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JP2004119735A - 連結基板及びその製造方法並びにセラミックパッケージ - Google Patents

連結基板及びその製造方法並びにセラミックパッケージ Download PDF

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JP2004119735A
JP2004119735A JP2002281909A JP2002281909A JP2004119735A JP 2004119735 A JP2004119735 A JP 2004119735A JP 2002281909 A JP2002281909 A JP 2002281909A JP 2002281909 A JP2002281909 A JP 2002281909A JP 2004119735 A JP2004119735 A JP 2004119735A
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powder
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Tomohide Hasegawa
長谷川 智英
Minako Izumi
泉 美奈子
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】バリが小さく、気密封止で破壊しにくい小型・薄型用の連結基板及びその製造方法並びにセラミックパッケージを提供する。
【解決手段】基板底部と、該基板底部の外周に一体的に設けられた基板堤部とを具備し、前記基板底部表面に電気素子が実装される絶縁基板と、該絶縁基板の内部及び/又は表面に設けられた導体層と、前記基板堤部の少なくとも一部に、金属製リッドを接合するために設けられたメタライズ層とを具備するセラミックパッケージが複数連結してなり、該セラミックパッケージを各々分離するための切り欠き溝が前記セラミックパッケージ間に設けられた連結基板において、前記絶縁基板が4質量%以上の焼結助剤を含むアルミナ質焼結体からなり、該アルミナ質焼結体の結晶平均粒径が1〜2μmであり、且つ破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に電気素子及び/又は半導体素子が搭載され、リッドなどの蓋によって気密に封止するセラミックパッケージ、特に、高さが0.6mm以下、基板堤部の幅が0.3mm以下の超小型・超薄型セラミックパッケージ及び該セラミックパッケージが連結して設けられた連結基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、半導体素子の高集積化、電気素子の小型化に伴い、各種電子機器の小型化、高機能化が図られている。これに伴い、電気素子を収納する、あるいは半導体素子と同時に受動部品を搭載するセラミックパッケージの小型化が要求され、例えば、外形サイズ縦3mm、横2mm、高さ0.8mm程度まで小型化したセラミックパッケージが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、さらなる小型化がパッケージに要求され、例えばICカードに代表される超小型・超薄型のものが求められている。このような超小型・超薄型セラミックパッケージでは、大型基板に切り欠き溝を作製し、最終工程で個々の単一パッケージにブレークし得られる。
【0004】
例えば、連結基板から単一絶縁基板へブレークする際のバリを抑える方法として切り欠き溝の深さを変化させて積層体、連結基板を作製することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、純度99%以上の高純度アルミナを用いることによって、厚さ250〜350μmの形状で55kgf/mm以上の高強度のアルミナ基板が得られることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
しかし、特許文献3に記載された高強度のアルミナ基板は、アルミナ純度が99質量%以上と高いため、接合強度の高いメタライズを施すためには、Moを主成分とし、Mn、TiHなどの活性金属で構成される導体成分を焼結後に焼き付ける必要があり、工程が増え、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
そこで、同時焼成によってメタライズの形成が可能なアルミナ基板が求められている。例えば、焼結助剤を加え、純度96%以下となったアルミナを用いることによって、同時焼成によって低コストでメタライズを行なうことが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−196485号公報
【特許文献2】
特開2002−9188号公報
【特許文献3】
特開2000−7425号公報
【特許文献4】
特開2000−277662号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載のセラミックパッケージ製造方法は、X、Y方向で切り欠き溝の深さを調節し、変化させるため作業が煩雑になりコスト高になるという問題があった。
【0010】
また、絶縁基板の基板堤部の幅や基板底部の厚みが小さくなるため、スナップによる切断時にバリが出やすく、また、スナップ切断時に生成したクラックが原因となって接合時に破断するという問題があった。
【0011】
一方、特許文献4に記載のアルミナは、メタライズは可能であるものの、抗折強度が400MPa以下と低いため、気密封止のためにリッドとパッケージとを接合すると、絶縁基板、リング状メタライズ層、ロウ材、リッドの熱膨張率がそれぞれ異なるため、その差により発生する熱応力によって絶縁基板が破壊するという問題があった。
【0012】
従って、本発明は、スナップ切断時のバリが小さく、気密封止しても破壊しにくく、特に、メタライズとの同時焼成が可能である小型・薄型用の連結基板及びその製造方法並びにセラミックパッケージを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、焼結助剤を4質量%以上加えても、アルミナ粉末の粉末平均粒径、昇温速度及び冷却速度を制御することによって、結晶平均粒径が1〜2μm、破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2を有し、特に3点曲げ強度が500MPa以上、ヤング率が320GPa以下、熱伝導率が15W/mK以上であるため、切断時にバリが出にくく、金属により気密封止しても破壊しにくく、特に、同時焼成が可能な小型・薄型用の連結基板及びその製造方法並びにセラミックパッケージを実現できるという知見に基づくものである。
【0014】
即ち、本発明のセラミックパッケージは、基板底部と、該基板底部の外周に一体的に設けられた基板堤部とを具備し、前記基板底部の表面に電気素子が実装される絶縁基板と、該絶縁基板の内部及び/又は表面に設けられた導体層と、前記基板堤部の少なくとも一部に、金属製リッドを接合するために設けられたメタライズ層とを具備するセラミックパッケージが複数連結してなり、該セラミックパッケージを各々分離するための切り欠き溝が前記セラミックパッケージ間に設けられた連結基板において、前記絶縁基板が4質量%以上の焼結助剤を含むアルミナ質焼結体からなり、該アルミナ質焼結体の結晶平均粒径が1〜2μmであり、且つ破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2であることを特徴とするものである。
【0015】
特に、前記アルミナ質焼結体の強度が500MPa以上、ヤング率が320GPa以下、熱伝導率が15W/mK以上であることが好ましい。これにより、熱膨張差により応力が発生しても、速やかな放熱、変形により応力を緩和でき、且つ破壊を効果的に防止することが可能となる。
【0016】
また、前記絶縁基板に対する前記メタライズ層の接着強度が49N以上であることが好ましい。これにより、リッドとパッケージを接合する際にリング状メタライズ層と絶縁基板との間で発生する剥離を効果的に抑制し、より高い信頼性を得ることができる。
【0017】
また、前記アルミナ質焼結体が、Mnを酸化物換算で2〜8質量%、Siを酸化物換算で1〜6質量%の割合で含み、Alを主結晶相とし、該主結晶相の粒界にMnAl結晶を含むことが好ましい。これにより破壊靱性を3.5〜4.5MPam1/2、強度を500MPa以上まで高くすることができる。
【0018】
さらにまた、前記導体層がW及び/又はMoを主成分とし、アルミナを10質量%以下の割合で含むことが好ましい。これによりアルミナと同時焼成可能であり、かつメタライズ強度を49N以上まで高くすることができる。
【0019】
さらに、前記絶縁基板の基板堤部の幅が0.1〜0.3mm、前記電気素子が実装される絶縁基板の基板底部の厚みが0.1〜0.3mm、パッケージ高さが0.3〜0.6mmであることが好ましい。このような寸法に設定することにより、絶縁基板の熱応力破壊をより効果的に防止するとともに、パッケージの容積をより小さくすることができる。
【0020】
本発明の連結基板の製造方法は、平均粒径0.5〜2μmのアルミナ粉末96質量%以下と4質量%以上の焼結助剤とを含有するグリーンシートに、導体ペーストを用いて複数の導体パターン及びメタライズ層を被着形成した後、前記グリーンシートを適宜積層して積層体を作製した後、複数の絶縁基板を分離するための切り欠き溝を、前記積層体の表面に形成し、該積層体を1250〜1400℃の非酸化性雰囲気中で焼成することを特徴とするものである。これにより、4質量%以上の焼成助剤を加えても、結晶平均粒径が1〜2μm、破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2、3点曲げ強度が500MPa以上のアルミナ質焼結体からなる連結基板を製造することができる。
【0021】
また、前記焼結助剤がMn粉末及びSiO粉末を含むこと、さらに前記Mn粉末が2〜8質量%、前記SiO粉末が1〜6質量%であることが好ましい。これにより、粒成長を抑制しつつ焼結させ、より高密度を実現することが容易となる。
【0022】
さらに、前記導体ペーストがW及び/又はMoを主成分とし、アルミナを10質量%以下の割合で含むことが好ましい。これによりメタライズ強度を49N以上まで高めることができる。
【0023】
また、本発明のセラミックパッケージは、上記の連結基板に複数連結して形成されたセラミックパッケージを各々分離して得られ、且つ得られたセラミックパッケージの絶縁基板の縦及び横の長さの誤差がそれぞれ50μm以下であることを特徴とするものであり、これにより、バリが小さいため寸法精度の高く、且つ気密封止しても破壊しにくいセラミックパッケージを実現することができる。
【0024】
特に、前記連結基板を構成する複数のセラミックパッケージ間に設けられた切り欠き溝を起点としてスナップ切断して得られたことが好ましい。これにより、バリの少ないセラミックパッケージの製造が容易となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の連結基板は、例えば図1(a)及び(b)に示したように、縦7列、横5列にセラミックパッケージ1が並設され、複数のセラミックパッケージ1が一つの基板に形成されたものであり、また、隣接するセラミックパッケージ1間に切り欠き溝2が設けられ、スナップすることによって各セラミックパッケージ1を切断分離することができる。
【0026】
各セラミックパッケージ1は、例えば図2に示したように、基板底部11aと基板堤部11bとからなる絶縁基板11と、基板底部11aに設けられた導体層12と、基板堤部11bの上に形成されたリング状リング状メタライズ層13とを具備し、絶縁基板11は、基板底部11aの外周に基板堤部11bが一体的に設けられてなるものである。
【0027】
また、導体層12は、基板底部11aの表面に設けられた表面導体層12aと、外部との電気接続のために裏面に設けられた裏面導体層12cと、表面導体層12a及び裏面導体層2cを接続するために基板底部11aの内部に形成された内部導体層12bとからなっている。
【0028】
セラミックパッケージ1は、電気素子や半導体素子を内部に載置し、蓋をして密封して用いるものであり、例えば図2に示すように、絶縁基板11の基板底部11aに設けられた導体層12と接続された電気素子14及び半導体素子16とを載置することができる。
【0029】
電気素子14は、導電性接着剤15を用いて導体層12と電気的接続を行うことができる。電気素子14としては、水晶発振子、誘電体、抵抗体、フィルタ及びコンデンサのうち少なくとも1種を用いることができる。また、半導体素子16は、ワイヤボンディング17等により導体層12と接続する。
【0030】
金属製リッド20は、電気素子14及び半導体素子16を保護するため、セラミックパッケージに接合し、気密に封止される。金属製リッド20は、基板堤部11bの上面に被着形成されたリング状リング状メタライズ層13の表面にメッキ層18を形成し、さらにその上に共晶Ag−Cuロウ材19を用いて、シーム溶接などの方法により接合される。
【0031】
本発明の連結基板は、各セラミックパッケージ1を構成する絶縁基板11が結晶平均粒径が1〜2μm、破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2のアルミナ質焼結体からなることが重要である。結晶平均粒径が1μmより小さくなると熱伝導率が低下し、2μmより大きくなると粗大粒が増加し、強度の低下、バリが増大する。
【0032】
なお、本発明における結晶平均粒径は焼結体断面からインターセプト法を用いて測定し、破壊靱性、3点曲げ強度は、厚み3mm、幅4mm、長さ40mmの試料を用いて、JIS R(靱性の測定コード)1601に基づいて室温にて測定した値である。
【0033】
また、破壊靱性が3.5MPam1/2より小さくなるとパッケージが欠けやすくなり、破壊靱性が4.5MPam1/2より大きくなるとブレーク性が劣化し、バリが増大する。
【0034】
アルミナ質焼結体の3点曲げ強度が500MPa以上であることが好ましい。500MPaよりも低くなると金属製リッド20の封止時や2次実装の時に熱応力が加わって破壊する、または、ハンドリング時や使用時の衝撃等により破壊するためである。このような熱応力や衝撃力に強く、より高い信頼性を示すため、強度は、特に550MPa以上、更には600MPa以上であることが好ましい。
【0035】
絶縁基板11の熱伝導率は、封止時の熱を系外に放出するとともに、絶縁基板11内での温度差を小さくすることができるため、封止時の破壊をより効果的に防止する点で15W/mK以上、特に20W/mK以上、更には25W/mK以上であることが好ましい。
【0036】
絶縁基板11のヤング率は、熱応力を変形によって吸収し、破壊をより効果的に防止する傾向がある点で、320GPa以下、特に310GPa以下、更には300GPa以下であることが好ましい。
【0037】
本発明によれば、前記基板堤部11bの少なくとも一部に、金属製リッド20を接合するためのリング状メタライズ層13が設けられていることが重要である。特に、同時焼成によってリング状メタライズ層13が設けられるのが良い。これにより、リング状メタライズ層13の形成工程を別途必要としないため、工程を短縮でき、製品コストを低減することができ、且つ密着力の高いリング状メタライズ層13を得ることができる。
【0038】
また、絶縁基板11は、アルミナを主成分とし、焼結助剤が4質量%以上、特に6質量%以上、更には8質量%以上含まれることが、導体層12やリング状メタライズ層13との同時焼成を可能とし、密着性を高め、不良発生を防止できる点で好ましい。
【0039】
主成分のアルミナは、アルミナを90質量%以上、特に90〜96質量%、更には93〜96質量%の割合で含有することが好ましい。これにより、絶縁基板11の破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2、3点曲げ強度を500MPaとすることが容易となる。
【0040】
第2の成分として、MnをMn換算で2〜8質量%の割合で含むことが好ましい。これは、Mn成分は焼結助剤として作用するものであり、このMn量が2質量%よりも少ないと、1250〜1400℃での緻密化が達成されず、また8質量%よりも多いと、MnAlが多く析出される結果、緻密化が阻害され強度低下を招くためである。従って、焼結性を高めるため、Mn量は、特に3〜8質量%、更には3〜6質量%が好ましい。
【0041】
また、第3の成分として、SiをSiO換算で1〜6質量%の割合で含有することが好ましい。SiO量が1質量%より少ないと、焼結性に寄与する液相が生成されず緻密化されず、また、6質量%より多いと、MnAlが結晶化されにくくなるとともに非晶質相が多くなり、曲げ強度が低下するる。緻密か及び結晶化の点で、SiO量は、特に2〜5質量%、更には3〜5質量%が好ましい。
【0042】
また、所望により、第4の成分として、Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1種を導体層12やリング状メタライズ層13との同時焼結性を高める上で、主成分100質量%に対して、酸化物換算で3質量%以下の割合で含んでもよい。さらに、所望により、第5の成分として、W、Moなどの金属を焼結体を黒色化するための成分として主成分100質量%に対して2質量%以下の割合で含んでもよい。
【0043】
上記アルミナ結晶粒子の粒界には少なくとも前記第2、第3成分が存在するが、これらの成分の内第2成分であるMnは、MnAlとして存在することが重要である。焼結助剤として添加したMnがMnAlとして析出することによって、焼結体の曲げ強度を高めることができる。
【0044】
本発明によれば、図2に示した基板堤部11bの幅dを0.1〜0.3mmに、基板底部11aの厚みtを0.1〜0.3mmに、またパッケージの高さhを0.3〜0.6mmにすることが好ましい。このような寸法に設定することにより、絶縁基板11であるアルミナ質焼結体の強度を考慮し、金属製リッド20の封止時の熱応力に対する破壊をより効果的に防止でき、また、パッケージの容積をより小さくすることができる。特に、パッケージの高さhを0.6mm以下とすることにより、電気素子14及び/又は半導体素子16を実装した超小型・超薄型セラミックパッケージとしてICカードなどに応用することができる。
【0045】
導電層12は、金属製リッド20の封止あるいは各種金属端子との接続を可能とし、絶縁基板11との強固な接着力を有するメタライズを形成するため、W及び/又はMoを主成分とし、アルミナを10質量%以下、特に8質量%以下含むことが好ましい。
【0046】
金属製リッド20は、熱膨張がアルミナに近く、封止時に発生する熱応力が小さくなり、封止時に絶縁基板11がより破壊しにくくなるため、Fe−Ni−Co合金であることが好ましい。
【0047】
絶縁基板11に対するリング状メタライズ層13の接着強度が49N以上であることが好ましい。これにより、金属製リッド20とセラミックパッケージを接合する際にリング状メタライズ層13と絶縁基板11との間で発生する剥離を効果的に抑制し、より高い信頼性を得ることができる。
【0048】
次に、本発明の連結基板を製造する方法について具体的に説明する。
【0049】
まず、原料粉末として、平均粒子径が0.5〜2.0μm、特に1.0〜1.5μmのアルミナ粉末を準備する。これは、平均粒子径は0.5μm以上とすることにより、シート成形性を確保でき、粉末のコスト上昇を防ぐことができる。また、2.0μm以下とすることで、1400℃以下の焼成での緻密化を促進し、焼結を容易にすることができる。
【0050】
また、第2の成分として純度99%以上、平均粒子径0.5〜5μmのMn粉末、第3の成分として純度99%以上、平均粒子径0.5〜3μmのSiO粉末を準備する。なお、Mn及びSiは、上記の酸化物粉末以外に、焼成によって酸化物を形成し得る炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等として添加してもよい。
【0051】
これらの成分は、アルミナ粉末に対して、Mn粉末を2〜8質量%、特に3〜8質量%、更には3〜6質量%、SiO粉末を1〜6質量%、特に2〜5質量%、更には3〜5質量%の割合で添加することが、粒成長を抑制しつつ焼結性を高め、緻密化を促進するために好ましい。
【0052】
なお、所望により、第4の成分として、Mg、Ca、Srのうち少なくとも1種を酸化物換算で3質量%以下、第5の成分として、W、Mo等の遷移金属の金属粉末や酸化物粉末を着色成分として金属換算で2質量%以下の割合で添加しても良い。
【0053】
さらに、強度、破壊靱性を向上させる周知の手法であるZr、Hfなどを適宜添加しても良い。
【0054】
上記の混合粉末に対して適宜有機バインダを添加した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法等の周知の成形方法によって、絶縁基板11を形成するためのグリーンシートを作製する。例えば、上記混合粉末に有機バインダや溶媒を添加してスラリーを調製した後、ドクターブレード法によってグリーンシートを形成する。或いはまた、混合粉末に有機バインダを加え、プレス成形、圧延成形等により所定の厚みのグリーンシートを作製できる。
【0055】
そして、所望により、グリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmのビアホールを形成することができる。
【0056】
このようにして作製したグリーンシートに対して、導体ペーストをスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により各グリーンシート上に配線パターン状、あるいはリング状に印刷塗布するとともに、所望により、上記の導体ペーストをビアホール内に充填する。
【0057】
導体ペーストは、導体成分としてW及び/又はMoを用い、これにアルミナ粉末を10質量%以下、特に8質量%以下の割合で添加したものが好ましい。これは、同時焼成を行なっても導体層2の導通抵抗を低く維持したままアルミナ焼結体と導体層2の密着性を高め、メッキ欠けなどの不良の発生を防止することができる。
【0058】
なお、密着性向上のため、アルミナ粉末の代わりに、絶縁基板11を形成する酸化物セラミックス成分と同一の組成物粉末を加えても良く、さらにNi等の酸化物を0.05〜2体積%の割合で添加することも可能である。
【0059】
その後、導体ペーストを印刷塗布したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、セラミックパッケージ1を分離するための切り欠き溝2を複数形成する。切り欠き溝2の形成方法としては、カッター刃、金型、レーザー加工等の方法を用いることができ、これらの中でも、特に金型、レーザー加工が低コストで量産出来る点で好ましい。
【0060】
この切り欠き溝2を形成した積層体を、少なくとも1000℃から焼成最高温度まで150℃/h以上の昇温速度で加熱し、1250〜1400℃の非酸化性雰囲気中で焼成し、1000℃までの冷却速度を250℃/h以下とする条件で焼成することが重要である。
【0061】
昇温速度が、1000℃から焼成最高温度までの間において、150℃/hより小さい場合、昇温時の低温液相領域での液相生成が不均一になり、アルミナの粒成長に偏りが生じるため曲げ強度が低下する。特に、強度をより高めるため、昇温速度を180℃/h以上、更には200℃/hとすることが好ましい。
【0062】
また、1250〜1400℃で焼成することも重要で、1250℃よりも低くなると緻密化が不充分で曲げ強度が500MPaに達せず、また、1400℃よりも高くなると、W及び/又はMo自体の焼結が進み、アルミナとの接着強度が弱くなり、同時にアルミナの焼結も進み、粒成長が促進され破壊靱性が上昇してしまう。焼成温度は、機械的及び電気的信頼性を高めるため、特に1350〜1400℃であることが好ましい。
【0063】
焼成終了直後の保持温度から1000℃までの冷却速度は、250℃/h以下であることも重要である。250℃/hを越えると、MnAlが結晶化されにくく、非晶質として残存するため、曲げ強度が低下する。冷却速度は、強度を高める点で、特に200℃/h以下が好ましい。
【0064】
また、焼成雰囲気は、金属が酸化されないように、非酸化性雰囲気であることが重要である。具体的には、窒素、又は窒素と水素との混合ガスを用いることが望ましい。有機バインダの脱脂をする上では、水素及び窒素を含み、露点+30℃以下、特に25℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。なお、雰囲気中には、所望により、アルゴン等の不活性ガスを混入してもよい。
【0065】
そして、導体層12及びリング状メタライズ層13には、Ni、Co、Cr、AuおよびCuのうち少なくとも1種から成るメッキ層が形成されている。
【0066】
このような方法で製造した連結基板は、メタライズとの同時焼成が可能で、結晶平均粒径が1〜2μm、破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2、強度が500MPa以上の小型セラミックパッケージとして好適に用いることができる。
【0067】
なお、最終的には、絶縁基板11内部に電気素子14及び/又は半導体素子16を実装し、導体層12との電気的に接続し、且つリング状メタライズ層13の表面にメッキ層18を被覆し、金属製リッド20をロウ材19によってシーム溶接で接合することにより、電気素子14及び/又は半導体素子16が気密に封止された半導体装置を得ることができる。
【0068】
本発明のセラミックパッケージは、上記のセラミックパッケージ1を各々分離して得られるのもであり、得られたセラミックパッケージ1における絶縁基板の縦及び横の長さの誤差がそれぞれ50μm以下であることが重要である。
【0069】
ここで、誤差とは、図3に示したように、セラミックパッケージ1の切り欠き溝2を形成した面の長さをLor、バリの存在する面の長さLをとした時、L−Lorの絶対値を示すものであり、この誤差を50μm以下に抑えることにより、高寸法精度のセラミックパッケージを得ることが出来る。
【0070】
また、本発明のセラミックパッケージは、連結基板の切り欠き溝2に沿って、切り欠き溝2を起点として、基板堤部11b側より応力をかけることにより、スナップ切断してセラミックパッケージを分離して作製することが、バリの少ないセラミックパッケージを安価に、且つ容易に製造するために好ましい。
【0071】
【実施例】
純度99%以上、平均粒径1.5μmのアルミナ粉末に対して、純度99%以上、平均粒径0.7μmのMn粉末、純度99%以上、平均粒径1.0μmのSiO粉末、純度99.9%以上、平均粒径1.2μmのW粉末、純度99.9%以上、平均粒径1.2μmのMo粉末、純度99.9%以上、平均粒径0.7μmのMgCO粉末、純度99%以上、平均粒径1.3μmのCaCO粉末、純度99%以上、平均粒径1.0μmのSrCO粉末及びBaCO粉末、及び平均粒径0.3μmのZrO粉末を準備した。
【0072】
これらの原料粉末を表1に示す割合で混合した後、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダと、トルエンを溶媒として混合してスラリーを調製し、しかる後に、ドクターブレード法にて厚さ150μmのグリーンシートを作製した。
【0073】
得られたグリーンシートを所定厚みに積層し、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、表1に示した昇温速度で1000℃から焼成最高温度まで昇温し、焼成最高温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間焼成した後、1000℃までを表1に示した速度で冷却した。
【0074】
得られた焼結体の主結晶相は焼結体を粉砕し、X線回折により同定した。また、嵩密度はアルキメデス法によって測定し、気孔率を算出した。また、破壊靱性、強度は厚み3mm、幅4mm、長さ40mmの梁状試料を作成し、JIS R1601に基づいて室温にて測定した。さらに、平均結晶粒子径は、インターセプト法により測定し、粒子径として表1に示した。
【0075】
破壊靭性は、JIS R1670に基づき、IM法にて測定した。また、ヤング率はJIS R1602に基づいて室温のヤング率を測定した。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により室温で測定した。さらに、長さ誤差は、スナップによって各セラミックパッケージを分離し、ノギスを用いて最大部と最小部を測定し、その差を取った。この測定を20個について行い、平均値を算出して、これを長さ誤差とした。
【0076】
一方、平均粒径1.2μmのW粉末、平均粒径1.2μmのMo粉末、平均粒径1.5μmのアルミナ粉末、平均粒径2μmのCu、Au及びAg粉末を表1に示す組成に調製した後、アクリル系バインダとアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調製した。
【0077】
そして、上記と同様にして作製したグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が100μmのビアホールを形成し、このビアホール内に、上記の導体ペーストをスクリーン印刷法によって、充填するとともに、配線パターン状及びリング状に印刷塗布した。なお、リング状メタライズ層を形成したグリーンシートは、電気素子収納する部位を打抜き加工によって除去した。
【0078】
このようにして作製したグリーンシートを位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。その後、この積層体に切り欠き溝を施し、成形体を露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、表1に示した昇温速度で1000℃から焼成最高温度まで昇温し、焼成最高温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間焼成した後、1000℃までを表1に示した速度で冷却した。
【0079】
次に、連結基板表面の導体層及びリング状メタライズ層の表面に電解Niメッキを施し、さらにその表面に0.2μmのAuメッキを施した。Auメッキ後、連結基板を切り欠き溝にそってブレークし、単一のセラミックパッケージを得た。得られたセラミックパッケージの外形寸法をノギスで測定した後、リング状メタライズ層に対して、共晶Ag−Cuロウ材を用いてFe−Co−Ni合金からなる厚み0.2mmの金属製リッドをシーム溶接によって接合し、気密に封止した。
【0080】
得られた試料は、40倍の顕微鏡にてメタライズ剥れ、封止状態について、絶縁基板のクラックの確認を行い、それぞれの結果について○、×として評価し、クラック・破損状態として表2に示した。
【0081】
さらに、メタライズ剥れ、クラックのない試料について、−65℃にて5分、150℃にて5分保持を1サイクルとして100サイクルまでの熱サイクル試験を行い、気密封止性をHeリーク法によって評価した。Heリーク法は、0.41MPaのHe加圧雰囲気中に2時間保持した後、取り出し、真空雰囲気中で検出されるHeガス量を測定し、1×10−10MPa・cm/sec以下を○、1×10−10MPa・cm/secを超えるものを×として評価した。
【0082】
また、絶縁基板に対するリング状メタライズ層の接着強度は、2mm×25mmのリング状メタライズ層を形成し、無電解Niメッキを施した後、銀ロウを用いて金具を接合し、金具を引き剥がす際の引き剥がし荷重を測定した。結果を表1、2に示した。
【0083】
【表1】
Figure 2004119735
【0084】
【表2】
Figure 2004119735
【0085】
本発明の試料No.2、5、8、10及び13〜28は、接着強度が5以上、長さ誤差が50μm以下であり、接合後もクラックや損傷が見られず、更に封止テストにおいても実質的にリークは観察されなかった。
【0086】
これに対して、平均結晶粒径が1μmに満たない本発明の範囲外の試料No.1及び9は、接着強度が30N以下、長さ誤差が80μmであり、封止状態も悪かった。
【0087】
平均結晶粒径が4.2μm以上と大きい本発明の範囲外の試料No.3及び11は、接合強度が40MPa以下、長さ誤差が70μm以上と大きく、封止状態が悪かった。
【0088】
また、助剤量が4質量%に満たない本発明の範囲外の試料No.4は、接着強度が30Nと小さく、長さ誤差が80μmと大きく、封止状態が悪かった。
【0089】
さらに、非晶質である本発明の範囲外の試料No.6及び12は、破壊靭性が3.1MPam1/2以下と小さく、長さ誤差が90μm以上と大きく、サイクル試験後にリークが発生して封止状態が悪かった。
【0090】
さらにまた、破壊靭性が3.4MPam1/2と小さい本発明の範囲外の試料No.7は、長さ誤差が60μmと大きく、サイクル試験後にリークが発生して封止状態が悪かった。
【0091】
【発明の効果】
本発明は、アルミナの強度を500MPa以上、メタライズ強度を49N以上とすることにより、絶縁基板の基板堤部の幅dが0.1〜0.3mm、電気素子が実装される絶縁基板の基板底部の厚みtが0.1〜0.3mm、パッケージ高さhが0.3〜0.6mmであるセラミックパッケージが安価に得られる。
【0092】
焼結助剤を4質量%以上加えても、アルミナ粉末の粉末平均粒径、昇温速度及び冷却速度を制御することによって、結晶平均粒径が1〜2μm、破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2を有し、特に3点曲げ強度が500MPa以上、ヤング率が320GPa以下、熱伝導率が15W/mK以上の絶縁基板を具備するセラミックパッケージを複数連結した連結基板を作製することができる。
【0093】
また、連結基板に形成されたセラミックパッケージを切り欠き溝からスナップ切断をしてもバリが出にいため、寸法精度が高く、且つ金属により気密封止しても破壊しにくく、特に、同時焼成が可能な小型・薄型用のセラミックパッケージを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連結基板の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図2】本発明のセラミックパッケージの一例を示すもので、内部に電気素子及び半導体素子を実装し、金属製リッドを接合した状態のセラミックパッケージの概略断面図である。
【図3】本発明の連結基板から分離したセラミックパッケージの構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・セラミックパッケージ
2・・・切り欠き溝
11・・・絶縁基板
11a・・・基板底部
11b・・・基板堤部
12・・・導体層
12a・・・表面導体層
12b・・・内部導体層
12c・・・裏面導体層
13・・・リング状メタライズ層
14・・・電気素子
15・・・導電性接着剤
16・・・半導体素子
17・・・ワイヤボンディング
18・・・メッキ層
19・・・ロウ材
20・・・金属製リッド

Claims (12)

  1. 基板底部と、該基板底部の外周に一体的に設けられた基板堤部とを具備し、前記基板底部の表面に電気素子が実装される絶縁基板と、該絶縁基板の内部及び/又は表面に設けられた導体層と、前記基板堤部の少なくとも一部に、金属製リッドを接合するために設けられたメタライズ層とを具備するセラミックパッケージが複数連結してなり、該セラミックパッケージを各々分離するための切り欠き溝が前記セラミックパッケージ間に設けられた連結基板において、前記絶縁基板が4質量%以上の焼結助剤を含むアルミナ質焼結体からなり、該アルミナ質焼結体の結晶平均粒径が1〜2μmであり、且つ破壊靱性が3.5〜4.5MPam1/2であることを特徴とする連結基板。
  2. 前記アルミナ質焼結体の強度が500MPa以上、ヤング率が320GPa以下、熱伝導率が15W/mK以上であることを特徴とする請求項1記載の連結基板。
  3. 前記絶縁基板に対する前記メタライズ層の接着強度が49N以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の連結基板。
  4. 前記アルミナ質焼結体が、Mnを酸化物換算で2〜8質量%、Siを酸化物換算で1〜6質量%の割合で含み、Alを主結晶相とし、該主結晶相の粒界にMnAl結晶を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連結基板。
  5. 前記導体層がW及び/又はMoを主成分とし、アルミナを10質量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連結基板。
  6. 前記絶縁基板の基板堤部の幅が0.1〜0.3mm、前記電気素子が実装される絶縁基板の基板底部の厚みが0.1〜0.3mm、パッケージ高さが0.3〜0.6mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の連結基板。
  7. 平均粒径0.5〜2μmのアルミナ粉末96質量%以下と4質量%以上の焼結助剤とを含有するグリーンシートに、導体ペーストを用いて複数の導体パターン及びメタライズ層を被着形成した後、前記グリーンシートを適宜積層して積層体を作製した後、複数の絶縁基板を分離するための切り欠き溝を、前記積層体の表面に形成し、該積層体を1250〜1400℃の非酸化性雰囲気中で焼成することを特徴とする連結基板の製造方法。
  8. 前記焼結助剤がMn粉末及びSiO粉末を含むことを特徴とする請求項7記載の連結基板の製造方法
  9. 前記Mn粉末が2〜8質量%、前記SiO粉末が1〜6質量%であることを特徴とする請求項7又は8記載の連結基板の製造方法。
  10. 前記導体ペーストがW及び/又はMoを主成分とし、アルミナを10質量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の連結基板の製造方法。
  11. 請求項1乃至6に記載の連結基板に複数連結して形成されたセラミックパッケージを各々分離して得られ、且つ得られたセラミックパッケージの絶縁基板の縦及び横の長さの誤差がそれぞれ50μm以下であることを特徴とするセラミックパッケージ。
  12. 前記連結基板を構成する複数のセラミックパッケージ間に設けられた切り欠き溝を起点としてスナップ切断して得られたことを特徴とする請求項11記載のセラミックパッケージ。
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