JP2004200390A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】矩形導波管1と、矩形導波管1に設けられ、導波管アンテナを構成する複数のスロット2と、真空容器5とを具備し、スロット2から真空容器5内に放射された電磁波によってプラズマを生成し、プラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、矩形導波管1を真空容器5内に設け、矩形導波管1内に設けた誘電体部材4により真空が保持され、誘電体部材4を通して電磁波を真空容器5内に導入するようになっている構成。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置に係り、特に、大型の角型基板に対して、膜堆積、表面改質、あるいはエッチング等のプラズマ処理を施すための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第2722070号公報
【特許文献2】特許第2857090号公報
【特許文献3】特開2002−280196号公報
【非特許文献1】第49回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集128頁 2002年3月
【非特許文献2】ESCAMPIG16&ICRP5 予稿集321頁 2002年7月14−18日。
【0003】
従来、半導体装置や液晶表示装置等の製造プロセスにおいて、膜堆積、表面改質、あるいはエッチング等のプラズマ処理を施すためには、平行平板型の高周波プラズマ処理装置や、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ処理装置などが用いられている。
【0004】
しかしながら、平行平板型プラズマ処理装置では、プラズマ密度が低く、電子温度が高い、また、ECRプラズマ処理装置では、プラズマ励起に直流磁場が必要であるため、大面積の処理が困難であるという問題を抱えている。
【0005】
これに対して、近年、プラズマ励起に磁場が不要であり、高密度でかつ電子温度が低いプラズマが生成し得るプラズマ処理装置が提案されている。
【0006】
以下、そのような装置について説明する。
《第1の従来装置》
図8(a)は、従来の第1のプラズマ処理装置の上面図、(b)は断面図である。
この装置は、上記特許文献1に記載されている。
81は同軸伝送路、83は円形マイクロ波放射板、82は円形マイクロ波放射板83に同心円状に設けたスロット、84は誘電体からなる電磁波放射窓、85は真空容器、86はガス導入口、87はガス排気口、88はプラズマ処理する基板、89は基板支持台である。
【0007】
この装置は、同心円状に配されたスロット82を有する円形マイクロ波放射板83に、同軸伝送路81からマイクロ波電力が供給される。
【0008】
この装置では、同軸伝送路81から円形マイクロ波放射板83の中心に向けて導入したマイクロ波を、円形マイクロ波放射板83の径方向に伝播させつつ、円形マイクロ波放射板83に設けたスロット82から放射することにより、真空容器85内に均一なプラズマを生成しようとするものである。
【0009】
《第2の従来装置》
図9(a)は、従来の第2のプラズマ処理装置の上面図、(b)は断面図である。
この装置は、上記特許文献2に記載されている。
91は矩形導波管、92は導波管アンテナを構成するスロット、93はマイクロ波源、94は誘電体からなる電磁波放射窓、95は真空容器、96はガス導入口、97はガス排気口、98はプラズマ処理する基板、99は基板支持台、120は矩形導波管91の反射面(短絡面、R面)、121は矩形導波管91のH面(マイクロ波の電界方向に垂直な面)である。
【0010】
この装置は、矩形導波管91のH面121の一部に配され、導波管アンテナを構成するスロット92から、電磁波放射窓94を介してマイクロ波電力を供給することにより、真空容器95内にプラズマを生成する。
【0011】
この装置では、矩形導波管91の反射面120でのマイクロ波の反射を考慮し、矩形導波管91のH面121に設けた2つのスロット92の幅(開口面積)を変化させることにより(図示は省略)、マイクロ波のスロット92からの放射電力を均一化しようとするものである。なお、図9(a)では、スロット92の幅の変化については、図示省略しているが、当該公報に記載されているように、例えば、スロット92は、矩形導波管91の反射面120に向かって狭くなるように、階段状あるいはテーパ状に変化した形状を有する。
【0012】
これにより、生成されたプラズマが十分に拡散すれば、2つのスロット92から放射されたマイクロ波電力により比較的均一なプラズマを発生させることが可能となる。
【0013】
なお、最近では、半導体装置や液晶表示装置を製造するために用いるプラズマ処理装置においては、基板サイズの拡大に伴って、装置の大型化が進み、特に液晶表示装置の場合には、1メートル級の基板を処理するための装置が必要である。これは半導体装置の製造に用いる直径300mmの基板の約10倍の面積に当たる。
【0014】
さらに、上記プラズマ処理には、モノシランガス、酸素ガス、水素ガス、塩素ガスという反応性ガスが原料ガスとして利用されている。これらのガスのプラズマ中には、多くの負イオン(O−、H−、Cl−等)が存在しており、これらの振る舞いを考慮に入れた製造設備および製造方法が求められている。
【0015】
《第3の従来装置》
図10(a)は、第3のプラズマ処理装置の断面図、(b)は上面図である。
101は矩形導波管、102は導波管アンテナを構成するスロット、103はマイクロ波源、104は誘電体からなる電磁波放射窓、105は真空容器、106はガス導入口、107はガス排気口、108はプラズマ処理する基板、109は基板支持台、120は矩形導波管101の反射面(短絡面、R面)、121は矩形導波管101のH面(マイクロ波の電界方向に垂直な面)である。
【0016】
この装置では、矩形導波管101のH面121に設けた導波管アンテナを構成するスロット102が6列平行に配置されている。
【0017】
《第4の従来装置》
図11(a)は、第4のプラズマ処理装置の断面図、(b)は上面図である。
この従来装置は、上記特許文献3に記載されている。
111は矩形導波管、112は導波管アンテナを構成する結合孔、114は誘電体からなる電磁波放射窓、115は真空容器である。なお、プラズマ処理する基板や基板支持台等は図示省略している。
【0018】
この装置は、3列の矩形導波管111を並べた表面波プラズマ処理装置であり、真空容器115に複数の矩形導波管111を等間隔に平行に配設し、各矩形導波管111にはその先端側に向かって結合係数を順次大きくした結合孔112を設け、真空容器115には各結合孔112に対応して分割形成した電磁波放射窓114が設けられている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1〜第4の従来装置には、以下に示すような課題があった。
【0020】
《第1の従来装置の課題》
図8に示した第1の従来装置のように、マイクロ波を同軸伝送路81や円形マイクロ波放射板83等の導体中を伝播させる場合には、これら導体中での銅損などの伝播ロスが発生する。この伝播ロスは、周波数が高くなるほど、また、同軸伝送距離や放射板面積が大きくなるほど、深刻な問題となる。したがって、液晶表示装置等の非常に大きな基板に対応した大型装置の場合には、マイクロ波の減衰が大きく、効率的なプラズマ生成が困難である。
【0021】
また、円形マイクロ波放射板83からマイクロ波を放射するこの装置においては、半導体装置のような円形基板を処理する場合には適しているが、液晶表示装置のような角型基板に対する処理の場合、基板の角部においてプラズマが不均一になってしまうという問題もある。
【0022】
したがって、第1の従来の装置においては、大面積基板、特に角型基板を処理することが困難であるという課題がある。
【0023】
《第2の従来装置の課題》
また、図9に示した第2の従来装置のように、矩形導波管91を伝播させたマイクロ波を2つのスロット92から放射する方式の場合には、上記伝播ロスを低く抑えることができる。しかしながら、生成されたプラズマ中に負イオンが多く存在する反応性プラズマの場合には、プラズマの両極性拡散係数が小さくなるため、プラズマがマイクロ波の放射されているスロット近傍に偏ってしまうという問題がある。この問題は、プラズマの圧力が高い場合には、なおいっそう深刻化する。したがって、負イオンが生成されやすい酸素、水素および塩素等を含むガスを原料としたプラズマ処理を大面積に施すことが困難であり、特にその圧力が高い場合に困難であるという課題がある。さらに、プラズマ処理する基板98の処理面に対し、導波管アンテナを構成するスロット92の分布が局在し、均一でないため、プラズマ密度が不均一となる。
【0024】
《第3の従来装置の課題》
真空容器105内を低圧力にすると、電磁波放射窓104には、ほぼ大気圧と、ほぼ真空に近い圧力とのガス圧力差、つまり、約9.80665×104Pa(1kg/cm2)の力がかかる。このため、電磁波放射窓104の厚さを、この力に耐え得るような厚さにする必要がある。
【0025】
下記表1に示すように、電磁波放射窓を例えば直径300mmの円形状あるいは250mm角の矩形状の合成石英板で形成すると、該電磁波放射窓の厚さは約30mm必要になる。電磁波放射窓の厚さが厚くなると、電磁波の損失が大きくなる。ましてや、1m角程度の大型基板に対応するプラズマ処理装置の場合では、電磁波放射窓の厚さが厚くなり過ぎ、実現不可能であった。
【0026】
【表1】
《第4の従来装置の課題》
また、第4の従来装置では、第1の従来装置よりも大面積基板に対応できるが、矩形導波管111どうしが間隔を置いて配置されているため、結合孔112を、プラズマ処理する全面積に渡り均一に分布させることが難しかった。
また、各結合孔112に対応して電磁波放射窓114を設けるので、結合孔112の数だけ真空を封じきる箇所が多く、真空容器115の天板の加工費が増加し、装置価格が増加するという課題がある。
【0027】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、大面積の基板を処理することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するような構成になっている。
【0029】
すなわち、請求項1記載のプラズマ処理装置は、導波管と、前記導波管に設けられ、導波管アンテナを構成する複数のスロットと、真空容器とを具備し、前記スロットから前記真空容器内に放射された電磁波によってプラズマを生成し、プラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、前記導波管を前記真空容器内に設け、前記導波管内に設けた誘電体部材により真空が保持され、前記誘電体部材を通して前記電磁波を前記真空容器内に導入するという構成を備えている。
このように導波管を真空容器内に設け、導波管内に設けた誘電体部材により真空を保持し、該誘電体部材を通して電磁波を真空容器内に導入することにより、誘電体部材を小さく、かつ、厚さを薄くすることができ、したがって、面積の基板を均一なプラズマ密度で処理することができる。
【0030】
また、請求項2記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記誘電体部材が、少なくとも前記真空容器内に位置する前記導波管内を満たしているという構成を備えている。
このように誘電体部材で導波管内を満たすことにより、真空容器内に設けた導波管内にプラズマが侵入するのを防止するので、導波管内のプラズマによる損傷を防止することができる。
【0031】
また、請求項3記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記スロットを覆う第2の誘電体部材を、前記真空容器内に設けたという構成を備えている。
このような構成により、複数のスロット全体で構成される導波管アンテナ全体の下部に設けた第2の誘電体部材中で電磁波が拡がり、第2の誘電体部材がない場合より均一性の良いプラズマを形成することができる。また、真空容器内に設けた導波管内にプラズマが侵入するのを防止するので、導波管内のプラズマによる損傷を防止することができる。
【0032】
また、請求項4記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記導波管が複数あり、前記導波管どうしが接して配置されているという構成を備えている。
このように複数の矩形導波管どうしを接して配置することにより、スロットをプラズマ処理する全面積に渡り均一に分布させることが容易にでき、大面積の基板を均一なプラズマ密度で処理することができる。
【0033】
また、請求項5記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記スロットを、前記プラズマ処理する全面積に渡りほぼ均一に分布させたという構成を備えている。
このようにスロットをプラズマ処理する全面積に渡り均一に分布させることにより、大面積の基板を均一なプラズマ密度で処理することができる。
【0034】
また、請求項6記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、電磁波源から複数の前記導波管に電磁波を分配する導波管部を有するという構成を備えている。
このように1台の電磁波源から、電磁波分配用の導波管部を通じて複数の導波管へ電磁波を供給することにより、すべての導波管において周波数を同一とすることができ、均一なエネルギー密度を放射するようなアンテナを設計しやすい。周波数が異なると、電磁波の干渉を考慮して設計する必要がある。
【0035】
また、請求項7記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、複数個の前記スロットどうしの間の前記導波管の梁部内に水冷管を設けたという構成を備えている。
プラズマにより導波管の梁部が加熱され、変形したり損傷したりするため、冷却する必要がある。このように梁部に水冷管を設けることにより、プラズマの発生を妨げることなく、効率良く冷却することができる。
【0036】
また、請求項8記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、複数個の前記スロットどうしの間の前記導波管の梁部下の前記真空容器内に、ガス導入口を設けたという構成を備えている。
このような構成により、プラズマの発生を妨げることなく、ガスを大面積に均一に供給できるため、均一性の良いプラズマ処理を行うことができる。
【0037】
また、請求項9記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において前記導波管に電磁波を供給する電磁波源が1台であるという構成を備えている。
また、請求項10記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記導波管に電磁波を供給する電磁波源が複数台であるという構成を備えている。
マイクロ波源の最大出力には限界があるため、複数台のマイクロ波源の使用により、大電力化が可能となる。
【0038】
また、請求項11記載のプラズマ処理装置は、請求項10記載のプラズマ処理装置において、複数台の前記電磁波源の、隣接する前記電磁波源の周波数が異なるという構成を備えている。
マイクロ波源を複数台使用すると、プラズマどうしの干渉が起こるため、隣接するマイクロ波源の周波数を異ならせることにより、干渉を防ぐことができる。
【0039】
また、請求項12記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記導波管に電磁波を供給する電磁波源の周波数が2.45GHzであるという構成を備えている。
マイクロ波源の周波数としては、2.45GHzが現在標準となっており、安価であり、種類も豊富である。
【0040】
また、請求項13記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ処理がプラズマ酸化であるという構成を備えている。
【0041】
また、請求項14記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ処理がプラズマ成膜であるという構成を備えている。
【0042】
また、請求項15記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ処理がプラズマエッチングであるという構成を備えている。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
実施の形態1
図1(a)は、本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【0044】
1は導波管、例えば矩形導波管、2は導波管アンテナを構成する複数のスロット、3は電磁波源である例えばマイクロ波源、4は石英、ガラス、セラミック等の誘電体部材、5は真空容器(プラズマ発生室)、6はガス導入口、7はガス排気口、8はプラズマ処理する基板、9は基板支持台、10は矩形導波管1の梁部、17は電磁波分配用導波管である。
【0045】
プラズマが生成される真空容器5には、原料ガスを導入するためのガス導入口6と、導入されたガスを排気するためのガス排気口7が接続されている。なお、図1(b)においては、ガス導入口6、ガス排気口7は図示省略している。
【0046】
マイクロ波源3の発振器にて発振されたマイクロ波は、電磁波分配用導波管17により矩形導波管1に分配、伝送され、誘電体部材4を介して導波管アンテナを構成するスロット2から真空容器5内に放射される。
【0047】
本実施の形態1のプラズマ処理装置は、導波管、例えば矩形導波管1と、矩形導波管1に設けられ、導波管アンテナを構成する複数のスロット2と、真空容器5とを具備し、スロット2から真空容器5内に放射された電磁波によってプラズマを生成し、プラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、矩形導波管1を真空容器5内に設け、矩形導波管1内に設けた誘電体部材4により真空が保持され、誘電体部材4を通して電磁波を真空容器5内に導入するようになっている。
【0048】
このように矩形導波管1を真空容器5内に設け、矩形導波管1内に設けた誘電体部材4により真空を保持し、誘電体部材4を通して電磁波を真空容器5内に導入することにより、誘電体部材4を小さく、かつ、厚さを薄くすることができ、したがって、大面積の基板を均一なプラズマ密度で処理することができる。
【0049】
また、矩形導波管1が複数あり(ここでは6本を図示)、矩形導波管1どうしが接して配置されている。このように矩形導波管1どうしを接して配置することにより、スロット2をプラズマ処理する全面積に渡り均一に分布させることが容易にでき、したがって、大面積の基板を均一なプラズマ密度で処理することができる。なお、スロット2をプラズマ処理する全面積に渡り均一に分布させるというのは、例えばスロット2どうしの縦方向のピッチ、および横方向のピッチを同一にすることである。
【0050】
また、スロット2は、プラズマ処理する基板8の全面積に渡りほぼ均一に分布させている。さらに、複数の(ここでは6個を図示)スロット2に共通して対応する誘電体部材4を複数(ここでは6個)設けている。
【0051】
また、電磁波源、例えばマイクロ波源3から6本の矩形導波管1に電磁波を分配する導波管部、すなわち、電磁波分配用導波管17を有している。このように1台の電磁波源(ここでは、マイクロ波源3)から、電磁波分配用導波管17を通じて複数の矩形導波管1へ電磁波を供給しているため、すべての矩形導波管1において周波数を同一とすることができ、均一なエネルギー密度を放射するようなアンテナを設計しやすい。周波数が異なると、電磁波の干渉を考慮して設計する必要がある。マイクロ波源3の周波数としては、2.45GHzのものが量産され、現在、標準となっており、安価であり、種類も豊富である。
【0052】
本実施の形態1では、マイクロ波を、複数の接した矩形導波管1を用いて、角型大面積の領域に分配し、誘電体部材4を通してスロット2から、角型大面積に均一なエネルギー密度でマイクロ波を放射し、均一なプラズマ密度のプラズマを発生させることにある。
上述の第4の従来装置では、上記特許文献3に記載されているように(段落0028)、結合孔から等しいマイクロ波電力が放射され、プラズマが形成される。しかし、導波管が所定間隔を設けて配置されており、プラズマは拡散により拡がるため、プラズマ密度はガウス分布を持つ。このガウス分布を重ね合わせて、均一化を図っている。
つまり、本実施の形態1では、接した複数の矩形導波管1により、角型大面積の領域に均一なプラズマ密度のプラズマを発生させる。これに対して、上記第4の従来装置では、導波管をある間隔をあけ、ガウス分布の重なりでプラズマの均一化を図るものである。
また、矩形導波管1に電磁波を供給するマイクロ波源3が1台であり、マイクロ波源3の周波数は2.45GHzである。
【0053】
なお、本実施の形態1のプラズマ処理装置では、プラズマ処理として、プラズマ酸化、プラズマ成膜、プラズマエッチング、あるいはプラズマアッシングを行うことが可能である。
【0054】
実施の形態2
図2(a)は、本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。なお、図2(b)においては、ガス導入口6、ガス排気口7は図示省略している。
本実施の形態2では、誘電体部材4が、少なくとも真空容器1内に位置する矩形導波管1内を満たしている。このように誘電体部材4で矩形導波管1内を満たすことにより、真空容器5内に設けた矩形導波管1内にプラズマが侵入するのを防止するので、矩形導波管1内のプラズマによる損傷を防止することができる。
【0055】
実施の形態3
図3(a)は、本発明の実施の形態3のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。なお、図3(b)においては、ガス導入口6、ガス排気口7は図示省略している。
12は第2の誘電体部材である。本実施の形態3では、1個以上、ここでは1列6個×6列=36個のスロット2に共通する、ここでは1枚の矩形板状の第2の誘電体部材12が、真空容器5内に設けてある。
本実施の形態3にあっては、矩形導波管1の金属製の梁部10が存在しても、複数のスロット2の全体で構成される導波管アンテナ全体の下部に設けた第2の誘電体部材12中で電磁波が拡がりやすく、また、プラズマが金属梁にさらされないため、第2の誘電体部材12がない場合に比べてより均一性の良いプラズマを形成することができる。また、本実施の形態2では、第2の誘電体部材12が1枚の場合を示したが、該第2の誘電体部材12を複数枚に分割することも可能である。また、図2に示した実施の形態2においても、第2の誘電体部材12を同様に設けることにより、同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態3においては、第2の誘電体部材12により真空容器5内に設けた矩形導波管1内にプラズマが侵入するのを防止するので、矩形導波管1内のプラズマによる損傷を防止することができる。
【0056】
実施の形態4
図4(a)は、本発明の実施の形態4のプラズマ処理装置の断面図(図1(a)、図2(a)、図3(a)とは直角の方向の断面図)、(b)は(a)のA部(梁部10)の拡大図である。また、図5は、本プラズマ処理装置の水冷管の配置を示すための上面図である。さらに、図6は、本プラズマ処理装置の複数のガス導入口を有するガス導入管の配置を示すための上面図である。
【0057】
14は矩形導波管1の梁部10内に設けられ、冷却水を流すための水冷管、15は真空容器5内にガスを流すためのガス導入管、16はガス導入管15の複数箇所(図6においてガス導入管15の設置箇所は図示省略)に設けられたガス導入口である。
【0058】
本実施の形態4では、複数個のスロット2どうしの間の、矩形導波管1の梁部10内に水冷管14を設けている。プラズマにより梁部10が加熱され、変形したり損傷したりするため、冷却する必要がある。本実施の形態4では、梁部10に水冷管14を設けることにより、プラズマの発生を妨げることなく、効率良く冷却することができる。
【0059】
また、複数個のスロット2どうしの間の梁部10下の真空容器5内に、複数のガス導入口16を設けている。これらのガス導入口16により、プラズマの発生を妨げることなく、ガスを大面積の基板8に均一に供給できるため、均一性の良いプラズマ処理を行うことができる。
【0060】
本実施の形態4では、図1に示した実施の形態1の装置に水冷管14とガス導入管15およびガス導入口16を設けたが、図2に示した実施の形態2の装置に同様に水冷管14とガス導入管15およびガス導入口16を設けてもよい。また、このような構成の水冷管14、ガス導入管15およびガス導入口16は、いずれか一方を設けてもよいことはもちろんである。
【0061】
本実施の形態4では、図4(a)に示すごとく、矩形導波管1を複数本作製し、これらが接するように組み立て、導波管平面アンテナを作製することが可能である。この場合、これらの矩形導波管1を数cm等少しあけて作製しても、本実施の形態1による効果を得ることは可能である。
【0062】
図4(c)は、本実施の形態4において、矩形導波管の別の構成例を示す断面図である。例えば有効処理面積70cm×60cmの場合、例えば矩形導波管1の具体的な製作方法として、70cm×60cm×4cmのアルミニウムブロックから、矩形導波管1内の幅が9cm、高さが3cmになるように、6本の矩形導波管1を削り出して作製することができる。つまり、この場合は、隣り合う矩形導波管1の壁は、図4(c)に示すごとく一体のものである。
【0063】
実施の形態5
図7は、本発明の実施の形態5のプラズマ処理装置の上面図である。
本実施の形態5は、矩形導波管1に電磁波を供給するマイクロ波源3が複数台設けられている。
マイクロ波源3の最大出力が十分な場合は、実施の形態1のようにマイクロ波源3は1台でマイクロ波を供給することが可能である。しかし、マイクロ波源3の出力により、処理面積が制限される。マイクロ波源3の最大出力には限界があるため、本実施の形態5のように、複数台のマイクロ波源3を設け、複数台のマイクロ波源3からマイクロ波を供給することにより、大電力化が可能となり、大面積を処理できるプラズマ処理装置が実現可能となる。また、プラズマ密度が高くでき、プラズマ処理時間を短縮できる。
【0064】
しかし、複数台のマイクロ波源3を使用する場合、複数台のマイクロ波源3からのマイクロ波が影響を及ぼし、プラズマ特性が変化し、安定性が低下する。このため、複数台のマイクロ波源3の、隣接するマイクロ波源3の周波数が異なるように設定することにより、マイクロ波源3の影響を軽減し、干渉を防ぎ、安定性を増すことができる。
【0065】
さらに、上述のように、マイクロ波源3としては、周波数が2.45GHzのものが量産されており、これを用いることにより、装置を安価に製造できる。2.45GHzのマイクロ波源3においても、わずかには周波数を変更することが可能であり、隣接するマイクロ波源3の周波数が異なるように設定することが可能である。
【0066】
本実施の形態5では、図2に示した実施の形態2の装置に複数台のマイクロ波源3を設けたが、図1に示した実施の形態1の装置に同様に複数台のマイクロ波源3を設けてもよいことはもちろんである。
【0067】
以上本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大面積基板を処理することができ、プラズマ密度が均一なプラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態3のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態4のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)のA部の拡大図、(c)は矩形導波管の別の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態4のプラズマ処理装置の水冷管の配置を示すための上面図である。
【図6】本発明の実施の形態4のプラズマ処理装置の複数のガス導入口を有するガス導入管の配置を示すための上面図である。
【図7】本発明の実施の形態5のプラズマ処理装置の上面図である。
【図8】(a)は従来の第1のプラズマ処理装置の上面図、(b)は(a)の断面図である。
【図9】(a)は従来の第2のプラズマ処理装置の上面図、(b)は(a)の断面図である。
【図10】(a)は従来の第3のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【図11】(a)は従来の第4のプラズマ処理装置の断面図、(b)は(a)の上面図である。
【符号の説明】
1…矩形導波管、2…スロット、3…マイクロ波源、4…誘電体部材、5…真空容器、6…ガス導入口、7…ガス排気口、8…基板、9…基板支持台、10…梁部、12…第2の誘電体部材、14…水冷管、15…ガス導入管、16…ガス導入口、17…電磁波分配用導波管、
81…同軸伝送路、82…スロット、83…円形マイクロ波放射板、84…電磁波放射窓、85…真空容器、86…ガス導入口、87…ガス排気口、88…基板、89…基板支持台、
91…矩形導波管、92…スロット、93…マイクロ波源、94…電磁波放射窓、95…真空容器、96…ガス導入口、97…ガス排気口、98…基板、99…基板支持台、120…矩形導波管の反射面、121…矩形導波管のH面、
101…矩形導波管、102…スロット、103…マイクロ波源、104…電磁波放射窓、105…真空容器、106…ガス導入口、107…ガス排気口、108…基板、109…基板支持台、
111…矩形導波管、112…結合孔、114…電磁波放射窓、115…真空容器。
Claims (15)
- 導波管と、
前記導波管に設けられ、導波管アンテナを構成する複数のスロットと、
真空容器とを具備し、
前記スロットから前記真空容器内に放射された電磁波によってプラズマを生成し、プラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
前記導波管を前記真空容器内に設け、
前記導波管内に設けた誘電体部材により真空が保持され、前記誘電体部材を通して前記電磁波を前記真空容器内に導入することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記誘電体部材が、少なくとも前記真空容器内に位置する前記導波管内を満たしていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記スロットを覆う第2の誘電体部材を、前記真空容器内に設けたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記導波管が複数あり、前記導波管どうしが接して配置されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記スロットを、前記プラズマ処理する全面積に渡りほぼ均一に分布させたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 電磁波源から複数の前記導波管に電磁波を分配する導波管部を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 複数個の前記スロットどうしの間の前記導波管の梁部内に水冷管を設けたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 複数個の前記スロットどうしの間の前記導波管の梁部下の前記真空容器内に、ガス導入口を設けたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記導波管に電磁波を供給する電磁波源が1台であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記導波管に電磁波を供給する電磁波源が複数台であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 複数台の前記電磁波源の、隣接する前記電磁波源の周波数が異なることを特徴とする請求項10記載のプラズマ処理装置。
- 前記導波管に電磁波を供給する電磁波源の周波数が2.45GHzであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理がプラズマ酸化であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理がプラズマ成膜であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理がプラズマエッチングであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
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-
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