JP2004119064A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薄膜形成装置1において、基板2に第1のシャドーマスク6を近接または接触させ、この第1のシャドーマスク6と一定の距離を保って第2のシャドーマスク7を配置する。有機薄膜形成時には、第1のシャドーマスク6は固定し、第1のシャドーマスク6の特定の開口部群に蒸着材料が到達するように開口部が設けられた第2のシャドーマスク7のみ移動させる。第1,第2のシャドーマスク6,7の位置関係を適宜変化させ、基板2上の所定の領域に所定の有機薄膜を形成する。この薄膜形成装置1では、第1のシャドーマスク6通過後の蒸着材料の回り込みが抑制され、また、第2のシャドーマスク7の移動に伴う形成済み有機薄膜の損傷や移着が防止される。これにより、基板2上の所定の領域に所定の形状、膜厚の有機薄膜が形成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜形成装置および薄膜形成方法に関し、特に有機EL(Electro−Luminescence)素子の発光層の形成など、被形成物に対して薄膜を形成するための薄膜形成装置および薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、有機化合物の薄膜(有機薄膜)からなる正孔輸送層および電子輸送層を積層した積層型素子の報告以来、10V以下の低電圧で発光する大面積発光素子として関心を集めている。積層型の有機EL素子は、基本的には、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極の各層が積層された構造を有している。このうち発光層は、正孔輸送層または電子輸送層がその機能を兼ねる構成とすることも可能である。
【0003】
このような有機EL素子の陽極としては、金(Au)、酸化スズ(SnO2)、インジウム−スズ酸化物(ITO)など、仕事関数の大きな金属材料や電気伝導性材料が用いられることが多い。特に、ITOは、可視領域で透過率が高く、発光層からの面発光を可能とすることから、陽極材料として広く用いられている。一方、陰極としては、化学的安定性の高いアルミニウム−リチウム(Al−Li)合金、マグネシウム−インジウム(Mg−In)合金、マグネシウム−アルミニウム(Mg−Al)合金、マグネシウム(Mg)合金などの単独材料またはこれらが共蒸着された合金材料などが用いられている。
【0004】
有機EL素子を構成する正孔輸送層、発光層および電子輸送層の各層は有機薄膜であり、その材料の種類や組み合わせで有機EL素子の発光色が異なってくる。有機EL素子の形成にあたり、その有機薄膜の原材料には種々の有機材料あるいは有機金属材料が用いられ、特に、分子量200〜300程度の材料を用いた低分子型の有機EL素子の形成には、基本技術のひとつとして、真空蒸着法が広く利用される。有機材料や有機金属材料の真空蒸着は、電気抵抗の高いタングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)のような金属のボートに大電流を流し、その際発生する熱によって材料を気化させて基板に堆積する機構が一般的である。
【0005】
ところで、有機EL素子を用いたディスプレイパネル(以下「有機ELディスプレイパネル」という。)は、通常、単色のまたは発光色の異なる複数の画素が、パネル基板上にマトリクス状に並設された構造を有している。
【0006】
図10は有機ELディスプレイパネルの画素の配置例を示す図である。
例えば、発光色の異なる複数の画素を有する有機ELディスプレイパネルであれば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光色の有機EL素子100をパネル基板上に並設し、その組み合わせにより多色のカラー表示を行うことを可能にしている。有機EL素子100の発光色は、前述のように、その材料構成によって異なる。そのため、有機ELディスプレイパネルの作製においては、各発光色の有機EL素子100をパネル基板上のあらかじめ決まった場所に形成していく、いわゆる「塗り分け」が必要になる。
【0007】
一般に、この塗り分けには、同発光色の有機EL素子の有機薄膜形成位置に対応させた領域に開口部を有するシャドーマスクを用いる。そして、このシャドーマスクをパネル基板に密着または近接させ、ある発光色の有機薄膜を形成した後、シャドーマスクを所定距離だけ移動して別の発光色の有機薄膜を形成する、というようにして赤色、緑色、青色の各画素を塗り分けていく。
【0008】
この塗り分けにおいては、シャドーマスクを基板に近接させたのみでは、このシャドーマスク通過後の蒸着材料が、基板上の有機薄膜を形成すべき領域以外の領域にまで回り込むことで境界がぼやけてしまうといった問題が生じる場合がある。しかし、シャドーマスクを基板に密着させて用いた場合には、シャドーマスクの移動に伴い、既に形成済みの有機薄膜にシャドーマスクが押し当てられ、有機薄膜がシャドーマスクへ移着して欠損となってしまう場合があった。さらに、シャドーマスクに付着した有機材料が基板上の別の場所に転写されることにより欠陥となってしまう場合もあった。このようなシャドーマスクの移動に伴う不具合を解消するため、従来、基板上にレジストなどの高分子材料を用いて素子間を隔てる隔壁を形成し、シャドーマスクと基板との直接の接触を回避する方法などが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0009】
【特許文献1】
特開平8−315981号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、隔壁を利用した有機ELディスプレイパネルの製造においては、隔壁を形成している高分子材料に含まれる水分やフォトリソグラフィで用いた有機溶媒の残留物などが隔壁から浸出することにより、特に隔壁近傍で、薄膜材料が劣化してしまう場合があるという問題点があった。薄膜材料が劣化した領域は、その画素内で不発光領域となり、有機ELディスプレイパネルの発光ムラを引き起こすようになる。
【0011】
さらに、隔壁に高分子材料を用いることにより、有機薄膜の蒸着プロセス前の基板洗浄工程で洗浄効果の高いアセトンやイソプロピルアルコールなどの有機溶媒を使用することができず、基板上の有機汚染を完全に除去することができないという問題点がある。通常、この基板洗浄工程は、基板上に透明電極(陽極)を形成した後に行われるため、有機汚染の残存は、透明電極の仕事関数の低下や有機ELディスプレイパネルの歩留まり低下を引き起こす原因となる場合がある。
【0012】
また、隔壁を用いることでシャドーマスクと基板の接触は避けられるが、間に距離が保たれていることで、形成条件によっては、形成される有機薄膜は、その断面形状が中心部では厚く、縁部では薄くなる場合がある。このように、有機EL素子内での有機薄膜の膜厚が不均一になると、その電流密度分布が不均一となり、発光ムラが生じる原因となる。
【0013】
また、基板上に隔壁を形成するためのプロセスが加わるため、有機ELディスプレイパネルの製造工程が長くなるとともに、そのコストも高くなる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、基板などの被形成物に対して有機薄膜などの薄膜を所望の形状および膜厚で形成するための薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示す構成例で実現される薄膜形成装置が提供される。本発明の薄膜形成装置は、蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクと、前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクと、を有することを特徴とする。
【0015】
図1に例示する薄膜形成装置1によれば、第1のシャドーマスク6は、基板2上の有機薄膜を形成すべき領域のすべての領域に蒸着材料が到達し得る開口部群を有する。一方、第2のシャドーマスク7は、第1のシャドーマスク6の開口部群のうちの一部に蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する。この第2のシャドーマスク7により、第1のシャドーマスク6によって有機薄膜を形成することのできる領域が限定され、第1のシャドーマスク6の開口部群のうちの特定の開口部における基板2上にのみ、有機薄膜が形成される。
【0016】
この有機薄膜の形成後には、例えば、第2のシャドーマスク7を、蒸着材料が第1のシャドーマスク6の開口部群の他の一部に到達する配置となるように移動させる。これにより、この他の一部における基板2上に別の有機薄膜を形成することができ、有機EL素子が基板2上に塗り分けられて形成されるようになる。
【0017】
この薄膜形成装置1において、第1のシャドーマスク6は固定し、一方、第2のシャドーマスクは、例えば、第1のシャドーマスク6と一定の距離を保って配置するようにする。これにより、塗り分けの際、第1のシャドーマスク6によって形成済みの有機薄膜の損傷や他の画素領域への移着などが発生することがなく、第2のシャドーマスク7によっても、その移動の際に有機薄膜の損傷や移着などが発生しない。
【0018】
また、本発明では、蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成方法において、前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクを配置する工程と、前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクを配置する工程と、前記蒸着源で前記蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を、前記一部における前記被形成物上に堆積させて前記薄膜を形成する工程と、を有することを特徴とする薄膜形成方法が提供される。
【0019】
このような薄膜形成方法によれば、第2のシャドーマスクにより、第1のシャドーマスクによって薄膜を形成することのできる領域が限定され、第1のシャドーマスクの開口部群のうちの特定の開口部における被形成物上にのみ、薄膜が形成される。これにより、被形成物上の所定の領域に所定の形状および膜厚の薄膜を形成することができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、有機ELディスプレイパネルの有機EL素子の形成を例に、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は薄膜形成装置の構成例を示す図である。
薄膜形成装置1は、有機EL素子が形成される基板2が内部に配置される蒸着室3を有し、この蒸着室3には、その内部を減圧するための排気機構部4が設けられている。なお、ここでは、この蒸着室3内に配置される基板2は、ガラス上に透明電極(陽極)として機能するITO電極がストライプ状または島状にパターニングされたもの(以下「ITO基板」という。)であり、このITO基板が有機薄膜の被形成物となる。
【0022】
蒸着室3内には、有機EL素子を構成する有機薄膜の原材料である有機材料あるいは有機金属材料を、電流を流して加熱・気化させるためのボートを備える蒸着源5が、基板2に対向配置されている。
【0023】
基板2と蒸着源5の間には、それぞれ所定の領域に開口部が設けられている金属製の第1のシャドーマスク6および第2のシャドーマスク7が、基板2側からこの順で配置されている。第1,第2のシャドーマスク6,7の材質としては、例えば、ニッケル(Ni)、ニッケル−鉄(Ni−Fe)合金がそれぞれ用いられる。
【0024】
これら第1,第2のシャドーマスク6,7は、サーボなどからなるマスク移動機構部8によって、蒸着室3内を基板2平面と平行または基板2平面と垂直に、それぞれ移動することができるようになっている。このマスク移動機構部8により、有機薄膜の形成時には、第1のシャドーマスク6は、後述の位置決め機構部9によって平行方向に位置決めされた後、基板2に近接または接触する状態になるまで垂直方向に移動されるようになっている。そして、蒸着終了までその状態が維持される。また、第2のシャドーマスク7は、同じく位置決め機構部9による平行方向の位置決め後、第1のシャドーマスク6と一定の距離を保って、あるいは接触するまで、垂直方向に移動されるようになっている。
【0025】
図2は第1のシャドーマスクの平面模式図である。また、図3は第2のシャドーマスクの平面模式図であって、(a)各開口部が独立して配置されている場合、(b)開口部がスリット形状で配置されている場合、をそれぞれ示している。なお、図2および図3においては、後述の位置決めのためのアライメント・マークは図示を省略している。
【0026】
図2に示す第1のシャドーマスク6は、図1の基板2上に形成すべきすべての有機EL素子に対応する位置に、それぞれ独立した開口部60を有している。その開口部60の形状は、形成する有機薄膜の形状と略同一となるように形成されている。この第1のシャドーマスク6の厚みは、20μm〜100μm程度とするのが好ましい。これは、薄いとシャドーマスクとしての強度を充分保持することができず、さらに、形成する有機薄膜の膜厚が厚くなる場合には第1のシャドーマスク6上の開口部縁部にも蒸着材料が堆積し、取り外しの際に欠陥や欠損が発生し得るためである。また、第1のシャドーマスク6の厚みが厚いと、有機薄膜の形成時に基板2と近接または接触する第1のシャドーマスク6の開口部60側壁まで蒸着され、有機薄膜の膜厚の不均一化を引き起こすようになってしまうためである。このように、第1のシャドーマスク6の厚みは、形成する有機薄膜の膜厚およびその均一性、あるいは自重などを考慮して、適当に設定するようにする。
【0027】
一方、第2のシャドーマスク7は、図3に示すように、第1のシャドーマスク6よりも少ない開口部70を有している。第2のシャドーマスク7の開口部70は、例えば赤色素子の形成位置に対応している開口部群というように、第1のシャドーマスク6の特定の開口部群のみに蒸着材料が到達するように形成されている。すなわち、第2のシャドーマスク7は、第1のシャドーマスク6で形成することのできる有機薄膜の範囲を限定する目的で用いられる。そのため、その厚みは、第1のシャドーマスク6の特定の開口部群に精度良く蒸着材料を到達させ得る範囲であれば、特に制限はされない。
【0028】
この第2のシャドーマスク7の開口部70の形状は、図3(a)に示したように、第1のシャドーマスク6の開口部と相似形で、その開口部と1対1で対応するように形成される。あるいは、その形状を、図3(b)に示したように、第1のシャドーマスク6の特定の開口部群と対応するようにスリット形状とした開口部70とすることも可能である。このように開口部70をスリット形状とする場合には、そのスリット方向として、並設して形成される有機EL素子の行方向、列方向のいずれかを選択すればよい。
【0029】
ここで、図3(a)の第2のシャドーマスク7の開口部70の寸法は、第1のシャドーマスク6の開口部60の寸法と同一である必要はなく、一定の範囲で第1のシャドーマスク6の開口部60よりも大きな寸法となるように形成することができる。
【0030】
図4は第1のシャドーマスクの開口部を示す図である。ここで、第1のシャドーマスク6のひとつの開口部の短辺の寸法をX1、短辺方向(X1寸法方向)の隣の開口部までの間隔をX2とし、開口部の長辺の寸法をY1、長辺方向(Y1寸法方向)の隣の開口部までの間隔をY2とする。このとき、第2のシャドーマスク7のひとつの開口部が取り得る短辺、長辺のそれぞれの開口部寸法X3,Y3は、次の式(1),(2)のように表すことができる。
【0031】
【数1】
X1≦X3<X1+X2 ……(1)
【0032】
【数2】
Y1≦Y3<Y1+Y2 ……(2)
また、第2のシャドーマスク7が、長辺方向に連続したスリット形状の開口部を有する場合には、ひとつのスリット形状の開口部に対応してその領域内に含まれることとなる画素数、すなわち第1のシャドーマスク6のY1寸法方向に並ぶ開口部の個数をnとしたとき、開口部寸法Y3は、次の式(3)のように表すことができる。
【0033】
【数3】
Y1≦Y3<n(Y1+Y2)−Y2 ……(3)
したがって、基板2上に形成すべき有機EL素子の形状・配置によって第1のシャドーマスク6の開口部の形状・配置が決定され、さらに、その形状・配置に応じて第2のシャドーマスク7の形状・配置が決定されるようになる。
【0034】
これら第1,第2のシャドーマスク6,7および基板2には、有機薄膜形成時におけるそれぞれの位置関係を適正に設定するためのアライメント・マークが刻印されている。図1に示した薄膜形成装置1においては、位置決め機構部9によって、基板2、第1,第2のシャドーマスク6,7の、それぞれの位置合わせを行うことができるようになっている。
【0035】
図5は基板および第1,第2のシャドーマスクの位置決め方法の説明図である。ただし、図5では、基板2および第1,第2のシャドーマスク6,7が位置決めされている状態を基板2側から見た図を示し、第1,第2のシャドーマスク6,7の開口部および基板2上のITO電極は図示を省略している。
【0036】
基板2および第1のシャドーマスク6には、これらを位置決めするためのアライメント・マーク11がそれぞれ刻印されている。同様に、第1のシャドーマスク6および第2のシャドーマスク7には、これらを位置決めするためのアライメント・マーク12がそれぞれ刻印されている。
【0037】
基板2および第1,第2のシャドーマスク6,7を位置決めするときには、まず、薄膜形成装置1の所定の位置に基板2を設置する。そして、第1のシャドーマスク6を、マスク移動機構部8によって基板2平面と平行に移動させ、基板2と第1のシャドーマスク6とのアライメント・マーク11が揃うように位置決めする。その際、位置決め機構部9は、CCD(Charge Coupled Device)などを用いて得られるアライメント・マーク11の画像に適当な画像処理を施し、その処理結果に基づいてマスク移動機構部8のサーボなどを動作させ、両者を正確に位置決めするようにする。基板2と第1のシャドーマスク6の位置決め後は、この第1のシャドーマスク6を、基板2側へ垂直に移動させ、基板2に近接または接触させる。このときの垂直方向への移動距離は、位置決め時の第1のシャドーマスク6の位置からこれを基板2に近接または接触させるのに必要な距離をあらかじめ設定しておき、マスク移動機構部8で移動させるようにする。
【0038】
続いて、第2のシャドーマスク7を、基板2平面と平行に移動させ、第1のシャドーマスク6とのアライメント・マーク12が揃うように位置決めを行う。その際、位置決め機構部9は、CCDなどを用いて得られるアライメント・マーク12の画像に適当な画像処理を施し、その処理結果に基づいてマスク移動機構部8のサーボなどを動作させ、両者を正確に位置決めするようにする。位置決め後は、第1,第2のシャドーマスク6,7間に一定の距離を保って、あるいは第1,第2のシャドーマスク6,7が接触するように、第2のシャドーマスク7を第1のシャドーマスク6側へ垂直に移動させる。このときの垂直方向への移動距離は、第1のシャドーマスク6の場合と同様、一定の距離を保って配置するのに、あるいは接触させるのに必要な距離をあらかじめ設定しておくようにする。
【0039】
このように第1,第2のシャドーマスク6,7を位置決めして配置した後、有機薄膜の形成が行われる。この薄膜形成装置1において、排気機構部4、蒸着源5、マスク移動機構部8および位置決め機構部9の各動作は、それぞれ制御部10によってコントロールされる。
【0040】
図6は有機薄膜形成時の基板および第1,第2のシャドーマスクの側面模式図であって、(a)初期状態、(b)第2のシャドーマスク移動後の状態をそれぞれ示している。ただし、図6では、第1のシャドーマスク6が基板2に接触して配置され、かつ、第1,第2のシャドーマスク6,7が非接触状態で配置されている場合について図示している。また、図6では、第1のシャドーマスク6の開口部に比べて第2のシャドーマスク7の開口部が大きく形成されている場合を示している。
【0041】
位置決め後の初期状態においては、図6(a)に示すように、第1のシャドーマスク6は、基板2のストライプ状または島状のITO電極2a上に各開口部60a,60b,60cが配置されるように、基板2のITO電極2aに接触して配置されている。また、第2のシャドーマスク7は、初期状態で、その開口部70aを第1のシャドーマスク6の開口部60aに対応させ、第1のシャドーマスク6と一定の距離を保って非接触状態で配置されている。
【0042】
有機薄膜の形成時には、まず、図6(a)に示した初期状態で、有機薄膜13を形成する。その際、図1に示した蒸着源5から気化した蒸着材料は、第2のシャドーマスク7の開口部70aを通過した後、その開口部70aに対応して配置されている第1のシャドーマスク6の開口部60aへと到達する。これにより、基板2のITO電極2a上に、例えば有機EL素子の赤色発光性材料など、有機薄膜13が形成される。
【0043】
一方、初期状態で、第2のシャドーマスク7の開口部70aに対応していない第1のシャドーマスク6の開口部60b,60cには、蒸着材料が到達せず、そのITO電極2a上には有機薄膜13が形成されない。
【0044】
有機薄膜13が形成されなかった開口部60b,60cのITO電極2a上に、他の有機薄膜14を形成する場合には、図6(b)に示したように、第1のシャドーマスク6は初期状態の位置で固定したまま、第2のシャドーマスク7のみを移動するようにする。その際は、第2のシャドーマスク7を基板2平面に平行に移動し、今度は開口部70aが開口部60bと対応した配置とする。この第2のシャドーマスク7の移動距離は、位置決め後の初期状態の位置から隣の開口部60bに対応する位置となるまでの距離をあらかじめ設定しておき、図1に示したマスク移動機構部8で移動させる。
【0045】
このように開口部70a,60bを対応した配置とすることにより、開口部60bには、例えば緑色発光性材料など、他の有機薄膜14を形成することができるようになる。一方、開口部60cおよび既にITO電極2a上に有機薄膜13が形成されている開口部60aには蒸着材料が到達しない。
【0046】
開口部60cについても同様に、図6(b)に示した状態から、第2のシャドーマスク7のみを平行移動して開口部70aと対応した配置とし、開口部60a,60bは第2のシャドーマスク7でマスクする。そして、開口部60cのITO電極2a上に、例えば青色発光性材料などの蒸着を行えばよい。
【0047】
以上のように、薄膜形成装置1による有機薄膜形成は、第1,第2のシャドーマスク6,7の位置関係を適宜変化させながら、基板2上の所定の領域に所定の形状や膜厚で形成することにより行われる。
【0048】
この有機薄膜形成においては、第1のシャドーマスク6は、基板2に近接させた状態で配置することもできるが、図6に示したように、基板2と接触して配置することが望ましい。これは、第1のシャドーマスク6が基板2と接触していることで、第1のシャドーマスク6通過後の蒸着材料の回り込みが確実に防止され、有機薄膜の輪郭ぼけを防止することができるようになるためである。
【0049】
さらに、この有機薄膜形成においては、第2のシャドーマスク7を、第1のシャドーマスク6と接触状態で配置することもできるが、図6に示したように、非接触状態で配置することが望ましい。これは、第1のシャドーマスク6を固定しておき、第2のシャドーマスク7のみ平行移動させるため、その移動に伴う形成済み有機薄膜との接触あるいは移着を防止するためである。ただし、形成する有機薄膜の面積にも依るが、第1,第2のシャドーマスク6,7間の距離が1000μm以上となる場合には、第2のシャドーマスク7を通過後の蒸着材料が、広い範囲にまで回り込む可能性がある。この場合には、蒸着材料が、意図していなかった領域の基板2上に堆積し、不発光などの不具合を招くことがある。そのため、第1,第2のシャドーマスク6,7間の距離は、最大1000μm程度となるようにすることが好ましい。
【0050】
なお、図1では示さないが、蒸着室3内に配置される基板2の蒸着源5側と反対の面側、すなわち基板2の有機薄膜が形成されない背面側に、シート状の磁石を配置する構成としてもよい。この場合、金属製の第1のシャドーマスク6は、基板2との位置決め後に基板2側へと移動され、さらに、磁石によって吸引されるようになる。これにより、第1のシャドーマスク6は、基板2と確実に接触するようになり、蒸着終了まで接触状態を維持することができるようになる。
【0051】
以上説明したように、薄膜形成装置1による有機薄膜形成においては、基板2に第1のシャドーマスク6を近接または接触させ、この第1のシャドーマスク6と一定の距離を保って第2のシャドーマスク7を配置する。そして、有機薄膜形成時には、第1のシャドーマスク6は固定し、この第1のシャドーマスク6の特定の開口部群に蒸着材料が到達するように開口部が設けられている第2のシャドーマスク7のみ移動させる。
【0052】
このように、第1のシャドーマスク6を基板2に近接または接触させ、これを蒸着終了まで移動させないため、第1のシャドーマスク6による形成済み有機薄膜の損傷、他の位置への移着を防止することができる。さらに、第1のシャドーマスク6が基板2に近接または接触していることで、第1のシャドーマスク6通過後の蒸着材料の回り込みを抑制し、輪郭ぼけを抑えることができる。これにより、所望の領域に精度良くかつ均一性の良い膜厚で、有機薄膜を形成することができ、発光域および発光輝度について高性能で均一性の良い有機EL素子を形成することが可能になる。
【0053】
さらに、このような薄膜形成装置1による有機薄膜形成により、従来の隔壁を利用した有機EL素子の形成に比べ、工程数およびコストを削減することが可能となり、有機ELディスプレイパネル製造のコストダウンを図れる。
【0054】
次に、本発明に係る薄膜形成装置1を用いた有機EL素子の形成例について、具体的に説明する。
図7は有機EL素子の形成フローの例を示す図である。また、図8は発光層の形成工程を説明する図であって、(a)赤色発光層形成工程、(b)緑色発光層形成工程、(c)青色発光層形成工程を説明する図である。ただし、この形成例についての説明および図8では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0055】
有機EL素子の形成においては、まず、厚み0.7mmのソーダガラス20a上に、線幅100μmのITO電極20bを、スパッタリングなどの方法で、間隔20μmのストライプ状にパターニングしたITO基板20を形成する(ステップS1)。ITO電極20bは、通常、20nm以上の膜厚で形成する。特に、ITO電極20bを厚くして導電性を高める効果と、薄くして光透過性を高める効果とを考慮し、50nm〜200nm程度の膜厚とすることが好ましい。
【0056】
次いで、このITO基板20を、洗浄剤、純水、有機溶剤1、純水、有機溶剤2の順で洗浄する(ステップS2)。ここで、有機溶剤1,2には、アセトン、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランのいずれかを用いることができる。洗浄後のITO基板20は、薄膜形成装置1が備える蒸着室3内の所定の位置に設置する(ステップS3)。
【0057】
有機EL素子の形成に使用する第1のシャドーマスク6として、ここでは、有機薄膜を形成するすべての領域に開口部が設けられ、その開口部の長辺方向がITO電極20b上に並ぶ、Ni製で厚み20μmのものを用いる。その開口部の寸法は、短辺100μm、長辺300μm、隣の開口部の短辺間の間隔20μm、隣の開口部の長辺間の間隔60μmとしている。
【0058】
このような第1のシャドーマスク6をITO基板20に対し、位置決め機構部9によって位置決めした後、ITO基板20側へと垂直に移動させ、ITO電極20bに接触するように配置する(ステップS4)。
【0059】
そして、蒸着室3内を排気して所定の真空度(例えば10−5Pa程度)まで減圧した後(ステップS5)、設置したITO基板20のITO電極20b上に、真空蒸着法で有機材料または有機金属材料を蒸着し、まず、正孔輸送層21を形成する(ステップS6)。正孔輸送層21は、通常、10nm〜500nm程度、好ましくは20nm〜100nm程度の膜厚で形成する。膜厚が10nmを下回る場合には、発光部分が電極部分に近くなって電極による発光消光が生じる場合があるためであり、一方、膜厚が500nmを上回る場合には、それにより駆動電圧が上昇する場合があるためである。
【0060】
この正孔輸送層21の形成に用いることのできる有機材料としては、例えば、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミンなどのほか、トリフェニルアミン誘導体(TPD)など、従来公知の種々の芳香族アミン誘導体を用いることができる。また、正孔輸送層21の形成前には、銅フタロシアニン(CuPC)などを正孔注入層(図示せず)として形成する構成としてもよい。
【0061】
次いで、ITO電極20bを2つおきに蒸着することができるような開口部を有する第2のシャドーマスク7を、第1のシャドーマスク6に対して位置決めした後、第1のシャドーマスク6側へと垂直移動させ、所定の距離を保った状態で配置する(ステップS7)。このとき、正孔輸送層21が形成されているITO基板20、および第1,第2のシャドーマスク6,7の位置関係は、図8(a)に示す初期状態となる。
【0062】
この第2のシャドーマスク7として、ここでは、Ni−Fe合金製で、厚み100μmのものを用いる。その開口部の寸法は、短辺110μm、長辺330μm、隣の開口部の短辺間の間隔350μm、隣の開口部の長辺間の間隔30μmとしている。また、第1,第2のシャドーマスク6,7間の距離は500μmとする。
【0063】
図8(a)に示した初期状態において、正孔輸送層21上に真空蒸着法によって所定の発光性材料を蒸着し、赤色発光層22を形成する(ステップS8)。
その後、図8(b)に示すように、第1のシャドーマスク6は移動させず、第2のシャドーマスク7のみを120μmだけ平行移動させ(ステップS9)、正孔輸送層21上に真空蒸着法により緑色発光層23を形成する(ステップS10)。
【0064】
同様に、図8(c)に示すように、第2のシャドーマスク7のみを更に120μm平行移動させ(ステップS11)、正孔輸送層21上に真空蒸着法により青色発光層24を形成する(ステップS12)。
【0065】
ステップS8,S10,S12における各発光層の形成に用いる発光性材料としては、例えば、トリス(8−キノライト)アルミニウム錯体(Alq3)に、発光色に応じてナフタレン誘導体やピレン誘導体を0.5%〜10%程度混合したものなどを用いることができる。発光性材料としては、このほかに、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)やポリ(p−フェニレンビニレン)など、従来公知の有機金属材料や有機材料を用いることができる。
【0066】
発光層は、通常、10nm〜500nm程度、好ましくは10nm〜100nm程度の膜厚で形成する。膜厚が10nmを下回ると、層内での正孔と電子との再結合の効率が低下する場合があり、一方、500nmを上回ると、駆動電圧が上昇してしまう場合があるためである。
【0067】
各発光層の形成に続き、図示しない電子輸送層を形成する(ステップS13)。電子輸送層は、通常、10nm〜500nm程度、好ましくは20nm〜100nm程度の膜厚で形成する。膜厚についての範囲の規定は、正孔輸送層21の場合と同様の理由からである。
【0068】
この電子輸送層の形成は、第2のシャドーマスク7を移動させて、第1のシャドーマスク6と蒸着源5の間から退避させた後、電子輸送層材料を真空蒸着法により蒸着することによって行う。電子輸送層材料としては、Alq3やバクソプロイン(BCP)のほか、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)など、従来公知の有機金属材料や有機材料を用いることができる。
【0069】
次いで、電子輸送層上に、真空蒸着法により、図示しない陰極を形成する(ステップS14)。陰極は、通常、20nm以上の膜厚で形成する。特に、陰極を厚くして導電性を高める効果と、陰極形成に要する時間とを考慮し、50nm〜200nm程度の膜厚とすることが好ましい。陰極材料には、電子注入層も含むLiF/Alのほか、Al−Li合金やAl−Mg合金など、従来公知の材料を用いることができる。
【0070】
最後に、図示しない絶縁性の封止膜を形成し(ステップS15)、有機EL素子の形成を終了する。
このようにして形成した有機EL素子の有機薄膜は、膜厚が各画素内で均一であり、従来のように第2のシャドーマスク7のような開口部を有しているシャドーマスク1枚で形成した場合に比べ、膜厚の画素内分布を±3%以内で形成することができる。
【0071】
さらに、陰極および封止膜まで形成した有機ELディスプレイパネルの画素内の輝度の分布は極めて良好であり、輝度ムラは認められなかった。
また、作製してから30日を経過した有機ELディスプレイパネルの画素は、有機EL素子形成時の画素と同形の発光域を示し、従来の有機ELディスプレイパネルでは隔壁近傍で不発光領域が存在する場合があったのに対し、良好な結果が得られた。
【0072】
なお、上記の形成例では、第1のシャドーマスク6をITO電極20bと接触配置した後に、正孔輸送層21を形成するようにしたが、正孔輸送層21は、第1のシャドーマスク6の配置前に、ITO基板20の全面に形成する構成としてもよい。
【0073】
図9は正孔輸送層をITO基板の全面に形成した場合における有機薄膜形成工程を説明する図である。ただし、図9では、図8に示した構成と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0074】
この場合、ITO基板20の全面に、すなわちソーダガラス20aおよびITO電極20b上に、正孔輸送層21を形成した後、ITO基板20および第1のシャドーマスク6の位置決めを行う。そして、第1のシャドーマスク6を、ITO基板20側へ移動させ、正孔輸送層21に近接させる。その際、第1のシャドーマスク6は、正孔輸送層21と接触するように配置させることもできる。すなわち、このように正孔輸送層21をITO基板20の全面に形成した場合においては、正孔輸送層21が形成されたITO基板20を、図1に示した基板2のような被形成物とみなせばよい。
【0075】
その後は上記形成例と同じく、第2のシャドーマスク7を位置決めし、第1のシャドーマスク6と500μmの距離を保って配置して、赤色発光層22を形成する。緑色発光層、青色発光層、電子輸送層、陰極および封止膜についても、上記形成例に示したように形成すればよい。
【0076】
このように正孔輸送層21をITO基板20の全面に形成する構成とすることにより、ITO電極20bと陰極との間に正孔輸送層21が介在するようになるので、陽極/陰極間のショートを確実に防止することが可能になる。そのため、陰極は、ITO電極20bに交差するようにストライプ状に形成することも可能である。
【0077】
なお、以上の形成例において、発光層の形成順は、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の順に限定されるものではない。また、すべてまたは一部の発光層を、正孔輸送性発光層あるいは電子輸送性発光層など、キャリア輸送層と発光層とを兼ねる構造とする場合であっても、原理は同じである。さらに、上記の例において触れた正孔注入層、あるいは電子注入層を有機EL素子の構成要素として加える場合であっても、原理は同じである。すなわち、第1のシャドーマスク6は固定して、第2のシャドーマスク7を適宜移動させ、所定の領域に所定の発光層などの各層を形成すればよい。
【0078】
また、以上の説明では、有機材料や有機金属材料を蒸着して得られる有機薄膜の形成を例にして述べたが、本発明の薄膜形成装置は、有機薄膜のほか金属薄膜の形成など、一般に真空蒸着法によって形成することのできる薄膜の形成に適用することが可能である。
【0079】
(付記1) 蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成装置において、
前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクと、
前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクと、
を有することを特徴とする薄膜形成装置。
【0080】
(付記2) 前記第1のシャドーマスクは、前記被形成物に近接または接触して配置されるようにしたことを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
(付記3) 前記第2のシャドーマスクは、前記第1のシャドーマスクと一定の距離だけ離れて配置されるようにしたことを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
【0081】
(付記4) 前記開口部群の前記一部以外の他の一部に他の蒸着材料を堆積させるときには、前記第2のシャドーマスクは、前記他の蒸着材料が前記他の一部に到達するよう前記開口部を前記他の一部に対応させる位置に移動することを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
【0082】
(付記5) 前記被形成物に対する前記第1のシャドーマスクの位置、および前記第1のシャドーマスクに対する前記第2のシャドーマスクの位置を、適正に設定するための位置決め機構部を有することを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
【0083】
(付記6) 前記第1のシャドーマスクの開口部が寸法X1およびY1の矩形であって、X1寸法方向に隣り合う開口部との間隔をX2、Y1寸法方向に隣り合う開口部との間隔をY2としたときに、前記第2のシャドーマスクの開口部寸法X3およびY3は、X1≦X3<X1+X2、Y1≦Y3<Y1+Y2、となることを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
【0084】
(付記7) 前記第1のシャドーマスクの開口部が寸法X1およびY1の矩形であって、X1寸法方向に隣り合う開口部との間隔をX2、Y1寸法方向に隣り合う開口部との間隔をY2とし、さらに、Y1寸法方向に並ぶ開口部の個数をnとしたときに、前記第2のシャドーマスクの開口部寸法X3およびY3は、Y1≦Y3<n(Y1+Y2)−Y2、となることを特徴とする付記1記載の薄膜形成装置。
【0085】
(付記8) 蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成方法において、
前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクを前記被形成物の前記蒸着源側に配置する工程と、
前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクを前記第1のシャドーマスクよりも前記蒸着源側に配置する工程と、
前記蒸着源で前記蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を、前記一部における前記被形成物上に堆積させて前記薄膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする薄膜形成方法。
【0086】
(付記9) 前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された前記開口部群を有する前記第1のシャドーマスクを前記被形成物の前記蒸着源側に配置する工程においては、前記第1のシャドーマスクを、前記被形成物に近接または接触させて配置することを特徴とする付記8記載の薄膜形成方法。
【0087】
(付記10) 前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された前記開口部を有する前記第2のシャドーマスクを前記第1のシャドーマスクよりも前記蒸着源側に配置する工程においては、前記第2のシャドーマスクを、前記第1のシャドーマスクと一定の距離だけ離して配置することを特徴とする付記8記載の薄膜形成方法。
【0088】
(付記11) 前記蒸着源で前記蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を、前記一部における前記被形成物上に堆積させて前記薄膜を形成する工程の後に、前記開口部群の前記一部以外の他の一部に他の蒸着材料を堆積させるときには、前記第2のシャドーマスクを、前記他の蒸着材料が前記他の一部に到達するよう前記開口部を前記他の一部に対応させる位置に移動し、前記他の一部における前記被形成物上に他の薄膜を形成する工程を有することを特徴とする付記8記載の薄膜形成方法。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、薄膜形成装置を、蒸着材料が被形成物上の薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスク、およびその開口部群のうちの一部に蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクを有する構成にする。これにより、被形成物上の所望の領域に精度良くかつ均一性の良い膜厚で、薄膜を形成することができる。
【0090】
特に、精度良くかつ均一性の良い膜厚で有機薄膜を形成することができるので、高性能な有機ELディスプレイパネルを低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜形成装置の構成例を示す図である。
【図2】第1のシャドーマスクの平面模式図である。
【図3】第2のシャドーマスクの平面模式図であって、(a)各開口部が独立して配置されている場合、(b)開口部がスリット形状で配置されている場合、をそれぞれ示している。
【図4】第1のシャドーマスクの開口部を示す図である。
【図5】基板および第1,第2のシャドーマスクの位置決め方法の説明図である。
【図6】有機薄膜形成時の基板および第1,第2のシャドーマスクの側面模式図であって、(a)初期状態、(b)第2のシャドーマスク移動後の状態をそれぞれ示している。
【図7】有機EL素子の形成フローの例を示す図である。
【図8】発光層の形成工程を説明する図であって、(a)赤色発光層形成工程、(b)緑色発光層形成工程、(c)青色発光層形成工程を説明する図である。
【図9】正孔輸送層をITO基板の全面に形成した場合における有機薄膜形成工程を説明する図である。
【図10】有機ELディスプレイパネルの画素の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 薄膜形成装置
2 基板
2a,20a ITO電極
3 蒸着室
4 排気機構部
5 蒸着源
6 第1のシャドーマスク
7 第2のシャドーマスク
8 マスク移動機構部
9 位置決め機構部
10 制御部
11,12 アライメント・マーク
13,14 有機薄膜
20 ITO基板
20a ソーダガラス
21 正孔輸送層
22 赤色発光層
23 緑色発光層
24 青色発光層
60a,60b,60c,70a 開口部
X1,Y1 寸法
X2,Y2 間隔
X3,Y3 開口部寸法
Claims (5)
- 蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成装置において、
前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクと、
前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクと、
を有することを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記第1のシャドーマスクは、前記被形成物に近接または接触して配置されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
- 前記第2のシャドーマスクは、前記第1のシャドーマスクと一定の距離だけ離れて配置されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
- 前記開口部群の前記一部以外の他の一部に他の蒸着材料を堆積させるときには、前記第2のシャドーマスクは、前記他の蒸着材料が前記他の一部に到達するよう前記開口部を前記他の一部に対応させる位置に移動することを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
- 蒸着源で蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を被形成物に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成方法において、
前記蒸着材料が前記被形成物上の前記薄膜を形成すべき領域に堆積されるように形成された開口部群を有する第1のシャドーマスクを前記被形成物の前記蒸着源側に配置する工程と、
前記開口部群のうちの一部に前記蒸着材料が到達するように形成された開口部を有する第2のシャドーマスクを前記第1のシャドーマスクよりも前記蒸着源側に配置する工程と、
前記蒸着源で前記蒸着材料を加熱気化させ、気化した前記蒸着材料を、前記一部における前記被形成物上に堆積させて前記薄膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする薄膜形成方法。
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