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JP2004115343A - 部分安定化ジルコニア焼結体の製造法 - Google Patents

部分安定化ジルコニア焼結体の製造法 Download PDF

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JP2004115343A JP2002283985A JP2002283985A JP2004115343A JP 2004115343 A JP2004115343 A JP 2004115343A JP 2002283985 A JP2002283985 A JP 2002283985A JP 2002283985 A JP2002283985 A JP 2002283985A JP 2004115343 A JP2004115343 A JP 2004115343A
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Koji Onishi
大西 宏司
Hironori Naka
中 博律
Toshio Kawanami
河波 利夫
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Nikkato Corp
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Abstract

【課題】高靭性かつ耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的性質がより優れた部分安定化ジルコニア粉末の製造法およびその焼結体の製造法の提供。
【解決手段】(1)平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いて、Y/ZrOモル比が2.0/98.0〜4.0/96.0の範囲にあり、かつAlを0.01〜5.0重量%含有するように配合し、湿式で粉砕分散して、平均粒子径0.5μm以下、比表面積6〜25m/gとした後、乾燥することを特徴とする部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
(2)上記(1)の製造法で得られた部分安定化ジルコニア粉末を用い、乾式法または湿式法によって所定の形状に成形した後、1150〜1450℃の温度範囲で焼成することを特徴とする部分安定化ジルコニア焼結体の製造法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械的特性の優れた部分安定化ジルコニア粉末およびその粉末を用いた焼結体の製造法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、Y含有強化ジルコニア(Y−TZP)は、耐食性、耐摩耗性に優れることから粉砕用メディア、機械部品、光通信用フェルール、電子機器部材、軸受、生体材料、刃物など広範囲な分野で利用されている。しかしながら、高強度、高靭性とするためには高密度に焼結する必要があり、その対策として、粒子径を細かくし、かつイットリア粉末を均一にジルコニア粉末に分散させるため、液相法、例えば共沈法、加水分解法、ゾル−ゲル法、熱分解法等の方法により原料粉末を作製することがなされているが、製造コストが高いという問題がある。また、一方で、このY−TZPは応力誘起により正方晶系ジルコニアから単斜晶系ジルコニアへの相変態による高靭性材料であるが、耐摩耗性や耐衝撃性などの機械的特性を向上させるためには結晶粒径を小さくすることが望ましい。しかし、Y−TZPの場合、結晶粒径が小さくなると応力誘起相変態効果が少なくなるため靭性低下が起こり、種々の機械的特性と靭性とは相反する関係がある。
以上のような状況から、高靭性かつ耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的性質のより優れたジルコニア焼結体が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高靭性かつ耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的性質がより優れた部分安定化ジルコニア粉末の製造法およびその焼結体の製造法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、特定の粒度のZrO粉末、Y粉末、Al粉末を特定の割合で調合し、特定の粉体特性を有するように粉砕分散した粉末を用いることにより、高強度、高靭性かつ耐摩耗性、耐衝撃性等の種々の機械的特性に優れた部分安定化ジルコニア粉末の焼結体が得られることを見出し、ここに本発明を完成した。
即ち、本発明は次の1)〜6)に示す通りのものである。
1) 平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いて、Y/ZrOモル比が2.0/98.0〜4.0/96.0の範囲にあり、かつAlを0.01〜5.0重量%含有するように配合し、湿式で粉砕分散して、平均粒子径0.5μm以下、比表面積6〜25m/gとした後、乾燥することを特徴とする部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
2) 平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いて、Y/ZrOモル比が2.0/98.0〜4.0/96.0の範囲にあるジルコニア、イットリア混合粉末中に、50%以下のイットリアが固溶したジルコニアを含有し、かつAlを0.01〜5.0重量%含有するように配合し、湿式で粉砕分散して、平均粒子径0.5μm以下、比表面積6〜25m/gとした後、乾燥することを特徴とする部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
3) 更にSiO原料を、SiOが1.5重量%以下含有されるように配合する1)又は2)記載の部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
4) Y添加量の30モル%以下が希土類酸化物で置換されている1)〜3)の何れかに記載の部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
5) 1)〜4)の何れかの製造法で得られた部分安定化ジルコニア粉末を用い、所定の形状に成形した後、1150〜1450℃の温度範囲で焼成することを特徴とする部分安定化ジルコニア焼結体の製造法。
6) 1150〜1450℃の温度範囲で焼成した後、1150〜1400℃の温度範囲でHIP処理を行うことを特徴とする5)記載の部分安定化ジルコニア焼結体の製造法。
【0005】
以下、上記本発明について詳細に説明する。
本発明の部分安定化ジルコニア粉末および焼結体の製造法は、従来のジルコニア粉末および焼結体の製造法とは異なるものである。
従来のY−ZrO系ジルコニア焼結体の原料は液相法により作製されている。この液相法とは、イットリウム溶液とジルコニウム溶液を用いて、共沈法、加水分解法、ゾル−ゲル法、熱分解法等によりイットリアを固溶させる方法である。この液相法で作成したジルコニア粉末は、各ジルコニア粉末粒子内に固溶しているイットリア量が均一に分布している。
液相法で作製した原料粉末が使用される理由は、現状の技術では、ジルコニア粉末とイットリア粉末との混合物を焼成して焼結体を作製すると、ジルコニア結晶粒子中にイットリアが多く固溶した所とそうでない所とを生じ、全体として不均一性が高くなって、単斜晶系ジルコニアが多く存在することになり好ましくないからである。
即ち、この単斜晶系ジルコニアは、高温下(焼成温度域)では正方晶系ジルコニアになっているが、イットリアが固溶できていないため冷却中に単斜晶系ジルコニアへ変態する。この変態時に多数のクラックが発生し、亀裂を生じるなどの問題が起きる。そこでイットリアを均一にジルコニアに混ぜるため液相法が採用されているのである。
【0006】
これに対し、本発明の製造法では、従来の液相法により作製されたジルコニア原料粉末と異なり、ジルコニアとイットリア原料粉末を粉砕分散させることにより、ジルコニア粉末中にイットリアが分散されており、この粉末を成形して焼成すると、得られた焼結体は、液相法により得られた原料粉末を用いたものに比べて、1個1個のジルコニア結晶粒子中に含有されるイットリア量が不均一になっている点が特徴的である。
そして、このような微構造とすることにより正方晶系ジルコニアの他に単斜晶系ジルコニアを形成させて、高強度、高靭性を実現させ、その結果、耐摩耗性、耐衝撃性等の種々の機械的特性を持たせることができる。
【0007】
この点についてもう少し詳しく説明すると、前述のように、Y−ZrO系において、ジルコニア質焼結体に単斜晶系ジルコニアが含有されていると、その結晶周辺に微細なクラックを生じ、応力が負荷されるとこの微細なクラックを起点として微小破壊が起こり、摩擦、衝撃、圧壊等に対する抵抗性が低下するので好ましくないとされている。
これに対し、本発明の製造法によれば、ジルコニア粉末、イットリア粉末、アルミナ粉末を調合し、粉砕分散した粉末を用いることにより、結晶粒径が微細で、微細組織レベルではイットリアが不均一に分散した焼結体が得られ、このような微細組織を有することにより単斜晶系ジルコニアを含有していても結晶周辺に微細なクラックが生じない。また単斜晶系ジルコニアは焼結体内部に大きな残留応力(圧縮応力)を存在させ、正方晶系ジルコニアは相変態強化に寄与する。更に、大きな残留応力が存在するために相変態強化を一層促進する効果がある。
これら2つの効果により高強度、高靭性を実現させ、その結果、耐摩耗性、耐衝撃性等の種々の機械的特性を持たせることができると考えられる。
【0008】
本発明では平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いることが必要である。下限は特にないが、現実には0.3μm程度である。平均粒子径が10μmを越える場合には焼結性が低下したり、ジルコニア粉末中にイットリア粉末が適切に分散できずに焼結体の結晶相等の制御ができない等の問題が発生するので好ましくない。
更にジルコニア粉末は湿式法により精製された粉末を用いることが望ましい。また、Y/ZrOモル比が所定の範囲にあるジルコニア、イットリア混合粉末の内、50%以下、好ましくは40%以下をイットリアが固溶したジルコニアに置換することができる。置換量が50%を越える場合には、得られた焼結体の1個1個のジルコニア結晶粒子中に含有されるイットリア量の均一性が高くなり、残留応力の低下や機械的特性の低下をきたすので好ましくない。
ジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末の純度は99%以上であることが望ましい。
なお、本発明における平均粒子径は、水に少量の粉末を添加し、分散剤を添加して超音波洗浄機で十分に分散させた後、レーザー回折式の粒度分析装置で分析して得られる値である。
【0009】
ジルコニア粉末とイットリア粉末は、所定のY/ZrOモル比、即ち、2.0/98.0〜4.0/96.0になるように配合する。ジルコニア原料中に少量含有されることのあるハフニアが混入していても良く、このハフニア量を含めたジルコニアとハフニアの合計量をジルコニア量とする。
/ZrOモル比が2.0/98.0未満の場合には焼結体中の単斜晶系ジルコニア量が増加し、焼結体内部にクラックが発生して、機械的特性の低下をきたすので好ましくない。一方、Y/ZrOモル比が4.0/96.0を越えると単斜晶系および正方晶系ジルコニア量が低下し、立方晶系ジルコニアが増加し、機械的特性が低下するので好ましくない。なお、イットリア添加量の30モル%以下までを他の希土類酸化物で置換して用いることができる。このような希土類酸化物としては、CeO、Nd、Yb、Dy等が挙げられる。その添加時期はイットリアの一部に代えて用いるものであるから、イットリア粉末の添加時期と同じである。
【0010】
Alは0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜3.0重量%含有するように加えることが必要である。Alはジルコニア結晶粒界にAl結晶粒子として存在するだけでなく、ジルコニア結晶粒界及び粒界極近傍に偏析している。Alの添加は焼結性の向上による焼成温度の低温化効果があるだけでなく、ジルコニア結晶粒界の強化効果があるので耐衝撃性等の機械的特性の向上に寄与する。Al含有量が0.01重量%未満の場合はAl添加の効果がなく、5.0重量%を越える場合は、ジルコニア結晶粒界にAl結晶粒子が多く存在することになり、機械的性質の低下をきたすので好ましくない。Alは水酸化物、炭化物及び酸化物等の何れの形態で添加しても良い。
【0011】
ジルコニア、イットリア及びアルミナ粉末を配合後、湿式で適切に粉砕分散し、平均粒子径0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下、比表面積6〜25m/g、好ましくは8〜25m/gにした後、乾燥、整粒し成形用粉体とする。平均粒子径が0.5μmを越える場合には、焼結性の低下や十分に焼結しても単斜晶系ジルコニア量が多くなり、焼結体内部にクラックが発生したり、焼結体内部に欠陥が多く存在するため、耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的性質の低下が起こるので好ましくない。また、比表面積が25m/gを越える場合には、成形性が低下し、焼結体内部に欠陥が多く存在したり、異常粒成長が発生したりして、機械的特性の低下を招くので好ましくなく、比表面積が6m/g未満の場合には、焼結性が低下したり、Yのジルコニア結晶粒子への固溶が進みにくくなったりして、機械的特性の低下を招くため好ましくない。
上記原料粉末の混合分散スラリーに、必要に応じて公知のバインダー(ワックスエマルジョン、PVA、アクリル系樹脂等)を加え、スプレードライヤー等の公知の方法で乾燥し、整粒して成形用粉体としてもよい。
【0012】
SiOの添加量は1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下とする。SiOはジルコニア結晶粒界近傍に偏析しており、SiOがジルコニア結晶粒界に存在することにより応力腐食を抑制し、更に、ジルコニア結晶粒界結合を強くする効果があるため、特に負荷がかかった場合の耐水性向上に効果がある。SiOが1.5重量%を越えるとジルコニア結晶粒界に非晶質相及びガラス相が多く形成され、ジルコニア結晶粒界結合を低下させ、応力腐食が進みやすくなるため機械的特性及び耐久性の低下を招くので好ましくない。
SiOの添加は酸化物やゾル等の形態で添加するが、酸化物の場合は平均粒子径が1μm以下、好ましくは0.5μm以下の粉体を使用する。平均粒子径が1μmを越えると、得られたジルコニア結晶粒界にSiO粒子として存在するため、応力腐食が起りやすくなり好ましくない。
【0013】
上記成形用粉体から成形体を得るには、公知の成形方法、例えばプレス成形、ラバープレス成形等を採用すればよいが、水を含有させた有機溶媒、可溶性高分子または水などを成形助剤として湿式または液中にて成形する方法でもよい。
次いで、得られた成形体を1150〜1450℃、好ましくは1200〜1400℃で焼成することによって焼結体を得る。結晶相、結晶粒径等が所定の特性を有する焼結体とするためには、Y/ZrOモル比に応じて適宜、最高焼成温度及び最高焼成温度での保持時間を選択することが重要である。最高焼成温度の保持時間は、0.5〜4時間、好ましくは0.5〜2時間とするが、最高焼成温度を高くする場合は保持時間を短くし、最高焼成温度を低くする場合は保持時間を長くする必要がある。
【0014】
更に必要に応じてHIP(Hot isostatic press)処理を施すことにより摩擦、衝撃、圧壊等に対する抵抗性を高くすることができ、機械的特性の向上が可能となる。HIP処理としては、常圧焼結後、ArやNなどの不活性雰囲気またはO雰囲気下で1150〜1400℃で行うことが好ましい。O雰囲気下でのHIPはArなどの不活性ガス中にOが20体積%以下、好ましくは15体積%以下含まれる条件で行うことが好ましい。
HIP処理温度が1150℃未満の場合には、HIP処理効果がなく、HIP処理温度が1400℃を越えると、ジルコニア結晶粒子が大きくなり、強度や靭性等の低下により耐磨耗性、耐衝撃性等の低下をきたすので好ましくない。
【0015】
得られた焼結体は主として正方晶系と単斜晶系ジルコニアからなるジルコニア質焼結体であって、単斜晶系ジルコニア量が3〜20容積%、平均結晶粒径が0.3μm以下、焼結体の相対密度が94%以上であり、焼結体を鏡面仕上げした表面の残留応力が50MPa以上である部分安定化ジルコニア焼結体となる。
単斜晶系ジルコニアの含有量は3〜20容積%、好ましくは3〜15容積%である。単斜晶系ジルコニアが3容積%未満の場合は、焼結体内部に存在する残留応力が小さくなり、靭性向上の低下をきたすので好ましくない。一方、単斜晶系ジルコニアが20容積%を越える場合には結晶周辺にマイクロクラックが発生しやすくなり、強度、靭性等の低下および耐摩耗性、耐衝撃性等の低下をきたすので好ましくない。
【0016】
なお、ジルコニアの結晶相である単斜晶系ジルコニア(M)の存在の有無及び含有量、正方晶系ジルコニア(T)及び立方晶系ジルコニア(C)の量については以下の方法でX線回折により求める。
即ち、焼結体及び加工した焼結体の表面は応力誘起相変態により正方晶系ジルコニアから単斜晶系ジルコニアに変態しており、真の結晶相を同定することができないので、焼結体断面を鏡面になるまで表面変態層が残らないように研磨する。研磨手段としては、320メッシュ以下の細かいダイヤモンド砥石で30μm以上研磨除去し、次いで6μmのダイヤモンドペーストを用いて10μm以上研磨除去し、その後、3μmのダイヤモンドペーストで10μm以上研磨仕上げする。得られた鏡面をX線回折により、回折角27〜34度の範囲で測定し、単斜晶系ジルコニアの有無及び含有量を次に示した式から求める。
【数1】
Figure 2004115343
【0017】
また、正方晶系ジルコニア及び立方晶系ジルコニアは、単斜晶系ジルコニアの有無を確認した場合と同様にして、X線回折により、回折角70〜77度の範囲で測定し、次に示した式から求める。
【数2】
Figure 2004115343
なお、本発明の製造法で得られる部分安定化ジルコニア焼結体において、上記X線回折から求められる立方晶系ジルコニアの許容量は20容積%まで、より好ましくは10容積%までである。
【0018】
焼結体の平均結晶粒径は0.3μm以下、好ましくは0.25μm以下とする。下限は0.1μm弱程度である。平均結晶粒径を0.3μm以下とすることにより単斜晶系ジルコニアが存在していてもマイクロクラックの発生がなく、焼結体内部に高い残留応力を存在させることができ、高強度及び高靭性であり、耐摩耗性、耐衝撃性等の種々の機械的特性に優れたものとすることができる。
平均結晶粒径が0.3μmを越えると結晶周辺にマイクロクラックが発生しやすくなり、強度や靭性等の低下により耐摩耗性、耐衝撃性等の低下をきたすので好ましくない。
なお、平均結晶粒径は、前述したX線回折で結晶相を測定した場合と同様にして焼結体表面を鏡面になるまで研磨し、次いで、熱エッチングまたは化学エッチングを施した後、走査電子顕微鏡で1視野に100個以上の結晶粒径が観察できる倍率で観察し、インターセプト法により10点測定した平均値として得る。
算出式は次に示す通りである。
【数3】
D=1.5×L/n
D:平均結晶粒径(μm)
n:測定長さL当たりの結晶粒子数
L:測定長さ(μm)
【0019】
焼結体表面を鏡面に仕上げた表面の残留応力は、50MPa以上、好ましくは75MPa以上である。残留応力が50MPa未満の場合は靭性の低下が起り、それに伴って耐摩耗性、耐衝撃性等の種々の機械的性質の低下をきたすので好ましくない。残留応力の上限はほぼ250MPaである。
なお、残留応力の測定はX線回折法により行う。測定条件は、測定角度:150〜157°、X線源:CrKα線(30kV、20mA)、測定面積:φ4mm、測定時間:1分で行い、解析条件は、スムージング11点、半値幅中心法、応力定数329.81MPaを用いて行う。焼結体表面は前述した結晶相を測定する場合と同様の方法により研磨仕上げする。
焼結体の相対密度は94%以上、より好ましくは97%以上である。相対密度が94%未満の場合は、耐摩耗性および機械的性質の低下をきたすので好ましくない。相対密度の理論上の上限は100%であるが、現実の上限は99%程度である。
なお、本発明における相対密度は、単斜晶系ジルコニアの理論密度を5.6g/cm、正方晶系ジルコニア及び立方晶系ジルコニアの理論密度を6.1g/cmとして下式により算出する。
【数4】
Figure 2004115343
上記式中、Aは単斜晶系ジルコニアの含有量(容積%)、Bは正方晶系ジルコニアの含有量(容積%)、Cは立方晶系ジルコニアの含有量(容積%)である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0021】
実施例1
平均粒子径が6μm、比表面積が10m/gからなるジルコニア粉末および平均粒子径が3μm、比表面積が11m/gからなるイットリア粉末を用い、所定のY/ZrOモル比になるように配合し、更に平均粒子径が0.5μm、比表面積が8m/gのアルミナを所定量添加した。
実施例試料No.3はSiOを0.01重量%含有するが、SiO以外の原料粉末中には、通常、不純物としてSiOを0.01重量%程度含んでいるので、この実施例がSiO原料を配合しない場合に相当する。
また、SiO原料を配合する場合は、焼結体中に所定量のSiO量になるように、エチルシリケートを添加し、湿式で粉砕分散した。
実施例試料No.7はY添加量の20モル%をCeOで置換した。
なお、比較例試料No.6は、平均粒子径15μm、比表面積が3m/gからなるジルコニア粉末と平均粒子径が13μm、比表面積が4m/gからなるイットリア粉末を用いた。
置換粉末であるイットリアが固溶したジルコニア粉末としては、加水分解法により作製した粉末を用い、実施例試料No.8は46%、比較例試料No.7は70%置換した。
上記のようにして得られた原料粉末の混合分散スラリーを乾燥、整粒し、成形用粉体とした。この成形用粉体をCIP 1tonf/cm成形し、1150〜1550℃(実施例は1250〜1390℃)で1時間焼成して、50×50×5mmの焼結体を得た。なお、実施例試料No.4は、1350で1時間保持の条件でHIP処理した。
得られた焼結体を切断・研削加工してJIS 1601に準拠した3点曲げ強さの測定を行った。破壊靭性の測定はJIS 1607(SEPB法)に準拠して測定を行ったが、プレクラックの変わりにVノッチ(深さ1.5mm、ノッチ先端半径10μm)を導入して行った。
これらの試料の特性を表1及び表2に示す。
なお、表1中の比較例試料No.3は、請求項1の発明の比較例という意味ではなく、請求項5の発明の焼成温度(表2の1550℃)に関する比較例である。
【0022】
【表1】
Figure 2004115343
【0023】
【表2】
Figure 2004115343
【0024】
【発明の効果】
本発明の部分安定化ジルコニア焼結体は、高靭性かつ耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的性質がより優れたものであるため、粉砕機用部材、産業用耐摩耗性構造材のみならず、生体材料、光ファイバー用コネクター等の電子及び通信機器部品などの現在のY−TZP向けの用途などに対して広く利用できる。

Claims (6)

  1. 平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いて、Y/ZrOモル比が2.0/98.0〜4.0/96.0の範囲にあり、かつAlを0.01〜5.0重量%含有するように配合し、湿式で粉砕分散して、平均粒子径0.5μm以下、比表面積6〜25m/gとした後、乾燥することを特徴とする部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
  2. 平均粒子径が10μm以下のジルコニア、イットリアおよびアルミナ粉末を用いて、Y/ZrOモル比が2.0/98.0〜4.0/96.0の範囲にあるジルコニア、イットリア混合粉末中に、50%以下のイットリアが固溶したジルコニアを含有し、かつAlを0.01〜5.0重量%含有するように配合し、湿式で粉砕分散して、平均粒子径0.5μm以下、比表面積6〜25m/gとした後、乾燥することを特徴とする部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
  3. 更にSiO原料を、SiOが1.5重量%以下含有されるように配合する請求項1又は2記載の部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
  4. 添加量の30モル%以下が希土類酸化物で置換されている請求項1〜3の何れかに記載の部分安定化ジルコニア粉末の製造法。
  5. 請求項1〜4の何れかの製造法で得られた部分安定化ジルコニア粉末を用い、所定の形状に成形した後、1150〜1450℃の温度範囲で焼成することを特徴とする部分安定化ジルコニア焼結体の製造法。
  6. 1150〜1450℃の温度範囲で焼成した後、1150〜1400℃の温度範囲でHIP処理を行うことを特徴とする請求項5記載の部分安定化ジルコニア焼結体の製造法。
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