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JP2004291578A - 静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法 - Google Patents

静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法 Download PDF

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JP2004291578A
JP2004291578A JP2003090367A JP2003090367A JP2004291578A JP 2004291578 A JP2004291578 A JP 2004291578A JP 2003090367 A JP2003090367 A JP 2003090367A JP 2003090367 A JP2003090367 A JP 2003090367A JP 2004291578 A JP2004291578 A JP 2004291578A
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ink
electrode
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ejection
electrostatic
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JP2003090367A
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English (en)
Inventor
Koji Furukawa
弘司 古川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】吐出部が高密度に配置されたマルチチャンネルヘッドにおいても、自チャンネルの電界を弱めることなく、他チャンネルの電界の影響を抑制でき、高解像度の記録を高精度で行うことのできる静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】吐出電極の記録媒体側において、インクガイドの間に、インクガイドから離間して設けられるガード電極を有し、ガード電極の、インクガイドに臨む内縁部が、吐出電極の、インクガイドに臨む内縁部よりインクガイド側から後退し、吐出電極の外縁部よりインクガイド側に前進している位置にあることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電力により帯電した微粒子を含むインクの吐出を制御する静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電式インクジェット記録方式は、帯電した微粒子成分を含むインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの吐出電極に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。この静電式インクジェット記録方式の記録装置に用いられるインクジェットヘッドとして、1つのヘッドに複数の吐出部(チャンネル)を配列したマルチチャンネルヘッドが知られている。
【0003】
マルチチャンネルの静電式インクジェットヘッドによってより高い解像度で記録を行うためには、吐出部を高密度で配置して、各吐出部を独立に制御することが必要となる。ところが、静電式インクジェットヘッドは、上述のように、各吐出部の吐出電極に電圧を印加することによって発生する静電力を利用するものなので、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部間で電界干渉を生じて、吐出するインク滴のサイズやインク滴の飛翔方向がばらついてしまい、正確な記録が行えないという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、特許文献1は、複数のガイドを区分けする基板上に、吐出電極(個別電極)およびこの吐出電極の間にシールド電極を設け、このシールド電極に、吐出電極に印加する電圧より低く、しかし吐出電極との間で放電しない程度に高い電圧を印加することによって、隣接する吐出電極間の干渉を抑制するインクジェット記録装置を開示している。
【0005】
しかしながら、特許文献1のインクジェット記録装置では、吐出電極とシールド電極とを同一面上に設けているため、シールド電極は、吐出電極の外周側の端部から発生する電気力線を遮蔽することができず、隣接する吐出部間での電界干渉を効果的に防止することができないという問題があった。
また、電界干渉の抑制には、シールド電極を吐出部間で幅広く設けることが有効である。しかし、特許文献1のように、シールド電極を吐出電極と同一面上に設ける形態では、吐出部を高密度に配置すると、吐出部間にシールド電極の十分な幅を確保できない。また、シールド電極を吐出部間で広く設けるために吐出部間隔を広く取ると、記録密度(解像度)を低下させることになり好ましくない。そのため、高解像度で正確な記録を行うのが難しいという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−25233号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、自チャンネルへの電気力線は確保しつつ、他チャンネルからの電気力線を効率よく遮蔽する構造とすることにより、吐出部を高密度に配置することを可能にし、かつ、他チャンネルの稼動状態による吐出インク滴のサイズおよびインク滴の飛翔方向への影響をなくし、記録ドット径および着弾位置の変動を防止して、高解像度の記録を高精度で行うことのできる静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、帯電した微粒子を含むインクを静電力を利用して吐出させて記録媒体に画像を記録する静電式インクジェットヘッドであって、その先端部分が前記記録媒体側に向いている複数のインクガイドと、前記インクガイドにインクを供給するインク流路と、各前記インクガイドの外周を囲うように離間して配置される囲繞電極からなり、前記インク流路から前記インクガイドの先端部分に導かれたインクを静電力で吐出させるための吐出電極と、前記吐出電極の前記記録媒体側において、前記インクガイドの間に、前記インクガイドから離間して設けられるガード電極とを有し、前記ガード電極の、前記インクガイドに臨む内縁部が、前記吐出電極の、前記インクガイドに臨む内縁部より前記インクガイド側から後退し、前記吐出電極の外縁部より前記インクガイド側に前進している位置にあることを特徴とする静電式インクジェットヘッドを提供するものである。
【0009】
ここで、前記ガード電極の内縁部の、前記吐出電極の内縁部からの後退量は、10μm以上であり、前記吐出電極の外縁部からの前進量は、5μm以上であるのが好ましい。また、前記ガード電極の内縁部の、前記吐出電極の外縁部からの前進量は、10μm以上であるのがより好ましい。
また、前記ガード電極は、前記インクガイドに対応して、前記吐出電極の内側形状と略相似形の開口部を有するシート状電極であるのが好ましい。
また、前記吐出電極は、円形電極であり、前記ガード電極は、前記インクガイドに対応して円形の開口部を有するシート状電極であるのが好ましい。
【0010】
また、前記インクガイドは、ヘッド基板上に配置され、前記インク流路は、前記ヘッド基板と所定間隔離間して配置された絶縁性基板と前記ヘッド基板との間に形成され、前記絶縁性基板は、複数の貫通孔が開孔され、前記インクガイドは、前記絶縁性基板に開孔された貫通孔からその先端部分が前記記録媒体側に突出し、前記インク流路を流れるインクを前記インク流路から前記先端部分に導くものであるのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の静電式インクジェットヘッドと、前記記録媒体を保持する手段と、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対的に移動させる手段と、前記吐出電極と前記記録媒体の間に所定のバイアス電圧を印加する手段と、前記ガード電極に所定のガード電圧を印加する手段と、前記記録媒体に記録すべき前記画像に応じて、前記吐出電極に所定の吐出電圧を印加する手段とを有することを特徴とする静電式インクジェット記録装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の静電式インクジェットヘッドの前記吐出電極と前記記録媒体の間に所定のバイアス電圧を印加しておき、前記ガード電極に所定のガード電圧を印加しておき、前記インクジェットヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させつつ、前記記録媒体に記録するべき前記画像に応じて前記吐出電極に所定の吐出電圧を印加して、前記インクジェットヘッドの前記インクガイドの先端部分に濃縮したインクを吐出させ、前記記録媒体に前記画像を記録することを特徴とする静電式インクジェット記録方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の静電式インクジェットヘッドの一実施例の概略構成を示す模式的断面図であり、図2(a)および図2(b)は、それぞれ図1のA−A線およびB−B線矢視図(貫通孔部分を除く)である。
同図に示す静電式インクジェットヘッド10は、帯電された顔料等の微粒子成分(例えば、トナー等)を含むインクQを静電力により吐出させて、画像データに応じて画像を記録媒体P上に記録するものであり、ヘッド基板12と、インクガイド14と、絶縁性基板16と、吐出電極18と、ガード電極20と、ガード電極20の両側の面に設けられた絶縁層34a,34bと、浮遊導電板22とを備えている。また、インクジェットヘッド10の吐出部に対向する位置には、記録媒体Pを支持する対向電極24と、記録媒体Pの帯電ユニット26とを備えている。
【0015】
なお、図1に示す例は、複数の吐出部が2次元的に配置されたマルチチャンネル構造のインクジェットヘッド10を構成する1つの吐出手段となる吐出電極のみを概念的に表したものである。インクジェットヘッド10において、吐出電極の個数や物理的な配置等は自由に選択することができる。例えば、複数の吐出電極を1次元的または2次元的に配置してラインヘッドを構成することも可能である。さらに、吐出電極を2層以上とする構造にしても良い。また、本発明を適用するインクジェットヘッドは、モノクロおよびカラーのどちらにも対応可能である。
【0016】
図示例のインクジェットヘッド10においては、インクガイド14は、突状先端部分14aを持つ所定厚みのセラミック製平板からなり、吐出電極毎にヘッド基板12の上に配置されている。また、絶縁性基板16には、インクガイド14の配置に対応する位置に貫通孔28が開孔されている。インクガイド14は、絶縁性基板16に開孔された貫通孔28を通過し、その先端部分14aが絶縁性基板16の記録媒体P側の最表面(絶縁層34bの図中上側の表面)よりも上部に突出している。なお、インクガイド14の中央部分には、図中上下方向に毛細管現象によってインクQを先端部分14aに集めるインク案内溝となる切り欠きを形成しても良い。
【0017】
なお、インクガイド14の先端部分14aの側は、対向電極24側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。なお、インクガイド14の、インクQが吐出される先端部分(最先端部)14aには、金属が蒸着されているのが好ましい。インクガイド14の先端部分14aの金属蒸着はされていなくても良いが、この金属蒸着により、インクガイド14の先端部分14aの誘電率が実質的に無限大となり、強電界を生じさせやすくできるという効果があるので、金属蒸着を行うのが好ましい。なお、インクガイド14の形状は、インクQ、特に、インクQ内の帯電微粒子成分を絶縁性基板16の貫通孔28を通って先端部分14aに濃縮させることができれば、特に、制限的ではなく、例えば、先端部分14aは、突状でなくても良いなど適宜変更してもよいし、従来公知の形状とすることができる。
【0018】
ヘッド基板12と絶縁性基板16とは、所定間隔離間して配置されており、両者の間には、インクガイド14にインクQを供給するためのインクリザーバ(インク室)として機能するインク流路30が形成されている。なお、インク流路30内のインクQは、吐出電極18に印加される電圧と同極性に帯電した微粒子成分を含み、記録時には、図示されていないインク循環機構によって、所定方向、図示例ではインク流路30内を右側から左側へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下、インク中の着色粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行う。
【0019】
また、吐出電極18は、絶縁性基板16に開孔された貫通孔28の周囲を囲むように、絶縁性基板16の図中上側、すなわち記録媒体P側の面に、吐出部毎にリング状の円形電極として配置されている。吐出電極18は、画像デ−タや印字データ等の吐出データ(吐出信号)に応じたパルス信号(所定のパルス電圧、例えば低電圧レベルの0V、高電圧レベルの400〜600V)を発生する信号電圧源32に接続されている。この吐出電極18は、図2(b)に示すように、2次元的に配置されている。
なお、吐出電極18は、リング状の円形電極に限定されず、インクガイド14の外周を囲うように離間して配置される囲繞電極であれば、どのようなものでも良い。しかし、略円形電極であるのが好ましく、円形電極であるのがより好ましい。
【0020】
また、ガード電極20は、吐出電極18の図中上側、すなわち記録媒体P側に、絶縁層34aを介して配置されており、ガード電極20の表面は絶縁層34bで覆われている。ガード電極20は、隣接する吐出電極18の間に配置され、所定の一定電圧が印加されて、隣接する吐出電極の吐出部となるインクガイド14の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。図示例においては、ガード電極20は接地され0Vとされている。図2(a)に示すように、ガード電極20は、金属板などの各吐出電極に共通なシート状の電極であり、2次元的に配列されている各吐出電極毎の貫通孔28の周囲に形成された吐出電極18に相当する開口部36が穿孔されている。
【0021】
ここで、ガード電極20の開口部36は、吐出電極18から発生する電気力線の内、自己の吐出部(自チャンネル)に作用する電気力線を確保しつつ、他の吐出部(他チャンネル)からの電気力線および他の吐出部への電気力線を遮蔽するように設ける必要がある。ガード電極20が無い場合、吐出電極18の内周部から生じる電気力線は、吐出電極18の内側に収束して自チャンネルに作用し、必要な電界を生じさせる。一方、吐出電極18の外周部から生じる電気力線は、外側に発散して他チャンネルに影響を及ぼし、電界干渉を生じる。従って、開口部36の径は、自チャンネルへの電気力線を遮蔽しないように、吐出電極18の内径よりも大きく設定する必要がある。また、開口部36の径は、他チャンネルへの電気力線を効率的に遮蔽するために、吐出電極18の外径よりも小さく設定する必要がある。開口部36の好ましい形態については、後に詳述する。
【0022】
また、浮遊導電板22は、インク流路30の下方に配置され、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)となっている。図示例では、ヘッド基板12の内部に配置されている。なお、本発明においては、浮遊導電板22は、インク流路30の下方であれば、どこに配置しても良く、例えば、ヘッド基板12の下方であっても良いし、吐出電極の位置よりもインク流路30の上流側で、かつヘッド基板12の内部に配置するようにしても良い。
この浮遊導電板22は、画像の記録時に、吐出電極に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧が発生し、インク流路30内のインクQにおいて、その微粒子成分を絶縁性基板16側へ泳動させて濃縮させるためのものである。従って、浮遊導電板22は、インク流路30よりもヘッド基板12側に配置される必要がある。また、浮遊導電板22は、吐出電極の位置よりもインク流路30の上流側に配置される方が好ましい。この浮遊導電板22により、インク流路30内の上層の帯電微粒子成分の濃度を高めるため、絶縁性基板16の貫通孔28を通過するインクQ内の帯電微粒子成分の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド14の先端部分14aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の帯電微粒子成分の濃度を所定濃度に安定させることができる。
また、浮遊導電板を配置することにより、稼動チャンネル数に応じて誘導電圧が変化するため、浮遊導電板への電圧を制御しなくても、吐出に必要な帯電粒子を供給するため、目詰まりを防止することができる。なお、浮遊導電板に電源を接続し、所定の電圧を印加するようにしても良い。
【0023】
また、対向電極24は、インクガイド14の先端部分14aに対向する位置に配置され、電極基板24aと、電極基板24aの図中下側の表面、すなわちインクガイド14側の表面に配置される絶縁シート24bで構成され、電極基板24aは、接地される。また、記録媒体Pは、対向電極24の図中下側の表面、すなわちインクガイド14側の表面、すなわち絶縁シート24bの表面に支持され、例えば静電吸着されており、対向電極24(絶縁シート24b)は、記録媒体Pのプラテンとして機能する。
ここで、少なくとも記録時には、帯電ユニット26によって、対向電極24の絶縁シート24bの表面、すなわち記録媒体Pは、吐出電極18に印加される高電圧(パルス電圧)と逆極性の所定の負の高電圧、例えば、−1.5kVに帯電された状態に維持される。その結果、記録媒体Pは、帯電ユニット26により負帯電して、吐出電圧18に対して負の高電圧に常時バイアスされるとともに、対向電極24の絶縁シート24bに静電吸着される。
【0024】
ここで、帯電ユニット26は、記録媒体Pを負の高電圧に帯電させるためのスコロトロン帯電器26aと、スコロトロン帯電器26aに負の高電圧を供給するバイアス電圧源26bとを有している。なお、本発明に用いられる帯電ユニット26の帯電手段としては、スコロトロン帯電器26aに限定されず、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針などの種々の放電手段を用いることができる。
なお、図示例においては、対向電極24を電極基板24aと絶縁シート24bとで構成し、記録媒体Pを、帯電ユニット26によって負の高電圧に帯電させることにより絶縁シート24bの表面に静電吸着させているが、本発明はこれに限定されず、対向電極24を電極基板24aのみで構成し、対向電極24(電極基板24a自体)を負の高電圧のバイアス電圧源に接続して、負の高電圧に常時バイアスしておき、対向電極24の表面に記録媒体Pを静電吸着させるようにしても良い。
また、記録媒体Pの対向電極24への静電吸着と、記録媒体Pへの負の高電圧への帯電または対向電極24への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行っても良いし、対向電極24による記録媒体Pの支持は、記録媒体Pの静電吸着に限られず、他の支持方法や支持手段を用いても良い。
【0025】
次に、ガード電極20の好ましい形態、特にその開口部36の好ましいサイズについて説明する。
図3は、インクジェットヘッド10を構成する2つの吐出部の概略構成を示す模式的断面図である。本実施例のインクジェットヘッド10においては、図3に示すように、径が130μmの貫通孔28の略中央に、インクガイド14が、その先端が吐出電極18よりも150μm上方(記録媒体P側)に位置するように配置されている。インクガイド14は、先端角が45°、厚さが75μmのセラミック(誘電率ε=20)で構成されている。また、各吐出部は図2のように配置されており、配置間隔の狭い方の並びにおいて、その中心間距離が508μmとなっている。また、浮遊導電板22と吐出電極18との間隔および吐出電極18と対向電極24(図1参照)との間隔は、共に500μmとされ、浮遊導電板22は、絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされ、対向電極24には、−1500Vの負の高電圧がバイアス電圧として印加され、吐出電極18の吐出電圧を+400Vとしている。なお、対向電極24への−1500Vの負のバイアス高電圧の印加は、対向電極24に静電吸着された記録媒体Pの−1500Vの負の高電圧帯電と等価である。また、ガード電極20は0Vとされている。
【0026】
ここにおいて、吐出電極18の内径D1および外径D2に対し、ガード電極20の孔径Gを変化させて、隣り合う2つの吐出電極18に同じ電圧を印加した時の吐出部、すなわちインクガイド14の先端部分14aの電界強度(V/m)および先端部分14aから吐出したインクQ(インク滴R)の着弾位置のズレ量(μm)を求めた。この結果を図4に示す。
図4は、吐出電極18として内径D1=150μmおよび外径D2=250μmの電極を用い、ガード電極20の孔径Gを170μmから300μmまで変化させた時の結果である。図4においては、ガード電極20の孔径Gを横軸に取り、電界強度を右側の縦軸に、着弾位置のズレ量を左側の横軸に取っている。また、同図において、実験結果を示す三角の記号は電界強度を、四角の記号は着弾位置ズレ量を示している。
【0027】
図4から分かるように、電界強度については、ガード電極20の孔径Gを小さくしていった場合、孔径Gが吐出電極18の内径D1に近付くと電界強度が小さくなる。これは、孔径Gを内径D1に近付け過ぎると自己の吐出部に作用する有効な電気力線を遮蔽して、電界を弱めてしまうことを意味する。従って孔径Gは、内径D1よりも大きくする必要がある。
【0028】
一方、インクQ(インク滴R)の着弾位置のズレ量について見ると、孔径Gが大きくなるほど着弾位置ズレ量も大きくなる。これは、孔径Gが外径D2に近付くか、それよりも大きくなると、隣接する他の吐出部の電気力線が遮蔽されず、電界干渉を起こして、インク滴Rの飛翔方向が歪められてしまうことを意味する。従って孔径Gは、外径D2よりも小さくする必要がある。
【0029】
図4から、電界強度については、ガード電極20の孔径Gを小さくしていった場合、孔径Gが吐出電極18の内径D1(150μm)に近付くと電界強度が小さくなるので、孔径Gは、内径D1よりも大きく必要があり、好ましくは20μm以上大きくするのが良いことが分かる。
また、インクQ(インク滴R)の着弾位置のズレ量については、孔径Gが大きくなるほど着弾位置ズレ量も大きくなる。特に、外径D2(250μm)よりも大きくなると、ズレ量が急激に大きくなっている。なお、ガード電極20が無い場合のズレ量は約20μm程度であった。高解像度画像記録における着弾位置ズレ量の許容範囲は、解像度1200dpi(吐出間隔21μm)の場合、3μm程度とするのが好ましく、2μm程度とするのが特に好ましいので、孔径Gは、240μm以下、すなわち、外径D2(250μm)よりも10μm以上小さくするのが好ましく、230μm以下、すなわち、外径D2(250μm)よりも20μm以上小さくするのが特に好ましい。
【0030】
以上より、図4の例においては、有効な電界強度を弱めることなく、正確な位置にインク滴Rを着弾させて正確な記録を行うためには、孔径Gを、内径D1よりも20μm以上大きく、かつ、外径D2よりも10μm以上小さくするのが好ましく、外径D2よりも20μm以上小さくするのが特に好ましいことが分かる。言い換えれば、ガード電極20の開口部36の縁部を、吐出電極18の内縁部より10μm以上後退し、外縁部より5μm以上前進している位置に配置すれば良く、10μm以上前進している位置に配置するのが特に好ましいことが分かる。
【0031】
なお、上記実施例においては、吐出電極18を円形電極として説明したが、吐出電極18が円形電極でない場合には、孔径G、内径D1および外径D2として、平均径など実質的に直径と見なせる有効径を用いても良い。あるいは、ガード電極20の開口部36を、吐出電極18の内周側形状または外周側形状と略相似形にし、吐出電極18の周方向の各所において、開口部36の縁部が、吐出電極18の内縁部より後退し、外縁部より前進している位置に、ガード電極20の開口部36を設けるようにしても良い。
【0032】
なお、上記実施例では、ガード電極20は、シート状電極としているが、本発明はこれには限定されず、各吐出部間において、他チャンネルの電気力線を遮蔽できるように設けられていれば、どのようなものでも良い。例えば、ガード電極20は、各吐出部の間に網目状に設けられていても良いし、吐出部が電界干渉を生じない程十分離れている部分には設けられず、近接している吐出部の間にのみ設けられていても良い。このような場合にも、隣接する吐出部の間において、ガード電極20のインクガイド14に臨む縁部が、吐出電極18の内縁部より後退し、外縁部より前進している位置にあるように、ガード電極20を配置すれば良い。
【0033】
このように、本発明においては、ガード電極20の開口部36を、吐出電極18の内径D1および外径D2に対して上記適正範囲に限定しているので、高解像度記録用の静電式インクジェットヘッドにおいても、自己の吐出部に有効に作用する電界を弱めることなく、従って、信号電圧源32によって吐出電極18に印加する電圧値を増加させる必要なく、他の吐出部との電界干渉を効率的に抑制して、低エネルギで高精度な記録を行うことができる。
さらに、予期せざる効果として、本発明によれば、ガード電極20を設けることによって、吐出に必要なパルス電圧を低くすることが出来る。この要因は明らかにされていないが、推定要因として、パルス電圧を吐出電極18に印加した際に、吐出電極18の周囲の電位がガード電極20により一定に保たれているため、吐出部での電位勾配が急峻になるためと考えられる。
【0034】
本発明に係る静電式インクジェットヘッドは、基本的に以上のように構成される。以下、図1に示すインクジェットヘッド10の動作を代表例として、本発明の静電式インクジェットヘッドの作用を説明する。
図1に示すインクジェットヘッド10では、記録時に、図示しないポンプ等を含むインク循環機構により、吐出電極18に印加される電圧と同極性、例えば、正(+)に帯電した微粒子成分を含むインクQが、インク流路30の内部を図1中矢印a方向に、すなわち右側から左側へ向かって循環される。この時、対向電極24に静電吸着された記録媒体Pは、逆極性、すなわち負の高電圧、例えば−1500Vに帯電されている。また、浮遊導電板22は、絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされている。
【0035】
ここで、吐出電極18にパルス電圧が印加されていないか、または、印加されているパルス電圧が低電圧レベル(0V)である時、吐出電極18と対向電極24(記録媒体P)との間の電圧(電位差)は、例えばバイアス電圧分の1500Vで、インクガイド14の先端部分14a近傍の電界強度が低く、インクQは、インクガイド14の先端部分14aからは飛び出さず、すなわち、インク液滴Rとして吐出されない。しかし、この時、インク流路30内のインクQの一部、特にインクQ内に含まれる帯電微粒子成分は、泳動現象および毛細管現象などによって、絶縁性基板16の貫通孔28を通って、図1中矢印b方向に、すなわち絶縁性基板16の下側からその上側へ向かって上昇し、インクガイド14の先端部分14aに供給される。
【0036】
一方、吐出電極18に高電圧レベル(例えば、400〜600V)のパルス電圧が印加されると、吐出電極18と対向電極24(記録媒体P)との間の電圧(電位差)は、例えば、バイアス電圧分の1500Vにパルス電圧分の400〜600Vが重畳され、1900V〜2100Vとなって高くなるため、インクガイド14の先端部分14a近傍の電界強度が高くなる。この時、インクガイド14に沿って上昇し、絶縁性基板16の上方の先端部分14aに上昇したインクQ、特にインクQ内に濃縮した帯電微粒子成分は、静電力によってインクガイド14の先端部分14aから、帯電微粒子成分を含むインク液滴Rとして飛び出し、例えば−1500Vにバイアスされている対向電極24(記録媒体P)に引っ張られて、記録媒体P上に付着する。
【0037】
ここで、本発明においては、吐出電極18の記録媒体P側において、各吐出電極18の間に、接地されて0Vとされたガード電極20が配置されており、ガード電極20の吐出電極18を囲む孔径Gは、吐出電極18の内径D1よりも大きく、外径D2よりも小さい範囲になっているので、自己の電界を弱めることなく、隣接する吐出電極18の電界はガード電極20により遮蔽されて、その影響を被ることがないので、インク滴Rを正確な方向に飛翔させ、記録媒体Pに正確な記録を行うことができる。
以上のようにして、インクジェットヘッド10と対向電極24上に支持された記録媒体Pとを相対的に移動させながら、画像データに応じたインク吐出によって記録媒体Pにドットを形成して記録を行うことにより、記録媒体Pに画像データに対応する画像を記録することができる。
【0038】
なお、上述した静電式インクジェットヘッド10は、絶縁性基板16の図中上面に、円形電極などの1層電極構造の吐出電極18を配置するものであるが、本発明はこれに限定されず、吐出電極18を絶縁性基板16の上下面に配置する2層電極構造で構成しても良い。
図5(a)に、本発明の別の実施形態の2層電極構造の吐出電極を持つ静電式インクジェットヘッド41の概略を示す。
図5(a)に示すインクジェットヘッド41は、絶縁性基板16の図中下面に各個別電極毎に円形電極からなる第2駆動電極44を有し、さらにその図中下方に絶縁層34cを備えている点を除いて、図1に示すインクジェットヘッド10と同様な構成を有するものであるので、同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明は省略し、主として、相違点について説明する。
【0039】
図5(a)に示すインクジェットヘッド41においては、吐出電極18は、絶縁性基板16を挟むように、図中上面に配置される円形電極からなる第1駆動電極18aと下面に配置される円形電極からなる第2駆動電極44とを備える2層電極構造である。ここで、第1駆動電極18aは、絶縁性基板16の貫通孔58を囲むように、各個別電極毎にリング状に設けられている。そして、図5(b)に示すように、行方向(主走査方向)に配置された複数の第1駆動電極18aは相互に接続される。一方、第2駆動電極44は、絶縁性基板16の貫通孔58を囲むように、各個別電極毎にリング状に設けられている。そして、図5(b)に示すように、列方向(副走査方向)に配置された複数の第2駆動電極44は相互に接続される。
【0040】
記録時には、本実施形態の場合、第1駆動電極18aが1行ずつ順番に高電圧レベルまたはハイインピーダンス状態(オン状態)とされ、残りの全ての第1駆動電極18aは接地レベル(接地状態:オフ状態)に駆動される。また、第2駆動電極44が、画像データに応じて列単位で高電圧レベルまたは接地レベルに駆動される。なお、別の実施形態として、第1および第2駆動電極18aおよび44を逆の状態に駆動してもよい。
【0041】
図5に示すように、第1および第2駆動電極18aおよび44は、2層電極構造に構成され、マトリクス状に配置される。これらの第1および第2駆動電極18aおよび44によって、各々の個別電極におけるインクの吐出/非吐出が制御される。すなわち、第1駆動電極18aが高電圧レベルまたはフローティング状態で、かつ第2駆動電極44が高電圧レベルの場合にはインクが吐出し、第1駆動電極18aまたは第2駆動電極44の一方が接地レベルの場合にはインクは吐出しない。
【0042】
図5(b)は、第1および第2の駆動電極18aおよび44の配置を表す一実施例の概念図である。同図に示すように、例えばインクジェットヘッド41が15個の個別電極を備える場合、15個の個別電極は、主走査方向の1行当り5個(1,2,3,4,5)ずつ並べられ、かつ副走査方向に3行(A,B,C)に配置される。記録時には、同一行に配置された5個の第1駆動電極18aは同時かつ同一電圧レベルに駆動される。同様に、同一列に配置された3個の第2駆動電極44は同時かつ同一電圧レベルに駆動される。
【0043】
従って、本実施形態の静電式インクジェットヘッド41においては、複数の個別電極を行方向および列方向に対して2次元的に配置することができる。
例えば、図5(b)に示すインクジェットヘッドの場合、第1駆動電極18aのA行の5個の個別電極は、行方向に対して所定の間隔を離して配置される。B行およびC行についても同様である。また、B行の5個の個別電極は、A行に対して、列方向に所定の間隔を離して、かつ、行方向に対して、それぞれA行の5個の個別電極とC行の5個の個別電極との間に配置される。同様に、C行の5個の個別電極は、B行に対して、列方向に所定の間隔を離して、かつ、行方向に対して、それぞれB行の5個の駆動電極とA行の5個の駆動電極との間に配置される。
【0044】
このように、第1駆動電極18aの各行に含まれる個別電極をそれぞれ行方向にずらして配置することにより、記録媒体Pに記録される1行を、行方向に3分割している。
すなわち、記録媒体Pに記録される1行は、行方向に対して、第1駆動電極18aの行数に相当する複数のグループに分割され、時分割で順次記録される。例えば、図5(b)に示す例の場合、第1駆動電極18aのA,B,C行を順次記録することにより、記録媒体P上に1行分の画像が記録される。この場合、上記のように、記録媒体Pに記録される1行は行方向に3分割され、時分割により順次記録が行われる。
【0045】
図6、図7(a)および(b)に、図5の静電式インクジェットヘッド41の概略構成をさらに具体化して示す。図6は、本実施形態のインクジェットヘッドの一実施例の模式的斜視図であり、図7(a)は、図6に示すインクジェットヘッドの模式的断面図であり、図7(b)は、図7(a)のVII −VII 線矢視図である。
【0046】
図6、図7(a)および(b)に示すインクジェットヘッド41において、絶縁性基板16を挟むように、図中上面に配置され、 絶縁性基板16に穿孔された貫通孔58を囲むように各個別電極毎にリング状に設けられた円形電極からなる第1駆動電極18aと下面に配置され、絶縁性基板16の貫通孔58を囲むように各個別電極毎にリング状に設けられた円形電極からなる第2駆動電極44とを備える2層電極構造の吐出電極18と、 第2駆動電極44の下方(下面)を覆う絶縁層34cと、第1駆動電極18aの上方に絶縁層34aを介して配置されるシート状のガード電極20と、ガード電極20の上面を覆う絶縁層34bとを備えている。ここで、行方向(主走査方向)に配置された複数の第1駆動電極18aは相互に接続され、列方向(副走査方向)に配置された複数の第2駆動電極44は相互に接続される。
【0047】
また、貫通孔58は、絶縁性基板16の下方の絶縁層34cならびに上方の34aおよび34bをも貫通して穿孔されている。すなわち、貫通孔58は、絶縁層34c、絶縁性基板16ならびに絶縁層34aおよび34bの積層体を貫通する。この貫通孔58には、 絶縁層34c側からインクガイド14が挿入され、 インクガイド14の先端部分14aは、絶縁層34bから突出している。なお、図示例においては、 インクガイド14の先端部分14aは、インク案内溝が形成されていないが、 インクQおよびインクQ内の帯電微粒子成分の先端部分14aへの濃縮を促進するために、形成しても良い。
【0048】
本実施形態において、ガード電極20は、金属板などの各個別電極に共通なシート状の電極であり、2次元的に配列されている各個別電極毎の貫通孔58の周囲に形成された第1駆動電極18aに相当する部分が穿孔されている(図7(a)および(b)参照)。そして、ガード電極20の貫通孔58を囲む孔径Gは、第1駆動電極18aの内径D1よりも大きく、外径D2よりも小さい範囲とされている。
【0049】
ところで、ガード電極20の図中上側は、貫通孔58を除いて絶縁層34bによって覆われ、ガード電極20と第1駆動電極18aとの間には、絶縁層34aが介在し、両電極20と18aとを絶縁している。すなわち、ガード電極20は、絶縁層34bと絶縁層34aとの間に配置され、第1駆動電極18aは、絶縁層34aと絶縁性基板16との間に配置される。
すなわち、図8(b)に示すように、絶縁性基板16の上面には、従って、絶縁層34aと絶縁性基板16との間(図7参照)には、各個別電極毎の貫通孔58の周囲に形成された第1駆動電極18aが2次元的に配列されており、列方向の複数の第1駆動電極18aが相互に接続されている。
【0050】
また、図8(c)に示すように、絶縁層34cの上面には、従って、絶縁性基板16の下面には、すなわち、絶縁層34cと絶縁性基板16との間には(図7参照)、各個別電極毎の貫通孔58の周囲に形成された第2駆動電極44が2次元的に配列されており、行方向の複数の第2駆動電極44が相互に接続されている。
また、本実施形態において、各個別電極の吐出電極(駆動電極)18、例えば第1および第2駆動電極18aおよび44からのインク流路30方向への反発電界を遮蔽するために、第1および第2駆動電極18aおよび44の流路側にシールド電極を設置しても良い。
【0051】
記録時には、図5の場合と同様に、第1駆動電極18aが1行ずつ順番に高電圧レベルまたはハイインピーダンス状態(オン状態)とされ、残りの全ての第1駆動電極18aは接地レベル(接地状態:オフ状態)に駆動される。また、第2駆動電極44が、画像データに応じて列単位で高電圧レベルまたは接地レベルに駆動される。なお、別の実施形態として、第1および第2駆動電極18aおよび44を逆の状態に駆動してもよい。
【0052】
上述したように、第1および第2駆動電極18aおよび44は、2層電極構造に構成され、マトリクス状に配置される。これらの第1および第2駆動電極18aおよび44によって、各々の個別電極におけるインクの吐出/非吐出が制御される。すなわち、第1駆動電極18aが高電圧レベルまたはフローティング状態で、かつ第2駆動電極44が高電圧レベルの場合にはインクが吐出し、第1駆動電極18aまたは第2駆動電極44の一方が接地レベルの場合にはインクは吐出しない。
【0053】
なお、本実施形態では、画像信号に応じて、第1および第2駆動電極18aおよび44にパルス電圧を印加し、両電極ともに高電圧レベルとなった時に、インク吐出を行うようにしても良い。
例えば、図9に示すインクジェットヘッド41において、例えばインクQ中の微粒子成分の帯電は正極(+)である、すなわち正荷電粒子であるとした時、インクジェットヘッド41のインク流路30内にインクQを矢印a方向に循環させ、個別電極のインクガイド14の先端部分14aから吐出されたインクQ(インク液滴)中の正荷電粒子が記録媒体Pに引き付けられるような電界、すなわち飛翔電界を第1および第2駆動電極18aおよび44と、記録媒体Pとの間に形成する。例えば、インクガイド14の先端部分14aと記録媒体Pとの間の間隔(ギャップ)は、200〜1000μmとされるが、ギャップが500μmの時に、1kV〜2.5kVの電位差を設けることにより、飛翔電界を形成する。
さらに、浮遊導電板22には、第1または第2駆動電圧18aまたは44に印加された平均電圧により、この平均電圧より低い電圧の誘導電圧がほぼ定常的に生じるため、インクリザーバとして機能するインク流路30内のインクQ中の正電荷粒子が上方に引き付けられるような電界(以下、例えば、泳動電界とする)を形成し、インク流路30の上部にインクQ中の正電荷粒子を偏在させる。例えば、インク流路30の厚み数mmに対して数百V程度の電位差を設けて、泳動電界を形成する。
【0054】
例えば、図9に示すインクジェットヘッド41において、記録媒体Pを−1.5kVの負の高電圧に帯電させ(または、対向電極24を−1.5kVにバイアスし)、第1および第2駆動電極18aおよび44を共に0V(接地状態)として、飛翔電界を形成し、ガード電極20は0V(接地状態)とする。
この時、インクQは、電気泳動現象および毛細管現象によって、インク流路30から貫通孔58とインクガイド14の間を上昇し、先端部分14aに集まる。先端部分14aに集まったインクQは、先端部分14aで、またはインクQの表面張力等で押し留められ、インクQ中の正荷電粒子は、高濃度化する。
【0055】
次に、図10にように、画像信号に応じて、第1および第2駆動電極18aおよび44にパルス電圧、例えば、共に+400〜600Vを印加し、正荷電粒子濃度の高まったインク液滴Rがインクガイド14の先端部分14aから吐出される。例えば、初期粒子濃度が3〜15%の場合、吐出インク液滴Rの粒子濃度は30%以上であるのが好ましい。なお、パルス電圧のパルス幅は、特に制限的ではないが、例えば、数十μs〜数百μsとすることができる。また、記録媒体Pに記録されるドット径は、パルス電圧の大きさまたは印加時間に依存するので、これらを調整することにより、ドット径も調整することができる。
この時、本実施形態においても、第1駆動電極18aの内径に対するインクガイド14の先端部分14aの突起量の比は、適正な限定範囲内に収められているので、第1および第2駆動電極18aおよび44と記録媒体Pとの間の飛翔電界も適正に調整することができ、第1および第2駆動電極18aおよび44に適正なパルス電圧を印加した場合にのみ、インク吐出を確実かつ安定的に起こすことができる。また、図示例においては、第1および第2駆動電極18aおよび44のマトリックス駆動により、ドライバの数を減らすことができる。
すなわちインク滴吐出が起こらない状態では、記録媒体に向かう吸引電界が、1.5×10V/m以下、より好ましくは1.0×10V/m以下の範囲に収まるようにし、吐出が起こる状態では、記録媒体に向かう吸引電界が、2.0×10V/m以上、より好ましくは2.5×10V/m以上の範囲になるように設定する。
【0056】
なお、本実施形態のインクジェットヘッド41においては、第1駆動電極18aまたは第2駆動電極44のどちらで、または両方で、インク吐出/非吐出の制御を行うかは特に制限的ではないが、第1駆動電極18aまたは第2駆動電極44の一方が接地レベルの場合にはインクQが吐出せず、第1駆動電極18aがハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2駆動電極44が高電圧レベルの場合にだけインクQが吐出するようにするのが良い。
【0057】
ところで、本実施形態のインクジェットヘッド41においては、図示例のように、ガード電極20を隣接する第1駆動電極18aの間に設けているが、本発明はこれに限定されず、第1および第2駆動電極18aおよび44をマトリックス駆動する場合には、例えば、下層の第2駆動電極44を1列毎に順次駆動し、画像データに応じて、上層の第1駆動電極18aを駆動するようにする場合には、第1駆動電極18aの各行の間ににのみガード電極を設けるようにしても良い。このような場合にも、ガード電極20は、そのインクガイド14に臨む内縁部が、第1駆動電極18aのインクガイド14に望む内縁部よりインクガイド14から後退し、かつ、第1駆動電極18aの外縁部よりインクガイド14側に前進している位置にあるように、配置されれば良い。そして、記録時にガード電極20を所定のガード電位、例えば接地レベル等にバイアスすることにより、自己の電界を弱めることなく、隣接する吐出部の電界は遮蔽してその影響を排除することができる。
【0058】
なお、上記の各実施例において、吐出電極18(第1駆動電極18a、第2駆動電極44)の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。いずれの場合にも、ガード電極20は、そのインクガイド14に臨む内縁部が、吐出電極18のインクガイド14に望む内縁部よりインクガイド14から後退し、かつ、吐出電極18の外縁部よりインクガイド14側に前進している位置にあるように、配置されれば良い。
【0059】
さらに、本実施形態のインクジェットヘッド41においては、インク流路30の底面を構成すると共に、第1駆動電極18aおよび第2吐出電極44に印加されたパルス状の吐出電圧によって定常的に生じる誘導電圧により、インク流路30内の正に帯電したインク粒子(荷電粒子、すなわち帯電微粒子成分)を上方へ向けて(すなわち記録媒体P側に向けて)泳動させる浮遊導電板22が設けられている。また、浮遊導電板22の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することを防止する。絶縁性被覆膜の電気抵抗は、1012Ω・cm以上が望ましく、より望ましくは1013Ω・cm以上である。また、絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性であることが望ましく、これにより浮遊導電板22がインクに腐食されることが防止される。また、浮遊導電板22は、下方から絶縁部材で覆われており、このような構成により、浮遊導電板22は、完全に電気的絶縁浮遊にされている。
浮遊導電板22は、ヘッドの1ユニットにつき1個以上である(例えば、C、M、Y、Kの4つのヘッドがあった場合、浮遊導電板数は最低各1個づつ有し、CとMのヘッドユニット間で共通の浮遊導電板とすることはない)。
【0060】
なお、上述した2層電極構造の吐出電極を持つ静電式インクジェットヘッドの各実施例では、対向電極(記録媒体P)を例えば−2.1Vに帯電し、第1駆動電極および第2駆動電極の何れか一方または両方が負の高電圧(例えば−600V)の時にはインクが吐出せず、第1駆動電極および第2駆動電極の両方が接地レベル(0V)の場合にだけインクが吐出するようにしても良い。
【0061】
なお、本発明において、インク流路30に入れるインクQは、粒径0.1〜5μm程度の着色荷電粒子(着色帯電微粒子成分)をキャリア液中に分散したものを用いる。なお、インクQ中には、着色荷電粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜含有させてもよい。キャリア液は、高い電気抵抗率(10Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であることが要求される。仮に、電気抵抗率の低いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまうため、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度が高められず、濃縮がおこらない。また、電気抵抗率の低いキャリア液は、隣接する記録電極間で電気的導通を生じさせる懸念もあるため、本形態には不向きである。
【0062】
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、誘電性液体中の荷電粒子に有効に電界が作用され、泳動が起こりやすくなる。
なお、このような誘電性液体の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。
誘電性液体の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
【0063】
本発明に用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
【0064】
上記の誘電性液体(非水溶媒)中に、分散される着色粒子は、色材自身を分散粒子として誘電性液体中に分散させてもよいし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
【0065】
インク中に分散されたインク粒子の含有量(着色粒子および/または樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクと記録媒体表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均−な分散液が得られにくくなったり、吐出ヘッドでのインクの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
【0066】
色剤として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
【0067】
色剤として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましい。
【0068】
また、誘電性溶媒中に分散された着色粒子および/または樹脂粒子等のインク粒子の平均粒径は、0.1μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
【0069】
なお、インクQ中のインク粒子(分散樹脂粒子および/または着色粒子あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電または負荷電の検電性粒子である。
これらのインク粒子に検電性を付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能である。具体的には、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の検電材料および他の添加剤を用いることで行われる。
【0070】
また、インク組成物として、粘度は0.5〜5mPa・secの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secの範囲である。着色粒子は荷電を有し、必要に応じて電子写真用液体現像剤に用いられている種々の荷電制御剤が使用でき、その荷電量は5〜200μC/gの範囲が望ましく、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化する事もあり、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インク組成物の電気伝導度、σ2は、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインク組成物とすることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
【0071】
一方、インク組成物の電気伝導度σ1は、100〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmの範囲である。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。また、インク組成物の表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
【0072】
なお、本発明においては、従来のインクジェット方式のように、インク全体に力を作用させて、インクを記録媒体に向けて飛翔させるのではなく、主に、キャリア液体に分散させた固形成分である帯電微粒子成分(荷電トナー粒子)に力を作用させて、飛翔させるものである。その結果、普通紙を初めとして、非吸収性のフィルム、例えばPETフィルムなどの種々の記録媒体に画像を記録することができ、また、記録媒体上で、滲みや流動を生じることなく、種々の記録媒体に対して、高画質な画像を得ることができる。
【0073】
次に、本発明の静電式インクジェットヘッドを用いる本発明の静電式インクジェット記録装置および本発明の静電式インクジェット記録方法について説明する。
図11は、本発明の静電式インクジェット記録装置の一実施例の概略全体構成を示す模式図である。
本発明の静電式インクジェット記録装置(以下、インクジェットプリンタという)および記録方法は、搬送手段によって搬送される記録媒体Pに対して、画像形成手段によって、入力された画像データに応じて4色のインク液滴を吐出してインク粒子像を形成し、記録媒体P上に形成されたインク粒子像を定着して、フルカラー画像を記録するものである。
【0074】
同図に示すインクジェットプリンタ60は、記録媒体Pに片面4色印刷を行う装置で、記録媒体Pの搬送手段として、フィードローラ対62、ガイド64、ローラ66a,66b,66c、搬送ベルト68、搬送ベルト位置検知手段69、静電吸着手段70、除電手段72、剥離手段74、定着・搬送手段76およびガイド78を有し、画像形成手段として、吐出ヘッド80、インク循環系82、ヘッドドライバ84、記録媒体位置検出手段86および記録位置制御手段88を有し、さらに、溶媒回収手段として、排出ファン90および溶媒回収装置92を有し、これらの構成要素を内包する筐体61を備える。
【0075】
まず、インクジェットプリンタ60における、記録媒体Pの搬送手段について説明する。
フィードローラ対62は、筐体61の側面に設けられた搬入口61aに隣接して設けられ、図示されないストッカから記録媒体Pを筐体61内に設けられた搬送ベルト68(ローラ66aに支持される部分)に送り込む1対のローラからなる。ガイド64は、フィードローラ対62と搬送ベルト68を支持するローラ66aとの間に設けられ、記録媒体Pを搬送ベルト68に案内する。
【0076】
フィードローラ対62の近傍には、図示しないが、記録媒体Pに付着した塵埃や紙粉等異物を除去する異物除去手段を設けるのが好ましい。異物除去手段としては、公知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法や、ブラシ、ローラー等による接触法によるものの1つあるいは複数を組み合わせて使用すればよい。また、フィードローラ対62を微粘着ローラで構成し、さらにフィードローラ対62のクリーナを設けて、フィードローラ対62による記録媒体Pのフィード時に塵埃・紙粉等の異物の除去を行っても良い。
【0077】
ローラ66a,66b,66cは、搬送ベルト68を張架して移動させるものであり、ローラ66a,66b,66cのうち少なくとも1つは、図示されない駆動源と連結されている。
搬送ベルト68は、吐出ヘッド80から吐出されるインクによって画像が形成される時に記録媒体Pを保持するプラテンとして機能し、記録媒体Pを移動するとともに、画像形成後、定着・搬送手段76まで搬送するためのものである。従って、搬送ベルト68としては、寸法安定性に優れ、耐久性を有する材料で形成される無端ベルトが用いられ、その材料としては、例えば、金属、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、その他の樹脂およびそれらの複合体が用いられる。
【0078】
図示の本実施例においては、記録媒体Pは、静電吸着によって搬送ベルト68上に保持されるので、搬送ベルト68は、記録媒体Pを保持する側(表面)が絶縁性、ローラ66a,66b,66cと接する側(裏面)が導電性を有する構成としている。具体的には、搬送ベルト68は、金属ベルトの表面側にフッ素樹脂コートを行ったものである。また、図示例においては、ローラ66aは導電性ローラとされ、搬送ベルト68の裏面(金属面)は、ローラ66aを介して接地されている。
すなわち、搬送ベルト68は、記録媒体Pを保持するとき、図1に示す導電性電極基板24aと絶縁シート24bからなる対向電極24として機能するものである。
【0079】
なお、搬送ベルト68としては、これ以外にも、金属ベルトに上記のいずれかの樹脂材料でコーティングする方法、接着材等で樹脂シートと金属ベルトを張り合わせる方法、上記の樹脂から成るベルトの裏面に金属蒸着する方法等、各種の方法により作製された、金属層を有するベルトが好適に使用される。
また、搬送ベルト68の記録媒体Pに接する表面は平滑であるのが好ましく、これにより、記録媒体Pの良好な吸着性が得られる。
【0080】
なお、搬送ベルト68は、公知の方法により蛇行が抑制されているのが好ましい。蛇行抑制の方法としては、例えば、ローラ66cをテンションローラとし、搬送ベルト位置検知手段69の出力、すなわち搬送ベルト68の幅方向の検知位置に応じて、ローラ66cの軸をローラ66aおよびローラ66bの軸に対して傾けることにより、搬送ベルトの幅方向の両端でテンションを変えて蛇行を抑制する方法等が用いられる。また、ローラ66a、66b、66cをテーパ形やクラウン形、あるいはその他の形状とすることで、蛇行を抑制してもよい。
ここで、搬送ベルト位置検知手段69は、上述のように、搬送ベルトの蛇行などを抑制するとともに、画像記録時の記録媒体Pの副走査方向の位置を所定位置に規制するために、搬送ベルト68の幅方向の位置を検知するもので、フォトセンサ等の公知の検知手段が用いられる。
【0081】
静電吸着手段70は、記録媒体Pを静電力により搬送ベルト68に吸着させて保持すると共に、画像形成のために吐出ヘッド80に対して所定のバイアスを印加するために、記録媒体Pを所定の電位に帯電させるものである。
本実施例においては、静電吸着手段70は、記録媒体Pを帯電させるスコロトロン帯電器70aと、スコロトロン帯電器70aに接続される負の高圧電源70bとを有する。記録媒体Pは、負の高圧電源70bに接続されたスコロトロン帯電器70aにより、負の高電圧に帯電され、搬送ベルト68の絶縁層に静電吸着される。
なお、静電吸着手段70は、図1に示す帯電ユニット26と略同様の構成を有し、記録媒体Pを所定の電位に帯電させる点では、同一の機能を有する。
【0082】
静電吸着手段としては、図示例のスコロトロン帯電器70aに限定されず、他にも、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針等、種々の手段や方法が利用できる。また、後に詳述するように、静電吸着手段70を、ローラ66a,66b,66cの少なくとも1つを導電性ローラとし、あるいは、記録媒体Pへの記録位置において搬送ベルト68の裏面側(記録媒体Pと逆側)に導電性プラテンを配置し、この導電性ローラ、または導電性プラテンを負の高圧電源に接続する構成としても良いし、あるいは搬送ベルト68を絶縁性ベルトとし、導電性ローラは接地し、導電性プラテンを負の高圧電源に接続する構成としても良い。
【0083】
静電吸着手段70は、静電力によって記録媒体Pが浮き上がりの無い状態で搬送ベルト68に静電吸着した後、搬送ベルト68を駆動しながら、記録媒体P表面を均一帯電する。記録媒体Pを帯電する際の搬送ベルト68の搬送速度は、安定に帯電できる範囲であれば良く、画像記録時の搬送速度と同じでも良いし、異なっていても良い。また、記録媒体Pを複数回周回させることによって、同一の記録媒体Pに静電吸着手段を複数回作用させ、均一帯電を行っても良い。
なお、本実施例では、静電吸着手段70で記録媒体Pの静電吸着および帯電を行っているが、静電吸着手段と帯電手段とを別々に設けてもよい。
【0084】
静電吸着手段70によって帯電された記録媒体Pは、搬送ベルト68によって後述する吐出ヘッド80の位置まで搬送される。吐出ヘッド80による画像形成部では、記録媒体Pの帯電電位をバイアスとし、吐出ヘッド80に記録信号電圧が印加され、バイアス帯電電位に記録信号電圧が重畳されることにより、インクジェット(液滴)が吐出され、記録媒体Pに画像が形成される。この際、搬送ベルト68の加熱手段を設け、記録媒体温度を高めることで、吐出ヘッド80から吐出されたインク液滴の印刷媒体上での速やかな定着を促進することができ、滲みをより一層抑制して画質の向上を図ることができる。本発明の記録方法を実施するための吐出ヘッド80による画像記録方法は、後に詳述する。
【0085】
画像が形成された記録媒体Pは、除電手段72により除電され、剥離手段74により搬送ベルト68より剥離されて定着・搬送手段76へ搬送される。
本実施例において、除電手段72は、コロトロン除電器72aと、交流電源72bと、直流高圧電源72cとを有し、直流高圧電源72cの他方の端子は、接地されている。図示例の除電手段72は、コロトロン除電器72aおよび交流(AC)電源72bを用いる、いわゆるACコロトロン除電器を使用しているが、これ以外にも、例えばスコロトロン除電器、固体チャージャ、放電針等の種々の手段や方法などが利用でき、また、上述の静電吸着手段70のように、導電性ローラや導電性プラテンを用いる構成も好適に使用される。また、剥離手段74としては、剥離用ブレード、逆回転ローラ、エアナイフ等公知の技術が利用可能である。
【0086】
搬送ベルト68から剥離された記録媒体Pは、定着・搬送手段76に送られ、インクジェットによって形成された画像が定着される。本実施例においては、定着・搬送手段76としてヒートローラ76aおよび搬送ローラ76bからなるローラ対を用い、記録媒体Pを搬送すると共に、記録媒体Pに形成された画像を接触加熱して定着している。なお、本発明においては、定着手段を搬送ローラ対からなる搬送手段と別々に設け、他の定着手段や定着方法によって定着を行ってもよい。
【0087】
加熱定着としては、上述のヒートロール定着以外に、赤外線またはハロゲンランプやキセノンフラッシュランプによる照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着等の一般的な加熱定着を挙げることができる。
なお、加熱定着の場合、記録媒体Pとして、コート紙やラミネート紙を用いた場合には、急激な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し紙表面に凹凸が発生する、ブリスターと呼ばれる現象が生じるため、これを防止するために、複数の定着器を配置し、紙が徐々に昇温するように、各定着器の電力供給および記録媒体Pまでの距離の一方または両方を変えるのが好ましい。
【0088】
なお、少なくとも吐出ヘッド80からのインクジェットによる画像形成から、定着・搬送手段76による定着までの行程では、記録媒体Pの画像形成面には何も接触しないように保たれることが望ましい。
定着・搬送手段76における定着の際の記録媒体Pの移動速度には、特に制限的では無く、画像形成時の搬送ベルト68による搬送速度と同じであっても良いし、異なっていても良い。画像形成時の搬送速度と異なる場合には、定着・搬送手段76の直前に記録媒体Pの速度バッファを設けるのも好ましい。
画像が定着された記録媒体Pは、ガイド78に案内されて図示されない排紙ストッカーに排紙される。
【0089】
次に、インクジェットプリンタ60における画像形成(描画)手段および画像記録方法について説明する。
上述したように、インクジェットプリンタ60の画像形成手段は、インクジェットを吐出する吐出ヘッド80、吐出ヘッド80にインクの供給および回収を行うインク循環系82、図示されないコンピュータ、RIP(Raster Image Processor)等の外部機器からの出力画像信号により吐出ヘッド80を駆動するヘッドドライバ84、記録媒体Pにおける画像形成(記録)位置を決定するために記録媒体Pを検出する記録媒体位置検出手段86、および吐出ヘッド80の位置を制御する記録位置制御手段88により構成される。
【0090】
図12は、吐出ヘッド80および記録位置制御手段88と、その周辺の記録媒体Pの搬送手段を模式的に示す斜視図である。
吐出ヘッド80は、フルカラー画像の記録を行うためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色の吐出ヘッド80aを有し、ヘッドドライバ84からの信号に従って、インク循環系82によって供給されるインクをインク液滴として吐出して、搬送ベルト68によって所定速度で搬送されている記録媒体Pに画像を形成(記録)する。各色の吐出ヘッドは、搬送ベルト68の搬送方向に配列されている。吐出ヘッド80の各色の吐出ヘッド80aは、本発明の静電式インクジェットヘッド10によって構成される。
【0091】
吐出ヘッド80としては、各色につき複数のノズル(各ノズルは、1つのインク滴を吐出する1単位の吐出ヘッドに対応する)が所定の間隔で記録媒体Pの搬送方向と直交する方向(幅方向)に配列されたマルチチャンネルヘッド、あるいは各色のノズルが記録媒体Pの幅方向全域に配列されたフルラインヘッドが使用できる。
図示例のインクジェットプリンタ60は、吐出ヘッド80に対して、搬送ベルト68によって記録媒体Pを搬送することによって主走査を行う。図示例のインクジェットプリンタ60では、このような構成とすることで、市販のインクジェットプリンタのように、吐出ヘッドをシリアルスキャンする場合に比べて、高速での画像形成(描画)が可能となる。
【0092】
吐出ヘッド80として、マルチチャンネルヘッドを用いた場合には、搬送ベルト68に記録媒体Pを保持させた状態で、搬送ベルト68を回転させることにより、吐出ヘッド80に対して、記録媒体Pを搬送して主走査を行うとともに、吐出ヘッド80を搬送ベルト68の幅方向に連続的または回転毎に逐次的(間欠的)に移動させて副走査を行うことによって、記録媒体P上に画像が形成される。従って、記録媒体Pの全面に画像が形成されるためには、記録媒体Pを担持した状態で搬送ベルト68が複数回回転する、すなわち複数回主走査が行われる。なお、この場合の吐出ヘッド80の副走査方法は、吐出ヘッド80のノズル密度と描画解像力の関係、インターレースの方法等により選択されれば良い。
【0093】
また、吐出ヘッド80として、フルラインヘッドを用いた場合には、搬送ベルト68に記録媒体Pを保持させた状態で、吐出ヘッド80に対して記録媒体Pを搬送し、1回通過させる、すなわち1回の走査を行うのみで、記録媒体Pの全面に画像が形成される。
こうして、マルチチャンネルヘッドまたはフルラインヘッドを用いる吐出ヘッド80によって記録媒体Pの全面に形成された画像は、記録媒体Pが定着・搬送手段76によって挟持搬送されることにより、定着・搬送手段76によって定着される。
【0094】
なお、上述した実施例では、マルチチャンネルヘッドを用いる吐出ヘッド80に対して、搬送ベルト68によってその長手方向に記録媒体Pを搬送することによって主走査を行い、搬送ベルト68の幅方向、すなわち主走査方向と略直交する方向に吐出ヘッド80を移動させて副走査し、また、フルラインヘッドを用いる吐出ヘッド80に対して、搬送ベルト68によってその長手方向に記録媒体Pを搬送することによって走査して、記録媒体Pの全面を走査しているが、本発明はこれに限定されず、記録媒体Pと吐出ヘッド80とを相対的に移動させて、吐出ヘッド80によって記録媒体Pの全面を走査できれば、どのような走査方法を行っても良い。例えば、搬送ベルト68の幅方向に吐出ヘッド80を移動させて主走査を行い、搬送ベルト68によって記録媒体Pを搬送して副走査を行っても良い。または、吐出ヘッド80を固定したまま、搬送ベルト68をその長手方向に搬送するとともに搬送ベルト68自体をその幅方向に移動させて副走査を行っても良い。もしくは、記録媒体Pを、所定位置の保持手段上に保持し、例えば、所定位置に停止させた搬送ベルト68上に保持して静止させておき、吐出ヘッド80をフルラインヘッドでは1次元的に、マルチチャンネルヘッドでは2次元的に移動させて2次元的に走査を行い、記録媒体Pの全面を走査するようにしても良い。
【0095】
次に、インク循環系82は、吐出ヘッド80の各色の吐出ヘッド80aのインクジェットヘッド41のインク流路30(図3参照)にインク吐出に十分なインクを流すためのもので、4色(C、M、Y、K)の各色のインクタンク、ポンプおよび補給用インクタンク(図示せず)等を有するインク循環装置82aと、インク循環装置82aのインクタンクから吐出ヘッド80の各色の吐出ヘッドのインクジェットヘッド41のインク流路30(図3参照)にそれぞれ各色のインクを(図3中の右側から)供給する各色の配インク管系からなるインク供給路を含むインク供給系82bと、吐出ヘッド80の各色の吐出ヘッドのインクジェットヘッド41のインク流路30(図3中の左側)からインクをインク循環装置82aに回収する各色の配インク管系からなるインク回収路を含むインク回収系82cとを有する。
【0096】
インク循環系82は、インク循環装置82aによって、インクタンクからインク供給系80bを介して吐出ヘッド80に各色毎にインクを供給し、かつ、インク供給系80cを介して吐出ヘッド80から各色毎にインクをインクタンクに回収して循環させることができればどのようなものでも良い。インクタンクは、画像記録用のインクを貯留しており、このインクがポンプにより汲み出されて吐出ヘッド80へ送られる。吐出ヘッド80からインクが吐出されることにより、インク循環系82で循環しているインクの濃度が低下するので、インク循環系82では、インク濃度検出器によってインク濃度を検出し、検出したインク濃度に応じて補給用インクタンクから適宜インクを補充して、インク濃度を所定の範囲に保つのが望ましい。
【0097】
また、インクタンクには、インクの固形成分の沈殿・濃縮を抑制するための攪拌装置や、インクの温度変化を抑制するためのインク温度管理装置が備えられるのが好ましい。この理由は、温度管理をしないと、環境温度の変化等によりインク温度が変化して、インクの物性が変化することによりドット径が変化し、高画質な画像が安定して形成できなくなる可能性があるからである。
攪拌装置としては回転羽、超音波振動子、循環ポンプ等が使用できる。
インクの温度制御装置としては吐出ヘッド80、インクタンク、配インク管系等に、ヒータやペルチェ素子等の発熱素子または冷却素子を配し、温度センサ、例えばサーモスタットにより制御する方法等、公知の方法が使用できる。温度制御装置をインクタンク内に配置する場合には、温度分布を一定にするように攪拌装置と共に配するのがよい。また、タンク内の濃度分布を一定に保つための攪拌装置は、インクの固形成分の沈澱・濃縮の抑制するための攪拌装置と共用しても良い。
【0098】
ヘッドドライバ84は、外部装置から画像データを受け取り、種々の処理を行うシステム制御部(図示せず)から画像データを受け取り、その画像データに基づいて吐出ヘッド80を駆動する。このシステム制御部は、コンピュータやRIP、画像スキャナ、磁気ディスク装置、画橡データ伝送装置等の外部装置から受け取った画像データを色分解すると共に、分解されたデータに対して適当な画素数、階調数に分割演算し、スクリーニング処理、網点面積率の演算を行って、ヘッドドライバ84が吐出ヘッド80(インクジェットヘッド41)を駆動するための、画像データに応じたヘッド駆動データである。
【0099】
また、システム制御部は、搬送ベルト68による記録媒体Pの搬送タイミングに合わせた吐出ヘッド80(記録位置制御手段88)の移動、および、吐出ヘッド80によるインクの吐出タイミングの制御を行う。吐出タイミングの制御は、記録媒体位置検出手段86の出力や、搬送ベルト68または搬送ベルト68の駆動手段へ配置したエンコーダやフォトインタプリッタからの出力信号を利用して行われる。
記録媒体位置検出手段66は、吐出ヘッド80によるインク液滴の吐出位置に搬送されてくる記録媒体Pを検出するためのもので、フォトセンサ等の公知の検出手段を用いることができる。
【0100】
記録位置制御手段88は、吐出ヘッド80を載置・固定して、搬送ベルト68の幅方向に移動させ、記録媒体Pへの幅方向の画像形成位置を調整するものである。すなわち、記録位置制御手段88は、記録媒体Pの所定の位置に画像を形成するための微調整、および、吐出ヘッド80としてマルチチャンネルヘッドを用いた場合の副走査のために、搬送ベルト位置検知手段69が検知した搬送ベルト68の位置と、ヘッドドライバ84からの画像信号とに応じて、吐出ヘッド80を移動させるものである。
【0101】
次に、インクジェットプリンタ60における溶媒回収手段について説明する。
インクジェットプリンタ60は、溶媒回収手段として、排出ファン90および溶媒回収装置92を有し、吐出ヘッド80から記録媒体P上に吐出された帯電微粒子成分およびこれを分散させる分散溶媒を含むインク液滴から蒸発する、特にインク液滴によって形成された画像を定着する際に記録媒体Pから蒸発する分散溶媒を回収する。
排出ファン90は、インクジェットプリンタ60の筐体11内部の空気を吸い込んで溶媒回収装置92へ送るためのものである。
溶媒回収装置92は、溶媒蒸気吸収材を備えており、排出ファン90によって吸い込まれた溶媒蒸気を含む気体の溶媒成分をこの溶媒蒸気吸収材に吸着し、溶媒が吸着回収された後の気体をインクジェットプリンタ60の筐体11外に排出する。溶媒蒸気吸収材としては、各種の活性炭などが好適に使用される。
【0102】
上記では、C、M、Y、Kの4色のインクを用いてカラー画像を記録する静電式インクジェット記録装置について説明したが、本発明はこれには制限されず、モノクロ用の記録装置であってもよいし、他の色、例えば淡色や特色のインクを任意の数だけ用いて記録するものであってもよい。その場合は、インク色数に対応する数の吐出ヘッド80およびインク循環系82が用いられる。
【0103】
また、上記の例ではいずれも、インク中の着色荷電粒子を正帯電させ、記録媒体あるいは記録媒体の背面の対向電極を負の高電圧にして、吐出したインクジェットによって画像記録を行うインクジェット式記録装置について説明したが、本発明はこれには限定されず、逆に、インク中の着色荷電粒子を負に帯電させ、記録媒体または対向電極を正の高電圧にして、インクジェットによる画像記録を行っても良い。このように、着色荷電粒子の極性を上記の例と逆にする場合には、静電吸着手段、対向電極、静電式インクジェットヘッドの駆動電極への印加電圧極性等を上記の例と逆にすれば良い。
【0104】
また、本発明の静電式インクジェットヘッドおよび記録装置は、帯電した色材成分を含むインクを吐出するものに限定されるものではなく、荷電粒子を含む液体を吐出させる液体吐出ヘッドであれば特に制限されず、例えば、上記静電式インクジェット記録装置の他に、帯電粒子を利用して液滴を吐出して対象物を塗布する塗布装置に適用することができる。
【0105】
以上、本発明に係る静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法について、種々の実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記種々の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、吐出電極の記録媒体側にガード電極を配し、自チャンネルへの電気力線は確保しつつ、他チャンネルからの電気力線を効率よく遮蔽する構造としたので、吐出部が高密度に配置されたマルチチャンネルヘッドにおいても、自チャンネルの電界を弱めることなく、他チャンネルの電界の影響を抑制でき、他チャンネルの稼動状態による吐出インク滴のサイズおよびインク滴の飛翔方向への影響がなく、記録ドット径および着弾位置の変動が防止され、高解像度の記録を高精度で行うことのできる静電式インクジェットヘッドを提供することができる。
また、本発明によれば、上述した効果を持つ静電式インクジェットヘッドを用いるので、記録媒体に高画質な画像を記録することができる静電式インクジェット記録装置および記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電式インクジェットヘッドの一実施例の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ図1のA−A線およびB−B線矢視図である。
【図3】図1のインクジェットヘッド10を構成する2つの吐出部の概略構成を示す模式的断面図である。
【図4】図3に示すインクジェットヘッド10におけるガード電極の寸法形状と電界強度および着弾位置ズレ量との関係を示すグラフである。
【図5】(a)は、本発明に係る静電式インクジェットヘッドの個別電極の他の実施例の概略構成を示す模式的斜視図であり、(b)は、(a)に示す個別電極に用いられる第1および第2駆動電極の配置を表す一実施例の模式的斜視図である。
【図6】本発明に係る静電式インクジェットヘッドの他の実施例の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図7】(a)は、図6に示すインクジェットヘッドの概略構成を示す模式的断面図であり、(b)は、(a)のVII −VII 線切断面図である。
【図8】(a)、(b)および(c)は、それぞれ図7(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。
【図9】図6に示すインクジェットヘッドの作用を説明するための概念図である。
【図10】図6に示すインクジェットヘッドの記録動作を説明するための概念図である。
【図11】本発明のインクジェット式記録装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図12】吐出ヘッドとその周辺の記録媒体搬送手段を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10、41 インクジェットヘッド
12 ヘッド基板
14 インクガイド
14a 先端部分
16 絶縁性基板
18 吐出電極
18a 第1駆動電極
20 ガード電極
22 浮遊導電板
24 対向電極
24a 電極基板
24b 絶縁シート
26 帯電ユニット
26a スコロトロン帯電器
26b バイアス電圧源
28、58 貫通孔
30 インク流路
32 信号電圧源
34a、34b、34c 絶縁層
36 開口部
44 第2駆動電極
60 インクジェットプリンタ
62 フィードローラ
64 ガイド
66a、66b、66c ローラ
68 搬送ベルト
69 搬送ベルト位置検知手段
70 静電吸着手段
72 除電手段
74 剥離手段
76 定着・搬送手段
78 ガイド
80、80a 吐出ヘッド
82 インク循環系
84 ヘッドドライバ
86 記録媒体位置検出手段
88 記録位置制御手段
90 排出ファン
92 溶媒回収装置
P 記録媒体
Q インク
R インク液滴

Claims (5)

  1. 帯電した微粒子を含むインクを静電力を利用して吐出させて記録媒体に画像を記録する静電式インクジェットヘッドであって、
    その先端部分が前記記録媒体側に向いている複数のインクガイドと、
    前記インクガイドにインクを供給するインク流路と、
    各前記インクガイドの外周を囲うように離間して配置される囲繞電極からなり、前記インク流路から前記インクガイドの先端部分に導かれたインクを静電力で吐出させるための吐出電極と、
    前記吐出電極の前記記録媒体側において、前記インクガイドの間に、前記インクガイドから離間して設けられるガード電極とを有し、
    前記ガード電極の、前記インクガイドに臨む内縁部が、前記吐出電極の、前記インクガイドに臨む内縁部より前記インクガイド側から後退し、前記吐出電極の外縁部より前記インクガイド側に前進している位置にあることを特徴とする静電式インクジェットヘッド。
  2. 前記ガード電極の内縁部の、前記吐出電極の内縁部からの後退量は、10μm以上であり、前記吐出電極の外縁部からの前進量は、5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電式インクジェットヘッド。
  3. 前記吐出電極は、円形電極であり、
    前記ガード電極は、前記インクガイドに対応して円形の開口部を有するシート状電極であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電式インクジェットヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の静電式インクジェットヘッドと、
    前記記録媒体を保持する手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対的に移動させる手段と、
    前記吐出電極と前記記録媒体の間に所定のバイアス電圧を印加する手段と、
    前記ガード電極に所定のガード電圧を印加する手段と、
    前記記録媒体に記録すべき前記画像に応じて、前記吐出電極に所定の吐出電圧を印加する手段とを有することを特徴とする静電式インクジェット記録装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の静電式インクジェットヘッドの前記吐出電極と前記記録媒体の間に所定のバイアス電圧を印加しておき、
    前記ガード電極に所定のガード電圧を印加しておき、
    前記インクジェットヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させつつ、
    前記記録媒体に記録するべき前記画像に応じて前記吐出電極に所定の吐出電圧を印加して、
    前記インクジェットヘッドの前記インクガイドの先端部分に濃縮したインクを吐出させ、
    前記記録媒体に前記画像を記録することを特徴とする静電式インクジェット記録方法。
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