JP2004292730A - ブロー成形用芳香族ポリカーボネート及び成形品の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘度平均分子量が24,000〜30,000であって、ドローダウン性(DD)が0.250〜0.450であり、溶融張力(MT)が下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするブロー成形用芳香族ポリカーボネート。
【数1】
150mN≦ MT ≦60mN (1)
【数2】
MT>250−500×DD(mN) (2)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形用芳香族ポリカーボネート及び該ポリカーボネートをブロー成形して得られる成形品の製造法に関する。詳しくは、特定のドローダウン性、溶融張力等の溶融特性を有し、成形品の色相と外観、衝撃強度に優れたブロー成形用芳香族ポリカーボネート、及び該ポリカーボネートを使用するブロー成形品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、機械的特性、寸法安定性、透明性等に優れた樹脂として、飲料水等の中空容器をはじめ、多くの分野で用いられている。
一般的な用途に使用される芳香族ポリカーボネートは、直鎖状の分子構造を有しており、このような分子構造を有する芳香族ポリカーボネートは、ABS樹脂などに比較すると溶融成形時のドローダウン及びダイスウェルが大きく、ブロー成形品の肉厚分布が不均一になりやすく、改良が望まれていた。芳香族ポリカーボネートのドローダウン性等の溶融特性を改良する方法としては、分岐化剤を用いてポリカーボネートを分岐化する方法が知られている。すなわち、いわゆる、界面重合法では、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」又は「BPA」と略称する。)とともに、分岐化剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン(THPE)、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等の多官能化合物を使用して、芳香族ポリカーボネートを分岐化させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。また、いわゆる溶融法により、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのエステル交換により芳香族ポリカーボネートを製造する際にも、同様に多官能化合物を使用してポリカーボネートを分岐化させる方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
【0003】
しかしながら、表面外観が良好で均一な肉厚を有する中空容器を安定して成形するためには、樹脂のドローダウン性だけではなく、溶融張力等も関係する。そのため、上述の分岐化剤を用いる方法により、ブロー成形中に溶融樹脂のパリソンがドローダウンし難い樹脂が得られたとしても、表面外観が良好で均一な肉厚を有する中空容器を安定して製造することは困難であった。また、多官能化合物を用いる場合、その種類や、使用量によっては、反応性が悪かったり、得られるポリカーボネートが着色するという問題があった。
なお、分岐化剤を用いることなくエステル交換法で製造された芳香族ポリカーボネートにも、分岐構造が存在することが報告されている(非特許文献1、2)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭44−17149号公報
【特許文献2】
特開平2−55725号公報
【特許文献3】
特開平4−89824号公報等
【非特許文献1】
Polymer,42(2001)、P7653
【非特許文献2】
Encyclopedia of Polymere Science andTechnology,vol.10(1969),P723
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、芳香族ポリカーボネート本来の機械的特性、透明性を有すると共に、製品肉厚が均一となり、表面光沢等の外観の良好なブロー成形品が得られるポリカーボネート及びそれを用いてブロー成形する成形品の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、理論的根拠は明らかではないが、エステル交換法によって製造された芳香族ポリカーボネートに、ブロー成形に適したドローダウン及び溶融物性を有し、外観に優れたブロー成形品が得られるものがあり、そのようなポリカーボネートは、後述する方法で測定した特定のドローダウン性及び溶融張力を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、粘度平均分子量が24,000〜30,000であって、本明細書で規定するドローダウン性(DD)が0.250〜0.450であり、溶融張力(MT)が下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするブロー成形用芳香族ポリカーボネートに存する。
【0007】
【数3】
150mN≦ MT ≦60mN (1)
【0008】
【数4】
MT>250−500×DD(mN) (2)
【0009】
本発明はまた、かかるポリカーボネートを使用したブロー成形品の製造法にも存する。なお、本明細書において、ドローダウン性(DD)及び溶融張力(MT)は、後述の実施例記載の方法で測定された物性を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に関わる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体の反応によって得られ、本発明に規定する分子量及び溶融特性を有するものであれば、その製法は限定されるものではないが、特に芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを、以下に示す如き方法により、エステル交換反応により重合して製造することが出来る。
【0011】
芳香族ジヒドロキシ化合物:ポリカーボネートの原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。さらに、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン(THPE)、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等の分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノール等を分岐化剤として少量併用することもできるが、分岐化剤は使用しないことが好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物の中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が特に好ましい。
【0012】
炭酸ジエステル:原料の他の一つである炭酸ジエステルの代表的な例としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0013】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0014】
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.001〜1.3、好ましくは1.01〜1.2の範囲内のモル比で用いられる。モル比が1.001より小さくなると、製造された芳香族ポリカーボネートの末端OH基が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、モル比が1.3より大きくなると、芳香族ポリカーボネートの末端OH基は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量の芳香族ポリカーボネートの製造が困難になる傾向がある。本発明においては、末端OH基含有量を50〜2,000ppm、好ましくは100〜1,500ppm、さらに好ましくは300〜1,000ppmの範囲内に調整した芳香族ポリカーボネートとすることが好ましい。
【0015】
原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0016】
エステル交換触媒:エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造する際には、触媒が使用される。芳香族ポリカーボネートの製造に用いる触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用されるが、中でもアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が特に好ましい。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ金属化合物等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0018】
アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化合物等が挙げられる。
【0019】
これらの触媒のうち、ブロー成形に適した溶融特性を有する芳香族ポリカーボネートを得るためには、アルカリ金属化合物が望ましい。 本発明においては、上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジエステル等を溶解する溶媒が挙げられる。これらの溶媒のなかでは水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場合には、水溶液とすることが好適である。
触媒の使用量は、アルカリ金属触媒の場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対してアルカリ金属が4×10−7〜1×10−5モル、好ましくは1×10−6〜6×10−6モルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量より少なければ、所望の分子量の芳香族ポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性と溶融特性を有する芳香族ポリカーボネートが得難く、重合時の滞留時間を長くしたり、温度を上げる必要があり、その結果、得られるポリカーボネートの色相が悪化する。逆に触媒量が多すぎても、色相や耐加水分解性が悪化し、分岐構造量が多すぎて流動性が低下し、目標とする溶融特性が得られず、ゲルの発生による異物量も増大し、さらに衝撃強度や透明性の低下にも繋がる畏れがある。
【0020】
芳香族ポリカーボネートの製造方法:芳香族ポリカーボネートのエステル交換反応は、通常のエステル交換法ポリカーボネート製造設備で重合可能であれば特に限定されないが、触媒種、触媒量、モノマー仕込み比、重合温度、滞留時間、減圧度等の重合条件で、これらの値は様々に変化する。例えば、本発明では芳香族ポリカーボネートの重合反応(エステル交換反応)は、一般的には2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜2Pa、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。
なお、多段工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ましく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0021】
上記エステル交換反応において使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0022】
上記方法で製造した芳香族ポリカーボネート中には、通常、塩素元素は無く、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族モノヒドロキシ化合物、ポリカーボネートオリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族モノヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性、成形時の臭気、内容物への臭いや味の移行等の品質に悪影響を与えるので、製品化に際して除去されることが好ましい。芳香族モノヒドロキシ化合物の残存量は200重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100重量ppm以下である。芳香族ジヒドロキシ化合物の残存量は100重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは50重量ppm以下である。炭酸ジエステル化合物の残存量は200重量ppm以下であることが好ましい。炭酸ジエステル化合物の残存量が200重量ppmを越えると異臭が感じられるので、ブロー成形用樹脂としては好ましくない。
【0023】
芳香族ポリカーボネート中の各種低分子量化合物を除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0024】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
【0025】
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
【0026】
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0027】
本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートは、粘度平均分子量(Mv)が24,000〜30,000である。粘度平均分子量が30,000より大きいと、流動性が低下し、薄肉ブロー成形品や大型ブロー成形品の成形が困難になる。また、粘度平均分子量が24,000より小さいと、ブロー成形時のドローダウンが大きくなり易く、さらに衝撃強度が低下するので好ましくない。なお、粘度平均分子量は、後述するように、塩化メチレン溶媒を用い、20℃で測定した溶液粘度から求めることが出来る。
また、本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートは、後述する方法により測定されるドローダウン性(DD)が0.250〜0.450の範囲であることが必要である。ドローダウン性は、好ましくは0.260〜0.400であり、さらに好ましくは0.270〜0.380である。ドローダウン性が0.450より大きいと、パリソンの垂れ下がりが大きくなりすぎ、ブロー成形品に偏肉が生じやすくなる。逆に、ドローダウン性(DD)が0.250より小さいと、流動性が低下し、薄肉ブロー成形品や大型ブロー成形品の成形が困難になる。
また、本発明のブロー成形用ポリカーボネートは、溶融張力(MT)が下記式(1)及び(2)の条件を満たすことが必要である。
【0028】
【数5】
150mN≦ MT ≦60mN (1)
【0029】
【数6】
MT>250−500×DD(mN) (2)
【0030】
溶融張力(MT)は好ましくは140〜80mNであり、更に好ましくは130〜90mNの範囲である。MTが150mNより大きいと、溶融粘度が高くなり過ぎ、さらにはダイスウエルも大きく成り過ぎる傾向にあるので成形性が低下する。逆に、溶融張力(MT)が60mNより小さいか、または前記式(2)の下限より小さいと、ブロー成形品に偏肉が生じるので好ましくない。
【0031】
本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートは、炭酸ジエステル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物からエステル交換反応により製造されたものが好ましいが、エステル交換法により製造されたポリカーボネートは、ドローダウン性(DD)を調整することにより上記式(1)及び(2)を満足し易く、かつブロー成形品の外観も優れている。
エステル交換法で製造された芳香族ポリカーボネートは、前記非特許文献1及び非特許文献2の記載から総合的に判断すると、重合反応中に複数の分岐構造を生成すると考えられる。同一反応系中に、複数の分岐構造が存在すると、各分岐構造ごとに分岐鎖長等が異なるので、反応性の異なる複数の分岐構造の存在量・割合を適度に制御することで、1種類の分岐構造だけでは実現困難な溶融特性を持たせることが可能になる。従って、従来の界面重合法で行われていた1種の分岐化剤だけからなる分岐ポリカーボネートでは実現不可能であった、ドローダウン性、溶融張力のバランスを制御することが可能となり、これらのバランスのとれたブロー成形性に優れる芳香族ポリカーボネートが得られ易いものと考えられる。
【0032】
本発明の芳香族ポリカーボネートは、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤等の添加剤を添加して、所望の物性を有するポリカーボネート樹脂組成物とすることが出来る。
【0033】
本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートを使用し、ダイレクトブロー、インジェクションブロー、インジェクションストレッチブロー等の通常公知のブロー成形方法を適用することによって中空容器を製造することができる。例えば、ダイレクトブロー成形であれば、シリンダー設定温度240〜280℃の単軸又は二軸押出機に、芳香族ポリカーボネートのペレットを供給し、スクリュー剪断下で溶融・混練し、ノズルを通してチューブ状の溶融パリソンを押出し、その後所定の形状を有し、70〜110℃に設定した金型内に挟み込み、空気又は不活性ガスをブローすることにより中空容器が成形される。
本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートは、特開平6−122145号公報等に開示されている二軸延伸ブロー成形も可能で、さらに芳香族ポリカーボネートのガスバリヤー性を改良するためにポリエチレンテレフタレートや、ポリアミドとの多層ブロー成形にも使用できる。
【0034】
本発明により製造されるブロー成形品の大きさは特に制限はないが、肉厚は、中空容器の強度及び形状保持の観点から、0.1〜7mmが好ましく、更に好ましくは0.2〜5mmであり、最も好ましくは0.3〜3mmである。
本発明方法により製造されるブロー成形品は、多種多様の用途に使用出来るが、衝撃強度等の機械的特性、耐熱性、透明性、外観に優れているので、特に、乳製品ボトル、清涼飲料水ボトル、水ボトル、その他の食品用容器として好適である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。なお、得られた芳香族ポリカーボネートとブロー成形品の分析及び物性評価は、下記の方法により行った。
【0036】
(i)粘度平均分子量(Mv);
120℃、4時間乾燥したポリカーボネートのペレットを塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した溶液粘度から求めた極限粘度[η]を用いて下式により算定する。
【0037】
【数7】
[η]=1.23×10−4Mv0.83
【0038】
(ii)ドローダウン性(DD);
120℃、4時間乾燥したポリカーボネートのペレットを、東洋精機(株)製キャピログラフ1Cにより、保温チャンバーは開放の状態で、押出温度280℃、押し出し速度10mm/分で直径=2mm、長さ=5mmのキャピラリーを通過させ、垂れ下がるストランドが350mm以上となった時点でストランドをカットする。ストランドを十分冷却後、ストランド径が太い方(ストランド長=0mmの方)から長さ50mmずつストランドをカットして、ストランド長50mmごとのストランド重量を測定する。ストランド長が0〜50mmまでのストランド重量の6倍をW2とし、ストランド長が0〜300mmまでのストランド重量の合計をW1として、下式からから算出する。
【0039】
【数8】
DD=〔(W2−W1)/W2〕
【0040】
(iii)溶融張力(MT);
120℃で4時間乾燥したポリカーボネートを、東洋精機(株)製キャピログラフ1Cを用いて、保温チャンバーは開放状態で、直径=1mm、長さ=10mmのキャピラリーを使用し、250℃、押し出し速度=10mm/min、引取速度=20m/min、キャピラリー出口からロードセルに直結したテンションプーリーまでの距離を400mmの条件で測定する。
【0041】
(iv)ボトル成形・評価;
日本製鋼所(株)製B−30でバレル温度270〜260℃、金型温度70℃で5ガロンボトルのブロー成形を行った。成形性は、押し出し機のトルク、パリソンの出方から○(良)、×(不良)で評価を行った。
【0042】
(v)成形品の表面外観;
前記(iv)で成形した5ガロンボトルを目視で観察し、シワ及び表面光沢の程度から○(外観良好)、×(外観不良)で評価した。
【0043】
(vi)肉厚分布;
前記(iv)で成形した5ガロンボトルの高さの半分の位置でボトルを輪切りにし、肉厚分布の測定を行い、肉厚差の最大値を求めた。
【0044】
実施例1,2及び比較例1,2
ジフェニルカーボネートとビスフェノールAを混合した溶融液に、触媒として、炭酸セシウム水溶液をビスフェノールA1モルに対し、1.03×10−6モルの割合で配合し、竪型攪拌重合槽、ならびに横型重合槽に逐次連続供給し、副生するフェノールの留去を行いながら重合を行った。各反応槽の反応温度は220℃〜295℃の範囲、反応圧力は、1.33×104Pa〜66Paの範囲、各重合槽の反応時間は30〜90分の範囲で変化させて重合反応を行なうことにより、分子量、DD、MTの異なる4種のポリカーボネートを得た。なお、上記の反応条件では、高温、低圧力、長重合時間ほど分子量、DD、MTが大きいポリカーボネートが得られる。重合終了後、ポリカーボネートを溶融状態のままで2軸押出機に送入し、触媒として使用した炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを連続して混練し、脱揮後、ダイを通してストランド状として、カッターで切断してペレット化した。次いで、得られたペレットを、120℃で4時間乾燥した後、前記(i)〜(iii)の方法で物性値の測定を行った。また(iv)の方法で5ガロンボトルを製造し、評価した。結果を表−1に示した。
【0045】
比較例3
分岐化剤としてイサチンビスクレゾール、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを用い、ホスゲンを使用して界面重合法で分岐状ポリカーボネートをで製造した。得られた分岐状ポリカーボネートを、いすゞ(株)製40mm単軸押し出し機を用い、バレル温度290℃の条件で、混練、ペレット化し、実施例1と同様に乾燥した後、物性値の測定及びブロー成形品の製造、評価を行った。なお、得られた分岐状ポリカーボネートの分岐化剤含有量は0.26モル%であった。結果を表−1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明のブロー成形用芳香族ポリカーボネートはブロー成形性に優れ、ブロー成形品は、衝撃強度等の機械的特性、耐熱性、透明性、外観に優れているので、乳製品ボトル、清涼飲料水ボトル、水ボトル、その他の食品用容器として使用できる。
Claims (5)
- 芳香族ポリカーボネートが炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物のエステル交換反応により製造されることを特徴とする請求項1記載のブロー成形用芳香族ポリカーボネート。
- 芳香族ポリカーボネートが、実質的に分岐化剤を使用することなく、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物のエステル交換反応により製造されることを特徴とする請求項2記載のブロー成形用芳香族ポリカーボネート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートをブロー成形することを特徴とする成形品の製造法。
- 成形品が食品用容器であることを特徴とする請求項4記載の成形品の製造法。
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