JP2004289034A - 酸化亜鉛膜の処理方法、それを用いた光起電力素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶液から電気化学的に析出させた酸化亜鉛膜において、その処理方法によって酸化亜鉛膜の光透過率を損なうことなく電気的に低抵抗な酸化亜鉛膜を得る手段を提供する。
【解決手段】水溶液から電気化学的に析出させた酸化亜鉛膜を、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気において150℃以上400℃以下の温度で加熱処理する。
【選択図】 なし
【解決手段】水溶液から電気化学的に析出させた酸化亜鉛膜を、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気において150℃以上400℃以下の温度で加熱処理する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学的に析出して形成した酸化亜鉛膜の処理方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、さらには酸化亜鉛膜の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素化非晶質シリコン、水素化非晶質シリコンゲルマニウム、水素化非晶質シリコンカーバイト、微結晶シリコン又は多結晶シリコンなどからなる光起電力素子は、長波長における収集効率の向上を図る為に、裏面反射層が用いられてきた。かかる反射層は半導体材料のバンド端に近くその吸収の小さくなる波長、即ち800nmから1200nmで有効な反射特性を示すものが望ましい。この条件を満たすものとして金、銀、銅、アルミニウムといった金属やそれらの合金がある。また、光閉じ込めとして知られる所定の波長範囲で光学的に透明な凹凸の透明導電性層を設けて、反射光を有効に利用して短絡電流密度Jscを改善することが試みられている。更に、前記透明導電性層はシャントパスによる特性低下を防止する。極めて一般的にはこれらの層は、真空蒸着やスパッタといった方法にて成膜され、短絡電流密度の改善を示している。
【0003】
その例として、非特許文献1、非特許文献2などに、銀原子から構成される反射層について反射率とテクスチャー構造について検討されている。これらの例においては、反射層を基板温度を変えて形成した銀の2層堆積とすることで有効な凹凸を形成し、これによって酸化亜鉛層とのコンビネーションにて光閉じ込め効果による短絡電流の増大を達成したとしている。
【0004】
また、特許文献1では、亜鉛イオン0.001mol/l〜0.5mol/l、及び硝酸イオン0.001mol/l〜0.5mol/lを含有する水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜は、膜厚及び組成が均一で、光学的透明性に優れた酸化亜鉛膜が形成されたことが開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、基体上にスパッタ法により第1の酸化亜鉛薄膜を形成する工程と、少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、及び炭水化物を含有してなる水溶液に前記基体を浸漬し、該溶液中に浸漬された電極との間に通電することにより、第2の酸化亜鉛薄膜を前記第1の酸化亜鉛薄膜上に形成する工程とを有する酸化亜鉛薄膜の製造方法では、安価で実施することが可能であり、膜の異常成長が抑制でき、基板密着性に優れた酸化亜鉛薄膜の形成が可能であることが開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜においてその吸着水分によって電気抵抗値が高い値を示し、酸化亜鉛膜を加熱乾燥することでその酸化亜鉛膜の低抵抗化が図れることが開示されている。更に特許文献4では酸化亜鉛膜の膜中に含有する水分量を7.5×10−3mol/cm3以下にすることで酸化亜鉛膜上に半導体層を形成し太陽電池を作製した場合、その光電変換効率において改善が図れることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3273294号公報
【特許文献2】
特開平10−140373号公報
【特許文献3】
特開2001−152390号公報
【特許文献4】
特開2002−237606号公報
【非特許文献1】
「29p−MF−22 ステンレス基板上のa−SiGe太陽電池における光閉じ込め効果」(1990年秋季)第51回応用物理学会学術講演会講演予稿集p747
【非特許文献2】
「P−IA−15a−SiC/a−Si/a−SiGe Multi−Bandgap Stacked Solar Cells With Bandgap Profiling」,Sannomiya et al.,Technical Digest of the International PVSEC−5,Kyoto,Japan,p381,1990
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属層上の酸化亜鉛薄膜上に半導体層を形成し、光起電力素子を作製した場合、裏面反射層としてその反射率向上が更なる光電変換効率向上には不可欠となる。銀、アルミニウム、銅等の薄膜を堆積した基板上に酸化亜鉛膜を堆積したものを光起電力素子の裏面反射層として用いる場合、その光電変換効率、特には短絡電流において向上を図る為には、裏面金属層での光反射を前記金属層上に堆積した酸化亜鉛膜での光吸収を低減し半導体層へより光を反射させることが好ましい。同時に、光起電力素子として酸化亜鉛膜の電気抵抗値を適正化させることがその短絡電流値及びの曲線因子の更なる向上には有効である。特許文献4にて酸化亜鉛膜中に含有する水分を低減することでその電気抵抗値を低抵抗化することが図れるが、その反射率において若干の低下が見られることが指摘されている。
【0009】
また、光起電力素子の光電変換効率の向上(特にその短絡電流)には、裏面反射層の表面性において凸凹を有して光路長を大きくすることが好ましく、その一つの手法としては酸化亜鉛膜の膜厚を大きくすることによる方法が挙げられる。その場合には酸化亜鉛膜中に水分が残存する(膜厚を大きくすることで膜中に存在する水分量は増加すると予測される)ことによる電気抵抗値の上昇及び、後工程(半導体堆積工程)において基板加熱による基板からの水蒸気脱離によってコンタミネーション源となることが危惧される。
【0010】
また、生産工程を顧みた場合、加熱処理工程の処理時間短縮化、大面積基板領域においてその諸特性均一化、処理装置コスト削減を図る必要もある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑み、電気抵抗値の低抵抗化を図りつつ、裏面反射層としてその光反射率を更に向上せしめ、光起電力素子用基板として諸特性が最適な酸化亜鉛膜を、より高い生産性をもって実現することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜(酸化亜鉛膜)を加熱処理する処理方法であって、処理温度が150℃以上400℃以下であり、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気で処理することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の酸化亜鉛膜の処理方法は、更なる好ましい特徴として、
「N2又は不活性ガスに対する酸素分圧比が1%以上10%未満であること」、「処理圧力が5kPa以上50kPa未満であること」、
「不活性ガスがヘリウム、アルゴンのいずれか又はそれらの混成ガスであること」、
「導電性基板が長尺状基板であり、ロール状形態にて加熱処理を行うこと」、
「被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度が2.0℃/min以下であること」、
を含む。
【0014】
本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によれば、酸化亜鉛膜中に含有する水分量を最適な範囲に制御することができる。酸化亜鉛膜中に含有する水分量は好ましくは7.5×10−3mol/cm3以下、更に好ましくは5.0×10−3mol/cm3以下であり、この範囲とすることにより酸化亜鉛膜の電気抵抗の低抵抗化が可能となる。このメカニズムは現状では必ずしも明確になっていないが、加熱処理によって膜中に含まれる酸化亜鉛膜の水分量を減少させることによる全反射率及び乱反射率の低下(酸化亜鉛膜中の酸素欠乏による酸化亜鉛膜透過率の低下と考える)を、加熱処理を酸素を含む不活性ガス雰囲気で処理する、好ましくは酸素分圧比が1%以上10%未満の処理雰囲気で処理することによって酸化亜鉛膜の透過率低下を抑制し、全反射率及び乱反射率の向上を図ることができるものと考えられる。
【0015】
また、加熱処理を長尺状の基板をロール状形態(巻きつけた状態)で処理を行なうことにより、処理装置の簡略化を図り、更には、処理圧力を好ましくは50kPa未満、更に好ましくは5kPa以上50kPa未満に制御することにより、長尺状基板の長手方向に渡って、処理時に発生する酸化亜鉛膜の応力を抑制することで基板が変形することなく均一な処理を行うことができる。
【0016】
また本発明は、上記本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によって加熱処理された酸化亜鉛膜の上に、前記処理温度よりも低い温度で半導体層を形成する工程を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法である。
【0017】
さらに本発明は、水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜を大気圧以下で加熱処理せしめる処理装置であって、処理室内を大気圧以下に排気する為の排気手段と、該析出膜を加熱する為の加熱手段と、酸素を含むN2又は不活性ガスを該処理室内へ導入する為のガス導入手段を有することを特徴とする。
【0018】
上記本発明の酸化亜鉛膜処理方法は、更なる好ましい特徴として、
「前記加熱手段は、被処理体を150℃以上400℃以下に制御する温度制御手段を有すること」、
「前記温度制御手段は、被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度を2.0℃/min以下に制御する機能を有すること」、
「前記排気手段は、処理室内圧力を5kPa以上50kPa未満に制御する圧力制御手段を有すること」、
「前記ガス導入手段は、処理室内に導入するガス中の酸素分圧比を1%以上10%未満に制御するガス分圧制御手段を有すること」、
「前記導電性基板としての長尺状基板をロール状形態にて処理可能なロール支持手段を有すること」、
を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化亜鉛膜の処理方法は、例えば、長尺状の基板上(例えば、SUS430 2D)にスパッタ法によって銀、アルミニウム、銅またはそれらの合金等からなる金属層を形成し、更に該金属層上にスパッタ法によって酸化亜鉛膜を形成し、次いでその基板上に水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜の処理方法として好適に用いることができる。
【0020】
以下に本発明の特徴が及ぼす作用効果について説明する。
【0021】
本発明の特徴は、導電性基板上に水溶液から酸化亜鉛膜を堆積させた基板を熱処理する工程において、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気下で所定の温度範囲で加熱処理することにある。酸化亜鉛膜においてはその作製法如何にかかわらず酸化亜鉛膜中における過剰な水分若しくは吸着酸素がその電気的な特性において、例えば光起電力素子における裏面反射層として用いる場合には弊害を起こすことが特許文献4にて指摘されている。
【0022】
一方、酸化亜鉛膜中の水分は適切な量に制御することにより透過率を向上させることができる。具体的には光起電力素子の裏面反射層として用いる場合には、その反射率を向上させ光電変換効率(特には、その短絡電流)を向上させることができる。
【0023】
本発明は酸化亜鉛膜を加熱処理することで膜中の水分量を削減し、その電気特性を良好なものとし、加熱処理によって低下をみせる反射率特性を向上させるものである。
【0024】
酸化亜鉛膜を加熱処理にすることによってその電気抵抗値が低抵抗化し、またその透過率が減少するメカニズムは現状では必ずしも明確になっていないが、加熱処理によって膜中に存在する水分量が低下することによって、その結合力の弱い酸素−亜鉛結合の酸素が取り除かれ、若干の亜鉛リッチ状態となることで電気特性としては良好なものとなるが、その光透過性は減少するのではないかと考える。
【0025】
一方、本発明による加熱処理方法によると、処理時には選択的に酸化亜鉛膜中の水が脱離し、酸素の脱離反応は抑制される。これは処理雰囲気の極微量の酸素、分圧比において10%未満を処理雰囲気に導入することによって酸素の脱離が抑制される、または、一旦酸素が脱離した部分が再度酸化され、その光透過性が維持できる作用があるものと考えている。これは、一度透過率の低下が起こった酸化亜鉛膜においても、酸素を含む雰囲気にて加熱することで、その透過率が回復するという結果も本発明者は確認しており、酸化による光透過性の向上を説明するものである。
【0026】
次に、本発明の実施形態例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による光起電力素子の代表的な断面模式図である。図中101は基板(支持体)、102は金属層(裏面反射層)、103は六方晶系多結晶からなる酸化亜鉛層、104、105、106は半導体層、107は透明導電層、108は集電電極である。なお、透明基板側から光が入射する構成の場合、基板を除いて各層が逆の順番で形成される。
【0027】
(基板)
基板101としては、金属層または導電性材料をコーティングした樹脂、ガラス、セラミックス等が用いられる。その表面には微細な凸凹を有してもよい。透明基板を用いて基板側から光が入射する構成としてもよい。また、長尺な形状とすることによって連続成膜に対応させることができる。特にステンレス、ポリイミド等は可撓性を有するため好適である。
【0028】
(金属層)
金属層102は、電極としての役割と、基板101にまで到達した光を反射して半導体層で再利用させる反射層としての役割がある。この金属層は、Al、Cu、Ag、Auなどを蒸着、スパッタ、電解析出、印刷等の方法で形成される。なお、基板が導電性を有する場合には金属層は形成しなくてもよい。
【0029】
金属層102の表面は凹凸を有していることが好ましく、これにより反射光の半導体層内での光路長を延ばし、短絡電流を増大させる作用がある。
【0030】
(酸化亜鉛層)
酸化亜鉛層103は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導体層内での光路長を延ばす。また、金属層102の元素が半導体層への拡散あるいはマイグレーションをおこし、光起電力素子がシャントすることを防止する。さらに、適度な抵抗を持つことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によるショートを防止する。また、酸化亜鉛層103は、金属層102と同様にその表面に凹凸を有していることが好ましい。
【0031】
酸化亜鉛層103は以下で説明する電解析出法により作成する。尚、あらかじめスパッタ等により金属層102上に酸化亜鉛膜を設け、その上に電解析出法により酸化亜鉛膜を堆積することがより好ましい。それにより、金属層102と酸化亜鉛層103の密着性を向上させる効果がある。
【0032】
(電解析出による酸化亜鉛層の形成方法)
酸化亜鉛層103は、例えば図2で示す装置を用いて形成することができる。図2中、201は耐腐食容器、202は電解析出水溶液、203は導電性基板、204は対向電極、205は電源、206は負荷抵抗、207は基板支持軸、208は電極支持軸である。
【0033】
電解析出水溶液202としては少なくとも亜鉛イオンと硝酸イオン、更にサッカロースまたはデキストリンを含有してなる水溶液が用いられる。亜鉛イオン濃度は好ましくは、0.002mol/l〜3.0mol/l、さらに好ましくは0.01mol/l〜1.5mol/l、最適には0.05mol/l〜0.7mol/lである。硝酸イオン濃度は好ましくは、0.004mol/l〜6.0mol/l、さらに好ましくは0.01mol/l〜1.5mol/l、最適には0.1mol/l〜1.4mol/lである。サッカロースの濃度は、1g/l〜500g/l、さらに好ましくは3g/l〜100g/l、デキストリンの濃度は、0.01g/l〜10g/l、さらに好ましくは0.025g/l〜1g/lである。以上ような濃度の水溶液を用いることで、光閉じ込め効果に適したテクスチャー構造の酸化亜鉛薄膜を効率よく形成できる。
【0034】
導電性基板203は、前記の基板101上に金属層102を形成したものを用いる。対向電極204は表面をバフ研磨した亜鉛板とし、陽極として用いる。この亜鉛板の亜鉛含有率は、好ましくは90%以上のもの、さらに好ましくは99%以上のものである。
【0035】
対向電極204はほぼ一定の電流を流すように制御される。ここでの電流値は、好ましくは0.1mA/cm2〜100mA/cm2、さらに好ましくは1mA/cm2〜30mA/cm2、最適には3mA/cm2〜15mA/cm2である。
【0036】
(半導体層)
半導体層104、105、106の材料としては、アモルファスあるいは微結晶のSi、C、Ge、またはこれらの合金が用いられる。同時に、水素および/またはハロゲン原子が含有される。その好ましい含有量は0.1乃至40原子%である。さらに酸素、窒素などを含有してもよい。これらの不純物濃度は5×1019/cm3以下が望ましい。さらにp型半導体とするにはIII属元素、n型半導体とするにはV属元素を含有する。
【0037】
スタックセルの場合、光入射側に近いpin接合のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに従いバンドギャップが狭くなるのが好ましい。また、i層の内部ではその膜厚の中央よりもp層寄りにバンドギャップの極小値があるのが好ましい。
【0038】
光入射側のドープ層は光吸収の少ない結晶性の半導体か、またはバンドギャップの広い半導体が適している。
【0039】
半導体層を形成するには、マイクロ波(MW)プラズマCVD法または高周波(RF)CVD法が適している。
【0040】
この半導体堆積技術としては「i層はGraded SiGe で Ge組成20〜70atm%」(特開平4−119843号公報参照)などを用いることができる。
【0041】
(透明電極層)
透明電極層107はその膜厚を適当に設定することにより反射防止膜の役割を兼ねることができる。この透明電極層はITO、ZnO、In2O3等の材料を、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬などの方法を用いて形成される。これらの化合物に導電率を変化させる物質を含有してもよい。
【0042】
(集電電極)
集電電極108は集電効率を向上させるために設けられる。その形成方法として、マスクを用いてスパッタによって集電パターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるいは半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペーストで固着する方法などがある。
【0043】
尚、必要に応じて光起電力素子の両面に保護層を形成する事がある。同時に鋼板等の補強材を併用してもよい。
【0044】
(長尺状基板連続成膜形成装置)
酸化亜鉛膜の堆積方法を、たとえば図4で示す長尺状基板連続成膜装置を用いて説明する。図4中、401は送り出しローラ、402は巻き取りローラ、403は長尺状基板、404は搬送ローラ、405は酸化亜鉛形成槽、406は酸化亜鉛形成浴、407は対向電極、408はDC電源、409は洗浄槽、410は純水洗浄浴、411は純水シャワー、412は乾燥炉、413はエアー孔、414は蛇行修正ローラ、415空気射出孔である。
【0045】
送り出しローラ401に巻き付けられた長尺状基板403は図4のような経路で搬送され、蛇行修正ローラ414により基板の僅かなずれを修正しながら、巻き取りローラ402に巻き取られる。
【0046】
酸化亜鉛形成槽405の酸化亜鉛形成浴406は、前述の硝酸イオン、亜鉛イオン、サッカロースまたはデキストリンを含む電解析出水溶液である。
【0047】
対向電極407は方形状の純度99.99%亜鉛板を一枚ないし数枚有する。DC電源408は長尺状基板403を陰極、対向電極407を陽極に電圧印加し、電流を一定に流すように制御されている。
【0048】
電解析出水溶液の温度は50℃以上とし、空気注入ポンプ(不図示)にて酸化酸化亜鉛形成槽の側壁に設けられた空気射出孔415から適量の空気を射出し攪拌することで、異常成長の少ない均一な酸化亜鉛膜を効率よく形成できる。
【0049】
(長尺状基板加熱処理装置)
本発明の加熱処理装置の一例を図5に示す。図5中、501は加熱処理炉(処理室)、502は被処理体(長尺状基板)、503は真空排気ポンプ、504はトラップ、505は側面ヒーターユニット、506は正面ヒーターユニット、507は背面ヒーターユニット、508は反射板、509はボビン支持柱、510はガス導入孔、511は温度モニタ用熱電対、512はヒーター出力制御器、513はヒーター電源、514は圧力調整バルブ、515は中央ヒーターユニットである。
【0050】
図4に示したような長尺状基板連続成膜形成装置によって酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板502は、ステンレス材にて作製されたボビンに巻きつけられた状態で、反射板508内に設置された2本のボビン支持柱509上に設置される。
【0051】
処理室501内は、真空排気ポンプ503及び圧力調整バルブ514によって少なくとも100Pa以下まで真空排気される。真空排気後、窒素及び酸素をマスフローコントローラ(不図示)にて流量を調整して所望の圧力まで導入する。被処理体502の加熱は、反射板508上に設置された側面、正面、背面ヒーターユニット505〜507及び被処理体502中央部に設置される中央ヒーターユニット515によって行われる。処理室内温度は、処理室内に設置される温度測定子(中空熱電対)511をモニタリングし、ヒーター出力制御器512によりヒーター電源513の出力を制御することによって所望の温度に制御される。加熱処理終了後は加熱処理と同一条件雰囲気にて室温まで冷却される。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に、以下の実施例では加熱処理時の雰囲気ガスとして酸素と窒素の混合ガスを用いているが、酸素とヘリウム、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを用いることもできる。
【0053】
(実施例1)
本実施例は、図2に示したような電析装置を用いて酸化亜鉛膜を形成し、この酸化亜鉛膜を加熱処理した例である。
【0054】
陰極側の導電性基板203としては、1辺50mm、厚さ0.15mmの正方形状ステンレス430BAの板上に、スパッタ装置(ULVAC SBH−2206DE)を用い、アルゴン雰囲気中0.399Pa、350℃、0.3Aの定電流を印加し、銀を800nm成膜したものを用いた。陽極側の対向電極204としては、1辺40mm、厚さ1.2mmの正方形状の純度99.99%亜鉛板を使用した。対向電極204と導電性基板203の間隔は50mmに固定した。
【0055】
水溶液202としては、80℃、0.15mol/lの硝酸亜鉛にサッカロース12g/lを添加したものを用い、攪拌子214にて溶液の攪拌を行う。電流は、陰極側の基板203をアースとして、陽極側の対向電極204と陰極側の基板203との間で3.0mA/cm2(0.3A/dm2)、1.0mA/cm2(0.1A/dm2)を通電し、電解析出をおこなった。電解析出にて形成された酸化亜鉛膜の膜厚は2.6μmとした。
【0056】
次に、この酸化亜鉛膜を形成した基板を図3に示す加熱処理炉に投入し加熱処理を行う。図3中、301は加熱処理炉、302は被処理体(上記の酸化亜鉛膜を形成した基板)、303は加熱ヒーター、304は処理炉温度モニター熱電対、305はヒーター出力調整器、306はヒーター出力系、307は窒素ガスマスフローコントローラ、308は酸素ガスマスフローコントローラ、309は圧力調整弁、310真空排気ポンプである。
【0057】
まず、基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧2%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308によって制御しながら導入する。処理炉内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、処理炉内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0058】
加熱条件は、基板温度が室温から150℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が150℃に保持される様、ヒーター出力系306によってヒーター出力を制御し、10分間加熱処理をした。
【0059】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0060】
全反射率及び乱反射率測定は分光計(日本分光製/V−570)にて光波長領域400nm〜1200nmの範囲で測定した。膜中に含有する水分量はカールフィッシャー水分測定器(京都電子製/MKC−510)を用いて測定した。更に電気抵抗値は上記酸化亜鉛膜上に真空蒸着装置にて0.25cm2のマスクを用いてCr続いてAuの金属を蒸着し上部電極とし、ステンレス基板との間の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値の測定は、測定針を含めた測定系自体に0.1Ωcm2程度の回路抵抗があるので、その程度は誤差を含むと考えられる。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0062】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0063】
(実施例3)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から300℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が300℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0064】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0065】
(実施例4)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から400℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が400℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0066】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0067】
(比較例1)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、加熱処理を行わずに実施例1と同様、全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0068】
(比較例2)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から120℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が120℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0069】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0070】
次に、実施例1〜4、比較例1〜2で作製した6つの酸化亜鉛膜形成基板上に半導体層、透明導電層、集電電極を順に堆積し、図1に示したような光起電力素子を作製した。
【0071】
半導体層104〜106はCVD法にて堆積し、層構成はn型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚30nm、ノンドープ微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚3000nm、p型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度100℃にて膜厚10nmを堆積した。
【0072】
この半導体層上にスパッタ装置を用いてITOを65nm堆積し、反射防止効果のある上部電極としての透明導電層107とした。
【0073】
この透明導電層上に銀によるグリッドを加熱蒸着により堆積して集電電極108とし、光起電力素子を作製した。
【0074】
以上のようにして作製した光起電力素子は、ソーラーシュミレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用いて変換効率を測定し、評価した。
【0075】
これら実施例1〜4、比較例1〜2の結果を表1に示す。なお、酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値を示す。また、光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)は、比較例1の光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)の値を1として相対値として示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4における処理条件(処理温度が150℃以上400℃以下)では、処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が十分に低く、この酸化亜鉛膜形成基板を用いて作製した光起電力素子は優れた特性を有している。
【0078】
一方、比較例2における処理条件(処理温度が120℃)では処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が高く、光起電力素子におけるその特性に影響を及ぼしている。これは酸化亜鉛膜自体の電気抵抗値が高抵抗であることと、光起電力素子を作製するために、その後半導体層形成時における加熱により酸化亜鉛膜から水分が半導体層におけるコンタミネーション源となった為に、その特性を大きく低下させる結果になったのではないかと推察される。
【0079】
(実施例5)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0080】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧0.5%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。処理炉内圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309によって制御しながら排気する。
【0081】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力をヒーター出力系306により制御し、10分間加熱処理をした。
【0082】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧0.5%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0083】
(実施例6)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0084】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧1.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0085】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0086】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧1.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0087】
(実施例7)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0088】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧3.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0089】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0090】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧3.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0091】
(実施例8)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0092】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧5.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0093】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0094】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧5.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0095】
(実施例9)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0096】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧10.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0097】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0098】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧10.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0099】
(比較例3)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0100】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、窒素ガスのみを導入し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0101】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0102】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力を維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0103】
次に、実施例5〜9、比較例3で作製した6つの酸化亜鉛膜形成基板上に、以下のようにして半導体層、透明導電層、集電電極を順に堆積し、図1に示したような光起電力素子を作製した。
【0104】
半導体層104〜106はCVD法にて堆積し、層構成はn型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度150℃にて膜厚30nm、ノンドープ微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚3000nm、p型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度100℃にて膜厚10nmを堆積した。
【0105】
この半導体層上にスパッタ装置を用いてITOを65nm堆積し、反射防止効果のある上部電極としての透明導電層107とした。
【0106】
この透明導電層上に銀によるグリッドを加熱蒸着により堆積して集電電極108とし、光起電力素子を作製した。
【0107】
以上のようにして作製した光起電力素子は、ソーラーシュミレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用いて変換効率を測定し、評価した。
【0108】
これら実施例5〜9、比較例3の結果を表2に示す。なお、酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値を示す。また、光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)は、比較例3の光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)の値を1として相対値として示す。
【0109】
【表2】
【0110】
表2の結果から明らかなように、実施例5における処理条件(酸素分圧0.5%)では処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が低いものの、その反射率特性において若干低下がみられ、酸素を含まない雰囲気で加熱処理したもの(比較例3)と大きな差はなかった。
【0111】
一方、実施例6から実施例8における処理条件(酸素分圧1.0〜5%)では酸化亜鉛膜の電気特性は良好な値を示し、反射率においても改善がみられる。しかし、実施例9における処理条件(酸素分圧10.0%)では、加熱処理中における酸化の影響か、電気抵抗値が高くなり、光起電力素子における特性(シリーズ抵抗の増大)に影響を及ぼしている。
【0112】
これより、加熱処理中における過多な酸素導入は、酸化亜鉛膜の電気特性を悪化させ光起電力素子特性に影響する。ここでは酸素分圧にて、1%以上10%未満が好ましいといえる。
【0113】
(実施例10)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ1000m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0114】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0115】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺状基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛膜が形成された。
【0116】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されたφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。尚、酸化亜鉛膜形成中に長尺状基板ロールにはロール内側から100m部、500m部、800m部に熱電対(0.5mmφ)を挟み込み、次の加熱処理工程において温度測定を行なえるようにした。
【0117】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0118】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)をガス導入孔510から導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514によって3kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0119】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター505、506、507、515をヒーター出力制御器512によってヒーター電源513の出力を制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0120】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。
【0121】
(実施例11)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0122】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、5kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0123】
(実施例12)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0124】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、15kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0125】
(実施例13)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0126】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、50kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0127】
(実施例14)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0128】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、75kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0129】
これら実施例10〜14の酸化亜鉛膜形成基板の測定結果を表3〜5に示す。尚、表3〜5はそれぞれ基板長手方向においてボビン内から300m、600m、900mの位置における測定結果である。
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】
【表5】
【0133】
この結果から、実施例10のように加熱処理炉内の圧力が低圧下(5kPa未満)での加熱処理は、酸化亜鉛膜に残存する水分量が多く、その電気抵抗値において高い値を示す。これは圧力が低い為、ロール全体の温度が上がりにくく時間がかかった為、期待した温度に上がっていなかった為であると考えられる(これは図7乃至図9に示すロール内の温度測定の結果からも言える。)。また、実施例14のように高圧下(50kPa以上)での加熱処理は基板のサンプル位置によってその諸特性にバラツキがある(特に反射率においては基板の幅方向における両端部とセンター部との差が大きくなる。)。これは、高圧化の為、ロール状に折り重なった基板の内部まで酸素が行き渡らなかった為と考えられる。
【0134】
以上から、長尺状基板をロール状形態にて加熱処理するに当り、その処理圧力として5kPa以上50kPa未満での処理が適しているといえる。
【0135】
(実施例15)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ1000m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0136】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0137】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺状基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛薄膜が形成された。
【0138】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されたφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。
【0139】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0140】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)をガス導入孔510から導入し、加熱処理炉内の圧力を圧力調整弁514により3kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0141】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター出力制御器512によってヒーター出力を制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0142】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板の変形を評価する。
【0143】
評価方法として図6のようにサンプル基板を表面が平坦なる台等に置き、サンプル基板両端に発生した基板の波浮きの高さZ(長手方向を:x、幅方向:y、高さ方向:z)を測定する。
【0144】
(実施例16)
実施例15と同様に長尺状基板に酸化亜鉛膜を形成した後、同様に図5に示す加熱処理炉501へロール状形態にてロール支持柱509に設置し、加熱条件を室温から昇温速度5.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーターをオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0145】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0146】
これら実施例15〜16の基板変形測定結果を表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
この結果から加熱処理における昇温速度が2.0℃/minを超える条件では、長尺状基板において幅方向における基板端部での変形を生じる。これは、長尺状基板をロール状形態にて加熱することによってヒーター加熱はその周囲から起こるためにロール内部とロール表面での温度差が大きくなり基板変形を起こしたものと考える。
【0149】
加熱処理を行った基板上にロール・ツー・ロール方式によって搬送させながらCVD成膜を行う場合、その成膜条件、装置構成にも依存するが、均一な膜質を得るためには基板変形がない方が好ましく(基板が変形している場合、平行平板型電極でのCVD成膜法では基板と電極間間隔が均等でなくなる。)、ここでは1mm以下であれば問題は生じなかった。
【0150】
(実施例17)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ700m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0151】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0152】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺上基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛薄膜が形成された。
【0153】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されるφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。
【0154】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0155】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を圧力調整弁514により15kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0156】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター出力をヒーター出力制御器512により制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて500min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0157】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。また、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0158】
(実施例18)
実施例17と同様に長尺状基板1500mに酸化亜鉛膜を形成した後、同様に図5示す加熱処理炉501へロール状形態にてロール支持柱509に設置し、加熱条件を室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて960min保持される。しかる後、ヒーターをオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0159】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900m、1200mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。また、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0160】
これら実施例17〜18の結果を表7〜10に示す(実施例12も比較のために記した。)。なお、表7に示す酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。表8に示す電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。表9に示す全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値である。また、表10に示す基板変形は、基板端の波高が1.0mm以下を○、1.0〜1.5mmを△、1.5mm以上を×として表示した。
【0161】
【表7】
【0162】
【表8】
【0163】
【表9】
【0164】
【表10】
【0165】
この結果から、本発明により見出した加熱処理条件にて酸化亜鉛基板を加熱処理することによって、長尺状基板をロール形態にて加熱処理を行っても、その長手方向に均一な膜特性が得られ、また酸化亜鉛膜中の水分量を低減することが可能である。また、長尺状基板の基板長が変化しても加熱時間を調整することで、均一な諸特性を示し、且つ基板変形のない酸化亜鉛膜基板が得られる。
【0166】
【発明の効果】
以上のように、本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によれば、酸化亜鉛膜中に含有する水分量を最適な範囲に制御することができ、酸化亜鉛膜の電気抵抗の低抵抗化が可能となると共に、加熱処理によって膜中に含まれる酸化亜鉛膜の水分量を減少させることによる全反射率及び乱反射率の低下を抑制することができる。そして、本発明の方法で処理された酸化亜鉛膜の上に、その処理温度よりも低い温度で半導体層を形成して光起電力素子を製造することにより、光電変換効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光起電力素子の代表的な断面模式図である。
【図2】電解析出による酸化亜鉛層の形成装置の断面模式図である。
【図3】本発明の酸化亜鉛膜処理装置の一例を示す模式図である。
【図4】長尺状基板上への電解析出による酸化亜鉛層の連続成膜装置の断面模式図である。
【図5】本発明の酸化亜鉛膜処理装置の一例を示す模式図である。
【図6】長尺状基板の変形の測定方法を説明するための図である。
【図7】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【図8】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【図9】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【符号の説明】
101 基板(支持体)
102 金属層
103 酸化亜鉛層
104 n型半導体層
105 i型半導体層
106 p型半導体層
107 透明電極層
108 集電電極
201 耐腐食容器
202 電解析出水溶液
203 導電性基板
204 対向電極
205 電源
206 負荷抵抗
207 基板支持軸
208 電極支持軸
211 空気射出孔
212 空気射出パイプ
213 空気射出ポンプ
214 撹拌子
301 加熱処理炉
302 被処理体
303 加熱ヒーター
304 処理炉温度モニター熱電対
305 ヒーター出力調整器
306 ヒーター出力系
307 窒素ガスマスフローコントローラ
308 酸素ガスマスフローコントローラ
309 圧力調整弁
310 真空排気ポンプ
401 送り出しローラ
402 巻き取りローラ
403 長尺状基板
404 搬送ローラ
405 酸化亜鉛形成槽
406 酸化亜鉛形成浴
407 対向電極
408 DC電源
409 洗浄槽
410 純水洗浄浴
411 純水シャワー
412 乾燥炉
413 エアー孔
414 蛇行修正ローラ
415 空気射出孔
501 加熱処理炉
502 被処理体(長尺状基板)
503 真空ポンプ
504 トラップ
505 側面ヒーターユニット
506 正面ヒーターユニット
507 背面ヒーターユニット
508 反射板
509 ボビン支持柱
510 ガス導入孔
511 温度モニタ用熱電対
512 ヒーター出力制御器
513 ヒーター電源
514 圧力調整弁
515 中央ヒーターユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学的に析出して形成した酸化亜鉛膜の処理方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、さらには酸化亜鉛膜の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素化非晶質シリコン、水素化非晶質シリコンゲルマニウム、水素化非晶質シリコンカーバイト、微結晶シリコン又は多結晶シリコンなどからなる光起電力素子は、長波長における収集効率の向上を図る為に、裏面反射層が用いられてきた。かかる反射層は半導体材料のバンド端に近くその吸収の小さくなる波長、即ち800nmから1200nmで有効な反射特性を示すものが望ましい。この条件を満たすものとして金、銀、銅、アルミニウムといった金属やそれらの合金がある。また、光閉じ込めとして知られる所定の波長範囲で光学的に透明な凹凸の透明導電性層を設けて、反射光を有効に利用して短絡電流密度Jscを改善することが試みられている。更に、前記透明導電性層はシャントパスによる特性低下を防止する。極めて一般的にはこれらの層は、真空蒸着やスパッタといった方法にて成膜され、短絡電流密度の改善を示している。
【0003】
その例として、非特許文献1、非特許文献2などに、銀原子から構成される反射層について反射率とテクスチャー構造について検討されている。これらの例においては、反射層を基板温度を変えて形成した銀の2層堆積とすることで有効な凹凸を形成し、これによって酸化亜鉛層とのコンビネーションにて光閉じ込め効果による短絡電流の増大を達成したとしている。
【0004】
また、特許文献1では、亜鉛イオン0.001mol/l〜0.5mol/l、及び硝酸イオン0.001mol/l〜0.5mol/lを含有する水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜は、膜厚及び組成が均一で、光学的透明性に優れた酸化亜鉛膜が形成されたことが開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、基体上にスパッタ法により第1の酸化亜鉛薄膜を形成する工程と、少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、及び炭水化物を含有してなる水溶液に前記基体を浸漬し、該溶液中に浸漬された電極との間に通電することにより、第2の酸化亜鉛薄膜を前記第1の酸化亜鉛薄膜上に形成する工程とを有する酸化亜鉛薄膜の製造方法では、安価で実施することが可能であり、膜の異常成長が抑制でき、基板密着性に優れた酸化亜鉛薄膜の形成が可能であることが開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜においてその吸着水分によって電気抵抗値が高い値を示し、酸化亜鉛膜を加熱乾燥することでその酸化亜鉛膜の低抵抗化が図れることが開示されている。更に特許文献4では酸化亜鉛膜の膜中に含有する水分量を7.5×10−3mol/cm3以下にすることで酸化亜鉛膜上に半導体層を形成し太陽電池を作製した場合、その光電変換効率において改善が図れることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3273294号公報
【特許文献2】
特開平10−140373号公報
【特許文献3】
特開2001−152390号公報
【特許文献4】
特開2002−237606号公報
【非特許文献1】
「29p−MF−22 ステンレス基板上のa−SiGe太陽電池における光閉じ込め効果」(1990年秋季)第51回応用物理学会学術講演会講演予稿集p747
【非特許文献2】
「P−IA−15a−SiC/a−Si/a−SiGe Multi−Bandgap Stacked Solar Cells With Bandgap Profiling」,Sannomiya et al.,Technical Digest of the International PVSEC−5,Kyoto,Japan,p381,1990
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属層上の酸化亜鉛薄膜上に半導体層を形成し、光起電力素子を作製した場合、裏面反射層としてその反射率向上が更なる光電変換効率向上には不可欠となる。銀、アルミニウム、銅等の薄膜を堆積した基板上に酸化亜鉛膜を堆積したものを光起電力素子の裏面反射層として用いる場合、その光電変換効率、特には短絡電流において向上を図る為には、裏面金属層での光反射を前記金属層上に堆積した酸化亜鉛膜での光吸収を低減し半導体層へより光を反射させることが好ましい。同時に、光起電力素子として酸化亜鉛膜の電気抵抗値を適正化させることがその短絡電流値及びの曲線因子の更なる向上には有効である。特許文献4にて酸化亜鉛膜中に含有する水分を低減することでその電気抵抗値を低抵抗化することが図れるが、その反射率において若干の低下が見られることが指摘されている。
【0009】
また、光起電力素子の光電変換効率の向上(特にその短絡電流)には、裏面反射層の表面性において凸凹を有して光路長を大きくすることが好ましく、その一つの手法としては酸化亜鉛膜の膜厚を大きくすることによる方法が挙げられる。その場合には酸化亜鉛膜中に水分が残存する(膜厚を大きくすることで膜中に存在する水分量は増加すると予測される)ことによる電気抵抗値の上昇及び、後工程(半導体堆積工程)において基板加熱による基板からの水蒸気脱離によってコンタミネーション源となることが危惧される。
【0010】
また、生産工程を顧みた場合、加熱処理工程の処理時間短縮化、大面積基板領域においてその諸特性均一化、処理装置コスト削減を図る必要もある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑み、電気抵抗値の低抵抗化を図りつつ、裏面反射層としてその光反射率を更に向上せしめ、光起電力素子用基板として諸特性が最適な酸化亜鉛膜を、より高い生産性をもって実現することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜(酸化亜鉛膜)を加熱処理する処理方法であって、処理温度が150℃以上400℃以下であり、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気で処理することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の酸化亜鉛膜の処理方法は、更なる好ましい特徴として、
「N2又は不活性ガスに対する酸素分圧比が1%以上10%未満であること」、「処理圧力が5kPa以上50kPa未満であること」、
「不活性ガスがヘリウム、アルゴンのいずれか又はそれらの混成ガスであること」、
「導電性基板が長尺状基板であり、ロール状形態にて加熱処理を行うこと」、
「被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度が2.0℃/min以下であること」、
を含む。
【0014】
本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によれば、酸化亜鉛膜中に含有する水分量を最適な範囲に制御することができる。酸化亜鉛膜中に含有する水分量は好ましくは7.5×10−3mol/cm3以下、更に好ましくは5.0×10−3mol/cm3以下であり、この範囲とすることにより酸化亜鉛膜の電気抵抗の低抵抗化が可能となる。このメカニズムは現状では必ずしも明確になっていないが、加熱処理によって膜中に含まれる酸化亜鉛膜の水分量を減少させることによる全反射率及び乱反射率の低下(酸化亜鉛膜中の酸素欠乏による酸化亜鉛膜透過率の低下と考える)を、加熱処理を酸素を含む不活性ガス雰囲気で処理する、好ましくは酸素分圧比が1%以上10%未満の処理雰囲気で処理することによって酸化亜鉛膜の透過率低下を抑制し、全反射率及び乱反射率の向上を図ることができるものと考えられる。
【0015】
また、加熱処理を長尺状の基板をロール状形態(巻きつけた状態)で処理を行なうことにより、処理装置の簡略化を図り、更には、処理圧力を好ましくは50kPa未満、更に好ましくは5kPa以上50kPa未満に制御することにより、長尺状基板の長手方向に渡って、処理時に発生する酸化亜鉛膜の応力を抑制することで基板が変形することなく均一な処理を行うことができる。
【0016】
また本発明は、上記本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によって加熱処理された酸化亜鉛膜の上に、前記処理温度よりも低い温度で半導体層を形成する工程を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法である。
【0017】
さらに本発明は、水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜を大気圧以下で加熱処理せしめる処理装置であって、処理室内を大気圧以下に排気する為の排気手段と、該析出膜を加熱する為の加熱手段と、酸素を含むN2又は不活性ガスを該処理室内へ導入する為のガス導入手段を有することを特徴とする。
【0018】
上記本発明の酸化亜鉛膜処理方法は、更なる好ましい特徴として、
「前記加熱手段は、被処理体を150℃以上400℃以下に制御する温度制御手段を有すること」、
「前記温度制御手段は、被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度を2.0℃/min以下に制御する機能を有すること」、
「前記排気手段は、処理室内圧力を5kPa以上50kPa未満に制御する圧力制御手段を有すること」、
「前記ガス導入手段は、処理室内に導入するガス中の酸素分圧比を1%以上10%未満に制御するガス分圧制御手段を有すること」、
「前記導電性基板としての長尺状基板をロール状形態にて処理可能なロール支持手段を有すること」、
を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化亜鉛膜の処理方法は、例えば、長尺状の基板上(例えば、SUS430 2D)にスパッタ法によって銀、アルミニウム、銅またはそれらの合金等からなる金属層を形成し、更に該金属層上にスパッタ法によって酸化亜鉛膜を形成し、次いでその基板上に水溶液からなる酸化亜鉛膜作製用電解液を用いて作製した酸化亜鉛膜の処理方法として好適に用いることができる。
【0020】
以下に本発明の特徴が及ぼす作用効果について説明する。
【0021】
本発明の特徴は、導電性基板上に水溶液から酸化亜鉛膜を堆積させた基板を熱処理する工程において、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気下で所定の温度範囲で加熱処理することにある。酸化亜鉛膜においてはその作製法如何にかかわらず酸化亜鉛膜中における過剰な水分若しくは吸着酸素がその電気的な特性において、例えば光起電力素子における裏面反射層として用いる場合には弊害を起こすことが特許文献4にて指摘されている。
【0022】
一方、酸化亜鉛膜中の水分は適切な量に制御することにより透過率を向上させることができる。具体的には光起電力素子の裏面反射層として用いる場合には、その反射率を向上させ光電変換効率(特には、その短絡電流)を向上させることができる。
【0023】
本発明は酸化亜鉛膜を加熱処理することで膜中の水分量を削減し、その電気特性を良好なものとし、加熱処理によって低下をみせる反射率特性を向上させるものである。
【0024】
酸化亜鉛膜を加熱処理にすることによってその電気抵抗値が低抵抗化し、またその透過率が減少するメカニズムは現状では必ずしも明確になっていないが、加熱処理によって膜中に存在する水分量が低下することによって、その結合力の弱い酸素−亜鉛結合の酸素が取り除かれ、若干の亜鉛リッチ状態となることで電気特性としては良好なものとなるが、その光透過性は減少するのではないかと考える。
【0025】
一方、本発明による加熱処理方法によると、処理時には選択的に酸化亜鉛膜中の水が脱離し、酸素の脱離反応は抑制される。これは処理雰囲気の極微量の酸素、分圧比において10%未満を処理雰囲気に導入することによって酸素の脱離が抑制される、または、一旦酸素が脱離した部分が再度酸化され、その光透過性が維持できる作用があるものと考えている。これは、一度透過率の低下が起こった酸化亜鉛膜においても、酸素を含む雰囲気にて加熱することで、その透過率が回復するという結果も本発明者は確認しており、酸化による光透過性の向上を説明するものである。
【0026】
次に、本発明の実施形態例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による光起電力素子の代表的な断面模式図である。図中101は基板(支持体)、102は金属層(裏面反射層)、103は六方晶系多結晶からなる酸化亜鉛層、104、105、106は半導体層、107は透明導電層、108は集電電極である。なお、透明基板側から光が入射する構成の場合、基板を除いて各層が逆の順番で形成される。
【0027】
(基板)
基板101としては、金属層または導電性材料をコーティングした樹脂、ガラス、セラミックス等が用いられる。その表面には微細な凸凹を有してもよい。透明基板を用いて基板側から光が入射する構成としてもよい。また、長尺な形状とすることによって連続成膜に対応させることができる。特にステンレス、ポリイミド等は可撓性を有するため好適である。
【0028】
(金属層)
金属層102は、電極としての役割と、基板101にまで到達した光を反射して半導体層で再利用させる反射層としての役割がある。この金属層は、Al、Cu、Ag、Auなどを蒸着、スパッタ、電解析出、印刷等の方法で形成される。なお、基板が導電性を有する場合には金属層は形成しなくてもよい。
【0029】
金属層102の表面は凹凸を有していることが好ましく、これにより反射光の半導体層内での光路長を延ばし、短絡電流を増大させる作用がある。
【0030】
(酸化亜鉛層)
酸化亜鉛層103は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導体層内での光路長を延ばす。また、金属層102の元素が半導体層への拡散あるいはマイグレーションをおこし、光起電力素子がシャントすることを防止する。さらに、適度な抵抗を持つことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によるショートを防止する。また、酸化亜鉛層103は、金属層102と同様にその表面に凹凸を有していることが好ましい。
【0031】
酸化亜鉛層103は以下で説明する電解析出法により作成する。尚、あらかじめスパッタ等により金属層102上に酸化亜鉛膜を設け、その上に電解析出法により酸化亜鉛膜を堆積することがより好ましい。それにより、金属層102と酸化亜鉛層103の密着性を向上させる効果がある。
【0032】
(電解析出による酸化亜鉛層の形成方法)
酸化亜鉛層103は、例えば図2で示す装置を用いて形成することができる。図2中、201は耐腐食容器、202は電解析出水溶液、203は導電性基板、204は対向電極、205は電源、206は負荷抵抗、207は基板支持軸、208は電極支持軸である。
【0033】
電解析出水溶液202としては少なくとも亜鉛イオンと硝酸イオン、更にサッカロースまたはデキストリンを含有してなる水溶液が用いられる。亜鉛イオン濃度は好ましくは、0.002mol/l〜3.0mol/l、さらに好ましくは0.01mol/l〜1.5mol/l、最適には0.05mol/l〜0.7mol/lである。硝酸イオン濃度は好ましくは、0.004mol/l〜6.0mol/l、さらに好ましくは0.01mol/l〜1.5mol/l、最適には0.1mol/l〜1.4mol/lである。サッカロースの濃度は、1g/l〜500g/l、さらに好ましくは3g/l〜100g/l、デキストリンの濃度は、0.01g/l〜10g/l、さらに好ましくは0.025g/l〜1g/lである。以上ような濃度の水溶液を用いることで、光閉じ込め効果に適したテクスチャー構造の酸化亜鉛薄膜を効率よく形成できる。
【0034】
導電性基板203は、前記の基板101上に金属層102を形成したものを用いる。対向電極204は表面をバフ研磨した亜鉛板とし、陽極として用いる。この亜鉛板の亜鉛含有率は、好ましくは90%以上のもの、さらに好ましくは99%以上のものである。
【0035】
対向電極204はほぼ一定の電流を流すように制御される。ここでの電流値は、好ましくは0.1mA/cm2〜100mA/cm2、さらに好ましくは1mA/cm2〜30mA/cm2、最適には3mA/cm2〜15mA/cm2である。
【0036】
(半導体層)
半導体層104、105、106の材料としては、アモルファスあるいは微結晶のSi、C、Ge、またはこれらの合金が用いられる。同時に、水素および/またはハロゲン原子が含有される。その好ましい含有量は0.1乃至40原子%である。さらに酸素、窒素などを含有してもよい。これらの不純物濃度は5×1019/cm3以下が望ましい。さらにp型半導体とするにはIII属元素、n型半導体とするにはV属元素を含有する。
【0037】
スタックセルの場合、光入射側に近いpin接合のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに従いバンドギャップが狭くなるのが好ましい。また、i層の内部ではその膜厚の中央よりもp層寄りにバンドギャップの極小値があるのが好ましい。
【0038】
光入射側のドープ層は光吸収の少ない結晶性の半導体か、またはバンドギャップの広い半導体が適している。
【0039】
半導体層を形成するには、マイクロ波(MW)プラズマCVD法または高周波(RF)CVD法が適している。
【0040】
この半導体堆積技術としては「i層はGraded SiGe で Ge組成20〜70atm%」(特開平4−119843号公報参照)などを用いることができる。
【0041】
(透明電極層)
透明電極層107はその膜厚を適当に設定することにより反射防止膜の役割を兼ねることができる。この透明電極層はITO、ZnO、In2O3等の材料を、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬などの方法を用いて形成される。これらの化合物に導電率を変化させる物質を含有してもよい。
【0042】
(集電電極)
集電電極108は集電効率を向上させるために設けられる。その形成方法として、マスクを用いてスパッタによって集電パターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるいは半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペーストで固着する方法などがある。
【0043】
尚、必要に応じて光起電力素子の両面に保護層を形成する事がある。同時に鋼板等の補強材を併用してもよい。
【0044】
(長尺状基板連続成膜形成装置)
酸化亜鉛膜の堆積方法を、たとえば図4で示す長尺状基板連続成膜装置を用いて説明する。図4中、401は送り出しローラ、402は巻き取りローラ、403は長尺状基板、404は搬送ローラ、405は酸化亜鉛形成槽、406は酸化亜鉛形成浴、407は対向電極、408はDC電源、409は洗浄槽、410は純水洗浄浴、411は純水シャワー、412は乾燥炉、413はエアー孔、414は蛇行修正ローラ、415空気射出孔である。
【0045】
送り出しローラ401に巻き付けられた長尺状基板403は図4のような経路で搬送され、蛇行修正ローラ414により基板の僅かなずれを修正しながら、巻き取りローラ402に巻き取られる。
【0046】
酸化亜鉛形成槽405の酸化亜鉛形成浴406は、前述の硝酸イオン、亜鉛イオン、サッカロースまたはデキストリンを含む電解析出水溶液である。
【0047】
対向電極407は方形状の純度99.99%亜鉛板を一枚ないし数枚有する。DC電源408は長尺状基板403を陰極、対向電極407を陽極に電圧印加し、電流を一定に流すように制御されている。
【0048】
電解析出水溶液の温度は50℃以上とし、空気注入ポンプ(不図示)にて酸化酸化亜鉛形成槽の側壁に設けられた空気射出孔415から適量の空気を射出し攪拌することで、異常成長の少ない均一な酸化亜鉛膜を効率よく形成できる。
【0049】
(長尺状基板加熱処理装置)
本発明の加熱処理装置の一例を図5に示す。図5中、501は加熱処理炉(処理室)、502は被処理体(長尺状基板)、503は真空排気ポンプ、504はトラップ、505は側面ヒーターユニット、506は正面ヒーターユニット、507は背面ヒーターユニット、508は反射板、509はボビン支持柱、510はガス導入孔、511は温度モニタ用熱電対、512はヒーター出力制御器、513はヒーター電源、514は圧力調整バルブ、515は中央ヒーターユニットである。
【0050】
図4に示したような長尺状基板連続成膜形成装置によって酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板502は、ステンレス材にて作製されたボビンに巻きつけられた状態で、反射板508内に設置された2本のボビン支持柱509上に設置される。
【0051】
処理室501内は、真空排気ポンプ503及び圧力調整バルブ514によって少なくとも100Pa以下まで真空排気される。真空排気後、窒素及び酸素をマスフローコントローラ(不図示)にて流量を調整して所望の圧力まで導入する。被処理体502の加熱は、反射板508上に設置された側面、正面、背面ヒーターユニット505〜507及び被処理体502中央部に設置される中央ヒーターユニット515によって行われる。処理室内温度は、処理室内に設置される温度測定子(中空熱電対)511をモニタリングし、ヒーター出力制御器512によりヒーター電源513の出力を制御することによって所望の温度に制御される。加熱処理終了後は加熱処理と同一条件雰囲気にて室温まで冷却される。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に、以下の実施例では加熱処理時の雰囲気ガスとして酸素と窒素の混合ガスを用いているが、酸素とヘリウム、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを用いることもできる。
【0053】
(実施例1)
本実施例は、図2に示したような電析装置を用いて酸化亜鉛膜を形成し、この酸化亜鉛膜を加熱処理した例である。
【0054】
陰極側の導電性基板203としては、1辺50mm、厚さ0.15mmの正方形状ステンレス430BAの板上に、スパッタ装置(ULVAC SBH−2206DE)を用い、アルゴン雰囲気中0.399Pa、350℃、0.3Aの定電流を印加し、銀を800nm成膜したものを用いた。陽極側の対向電極204としては、1辺40mm、厚さ1.2mmの正方形状の純度99.99%亜鉛板を使用した。対向電極204と導電性基板203の間隔は50mmに固定した。
【0055】
水溶液202としては、80℃、0.15mol/lの硝酸亜鉛にサッカロース12g/lを添加したものを用い、攪拌子214にて溶液の攪拌を行う。電流は、陰極側の基板203をアースとして、陽極側の対向電極204と陰極側の基板203との間で3.0mA/cm2(0.3A/dm2)、1.0mA/cm2(0.1A/dm2)を通電し、電解析出をおこなった。電解析出にて形成された酸化亜鉛膜の膜厚は2.6μmとした。
【0056】
次に、この酸化亜鉛膜を形成した基板を図3に示す加熱処理炉に投入し加熱処理を行う。図3中、301は加熱処理炉、302は被処理体(上記の酸化亜鉛膜を形成した基板)、303は加熱ヒーター、304は処理炉温度モニター熱電対、305はヒーター出力調整器、306はヒーター出力系、307は窒素ガスマスフローコントローラ、308は酸素ガスマスフローコントローラ、309は圧力調整弁、310真空排気ポンプである。
【0057】
まず、基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧2%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308によって制御しながら導入する。処理炉内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、処理炉内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0058】
加熱条件は、基板温度が室温から150℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が150℃に保持される様、ヒーター出力系306によってヒーター出力を制御し、10分間加熱処理をした。
【0059】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0060】
全反射率及び乱反射率測定は分光計(日本分光製/V−570)にて光波長領域400nm〜1200nmの範囲で測定した。膜中に含有する水分量はカールフィッシャー水分測定器(京都電子製/MKC−510)を用いて測定した。更に電気抵抗値は上記酸化亜鉛膜上に真空蒸着装置にて0.25cm2のマスクを用いてCr続いてAuの金属を蒸着し上部電極とし、ステンレス基板との間の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値の測定は、測定針を含めた測定系自体に0.1Ωcm2程度の回路抵抗があるので、その程度は誤差を含むと考えられる。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0062】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0063】
(実施例3)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から300℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が300℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0064】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0065】
(実施例4)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から400℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が400℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0066】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0067】
(比較例1)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、加熱処理を行わずに実施例1と同様、全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0068】
(比較例2)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301へ投入し、加熱条件は基板温度が室温から120℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が120℃に保持する様、ヒーター出力系306によって制御し、10分間加熱処理をした。
【0069】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧2%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0070】
次に、実施例1〜4、比較例1〜2で作製した6つの酸化亜鉛膜形成基板上に半導体層、透明導電層、集電電極を順に堆積し、図1に示したような光起電力素子を作製した。
【0071】
半導体層104〜106はCVD法にて堆積し、層構成はn型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚30nm、ノンドープ微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚3000nm、p型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度100℃にて膜厚10nmを堆積した。
【0072】
この半導体層上にスパッタ装置を用いてITOを65nm堆積し、反射防止効果のある上部電極としての透明導電層107とした。
【0073】
この透明導電層上に銀によるグリッドを加熱蒸着により堆積して集電電極108とし、光起電力素子を作製した。
【0074】
以上のようにして作製した光起電力素子は、ソーラーシュミレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用いて変換効率を測定し、評価した。
【0075】
これら実施例1〜4、比較例1〜2の結果を表1に示す。なお、酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値を示す。また、光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)は、比較例1の光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)の値を1として相対値として示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4における処理条件(処理温度が150℃以上400℃以下)では、処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が十分に低く、この酸化亜鉛膜形成基板を用いて作製した光起電力素子は優れた特性を有している。
【0078】
一方、比較例2における処理条件(処理温度が120℃)では処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が高く、光起電力素子におけるその特性に影響を及ぼしている。これは酸化亜鉛膜自体の電気抵抗値が高抵抗であることと、光起電力素子を作製するために、その後半導体層形成時における加熱により酸化亜鉛膜から水分が半導体層におけるコンタミネーション源となった為に、その特性を大きく低下させる結果になったのではないかと推察される。
【0079】
(実施例5)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0080】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧0.5%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。処理炉内圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309によって制御しながら排気する。
【0081】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力をヒーター出力系306により制御し、10分間加熱処理をした。
【0082】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧0.5%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0083】
(実施例6)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0084】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧1.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0085】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0086】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧1.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0087】
(実施例7)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0088】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧3.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0089】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0090】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧3.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0091】
(実施例8)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0092】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧5.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0093】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0094】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧5.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0095】
(実施例9)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0096】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、酸素及び窒素ガスを酸素分圧10.0%となる様な流量比で窒素ガスマスフローコントローラ307及び酸素ガスマスフローコントローラ308により制御しながら導入する。加熱処理炉301内圧力が15kPaとなるまで放置し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0097】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0098】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力及び、酸素、窒素流量比を酸素分圧10.0%となる様に維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0099】
(比較例3)
実施例1と同様に酸化亜鉛膜を基板上に形成した後、この基板302を図3に示す加熱処理炉301に投入し、加熱処理を行う。
【0100】
処理方法は、まず基板302をヒーター303直下に配置し、加熱処理炉301内を真空排気ポンプ310により圧力100Pa以下となるまで真空排気する。真空排気後、窒素ガスのみを導入し、圧力が15kPaとなり次第加熱を開始し、加熱処理炉301内圧力を処理中15kPaとなる様に圧力調整弁309を制御しながら排気する。
【0101】
加熱条件は、基板温度が室温から250℃に到達するまでに2.0℃/minで昇温し、昇温後、基板温度が250℃に保持される様、ヒーター出力系306を制御し、10分間加熱処理をした。
【0102】
処理終了後、ヒーター出力をオフし圧力を維持しながら室温になるまで冷却した。冷却後、基板302を加熱処理炉301から取り出し、実施例1と同様に全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0103】
次に、実施例5〜9、比較例3で作製した6つの酸化亜鉛膜形成基板上に、以下のようにして半導体層、透明導電層、集電電極を順に堆積し、図1に示したような光起電力素子を作製した。
【0104】
半導体層104〜106はCVD法にて堆積し、層構成はn型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度150℃にて膜厚30nm、ノンドープ微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度200℃にて膜厚3000nm、p型微結晶シリコン(μc−Si)を成膜温度100℃にて膜厚10nmを堆積した。
【0105】
この半導体層上にスパッタ装置を用いてITOを65nm堆積し、反射防止効果のある上部電極としての透明導電層107とした。
【0106】
この透明導電層上に銀によるグリッドを加熱蒸着により堆積して集電電極108とし、光起電力素子を作製した。
【0107】
以上のようにして作製した光起電力素子は、ソーラーシュミレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用いて変換効率を測定し、評価した。
【0108】
これら実施例5〜9、比較例3の結果を表2に示す。なお、酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値を示す。また、光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)は、比較例3の光起電力素子の変換効率(Eff.)及び短絡電流(Jsc)の値を1として相対値として示す。
【0109】
【表2】
【0110】
表2の結果から明らかなように、実施例5における処理条件(酸素分圧0.5%)では処理後における酸化亜鉛膜の電気抵抗値が低いものの、その反射率特性において若干低下がみられ、酸素を含まない雰囲気で加熱処理したもの(比較例3)と大きな差はなかった。
【0111】
一方、実施例6から実施例8における処理条件(酸素分圧1.0〜5%)では酸化亜鉛膜の電気特性は良好な値を示し、反射率においても改善がみられる。しかし、実施例9における処理条件(酸素分圧10.0%)では、加熱処理中における酸化の影響か、電気抵抗値が高くなり、光起電力素子における特性(シリーズ抵抗の増大)に影響を及ぼしている。
【0112】
これより、加熱処理中における過多な酸素導入は、酸化亜鉛膜の電気特性を悪化させ光起電力素子特性に影響する。ここでは酸素分圧にて、1%以上10%未満が好ましいといえる。
【0113】
(実施例10)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ1000m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0114】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0115】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺状基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛膜が形成された。
【0116】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されたφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。尚、酸化亜鉛膜形成中に長尺状基板ロールにはロール内側から100m部、500m部、800m部に熱電対(0.5mmφ)を挟み込み、次の加熱処理工程において温度測定を行なえるようにした。
【0117】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0118】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)をガス導入孔510から導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514によって3kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0119】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター505、506、507、515をヒーター出力制御器512によってヒーター電源513の出力を制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0120】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。
【0121】
(実施例11)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0122】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、5kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0123】
(実施例12)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0124】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、15kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0125】
(実施例13)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0126】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、50kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0127】
(実施例14)
実施例10と同様に長尺状基板403に酸化亜鉛膜を形成した後、そのロール502を図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定して設置した。
【0128】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を真空排気系に設置された圧力調整弁514により、75kPaに制御しながら加熱処理を行う。加熱処理におけるその他の条件は実施例10と同一条件にて行い、酸化亜鉛膜形成基板の全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を測定した。
【0129】
これら実施例10〜14の酸化亜鉛膜形成基板の測定結果を表3〜5に示す。尚、表3〜5はそれぞれ基板長手方向においてボビン内から300m、600m、900mの位置における測定結果である。
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】
【表5】
【0133】
この結果から、実施例10のように加熱処理炉内の圧力が低圧下(5kPa未満)での加熱処理は、酸化亜鉛膜に残存する水分量が多く、その電気抵抗値において高い値を示す。これは圧力が低い為、ロール全体の温度が上がりにくく時間がかかった為、期待した温度に上がっていなかった為であると考えられる(これは図7乃至図9に示すロール内の温度測定の結果からも言える。)。また、実施例14のように高圧下(50kPa以上)での加熱処理は基板のサンプル位置によってその諸特性にバラツキがある(特に反射率においては基板の幅方向における両端部とセンター部との差が大きくなる。)。これは、高圧化の為、ロール状に折り重なった基板の内部まで酸素が行き渡らなかった為と考えられる。
【0134】
以上から、長尺状基板をロール状形態にて加熱処理するに当り、その処理圧力として5kPa以上50kPa未満での処理が適しているといえる。
【0135】
(実施例15)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ1000m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0136】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0137】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺状基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛薄膜が形成された。
【0138】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されたφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。
【0139】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0140】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)をガス導入孔510から導入し、加熱処理炉内の圧力を圧力調整弁514により3kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0141】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター出力制御器512によってヒーター出力を制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0142】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板の変形を評価する。
【0143】
評価方法として図6のようにサンプル基板を表面が平坦なる台等に置き、サンプル基板両端に発生した基板の波浮きの高さZ(長手方向を:x、幅方向:y、高さ方向:z)を測定する。
【0144】
(実施例16)
実施例15と同様に長尺状基板に酸化亜鉛膜を形成した後、同様に図5に示す加熱処理炉501へロール状形態にてロール支持柱509に設置し、加熱条件を室温から昇温速度5.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて600min保持される。しかる後、ヒーターをオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0145】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900mの位置をサンプル取りし、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0146】
これら実施例15〜16の基板変形測定結果を表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
この結果から加熱処理における昇温速度が2.0℃/minを超える条件では、長尺状基板において幅方向における基板端部での変形を生じる。これは、長尺状基板をロール状形態にて加熱することによってヒーター加熱はその周囲から起こるためにロール内部とロール表面での温度差が大きくなり基板変形を起こしたものと考える。
【0149】
加熱処理を行った基板上にロール・ツー・ロール方式によって搬送させながらCVD成膜を行う場合、その成膜条件、装置構成にも依存するが、均一な膜質を得るためには基板変形がない方が好ましく(基板が変形している場合、平行平板型電極でのCVD成膜法では基板と電極間間隔が均等でなくなる。)、ここでは1mm以下であれば問題は生じなかった。
【0150】
(実施例17)
あらかじめ、長尺状(厚さ0.15mm、幅355mm、長さ700m)のSUS430BAからなる基板に、金属層としてロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により銀を800nm堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により200nmの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺状基板を用意した。
【0151】
次に、図4に示す長尺状基板連続成膜装置を用いて上記の長尺状基板に以下のようにして酸化亜鉛層を形成した。
【0152】
長尺状基板403は搬送ローラー404を経て、酸化亜鉛形成槽405に搬送される。酸化亜鉛形成浴406は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩70g、デキストリン0.5gを含んでなり、浴中は液循環処理および槽側壁に設置された空気射出孔415から20cm3/hにて空気射出され溶液攪拌がなされている。液温は溶液循環系により85℃の温度に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電極407は表面をバフ研磨処理がなされた純度99.99%長方形状亜鉛板が用いられる。陰極側の長尺上基板403をアースとして、陽極側の対向電極407と陰極側の長尺状基板403との間で7.0mA/cm2(0.7A/dm2)を通電する。形成速度は55Å/secであり、膜厚2.6μmの酸化亜鉛薄膜が形成された。
【0153】
酸化亜鉛膜を形成後、巻取ローラ402に設置されるφ430mm、幅430mm、材厚10mmのステンレス製の円柱型ボビンコアに蛇行修正ローラ414により制御されながら巻きつけられる。
【0154】
以上のようにして酸化亜鉛膜を形成した長尺状基板ロールを、図5に示す加熱処理炉501へ基板終端部を固定した後、ロール状形態にてロール支持柱509へ設置した。
【0155】
加熱処理炉501内を100Pa以下になるまで真空排気ポンプ503によって真空排気し、その後酸素を含む窒素ガス(酸素分圧2%)を導入し、加熱処理炉内の圧力を圧力調整弁514により15kPaに制御しながら加熱処理を行う。
【0156】
加熱処理温度は、処理雰囲気温度を処理炉内に取り付けられた熱電対511をモニタし、ヒーター出力をヒーター出力制御器512により制御しながら処理炉内温度を一定に保持する。加熱条件は室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて500min保持される。しかる後、ヒーター出力をオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0157】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。また、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0158】
(実施例18)
実施例17と同様に長尺状基板1500mに酸化亜鉛膜を形成した後、同様に図5示す加熱処理炉501へロール状形態にてロール支持柱509に設置し、加熱条件を室温から昇温速度2.0℃/minにて250℃まで加熱し、250℃にて960min保持される。しかる後、ヒーターをオフし、処理環境と同一雰囲気にて室温まで自然冷却される。
【0159】
冷却後、処理炉内をベントし、ロール状基板を剥き出し、ロール内側から長尺状基板の基板長が300m、600m、900m、1200mの位置をサンプル取りし、基板幅方向において端部と中央部における全反射率及び乱反射率、膜中に含有する水分量、電気抵抗値を実施例1と同様の方法で測定した。また、基板の変形を実施例15と同様に評価した。
【0160】
これら実施例17〜18の結果を表7〜10に示す(実施例12も比較のために記した。)。なお、表7に示す酸化亜鉛膜中に含有する水分量は、基板表面8cm2当りの水分量を測定し、酸化亜鉛膜1cm3当りの水分量に換算したものをmolで表した。表8に示す電気抵抗値は測定回路による誤差を含んだ無修正値である。表9に示す全反射率及び乱反射率は光波長800nmにおける値を用い光干渉による振幅がある場合は山と谷の値を平均化した値である。また、表10に示す基板変形は、基板端の波高が1.0mm以下を○、1.0〜1.5mmを△、1.5mm以上を×として表示した。
【0161】
【表7】
【0162】
【表8】
【0163】
【表9】
【0164】
【表10】
【0165】
この結果から、本発明により見出した加熱処理条件にて酸化亜鉛基板を加熱処理することによって、長尺状基板をロール形態にて加熱処理を行っても、その長手方向に均一な膜特性が得られ、また酸化亜鉛膜中の水分量を低減することが可能である。また、長尺状基板の基板長が変化しても加熱時間を調整することで、均一な諸特性を示し、且つ基板変形のない酸化亜鉛膜基板が得られる。
【0166】
【発明の効果】
以上のように、本発明の酸化亜鉛膜の処理方法によれば、酸化亜鉛膜中に含有する水分量を最適な範囲に制御することができ、酸化亜鉛膜の電気抵抗の低抵抗化が可能となると共に、加熱処理によって膜中に含まれる酸化亜鉛膜の水分量を減少させることによる全反射率及び乱反射率の低下を抑制することができる。そして、本発明の方法で処理された酸化亜鉛膜の上に、その処理温度よりも低い温度で半導体層を形成して光起電力素子を製造することにより、光電変換効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光起電力素子の代表的な断面模式図である。
【図2】電解析出による酸化亜鉛層の形成装置の断面模式図である。
【図3】本発明の酸化亜鉛膜処理装置の一例を示す模式図である。
【図4】長尺状基板上への電解析出による酸化亜鉛層の連続成膜装置の断面模式図である。
【図5】本発明の酸化亜鉛膜処理装置の一例を示す模式図である。
【図6】長尺状基板の変形の測定方法を説明するための図である。
【図7】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【図8】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【図9】実施例10〜14の加熱処理時におけるロール内の温度測定結果を示す図である。
【符号の説明】
101 基板(支持体)
102 金属層
103 酸化亜鉛層
104 n型半導体層
105 i型半導体層
106 p型半導体層
107 透明電極層
108 集電電極
201 耐腐食容器
202 電解析出水溶液
203 導電性基板
204 対向電極
205 電源
206 負荷抵抗
207 基板支持軸
208 電極支持軸
211 空気射出孔
212 空気射出パイプ
213 空気射出ポンプ
214 撹拌子
301 加熱処理炉
302 被処理体
303 加熱ヒーター
304 処理炉温度モニター熱電対
305 ヒーター出力調整器
306 ヒーター出力系
307 窒素ガスマスフローコントローラ
308 酸素ガスマスフローコントローラ
309 圧力調整弁
310 真空排気ポンプ
401 送り出しローラ
402 巻き取りローラ
403 長尺状基板
404 搬送ローラ
405 酸化亜鉛形成槽
406 酸化亜鉛形成浴
407 対向電極
408 DC電源
409 洗浄槽
410 純水洗浄浴
411 純水シャワー
412 乾燥炉
413 エアー孔
414 蛇行修正ローラ
415 空気射出孔
501 加熱処理炉
502 被処理体(長尺状基板)
503 真空ポンプ
504 トラップ
505 側面ヒーターユニット
506 正面ヒーターユニット
507 背面ヒーターユニット
508 反射板
509 ボビン支持柱
510 ガス導入孔
511 温度モニタ用熱電対
512 ヒーター出力制御器
513 ヒーター電源
514 圧力調整弁
515 中央ヒーターユニット
Claims (13)
- 水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜を加熱処理する処理方法であって、処理温度が150℃以上400℃以下であり、酸素を含むN2又は不活性ガス雰囲気で処理することを特徴とする酸化亜鉛膜の処理方法。
- N2又は不活性ガスに対する酸素分圧比が1%以上10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛膜の処理方法。
- 処理圧力が5kPa以上50kPa未満であることを特徴とする請求項1または2記載の酸化亜鉛膜の処理方法。
- 不活性ガスがヘリウム、アルゴンのいずれか又はそれらの混成ガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜の処理方法。
- 導電性基板が長尺状基板であり、ロール状形態にて加熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜の処理方法。
- 被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度が2.0℃/min以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の酸化亜鉛薄膜の処理方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜の処理方法によって加熱処理された酸化亜鉛膜の上に、前記処理温度よりも低い温度で半導体層を形成する工程を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
- 水溶液から酸化亜鉛を導電性基板上に電気化学的に析出し、該析出膜を大気圧以下で加熱処理せしめる処理装置であって、処理室内を大気圧以下に排気する為の排気手段と、該析出膜を加熱する為の加熱手段と、酸素を含むN2又は不活性ガスを該処理室内へ導入する為のガス導入手段を有することを特徴とする酸化亜鉛膜処理装置。
- 前記加熱手段は、被処理体を150℃以上400℃以下に制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項8に記載の酸化亜鉛膜処理装置。
- 前記温度制御手段は、被処理体が処理温度に到達するまでの昇温速度を2.0℃/min以下に制御する機能を有することを特徴とする請求項9の酸化亜鉛膜処理装置。
- 前記排気手段は、処理室内圧力を5kPa以上50kPa未満に制御する圧力制御手段を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜処理装置。
- 前記ガス導入手段は、処理室内に導入するガス中の酸素分圧比を1%以上10%未満に制御するガス分圧制御手段を有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜処理装置。
- 前記導電性基板としての長尺状基板をロール状形態にて処理可能なロール支持手段を有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の酸化亜鉛膜処理装置。
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