JP2004111012A - 光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長変動,波長ばらつきに伴う色収差劣化の小さい大容量の青色系、DVD系の2世代、またはCD系を含む3世代互換で、煩雑化や部品点数増加のない光ピックアップを実現する。
【解決手段】光ピックアップは、液晶などの電気光学素子を用い同心円状に分割の透明電極と共通電極との間で印加電圧を制御し液晶の屈折率を変化させ透過光を制御する位相補正手段105を共用して、光源の中心波長のばらつき,温度変動に伴う波長変動による色収差を補正できる。さらに、1群2枚貼り合わせ型の対物レンズ108を備え、発光出力変動に伴う波長変動,マルチモード発光に伴う波長分布による色収差を抑える。また、青色波長帯域の半導体レーザー101、赤色波長帯域のホログラムユニット201、赤外波長帯域のホログラムユニット30の各光源に応じて入射光束径を切り換える開口切換手段107により複数世代互換ができる。
【選択図】 図5
【解決手段】光ピックアップは、液晶などの電気光学素子を用い同心円状に分割の透明電極と共通電極との間で印加電圧を制御し液晶の屈折率を変化させ透過光を制御する位相補正手段105を共用して、光源の中心波長のばらつき,温度変動に伴う波長変動による色収差を補正できる。さらに、1群2枚貼り合わせ型の対物レンズ108を備え、発光出力変動に伴う波長変動,マルチモード発光に伴う波長分布による色収差を抑える。また、青色波長帯域の半導体レーザー101、赤色波長帯域のホログラムユニット201、赤外波長帯域のホログラムユニット30の各光源に応じて入射光束径を切り換える開口切換手段107により複数世代互換ができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップにおいて、特に、色収差を補正する手段を備えた光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD系、記録容量4.7GBのDVD系などの光記録媒体が普及している。そして、近年、さらなる記録密度の向上及び大容量化の要求が強くなっている。このような光記録媒体の記録密度を上げる手段としては、光記録媒体に情報の書き込み、または読み出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、または、光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって、光記録媒体上に集光,形成されるビームスポットの小径化が有効である。
【0003】
例えば、「CD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nmとされているのに対して、「CD系光記録媒体」よりも高記録密度化がなされた「DVD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.65(より詳細には0.59〜0.66の範囲を仕様とする)、光源の波長が660nmとされている。そして、光記録媒体は、前述したように、さらなる記録密度の向上及び大容量化が望まれており、そのためには、対物レンズのNAを0.60よりもさらに大きく、または、光源の波長を660nmよりもさらに短くすることが望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3108695号公報
【特許文献2】
特開平9−318873号公報
【特許文献3】
特開2001−337269号公報
【特許文献4】
特開2001−319368号公報
【特許文献5】
特開平7−311337号公報
【特許文献6】
特開平8−62496号公報
【特許文献7】
特開平9−311271号公報
【特許文献8】
特開2001−13406号公報
【非特許文献1】
(社)応用物理学会 日本光学会 光設計研究グループ 監修「回折光学素子入門」オプトロニクス社、平成9年5月20日発行、p.20−21
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような短波長半導体レーザーを用いたシステムは、波長変動により対物レンズで生じる色収差が許容できないという課題がある。この短波長で色収差が大となることについては2つの原因が考えられる。第1の原因は、一般の対物レンズは短い波長を取り扱う場合、微小な波長の変動に対して屈折率の変化が大となり、焦点の移動量であるデフォーカス量が大となることである。第2の原因は、光記録媒体のさらなる高密度化、大容量化とともに対物レンズで収束される収束スポットの径を極力小とする必要があるが、対物レンズの焦点深度dは(数1)で表されるように、取り扱う波長が短いほど焦点深度dが小となり、僅かなデフォーカスさえも許されないことである。
【0006】
【数1】
d=λ/(NA)2
ただし、λは光源の波長、NAは対物レンズの開口数
前述のような色収差を発生させる主な要因として、以下の4点が挙げられる。
▲1▼ 光源の中心波長のばらつき
▲2▼ 温度変動に伴う光源の波長変動
▲3▼ 記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動
▲4▼ マルチモード発光に伴う波長分布
以上の各項目について、説明する。
▲1▼ 光源の中心波長は、一般に製造ロット間で±10nm程度ばらつきを有する。これは活性層の組成比のばらつきによるものである。
▲2▼ また光源の発振波長は、温度変動によっても変化する。温度が上がるとバンド間エネルギーが小さくなることに伴い長波長側へシフトする。GaN(ガリウム窒素)系の青色波長帯域の半導体レーザーでは0.05nm/℃程度の温度依存性を有する。
▲3▼ 光源の発振波長は、発光出力によっても変化する。発光出力の小さい再生パワー・消去パワーから、発光出力の大きい記録パワーへ変化すると、GaN系の青色波長帯域の半導体レーザーでは、波長が0.5nm程度変動する。
▲4▼ また、光ピックアップでは、光源光をマルチモード化して波長(スペクトラム)に拡がりを持たせて、低ノイズ化する手法が利用されているが、このような波長分布も色収差の原因である。GaN系の青色波長帯域の半導体レーザーを数百MHzで変調させた場合、0.8nm程度の波長分布を持つ。
【0007】
以上▲1▼〜▲4▼の色収差の要因は、対物レンズを光軸方向に調整するフォーカスサーボの追従性から大きく2つに分けられる。すなわち、フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)波長ばらつき・波長変動である▲1▼及び▲2▼、そして、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼及び▲4▼である。後者のフォーカスサーボが追いつかない色収差が存在すると、フォーカスサーボが応答して、ディスクが波長に応じた焦点位置へくるまでの間、デフォーカスが生じて書き込み不良、再生不良、トラッキング不良等の不具合が生じる。
【0008】
このような色収差に対する対策として、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズを貼り合わせたレンズ群を対物レンズの前段に配置する構成、あるいは特許文献4に記載されているような回折素子を対物レンズの前段に配置する構成がある。しかしながら、このような補正素子を配置することは、ピックアップの重量増加、部品点数増加に伴う組付煩雑化・コストアップなどの課題がある。
【0009】
このような課題に対して、対物レンズ自体で色収差を補償する構成が提案されている。例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7に開示されているような単レンズ構成の対物レンズの片側に回折面を成形させる方法と、特許文献8(図35参照)に開示されているような1群2枚貼り合わせ型の対物レンズを用いる方法がある。
【0010】
しかしながら、前者の回折面を設けたレンズは光記録媒体へ向かう透過率が1割程度ロスする課題がある。また、後者の1群2枚貼り合わせレンズは、色収差補正効果はあるものの、発明者らによる実施例の計算によれば、レンズ重量が300mgと非常に重く、アクチュエータへ搭載するためには、搭載する光学部品の重量が150mg以下程度である必要があり不可能である。また、特許文献8のレンズ重量を軽減する方法として、レンズ有効径そのものを小さくする方法が考えられるが、実際には、レンズの偏芯などの変動に弱くなること、対物レンズと光記録媒体の間隔であるワーキングディスタンスが小さくなってしまうなどの副作用があることから、有効径は3.5mm〜4.5mm程度であることが望ましく、重量を軽減する手段にはならない。
【0011】
以上に述べた、前記の色収差を発生させる▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動、▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動、▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布の主な要因による光ピックアップの色収差を抑制し、光記録媒体上に最良の盤面スポットを確保することを課題とし、さらに、色収差の補正手段として、光ピックアップ上への部品点数を増加させず、光利用効率を十分に確保し、アクチュエータ性能を劣化させることのないことが課題として挙げられる。
【0012】
また、前述のような機能を実現するにあたり、光ピックアップの大型化、高コスト化を招くことなく、すなわち、各機能の集約、小型化が他の課題として挙げられる。
【0013】
さらには、前述した高NA化・短波長化による新規格が近年実現する一方、利用者の手元には、従来の光記録媒体であるCD、DVDが存在する。これらの光記録媒体と前述の新規格による光記録媒体を共に同一の光情報処理装置で取り扱えることが望ましい。これを実現する最も簡単な方法としては、従来の光ピックアップと、新規格による光ピックアップを搭載する方法がある。
【0014】
しかしながら、この方法では、小型化、低コスト化を達成することは難しく、これら青色波長帯域を用いた大容量世代と、既存のDVD、あるいはCD世代との互換を行う必要があり、従来の光記録媒体との互換性が課題として挙げられる。
【0015】
本発明は、前記従来技術の課題を解決することに指向するものであり、波長変動,波長ばらつきに伴う収差劣化の小さい大容量の光情報処理装置、及びこの光ピックアップを実現するとともに、青色系、DVD系の2世代、あるいは、青色系、DVD系、CD系の3世代互換を可能とし、かつ煩雑化することなく、さらに部品点数を増加させることなく実現する光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の光ピックアップは、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、記録、再生時における光源の出力変動に伴う波長変動、または雑音低減のため光源の波長に拡がりを持たせるマルチモード発光に伴う波長分布に起因して発生する色収差を補正する第1の色収差補正手段と、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う光源の波長変動に起因して発生する色収差を補正する第2の色収差補正手段とを備えた構成によって、第1の色収差補正手段と、第2の色収差補正手段により2種類の機能別に分配して色収差を補正でき、各手段の性能確保が容易にできる。
【0017】
また、請求項2に記載の光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、第1の色収差補正手段を、1群2枚の貼り合わせ型の対物レンズとした構成によって、光源の出力変動に伴う波長変動、またはマルチモード発光に伴う波長分布に起因し発生の色収差を補正でき、また、第2の色収差補正手段によって色収差を補正するため、軽量な対物レンズができる。
【0018】
また、請求項3,4に記載の光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、第2の色収差補正手段を、対物レンズと光源の間に配置し、光束が透過または反射する際に、光学波面に対して同心円状に異なる位相を付加する補正素子としたこと、または、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる補正素子とした構成によって、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う波長変動に起因して発生の色収差を補正できる。
【0019】
さらに、請求項5〜8に記載の光ピックアップは、請求項3,4の光ピックアップにおいて、光記録媒体の基板厚変動を検知する基板厚誤差検知手段を備え、この基板厚誤差検知手段からの出力値に応じて、また2層以上の情報記録面を有する多層光記録媒体の情報記録面間距離を検知する情報記録面間距離検知手段を備え、この情報記録面間距離検知手段からの出力値に応じて、また使用波長または使用開口数の異なる複数種類の光記録媒体における種類を判別する光記録媒体判別手段を備え、この光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、第2の色収差補正手段の補正素子による位相状態、または発散状態を変化させること、さらに、基板厚誤差検知手段、または情報記録面間距離検知手段、または光記録媒体判別手段を、光記録媒体の情報記録面上で発生する波面収差量を検知する波面収差検知手段とした構成によって、専用の補正手段を設けることなく、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う波長変動に起因して発生の色収差を補正することができる。
【0020】
また、請求項9に記載の光ピックアップは、請求項1〜8の光ピックアップにおいて、対物レンズへの入射光束径を切り換える開口切換手段を備え、開口切換手段が、光源の波長帯域に応じて、反射,回折,吸収のいずれかにより入射光束径の開口を切り換える構成によって、色収差を補正して青色系記録媒体とDVD系記録媒体,CD系記録媒体との互換性を得ることができる。
【0021】
また、請求項10に記載の光ピックアップは、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、各々波長の異なる複数の光源(波長:λ1,λ2,…λi(λ1<λ2<…<λi))と、光記録媒体に光源からの出射光を集光させる対物レンズと、各光源と対物レンズ間の光路を合成する光路合成手段とを備えた光ピックアップにおいて、波長λ1の光源と光路合成手段との間に配置され、対物レンズと逆特性の色収差を有する回折素子を備えた構成によって、波長λ1の光源において高効率の光学系を構築し、光記録媒体の高速記録/再生することができる。
【0022】
また、請求項11に記載の光ピックアップは、請求項10の光ピックアップにおいて、回折素子が、光源の波長λ1で最適化されてなる構成によって、波長λ1の光源を用いる光源において高効率の光学系を構築し、さらに光記録媒体の高速記録/再生することができる。
【0023】
また、請求項12に記載の光ピックアップは、請求項10,11の光ピックアップにおいて、回折素子が、光源と対物レンズ間に光路を構成する他の光学部品と一体化されてなる構成によって、小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0024】
また、請求項13,14に記載の光ピックアップは、請求項12の光ピックアップにおいて、他の光学部品が、樹脂層または液晶層を1対のガラス基板または樹脂基板で挟み込んだ素子からなり、1対のガラス基板または樹脂基板の少なくとも一方の面に回折面が形成されてなること、さらに、ガラス基板の内側に液晶層を挟持し、かつ1対の電極層を有する液晶素子である構成によって、小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0025】
また、請求項15に記載の光ピックアップは、請求項10,11の光ピックアップにおいて、回折素子が、ガラス基板または樹脂基板の両面に回折面が形成されてなる構成によって、さらに小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0026】
また、請求項16〜18に記載の光ピックアップは、請求項15に光ピックアップにおいて、回折素子が、一方の面を対物レンズと逆特性の色収差を有する色収差補正面とし、他方の面を光源からの出射光を3つ以上に分離するグレーティング面としたこと、または、他方の面を光記録媒体からの戻り光を偏向させるホログラム面としたこと、または、他方の面を光源からの出射光のビーム径を拡大あるいは縮小させるビーム整形面とした構成によって、組付簡素化、素子構成の簡略化及び光学系を小型化することができる。
【0027】
また、請求項19に記載の光情報処理装置は、請求項1〜18のいずれか1項記載の光ピックアップを用いて、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことができる。
【0028】
また、請求項20に記載の光情報処理装置は、請求項19の光情報処理装置において、光記録媒体に対して、青色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.86により、または赤色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.66により、または赤外波長帯域の光源光、開口数0.45〜0.55により情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態1の実施例1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。本実施例1における光ピックアップの要部は、図1に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112から構成されている。
【0031】
光ピックアップにおける光学系の動作は、波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光が、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0032】
光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0033】
図2は本実施の形態1の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図で、前記実施の形態1の実施例1とは、位相補正手段105に代えてエキスパンダ113を使用した点が異なり、その他の構成は実施例1と同じである。
【0034】
図3は本実施の形態1の実施例3における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0035】
また、本実施例3における光ピックアップの要部は、図3に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される青色波長帯域の光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108から構成される赤色波長帯域の光が通過するDVD系光学系から構成されている。
【0036】
すなわち、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108は2つの光学系の共通部品である。さらに、対物レンズ108は、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」で最良の波面を形成するように設計されている。
【0037】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107を経て対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0038】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。近年、DVD系のピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられるようになっている。図4に示すように、ホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成される。
【0039】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、青色波長帯域の光は透過し赤色波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107を経て対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。こうして形成されたスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0040】
また、光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0041】
図5は本実施の形態1の実施例4における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0042】
本実施例4における光ピックアップの要部は、図5に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される青色波長帯域の光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される赤色波長帯域の光が通過するDVD系光学系と、ホログラムユニット301、コリメートレンズ302、ダイクロイックプリズム303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される赤外波長帯域の光が通過するCD系光学系から構成されている。
【0043】
すなわち、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108は2ないし3つの光学系の共通部品である。また実施の形態1の実施例3と同様に、対物レンズ108は、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」で最良の波面を形成するように設計されている。
【0044】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203,303を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0045】
光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0046】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系のピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられていることは前述と同様であり、図5に示すホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成されている。
【0047】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、青色波長帯域の光は透過し赤色波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0048】
光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0049】
引き続き、「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系と同様にCD系のピックアップも受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられる。図5に示すホログラムユニット301は、半導体レーザー301a、ホログラム301b及び受光素子301cを一体化して構成される。
【0050】
このホログラムユニット301の半導体レーザー301aから出射された780nmの光は、ホログラム301bを透過し、コリメートレンズ302で平行光とされ、青色と赤色波長帯域の光は透過し赤外波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム303によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口切換手段107でNA0.50に制限され、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0051】
光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム303で反射され、コリメートレンズ302で収束光とされ、受光素子301c方向に回折されて受光素子301cに受光される。受光素子301cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0052】
本実施の形態1においては、光ピックアップを示す各図の対物レンズ108として、1群2枚貼り合わせ型対物レンズを用いている。以下に、本実施の形態1で用いている1群2枚対物レンズの具体例を、アパーチュア、光ピックアップ用対物レンズ、光照射側基板の配置状態を示す図6を用いて説明する。
【0053】
図6において、108aはアパーチュア、108は対物レンズ、109aは光記録媒体の光照射側基板(厚さ:0.6mm)を表すものとする。光源側(図6の左側)からの光束は「平行光束」としてアパーチュア108aの開口(有効径:3.9mm)を通過し、光ピックアップ用対物レンズ108に入射し、対物レンズ108により集光光束とされ、光記録媒体の光照射側基板109aを透過して記録面(光照射側基板109aの右側面)に合致し光スポットを形成する。
【0054】
ここで、対物レンズ108を、開口数をNA、焦点距離をf、レンズ材質のd線に対する屈折率及びアッベ数をnd及びνdで表し、また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の座標:X、光軸直交方向の座標:Y、近軸曲率半径:R、円錐定数:K、高次の係数:A,B,C,D,E,F,…を用いて、周知の非球面式を(数2)で表し、R,K,A,B,C,D,・・を与えて形状を特定する。
【0055】
【数2】
X=(Y2/R)/[1+√{1−(1+K)Y/R2}+AY4+BY6+CY8+DY10+EY12+FY14+GY16+HY18+JY20+・・
この対物レンズ108においては、使用波長:407nmであり、NA:0.65,f:3.0mm,nd=1.69350,νd=53.2とnd=1.92286,νd=20.9の2種類の硝材から構成される。
【0056】
具体的データを(表1)に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
また、表中の記号は、以下のとおりである。
【0059】
OBJは物点(光源としての半導体レーザー)を意味するが、対物レンズ108は無限系であり、曲率半径:RDY及び厚さ:THIのINFINITY(無限大)は光源が無限遠にあることを意味する。また、STOはアパーチュア108aの面であり、その曲率半径はINFINITYで、厚さは設計上「0」としている。また、特に断らない限り、長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
【0060】
S1は対物レンズ108の光源側面、S2は2枚のレンズの貼り合わせ面、S3は光記録媒体側面を意味する。S1〜S3の間隔、すなわち、レンズの肉厚は2.193247mmであり、S3の欄の曲率半径の右側に記載された厚さ:1.438349mmはワーキングディスタンスを示す。
【0061】
S4は光記録媒体109aの光照射側基板の光源側面、IMGは同記録面に合致した面であり、これらの面S4,IMGの間隔、すなわち、光照射側基板厚は0.6mm、nd=1.516330、νd=64.1である。EPD:入射瞳径はアパーチュア108aの開口の有効径(3.9mm)を表し、WL:波長は使用波長(407nm)を表す。
【0062】
なお、非球面係数の表示において、例えば、「D:0.278221E−05」とあるのは、「D=0.278221×10−5」を意味する。他の表示においても同様である。また、1群2枚の貼り合わせ型対物レンズは、第1面を非球面とし、光記録媒体に対向する第3面を非球面または球面または平面とし、貼り合わせ面である第2面を球面とする構成が生産上、望ましい構成である。
【0063】
ここで、図7(a)に示す単玉対物レンズ108’において、以下の特性を有し、使用波長が中心波長の407nmから変化したときの収差劣化を図7(b),(c)に示す。
【0064】
入射光束径 : 3.9mm
硝種 : BaCD5(HOYA社製)
光記録媒体基板厚: 0.6mm
図7(b)は各波長でベストフォーカス位置となる位置での波面収差を示す図であり、図7(c)は波長407nmでのベストフォーカス位置に固定(デフォーカス調整しない場合)したときの波面収差を示す図である。すなわち、フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)▲1▼光源の発振波長のばらつき、及び▲2▼温度変動に伴う発振波長の変化に伴う収差劣化の様子は、図7(b)よりわかる。そしてフォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動、及び▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布の様子は図7(c)よりわかる。
【0065】
前記フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)▲1▼波長ばらつき,▲2▼波長変動は、前述のとおり±10nm程度見込む必要がある。また、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼波長変動,▲4▼波長分布は、マージンも含めると±1nm程度見込む必要がある。
【0066】
これに対して、波面収差の目標値は、これらの波長変化を、一般に無収差と見なせる収差の限界値である、マレシャルの基準値0.07λ以下に抑える必要がある。すなわち、任意に設定した中心波長の±10nmの範囲でフォーカス調整後の波面収差が0.07λ以下という第1の条件と、任意に設定した中心波長の±1nmの範囲で波面収差が0.07λ以下という第2の条件を満足する必要がある。
【0067】
すなわち、図7(a)に示す単玉対物レンズ108’では、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼波長変動、▲4▼波長分布が目標値0.07λを満足できていないため、スポットぼけが生じ、結果信号の記録/再生特性が劣化してしまう。
【0068】
また、図8は、波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図である。光軸中心に対称な偶数次の形状となっている。このような光軸中心に対称な収差を補正する具体的な手段について説明する。補正手段としては大きく2種類ある。対物レンズ入射光に同心円状の位相を与える方法と、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる方法である。
【0069】
まず、対物レンズ入射光に同心円状の位相を与える方法について説明する。対物レンズ入射光に、同心円状に位相を与えることは、同心円状に波面の位相を進退できるため、光学系全体で発生する光軸中心に対称な収差と逆極性の収差を与えることが可能となる。例えば、発生する収差が、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図9(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズに光源側から入射する光束に、図9(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられると、補正手段を透過する光束の各部での波面の遅れによって、この収差を打ち消すことができる。図9(b)は、図9(a)における実線(波面収差)と破線(収差補正手段による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図9(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0070】
また、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる収差補正手段を用いてもよい。対物レンズ入射光の発散状態を変化させることは、光軸中心に対称な収差を発生させることと等価であるため、光学系全体で発生する光軸中心に対称な収差と、逆極性の収差を発生させることが可能となる。例えば、発生する光軸中心に対称な収差が、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図10(a)である。このような波面収差に対し、対物レンズへの入射光の発散状態を変化させると、図10(b)のような波面収差が補正後の波面収差として得られる。これにより、もとの波面収差よりも格段に小さくなる。
【0071】
これらの手段を利用することにより、フォーカスサーボが追いつく▲1▼波長ばらつき,▲2▼波長変動に起因した波面劣化を補正することは可能である。
【0072】
一方、フォーカスサーボが追いつかない▲3▼波長変動、▲4▼波長分布に起因した波面劣化を補正する手段としては、特許文献8に開示されているようなアッベ数の異なる凸レンズと凹レンズの貼り合わせレンズを用いればよい。
【0073】
図11は、中心波長407nmでのベストフォーカス位置に固定された場合の波長変動と波面収差の関係を示す図である。図11における破線はNA0.65、有効径3.9mmの単玉対物レンズ108’(図7(a)参照)における図7(b)に示す波面収差と同じ関係に相当し、実線は本実施の形態1の同劣化量を示す。単玉対物レンズ108’に比べ、±1nm程度の波長変動があっても波面劣化は0.07λ以下で、十分に色収差が抑制されている。
【0074】
また、図6に示す対物レンズ108の重量は、約85mg程度であり、特許文献8の記載に比べ軽量な対物レンズ108が実現できる。これは、フォーカスサーボが追従できる波長ばらつき,波長変化に対しては、後述する位相補正手段など別手段を流用することにより補正するため、レンズの肉厚を薄くしても性能が確保できるためである。さらに、凸レンズと凹レンズの貼り合わせレンズにおいて、アッベ数が30以上異なる硝種を用いれば、色収差補正能力は十分に確保できる。
【0075】
前述したように、本実施の形態1の対物レンズ108には、アクチュエータが追従不可能な波長変動に伴う色収差を抑制する効果がある。一方、別の波長変動の要因として、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動などがある。本実施の形態1では、位相補正手段105、あるいはエキスパンダ113を具備しているため、これらの手段により、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う色収差も抑制することが可能である。また、これらの補正手段は、波面収差検知手段などの出力信号に応じて所定の位相、あるいは可動量を与えることにより十分な補正が可能となる。
【0076】
次に、位相補正手段105として、例えば、液晶などの電気光学素子を用いればよい。液晶素子は、図12に示すように、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の電極部分と共通電極との間に独立して電圧を印加できるようになっており、印加電圧を制御することにより、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1 からn2 まで自在に変えることができる。屈折率nを変化させると、各領域を通過する光線に光路差Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして、位相差Δn・d(2π/λ)を与えることができる。
【0077】
後述する波面収差検知手段で検出される波長や基板厚に起因して発生する波面収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図9(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束に、図9(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられるように、液晶素子の各同心円帯電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子を透過する光束の各部での波面の遅れにより波面収差を打ち消すことができる。図9(b)は、図9(a)における実線(波面収差)と破線(液晶素子による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図9(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0078】
図13は、図6の対物レンズ108のフォーカス調整後の波長変化に伴う波面収差の様子を示すものであるが、位相補正手段を用いることにより、各波長で最良の波面が得られる(図13に示す中で、▲1▼位相補正オフ→▲2▼位相補正オン)。
【0079】
ところで、対物レンズのNAをより大きく、あるいは光源の波長をより短くすると、レンズの製造誤差、光記録媒体の透明基板の厚み誤差などによって生じる波面収差の影響が顕著となる。光記録媒体の透明基板の厚み誤差によって発生する波面収差は、一般的に(数3)で与えられる。
【0080】
【数3】
W40=((n2−1)/(8n3))×(d×NA4/λ)
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長を意味する。
【0081】
この(数3)から、短波長、高NAほど波面収差が大きくなることがわかる。同様に、光ピックアップ中の光学部品、特に光記録媒体への集光に用いられる対物レンズの製造誤差も短波長、高NAほど収差の劣化が大きくなる。このような課題から、高NA化あるいは短波長化が図られた光ピックアップでは、この波面収差を抑制する手段が設置されている。
【0082】
同様に、光源光照射面に情報記録面を2層以上形成された光記録媒体の各層間距離(スペーサ厚)も波面収差の原因となる。このスペーサ厚は、青色系の世代では30μm前後が想定されており、波面収差の補正が必要である。なお、このような2層以上の記録層を有する光記録媒体は大容量化のための有効な手段であることは言うまでもない。
【0083】
さらに、青色波長帯域で波面収差最小となる対物レンズに、赤色波長帯域の光を無限系で入射させてDVD系光記録媒体にスポットを形成させた場合、あるいは赤外波長帯域の光を無限系で入射させてCD系光記録媒体にスポットを形成させた場合、波長の違いあるいは基板厚みの違いに伴う波面収差、色収差が発生する。このようなことから従来の光記録媒体との互換を図る場合、収差補正手段の設置が必要となる。
【0084】
そして、これらの収差はいずれも光軸中心に対称な収差であり、その形状は図8に示す波長変化に伴う収差劣化と同様である。よって、前述の基板厚誤差用の収差補正手段、多層光記録媒体のスペーサ用の収差補正手段、従来の光記録媒体との互換用の収差補正手段を、波長変化用の収差補正手段と共用利用することが可能である。なお、各光記録媒体の媒体判別手段としては、例えば、光記録媒体挿入時に、青色,赤色,赤外のいずれかの光源を点灯させてフォーカスサーチさせたときの戻り光量レベルなどにより媒体種別を判別する構成などを用いればよい。
【0085】
このことから、本実施の形態1における位相補正手段105は、青色系光記録媒体の基板厚誤差、2層光記録媒体のレイヤギャップ(スペーサ)などに起因する波面収差も併せて補正する。すなわち、図6に示す中心波長407nmの対物レンズ108に、波長417nmの光を入射させたときの波面収差(断面図)は図14に示すような形状である。一方、同対物レンズ108で光記録媒体の厚みが0.03mmずれたときの波面収差(断面図)は図15のようになる。いずれの収差も光軸中心に対称な偶数次の形状を示す、よって、前述の位相補正手段105を用いれば、これら両収差を補正することができる。
【0086】
また、本実施の形態1の位相補正手段105は、DVD系光記録媒体やCD系光記録媒体などの従来の光記録媒体に集光させたときに発生する波面収差も併せて補正することが可能である。すなわち、図6に示す中心波長407nm/光記録媒体基板厚0.6mm/NA0.65の対物レンズを用いて、波長660nm/基板厚0.6mm/NA0.65で集光させたとき、波長780nm/基板厚1.2mm/NA0.50で集光させたときの波面収差(断面図)を図16にそれぞれ示す。図14,図15と同様に光軸中心に対称な偶数次の形状である。よって、前述の位相補正手段105を用いれば、これら異なる光記録媒体に光ビームを集光させたときに発生する波面収差も合わせて補正することができる。
【0087】
また、本実施の形態1では、位相補正手段105の制御信号として、波面収差検知手段の出力信号を用いている。図8に示すとおり、波長変動、波長ばらつきがあると色収差が発生し、記録面上に形成される光スポットの形状が劣化する。このように発生した収差は戻り光束の波面を歪ませることになり、図1に示す検出レンズ110を介して受光素子112に向かう光束にも収差が発生する。図17はこの状態を示している。戻り光束に収差が発生しているときには、戻り光束の基準波面に対して、光軸中心に同心円状に波面の遅れがあり、基準波面を集光したときの集光点に対し遅れた波面が集光する位置はデフォーカスとなる。そこで、遅れた波面と進んだ波面の差を取り出してフォーカス状態を検出することで波面収差の発生状況を知ることができる。
【0088】
例えば、光束分割手段111としてホログラムを用いた場合、図18に示すようにホログラムの分割パターンを形成して、分割された各々の光束を検知できるように受光領域が分割された受光素子112を準備すればよい。ホログラムは光軸直交面内でジッタ方向に対称分割された半分の領域を同心円に内側、外側の2領域に分割されたホログラムとする。受光素子112は、ホログラムで回折された各々の光束を検知する2分割の受光素子とする。そして、ホログラム回折光の光点像の移動量を検知して、各受光素子で生成される差分(Sa−Sb)、(Sc−Sd)の差分:W1を(数4)により求め、この(数4)が収差信号に相当する。
【0089】
【数4】
W1=(Sa−Sb−Sc+Sd)
W1=0で収差がないことを意味する。
【0090】
また、本実施の形態1は、位相補正手段105の代わりに、図2に示すようなエキスパンダ113を用いてもよい。エキスパンダ113は、2枚のレンズと、これらレンズの間隔を調整する間隔調整手段(図示せず)とにより構成されている。2枚のレンズは一方が正レンズ、他方が負レンズで、図2の例では負レンズが光源側に配置されているが、正レンズを光源側に配置してもよい。構成する正・負レンズの間隔を変化させると、対物レンズ108へ透過する光束に光軸中心に対称な収差が発生するので、この光軸中心に対称な収差によって波長変化に伴う色収差を相殺するようにする。
【0091】
前記収差検出方法により検出された収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したものが図10(a)である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束中で正・負レンズの間隔を変化させて、対物レンズ108への入射光の発散状態を変化させると、図10(b)のような補正後の波面収差として得られる。もとの波面収差よりも格段に小さくなる。
【0092】
次に、本発明の実施の形態2における実施例1の対物レンズへの入射光束を切り換える開口切換手段について説明する。前記実施の形態1における実施例3の光ピックアップは、青色波長帯域の光、DVD用赤色波長帯域の光の2光源を備えた、いわゆる2世代互換型光ピックアップであり、また、実施の形態1における実施例4の光ピックアップは、青色波長帯域の光、DVD用赤色波長帯域の光、CD用赤外波長帯域の光の3光源を備えた、3世代互換型光ピックアップである。
【0093】
ところで、これらの複数世代用の光ピックアップはその世代に応じて、使用NAが異なる。CD系光記録媒体のNAは0.45〜0.55の範囲に定められ、使用波長780±20nm、基板厚1.2±0.03mmである。また、DVD系光記録媒体のNAは0.59〜0.66の範囲に定められ、使用波長660±20nm、基板厚0.6±0.03mmである。そして、青色波長帯域を用いた光ピックアップについては、NA0.65からNA0.85のいずれかの領域に設定される方向にある。
【0094】
すなわち、点灯光源に応じて、NAを切り換える必要があり、このNAの切り換えは、対物レンズへ入射する光束径を切り換えることにより行う。光束径切換手段として、例えば、開口切換手段を用いて、波長帯域あるいは偏光方向に応じて、反射、回折、吸収のいずれかの光学特性を利用して光束径の切り換えを行うものであればよい。
【0095】
以下に、図5に示す光ピックアップの構成を参照して、青色系光記録媒体に対してはNA0.70、DVD系光記録媒体にはNA0.65、CD系光記録媒体にはNA0.50により記録、再生を行う場合における開口切換手段について説明する。
【0096】
図19(a),(b),(c)に示すように、本実施例1における開口切換手段107としては、光源から出射される光束の波長に応じて、反射によって光束径を切り換える手段を用いる。具体的には波長選択性を有する誘電体光学多層膜を用いる。図19(a),(b),(c)の開口切換手段107における光の透過特性は、誘電体光学多層膜が施されていない中心部領域φ3では青色波長帯域、赤色(DVD系)波長帯域、赤外(CD系)波長帯域の光に対して高透過率で(図19(c)参照)、次の周辺部領域φ3〜φ2(φ3の外周からφ2までの領域)では、青色波長帯域と赤色波長帯域の光に対してのみ高透過率で、赤外波長帯域の光には低透過率(図19(b)参照)、さらに周辺部領域φ2〜φ1(φ2の外周からφ1までの領域)では、青色波長帯域に対してのみ高透過率で、赤外波長帯域、赤色波長帯域の光には低透過率である(図19(a)参照)。
【0097】
また、本実施例1の開口切換手段107として、光源から出射される光束の波長に応じて、図20(a),(b),(c)に示すように回折によって光束径を切り換える手段でもよい。具体的には波長選択性を有する回折格子を形成してやればよい。図20(a),(b),(c)の光の透過特性は、回折格子が施されていない中心部領域φ3では青色波長帯域、赤色波長帯域、赤外波長帯域の光に対して透過し、次の周辺部領域φ3〜φ2(φ3の外周からφ2までの領域)では、青色波長帯域と赤色波長帯域の光に対しては作用せず、赤外波長帯域の光についてのみ回折させ、周辺部領域φ2〜φ1(φ2の外周からφ1までの領域)では、青色波長帯域の光に対しは作用せず、赤色波長帯域、赤外波長帯域の光について回折させる。
【0098】
さらに、本実施例1の開口切換手段107としては、光源から出射される光束の波長に応じて、図21(a),(b),(c)のように吸収によって光束径を切り換える手段でもよい。
【0099】
なお、本実施例1において、波長に応じて光束径を切り換える開口切換手段について説明したが、本実施例1に限られるものではなく、偏光特性を利用してもよい。すなわち、赤色波長帯域と赤外波長帯域の光の偏光方向が直交するように光源を配置し、この直交する偏光方向に応じて開口を切り換えてもよい。
【0100】
図22(a),(b)は本実施の形態2の実施例2における対物レンズの前段に配置される位相補正手段105,1/4波長板106,開口切換手段107を一体形成した複合素子を示す図である。これにより、組付工程の簡素化を図ることができる。また、図22(b)に示す構成によって、すなわち、ガラス基板,位相補正手段(液晶層),1/4波長板の順に一体形成され、ガラス基板の表面もしくは1/4波長板の表面に開口切換手段が形成されていてもよい。これにより、例えば、液晶素子単体は、ガラス基板、液晶層、ガラス基板を順に接合した構成であるが、それと同等の素子厚み、素子重量を軽減できる。
【0101】
さらに本実施例1の位相補正手段105,1/4波長板106,開口切換手段107はアクチュエータ(図示せず)上に設置してもよい。これらの部品をアクチュエータ上に設置し、対物レンズ108と一体可動させることにより、別体配置させた場合に比べ、相対的なシフトやチルトに伴う波面劣化を抑制できる。
【0102】
なお、本実施例1のアクチュエータは2〜4軸のいずれの可動変位であってもよい。すなわち、フォーカス・トラッキングの2方向制御に加えて、ラジアル方向もしくはジッタ方向の1軸周りのチルト制御可能な3軸アクチュエータや、2軸周りのチルト制御可能な4軸アクチュエータを用いてもよい。3軸あるいは4軸アクチュエータにより対物レンズの傾きを変化させると、対物レンズへ透過する光束にコマ収差が発生するが、光記録媒体の傾きにより発生するコマ収差と相殺することが可能である。
【0103】
図23(a)は本発明の実施の形態3の実施例1における「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0104】
本実施例1における光ピックアップの要部は、青色波長帯域(波長400nm)の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、回折素子114、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される波長400nmの光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される波長660nmの光が通過するDVD系光学系と、ホログラムユニット301、カップリングレンズ302’、ダイクロイックプリズム303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される波長780nmの光が通過するCD系光学系から構成されている。
【0105】
すなわち、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108は2ないし3つの光学系の共通部品である。ここで、対物レンズ108は、「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」に対し、無限系で波面収差が最小になるように設計されている。
【0106】
また、本実施例1における光記録媒体は、光記録媒体109a,109b及び109cはそれぞれ基板厚さ、使用波長が異なる光記録媒体で、光記録媒体109aは基板厚さが0.6mmの青色系光記録媒体で、光記録媒体109bは基板厚さが0.6mmのDVD系光記録媒体で、光記録媒体109cは基板厚さが1.2mmのCD系光記録媒体である。記録、再生、または消去時にはいずれかの光記録媒体のみが図示しない回転機構にセットされて高速回転される。
【0107】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長400nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103を透過し、後述する回折素子114の第1面である色収差補正面より入射し、回折素子114の第2面であるグレーティング面で3つの光ビーム(0次光であるメインビームと、±1次光のサイドビーム)に分岐され、ダイクロイックプリズム203,303を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109a上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。光記録媒体109aから反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0108】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。近年、DVDのピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられるようになっている。図4に示すように、ホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成される。
【0109】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、波長400nmの光は透過し波長660nmの光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、1/4波長板106を通過し円偏光あるいは楕円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109b上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。
【0110】
光記録媒体109bから反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0111】
引き続き、「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系と同様にCD系のピックアップも受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられる。図23(a)において、ホログラムユニット301は、半導体レーザー301a、ホログラム301b及び受光素子301cを一体化して構成される。
【0112】
このホログラムユニット301の半導体レーザー301aから出射された780nmの光は、ホログラム301bを透過し、カップリングレンズ302’で所定の発散状の光ビームに変換され、青色と赤色波長域の光は透過し赤外波長域の光は反射させるダイクロイックプリズム303によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、1/4波長板106を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口切換手段107でNA0.50に制限され、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109c上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。光記録媒体109cから反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム303で反射され、カップリングレンズ302’で収束光とされ、受光素子301c方向に回折されて受光素子301cに受光される。受光素子301cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0113】
以下に、本実施例1に用いられている一方の面に色収差補正用パターン、他方の面にグレーティング用パターンの各面を有する回折素子114の具体的な構成、機能について説明する。
【0114】
いま、図24(a)に示すような単玉レンズよりなる対物レンズ108において、以下の特性を有し、
入射光束径 : φ3.9mm
屈折率 : 1.625
光記録媒体基板厚: 0.6mm
使用波長が、中心波長の400nmから変化したときの収差劣化を図24(b)に示す。すなわち、発明が解決しようとする課題に記述したフォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動(一般に0.5nm程度)に伴う波長変動、及び▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布(一般に0.8nm程度)により、図24(b)のような波面劣化が生じる。
【0115】
波面収差の目標値は、これらの波長変化を、一般に無収差と見なせる収差の限界値である、マレシャルの基準値0.07λ以下に抑える必要がある。すなわち、図24(a)の単玉対物レンズでは、目標値0.07λを満足できていないため、スポットぼけが生じ、結果信号の記録/再生特性が劣化してしまう。
【0116】
図25(a)は波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図であり、光軸中心に対称な偶数次の形状となっている。このような単玉対物レンズの色収差を抑制するために、本実施例1では、回折素子114(図23(a)参照)を用いている。回折素子は、例えば非特許文献1にあるように、通常のガラスの分散と逆の分散を有する結果、対物レンズ108と回折素子114の屈折率fと分散nが、色消しの条件である(数5)を満足し、
【0117】
【数5】
Σfν=0
対物レンズ108と回折素子114の組み合わせにより、波長変動による影響を軽減できる。
【0118】
回折素子114の一方の第1面である色収差補正面では、波長400nmの光に対して+1次回折し、対物レンズ108と逆の色収差を有し、対物レンズ108により青色系光記録媒体109a上に集光される光ビームは波長変動が生じても無収差で集光される。図26(a)は回折素子の色収差補正面側の平面を、図26(b)は断面を示す図である。ここで、本実施例1における色収差補正面は、ある波長で最適化(ブレーズ化)されて構成される。回折素子114においては、例えば非特許文献1にあるように、入射光の全エネルギーが射出光に変換されるのではなく、回折効率と呼ばれる効率でしか変換されないが、回折素子114で理想的な形状とされるキノフォーム形状(鋸歯状)では、ある波長で最適化(ブレーズ化)されると、その波長での回折効率は理論的に100%になり、また、これを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率が得られる。
【0119】
このようなブレーズ化を本実施例1では、青色光学系に特化して行うことができる構成としている。すなわち、回折素子114をDVD系やCD系の光路と共用する光路に配置せず、青色系専用の光路に配置した構成であるため、青色光学系の効率をロスすることなく、青色/DVD/CD系の3波長対応の光ピックアップを実現している。
【0120】
次に、対物レンズと色収差補正面の具体的な数値構成と光学的性能とを説明する。特に、ここでは簡単のため、対物レンズと回折素子に限定して説明し、対物レンズと回折素子も実際よりも近い配置とし、実際の構成においては対物レンズと回折素子の間には、前述する各種の光学部品が配置され構成される。
【0121】
まず、図24(a),(表2)を用いて、対物レンズ108と回折素子114の色収差補正面について説明する。本実施例1の対物レンズ108は、波長400nmで波面最小となるように設計された対物レンズであり、開口数をNA(NA:0.65)、焦点距離をf(f:3mm)、波長400nmにおいての屈折率をn(n=1.625)として表す。
【0122】
また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の座標:X、光軸直交方向の座標:Y、近軸曲率半径:R、円錐定数:K、高次の係数:A,B,C,D,E,F,…を用いて、周知の非球面式を(数6)で表し、R、K、A、B、C、D、・・を与えて形状を特定する。
【0123】
【数6】
X=(Y2/R)/[1+√{1−(1+K)Y/R2}+AY4+BY6+CY8+DY10+EY12+FY14+GY16+HY18+JY20+・・
また、(表2)に具体的データを示す。
【0124】
【表2】
【0125】
また、表中の記号は、以下のとおりである。
【0126】
OBJは物点(光源としての半導体レーザー)を意味するが、対物レンズ108は無限系であり、曲率半径:RDY及び厚さ:THIのINFINITY(無限大)は光源が無限遠にあることを意味する。また、STOは開口切換手段の開口制限面であり、その曲率半径はINFINITYで、厚さは設計上「0」としている。また、特に断らない限り、長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
【0127】
S1は回折素子114の光源側面である色収差補正面、S2は光記録媒体側面でありグレーティング面であるが、ここでは省略する。S4は対物レンズ108の光源側面、S5は光記録媒体側面を意味する。レンズの肉厚は1.7mmであり、S5の欄の曲率半径の右側に記載された厚さ:1.42399mmはワーキングディスタンスを示す。S7は光記録媒体109aの光照射側基板の光源側面、IMGは同記録面に合致した面であり、これらの面S7,IMGの間隔、すなわち、光照射側基板厚は0.6mm、n=1.623である。EPD:入射瞳径は開口切換手段の開口径(3.9mm)を表し、WL:波長は使用波長(400nm)を表す。なお、非球面係数の表示において、例えば「D:−.200993E−04」とあるのは、「D=―0.200993×10−4」を意味する。
【0128】
続いて、(表3)を用いて、回折素子114の色収差補正面の数値構成を示す。回折素子114の光源側面に形成された干渉縞のパターンによる光路長の位相付加量φは、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数係数Pi、回折次数m、波長λを用いて、(数7)により定義される光路差関数φ(h)により表される。
【0129】
【数7】
φ(h)=(C1h2+C2h4+C3h6+…)×m×λ
付加量φは、軸上の光路長に対して光路長が長くなる方向を正として表す。なお、本実施例1の回折素子114に形成された同心円状の干渉縞のパターンは、1次回折光を利用するよう設計されている。ただし、いずれの次数の回折光を利用するかは任意であり、例えば、2次回折光を利用することもできる。光路差関数係数Ciは、(表3)に示されるとおりとなる。
【0130】
【表3】
【0131】
図25(b)には、色収差補正を行う回折素子114を備えたときの波面収差の様子を示す。図25(a)に対して、波長変動に伴う形状劣化が見られない。同様に波長−波面収差の関係を図24(c)に示す。この図24(c)においても、図24(b)に示すような波面収差の劣化が見られない。以上のことから、波長変化が生じても良好なスポットを確保することが可能となっている。
【0132】
また、回折素子114の他方の第2面であるグレーティング面は、直線状の矩形ピッチからなる回折格子が形成されてなり、光源からの光ビームを3つ以上に分割する。分割された光ビームは、対物レンズのチルトやシフトの影響を受けないトラックエラー信号である差動プッシュプル信号の生成や、RF信号に重畳する隣接トラックからのノイズの抑制(クロストークキャンセル)や、複数のトラックを同時に記録/再生するマルチリード/マルチライトなどのよく知られた方法に用いられる。
【0133】
以下に、青色光学系においてトラックエラー信号生成方法として差動プッシュプル法を用いた場合を例として説明する。これは1つの光ビームでプッシュプル信号を生成する場合に比べ、対物レンズのシフトやチルトによる影響を受けないメリットがある。図23(a),(b)に示す半導体レーザー101からの出射光束は、回折素子114の第2面により3本の光ビームに分けられ、光記憶媒体109a上で集光・反射され、それぞれの光ビームに対応した3つ受光領域からなる受光素子112に達し、トラックエラー信号が検出される。回折素子114により生じた3本の光ビームは図27に示すように、光記憶媒体109a上で両サイドビームBsをメインビームBmに対し、半径方向にトラックピッチ(Tp)の半分だけずらして配置する。メインとサイドのそれぞれのスポット1〜3に対し、プッシュプル信号TE1,TE2,TE3を検出し、その差動TE DPPをとる方法である。次の(数8)に示すとおりである。
【0134】
【数8】
TE1=E1−F1 (メインのスポット1のプッシュプル信号)
TE2=E2−F2 (サイドのスポット2のプッシュプル信号)
TE3=E3−F3 (サイドのスポット3のプッシュプル信号)
TE DPP=TE1−(1/2)・(TE2+TE3)
この差動プッシュプル法によれば、メインビームBmのプッシュプル信号とサイドビームBsのプッシュプル信号は、共に対物レンズ108の光の光軸に対する軸ずれや対物レンズ108と光記憶媒体109aの相対的なチルトによるオフセット量が等しいため、これらによるオフセット発生をキャンセルできる。
【0135】
なお、一般に差動プッシュプル法においては、サイドビームBsをTp/2の位置に配置するためにグレーティング面を光軸中心に回転調整するが、第1面の色収差補正面は光軸中心に同心円状のパターンであり、何ら問題なく回転調整が行える。
【0136】
以上のように、本実施例1においては、図23(b)に示すような回折素子114として、一方の第1面に色収差補正面、他方の第2面にグレーティング面が形成されてなる。これにより、組付工程の簡素化、部品の小型化、低コスト化、重量の低減ができる。
【0137】
図28(a)は本実施の形態3の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、青色系光路も光源と受光素子と光路分離手段を単一パッケージに収めたホログラムユニット401を使用するとともに、図28(b)に示すように、ホログラム401bの第1面のホログラム面と対向する第2面に色収差補正面を設けている。
【0138】
このような構成により、ホログラムユニットを用いる系においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図れる。また、ホログラム401bは光記録媒体からの戻り光が受光素子面に良好に集光されるように組付時において回転調整されるが実施の形態3における実施例1と同様、本実施例2においても、この点は問題ない。
【0139】
図29(a)は本実施の形態3の実施例3における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、回折素子114’として、光源側の一方の第1面はビーム整形機能を有し、他方の第2面は前記実施の形態3の実施例1,2で説明した色収差補正機能を有している。
【0140】
ここで、ビーム整形機能を実施する機構に関して説明する。半導体レーザー101はその活性層に平行な軸と垂直な軸によって拡がり角が異なる光ビームを出射する。従って、コリメートレンズ102によって平行にされた光束の光軸に垂直な断面における強度分布は楕円形状となり、多くの半導体レーザー101から出射された光ビームにおいてはその比が1:2以上である。この楕円形状の強度分布を略円形に整形するための手段として、ビーム整形プリズムが知られている。
【0141】
図30にビーム整形プリズムを用いた光ピックアップ装置の一例を示す。プリズム211の水平方向に傾いた面211aに対し水平方向が短い楕円形状の光ビームを入射させ、この面211aで屈折させることにより水平方向を拡げている。面211aにおける屈折では、図30の紙面に対し垂直な方向の光ビームの幅は変わらないので、楕円形状の光ビームの強度分布は整形され、略円形の強度分布を得ることができる。強度分布が略円形となった光ビームは、対物レンズ108によって集光される。この構成においては、略円形に整形された光ビームを光記憶媒体109に照射できるので、スポット径を小さくでき、かつ、より円形のスポットが得られるので、高記録密度の光記憶媒体の記録、再生に適した光ピックアップ装置を実現できる。
【0142】
しかしながら、このようなプリズム211は光学系のサイズアップを招くことになる。そこで、本実施例3では、ビーム整形機能を回折素子114’に担わせることにより、光学系の小型化を果たす。さらにその回折素子114’の対向する面には、これまで説明してきた色収差補正機能も備えて構成する。
【0143】
ビーム整形用の回折パターンとしては、図29(b)に示すように同心楕円状のパターン面を用意すればよい。
【0144】
以上のような構成により、ビーム整形機構が必要な構成においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図ることができる。
【0145】
図31は本実施の形態3の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、位相補正を行う液晶素子115のガラス基板上に、前記実施の形態3の実施例1,2,3で説明した色収差補正機能を有し、回折素子114に代えて配置している。
【0146】
前述してきた回折素子114,114’は、アクチュエータが追従不可能な波長変動に伴う色収差を抑制する効果がある。一方、別の波長変動の要因として、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動などがある。本実施例4では、前述した液晶素子115を具備しているため、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う色収差も抑制することが可能である。
【0147】
本実施例4における液晶素子115は、前記実施の形態1の位相補正手段105(図6参照)において説明したように、図12に示すような、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の電極部分と共通電極間に独立した電圧が印加できる。この電圧を制御することで、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1 からn2まで自在に変えて、屈折率nを変化させると、各領域の通過光線に光路差Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして位相差Δn・d(2π/λ)を与える。
【0148】
上述のような波長変動に起因して発生する収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図32(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束に、図32(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられるように、液晶素子115の各同心円帯電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子115を透過する光束の各部での波面の遅れにより波面収差を打ち消すことができる。図32(b)は、図32(a)における実線(波面収差)と破線(液晶素子115による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図32(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0149】
また、図33は本実施例4の液晶素子の概略構成を示す断面図であり、図33に示す液晶素子115は、ガラス基板1a,1bが、導電性スペーサ2により接着され液晶セルを形成している。ガラス基板1aの内側表面には、内側表面から電極4a、絶縁膜5、配向膜6の順に、またガラス基板1bの内側表面には、内側表面から電極4b、絶縁膜5、配向膜6の順に被膜され、そして、ガラス基板1aの外側表面に回折素子面40が形成される。
【0150】
以上のような構成により、アクチュエータが追従できる波長変動に伴う波面劣化を抑制できる光学系においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図れる。
【0151】
図34は本発明の実施の形態4における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図である。
【0152】
情報記録再生装置10は、光記録媒体20に対して光ピックアップ11を用いて情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う装置である。本実施の形態4において、光記録媒体20はディスク状であって、保護ケースのカートリッジ21内に格納されている。光記録媒体20はカートリッジ21ごと、挿入口12から情報記録再生装置10に矢印「ディスク挿入」方向へ挿入セットされ、スピンドルモータ13により回転駆動され、光ピックアップ11により情報の記録や再生、あるいは消去が行われる。
【0153】
この光ピックアップ11として、前述の実施の形態1,2,3に記載の光ピックアップを適宜用いることができる。
【0154】
以上の各実施の形態においては、説明を簡単とするため、波長として代表的な数値(400nm,660nm,780nm等)に限定して述べてきたが、本発明は、以下のような各光記録媒体が規格として定める範囲
青色波長帯域:波長397nm〜417nm
赤色波長帯域:波長650nm〜670nm
赤外波長帯域:波長770nm〜790nm
に適用することが可能である。
【0155】
同様に、開口数:NAにおいても代表的な数値(0.65,0.50等)に限定して述べてきたが、これらも
青色系光記録媒体のNA :0.59〜0.86
DVD系光記録媒体のNA:0.59〜0.66
CD系光記録媒体のNA :0.45〜0.50
の範囲に適用することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、色収差補正手段として、光源の記録/再生動作時の発光出力の変化に伴う波長変動、またはマルチモード発光時の波長分布に伴う色収差(フォーカスサーボが追従不可能な波長変化に伴う波面収差劣化)を補正する第1の色収差補正手段と、光源の中心波長のばらつき、または温度変動による光源の波長変動に伴う色収差(フォーカスサーボが追従可能な(msecオーダー)波長変化に伴う波面収差劣化)を補正する第2の色収差補正手段とを備えて、各種変動に伴う色収差を補正でき、さらに第2の色収差補正手段は、光記録媒体の基板厚誤差に対する収差補正、多層光記録媒体の情報記録面間距離に対する収差補正、使用波長及び基板厚の異なる他世代の光記録媒体に対する収差補正を行う素子と共用でき、部品点数を増加させることなく色収差を補正すことができ、また、第1の色収差補正手段と同機能の回折素子を、他の光学部品と一体形成、集約化してより光ピックアップの小型化、低コスト化、組付の簡素化を図り、かつ回折素子を青色系光源と光路合成手段間に配置して、青色系の波長で最適化した高効率光学系を構築し、これによって光記録媒体の高速回転、すなわち高速記録/再生を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の実施例1における光ピックアップの概略構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1の実施例3における光ピックアップの概略構成を示す図
【図4】本実施の形態1の光ピックアップに用いられるホログラムユニットの拡大図
【図5】本発明の実施の形態1の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図
【図6】本実施の形態1のアパーチュア、光ピックアップ用対物レンズ、光照射側基板の配置状態を示す図
【図7】(a)は単玉対物レンズ、光照射側基板の配置状態、(b)はフォーカスサーボが追従でき、(c)はフォーカスサーボが追従できない波長劣化に伴う波面劣化の特性を示す図
【図8】波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図
【図9】(a)は波面収差を実線、入射光を変化させる位相を破線の2次元曲線として示し、(b)は補正後の波面収差を示す図
【図10】(a)は波面収差、(b)は対物レンズへの入射光の発散状態を変化させ、補正後の波面収差を示す図
【図11】中心波長407nmでのベストフォーカス位置に固定された場合の波長変動と波面収差の関係を示す図
【図12】位相補正手段の電気光学素子として用いた液晶の電極パターンを示す図
【図13】対物レンズのフォーカス調整後の波長変化に伴う波面収差の様子を示す図
【図14】中心波長407nmの対物レンズに、波長417nmの光を入射させたときの波面収差を示す図
【図15】中心波長407nmの対物レンズで光記録媒体の厚みが0.03mmずれたときの波面収差を示す図
【図16】中心波長407nm/光記録媒体基板厚0.6mm/NA0.65の対物レンズを用いて、波長660nm/基板厚0.6mm/NA0.65で集光させたとき、波長780nm/基板厚1.2mm/NA0.50で集光させたときの波面収差を示す図
【図17】検出レンズを介して受光素子に向かう光束に発生する波面収差を示す図
【図18】光束分割手段(ホログラム)の分割パターンを形成し、分割光束を検知する受光領域を分割した受光素子を示す図
【図19】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を反射により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図20】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を回折により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図21】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を吸収により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図22】本発明の実施の形態2の実施例2における(a)は対物レンズの前段に配置される位相補正手段,1/4波長板,開口切換手段を一体形成した複合素子、(b)は簡素化した複合素子を示す図
【図23】本発明の実施の形態3の実施例1における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図24】(a)は回折素子と対物レンズと光記録媒体との具体的な配置構成、(b)は対物レンズのみ配置した波面収差、(c)は回折素子と対物レンズを配置した波面収差を示す図
【図25】(a)は波長変動に伴い劣化する波面収差、(b)は色収差補正を行う回折素子を備えたときの波面収差の様子を示す図
【図26】(a)は回折素子の色収差補正面側の平面、(b)は断面を示す図
【図27】回折素子により生じた3本の光ビームを用いた差動プッシュプル法を説明する図
【図28】本発明の実施の形態3の実施例2における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図29】本発明の実施の形態3の実施例3における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図30】ビーム整形プリズムを用いた光ピックアップの一例を示す図
【図31】本発明の実施の形態3の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図
【図32】(a)は波面収差を実線、入射光を変化させる位相を破線の2次元曲線として示し、(b)は補正後の波面収差を示す図
【図33】本実施の形態3の実施例4における液晶素子の概略構成を示す断面図
【図34】本発明の実施の形態4における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図
【図35】従来の1群2枚貼り合わせ型の対物レンズを示す図
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板
2 導電性スペーサ
3 液晶
4a,4b 電極
5 絶縁膜
6 配向膜
7 電極引出部
10 情報記録再生装置
11 光ピックアップ
12 挿入口
13 スピンドルモータ
20 光記録媒体
21 カートリッジ
40 回折素子面
101,201a,301a 半導体レーザー
102,202,302 コリメートレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 偏向プリズム
105 位相補正手段
106 1/4波長板
107 開口切換手段
108 対物レンズ
108’ 単玉対物レンズ
108a アパーチュア
109 光記録媒体
109a 光照射側基板
110 検出レンズ
111 光束分割手段
112,201c,301c 受光素子
113 エキスパンダ
114,114’ 回折素子
115 液晶素子
201,301,401 ホログラムユニット
201b,301b,401b ホログラム
203,303 ダイクロイックプリズム
211 プリズム
211a 面
302’ カップリングレンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップにおいて、特に、色収差を補正する手段を備えた光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD系、記録容量4.7GBのDVD系などの光記録媒体が普及している。そして、近年、さらなる記録密度の向上及び大容量化の要求が強くなっている。このような光記録媒体の記録密度を上げる手段としては、光記録媒体に情報の書き込み、または読み出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、または、光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって、光記録媒体上に集光,形成されるビームスポットの小径化が有効である。
【0003】
例えば、「CD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nmとされているのに対して、「CD系光記録媒体」よりも高記録密度化がなされた「DVD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.65(より詳細には0.59〜0.66の範囲を仕様とする)、光源の波長が660nmとされている。そして、光記録媒体は、前述したように、さらなる記録密度の向上及び大容量化が望まれており、そのためには、対物レンズのNAを0.60よりもさらに大きく、または、光源の波長を660nmよりもさらに短くすることが望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3108695号公報
【特許文献2】
特開平9−318873号公報
【特許文献3】
特開2001−337269号公報
【特許文献4】
特開2001−319368号公報
【特許文献5】
特開平7−311337号公報
【特許文献6】
特開平8−62496号公報
【特許文献7】
特開平9−311271号公報
【特許文献8】
特開2001−13406号公報
【非特許文献1】
(社)応用物理学会 日本光学会 光設計研究グループ 監修「回折光学素子入門」オプトロニクス社、平成9年5月20日発行、p.20−21
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような短波長半導体レーザーを用いたシステムは、波長変動により対物レンズで生じる色収差が許容できないという課題がある。この短波長で色収差が大となることについては2つの原因が考えられる。第1の原因は、一般の対物レンズは短い波長を取り扱う場合、微小な波長の変動に対して屈折率の変化が大となり、焦点の移動量であるデフォーカス量が大となることである。第2の原因は、光記録媒体のさらなる高密度化、大容量化とともに対物レンズで収束される収束スポットの径を極力小とする必要があるが、対物レンズの焦点深度dは(数1)で表されるように、取り扱う波長が短いほど焦点深度dが小となり、僅かなデフォーカスさえも許されないことである。
【0006】
【数1】
d=λ/(NA)2
ただし、λは光源の波長、NAは対物レンズの開口数
前述のような色収差を発生させる主な要因として、以下の4点が挙げられる。
▲1▼ 光源の中心波長のばらつき
▲2▼ 温度変動に伴う光源の波長変動
▲3▼ 記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動
▲4▼ マルチモード発光に伴う波長分布
以上の各項目について、説明する。
▲1▼ 光源の中心波長は、一般に製造ロット間で±10nm程度ばらつきを有する。これは活性層の組成比のばらつきによるものである。
▲2▼ また光源の発振波長は、温度変動によっても変化する。温度が上がるとバンド間エネルギーが小さくなることに伴い長波長側へシフトする。GaN(ガリウム窒素)系の青色波長帯域の半導体レーザーでは0.05nm/℃程度の温度依存性を有する。
▲3▼ 光源の発振波長は、発光出力によっても変化する。発光出力の小さい再生パワー・消去パワーから、発光出力の大きい記録パワーへ変化すると、GaN系の青色波長帯域の半導体レーザーでは、波長が0.5nm程度変動する。
▲4▼ また、光ピックアップでは、光源光をマルチモード化して波長(スペクトラム)に拡がりを持たせて、低ノイズ化する手法が利用されているが、このような波長分布も色収差の原因である。GaN系の青色波長帯域の半導体レーザーを数百MHzで変調させた場合、0.8nm程度の波長分布を持つ。
【0007】
以上▲1▼〜▲4▼の色収差の要因は、対物レンズを光軸方向に調整するフォーカスサーボの追従性から大きく2つに分けられる。すなわち、フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)波長ばらつき・波長変動である▲1▼及び▲2▼、そして、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼及び▲4▼である。後者のフォーカスサーボが追いつかない色収差が存在すると、フォーカスサーボが応答して、ディスクが波長に応じた焦点位置へくるまでの間、デフォーカスが生じて書き込み不良、再生不良、トラッキング不良等の不具合が生じる。
【0008】
このような色収差に対する対策として、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズを貼り合わせたレンズ群を対物レンズの前段に配置する構成、あるいは特許文献4に記載されているような回折素子を対物レンズの前段に配置する構成がある。しかしながら、このような補正素子を配置することは、ピックアップの重量増加、部品点数増加に伴う組付煩雑化・コストアップなどの課題がある。
【0009】
このような課題に対して、対物レンズ自体で色収差を補償する構成が提案されている。例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7に開示されているような単レンズ構成の対物レンズの片側に回折面を成形させる方法と、特許文献8(図35参照)に開示されているような1群2枚貼り合わせ型の対物レンズを用いる方法がある。
【0010】
しかしながら、前者の回折面を設けたレンズは光記録媒体へ向かう透過率が1割程度ロスする課題がある。また、後者の1群2枚貼り合わせレンズは、色収差補正効果はあるものの、発明者らによる実施例の計算によれば、レンズ重量が300mgと非常に重く、アクチュエータへ搭載するためには、搭載する光学部品の重量が150mg以下程度である必要があり不可能である。また、特許文献8のレンズ重量を軽減する方法として、レンズ有効径そのものを小さくする方法が考えられるが、実際には、レンズの偏芯などの変動に弱くなること、対物レンズと光記録媒体の間隔であるワーキングディスタンスが小さくなってしまうなどの副作用があることから、有効径は3.5mm〜4.5mm程度であることが望ましく、重量を軽減する手段にはならない。
【0011】
以上に述べた、前記の色収差を発生させる▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動、▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動、▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布の主な要因による光ピックアップの色収差を抑制し、光記録媒体上に最良の盤面スポットを確保することを課題とし、さらに、色収差の補正手段として、光ピックアップ上への部品点数を増加させず、光利用効率を十分に確保し、アクチュエータ性能を劣化させることのないことが課題として挙げられる。
【0012】
また、前述のような機能を実現するにあたり、光ピックアップの大型化、高コスト化を招くことなく、すなわち、各機能の集約、小型化が他の課題として挙げられる。
【0013】
さらには、前述した高NA化・短波長化による新規格が近年実現する一方、利用者の手元には、従来の光記録媒体であるCD、DVDが存在する。これらの光記録媒体と前述の新規格による光記録媒体を共に同一の光情報処理装置で取り扱えることが望ましい。これを実現する最も簡単な方法としては、従来の光ピックアップと、新規格による光ピックアップを搭載する方法がある。
【0014】
しかしながら、この方法では、小型化、低コスト化を達成することは難しく、これら青色波長帯域を用いた大容量世代と、既存のDVD、あるいはCD世代との互換を行う必要があり、従来の光記録媒体との互換性が課題として挙げられる。
【0015】
本発明は、前記従来技術の課題を解決することに指向するものであり、波長変動,波長ばらつきに伴う収差劣化の小さい大容量の光情報処理装置、及びこの光ピックアップを実現するとともに、青色系、DVD系の2世代、あるいは、青色系、DVD系、CD系の3世代互換を可能とし、かつ煩雑化することなく、さらに部品点数を増加させることなく実現する光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の光ピックアップは、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、記録、再生時における光源の出力変動に伴う波長変動、または雑音低減のため光源の波長に拡がりを持たせるマルチモード発光に伴う波長分布に起因して発生する色収差を補正する第1の色収差補正手段と、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う光源の波長変動に起因して発生する色収差を補正する第2の色収差補正手段とを備えた構成によって、第1の色収差補正手段と、第2の色収差補正手段により2種類の機能別に分配して色収差を補正でき、各手段の性能確保が容易にできる。
【0017】
また、請求項2に記載の光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、第1の色収差補正手段を、1群2枚の貼り合わせ型の対物レンズとした構成によって、光源の出力変動に伴う波長変動、またはマルチモード発光に伴う波長分布に起因し発生の色収差を補正でき、また、第2の色収差補正手段によって色収差を補正するため、軽量な対物レンズができる。
【0018】
また、請求項3,4に記載の光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、第2の色収差補正手段を、対物レンズと光源の間に配置し、光束が透過または反射する際に、光学波面に対して同心円状に異なる位相を付加する補正素子としたこと、または、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる補正素子とした構成によって、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う波長変動に起因して発生の色収差を補正できる。
【0019】
さらに、請求項5〜8に記載の光ピックアップは、請求項3,4の光ピックアップにおいて、光記録媒体の基板厚変動を検知する基板厚誤差検知手段を備え、この基板厚誤差検知手段からの出力値に応じて、また2層以上の情報記録面を有する多層光記録媒体の情報記録面間距離を検知する情報記録面間距離検知手段を備え、この情報記録面間距離検知手段からの出力値に応じて、また使用波長または使用開口数の異なる複数種類の光記録媒体における種類を判別する光記録媒体判別手段を備え、この光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、第2の色収差補正手段の補正素子による位相状態、または発散状態を変化させること、さらに、基板厚誤差検知手段、または情報記録面間距離検知手段、または光記録媒体判別手段を、光記録媒体の情報記録面上で発生する波面収差量を検知する波面収差検知手段とした構成によって、専用の補正手段を設けることなく、光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う波長変動に起因して発生の色収差を補正することができる。
【0020】
また、請求項9に記載の光ピックアップは、請求項1〜8の光ピックアップにおいて、対物レンズへの入射光束径を切り換える開口切換手段を備え、開口切換手段が、光源の波長帯域に応じて、反射,回折,吸収のいずれかにより入射光束径の開口を切り換える構成によって、色収差を補正して青色系記録媒体とDVD系記録媒体,CD系記録媒体との互換性を得ることができる。
【0021】
また、請求項10に記載の光ピックアップは、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、各々波長の異なる複数の光源(波長:λ1,λ2,…λi(λ1<λ2<…<λi))と、光記録媒体に光源からの出射光を集光させる対物レンズと、各光源と対物レンズ間の光路を合成する光路合成手段とを備えた光ピックアップにおいて、波長λ1の光源と光路合成手段との間に配置され、対物レンズと逆特性の色収差を有する回折素子を備えた構成によって、波長λ1の光源において高効率の光学系を構築し、光記録媒体の高速記録/再生することができる。
【0022】
また、請求項11に記載の光ピックアップは、請求項10の光ピックアップにおいて、回折素子が、光源の波長λ1で最適化されてなる構成によって、波長λ1の光源を用いる光源において高効率の光学系を構築し、さらに光記録媒体の高速記録/再生することができる。
【0023】
また、請求項12に記載の光ピックアップは、請求項10,11の光ピックアップにおいて、回折素子が、光源と対物レンズ間に光路を構成する他の光学部品と一体化されてなる構成によって、小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0024】
また、請求項13,14に記載の光ピックアップは、請求項12の光ピックアップにおいて、他の光学部品が、樹脂層または液晶層を1対のガラス基板または樹脂基板で挟み込んだ素子からなり、1対のガラス基板または樹脂基板の少なくとも一方の面に回折面が形成されてなること、さらに、ガラス基板の内側に液晶層を挟持し、かつ1対の電極層を有する液晶素子である構成によって、小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0025】
また、請求項15に記載の光ピックアップは、請求項10,11の光ピックアップにおいて、回折素子が、ガラス基板または樹脂基板の両面に回折面が形成されてなる構成によって、さらに小型化及び組み付けの簡素化を図ることができる。
【0026】
また、請求項16〜18に記載の光ピックアップは、請求項15に光ピックアップにおいて、回折素子が、一方の面を対物レンズと逆特性の色収差を有する色収差補正面とし、他方の面を光源からの出射光を3つ以上に分離するグレーティング面としたこと、または、他方の面を光記録媒体からの戻り光を偏向させるホログラム面としたこと、または、他方の面を光源からの出射光のビーム径を拡大あるいは縮小させるビーム整形面とした構成によって、組付簡素化、素子構成の簡略化及び光学系を小型化することができる。
【0027】
また、請求項19に記載の光情報処理装置は、請求項1〜18のいずれか1項記載の光ピックアップを用いて、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことができる。
【0028】
また、請求項20に記載の光情報処理装置は、請求項19の光情報処理装置において、光記録媒体に対して、青色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.86により、または赤色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.66により、または赤外波長帯域の光源光、開口数0.45〜0.55により情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態1の実施例1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。本実施例1における光ピックアップの要部は、図1に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112から構成されている。
【0031】
光ピックアップにおける光学系の動作は、波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光が、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0032】
光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0033】
図2は本実施の形態1の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図で、前記実施の形態1の実施例1とは、位相補正手段105に代えてエキスパンダ113を使用した点が異なり、その他の構成は実施例1と同じである。
【0034】
図3は本実施の形態1の実施例3における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0035】
また、本実施例3における光ピックアップの要部は、図3に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される青色波長帯域の光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108から構成される赤色波長帯域の光が通過するDVD系光学系から構成されている。
【0036】
すなわち、ダイクロイックプリズム203、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、対物レンズ108は2つの光学系の共通部品である。さらに、対物レンズ108は、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」で最良の波面を形成するように設計されている。
【0037】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107を経て対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0038】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。近年、DVD系のピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられるようになっている。図4に示すように、ホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成される。
【0039】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、青色波長帯域の光は透過し赤色波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107を経て対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。こうして形成されたスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0040】
また、光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0041】
図5は本実施の形態1の実施例4における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0042】
本実施例4における光ピックアップの要部は、図5に示すように、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される青色波長帯域の光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される赤色波長帯域の光が通過するDVD系光学系と、ホログラムユニット301、コリメートレンズ302、ダイクロイックプリズム303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される赤外波長帯域の光が通過するCD系光学系から構成されている。
【0043】
すなわち、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、位相補正手段105、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108は2ないし3つの光学系の共通部品である。また実施の形態1の実施例3と同様に、対物レンズ108は、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」で最良の波面を形成するように設計されている。
【0044】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103、ダイクロイックプリズム203,303を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、位相補正手段105を透過し、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0045】
光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0046】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系のピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられていることは前述と同様であり、図5に示すホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成されている。
【0047】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、青色波長帯域の光は透過し赤色波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0048】
光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0049】
引き続き、「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系と同様にCD系のピックアップも受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられる。図5に示すホログラムユニット301は、半導体レーザー301a、ホログラム301b及び受光素子301cを一体化して構成される。
【0050】
このホログラムユニット301の半導体レーザー301aから出射された780nmの光は、ホログラム301bを透過し、コリメートレンズ302で平行光とされ、青色と赤色波長帯域の光は透過し赤外波長帯域の光は反射させるダイクロイックプリズム303によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、位相補正手段105において所定の位相が付加され、1/4波長板106を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口切換手段107でNA0.50に制限され、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生、または消去が行われる。
【0051】
光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム303で反射され、コリメートレンズ302で収束光とされ、受光素子301c方向に回折されて受光素子301cに受光される。受光素子301cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0052】
本実施の形態1においては、光ピックアップを示す各図の対物レンズ108として、1群2枚貼り合わせ型対物レンズを用いている。以下に、本実施の形態1で用いている1群2枚対物レンズの具体例を、アパーチュア、光ピックアップ用対物レンズ、光照射側基板の配置状態を示す図6を用いて説明する。
【0053】
図6において、108aはアパーチュア、108は対物レンズ、109aは光記録媒体の光照射側基板(厚さ:0.6mm)を表すものとする。光源側(図6の左側)からの光束は「平行光束」としてアパーチュア108aの開口(有効径:3.9mm)を通過し、光ピックアップ用対物レンズ108に入射し、対物レンズ108により集光光束とされ、光記録媒体の光照射側基板109aを透過して記録面(光照射側基板109aの右側面)に合致し光スポットを形成する。
【0054】
ここで、対物レンズ108を、開口数をNA、焦点距離をf、レンズ材質のd線に対する屈折率及びアッベ数をnd及びνdで表し、また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の座標:X、光軸直交方向の座標:Y、近軸曲率半径:R、円錐定数:K、高次の係数:A,B,C,D,E,F,…を用いて、周知の非球面式を(数2)で表し、R,K,A,B,C,D,・・を与えて形状を特定する。
【0055】
【数2】
X=(Y2/R)/[1+√{1−(1+K)Y/R2}+AY4+BY6+CY8+DY10+EY12+FY14+GY16+HY18+JY20+・・
この対物レンズ108においては、使用波長:407nmであり、NA:0.65,f:3.0mm,nd=1.69350,νd=53.2とnd=1.92286,νd=20.9の2種類の硝材から構成される。
【0056】
具体的データを(表1)に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
また、表中の記号は、以下のとおりである。
【0059】
OBJは物点(光源としての半導体レーザー)を意味するが、対物レンズ108は無限系であり、曲率半径:RDY及び厚さ:THIのINFINITY(無限大)は光源が無限遠にあることを意味する。また、STOはアパーチュア108aの面であり、その曲率半径はINFINITYで、厚さは設計上「0」としている。また、特に断らない限り、長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
【0060】
S1は対物レンズ108の光源側面、S2は2枚のレンズの貼り合わせ面、S3は光記録媒体側面を意味する。S1〜S3の間隔、すなわち、レンズの肉厚は2.193247mmであり、S3の欄の曲率半径の右側に記載された厚さ:1.438349mmはワーキングディスタンスを示す。
【0061】
S4は光記録媒体109aの光照射側基板の光源側面、IMGは同記録面に合致した面であり、これらの面S4,IMGの間隔、すなわち、光照射側基板厚は0.6mm、nd=1.516330、νd=64.1である。EPD:入射瞳径はアパーチュア108aの開口の有効径(3.9mm)を表し、WL:波長は使用波長(407nm)を表す。
【0062】
なお、非球面係数の表示において、例えば、「D:0.278221E−05」とあるのは、「D=0.278221×10−5」を意味する。他の表示においても同様である。また、1群2枚の貼り合わせ型対物レンズは、第1面を非球面とし、光記録媒体に対向する第3面を非球面または球面または平面とし、貼り合わせ面である第2面を球面とする構成が生産上、望ましい構成である。
【0063】
ここで、図7(a)に示す単玉対物レンズ108’において、以下の特性を有し、使用波長が中心波長の407nmから変化したときの収差劣化を図7(b),(c)に示す。
【0064】
入射光束径 : 3.9mm
硝種 : BaCD5(HOYA社製)
光記録媒体基板厚: 0.6mm
図7(b)は各波長でベストフォーカス位置となる位置での波面収差を示す図であり、図7(c)は波長407nmでのベストフォーカス位置に固定(デフォーカス調整しない場合)したときの波面収差を示す図である。すなわち、フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)▲1▼光源の発振波長のばらつき、及び▲2▼温度変動に伴う発振波長の変化に伴う収差劣化の様子は、図7(b)よりわかる。そしてフォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動に伴う波長変動、及び▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布の様子は図7(c)よりわかる。
【0065】
前記フォーカスサーボの動作が追いつく(msecオーダー)▲1▼波長ばらつき,▲2▼波長変動は、前述のとおり±10nm程度見込む必要がある。また、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼波長変動,▲4▼波長分布は、マージンも含めると±1nm程度見込む必要がある。
【0066】
これに対して、波面収差の目標値は、これらの波長変化を、一般に無収差と見なせる収差の限界値である、マレシャルの基準値0.07λ以下に抑える必要がある。すなわち、任意に設定した中心波長の±10nmの範囲でフォーカス調整後の波面収差が0.07λ以下という第1の条件と、任意に設定した中心波長の±1nmの範囲で波面収差が0.07λ以下という第2の条件を満足する必要がある。
【0067】
すなわち、図7(a)に示す単玉対物レンズ108’では、フォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼波長変動、▲4▼波長分布が目標値0.07λを満足できていないため、スポットぼけが生じ、結果信号の記録/再生特性が劣化してしまう。
【0068】
また、図8は、波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図である。光軸中心に対称な偶数次の形状となっている。このような光軸中心に対称な収差を補正する具体的な手段について説明する。補正手段としては大きく2種類ある。対物レンズ入射光に同心円状の位相を与える方法と、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる方法である。
【0069】
まず、対物レンズ入射光に同心円状の位相を与える方法について説明する。対物レンズ入射光に、同心円状に位相を与えることは、同心円状に波面の位相を進退できるため、光学系全体で発生する光軸中心に対称な収差と逆極性の収差を与えることが可能となる。例えば、発生する収差が、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図9(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズに光源側から入射する光束に、図9(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられると、補正手段を透過する光束の各部での波面の遅れによって、この収差を打ち消すことができる。図9(b)は、図9(a)における実線(波面収差)と破線(収差補正手段による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図9(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0070】
また、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる収差補正手段を用いてもよい。対物レンズ入射光の発散状態を変化させることは、光軸中心に対称な収差を発生させることと等価であるため、光学系全体で発生する光軸中心に対称な収差と、逆極性の収差を発生させることが可能となる。例えば、発生する光軸中心に対称な収差が、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図10(a)である。このような波面収差に対し、対物レンズへの入射光の発散状態を変化させると、図10(b)のような波面収差が補正後の波面収差として得られる。これにより、もとの波面収差よりも格段に小さくなる。
【0071】
これらの手段を利用することにより、フォーカスサーボが追いつく▲1▼波長ばらつき,▲2▼波長変動に起因した波面劣化を補正することは可能である。
【0072】
一方、フォーカスサーボが追いつかない▲3▼波長変動、▲4▼波長分布に起因した波面劣化を補正する手段としては、特許文献8に開示されているようなアッベ数の異なる凸レンズと凹レンズの貼り合わせレンズを用いればよい。
【0073】
図11は、中心波長407nmでのベストフォーカス位置に固定された場合の波長変動と波面収差の関係を示す図である。図11における破線はNA0.65、有効径3.9mmの単玉対物レンズ108’(図7(a)参照)における図7(b)に示す波面収差と同じ関係に相当し、実線は本実施の形態1の同劣化量を示す。単玉対物レンズ108’に比べ、±1nm程度の波長変動があっても波面劣化は0.07λ以下で、十分に色収差が抑制されている。
【0074】
また、図6に示す対物レンズ108の重量は、約85mg程度であり、特許文献8の記載に比べ軽量な対物レンズ108が実現できる。これは、フォーカスサーボが追従できる波長ばらつき,波長変化に対しては、後述する位相補正手段など別手段を流用することにより補正するため、レンズの肉厚を薄くしても性能が確保できるためである。さらに、凸レンズと凹レンズの貼り合わせレンズにおいて、アッベ数が30以上異なる硝種を用いれば、色収差補正能力は十分に確保できる。
【0075】
前述したように、本実施の形態1の対物レンズ108には、アクチュエータが追従不可能な波長変動に伴う色収差を抑制する効果がある。一方、別の波長変動の要因として、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動などがある。本実施の形態1では、位相補正手段105、あるいはエキスパンダ113を具備しているため、これらの手段により、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う色収差も抑制することが可能である。また、これらの補正手段は、波面収差検知手段などの出力信号に応じて所定の位相、あるいは可動量を与えることにより十分な補正が可能となる。
【0076】
次に、位相補正手段105として、例えば、液晶などの電気光学素子を用いればよい。液晶素子は、図12に示すように、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の電極部分と共通電極との間に独立して電圧を印加できるようになっており、印加電圧を制御することにより、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1 からn2 まで自在に変えることができる。屈折率nを変化させると、各領域を通過する光線に光路差Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして、位相差Δn・d(2π/λ)を与えることができる。
【0077】
後述する波面収差検知手段で検出される波長や基板厚に起因して発生する波面収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図9(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束に、図9(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられるように、液晶素子の各同心円帯電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子を透過する光束の各部での波面の遅れにより波面収差を打ち消すことができる。図9(b)は、図9(a)における実線(波面収差)と破線(液晶素子による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図9(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0078】
図13は、図6の対物レンズ108のフォーカス調整後の波長変化に伴う波面収差の様子を示すものであるが、位相補正手段を用いることにより、各波長で最良の波面が得られる(図13に示す中で、▲1▼位相補正オフ→▲2▼位相補正オン)。
【0079】
ところで、対物レンズのNAをより大きく、あるいは光源の波長をより短くすると、レンズの製造誤差、光記録媒体の透明基板の厚み誤差などによって生じる波面収差の影響が顕著となる。光記録媒体の透明基板の厚み誤差によって発生する波面収差は、一般的に(数3)で与えられる。
【0080】
【数3】
W40=((n2−1)/(8n3))×(d×NA4/λ)
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長を意味する。
【0081】
この(数3)から、短波長、高NAほど波面収差が大きくなることがわかる。同様に、光ピックアップ中の光学部品、特に光記録媒体への集光に用いられる対物レンズの製造誤差も短波長、高NAほど収差の劣化が大きくなる。このような課題から、高NA化あるいは短波長化が図られた光ピックアップでは、この波面収差を抑制する手段が設置されている。
【0082】
同様に、光源光照射面に情報記録面を2層以上形成された光記録媒体の各層間距離(スペーサ厚)も波面収差の原因となる。このスペーサ厚は、青色系の世代では30μm前後が想定されており、波面収差の補正が必要である。なお、このような2層以上の記録層を有する光記録媒体は大容量化のための有効な手段であることは言うまでもない。
【0083】
さらに、青色波長帯域で波面収差最小となる対物レンズに、赤色波長帯域の光を無限系で入射させてDVD系光記録媒体にスポットを形成させた場合、あるいは赤外波長帯域の光を無限系で入射させてCD系光記録媒体にスポットを形成させた場合、波長の違いあるいは基板厚みの違いに伴う波面収差、色収差が発生する。このようなことから従来の光記録媒体との互換を図る場合、収差補正手段の設置が必要となる。
【0084】
そして、これらの収差はいずれも光軸中心に対称な収差であり、その形状は図8に示す波長変化に伴う収差劣化と同様である。よって、前述の基板厚誤差用の収差補正手段、多層光記録媒体のスペーサ用の収差補正手段、従来の光記録媒体との互換用の収差補正手段を、波長変化用の収差補正手段と共用利用することが可能である。なお、各光記録媒体の媒体判別手段としては、例えば、光記録媒体挿入時に、青色,赤色,赤外のいずれかの光源を点灯させてフォーカスサーチさせたときの戻り光量レベルなどにより媒体種別を判別する構成などを用いればよい。
【0085】
このことから、本実施の形態1における位相補正手段105は、青色系光記録媒体の基板厚誤差、2層光記録媒体のレイヤギャップ(スペーサ)などに起因する波面収差も併せて補正する。すなわち、図6に示す中心波長407nmの対物レンズ108に、波長417nmの光を入射させたときの波面収差(断面図)は図14に示すような形状である。一方、同対物レンズ108で光記録媒体の厚みが0.03mmずれたときの波面収差(断面図)は図15のようになる。いずれの収差も光軸中心に対称な偶数次の形状を示す、よって、前述の位相補正手段105を用いれば、これら両収差を補正することができる。
【0086】
また、本実施の形態1の位相補正手段105は、DVD系光記録媒体やCD系光記録媒体などの従来の光記録媒体に集光させたときに発生する波面収差も併せて補正することが可能である。すなわち、図6に示す中心波長407nm/光記録媒体基板厚0.6mm/NA0.65の対物レンズを用いて、波長660nm/基板厚0.6mm/NA0.65で集光させたとき、波長780nm/基板厚1.2mm/NA0.50で集光させたときの波面収差(断面図)を図16にそれぞれ示す。図14,図15と同様に光軸中心に対称な偶数次の形状である。よって、前述の位相補正手段105を用いれば、これら異なる光記録媒体に光ビームを集光させたときに発生する波面収差も合わせて補正することができる。
【0087】
また、本実施の形態1では、位相補正手段105の制御信号として、波面収差検知手段の出力信号を用いている。図8に示すとおり、波長変動、波長ばらつきがあると色収差が発生し、記録面上に形成される光スポットの形状が劣化する。このように発生した収差は戻り光束の波面を歪ませることになり、図1に示す検出レンズ110を介して受光素子112に向かう光束にも収差が発生する。図17はこの状態を示している。戻り光束に収差が発生しているときには、戻り光束の基準波面に対して、光軸中心に同心円状に波面の遅れがあり、基準波面を集光したときの集光点に対し遅れた波面が集光する位置はデフォーカスとなる。そこで、遅れた波面と進んだ波面の差を取り出してフォーカス状態を検出することで波面収差の発生状況を知ることができる。
【0088】
例えば、光束分割手段111としてホログラムを用いた場合、図18に示すようにホログラムの分割パターンを形成して、分割された各々の光束を検知できるように受光領域が分割された受光素子112を準備すればよい。ホログラムは光軸直交面内でジッタ方向に対称分割された半分の領域を同心円に内側、外側の2領域に分割されたホログラムとする。受光素子112は、ホログラムで回折された各々の光束を検知する2分割の受光素子とする。そして、ホログラム回折光の光点像の移動量を検知して、各受光素子で生成される差分(Sa−Sb)、(Sc−Sd)の差分:W1を(数4)により求め、この(数4)が収差信号に相当する。
【0089】
【数4】
W1=(Sa−Sb−Sc+Sd)
W1=0で収差がないことを意味する。
【0090】
また、本実施の形態1は、位相補正手段105の代わりに、図2に示すようなエキスパンダ113を用いてもよい。エキスパンダ113は、2枚のレンズと、これらレンズの間隔を調整する間隔調整手段(図示せず)とにより構成されている。2枚のレンズは一方が正レンズ、他方が負レンズで、図2の例では負レンズが光源側に配置されているが、正レンズを光源側に配置してもよい。構成する正・負レンズの間隔を変化させると、対物レンズ108へ透過する光束に光軸中心に対称な収差が発生するので、この光軸中心に対称な収差によって波長変化に伴う色収差を相殺するようにする。
【0091】
前記収差検出方法により検出された収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したものが図10(a)である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束中で正・負レンズの間隔を変化させて、対物レンズ108への入射光の発散状態を変化させると、図10(b)のような補正後の波面収差として得られる。もとの波面収差よりも格段に小さくなる。
【0092】
次に、本発明の実施の形態2における実施例1の対物レンズへの入射光束を切り換える開口切換手段について説明する。前記実施の形態1における実施例3の光ピックアップは、青色波長帯域の光、DVD用赤色波長帯域の光の2光源を備えた、いわゆる2世代互換型光ピックアップであり、また、実施の形態1における実施例4の光ピックアップは、青色波長帯域の光、DVD用赤色波長帯域の光、CD用赤外波長帯域の光の3光源を備えた、3世代互換型光ピックアップである。
【0093】
ところで、これらの複数世代用の光ピックアップはその世代に応じて、使用NAが異なる。CD系光記録媒体のNAは0.45〜0.55の範囲に定められ、使用波長780±20nm、基板厚1.2±0.03mmである。また、DVD系光記録媒体のNAは0.59〜0.66の範囲に定められ、使用波長660±20nm、基板厚0.6±0.03mmである。そして、青色波長帯域を用いた光ピックアップについては、NA0.65からNA0.85のいずれかの領域に設定される方向にある。
【0094】
すなわち、点灯光源に応じて、NAを切り換える必要があり、このNAの切り換えは、対物レンズへ入射する光束径を切り換えることにより行う。光束径切換手段として、例えば、開口切換手段を用いて、波長帯域あるいは偏光方向に応じて、反射、回折、吸収のいずれかの光学特性を利用して光束径の切り換えを行うものであればよい。
【0095】
以下に、図5に示す光ピックアップの構成を参照して、青色系光記録媒体に対してはNA0.70、DVD系光記録媒体にはNA0.65、CD系光記録媒体にはNA0.50により記録、再生を行う場合における開口切換手段について説明する。
【0096】
図19(a),(b),(c)に示すように、本実施例1における開口切換手段107としては、光源から出射される光束の波長に応じて、反射によって光束径を切り換える手段を用いる。具体的には波長選択性を有する誘電体光学多層膜を用いる。図19(a),(b),(c)の開口切換手段107における光の透過特性は、誘電体光学多層膜が施されていない中心部領域φ3では青色波長帯域、赤色(DVD系)波長帯域、赤外(CD系)波長帯域の光に対して高透過率で(図19(c)参照)、次の周辺部領域φ3〜φ2(φ3の外周からφ2までの領域)では、青色波長帯域と赤色波長帯域の光に対してのみ高透過率で、赤外波長帯域の光には低透過率(図19(b)参照)、さらに周辺部領域φ2〜φ1(φ2の外周からφ1までの領域)では、青色波長帯域に対してのみ高透過率で、赤外波長帯域、赤色波長帯域の光には低透過率である(図19(a)参照)。
【0097】
また、本実施例1の開口切換手段107として、光源から出射される光束の波長に応じて、図20(a),(b),(c)に示すように回折によって光束径を切り換える手段でもよい。具体的には波長選択性を有する回折格子を形成してやればよい。図20(a),(b),(c)の光の透過特性は、回折格子が施されていない中心部領域φ3では青色波長帯域、赤色波長帯域、赤外波長帯域の光に対して透過し、次の周辺部領域φ3〜φ2(φ3の外周からφ2までの領域)では、青色波長帯域と赤色波長帯域の光に対しては作用せず、赤外波長帯域の光についてのみ回折させ、周辺部領域φ2〜φ1(φ2の外周からφ1までの領域)では、青色波長帯域の光に対しは作用せず、赤色波長帯域、赤外波長帯域の光について回折させる。
【0098】
さらに、本実施例1の開口切換手段107としては、光源から出射される光束の波長に応じて、図21(a),(b),(c)のように吸収によって光束径を切り換える手段でもよい。
【0099】
なお、本実施例1において、波長に応じて光束径を切り換える開口切換手段について説明したが、本実施例1に限られるものではなく、偏光特性を利用してもよい。すなわち、赤色波長帯域と赤外波長帯域の光の偏光方向が直交するように光源を配置し、この直交する偏光方向に応じて開口を切り換えてもよい。
【0100】
図22(a),(b)は本実施の形態2の実施例2における対物レンズの前段に配置される位相補正手段105,1/4波長板106,開口切換手段107を一体形成した複合素子を示す図である。これにより、組付工程の簡素化を図ることができる。また、図22(b)に示す構成によって、すなわち、ガラス基板,位相補正手段(液晶層),1/4波長板の順に一体形成され、ガラス基板の表面もしくは1/4波長板の表面に開口切換手段が形成されていてもよい。これにより、例えば、液晶素子単体は、ガラス基板、液晶層、ガラス基板を順に接合した構成であるが、それと同等の素子厚み、素子重量を軽減できる。
【0101】
さらに本実施例1の位相補正手段105,1/4波長板106,開口切換手段107はアクチュエータ(図示せず)上に設置してもよい。これらの部品をアクチュエータ上に設置し、対物レンズ108と一体可動させることにより、別体配置させた場合に比べ、相対的なシフトやチルトに伴う波面劣化を抑制できる。
【0102】
なお、本実施例1のアクチュエータは2〜4軸のいずれの可動変位であってもよい。すなわち、フォーカス・トラッキングの2方向制御に加えて、ラジアル方向もしくはジッタ方向の1軸周りのチルト制御可能な3軸アクチュエータや、2軸周りのチルト制御可能な4軸アクチュエータを用いてもよい。3軸あるいは4軸アクチュエータにより対物レンズの傾きを変化させると、対物レンズへ透過する光束にコマ収差が発生するが、光記録媒体の傾きにより発生するコマ収差と相殺することが可能である。
【0103】
図23(a)は本発明の実施の形態3の実施例1における「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を共に記録、再生、または消去できる光ピックアップの概略構成を示す図である。
【0104】
本実施例1における光ピックアップの要部は、青色波長帯域(波長400nm)の半導体レーザー101、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、回折素子114、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108、検出レンズ110、光束分割手段111、受光素子112より構成される波長400nmの光が通過する青色光学系と、ホログラムユニット201、コリメートレンズ202、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される波長660nmの光が通過するDVD系光学系と、ホログラムユニット301、カップリングレンズ302’、ダイクロイックプリズム303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108から構成される波長780nmの光が通過するCD系光学系から構成されている。
【0105】
すなわち、ダイクロイックプリズム203,303、偏向プリズム104、1/4波長板106、開口切換手段107、対物レンズ108は2ないし3つの光学系の共通部品である。ここで、対物レンズ108は、「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」に対し、無限系で波面収差が最小になるように設計されている。
【0106】
また、本実施例1における光記録媒体は、光記録媒体109a,109b及び109cはそれぞれ基板厚さ、使用波長が異なる光記録媒体で、光記録媒体109aは基板厚さが0.6mmの青色系光記録媒体で、光記録媒体109bは基板厚さが0.6mmのDVD系光記録媒体で、光記録媒体109cは基板厚さが1.2mmのCD系光記録媒体である。記録、再生、または消去時にはいずれかの光記録媒体のみが図示しない回転機構にセットされて高速回転される。
【0107】
光ピックアップにおける光学系の動作として、まず、「使用波長400nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。波長400nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメートレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103を透過し、後述する回折素子114の第1面である色収差補正面より入射し、回折素子114の第2面であるグレーティング面で3つの光ビーム(0次光であるメインビームと、±1次光のサイドビーム)に分岐され、ダイクロイックプリズム203,303を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109a上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。光記録媒体109aから反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、集光レンズ110で収束光とされ、光束分割手段111により複数の光路に偏向分割され受光素子112に至る。受光素子112からは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0108】
次に、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。近年、DVDのピックアップには受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられるようになっている。図4に示すように、ホログラムユニット201は、半導体レーザー201a、ホログラム201b及び受光素子201cを一体化して構成される。
【0109】
このホログラムユニット201の半導体レーザー201aから出射された660nmの光は、ホログラム201bを透過し、コリメートレンズ202で平行光とされ、波長400nmの光は透過し波長660nmの光は反射させるダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、1/4波長板106を通過し円偏光あるいは楕円偏光とされ、開口切換手段107では何ら作用を受けずに通過し、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109b上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。
【0110】
光記録媒体109bから反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメートレンズ202で収束光とされ、図4に示すようにホログラム201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある受光素子201c方向に回折されて受光素子201cに受光される。受光素子201cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0111】
引き続き、「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。DVD系と同様にCD系のピックアップも受発光素子を1つのキャンの中に設置し、ホログラムを用いて光束の分離を行うホログラムユニットが一般的に用いられる。図23(a)において、ホログラムユニット301は、半導体レーザー301a、ホログラム301b及び受光素子301cを一体化して構成される。
【0112】
このホログラムユニット301の半導体レーザー301aから出射された780nmの光は、ホログラム301bを透過し、カップリングレンズ302’で所定の発散状の光ビームに変換され、青色と赤色波長域の光は透過し赤外波長域の光は反射させるダイクロイックプリズム303によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、1/4波長板106を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口切換手段107でNA0.50に制限され、対物レンズ108に入射し、光記録媒体109c上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。光記録媒体109cから反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム303で反射され、カップリングレンズ302’で収束光とされ、受光素子301c方向に回折されて受光素子301cに受光される。受光素子301cからは、収差信号、情報信号、サーボ信号が検出される。
【0113】
以下に、本実施例1に用いられている一方の面に色収差補正用パターン、他方の面にグレーティング用パターンの各面を有する回折素子114の具体的な構成、機能について説明する。
【0114】
いま、図24(a)に示すような単玉レンズよりなる対物レンズ108において、以下の特性を有し、
入射光束径 : φ3.9mm
屈折率 : 1.625
光記録媒体基板厚: 0.6mm
使用波長が、中心波長の400nmから変化したときの収差劣化を図24(b)に示す。すなわち、発明が解決しようとする課題に記述したフォーカスサーボの動作が追いつかない▲3▼記録/再生時のような光源の発光出力変動(一般に0.5nm程度)に伴う波長変動、及び▲4▼マルチモード発光に伴う波長分布(一般に0.8nm程度)により、図24(b)のような波面劣化が生じる。
【0115】
波面収差の目標値は、これらの波長変化を、一般に無収差と見なせる収差の限界値である、マレシャルの基準値0.07λ以下に抑える必要がある。すなわち、図24(a)の単玉対物レンズでは、目標値0.07λを満足できていないため、スポットぼけが生じ、結果信号の記録/再生特性が劣化してしまう。
【0116】
図25(a)は波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図であり、光軸中心に対称な偶数次の形状となっている。このような単玉対物レンズの色収差を抑制するために、本実施例1では、回折素子114(図23(a)参照)を用いている。回折素子は、例えば非特許文献1にあるように、通常のガラスの分散と逆の分散を有する結果、対物レンズ108と回折素子114の屈折率fと分散nが、色消しの条件である(数5)を満足し、
【0117】
【数5】
Σfν=0
対物レンズ108と回折素子114の組み合わせにより、波長変動による影響を軽減できる。
【0118】
回折素子114の一方の第1面である色収差補正面では、波長400nmの光に対して+1次回折し、対物レンズ108と逆の色収差を有し、対物レンズ108により青色系光記録媒体109a上に集光される光ビームは波長変動が生じても無収差で集光される。図26(a)は回折素子の色収差補正面側の平面を、図26(b)は断面を示す図である。ここで、本実施例1における色収差補正面は、ある波長で最適化(ブレーズ化)されて構成される。回折素子114においては、例えば非特許文献1にあるように、入射光の全エネルギーが射出光に変換されるのではなく、回折効率と呼ばれる効率でしか変換されないが、回折素子114で理想的な形状とされるキノフォーム形状(鋸歯状)では、ある波長で最適化(ブレーズ化)されると、その波長での回折効率は理論的に100%になり、また、これを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率が得られる。
【0119】
このようなブレーズ化を本実施例1では、青色光学系に特化して行うことができる構成としている。すなわち、回折素子114をDVD系やCD系の光路と共用する光路に配置せず、青色系専用の光路に配置した構成であるため、青色光学系の効率をロスすることなく、青色/DVD/CD系の3波長対応の光ピックアップを実現している。
【0120】
次に、対物レンズと色収差補正面の具体的な数値構成と光学的性能とを説明する。特に、ここでは簡単のため、対物レンズと回折素子に限定して説明し、対物レンズと回折素子も実際よりも近い配置とし、実際の構成においては対物レンズと回折素子の間には、前述する各種の光学部品が配置され構成される。
【0121】
まず、図24(a),(表2)を用いて、対物レンズ108と回折素子114の色収差補正面について説明する。本実施例1の対物レンズ108は、波長400nmで波面最小となるように設計された対物レンズであり、開口数をNA(NA:0.65)、焦点距離をf(f:3mm)、波長400nmにおいての屈折率をn(n=1.625)として表す。
【0122】
また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の座標:X、光軸直交方向の座標:Y、近軸曲率半径:R、円錐定数:K、高次の係数:A,B,C,D,E,F,…を用いて、周知の非球面式を(数6)で表し、R、K、A、B、C、D、・・を与えて形状を特定する。
【0123】
【数6】
X=(Y2/R)/[1+√{1−(1+K)Y/R2}+AY4+BY6+CY8+DY10+EY12+FY14+GY16+HY18+JY20+・・
また、(表2)に具体的データを示す。
【0124】
【表2】
【0125】
また、表中の記号は、以下のとおりである。
【0126】
OBJは物点(光源としての半導体レーザー)を意味するが、対物レンズ108は無限系であり、曲率半径:RDY及び厚さ:THIのINFINITY(無限大)は光源が無限遠にあることを意味する。また、STOは開口切換手段の開口制限面であり、その曲率半径はINFINITYで、厚さは設計上「0」としている。また、特に断らない限り、長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
【0127】
S1は回折素子114の光源側面である色収差補正面、S2は光記録媒体側面でありグレーティング面であるが、ここでは省略する。S4は対物レンズ108の光源側面、S5は光記録媒体側面を意味する。レンズの肉厚は1.7mmであり、S5の欄の曲率半径の右側に記載された厚さ:1.42399mmはワーキングディスタンスを示す。S7は光記録媒体109aの光照射側基板の光源側面、IMGは同記録面に合致した面であり、これらの面S7,IMGの間隔、すなわち、光照射側基板厚は0.6mm、n=1.623である。EPD:入射瞳径は開口切換手段の開口径(3.9mm)を表し、WL:波長は使用波長(400nm)を表す。なお、非球面係数の表示において、例えば「D:−.200993E−04」とあるのは、「D=―0.200993×10−4」を意味する。
【0128】
続いて、(表3)を用いて、回折素子114の色収差補正面の数値構成を示す。回折素子114の光源側面に形成された干渉縞のパターンによる光路長の位相付加量φは、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数係数Pi、回折次数m、波長λを用いて、(数7)により定義される光路差関数φ(h)により表される。
【0129】
【数7】
φ(h)=(C1h2+C2h4+C3h6+…)×m×λ
付加量φは、軸上の光路長に対して光路長が長くなる方向を正として表す。なお、本実施例1の回折素子114に形成された同心円状の干渉縞のパターンは、1次回折光を利用するよう設計されている。ただし、いずれの次数の回折光を利用するかは任意であり、例えば、2次回折光を利用することもできる。光路差関数係数Ciは、(表3)に示されるとおりとなる。
【0130】
【表3】
【0131】
図25(b)には、色収差補正を行う回折素子114を備えたときの波面収差の様子を示す。図25(a)に対して、波長変動に伴う形状劣化が見られない。同様に波長−波面収差の関係を図24(c)に示す。この図24(c)においても、図24(b)に示すような波面収差の劣化が見られない。以上のことから、波長変化が生じても良好なスポットを確保することが可能となっている。
【0132】
また、回折素子114の他方の第2面であるグレーティング面は、直線状の矩形ピッチからなる回折格子が形成されてなり、光源からの光ビームを3つ以上に分割する。分割された光ビームは、対物レンズのチルトやシフトの影響を受けないトラックエラー信号である差動プッシュプル信号の生成や、RF信号に重畳する隣接トラックからのノイズの抑制(クロストークキャンセル)や、複数のトラックを同時に記録/再生するマルチリード/マルチライトなどのよく知られた方法に用いられる。
【0133】
以下に、青色光学系においてトラックエラー信号生成方法として差動プッシュプル法を用いた場合を例として説明する。これは1つの光ビームでプッシュプル信号を生成する場合に比べ、対物レンズのシフトやチルトによる影響を受けないメリットがある。図23(a),(b)に示す半導体レーザー101からの出射光束は、回折素子114の第2面により3本の光ビームに分けられ、光記憶媒体109a上で集光・反射され、それぞれの光ビームに対応した3つ受光領域からなる受光素子112に達し、トラックエラー信号が検出される。回折素子114により生じた3本の光ビームは図27に示すように、光記憶媒体109a上で両サイドビームBsをメインビームBmに対し、半径方向にトラックピッチ(Tp)の半分だけずらして配置する。メインとサイドのそれぞれのスポット1〜3に対し、プッシュプル信号TE1,TE2,TE3を検出し、その差動TE DPPをとる方法である。次の(数8)に示すとおりである。
【0134】
【数8】
TE1=E1−F1 (メインのスポット1のプッシュプル信号)
TE2=E2−F2 (サイドのスポット2のプッシュプル信号)
TE3=E3−F3 (サイドのスポット3のプッシュプル信号)
TE DPP=TE1−(1/2)・(TE2+TE3)
この差動プッシュプル法によれば、メインビームBmのプッシュプル信号とサイドビームBsのプッシュプル信号は、共に対物レンズ108の光の光軸に対する軸ずれや対物レンズ108と光記憶媒体109aの相対的なチルトによるオフセット量が等しいため、これらによるオフセット発生をキャンセルできる。
【0135】
なお、一般に差動プッシュプル法においては、サイドビームBsをTp/2の位置に配置するためにグレーティング面を光軸中心に回転調整するが、第1面の色収差補正面は光軸中心に同心円状のパターンであり、何ら問題なく回転調整が行える。
【0136】
以上のように、本実施例1においては、図23(b)に示すような回折素子114として、一方の第1面に色収差補正面、他方の第2面にグレーティング面が形成されてなる。これにより、組付工程の簡素化、部品の小型化、低コスト化、重量の低減ができる。
【0137】
図28(a)は本実施の形態3の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、青色系光路も光源と受光素子と光路分離手段を単一パッケージに収めたホログラムユニット401を使用するとともに、図28(b)に示すように、ホログラム401bの第1面のホログラム面と対向する第2面に色収差補正面を設けている。
【0138】
このような構成により、ホログラムユニットを用いる系においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図れる。また、ホログラム401bは光記録媒体からの戻り光が受光素子面に良好に集光されるように組付時において回転調整されるが実施の形態3における実施例1と同様、本実施例2においても、この点は問題ない。
【0139】
図29(a)は本実施の形態3の実施例3における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、回折素子114’として、光源側の一方の第1面はビーム整形機能を有し、他方の第2面は前記実施の形態3の実施例1,2で説明した色収差補正機能を有している。
【0140】
ここで、ビーム整形機能を実施する機構に関して説明する。半導体レーザー101はその活性層に平行な軸と垂直な軸によって拡がり角が異なる光ビームを出射する。従って、コリメートレンズ102によって平行にされた光束の光軸に垂直な断面における強度分布は楕円形状となり、多くの半導体レーザー101から出射された光ビームにおいてはその比が1:2以上である。この楕円形状の強度分布を略円形に整形するための手段として、ビーム整形プリズムが知られている。
【0141】
図30にビーム整形プリズムを用いた光ピックアップ装置の一例を示す。プリズム211の水平方向に傾いた面211aに対し水平方向が短い楕円形状の光ビームを入射させ、この面211aで屈折させることにより水平方向を拡げている。面211aにおける屈折では、図30の紙面に対し垂直な方向の光ビームの幅は変わらないので、楕円形状の光ビームの強度分布は整形され、略円形の強度分布を得ることができる。強度分布が略円形となった光ビームは、対物レンズ108によって集光される。この構成においては、略円形に整形された光ビームを光記憶媒体109に照射できるので、スポット径を小さくでき、かつ、より円形のスポットが得られるので、高記録密度の光記憶媒体の記録、再生に適した光ピックアップ装置を実現できる。
【0142】
しかしながら、このようなプリズム211は光学系のサイズアップを招くことになる。そこで、本実施例3では、ビーム整形機能を回折素子114’に担わせることにより、光学系の小型化を果たす。さらにその回折素子114’の対向する面には、これまで説明してきた色収差補正機能も備えて構成する。
【0143】
ビーム整形用の回折パターンとしては、図29(b)に示すように同心楕円状のパターン面を用意すればよい。
【0144】
以上のような構成により、ビーム整形機構が必要な構成においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図ることができる。
【0145】
図31は本実施の形態3の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図である。前記実施の形態3の実施例1と構成が異なる点は、位相補正を行う液晶素子115のガラス基板上に、前記実施の形態3の実施例1,2,3で説明した色収差補正機能を有し、回折素子114に代えて配置している。
【0146】
前述してきた回折素子114,114’は、アクチュエータが追従不可能な波長変動に伴う色収差を抑制する効果がある。一方、別の波長変動の要因として、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う光源の波長変動などがある。本実施例4では、前述した液晶素子115を具備しているため、▲1▼光源の発振波長のばらつき、▲2▼温度変動に伴う色収差も抑制することが可能である。
【0147】
本実施例4における液晶素子115は、前記実施の形態1の位相補正手段105(図6参照)において説明したように、図12に示すような、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の電極部分と共通電極間に独立した電圧が印加できる。この電圧を制御することで、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1 からn2まで自在に変えて、屈折率nを変化させると、各領域の通過光線に光路差Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして位相差Δn・d(2π/λ)を与える。
【0148】
上述のような波長変動に起因して発生する収差が、例えば、図8の如きものであったとする。この波面収差を2次元曲線として示したのが図32(a)の上側の実線部分である。このような波面収差に対し、対物レンズ108に光源側から入射する光束に、図32(a)の下側の破線部分に示すような位相が与えられるように、液晶素子115の各同心円帯電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子115を透過する光束の各部での波面の遅れにより波面収差を打ち消すことができる。図32(b)は、図32(a)における実線(波面収差)と破線(液晶素子115による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面収差を示す。もとの波面収差(図32(a)の上側の実線部分)よりも格段に小さくなる。
【0149】
また、図33は本実施例4の液晶素子の概略構成を示す断面図であり、図33に示す液晶素子115は、ガラス基板1a,1bが、導電性スペーサ2により接着され液晶セルを形成している。ガラス基板1aの内側表面には、内側表面から電極4a、絶縁膜5、配向膜6の順に、またガラス基板1bの内側表面には、内側表面から電極4b、絶縁膜5、配向膜6の順に被膜され、そして、ガラス基板1aの外側表面に回折素子面40が形成される。
【0150】
以上のような構成により、アクチュエータが追従できる波長変動に伴う波面劣化を抑制できる光学系においても、組付簡素化、素子構成の簡略化を図れる。
【0151】
図34は本発明の実施の形態4における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図である。
【0152】
情報記録再生装置10は、光記録媒体20に対して光ピックアップ11を用いて情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う装置である。本実施の形態4において、光記録媒体20はディスク状であって、保護ケースのカートリッジ21内に格納されている。光記録媒体20はカートリッジ21ごと、挿入口12から情報記録再生装置10に矢印「ディスク挿入」方向へ挿入セットされ、スピンドルモータ13により回転駆動され、光ピックアップ11により情報の記録や再生、あるいは消去が行われる。
【0153】
この光ピックアップ11として、前述の実施の形態1,2,3に記載の光ピックアップを適宜用いることができる。
【0154】
以上の各実施の形態においては、説明を簡単とするため、波長として代表的な数値(400nm,660nm,780nm等)に限定して述べてきたが、本発明は、以下のような各光記録媒体が規格として定める範囲
青色波長帯域:波長397nm〜417nm
赤色波長帯域:波長650nm〜670nm
赤外波長帯域:波長770nm〜790nm
に適用することが可能である。
【0155】
同様に、開口数:NAにおいても代表的な数値(0.65,0.50等)に限定して述べてきたが、これらも
青色系光記録媒体のNA :0.59〜0.86
DVD系光記録媒体のNA:0.59〜0.66
CD系光記録媒体のNA :0.45〜0.50
の範囲に適用することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、色収差補正手段として、光源の記録/再生動作時の発光出力の変化に伴う波長変動、またはマルチモード発光時の波長分布に伴う色収差(フォーカスサーボが追従不可能な波長変化に伴う波面収差劣化)を補正する第1の色収差補正手段と、光源の中心波長のばらつき、または温度変動による光源の波長変動に伴う色収差(フォーカスサーボが追従可能な(msecオーダー)波長変化に伴う波面収差劣化)を補正する第2の色収差補正手段とを備えて、各種変動に伴う色収差を補正でき、さらに第2の色収差補正手段は、光記録媒体の基板厚誤差に対する収差補正、多層光記録媒体の情報記録面間距離に対する収差補正、使用波長及び基板厚の異なる他世代の光記録媒体に対する収差補正を行う素子と共用でき、部品点数を増加させることなく色収差を補正すことができ、また、第1の色収差補正手段と同機能の回折素子を、他の光学部品と一体形成、集約化してより光ピックアップの小型化、低コスト化、組付の簡素化を図り、かつ回折素子を青色系光源と光路合成手段間に配置して、青色系の波長で最適化した高効率光学系を構築し、これによって光記録媒体の高速回転、すなわち高速記録/再生を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の実施例1における光ピックアップの概略構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1の実施例2における光ピックアップの概略構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1の実施例3における光ピックアップの概略構成を示す図
【図4】本実施の形態1の光ピックアップに用いられるホログラムユニットの拡大図
【図5】本発明の実施の形態1の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図
【図6】本実施の形態1のアパーチュア、光ピックアップ用対物レンズ、光照射側基板の配置状態を示す図
【図7】(a)は単玉対物レンズ、光照射側基板の配置状態、(b)はフォーカスサーボが追従でき、(c)はフォーカスサーボが追従できない波長劣化に伴う波面劣化の特性を示す図
【図8】波長変動に伴い劣化する波面収差の様子を示す図
【図9】(a)は波面収差を実線、入射光を変化させる位相を破線の2次元曲線として示し、(b)は補正後の波面収差を示す図
【図10】(a)は波面収差、(b)は対物レンズへの入射光の発散状態を変化させ、補正後の波面収差を示す図
【図11】中心波長407nmでのベストフォーカス位置に固定された場合の波長変動と波面収差の関係を示す図
【図12】位相補正手段の電気光学素子として用いた液晶の電極パターンを示す図
【図13】対物レンズのフォーカス調整後の波長変化に伴う波面収差の様子を示す図
【図14】中心波長407nmの対物レンズに、波長417nmの光を入射させたときの波面収差を示す図
【図15】中心波長407nmの対物レンズで光記録媒体の厚みが0.03mmずれたときの波面収差を示す図
【図16】中心波長407nm/光記録媒体基板厚0.6mm/NA0.65の対物レンズを用いて、波長660nm/基板厚0.6mm/NA0.65で集光させたとき、波長780nm/基板厚1.2mm/NA0.50で集光させたときの波面収差を示す図
【図17】検出レンズを介して受光素子に向かう光束に発生する波面収差を示す図
【図18】光束分割手段(ホログラム)の分割パターンを形成し、分割光束を検知する受光領域を分割した受光素子を示す図
【図19】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を反射により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図20】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を回折により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図21】本発明の実施の形態2の実施例1における(a)は青色波長帯域、(b)は赤色波長帯域、(c)は赤外波長帯域の透過光を吸収により光束径を切り換える開口切換手段を示す図
【図22】本発明の実施の形態2の実施例2における(a)は対物レンズの前段に配置される位相補正手段,1/4波長板,開口切換手段を一体形成した複合素子、(b)は簡素化した複合素子を示す図
【図23】本発明の実施の形態3の実施例1における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図24】(a)は回折素子と対物レンズと光記録媒体との具体的な配置構成、(b)は対物レンズのみ配置した波面収差、(c)は回折素子と対物レンズを配置した波面収差を示す図
【図25】(a)は波長変動に伴い劣化する波面収差、(b)は色収差補正を行う回折素子を備えたときの波面収差の様子を示す図
【図26】(a)は回折素子の色収差補正面側の平面、(b)は断面を示す図
【図27】回折素子により生じた3本の光ビームを用いた差動プッシュプル法を説明する図
【図28】本発明の実施の形態3の実施例2における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図29】本発明の実施の形態3の実施例3における(a)は光ピックアップの概略構成、(b)は回折素子の第1,第2面を示す図
【図30】ビーム整形プリズムを用いた光ピックアップの一例を示す図
【図31】本発明の実施の形態3の実施例4における光ピックアップの概略構成を示す図
【図32】(a)は波面収差を実線、入射光を変化させる位相を破線の2次元曲線として示し、(b)は補正後の波面収差を示す図
【図33】本実施の形態3の実施例4における液晶素子の概略構成を示す断面図
【図34】本発明の実施の形態4における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図
【図35】従来の1群2枚貼り合わせ型の対物レンズを示す図
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板
2 導電性スペーサ
3 液晶
4a,4b 電極
5 絶縁膜
6 配向膜
7 電極引出部
10 情報記録再生装置
11 光ピックアップ
12 挿入口
13 スピンドルモータ
20 光記録媒体
21 カートリッジ
40 回折素子面
101,201a,301a 半導体レーザー
102,202,302 コリメートレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 偏向プリズム
105 位相補正手段
106 1/4波長板
107 開口切換手段
108 対物レンズ
108’ 単玉対物レンズ
108a アパーチュア
109 光記録媒体
109a 光照射側基板
110 検出レンズ
111 光束分割手段
112,201c,301c 受光素子
113 エキスパンダ
114,114’ 回折素子
115 液晶素子
201,301,401 ホログラムユニット
201b,301b,401b ホログラム
203,303 ダイクロイックプリズム
211 プリズム
211a 面
302’ カップリングレンズ
Claims (20)
- 光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、記録、再生時における光源の出力変動に伴う波長変動、または雑音低減のため前記光源の波長に拡がりを持たせるマルチモード発光に伴う波長分布に起因して発生する色収差を補正する第1の色収差補正手段と、前記光源の中心波長のばらつき、または温度変動に伴う前記光源の波長変動に起因して発生する色収差を補正する第2の色収差補正手段とを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
- 前記第1の色収差補正手段を、1群2枚の貼り合わせ型の対物レンズとしたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
- 前記第2の色収差補正手段を、対物レンズと光源の間に配置し、光束が透過または反射する際に、光学波面に対して同心円状に異なる位相を付加する補正素子としたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
- 前記第2の色収差補正手段を、対物レンズと光源の間に配置し、対物レンズ入射光の発散状態を変化させる補正素子としたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
- 前記光ピックアップに、光記録媒体の基板厚変動を検知する基板厚誤差検知手段を備え、前記基板厚誤差検知手段からの出力値に応じて、第2の色収差補正手段の補正素子による位相状態、または発散状態を変化させることを特徴とする請求項3または4記載の光ピックアップ。
- 前記光ピックアップに、2層以上の情報記録面を有する多層光記録媒体の情報記録面間距離を検知する情報記録面間距離検知手段を備え、前記情報記録面間距離検知手段からの出力値に応じて、第2の色収差補正手段の補正素子による位相状態、または発散状態を変化させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の光ピックアップ。
- 前記光ピックアップに、使用波長または使用開口数の異なる複数種類の光記録媒体における種類を判別する光記録媒体判別手段を備え、
前記光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、第2の色収差補正手段の補正素子による位相状態、または発散状態を変化させることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の光ピックアップ。 - 前記基板厚誤差検知手段、または情報記録面間距離検知手段、または光記録媒体判別手段を、光記録媒体の情報記録面上で発生する波面収差量を検知する波面収差検知手段としたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の光ピックアップ。
- 前記光ピックアップに、対物レンズへの入射光束径を切り換える開口切換手段を備え、前記開口切換手段が、光源の波長帯域に応じて、反射,回折,吸収のいずれかにより前記入射光束径の開口を切り換えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の光ピックアップ。
- 光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う光ピックアップであって、各々波長の異なる複数の光源(波長:λ1,λ2,…λi(λ1<λ2<…<λi))と、前記光記録媒体に前記光源からの出射光を集光させる対物レンズと、前記各光源と前記対物レンズ間の光路を合成する光路合成手段とを備えた光ピックアップにおいて、
前記波長λ1の光源と前記光路合成手段との間に配置され、前記対物レンズと逆特性の色収差を有する回折素子を備えたことを特徴とする光ピックアップ。 - 前記回折素子が、光源の波長λ1で最適化されてなることを特徴とする請求項10記載の光ピックアップ。
- 前記回折素子が、光源と対物レンズ間に光路を構成する他の光学部品と一体化されてなることを特徴とする請求項10または11記載の光ピックアップ。
- 前記他の光学部品が、樹脂層または液晶層を1対のガラス基板または樹脂基板で挟み込んだ素子からなり、前記1対のガラス基板または樹脂基板の少なくとも一方の面に回折面が形成されてなることを特徴とする請求項12記載の光ピックアップ。
- 前記樹脂層または液晶層を1対のガラス基板または樹脂基板で挟み込んだ素子が、前記ガラス基板の内側に液晶層を挟持し、かつ1対の電極層を有する液晶素子であることを特徴とする請求項13記載の光ピックアップ。
- 前記回折素子が、ガラス基板または樹脂基板の両面に回折面が形成されてなることを特徴とする請求項10または11記載の光ピックアップ。
- 前記回折素子が、一方の面を対物レンズと逆特性の色収差を有する色収差補正面とし、他方の面を光源からの出射光を3つ以上に分離するグレーティング面としたことを特徴とする請求項15記載の光ピックアップ。
- 前記回折素子が、一方の面を対物レンズと逆特性の色収差を有する色収差補正面とし、他方の面を光記録媒体からの戻り光を偏向させるホログラム面としたことを特徴とする請求項15記載の光ピックアップ。
- 前記回折素子が、一方の面を対物レンズと逆特性の色収差を有する色収差補正面とし、他方の面を光源からの出射光のビーム径を拡大あるいは縮小させるビーム整形面としたことを特徴とする請求項15記載の光ピックアップ。
- 請求項1〜18のいずれか1項記載の光ピックアップを用いて、光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことを特徴とする光情報処理装置。
- 前記光記録媒体に対して、青色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.86により、または赤色波長帯域の光源光、開口数0.59〜0.66により、または赤外波長帯域の光源光、開口数0.45〜0.55により情報の記録,再生,消去の少なくとも1以上を行うことを特徴とする請求項19記載の光情報処理装置。
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-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003149229A patent/JP2004111012A/ja active Pending
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