JP2004116451A - エンジンの暖機運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ファストアイドル回転数をできるだけ高くして暖機時間を短縮する。
【解決手段】無段変速機12および遠心クラッチ15を介して出力するエンジンの始動装置である。ファストアイドル回転数を遠心クラッチ15のクラッチイン回転数未満に設定し、暖機運転中にエンジン回転数がファストアイドル回転数以上のときに回転数超過信号d2を出力する回転数判定部51を設ける。回転数超過信号d2に応答して点火時期設定部55でエンジンの点火時期を遅角させ、かつ始動用混合気の供給を停止または減少させるように前記制御弁を付勢する駆動手段としてのPTCヒータ42を設ける。ヒータの通電量はファストアイドル回転数未満と、ファストアイドル回転数以上とで変化させるとともに、暖機終了時のエンジン温度以上では100%通電とする。
【選択図】 図1
【解決手段】無段変速機12および遠心クラッチ15を介して出力するエンジンの始動装置である。ファストアイドル回転数を遠心クラッチ15のクラッチイン回転数未満に設定し、暖機運転中にエンジン回転数がファストアイドル回転数以上のときに回転数超過信号d2を出力する回転数判定部51を設ける。回転数超過信号d2に応答して点火時期設定部55でエンジンの点火時期を遅角させ、かつ始動用混合気の供給を停止または減少させるように前記制御弁を付勢する駆動手段としてのPTCヒータ42を設ける。ヒータの通電量はファストアイドル回転数未満と、ファストアイドル回転数以上とで変化させるとともに、暖機終了時のエンジン温度以上では100%通電とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動装置に関し、特に、暖機運転中のファストアイドルを適正化することができるエンジンの暖機運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの暖機運転中は、空燃比を小さくつまり混合気を濃くしつつ空気量を増量して着火性を高めるとともに、エンジン回転数を高めるファストアイドルが実行される。空燃比を小さくするため、気化器内のスロットル弁より吸気下流側に始動用燃料通路を開口させ、暖機中はこの始動用燃料通路を開いて始動用燃料を追加的に供給できるようにするバイスタータが用いられる。燃料を前記始動用燃料通路に供給するための空気取り入れ通路が設けられ、この通路を制御弁で開閉して始動用燃料供給量が制御される。制御弁は、加熱により熱膨張するワックスとバネとを駆動源として駆動される。例えば、制御弁をその開方向に戻りバネで付勢する一方、PTCヒータ(サーミスタヒータ)で加熱されるワックスをその熱膨張による圧力が前記バネに抗するように配したバイスタータが知られる(特開平9−14113号公報)。このバイスタータでは、暖機開始とともにエンジンで駆動される発電機からPTCヒータに通電されるが、エンジンが冷えている間はワックスが大して膨張しないので、制御弁は戻りバネに付勢されて開き、始動用燃料が供給される。暖機が進んでエンジン温度が上昇するにつれてワックスが熱膨張し、それによって戻りバネに抗する圧力が作用する。その結果、制御弁が閉じられてファストアイドルが終了する。
【0003】
上記ファストアイドルにおいて、定常走行時と同じタイミングで点火を行うようにすると、暖機運転中のエンジン回転数が高くなりすぎる不具合がある。例えば、エンジンの動力をVベルト式無段変速機および遠心クラッチを介して後輪に伝達する自動二輪車においては、エンジン回転数が所定のクラッチイン回転数に達すると遠心クラッチのクラッチシューとクラッチドラムとが接触を開始する。エンジン回転数がクラッチイン回転数より高くなるとクラッチシューとクラッチドラムとが摺触するために、この摺接部の摩耗を早まってしまうおそれがある。
【0004】
そこで、ファストアイドルにおけるエンジン回転数をクラッチイン回転数より低目に抑制することが行われている。例えば、特開平9−14113号公報では、前記PTCヒータに流れる電流に基づいてファストアイドル開始が検知されると、エンジンの点火時期を遅角させてエンジン回転数が上昇しないように制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
PTCヒータの電流に基づいてファストアイドルを検知し、点火時期を遅角させる上記制御では、PTCの温度−電流特性に従い、PTCヒータに流れる電流によりエンジンの温度を検出するものであるが、PTCヒータの温度とファストアイドル回転数は一定の関係にはない。例えば、ファストアイドル回転数は気化器の精度ばらつきや気温によって変化することがある。したがって、PTCヒータの温度によって点火時期を遅角させたとしても、エンジン回転数がクラッチイン回転数を上回らないとは限らない。
【0006】
一方、大きいマージンをもって前記PTCヒータの電流しきい値を設定すると、エンジン回転数がクラッチイン回転数を上回ることは防止できる。しかし、結果的にファストアイドル回転数が低めに設定されることになり、短時間で暖機が終了しないおそれがある。特に、近年は排気エミッションの低減のため、スクータ等では4サイクルエンジンを搭載することが進められており、ドライバビリティを損なわないために、クラッチイン回転数は低めに設定される傾向がある。低くなったクラッチイン回転数からさらに大きいマージンをとって低いファストアイドル回転数を設定すると、暖機の能率は一層低下するおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、上記要望に鑑み、クラッチイン回転数に近接したファストアイドル回転数に基づいて能率的に暖機を行うことができるエンジンの暖機運転制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、出力を変速機および遠心クラッチを介して駆動対象に伝達するエンジンの暖機運転制御装置において、暖機運転中に前記エンジンの回転数が前記遠心クラッチのクラッチイン回転数未満に設定された設定ファストアイドル回転数以上のときに回転数超過信号を出力する回転数判定手段と、前記回転数超過信号に応答してエンジンの点火時期を遅角させる点火制御手段と混合気を発生させる気化器と、暖機運転中に始動用混合気を供給する始動用混合気発生手段と、前記始動用混合気発生手段で発生させる始動用混合気の量を制御する制御弁と、前記回転数超過信号に応答して始動用混合気の供給を停止または減少させるように前記制御弁を付勢する駆動手段とを具備した点に第1の特徴がある。
【0009】
第1の特徴によれば、暖機運転中にエンジン回転数がクラッチイン回転数以上になれば点火時期が遅角されるので、エンジン回転数が低下する。結果的に、暖機運転中にエンジン回転数が上昇してクラッチの摺接することを防止できる。また、エンジン回転数が設定ファストアイドル回転数以上になれば、点火時期の遅角と相まって、PTCヒータに通電を行い、始動用混合気の制御弁が閉じるのを促進することでエンジン回転数を安定的にクラッチイン回転数以下に保持することができる。
【0010】
また、本発明は、エンジン温度を検出する温度検出手段を具備し、前記駆動手段が、暖機運転中に前記回転数超過信号が出力されていない場合は、前記制御弁の開度をエンジン温度に応じて小さくなるように構成された点に第2の特徴がある。
【0011】
第2の特徴によれば、エンジン回転数がクラッチイン回転数に到達するまでは暖機の程度に応じて徐々に始動用混合気の量を少なくして定常時の空燃比に近づけていくので、エンジンの温度が暖機終了温度に到達するまでは高い回転数を維持して暖機を行うことができる。
【0012】
また、本発明は、前記点火制御手段が、暖機運転中にスロットル弁が開いたことを検出したときに、前記点火時期の遅角を停止し、定常運転時の点火時期に切り替える点に第3の特徴がある。
【0013】
第3の特徴によれば、暖機運転中にもスロットル弁を開く操作が行われれば、エンジンは速やかに定常運転のために点火時期に切り替えられ、該エンジンが搭載された車両の走行が可能となる。
【0014】
また、本発明は、前記駆動手段が温度変化によるワックスの膨張によって前記制御弁を付勢するPTCヒータである点に第4の特徴がある。
【0015】
第4の特徴によれば、PTCヒータの温度が環境温度や該ヒータに対する通電加熱によって上昇すると、ワックスが熱膨張する。このワックスの体膨張による圧力で制御弁が付勢される。
【0016】
さらに、本発明は、前記気化器がノズル負圧によって吸気断面積を調節するバキュームピストンと、該バキュームピストンより下流に設けられたスロットル弁とを有し、前記始動用混合気発生手段に始動用空気を導入する入口を、前記バキュームピストンより上流の気化器本体に開口させるとともに、発生した始動用混合気を給送する通路の出口を前記スロットル弁より下流に開口させた点に第5の特徴がある。
【0017】
第5の特徴によれば、始動用混合気発生手段の空気導入口がスロットル弁から離れて配置されるので、暖機中にスロットル弁が開かれたときの、負圧の変化が前記空気導入口付近の圧力に影響を与えにくい。したがって、急激に始動用混合気の供給量を変化させないので、暖機運転から車両走行開始へスムーズに移行できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は、エンジンの暖機制御装置を含む自動二輪車のパワーユニットの要部構成を示すブロック図である。同図において、エンジン1は4サイクル単気筒エンジンであり、該エンジン1のインテークマニホルド2には、気化器3が接続される。気化器3は、気化器本体であるボア4を有し、このボア4には、スロットル弁5と、エンジン負圧によって図示しない燃料リザーバから燃料を取り入れるためのバキュームピストン6とを備える。前記バキュームピストン6が設けられている位置より上流のボア4壁面には始動用空気通路7の入口が開口される。一方、スロットル弁5の下流には、前記空気通路7に制御弁8を介して結合される始動用混合気通路9の出口が開口される。制御弁8の駆動装置を含むバイスタータ10は図3に関して後述する。
【0019】
エンジン1のクランク軸11には、Vベルト式の無段変速機12の駆動側プーリ13が結合され、無段変速機12の従動側プーリ14には遠心クラッチ15が結合される。遠心クラッチ15は従動側プーリ14の回転数が所定のクラッチイン回転数に達したときに遠心力で図示しないクラッチシューがクラッチドラムに当接して動力がクラッチドラムに伝達される。その結果、クラッチドラムから減速機を介して自動二輪車の後輪に動力が伝達される。
【0020】
エンジン1には点火プラグ16が設けられ、点火プラグ16には該点火プラグ16に高電圧を印加する点火コイル17が設けられる。クランク軸11の周りにはクランク軸11の回転を検知するクランクパルサ18が設けられる。クランクパルサ18はクランク軸11の周りに設けられた被検出体に感応してクランクパルスを出力する。エンジン1の潤滑用のオイルを収容するオイルパン19には、オイルの温度(油温)を検知する油温センサ20が設けられる。スロットル弁5にはその開度を検出するためのスロットルセンサ21が設けられる。
【0021】
マイクロコンピュータ(マイコン)を含むECU22は、前記クランクパルスの間隔に基づいてクランク軸の回転数つまりエンジン回転数Neを算出する。ECU22はエンジン回転数Ne、スロットル開度TH、および油温TOIL等に基づいて点火コイル17に対する点火信号の出力時期(つまり点火時期)を制御したり、バイスタータ10に設けられるヒータに対する通電制御をしたりする。
【0022】
図3は、バイスタータの断面図である。バイスタータ10は制御弁8を含む始動燃料調整装置Aと感温駆動装置Bとからなる。始動燃料調整装置Aは、気化器本体つまり前記ボア4に一体に組み込まれ、感温駆動装置Bは、始動燃料調整装置Aの上部に設けられる。始動燃料調整装置Aの下部には、図示しないフロート室に連通する導入管25が設けられる。始動用燃料調整装置Aには、始動用混合気通路9が設けられる。
【0023】
始動燃料調整装置Aの制御弁としての摺動絞り弁8には、始動用燃料ノズル32に装入される計量針弁33が取付けられている。摺動絞り弁8は、感温駆動装置B側のセットカラー34との間に介在されたバネ35によって下方に付勢される。セットカラー34には、ピストン36およびゴムやシリコーン等の流体37を収容するケース38が装入される。ケース38には、サーモワックス39を収容したキャップ40が取付けられる。流体37とサーモワックス39とは、ダイヤフラム41によって隔離されている。キャップ40の上部には、サーモワックス39を熱によって膨張させる加熱手段としてのPTC型ヒータ(以下、単に「ヒータ」という)42が当接される。ヒータ42には、端子43,44に接続される雌型のカプラ45を介して電力が供給される。
【0024】
図4は、PTCの制御装置の要部を示す等価回路であり、図2と同符号は同一または同等部分を示す。ECU22は、マイコン46およびトランジスタ47を備える。ヒータ42の一端は、図示しないバッテリに接続される電源ライン48に接続されている。ヒータ42の他端は、トランジスタ47のコレクタ側に接続されている。トランジスタ47のベースには、マイコン46によってPWM(パルス幅変調)制御されたオンパルスが印加されるようになっている。
【0025】
マイコン46は、クランクパルサ18によって得られるエンジン回転数Ne、および油温センサ20で検出されるエンジン温度に基づいて、PWM(パルス幅変調)されたオンパルスの幅を算出し、トランジスタ47のベースに印加してトランジスタ47をオンさせる。PWM制御は、エンジンの特性に応じて予めプログラミングされたプログラムによって実行される。
【0026】
図示しないメインスイッチをオンするとともに、スタータ位置に回動してエンジン1を始動させると、始動用空気通路7から空気が導入され、始動用混合気通路9を通して燃料が吸入されるので、エンジン1に供給される混合気濃度が濃くなり、エンジンは容易に冷間始動する。
【0027】
マイコン46がPWM(パルス幅変調)制御によってトランジスタ47を駆動すると、通電デューティに従ってトランジスタ47がオンし、電源ライン48からの電流がヒータ42に供給される。
【0028】
このとき、ヒータ42からの熱により、サーモワックス39が徐々に体積膨張して摺動絞り弁8を押し下げ、計量針弁33によって始動用燃料ノズル32を徐々に閉じる。そして、エンジンの暖機運転が終了する頃に始動用燃料ノズル32が全閉とされる。その結果、始動用混合気通路9を通してエンジンに供給される燃料量は暖機状態が進むにつれて減少し、要求混合気濃度と一致することとなる。
【0029】
なお、エンジンの暖機途中においては、エンジン温度(油温TOIL)が上昇すると、その温度は油温センサ20によって検出される。このため、暖機途中にエンジンが停止した場合でも、マイコン46はエンジン温度が所定値以下となるまで上述したPWM(パルス幅変調)制御によりトランジスタ47の駆動を維持する。
【0030】
そして、エンジン停止後、エンジン温度が高いうちに再始動した場合には、始動用混合気通路9を通しての燃料は供給されず、エンジンへの混合気濃度は定常運転時と同等であり、要求混合気濃度に一致する。
【0031】
また、エンジン停止後に、エンジン温度が所定値以下に低下すると、サーモワックス39が徐々に収縮し、計量針弁33による始動用燃料ノズル32の閉塞が徐々に解かれる。したがって、エンジン停止後、かなりの時間が経過した後の、再始動でも混合気濃度は濃くなる。
【0032】
図5は、ファストアイドルの動作を示すフローチャートである。この処理はエンジン1の始動に続いて実行される。ステップS1では、油温TOILで代表されるエンジン温度が暖機終了温度Td以上か否か、つまり暖機終了か否かが判断される。始動直後など、暖機がされていないときは、ステップS1は否定となり、ステップS2に進む。ステップS2では、スロットル開度が略全閉を示す開度THOPN以上であるか否かにより、スロットル弁5が開いているか否かが判断される。スロットル弁5が開いていない場合はステップS3に進む。ステップS3では、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上か否かが判断される。このファストアイドル回転数N1は遠心クラッチ15がつながるクラッチイン回転数未満の回転数に予め設定される。エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上でなければステップS4に進んで定常運転時の点火時期を維持して点火が行われる。これによりファストアイドルは続行される。
【0033】
ファストアイドルによりエンジン温度が上昇するとともに、エンジン回転数Neも上昇する。エンジン回転数Neが暖機完了温度Tdを超えたならば、ステップS1は肯定となり、ステップS5に進んでヒータ42に通電される。ヒータ42に通電されると、制御弁8は閉じられてファストアイドルつまり暖機は終了する。
【0034】
一方、エンジン温度が暖機終了温度Tdを超えないうちにエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上になった場合は、ステップS3が肯定となり、ステップS6に進んで点火時期を予定角度遅角させる。これにより、エンジン回転数Neの上昇は抑制され、ファストアイドル回転数N1未満にエンジン回転数が維持される。点火時期を遅角させた後は、ステップS2に進む。スロットル開度THが所定の開弁角度THOPN以上であったならば、ステップS2は肯定となり、ステップS4に進む。このステップS2の判別により、ファストアイドル中も、スロットル弁5が開かれた場合には、点火時期の遅角は中止され、定常運転時の点火時期に戻るので、車両の走行が可能となる。
【0035】
なお、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1を超えたとき、点火時期を遅角させるとともにヒータ42に通電して制御弁8を閉じる処理を行ってもよい(ステップS7)。遅角処理と相まって迅速にエンジン回転数Neの上昇を防止することができる。但し、この場合、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1未満になれば、ヒータ42への通電は停止するのがよい。
【0036】
また、ヒータ42への通電開始を暖機運転終了後とするのに限らず、エンジン始動からエンジン温度が暖機終了温度に達するまでの間の任意に設定された時期に通電を開始してもよい。その場合、ヒータ42への通電量を少な目にするため、前記トランジスタ47のオンパルスのデューティを暖機運転終了後の通電時より小さくする。すなわち、制御弁8を全閉位置より開側に位置させて、制御弁8の全閉時より空燃比を小さくすることに変わりはない。前記デューティはエンジン温度に応じて設定するようにしてもよい。一例は後述する。
【0037】
図6はエンジン回転数に応じた点火時期の設定例を示す図である。同図に示すように、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以下では点火時期の進角量は一定値θ1であり、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上では、進角量θ2になるまで徐々に進角量を低減させる(遅角させる)。図6には、比較のため、暖機終了後の定常点火時期の例を示す。
【0038】
なお、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以下のときは、ヒータ42の通電デューティは油温TOILに応じて設定される(図7参照)。一方、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上のときは、ヒータ42の通電デューティは一定の高値(例えば100%)に設定される。つまり、始動用混合気の量を最も少なくは、ゼロにまで低減させる。
【0039】
図7は、油温TOILに対応する通電デューティの設定例を示す図である。この図のように、エンジン温度を代表する油温TOILが高くなると、つまり暖機が進んでくるにつれてヒータ42の通電デューティを大きくする。なお、通電デューティはこのように段階的に変化させるのに限らず、直線的に、つまり連続的に変化させるようにしてもよい。
【0040】
図1は、本発明に係るエンジン始動装置の要部機能を示すブロック図である。エンジン温度判定部50はエンジン温度(油温)TOILが暖機終了温度Tdを超えていると暖機終了信号d1を出力する。エンジン回転数判定部51はエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1より大きい場合に回転数超過信号d2を出力する。スロットル開度判定部52は、スロットル開度THが開度THOPNより大きい場合に開弁信号d3を出力する。
【0041】
ヒータ通電部53は暖機終了信号d1に応答してヒータ42に通電する。デューティ設定部54にはエンジン温度およびスロットル開度THをパラメータとする通電デューティが設定されている。エンジン温度TOILが暖機終了温度Tdより高い場合は、一定の通電デューティがデューティ設定部54から読み出される。
【0042】
点火時期設定部55には、一定の点火時期進角量θ1と、エンジン温度に対応してエンジン温度の上昇につれて前記進角量θ1より小さい進角量θ2まで漸減する進角量とが設定される。エンジン温度TOILが暖機終了温度Tdより低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が閉じている場合(開弁信号d3がロー)に、回転数超過信号d2は点火時期設定部55に入力され、エンジン温度TOILに対応した遅角量(図7参照)読み出される。
【0043】
一方、エンジン温度が低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が開いている場合(信号d3がハイ)、またはエンジン温度が低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が閉じていて、かつエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1未満である場合は、進角量θ1が点火時期設定部55から読み出される。読み出された進角量は点火部56に入力され、点火部56は入力された進角量に基づいて点火コイル17通電する。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、暖機運転中にエンジン回転数がクラッチイン回転数以上になると点火時期が遅角されるので、エンジン回転数が低下する。結果的に、暖機運転中のエンジン回転数上昇によるクラッチの摺接を防止でき、クラッチの寿命を長くすることができる。暖機中のエンジン回転数をクラッチイン回転数ぎりぎりまで高く設定できるので、暖機時間の短縮を図れる。換言すれば、クラッチイン回転数を低く設定できるので、排気中のエミッション低下および車両の走行開始時のドライバビリティを改善することができる。また、エンジン回転数がクラッチイン回転数以上になれば、点火時期の遅角と相まって始動用混合気の量を低減させることでエンジン回転数をより安定的に低下させられる。
【0045】
また、請求項2の発明によれば、エンジン回転数がクラッチイン回転数に到達するまでは暖機の程度に応じて徐々に始動用混合気の量を少なくして定常時の空燃比に近づけていくので、エンジンの温度が暖機終了温度に到達するまでは高い回転数を維持して暖機を行うことができる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、暖機運転中にも、スロットル弁を開く操作が行われれば、エンジンは速やかに定常運転のために点火時期に切り替えられるので、車両の走行開始時のドライバビリティを向上させられる。
【0047】
また、請求項4の発明によれば、PTCヒータに強制的に通電して制御弁を閉じるだけでなく、エンジンシリンダやインテークマニホルド等の温度上昇によっても制御弁が閉じられるので、必要以上に長い暖機運転を防止することができる。
【0048】
さらに、請求項5の発明によれば、始動用混合気発生手段の空気導入口がスロットル弁から離れて配置されるので、暖機中にスロットル弁が開かれたときの、負圧の変化が前記空気導入口付近の圧力に影響を与えにくい。したがって、急激に始動用混合気の供給量を変化させないので、暖機運転中から車両走行開始へスムーズに移行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジン始動装置の要部機能を示すブロック図である。
【図2】エンジン始動装置を含む自動二輪車のパワーユニットの要部構成を示すブロック図である。
【図3】バイスタータの断面図である。
【図4】PTCの制御装置の要部を示す等価回路である。
【図5】ファストアイドルの動作を示すフローチャートである。
【図6】エンジン回転数に応じた点火時期の設定例を示す図である。
【図7】油温TOILに対応する通電デューティの設定例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 3…気化器、 4…気化器本体(ボア)、 5…スロットル弁、 6…バキュームピストン、 7…始動用空気通路、 8…制御弁、 9…始動用混合気通路、 10…バイスタータ、 11…クランク軸、 12…無段変速機、 13…駆動側プーリ、 14…従動側プーリ、 15…遠心クラッチ、17…点火コイル、 18…クランクパルサ、 20…油温センサ、 21…スロットルセンサ、 22…ECU、 39…ワックス、 42…PTC型ヒータ、 50…エンジン温度判定部、 51…エンジン回転数判定部、 52…スロットル開度判定部、 53…ヒータ通電部、 54…デューティ設定部、 55…点火時期設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動装置に関し、特に、暖機運転中のファストアイドルを適正化することができるエンジンの暖機運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの暖機運転中は、空燃比を小さくつまり混合気を濃くしつつ空気量を増量して着火性を高めるとともに、エンジン回転数を高めるファストアイドルが実行される。空燃比を小さくするため、気化器内のスロットル弁より吸気下流側に始動用燃料通路を開口させ、暖機中はこの始動用燃料通路を開いて始動用燃料を追加的に供給できるようにするバイスタータが用いられる。燃料を前記始動用燃料通路に供給するための空気取り入れ通路が設けられ、この通路を制御弁で開閉して始動用燃料供給量が制御される。制御弁は、加熱により熱膨張するワックスとバネとを駆動源として駆動される。例えば、制御弁をその開方向に戻りバネで付勢する一方、PTCヒータ(サーミスタヒータ)で加熱されるワックスをその熱膨張による圧力が前記バネに抗するように配したバイスタータが知られる(特開平9−14113号公報)。このバイスタータでは、暖機開始とともにエンジンで駆動される発電機からPTCヒータに通電されるが、エンジンが冷えている間はワックスが大して膨張しないので、制御弁は戻りバネに付勢されて開き、始動用燃料が供給される。暖機が進んでエンジン温度が上昇するにつれてワックスが熱膨張し、それによって戻りバネに抗する圧力が作用する。その結果、制御弁が閉じられてファストアイドルが終了する。
【0003】
上記ファストアイドルにおいて、定常走行時と同じタイミングで点火を行うようにすると、暖機運転中のエンジン回転数が高くなりすぎる不具合がある。例えば、エンジンの動力をVベルト式無段変速機および遠心クラッチを介して後輪に伝達する自動二輪車においては、エンジン回転数が所定のクラッチイン回転数に達すると遠心クラッチのクラッチシューとクラッチドラムとが接触を開始する。エンジン回転数がクラッチイン回転数より高くなるとクラッチシューとクラッチドラムとが摺触するために、この摺接部の摩耗を早まってしまうおそれがある。
【0004】
そこで、ファストアイドルにおけるエンジン回転数をクラッチイン回転数より低目に抑制することが行われている。例えば、特開平9−14113号公報では、前記PTCヒータに流れる電流に基づいてファストアイドル開始が検知されると、エンジンの点火時期を遅角させてエンジン回転数が上昇しないように制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
PTCヒータの電流に基づいてファストアイドルを検知し、点火時期を遅角させる上記制御では、PTCの温度−電流特性に従い、PTCヒータに流れる電流によりエンジンの温度を検出するものであるが、PTCヒータの温度とファストアイドル回転数は一定の関係にはない。例えば、ファストアイドル回転数は気化器の精度ばらつきや気温によって変化することがある。したがって、PTCヒータの温度によって点火時期を遅角させたとしても、エンジン回転数がクラッチイン回転数を上回らないとは限らない。
【0006】
一方、大きいマージンをもって前記PTCヒータの電流しきい値を設定すると、エンジン回転数がクラッチイン回転数を上回ることは防止できる。しかし、結果的にファストアイドル回転数が低めに設定されることになり、短時間で暖機が終了しないおそれがある。特に、近年は排気エミッションの低減のため、スクータ等では4サイクルエンジンを搭載することが進められており、ドライバビリティを損なわないために、クラッチイン回転数は低めに設定される傾向がある。低くなったクラッチイン回転数からさらに大きいマージンをとって低いファストアイドル回転数を設定すると、暖機の能率は一層低下するおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、上記要望に鑑み、クラッチイン回転数に近接したファストアイドル回転数に基づいて能率的に暖機を行うことができるエンジンの暖機運転制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、出力を変速機および遠心クラッチを介して駆動対象に伝達するエンジンの暖機運転制御装置において、暖機運転中に前記エンジンの回転数が前記遠心クラッチのクラッチイン回転数未満に設定された設定ファストアイドル回転数以上のときに回転数超過信号を出力する回転数判定手段と、前記回転数超過信号に応答してエンジンの点火時期を遅角させる点火制御手段と混合気を発生させる気化器と、暖機運転中に始動用混合気を供給する始動用混合気発生手段と、前記始動用混合気発生手段で発生させる始動用混合気の量を制御する制御弁と、前記回転数超過信号に応答して始動用混合気の供給を停止または減少させるように前記制御弁を付勢する駆動手段とを具備した点に第1の特徴がある。
【0009】
第1の特徴によれば、暖機運転中にエンジン回転数がクラッチイン回転数以上になれば点火時期が遅角されるので、エンジン回転数が低下する。結果的に、暖機運転中にエンジン回転数が上昇してクラッチの摺接することを防止できる。また、エンジン回転数が設定ファストアイドル回転数以上になれば、点火時期の遅角と相まって、PTCヒータに通電を行い、始動用混合気の制御弁が閉じるのを促進することでエンジン回転数を安定的にクラッチイン回転数以下に保持することができる。
【0010】
また、本発明は、エンジン温度を検出する温度検出手段を具備し、前記駆動手段が、暖機運転中に前記回転数超過信号が出力されていない場合は、前記制御弁の開度をエンジン温度に応じて小さくなるように構成された点に第2の特徴がある。
【0011】
第2の特徴によれば、エンジン回転数がクラッチイン回転数に到達するまでは暖機の程度に応じて徐々に始動用混合気の量を少なくして定常時の空燃比に近づけていくので、エンジンの温度が暖機終了温度に到達するまでは高い回転数を維持して暖機を行うことができる。
【0012】
また、本発明は、前記点火制御手段が、暖機運転中にスロットル弁が開いたことを検出したときに、前記点火時期の遅角を停止し、定常運転時の点火時期に切り替える点に第3の特徴がある。
【0013】
第3の特徴によれば、暖機運転中にもスロットル弁を開く操作が行われれば、エンジンは速やかに定常運転のために点火時期に切り替えられ、該エンジンが搭載された車両の走行が可能となる。
【0014】
また、本発明は、前記駆動手段が温度変化によるワックスの膨張によって前記制御弁を付勢するPTCヒータである点に第4の特徴がある。
【0015】
第4の特徴によれば、PTCヒータの温度が環境温度や該ヒータに対する通電加熱によって上昇すると、ワックスが熱膨張する。このワックスの体膨張による圧力で制御弁が付勢される。
【0016】
さらに、本発明は、前記気化器がノズル負圧によって吸気断面積を調節するバキュームピストンと、該バキュームピストンより下流に設けられたスロットル弁とを有し、前記始動用混合気発生手段に始動用空気を導入する入口を、前記バキュームピストンより上流の気化器本体に開口させるとともに、発生した始動用混合気を給送する通路の出口を前記スロットル弁より下流に開口させた点に第5の特徴がある。
【0017】
第5の特徴によれば、始動用混合気発生手段の空気導入口がスロットル弁から離れて配置されるので、暖機中にスロットル弁が開かれたときの、負圧の変化が前記空気導入口付近の圧力に影響を与えにくい。したがって、急激に始動用混合気の供給量を変化させないので、暖機運転から車両走行開始へスムーズに移行できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は、エンジンの暖機制御装置を含む自動二輪車のパワーユニットの要部構成を示すブロック図である。同図において、エンジン1は4サイクル単気筒エンジンであり、該エンジン1のインテークマニホルド2には、気化器3が接続される。気化器3は、気化器本体であるボア4を有し、このボア4には、スロットル弁5と、エンジン負圧によって図示しない燃料リザーバから燃料を取り入れるためのバキュームピストン6とを備える。前記バキュームピストン6が設けられている位置より上流のボア4壁面には始動用空気通路7の入口が開口される。一方、スロットル弁5の下流には、前記空気通路7に制御弁8を介して結合される始動用混合気通路9の出口が開口される。制御弁8の駆動装置を含むバイスタータ10は図3に関して後述する。
【0019】
エンジン1のクランク軸11には、Vベルト式の無段変速機12の駆動側プーリ13が結合され、無段変速機12の従動側プーリ14には遠心クラッチ15が結合される。遠心クラッチ15は従動側プーリ14の回転数が所定のクラッチイン回転数に達したときに遠心力で図示しないクラッチシューがクラッチドラムに当接して動力がクラッチドラムに伝達される。その結果、クラッチドラムから減速機を介して自動二輪車の後輪に動力が伝達される。
【0020】
エンジン1には点火プラグ16が設けられ、点火プラグ16には該点火プラグ16に高電圧を印加する点火コイル17が設けられる。クランク軸11の周りにはクランク軸11の回転を検知するクランクパルサ18が設けられる。クランクパルサ18はクランク軸11の周りに設けられた被検出体に感応してクランクパルスを出力する。エンジン1の潤滑用のオイルを収容するオイルパン19には、オイルの温度(油温)を検知する油温センサ20が設けられる。スロットル弁5にはその開度を検出するためのスロットルセンサ21が設けられる。
【0021】
マイクロコンピュータ(マイコン)を含むECU22は、前記クランクパルスの間隔に基づいてクランク軸の回転数つまりエンジン回転数Neを算出する。ECU22はエンジン回転数Ne、スロットル開度TH、および油温TOIL等に基づいて点火コイル17に対する点火信号の出力時期(つまり点火時期)を制御したり、バイスタータ10に設けられるヒータに対する通電制御をしたりする。
【0022】
図3は、バイスタータの断面図である。バイスタータ10は制御弁8を含む始動燃料調整装置Aと感温駆動装置Bとからなる。始動燃料調整装置Aは、気化器本体つまり前記ボア4に一体に組み込まれ、感温駆動装置Bは、始動燃料調整装置Aの上部に設けられる。始動燃料調整装置Aの下部には、図示しないフロート室に連通する導入管25が設けられる。始動用燃料調整装置Aには、始動用混合気通路9が設けられる。
【0023】
始動燃料調整装置Aの制御弁としての摺動絞り弁8には、始動用燃料ノズル32に装入される計量針弁33が取付けられている。摺動絞り弁8は、感温駆動装置B側のセットカラー34との間に介在されたバネ35によって下方に付勢される。セットカラー34には、ピストン36およびゴムやシリコーン等の流体37を収容するケース38が装入される。ケース38には、サーモワックス39を収容したキャップ40が取付けられる。流体37とサーモワックス39とは、ダイヤフラム41によって隔離されている。キャップ40の上部には、サーモワックス39を熱によって膨張させる加熱手段としてのPTC型ヒータ(以下、単に「ヒータ」という)42が当接される。ヒータ42には、端子43,44に接続される雌型のカプラ45を介して電力が供給される。
【0024】
図4は、PTCの制御装置の要部を示す等価回路であり、図2と同符号は同一または同等部分を示す。ECU22は、マイコン46およびトランジスタ47を備える。ヒータ42の一端は、図示しないバッテリに接続される電源ライン48に接続されている。ヒータ42の他端は、トランジスタ47のコレクタ側に接続されている。トランジスタ47のベースには、マイコン46によってPWM(パルス幅変調)制御されたオンパルスが印加されるようになっている。
【0025】
マイコン46は、クランクパルサ18によって得られるエンジン回転数Ne、および油温センサ20で検出されるエンジン温度に基づいて、PWM(パルス幅変調)されたオンパルスの幅を算出し、トランジスタ47のベースに印加してトランジスタ47をオンさせる。PWM制御は、エンジンの特性に応じて予めプログラミングされたプログラムによって実行される。
【0026】
図示しないメインスイッチをオンするとともに、スタータ位置に回動してエンジン1を始動させると、始動用空気通路7から空気が導入され、始動用混合気通路9を通して燃料が吸入されるので、エンジン1に供給される混合気濃度が濃くなり、エンジンは容易に冷間始動する。
【0027】
マイコン46がPWM(パルス幅変調)制御によってトランジスタ47を駆動すると、通電デューティに従ってトランジスタ47がオンし、電源ライン48からの電流がヒータ42に供給される。
【0028】
このとき、ヒータ42からの熱により、サーモワックス39が徐々に体積膨張して摺動絞り弁8を押し下げ、計量針弁33によって始動用燃料ノズル32を徐々に閉じる。そして、エンジンの暖機運転が終了する頃に始動用燃料ノズル32が全閉とされる。その結果、始動用混合気通路9を通してエンジンに供給される燃料量は暖機状態が進むにつれて減少し、要求混合気濃度と一致することとなる。
【0029】
なお、エンジンの暖機途中においては、エンジン温度(油温TOIL)が上昇すると、その温度は油温センサ20によって検出される。このため、暖機途中にエンジンが停止した場合でも、マイコン46はエンジン温度が所定値以下となるまで上述したPWM(パルス幅変調)制御によりトランジスタ47の駆動を維持する。
【0030】
そして、エンジン停止後、エンジン温度が高いうちに再始動した場合には、始動用混合気通路9を通しての燃料は供給されず、エンジンへの混合気濃度は定常運転時と同等であり、要求混合気濃度に一致する。
【0031】
また、エンジン停止後に、エンジン温度が所定値以下に低下すると、サーモワックス39が徐々に収縮し、計量針弁33による始動用燃料ノズル32の閉塞が徐々に解かれる。したがって、エンジン停止後、かなりの時間が経過した後の、再始動でも混合気濃度は濃くなる。
【0032】
図5は、ファストアイドルの動作を示すフローチャートである。この処理はエンジン1の始動に続いて実行される。ステップS1では、油温TOILで代表されるエンジン温度が暖機終了温度Td以上か否か、つまり暖機終了か否かが判断される。始動直後など、暖機がされていないときは、ステップS1は否定となり、ステップS2に進む。ステップS2では、スロットル開度が略全閉を示す開度THOPN以上であるか否かにより、スロットル弁5が開いているか否かが判断される。スロットル弁5が開いていない場合はステップS3に進む。ステップS3では、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上か否かが判断される。このファストアイドル回転数N1は遠心クラッチ15がつながるクラッチイン回転数未満の回転数に予め設定される。エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上でなければステップS4に進んで定常運転時の点火時期を維持して点火が行われる。これによりファストアイドルは続行される。
【0033】
ファストアイドルによりエンジン温度が上昇するとともに、エンジン回転数Neも上昇する。エンジン回転数Neが暖機完了温度Tdを超えたならば、ステップS1は肯定となり、ステップS5に進んでヒータ42に通電される。ヒータ42に通電されると、制御弁8は閉じられてファストアイドルつまり暖機は終了する。
【0034】
一方、エンジン温度が暖機終了温度Tdを超えないうちにエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上になった場合は、ステップS3が肯定となり、ステップS6に進んで点火時期を予定角度遅角させる。これにより、エンジン回転数Neの上昇は抑制され、ファストアイドル回転数N1未満にエンジン回転数が維持される。点火時期を遅角させた後は、ステップS2に進む。スロットル開度THが所定の開弁角度THOPN以上であったならば、ステップS2は肯定となり、ステップS4に進む。このステップS2の判別により、ファストアイドル中も、スロットル弁5が開かれた場合には、点火時期の遅角は中止され、定常運転時の点火時期に戻るので、車両の走行が可能となる。
【0035】
なお、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1を超えたとき、点火時期を遅角させるとともにヒータ42に通電して制御弁8を閉じる処理を行ってもよい(ステップS7)。遅角処理と相まって迅速にエンジン回転数Neの上昇を防止することができる。但し、この場合、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1未満になれば、ヒータ42への通電は停止するのがよい。
【0036】
また、ヒータ42への通電開始を暖機運転終了後とするのに限らず、エンジン始動からエンジン温度が暖機終了温度に達するまでの間の任意に設定された時期に通電を開始してもよい。その場合、ヒータ42への通電量を少な目にするため、前記トランジスタ47のオンパルスのデューティを暖機運転終了後の通電時より小さくする。すなわち、制御弁8を全閉位置より開側に位置させて、制御弁8の全閉時より空燃比を小さくすることに変わりはない。前記デューティはエンジン温度に応じて設定するようにしてもよい。一例は後述する。
【0037】
図6はエンジン回転数に応じた点火時期の設定例を示す図である。同図に示すように、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以下では点火時期の進角量は一定値θ1であり、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上では、進角量θ2になるまで徐々に進角量を低減させる(遅角させる)。図6には、比較のため、暖機終了後の定常点火時期の例を示す。
【0038】
なお、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以下のときは、ヒータ42の通電デューティは油温TOILに応じて設定される(図7参照)。一方、エンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1以上のときは、ヒータ42の通電デューティは一定の高値(例えば100%)に設定される。つまり、始動用混合気の量を最も少なくは、ゼロにまで低減させる。
【0039】
図7は、油温TOILに対応する通電デューティの設定例を示す図である。この図のように、エンジン温度を代表する油温TOILが高くなると、つまり暖機が進んでくるにつれてヒータ42の通電デューティを大きくする。なお、通電デューティはこのように段階的に変化させるのに限らず、直線的に、つまり連続的に変化させるようにしてもよい。
【0040】
図1は、本発明に係るエンジン始動装置の要部機能を示すブロック図である。エンジン温度判定部50はエンジン温度(油温)TOILが暖機終了温度Tdを超えていると暖機終了信号d1を出力する。エンジン回転数判定部51はエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1より大きい場合に回転数超過信号d2を出力する。スロットル開度判定部52は、スロットル開度THが開度THOPNより大きい場合に開弁信号d3を出力する。
【0041】
ヒータ通電部53は暖機終了信号d1に応答してヒータ42に通電する。デューティ設定部54にはエンジン温度およびスロットル開度THをパラメータとする通電デューティが設定されている。エンジン温度TOILが暖機終了温度Tdより高い場合は、一定の通電デューティがデューティ設定部54から読み出される。
【0042】
点火時期設定部55には、一定の点火時期進角量θ1と、エンジン温度に対応してエンジン温度の上昇につれて前記進角量θ1より小さい進角量θ2まで漸減する進角量とが設定される。エンジン温度TOILが暖機終了温度Tdより低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が閉じている場合(開弁信号d3がロー)に、回転数超過信号d2は点火時期設定部55に入力され、エンジン温度TOILに対応した遅角量(図7参照)読み出される。
【0043】
一方、エンジン温度が低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が開いている場合(信号d3がハイ)、またはエンジン温度が低い場合(信号d1がロー)であって、スロットル弁5が閉じていて、かつエンジン回転数Neがファストアイドル回転数N1未満である場合は、進角量θ1が点火時期設定部55から読み出される。読み出された進角量は点火部56に入力され、点火部56は入力された進角量に基づいて点火コイル17通電する。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、暖機運転中にエンジン回転数がクラッチイン回転数以上になると点火時期が遅角されるので、エンジン回転数が低下する。結果的に、暖機運転中のエンジン回転数上昇によるクラッチの摺接を防止でき、クラッチの寿命を長くすることができる。暖機中のエンジン回転数をクラッチイン回転数ぎりぎりまで高く設定できるので、暖機時間の短縮を図れる。換言すれば、クラッチイン回転数を低く設定できるので、排気中のエミッション低下および車両の走行開始時のドライバビリティを改善することができる。また、エンジン回転数がクラッチイン回転数以上になれば、点火時期の遅角と相まって始動用混合気の量を低減させることでエンジン回転数をより安定的に低下させられる。
【0045】
また、請求項2の発明によれば、エンジン回転数がクラッチイン回転数に到達するまでは暖機の程度に応じて徐々に始動用混合気の量を少なくして定常時の空燃比に近づけていくので、エンジンの温度が暖機終了温度に到達するまでは高い回転数を維持して暖機を行うことができる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、暖機運転中にも、スロットル弁を開く操作が行われれば、エンジンは速やかに定常運転のために点火時期に切り替えられるので、車両の走行開始時のドライバビリティを向上させられる。
【0047】
また、請求項4の発明によれば、PTCヒータに強制的に通電して制御弁を閉じるだけでなく、エンジンシリンダやインテークマニホルド等の温度上昇によっても制御弁が閉じられるので、必要以上に長い暖機運転を防止することができる。
【0048】
さらに、請求項5の発明によれば、始動用混合気発生手段の空気導入口がスロットル弁から離れて配置されるので、暖機中にスロットル弁が開かれたときの、負圧の変化が前記空気導入口付近の圧力に影響を与えにくい。したがって、急激に始動用混合気の供給量を変化させないので、暖機運転中から車両走行開始へスムーズに移行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジン始動装置の要部機能を示すブロック図である。
【図2】エンジン始動装置を含む自動二輪車のパワーユニットの要部構成を示すブロック図である。
【図3】バイスタータの断面図である。
【図4】PTCの制御装置の要部を示す等価回路である。
【図5】ファストアイドルの動作を示すフローチャートである。
【図6】エンジン回転数に応じた点火時期の設定例を示す図である。
【図7】油温TOILに対応する通電デューティの設定例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 3…気化器、 4…気化器本体(ボア)、 5…スロットル弁、 6…バキュームピストン、 7…始動用空気通路、 8…制御弁、 9…始動用混合気通路、 10…バイスタータ、 11…クランク軸、 12…無段変速機、 13…駆動側プーリ、 14…従動側プーリ、 15…遠心クラッチ、17…点火コイル、 18…クランクパルサ、 20…油温センサ、 21…スロットルセンサ、 22…ECU、 39…ワックス、 42…PTC型ヒータ、 50…エンジン温度判定部、 51…エンジン回転数判定部、 52…スロットル開度判定部、 53…ヒータ通電部、 54…デューティ設定部、 55…点火時期設定部
Claims (5)
- 出力を変速機および遠心クラッチを介して駆動対象に伝達するエンジンの暖機運転制御装置において、
暖機運転中に前記エンジンの回転数が前記遠心クラッチのクラッチイン回転数未満に設定された設定ファストアイドル回転数以上のときに回転数超過信号を出力する回転数判定手段と、
前記回転数超過信号に応答してエンジンの点火時期を遅角させる点火制御手段と、
混合気を発生させる気化器と、
暖機運転中に始動用混合気を供給する始動用混合気発生手段と、
前記始動用混合気発生手段で発生させる始動用混合気の量を制御する制御弁と、
前記回転数超過信号に応答して始動用混合気の供給を停止または減少させるように前記制御弁を付勢する駆動手段とを具備したことを特徴とするエンジンの暖機運転制御装置。 - エンジン温度を検出する温度検出手段を具備し、
前記駆動手段が、暖機運転中に前記回転数超過信号が出力されていない場合は、前記制御弁の開度をエンジン温度に応じて小さくなるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの暖機運転制御装置。 - スロットル弁が開いたことを検出するスロットル開度検出手段を具備し、
前記点火制御手段が、暖機運転中にスロットル弁が開いたことを検出したときに、前記点火時期の遅角を停止し、定常運転時の点火時期に切り替えることを特徴とする請求項1記載のエンジンの暖機運転制御装置。 - 前記駆動手段が温度変化によるワックスの膨張によって前記制御弁を付勢するPTCヒータであることを特徴とする請求項2または3記載のエンジンの暖機運転制御装置。
- 前記気化器がノズル負圧によって吸気断面積を調節するバキュームピストンと、該バキュームピストンより下流に設けられたスロットル弁とを有し、
前記始動用混合気発生手段に始動用空気を導入する入口を、前記バキュームピストンより上流の気化器本体に開口させるとともに、発生した始動用混合気を給送する通路の出口を前記スロットル弁より下流に開口させたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエンジンの暖機運転制御装置。
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|---|---|---|---|
| JP2002283239A JP2004116451A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | エンジンの暖機運転制御装置 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012136982A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-19 | Hitachi Koki Co Ltd | 小型エンジンおよびそれを備えたエンジン作業機 |
| JP2013040599A (ja) * | 2011-08-19 | 2013-02-28 | Hitachi Koki Co Ltd | エンジン及びエンジン作業機 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283239A patent/JP2004116451A/ja active Pending
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| US9759176B2 (en) | 2011-08-19 | 2017-09-12 | Hitachi Koki Co., Ltd. | Engine and engine-operated working machine |
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