[go: up one dir, main page]

JP2004245640A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル Download PDF

Info

Publication number
JP2004245640A
JP2004245640A JP2003033850A JP2003033850A JP2004245640A JP 2004245640 A JP2004245640 A JP 2004245640A JP 2003033850 A JP2003033850 A JP 2003033850A JP 2003033850 A JP2003033850 A JP 2003033850A JP 2004245640 A JP2004245640 A JP 2004245640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
radiation image
image conversion
conversion panel
light emission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003033850A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Isoda
勇治 礒田
恵子 ▼錬▲石
Keiko Neriishi
Atsunori Takasu
厚徳 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003033850A priority Critical patent/JP2004245640A/ja
Priority to US10/776,622 priority patent/US7037446B2/en
Publication of JP2004245640A publication Critical patent/JP2004245640A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
    • C09K11/7732Halogenides
    • C09K11/7733Halogenides with alkali or alkaline earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】感度の向上した放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層がユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体からなるものであって、そして該蛍光体層の紫外励起発光スペクトルにおいて、400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量の全発光量に対する比率S(400−420)が、0<S(400−420)<0.20の範囲にある放射線像変換パネル。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に共されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
【0003】
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0004】
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。
【0005】
また、上記放射線画像記録再生方法の別法として特許文献1には、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されている。この方法は、被検体を透過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの放射線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルのエネルギー蓄積用蛍光体にて放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を走査して発光光を放出させ、この発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものである。このような放射線像変換パネルも、本発明に包含される。
【0006】
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
【0007】
感度および画質を高めることを目的として、放射線像変換パネルの蛍光体層を気相堆積法により形成する方法が提案されている。気相堆積法には蒸着法やスパッタ法などがあり、例えば蒸着法は、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱器や電子線の照射により加熱して蒸発源を蒸発、飛散させ、金属シートなどの基板表面にその蒸発物を堆積させることにより、蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を形成するものである。
【0008】
気相堆積法により形成された蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を得ることができる。
【0009】
特許文献2には、CsX:Eu輝尽性蛍光体、およびこの輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を気相堆積法により形成した蛍光体スクリーンが開示されている。また、蒸着法により形成したCsBr:Eu輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を含むフィルムを紫外励起(波長280nm)したときの瞬時発光スペクトルが図示されているが、440nm付近に鋭い発光ピークがあるだけで、400−420nmにピークを示す発光は確認できない。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−255610号公報
【特許文献2】
国際公開第WO01/03156A1号パンフレット
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感度の顕著に向上した放射線像変換パネルを提供することにある。
【0012】
本発明者は、気相堆積法により形成された、ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム(CsX:Eu、Xはハロゲン)系輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を有する放射線像変換パネルの感度(輝尽発光量)について検討した結果、蛍光体層からの輝尽発光量とその紫外励起発光スペクトルとの間に特定の関係があることを見い出した。すなわち、この蛍光体による瞬時発光は440〜460nmにピーク波長を有する発光であるが(輝尽発光の主ピーク波長もこの領域にあり、輝尽発光量はこれに基づく)、それに加えて蛍光体層が、400〜420nmにピーク波長がある発光を一定の割合で示すときに、輝尽発光量が顕著に増加することを見い出し、本発明に到達したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層がユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体からなるものであって、そして該蛍光体層の紫外励起発光スペクトルにおいて、400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量の全発光量に対する比率S(400−420)が
0 < S(400−420) < 0.20
の範囲にあることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
【0014】
ここで、全発光量とは、得られた発光スペクトルをガウシアン分布に基づいてフィッティングして複数の単一発光スペクトルに分離したときに、各発光スペクトルの発光ピークを中心とする半値幅での発光強度の積分値の総和を意味する。また、400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量とは、該当する単一発光スペクトルの発光ピークを中心とする半値幅での発光強度の積分値を意味する。
【0015】
一般に、CsX:Eu系輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を蒸着法などの気相堆積法により形成すると、その過程で付活剤Euは、雰囲気中の酸素と反応してEu−Oを形成し、この状態で蛍光体の柱状構造からなる気相堆積膜中に存在しがちである。その結果、Eu2+−空格子点による輝尽発光が減少することになる。この度、雰囲気中のハロゲン化水素(HX)分圧を上げることによってEu−O形成を有効に阻止し、あるいは気相堆積後に熱処理することによって形成されたEu−Oを効果的に分解して、付活剤をEu2+として蛍光体の柱状構造内に高効率で存在させられることが判明した。その際に、付活剤は過剰のハロゲンXと反応してEuXとして柱状構造の壁面に析出し、蛍光体層の瞬時発光スペクトルにはEu2+−空格子点による発光(ピーク波長:440〜460nm)以外に、このEuXによると考えられる発光(ピーク波長:400〜420nm)も現れることが分かった。さらに、後者のEuXによる発光の発光全体に占める割合が0より上で0.2未満であるときに、輝尽発光(Eu2+−空格子点による発光)が顕著に増加することが分かった。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の放射線像変換パネルにおいて、ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体は、下記基本組成式(I)を有することが好ましい。また、基本組成式(I)においてXはBrであることが好ましい。
【0017】
CsX・aMX’・bMIIX”・cMIIIX”’:zEu ‥‥(I)
[ただし、MはLi、Na、K及びRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’、X”及びX”’はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;そしてa、b、c及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
【0018】
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0019】
図1は、支持体と蒸着法により形成したCsBr:Eu輝尽性蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネル(後述の実施例2)の蛍光体層を、紫外励起(励起波長:290nm)したときの瞬時発光スペクトルを示すグラフである。図1において、曲線1は測定した瞬時発光スペクトルであり、そして曲線2〜4はそれぞれ、その瞬時発光スペクトルをガウシアン分布でフィッティングすることにより分離した単一発光スペクトルである。
【0020】
分離した三つの単一発光スペクトルはそれぞれ、下記に示すように、異なる発光ピークを有し、異なる発光成分に起因するものと考えられる。
Figure 2004245640
【0021】
上記蛍光体層の輝尽発光スペクトル(一次励起:X線、二次励起:633nm)では、Eu2+−空格子点によるCsBr:Eu蛍光体の輝尽発光が440〜460nm(発光ピーク)に現れ、400〜420nmには発光が現れない。なお、文献Phys. Stat. Sol. (b)203, 591(1997)にも、CsCl:Eu蛍光体の紫外励起発光スペクトルについて、433nm(Eu凝集体の発光)、440nm(Eu−空格子点の発光)、453、487nm(Eu集合体の発光)と記述されている。
【0022】
本発明の放射線像変換パネルでは、図1に示したような紫外励起発光スペクトルにおいて、全発光量に対する400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量の比率S(400−420)が、
0 < S(400−420) < 0.20
の範囲にある。
【0023】
ここで、全発光量とは、得られた発光スペクトルをガウシアン分布に基づいてフィッティングして複数の単一発光スペクトルに分離したときに、各発光スペクトルの発光ピークを中心とする半値幅での発光強度の積分値の総和を意味する。また、400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量とは、該当する単一発光スペクトルの発光ピークを中心とする半値幅での発光強度の積分値を意味する。図1に示した発光スペクトルでは、全発光量は、曲線2〜4の各発光スペクトルの半値幅での積分値の和であり、発光量比率S(400−420)+S(440−460)+S(470−500)=1となる。
【0024】
本発明においては、400〜420nmに発光ピークを示すEuX成分が上記発光量比率を示すような割合で蛍光体層に含まれるときに、蛍光体層からの輝尽発光が顕著に増大する。換言すれば、EuX成分による発光量比率S(400−420)が上記範囲にあるときに、Eu2+−空格子点による蛍光体の輝尽発光の発光量(絶対値)が増加する(蛍光体の瞬時発光も同様に増加すると思われる)。
【0025】
理論的には、放射線像変換パネルの蛍光体層(気相堆積膜)が純粋にEu2+で付活されたCsX輝尽性蛍光体のみからなり、Eu−O複合体やEuXが存在しないことが望ましい。しかしながら、実際にはCsXの柱状結晶中にはEu−O複合体やEuXも存在してEu2+の付活効率が下がるために、440〜460nmの輝尽発光が低くなっている。そこで、気相堆積過程で雰囲気中のハロゲン化水素(HX)分圧を高くすると、Eu−O複合体の形成を抑止することができる。その際に、Eu2+の一部は過剰のハロゲンXと反応して柱状結晶の壁面には更にEuXが析出する。これを気相堆積後に熱処理することによって、存在するEu−O複合体を分解して酸素を結晶中に拡散させるとともに、EuXも有効に分解することができる。これにより、Eu2+の付活効率を上げて、440−460nmの輝尽発光を増加させることができる。あるいは、気相堆積後に熱処理を行うだけでも同様の効果が得られる。結果として、EuX成分による発光量比率S(400−420)が0<S(400−420)<0.20であるときに、輝尽発光量が増加する。
【0026】
気相堆積膜中にEuXが多過ぎることは、柱状結晶の成長にも悪影響を及ぼして気相堆積膜を脆くしたり、その吸湿性を高めるので、好ましくない。
【0027】
本発明の放射線像変換パネルは、例えば以下のようにして製造することができる。気相堆積法の一種である電子線蒸着法を用いる場合を例にとって詳細に述べる。
【0028】
本発明に用いられるユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体は、前記の基本組成式(I)で代表される蛍光体であることが好ましい。基本組成式(I)において、輝尽発光量の点から、XはBrであることが好ましい。付活剤Euの量を表すzは、輝尽発光量および気相堆積膜(蒸着膜)の強度の点から、0.001≦z≦0.01の範囲内の数値であることが特に好ましい。また、MはK及び/又はRbであることが好ましく、X’はCl及び/又はBrであることが好ましい。さらに、基本組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物として、CsX1モルに対して0.5モル以下の量で加えてもよい。
【0029】
蒸着膜形成のための基板は、通常は放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、特に好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに、柱状結晶性を高める目的で、基板の蒸着膜が形成される側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が設けられていてもよい。
【0030】
多元蒸着(共蒸着)により蒸着膜を形成する場合には、まず蒸発源として、上記輝尽性蛍光体の母体成分を含むものと付活剤成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体の母体成分と付活剤成分の蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸発速度を各々制御することができるので好ましい。各蒸発源は、所望とする輝尽性蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体成分および付活剤成分それぞれのみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
【0031】
蛍光体の母体成分は、CsXそれ自体であってもよいし、または反応してCsXとなりうる二以上の原料の混合物であってもよい。また、付活剤成分は、一般にはEuを含む化合物であり、例えばEuのハロゲン化物が用いられる。Eu化合物におけるEu2+化合物のモル比は70%以上であることが好ましい。通常Eu化合物にはEu2+とEu3+が混合して含まれているが、目的の輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。Eu化合物はEuXであることが好ましく、その場合には、mは2.0≦m≦2.3の範囲内の数値であることが好ましい。mは、2.0であることが望ましいが、2.0に近づけようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際にはmは2.2付近でXの比率が比較的高い状態が安定している。
【0032】
蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体成分や付活剤成分が、例えばEuBr、CsBrのように吸湿性である場合には特に、含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の各蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、各蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
【0033】
蒸発源の相対密度は、80%以上、98%以下であることが好ましく、より好ましくは90%以上、96%以下である。蒸発源が相対密度の低い粉体状態であると、蒸着の際に粉体が飛散するなどの不都合が生じたり、蒸発源の表面から均一に蒸発しないで蒸着膜の膜厚が不均一となったりする。よって、安定した蒸着を実現するためには蒸発源の密度がある程度高いことが望ましい。上記相対密度とするには一般に、粉体を20MPa以上の圧力で加圧成形したり、あるいは融点以上の温度で加熱溶融して、タブレット(錠剤)の形状にする。ただし、蒸発源は必ずしもタブレットの形状である必要はない。
【0034】
また、蒸発源、特に蛍光体母体成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外のアルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外のアルカリ土類金属)の含有量が1ppm以下であることが望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。これによって、不純物の混入が少ない蒸着膜を形成することができるとともに、そのような蒸着膜は発光量が増加する。
【0035】
上記の蒸発源および基板を蒸着装置内に配置し、装置内を排気して1×10−5〜1×10−2Pa程度の真空度とする。このとき、真空度をこの程度に保持しながら、Arガス、Neガス、Nガスなどの不活性ガスを導入してもよい。
【0036】
Eu−O複合体の形成を抑止するためには、付活剤Euの量によっても異なるが、蒸着装置内の雰囲気中のハロゲン化水素(HX)分圧を2.5×10−5Pa以上、7.0×10−5Pa以下にすることが好ましい。ハロゲン化水素のハロゲンXは、蛍光体母体中のハロゲンと一致させることが望ましい。ここで、HX分圧は、実施例にて後述するように質量分析法(マスフィルタ)により算出した値である。このように高いHX分圧は例えば、蒸着装置内に別途、EuX等のハロゲン源とそれを加熱蒸発させるための抵抗加熱器等を配置し、その電流値を制御しながらハロゲン源を加熱蒸発させることにより達成することができる。あるいは、装置内の真空度を上記範囲に保持しながら、微量のHXガスを導入してもよい。
【0037】
また、Eu−O複合体の形成を抑止するには、蒸着雰囲気中の水(HO)分圧を7.0×10−3Pa以下にすることが好ましく、特には4.0×10−3Pa以下にすることが好ましい。このように低い水分圧は、例えば、蒸着装置内を排気するための排気装置として、ディフュージョンポンプ(またはターボ分子ポンプ)とコールドトラップ(クライオコイル、クライオパネル、スーパートラップ等)の組合せを用いることにより達成することができる。
【0038】
次に、二つの電子銃から電子線をそれぞれ発生させて、各蒸発源に照射する。このとき、電子線の加速電圧を1.5kV以上で、5.0kV以下に設定することが望ましい。電子線の照射により、蒸発源である輝尽性蛍光体の母体成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積する。この際に、各電子線の加速電圧などを調整することにより、各蒸発源の蒸発速度を制御してもよい。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1〜1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1〜100μm/分の範囲にある。なお、電子線の照射を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。さらに、蒸着の際に必要に応じて被蒸着物(基板)を冷却または加熱してもよい。
【0039】
一元蒸着(疑似一元蒸着)の場合には、蒸発流に垂直な方向(基板に平行な方向)に上記蛍光体母体成分と付活剤成分とを分離して含む一個の蒸発源を用意することが好ましい。そして、蒸着に際しては、一つの電子線を用いて、蒸発源の母体成分領域および付活剤成分領域各々に電子線を照射する時間(滞在時間)を制御することにより、均一な組成の輝尽性蛍光体からなる蒸着膜を形成することができる。あるいは、蒸発源として輝尽性蛍光体もしくはその原料混合物を用いる一元蒸着であってもよい。
【0040】
なお、上記輝尽性蛍光体からなる蒸着膜を形成するに先立って、蛍光体の母体(CsX)のみからなる蒸着膜を形成してもよい。これによって、より一層柱状結晶性の良好な蒸着膜を得ることができる。なお、蛍光体からなる蒸着膜中の付活剤など添加物は、特に蒸着時の加熱および/または蒸着後の熱処理によって、蛍光体母体からなる蒸着膜中に拡散するために、両者の境界は必ずしも明確ではない。
【0041】
蒸着終了後、得られた蒸着膜を熱処理することが望ましい。熱処理により、存在するEu−O複合体を分解することができる。また、過剰に存在するEuXを分解してハロゲンXを逸散させることができる。熱処理は一般に、50℃乃至300℃の温度で15分乃至20時間かけて行う。熱処理雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、もしくは少量の酸素ガス又は水素ガスを含む不活性ガス雰囲気が用いられる。不活性ガスとしては、Nガス、Arガス、Neガスなどを挙げることができる。酸素ガスまたは水素ガスは、一般に2000Pa以下の分圧で含まれる。蒸着装置内で基板上に蒸着したのち続けて熱処理を行ってもよいし、あるいは装置から一度基板を取り出したのち熱処理を行ってもよい。
【0042】
上述したように蒸着雰囲気中のHX分圧を上げることなく、蒸着後に熱処理を行うだけでも、形成されたEu−O複合体を分解し、またEuXを有効に分解して、Eu2+の付活を促進することができる。その場合には、150℃乃至250℃の温度で30分乃至16時間かけて熱処理することが好ましい。ただし、処理時間と温度は好適に組み合わせて行う必要がある。具体的には例えば、150℃で8乃至16時間、200℃で1乃至8時間、または250℃で30分乃至1時間熱処理する。なお、過剰な熱処理は、柱状結晶中にEuの凝集体を形成してEu2+の付活効率を下げることになる。
【0043】
このようにして、ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層であって、紫外励起スペクトルにおける400〜420nmの発光成分による発光量比率S(400−420)が0<S(400−420)<0.20である蛍光体層が得られる。蛍光体層は、結合剤を含有せず、輝尽性蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。蛍光体層の層厚は、通常は50〜1000μmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700mmの範囲にある。
【0044】
本発明に用いられる気相堆積法は、上記の電子線蒸着法に限定されるものではなく、抵抗加熱法、スパッタ法、化学蒸着(CVD)法など公知の各種の方法を利用することができる。
【0045】
なお、基板は必ずしも放射線像変換パネルの支持体を兼ねる必要はなく、蒸着膜形成後、蒸着膜を基板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用いるなどして接合して、蛍光体層を設ける方法を利用してもよい。あるいは、蛍光体層に支持体(基板)が付設されていなくてもよい。
【0046】
この蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
【0047】
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜1000μmの範囲にある。
【0048】
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
【0049】
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種の変形を含むものであってもよい。例えば、放射線画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
【0050】
【実施例】
以下の実施例において、蒸着雰囲気中のHBr分圧は、質量分析法に従って、残留ガスアナライザ(マスフィルタ、RGA200型、STANFORD RESEARCH SYSTEMS社製)を用いて、蒸着装置内の雰囲気ガスを測定して算出した。
【0051】
[実施例1]
(1)CsBr蒸発源の作製
CsBr粉末75gをジルコニア製粉末成形用ダイス(内径:35mm)に入れ、粉末金型プレス成形機にて50MPaの圧力で加圧し、タブレット(直径:35mm、厚み:20mm)に成形した。このとき、CsBr粉末に掛かった圧力は約40MPaであった。次に、このタブレットに真空乾燥機にて温度200℃で2時間の真空乾燥処理を施した。得られたタブレットの密度は3.9g/cmであり、含水量は0.3重量%であった。
【0052】
(2)EuBr蒸発源の作製
EuBr(m≒2.2)粉末25gをジルコニア製粉末成形用ダイス(内径:25mm)に入れ、粉末金型プレス成形機にて50MPaの圧力で加圧し、タブレット(直径:25mm、厚み:10mm)に成形した。このとき、EuBr粉末に掛かった圧力は約80MPaであった。次に、このタブレットに真空乾燥機にて温度200℃で2時間の真空乾燥処理を施した。得られたタブレットの密度は5.1g/cmであり、含水量は0.5重量%であった。
【0053】
(3)蛍光体層の形成
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA(イソプロピルアルコール)洗浄を施した合成石英基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBr蒸発源を装置内の所定位置に配置した。また別に、突沸防止のために多数の微小孔が設けられ、そして基板に達しないように遮蔽物で囲まれた蓋付きボート内にEuBr50gを入れた。その後、装置内を排気して1×10−3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースタおよびターボ分子ポンプの組合せを用いた。次いで、基板の蒸着面とは反対側に位置したシーズヒータで、石英基板を200℃に加熱した。蒸発源それぞれに電子銃で加速電圧2.0kVの電子線を照射して共蒸着させ、CsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。このとき、各々の電子銃のエミッション電流を100mAに調整し、そして10μm/分の速度で堆積させた。同時に、蓋付きボート内のEuBrを抵抗加熱器を用いて直流電圧4Vの抵抗電源で電流値を制御しながら加熱蒸発させて、蒸着雰囲気中のHBr分圧を4.2×10−5Paに維持した。HBr分圧のモニタは上記残留ガスアナライザで行った。
【0054】
蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から石英基板を取り出した。石英基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蒸着膜(膜厚:約400μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
【0055】
次に、この基板をガス導入可能な真空加熱装置に入れ、ロータリーポンプにより約1Paまで真空に引き蒸着膜に吸着している水分等を除去した後、Nガス雰囲気中、温度200℃で2時間蒸着膜を熱処理した。真空下で基板を冷却し、充分に温度が下がった時点で装置から基板を取り出した。このようにして、共蒸着により支持体と蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネルを得た。
【0056】
[実施例2、3]
実施例1の(3)蛍光体層の形成において、抵抗加熱器の電流値の制御を変えて蒸着雰囲気中のHBr分圧を4.5×10−5Paおよび4.7×10−5Paにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の各種の放射線像変換パネルを製造した。
【0057】
[比較例1]
実施例1の(3)蛍光体層の形成において、別にEuBrを抵抗加熱器で加熱蒸発させなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。その際の蒸着雰囲気中のHBr分圧は1.4×10−5Paであった。
【0058】
[比較例2]
実施例1の(3)蛍光体層の形成において、抵抗加熱器の電流値の制御を変えて蒸着雰囲気中のHBr分圧を8.0×10−5Paに変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0059】
[放射線像変換パネルの性能評価1]
得られた各放射線像変換パネルの感度について以下のようにして評価を行なった。放射線像変換パネルを室内光を遮蔽可能なカセッテに収納し、これに管電圧80kVp、管電流16mAのX線を照射した。次いで、パネルをカセッテから取り出した後、パネルをHe−Neレーザ光(波長:633nm)で励起し、パネルから放出された輝尽発光光をフォトマルチプライヤで検出し、その発光量により感度を評価した。比較例1を基準とした相対値で表した。
【0060】
また、放射線像変換パネルの蛍光体層を紫外線(波長:290nm)で励起して瞬時発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルをガウシアン分布でフィッティングして複数の単一スペクトルに分離した。各スペクトルの発光ピークを中心とする半値幅で発光強度の積分値を算出し、発光量とした。各発光量の総和を全発光量とし、その全発光量に対する400−420nmの発光成分による発光量の比率S(400−420)を算出した。
得られた結果をまとめて表1および図1、2に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004245640
【0062】
図1は、本発明の放射線像変換パネル(実施例2)の蛍光体層の紫外励起発光スペクトルを示すグラフである。曲線1は測定した瞬時発光スペクトルであり、曲線2〜4はそれぞれ分離した単一発光スペクトルである。
【0063】
図2は、蒸着雰囲気中のHBr分圧を変えたときの放射線像変換パネルの発光量比率S(400−420)と感度との関係を表すグラフである。
【0064】
表1および図2に示した結果から明らかなように、400〜420nmの発光量比率が0<S(400−420)<0.2を満足する本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜3)はいずれも、S(400−420)=0である比較のための放射線像変換パネル(比較例1)およびS(400−420)>0.2である比較のための放射線像変換パネル(比較例2)に比べて、感度が顕著に向上した。
【0065】
[実施例4]
(1)CsBr蒸発源の作製
実施例1と同様にしてCsBrのタブレットを作製した。
【0066】
(2)EuBr蒸発源の作製
実施例1と同様にしてEuBrのタブレットを作製した。
【0067】
(3)蛍光体層の形成
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA洗浄を施した合成石英基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBr蒸発源を装置内の所定位置に配置した。その後、装置内を排気して1×10−3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースタおよびターボ分子ポンプの組合せを用いた。次いで、基板の蒸着面とは反対側に位置したシーズヒータで、石英基板を200℃に加熱した。蒸発源それぞれに電子銃で加速電圧2.0kVの電子線を照射して共蒸着させ、CsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。このとき、各々の電子銃のエミッション電流を100mAに調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.003/1となるようにし、そして10μm/分の速度で堆積させた。蒸着雰囲気中のHBr分圧は1.4×10−5Paであった。
【0068】
蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から石英基板を取り出した。石英基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蒸着膜(膜厚:約400μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
【0069】
次に、この基板をガス導入可能な真空加熱装置に入れ、ロータリーポンプにより約1Paまで真空に引いて蒸着膜に吸着している水分等を除去した後、Nガス雰囲気中、150℃の温度で8時間蒸着膜を熱処理した。真空下で基板を冷却し、充分に温度が下がった時点で装置から基板を取り出した。このようにして、共蒸着により支持体と蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネルを製造した。
【0070】
[実施例5〜10]
実施例4の(3)蛍光体層の形成において、蒸着膜の熱処理温度および時間を表2に示すようにそれぞれ変更したこと以外は実施例4と同様にして、本発明の各種の放射線像変換パネルを製造した。
【0071】
[比較例3]
実施例4の(3)蛍光体層の形成において、蒸着膜の熱処理を行わなかったこと以外は実施例4と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0072】
[比較例4、5]
実施例4の(3)蛍光体層の形成において、蒸着膜の熱処理温度および時間を表2に示すようにそれぞれ変更したこと以外は実施例4と同様にして、比較のための各種の放射線像変換パネルを製造した。
【0073】
[放射線像変換パネルの性能評価2]
得られた各放射線像変換パネルの感度について前述と同様にして評価を行った。ただし、比較例5を基準とした相対値で表した。また、前述と同様にして、放射線像変換パネルの蛍光体層を紫外励起して瞬時発光スペクトルを測定し、得られた発光スペクトルに基づいて発光量比率S(400−420)を算出した。
得られた結果をまとめて表2および図3に示す。
【0074】
【表2】
Figure 2004245640
【0075】
図3は、熱処理条件を変えたときの放射線像変換パネルの発光量比率S(400−420)と感度との関係を表すグラフである。
【0076】
表2および図3に示した結果から明らかなように、400〜420nmの発光量比率が0<S(400−420)<0.2を満足する本発明の放射線像変換パネル(実施例4〜10)はいずれも、S(400−420)=0である比較のための放射線像変換パネル(比較例5)およびS(400−420)>0.2である比較のための放射線像変換パネル(比較例3、4)に比べて、感度が顕著に向上した。
【0077】
【発明の効果】
紫外励起発光スペクトルにおいて400〜420nm発光の発光量比率S(400−420)が0<S(400−420)<0.20である本発明の放射線像変換パネルは、従来よりも顕著に高い感度を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層の紫外励起発光スペクトルを示すグラフである。
【図2】蒸着雰囲気中のHBr分圧を変えたときの放射線像変換パネルの発光量比率S(400−420)と感度との関係を表すグラフである。
【図3】熱処理条件を変えたときの放射線像変換パネルの発光量比率S(400−420)と感度との関係を表すグラフである。

Claims (3)

  1. 気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層がユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体からなるものであって、そして該蛍光体層の紫外励起発光スペクトルにおいて、400〜420nmに発光ピークを示す発光成分による発光量の全発光量に対する比率S(400−420)が
    0 < S(400−420) < 0.20
    の範囲にあることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム系輝尽性蛍光体が、基本組成式(I):
    CsX・aMX’・bMIIX”・cMIIIX”’:zEu ‥‥(I)
    [ただし、MはLi、Na、K及びRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’、X”及びX”’はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;そしてa、b、c及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
    を有する請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 基本組成式(I)においてXがBrである請求項2に記載の放射線像変換パネル。
JP2003033850A 2003-02-12 2003-02-12 放射線像変換パネル Withdrawn JP2004245640A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003033850A JP2004245640A (ja) 2003-02-12 2003-02-12 放射線像変換パネル
US10/776,622 US7037446B2 (en) 2003-02-12 2004-02-12 Radiation image storage panel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003033850A JP2004245640A (ja) 2003-02-12 2003-02-12 放射線像変換パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004245640A true JP2004245640A (ja) 2004-09-02

Family

ID=33019712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003033850A Withdrawn JP2004245640A (ja) 2003-02-12 2003-02-12 放射線像変換パネル

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7037446B2 (ja)
JP (1) JP2004245640A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1526551A1 (en) * 2003-10-24 2005-04-27 Agfa-Gevaert Stimulable phosphor screens or panels and manufacturing control thereof
JP2006098242A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネル
US7718986B2 (en) * 2007-01-25 2010-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiation image conversion panel, production method of the same, and X-ray image capturing system

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020041977A1 (en) * 2000-06-23 2002-04-11 Yasuo Iwabuchi Europium activated cesium bromide phosphor and radiation image storage sheet
US6730243B2 (en) * 2000-12-22 2004-05-04 Afga-Gevaert Cesium halide storage phosphor with narrow emission spectrum upon UV-excitation
US20030113580A1 (en) * 2001-07-30 2003-06-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Preparation of radiation image storage panel

Also Published As

Publication number Publication date
US7037446B2 (en) 2006-05-02
US20040227113A1 (en) 2004-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3827298B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003028994A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2005069991A (ja) 放射線像変換パネル
JP2005091222A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2006250909A (ja) 放射線像変換パネル
JP2003107160A (ja) 放射線像変換パネル
JP4024731B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP3920100B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2007070646A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法および製造装置
JP4054765B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2004245640A (ja) 放射線像変換パネル
JP4316288B2 (ja) ハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法
JP2004340892A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP3987463B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2004053421A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004170406A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2004245641A (ja) 放射線像変換パネル
JP2004347440A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2002296398A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003156597A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004212245A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003028996A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004233134A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004170405A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2005069990A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509