JP2004283124A - 低糊化度の穀物および穀物粉、その製造方法ならびにその使用 - Google Patents
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Abstract
【課題】腸機能を改善し、かつ血糖値の急激な上昇を抑制する健康食品として好適な生穀物より低糊化度で、かつ栄養価が高く衛生的な穀物および穀物粉ならびにその製造方法の提供。
【解決手段】水分含量3%〜25%の生穀物に140℃〜180℃の温度で、1〜10秒間、過熱水蒸気処理を施すことにより、生穀物より糊化度が5〜50%低減された穀物およびこれを粉砕した穀物粉を得る。本穀物および穀物粉を摂取する場合、より消化酵素の影響を受け難いことから、糖質の吸収が抑制され、下部消化器官に到達するため、腸機能改善食品や血糖値上昇抑制食品として好適であり、またビタミンBなどの栄養成分が豊富で、生菌数が少なく衛生的である。
【選択図】なし
【解決手段】水分含量3%〜25%の生穀物に140℃〜180℃の温度で、1〜10秒間、過熱水蒸気処理を施すことにより、生穀物より糊化度が5〜50%低減された穀物およびこれを粉砕した穀物粉を得る。本穀物および穀物粉を摂取する場合、より消化酵素の影響を受け難いことから、糖質の吸収が抑制され、下部消化器官に到達するため、腸機能改善食品や血糖値上昇抑制食品として好適であり、またビタミンBなどの栄養成分が豊富で、生菌数が少なく衛生的である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は穀物、穀物粉、穀物加工食品、特に、米、米粉、米加工食品に関する。より詳細には、腸機能を改善し、かつ血糖値の急激な上昇を抑制する健康食品として好適な穀物および穀物粉ならびにその製造方法、特に、米および米粉ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
穀物は人類の主要な炭水化物供給源であり、特に米は日本人の主食として欠かせないものである。中でも玄米は白米に比べて栄養価が高く、食物繊維も多量に含むことから腸などの消化管の働きを正常に保ち、便通を良くすることができるなど健康食品としても最近特に注目されている。穀物を食するための加工方法としては麦類は粉にした後、パンやクッキーなどに焼成加工し、米は炊飯されたり粥状にするのが一般的である。
【0003】
しかしながら、上記のような加熱加工した穀物加工品は澱粉が糊化され消化吸収性が高くなっているために大腸などの下部消化管に到達することなく小腸などで吸収される割合が大きく、その腸機能の改善効果は含まれる数%の食物繊維に依存しているため限りがある。一方、糊化されていない澱粉、いわゆるβ澱粉はヒトの消化酵素の影響を受け難いため、下部消化管まで到達し、腸内微生物の発酵を受けて短鎖脂肪酸となり、腸の蠕動運動を活発にすることで便秘を改善するとともに、乳酸菌やビフィズス菌に資化されることでこれらの腸内善玉菌を増やし、肌美容や様々な疾病に関連していると言われる腸内環境を整える働きをする。澱粉は穀類が最も多く持つ成分であるため、その効果は食物繊維に比べ非常に大きくなる。
【0004】
また穀物加工品は澱粉が糊化され消化吸収性が高くなっているためにカロリーが高い。また、糊化された澱粉のような吸収性の高い糖質は血糖値を急激に上昇させるため、インスリンが過度に分泌されることから、インスリン非感受性の糖尿病に繋がりやすく、すでに糖尿病に罹患している人にとっても、病状をさらに悪化させる恐れがある。さらに急激に血糖値が上昇した場合、過剰なブドウ糖はインスリンの働きで脂肪に変換合成され、脂肪組織に取込まれることにより肥満を招く。これがさらに糖尿病を悪化させる。一方β澱粉は吸収され難いためカロリーが摂取され難く、血糖値の急激な上昇を招かない。以上のような効果を得る目的には玄米などの穀物は澱粉を消化吸収性の高い糊化澱粉ではなく、β澱粉の状態で摂取するのが適している。また玄米はビタミンB1などのビタミン類が豊富に含まれているが、加熱加工した玄米は玄米本来のビタミンなどの栄養素が熱によって壊れてしまうという欠点もある。
【0005】
β澱粉の状態で穀物の澱粉を摂取する方法として生玄米をそのまま粉砕し熱を加えない加工を施して食することが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。しかし、生玄米をβアミラーゼ・プルラナーゼ法にて測定した糊化度は約15〜25%である。糊化度とは穀物粉末に含まれる総澱粉のうち糊化澱粉の割合を意味する。つまり上記の方法においても15〜25%は消化されやすい糊化澱粉であり、さらにβ澱粉が多い状態、すなわち糊化度が低い状態で穀物を食べることにより上述の効果はより高まると考えられる。また穀物を生の状態で食べようとした場合、加熱殺菌を経ていないため病原性の微生物が殺菌されておらず、衛生的に問題がある。
【0006】
一方、糊化度の上昇を抑制された穀物の製造法として小麦粉を飽和水蒸気を導入した加圧状態の密封系攪拌機にて攪拌機での周速度5〜20m/秒、滞留時間2〜20秒の条件下に攪拌機からの排出時の小麦粉品温が65〜80℃になるように湿熱処理する方法が提案されており、その糊化度は生の未処理小麦粉とほぼ同じであることが記載されている(特許文献4参照。)。また同じく糊化度の上昇を抑制された玄米粉の製造方法として105℃から210℃の温度で60〜250秒間、望ましくは120℃〜130℃の温度で100〜200秒間、玄米を過熱水蒸気と耐圧密閉容器内で接触させる処理を行う方法により糊化度を生と同程度(約20%)に維持して処理する方法が提案されている(特許文献5参照。)。
【0007】
しかしながら、それぞれの技術の目的は加工食品の製造に適するように穀物粉の物性を改変することであり、また、健常者向けの食品を前提としているため健常者での消化性を考慮し、糊化度を生の状態より低くするようには技術が構成されていない。よって、従来の穀物粉の製造方法に比べ糊化度は抑制されているものの、生穀物と同等か、生穀物よりも糊化澱粉が多く、より多くのβ澱粉を食するという本発明の目的は達成できていない。
【0008】
なお、澱粉を湿熱処理することにより平衡水分の変化、X線回折図の変化、澱粉粒の膨潤性の変化、糊化開始温度の上昇などが知られている。このような性質を応用し、穀類に湿熱処理を施した技術として、米を湿熱処理した場合の糊化度をグルコアミラーゼ法で測定し、原料米の糊化度が23.8%に対して湿熱処理した米は36.2〜76.0%と原料米より高い値となることが記載されている(特許文献6参照。)。また、パンの製造に玄米を使用する際にパン生地製造時の粘性を抑制することを目的に、澱粉を糊化しにくいように改変するため、90℃以上120℃未満の温度で50〜90分間湿熱処理を施す技術も提案されており加熱時の糊化が抑制されることが記載されているが、処理穀物粉自体の糊化度については記載がない(特許文献7参照。)。以上の様に穀物の糊化度を生の状態以下に低下させる技術はこれまで提案されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平03−168061号公報
【特許文献2】
特開平04−45758号公報
【特許文献3】
特開平10−248508号公報
【特許文献4】
特開2000−83569号公報
【特許文献5】
特開平4−45757号公報
【特許文献6】
特開平7−25902号公報
【特許文献7】
特開2002−45130号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は穀物、特に、米、特に、玄米をよりカロリーが摂取され難く、血糖値の上がり難い状態で摂取するため、生穀物より糊化度が低い穀物および穀物粉ならびにこれらを加工した食品を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、水分含量25%以下の生穀物を過熱水蒸気処理することにより、生穀物より糊化度が低下し、かつ加熱せずに食しても安全な程度に微生物が抑制されていること、および玄米を処理した場合、生玄米のビタミンが維持されていることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は
(1) 生穀物より糊化度が低く、かつ衛生的な穀物および穀物粉、ならびに
(2) 生玄米より糊化度が低く、かつ生玄米のビタミン含量が保持されていることを特徴とする玄米および玄米粉。ならびに
(3)前記記載の食品組成物
に関する。
【0012】
本発明に使用する穀物は一般に流通している生の穀物で良いが、水分が25%以下であることが必要である。これ以上の水分含量であると、過熱水蒸気処理による加熱で逆に澱粉の糊化が起こってしまうため望ましくない。よって、水分は25%以下であることがより望ましい。下限値としては特に制約はないが、3%以下に乾燥しようとした場合、かなりの熱をかける必要があるため、栄養成分の劣化が激しくなる。よって、3%以上の水分値が好ましい。過熱水蒸気処理は数秒(約1〜10秒間)、140℃〜180℃の過熱水蒸気と接触させることによって行われる。過熱水蒸気とは、飽和水蒸気をさらに過熱していくことで、圧力は変化せずに得られる高い温度の蒸気である。過熱水蒸気は飽和水蒸気のように処理する穀物を湿らせることなく、熱処理が行えるという特徴を持つため本発明に最適の加工方法である。また、乾燥工程が必要ないため、工程が簡素になるというメリットがある。
【0013】
使用する機器設備は上記条件を達成できるものであれば、どのようなものでも良いが、気流式殺菌装置は本条件を達成するために適している。穀物粒のまま、もしくは穀物粒を半分から4分の1程度に粗粉砕した状態で加工する場合、原料に過熱水蒸気の熱が均一に伝わり難いため、過熱水蒸気の温度は155℃以上が望ましく、穀物の色や焦臭がつくなどの香味の劣化や栄養成分の劣化を防ぐために180℃以下とすることが望ましい。粉体を調整する場合、穀物粒もしくは粗粉砕した穀物粒を湿熱処理後、粉砕機で粉体とすることができる。また予め穀物を粉砕し粉体とした後、湿熱処理することもできる。この場合、原料に熱が均一に伝わりやすいため、やや処理温度は低くても良く、140℃以上が望ましい。また過熱水蒸気に接触させる時間は長すぎた場合色や味栄養成分の劣化を招くため、数秒(約1〜10秒)の短時間が望ましい。ただし、予め粉体を調整し湿熱処理した場合、気流式殺菌装置の入り口付近から漏れる蒸気により糊化した粉体がへばりつき、生産性が悪くなるため、湿熱処理後粉砕するのが好ましい。
【0014】
粉砕に使用する粉砕機は通常使用するもので良いが、品質の劣化を防ぐため、過度の摩擦熱は抑制するのが好ましい。なお、本発明の穀物および穀物粉は澱粉を糊化せずに食する必要があるため、通常の食品製造で行われる加熱加工が困難である。よって加熱加工の際に同時になされる殺菌が行えないため、本発明の穀物および穀物粒は微生物数が抑制され大腸菌群陰性であることが必要である。上記過熱水蒸気処理の結果、微生物も殺菌され、大腸菌群を陰性とすることができるため、加熱加工を行わずに食することが可能となる。
なお、オートクレーブなどにより100℃〜130℃程度の比較的低温で60秒以内の短時間湿熱処理を行うことによっても糊化度は生穀物より低く抑えることができるが、本発明よりその低下率は低く、また処理温度が低いために殺菌が不充分となり非加熱で食する本発明の目的には適さない。また100℃〜130℃程度でさらに長い時間湿熱処理を行うと、菌数は減るが糊化度は逆に高くなるため、やはり本発明の目的には適さない。
【0015】
上記方法で製造した穀物を食する方法として、そのまま粉体を水、牛乳、豆乳、ジュースなどに溶かしたり、マルチトールなどの難消化性の糖質を加えて食することができる。このとき、他の食材と混ぜることも可能である。ただし、60℃以上の水分を多く含む液体を加えると、澱粉の糊化が進むため好ましくない。さらに食べ易くするために、本発明の穀物を使用して食品加工品を製造する場合、水分の多い状態で加熱を行うと、澱粉の糊化が起こるため、加熱を用いない製造方法が必要である。例えば、液体に溶解した後、凍結乾燥を行いスナック状に加工したり、難消化性の液糖を加え、固めてオコシ状や栄養バー状に加工することができる。加工の際、他の穀類、芋類、糖類、豆類、種実類、野菜類、果実類、茸類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、調味料、香辛料、香料、増粘安定剤、乳化剤、甘味料、保存料、着色料、酸化防止剤、酸味量などの原料を加えることも可能である。なお本発明の穀物を食する場合、消化性の糖質やこれを含む原料は血糖値を上げ易いため、少量であれば構わないが、使用しないほうが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る穀物および穀物粉並びに穀物加工食品、特に玄米および玄米粉末ならびに玄米加工食品を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明に使用する穀物としては、特に種類は限定されないが、米類、雑穀類(アマランサス、粟、黍、稗、もろこし、キヌア)、麦類(燕麦、大麦、小麦、はと麦、ライ麦)、そば、とうもろこし、などが挙げられる。籾のある穀物は籾がついたままでも処理は可能であるが、過熱水蒸気処理を均一に行うためには、籾を外したほうが望ましい。搗精は行っても行わなくても構わないが、栄養成分的には精白は行わないほうが好ましい。特に玄米はβ澱粉だけでなくビタミン類などの栄養素が豊富に摂取できるので好ましい。
【0017】
本発明に使用する玄米としては未精製の米であれば銘柄、産地等は何ら限定されることはない。また、穀物を予め洗ったり、水または50℃以下の温水に浸漬、もしくは50℃以下の高湿度下にて発芽させた穀物を使用しても良い。また、上記穀物の割砕物、粉砕物も使用できる。また、上記穀物は単独で使用しても良いが、併用することもできる。それぞれ穀物は処理前に水分が25%以下になるように乾燥する。乾燥する手段としては通常の乾燥法が利用できるが、水分30%以上含まれる乾燥初期はできるだけ加熱を抑え、品温を60℃以下で乾燥するのが好ましい。
【0018】
湿熱処理は140℃〜180℃の過熱水蒸気に1〜10秒間接触できる条件が達成できる機械であればどのような機械装置を使用しても良いが、過熱水蒸気を使用して殺菌を行う機械が好適に使用できる。例として気流式殺菌装置、高速攪拌式殺菌装置などが挙げられる。穀物を粉体にして処理をする場合、粉砕機は通常穀物粉を作るために使用されているもので構わない。
【0019】
【実施例1】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:3.0kg/cm2G−170℃−3秒
【実施例2】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:2.5kg/cm2G−160℃−3秒
【実施例3】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:2.0kg/cm2G−155℃−3秒
【比較例1】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:1.5kg/cm2G−150℃−3秒
【0020】
結果を表1に示す。なお、糊化度はβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法にて、一般生菌数は標準寒天培地法、大腸菌群はBGLB法にて測定した。
【0021】
【表1】
【0022】
155℃以上の過熱水蒸気により処理した実施例1〜3は、糊化度が17.5〜12.0%であり、処理前に比べ糊化度が12.5〜40%低減した、生玄米より糊化度が低い玄米が得られた。また、実施例1〜3はともに一般生菌数は300以下/gに低く抑えられ、大腸菌群も陰性であった。またビタミンの残存量も0.30〜0.31mg/100gであり未処理の生玄米と比べ遜色は無かった。
【実施例4】
実施例1にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【実施例5】
実施例2にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【実施例6】
実施例3にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【比較例2】
比較例1にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【0023】
実施例4〜6および比較例2の糊化度、一般生菌数、大腸菌群を測定した結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
粉体に加工しても、糊化度、一般生菌数、大腸菌群の値にほとんど変化はなかった。
【実施例7】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:2.0kg/cm2G−155℃×4秒
【実施例8】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:1.5kg/cm2G−145℃×4秒
【実施例9】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:1.0kg/cm2G−140℃×4秒
【比較例3】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工し、過熱水蒸気処理はしなかった。
実施例7〜9および比較例3の糊化度、一般生菌数、大腸菌群を測定した結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
140℃以上の過熱水蒸気により処理した実施例7〜9は、糊化度が18.2〜13.2%であり、処理前の比較例3に比べ糊化度が9〜34%低減した、比較例3の生玄米粉より糊化度が低かった。また実施例7〜9ともに一般生菌数は300以下/gに低く抑えられ、大腸菌群も陰性であった。
【実施例10】
実施例4にて作製した過熱水蒸気処理玄米粉を用いて、次の処方にて凍結乾燥を行い、スナック状食品を調整した。
過熱水蒸気処理玄米粉末70重量部、胡麻5重量部、食塩5重量部、乳糖20重量部、水100重量部。
前記原料を混練したペーストをトレーに充填し−20℃で予備凍結後、24時間凍結乾燥を行った。
【実施例11】
実施例4にて作製した過熱水蒸気処理玄米粉を用いて、次の処方にてバー状食品を調整した。過熱水蒸気処理玄米粉末60重量部、米胚芽油8重量部、ファイバーソル2HL(還元難消化性デキストリン溶液)15重量部、マルチトール75%溶液15重量部、胡麻2重量部。前記原料を混練しバー状に成形した。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、生穀物より低糊化度でβ澱粉の多い穀物および穀物粉を得ることが出来る。
【0029】
本発明の低糊化度の穀物、穀物粉を食することにより、より効率的に下部消化管までβ澱粉を届け、腸内細菌叢を活性化し腸機能を整えることにより各種疾病を予防する食品を提供することができる。また、カロリーが低く、血糖値の急激な上昇を抑制することで糖尿病の予防、悪化防止に効果が有り、かつ栄養豊富で衛生的な食品を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は穀物、穀物粉、穀物加工食品、特に、米、米粉、米加工食品に関する。より詳細には、腸機能を改善し、かつ血糖値の急激な上昇を抑制する健康食品として好適な穀物および穀物粉ならびにその製造方法、特に、米および米粉ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
穀物は人類の主要な炭水化物供給源であり、特に米は日本人の主食として欠かせないものである。中でも玄米は白米に比べて栄養価が高く、食物繊維も多量に含むことから腸などの消化管の働きを正常に保ち、便通を良くすることができるなど健康食品としても最近特に注目されている。穀物を食するための加工方法としては麦類は粉にした後、パンやクッキーなどに焼成加工し、米は炊飯されたり粥状にするのが一般的である。
【0003】
しかしながら、上記のような加熱加工した穀物加工品は澱粉が糊化され消化吸収性が高くなっているために大腸などの下部消化管に到達することなく小腸などで吸収される割合が大きく、その腸機能の改善効果は含まれる数%の食物繊維に依存しているため限りがある。一方、糊化されていない澱粉、いわゆるβ澱粉はヒトの消化酵素の影響を受け難いため、下部消化管まで到達し、腸内微生物の発酵を受けて短鎖脂肪酸となり、腸の蠕動運動を活発にすることで便秘を改善するとともに、乳酸菌やビフィズス菌に資化されることでこれらの腸内善玉菌を増やし、肌美容や様々な疾病に関連していると言われる腸内環境を整える働きをする。澱粉は穀類が最も多く持つ成分であるため、その効果は食物繊維に比べ非常に大きくなる。
【0004】
また穀物加工品は澱粉が糊化され消化吸収性が高くなっているためにカロリーが高い。また、糊化された澱粉のような吸収性の高い糖質は血糖値を急激に上昇させるため、インスリンが過度に分泌されることから、インスリン非感受性の糖尿病に繋がりやすく、すでに糖尿病に罹患している人にとっても、病状をさらに悪化させる恐れがある。さらに急激に血糖値が上昇した場合、過剰なブドウ糖はインスリンの働きで脂肪に変換合成され、脂肪組織に取込まれることにより肥満を招く。これがさらに糖尿病を悪化させる。一方β澱粉は吸収され難いためカロリーが摂取され難く、血糖値の急激な上昇を招かない。以上のような効果を得る目的には玄米などの穀物は澱粉を消化吸収性の高い糊化澱粉ではなく、β澱粉の状態で摂取するのが適している。また玄米はビタミンB1などのビタミン類が豊富に含まれているが、加熱加工した玄米は玄米本来のビタミンなどの栄養素が熱によって壊れてしまうという欠点もある。
【0005】
β澱粉の状態で穀物の澱粉を摂取する方法として生玄米をそのまま粉砕し熱を加えない加工を施して食することが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。しかし、生玄米をβアミラーゼ・プルラナーゼ法にて測定した糊化度は約15〜25%である。糊化度とは穀物粉末に含まれる総澱粉のうち糊化澱粉の割合を意味する。つまり上記の方法においても15〜25%は消化されやすい糊化澱粉であり、さらにβ澱粉が多い状態、すなわち糊化度が低い状態で穀物を食べることにより上述の効果はより高まると考えられる。また穀物を生の状態で食べようとした場合、加熱殺菌を経ていないため病原性の微生物が殺菌されておらず、衛生的に問題がある。
【0006】
一方、糊化度の上昇を抑制された穀物の製造法として小麦粉を飽和水蒸気を導入した加圧状態の密封系攪拌機にて攪拌機での周速度5〜20m/秒、滞留時間2〜20秒の条件下に攪拌機からの排出時の小麦粉品温が65〜80℃になるように湿熱処理する方法が提案されており、その糊化度は生の未処理小麦粉とほぼ同じであることが記載されている(特許文献4参照。)。また同じく糊化度の上昇を抑制された玄米粉の製造方法として105℃から210℃の温度で60〜250秒間、望ましくは120℃〜130℃の温度で100〜200秒間、玄米を過熱水蒸気と耐圧密閉容器内で接触させる処理を行う方法により糊化度を生と同程度(約20%)に維持して処理する方法が提案されている(特許文献5参照。)。
【0007】
しかしながら、それぞれの技術の目的は加工食品の製造に適するように穀物粉の物性を改変することであり、また、健常者向けの食品を前提としているため健常者での消化性を考慮し、糊化度を生の状態より低くするようには技術が構成されていない。よって、従来の穀物粉の製造方法に比べ糊化度は抑制されているものの、生穀物と同等か、生穀物よりも糊化澱粉が多く、より多くのβ澱粉を食するという本発明の目的は達成できていない。
【0008】
なお、澱粉を湿熱処理することにより平衡水分の変化、X線回折図の変化、澱粉粒の膨潤性の変化、糊化開始温度の上昇などが知られている。このような性質を応用し、穀類に湿熱処理を施した技術として、米を湿熱処理した場合の糊化度をグルコアミラーゼ法で測定し、原料米の糊化度が23.8%に対して湿熱処理した米は36.2〜76.0%と原料米より高い値となることが記載されている(特許文献6参照。)。また、パンの製造に玄米を使用する際にパン生地製造時の粘性を抑制することを目的に、澱粉を糊化しにくいように改変するため、90℃以上120℃未満の温度で50〜90分間湿熱処理を施す技術も提案されており加熱時の糊化が抑制されることが記載されているが、処理穀物粉自体の糊化度については記載がない(特許文献7参照。)。以上の様に穀物の糊化度を生の状態以下に低下させる技術はこれまで提案されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平03−168061号公報
【特許文献2】
特開平04−45758号公報
【特許文献3】
特開平10−248508号公報
【特許文献4】
特開2000−83569号公報
【特許文献5】
特開平4−45757号公報
【特許文献6】
特開平7−25902号公報
【特許文献7】
特開2002−45130号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は穀物、特に、米、特に、玄米をよりカロリーが摂取され難く、血糖値の上がり難い状態で摂取するため、生穀物より糊化度が低い穀物および穀物粉ならびにこれらを加工した食品を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、水分含量25%以下の生穀物を過熱水蒸気処理することにより、生穀物より糊化度が低下し、かつ加熱せずに食しても安全な程度に微生物が抑制されていること、および玄米を処理した場合、生玄米のビタミンが維持されていることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は
(1) 生穀物より糊化度が低く、かつ衛生的な穀物および穀物粉、ならびに
(2) 生玄米より糊化度が低く、かつ生玄米のビタミン含量が保持されていることを特徴とする玄米および玄米粉。ならびに
(3)前記記載の食品組成物
に関する。
【0012】
本発明に使用する穀物は一般に流通している生の穀物で良いが、水分が25%以下であることが必要である。これ以上の水分含量であると、過熱水蒸気処理による加熱で逆に澱粉の糊化が起こってしまうため望ましくない。よって、水分は25%以下であることがより望ましい。下限値としては特に制約はないが、3%以下に乾燥しようとした場合、かなりの熱をかける必要があるため、栄養成分の劣化が激しくなる。よって、3%以上の水分値が好ましい。過熱水蒸気処理は数秒(約1〜10秒間)、140℃〜180℃の過熱水蒸気と接触させることによって行われる。過熱水蒸気とは、飽和水蒸気をさらに過熱していくことで、圧力は変化せずに得られる高い温度の蒸気である。過熱水蒸気は飽和水蒸気のように処理する穀物を湿らせることなく、熱処理が行えるという特徴を持つため本発明に最適の加工方法である。また、乾燥工程が必要ないため、工程が簡素になるというメリットがある。
【0013】
使用する機器設備は上記条件を達成できるものであれば、どのようなものでも良いが、気流式殺菌装置は本条件を達成するために適している。穀物粒のまま、もしくは穀物粒を半分から4分の1程度に粗粉砕した状態で加工する場合、原料に過熱水蒸気の熱が均一に伝わり難いため、過熱水蒸気の温度は155℃以上が望ましく、穀物の色や焦臭がつくなどの香味の劣化や栄養成分の劣化を防ぐために180℃以下とすることが望ましい。粉体を調整する場合、穀物粒もしくは粗粉砕した穀物粒を湿熱処理後、粉砕機で粉体とすることができる。また予め穀物を粉砕し粉体とした後、湿熱処理することもできる。この場合、原料に熱が均一に伝わりやすいため、やや処理温度は低くても良く、140℃以上が望ましい。また過熱水蒸気に接触させる時間は長すぎた場合色や味栄養成分の劣化を招くため、数秒(約1〜10秒)の短時間が望ましい。ただし、予め粉体を調整し湿熱処理した場合、気流式殺菌装置の入り口付近から漏れる蒸気により糊化した粉体がへばりつき、生産性が悪くなるため、湿熱処理後粉砕するのが好ましい。
【0014】
粉砕に使用する粉砕機は通常使用するもので良いが、品質の劣化を防ぐため、過度の摩擦熱は抑制するのが好ましい。なお、本発明の穀物および穀物粉は澱粉を糊化せずに食する必要があるため、通常の食品製造で行われる加熱加工が困難である。よって加熱加工の際に同時になされる殺菌が行えないため、本発明の穀物および穀物粒は微生物数が抑制され大腸菌群陰性であることが必要である。上記過熱水蒸気処理の結果、微生物も殺菌され、大腸菌群を陰性とすることができるため、加熱加工を行わずに食することが可能となる。
なお、オートクレーブなどにより100℃〜130℃程度の比較的低温で60秒以内の短時間湿熱処理を行うことによっても糊化度は生穀物より低く抑えることができるが、本発明よりその低下率は低く、また処理温度が低いために殺菌が不充分となり非加熱で食する本発明の目的には適さない。また100℃〜130℃程度でさらに長い時間湿熱処理を行うと、菌数は減るが糊化度は逆に高くなるため、やはり本発明の目的には適さない。
【0015】
上記方法で製造した穀物を食する方法として、そのまま粉体を水、牛乳、豆乳、ジュースなどに溶かしたり、マルチトールなどの難消化性の糖質を加えて食することができる。このとき、他の食材と混ぜることも可能である。ただし、60℃以上の水分を多く含む液体を加えると、澱粉の糊化が進むため好ましくない。さらに食べ易くするために、本発明の穀物を使用して食品加工品を製造する場合、水分の多い状態で加熱を行うと、澱粉の糊化が起こるため、加熱を用いない製造方法が必要である。例えば、液体に溶解した後、凍結乾燥を行いスナック状に加工したり、難消化性の液糖を加え、固めてオコシ状や栄養バー状に加工することができる。加工の際、他の穀類、芋類、糖類、豆類、種実類、野菜類、果実類、茸類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、調味料、香辛料、香料、増粘安定剤、乳化剤、甘味料、保存料、着色料、酸化防止剤、酸味量などの原料を加えることも可能である。なお本発明の穀物を食する場合、消化性の糖質やこれを含む原料は血糖値を上げ易いため、少量であれば構わないが、使用しないほうが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る穀物および穀物粉並びに穀物加工食品、特に玄米および玄米粉末ならびに玄米加工食品を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明に使用する穀物としては、特に種類は限定されないが、米類、雑穀類(アマランサス、粟、黍、稗、もろこし、キヌア)、麦類(燕麦、大麦、小麦、はと麦、ライ麦)、そば、とうもろこし、などが挙げられる。籾のある穀物は籾がついたままでも処理は可能であるが、過熱水蒸気処理を均一に行うためには、籾を外したほうが望ましい。搗精は行っても行わなくても構わないが、栄養成分的には精白は行わないほうが好ましい。特に玄米はβ澱粉だけでなくビタミン類などの栄養素が豊富に摂取できるので好ましい。
【0017】
本発明に使用する玄米としては未精製の米であれば銘柄、産地等は何ら限定されることはない。また、穀物を予め洗ったり、水または50℃以下の温水に浸漬、もしくは50℃以下の高湿度下にて発芽させた穀物を使用しても良い。また、上記穀物の割砕物、粉砕物も使用できる。また、上記穀物は単独で使用しても良いが、併用することもできる。それぞれ穀物は処理前に水分が25%以下になるように乾燥する。乾燥する手段としては通常の乾燥法が利用できるが、水分30%以上含まれる乾燥初期はできるだけ加熱を抑え、品温を60℃以下で乾燥するのが好ましい。
【0018】
湿熱処理は140℃〜180℃の過熱水蒸気に1〜10秒間接触できる条件が達成できる機械であればどのような機械装置を使用しても良いが、過熱水蒸気を使用して殺菌を行う機械が好適に使用できる。例として気流式殺菌装置、高速攪拌式殺菌装置などが挙げられる。穀物を粉体にして処理をする場合、粉砕機は通常穀物粉を作るために使用されているもので構わない。
【0019】
【実施例1】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:3.0kg/cm2G−170℃−3秒
【実施例2】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:2.5kg/cm2G−160℃−3秒
【実施例3】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:2.0kg/cm2G−155℃−3秒
【比較例1】
水分含量を15%に調整した玄米を気流式殺菌装置(キッコーマン社製)を用いて次の条件にて過熱水蒸気処理を行った。
・圧力−過熱水蒸気温度−処理時間:1.5kg/cm2G−150℃−3秒
【0020】
結果を表1に示す。なお、糊化度はβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法にて、一般生菌数は標準寒天培地法、大腸菌群はBGLB法にて測定した。
【0021】
【表1】
【0022】
155℃以上の過熱水蒸気により処理した実施例1〜3は、糊化度が17.5〜12.0%であり、処理前に比べ糊化度が12.5〜40%低減した、生玄米より糊化度が低い玄米が得られた。また、実施例1〜3はともに一般生菌数は300以下/gに低く抑えられ、大腸菌群も陰性であった。またビタミンの残存量も0.30〜0.31mg/100gであり未処理の生玄米と比べ遜色は無かった。
【実施例4】
実施例1にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【実施例5】
実施例2にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【実施例6】
実施例3にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【比較例2】
比較例1にて得た過熱水蒸気処理玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200、(株)三和エンヂニアリング製)にて平均粒径100μmの粉体に加工した。
【0023】
実施例4〜6および比較例2の糊化度、一般生菌数、大腸菌群を測定した結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
粉体に加工しても、糊化度、一般生菌数、大腸菌群の値にほとんど変化はなかった。
【実施例7】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:2.0kg/cm2G−155℃×4秒
【実施例8】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:1.5kg/cm2G−145℃×4秒
【実施例9】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工した後、気流式殺菌装置を用いて次の条件にて湿熱処理を行った。
圧力−過熱水蒸気温度×処理時間:1.0kg/cm2G−140℃×4秒
【比較例3】
水分含量を15%に調整した玄米を粉砕機(スーパーウイングミルDM−200)にて平均粒径500μmの粉体に加工し、過熱水蒸気処理はしなかった。
実施例7〜9および比較例3の糊化度、一般生菌数、大腸菌群を測定した結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
140℃以上の過熱水蒸気により処理した実施例7〜9は、糊化度が18.2〜13.2%であり、処理前の比較例3に比べ糊化度が9〜34%低減した、比較例3の生玄米粉より糊化度が低かった。また実施例7〜9ともに一般生菌数は300以下/gに低く抑えられ、大腸菌群も陰性であった。
【実施例10】
実施例4にて作製した過熱水蒸気処理玄米粉を用いて、次の処方にて凍結乾燥を行い、スナック状食品を調整した。
過熱水蒸気処理玄米粉末70重量部、胡麻5重量部、食塩5重量部、乳糖20重量部、水100重量部。
前記原料を混練したペーストをトレーに充填し−20℃で予備凍結後、24時間凍結乾燥を行った。
【実施例11】
実施例4にて作製した過熱水蒸気処理玄米粉を用いて、次の処方にてバー状食品を調整した。過熱水蒸気処理玄米粉末60重量部、米胚芽油8重量部、ファイバーソル2HL(還元難消化性デキストリン溶液)15重量部、マルチトール75%溶液15重量部、胡麻2重量部。前記原料を混練しバー状に成形した。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、生穀物より低糊化度でβ澱粉の多い穀物および穀物粉を得ることが出来る。
【0029】
本発明の低糊化度の穀物、穀物粉を食することにより、より効率的に下部消化管までβ澱粉を届け、腸内細菌叢を活性化し腸機能を整えることにより各種疾病を予防する食品を提供することができる。また、カロリーが低く、血糖値の急激な上昇を抑制することで糖尿病の予防、悪化防止に効果が有り、かつ栄養豊富で衛生的な食品を提供することができる。
Claims (19)
- 生穀物より糊化度が低いことを特徴とする穀物、および穀物粉。
- 生米より糊化度が低いことを特徴とする米、および米粉。
- 生玄米より糊化度が低く、かつ生玄米と同等のビタミン含量が保持されていることを特徴とする玄米および玄米粉。
- 水分含量3〜25%の生穀物を過熱水蒸気処理することによって得られる、生穀物より糊化度が低いことを特徴とする穀物、およびこれを粉砕した穀物粉。
- 過熱水蒸気処理の温度が155〜180℃、処理時間が1〜10秒であることを特徴とする請求項4に記載の穀物、およびこれを粉砕した穀物粉。
- 水分含量3〜25%の穀物を予め粉砕した生穀物を過熱水蒸気処理することによって得られる、生穀物粉より糊化度が低いことを特徴とする穀物粉。
- 過熱水蒸気処理の温度が140〜180℃、処理時間が1〜10秒であることを特徴とする請求項6に記載の穀物粉。
- 生穀物を過熱水蒸気処理することによって穀物の糊化度を低減することを特徴とする低糊化度穀物の製造方法。
- 水分含量3〜25%の生穀物を155〜180℃の過熱水蒸気で1〜10秒間処理することにより、処理前に比べ糊化度を5〜50%低減させることを特徴とする低糊化度穀物およびこれを粉砕した低糊化度穀物粉の製造方法。
- 水分含量3〜25%の穀物を予め粉砕した生穀物を140〜180℃の過熱水蒸気で1〜10秒間処理することにより、処理前に比べ糊化度を5〜50%低減させることを特徴とする低糊化度穀物粉の製造方法。
- 水分含量3〜25%の生穀物を155〜180℃の過熱水蒸気で1〜10秒間処理することにより、糊化度を10〜19%とすることを特徴とする低糊化度玄米およびこれを粉砕した低糊化度玄米粉の製造方法。
- 水分含量3〜25%の穀物を予め粉砕した生穀物を140〜180℃の過熱水蒸気で1〜10秒間処理することにより、糊化度を10〜19%とすることを特徴とする低糊化度玄米粉の製造方法。
- 請求項8〜12に記載の製造方法により製造された低糊化度穀物、低糊化度穀物粉、低糊化度玄米、低糊化度玄米粉。
- 過熱水蒸気処理を気流式殺菌装置によって行う請求項1〜7または請求項13に記載の穀物および穀物粉。
- 衛生的で加熱せずに食することができることを特徴とする請求項1〜7、13、14に記載の穀物および穀物粉。
- 摂取することにより、腸機能を改善することができる請求項1〜7、13〜15に記載の穀物および穀物粉。
- 摂取しても血糖値の上昇を緩やかに抑えることができる請求項1〜7、13〜16に記載の穀物および穀物粉。
- 請求項1〜7、13〜17に記載の穀物および穀物粉を使用した腸機能改善食品組成物。
- 請求項1〜7、13〜18に記載の穀物および穀物粉を使用した糖尿病者用食品組成物。
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-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003081685A patent/JP2004283124A/ja not_active Withdrawn
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