JP2004115761A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子用発光材料および高輝度の発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機物質を使用したEL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL素子は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入され、電子が発光層において正孔と再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
【0003】
従来の有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL素子が報告され、関心を集めている(非特許文献1参照)。この方法は、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数1000cd/m2に達している。しかしながら、有機化合物の蒸着操作を伴うEL素子作成は、生産性に問題が有り、製造工程の簡略化、大面積化の観点から、塗布方式の素子作成が望ましい。
【0004】
生産性に有利な塗布方式のEL素子作成で使用されるEL素子の発光材料としては、ポリフェニレンビニレン系ポリマーが知られているが、(非特許文献2参照)、発光部をポリマー主鎖に持つため、発光材料の濃度制御が難しく、色調、発光強度の微妙な制御が難しい等の問題があった。同じく、塗布方式を用いるEL素子として、例えばポリビニルカルバゾール中に、低分子量色素を分散する素子(特許文献1参照)がある。色素種、色素濃度を任意に変更出来るので、色調、発光強度の調整が比較的容易であるが、これらの素子は、ポリマー中に低分子化合物を分散している為、色素凝集、相分離が起こりやすく、均一な発光が得られなく、かつ、発光特性に優れない等の問題があった。
【0005】
白色発光素子は、青や緑の単色の発光素子よりも応用範囲が広い。たとえばモノクロデスプレイでは白色が好まれ、液晶デスプレーのバックライトにも使用出来、そしてカラーフイルターと組み合わせる事によりフルカラーデスプレーにも応用出来る。特に、フルカラーデスプレーには青、赤、緑の発光素子を微細に配置する事が必要であるが、カラーフイルターで白色光をRGBの三原色に分離する技術を利用すると、低コスト化が可能となり、さらには、各種光源、電装、室内照明等への応用も可能となる。
【0006】
白色発光を得るための有機EL素子用発光材料としては、(非特許文献3参照)完全な白色を得る事が難しく、単体材料のみで白色発光する材料は発見されていない。ポリマー系白色素子としては、発光層となるポリマーに色素をドーピングする方法で、複数の色素を混合して白色を出すことが可能である(非特許文献4参照)が、最高輝度、色純度ともにデスプレイ材料として満足行く物ではなく、さらに高輝度でかつ色純度の良い白色発光素子の実現が望まれているのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−212286号公報
【非特許文献1】
アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
【非特許文献2】
アドバンストマテーリアルズ 2巻、4ページ 1992年
アドバンストマテーリアルズ 9巻、551ページ 1997年
【非特許文献3】
ジャパン・ジャーナル・アプライド・フィジックス,35巻、L、1339ページ、1996年
【非特許文献4】
アプライド・フィジクス・レターズ、64巻、815ページ、1994年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、白色の発光色を持ちながら、発光輝度が高く、長い発光寿命を持つ有機EL素子用発光材料およびそれを用いた有機EL素子の提供にある。本発明者らが鋭意検討した結果、一般式[1]で示される特定の化学構造を有するアミン化合物を発光材料に使用する事により、有機EL素子は白色発光を示し、発光輝度および発光効率が高く、発光寿命も優れていることを見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式[1]で示される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
一般式[1]
【化4】
[式中、Aは下記一般式[2]もしくは一般式[3]を、
Bは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、もしくは窒素原子を含んでもよい非芳香族2〜20員環を表し、
RaおよびRbは水素原子もしくは置換されてもよいアルキル基を、
nは0以上5000以下の整数をそれぞれ示す。]
一般式[2]
【化5】
[式中、R1およびR4は、1価のフェニル基であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R2およびR3は、2価のフェニル基(フェニレン基)であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R1〜R4の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。]
一般式[3]
【化6】
[式中、R6およびR7は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R5およびR8は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R5〜R8の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。]
【0011】
また、本発明は、さらに、共役系高分子を含む上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
【0012】
また、本発明は、発光が、白色である上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
【0013】
また、本発明は、一対の電極間に発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記発光材料を単独もしくは混合物として含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層に、一般式[1]で示されるアミン化合物が新規な有機発光材料として含まれることを特徴とする。
【0015】
本発明における一般式[2]および一般式[3]で示される化合物のR1〜R8で示されるフェニル基に置換されてよいハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素がある。
置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル基等がある。
【0016】
置換もしくは未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等がある。
【0017】
置換もしくは未置換のチオアルコキシ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等がある。
【0018】
モノまたはジ置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(アセトオキシメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。
置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−tert−ブチルフェニキシ基、3−フルオロフェニキシ基等がある。
【0019】
置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、フェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等がある。
【0020】
置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基としては、フェニル基、ビフェニレニル基、トリフェニレニル基、テトラフェニレニル基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、o−,m−およびp−トリル基、キシリル基、o−,m−およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
【0021】
置換もしくは未置換の複素環式芳香族環基としては、チオニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フルフリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、2−メチルピリジル基、3−シアノピリジル基等があるが、上記置換基に具体的に限定されるものではない。
【0022】
置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基としては、フェニル基、ビフェニレニル基、トリフェニレニル基、テトラフェニレニル基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、o−,m−およびp−トリル基、キシリル基、o−,m−およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
【0023】
好ましいR1〜R8の置換基しては、水素原子(この場合は無置換体になる)炭素原子が1〜6個の低級アルキル基、もしくは低級アルコキシ基である。また、隣接した置換基同士で5ないし7員環の酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が含まれてもよい脂肪族、炭素環式芳香族、複素環式芳香族、複素環を形成してもよく、これらの環の任意の位置にさらに置換基を有してもよい。
【0024】
本発明のX、Z、Arの2価の芳香族環残基としては、炭素原子が1〜6個の低級アルキル基、もしくは低級アルコキシ基を置換基として有してもよいフェニル基、ビフェニル基、3,3’−ジメチルビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9,9’−ビフェニル−フルオレニル基、スチルベン基、ピレニル基等がある。また、2価の芳香族環基中の2個以上の芳香族環があるときは、さらに、低級アルキル基、酸素、硫黄等で結合しても良い。
【0025】
本発明のZの2価の脂肪族残基としては、前記置換もしくは未置換のアルキル基で例示したものの2価の残基などが挙げられる。
【0026】
一般式[1]のAで示される置換もしくは未置換のジアミン誘導体の代表例を具体的に表1に例示するが、これらに限定されるものではない。
表1
【0027】
【表1】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
一般式[1]のBで示される酸素原子、硫黄原子、セレン原子、もしくは窒素原子を含んでもよい非芳香族2〜20員環としては、置換基を有してよいシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,4−ジケチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等がある。この代表例を具体的に表2に例示するが、これらに限定されるものではない。
表2
【0036】
【表2】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
一般式[1]のRaおよびRbで示されるアルキル基は、一般式[2]および一般式[3]の説明で例示した置換基で置換されていてもよい。
【0041】
一般式[1]で示されるジフェニルアミン重合体は、例えば、酢酸溶媒中、置換もしくは未置換の脂環式カルボニル化合物に、0.5〜4倍モルの置換もしくは未置換のジフェニルアミン化合物を、メタンスルホン酸等の酸触媒と共に100℃にて30時間脱水反応させることにより、合成することができる。
【0042】
また、本発明で用いられる酸触媒としては、メタンスルホン酸の代わりに、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸の様な有機酸、または、硫酸、塩酸、ルイス酸等も可能である。また、有機溶剤としては、酢酸の他に、1,4−ジオキサン、エーテル、石油エーテル等も可能である。ここで、反応時間を50時間以上にすることにより、分子量1万以上の化合物が多く合成され、逆に2時間以下であると、分子量2000以下となる。
【0043】
本発明の一般式[1]の代表例を表3に具体的に示すが、一般式[1]の化合物は以下の代表例に限定されるものではない。
表3
【0044】
【表3】
【0045】
本発明の発光材料は、同一層中で他の発光材料、正孔もしくは電子輸送性化合物と混合して使用してもさしつかえない。本発明の発光材料は発光性、正孔輸送性に優れているので、正孔輸送性発光材料として極めて有効に使用することができる。
本発明の発光材料は、共役系高分子、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、非共役系の高分子材料等と併用できる。
白色発光をさせるなどの場合には、共役系高分子と混合することも可能である。なお、このときの発光は、エキサイプレックス発光と、一般式[1]の化合物自体の発光とが同時に発光し、白色となっている場合があることが推測される。
【0046】
本発明でいう共役系高分子とは、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合(または、三重結合)が単結合と交互に長く連なった共役系を分子骨格とした共役系高分子である。さらに詳しくは、炭素−炭素の単結合と二重結合が交互に長く連なった脂肪族共役系であるポリアセチレン、芳香族炭化水素が長く結合する事により共役が発達した芳香族共役系であるポリ(パラフェニレン)、ポリ(アルキルフルオレン)誘導体、複素環化合物が結合して共役系が発達した複素環式共役系であるポリピロール、ポリチオフェン、脂肪族または芳香族の共役系をヘテロ原子で結合した含ヘテロ原子共役系であるポリアニリン、上記各種共役系の構成単位が交互に結合した混合型共役系であるポリ(フェニレンビニレン)等が上げられる。
代表例を表4に具体的に示すが、本発明は以下の代表例に限定されるものではない。
表4
【0047】
【表4】
【0048】
【0049】
また、この他に、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレンおよび色素レーザー用や増白用の蛍光色素等があるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の発光材料および共に発光層に使用できる上記の化合物の発光層中での存在比率はどれが主成分であってもよい。つまり、上記の化合物および本発明における化合物のそれぞれの組み合わせにより、本発明における化合物は発光層を形成する主材料にも他の主材料中へのドーピンク材料にも成り得る。
【0051】
発光層には、必要があれば、本発明の発光材料に加えて、さらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもできる。有機EL素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することが出来る。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色の発光を得ることもできる。また、正孔注入帯域、発光層、電子注入帯域は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。その際には、正孔注入帯域の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入帯域の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層もしくは金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
【0052】
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入帯域または電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、およびポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等があるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本発明の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、アリールアミン誘導体、フタロシアニン化合物ないしはトリフェニレン誘導体である。アリールアミン誘導体の具体例としては、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(1−ナフチル)−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N’−ジ(4−n−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−p−トリル−9,10−フェナントレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン、1,1−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン等、もしくはこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマー等があるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入帯域への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの誘導体があるが、これらに限定されるものではない。また、正孔注入材料に電子受容物質を、電子注入材料に電子供与性物質を添加することにより増感させることもできる。
【0055】
本発明の有機EL素子において、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。具体的には、金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)フェノラートガリウム、ビス(o−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾトリアゾリル)フェノラート)亜鉛等があるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明の発光材料は、ガラス転移点や融点が高い為、電界発光時における有機層中、有機層間もしくは、有機層と金属電極間で発生するジュール熱に対する耐性(耐熱性)が向上するので、有機EL素子材料として使用した場合、高い発光輝度を示し、長時間発光させる際にも有利である。
【0057】
本発明の高分子の成膜方法としては、特に限定はなく、例えば粉末状態からの真空蒸着法、溶媒に溶解した後、塗布する方法(例えばスピンコーテング法、キャスチング法、デッピング法、バーコート法、ロールコート法など)などを用いることが出来るが、素子製造工程の簡略化、加工性、大面積化の観点から塗布方式が好ましい。塗布方式で成膜する場合に用いる溶媒としては、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、などの有機ハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、1.4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、酢酸エチル、参観ブチルなどのエステル系溶媒、またはこれらの混合溶媒であっても良い。高分子の構造、分子量によっても異なるが、通常溶媒の0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%溶解した溶液を用いて成膜する。
【0058】
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機薄膜を形成した素子である。一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔、もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有しても良い。しかしながら、本発明の発光材料は、高い正孔輸送能力を併せ持ち、均一な薄膜を形成することができるので、本発明の発光材料のみで発光層を形成することも可能である。多層型は、(陽極/正孔注入帯域/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入帯域/陰極)、(陽極/正孔注入帯域/発光層/電子注入帯域/陰極)の多層構成で積層した有機EL素子がある。
【0059】
有機EL素子の陽極に使用される導電性物質としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが好適であり、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板と称される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。
陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが好適であり、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等およびそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。陽極および陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。
【0060】
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや、平面発光体として、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等へ応用が考えられ、その工業的価値は非常に大きい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。説明中、部は重量部、%は重量%を表す。
化合物(1)の合成方法
酢酸15部中に、シクロヘキサノン15部、4,4−ビス(2,4−ジメチルフェニルフェニルアミノ)ビフェニル24部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて20時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末18部を得た。スチレン換算によるGPC分析により、分子量分析を行った結果、化合物(1)であることを確認した。
この化合物の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示す。
【0062】
化合物(4)の合成方法
酢酸21部中に、4−メチルシクロヘキサノン18部、9,10−ビス(4−n−ブチルフェニルフェニルアミノ)フェナントレン20部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて25時間加熱撹拌した。その後、400部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末15部を得た。スチレン換算によるGPC分析により分子量分析を行った結果、化合物(4)であることを確認した。
【0063】
化合物(10)の合成方法
酢酸30部中に、4−メチルシクロヘキサノン15部、1,5−ビス(3,4−ジメチルフェニルフェニルアミノ)ナフタレン18部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて80時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末7部を得た。スチレン換算によるGPC分析により分子量分析を行った結果、化合物(10)であることを確認した。
【0064】
以下に本発明の発光材料を用いた実施例を示す。本例では、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(1)を2%の濃度でトルエンに溶解分散させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧8Vで、発光輝度20cd/m2、発光効率0.05lm/Wが得られた。
【0065】
実施例2
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物(1)を2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、発光輝度70cd/m2、発光効率0.1lm/Wが得られた。この素子の発光スペクトルを図2にしめす。
【0066】
実施例3
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物(1)に化合物(P−2)で示されるポリアルキルフルオレン誘導体を4:6の割合で混合した2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、発光輝度1500cd/m2、発光効率0.51m/Wが得られた。この素子の発光スペクトルを図3にしめす。
【0067】
実施例4−8
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、表3に示した化合物に化合物(P−2)を4:6の割合で混合した2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、表5に示した発光輝度を得た。
【0068】
表5
【表5】
【0069】
比較例1
発光層に化合物(P−2)のみを使用した実施例2の有機EL素子を作成した。この素子は、直流電圧8Vで発光輝度約30cd/m2発光効率0.03lm/Wが得られた。
この素子の発光スペクトルを図4に示す。
【0070】
本実施例で示された全ての有機EL素子について、連続発光させたところ、1000時間以上初期輝度の50%以上の輝度を観測出来たが、比較例1の素子を同様の条件で連続発光させたところ、10時間で初期感度の50%以下の輝度になり、ダークスポットの数も極めて多くなった。本発明の正孔輸送材料は高分子量化されているので、有機EL素子としての耐熱性が極めて向上している。本発明の全ての化合物のガラス転移温度は、それぞれ140℃以上であり、本発明の発光材料が大きく改良されていることがわかる。
本発明の有機EL素子は発光効率、発光輝度の向上と長寿命化を達成するものであり、併せて使用される発光物質、発光補助材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、増感剤、樹脂、電極材料等および素子作製方法を限定するものではない。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、従来に比べて高発光効率、高輝度であり、長寿命の白色有機EL素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(1)の赤外線吸収スペクトル図
【図2】実施例2の素子の、発光スペクトル図
【図3】実施例3の素子に、発光スペクトル図
【図4】比較例1の素子の、発光スペクトル図
【発明の属する技術分野】
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子用発光材料および高輝度の発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機物質を使用したEL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL素子は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入され、電子が発光層において正孔と再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
【0003】
従来の有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL素子が報告され、関心を集めている(非特許文献1参照)。この方法は、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数1000cd/m2に達している。しかしながら、有機化合物の蒸着操作を伴うEL素子作成は、生産性に問題が有り、製造工程の簡略化、大面積化の観点から、塗布方式の素子作成が望ましい。
【0004】
生産性に有利な塗布方式のEL素子作成で使用されるEL素子の発光材料としては、ポリフェニレンビニレン系ポリマーが知られているが、(非特許文献2参照)、発光部をポリマー主鎖に持つため、発光材料の濃度制御が難しく、色調、発光強度の微妙な制御が難しい等の問題があった。同じく、塗布方式を用いるEL素子として、例えばポリビニルカルバゾール中に、低分子量色素を分散する素子(特許文献1参照)がある。色素種、色素濃度を任意に変更出来るので、色調、発光強度の調整が比較的容易であるが、これらの素子は、ポリマー中に低分子化合物を分散している為、色素凝集、相分離が起こりやすく、均一な発光が得られなく、かつ、発光特性に優れない等の問題があった。
【0005】
白色発光素子は、青や緑の単色の発光素子よりも応用範囲が広い。たとえばモノクロデスプレイでは白色が好まれ、液晶デスプレーのバックライトにも使用出来、そしてカラーフイルターと組み合わせる事によりフルカラーデスプレーにも応用出来る。特に、フルカラーデスプレーには青、赤、緑の発光素子を微細に配置する事が必要であるが、カラーフイルターで白色光をRGBの三原色に分離する技術を利用すると、低コスト化が可能となり、さらには、各種光源、電装、室内照明等への応用も可能となる。
【0006】
白色発光を得るための有機EL素子用発光材料としては、(非特許文献3参照)完全な白色を得る事が難しく、単体材料のみで白色発光する材料は発見されていない。ポリマー系白色素子としては、発光層となるポリマーに色素をドーピングする方法で、複数の色素を混合して白色を出すことが可能である(非特許文献4参照)が、最高輝度、色純度ともにデスプレイ材料として満足行く物ではなく、さらに高輝度でかつ色純度の良い白色発光素子の実現が望まれているのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−212286号公報
【非特許文献1】
アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
【非特許文献2】
アドバンストマテーリアルズ 2巻、4ページ 1992年
アドバンストマテーリアルズ 9巻、551ページ 1997年
【非特許文献3】
ジャパン・ジャーナル・アプライド・フィジックス,35巻、L、1339ページ、1996年
【非特許文献4】
アプライド・フィジクス・レターズ、64巻、815ページ、1994年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、白色の発光色を持ちながら、発光輝度が高く、長い発光寿命を持つ有機EL素子用発光材料およびそれを用いた有機EL素子の提供にある。本発明者らが鋭意検討した結果、一般式[1]で示される特定の化学構造を有するアミン化合物を発光材料に使用する事により、有機EL素子は白色発光を示し、発光輝度および発光効率が高く、発光寿命も優れていることを見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式[1]で示される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
一般式[1]
【化4】
[式中、Aは下記一般式[2]もしくは一般式[3]を、
Bは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、もしくは窒素原子を含んでもよい非芳香族2〜20員環を表し、
RaおよびRbは水素原子もしくは置換されてもよいアルキル基を、
nは0以上5000以下の整数をそれぞれ示す。]
一般式[2]
【化5】
[式中、R1およびR4は、1価のフェニル基であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R2およびR3は、2価のフェニル基(フェニレン基)であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R1〜R4の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。]
一般式[3]
【化6】
[式中、R6およびR7は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R5およびR8は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R5〜R8の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。]
【0011】
また、本発明は、さらに、共役系高分子を含む上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
【0012】
また、本発明は、発光が、白色である上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に関する。
【0013】
また、本発明は、一対の電極間に発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記発光材料を単独もしくは混合物として含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層に、一般式[1]で示されるアミン化合物が新規な有機発光材料として含まれることを特徴とする。
【0015】
本発明における一般式[2]および一般式[3]で示される化合物のR1〜R8で示されるフェニル基に置換されてよいハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素がある。
置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル基等がある。
【0016】
置換もしくは未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等がある。
【0017】
置換もしくは未置換のチオアルコキシ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等がある。
【0018】
モノまたはジ置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(アセトオキシメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。
置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−tert−ブチルフェニキシ基、3−フルオロフェニキシ基等がある。
【0019】
置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、フェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等がある。
【0020】
置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基としては、フェニル基、ビフェニレニル基、トリフェニレニル基、テトラフェニレニル基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、o−,m−およびp−トリル基、キシリル基、o−,m−およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
【0021】
置換もしくは未置換の複素環式芳香族環基としては、チオニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フルフリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、2−メチルピリジル基、3−シアノピリジル基等があるが、上記置換基に具体的に限定されるものではない。
【0022】
置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基としては、フェニル基、ビフェニレニル基、トリフェニレニル基、テトラフェニレニル基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、o−,m−およびp−トリル基、キシリル基、o−,m−およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
【0023】
好ましいR1〜R8の置換基しては、水素原子(この場合は無置換体になる)炭素原子が1〜6個の低級アルキル基、もしくは低級アルコキシ基である。また、隣接した置換基同士で5ないし7員環の酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が含まれてもよい脂肪族、炭素環式芳香族、複素環式芳香族、複素環を形成してもよく、これらの環の任意の位置にさらに置換基を有してもよい。
【0024】
本発明のX、Z、Arの2価の芳香族環残基としては、炭素原子が1〜6個の低級アルキル基、もしくは低級アルコキシ基を置換基として有してもよいフェニル基、ビフェニル基、3,3’−ジメチルビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9,9’−ビフェニル−フルオレニル基、スチルベン基、ピレニル基等がある。また、2価の芳香族環基中の2個以上の芳香族環があるときは、さらに、低級アルキル基、酸素、硫黄等で結合しても良い。
【0025】
本発明のZの2価の脂肪族残基としては、前記置換もしくは未置換のアルキル基で例示したものの2価の残基などが挙げられる。
【0026】
一般式[1]のAで示される置換もしくは未置換のジアミン誘導体の代表例を具体的に表1に例示するが、これらに限定されるものではない。
表1
【0027】
【表1】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
一般式[1]のBで示される酸素原子、硫黄原子、セレン原子、もしくは窒素原子を含んでもよい非芳香族2〜20員環としては、置換基を有してよいシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,4−ジケチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等がある。この代表例を具体的に表2に例示するが、これらに限定されるものではない。
表2
【0036】
【表2】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
一般式[1]のRaおよびRbで示されるアルキル基は、一般式[2]および一般式[3]の説明で例示した置換基で置換されていてもよい。
【0041】
一般式[1]で示されるジフェニルアミン重合体は、例えば、酢酸溶媒中、置換もしくは未置換の脂環式カルボニル化合物に、0.5〜4倍モルの置換もしくは未置換のジフェニルアミン化合物を、メタンスルホン酸等の酸触媒と共に100℃にて30時間脱水反応させることにより、合成することができる。
【0042】
また、本発明で用いられる酸触媒としては、メタンスルホン酸の代わりに、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸の様な有機酸、または、硫酸、塩酸、ルイス酸等も可能である。また、有機溶剤としては、酢酸の他に、1,4−ジオキサン、エーテル、石油エーテル等も可能である。ここで、反応時間を50時間以上にすることにより、分子量1万以上の化合物が多く合成され、逆に2時間以下であると、分子量2000以下となる。
【0043】
本発明の一般式[1]の代表例を表3に具体的に示すが、一般式[1]の化合物は以下の代表例に限定されるものではない。
表3
【0044】
【表3】
【0045】
本発明の発光材料は、同一層中で他の発光材料、正孔もしくは電子輸送性化合物と混合して使用してもさしつかえない。本発明の発光材料は発光性、正孔輸送性に優れているので、正孔輸送性発光材料として極めて有効に使用することができる。
本発明の発光材料は、共役系高分子、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、非共役系の高分子材料等と併用できる。
白色発光をさせるなどの場合には、共役系高分子と混合することも可能である。なお、このときの発光は、エキサイプレックス発光と、一般式[1]の化合物自体の発光とが同時に発光し、白色となっている場合があることが推測される。
【0046】
本発明でいう共役系高分子とは、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合(または、三重結合)が単結合と交互に長く連なった共役系を分子骨格とした共役系高分子である。さらに詳しくは、炭素−炭素の単結合と二重結合が交互に長く連なった脂肪族共役系であるポリアセチレン、芳香族炭化水素が長く結合する事により共役が発達した芳香族共役系であるポリ(パラフェニレン)、ポリ(アルキルフルオレン)誘導体、複素環化合物が結合して共役系が発達した複素環式共役系であるポリピロール、ポリチオフェン、脂肪族または芳香族の共役系をヘテロ原子で結合した含ヘテロ原子共役系であるポリアニリン、上記各種共役系の構成単位が交互に結合した混合型共役系であるポリ(フェニレンビニレン)等が上げられる。
代表例を表4に具体的に示すが、本発明は以下の代表例に限定されるものではない。
表4
【0047】
【表4】
【0048】
【0049】
また、この他に、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレンおよび色素レーザー用や増白用の蛍光色素等があるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の発光材料および共に発光層に使用できる上記の化合物の発光層中での存在比率はどれが主成分であってもよい。つまり、上記の化合物および本発明における化合物のそれぞれの組み合わせにより、本発明における化合物は発光層を形成する主材料にも他の主材料中へのドーピンク材料にも成り得る。
【0051】
発光層には、必要があれば、本発明の発光材料に加えて、さらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもできる。有機EL素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することが出来る。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色の発光を得ることもできる。また、正孔注入帯域、発光層、電子注入帯域は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。その際には、正孔注入帯域の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入帯域の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層もしくは金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
【0052】
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入帯域または電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、およびポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等があるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本発明の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、アリールアミン誘導体、フタロシアニン化合物ないしはトリフェニレン誘導体である。アリールアミン誘導体の具体例としては、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p−トリル)−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(1−ナフチル)−4,4’−ビフェニルジアミン、N,N’−ジ(4−n−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−p−トリル−9,10−フェナントレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン、1,1−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン等、もしくはこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマー等があるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入帯域への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの誘導体があるが、これらに限定されるものではない。また、正孔注入材料に電子受容物質を、電子注入材料に電子供与性物質を添加することにより増感させることもできる。
【0055】
本発明の有機EL素子において、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。具体的には、金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)フェノラートガリウム、ビス(o−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾトリアゾリル)フェノラート)亜鉛等があるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明の発光材料は、ガラス転移点や融点が高い為、電界発光時における有機層中、有機層間もしくは、有機層と金属電極間で発生するジュール熱に対する耐性(耐熱性)が向上するので、有機EL素子材料として使用した場合、高い発光輝度を示し、長時間発光させる際にも有利である。
【0057】
本発明の高分子の成膜方法としては、特に限定はなく、例えば粉末状態からの真空蒸着法、溶媒に溶解した後、塗布する方法(例えばスピンコーテング法、キャスチング法、デッピング法、バーコート法、ロールコート法など)などを用いることが出来るが、素子製造工程の簡略化、加工性、大面積化の観点から塗布方式が好ましい。塗布方式で成膜する場合に用いる溶媒としては、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、などの有機ハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、1.4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、酢酸エチル、参観ブチルなどのエステル系溶媒、またはこれらの混合溶媒であっても良い。高分子の構造、分子量によっても異なるが、通常溶媒の0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%溶解した溶液を用いて成膜する。
【0058】
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機薄膜を形成した素子である。一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔、もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有しても良い。しかしながら、本発明の発光材料は、高い正孔輸送能力を併せ持ち、均一な薄膜を形成することができるので、本発明の発光材料のみで発光層を形成することも可能である。多層型は、(陽極/正孔注入帯域/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入帯域/陰極)、(陽極/正孔注入帯域/発光層/電子注入帯域/陰極)の多層構成で積層した有機EL素子がある。
【0059】
有機EL素子の陽極に使用される導電性物質としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが好適であり、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板と称される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。
陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが好適であり、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等およびそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。陽極および陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。
【0060】
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや、平面発光体として、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等へ応用が考えられ、その工業的価値は非常に大きい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。説明中、部は重量部、%は重量%を表す。
化合物(1)の合成方法
酢酸15部中に、シクロヘキサノン15部、4,4−ビス(2,4−ジメチルフェニルフェニルアミノ)ビフェニル24部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて20時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末18部を得た。スチレン換算によるGPC分析により、分子量分析を行った結果、化合物(1)であることを確認した。
この化合物の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示す。
【0062】
化合物(4)の合成方法
酢酸21部中に、4−メチルシクロヘキサノン18部、9,10−ビス(4−n−ブチルフェニルフェニルアミノ)フェナントレン20部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて25時間加熱撹拌した。その後、400部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末15部を得た。スチレン換算によるGPC分析により分子量分析を行った結果、化合物(4)であることを確認した。
【0063】
化合物(10)の合成方法
酢酸30部中に、4−メチルシクロヘキサノン15部、1,5−ビス(3,4−ジメチルフェニルフェニルアミノ)ナフタレン18部、およびメタンスルホン酸0.5部を入れ、100℃にて80時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない白色の蛍光を有する粉末7部を得た。スチレン換算によるGPC分析により分子量分析を行った結果、化合物(10)であることを確認した。
【0064】
以下に本発明の発光材料を用いた実施例を示す。本例では、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(1)を2%の濃度でトルエンに溶解分散させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧8Vで、発光輝度20cd/m2、発光効率0.05lm/Wが得られた。
【0065】
実施例2
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物(1)を2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、発光輝度70cd/m2、発光効率0.1lm/Wが得られた。この素子の発光スペクトルを図2にしめす。
【0066】
実施例3
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物(1)に化合物(P−2)で示されるポリアルキルフルオレン誘導体を4:6の割合で混合した2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、発光輝度1500cd/m2、発光効率0.51m/Wが得られた。この素子の発光スペクトルを図3にしめす。
【0067】
実施例4−8
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、表3に示した化合物に化合物(P−2)を4:6の割合で混合した2%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子は、直流電圧6Vで、表5に示した発光輝度を得た。
【0068】
表5
【表5】
【0069】
比較例1
発光層に化合物(P−2)のみを使用した実施例2の有機EL素子を作成した。この素子は、直流電圧8Vで発光輝度約30cd/m2発光効率0.03lm/Wが得られた。
この素子の発光スペクトルを図4に示す。
【0070】
本実施例で示された全ての有機EL素子について、連続発光させたところ、1000時間以上初期輝度の50%以上の輝度を観測出来たが、比較例1の素子を同様の条件で連続発光させたところ、10時間で初期感度の50%以下の輝度になり、ダークスポットの数も極めて多くなった。本発明の正孔輸送材料は高分子量化されているので、有機EL素子としての耐熱性が極めて向上している。本発明の全ての化合物のガラス転移温度は、それぞれ140℃以上であり、本発明の発光材料が大きく改良されていることがわかる。
本発明の有機EL素子は発光効率、発光輝度の向上と長寿命化を達成するものであり、併せて使用される発光物質、発光補助材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、増感剤、樹脂、電極材料等および素子作製方法を限定するものではない。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、従来に比べて高発光効率、高輝度であり、長寿命の白色有機EL素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(1)の赤外線吸収スペクトル図
【図2】実施例2の素子の、発光スペクトル図
【図3】実施例3の素子に、発光スペクトル図
【図4】比較例1の素子の、発光スペクトル図
Claims (4)
- 下記一般式[1]で示される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料。
一般式[1]
[式中、Aは下記一般式[2]もしくは一般式[3]を、
Bは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、もしくは窒素原子を含んでもよい非芳香族2〜20員環を表し、
RaおよびRbは水素原子もしくは置換されてもよいアルキル基を、
nは1以上5000以下の整数をそれぞれ示す。]
一般式[2]
[式中、R1およびR4は、1価のフェニル基であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R2およびR3は、2価のフェニル基であって、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R1〜R4の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。]
一般式[3]
[式中、R6およびR7は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい1価のフェニル基を表し、
R5およびR8は、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換ののアルコキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、モノもしくはジ置換アミノ基、水酸基、メルカルト基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基で置換されてもよい2価のフェニル基を表し、
また、R5〜R8の置換基は、隣接した置換基同士で置換もしくは未置換の環を形成しても良い。Xは、2価の芳香族環残基、もしくは−Ar−Z−Ar−
(Arは炭素数6から20の芳香族環残基であり、
Zは、直接結合するか、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはこれらの原子を含んで良い2価の芳香族環残基、もしくは、これら原子を含んで良い2価の脂肪族残基を表す。)
を示す。] - さらに、共役系高分子を含む有機エレクトロルミネッセンス素子の請求項1記載の発光材料。
- 発光が、白色である請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料。
- 一対の電極間に発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が請求項1〜3いずれか記載の発光材料を単独もしくは混合物として含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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