JP2004248565A - 温室向け二酸化炭素および温水の供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの装置から、二酸化炭素と温水とを温室に効率良く供給する。
【解決手段】本発明の温室向け二酸化炭素及び温水の供給装置によれば、含炭素燃料と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成する改質反応を促進する触媒と、生成した二酸化炭素を可逆的に吸収及び放出可能な二酸化炭素吸収材とを充填した反応器212を備えている。また、反応器212に含炭素燃料と水蒸気を導入する手段を備えている。更に、改質反応によって得られた改質燃料の一部及び含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させて生成ガスを得、生成ガスにより二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱するバーナー212aと、改質反応によって得られた二酸化炭素を冷却水で冷却することによって、二酸化炭素によって加熱された冷却水を温水として温室に供給すると共に、改質反応によって得られた二酸化炭素を温室に供給する熱交換器216とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の温室向け二酸化炭素及び温水の供給装置によれば、含炭素燃料と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成する改質反応を促進する触媒と、生成した二酸化炭素を可逆的に吸収及び放出可能な二酸化炭素吸収材とを充填した反応器212を備えている。また、反応器212に含炭素燃料と水蒸気を導入する手段を備えている。更に、改質反応によって得られた改質燃料の一部及び含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させて生成ガスを得、生成ガスにより二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱するバーナー212aと、改質反応によって得られた二酸化炭素を冷却水で冷却することによって、二酸化炭素によって加熱された冷却水を温水として温室に供給すると共に、改質反応によって得られた二酸化炭素を温室に供給する熱交換器216とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室に二酸化炭素および温水を供給する装置に係り、更に詳しくは、含炭素燃料と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を生成する燃料改質反応に基づいて得られた二酸化炭素および温水を温室に供給する供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
温室での植物栽培には炭酸ガス、すなわち二酸化炭素の供給が不可欠である。現状、温室に二酸化炭素を供給する方法としては主なものとして2つある。第1の方法は、市販の炭酸ガス発生機によって炭酸ガスを製造し、この製造した炭酸ガスを温室に供給する方法である。第2の方法は、炭酸ガスそのものを購入して温室に供給する方法であり、一部の園芸農家では広く行われている。
【0003】
一方、植物栽培には炭酸ガスのみならず水も必要であるが、水については、市販の水供給装置によって、適温適量で温室に供給されている。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−16928号(平成14年1月25日出願)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、炭酸ガスと水との供給を別の方法で行わねばならない。しかしながら、炭酸ガス発生機と水供給装置との両装置を購入し、スペースの限られた温室内に設置してしまうと、植物の栽培面積の減少をもたらしてしまうという問題がある。
【0006】
炭酸ガス発生機を購入せずに炭酸ガスを購入することも可能であるが、この場合には、炭酸ガスが必要になる毎に購入する必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素と温水とを温室に対して1つの装置で効率良く供給することができる温室向け二酸化炭素および温水の供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、上記特許文献1による技術を応用にした以下のような手段を講じる。
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、含炭素燃料と水蒸気とから水素に富んだ改質燃料と、二酸化炭素と温水とを得、この二酸化炭素および温水を温室に供給する供給装置であって、反応器と、原料導入手段と、加熱手段と、温水供給手段と、二酸化炭素供給手段とを備えている。
【0010】
反応器は、含炭素燃料と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を生成する燃料改質反応を促進する燃料改質触媒と、生成した二酸化炭素を可逆的に吸収および放出可能な二酸化炭素吸収材とを充填している。また、原料導入手段は、反応器に含炭素燃料と水蒸気を導入する。
【0011】
加熱手段は、燃料改質反応によって得られた改質燃料の一部および含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させて生成ガスを得、生成ガスにより二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱する。温水供給手段は、燃料改質反応によって得られた二酸化炭素を冷却水によって冷却することによって二酸化炭素によって加熱された冷却水を温水として温室に供給する。二酸化炭素供給手段は、温水供給手段によって冷却された二酸化炭素を温室に供給する。
【0012】
従って、請求項1の発明の供給装置においては、燃料改質反応によって、二酸化炭素含有率の高い高温炭酸ガスを得ることができる。したがって、この高温炭酸ガスを熱源として温水を生成することによって、1つの装置から二酸化炭素と温水との両方を生成し、温室に供給することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、反応器内に生成ガスの熱エネルギーを蓄熱する蓄熱材を充填している。
【0014】
従って、請求項2の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、生成ガスの熱エネルギーを効率的に蓄熱することができる。その結果、熱エネルギーの利用効率を高め、高温炭酸ガスを効率的に生成することが可能となる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、反応器において二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収する際に発生する吸収熱を、燃料改質反応の反応熱として利用する。
【0016】
従って、請求項3の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、効率的に燃料改質反応を引き起こすことができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、改質燃料の一部および含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させ、この酸化反応の反応熱を燃料改質反応の反応熱として利用する。
【0018】
従って、請求項4の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、効率的に燃料改質反応を引き起こすことができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を、この二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収材を有する反応器にリサイクルするリサイクル手段を有する。
【0020】
従って、請求項5の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、温室への供給量に対して余剰な二酸化炭素(炭酸ガス)を生成した場合であっても、この余剰の二酸化炭素をリサイクルすることにより有効利用することができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、加熱手段は、生成ガスとリサイクルされた二酸化炭素との混合ガスにより二酸化炭素吸収材を加熱する。
【0022】
従って、請求項6の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、リサイクルされた二酸化炭素もまた加熱手段の熱源として有効利用することができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項5の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、加熱手段は、リサイクル手段を間接的に加熱することにより該二酸化炭素吸収材を加熱する。
【0024】
従って、請求項7の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、リサイクルされた二酸化炭素もまた加熱手段の熱源として有効利用することができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素吸収材を、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物、および、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの炭酸塩が該化合物に添加された混合物のうちの何れかとしている。
【0026】
従って、請求項8の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、二酸化炭素吸収材は、二酸化炭素を効率的に吸収することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物を、リチウムジルコネート、リチウムフェライトおよびリチウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも一つのリチウム複合酸化物としている。
【0028】
これら複合酸化物は、繰り返し利用が可能であるのに加え、燃料改質反応後、二酸化炭素のみを効率良く吸収し、しかる後に二酸化炭素のみを取り出すことが可能となる。また、改質反応と同時に二酸化炭素を効率良く吸収するため、燃料改質反応を促進することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る供給装置の構成例を示すプロセスフロー図である。
図2は、反応器まわりの詳細構成例を示す系統構成図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法を示す典型的なタイミングチャートである。
図4は、本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法の変形例を示すタイミングチャートである。
【0031】
図2に示すように、本発明において用いる反応器212には、燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、および装置の熱的負荷軽減や熱バランス調整のために必要に応じて蓄熱材が充填される。燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、蓄熱材の形状および配置は、二酸化炭素吸収材や蓄熱材に蓄えられた熱および二酸化炭素吸収材における吸収熱が燃料改質触媒において進行する改質反応に供給でき、かつ燃料改質反応で生じた二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に到達して吸収され得るものであればよい。例えば、燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、蓄熱材を全て粒状とし、これらを混合して、お互いが直接接触するよう充填し、充填層212bとすることができる。
【0032】
また、それぞれの充填材の原料粉末を混合し、これを球状、円筒状、リング状、穴空きホイール状、ハニカム状、コルゲート(波板)状に成型し、これら成型体を充填して充填層212bとすることもできる。充填層212bを通過するガスの流れを阻害することなく、またガスが充填材に均等に分散するよう、すなわち物質の移動を阻害することがなく、また燃料改質触媒と二酸化炭素吸収材と畜熱材とが直接接触するよう、配置・充填し、熱の移動を阻害しないよう充填することが本発明の効果を最大限に引き出すために好ましく、その形状や配置は経済性や保守・点検を考慮し任意に選択すればよい。
【0033】
本発明において、吸収温度は二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収しうる温度であって、かつ燃料改質反応が起こりうる温度を意味する。吸収温度は燃料改質反応の進行度および得られる改質燃料中の水素濃度の観点から400℃以上が好ましく、二酸化炭素の吸収速度の観点から700℃未満が好ましい。また、再生温度は二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を放出しうる温度を意味する。再生温度は二酸化炭素の放出速度の観点から700℃以上が好ましい。また材料面で、反応器212等の装置や二酸化炭素吸収材等の充填材が繰り返し周期的に温度が変わることにより経年変化するため、装置・材料の寿命の観点から900℃以下が好ましい。
【0034】
本発明では、吸収温度と再生温度とを周期的に繰り返す(温度のスイング)ため、反応器212自体の設計温度は高い方の再生温度に支配されるが、ここで充填層212bの特長である改質触媒と二酸化炭素吸収材をランダムに充填しているだけで、物質と熱との同時移動が達成されることを考慮すれば、ガスの流れ方向に垂直な、すなわち反応器212の半径方向には従来型の多管式反応器(図示せず)で記した半径方向長さ(管径)に対する制約がなく、半径方向の大きさ(反応器の直径)は任意に決められることになる。
【0035】
従来型の多管式反応器では外部からの入熱を管壁を通して充填層に熱移動を行っていた。そのため管材料として高級材料が必要となっていたが、本発明では外部からの熱移動はなく、むしろ内部での熱が外部に逃げない構造をとることが好ましい。したがって、反応器212内部に耐火レンガで内張りし、その内部に充填材を充填することができ、反応器212外壁は汎用の構造部材(耐熱温度の低い材料)を適用でき、経済性に極めて優れた構成とすることができる。
【0036】
含炭素燃料としては、炭素を含む燃料であれば用いることができ、例えばメタン、エタン、プロパン等を含むガス、低級アルコール類、低級エーテル類を用いることができ、具体的には産業界等で燃料として使用されている天然ガス、都市ガス、LPG、ナフサ、メチルアルコールあるいはジメチルエーテルなどを用いることができる。
【0037】
また、二酸化炭素吸収材は硫化水素、二酸化硫黄等の硫黄分があると吸収能力が大きく落ちるため、硫黄分を除去した含炭素燃料を使用するか、供給装置内で含炭素燃料を脱硫することが好ましい。
【0038】
蓄熱材の具体的材質は、本発明に関わる改質反応が進行し、二酸化炭素の吸収・放出する温度、雰囲気における安定性、比熱、熱伝導度、真密度、かさ密度の大きさおよび経済性から選択され、例えばマグネシア、リチウムアルミネート、ジルコニアなどの材料が好適に利用できる。
【0039】
図2では1つの反応器212を用いた形態を示しており、運転操作は、図3に示す典型的なタイミングチャートに従い周期的に繰り返し運転され、間歇操作となる。なお、図2に示す実線は燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)で使用するライン、一点鎖線は吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)で使用するライン、破線は冷却・燃料改質工程(ステップ3)で使用するラインを示す。また図3では横軸に経過時間を示し、縦軸は反応器212内の充填層212bの平均的な温度を示し、1周期分の操作を示している。後述するが、連続的に改質燃料が得られるもう一つの実施形態を図1を用いて後述しているので、図2の説明は簡潔に述べる。
【0040】
まず、図2を参照して1つの反応器212を用いる実施形態について説明する。反応器212の内部には燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および必要に応じて蓄熱材が充填された充填層212bが形成されている。これら充填物212bの形状および配置はすでに述べた。また説明上、1周期は、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)から始まり、ついで吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)、最後に冷却・燃料改質工程(ステップ3)という順序とする。
【0041】
ステップ1では、反応器212の充填層212bの平均温度が前周期のステップ3末期の温度である吸収温度にまで冷却された状態から開始する。図2には示していないが、予め脱硫した含炭素燃料および水蒸気とを混合し所定温度に加熱された混合ガス(以下、場合により「原料ガス」ともいう)がライン221を通り、切替弁213aを通り反応器212に供給される。このとき切替弁213b、213cは閉じられている。原料ガスが充填層212bを通過するとき改質触媒および二酸化炭素吸収材と接触し、燃料改質反応および二酸化炭素吸収反応を起こしながら下部にある反応器出口217に向かって流れる。
【0042】
後述するように改質反応は吸熱であり、一方、二酸化炭素吸収反応は発熱であるが、これら反応が同時に起こると弱吸熱となる。従って、加熱源のない断熱型の反応器では反応器出口に向かうにつれて反応温度が低下するが、ここでは、反応器出口217から切替弁214aを通ってくる反応ガスの温度を温度計215aにより監視し、適宜反応器上部にある反応器入口218から酸化剤および燃料(改質燃料の一部および/または含炭素燃料)を供給しバーナー212aで燃料を酸化させている。これにより、発生する酸化反応熱を加熱源とし、充填層212bの平均温度をほぼ一定に維持することができる。
【0043】
ステップ1の完了時間は、充填層212bの平均温度および充填している二酸化炭素吸収材の量から予め破過曲線を作成しておき、経過時間から確認することができる。または反応器出口217での改質燃料ガスの組成を分析計(図示せず)で分析し、吸収されないで破過してくる二酸化炭素濃度を知ることでも可能である。ステップ1の終了後、ステップ2に移行する。
【0044】
ステップ2では、反応器212の内部に残存している改質燃料ガスを排出するとともに、充填層212aの平均温度を二酸化炭素吸収材を再生するのに必要な再生温度にまで昇温することから始まる。
【0045】
二酸化炭素吸収材に吸収されている二酸化炭素を、純度の高い二酸化炭素ガスとして回収する場合には、二酸化炭素ガスを循環利用することが望ましい。図2には示していないが、ステップ2で二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素ガスを必要な量を蓄えたガスホルダーから二酸化炭酸含有ガスがライン222を通り、切替弁213bを通り反応器212に供給される。このとき外部の加熱装置211により二酸化炭素含有ガスを所定の再生温度にまで加熱することができる。あるいは加熱装置211を使用せずに、ステップ1と同様に、酸化剤と燃料を供給しバーナー212aで燃料を酸化させ、発生する酸化反応熱を加熱源とし、二酸化炭素含有ガスを再生温度にまで加熱することもできる。
【0046】
反応器入口218の上部から供給された加熱された二酸化炭素含有ガスは、順次流れ方向にステップ1の終了時の吸収温度にある充填物(燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および場合によっては蓄熱材を含む)と直接接触し、熱移動を起こし、充填物を加熱することになる。そして再生温度に達すると二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収材から二酸化炭素ガスが放出される。放出された二酸化炭素ガスは反応器212に供給される二酸化炭素含有ガスと反応器212内で混合され、高温の二酸化炭素含有ガスとなり、切替弁214bを通り、熱交換器216を経て温室へと供給される。また、熱交換器216において、この高温の二酸化炭素含有ガスの冷却のために供給された冷却水は、この高温の二酸化炭素含有ガスによって加熱され温水となって温室へと供給される。
【0047】
反応器212の充填層212b内では、時間とともに再生温度と吸収温度との境界が流れ方向に移動することになる。
【0048】
二酸化炭素吸収材からの二酸化炭素ガスの放出は吸熱反応であり、流れ方向に進むにつれて温度低下が起きる。また蓄熱材を含んでいる場合には蓄熱材自体の顕熱を供給するためにも流れ方向に温度低下が起き、再生に必要な温度を維持できなくなる。本発明では再生温度を維持し、二酸化炭素ガスの放出熱および充填材の顕熱を必要量分供給するため、外部の加熱装置211による加熱、またはバーナー212aによる酸化反応熱を利用している。
【0049】
また放出された二酸化炭素ガスの純度を高くし、再利用するためには、外部の加熱装置211による加熱を採用することが好ましく、また反応器212内のバーナー212aを利用するときは純度の高い酸素ガスを酸化剤として用いることが好ましい。
【0050】
また、ステップ1でも、バーナー212aを用いた加熱源を採用することが最も好ましい。その理由は、外部の加熱装置211による加熱方式のように加熱装置211自体が別途必要となることがなく、経済的に優れているからである。また外部の加熱装置211では装置自体が高温に曝されるため、構造部材として比較的高級な部材を使用する必要がある点においても不利であるからである。
【0051】
図2には示していないが、反応器出口217から排出される二酸化炭素含有ガスを昇圧し、循環利用することも可能である。
【0052】
ステップ2の終了は、反応器出口217でのガス温度を温度計215bで監視し、再生温度と吸収温度との境界を検出することにより確認できる。またステップ2の所要時間は反応器212に供給される(または循環される)二酸化炭素含有ガスの流量を制御することにより変更可能である。
【0053】
ステップ3では、反応器212内に残存する二酸化炭素含有ガスを排出するとともに、ステップ1で述べた含炭素燃料と水蒸気の混合ガス(原料ガス)を、ライン223、切替弁214cを介して反応器212の下部の反応器入口219から供給することにより開始される。ただし、ステップ3開始直後では、反応器212内の充填層212bは再生温度に保たれており、原料ガスは改質触媒により改質反応を起こすが、改質反応により生成する二酸化炭素は二酸化炭素吸収材には吸収されず充填層212bは改質反応のみを起こし、二酸化炭素は素通りすることになる。
【0054】
一方、改質反応が起こるとその吸熱反応により充填層212bの温度が次第に低下し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収され始める吸収温度まで低下することになる。従って、二酸化炭素が吸収し放出する境界温度(例えば700℃)が、原料ガスの流れ方向に向かい、時間とともに充填層212b内を移動する。この境界温度の移動面の上流側では改質反応と二酸化炭素の吸収反応が併発し、下流側では改質反応のみが起こる。この境界温度の移動速度は、充填材(改質触媒、二酸化炭素吸収材および場合によっては蓄熱材)に蓄えられた顕熱に依存する。蓄熱量が多ければ移動速度は遅く、蓄熱量が少なければ移動速度が速くなる。従って、ステップ3の所要時間は充填材の量に依存することになる。
【0055】
ステップ3では、先のステップ1およびステップ2で用いたバーナー212aによる加熱は必ずしも必要ではなく、断熱的に反応を行わせればよい。ステップ3は、引き続き行うステップ1で必要な充填層212bの吸収温度レベルに到達すれば完了する。反応器出口217の改質燃料ガスの温度を温度計215cにより監視し、その温度に到達したか否かで判断できる。
【0056】
図2において、ステップ3は原料ガスを下から上へ流しているが、上から下へ流してもよい。ただし、次のステップ1は上から下に流すことを考えると、ステップ3での冷却が不充分で、充填層212bの上部に高温ゾ一ンが残存することになると、次のステップ1でこの高温ゾーンに原料ガスが供給されることになり、二酸化炭素の吸収ができなくなる可能性があるため、望ましくはステップ1の流れ方向と逆方向に流すことが好ましい。
【0057】
図2で、各ステップで反応器212内でのガスの流れ方向は、ステップ1およびステップ2では上から下ヘ、ステップ3では下から上へ流れるように記述しているが、最も望ましい流れ方向を示したに過ぎず、本発明では流れ方向は任意に選択することができる。
【0058】
また各ステップ間で、反応器212内に残存する前ステップでのガスを排出し、パージすることが好ましいが、その残存ガスの組成・性状により、改質燃料に混ぜることもできるし、図2には示していないが、別途図示しない排ガス処理装置で処理してもよく、適宜有効利用すればよい。
【0059】
以上、図2をもとに説明した実施形態では、ステップ1からステップ3を順次周期的に繰り返すことになり、改質燃料を連続的に、また吸収・放出される二酸化炭素ガスを連続的に取り出すことが不可能であるが、例えば、複数の反応器を用いることにより連続的に取り出すことが可能となる。
【0060】
同一の形状、サイズの3つの反応器を用い、前記ステップ1、2およびステップ3にそれぞれ割り振り、各ステップを完了させるのに必要な所要時間をすべて同一時刻となるよう、二酸化炭素吸収材の充填量、二酸化炭素含有ガス供給(循環)流量、場合によっては蓄熱材の充填量を加減することで所要時間をそろえることができる。
【0061】
その実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、図1において太線で示すラインは使用中のライン、細線で示すラインは使用停止中のラインを示す。
【0062】
ここでは、反応器12,13,14の3つの反応器を使用する。各反応器12,13,14には燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および必要に応じて蓄熱材が充填される。これら反応器12,13,14は3つの工程を順次周期的に繰り返して運転される。この形態のシステムの運転方法例について、図4にタイミングチャートを示す。ここでは、図3に示した各ステップの所要時間を等しくし、3つの反応器12,13,14についてステップを1つずつずらしながら順次周期的に運転する形態をとっている。
【0063】
含炭素燃料1は燃料改質触媒の触媒活性および二酸化炭素吸収材の吸収能力に著しく悪影響を及ぼす硫黄分を除去するため、ライン31を通り脱硫器11に送られる。脱硫器11に充填される充填材は、脱硫能力のある活性炭等で十分であり、市販の脱硫剤を適宜使用すればよい。脱硫が不要な原料の場合は、脱硫は省略できる。
【0064】
硫黄分の除去された含炭素燃料は、ライン32を通り水蒸気2とスチーム/カーボン(水蒸気のモル流量/含炭素燃料中の炭素モル流量)比が、好ましくは1〜5の範囲となる所定の水蒸気と混合した混合ガス(以下、場合により原料ガスという。)となり、熱交換器15で所定の温度、好ましくは400〜700℃に加熱され、ライン33を通り冷却・燃料改質工程(ステップ3)の反応器13に供給される。
【0065】
〔冷却・燃料改質工程〕(ステップ3)
冷却・燃料改質工程(ステップ3)にある反応器13は、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)が終了しており、その段階で反応器13は好ましくは温度700〜900℃になっている。
【0066】
原料ガスは、ライン33を通り、反応器13に供給される。この供給は反応器13の下部側から行うことが好ましい。冷却・燃料改質工程(ステップ3)の終了後、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)へ移行するが、充填層13bの冷却が、たまたま不充分であった場合、充填層13b上部に高温ゾーンが残存することがあり、高温ゾーンが残存する状態で、次の燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)を開始すると、高温ゾーンでの二酸化炭素吸収が起きず、改質反応で生成する二酸化炭素が素通りする可能性がある。
【0067】
従って、改質反応で生成する二酸化炭素を確実に吸収させるためには、原料ガスが確実に吸収温度にまで冷却されている反応器13の下部側から供給することが好ましい。ライン33を通って冷却・燃料改質工程(ステップ3)の反応器13の下部側から供給された原料ガスは、反応器13の下部側から徐々に燃料改質反応を起こしながら上部に向かって流れて行き、この結果冷却が下部側から起こり、前記目的が達成される。好ましくは下部からの供給であるが、上部側から供給することも可能である。
【0068】
原料ガスは、この反応器13中の二酸化炭素吸収材および必要に応じて充填される蓄熱材に蓄積された熱量によって燃料改質反応を起こし、原料ガスが一部改質燃料へ転換される。冷却・燃料改質工程(ステップ3)では再生温度となっている二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収材を、改質反応の反応熱を利用して冷却する。場合によっては、蓄熱材の持っている顕熱を、改質反応の反応熱として利用する。冷却・燃料改質工程(ステップ3)では改質反応が断熱条件下で行われ、反応器13の出口におけるガス温度は、これら利用できる充填材の持つ顕熱量に依存し経時変化することになる。
【0069】
従って、冷却・燃料改質工程(ステップ3)の終了時に二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収できる吸収温度に到達していればよく、蓄熱材を加えることにより本工程の終了時間を延ばすこともできるし、蓄熱材を加えないときには、最短時間で本工程を終了することもできる。蓄熱材の添加の有無は、各工程(ステップ1〜ステップ3)のサイクルタイム(1周期する所要時間)、原料ガス流量により適宜判断・選択することができる。
【0070】
〔燃料改質・二酸化炭素分離工程〕(ステップ1)
含炭素燃料1の一部が水素に転換された改質燃料を含む原料ガス(以下、場合により、一部改質済み原料ガスという。)は、ライン34を通り、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)の反応器12に供給される。燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)にある反応器12の上部(燃料改質触媒および二酸化炭素吸収材より上流)で、ライン34から供給された一部改質済み原料ガスの一部、および/またはライン52から供給される含炭素燃料1が、ライン51より供給される空気3で酸化された後に燃料改質触媒上へ供給される。
【0071】
ライン51より供給される空気3は、酸化により発生する反応熱が、所望する燃料改質反応温度での燃料改質反応の吸熱分と二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収されるときの発熱分とに見合った分だけ供給される。このような形態とすることにより、二酸化炭素吸収材を定常的に吸収温度とすることができ、そのもとで燃料改質反応を定常的に安定して行うことができるため好ましい。
【0072】
このような酸化手段を設けないときは、充填材の持つ顕熱分、二酸化炭素の二酸化炭素吸収材への吸収反応による発熱分、および改質反応による吸熱分がバランスし、反応器12内の充填物12bの平均温度は全体として経時的に低下頃向を示すことになり、燃料改質反応を定常的に安定して行うことはできないが、反応器12の出口での温度が改質に必要な温度(例えば400℃)以上であれば改質は可能である。生成する改質燃料中の未転化含炭素燃料濃度が増加し、水素濃度が減少するなど、供給装置としての性能が上記形態に比べて劣る点で不利となるにすぎない。
【0073】
燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)における上記酸化には、酸化剤として空気を用いることができる他、酸素または酸素冨化空気を用いることができる。酸素、酸素冨化空気4はライン53から供給することができる。
【0074】
また、酸化の手段としては、例えば、含炭素燃料1および/または改質燃料中に酸化剤を吹き込み、改質燃料の一部および/または含炭素燃料1を酸化もしくは部分酸化する手段を用いることができる。例えば反応器12内上部にバーナー12aを設け、ここで部分酸化もしくは酸化を行えばよい。また、反応器12外で改質燃料の一部および/または含炭素燃料1を酸化もしくは部分酸化してその酸化反応熱を利用することもでき、さらに反応器12の内外の両方にそれそれ酸化もしくは部分酸化手段を設けることもできる。
【0075】
ここで、部分酸化とは含炭素燃料1および/または改質燃料中の未反応含炭素燃料の一部のみを酸化・燃焼させ、生成物として一酸化炭素、水素を主反応生成物として得ることを言い(ある意味では不完全燃焼)、上記の酸化は生成物として二酸化炭素、水、水素、一酸化炭素など一般的な酸化反応を指し、区別している。部分酸化させることにより、生成物中に水素ができ、製品水素濃度が増加し、また生成する一酸化炭素は改質触媒により更に水蒸気と反応し(後述のシフト反応を起こす)、二酸化炭素に酸化されることになり、この工程で二酸化炭素吸収材に吸収・分離されることになる。
【0076】
反応器12では、好ましくは温度400℃以上700℃未満で燃料改質反応が起こり、供給された一部改質済み原料ガスが、改質燃料に転換されると同時に、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収される。より好ましくは、改質温度が500〜600℃である。燃料改質反応の反応進行度の観点、また得られる水素濃度の観点から400℃以上とすることが好ましく、700℃以上では、改質反応の観点から温度を上げた割には大きく反応量が増加することがなく、経済性の点から不利である。また、二酸化炭素吸収速度と二酸化炭素放出速度とがほぼ均衡する傾向にあり、二酸化炭素の実質な吸収が起こりにくくなるという点て不利である。
【0077】
二酸化炭素の吸収が起こると吸収量に見合った吸収熱が発生し、この吸収熱も同様に燃料改質反応に利用される。さらに、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収されることにより下記に示す平衡反応がずれ、更に反応が進むことになり、水素の生成が促進される。なお、燃料改質反応は下記に示す反応式1及び反応式2が同時に起こる同時併発反応である。反応式及び平衡式は、下記のとおりである。なお、反応式では、含炭素燃料1をメタンで代表して示している。
【0078】
水蒸気改質反応式:CH4+H2O⇔CO+3H2・・(反応式1)
シフト反応反応式:CO+H2O⇔CO2+H2・・・(反応式2)
水蒸気改質反応平衡式:
Kpl=(P(H2)3×P(CO))/(P(CH4)×P(H2O))
P(H2):水素ガスの分圧。P(CO):一酸化炭素ガスの分圧。
P(CH4):メタンガスの分圧。P(H2O):水蒸気の分圧。
シフト反応平衡式:
Kp2=(P(H2)×P(CO2))/(P(CO)×P(H2O))
P(H2):水素ガスの分圧。P(CO2):二酸化炭素ガスの分圧。
P(CO):一酸化炭素ガスの分圧。P(H2O):水蒸気の分圧。
【0079】
燃料改質触媒としては、汎用のニッケル系触媒が、上記水蒸気改質反応およびシフト反応を同時併発し好ましいが、水蒸気改質反応およびシフト反応のそれぞれに適した触媒を適宜混合した、混合触媒でもよい。
【0080】
二酸化炭素吸収材としては、燃料改質反応が進行する温度で二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物が好ましいが、二酸化炭素の吸収・放出を可逆的に行えるリチウム系化合物が経済的であり好ましい。中でも、二酸化炭素と反応して炭酸リチウムを生成するリチウムジルコネート、リチウムフェライト、リチウムシリケートで代表されるリチウム複合酸化物を使用することがより好ましい。
【0081】
この理由は、二酸化炭素と反応して炭酸リチウムを生成する二酸化炭素吸収材は、炭酸リチウムの分解温度が低いことから炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムに比べて低い温度で二酸化炭素を取り出すことが出来るからである。リチウムジルコネートはLi2ZrO2、Li4ZrO4の化学式で示されるものであり、リチウムフェライトはLiFeO2の化学式で示されるものである。また、リチウムシリケートでは、リチウムメタシリケート(Li2SiO3)とリチウムオルトシリケート(Li4SiO4)が知られており、リチウムオルトシリケートが二酸化炭素を吸収する次式の反応が特に好適に使用できる。
Li4SiO4+CO2=Li2SiO3+Li2CO3・・・(反応式3)
また、リチウム複合酸化物等の、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生じる化合物に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩を適宜添加し、併用することもできる。この場合、二酸化炭素吸収材の二酸化炭素吸収・放出速度は温度と添加される炭酸塩の種類およびその濃度に依存し、炭酸塩の添方によって吸収・放出反応を促進することができる。
【0082】
水素に富んだガス、すなわち改質燃料は、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)の反応器12下部から好ましくは温度400℃以上700℃未満で生成する。この生成した改質燃料は、ライン35を通り、熱交換器15における含炭素燃料1と水蒸気2との混合ガスとの熱交換により冷却されライン36を通り冷却器16に送られ、そこで更に冷却され、改質燃料中の水分をライン37へ分離除去した後、ライン38から製品である改質燃料として取り出される。図1では、冷却器16として凝縮水を分離する分離器と一体化した熱交換器を使用しているが、特に型式の制限はなく、目的に合わせた型式が選ばれればよい。
【0083】
また、冷却器16における熱回収の形態は、特に限定されるものではなく、目的に応じた熱回収が可能である。特に改質燃料中には未凝縮の水分が含まれ、この未凝縮の水分の凝縮熱の有効利用が考えられる。回収方法は種々考えられ、例えば、図1に示す水蒸気2の発生の熱源、含炭素燃料1の予熱、酸化剤4の予熱用の熱源等として考えられ、適宜目的に応じた熱回収を行えば良い。
【0084】
〔吸収材再生・蓄熱工程〕(ステップ2)
一方、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)を完了すると、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)へと移行する。吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)では、含炭素燃料1、改質燃料等の燃料を熱源として、好ましくは再生温度700〜900℃で二酸化炭素吸収材の再生、すなわち二酸化炭素吸収材からの二酸化炭素の放出が反応器14において行われる。再生温度はより好ましくは800℃から850℃である。再生温度が700℃未満では、二酸化炭素の吸収速度と放出速度とがほぼ均衡する傾向にあり、実質的な放出が起こりにくくなるという点で不利であり、また、900℃を超えると、材料面での反応器14等の装置や二酸化炭素吸収材等の充填材の劣化の点で不利となる。
【0085】
この工程では、加熱手段で二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱する。具体的には、反応器14内上部に設けられたバーナー14a等の酸化手段により、燃料を酸化剤によって酸化させ、その生成ガスを二酸化炭素吸収材に接触させて二酸化炭素吸収材を再生し、蓄熱することができる。その燃料は、含炭素燃料1だけに限られず、改質燃料が使われてもよく、さらには他の燃料を用いることもできる。要するに、二酸化炭素吸収材の再生では熱源として利用できる燃料であればここで使用可能である。
【0086】
酸化剤としては、空気を用いることもできるが、酸素あるいは酸素冨化空気を使用し、完全燃焼(酸化)させることにより、酸化生成物として二酸化炭素と水とが得られ、反応器14の出口での二酸化炭素濃度が高く、水以外の不純物濃度が低い二酸化炭素含有ガスが得られることになる。二酸化炭素含有ガス中の水分は、後述するように冷却するだけで主成分である二酸化炭素と容易に分離除去することができ、分離除去後の二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素濃度を更に高めることができる。また、酸化剤として、純度の高い酸素を使用することにより、更に一段と二酸化炭素濃度の高い二酸化炭素含有ガスが得られる。
【0087】
上記加熱手段に用いるバーナー14a等の酸化手段と、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)で用いるバーナー12a等の酸化手段は兼用することができ、より経済的である。
【0088】
吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)にある反応器14では、熱源となる燃料がライン41を通り、酸化剤4がライン42を通り、燃料と酸化剤4とが混合した後に反応器14に供給される。燃料は酸化剤によって反応器14中で酸化し、反応器14は好ましくは温度700〜900℃に加熱され二酸化炭素吸収材が再生される。熱源となる燃料は、二酸化炭素吸収材の再生・蓄熱に必要な温度を維持する量だけ供給される。二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を含んだ生成ガス(燃焼ガス)は反応器14の下部側から排出され、ライン43から熱交換器17を通り、ここで熱回収され、さらに冷却器20で冷却される。ここで冷却された二酸化炭素を含むガスはライン44を通り、副製品となる二酸化炭素含有ガスとリサイクルガスとに分岐される。そして、二酸化炭素含有ガスはライン45を通り冷却器18で冷却され、ライン46を通り温室へと供給される。また、冷却器18において二酸化炭素含有ガスを冷却するために用いられた冷却水は、冷却器18において二酸化炭素含有ガスに加熱されることによって温水となり、ライン60を通り温室へと供給される。
【0089】
温室への供給量に対して余剰となった二酸化炭素含有ガスは、ライン47を通り吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)に戻され、リサイクルガスとして使用される、リサイクルガスはリサイクル手段によって反応器14の上部に供給される。すなわちライン47を通り、昇圧手段、ここではブロワ19で循環に必要な圧力まで昇圧され、ライン48を通り熱交換器17へ送られ、反応器14出口から排出される高温の二酸化炭素含有ガスと熱交換し、ライン49を通り、所定の温度まで昇温された後、反応器14の上部側に供給され、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)においてリサイクルガスとして使用される。
【0090】
二酸化炭素吸収材の再生は、充填層14bの温度が再生温度にまで昇温すれば、先に示した反応式3で左向きへの反応が進み、吸収された二酸化炭素を放出することになるが、充填層14b内での熱移動の速度を促進するため、二酸化炭素吸収材に吸収されたガスと同じ物質を流通させ、対流伝熱を併用することにより熱移動速度の改善、ひいては再生に必要な所要時間を短縮することができるので、この二酸化炭素のリサイクルを行うことが好ましい。リサイクルする量は、酸化手段による加熱後の温度が二酸化炭素吸収材に悪影響を及ぼさない900℃以下となるよう決定すればよい。
【0091】
図1において、原料導入手段は例えば含炭素燃料1および水蒸気2から反応器13に至るライン33等及び脱硫器11等によって形成され、あるいはまた、ライン34も原料導入手段である。加熱手段はバーナー12a,13a,14aを反応器12,13,14の二酸化炭素吸収材等が充填された充填層12b,13b,14bより上流側に設けることにより形成される。
【0092】
これらの使用を切り替える切り替え手段は、図示はしていないが、適宜ラインに設けられたバルブで形成できる。このバルブを自動弁とし、自動弁を制御するコンピュータ等を設ければ、切り替えを自動で行うことができる。また、これら切り替え手段のタイミングをずらして切り替える切り替えタイミング制御手段は、これらバルブを自動弁とし自動弁を制御するコンピュータ等で形成できる。
【0093】
図1に示す構成に対応する運転タイミングの時間的変化を図4に示すが、切替時に発生するそれぞれ反応器12,13,14内に残存するガスは必要に応じて適宜パージ操作を行い、反応器外に排出することも、また製品の改質燃料や、温室に供給される二酸化炭素含有ガス中に混入させることもできる。ただし、この場合は製品純度が劣化することになるが、適宜有効に利用すれば良い。
【0094】
以上、本発明の実施形態を図1および図2に従い説明したが、本発明は、図1に示される3基の反応器12,13,14により構成される供給装置、および図2に示される1基の反応器212により構成される供給装置に限定されることはなく、適宜目的にしたがい反応器の基数を決めれば良い。
【0095】
図1に示した形態では3つの独立した反応器12,13,14を使用し、周期的に繰り返し運転することにより連続的に改質燃料を得ることができるが、1つの反応器内に隔壁などを設け、3つの工程を区分することも可能であり、反応器の物理的な基数を限定するものではない。
【0096】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る供給装置の作用について説明する。
【0097】
含炭素燃料1としてメタンを主成分とする都市ガスを使用し、図1の構成の供給装置によりライン38を介して改質燃料が、またライン45を介して二酸化炭素含有ガスがそれぞれ得られた。この都市ガスの成分および、各部位におけるガス組成、温度等は図5に示す通りであり、このとき二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素は99.5モル%であった。
【0098】
このような高純度の二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスが冷却器18によって冷却された後に温室へと供給される。一方、冷却器18においてこの二酸化炭素含有ガスの冷却に用いられた冷却水は、冷却器18において二酸化炭素含有ガスによって加熱され、温水となった後に温室へと供給される。これによって、二酸化炭素と温水との両方が温室へと供給される。
【0099】
本発明の実施の形態に係る供給装置では、上記のような作用により、図6にその概念を示すように、温室62における植物栽培に必要な二酸化炭素と温水との両方を供給することができる。これにより、温室62の暖房費を節約することができるのみならず、環境にやさしい農業技術の導入が可能となる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係る供給装置では、上述したように、極めて二酸化炭素含有率の高い二酸化炭素含有ガスを供給することが可能である。この装置で生成される二酸化炭素含有ガスは、炭酸ガス発生機のような燃焼ガス供給方式によって生成されたものとは異なり、二酸化炭素以外の成分がほとんど混在していない。このような高純度の二酸化炭素含有ガスを用いて植物栽培を行うことによって、植物の成長を数倍に促進することが可能となる。
【0101】
更に、本発明の実施の形態に係る供給装置では、温水を供給することが可能である。これによって、植物の光合成に必要な水を適温で供給することができるのみならず、温室62内を適切な温度に保つことができる。
【0102】
更にまた、本発明の実施の形態に係る供給装置では、燃料改質反応で得られるクリーンなエネルギー源である水素を利用して、二酸化炭素放出のために必要なエネルギーを生成することができる。これによって、少ないエネルギー消費量で、効率的に運転することが可能となる。
【0103】
近年、地球規模での温暖化対策として、二酸化炭素排出量の低減化が重要視されており、二酸化炭素の回収技術、固定化技術、あるいは貯蔵技術等といった様々な技術が開発されている。しかしながら、これら何れの技術を用いても、二酸化炭素が地球上から削減される訳ではない。本発明の実施の形態に係る供給設備は、植物に二酸化炭素を供給し、酸素を放出させるという自然浄化作用を促進することによって、二酸化炭素排出量を削減する一助となるものである。
【0104】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0105】
例えば、改質燃料を利用して、燃料電池などで光を発生させ、その光を温室62に供給することによって、本発明の実施の形態に係る供給装置からは、二酸化炭素、温水、光といった植物栽培に必要な全ての要素を温室に供給することも可能である。あるいは、本発明の実施の形態に係る供給装置を大型化することによって、地域一帯に設けられた複数の温室に対して一度に二酸化炭素と温水とを供給することができるようにすることも可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、二酸化炭素と温水との両方を温室に効率良く供給することができる温室向け二酸化炭素および温水の供給装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る供給装置の構成例を示すプロセスフロー図
【図2】反応器の詳細構成例を示す系統構成図
【図3】本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法を示す典型的なタイミングチャート
【図4】本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法の変形例を示すタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態に係る供給装置で用いられた都市ガスの成分および各部位におけるガス組成、温度等を示す図
【図6】本発明の実施の形態に係る供給装置の作用を説明するための概念図
【符号の説明】
1…含炭素燃料、2…水蒸気、3…空気、4…酸化剤、11…脱硫器、12,13,14,212…反応器、12a,13a,14a,212a…バーナー、12b,13b,14b,212b…充填層、15,17,216…熱交換器、16,18,20…冷却器、19…ブロワ、31〜38,41〜49,51,52,53,60,221,222,223…ライン、62…温室、211…加熱装置、213,214…切替弁、215…温度計、217…反応器出口、218,219…反応器入口
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室に二酸化炭素および温水を供給する装置に係り、更に詳しくは、含炭素燃料と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を生成する燃料改質反応に基づいて得られた二酸化炭素および温水を温室に供給する供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
温室での植物栽培には炭酸ガス、すなわち二酸化炭素の供給が不可欠である。現状、温室に二酸化炭素を供給する方法としては主なものとして2つある。第1の方法は、市販の炭酸ガス発生機によって炭酸ガスを製造し、この製造した炭酸ガスを温室に供給する方法である。第2の方法は、炭酸ガスそのものを購入して温室に供給する方法であり、一部の園芸農家では広く行われている。
【0003】
一方、植物栽培には炭酸ガスのみならず水も必要であるが、水については、市販の水供給装置によって、適温適量で温室に供給されている。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−16928号(平成14年1月25日出願)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、炭酸ガスと水との供給を別の方法で行わねばならない。しかしながら、炭酸ガス発生機と水供給装置との両装置を購入し、スペースの限られた温室内に設置してしまうと、植物の栽培面積の減少をもたらしてしまうという問題がある。
【0006】
炭酸ガス発生機を購入せずに炭酸ガスを購入することも可能であるが、この場合には、炭酸ガスが必要になる毎に購入する必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素と温水とを温室に対して1つの装置で効率良く供給することができる温室向け二酸化炭素および温水の供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、上記特許文献1による技術を応用にした以下のような手段を講じる。
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、含炭素燃料と水蒸気とから水素に富んだ改質燃料と、二酸化炭素と温水とを得、この二酸化炭素および温水を温室に供給する供給装置であって、反応器と、原料導入手段と、加熱手段と、温水供給手段と、二酸化炭素供給手段とを備えている。
【0010】
反応器は、含炭素燃料と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を生成する燃料改質反応を促進する燃料改質触媒と、生成した二酸化炭素を可逆的に吸収および放出可能な二酸化炭素吸収材とを充填している。また、原料導入手段は、反応器に含炭素燃料と水蒸気を導入する。
【0011】
加熱手段は、燃料改質反応によって得られた改質燃料の一部および含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させて生成ガスを得、生成ガスにより二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱する。温水供給手段は、燃料改質反応によって得られた二酸化炭素を冷却水によって冷却することによって二酸化炭素によって加熱された冷却水を温水として温室に供給する。二酸化炭素供給手段は、温水供給手段によって冷却された二酸化炭素を温室に供給する。
【0012】
従って、請求項1の発明の供給装置においては、燃料改質反応によって、二酸化炭素含有率の高い高温炭酸ガスを得ることができる。したがって、この高温炭酸ガスを熱源として温水を生成することによって、1つの装置から二酸化炭素と温水との両方を生成し、温室に供給することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、反応器内に生成ガスの熱エネルギーを蓄熱する蓄熱材を充填している。
【0014】
従って、請求項2の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、生成ガスの熱エネルギーを効率的に蓄熱することができる。その結果、熱エネルギーの利用効率を高め、高温炭酸ガスを効率的に生成することが可能となる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、反応器において二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収する際に発生する吸収熱を、燃料改質反応の反応熱として利用する。
【0016】
従って、請求項3の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、効率的に燃料改質反応を引き起こすことができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、改質燃料の一部および含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させ、この酸化反応の反応熱を燃料改質反応の反応熱として利用する。
【0018】
従って、請求項4の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、効率的に燃料改質反応を引き起こすことができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を、この二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収材を有する反応器にリサイクルするリサイクル手段を有する。
【0020】
従って、請求項5の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、温室への供給量に対して余剰な二酸化炭素(炭酸ガス)を生成した場合であっても、この余剰の二酸化炭素をリサイクルすることにより有効利用することができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、加熱手段は、生成ガスとリサイクルされた二酸化炭素との混合ガスにより二酸化炭素吸収材を加熱する。
【0022】
従って、請求項6の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、リサイクルされた二酸化炭素もまた加熱手段の熱源として有効利用することができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項5の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、加熱手段は、リサイクル手段を間接的に加熱することにより該二酸化炭素吸収材を加熱する。
【0024】
従って、請求項7の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、リサイクルされた二酸化炭素もまた加熱手段の熱源として有効利用することができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素吸収材を、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物、および、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの炭酸塩が該化合物に添加された混合物のうちの何れかとしている。
【0026】
従って、請求項8の発明の供給装置においては、以上のような手段を講じることにより、二酸化炭素吸収材は、二酸化炭素を効率的に吸収することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1項の発明の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置において、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物を、リチウムジルコネート、リチウムフェライトおよびリチウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも一つのリチウム複合酸化物としている。
【0028】
これら複合酸化物は、繰り返し利用が可能であるのに加え、燃料改質反応後、二酸化炭素のみを効率良く吸収し、しかる後に二酸化炭素のみを取り出すことが可能となる。また、改質反応と同時に二酸化炭素を効率良く吸収するため、燃料改質反応を促進することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る供給装置の構成例を示すプロセスフロー図である。
図2は、反応器まわりの詳細構成例を示す系統構成図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法を示す典型的なタイミングチャートである。
図4は、本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法の変形例を示すタイミングチャートである。
【0031】
図2に示すように、本発明において用いる反応器212には、燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、および装置の熱的負荷軽減や熱バランス調整のために必要に応じて蓄熱材が充填される。燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、蓄熱材の形状および配置は、二酸化炭素吸収材や蓄熱材に蓄えられた熱および二酸化炭素吸収材における吸収熱が燃料改質触媒において進行する改質反応に供給でき、かつ燃料改質反応で生じた二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に到達して吸収され得るものであればよい。例えば、燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材、蓄熱材を全て粒状とし、これらを混合して、お互いが直接接触するよう充填し、充填層212bとすることができる。
【0032】
また、それぞれの充填材の原料粉末を混合し、これを球状、円筒状、リング状、穴空きホイール状、ハニカム状、コルゲート(波板)状に成型し、これら成型体を充填して充填層212bとすることもできる。充填層212bを通過するガスの流れを阻害することなく、またガスが充填材に均等に分散するよう、すなわち物質の移動を阻害することがなく、また燃料改質触媒と二酸化炭素吸収材と畜熱材とが直接接触するよう、配置・充填し、熱の移動を阻害しないよう充填することが本発明の効果を最大限に引き出すために好ましく、その形状や配置は経済性や保守・点検を考慮し任意に選択すればよい。
【0033】
本発明において、吸収温度は二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収しうる温度であって、かつ燃料改質反応が起こりうる温度を意味する。吸収温度は燃料改質反応の進行度および得られる改質燃料中の水素濃度の観点から400℃以上が好ましく、二酸化炭素の吸収速度の観点から700℃未満が好ましい。また、再生温度は二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を放出しうる温度を意味する。再生温度は二酸化炭素の放出速度の観点から700℃以上が好ましい。また材料面で、反応器212等の装置や二酸化炭素吸収材等の充填材が繰り返し周期的に温度が変わることにより経年変化するため、装置・材料の寿命の観点から900℃以下が好ましい。
【0034】
本発明では、吸収温度と再生温度とを周期的に繰り返す(温度のスイング)ため、反応器212自体の設計温度は高い方の再生温度に支配されるが、ここで充填層212bの特長である改質触媒と二酸化炭素吸収材をランダムに充填しているだけで、物質と熱との同時移動が達成されることを考慮すれば、ガスの流れ方向に垂直な、すなわち反応器212の半径方向には従来型の多管式反応器(図示せず)で記した半径方向長さ(管径)に対する制約がなく、半径方向の大きさ(反応器の直径)は任意に決められることになる。
【0035】
従来型の多管式反応器では外部からの入熱を管壁を通して充填層に熱移動を行っていた。そのため管材料として高級材料が必要となっていたが、本発明では外部からの熱移動はなく、むしろ内部での熱が外部に逃げない構造をとることが好ましい。したがって、反応器212内部に耐火レンガで内張りし、その内部に充填材を充填することができ、反応器212外壁は汎用の構造部材(耐熱温度の低い材料)を適用でき、経済性に極めて優れた構成とすることができる。
【0036】
含炭素燃料としては、炭素を含む燃料であれば用いることができ、例えばメタン、エタン、プロパン等を含むガス、低級アルコール類、低級エーテル類を用いることができ、具体的には産業界等で燃料として使用されている天然ガス、都市ガス、LPG、ナフサ、メチルアルコールあるいはジメチルエーテルなどを用いることができる。
【0037】
また、二酸化炭素吸収材は硫化水素、二酸化硫黄等の硫黄分があると吸収能力が大きく落ちるため、硫黄分を除去した含炭素燃料を使用するか、供給装置内で含炭素燃料を脱硫することが好ましい。
【0038】
蓄熱材の具体的材質は、本発明に関わる改質反応が進行し、二酸化炭素の吸収・放出する温度、雰囲気における安定性、比熱、熱伝導度、真密度、かさ密度の大きさおよび経済性から選択され、例えばマグネシア、リチウムアルミネート、ジルコニアなどの材料が好適に利用できる。
【0039】
図2では1つの反応器212を用いた形態を示しており、運転操作は、図3に示す典型的なタイミングチャートに従い周期的に繰り返し運転され、間歇操作となる。なお、図2に示す実線は燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)で使用するライン、一点鎖線は吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)で使用するライン、破線は冷却・燃料改質工程(ステップ3)で使用するラインを示す。また図3では横軸に経過時間を示し、縦軸は反応器212内の充填層212bの平均的な温度を示し、1周期分の操作を示している。後述するが、連続的に改質燃料が得られるもう一つの実施形態を図1を用いて後述しているので、図2の説明は簡潔に述べる。
【0040】
まず、図2を参照して1つの反応器212を用いる実施形態について説明する。反応器212の内部には燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および必要に応じて蓄熱材が充填された充填層212bが形成されている。これら充填物212bの形状および配置はすでに述べた。また説明上、1周期は、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)から始まり、ついで吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)、最後に冷却・燃料改質工程(ステップ3)という順序とする。
【0041】
ステップ1では、反応器212の充填層212bの平均温度が前周期のステップ3末期の温度である吸収温度にまで冷却された状態から開始する。図2には示していないが、予め脱硫した含炭素燃料および水蒸気とを混合し所定温度に加熱された混合ガス(以下、場合により「原料ガス」ともいう)がライン221を通り、切替弁213aを通り反応器212に供給される。このとき切替弁213b、213cは閉じられている。原料ガスが充填層212bを通過するとき改質触媒および二酸化炭素吸収材と接触し、燃料改質反応および二酸化炭素吸収反応を起こしながら下部にある反応器出口217に向かって流れる。
【0042】
後述するように改質反応は吸熱であり、一方、二酸化炭素吸収反応は発熱であるが、これら反応が同時に起こると弱吸熱となる。従って、加熱源のない断熱型の反応器では反応器出口に向かうにつれて反応温度が低下するが、ここでは、反応器出口217から切替弁214aを通ってくる反応ガスの温度を温度計215aにより監視し、適宜反応器上部にある反応器入口218から酸化剤および燃料(改質燃料の一部および/または含炭素燃料)を供給しバーナー212aで燃料を酸化させている。これにより、発生する酸化反応熱を加熱源とし、充填層212bの平均温度をほぼ一定に維持することができる。
【0043】
ステップ1の完了時間は、充填層212bの平均温度および充填している二酸化炭素吸収材の量から予め破過曲線を作成しておき、経過時間から確認することができる。または反応器出口217での改質燃料ガスの組成を分析計(図示せず)で分析し、吸収されないで破過してくる二酸化炭素濃度を知ることでも可能である。ステップ1の終了後、ステップ2に移行する。
【0044】
ステップ2では、反応器212の内部に残存している改質燃料ガスを排出するとともに、充填層212aの平均温度を二酸化炭素吸収材を再生するのに必要な再生温度にまで昇温することから始まる。
【0045】
二酸化炭素吸収材に吸収されている二酸化炭素を、純度の高い二酸化炭素ガスとして回収する場合には、二酸化炭素ガスを循環利用することが望ましい。図2には示していないが、ステップ2で二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素ガスを必要な量を蓄えたガスホルダーから二酸化炭酸含有ガスがライン222を通り、切替弁213bを通り反応器212に供給される。このとき外部の加熱装置211により二酸化炭素含有ガスを所定の再生温度にまで加熱することができる。あるいは加熱装置211を使用せずに、ステップ1と同様に、酸化剤と燃料を供給しバーナー212aで燃料を酸化させ、発生する酸化反応熱を加熱源とし、二酸化炭素含有ガスを再生温度にまで加熱することもできる。
【0046】
反応器入口218の上部から供給された加熱された二酸化炭素含有ガスは、順次流れ方向にステップ1の終了時の吸収温度にある充填物(燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および場合によっては蓄熱材を含む)と直接接触し、熱移動を起こし、充填物を加熱することになる。そして再生温度に達すると二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収材から二酸化炭素ガスが放出される。放出された二酸化炭素ガスは反応器212に供給される二酸化炭素含有ガスと反応器212内で混合され、高温の二酸化炭素含有ガスとなり、切替弁214bを通り、熱交換器216を経て温室へと供給される。また、熱交換器216において、この高温の二酸化炭素含有ガスの冷却のために供給された冷却水は、この高温の二酸化炭素含有ガスによって加熱され温水となって温室へと供給される。
【0047】
反応器212の充填層212b内では、時間とともに再生温度と吸収温度との境界が流れ方向に移動することになる。
【0048】
二酸化炭素吸収材からの二酸化炭素ガスの放出は吸熱反応であり、流れ方向に進むにつれて温度低下が起きる。また蓄熱材を含んでいる場合には蓄熱材自体の顕熱を供給するためにも流れ方向に温度低下が起き、再生に必要な温度を維持できなくなる。本発明では再生温度を維持し、二酸化炭素ガスの放出熱および充填材の顕熱を必要量分供給するため、外部の加熱装置211による加熱、またはバーナー212aによる酸化反応熱を利用している。
【0049】
また放出された二酸化炭素ガスの純度を高くし、再利用するためには、外部の加熱装置211による加熱を採用することが好ましく、また反応器212内のバーナー212aを利用するときは純度の高い酸素ガスを酸化剤として用いることが好ましい。
【0050】
また、ステップ1でも、バーナー212aを用いた加熱源を採用することが最も好ましい。その理由は、外部の加熱装置211による加熱方式のように加熱装置211自体が別途必要となることがなく、経済的に優れているからである。また外部の加熱装置211では装置自体が高温に曝されるため、構造部材として比較的高級な部材を使用する必要がある点においても不利であるからである。
【0051】
図2には示していないが、反応器出口217から排出される二酸化炭素含有ガスを昇圧し、循環利用することも可能である。
【0052】
ステップ2の終了は、反応器出口217でのガス温度を温度計215bで監視し、再生温度と吸収温度との境界を検出することにより確認できる。またステップ2の所要時間は反応器212に供給される(または循環される)二酸化炭素含有ガスの流量を制御することにより変更可能である。
【0053】
ステップ3では、反応器212内に残存する二酸化炭素含有ガスを排出するとともに、ステップ1で述べた含炭素燃料と水蒸気の混合ガス(原料ガス)を、ライン223、切替弁214cを介して反応器212の下部の反応器入口219から供給することにより開始される。ただし、ステップ3開始直後では、反応器212内の充填層212bは再生温度に保たれており、原料ガスは改質触媒により改質反応を起こすが、改質反応により生成する二酸化炭素は二酸化炭素吸収材には吸収されず充填層212bは改質反応のみを起こし、二酸化炭素は素通りすることになる。
【0054】
一方、改質反応が起こるとその吸熱反応により充填層212bの温度が次第に低下し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収され始める吸収温度まで低下することになる。従って、二酸化炭素が吸収し放出する境界温度(例えば700℃)が、原料ガスの流れ方向に向かい、時間とともに充填層212b内を移動する。この境界温度の移動面の上流側では改質反応と二酸化炭素の吸収反応が併発し、下流側では改質反応のみが起こる。この境界温度の移動速度は、充填材(改質触媒、二酸化炭素吸収材および場合によっては蓄熱材)に蓄えられた顕熱に依存する。蓄熱量が多ければ移動速度は遅く、蓄熱量が少なければ移動速度が速くなる。従って、ステップ3の所要時間は充填材の量に依存することになる。
【0055】
ステップ3では、先のステップ1およびステップ2で用いたバーナー212aによる加熱は必ずしも必要ではなく、断熱的に反応を行わせればよい。ステップ3は、引き続き行うステップ1で必要な充填層212bの吸収温度レベルに到達すれば完了する。反応器出口217の改質燃料ガスの温度を温度計215cにより監視し、その温度に到達したか否かで判断できる。
【0056】
図2において、ステップ3は原料ガスを下から上へ流しているが、上から下へ流してもよい。ただし、次のステップ1は上から下に流すことを考えると、ステップ3での冷却が不充分で、充填層212bの上部に高温ゾ一ンが残存することになると、次のステップ1でこの高温ゾーンに原料ガスが供給されることになり、二酸化炭素の吸収ができなくなる可能性があるため、望ましくはステップ1の流れ方向と逆方向に流すことが好ましい。
【0057】
図2で、各ステップで反応器212内でのガスの流れ方向は、ステップ1およびステップ2では上から下ヘ、ステップ3では下から上へ流れるように記述しているが、最も望ましい流れ方向を示したに過ぎず、本発明では流れ方向は任意に選択することができる。
【0058】
また各ステップ間で、反応器212内に残存する前ステップでのガスを排出し、パージすることが好ましいが、その残存ガスの組成・性状により、改質燃料に混ぜることもできるし、図2には示していないが、別途図示しない排ガス処理装置で処理してもよく、適宜有効利用すればよい。
【0059】
以上、図2をもとに説明した実施形態では、ステップ1からステップ3を順次周期的に繰り返すことになり、改質燃料を連続的に、また吸収・放出される二酸化炭素ガスを連続的に取り出すことが不可能であるが、例えば、複数の反応器を用いることにより連続的に取り出すことが可能となる。
【0060】
同一の形状、サイズの3つの反応器を用い、前記ステップ1、2およびステップ3にそれぞれ割り振り、各ステップを完了させるのに必要な所要時間をすべて同一時刻となるよう、二酸化炭素吸収材の充填量、二酸化炭素含有ガス供給(循環)流量、場合によっては蓄熱材の充填量を加減することで所要時間をそろえることができる。
【0061】
その実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、図1において太線で示すラインは使用中のライン、細線で示すラインは使用停止中のラインを示す。
【0062】
ここでは、反応器12,13,14の3つの反応器を使用する。各反応器12,13,14には燃料改質触媒、二酸化炭素吸収材および必要に応じて蓄熱材が充填される。これら反応器12,13,14は3つの工程を順次周期的に繰り返して運転される。この形態のシステムの運転方法例について、図4にタイミングチャートを示す。ここでは、図3に示した各ステップの所要時間を等しくし、3つの反応器12,13,14についてステップを1つずつずらしながら順次周期的に運転する形態をとっている。
【0063】
含炭素燃料1は燃料改質触媒の触媒活性および二酸化炭素吸収材の吸収能力に著しく悪影響を及ぼす硫黄分を除去するため、ライン31を通り脱硫器11に送られる。脱硫器11に充填される充填材は、脱硫能力のある活性炭等で十分であり、市販の脱硫剤を適宜使用すればよい。脱硫が不要な原料の場合は、脱硫は省略できる。
【0064】
硫黄分の除去された含炭素燃料は、ライン32を通り水蒸気2とスチーム/カーボン(水蒸気のモル流量/含炭素燃料中の炭素モル流量)比が、好ましくは1〜5の範囲となる所定の水蒸気と混合した混合ガス(以下、場合により原料ガスという。)となり、熱交換器15で所定の温度、好ましくは400〜700℃に加熱され、ライン33を通り冷却・燃料改質工程(ステップ3)の反応器13に供給される。
【0065】
〔冷却・燃料改質工程〕(ステップ3)
冷却・燃料改質工程(ステップ3)にある反応器13は、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)が終了しており、その段階で反応器13は好ましくは温度700〜900℃になっている。
【0066】
原料ガスは、ライン33を通り、反応器13に供給される。この供給は反応器13の下部側から行うことが好ましい。冷却・燃料改質工程(ステップ3)の終了後、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)へ移行するが、充填層13bの冷却が、たまたま不充分であった場合、充填層13b上部に高温ゾーンが残存することがあり、高温ゾーンが残存する状態で、次の燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)を開始すると、高温ゾーンでの二酸化炭素吸収が起きず、改質反応で生成する二酸化炭素が素通りする可能性がある。
【0067】
従って、改質反応で生成する二酸化炭素を確実に吸収させるためには、原料ガスが確実に吸収温度にまで冷却されている反応器13の下部側から供給することが好ましい。ライン33を通って冷却・燃料改質工程(ステップ3)の反応器13の下部側から供給された原料ガスは、反応器13の下部側から徐々に燃料改質反応を起こしながら上部に向かって流れて行き、この結果冷却が下部側から起こり、前記目的が達成される。好ましくは下部からの供給であるが、上部側から供給することも可能である。
【0068】
原料ガスは、この反応器13中の二酸化炭素吸収材および必要に応じて充填される蓄熱材に蓄積された熱量によって燃料改質反応を起こし、原料ガスが一部改質燃料へ転換される。冷却・燃料改質工程(ステップ3)では再生温度となっている二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収材を、改質反応の反応熱を利用して冷却する。場合によっては、蓄熱材の持っている顕熱を、改質反応の反応熱として利用する。冷却・燃料改質工程(ステップ3)では改質反応が断熱条件下で行われ、反応器13の出口におけるガス温度は、これら利用できる充填材の持つ顕熱量に依存し経時変化することになる。
【0069】
従って、冷却・燃料改質工程(ステップ3)の終了時に二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収できる吸収温度に到達していればよく、蓄熱材を加えることにより本工程の終了時間を延ばすこともできるし、蓄熱材を加えないときには、最短時間で本工程を終了することもできる。蓄熱材の添加の有無は、各工程(ステップ1〜ステップ3)のサイクルタイム(1周期する所要時間)、原料ガス流量により適宜判断・選択することができる。
【0070】
〔燃料改質・二酸化炭素分離工程〕(ステップ1)
含炭素燃料1の一部が水素に転換された改質燃料を含む原料ガス(以下、場合により、一部改質済み原料ガスという。)は、ライン34を通り、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)の反応器12に供給される。燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)にある反応器12の上部(燃料改質触媒および二酸化炭素吸収材より上流)で、ライン34から供給された一部改質済み原料ガスの一部、および/またはライン52から供給される含炭素燃料1が、ライン51より供給される空気3で酸化された後に燃料改質触媒上へ供給される。
【0071】
ライン51より供給される空気3は、酸化により発生する反応熱が、所望する燃料改質反応温度での燃料改質反応の吸熱分と二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収されるときの発熱分とに見合った分だけ供給される。このような形態とすることにより、二酸化炭素吸収材を定常的に吸収温度とすることができ、そのもとで燃料改質反応を定常的に安定して行うことができるため好ましい。
【0072】
このような酸化手段を設けないときは、充填材の持つ顕熱分、二酸化炭素の二酸化炭素吸収材への吸収反応による発熱分、および改質反応による吸熱分がバランスし、反応器12内の充填物12bの平均温度は全体として経時的に低下頃向を示すことになり、燃料改質反応を定常的に安定して行うことはできないが、反応器12の出口での温度が改質に必要な温度(例えば400℃)以上であれば改質は可能である。生成する改質燃料中の未転化含炭素燃料濃度が増加し、水素濃度が減少するなど、供給装置としての性能が上記形態に比べて劣る点で不利となるにすぎない。
【0073】
燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)における上記酸化には、酸化剤として空気を用いることができる他、酸素または酸素冨化空気を用いることができる。酸素、酸素冨化空気4はライン53から供給することができる。
【0074】
また、酸化の手段としては、例えば、含炭素燃料1および/または改質燃料中に酸化剤を吹き込み、改質燃料の一部および/または含炭素燃料1を酸化もしくは部分酸化する手段を用いることができる。例えば反応器12内上部にバーナー12aを設け、ここで部分酸化もしくは酸化を行えばよい。また、反応器12外で改質燃料の一部および/または含炭素燃料1を酸化もしくは部分酸化してその酸化反応熱を利用することもでき、さらに反応器12の内外の両方にそれそれ酸化もしくは部分酸化手段を設けることもできる。
【0075】
ここで、部分酸化とは含炭素燃料1および/または改質燃料中の未反応含炭素燃料の一部のみを酸化・燃焼させ、生成物として一酸化炭素、水素を主反応生成物として得ることを言い(ある意味では不完全燃焼)、上記の酸化は生成物として二酸化炭素、水、水素、一酸化炭素など一般的な酸化反応を指し、区別している。部分酸化させることにより、生成物中に水素ができ、製品水素濃度が増加し、また生成する一酸化炭素は改質触媒により更に水蒸気と反応し(後述のシフト反応を起こす)、二酸化炭素に酸化されることになり、この工程で二酸化炭素吸収材に吸収・分離されることになる。
【0076】
反応器12では、好ましくは温度400℃以上700℃未満で燃料改質反応が起こり、供給された一部改質済み原料ガスが、改質燃料に転換されると同時に、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収される。より好ましくは、改質温度が500〜600℃である。燃料改質反応の反応進行度の観点、また得られる水素濃度の観点から400℃以上とすることが好ましく、700℃以上では、改質反応の観点から温度を上げた割には大きく反応量が増加することがなく、経済性の点から不利である。また、二酸化炭素吸収速度と二酸化炭素放出速度とがほぼ均衡する傾向にあり、二酸化炭素の実質な吸収が起こりにくくなるという点て不利である。
【0077】
二酸化炭素の吸収が起こると吸収量に見合った吸収熱が発生し、この吸収熱も同様に燃料改質反応に利用される。さらに、二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収されることにより下記に示す平衡反応がずれ、更に反応が進むことになり、水素の生成が促進される。なお、燃料改質反応は下記に示す反応式1及び反応式2が同時に起こる同時併発反応である。反応式及び平衡式は、下記のとおりである。なお、反応式では、含炭素燃料1をメタンで代表して示している。
【0078】
水蒸気改質反応式:CH4+H2O⇔CO+3H2・・(反応式1)
シフト反応反応式:CO+H2O⇔CO2+H2・・・(反応式2)
水蒸気改質反応平衡式:
Kpl=(P(H2)3×P(CO))/(P(CH4)×P(H2O))
P(H2):水素ガスの分圧。P(CO):一酸化炭素ガスの分圧。
P(CH4):メタンガスの分圧。P(H2O):水蒸気の分圧。
シフト反応平衡式:
Kp2=(P(H2)×P(CO2))/(P(CO)×P(H2O))
P(H2):水素ガスの分圧。P(CO2):二酸化炭素ガスの分圧。
P(CO):一酸化炭素ガスの分圧。P(H2O):水蒸気の分圧。
【0079】
燃料改質触媒としては、汎用のニッケル系触媒が、上記水蒸気改質反応およびシフト反応を同時併発し好ましいが、水蒸気改質反応およびシフト反応のそれぞれに適した触媒を適宜混合した、混合触媒でもよい。
【0080】
二酸化炭素吸収材としては、燃料改質反応が進行する温度で二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物が好ましいが、二酸化炭素の吸収・放出を可逆的に行えるリチウム系化合物が経済的であり好ましい。中でも、二酸化炭素と反応して炭酸リチウムを生成するリチウムジルコネート、リチウムフェライト、リチウムシリケートで代表されるリチウム複合酸化物を使用することがより好ましい。
【0081】
この理由は、二酸化炭素と反応して炭酸リチウムを生成する二酸化炭素吸収材は、炭酸リチウムの分解温度が低いことから炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムに比べて低い温度で二酸化炭素を取り出すことが出来るからである。リチウムジルコネートはLi2ZrO2、Li4ZrO4の化学式で示されるものであり、リチウムフェライトはLiFeO2の化学式で示されるものである。また、リチウムシリケートでは、リチウムメタシリケート(Li2SiO3)とリチウムオルトシリケート(Li4SiO4)が知られており、リチウムオルトシリケートが二酸化炭素を吸収する次式の反応が特に好適に使用できる。
Li4SiO4+CO2=Li2SiO3+Li2CO3・・・(反応式3)
また、リチウム複合酸化物等の、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生じる化合物に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩を適宜添加し、併用することもできる。この場合、二酸化炭素吸収材の二酸化炭素吸収・放出速度は温度と添加される炭酸塩の種類およびその濃度に依存し、炭酸塩の添方によって吸収・放出反応を促進することができる。
【0082】
水素に富んだガス、すなわち改質燃料は、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)の反応器12下部から好ましくは温度400℃以上700℃未満で生成する。この生成した改質燃料は、ライン35を通り、熱交換器15における含炭素燃料1と水蒸気2との混合ガスとの熱交換により冷却されライン36を通り冷却器16に送られ、そこで更に冷却され、改質燃料中の水分をライン37へ分離除去した後、ライン38から製品である改質燃料として取り出される。図1では、冷却器16として凝縮水を分離する分離器と一体化した熱交換器を使用しているが、特に型式の制限はなく、目的に合わせた型式が選ばれればよい。
【0083】
また、冷却器16における熱回収の形態は、特に限定されるものではなく、目的に応じた熱回収が可能である。特に改質燃料中には未凝縮の水分が含まれ、この未凝縮の水分の凝縮熱の有効利用が考えられる。回収方法は種々考えられ、例えば、図1に示す水蒸気2の発生の熱源、含炭素燃料1の予熱、酸化剤4の予熱用の熱源等として考えられ、適宜目的に応じた熱回収を行えば良い。
【0084】
〔吸収材再生・蓄熱工程〕(ステップ2)
一方、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)を完了すると、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)へと移行する。吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)では、含炭素燃料1、改質燃料等の燃料を熱源として、好ましくは再生温度700〜900℃で二酸化炭素吸収材の再生、すなわち二酸化炭素吸収材からの二酸化炭素の放出が反応器14において行われる。再生温度はより好ましくは800℃から850℃である。再生温度が700℃未満では、二酸化炭素の吸収速度と放出速度とがほぼ均衡する傾向にあり、実質的な放出が起こりにくくなるという点で不利であり、また、900℃を超えると、材料面での反応器14等の装置や二酸化炭素吸収材等の充填材の劣化の点で不利となる。
【0085】
この工程では、加熱手段で二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱する。具体的には、反応器14内上部に設けられたバーナー14a等の酸化手段により、燃料を酸化剤によって酸化させ、その生成ガスを二酸化炭素吸収材に接触させて二酸化炭素吸収材を再生し、蓄熱することができる。その燃料は、含炭素燃料1だけに限られず、改質燃料が使われてもよく、さらには他の燃料を用いることもできる。要するに、二酸化炭素吸収材の再生では熱源として利用できる燃料であればここで使用可能である。
【0086】
酸化剤としては、空気を用いることもできるが、酸素あるいは酸素冨化空気を使用し、完全燃焼(酸化)させることにより、酸化生成物として二酸化炭素と水とが得られ、反応器14の出口での二酸化炭素濃度が高く、水以外の不純物濃度が低い二酸化炭素含有ガスが得られることになる。二酸化炭素含有ガス中の水分は、後述するように冷却するだけで主成分である二酸化炭素と容易に分離除去することができ、分離除去後の二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素濃度を更に高めることができる。また、酸化剤として、純度の高い酸素を使用することにより、更に一段と二酸化炭素濃度の高い二酸化炭素含有ガスが得られる。
【0087】
上記加熱手段に用いるバーナー14a等の酸化手段と、燃料改質・二酸化炭素分離工程(ステップ1)で用いるバーナー12a等の酸化手段は兼用することができ、より経済的である。
【0088】
吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)にある反応器14では、熱源となる燃料がライン41を通り、酸化剤4がライン42を通り、燃料と酸化剤4とが混合した後に反応器14に供給される。燃料は酸化剤によって反応器14中で酸化し、反応器14は好ましくは温度700〜900℃に加熱され二酸化炭素吸収材が再生される。熱源となる燃料は、二酸化炭素吸収材の再生・蓄熱に必要な温度を維持する量だけ供給される。二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を含んだ生成ガス(燃焼ガス)は反応器14の下部側から排出され、ライン43から熱交換器17を通り、ここで熱回収され、さらに冷却器20で冷却される。ここで冷却された二酸化炭素を含むガスはライン44を通り、副製品となる二酸化炭素含有ガスとリサイクルガスとに分岐される。そして、二酸化炭素含有ガスはライン45を通り冷却器18で冷却され、ライン46を通り温室へと供給される。また、冷却器18において二酸化炭素含有ガスを冷却するために用いられた冷却水は、冷却器18において二酸化炭素含有ガスに加熱されることによって温水となり、ライン60を通り温室へと供給される。
【0089】
温室への供給量に対して余剰となった二酸化炭素含有ガスは、ライン47を通り吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)に戻され、リサイクルガスとして使用される、リサイクルガスはリサイクル手段によって反応器14の上部に供給される。すなわちライン47を通り、昇圧手段、ここではブロワ19で循環に必要な圧力まで昇圧され、ライン48を通り熱交換器17へ送られ、反応器14出口から排出される高温の二酸化炭素含有ガスと熱交換し、ライン49を通り、所定の温度まで昇温された後、反応器14の上部側に供給され、吸収材再生・蓄熱工程(ステップ2)においてリサイクルガスとして使用される。
【0090】
二酸化炭素吸収材の再生は、充填層14bの温度が再生温度にまで昇温すれば、先に示した反応式3で左向きへの反応が進み、吸収された二酸化炭素を放出することになるが、充填層14b内での熱移動の速度を促進するため、二酸化炭素吸収材に吸収されたガスと同じ物質を流通させ、対流伝熱を併用することにより熱移動速度の改善、ひいては再生に必要な所要時間を短縮することができるので、この二酸化炭素のリサイクルを行うことが好ましい。リサイクルする量は、酸化手段による加熱後の温度が二酸化炭素吸収材に悪影響を及ぼさない900℃以下となるよう決定すればよい。
【0091】
図1において、原料導入手段は例えば含炭素燃料1および水蒸気2から反応器13に至るライン33等及び脱硫器11等によって形成され、あるいはまた、ライン34も原料導入手段である。加熱手段はバーナー12a,13a,14aを反応器12,13,14の二酸化炭素吸収材等が充填された充填層12b,13b,14bより上流側に設けることにより形成される。
【0092】
これらの使用を切り替える切り替え手段は、図示はしていないが、適宜ラインに設けられたバルブで形成できる。このバルブを自動弁とし、自動弁を制御するコンピュータ等を設ければ、切り替えを自動で行うことができる。また、これら切り替え手段のタイミングをずらして切り替える切り替えタイミング制御手段は、これらバルブを自動弁とし自動弁を制御するコンピュータ等で形成できる。
【0093】
図1に示す構成に対応する運転タイミングの時間的変化を図4に示すが、切替時に発生するそれぞれ反応器12,13,14内に残存するガスは必要に応じて適宜パージ操作を行い、反応器外に排出することも、また製品の改質燃料や、温室に供給される二酸化炭素含有ガス中に混入させることもできる。ただし、この場合は製品純度が劣化することになるが、適宜有効に利用すれば良い。
【0094】
以上、本発明の実施形態を図1および図2に従い説明したが、本発明は、図1に示される3基の反応器12,13,14により構成される供給装置、および図2に示される1基の反応器212により構成される供給装置に限定されることはなく、適宜目的にしたがい反応器の基数を決めれば良い。
【0095】
図1に示した形態では3つの独立した反応器12,13,14を使用し、周期的に繰り返し運転することにより連続的に改質燃料を得ることができるが、1つの反応器内に隔壁などを設け、3つの工程を区分することも可能であり、反応器の物理的な基数を限定するものではない。
【0096】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る供給装置の作用について説明する。
【0097】
含炭素燃料1としてメタンを主成分とする都市ガスを使用し、図1の構成の供給装置によりライン38を介して改質燃料が、またライン45を介して二酸化炭素含有ガスがそれぞれ得られた。この都市ガスの成分および、各部位におけるガス組成、温度等は図5に示す通りであり、このとき二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素は99.5モル%であった。
【0098】
このような高純度の二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスが冷却器18によって冷却された後に温室へと供給される。一方、冷却器18においてこの二酸化炭素含有ガスの冷却に用いられた冷却水は、冷却器18において二酸化炭素含有ガスによって加熱され、温水となった後に温室へと供給される。これによって、二酸化炭素と温水との両方が温室へと供給される。
【0099】
本発明の実施の形態に係る供給装置では、上記のような作用により、図6にその概念を示すように、温室62における植物栽培に必要な二酸化炭素と温水との両方を供給することができる。これにより、温室62の暖房費を節約することができるのみならず、環境にやさしい農業技術の導入が可能となる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係る供給装置では、上述したように、極めて二酸化炭素含有率の高い二酸化炭素含有ガスを供給することが可能である。この装置で生成される二酸化炭素含有ガスは、炭酸ガス発生機のような燃焼ガス供給方式によって生成されたものとは異なり、二酸化炭素以外の成分がほとんど混在していない。このような高純度の二酸化炭素含有ガスを用いて植物栽培を行うことによって、植物の成長を数倍に促進することが可能となる。
【0101】
更に、本発明の実施の形態に係る供給装置では、温水を供給することが可能である。これによって、植物の光合成に必要な水を適温で供給することができるのみならず、温室62内を適切な温度に保つことができる。
【0102】
更にまた、本発明の実施の形態に係る供給装置では、燃料改質反応で得られるクリーンなエネルギー源である水素を利用して、二酸化炭素放出のために必要なエネルギーを生成することができる。これによって、少ないエネルギー消費量で、効率的に運転することが可能となる。
【0103】
近年、地球規模での温暖化対策として、二酸化炭素排出量の低減化が重要視されており、二酸化炭素の回収技術、固定化技術、あるいは貯蔵技術等といった様々な技術が開発されている。しかしながら、これら何れの技術を用いても、二酸化炭素が地球上から削減される訳ではない。本発明の実施の形態に係る供給設備は、植物に二酸化炭素を供給し、酸素を放出させるという自然浄化作用を促進することによって、二酸化炭素排出量を削減する一助となるものである。
【0104】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0105】
例えば、改質燃料を利用して、燃料電池などで光を発生させ、その光を温室62に供給することによって、本発明の実施の形態に係る供給装置からは、二酸化炭素、温水、光といった植物栽培に必要な全ての要素を温室に供給することも可能である。あるいは、本発明の実施の形態に係る供給装置を大型化することによって、地域一帯に設けられた複数の温室に対して一度に二酸化炭素と温水とを供給することができるようにすることも可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、二酸化炭素と温水との両方を温室に効率良く供給することができる温室向け二酸化炭素および温水の供給装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る供給装置の構成例を示すプロセスフロー図
【図2】反応器の詳細構成例を示す系統構成図
【図3】本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法を示す典型的なタイミングチャート
【図4】本発明の実施の形態に係る供給装置の運転方法の変形例を示すタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態に係る供給装置で用いられた都市ガスの成分および各部位におけるガス組成、温度等を示す図
【図6】本発明の実施の形態に係る供給装置の作用を説明するための概念図
【符号の説明】
1…含炭素燃料、2…水蒸気、3…空気、4…酸化剤、11…脱硫器、12,13,14,212…反応器、12a,13a,14a,212a…バーナー、12b,13b,14b,212b…充填層、15,17,216…熱交換器、16,18,20…冷却器、19…ブロワ、31〜38,41〜49,51,52,53,60,221,222,223…ライン、62…温室、211…加熱装置、213,214…切替弁、215…温度計、217…反応器出口、218,219…反応器入口
Claims (9)
- 含炭素燃料と水蒸気とから水素に富んだ改質燃料と、二酸化炭素と温水とを得、この二酸化炭素および温水を温室に供給する供給装置であって、
前記含炭素燃料と前記水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を生成する燃料改質反応を促進する燃料改質触媒と、前記生成した二酸化炭素を可逆的に吸収および放出可能な二酸化炭素吸収材とを充填した反応器と、
前記反応器に前記含炭素燃料と前記水蒸気とを導入する原料導入手段と、
前記燃料改質反応によって得られた改質燃料の一部および前記含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させて生成ガスを得、この生成ガスにより前記二酸化炭素吸収材を再生温度まで加熱する加熱手段と、
前記燃料改質反応によって得られた二酸化炭素を冷却水によって冷却することによって前記二酸化炭素によって加熱された前記冷却水を温水として前記温室に供給する温水供給手段と、
前記温水供給手段によって冷却された二酸化炭素を前記温室に供給する二酸化炭素供給手段と
を備えた温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。 - 前記反応器内に前記生成ガスの熱エネルギーを蓄熱する蓄熱材を充填した請求項1に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記反応器において前記二酸化炭素吸収材が二酸化炭素を吸収する際に発生する吸収熱を、前記燃料改質反応の反応熱として利用する請求項1または請求項2に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記改質燃料の一部および含炭素燃料のうちの少なくとも何れかを酸化剤によって酸化させ、この酸化反応の反応熱を前記燃料改質反応の反応熱として利用する請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記二酸化炭素吸収材から放出された二酸化炭素を、この二酸化炭素を放出した二酸化炭素吸収材を有する反応器にリサイクルするリサイクル手段を備えた請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記加熱手段は、前記生成ガスと前記リサイクルされた二酸化炭素との混合ガスにより前記二酸化炭素吸収材を加熱する請求項5に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記加熱手段は、前記リサイクル手段を間接的に加熱することにより前記二酸化炭素吸収材を加熱するようにした請求項5に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記二酸化炭素吸収材を、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物、および、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの炭酸塩が該化合物に添加された混合物のうちの何れかとした請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
- 前記二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成する化合物を、リチウムジルコネート、リチウムフェライトおよびリチウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1つのリチウム複合酸化物とした請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の温室向け二酸化炭素および温水の供給装置。
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