JP2004198011A - 流動層反応炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱容量が小さいために迅速に立ち上げることができ、しかも放熱損失が小さい、といった利点を有する流動層反応炉を提供する。
【解決手段】内部に高温の流動層11を形成するための炉本体10を、外周部に空間21を設けた状態で別のベッセル20の内部に収容した。炉本体10内に送る流動化ガスは、上部の導入管25からベッセル20内に導入し、炉本体10の外周とベッセル20との間の上記空間21に流したうえ炉本体10の下部に至らしめ、分散板13を通して流動層11へ送る。炉本体10の上部をベッセル20に固定し、炉本体10の下部は、振れ止め板23によって上下方向への変位が可能な状態でベッセル20内に設けている。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に高温の流動層11を形成するための炉本体10を、外周部に空間21を設けた状態で別のベッセル20の内部に収容した。炉本体10内に送る流動化ガスは、上部の導入管25からベッセル20内に導入し、炉本体10の外周とベッセル20との間の上記空間21に流したうえ炉本体10の下部に至らしめ、分散板13を通して流動層11へ送る。炉本体10の上部をベッセル20に固定し、炉本体10の下部は、振れ止め板23によって上下方向への変位が可能な状態でベッセル20内に設けている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、粉粒状の固体(被処理物)を流動化ガスにて流動させることを通じて各種の反応(加熱・冷却・乾燥・分級・輸送等を含む)を起こさせる流動層反応炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高温度の流動層を内部に形成する流動層反応炉について、従来の一般的な構造を図5に示す。炉体70は概ね円筒形などに形成され、鉄板等の金属板(鉄皮)70aの内側に耐火物(または断熱材)70bが施工されている。耐火物70bの内側に流動層71のための空間があり、その下に分散板(多数の通孔を有する板)73が設けられている。炉体70に接続した供給手段78を用いて分散板73の上に被処理物を投入するとともに、最下部にある風箱72より流動化ガスを導入して分散板73から上向きに流すことにより、分散板73上で当該被処理物(あるいは珪砂等の流動補助材との混合物)の流動層71を形成する。こうした流動層71において、被処理物と流動化ガスとが活発に接触することにより所定の反応を起こし、その後のガスが流出口75より出る一方、被処理物が回収管76から取り出される。
【0003】
使用温度(流動層温度)の高い流動層反応炉において、上記のように耐火物や断熱材が炉壁に施工される主な理由は、内部の熱量が外部に伝わることによる放熱損失を低減することにある。放熱損失が大きいと熱効率が悪く、エネルギーの無駄が生じてしまう。
【0004】
なお、下記の特許文献1にも、耐火物もしくは熱容量の大きい蓄熱材を炉壁に設ける流動層反応炉が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−212574号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図5や上記特許文献1に記載のように耐火物や断熱材を炉体に設けると、流動層反応炉の放熱損失が低減され、または、熱容量が大きいために反応温度を安定化させることができる。しかし、休止させた(温度低下した)反応炉を再度使用する際には、耐火物や断熱材を有するため熱容量が大きく、当該反応炉の運転前の準備時間が長くなる。つまり、反応が円滑化するに必要な温度にまで炉体を予熱・昇温するという、いわば立ち上げ作業のためにかなりの時間が必要である。
【0007】
連続的に運転される流動層反応炉に関しては、立ち上げに要する時間が長いこともほとんど不利にはならないが、小規模設備である等の理由でたとえばデイリースタート・デイリーストップが通常の運転態様である反応炉においては、立ち上げに長時間を要することは運転効率を著しく低下させ、熱効率の面でも大いに不利となる。
【0008】
請求項に係る発明は、熱容量が小さいために迅速に立ち上げることができ、しかも放熱損失が小さい、などの利点を有する好ましい流動層反応炉を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した流動層反応炉は、内部に常温(外気の温度)以上の流動層を形成するための炉本体を、外周部に空間を設けた状態で別のベッセルの内部に収容したことを特徴とする。
【0010】
この流動層反応炉は、炉本体とベッセルとの間に伝熱性の低い空気層をはさんだ二重構造であることから、内外間の断熱性が高く、したがって流動層温度を常温以上にするにもかかわらず放熱損失が小さめに抑えられる。
上記のように断熱性が高く放熱損失が小さいことから、この流動層反応炉では炉本体またはベッセルの壁に耐火物や断熱材を厚く施工する必要がない。そのため、反応炉の熱容量を小さくすることができ、予熱・昇温といった立ち上げのための時間を短くすることが可能である。立ち上げに要する時間が短くなれば、デイリースタート・デイリーストップなどのような頻繁なON・OFFを繰り返す際にも、効率上の不利が小さくなる。
なお、流動層反応炉において放熱損失が重要な課題になるのは内部の流動層温度が200℃以上になる場合であり、またその温度が1300℃を超えると厚い耐火物や断熱材が不可欠になるため、この請求項の流動層反応炉は、流動層温度が200〜1300℃のものにおいて効果を発揮するものといえる。
【0011】
請求項2に記載の流動層反応炉はとくに、炉本体内に送る流動化ガスを、ベッセル内に上部から導入し、炉本体の外周とベッセルとの間の上記空間に流したうえ炉本体の下部に至らしめることを特徴とする。炉本体の下部に達したのち、同ガスは、分散板等を通って炉本体内に上向きに送られ、粒状物を流動化させる。
【0012】
こうした流動層反応炉においては、放熱損失を一層に低減することができる。炉本体の壁を通して流動層内の熱量が外部に移動しても、その熱量が、上記のように炉本体の外周とベッセルとの間の空間に流れる流動化ガスに回収され、同ガスとともに再び炉本体内に供給されるからである。
【0013】
請求項3に記載の流動層反応炉はとくに、炉本体の上部をベッセルに固定し、炉本体の下部は、上下方向への変位が可能な状態でベッセル内に設けたことを特徴とする。なお、炉本体の下部は、上記のように上下方向には変位可能にしながらも、水平方向へは変位しないように支えるのが、振れを防止する等の点で好ましい。
【0014】
炉本体とベッセルとの二重構造にする流動層反応炉においては、流動層を常温以上にする場合、炉本体とベッセルとの間で熱膨張量に差異が生じがちである。流動層反応炉は一般に上下に長いことから、両者の熱膨張量は上下方向に関して最も差異が大きくなる。
しかし、この請求項の流動層反応炉は、炉本体の上部をベッセルに固定する一方、炉本体の下部は上下変位が可能な状態にするので、上記のように熱膨張量に差異が生じても、両者に不適当な応力や変形が生じがたい。
【0015】
とくに、炉本体の下部をベッセルに固定する(そして炉本体の上部をベッセルに対して変位可能にする)のではなく、上部において炉本体をベッセルに固定することから、この流動層反応炉では内部のガスを漏出させないように構成することが容易である。それは以下のように説明できる。前記したように流動化ガスをベッセル内に上部から導入し、炉本体の外周とベッセルとの間の上記空間を流したうえで炉本体の下部に至らしめるようにする場合(たとえば図1のように構成した場合)、
イ) もし上部において炉本体をベッセルに対して変位可能にするならば、ガスの漏出を防ぐためには両者間に伸縮継手が必要になる。しかも、上部ではベッセル内と炉本体内との圧力差が大きいため、当該伸縮継手に相当な耐圧性が必要である。
ロ) それに対し、上部において炉本体をベッセルに固定するとともに下部をベッセル内で変位可能にすれば、圧力差の大きい上部において伸縮継手を使用する必要がない(炉本体とベッセルとを溶接したり、パッキンを用いて両者を結合したりすればよい)。また下部では、ベッセルと炉本体との間を通るガスは、ベッセルの壁が健全である限り外部には漏出せず、予定されたとおり炉本体内(流動層内)に送られるので、継手など特別な密封手段は不要である。
【0016】
請求項4に記載した流動層反応炉は、とくに、炉本体の内部において流動化ガスを常圧(大気圧)より高くすることを特徴とする。
【0017】
このように流動化ガスの圧力を高くして運転する流動層反応炉においては、前記した各発明の特徴が一層の利点をもたらす。たとえば、
・ 炉本体とベッセルとの二重構造にすることは、流動化ガスが高圧である流動層反応炉を構成容易にするうえでとくに有利である。上記した二重構造をとれば、内側の炉本体に関しては内外間の圧力差を小さくすることができるために耐圧強度を緩和でき、外側のベッセルに関しては、接触するガスの温度が流動層温度よりもかなり低いために耐熱強度を緩和できるからである。つまり、流動層反応炉を一重の壁にて構成する場合と異なり、特定の壁に対して耐熱性と耐圧性とがともに厳しく要求されることがない。したがって、各壁を軽量かつ低コストに構成して流動層反応炉の低価格化を実現できる。
・ また、炉本体の上部をベッセルに固定して両者間に伸縮継手を不要にすることも、流動化ガスが高圧である流動層反応炉においてとくに利点をもたらす。流動化ガスが高圧である場合、もし炉本体とベッセルとの間に伸縮継手が必要だとすれば、その継手には相当に高い設備コストが必要だからである。口径が200mmを超える程度の伸縮継手においては、内部圧力がゲージ圧で0.3kgf/cm2(約0.03MPa)以上になるとコストが急増するので、当該構成の利点は、流動化ガスの圧力がその程度以上になる場合にとくに顕著である。
【0018】
なお、流動化ガスの圧力を高くして運転すると、流動層反応炉をコンパクトにしながらも流動層における反応を活発化できるという利点がある。
【0019】
請求項5に記載の流動層反応炉は、とくに、バイオマスをガス化させるために使用するものであることを特徴とする。
【0020】
バイオマスをガス化させるための流動層反応炉は、被処理物であるバイオマス(とくに木材等の木質系バイオマス)について集荷が容易でないこと等の理由から、容量が小さく(たとえば1基・1日あたりの最大処理量が0.2〜1.0トン)各地域に分散設置される小規模・分散型の設備にならざるを得ない。また、同じくバイオマスの集荷の観点から人口の疎らな地域に設置されることが多いため、その運転も、日中のみに限ったデイリースタート・デイリーストップの態様であることがほとんどである。
このように小規模であって連続運転される場合の少ないバイオマスのガス化用流動層反応炉においては、上記のように炉本体とベッセルとの二重構造にすることがとくに有意義である。そのような構造は、耐火物や断熱材を厚く施工しなくとも断熱性を高くできるので、反応炉の熱容量を小さくし、もって予熱等の立ち上げに要する時間を短縮できるからである。短い立ち上げ時間で十分に予熱ができるなら、この流動層反応炉では、頻繁なON・OFFを繰り返す際にも消費する熱量が僅かである。
【0021】
請求項6に記載の流動層反応炉は、さらに、外部から流動層へ向けての被処理物の投入管を、炉本体からのガス流出口を経由させて流動層の直上部分に開口させたことを特徴とする。流動層の直上部分とはたとえば、流動層の真上にあって流動層と内径が同等の部分をいう。なお、投入管の上部(流動層反応炉の外にある基部)には、流動化ガス(および発生ガス)を外部に漏出させずに被処理物を投入できる、シール機能のある供給手段(ロータリバルブやスクリューコンベヤ等)を設けるのがよい。
【0022】
この流動層反応炉には、流動層へ向けての被処理物の投入管に関連してつぎのような作用的特徴がある。すなわち、
1) 外部から炉本体の内部にかけての投入管の配置を簡単化できる。この流動層反応炉は炉本体とベッセルとを含む二重構造であるため、双方の壁を貫く一般的な位置に投入管を設けた場合には、反応炉の運転時に不適当な変形等が生じる恐れがある。温度上昇にともなう熱膨張によって、炉本体とベッセルおよび投入管の間に相対変位が生じやすく、いずれかに熱応力が発生しがちだからである。しかしこの請求項の流動層反応炉では、投入管を、炉本体からのガス流出口を経由させて(つまり、炉本体とベッセルとからなる二重壁を貫通させずにガス流出管のみを貫通させて)設けるので、熱膨張による上記の相対変位が不適当な応力を生むことがない。したがって、そのような応力を緩和すべく投入管に変形容易な部分を設けたりする必要もない。
2) 被処理物をスムーズに流動層内に落下させることができる。投入管はガス流出口を経由させながらも、その開口(下端部の開口)を、当該流出口内にではなく流動層の直上部分に設けるからである。流動層を出たガス(流動化ガスおよび発生ガス)は、流動層部分よりも口径の小さいガス流出口を通るとき速度を増して流れるが、そのようなガス流出口より下の位置にある、流動層の直上部分に投入管の開口を設ける以上、投入管から落下させられる被処理物がガスとともに炉外に流出してしまう不都合を避けられるのである。
【0023】
請求項7に記載の流動層反応炉は、とくに、炉本体の壁を金属板により形成して、ベッセルの壁を金属板により形成して外周部に保温材を設けたことを特徴とする。炉本体およびベッセルの壁に使用する金属板としては、耐熱性および耐食性に富むものを使用する。たとえばステンレス鋼板、なかでもJISにいうSUS310等がその金属板として好ましい。ベッセルの壁の外周部に設ける保温材としては、軽量であって熱容量の小さい、たとえばロックウールやグラスウールのような保温材が好ましい。
【0024】
こうした流動層反応炉は、請求項1に記載した流動層反応炉を具体的に構成したものであって、コストが低いこと、断熱性が高い(したがって放熱損失が小さい)こと、および熱容量が小さい(したがって立ち上げ時間を短縮できる)ことに関してきわめて好ましいといえる。
この流動層反応炉が低コストであるうえに低熱容量であるのは、炉本体に耐火物をほとんど設ける必要がないからである。とくに耐火物を全く使用しない場合には設備コストおよび消耗品(耐火物)のコストが低く、しかも、軽量であって熱容量が小さい。前記のように炉本体とベッセルとの間に流動化ガスを流すこととして炉本体の内外間に作用する圧力差を小さくすれば、炉本体の壁とする金属板をとくに薄くすることが可能なので、低コスト化・低熱容量化に関してさらに有利である。
一方、この流動層反応炉が断熱性についてとくにすぐれるのは、ベッセルの外周部に保温材を設けるからである。ベッセルの外周部をたとえば全周的に保温材で覆うと、流動層反応炉から外部へ移動する熱量を少なくすることができる。ロックウール等の軽量・低熱容量の保温材を使用するなら、これを設けることによる重量と熱容量の増加はきわめて僅かである。またこのように保温材を使用すれば、外側表面が高温度になることが防止されるため、人が接近または接触し得る流動層反応炉とするうえで好ましい。
【0025】
請求項8に記載の流動層反応炉は、さらに、
・ 外部から流動層上部のフリーボード部に送る燃焼用流体の供給管を、
・ ベッセルおよび炉本体の壁を貫通させ、炉本体に対して密に(つまり隙間なく)固着するとともにベッセルの壁に対し伸縮継手を介して変位可能に密に接続することにより取り付けた
ことを特徴とする。
フリーボード部に送る上記の燃焼用流体とは、オイル等の燃料、または酸素含有ガスをいう。フリーボード部に可燃性の高温ガスが充満している場合には、酸素含有ガスを吹き入れるだけで当該可燃性ガスが燃焼するので、燃料とともに酸素含有ガスも「燃焼用流体」であるといえる。
【0026】
こうした流動層反応炉では、上記の燃焼用流体が起こす燃焼によって流動層上部(フリーボード部)を加熱できるため、内部の温度をとくに適切にコントロールして、反応炉内に望ましい反応を生じさせることが可能である。たとえばフリーボード部に温度検出用センサーを設け、当該センサーの信号に基づいて自動開度調整されるバルブを燃焼用流体の供給管に設けておけば、フリーボード部の温度コントロールは一層適切に行える。
【0027】
また、上記した燃焼用流体の供給管は、燃焼用流体をフリーボード部以外の箇所に漏出させず、しかも、炉本体およびベッセルに対して不適当な応力を発生させることがない。常温以上の温度で使用する場合、炉本体とベッセルとの間には熱膨張量の差が発生するため、双方の壁を貫通させて供給管を配置すると炉本体やベッセル等に無理な応力や変形が生じる可能性がある。しかしながら、この請求項の流動層反応炉では、供給管を、炉本体に対して密に固着するとともにベッセルの壁に対し伸縮継手を介して変位可能に密に接続するので、燃焼用流体の漏出を防止しながらも応力または変形に関する不都合を回避できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての一形態を図1および図2に示す。図1は、間伐材や木屑などのバイオマスをガス化するための流動層反応炉1を示す縦断面図である。また図2(a)は、流動層反応炉1の横断面図(図1におけるa−a断面図)であり、図2(b)は、流動層反応炉1における被処理物の供給手段30等を示す部分的側面図(図1におけるb−b矢視図)である。
【0029】
流動層反応炉1は、概ね円筒形状の炉本体10の外側ほぼ全周面を、やはり概ね円筒形状のベッセル20によって同心状に覆った二重構造のものである。炉本体10の外周面とベッセル20の内周面との間には、合計断面積が炉本体10の開口断面積にほぼ等しくなる程度の環状の空間21を確保している。
【0030】
炉本体10は、内部に流動層11を形成する反応容器である。周囲の壁を金属板(ステンレス鋼板など)10aによって形成したもので、耐火物層は設けていない(耐火物層を設けてもよいが、設ける場合にはその層を薄くして金属板10aの内側に施工する)。底部には、多数の通孔が形成された分散板13を設け、上部には、横断面積を次第に小さくした縮径部14aを介してガス流出口15を接続するとともに、被処理物の供給手段30を配置している。細かく破砕した上記のバイオマスを供給手段30より分散板13上に投入する一方、流動化ガスであってバイオマスと反応させる酸素含有のガス(250〜300℃の空気など)を、分散板13の通孔を通して上方へ送る。そのガスの流量を適当に設定することにより、投入されたバイオマスは分散板13上で流動化して流動層11を形成する。バイオマスは、流動層11において流動化ガスと活発に接触し、500〜700℃の反応温度でいわゆる部分燃焼をし、一酸化炭素や水素、炭化水素等の可燃性ガスを発生する。その発生ガスが、流動層11の上のフリーボード部14と縮径部14aを経由してガス流出口15より炉外へ出る一方、ガス化が十分進んでいないバイオマスおよび珪砂等の流動補助材は、回収管16から下向きに取り出される。回収管16にはロータリーバルブ等の切出し手段16aを接続しているので、炉本体10内の圧力を保持しながらバイオマスの取り出しが行える。切出し手段16aより上方の回収管16内には、珪砂等の流動補助材やガス化が十分進んでいないバイオマスが充填されており、気密が確保できる。
【0031】
流動層11の部分における炉本体10の直径(内径)は200〜1000mmとしており、この流動層反応炉1による1基・1日あたりの木質系バイオマスの最大処理量は0.2〜1.0トンである。炉体をコンパクトにしながら内部のガス化反応を活発化できるように、炉本体10の内部圧力は約2kgf/cm2(約0.2MPa)〜約5kgf/cm2(約0.5MPa)(好ましくは約3kgf/cm2(約0.3MPa)。いずれもゲージ圧)と高めにする。なお、図1の符号28は、ベッセル20内への導入部分と炉本体10からの流出部分との間の圧力差(つまり流動層11の層差圧と分散板13の差圧との総和)を測定する差圧計である。また、図1および図2(a)における符号17は、流動層温度を測定する温度計である。
【0032】
一方、図1のとおり炉本体10とともに流動層反応炉1を構成するベッセル20は、内周に空間21を取れるよう炉本体10よりも一回り大きく形成した中空容器である。やはり金属板(ステンレス鋼など)20aによって周囲の壁を構成し、耐火物層を設けない(外周面を軽量の保温材層20bで覆うのもよい)。上部には、流動化ガスの導入管25を接続し、それより導入されたガスが空間21を均一に流れて下部へ至るよう、らせん状の整流板26を内周部に取り付けている。
【0033】
炉本体10とベッセル20とは、双方の上部で固定し合い、下部では、上下方向の相対変位が自在となるように連結している。すなわち、まず上部では、炉本体10に設けたフランジ18とベッセル20に設けたフランジ24とを、ボルトナット等によりパッキンを介して密に接合する。ベッセル20は地上に固定しているので、上記の接合により、炉本体10が上部においてベッセル20に吊り下げられた状態になる。こうした状態の炉本体10の下部は、ベッセル20の内部に設けた振れ止め板23に周囲を接触させている(図2(a)参照)。炉本体10の下部は、こうして振れ止め板23に接触することにより、側方への振れを防止されながら上下方向への変位が自在となる。内部が温度上昇することにより、炉本体10とベッセル20との間には熱膨張量に差が生じるのが一般的だが、両者間を上記のとおり接続したことにより、熱膨張差に起因する不適当な応力等の発生を防止できる。
【0034】
炉本体10の底部をベッセル20の底部から上方に浮かせることにより、炉本体10が有する分散板13の下に、図1のようにベッセル20の周壁に囲まれた風箱22を形成している。このため、前記のようにベッセル20の上部から導入され空間21を流下する流動化ガスは、振れ止め板23に沿って風箱22に達したうえ、分散板13の通孔を通って上向きに流動層11に至る。流動化ガスをこのように流すことにより、炉本体10の壁を金属板10aのみ(または薄い耐火物層を有するもの)によって形成したにもかかわらず、高温の流動層11が有する熱量の外部放散を効果的に防止できる。
【0035】
未反応のバイオマスを流動層11内に供給するための供給手段30は、モータ30aにて駆動されるスクリューコンベヤ31と、投入管32およびBM(初期流動補助材)投入管33とを組み合わせたものである。すなわち、図2(b)にも示すように、投入管32の上端にスクリューコンベヤ31の排出口を接続し、投入管32の中ほど(流出口15より外側の部分)にBMの投入管33を合流させている。スクリューコンベヤ31は、内部にバイオマス等が充填されたとき、炉本体10内の圧力を保持しながらもその炉本体10内へバイオマスを供給できる。なお、BMとは、流動層反応炉1の運転開始時に、円滑な流動層11を形成するためバイオマスの投入に先立って投入されるケイ砂等の流動補助材である。
【0036】
供給手段30は流動層反応炉1の真上の部分に設置し、投入管32は、図1のようにガス流出口15の管壁を経由させる形で取り付けている。流出口15の一部であって炉本体10から外へ出た部分の管壁を貫通させたことから、投入管32は、ベッセル20の壁を含まない1枚の壁のみを貫いており、したがって炉本体10・ベッセル20間で熱膨張量に差が生じてもそれによる応力・変位を受けない。
【0037】
投入管32は長めに形成し、最下部の開口32aは、ガス流出口15および炉本体10の縮径部14aよりも下の位置、すなわち流動層11の直上であるフリーボード部14内に設けている。縮径部14aおよび流出口15に比べてフリーボード部14は開口断面積が大きいため、ここでのガス流速は未反応バイオマスを吹き飛ばさない程度の低速度である。したがって、こうした投入管32を通して、流動層11内へのバイオマスの投入は円滑に行える。
【0038】
図1および図2に示した流動層反応炉1には、図3のように燃焼用流体供給手段40を付設することがある。同供給手段30は、流動層11またはその上のフリーボード部14内に酸素含有ガスを吹き込むためのものである。フリーボード部14等には高温度の可燃性ガスが存在するため、酸素含有ガスを吹き入れるだけでその可燃性ガスの一部が燃焼し、フリーボード部14等の温度上昇がはかれる。図示の例では、酸素含有ガスとして、流動化ガスと同一のガスを分岐させて吹き入れている。
【0039】
燃焼用流体供給手段40の構成はつぎのとおりである。まず、流動化ガスの導入管25から下向きに分岐管41を延ばし、その側壁の複数箇所に、連結管42を介して燃焼用流体の供給管43を接続する。燃焼用流体の供給管43は、ベッセル20と炉本体10の各側壁を貫通してフリーボード部14内等に達するものだが、ベッセル20と炉本体10との間に熱膨張変位が生じ得ることから、当該供給管43とベッセル20との間には図示のように伸縮継手44を設ける。つまり、供給管43と炉本体10との間を溶接によって固着する一方、供給管43とベッセル20との間は、ベッセル20に大きめの貫通孔を設けてその内部での供給管43の変位を自在にするとともに、ベッセル20と供給管43との間を蛇腹状の伸縮継手44によって密封するのである。このようにすれば、炉本体10およびベッセル20から外部へガスの漏れることがないうえ、炉本体10・ベッセル20間に熱膨張差が生じても機械応力上の不都合が生じない。
【0040】
上記のように燃焼用流体供給手段40を設けるとともに適切な制御手段を用いて炉本体10内の温度コントロールをする場合、バイオマスのガス化に関連してつぎのような利点がある。すなわち、第一には、流動層11とフリーボード部14とのそれぞれにおいて温度を500〜700℃(好ましくは600〜650℃)に制御できるため、バイオマスを活発にガス化しながらも、発生ガス中のタールの含有量を減らすことができる。発生ガスについてフリーボード部14での温度降下を防ぐことにより、同ガス中のタールの分解を促進できるからである。第二に、流動層11やフリーボード部14等の温度を高くしすぎないようコントロールできるため、発生ガスに含まれるダスト等の集塵を、一般仕様の(つまり特別な高温仕様でない)集塵器によって容易に行うことができる。
【0041】
つづく図4は、発明の実施についての他の形態を示すもので、流動層反応炉2に関する縦断面図である。
この流動層反応炉2も、ほぼ円筒形状の炉本体50の外側ほぼ全周面を、円筒形状のベッセル60によって同心状に覆った二重構造のものである。炉本体50の外周面とベッセル60の内周面との間には環状の空間61を設けている。内部に200℃以上の流動層51を形成し、そこで固体(粒状の被処理物)と流体(流動化ガス)とを活発に接触させるので、図1等に示した流動層反応炉1と同様の用途、または他の各種反応のために使用することができる。
【0042】
炉本体50の周壁は、ステンレス鋼板等の金属板50aとその内面に付けたセラミックコーティング層50bとによって形成している。セラミックコーティング層50bは、流動するバイオマス等に接触することによる早期摩耗や、内部の発生ガスによる高温腐食を防止するために施工したもので、たとえば溶射によってアルミナやジルコニアをコーティングする。炉本体50にはそのほか、図1の例と同様に、分散板53や回収管56を設けている。一方、炉本体50の外に組み付けたベッセル60は、ステンレス鋼板等の金属板60aにより周壁を形成したうえ外周をロックウール等の保温材層60bにより覆っている。図1のものと同じく、ベッセル60には、上部に流動化ガスの導入管65を設け、同ガスが炉本体50との間の空間61を下向きに流れるようにしている。
【0043】
炉本体50とベッセル60との結合は、図1の例と同じく、上部において炉本体50のフランジ58とベッセル60のフランジ64とを密着させて固定的に接合することにより行っている。そして底部では、ベッセル60を地上に固定設置する一方、炉本体50は、上記のとおり上部を支えた状態で底部をベッセル60から浮かせ、分散板53の下に風箱62を形成したうえ、ベッセル60の底部内周部分に配置した振れ止め板63にて水平方向への変位のみを拘束している。このように炉本体50とベッセル60とを図1の流動層反応炉1と同様に組み付けたことから、この流動層反応炉2においても、a)炉本体50・ベッセル60間の熱膨張差に起因する不適当な応力発生が防止され、b)流動化ガスが、ベッセル60の上部から空間61を通って風箱62に達したうえ流動層51に入るという、熱損失の少ない経路をたどる----といった利点がある。
【0044】
炉本体50は、分散板53を設けた最低部分から、ベッセル60との結合をなすフランジ58までの部分(またはそれより上までの部分)を、水平断面の形と寸法に変化のない直円筒形状に形成している。そしてガス流出口55は、そのような直円筒形状の炉本体50の上端部から、直角に屈曲させてほぼ水平に延伸させている。炉本体50に比べて、ガス流出口55の開口断面(流れ方向と直角な断面)の面積は半分程度以下に小さくしている。炉本体50について最低部分からフランジ58までの部分に断面の変化がないことから、炉本体50とベッセル60との組み立てが簡単であるという利点もある。円筒状に形成したベッセル60に対し、やはり円筒状にした炉本体50を上方から挿入したうえ、フランジ58・64間をボルトナット等で接合すればよいからである。
【0045】
炉本体50の流動層51への被処理物の投入管32は、図示のようにガス流出口55の上方壁を貫通させ、同流出口55の一部と炉本体50の最上部とを経由させたうえ、下端の開口32aを流動層51の直上部分に設けている。当該部分は流動層51と同等の開口を有していてガス流出口55よりも開口断面積が大きいので、開口32aから投入される粒状の被処理物が直ちに炉外に排出される恐れがない。また、投入管32は流出口55の管壁のみを貫通させているため、流動層反応炉2における各部熱膨張量の差異に起因して力学的な不都合が生じることを容易に防止できる。
なお、図4の流動層反応炉2に対しても図3のような燃焼用流体供給手段40を付設することができ、それにより前述のような利点がもたらされ得ることは、言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載した流動層反応炉によれば、内外間の断熱性が高く放熱損失が小さいことに加え、熱容量を小さくすることができる。そのため、頻繁なON・OFFを繰り返す際にも、好ましい熱効率を保つことができる。
【0047】
また、請求項2に記載の流動層反応炉によれば、放熱損失を一層に低減することができる。
【0048】
請求項3に記載した流動層反応炉によれば、炉本体とベッセルとの間で熱膨張量に差が生じても、両者に不適当な応力や変形の生じる恐れがない。炉本体とベッセルとの間に伸縮継手を使用する必要がないので、炉内のガスを漏出させないための構成が簡単になる。
【0049】
請求項4に記載した流動層反応炉においては、上記した各流動層反応炉の構成上の特徴が一層の利点をもたらす。
【0050】
請求項5に記載の流動層反応炉は、小規模であって連続運転される場合の少ないものであるため、やはり請求項1等の流動層反応炉の特徴がとくに有利に作用し、頻繁なON・OFFを繰り返すうえで効果的である。
【0051】
請求項6に記載の流動層反応炉によれば、外部から炉本体の内部にかけての投入管の配置を簡単化できるとともに、ガスによって吹き飛ばされないようスムーズに被処理物を流動層内に投入することができる。
【0052】
請求項7に記載の流動層反応炉なら、低コスト・低熱容量・高断熱性といった点についてとくに好ましい。人が接近しまたは接触することのある流動層反応炉とするうえでも有利である。
【0053】
請求項8に記載の流動層反応炉なら、温度コントロールをとくに適切に行って反応炉内に望ましい反応を生じさせることができ、しかも、炉本体およびベッセルに対して不適当な応力を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施に関する一形態を示すもので、流動層反応炉1を示す縦断面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示した流動層反応炉1の横断面図(図1におけるa−a断面図)であり、図2(b)は、同じ流動層反応炉1における被処理物の供給手段30等を示す部分的側面図(図1におけるb−b矢視図)である。
【図3】図1および図2に示した流動層反応炉1に付設できる燃焼用流体供給手段40を示す縦断面図である。
【図4】発明の実施に関する他の形態として流動層反応炉2を示す縦断面図である。
【図5】従来の一般的な流動層反応炉を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・2 流動層反応炉
10・50 炉本体
11・51 流動層
15・55 ガス流出口
20・60 ベッセル
21・61 空間
25・65 導入管
30 被処理物の供給手段
32 投入管
40 燃焼用流体供給手段
43 供給管
44 伸縮継手
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、粉粒状の固体(被処理物)を流動化ガスにて流動させることを通じて各種の反応(加熱・冷却・乾燥・分級・輸送等を含む)を起こさせる流動層反応炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高温度の流動層を内部に形成する流動層反応炉について、従来の一般的な構造を図5に示す。炉体70は概ね円筒形などに形成され、鉄板等の金属板(鉄皮)70aの内側に耐火物(または断熱材)70bが施工されている。耐火物70bの内側に流動層71のための空間があり、その下に分散板(多数の通孔を有する板)73が設けられている。炉体70に接続した供給手段78を用いて分散板73の上に被処理物を投入するとともに、最下部にある風箱72より流動化ガスを導入して分散板73から上向きに流すことにより、分散板73上で当該被処理物(あるいは珪砂等の流動補助材との混合物)の流動層71を形成する。こうした流動層71において、被処理物と流動化ガスとが活発に接触することにより所定の反応を起こし、その後のガスが流出口75より出る一方、被処理物が回収管76から取り出される。
【0003】
使用温度(流動層温度)の高い流動層反応炉において、上記のように耐火物や断熱材が炉壁に施工される主な理由は、内部の熱量が外部に伝わることによる放熱損失を低減することにある。放熱損失が大きいと熱効率が悪く、エネルギーの無駄が生じてしまう。
【0004】
なお、下記の特許文献1にも、耐火物もしくは熱容量の大きい蓄熱材を炉壁に設ける流動層反応炉が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−212574号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図5や上記特許文献1に記載のように耐火物や断熱材を炉体に設けると、流動層反応炉の放熱損失が低減され、または、熱容量が大きいために反応温度を安定化させることができる。しかし、休止させた(温度低下した)反応炉を再度使用する際には、耐火物や断熱材を有するため熱容量が大きく、当該反応炉の運転前の準備時間が長くなる。つまり、反応が円滑化するに必要な温度にまで炉体を予熱・昇温するという、いわば立ち上げ作業のためにかなりの時間が必要である。
【0007】
連続的に運転される流動層反応炉に関しては、立ち上げに要する時間が長いこともほとんど不利にはならないが、小規模設備である等の理由でたとえばデイリースタート・デイリーストップが通常の運転態様である反応炉においては、立ち上げに長時間を要することは運転効率を著しく低下させ、熱効率の面でも大いに不利となる。
【0008】
請求項に係る発明は、熱容量が小さいために迅速に立ち上げることができ、しかも放熱損失が小さい、などの利点を有する好ましい流動層反応炉を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した流動層反応炉は、内部に常温(外気の温度)以上の流動層を形成するための炉本体を、外周部に空間を設けた状態で別のベッセルの内部に収容したことを特徴とする。
【0010】
この流動層反応炉は、炉本体とベッセルとの間に伝熱性の低い空気層をはさんだ二重構造であることから、内外間の断熱性が高く、したがって流動層温度を常温以上にするにもかかわらず放熱損失が小さめに抑えられる。
上記のように断熱性が高く放熱損失が小さいことから、この流動層反応炉では炉本体またはベッセルの壁に耐火物や断熱材を厚く施工する必要がない。そのため、反応炉の熱容量を小さくすることができ、予熱・昇温といった立ち上げのための時間を短くすることが可能である。立ち上げに要する時間が短くなれば、デイリースタート・デイリーストップなどのような頻繁なON・OFFを繰り返す際にも、効率上の不利が小さくなる。
なお、流動層反応炉において放熱損失が重要な課題になるのは内部の流動層温度が200℃以上になる場合であり、またその温度が1300℃を超えると厚い耐火物や断熱材が不可欠になるため、この請求項の流動層反応炉は、流動層温度が200〜1300℃のものにおいて効果を発揮するものといえる。
【0011】
請求項2に記載の流動層反応炉はとくに、炉本体内に送る流動化ガスを、ベッセル内に上部から導入し、炉本体の外周とベッセルとの間の上記空間に流したうえ炉本体の下部に至らしめることを特徴とする。炉本体の下部に達したのち、同ガスは、分散板等を通って炉本体内に上向きに送られ、粒状物を流動化させる。
【0012】
こうした流動層反応炉においては、放熱損失を一層に低減することができる。炉本体の壁を通して流動層内の熱量が外部に移動しても、その熱量が、上記のように炉本体の外周とベッセルとの間の空間に流れる流動化ガスに回収され、同ガスとともに再び炉本体内に供給されるからである。
【0013】
請求項3に記載の流動層反応炉はとくに、炉本体の上部をベッセルに固定し、炉本体の下部は、上下方向への変位が可能な状態でベッセル内に設けたことを特徴とする。なお、炉本体の下部は、上記のように上下方向には変位可能にしながらも、水平方向へは変位しないように支えるのが、振れを防止する等の点で好ましい。
【0014】
炉本体とベッセルとの二重構造にする流動層反応炉においては、流動層を常温以上にする場合、炉本体とベッセルとの間で熱膨張量に差異が生じがちである。流動層反応炉は一般に上下に長いことから、両者の熱膨張量は上下方向に関して最も差異が大きくなる。
しかし、この請求項の流動層反応炉は、炉本体の上部をベッセルに固定する一方、炉本体の下部は上下変位が可能な状態にするので、上記のように熱膨張量に差異が生じても、両者に不適当な応力や変形が生じがたい。
【0015】
とくに、炉本体の下部をベッセルに固定する(そして炉本体の上部をベッセルに対して変位可能にする)のではなく、上部において炉本体をベッセルに固定することから、この流動層反応炉では内部のガスを漏出させないように構成することが容易である。それは以下のように説明できる。前記したように流動化ガスをベッセル内に上部から導入し、炉本体の外周とベッセルとの間の上記空間を流したうえで炉本体の下部に至らしめるようにする場合(たとえば図1のように構成した場合)、
イ) もし上部において炉本体をベッセルに対して変位可能にするならば、ガスの漏出を防ぐためには両者間に伸縮継手が必要になる。しかも、上部ではベッセル内と炉本体内との圧力差が大きいため、当該伸縮継手に相当な耐圧性が必要である。
ロ) それに対し、上部において炉本体をベッセルに固定するとともに下部をベッセル内で変位可能にすれば、圧力差の大きい上部において伸縮継手を使用する必要がない(炉本体とベッセルとを溶接したり、パッキンを用いて両者を結合したりすればよい)。また下部では、ベッセルと炉本体との間を通るガスは、ベッセルの壁が健全である限り外部には漏出せず、予定されたとおり炉本体内(流動層内)に送られるので、継手など特別な密封手段は不要である。
【0016】
請求項4に記載した流動層反応炉は、とくに、炉本体の内部において流動化ガスを常圧(大気圧)より高くすることを特徴とする。
【0017】
このように流動化ガスの圧力を高くして運転する流動層反応炉においては、前記した各発明の特徴が一層の利点をもたらす。たとえば、
・ 炉本体とベッセルとの二重構造にすることは、流動化ガスが高圧である流動層反応炉を構成容易にするうえでとくに有利である。上記した二重構造をとれば、内側の炉本体に関しては内外間の圧力差を小さくすることができるために耐圧強度を緩和でき、外側のベッセルに関しては、接触するガスの温度が流動層温度よりもかなり低いために耐熱強度を緩和できるからである。つまり、流動層反応炉を一重の壁にて構成する場合と異なり、特定の壁に対して耐熱性と耐圧性とがともに厳しく要求されることがない。したがって、各壁を軽量かつ低コストに構成して流動層反応炉の低価格化を実現できる。
・ また、炉本体の上部をベッセルに固定して両者間に伸縮継手を不要にすることも、流動化ガスが高圧である流動層反応炉においてとくに利点をもたらす。流動化ガスが高圧である場合、もし炉本体とベッセルとの間に伸縮継手が必要だとすれば、その継手には相当に高い設備コストが必要だからである。口径が200mmを超える程度の伸縮継手においては、内部圧力がゲージ圧で0.3kgf/cm2(約0.03MPa)以上になるとコストが急増するので、当該構成の利点は、流動化ガスの圧力がその程度以上になる場合にとくに顕著である。
【0018】
なお、流動化ガスの圧力を高くして運転すると、流動層反応炉をコンパクトにしながらも流動層における反応を活発化できるという利点がある。
【0019】
請求項5に記載の流動層反応炉は、とくに、バイオマスをガス化させるために使用するものであることを特徴とする。
【0020】
バイオマスをガス化させるための流動層反応炉は、被処理物であるバイオマス(とくに木材等の木質系バイオマス)について集荷が容易でないこと等の理由から、容量が小さく(たとえば1基・1日あたりの最大処理量が0.2〜1.0トン)各地域に分散設置される小規模・分散型の設備にならざるを得ない。また、同じくバイオマスの集荷の観点から人口の疎らな地域に設置されることが多いため、その運転も、日中のみに限ったデイリースタート・デイリーストップの態様であることがほとんどである。
このように小規模であって連続運転される場合の少ないバイオマスのガス化用流動層反応炉においては、上記のように炉本体とベッセルとの二重構造にすることがとくに有意義である。そのような構造は、耐火物や断熱材を厚く施工しなくとも断熱性を高くできるので、反応炉の熱容量を小さくし、もって予熱等の立ち上げに要する時間を短縮できるからである。短い立ち上げ時間で十分に予熱ができるなら、この流動層反応炉では、頻繁なON・OFFを繰り返す際にも消費する熱量が僅かである。
【0021】
請求項6に記載の流動層反応炉は、さらに、外部から流動層へ向けての被処理物の投入管を、炉本体からのガス流出口を経由させて流動層の直上部分に開口させたことを特徴とする。流動層の直上部分とはたとえば、流動層の真上にあって流動層と内径が同等の部分をいう。なお、投入管の上部(流動層反応炉の外にある基部)には、流動化ガス(および発生ガス)を外部に漏出させずに被処理物を投入できる、シール機能のある供給手段(ロータリバルブやスクリューコンベヤ等)を設けるのがよい。
【0022】
この流動層反応炉には、流動層へ向けての被処理物の投入管に関連してつぎのような作用的特徴がある。すなわち、
1) 外部から炉本体の内部にかけての投入管の配置を簡単化できる。この流動層反応炉は炉本体とベッセルとを含む二重構造であるため、双方の壁を貫く一般的な位置に投入管を設けた場合には、反応炉の運転時に不適当な変形等が生じる恐れがある。温度上昇にともなう熱膨張によって、炉本体とベッセルおよび投入管の間に相対変位が生じやすく、いずれかに熱応力が発生しがちだからである。しかしこの請求項の流動層反応炉では、投入管を、炉本体からのガス流出口を経由させて(つまり、炉本体とベッセルとからなる二重壁を貫通させずにガス流出管のみを貫通させて)設けるので、熱膨張による上記の相対変位が不適当な応力を生むことがない。したがって、そのような応力を緩和すべく投入管に変形容易な部分を設けたりする必要もない。
2) 被処理物をスムーズに流動層内に落下させることができる。投入管はガス流出口を経由させながらも、その開口(下端部の開口)を、当該流出口内にではなく流動層の直上部分に設けるからである。流動層を出たガス(流動化ガスおよび発生ガス)は、流動層部分よりも口径の小さいガス流出口を通るとき速度を増して流れるが、そのようなガス流出口より下の位置にある、流動層の直上部分に投入管の開口を設ける以上、投入管から落下させられる被処理物がガスとともに炉外に流出してしまう不都合を避けられるのである。
【0023】
請求項7に記載の流動層反応炉は、とくに、炉本体の壁を金属板により形成して、ベッセルの壁を金属板により形成して外周部に保温材を設けたことを特徴とする。炉本体およびベッセルの壁に使用する金属板としては、耐熱性および耐食性に富むものを使用する。たとえばステンレス鋼板、なかでもJISにいうSUS310等がその金属板として好ましい。ベッセルの壁の外周部に設ける保温材としては、軽量であって熱容量の小さい、たとえばロックウールやグラスウールのような保温材が好ましい。
【0024】
こうした流動層反応炉は、請求項1に記載した流動層反応炉を具体的に構成したものであって、コストが低いこと、断熱性が高い(したがって放熱損失が小さい)こと、および熱容量が小さい(したがって立ち上げ時間を短縮できる)ことに関してきわめて好ましいといえる。
この流動層反応炉が低コストであるうえに低熱容量であるのは、炉本体に耐火物をほとんど設ける必要がないからである。とくに耐火物を全く使用しない場合には設備コストおよび消耗品(耐火物)のコストが低く、しかも、軽量であって熱容量が小さい。前記のように炉本体とベッセルとの間に流動化ガスを流すこととして炉本体の内外間に作用する圧力差を小さくすれば、炉本体の壁とする金属板をとくに薄くすることが可能なので、低コスト化・低熱容量化に関してさらに有利である。
一方、この流動層反応炉が断熱性についてとくにすぐれるのは、ベッセルの外周部に保温材を設けるからである。ベッセルの外周部をたとえば全周的に保温材で覆うと、流動層反応炉から外部へ移動する熱量を少なくすることができる。ロックウール等の軽量・低熱容量の保温材を使用するなら、これを設けることによる重量と熱容量の増加はきわめて僅かである。またこのように保温材を使用すれば、外側表面が高温度になることが防止されるため、人が接近または接触し得る流動層反応炉とするうえで好ましい。
【0025】
請求項8に記載の流動層反応炉は、さらに、
・ 外部から流動層上部のフリーボード部に送る燃焼用流体の供給管を、
・ ベッセルおよび炉本体の壁を貫通させ、炉本体に対して密に(つまり隙間なく)固着するとともにベッセルの壁に対し伸縮継手を介して変位可能に密に接続することにより取り付けた
ことを特徴とする。
フリーボード部に送る上記の燃焼用流体とは、オイル等の燃料、または酸素含有ガスをいう。フリーボード部に可燃性の高温ガスが充満している場合には、酸素含有ガスを吹き入れるだけで当該可燃性ガスが燃焼するので、燃料とともに酸素含有ガスも「燃焼用流体」であるといえる。
【0026】
こうした流動層反応炉では、上記の燃焼用流体が起こす燃焼によって流動層上部(フリーボード部)を加熱できるため、内部の温度をとくに適切にコントロールして、反応炉内に望ましい反応を生じさせることが可能である。たとえばフリーボード部に温度検出用センサーを設け、当該センサーの信号に基づいて自動開度調整されるバルブを燃焼用流体の供給管に設けておけば、フリーボード部の温度コントロールは一層適切に行える。
【0027】
また、上記した燃焼用流体の供給管は、燃焼用流体をフリーボード部以外の箇所に漏出させず、しかも、炉本体およびベッセルに対して不適当な応力を発生させることがない。常温以上の温度で使用する場合、炉本体とベッセルとの間には熱膨張量の差が発生するため、双方の壁を貫通させて供給管を配置すると炉本体やベッセル等に無理な応力や変形が生じる可能性がある。しかしながら、この請求項の流動層反応炉では、供給管を、炉本体に対して密に固着するとともにベッセルの壁に対し伸縮継手を介して変位可能に密に接続するので、燃焼用流体の漏出を防止しながらも応力または変形に関する不都合を回避できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての一形態を図1および図2に示す。図1は、間伐材や木屑などのバイオマスをガス化するための流動層反応炉1を示す縦断面図である。また図2(a)は、流動層反応炉1の横断面図(図1におけるa−a断面図)であり、図2(b)は、流動層反応炉1における被処理物の供給手段30等を示す部分的側面図(図1におけるb−b矢視図)である。
【0029】
流動層反応炉1は、概ね円筒形状の炉本体10の外側ほぼ全周面を、やはり概ね円筒形状のベッセル20によって同心状に覆った二重構造のものである。炉本体10の外周面とベッセル20の内周面との間には、合計断面積が炉本体10の開口断面積にほぼ等しくなる程度の環状の空間21を確保している。
【0030】
炉本体10は、内部に流動層11を形成する反応容器である。周囲の壁を金属板(ステンレス鋼板など)10aによって形成したもので、耐火物層は設けていない(耐火物層を設けてもよいが、設ける場合にはその層を薄くして金属板10aの内側に施工する)。底部には、多数の通孔が形成された分散板13を設け、上部には、横断面積を次第に小さくした縮径部14aを介してガス流出口15を接続するとともに、被処理物の供給手段30を配置している。細かく破砕した上記のバイオマスを供給手段30より分散板13上に投入する一方、流動化ガスであってバイオマスと反応させる酸素含有のガス(250〜300℃の空気など)を、分散板13の通孔を通して上方へ送る。そのガスの流量を適当に設定することにより、投入されたバイオマスは分散板13上で流動化して流動層11を形成する。バイオマスは、流動層11において流動化ガスと活発に接触し、500〜700℃の反応温度でいわゆる部分燃焼をし、一酸化炭素や水素、炭化水素等の可燃性ガスを発生する。その発生ガスが、流動層11の上のフリーボード部14と縮径部14aを経由してガス流出口15より炉外へ出る一方、ガス化が十分進んでいないバイオマスおよび珪砂等の流動補助材は、回収管16から下向きに取り出される。回収管16にはロータリーバルブ等の切出し手段16aを接続しているので、炉本体10内の圧力を保持しながらバイオマスの取り出しが行える。切出し手段16aより上方の回収管16内には、珪砂等の流動補助材やガス化が十分進んでいないバイオマスが充填されており、気密が確保できる。
【0031】
流動層11の部分における炉本体10の直径(内径)は200〜1000mmとしており、この流動層反応炉1による1基・1日あたりの木質系バイオマスの最大処理量は0.2〜1.0トンである。炉体をコンパクトにしながら内部のガス化反応を活発化できるように、炉本体10の内部圧力は約2kgf/cm2(約0.2MPa)〜約5kgf/cm2(約0.5MPa)(好ましくは約3kgf/cm2(約0.3MPa)。いずれもゲージ圧)と高めにする。なお、図1の符号28は、ベッセル20内への導入部分と炉本体10からの流出部分との間の圧力差(つまり流動層11の層差圧と分散板13の差圧との総和)を測定する差圧計である。また、図1および図2(a)における符号17は、流動層温度を測定する温度計である。
【0032】
一方、図1のとおり炉本体10とともに流動層反応炉1を構成するベッセル20は、内周に空間21を取れるよう炉本体10よりも一回り大きく形成した中空容器である。やはり金属板(ステンレス鋼など)20aによって周囲の壁を構成し、耐火物層を設けない(外周面を軽量の保温材層20bで覆うのもよい)。上部には、流動化ガスの導入管25を接続し、それより導入されたガスが空間21を均一に流れて下部へ至るよう、らせん状の整流板26を内周部に取り付けている。
【0033】
炉本体10とベッセル20とは、双方の上部で固定し合い、下部では、上下方向の相対変位が自在となるように連結している。すなわち、まず上部では、炉本体10に設けたフランジ18とベッセル20に設けたフランジ24とを、ボルトナット等によりパッキンを介して密に接合する。ベッセル20は地上に固定しているので、上記の接合により、炉本体10が上部においてベッセル20に吊り下げられた状態になる。こうした状態の炉本体10の下部は、ベッセル20の内部に設けた振れ止め板23に周囲を接触させている(図2(a)参照)。炉本体10の下部は、こうして振れ止め板23に接触することにより、側方への振れを防止されながら上下方向への変位が自在となる。内部が温度上昇することにより、炉本体10とベッセル20との間には熱膨張量に差が生じるのが一般的だが、両者間を上記のとおり接続したことにより、熱膨張差に起因する不適当な応力等の発生を防止できる。
【0034】
炉本体10の底部をベッセル20の底部から上方に浮かせることにより、炉本体10が有する分散板13の下に、図1のようにベッセル20の周壁に囲まれた風箱22を形成している。このため、前記のようにベッセル20の上部から導入され空間21を流下する流動化ガスは、振れ止め板23に沿って風箱22に達したうえ、分散板13の通孔を通って上向きに流動層11に至る。流動化ガスをこのように流すことにより、炉本体10の壁を金属板10aのみ(または薄い耐火物層を有するもの)によって形成したにもかかわらず、高温の流動層11が有する熱量の外部放散を効果的に防止できる。
【0035】
未反応のバイオマスを流動層11内に供給するための供給手段30は、モータ30aにて駆動されるスクリューコンベヤ31と、投入管32およびBM(初期流動補助材)投入管33とを組み合わせたものである。すなわち、図2(b)にも示すように、投入管32の上端にスクリューコンベヤ31の排出口を接続し、投入管32の中ほど(流出口15より外側の部分)にBMの投入管33を合流させている。スクリューコンベヤ31は、内部にバイオマス等が充填されたとき、炉本体10内の圧力を保持しながらもその炉本体10内へバイオマスを供給できる。なお、BMとは、流動層反応炉1の運転開始時に、円滑な流動層11を形成するためバイオマスの投入に先立って投入されるケイ砂等の流動補助材である。
【0036】
供給手段30は流動層反応炉1の真上の部分に設置し、投入管32は、図1のようにガス流出口15の管壁を経由させる形で取り付けている。流出口15の一部であって炉本体10から外へ出た部分の管壁を貫通させたことから、投入管32は、ベッセル20の壁を含まない1枚の壁のみを貫いており、したがって炉本体10・ベッセル20間で熱膨張量に差が生じてもそれによる応力・変位を受けない。
【0037】
投入管32は長めに形成し、最下部の開口32aは、ガス流出口15および炉本体10の縮径部14aよりも下の位置、すなわち流動層11の直上であるフリーボード部14内に設けている。縮径部14aおよび流出口15に比べてフリーボード部14は開口断面積が大きいため、ここでのガス流速は未反応バイオマスを吹き飛ばさない程度の低速度である。したがって、こうした投入管32を通して、流動層11内へのバイオマスの投入は円滑に行える。
【0038】
図1および図2に示した流動層反応炉1には、図3のように燃焼用流体供給手段40を付設することがある。同供給手段30は、流動層11またはその上のフリーボード部14内に酸素含有ガスを吹き込むためのものである。フリーボード部14等には高温度の可燃性ガスが存在するため、酸素含有ガスを吹き入れるだけでその可燃性ガスの一部が燃焼し、フリーボード部14等の温度上昇がはかれる。図示の例では、酸素含有ガスとして、流動化ガスと同一のガスを分岐させて吹き入れている。
【0039】
燃焼用流体供給手段40の構成はつぎのとおりである。まず、流動化ガスの導入管25から下向きに分岐管41を延ばし、その側壁の複数箇所に、連結管42を介して燃焼用流体の供給管43を接続する。燃焼用流体の供給管43は、ベッセル20と炉本体10の各側壁を貫通してフリーボード部14内等に達するものだが、ベッセル20と炉本体10との間に熱膨張変位が生じ得ることから、当該供給管43とベッセル20との間には図示のように伸縮継手44を設ける。つまり、供給管43と炉本体10との間を溶接によって固着する一方、供給管43とベッセル20との間は、ベッセル20に大きめの貫通孔を設けてその内部での供給管43の変位を自在にするとともに、ベッセル20と供給管43との間を蛇腹状の伸縮継手44によって密封するのである。このようにすれば、炉本体10およびベッセル20から外部へガスの漏れることがないうえ、炉本体10・ベッセル20間に熱膨張差が生じても機械応力上の不都合が生じない。
【0040】
上記のように燃焼用流体供給手段40を設けるとともに適切な制御手段を用いて炉本体10内の温度コントロールをする場合、バイオマスのガス化に関連してつぎのような利点がある。すなわち、第一には、流動層11とフリーボード部14とのそれぞれにおいて温度を500〜700℃(好ましくは600〜650℃)に制御できるため、バイオマスを活発にガス化しながらも、発生ガス中のタールの含有量を減らすことができる。発生ガスについてフリーボード部14での温度降下を防ぐことにより、同ガス中のタールの分解を促進できるからである。第二に、流動層11やフリーボード部14等の温度を高くしすぎないようコントロールできるため、発生ガスに含まれるダスト等の集塵を、一般仕様の(つまり特別な高温仕様でない)集塵器によって容易に行うことができる。
【0041】
つづく図4は、発明の実施についての他の形態を示すもので、流動層反応炉2に関する縦断面図である。
この流動層反応炉2も、ほぼ円筒形状の炉本体50の外側ほぼ全周面を、円筒形状のベッセル60によって同心状に覆った二重構造のものである。炉本体50の外周面とベッセル60の内周面との間には環状の空間61を設けている。内部に200℃以上の流動層51を形成し、そこで固体(粒状の被処理物)と流体(流動化ガス)とを活発に接触させるので、図1等に示した流動層反応炉1と同様の用途、または他の各種反応のために使用することができる。
【0042】
炉本体50の周壁は、ステンレス鋼板等の金属板50aとその内面に付けたセラミックコーティング層50bとによって形成している。セラミックコーティング層50bは、流動するバイオマス等に接触することによる早期摩耗や、内部の発生ガスによる高温腐食を防止するために施工したもので、たとえば溶射によってアルミナやジルコニアをコーティングする。炉本体50にはそのほか、図1の例と同様に、分散板53や回収管56を設けている。一方、炉本体50の外に組み付けたベッセル60は、ステンレス鋼板等の金属板60aにより周壁を形成したうえ外周をロックウール等の保温材層60bにより覆っている。図1のものと同じく、ベッセル60には、上部に流動化ガスの導入管65を設け、同ガスが炉本体50との間の空間61を下向きに流れるようにしている。
【0043】
炉本体50とベッセル60との結合は、図1の例と同じく、上部において炉本体50のフランジ58とベッセル60のフランジ64とを密着させて固定的に接合することにより行っている。そして底部では、ベッセル60を地上に固定設置する一方、炉本体50は、上記のとおり上部を支えた状態で底部をベッセル60から浮かせ、分散板53の下に風箱62を形成したうえ、ベッセル60の底部内周部分に配置した振れ止め板63にて水平方向への変位のみを拘束している。このように炉本体50とベッセル60とを図1の流動層反応炉1と同様に組み付けたことから、この流動層反応炉2においても、a)炉本体50・ベッセル60間の熱膨張差に起因する不適当な応力発生が防止され、b)流動化ガスが、ベッセル60の上部から空間61を通って風箱62に達したうえ流動層51に入るという、熱損失の少ない経路をたどる----といった利点がある。
【0044】
炉本体50は、分散板53を設けた最低部分から、ベッセル60との結合をなすフランジ58までの部分(またはそれより上までの部分)を、水平断面の形と寸法に変化のない直円筒形状に形成している。そしてガス流出口55は、そのような直円筒形状の炉本体50の上端部から、直角に屈曲させてほぼ水平に延伸させている。炉本体50に比べて、ガス流出口55の開口断面(流れ方向と直角な断面)の面積は半分程度以下に小さくしている。炉本体50について最低部分からフランジ58までの部分に断面の変化がないことから、炉本体50とベッセル60との組み立てが簡単であるという利点もある。円筒状に形成したベッセル60に対し、やはり円筒状にした炉本体50を上方から挿入したうえ、フランジ58・64間をボルトナット等で接合すればよいからである。
【0045】
炉本体50の流動層51への被処理物の投入管32は、図示のようにガス流出口55の上方壁を貫通させ、同流出口55の一部と炉本体50の最上部とを経由させたうえ、下端の開口32aを流動層51の直上部分に設けている。当該部分は流動層51と同等の開口を有していてガス流出口55よりも開口断面積が大きいので、開口32aから投入される粒状の被処理物が直ちに炉外に排出される恐れがない。また、投入管32は流出口55の管壁のみを貫通させているため、流動層反応炉2における各部熱膨張量の差異に起因して力学的な不都合が生じることを容易に防止できる。
なお、図4の流動層反応炉2に対しても図3のような燃焼用流体供給手段40を付設することができ、それにより前述のような利点がもたらされ得ることは、言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載した流動層反応炉によれば、内外間の断熱性が高く放熱損失が小さいことに加え、熱容量を小さくすることができる。そのため、頻繁なON・OFFを繰り返す際にも、好ましい熱効率を保つことができる。
【0047】
また、請求項2に記載の流動層反応炉によれば、放熱損失を一層に低減することができる。
【0048】
請求項3に記載した流動層反応炉によれば、炉本体とベッセルとの間で熱膨張量に差が生じても、両者に不適当な応力や変形の生じる恐れがない。炉本体とベッセルとの間に伸縮継手を使用する必要がないので、炉内のガスを漏出させないための構成が簡単になる。
【0049】
請求項4に記載した流動層反応炉においては、上記した各流動層反応炉の構成上の特徴が一層の利点をもたらす。
【0050】
請求項5に記載の流動層反応炉は、小規模であって連続運転される場合の少ないものであるため、やはり請求項1等の流動層反応炉の特徴がとくに有利に作用し、頻繁なON・OFFを繰り返すうえで効果的である。
【0051】
請求項6に記載の流動層反応炉によれば、外部から炉本体の内部にかけての投入管の配置を簡単化できるとともに、ガスによって吹き飛ばされないようスムーズに被処理物を流動層内に投入することができる。
【0052】
請求項7に記載の流動層反応炉なら、低コスト・低熱容量・高断熱性といった点についてとくに好ましい。人が接近しまたは接触することのある流動層反応炉とするうえでも有利である。
【0053】
請求項8に記載の流動層反応炉なら、温度コントロールをとくに適切に行って反応炉内に望ましい反応を生じさせることができ、しかも、炉本体およびベッセルに対して不適当な応力を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施に関する一形態を示すもので、流動層反応炉1を示す縦断面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示した流動層反応炉1の横断面図(図1におけるa−a断面図)であり、図2(b)は、同じ流動層反応炉1における被処理物の供給手段30等を示す部分的側面図(図1におけるb−b矢視図)である。
【図3】図1および図2に示した流動層反応炉1に付設できる燃焼用流体供給手段40を示す縦断面図である。
【図4】発明の実施に関する他の形態として流動層反応炉2を示す縦断面図である。
【図5】従来の一般的な流動層反応炉を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・2 流動層反応炉
10・50 炉本体
11・51 流動層
15・55 ガス流出口
20・60 ベッセル
21・61 空間
25・65 導入管
30 被処理物の供給手段
32 投入管
40 燃焼用流体供給手段
43 供給管
44 伸縮継手
Claims (8)
- 内部に常温以上の流動層を形成するための炉本体が、外周部に空間を設けた状態で別のベッセルの内部に収容されていることを特徴とする流動層反応炉。
- 炉本体内に送る流動化ガスが、ベッセル内に上部から導入され、炉本体の外周とベッセルとの間の上記空間を流れたうえ炉本体の下部に至ることを特徴とする請求項1に記載の流動層反応炉。
- 炉本体の上部がベッセルに固定され、炉本体の下部は、上下方向への変位が可能な状態でベッセル内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の流動層反応炉。
- 炉本体の内部において流動化ガスが常圧より高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流動層反応炉。
- バイオマスをガス化させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流動層反応炉。
- 外部から流動層へ向けての被処理物の投入管が、炉本体からのガス流出口を経由して流動層の直上部分に開口していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流動層反応炉。
- 炉本体の壁が金属板により形成されていて、ベッセルの壁が金属板により形成されていて外周部に保温材を設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の流動層反応炉。
- ベッセルおよび炉本体の壁を貫き、炉本体に対して密に固着されるとともにベッセルの壁に対し伸縮継手を介して変位可能に密に接続されることにより、外部から流動層上部のフリーボード部に至る燃焼用流体の供給管が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の流動層反応炉。
Priority Applications (1)
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011149561A (ja) * | 2010-01-19 | 2011-08-04 | Tani Kikan Kogyo Kk | 加熱装置 |
| CN104896924A (zh) * | 2015-03-25 | 2015-09-09 | 池州市华兴天骑精密机械铸造有限公司 | 一种铸造熔炼装置 |
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-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365786A patent/JP2004198011A/ja active Pending
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