JP2004201864A - 超音波撮像装置及び超音波撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロストークによる影響が低減された良質な超音波画像を効率良く得ることができる超音波撮像装置等を提供する。
【解決手段】この超音波撮像装置は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作すると共に超音波を受信して検出信号を出力する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子10と、事前撮像により得られた検出信号に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、複数の超音波エコーの間でクロストークが生じるか否かを判定するクロストーク判定部23と、クロストーク判定部の判定結果に基づいて被検体に含まれる複数の撮像領域の各々を走査する際に用いられる送受信方式を設定する送受信方式設定部24と、設定された送受信方式に従って複数の駆動信号に遅延を与える発火タイミングコントローラ25と、設定された送受信方式に応じて検出信号を処理する位相整合演算部22とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】この超音波撮像装置は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作すると共に超音波を受信して検出信号を出力する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子10と、事前撮像により得られた検出信号に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、複数の超音波エコーの間でクロストークが生じるか否かを判定するクロストーク判定部23と、クロストーク判定部の判定結果に基づいて被検体に含まれる複数の撮像領域の各々を走査する際に用いられる送受信方式を設定する送受信方式設定部24と、設定された送受信方式に従って複数の駆動信号に遅延を与える発火タイミングコントローラ25と、設定された送受信方式に応じて検出信号を処理する位相整合演算部22とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信することにより生体内臓器の診断や非破壊検査を行うために用いられる超音波撮像装置及び超音波撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用の超音波診断装置や工業用の探傷装置等として用いられる超音波撮像装置においては、通常、超音波の送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子(プローブ)が用いられる。このような超音波用探触子を用いて、複数の超音波トランスデューサから送信される超音波を合波して形成される超音波ビームによって被検体を走査させることにより、被検体に関する画像情報が得られる。さらに、この画像情報に基づいて、被検体の2次元又は3次元領域における超音波画像が再現される。このような超音波ビームを用いた走査方法の1つとして、被検体の扇状の2次元領域を角度方向に走査する、いわゆるセクタ走査が知られている。
【0003】
セクタ走査は、本来、人体の肋間から心臓を観察するための手法として開発されたものである。一般的に、セクタ走査においては、送信点から被検体の深さ方向に延びる超音波ビームが被検体内に扇状に順次送信され、この超音波ビームによって、被検体の扇状の2次元領域が等間隔の角度で走査される。ここで、各々の角度において、超音波ビームに沿って被検体の深さ方向に等間隔で分布する複数のサンプリング点に関する画像情報が、一定の時間間隔でサンプリングされる。サンプリングされた画像情報に基づいて得られた2次元又は3次元の超音波画像は、心臓については断層心エコー図と呼ばれている。
【0004】
近年においては、より高いサンプリングレートで超音波画像を得ることが検討されている。例えば、非特許文献1には、1つの送信ビームが被検体に反射されて生じた超音波エコーについて、複数の受信焦点を形成するように受信フォーカスを施すことにより、1回の超音波ビームの送受信によって被検体の複数の位置に関する画像情報を得ることが記載されている。しかしながら、この場合には、1つの受信焦点を形成する場合に比較して径の太い超音波ビームを送信しなくてはならないので、空間分解能が低下してしまうという問題点が存在する。そのため、このような送受信方式を、細部について詳細な画像情報を得る場合に適用することはできない。
【0005】
また、特許文献1には、リアルタイムで3次元超音波画像を形成するために2次元トランスデューサアレイを用いると共に、同時に複数の超音波ビームを送受信する方式を採用した超音波撮像システムにおいて、クロストークを除去する幾つかの技術が開示されている。クロストークを除去する技術としては、超音波ビームをコード化して送信したり、隣接ビームのサイドローブがゼロとなる方向にメインビームを送信したり、超音波ビームの送信方向を離したり、複数の超音波ビームの間で異なる中心周波数を用いることが挙げられている。
【0006】
しかしながら、超音波ビームをコード化しても、同時に送受信される超音波ビームの数が増加すると、コードにより超音波ビームを識別することが困難になる。また、隣接ビームのサイドローブがゼロとなる方向にメインビームを送信しようとしても、生体内においては隣接ビームのサイドローブが完全にゼロとはならない。一方、超音波ビームの送信方向を離す場合には、同時に多数の超音波ビームを送受信することが困難である。また、複数の超音波ビームの間で異なる中心周波数を用いる場合には、超音波トランスデューサの周波数帯域に限界があるため、同時に送受信される超音波ビームの数が制限される。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,179,780号明細書(アブストラクト、図7−図10)
【非特許文献1】
デビッドセン(R. E. Davidsen)、ジェンセン(J. A. Jensen)、スミス(S. W. Smith),「リアルタイムボルメトリックイメージングのための2次元ランダムアレイ(TWO-DIMENSIONAL RANDOM ARRAYS FOR REAL TIME VOLUMETRIC IMAGING)」,超音波画像(ULTRASONIC IMAGING) 16, p. 143-163, (1994)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、クロストークによる影響が低減された良質な超音波画像を効率良く得ることができる超音波撮像装置及び超音波撮像方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る超音波撮像装置は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子と、事前撮像により得られた検出信号に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定する送受信方式設定手段と、該送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に従って、超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、超音波用探触子から送信される1又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させる送信側信号処理手段と、超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得る受信側信号処理手段とを具備する。
【0010】
また、本発明に係る超音波撮像方法は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子を用いて、被検体を撮像する超音波撮像方法であって、少なくとも1つの超音波ビームによって被検体を走査させることにより、事前撮像を行うステップ(a)と、ステップ(a)において行われた事前撮像の結果に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定するステップ(b)と、ステップ(b)における判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定するステップ(c)と、ステップ(c)において設定された送受信方式に従って、超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、超音波用探触子から送信される1つ又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させるステップ(d)と、超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、ステップ(c)において設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得るステップ(e)とを具備する。
【0011】
本発明によれば、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して個別に送受信方式を設定するので、クロストークによる影響が低減された良質な超音波画像を効率良く得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。この超音波撮像装置は、例えば、人体等の診察用の超音波診断装置や工業用の探傷装置として用いられる。
図1に示すように、この超音波撮像装置は、被検体に当接させて用いられる超音波用探触子10を有している。超音波用探触子10は、超音波の送受信機能を有する複数個(N×N=N2個)の超音波トランスデューサ11を含む、いわゆる2次元トランスデューサアレイである。超音波用探触子10においては、複数の超音波トランスデューサ11が、例えば、N行N列の2次元マトリックスに配列されている。超音波トランスデューサ11としては、例えば、PZT(Pb(lead) zirconate titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)等のセラミック圧電材やPVDF(polyvinyl difluoride:ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電材を材料とする圧電素子が用いられる。
【0013】
本実施形態においては、1つの超音波トランスデューサが超音波の送信と受信の両方に用いられるが、超音波の送信と受信のために別々の超音波トランスデューサを備えるようにしても良い。例えば、超音波の送信素子として、上記の圧電素子を用い、超音波の受信素子として、微細な光ファイバーの先端にそれぞれ形成されたファブリーペロー共振器(FPRと略称)又はファイバーブラッググレーティング等を用い、これらを組み合わせて超音波用探触子10を構成しても良い。なお、本実施形態においては2次元トランスデューサアレイを用いているが、これ以外に、1次元、又は、1.5次元等のトランスデューサアレイを用いても良い。
【0014】
N2個の超音波トランスデューサ11には、N2個のパルサ回路12、及び、レシーバ14がそれぞれ接続されている。
各パルサ回路12は、発火タイミングコントローラ25の出力信号に基づいて励振して、超音波用探触子10の対応する超音波トランスデューサ11に駆動信号を出力する。各超音波トランスデューサ11は、パルサ回路12から入力された駆動信号に基づいて超音波パルスを被検体に送信し、被検体から反射された超音波パルスを受信して検出信号を出力する。これらのパルサ回路としては、高い繰り返し周期(例えば、3MHz〜10MHz)で連続的に駆動信号を出力できる高速パルサ回路を用いることが望ましい。
【0015】
各レシーバ14は、プリアンプ15、TGC(time gain compensation:時間利得補償)増幅器16及びA/Dコンバータ17を備えている。各超音波トランスデューサ11から出力された検出信号は、対応するレシーバ14に含まれるプリアンプ15及びTGC増幅器16においてアナログ処理を施される。このアナログ処理により、これらの検出信号のレベルが、A/Dコンバータ17の入力信号レベルに整合される。TGC増幅器16から出力されたアナログ信号は、A/Dコンバータ17によってそれぞれディジタル信号(データ)に変換される。
【0016】
また、この超音波撮像装置は、システム制御部20と、メモリ21と、位相整合演算部22と、表示画像演算部26と、発火タイミングコントローラ25とを含んでいる。システム制御部20は、この超音波撮像装置の各部を制御している。
【0017】
発火タイミングコントローラ25には、各パルサ回路12が接続されている。発火タイミングコントローラ25は、各パルサ回路12を励振するための信号を出力する。本実施形態においては、発火タイミングコントローラ25は、電子回路によって構成されているが、パターンジェネレータ等によって構成されても良い。発火タイミングコントローラ25の制御により、超音波用探触子10から送信された超音波ビームの最大撮像深度からのエコーの到達時間内に、複数方向に向けて超音波ビームを送信するための発火タイミングの管理が可能となる。また、発火タイミングコントローラ25の制御により、所望の径を有する超音波ビームを所望の方向に送信することが可能となる。
【0018】
メモリ21には、各レシーバ14が接続されている。メモリ21は、各レシーバ14のA/Dコンバータ17から出力された検出データを一時記憶する。
位相整合演算部22は、メモリ21に記憶されている検出データの位相を整合するために演算処理を行う。位相整合演算部22は、図1においては1個のブロックで示されているが、送信ビームの数、又は、形成される受信焦点の数に対応して複数の系統が設けられている。位相整合演算部22の各系統は、シフトレジスタ遅延線、ディジタル微小遅延器、若しくは、CPU(central processing unit:中央演算装置)とソフトウエア、又は、これらの組み合わせによって構成されている。
【0019】
ここで、位相整合演算部22による受信ビームフォーミングは次のように行われる。位相整合演算部22の各系統は、各超音波トランスデューサ11から出力される検出信号に基づいて得られた一連の検出データに所定の遅延を与える。これにより、複数の超音波トランスデューサ11を用いて得られた複数の検出データの位相が整合される。さらに、位相整合演算部22は、これらの検出データをディジタル加算する。このように、複数の系統を有する位相整合演算部22を用いることにより、被検体内の複数の方向に関する受信フォーカスを同時に達成することができる。
【0020】
表示画像演算部26は、位相整合演算部22から出力されたデータに対して、検出波形の検波や、画像データへの変換や、所定の画像処理を施し、さらに、走査フォーマットの変換を行う。これにより、音線データ空間の画像データが物理空間の画像データに変換される。さらに、表示画像演算部26は、複数枚の断層データから、ある体積についてのデータであるボクセルデータを生成し、3次元画像の表示を行うための演算を行う。
【0021】
表示画像演算部26には、画像表示部30が接続されている。画像表示部30は、表示画像演算部26で走査フォーマットが変換された画像データを、D/A変換によってアナログ信号に変換し、これらの信号に基づいて画像を表示する。
【0022】
さらに、本実施形態に係る超音波撮像装置には、クロストーク判定部23及び送受信方式設定部24が設けられている。クロストーク判定部23は、被検体をプリスキャンすることにより事前撮像を行った場合に、得られた画像情報に基づいて被検体に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の方向に向けて複数の超音波ビームをそれぞれ送信した場合に、それぞれの方向から受信される超音波エコーが互いにクロストークを生じさせか否かを判定する。
【0023】
送受信方式設定部24は、クロストーク判定部23の判定結果に基づいて被検体を複数の撮像領域に分割し、それらの撮像領域の各々を走査する際に用いられる最適な送受信方式を選択する。また、送受信方式設定部24は、本格的に撮像を行う際に、選択された送受信方式に従って超音波ビームが送信されるように、発火タイミングコントローラ25に対して遅延時間の設定を行うと共に、選択された送受信方式に従って受信した超音波エコーの受信ビームフォーミングが行われるように、位相整合演算部22に対して遅延時間の設定を行う。
【0024】
ここで、本実施形態において行われる被検体を走査する際に用いられる送受信方式には、シングルビーム送受信方式、マルチビーム送受信方式、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式がある。図2〜図4は、これらの方式を説明するための図である。図2〜図4には、複数の超音波トランスデューサ11を含む超音波用探触子10の断面が示されている。
【0025】
シングルビーム送受信方式とは、図2に示すように、1つの方向に向けて1つの超音波ビーム(送信ビーム)TB1を送信し、受信されたエコー信号について1つの受信焦点FP1を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、1つの位置に関する画像情報を取得する方式のことである。この送受信方式によれば、径の細い超音波ビームを用いて、方位分解能が高い、良質な画像情報を得ることが可能になる。一方、被検体を広い範囲に渡って走査する場合には、多くの時間がかかってしまうという欠点がある。
【0026】
マルチビーム送受信方式とは、図3に示すように、同時に、又は、ほぼ同時に複数の方向に向けて複数の超音波ビームTB2、TB3をそれぞれ送信し、受信された複数のエコー信号について、送信ビームTB2、TB3にそれぞれ対応する複数の受信焦点FP2、FP3を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、複数の位置に関する画像情報を取得する方式のことである。この方式によれば、径の細い超音波ビームを用いて、被検体を高速に走査することができるので、方位分解能及びサンプリングレートを高めることが可能になる。一方、被検体における反射源の配置によっては、異なる方向から受信される複数のエコー信号の間でクロストークが生じるおそれがある。ここで、1つの方向に送信された第1の超音波ビームが反射源に反射されて生じる超音波エコーを受信する際に、他の方向に送信された第2の超音波ビームが反射源に反射されて生じる超音波エコーが同時に受信される場合にクロストークが問題となる。
【0027】
シングルビーム送信/マルチビーム受信方式とは、図4の(a)に示すように、1つの超音波ビームTB4を送信し、図4の(b)に示すように、受信された複数のエコー信号について、複数の受信焦点FP4、FP5、FP6を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、複数の受信ビームRB4、RB5、RB6として受信する方式である。この送受信方式によれば、1回の超音波の送受信によって複数の位置に関する画像情報を取得することができるので、被検体を高速に走査することが可能である。一方、この方式において送信される超音波ビームの径は、受信ビームフォーミングにおいて形成される受信焦点の数に応じて規定されるので、所定の値より小さくすることができず、方位分解能を高くすることができない。そのため、この送受信方式は、反射率の変化が激しい領域を走査する場合には適当ではない。
【0028】
次に、本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置の動作について、図1、図5〜図9を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【0029】
まず、ステップS1において、被検体をプリスキャンすることによって事前撮像を行う。図6に示すように、被検体内の3次元領域を構成する複数のセクタ領域をシングルビーム送受信方式によって走査することにより、事前撮像を行う。ここで、事前撮像においては時間がかかっても構わないので、シングルビーム送受信方式を用いている。
【0030】
図1に示すように、複数のパルサ回路12は、発火タイミングコントローラ25の制御に従って、複数の駆動信号をそれぞれ出力する。これらの駆動信号により、複数のパルサ回路12に接続されている複数の超音波トランスデューサ11がそれぞれ駆動され、複数の超音波パルスが送信される。その際に、N2個の超音波トランスデューサ11の全てから超音波パルスを送信してもよいし、これらN2個のうちのいくつかに限定して超音波パルスを送信してもよい。
【0031】
複数の超音波トランスデューサから送信された複数の超音波パルスは、1つの超音波ビームを形成する。この送信ビームは、送信方向に存在する反射源に反射され、超音波用探触子10に受信される。超音波用探触子10に含まれる複数の超音波トランスデューサ11は、受信した超音波エコーに基づいて検出信号を出力する。これらの検出信号は、対応するレシーバ14にそれぞれ入力され、プリアンプ15及びTGC増幅器16においてアナログ処理を施され、A/Dコンバータ17の入力信号レベルに整合される。次に、TGC増幅器16から出力されたアナログ信号は、A/Dコンバータ17によってディジタル信号に変換され、メモリ21で一旦記憶された後、位相整合演算部22に入力される。さらに、これらの検出データは、位相整合演算部22において、受信された超音波エコーが受信焦点を形成するように受信ビームフォーミングを施され、送信ビームに対応する検出データが生成される。
【0032】
再び、図6を参照すると、本実施形態に係る超音波撮像装置は、超音波ビームの送信方向をθ方向に変化させながら、1つのセクタ領域OABを走査する。次に、本実施形態に係る超音波撮像装置は、超音波ビームの送信方向をφ方向にずらし、再びθ方向に変化させながら異なるセクタ領域を走査する。このようにして、図6に示すように、被検体の3次元領域を構成する複数のセクタ領域に関する画像情報が得られる。これらの画像情報は、図1に示すクロストーク判定部23に入力される。以下において、説明の簡単のために、セクタ領域OABを撮像する場合について説明する。
【0033】
次に、ステップS2において、クロストーク判定部23は、事前撮像の結果に基づいて、マルチビーム送受信方式を用いた場合に、受信された複数の超音波エコーの間でクロストークを生じさせてしまうような反射源が存在するか否かを判定する。
【0034】
ここで、クロストーク判定部23には、クロストークを判定する際に用いられる「寄与率」が記憶されている。寄与率とは、図7に示すように、被検体内の互いに異なる方向TXA、TXB、TXC、…の等しい深度に、大きさ及び反射率の等しい反射源OBA、OBB、OBC、…がそれぞれ存在する場合に、1つの方向(例えば、TXA)を観察する際に、他の方向(例えば、TXC)において生じた超音波エコーが混入する程度のことを示す。そもそも、クロストークは、ほぼ同じ時刻に異なる方向から複数の超音波エコーを受信する場合に生じるが、クロストークの程度や、それが超音波画像に与える影響は、超音波ビームの送信方向、同時に送信される複数の超音波ビームの間隔、反射源の大きさや反射率等によって異なる。そのため、例えば、マルチビーム送受信方式において送信される複数の超音波ビームの間隔をΔθとする場合には、1つの方向TXAに対して、Δθ離れた他の方向TXCが与える寄与率αA、1つの方向TXBに対して、Δθ離れた他の方向TXDが与える寄与率αB、…を、各方向ごとに求めておいて、それらを実際のクロストーク判定の際に基準値として用いる。これらの寄与率は、計算機によるシミュレーションによって求められ、被検体の各方向に関連付けてクロストーク判定部23に記憶されている。
【0035】
なお、マルチビーム送受信方式において送信される複数の超音波ビームの間隔Δθを変更するときのために、各方向(例えば、TXA方向)に対して、複数の他の方向(例えば、TXB、TXC、TXD、…)がそれぞれ与える寄与率を求めておいても良い。
【0036】
次に、クロストーク判定部23は、事前撮像によって得られた画像情報に基づいて、図8の(a)に示すように、TX1〜TX6方向からそれぞれ受信されたRF受信信号波形RF1〜RF6を記憶する。なお、図8の(a)において、t1〜t6は、TX1〜TX6方向に向けて超音波ビームを送信したときの送信時刻を示している。これにより、図8の(b)に示すように、セクタ領域OABにおける反射源OB1、OB2の存在範囲が把握される。
【0037】
次に、クロストーク判定部23は、各々の観察方向について、予め見積もられた寄与率を用いて、クロストークの判定に用いられる合成信号波形を作成する。合成信号波形は、観察方向に関するRF受信信号波形に、マルチビーム送受信方式におおいて同時に送信される他の方向に関するRF受信信号波形に寄与率を積算したものを加算することによって作成される。
【0038】
例えば、図8の(b)に示すように、TX2方向について観察する場合に、マルチビーム送受信方式において同時に送信される他の方向は、TX2方向とΔθ離れたTX4方向である。従って、合成信号波形は、RF受信信号RF2と、TX2方向に関する寄与率α2と、TX4方向に関するRF受信信号波形RF4とを用いて、図9に示すように、合成信号RF2+α2×RF4と表される。その他の観察方向についても同様である。
【0039】
次に、クロストーク判定部23は、合成された信号の強度に基づいて、クロストークの判定を行う。判定の基準は、合成前から存在するRF受信信号の位置において、合成された信号の強度が、合成前の信号強度の2倍以上、即ち、6dB以上増加した場合に、クロストークが生じるものとする。例えば、図9に示す場合に、TX2方向については、ΔRF≧6dBであれば、クロストークが生じると判定される。また、TX5方向については、ΔRF≒0なので、クロストークは生じないと判断される。
【0040】
次に、ステップS3において、送受信方式設定部24は、セクタ領域OABに含まれる複数の領域の各々に対して送受信方式を設定する。
図10に示すように、送受信方式設定部24は、クロストーク判定部23から入力された情報に基づいて、セクタ領域OABを、例えば、次に示す6つの撮像領域に分割する。
(1)反射源が存在しない撮像領域OAC
(2)反射源OB1の両端を含む撮像領域OCD
(3)反射源が存在しない撮像領域ODE
(4)反射源OB2の一端を含む撮像領域OEF
(5)反射源OB2の中間部を含む撮像領域OFG
(6)反射源OB2の他端を含む撮像領域OGH
(7)反射源が存在しない撮像領域OHB
さらに、送受信方式設定部24は、シングルビーム送受信方式、マルチビーム送受信方式、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式のうちのいずれか送受信方式を、上記(1)〜(7)の撮像領域に対してそれぞれ設定する。
【0041】
シングルビーム送受信方式は、近接する撮像領域にクロストークの原因となる反射源が存在するために、マルチビーム送信を行うことができない領域であると共に、反射源のエッジが存在したり、反射源が高い密度で存在する等、高い方位分解能を要求される領域に対して設定される。図10に示すように、本実施形態においては、撮像領域OCD及び撮像領域OEFが該当する。これらの撮像領域は、反射源OB1又は反射源OB2の端部を含んでいると共に、クロストーク判定の結果により、仮に、マルチビーム送受信方式によって走査すると、他方の反射源によってクロストークが生じてしまうからである。
【0042】
マルチビーム送受信方式は、反射源のエッジが存在する等、高い方位分解能を要求される領域であり、同時に撮像される領域にクロストークの原因となる反射源が存在しない場合に設定される。本実施形態においては、撮像領域ODEと撮像領域OGHとの組み合わせが該当する。撮像領域OGHには、反射源OB2の他端が含まれるので、その輪郭を高密度に走査する必要があるからである。一方、図11に示すように、撮像領域ODEには反射源が存在しないので、撮像領域ODE及び撮像領域OGHを、2つの送信ビームTB2、TB3を用いて並行して走査しても、クロストークが生じるおそれがない。
【0043】
シングルビーム送信/マルチビーム受信方式は、反射源が存在しないか、反射率の空間変化が緩やかな領域に対して設定される。この方式によれば、先の2方式に比較して方位分解能が低下するので、高密度に走査する必要のある領域には適当ではないからである。図10に示すように、本実施形態においては、反射源が存在しない撮像領域OAC及び撮像領域OHB、並びに、反射源OB2の中間部を含む撮像領域OFGが該当する。反射源OB2の中間部、即ち、端部以外の領域は、反射率の空間変化が少ないので、多少方位分解能の低い走査を行っても、画質に大きな影響を与えることはない。
【0044】
次に、ステップS4において、本格的な撮像を行う。即ち、発火タイミングコントローラ25は、送受信方式設定部24によって設定された送受信方式に従って、複数のパルサ回路12からそれぞれ出力される駆動信号の遅延時間を制御する。これにより、図10に示すように、上記(1)〜(7)の撮像領域が、各々に対して設定された送受信方式に基づいて走査される。即ち、まず、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式により、比較的径の太い超音波ビームを用いてOA〜OCの範囲が走査される。次に、送受信方式がシングルビーム送受信方式に切換えられ、径の細い超音波ビームによってOC〜ODの範囲が走査される。さらに、マルチビーム送受信方式により、2つの超音波ビームを用いてOD〜OE及びOG〜OHの範囲が並行して走査される。次に、シングルビーム送受信方式により、OE〜OFの範囲が走査される。さらに、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式により、OF〜OG及びOH〜OBの範囲が順次走査される。
【0045】
このような走査により、それぞれの撮像領域において生じた超音波エコーは、超音波用探触子10に含まれる複数の超音波トランスデューサ11に受信され、複数の超音波トランスデューサ11から複数の検出信号がそれぞれ出力される。これらの検出信号は、対応するレシーバ14にそれぞれ入力され、ステップS1におけるものと同様の信号処理を施され、メモリ21で一旦記憶された後、位相整合演算部22の各系統に並列に入力される。
【0046】
位相整合演算部22は、入力された検出信号に対して、送受信方式設定部24によって設定された送受信方式に応じて所定の受信焦点を形成するように受信ビームフォーミングを施す。さらに、位相整合演算部22において受信ビームフォーミングを施された検出データは、表示画像演算部26において検出波形の検波や、画像データへの変換や、所定の画像処理を施され、さらに、画像データの走査フォーマットが変換される。これにより、音線データ空間の画像データが物理空間の画像データに変換される。さらに、表示画像演算部26は、複数枚の断層データから、ある体積についてのデータであるボクセルデータを生成し、3次元画像の表示を行う演算も行う。表示画像演算部26の演算処理結果は、画像表示部30でアナログ信号に変換した後に画像表示される。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、事前撮像の結果に基づいて、被検体内のセクタ領域を複数の撮像領域に分割し、それらの撮像領域の各々に対して最適な送受信方式を設定するので、クロストークの影響が抑制された良質な画像データを効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】シングルビーム送受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図3】マルチビーム送受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図4】シングルビーム送信/マルチビーム受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の動作を説明するための図である。
【図6】被検体内の3次元領域を示す図である。
【図7】クロストーク判定部において用いられる寄与率について説明するための図である。
【図8】クロストークの判定方法を説明するための図である。
【図9】クロストークの判定方法を説明するための図である。
【図10】送受信方式が設定されたセクタ領域における走査を説明するための図である。
【図11】マルチビーム送受信方式が設定された領域における走査を説明するための図である。
【符号の説明】
10 超音波用探触子
11 超音波トランスデューサ
12 パルサ回路
14 レシーバ
15 プリアンプ
16 TGC増幅器
17 A/Dコンバータ
20 システム制御部
21 メモリ
22 位相整合演算部
23 クロストーク判定部
24 送受信方式設定部
25 発火タイミングコントローラ
26 表示画像演算部
30 画像表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信することにより生体内臓器の診断や非破壊検査を行うために用いられる超音波撮像装置及び超音波撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用の超音波診断装置や工業用の探傷装置等として用いられる超音波撮像装置においては、通常、超音波の送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子(プローブ)が用いられる。このような超音波用探触子を用いて、複数の超音波トランスデューサから送信される超音波を合波して形成される超音波ビームによって被検体を走査させることにより、被検体に関する画像情報が得られる。さらに、この画像情報に基づいて、被検体の2次元又は3次元領域における超音波画像が再現される。このような超音波ビームを用いた走査方法の1つとして、被検体の扇状の2次元領域を角度方向に走査する、いわゆるセクタ走査が知られている。
【0003】
セクタ走査は、本来、人体の肋間から心臓を観察するための手法として開発されたものである。一般的に、セクタ走査においては、送信点から被検体の深さ方向に延びる超音波ビームが被検体内に扇状に順次送信され、この超音波ビームによって、被検体の扇状の2次元領域が等間隔の角度で走査される。ここで、各々の角度において、超音波ビームに沿って被検体の深さ方向に等間隔で分布する複数のサンプリング点に関する画像情報が、一定の時間間隔でサンプリングされる。サンプリングされた画像情報に基づいて得られた2次元又は3次元の超音波画像は、心臓については断層心エコー図と呼ばれている。
【0004】
近年においては、より高いサンプリングレートで超音波画像を得ることが検討されている。例えば、非特許文献1には、1つの送信ビームが被検体に反射されて生じた超音波エコーについて、複数の受信焦点を形成するように受信フォーカスを施すことにより、1回の超音波ビームの送受信によって被検体の複数の位置に関する画像情報を得ることが記載されている。しかしながら、この場合には、1つの受信焦点を形成する場合に比較して径の太い超音波ビームを送信しなくてはならないので、空間分解能が低下してしまうという問題点が存在する。そのため、このような送受信方式を、細部について詳細な画像情報を得る場合に適用することはできない。
【0005】
また、特許文献1には、リアルタイムで3次元超音波画像を形成するために2次元トランスデューサアレイを用いると共に、同時に複数の超音波ビームを送受信する方式を採用した超音波撮像システムにおいて、クロストークを除去する幾つかの技術が開示されている。クロストークを除去する技術としては、超音波ビームをコード化して送信したり、隣接ビームのサイドローブがゼロとなる方向にメインビームを送信したり、超音波ビームの送信方向を離したり、複数の超音波ビームの間で異なる中心周波数を用いることが挙げられている。
【0006】
しかしながら、超音波ビームをコード化しても、同時に送受信される超音波ビームの数が増加すると、コードにより超音波ビームを識別することが困難になる。また、隣接ビームのサイドローブがゼロとなる方向にメインビームを送信しようとしても、生体内においては隣接ビームのサイドローブが完全にゼロとはならない。一方、超音波ビームの送信方向を離す場合には、同時に多数の超音波ビームを送受信することが困難である。また、複数の超音波ビームの間で異なる中心周波数を用いる場合には、超音波トランスデューサの周波数帯域に限界があるため、同時に送受信される超音波ビームの数が制限される。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,179,780号明細書(アブストラクト、図7−図10)
【非特許文献1】
デビッドセン(R. E. Davidsen)、ジェンセン(J. A. Jensen)、スミス(S. W. Smith),「リアルタイムボルメトリックイメージングのための2次元ランダムアレイ(TWO-DIMENSIONAL RANDOM ARRAYS FOR REAL TIME VOLUMETRIC IMAGING)」,超音波画像(ULTRASONIC IMAGING) 16, p. 143-163, (1994)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、クロストークによる影響が低減された良質な超音波画像を効率良く得ることができる超音波撮像装置及び超音波撮像方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る超音波撮像装置は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子と、事前撮像により得られた検出信号に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定する送受信方式設定手段と、該送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に従って、超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、超音波用探触子から送信される1又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させる送信側信号処理手段と、超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得る受信側信号処理手段とを具備する。
【0010】
また、本発明に係る超音波撮像方法は、複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子を用いて、被検体を撮像する超音波撮像方法であって、少なくとも1つの超音波ビームによって被検体を走査させることにより、事前撮像を行うステップ(a)と、ステップ(a)において行われた事前撮像の結果に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定するステップ(b)と、ステップ(b)における判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定するステップ(c)と、ステップ(c)において設定された送受信方式に従って、超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、超音波用探触子から送信される1つ又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させるステップ(d)と、超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、ステップ(c)において設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得るステップ(e)とを具備する。
【0011】
本発明によれば、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して個別に送受信方式を設定するので、クロストークによる影響が低減された良質な超音波画像を効率良く得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。この超音波撮像装置は、例えば、人体等の診察用の超音波診断装置や工業用の探傷装置として用いられる。
図1に示すように、この超音波撮像装置は、被検体に当接させて用いられる超音波用探触子10を有している。超音波用探触子10は、超音波の送受信機能を有する複数個(N×N=N2個)の超音波トランスデューサ11を含む、いわゆる2次元トランスデューサアレイである。超音波用探触子10においては、複数の超音波トランスデューサ11が、例えば、N行N列の2次元マトリックスに配列されている。超音波トランスデューサ11としては、例えば、PZT(Pb(lead) zirconate titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)等のセラミック圧電材やPVDF(polyvinyl difluoride:ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電材を材料とする圧電素子が用いられる。
【0013】
本実施形態においては、1つの超音波トランスデューサが超音波の送信と受信の両方に用いられるが、超音波の送信と受信のために別々の超音波トランスデューサを備えるようにしても良い。例えば、超音波の送信素子として、上記の圧電素子を用い、超音波の受信素子として、微細な光ファイバーの先端にそれぞれ形成されたファブリーペロー共振器(FPRと略称)又はファイバーブラッググレーティング等を用い、これらを組み合わせて超音波用探触子10を構成しても良い。なお、本実施形態においては2次元トランスデューサアレイを用いているが、これ以外に、1次元、又は、1.5次元等のトランスデューサアレイを用いても良い。
【0014】
N2個の超音波トランスデューサ11には、N2個のパルサ回路12、及び、レシーバ14がそれぞれ接続されている。
各パルサ回路12は、発火タイミングコントローラ25の出力信号に基づいて励振して、超音波用探触子10の対応する超音波トランスデューサ11に駆動信号を出力する。各超音波トランスデューサ11は、パルサ回路12から入力された駆動信号に基づいて超音波パルスを被検体に送信し、被検体から反射された超音波パルスを受信して検出信号を出力する。これらのパルサ回路としては、高い繰り返し周期(例えば、3MHz〜10MHz)で連続的に駆動信号を出力できる高速パルサ回路を用いることが望ましい。
【0015】
各レシーバ14は、プリアンプ15、TGC(time gain compensation:時間利得補償)増幅器16及びA/Dコンバータ17を備えている。各超音波トランスデューサ11から出力された検出信号は、対応するレシーバ14に含まれるプリアンプ15及びTGC増幅器16においてアナログ処理を施される。このアナログ処理により、これらの検出信号のレベルが、A/Dコンバータ17の入力信号レベルに整合される。TGC増幅器16から出力されたアナログ信号は、A/Dコンバータ17によってそれぞれディジタル信号(データ)に変換される。
【0016】
また、この超音波撮像装置は、システム制御部20と、メモリ21と、位相整合演算部22と、表示画像演算部26と、発火タイミングコントローラ25とを含んでいる。システム制御部20は、この超音波撮像装置の各部を制御している。
【0017】
発火タイミングコントローラ25には、各パルサ回路12が接続されている。発火タイミングコントローラ25は、各パルサ回路12を励振するための信号を出力する。本実施形態においては、発火タイミングコントローラ25は、電子回路によって構成されているが、パターンジェネレータ等によって構成されても良い。発火タイミングコントローラ25の制御により、超音波用探触子10から送信された超音波ビームの最大撮像深度からのエコーの到達時間内に、複数方向に向けて超音波ビームを送信するための発火タイミングの管理が可能となる。また、発火タイミングコントローラ25の制御により、所望の径を有する超音波ビームを所望の方向に送信することが可能となる。
【0018】
メモリ21には、各レシーバ14が接続されている。メモリ21は、各レシーバ14のA/Dコンバータ17から出力された検出データを一時記憶する。
位相整合演算部22は、メモリ21に記憶されている検出データの位相を整合するために演算処理を行う。位相整合演算部22は、図1においては1個のブロックで示されているが、送信ビームの数、又は、形成される受信焦点の数に対応して複数の系統が設けられている。位相整合演算部22の各系統は、シフトレジスタ遅延線、ディジタル微小遅延器、若しくは、CPU(central processing unit:中央演算装置)とソフトウエア、又は、これらの組み合わせによって構成されている。
【0019】
ここで、位相整合演算部22による受信ビームフォーミングは次のように行われる。位相整合演算部22の各系統は、各超音波トランスデューサ11から出力される検出信号に基づいて得られた一連の検出データに所定の遅延を与える。これにより、複数の超音波トランスデューサ11を用いて得られた複数の検出データの位相が整合される。さらに、位相整合演算部22は、これらの検出データをディジタル加算する。このように、複数の系統を有する位相整合演算部22を用いることにより、被検体内の複数の方向に関する受信フォーカスを同時に達成することができる。
【0020】
表示画像演算部26は、位相整合演算部22から出力されたデータに対して、検出波形の検波や、画像データへの変換や、所定の画像処理を施し、さらに、走査フォーマットの変換を行う。これにより、音線データ空間の画像データが物理空間の画像データに変換される。さらに、表示画像演算部26は、複数枚の断層データから、ある体積についてのデータであるボクセルデータを生成し、3次元画像の表示を行うための演算を行う。
【0021】
表示画像演算部26には、画像表示部30が接続されている。画像表示部30は、表示画像演算部26で走査フォーマットが変換された画像データを、D/A変換によってアナログ信号に変換し、これらの信号に基づいて画像を表示する。
【0022】
さらに、本実施形態に係る超音波撮像装置には、クロストーク判定部23及び送受信方式設定部24が設けられている。クロストーク判定部23は、被検体をプリスキャンすることにより事前撮像を行った場合に、得られた画像情報に基づいて被検体に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の方向に向けて複数の超音波ビームをそれぞれ送信した場合に、それぞれの方向から受信される超音波エコーが互いにクロストークを生じさせか否かを判定する。
【0023】
送受信方式設定部24は、クロストーク判定部23の判定結果に基づいて被検体を複数の撮像領域に分割し、それらの撮像領域の各々を走査する際に用いられる最適な送受信方式を選択する。また、送受信方式設定部24は、本格的に撮像を行う際に、選択された送受信方式に従って超音波ビームが送信されるように、発火タイミングコントローラ25に対して遅延時間の設定を行うと共に、選択された送受信方式に従って受信した超音波エコーの受信ビームフォーミングが行われるように、位相整合演算部22に対して遅延時間の設定を行う。
【0024】
ここで、本実施形態において行われる被検体を走査する際に用いられる送受信方式には、シングルビーム送受信方式、マルチビーム送受信方式、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式がある。図2〜図4は、これらの方式を説明するための図である。図2〜図4には、複数の超音波トランスデューサ11を含む超音波用探触子10の断面が示されている。
【0025】
シングルビーム送受信方式とは、図2に示すように、1つの方向に向けて1つの超音波ビーム(送信ビーム)TB1を送信し、受信されたエコー信号について1つの受信焦点FP1を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、1つの位置に関する画像情報を取得する方式のことである。この送受信方式によれば、径の細い超音波ビームを用いて、方位分解能が高い、良質な画像情報を得ることが可能になる。一方、被検体を広い範囲に渡って走査する場合には、多くの時間がかかってしまうという欠点がある。
【0026】
マルチビーム送受信方式とは、図3に示すように、同時に、又は、ほぼ同時に複数の方向に向けて複数の超音波ビームTB2、TB3をそれぞれ送信し、受信された複数のエコー信号について、送信ビームTB2、TB3にそれぞれ対応する複数の受信焦点FP2、FP3を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、複数の位置に関する画像情報を取得する方式のことである。この方式によれば、径の細い超音波ビームを用いて、被検体を高速に走査することができるので、方位分解能及びサンプリングレートを高めることが可能になる。一方、被検体における反射源の配置によっては、異なる方向から受信される複数のエコー信号の間でクロストークが生じるおそれがある。ここで、1つの方向に送信された第1の超音波ビームが反射源に反射されて生じる超音波エコーを受信する際に、他の方向に送信された第2の超音波ビームが反射源に反射されて生じる超音波エコーが同時に受信される場合にクロストークが問題となる。
【0027】
シングルビーム送信/マルチビーム受信方式とは、図4の(a)に示すように、1つの超音波ビームTB4を送信し、図4の(b)に示すように、受信された複数のエコー信号について、複数の受信焦点FP4、FP5、FP6を形成するように受信ビームフォーミングを施すことにより、複数の受信ビームRB4、RB5、RB6として受信する方式である。この送受信方式によれば、1回の超音波の送受信によって複数の位置に関する画像情報を取得することができるので、被検体を高速に走査することが可能である。一方、この方式において送信される超音波ビームの径は、受信ビームフォーミングにおいて形成される受信焦点の数に応じて規定されるので、所定の値より小さくすることができず、方位分解能を高くすることができない。そのため、この送受信方式は、反射率の変化が激しい領域を走査する場合には適当ではない。
【0028】
次に、本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置の動作について、図1、図5〜図9を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【0029】
まず、ステップS1において、被検体をプリスキャンすることによって事前撮像を行う。図6に示すように、被検体内の3次元領域を構成する複数のセクタ領域をシングルビーム送受信方式によって走査することにより、事前撮像を行う。ここで、事前撮像においては時間がかかっても構わないので、シングルビーム送受信方式を用いている。
【0030】
図1に示すように、複数のパルサ回路12は、発火タイミングコントローラ25の制御に従って、複数の駆動信号をそれぞれ出力する。これらの駆動信号により、複数のパルサ回路12に接続されている複数の超音波トランスデューサ11がそれぞれ駆動され、複数の超音波パルスが送信される。その際に、N2個の超音波トランスデューサ11の全てから超音波パルスを送信してもよいし、これらN2個のうちのいくつかに限定して超音波パルスを送信してもよい。
【0031】
複数の超音波トランスデューサから送信された複数の超音波パルスは、1つの超音波ビームを形成する。この送信ビームは、送信方向に存在する反射源に反射され、超音波用探触子10に受信される。超音波用探触子10に含まれる複数の超音波トランスデューサ11は、受信した超音波エコーに基づいて検出信号を出力する。これらの検出信号は、対応するレシーバ14にそれぞれ入力され、プリアンプ15及びTGC増幅器16においてアナログ処理を施され、A/Dコンバータ17の入力信号レベルに整合される。次に、TGC増幅器16から出力されたアナログ信号は、A/Dコンバータ17によってディジタル信号に変換され、メモリ21で一旦記憶された後、位相整合演算部22に入力される。さらに、これらの検出データは、位相整合演算部22において、受信された超音波エコーが受信焦点を形成するように受信ビームフォーミングを施され、送信ビームに対応する検出データが生成される。
【0032】
再び、図6を参照すると、本実施形態に係る超音波撮像装置は、超音波ビームの送信方向をθ方向に変化させながら、1つのセクタ領域OABを走査する。次に、本実施形態に係る超音波撮像装置は、超音波ビームの送信方向をφ方向にずらし、再びθ方向に変化させながら異なるセクタ領域を走査する。このようにして、図6に示すように、被検体の3次元領域を構成する複数のセクタ領域に関する画像情報が得られる。これらの画像情報は、図1に示すクロストーク判定部23に入力される。以下において、説明の簡単のために、セクタ領域OABを撮像する場合について説明する。
【0033】
次に、ステップS2において、クロストーク判定部23は、事前撮像の結果に基づいて、マルチビーム送受信方式を用いた場合に、受信された複数の超音波エコーの間でクロストークを生じさせてしまうような反射源が存在するか否かを判定する。
【0034】
ここで、クロストーク判定部23には、クロストークを判定する際に用いられる「寄与率」が記憶されている。寄与率とは、図7に示すように、被検体内の互いに異なる方向TXA、TXB、TXC、…の等しい深度に、大きさ及び反射率の等しい反射源OBA、OBB、OBC、…がそれぞれ存在する場合に、1つの方向(例えば、TXA)を観察する際に、他の方向(例えば、TXC)において生じた超音波エコーが混入する程度のことを示す。そもそも、クロストークは、ほぼ同じ時刻に異なる方向から複数の超音波エコーを受信する場合に生じるが、クロストークの程度や、それが超音波画像に与える影響は、超音波ビームの送信方向、同時に送信される複数の超音波ビームの間隔、反射源の大きさや反射率等によって異なる。そのため、例えば、マルチビーム送受信方式において送信される複数の超音波ビームの間隔をΔθとする場合には、1つの方向TXAに対して、Δθ離れた他の方向TXCが与える寄与率αA、1つの方向TXBに対して、Δθ離れた他の方向TXDが与える寄与率αB、…を、各方向ごとに求めておいて、それらを実際のクロストーク判定の際に基準値として用いる。これらの寄与率は、計算機によるシミュレーションによって求められ、被検体の各方向に関連付けてクロストーク判定部23に記憶されている。
【0035】
なお、マルチビーム送受信方式において送信される複数の超音波ビームの間隔Δθを変更するときのために、各方向(例えば、TXA方向)に対して、複数の他の方向(例えば、TXB、TXC、TXD、…)がそれぞれ与える寄与率を求めておいても良い。
【0036】
次に、クロストーク判定部23は、事前撮像によって得られた画像情報に基づいて、図8の(a)に示すように、TX1〜TX6方向からそれぞれ受信されたRF受信信号波形RF1〜RF6を記憶する。なお、図8の(a)において、t1〜t6は、TX1〜TX6方向に向けて超音波ビームを送信したときの送信時刻を示している。これにより、図8の(b)に示すように、セクタ領域OABにおける反射源OB1、OB2の存在範囲が把握される。
【0037】
次に、クロストーク判定部23は、各々の観察方向について、予め見積もられた寄与率を用いて、クロストークの判定に用いられる合成信号波形を作成する。合成信号波形は、観察方向に関するRF受信信号波形に、マルチビーム送受信方式におおいて同時に送信される他の方向に関するRF受信信号波形に寄与率を積算したものを加算することによって作成される。
【0038】
例えば、図8の(b)に示すように、TX2方向について観察する場合に、マルチビーム送受信方式において同時に送信される他の方向は、TX2方向とΔθ離れたTX4方向である。従って、合成信号波形は、RF受信信号RF2と、TX2方向に関する寄与率α2と、TX4方向に関するRF受信信号波形RF4とを用いて、図9に示すように、合成信号RF2+α2×RF4と表される。その他の観察方向についても同様である。
【0039】
次に、クロストーク判定部23は、合成された信号の強度に基づいて、クロストークの判定を行う。判定の基準は、合成前から存在するRF受信信号の位置において、合成された信号の強度が、合成前の信号強度の2倍以上、即ち、6dB以上増加した場合に、クロストークが生じるものとする。例えば、図9に示す場合に、TX2方向については、ΔRF≧6dBであれば、クロストークが生じると判定される。また、TX5方向については、ΔRF≒0なので、クロストークは生じないと判断される。
【0040】
次に、ステップS3において、送受信方式設定部24は、セクタ領域OABに含まれる複数の領域の各々に対して送受信方式を設定する。
図10に示すように、送受信方式設定部24は、クロストーク判定部23から入力された情報に基づいて、セクタ領域OABを、例えば、次に示す6つの撮像領域に分割する。
(1)反射源が存在しない撮像領域OAC
(2)反射源OB1の両端を含む撮像領域OCD
(3)反射源が存在しない撮像領域ODE
(4)反射源OB2の一端を含む撮像領域OEF
(5)反射源OB2の中間部を含む撮像領域OFG
(6)反射源OB2の他端を含む撮像領域OGH
(7)反射源が存在しない撮像領域OHB
さらに、送受信方式設定部24は、シングルビーム送受信方式、マルチビーム送受信方式、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式のうちのいずれか送受信方式を、上記(1)〜(7)の撮像領域に対してそれぞれ設定する。
【0041】
シングルビーム送受信方式は、近接する撮像領域にクロストークの原因となる反射源が存在するために、マルチビーム送信を行うことができない領域であると共に、反射源のエッジが存在したり、反射源が高い密度で存在する等、高い方位分解能を要求される領域に対して設定される。図10に示すように、本実施形態においては、撮像領域OCD及び撮像領域OEFが該当する。これらの撮像領域は、反射源OB1又は反射源OB2の端部を含んでいると共に、クロストーク判定の結果により、仮に、マルチビーム送受信方式によって走査すると、他方の反射源によってクロストークが生じてしまうからである。
【0042】
マルチビーム送受信方式は、反射源のエッジが存在する等、高い方位分解能を要求される領域であり、同時に撮像される領域にクロストークの原因となる反射源が存在しない場合に設定される。本実施形態においては、撮像領域ODEと撮像領域OGHとの組み合わせが該当する。撮像領域OGHには、反射源OB2の他端が含まれるので、その輪郭を高密度に走査する必要があるからである。一方、図11に示すように、撮像領域ODEには反射源が存在しないので、撮像領域ODE及び撮像領域OGHを、2つの送信ビームTB2、TB3を用いて並行して走査しても、クロストークが生じるおそれがない。
【0043】
シングルビーム送信/マルチビーム受信方式は、反射源が存在しないか、反射率の空間変化が緩やかな領域に対して設定される。この方式によれば、先の2方式に比較して方位分解能が低下するので、高密度に走査する必要のある領域には適当ではないからである。図10に示すように、本実施形態においては、反射源が存在しない撮像領域OAC及び撮像領域OHB、並びに、反射源OB2の中間部を含む撮像領域OFGが該当する。反射源OB2の中間部、即ち、端部以外の領域は、反射率の空間変化が少ないので、多少方位分解能の低い走査を行っても、画質に大きな影響を与えることはない。
【0044】
次に、ステップS4において、本格的な撮像を行う。即ち、発火タイミングコントローラ25は、送受信方式設定部24によって設定された送受信方式に従って、複数のパルサ回路12からそれぞれ出力される駆動信号の遅延時間を制御する。これにより、図10に示すように、上記(1)〜(7)の撮像領域が、各々に対して設定された送受信方式に基づいて走査される。即ち、まず、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式により、比較的径の太い超音波ビームを用いてOA〜OCの範囲が走査される。次に、送受信方式がシングルビーム送受信方式に切換えられ、径の細い超音波ビームによってOC〜ODの範囲が走査される。さらに、マルチビーム送受信方式により、2つの超音波ビームを用いてOD〜OE及びOG〜OHの範囲が並行して走査される。次に、シングルビーム送受信方式により、OE〜OFの範囲が走査される。さらに、シングルビーム送信/マルチビーム受信方式により、OF〜OG及びOH〜OBの範囲が順次走査される。
【0045】
このような走査により、それぞれの撮像領域において生じた超音波エコーは、超音波用探触子10に含まれる複数の超音波トランスデューサ11に受信され、複数の超音波トランスデューサ11から複数の検出信号がそれぞれ出力される。これらの検出信号は、対応するレシーバ14にそれぞれ入力され、ステップS1におけるものと同様の信号処理を施され、メモリ21で一旦記憶された後、位相整合演算部22の各系統に並列に入力される。
【0046】
位相整合演算部22は、入力された検出信号に対して、送受信方式設定部24によって設定された送受信方式に応じて所定の受信焦点を形成するように受信ビームフォーミングを施す。さらに、位相整合演算部22において受信ビームフォーミングを施された検出データは、表示画像演算部26において検出波形の検波や、画像データへの変換や、所定の画像処理を施され、さらに、画像データの走査フォーマットが変換される。これにより、音線データ空間の画像データが物理空間の画像データに変換される。さらに、表示画像演算部26は、複数枚の断層データから、ある体積についてのデータであるボクセルデータを生成し、3次元画像の表示を行う演算も行う。表示画像演算部26の演算処理結果は、画像表示部30でアナログ信号に変換した後に画像表示される。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、事前撮像の結果に基づいて、被検体内のセクタ領域を複数の撮像領域に分割し、それらの撮像領域の各々に対して最適な送受信方式を設定するので、クロストークの影響が抑制された良質な画像データを効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】シングルビーム送受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図3】マルチビーム送受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図4】シングルビーム送信/マルチビーム受信方式による超音波の送受信を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の動作を説明するための図である。
【図6】被検体内の3次元領域を示す図である。
【図7】クロストーク判定部において用いられる寄与率について説明するための図である。
【図8】クロストークの判定方法を説明するための図である。
【図9】クロストークの判定方法を説明するための図である。
【図10】送受信方式が設定されたセクタ領域における走査を説明するための図である。
【図11】マルチビーム送受信方式が設定された領域における走査を説明するための図である。
【符号の説明】
10 超音波用探触子
11 超音波トランスデューサ
12 パルサ回路
14 レシーバ
15 プリアンプ
16 TGC増幅器
17 A/Dコンバータ
20 システム制御部
21 メモリ
22 位相整合演算部
23 クロストーク判定部
24 送受信方式設定部
25 発火タイミングコントローラ
26 表示画像演算部
30 画像表示部
Claims (6)
- 超音波撮像装置であって、
複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子と、
事前撮像により得られた検出信号に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが前記超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定する送受信方式設定手段と、
前記送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に従って、前記超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、前記超音波用探触子から送信される1又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させる送信側信号処理手段と、
超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、前記送受信方式設定手段によって設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得る受信側信号処理手段と、
を具備する超音波撮像装置。 - 前記送受信方式設定手段が、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、(i)1つの超音波ビームを形成して送信し、反射源に反射されて生じた超音波エコーについて1つの受信焦点を形成する送受信方式と、(ii)複数の方向に向けて複数の超音波ビームをそれぞれ送信し、該複数の方向において反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーの各々について1つの受信焦点を形成する送受信方式と、(iii)1つの超音波ビームを形成して送信し、反射源に反射されて生じた超音波エコーについて複数の受信焦点を形成する送受信方式との内のいずれか1つを設定する、請求項1記載の超音波撮像装置。
- 前記複数の超音波トランスデューサが2次元に配置されている、請求項1又は2記載の超音波撮像装置。
- 複数の駆動信号に従ってそれぞれ動作する複数の超音波トランスデューサによって超音波ビームを形成して被検体に送信すると共に、被検体から反射される超音波エコーを受信する超音波用探触子を用いて、被検体を撮像する超音波撮像方法であって、
少なくとも1つの超音波ビームによって被検体を走査させることにより、事前撮像を行うステップ(a)と、
ステップ(a)において行われた事前撮像の結果に基づいて、被検体内に存在する反射源の位置を把握すると共に、異なる複数の反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーが前記超音波用探触子に受信される際に互いに干渉するような反射源が存在するか否かを判定するステップ(b)と、
ステップ(b)における判定結果に基づいて、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、複数の送受信方式の中から該撮像領域を走査する際に用いられる送受信方式を選択して設定するステップ(c)と、
ステップ(c)において設定された送受信方式に従って、前記超音波用探触子に供給される複数の駆動信号に遅延を与えることにより、前記超音波用探触子から送信される1つ又は複数の超音波ビームによって被検体を走査させるステップ(d)と、
超音波エコーの受信によって得られる複数の検出信号を、ステップ(c)において設定された送受信方式に応じて処理することにより、被検体に関する画像情報を得るステップ(e)と、
を具備する超音波撮像方法。 - ステップ(c)が、被検体に含まれる複数の撮像領域の各々に対して、(i)1つの超音波ビームを形成して送信し、反射源に反射されて生じた超音波エコーについて1つの受信焦点を形成する送受信方式と、(ii)複数の方向に向けて複数の超音波ビームをそれぞれ送信し、該複数の方向において反射源にそれぞれ反射されて生じた複数の超音波エコーの各々について1つの受信焦点を形成する送受信方式と、(iii)1つの超音波ビームを形成して送信し、反射源に反射されて生じた超音波エコーについて複数の受信焦点を形成する送受信方式との内のいずれか1つを設定する、請求項4記載の超音波撮像方法。
- ステップ(d)が、2次元に配置されている複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子を用いて超音波ビームを送信することを含む、請求項4又は5記載の超音波撮像方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002373381A JP2004201864A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 超音波撮像装置及び超音波撮像方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002373381A JP2004201864A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 超音波撮像装置及び超音波撮像方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004201864A true JP2004201864A (ja) | 2004-07-22 |
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| JP2002373381A Withdrawn JP2004201864A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 超音波撮像装置及び超音波撮像方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2004201864A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110636799A (zh) * | 2017-03-16 | 2019-12-31 | 皇家飞利浦有限公司 | 针对器官查看的最佳扫描平面选择 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373381A patent/JP2004201864A/ja not_active Withdrawn
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