを分解することができる。したがって、以降の発酵工程において、セルロース、ヘミセルロースを基質とした発酵が促進され、メタン、水素等の混合ガスを効率的に製造することができる。また、リグニンの分離された木質バイオマスと茸栽培廃床の混合物にpH調整物質を添加し、該混合物のpHをメタン細菌の活動に最適な範囲に調整すれば(本発明ではpH=7以上)その後の発酵におけるメタン、水素等の混合ガスの製造効率を大幅に向上できる。なお、従来、椎茸栽培等に用いられた後に生じる多量の茸栽培廃床には、有効な再利用方法が与えられておらず、専らゴミとして焼却等により処分されていた。しかし、本発明によれば、茸栽培廃床に有効利用の途を与えることができる。また、併せてゴミの減量化にも寄与できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るバイオマスを用いたガスの製造方法の望ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施態様に係るバイオマスを用いたガスの製造方法の概略工程図である。本実施態様においては、森林等から採取された森林バイオマス1は、チッパー2により、約1cm×0.5cm角以下のチップ3に粉砕され、さらに洗浄4されて木質バイオマス5の細片が製造される。次にこの木質バイオマス5に予め粉砕した茸栽培廃床6の細片を投入する。
【0022】
次に、木質バイオマス5と茸栽培廃床6とを混合し、この混合物7を1〜2週間程度放置する。そして、該混合物7にメタン細菌含有物質8を投入し嫌気状態にされた発酵槽内で光を遮断して発酵させる(発酵工程9)。このとき、メタン細菌含有物質8とともに、廃乳等の発酵促進剤を投入すると、発酵効率の向上が可能である(図示略)。なお、発酵槽内に二酸化炭素または水素を導入すれば発酵槽内を容易にしかも確実に嫌気状態にすることができる。
【0023】
メタン細菌含有物質8は、とくに限定されるものではなく、たとえば水底に堆積したヘドロあるいは各種の汚泥を使用できる。
【0024】
そして、発酵工程9における発酵により、木質バイオマス5からメタン、水素、二酸化炭素を含む混合ガス10が生成される。さらに、混合ガス10はガス分離工程11において分離され新たなエネルギー資源として利用される。
【0025】
本実施態様のようなバイオマスを用いたガスの製造方法においては、発酵される前の木質バイオマス5に茸栽培廃床6の細片が投入される。該茸栽培廃床6は酸性の粉状物であり、また種々の細菌が共生しているものである。このため、たとえば茸栽培廃床6中に含まれる白色菌類の作用等により木質バイオマス5中のリグニンを分解することができる。したがって、混合物7中から発酵を阻害するおそれのあるリグニンを除去することができるので、効率的な発酵が可能となり、メタン、水素、二酸化炭素等の混合ガス10を効率よく製造することができる。なお、茸栽培廃床6は従来専らゴミとして焼却等により処分されていたものであるが、本発明によれば多量に排出される茸栽培廃床6に有効利用の途を与えることができるとともに、ゴミの減量化にも寄与できる。
【0026】
また、本実施態様においては、メタンの他に水素、二酸化炭素、天然ガス状物質を容易に生成することができる。上述のように水素は、エネルギー資源としてのみならず、合成原料としても多種、多様な用途を有している。したがって、新たなエネルギー供給システム等の構築に寄与することもできる。また、図2に示すように、ガス分離工程11において混合ガス10中から分離された二酸化炭素12は液化処理13された後、出荷され各種の用途(たとえば、フロン代替冷媒等)に使用される。一方、メタンを含有する天然ガス状物質14も液化処理15された後、出荷され家庭用、工業用のエネルギー源として使用されるようになっている。なお、上記液化処理13、15は加圧、冷却およびそれらの組合せ等の公知の処理方法の中から最適な方法を選択できる。
【0027】
また、本実施態様においては、メタン細菌含有物質8としてヘドロが用いられている。したがって、発酵コストを低減できるとともに、河川等の環境浄化、ひいてはバイオマスの再生産を促す環境形成に寄与することもできる。
【0028】
図3は、本発明の第2実施態様に係るバイオマスを用いたガス製造方法の概略工程図である。図において、16はチップ処理および洗浄処理がなされた木質バイオマスとしての竹(孟宗竹)材料16を示している。竹材料16に茸栽培廃床17および水を加え、両者を混合、放置等し予め前処理18を施す。これに廃乳等からなる発酵促進剤19および/または家畜糞尿20を添加しさらに発酵工程21において発酵させる。発酵により得られた混合ガス22からは、たとえば図2に示したと同様のガス分離工程24に供され、二酸化炭素を分離し液化処理した後出荷したり、天然ガス状物質を分離し液化処理した後出荷したりする。なお、発酵工程21による残渣中には植物の生育に必要不可欠な栄養素(窒素、リン酸、カリウム等)が豊富に含まれているので、残渣は堆肥23として使用することができる。
【0029】
本実施態様においては、バイオマスの発酵により有益な混合ガス22を回収しつつ、大量の家畜糞尿20を使用し堆肥23を得ることができる。つまり、図1に示したようなプロセスに、家畜糞尿20の処理、さらには廃乳等の発酵促進剤19の添加プロセスを加えることにより、従来大量処理が困難であった家畜糞尿20の処理を効率よく行うことができるようになる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明に係るバイオマスを用いたガス製造方法についての具体的な実施例について説明する。
【0031】
実施例1
まず、はじめに森林から採取した倒木等の廃材から1cm×0.5cm以下の廃材チップを作り、これを洗浄4し木質バイオマス5を生産した。この木質バイオマス5に、予め細片にされた茸栽培廃床6および水を加えよく混合し混合物7を得た。なお、本実施例においては木質バイオマス5と茸栽培廃床6とを同量ずつ混合しているが、この混合比率は変更することができる。
【0032】
上述のようにして得られた混合物7を1〜2週間程度放置した。さらに、混合物7にメタン細菌含有物質8としてヘドロを加えた。なお、メタン細菌含有物質8としてのヘドロの添加量は、適宜変更できる。
【0033】
そして、混合物7にヘドロを添加したものを発酵工程9に送り発酵槽内において発酵させた。該発酵は、発酵槽内に二酸化炭素を導入し内部を嫌気状態とし、光を略完全に遮断して行った。また、発酵槽内の温度は25〜30℃に維持した。
【0034】
上記により製造された混合ガス10中には、メタン、水素、二酸化炭素が含まれていた。製造されたガスの量は、木質バイオマス5(1kg)、茸栽培廃床6(1kg)、ヘドロ(1kg)、合計重量略3kgに対し、メタン約30%(900g)、水素約20%(600g)、二酸化炭素約20%(600g)であった。また、約30%(900g)の残渣が生じた。本実施例および以下の実施例により製造される混合ガス10中には、メタンが30%〜60%、二酸化炭素20%〜40%、水素およびその他のガスが20%〜40%含まれる。なお、混合ガス10中における各ガスの分圧は、木質バイオマス5、廃床6、メタン細菌含有物質8の種類、および混合割合により変更することができる。
【0035】
実施例2
孟宗竹500gを洗浄し細片にし木質バイオマス5とした。これに水500mlおよび茸栽培廃床6としての平茸栽培廃床250gを加え、混合物7を得てこれを1〜2週間放置した。上記混合物7(75g)にメタン細菌含有物質8としてヘドロ(神奈川県内の芝川の川底に堆積したヘドロ)を同量(75g)加えた。さらにpH調整物質として水酸化カルシウム水溶液を加え、pHを7以上に調整し、これを発酵させ発生した混合ガス10を経時的に定量した。
【0036】
実施例3
茸栽培廃床6として椎茸栽培廃床を用いた以外は実施例1と全く同一の条件で発酵させ、混合ガス10を経時的に定量した。
【0037】
実施例4
孟宗竹300gを洗浄し細片にし木質バイオマス5とした。これに水400mlおよび茸栽培廃床6としてマイ茸栽培廃床150gを加え、混合物7を得てこれを1〜2週間放置した。上記混合物7(75g)にメタン細菌含有物質8としてヘドロを同量(75g)加えた。さらにpH調整物質として水酸化カルシウム水溶液を加えpHを7以上に調整し、これを発酵させ発生した混合ガス10を経時的に定量した。
【0038】
実施例5
茸栽培廃床6としてシメジ茸栽培廃床▲1▼を用い木質バイオマス5に添加する水の量を200mlに変更し、それ以外は、実施例4と全く同一の条件で発酵させ、発生した混合ガス10を経時的に定量した。
ここでシメジ茸栽培廃床▲1▼は、シメジ茸を収穫後に栽培廃床を屋外に数ヶ月間放置した後の廃床を細片に切断したものである。
【0039】
実施例6
茸栽培廃床6としてエリンギ茸栽培廃床を用いた以外は、実施例4と全く同一の条件で発酵させ、発生した混合ガス10を経時的に定量した。
【0040】
実施例7
茸栽培廃床6としてシメジ茸栽培廃床▲2▼を用いた以外は、実施例4と全く同一の条件で発酵させ、発生した混合ガス10を経時的に定量した。
ここでシメジ茸栽培廃床▲2▼は、シメジ茸を収穫した後に直ちに廃床を細片に切断したものである。
【0041】
実施例8
茸栽培廃床6として榎茸栽培廃床を用いた以外は、実施例4と全く同一の条件で発酵させ、発生した混合ガス10を経時的に定量した。
【0042】
実施例9
発酵の際にpH調整物質としての水酸化カルシウム水溶液を添加せずに発酵を行った以外は、実施例5と全く同一の条件とした。実施例5との混合ガス10の発生量との対比を図4に示した。
【0043】
比較例1、2
孟宗竹300gを洗浄し細片にし木質バイオマス5とした。これに水400mlを加えて1〜2週間放置し混合物7とした。該混合物7(75g)にヘドロを同量(75g)加え、さらにpH調整物質として水酸化カルシウム水溶液を加えpHを7以上に調整した後、発酵させた(比較例1)。一方、混合物7(75g)にヘドロを同量(75g)加え、これを発酵させた(比較例2)。比較例1、2の混合ガス10の発生状態を図5に示した。
【0044】
実施例2〜9、比較例1、2の結果を表1に、得られたデータを主成分負荷量分析した結果を表す表2に示すとともに、図4〜図7に示した。図7は、表2に対応する主成分負荷量分布を示している。
【0045】
【表1】
Figure 2004215648
【0046】
【表2】
Figure 2004215648
【0047】
上記実施例2〜9、比較例1、2からわかるように、孟宗竹に茸栽培廃床6を加え予めリグニンを分解処理する場合は(実施例2〜9)、処理しない場合(比較例1、2)に比べて発酵により多量の混合ガス10を効率よく発生させることができる。また、とくに平茸栽培廃床、椎茸栽培廃床により処理すると混合ガス10を効率よく発生させることができる。また、実施例5と実施例9との比較から明らかなように、発酵の際にはpHを7近傍あるいは7以上に調整することにより、メタン細菌が活性化され混合ガス10の発生量を増加することができる。また、得られたデータの変数成分のうち、表2、図7に示した主成分1は、時間を変数とした場合時間の経過と共に増加していることから、明らかにガス発生量と解釈することができるが、主成分1に直交する変数成分としての主成分2が何に関与するファクターかは現状では不明である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバイオマスを用いたガス製造方法によるときは、木質バイオマスの発酵を阻害するおそれのあるリグニンを、効果的にしかも低コストで分離等することができるので、発酵によりメタン等を効率よく得ることができる。また、メタン細菌含有物質としては汚泥やヘドロ等を利用することができるので、発酵コストを低減しつつ、環境浄化にも寄与できる。また、メタンのみならず、利用価値の高い水素等も同時に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係るバイオマスを用いたガス製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の第1実施態様に係るバイオマスを用いたガス製造方法により得られた混合ガスから二酸化炭素と天然ガス状物質を分離する工程図である。
【図3】本発明の第2実施態様に係るバイオマスを用いたガス製造方法の工程図である。
【図4】各茸栽培廃床の時間に対する混合ガスの発生量を示すグラフである。
【図5】シメジ茸栽培廃床を使用した場合において、pH調整の有無による混合ガス発生量の差を示すグラフである。
【図6】茸栽培廃床を添加しない場合における混合ガス発生量を示すグラフである。
【図7】実施例、比較例で得られたデータの主成分負荷量分布図である。
【符号の説明】
1 森林バイオマス
2 チッパー
3 チップ
4 洗浄
5 木質バイオマス
6、17 茸栽培廃床
7 混合物
8 メタン細菌含有物質
9、21 発酵工程
10、22 混合ガス
11、24 ガス分離工程
12 二酸化炭素
13、15 液化処理
14 天然ガス状物質
16 木質バイオマスとしての竹材料
18 前処理
19 発酵促進剤
20 家畜糞尿
23 堆肥

Claims (20)

  1. 細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質を添加し、嫌気状態下での発酵により少なくともメタンを含む混合ガスを発生させることを特徴とするバイオマスを用いたガス製造方法。
  2. 細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質およびpH調整物質を添加し、嫌気状態下で発酵させる、請求項1のバイオマスを用いたガス製造方法。
  3. 細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質および発酵促進剤を添加し、嫌気状態下で発酵させる、請求項1または2のバイオマスを用いたガス製造方法。
  4. 細片化された木質バイオマスに、茸栽培廃床の細片を混合した後、メタン細菌含有物質および家畜糞尿を添加し、嫌気状態下で発酵させる、請求項1ないし3のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  5. 前記木質バイオマスが竹を原料とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  6. 前記竹として孟宗竹を使用する、請求項5のバイオマスを用いたガス製造方法。
  7. 前記混合ガスがメタンと水素と二酸化炭素とを含有する、請求項1ないし6のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  8. 前記混合ガスを各成分ガスに分離する、請求項1ないし7のいずれかに記載のガス製造方法。
  9. 前記混合ガスから二酸化炭素を分離する、請求項8のバイオマスを用いたガス製造方法。
  10. 前記混合ガスから天然ガス状物質を分離する、請求項8または9のバイオマスを用いたガス製造方法。
  11. 嫌気状態下で光を遮断して発酵させる、請求項1ないし10のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  12. 二酸化炭素または水素の導入により嫌気状態にする、請求項1ないし11のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  13. 前記メタン細菌含有物質として汚泥を使用する、請求項1ないし12のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  14. 前記メタン細菌含有物質として水底に堆積したヘドロを使用する、請求項1ないし12のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  15. 前記茸栽培廃床として平茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  16. 前記茸栽培廃床として椎茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  17. 前記茸栽培廃床としてマイ茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  18. 前記茸栽培廃床としてシメジ茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  19. 前記茸栽培廃床としてエリンギ茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
  20. 前記茸栽培廃床として、榎茸栽培廃床を使用する、請求項1ないし14のいずれかに記載のバイオマスを用いたガス製造方法。
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