JP2004276084A - 消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチ - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広の溶接ビードを形成することができ、溶接速度を高めることができ、さらに、エネルギ効率を改善することができる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを提供する。
【解決手段】軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディ12、14と、チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップ13,15と、2本の給電チップを取囲んだノズル9とを備え、ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤ19,20が給電チップ13,15に内接する給電位置で溶接ワイヤに電力を供給して溶接ワイヤ19,20と被溶接物2との間にアーク21,22を発生させる溶接トーチにおいて、2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップ15の給電位置を前方に位置する給電チップ13の給電位置よりも被溶接物に対して高く設定した。
【選択図】 図1
【解決手段】軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディ12、14と、チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップ13,15と、2本の給電チップを取囲んだノズル9とを備え、ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤ19,20が給電チップ13,15に内接する給電位置で溶接ワイヤに電力を供給して溶接ワイヤ19,20と被溶接物2との間にアーク21,22を発生させる溶接トーチにおいて、2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップ15の給電位置を前方に位置する給電チップ13の給電位置よりも被溶接物に対して高く設定した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1トーチ内で2本の消耗電極(以下、ワイヤという)を送給して溶接する消耗電極ガスシールドアーク溶接方法に使用する溶接トーチの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種溶接構造物の建造において、薄板高速溶接又は厚板高溶着溶接を行うことによって作業能率の向上を図っているが、さらに向上させるために、図4に示すように、1本のトーチから2本のワイヤを送給する消耗電極ガスシールドアーク溶接方法いわゆる2電極アーク溶接方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図4は、2電極アーク溶接方法を説明するための図である。
【0003】
同図において、先行チップA4及び後行チップB4と被溶接物2との間に、図示を省略した先行ワイヤ用溶接電源装置及び後行ワイヤ用溶接電源装置から電力をそれぞれ供給し、先行チップA4及び後行チップB4から送給される先行ワイヤ先端A1a及び後行ワイヤ先端B1aから先行アークA3及び後行アークB3がそれぞれ発生している。ノズル10は先行チップA4及び後行チップB4を取囲み、ノズル10の内部にシールドガス11が噴出される。
【0004】
図4において、先行ワイヤ先端A1aから発生している先行アークA3によって形成される溶融池7の溶融金属が表面張力によって後方へ流れていこうとするが、後行ワイヤ先端B1aから発生している後行アークB3のアーク力がこの後方へ流れようとする溶融金属を先行ワイヤ先端A1aから発生する先行アークA3の真下へ押し戻して、各溶接位置における溶融金属量を均一にしている。
【0005】
上述した2電極アーク溶接方法は、従来の1電極による溶接方法と比較して、溶接速度を2倍程度向上させることができる。また、被溶接物がギャップを有するときに、そのギャップを溶融金属で埋めることができる、いわゆる架橋性が優れている。従って、薄板の重ねすみ肉溶接において、ギャップ裕度を広くすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2001−225168号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した2電極アーク溶接方法において、高溶着溶接を行う場合、1時間当り20kg以上の溶融金属を必要とするために、先行ワイヤ及び後行ワイヤに通電する電流をそれぞれ400A程度の高い電流にする必要がある。このような場合、溶接ワイヤの送給速度が高速であるので、アーク長が短くなる傾向があり、短絡が発生し易く、スパッタが多く発生し易くなる。
【0008】
そこで、高い電流を通電する代わりに、ワイヤの給電チップ先端からワイヤが突出している長さであるワイヤの突出し長さを長くして、ジュール熱によってワイヤの溶融を促進させる方法がある。
しかし、突出し長さが25mm以上になると、例えばノズルの長さが同じである場合、シールドが不十分になり、溶接ビードにブローホールが発生して溶接欠陥になる。また、ノズルを長くしてシールド効果を向上させようとしても、ワイヤの被溶接物に対する溶接狙い位置が安定しないために、溶接不良になる。
【0009】
本発明は、幅広の溶接ビードを形成することができ、溶接速度を高めることができ、さらに、エネルギ効率を改善することができる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディと、前記チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップと、前記2本の給電チップを取囲んだノズルとを備え、前記ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤが前記給電チップに内接する給電位置で前記溶接ワイヤに電力を供給して前記溶接ワイヤと被溶接物との間にアークを発生させる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチにおいて、前記2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップの前記給電位置を前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記後方に位置する給電チップを前記前方に位置する給電チップよりも前記被溶接物に対して高い位置に設けて、前記後方に位置する給電チップの前記給電位置を前記前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする請求項1記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
溶接ワイヤ挿通孔が形成され前記溶接ワイヤを案内する絶縁部材を前記後方に位置する給電チップの先端に設けたことを特徴とする請求項2記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを示す図である。同図において、被溶接物2に対する後行チップ6の給電位置を先行チップ5の給電位置よりも高くするために、先行チップ5は従来の給電チップを使用し、後行チップ6は、図2に示す構造のチップを使用している。図2は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの後行チップの構造を示す図である。
図1において、トーチボディ18に先行チップボディ12と後行チップボディ14とが並べて設けられている。先行チップボディ12の先端に先行給電チップ13が取付けられている。先行ワイヤ19が先行チップボディ12と先行給電チップ13とを挿通して、図示を省略した先行溶接用電源装置から先行ワイヤ19と被溶接物2との間に電力が供給されて、先行アーク21が発生する。先行チップ5は、先行チップボディ12と先行給電チップ13とから成る。
【0014】
後行チップボディ14の先端に後行給電チップ15が取付けられ、後行給電チップ15の先端に後行ワイヤ20を案内するための絶縁部材16が設けられ、この絶縁部材16をアーク熱から保護するために金属性のキャップ17をかぶせている。後行ワイヤ20が後行チップボディ14と後行給電チップ15とを挿通して、図示を省略した後行溶接用電源装置から後行ワイヤ20と被溶接物2との間に電力が供給されて、後行アーク22が発生する。後行チップ6は、後行チップボディ14と後行給電チップ15と絶縁部材16とキャップ17とから成る。ノズル9が先行チップ5及び後行チップ6を取囲んでいる。
【0015】
先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6との構造の違いを図3を用いて説明する。図3は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6とを比較する図であり、同図(A)は、先行チップ5に使用する従来技術チップを示す図であり、同図(B)は、後行チップ6を示す図である。同図において、図1と同じ機能に同符号を付して説明を省略する。
【0016】
図3(A)に示すように、先行チップ5においては、給電位置である先行給電チップ先端13aから被溶接物2までの距離が先行チップ有効突出し長さL1である。従って、先行チップ先端13aから先行アーク21までの長さである先行給電チップアーク間距離L2でしか先行ワイヤ19に対してジュール加熱を行えない。
これに対して、図3(B)に示すように、 後行チップ6においては、給電位置が従来技術チップ5よりも高くなっている。その結果、給電位置である後行給電チップ先端15aから被溶接物2までの距離が後行チップ有効突出し長さL3である。従って、後行給電チップ先端15aからアーク22までの長さである後行給電チップアーク間距離L4が、先行チップ5よりもかなり長くなり、後行ワイヤ20のジュール加熱が促進される。そのために、先行チップ5に通電する電流と同じ電流を通電しても、後行ワイヤ20の溶融速度を増加させることができる。つまり、単位長さ当りの後行ワイヤ20を先行チップよりも少ない電流で溶融させることができ、エネルギ効率が良い。
【0017】
図1に示したように、先行チップ5には従来技術チップを使用する理由を説明する。2電極アーク溶接トーチを用いて高速溶接を行うときの先行ワイヤ19の役割は、被溶接物2に溝を掘る、いわゆるガウジングを行い、溶融金属の溶け込み場所を確保し、十分な溶融金属をガウジングした場所に送り込むことである。
また、後行ワイヤ20の役割は、先行ワイヤ19によって形成された溶融金属が溶接方向に対して後方に流れてくるのをせき止めて、湯だまりを形成することである。さらに、溶融金属を継ぎ足して、溶接ビードの成形性を改善することである。
【0018】
図3(B)に示した後行チップ6は、後行チップ有効突出し長さL3が長くなり、ジュール加熱が促進され、単位長さ当りの後行ワイヤ20を従来技術チップよりも少ない電流で溶融させることができる。つまり、同じワイヤの溶融量を得ても電流が少し減少している。従って、先行アーク22のアーク力が小さくなるので、ガウジングを十分に行うことができない。そこで、先行チップ5には従来技術チップを使用し、後行チップ6に図3(B)に示したチップを使用して、溶接のエネルギ効率を改善して、溶け込み特性を確保することができる。
【0019】
なお、発明者の実験によれば、被溶接物2に対する後行チップ6の給電位置を先行チップ5の給電位置よりも1cm〜2cm高く設定することによって、適切な溶接ビードを形成することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディと、前記チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップと、前記2本の給電チップを取囲んだノズルとを備え、前記ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤが前記給電チップに内接する給電位置で前記溶接ワイヤに電力を供給して前記溶接ワイヤと被溶接物との間にアークを発生させる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチにおいて、前記2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップの前記給電位置を前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定した。
従って、幅広の溶接ビードを形成することができ、溶接速度を高めることができる。さらに、エネルギ効率を改善することができるので、従来技術よりも省電力での溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを示す図である。
【図2】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの後行チップの構造を示す図である。
【図3】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6とを比較する図である。
【図4】2電極アーク溶接方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2 被溶接物
5 先行チップ
6 後行チップ
7 溶融池
9 (本発明の)ノズル
10 (従来技術の)ノズル
11 シールドガス
12 先行チップボディ
13 先行給電チップ
13a 先行給電チップ先端
14 後行チップボディ
15 後行給電チップ
15a 後行給電チップ先端
16 絶縁部材
17 キャップ
18 トーチボディ
19 先行ワイヤ
20 後行ワイヤ
21 先行アーク
22 後行アーク
A1a 先行ワイヤ先端
A3 先行アーク
A4 先行チップ
B1a 後行ワイヤ先端
B3 後行アーク
B4 後行チップ
L1 先行チップ有効突出し長さ
L2 先行給電チップアーク間距離
L3 後行チップ有効突出し長さ
L4 後行給電チップアーク間距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、1トーチ内で2本の消耗電極(以下、ワイヤという)を送給して溶接する消耗電極ガスシールドアーク溶接方法に使用する溶接トーチの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種溶接構造物の建造において、薄板高速溶接又は厚板高溶着溶接を行うことによって作業能率の向上を図っているが、さらに向上させるために、図4に示すように、1本のトーチから2本のワイヤを送給する消耗電極ガスシールドアーク溶接方法いわゆる2電極アーク溶接方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図4は、2電極アーク溶接方法を説明するための図である。
【0003】
同図において、先行チップA4及び後行チップB4と被溶接物2との間に、図示を省略した先行ワイヤ用溶接電源装置及び後行ワイヤ用溶接電源装置から電力をそれぞれ供給し、先行チップA4及び後行チップB4から送給される先行ワイヤ先端A1a及び後行ワイヤ先端B1aから先行アークA3及び後行アークB3がそれぞれ発生している。ノズル10は先行チップA4及び後行チップB4を取囲み、ノズル10の内部にシールドガス11が噴出される。
【0004】
図4において、先行ワイヤ先端A1aから発生している先行アークA3によって形成される溶融池7の溶融金属が表面張力によって後方へ流れていこうとするが、後行ワイヤ先端B1aから発生している後行アークB3のアーク力がこの後方へ流れようとする溶融金属を先行ワイヤ先端A1aから発生する先行アークA3の真下へ押し戻して、各溶接位置における溶融金属量を均一にしている。
【0005】
上述した2電極アーク溶接方法は、従来の1電極による溶接方法と比較して、溶接速度を2倍程度向上させることができる。また、被溶接物がギャップを有するときに、そのギャップを溶融金属で埋めることができる、いわゆる架橋性が優れている。従って、薄板の重ねすみ肉溶接において、ギャップ裕度を広くすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2001−225168号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した2電極アーク溶接方法において、高溶着溶接を行う場合、1時間当り20kg以上の溶融金属を必要とするために、先行ワイヤ及び後行ワイヤに通電する電流をそれぞれ400A程度の高い電流にする必要がある。このような場合、溶接ワイヤの送給速度が高速であるので、アーク長が短くなる傾向があり、短絡が発生し易く、スパッタが多く発生し易くなる。
【0008】
そこで、高い電流を通電する代わりに、ワイヤの給電チップ先端からワイヤが突出している長さであるワイヤの突出し長さを長くして、ジュール熱によってワイヤの溶融を促進させる方法がある。
しかし、突出し長さが25mm以上になると、例えばノズルの長さが同じである場合、シールドが不十分になり、溶接ビードにブローホールが発生して溶接欠陥になる。また、ノズルを長くしてシールド効果を向上させようとしても、ワイヤの被溶接物に対する溶接狙い位置が安定しないために、溶接不良になる。
【0009】
本発明は、幅広の溶接ビードを形成することができ、溶接速度を高めることができ、さらに、エネルギ効率を改善することができる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディと、前記チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップと、前記2本の給電チップを取囲んだノズルとを備え、前記ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤが前記給電チップに内接する給電位置で前記溶接ワイヤに電力を供給して前記溶接ワイヤと被溶接物との間にアークを発生させる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチにおいて、前記2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップの前記給電位置を前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記後方に位置する給電チップを前記前方に位置する給電チップよりも前記被溶接物に対して高い位置に設けて、前記後方に位置する給電チップの前記給電位置を前記前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする請求項1記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
溶接ワイヤ挿通孔が形成され前記溶接ワイヤを案内する絶縁部材を前記後方に位置する給電チップの先端に設けたことを特徴とする請求項2記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチである。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを示す図である。同図において、被溶接物2に対する後行チップ6の給電位置を先行チップ5の給電位置よりも高くするために、先行チップ5は従来の給電チップを使用し、後行チップ6は、図2に示す構造のチップを使用している。図2は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの後行チップの構造を示す図である。
図1において、トーチボディ18に先行チップボディ12と後行チップボディ14とが並べて設けられている。先行チップボディ12の先端に先行給電チップ13が取付けられている。先行ワイヤ19が先行チップボディ12と先行給電チップ13とを挿通して、図示を省略した先行溶接用電源装置から先行ワイヤ19と被溶接物2との間に電力が供給されて、先行アーク21が発生する。先行チップ5は、先行チップボディ12と先行給電チップ13とから成る。
【0014】
後行チップボディ14の先端に後行給電チップ15が取付けられ、後行給電チップ15の先端に後行ワイヤ20を案内するための絶縁部材16が設けられ、この絶縁部材16をアーク熱から保護するために金属性のキャップ17をかぶせている。後行ワイヤ20が後行チップボディ14と後行給電チップ15とを挿通して、図示を省略した後行溶接用電源装置から後行ワイヤ20と被溶接物2との間に電力が供給されて、後行アーク22が発生する。後行チップ6は、後行チップボディ14と後行給電チップ15と絶縁部材16とキャップ17とから成る。ノズル9が先行チップ5及び後行チップ6を取囲んでいる。
【0015】
先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6との構造の違いを図3を用いて説明する。図3は、本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6とを比較する図であり、同図(A)は、先行チップ5に使用する従来技術チップを示す図であり、同図(B)は、後行チップ6を示す図である。同図において、図1と同じ機能に同符号を付して説明を省略する。
【0016】
図3(A)に示すように、先行チップ5においては、給電位置である先行給電チップ先端13aから被溶接物2までの距離が先行チップ有効突出し長さL1である。従って、先行チップ先端13aから先行アーク21までの長さである先行給電チップアーク間距離L2でしか先行ワイヤ19に対してジュール加熱を行えない。
これに対して、図3(B)に示すように、 後行チップ6においては、給電位置が従来技術チップ5よりも高くなっている。その結果、給電位置である後行給電チップ先端15aから被溶接物2までの距離が後行チップ有効突出し長さL3である。従って、後行給電チップ先端15aからアーク22までの長さである後行給電チップアーク間距離L4が、先行チップ5よりもかなり長くなり、後行ワイヤ20のジュール加熱が促進される。そのために、先行チップ5に通電する電流と同じ電流を通電しても、後行ワイヤ20の溶融速度を増加させることができる。つまり、単位長さ当りの後行ワイヤ20を先行チップよりも少ない電流で溶融させることができ、エネルギ効率が良い。
【0017】
図1に示したように、先行チップ5には従来技術チップを使用する理由を説明する。2電極アーク溶接トーチを用いて高速溶接を行うときの先行ワイヤ19の役割は、被溶接物2に溝を掘る、いわゆるガウジングを行い、溶融金属の溶け込み場所を確保し、十分な溶融金属をガウジングした場所に送り込むことである。
また、後行ワイヤ20の役割は、先行ワイヤ19によって形成された溶融金属が溶接方向に対して後方に流れてくるのをせき止めて、湯だまりを形成することである。さらに、溶融金属を継ぎ足して、溶接ビードの成形性を改善することである。
【0018】
図3(B)に示した後行チップ6は、後行チップ有効突出し長さL3が長くなり、ジュール加熱が促進され、単位長さ当りの後行ワイヤ20を従来技術チップよりも少ない電流で溶融させることができる。つまり、同じワイヤの溶融量を得ても電流が少し減少している。従って、先行アーク22のアーク力が小さくなるので、ガウジングを十分に行うことができない。そこで、先行チップ5には従来技術チップを使用し、後行チップ6に図3(B)に示したチップを使用して、溶接のエネルギ効率を改善して、溶け込み特性を確保することができる。
【0019】
なお、発明者の実験によれば、被溶接物2に対する後行チップ6の給電位置を先行チップ5の給電位置よりも1cm〜2cm高く設定することによって、適切な溶接ビードを形成することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディと、前記チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップと、前記2本の給電チップを取囲んだノズルとを備え、前記ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤが前記給電チップに内接する給電位置で前記溶接ワイヤに電力を供給して前記溶接ワイヤと被溶接物との間にアークを発生させる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチにおいて、前記2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップの前記給電位置を前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定した。
従って、幅広の溶接ビードを形成することができ、溶接速度を高めることができる。さらに、エネルギ効率を改善することができるので、従来技術よりも省電力での溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチを示す図である。
【図2】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの後行チップの構造を示す図である。
【図3】本発明の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチの先行チップ5に使用する従来技術チップと後行チップ6とを比較する図である。
【図4】2電極アーク溶接方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2 被溶接物
5 先行チップ
6 後行チップ
7 溶融池
9 (本発明の)ノズル
10 (従来技術の)ノズル
11 シールドガス
12 先行チップボディ
13 先行給電チップ
13a 先行給電チップ先端
14 後行チップボディ
15 後行給電チップ
15a 後行給電チップ先端
16 絶縁部材
17 キャップ
18 トーチボディ
19 先行ワイヤ
20 後行ワイヤ
21 先行アーク
22 後行アーク
A1a 先行ワイヤ先端
A3 先行アーク
A4 先行チップ
B1a 後行ワイヤ先端
B3 後行アーク
B4 後行チップ
L1 先行チップ有効突出し長さ
L2 先行給電チップアーク間距離
L3 後行チップ有効突出し長さ
L4 後行給電チップアーク間距離
Claims (3)
- 軸芯部に溶接ワイヤ挿通孔が形成されてそれぞれが電気的に絶縁されて1本の溶接トーチに並べて設けられた2本のチップボディと、前記チップボディの先端にそれぞれ取付けられた2本の給電チップと、前記2本の給電チップを取囲んだノズルとを備え、前記ノズルの内部にシールドガスを供給し、溶接ワイヤが前記給電チップに内接する給電位置で前記溶接ワイヤに電力を供給して前記溶接ワイヤと被溶接物との間にアークを発生させる消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチにおいて、前記2本の給電チップを略溶接方向の前後に設けたときに後方に位置する給電チップの前記給電位置を前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチ。
- 前記後方に位置する給電チップを前記前方に位置する給電チップよりも前記被溶接物に対して高い位置に設けて、前記後方に位置する給電チップの前記給電位置を前記前方に位置する給電チップの前記給電位置よりも前記被溶接物に対して高く設定したことを特徴とする請求項1記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチ。
- 溶接ワイヤ挿通孔が形成され前記溶接ワイヤを案内する絶縁部材を前記後方に位置する給電チップの先端に設けたことを特徴とする請求項2記載の消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチ。
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- 2003-03-18 JP JP2003072904A patent/JP2004276084A/ja active Pending
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