JP2004201631A - 排水用基盤材、屋上緑化設備および屋上緑化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な排水性を確保しながら、軽量化を図ることが可能な屋上緑化設備を提供する。
【解決手段】屋上緑化設備の排水用基盤材30は、表側または裏側の地組織31または32のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成されており、かつ表側と裏側の地組織が連結糸33で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物である。この排水用基盤材30を、屋上面に敷設した防根シートの上に敷設し、さらにその上層に培土層を設け、該培土層において植物を育成する。
【選択図】 図2
【解決手段】屋上緑化設備の排水用基盤材30は、表側または裏側の地組織31または32のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成されており、かつ表側と裏側の地組織が連結糸33で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物である。この排水用基盤材30を、屋上面に敷設した防根シートの上に敷設し、さらにその上層に培土層を設け、該培土層において植物を育成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル、家屋等の屋上に植物生育環境を造成する屋上緑化に使用できる排水用基盤材、該基盤材を用いた屋上緑化設備および屋上緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市部においてビルや家屋等の構造物の屋上(屋根を含む)に植物の生育環境を造成する屋上緑化が進められている。屋上緑化設備は、ビル等の屋上に敷設するものであるから、軽量であること、施工が容易であること、排水性が良好であること、培土の飛散が少ないこと等が要求される。これらの要求を満足するため、これまで数々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
特許文献1は、空隙率90%以上、見掛け密度5〜100kg/m3、厚さ20〜100mmの熱可塑性樹脂繊維構造体を植生基材とするものである。また、特許文献2は、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線上体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延び、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体からなる屋上緑化用マットに関するものである。
【0004】
しかし、上記特許文献1および特許文献2では、繊維構造体や網目状構造体に培土を充填するため、培土の流出や飛散は防止できるものの、繊維構造体や網目状構造体が目詰まりを起こし易く排水性が低下する。
【0005】
特許文献3では、繊度の異なる2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがランダム配列して積層され、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊維ウェブ層が分布し、他方側に太繊度繊維ウェブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が形成され、かつ繊維同士の接点が接着固定された繊維成形体と、ポリオレフィン樹脂製の排水層を備えた緑化構造物が提案されている。この特許文献3では、培土を充填した繊維成形体とは別に排水層を設けている点で雨水等の排出は確保されている。しかし、排水層については、実施例中で太デニールのポリエステル繊維にクリンプを施した繊維スプリング(カールロック;商品名、東亜紡績株式会社製)が使用されている以外は具体的構造は明示されていない。
【0006】
一方、ゴルフ練習場グランドの表層構造等として、表地組織が6角形あるいは菱形模様のハニカム状の組織であり、表裏の地組織が連結糸で連結されてなり、地組織および連結糸に合成繊維の原着糸を用いた立体布帛を用いることが提案されている(特許文献4、特許文献5)。しかし、これらの立体布帛を屋上緑化設備の資材として用いることは一切述べられていない。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−10711号公報
【特許文献2】
特開2001−145422号公報
【特許文献3】
特開2002−125452号公報
【特許文献4】
実用新案登録第2572655号公報
【特許文献5】
実用新案登録第2517240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の屋上緑化設備においては、繊維構造体を使用することが知られているが、その役割は培土を保持するというものである。培土からの排水を促すために繊維構造体を用いた排水層を設けている場合でも、その構造については深く検討されていない。
【0009】
しかし、屋上緑化設備において排水機能が低下すると、設備の荷重が大幅に増加して建造物にかかる負担が非常に大きくなるほか、植物や培土の腐敗を招き、屋上環境を台無しにしてしまうおそれもある。
【0010】
また、屋上緑化設備の排水性を確保するために、スノコのような硬い材質の骨格材を排水層に使用することも考えられるが、重量がかさむ上、地表面と同様の感触(例えば踏圧荷重に対する適度な弾性)を与えることができない。他方、排水層に柔らか過ぎる骨格材を用いた場合、培土表面の弾性は得られても土圧や踏圧に対する耐性がなくなり、荷重によって培土が移動したり、崩壊したりして植物の根が損傷し、枯死させてしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなさたものであり、十分な排水性を確保しながら、軽量化を図ることが可能な屋上緑化設備を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る屋上緑化設備の排水用基盤材は、表側または裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成されており、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物であることを特徴とする。
【0013】
この屋上緑化設備の排水用基盤材の発明によれば、空隙を有する三次元編織物により、これを配備した屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、軽量化を図ることができる。
【0014】
本発明の第2の態様に係る屋上緑化設備の排水用基盤材の発明は、第1の態様において、前記表側および/または裏側の地組織をバインダー樹脂により溶融固着させたことを特徴とする。この特徴によれば、地組織をバインダー樹脂により溶融固着したので、押圧に対する抵抗性を大幅に高めることができる。よって、バインダー樹脂による補強度合いを調整することにより、所望の弾力性を持つ屋上緑化設備を作り出すことができる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第1の態様または第2の態様の排水用基盤材を備えたことを特徴とする。この特徴によれば、屋上緑化設備において第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。
【0016】
本発明の第4の態様に係る屋上緑化方法の発明は、屋上面に、防根シートを敷設し、その上層に請求項1または請求項2に記載の排水用基盤材を敷設した後、さらにその上層に培土層を設け、該培土層において植物を育成することを特徴とする。この特徴によれば、屋上緑化方法において、上記第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。また、本発明方法で使用する排水用基盤材は、軽量である上、ロール状に巻回して持ち運びでき、施工場所において展延するだけでよいため、施工が極めて容易で、短時間での作業を可能にする。
【0017】
本発明の第5の態様に係る屋上緑化設備の発明は、植物を植え込む土壌を備えた培土層と、該培土層からの水分の排出を促すための空隙を有する排水層と、を備えた屋上緑化設備であって、前記排水層に、柔軟性を有する排水用基盤材を備えたことを特徴とする。この特徴によれば、柔軟性を有する排水用基盤材を備えたので、屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、表面に適度な弾力感を与えることができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第5の態様において、前記排水用基盤材は、表側あるいは裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成され、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物であることを特徴とする。この特徴によれば、内部に空隙を有する三次元編織物の排水用基盤材により、排水性を確保しながら屋上緑化設備の軽量化を図ることができる。
【0019】
本発明の第7の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第6の態様において、前記培土層が、キトサン圧入シラスを含有することを特徴とする。この特徴によればキトサン圧入シラスを含有する培土層により、軽量化を図りつつ植物の生長を促すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる屋上緑化設備100の断面構造を模式的に示す図面である。この屋上緑化設備100は、屋上のコンクリート地50の表面に防根シート40を敷設し、その上に排水層として排水性基盤材30が敷設され、排水性基盤材30の上には、セパレーター20が設けられ、さらにその上に培土層としてシラス軽量土10が盛土されている。植物60はシラス軽量土10に定植されている。
【0021】
シラス軽量土10は、シラスを主成分として含有する培土組成物である。シラスは、日本国宮崎県南部から鹿児島県東部の大隈半島に至る地域に形成された、4700km2に及ぶ広大なシラス台地を構成する発泡性ケイ酸岩で、多孔質で比重が軽いという特徴を持つ土壌である。シラスを主成分とする培土組成物を用いることによって、後記するように屋上緑化設備の大幅な軽量化が可能になる。
【0022】
本実施形態では、シラスに天然多糖類であるキトサンを圧入処理したキトサン圧入シラスを用いている。キトサンは、周知のとおりカニやエビなどの甲殻類、昆虫、貝類、きのこなどの菌類の細胞壁に多く含まれる多糖類の天然高分子であり、植物の発芽、生長を促し、健全な植物を育てる効果があるので、土壌改良材、活力促進剤として市場で販売されている。
【0023】
キトサン圧入シラスは、例えば粒径3〜8mm程度のシラスに、減圧真空圧入法によりキトサンを圧入処理したものである。減圧真空圧入は以下に例示する方法により行われる。すなわち、注入用コンテナに500リットルのシラスを投入し、注入機本体にセットし、キトサン液を入れ、一気に減圧し真空状態にしてシラスの気孔中にキトサンを注入する。このとき、シラスの気孔から気泡が排出されて気孔自体が真空状態となるので、空気の替りに気孔の奥深くまでキトサンが侵入する。キトサンの圧入は、シラス500リットルに対し3時間程度かけて行うことが好ましい。使用するキトサン溶液の濃度は、例えば0.002モル/リットル(原液の500倍に相当)程度が好ましい。
【0024】
キトサンを圧入処理することにより、シラスに乏しい有機物を補うことができるとともに、圧入によって多孔質のシラスの気孔中にキトサンが侵入し、粒子の中心部までキトサンが充填される。これにより、通常の浸漬処理に比べてキトサンの含有量を各段に高めることができるとともに、単にシラス培土中にキトサンを添加する場合に比べて徐放作用が得られ、雨水等により一度にキトサンが流出してしまう事態を防ぐことができる。つまり、キトサンを持続的に作用させることができる。
【0025】
シラス軽量土10は、キトサン圧入シラスを主成分とするものであればよいが、これ以外の成分として、例えば鹿沼土、バーク堆肥、木炭等を配合することが好ましい。これらの成分は、いずれも軽量でありなから植物体を支持する培土としての機能を果たし得るものであるため、軽量化が最優先課題である屋上緑化設備に適したものである。シラス軽量土10における各成分の配合比は任意であるが、軽量化と植物の生育状態とを比較考量した結果では、キトサン圧入シラスと鹿沼土とバーク堆肥と木炭とを、6:2:1:1の割合で配合したものが特に好ましいことが判明している。かかる配合比において、シラス軽量土10の湿潤密度は0.67g/cm3、乾燥密度は0.39g/cm3となる。自然土壌の通常時密度は1.6〜1.8g/cm3、市販の軽量土でも0.6〜0.8g/cm3であるから、本発明のシラス軽量土10は、屋上緑化用の培土として望ましい軽量土壌であることが理解される。また、上記組成におけるシラス軽量土10のpH(H2O)は6.89程度、有効水分量は165リットル/m3、透水係数は4.5×10−3cm/sec程度となり、培土として適度な保水/透水性能を持つものとなる。
【0026】
シラス軽量土10を用いた培土層の厚みは、育成する植物の種類により異なるが、概ね5〜50cm程度とすることができる。
【0027】
セパレーター20は、シラス軽量土10が排水用基盤材30の空隙へ落下し、排水層の目詰まりを引き起こすことを防止する役割を果たす網目状のシート部材であり、その材質は問わないが、腐蝕や劣化が起こり難い材質として一般に使用されているポリエステル、ナイロン、ポリエチレンもしくはポリプロピレンから構成されたもの、またはこれらの表面に被覆樹脂加工が施された合成樹脂製の材質が好ましい。セパレーター20の網目の目合いは、シラス軽量土10の粒径に応じて選択すればよい。セパレーター20の厚みは、0.15〜0.50mm程度とすることができる。
【0028】
排水用基盤材30は、表側または裏側の地組織のうち、少なくとも片面がメッシュ状もしくは溝状の空隙を形成し、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されて厚みを形成する三次元編織物である。この三次元編織物としては、図2〜図5に詳細を例示するように、表側および裏側の地組織が六角形のメッシュ状に形成され、連結糸が表裏の六角形の地組織を連結する構造のものが好ましく用いられる。
【0029】
図2は、排水用基盤材30の要部斜視図であり、図3は同要部平面図、図4は図3のIV−IV線矢視の断面図、図5は図3のV−V線矢視の断面図である。なお、図2および図3では、説明の便宜上、表裏の地組織31、32を架橋するように連結している連結糸33は、部分的にのみ図示している。
【0030】
表側の地組織31を構成する地糸311および地糸314は、主に裏側の地組織32を構成する地糸322との間で複数本の弓状の連結糸33により結ばれている(図4参照)。換言すれば、裏側の地糸322から連結糸33が二方向に延び、表側の地糸311および314に接続している(図5参照)。また、表側の地糸315と裏側の地糸325、表側の地糸316と裏側の地糸323が、それぞれ連結糸33により接続されている。同様にして、連結糸により表裏のメッシュ状の地組織31と32とが架橋されハニカム状の空隙を持つ複雑な立体網目構造が形成されている。かかる構造により、土壌や植物の荷重が加えられても、立体網目内部の空隙が十分に確保され排水性が損なわれることなく維持される。また、柔軟性を持つ立体網目構造により、踏圧に対する適度な弾性を与えることができるようになる。さらに、排水用基盤材30は空隙率が85〜98%と高いため、例えば0.5〜3.5cmの厚みで十分に排水機能を持つことから、排水層を薄層化できるようになる。従って、所要の排水機能を維持しながら屋上緑化設備100を低層化することができるとともに、強風に対する耐久性も高めることができる。また、排水用基盤材30が柔軟性に富み、かつ薄型であれば、ロール状に巻回して屋上ヘ搬入し、そこで展延することにより容易に施工できるという利点もある。
【0031】
排水用基盤材30の材質は、腐蝕や劣化し難い合成樹脂繊維が好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。排水用基盤材30としての三次元編織物を構成する糸の径は、0.15〜0.5mm程度(220〜2,350デニール)が好ましく、地組織のメッシュの開口径(目合い)は10〜50mm程度が好ましい。また、三次元編織物の高さ(すなわち、表裏の地組織間の距離;厚さ)は、前記したように緑化設備の低層化や巻回のし易さを考慮すると8〜40cm程度、好ましくは10〜30cm程度にすることができる。
【0032】
また、本実施形態の排水用基盤材30においては、裏側の地組織32をバインダー繊維により溶融固着させている。より具体的には、裏側の地組織32を構成する繊維中に、バインダー繊維として、図6に示すように低融点のポリエステル繊維132を外周に有し、内側に通常の融点を持つポリエステル樹脂133を入れた芯鞘構造の繊維を挿入している。ここで、低融点のポリエステル樹脂132としては、例えば160℃程度の融点を有する共重合ポリエチレンテレフタレートを挙げることができ、通常の融点を有するポリエステル樹脂133としては、例えば260℃程度の融点を持つポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。この芯鞘構造の複合繊維は、モノフィラメント、マルチフィラメントおよび短繊維糸条のいずれで構成されてもよい。複合繊維の太さは、100デニール以上〜1000デニール以下が編み立て性が良好で使用し易いこと、および交点部の接着力に優れている点で好適である。なお、芯鞘比は、期待する物性に応じて設定できるが、本発明においては1:4〜4:1の範囲とすることが好ましい。なお、バインダー繊維は裏側の地組織32だけでなく、表側の地組織31に導入してもよく、あるいは表裏両側に導入してもよい。
【0033】
かかる芯鞘構造の繊維を表側および/または裏側の地組織31、32に混入して三次元編織物を形成した後、例えば160℃以上の温度を加えた後冷却する熱セット加工を行うことにより、鞘の部分の低融点ポリエチレン樹脂132が一旦溶融し、周囲の繊維との接点において固着するので地組織が強固なものとなる。これにより踏圧に対する抵抗性を大幅に向上させることができる。これは、地組織が強固になると、三次元編織物への重力方向の押圧に対して連結糸33が横倒しにくくなり、適度な弾性を維持した状態で荷重に耐え得るようになるためである。また、排水用基盤材30が土圧や踏圧に対して十分な耐性を有する結果として、植物への悪影響(軽量土の崩れや移動による根の損傷など)も防ぐことができる。
【0034】
防根シート40は、排水層まで到達した植物根が屋上のコンクリート地50に定着することを防ぐ役割を果たすものであり、水分を透過しない合成樹脂等の材質のシート部材を用いることが好ましい。防根シート40の厚みは0.2〜1.5mm程度とすることができる。
【0035】
本発明の屋上緑化設備100において生育させ得る植物は、特に限定されるものではないが、例えば、芝などの低草類、セダムなどの多肉植物、本格緑化用の中低木類などから、目的に応じて選択することができる。
【0036】
本発明の屋上緑化方法は、例えばロール状に巻回した状態の防根シート40、排水性基盤材30、セパレーター20を屋上面で順次展開、積層していき、セパレーター20の上にシラス軽量土10を盛土、あるいは充填した後、植物を植え込むことにより行うことができる。
【0037】
また、栽培する植物種が芝の場合は、別の栽培地でシラス軽量土10と一体に育成したマット状の芝をロール状に巻回して搬入し、セパレーター20上に展開することによって施工することもできる。
【0038】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
【0039】
例えば、図1の屋上緑化設備100では、培土層であるシラス軽量土10が表層を形成しているが、例えば低木植物61などを植える本格緑化の場合には、図7に例示するように、培土層の上に、さらに水分蒸発抑制や雑草の発芽抑制の目的で砂利やバークチップ等で覆うマルチング層70を設けることができる。
【0040】
また、排水層は、培土層と積層する構成とは限らず、図7のように排水用基盤材30の側部をシラス軽量土10で覆うようにしてもよい。図7では、排水用基盤材30は、水の排出路が形成できるように勾配方向に沿って複数並列配備されている。この場合、排水性基盤材30内への培土の侵入を防ぐため、排水性基盤材30の上部だけでなく側部もセパレーター20で覆うことが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の空隙をする三次元編織物である排水用基盤材により、これを配備した屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る屋上緑化設備の断面構造を示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部平面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部断面図。
【図6】芯鞘型複合繊維の断面構造を示す模式図。
【図7】本発明の別の実施形態に係る屋上緑化設備の断面構造を示す模式図。
【符号の説明】
10 シラス軽量土
20 セパレーター
30 排水性基盤材
40 防根シート
50 コンクリート
60 植物
70 マルチング層
100、101 屋上緑化設備
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル、家屋等の屋上に植物生育環境を造成する屋上緑化に使用できる排水用基盤材、該基盤材を用いた屋上緑化設備および屋上緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市部においてビルや家屋等の構造物の屋上(屋根を含む)に植物の生育環境を造成する屋上緑化が進められている。屋上緑化設備は、ビル等の屋上に敷設するものであるから、軽量であること、施工が容易であること、排水性が良好であること、培土の飛散が少ないこと等が要求される。これらの要求を満足するため、これまで数々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
特許文献1は、空隙率90%以上、見掛け密度5〜100kg/m3、厚さ20〜100mmの熱可塑性樹脂繊維構造体を植生基材とするものである。また、特許文献2は、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線上体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延び、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体からなる屋上緑化用マットに関するものである。
【0004】
しかし、上記特許文献1および特許文献2では、繊維構造体や網目状構造体に培土を充填するため、培土の流出や飛散は防止できるものの、繊維構造体や網目状構造体が目詰まりを起こし易く排水性が低下する。
【0005】
特許文献3では、繊度の異なる2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがランダム配列して積層され、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊維ウェブ層が分布し、他方側に太繊度繊維ウェブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が形成され、かつ繊維同士の接点が接着固定された繊維成形体と、ポリオレフィン樹脂製の排水層を備えた緑化構造物が提案されている。この特許文献3では、培土を充填した繊維成形体とは別に排水層を設けている点で雨水等の排出は確保されている。しかし、排水層については、実施例中で太デニールのポリエステル繊維にクリンプを施した繊維スプリング(カールロック;商品名、東亜紡績株式会社製)が使用されている以外は具体的構造は明示されていない。
【0006】
一方、ゴルフ練習場グランドの表層構造等として、表地組織が6角形あるいは菱形模様のハニカム状の組織であり、表裏の地組織が連結糸で連結されてなり、地組織および連結糸に合成繊維の原着糸を用いた立体布帛を用いることが提案されている(特許文献4、特許文献5)。しかし、これらの立体布帛を屋上緑化設備の資材として用いることは一切述べられていない。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−10711号公報
【特許文献2】
特開2001−145422号公報
【特許文献3】
特開2002−125452号公報
【特許文献4】
実用新案登録第2572655号公報
【特許文献5】
実用新案登録第2517240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の屋上緑化設備においては、繊維構造体を使用することが知られているが、その役割は培土を保持するというものである。培土からの排水を促すために繊維構造体を用いた排水層を設けている場合でも、その構造については深く検討されていない。
【0009】
しかし、屋上緑化設備において排水機能が低下すると、設備の荷重が大幅に増加して建造物にかかる負担が非常に大きくなるほか、植物や培土の腐敗を招き、屋上環境を台無しにしてしまうおそれもある。
【0010】
また、屋上緑化設備の排水性を確保するために、スノコのような硬い材質の骨格材を排水層に使用することも考えられるが、重量がかさむ上、地表面と同様の感触(例えば踏圧荷重に対する適度な弾性)を与えることができない。他方、排水層に柔らか過ぎる骨格材を用いた場合、培土表面の弾性は得られても土圧や踏圧に対する耐性がなくなり、荷重によって培土が移動したり、崩壊したりして植物の根が損傷し、枯死させてしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなさたものであり、十分な排水性を確保しながら、軽量化を図ることが可能な屋上緑化設備を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る屋上緑化設備の排水用基盤材は、表側または裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成されており、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物であることを特徴とする。
【0013】
この屋上緑化設備の排水用基盤材の発明によれば、空隙を有する三次元編織物により、これを配備した屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、軽量化を図ることができる。
【0014】
本発明の第2の態様に係る屋上緑化設備の排水用基盤材の発明は、第1の態様において、前記表側および/または裏側の地組織をバインダー樹脂により溶融固着させたことを特徴とする。この特徴によれば、地組織をバインダー樹脂により溶融固着したので、押圧に対する抵抗性を大幅に高めることができる。よって、バインダー樹脂による補強度合いを調整することにより、所望の弾力性を持つ屋上緑化設備を作り出すことができる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第1の態様または第2の態様の排水用基盤材を備えたことを特徴とする。この特徴によれば、屋上緑化設備において第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。
【0016】
本発明の第4の態様に係る屋上緑化方法の発明は、屋上面に、防根シートを敷設し、その上層に請求項1または請求項2に記載の排水用基盤材を敷設した後、さらにその上層に培土層を設け、該培土層において植物を育成することを特徴とする。この特徴によれば、屋上緑化方法において、上記第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。また、本発明方法で使用する排水用基盤材は、軽量である上、ロール状に巻回して持ち運びでき、施工場所において展延するだけでよいため、施工が極めて容易で、短時間での作業を可能にする。
【0017】
本発明の第5の態様に係る屋上緑化設備の発明は、植物を植え込む土壌を備えた培土層と、該培土層からの水分の排出を促すための空隙を有する排水層と、を備えた屋上緑化設備であって、前記排水層に、柔軟性を有する排水用基盤材を備えたことを特徴とする。この特徴によれば、柔軟性を有する排水用基盤材を備えたので、屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、表面に適度な弾力感を与えることができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第5の態様において、前記排水用基盤材は、表側あるいは裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成され、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物であることを特徴とする。この特徴によれば、内部に空隙を有する三次元編織物の排水用基盤材により、排水性を確保しながら屋上緑化設備の軽量化を図ることができる。
【0019】
本発明の第7の態様に係る屋上緑化設備の発明は、第6の態様において、前記培土層が、キトサン圧入シラスを含有することを特徴とする。この特徴によればキトサン圧入シラスを含有する培土層により、軽量化を図りつつ植物の生長を促すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる屋上緑化設備100の断面構造を模式的に示す図面である。この屋上緑化設備100は、屋上のコンクリート地50の表面に防根シート40を敷設し、その上に排水層として排水性基盤材30が敷設され、排水性基盤材30の上には、セパレーター20が設けられ、さらにその上に培土層としてシラス軽量土10が盛土されている。植物60はシラス軽量土10に定植されている。
【0021】
シラス軽量土10は、シラスを主成分として含有する培土組成物である。シラスは、日本国宮崎県南部から鹿児島県東部の大隈半島に至る地域に形成された、4700km2に及ぶ広大なシラス台地を構成する発泡性ケイ酸岩で、多孔質で比重が軽いという特徴を持つ土壌である。シラスを主成分とする培土組成物を用いることによって、後記するように屋上緑化設備の大幅な軽量化が可能になる。
【0022】
本実施形態では、シラスに天然多糖類であるキトサンを圧入処理したキトサン圧入シラスを用いている。キトサンは、周知のとおりカニやエビなどの甲殻類、昆虫、貝類、きのこなどの菌類の細胞壁に多く含まれる多糖類の天然高分子であり、植物の発芽、生長を促し、健全な植物を育てる効果があるので、土壌改良材、活力促進剤として市場で販売されている。
【0023】
キトサン圧入シラスは、例えば粒径3〜8mm程度のシラスに、減圧真空圧入法によりキトサンを圧入処理したものである。減圧真空圧入は以下に例示する方法により行われる。すなわち、注入用コンテナに500リットルのシラスを投入し、注入機本体にセットし、キトサン液を入れ、一気に減圧し真空状態にしてシラスの気孔中にキトサンを注入する。このとき、シラスの気孔から気泡が排出されて気孔自体が真空状態となるので、空気の替りに気孔の奥深くまでキトサンが侵入する。キトサンの圧入は、シラス500リットルに対し3時間程度かけて行うことが好ましい。使用するキトサン溶液の濃度は、例えば0.002モル/リットル(原液の500倍に相当)程度が好ましい。
【0024】
キトサンを圧入処理することにより、シラスに乏しい有機物を補うことができるとともに、圧入によって多孔質のシラスの気孔中にキトサンが侵入し、粒子の中心部までキトサンが充填される。これにより、通常の浸漬処理に比べてキトサンの含有量を各段に高めることができるとともに、単にシラス培土中にキトサンを添加する場合に比べて徐放作用が得られ、雨水等により一度にキトサンが流出してしまう事態を防ぐことができる。つまり、キトサンを持続的に作用させることができる。
【0025】
シラス軽量土10は、キトサン圧入シラスを主成分とするものであればよいが、これ以外の成分として、例えば鹿沼土、バーク堆肥、木炭等を配合することが好ましい。これらの成分は、いずれも軽量でありなから植物体を支持する培土としての機能を果たし得るものであるため、軽量化が最優先課題である屋上緑化設備に適したものである。シラス軽量土10における各成分の配合比は任意であるが、軽量化と植物の生育状態とを比較考量した結果では、キトサン圧入シラスと鹿沼土とバーク堆肥と木炭とを、6:2:1:1の割合で配合したものが特に好ましいことが判明している。かかる配合比において、シラス軽量土10の湿潤密度は0.67g/cm3、乾燥密度は0.39g/cm3となる。自然土壌の通常時密度は1.6〜1.8g/cm3、市販の軽量土でも0.6〜0.8g/cm3であるから、本発明のシラス軽量土10は、屋上緑化用の培土として望ましい軽量土壌であることが理解される。また、上記組成におけるシラス軽量土10のpH(H2O)は6.89程度、有効水分量は165リットル/m3、透水係数は4.5×10−3cm/sec程度となり、培土として適度な保水/透水性能を持つものとなる。
【0026】
シラス軽量土10を用いた培土層の厚みは、育成する植物の種類により異なるが、概ね5〜50cm程度とすることができる。
【0027】
セパレーター20は、シラス軽量土10が排水用基盤材30の空隙へ落下し、排水層の目詰まりを引き起こすことを防止する役割を果たす網目状のシート部材であり、その材質は問わないが、腐蝕や劣化が起こり難い材質として一般に使用されているポリエステル、ナイロン、ポリエチレンもしくはポリプロピレンから構成されたもの、またはこれらの表面に被覆樹脂加工が施された合成樹脂製の材質が好ましい。セパレーター20の網目の目合いは、シラス軽量土10の粒径に応じて選択すればよい。セパレーター20の厚みは、0.15〜0.50mm程度とすることができる。
【0028】
排水用基盤材30は、表側または裏側の地組織のうち、少なくとも片面がメッシュ状もしくは溝状の空隙を形成し、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されて厚みを形成する三次元編織物である。この三次元編織物としては、図2〜図5に詳細を例示するように、表側および裏側の地組織が六角形のメッシュ状に形成され、連結糸が表裏の六角形の地組織を連結する構造のものが好ましく用いられる。
【0029】
図2は、排水用基盤材30の要部斜視図であり、図3は同要部平面図、図4は図3のIV−IV線矢視の断面図、図5は図3のV−V線矢視の断面図である。なお、図2および図3では、説明の便宜上、表裏の地組織31、32を架橋するように連結している連結糸33は、部分的にのみ図示している。
【0030】
表側の地組織31を構成する地糸311および地糸314は、主に裏側の地組織32を構成する地糸322との間で複数本の弓状の連結糸33により結ばれている(図4参照)。換言すれば、裏側の地糸322から連結糸33が二方向に延び、表側の地糸311および314に接続している(図5参照)。また、表側の地糸315と裏側の地糸325、表側の地糸316と裏側の地糸323が、それぞれ連結糸33により接続されている。同様にして、連結糸により表裏のメッシュ状の地組織31と32とが架橋されハニカム状の空隙を持つ複雑な立体網目構造が形成されている。かかる構造により、土壌や植物の荷重が加えられても、立体網目内部の空隙が十分に確保され排水性が損なわれることなく維持される。また、柔軟性を持つ立体網目構造により、踏圧に対する適度な弾性を与えることができるようになる。さらに、排水用基盤材30は空隙率が85〜98%と高いため、例えば0.5〜3.5cmの厚みで十分に排水機能を持つことから、排水層を薄層化できるようになる。従って、所要の排水機能を維持しながら屋上緑化設備100を低層化することができるとともに、強風に対する耐久性も高めることができる。また、排水用基盤材30が柔軟性に富み、かつ薄型であれば、ロール状に巻回して屋上ヘ搬入し、そこで展延することにより容易に施工できるという利点もある。
【0031】
排水用基盤材30の材質は、腐蝕や劣化し難い合成樹脂繊維が好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。排水用基盤材30としての三次元編織物を構成する糸の径は、0.15〜0.5mm程度(220〜2,350デニール)が好ましく、地組織のメッシュの開口径(目合い)は10〜50mm程度が好ましい。また、三次元編織物の高さ(すなわち、表裏の地組織間の距離;厚さ)は、前記したように緑化設備の低層化や巻回のし易さを考慮すると8〜40cm程度、好ましくは10〜30cm程度にすることができる。
【0032】
また、本実施形態の排水用基盤材30においては、裏側の地組織32をバインダー繊維により溶融固着させている。より具体的には、裏側の地組織32を構成する繊維中に、バインダー繊維として、図6に示すように低融点のポリエステル繊維132を外周に有し、内側に通常の融点を持つポリエステル樹脂133を入れた芯鞘構造の繊維を挿入している。ここで、低融点のポリエステル樹脂132としては、例えば160℃程度の融点を有する共重合ポリエチレンテレフタレートを挙げることができ、通常の融点を有するポリエステル樹脂133としては、例えば260℃程度の融点を持つポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。この芯鞘構造の複合繊維は、モノフィラメント、マルチフィラメントおよび短繊維糸条のいずれで構成されてもよい。複合繊維の太さは、100デニール以上〜1000デニール以下が編み立て性が良好で使用し易いこと、および交点部の接着力に優れている点で好適である。なお、芯鞘比は、期待する物性に応じて設定できるが、本発明においては1:4〜4:1の範囲とすることが好ましい。なお、バインダー繊維は裏側の地組織32だけでなく、表側の地組織31に導入してもよく、あるいは表裏両側に導入してもよい。
【0033】
かかる芯鞘構造の繊維を表側および/または裏側の地組織31、32に混入して三次元編織物を形成した後、例えば160℃以上の温度を加えた後冷却する熱セット加工を行うことにより、鞘の部分の低融点ポリエチレン樹脂132が一旦溶融し、周囲の繊維との接点において固着するので地組織が強固なものとなる。これにより踏圧に対する抵抗性を大幅に向上させることができる。これは、地組織が強固になると、三次元編織物への重力方向の押圧に対して連結糸33が横倒しにくくなり、適度な弾性を維持した状態で荷重に耐え得るようになるためである。また、排水用基盤材30が土圧や踏圧に対して十分な耐性を有する結果として、植物への悪影響(軽量土の崩れや移動による根の損傷など)も防ぐことができる。
【0034】
防根シート40は、排水層まで到達した植物根が屋上のコンクリート地50に定着することを防ぐ役割を果たすものであり、水分を透過しない合成樹脂等の材質のシート部材を用いることが好ましい。防根シート40の厚みは0.2〜1.5mm程度とすることができる。
【0035】
本発明の屋上緑化設備100において生育させ得る植物は、特に限定されるものではないが、例えば、芝などの低草類、セダムなどの多肉植物、本格緑化用の中低木類などから、目的に応じて選択することができる。
【0036】
本発明の屋上緑化方法は、例えばロール状に巻回した状態の防根シート40、排水性基盤材30、セパレーター20を屋上面で順次展開、積層していき、セパレーター20の上にシラス軽量土10を盛土、あるいは充填した後、植物を植え込むことにより行うことができる。
【0037】
また、栽培する植物種が芝の場合は、別の栽培地でシラス軽量土10と一体に育成したマット状の芝をロール状に巻回して搬入し、セパレーター20上に展開することによって施工することもできる。
【0038】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
【0039】
例えば、図1の屋上緑化設備100では、培土層であるシラス軽量土10が表層を形成しているが、例えば低木植物61などを植える本格緑化の場合には、図7に例示するように、培土層の上に、さらに水分蒸発抑制や雑草の発芽抑制の目的で砂利やバークチップ等で覆うマルチング層70を設けることができる。
【0040】
また、排水層は、培土層と積層する構成とは限らず、図7のように排水用基盤材30の側部をシラス軽量土10で覆うようにしてもよい。図7では、排水用基盤材30は、水の排出路が形成できるように勾配方向に沿って複数並列配備されている。この場合、排水性基盤材30内への培土の侵入を防ぐため、排水性基盤材30の上部だけでなく側部もセパレーター20で覆うことが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の空隙をする三次元編織物である排水用基盤材により、これを配備した屋上緑化設備において十分な排水性を確保できるとともに、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る屋上緑化設備の断面構造を示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部平面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る排水性基盤材の要部断面図。
【図6】芯鞘型複合繊維の断面構造を示す模式図。
【図7】本発明の別の実施形態に係る屋上緑化設備の断面構造を示す模式図。
【符号の説明】
10 シラス軽量土
20 セパレーター
30 排水性基盤材
40 防根シート
50 コンクリート
60 植物
70 マルチング層
100、101 屋上緑化設備
Claims (7)
- 表側または裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成されており、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物である、屋上緑化設備の排水用基盤材。
- 請求項1において、前記表側および/または裏側の地組織をバインダー樹脂により溶融固着させたことを特徴とする、屋上緑化設備の排水用基盤材。
- 請求項1または請求項2に記載の排水用基盤材を備えた、屋上緑化設備。
- 屋上面に、防根シートを敷設し、その上層に請求項1または請求項2に記載の排水用基盤材を敷設した後、さらにその上層に培土層を設け、該培土層において植物を育成することを特徴とする、屋上緑化方法。
- 植物を植え込む土壌を備えた培土層と、該培土層からの水分の排出を促すための空隙を有する排水層と、を備えた屋上緑化設備であって、
前記排水層に、柔軟性を有する排水用基盤材を備えたことを特徴とする、屋上緑化設備。 - 請求項5において、前記排水用基盤材は、表側あるいは裏側の地組織のうち、少なくとも片側がメッシュ状に形成され、かつ表側と裏側の地組織が連結糸で連結されることにより厚みをもって形成された、内部に空隙を有する三次元編織物である、屋上緑化設備。
- 請求項6において、前記培土層が、キトサン圧入シラスを含有することを特徴とする、屋上緑化設備。
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